JP2008016717A - 多結晶シリコン膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザアニールによって形成される多結晶シリコン膜の結晶粒径の均一性を向上できる多結晶シリコン膜の製造方法を提供する。
【解決手段】酸素分圧が2Pa以下の雰囲気で波長390nm〜640nmのレーザ(例えばYAG2ωレーザ)を照射するレーザアニールにより、基板上に形成された膜厚60nm以上の非晶質シリコン膜を結晶化させて多結晶シリコン膜を形成する。この際には、レーザアニールによって形成される多結晶シリコン膜の結晶の平均粒径が0.28μm±0.03μmの範囲内となるレーザの照射エネルギー密度(例えば0.366〜0.378J/cm2の範囲Rg)を選定し、この選定した照射エネルギー密度でレーザアニールを行って非晶質シリコン膜から多結晶シリコン膜を製造する。これにより、結晶粒径の標準偏差相対値が小さい多結晶シリコン膜を形成でき、結晶粒径の均一性を向上できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、非晶質シリコン膜にレーザを照射して多結晶シリコン膜を得る方法に関するものである。
現在、液晶パネルや有機EL(electro luminescence)パネルの画素部では、ガラス製または合成石英製基板上の非晶質または多結晶のシリコン膜に形成された薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)によるスイッチングにより、画像を構成している。現在は主として外部に独立して設置しているが、この液晶パネルに、画素トランジスタを駆動するドライバ回路を同時に構成することができれば、液晶パネルや有機ELパネルの製造コストや信頼性等の面で飛躍的なメリットを得ることができる。現在は、TFTの能動層を構成するシリコン膜の結晶性が悪いために、キャリアの移動度に代表されるTFTの性能が低く、高速性および高機能性が要求される集積回路の作製は困難である。高移動度のキャリアを有するTFTを実現することを目的として、シリコン膜の結晶性を改善するために、レーザ照射による熱処理(レーザアニール)が一般に行なわれている。
シリコン膜の結晶性とTFTにおけるキャリア移動度との関係は以下のように説明される。非晶質シリコン膜をレーザアニールすることにより得られるシリコン膜は一般に多結晶体である。多結晶体の結晶粒界には結晶欠陥が局在しており、これがTFTの能動層のキャリア移動を阻害する。したがって、TFTにおけるキャリア移動度を高くするには、キャリアが能動層を移動中に結晶粒界を横切る回数を少なくし、かつ結晶欠陥密度を小さくすればよい。レーザアニールの目的は、結晶粒径が大きくかつ結晶粒界における結晶欠陥が少ない多結晶シリコン膜を形成することにある。
次に、従来のTFTの製造方法を説明する。まず、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相蒸着法)により、ガラス基板上にシリコン酸化膜を形成する。このシリコン酸化膜上に例えばプラズマCVDにより非晶質シリコン膜を堆積する。次いで、そのエキシマレーザ(XeCl(波長:308nm))またはNd:YAGレーザの第2高調波(波長:532nm。以下「YAG2ωレーザ」と称する。)を非晶質シリコン膜上に照射する。非晶質シリコン膜は該レーザが照射された部分が溶融し、その後温度が低下するに従って、溶融したシリコンが結晶化して多結晶シリコン膜が形成される。
その後、多結晶シリコン膜をパターニングし、パターニング後の多結晶シリコン膜上にシリコン酸化膜を形成し、さらにその上に例えばTa、CrおよびMo等の低電気抵抗の金属膜を形成する。そして当該金属膜をパターニングすることにより、ゲート電極を形成する。
次いで、ゲート電極あるいは当該ゲート電極のパターニングに用いたレジストをマスクにするイオンドーピングを行うことにより、多結晶シリコン膜にN型またはP型の不純物を導入して、ソース/ドレイン領域を自己整合的に形成する。すなわち、N型の不純物を導入した部分にはnチャネル型MOS(NMOS)トランジスタのTFTが形成され、P型不純物が導入された部分にはpチャネル型MOS(PMOS)トランジスタのTFTが形成される。
続いてシリコン酸化膜を堆積し、TFTのソース/ドレイン領域およびゲート電極上にコンタクトホールを形成する。そして金属膜(例えばAl、W、Mo等)を堆積し、それをパターニングすることにより、ソース/ドレイン、ゲートの配線を行う。さらにこのTFT上に絶縁膜、透明電極、液晶、偏光膜、カラーフィルタ等の膜を順次形成することによりTFT液晶表示パネル(TFTパネル)が完成する。
上記のエキシマレーザ(波長308nm)によるレーザアニールは、非晶質シリコン膜をレーザビームで走査(スキャン)することにより行われる(例えば特許文献1)。このときレーザビームは、走査方向(スキャン方向)に垂直方向な線状のスポット形状で、且つ、その照射エネルギー密度がトップフラット分布のプロファイルになるように成形されるのが一般的である。具体的には、例えば幅0.4mm、長さ250mmの線状スポットのレーザビームを、300Hzのパルスとして照射し、その線状スポットの幅方向に向かって重ね95%のスキャンピッチ(送りピッチ)で走査する(即ち、連続する2つのレーザビームのパルスが互いに95%重なるように走査する)。重ね95%の場合、線状のレーザビームの幅が0.4mmであればスキャンピッチは20μmとなる。
エキシマレーザアニールでは、レーザの照射エネルギー密度プロファイル(以下、単に「プロファイル」と称することもある)がトップフラット分布である上、波長308nmの光は非晶質シリコンおよび多結晶シリコン内で吸収されやすく浸透長が短い(7nm程度)ので、シリコン膜の表面のみが加熱されて膜厚方向での温度差ができやすい。そこで、シリコン膜全体が溶融せずにその底部に結晶核が残る程度の照射エネルギー密度でレーザを照射し、当該底部の結晶核から結晶を成長させることが行われる。仮にレーザの照射エネルギー密度が高く、シリコン膜全体が溶融して結晶核がなくなると、冷却の際に過冷却状態となり、自然に結晶核が形成される温度になると多数の結晶核ができて一気に固化するため、微結晶の集合体となってしまう。
さらに、308nmの光は多結晶シリコンと溶融シリコンとでその吸収率がほぼ同じであるため、レーザ照射により一旦大きな結晶が形成されたとしても、その後にレーザが重ねて照射された結果、閾値以上の照射エネルギーを受けてしまうと、上記のメカニズムにより微結晶化してしまう。従って、エキシマレーザアニールによる多結晶シリコンの形成手法は、レーザの照射エネルギー密度のマージンが狭いという問題がある。
通常、レーザの照射エネルギー密度を高くすればシリコンの結晶粒径を大きくすることができる。しかし、レーザの照射エネルギー密度のマージンが狭い場合には、照射エネルギー密度のばらつきによって上記閾値以上の照射エネルギーに達しやすく、上記のようにシリコンの微結晶化が生じる。つまりエキシマレーザアニールにおいては、照射エネルギー密度のばらつきによる微結晶化が発生しやすく、結晶粒径を余り大きくすることができない。
エキシマレーザとしては、XeClガスの放電ガスを放電させて放出される紫外線が利用される。しかしその放電ガスは反応性が高く寿命が短いため、ガス交換を頻繁に行う必要がある上、放電電極も腐食されるので、定期的な放電チャンバーの交換も必要である。さらに、紫外線により分解された付着物が光学系に生じ易く、外気に晒される石英窓の交換が必要である。このように、エキシマレーザアニール装置は、その維持・保守のために多大な労力、費用を要する。
YAG2ωレーザでは、パルス当たりのエネルギーがエキシマレーザの1桁下で小さいが、繰り返し周波数はエキシマレーザより1桁高い。そこで、半値幅40μm程度にビームを絞り込み、照射エネルギー密度をシリコンが溶融する閾値以上に高めると共に、レーザビームを3μm以下の狭いスキャンピッチで走査させることにより、結晶化を行う。YAG2ωレーザはビーム品質がよいことが、半値幅40μmまでビームを絞り込むことを可能にしている。
一方、YAG2ωレーザによるレーザアニールにおいては、YAG2ωレーザの波長は532nmであり、多結晶シリコンの浸透長は830nmと長く浸透性に優れている。従って、シリコン膜内での減衰が少なく、シリコン膜が一様に加熱されるので、その膜厚方向の温度差は生じにくい。このため、膜全体が深さ方向も完全に溶融し易い。従って、レーザ照射によりシリコンが完全に溶融した溶融部分とそうでない未溶融部分との境界部において、レーザ照射後の冷却の際に未溶融部分から溶融部分内に向かって結晶が横方向に成長し易い特徴がある。
さらに、波長532nmのYAG2ωレーザは、溶融シリコンと比較して多結晶シリコンでの吸収率が低いので、レーザ照射で溶融が早く開始する結晶粒界部と、遅く開始する結晶の内部とで吸熱率が異なる。従って、YAG2ωレーザアニールにおいては、一旦結晶化した多結晶シリコンにレーザが重ねて照射されても再溶融しにくく、照射エネルギー密度が多少ばらついたとしても、一旦形成された大きな結晶がその後に微結晶化しにくい。従って、YAG2ωレーザアニールによる多結晶シリコンの形成手法は、エキシマレーザアニールの場合よりもレーザの照射エネルギー密度のマージンが広いという利点がある。
また、YAG2ωレーザアニール装置における消耗部分は、波長1064nmのNd3+:YAGレーザを、波長532nmのYAG2ωレーザに変換するための波長変換結晶のみであり、また、光学部品への付着物の発生も起こりにくいため、その維持・保守はエキシマレーザアニール装置に比較すると遥かに容易である。
ところで、一般的にシリコン膜は、エキシマレーザあるいはYAGレーザが照射されると、その表面粗さが増加する。これは結晶粒界部に突起が発生するためであり、その突起は結晶粒径が大きいほど大きくなる。突起ができる原因としては、溶融シリコンの密度が固体シリコンの密度より大きいことが考えられる。すなわち、シリコンはレーザ照射により溶融する際に体積が減少し、その後に固化(結晶化)する際には体積が増加するので、溶融したシリコンが結晶核を起点として成長しながら結晶化すると、最後に固化する結晶粒界部に体積増加に起因して押し出された溶融シリコンが寄せ集められ、それが突起を形成する。
この突起によるシリコン膜の表面粗さの増加は、それに形成されたTFTの信頼性の低下を招く原因となる。TFTはシリコン膜上に絶縁膜を介して形成されたゲート電極を有する構造となるが、シリコン膜の表面に突起があると、ゲート電極に電圧を印加した際に当該突起部分に電界が集中し、その部分を起点として電流がリークしやすくなる。
そのため、多結晶シリコン膜の表面粗さを小さくするための試みがなされている。例えば、エキシマレーザアニ−ルによる多結晶シリコンの形成において、レーザ照射を酸素の存在下で行った場合には、形成される多結晶シリコンの表面粗さが大きくなるが、窒素中或いは真空中で照射すると表面粗さが小さくなることが報告されている(例えば非特許文献1)。
一方、YAG2ωレーザアニールによる多結晶シリコンの形成においては、通常、レーザ照射は大気中或いはN2雰囲気で行われ、レーザが照射される非晶質シリコン膜の厚さは通常は50nm程度、場合によっては50〜100nmである。またレーザビームのスポット形状は線状であり、その照射エネルギー密度の分布は、例えば線状スポットの幅方向(集光方向)には半値幅40μmのガウス分布、線状スポットの長さ方向にはトップフラット分布のプロファイルが用いられている(例えば非特許文献2)。
特開2002−217124号公報 菅勝行 他「エキシマレーザアニールpoly-Si膜におけるレーザ照射雰囲気と照射回数が表面モフォロジーに与える影響」,2002年8月,電子情報通信学会論文誌C,Vol,J85−C,No.8,pp.630−638 K. Tamagawa et. al,「Solid Laser Crystallization of a-Si Films Using a Newly Developed 200W Nd:YAG2w Pulse Laser Annealing System for Poly-Si TFT-FPDs」2003年,第10回ディスプレイ国際ワークショップ,IDW’03 Digest,p.585−588
しかしながら、上記のYAG2ωレーザアニールによって非晶質シリコン膜を結晶化し多結晶シリコン膜を製造する際には、レーザの照射エネルギー密度を増加させるとシリコン膜の結晶粒径が大きくなるものの、照射エネルギー密度を増加しすぎると結晶粒径のばらつきが大きくなってしまう。このように結晶粒径のばらつきが大きい多結晶シリコン膜を薄膜トランジスタで使用すると、薄膜トランジスタの品質が低下することとなる。
すなわち、多結晶シリコン膜を形成して薄膜トランジスタを製造する場合、薄膜トランジスタの特性が均一であることが望まれる。特に有機ELパネルの画素や駆動回路を構成する薄膜トランジスタでは、画素電流の僅かな差が有機ELの発光状態の差を発生させるため、薄膜トランジスタ特性のばらつきによる画像むらが生じやすい。ここで、薄膜トランジスタの特性のばらつきを低減させるには、薄膜トランジスタのチャネルの電流パスを横断する粒界の数のばらつきを小さくすること、つまり結晶粒径の均一性を高めることが有効である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、レーザアニールによって形成される多結晶シリコン膜の結晶粒径の均一性を向上できる多結晶シリコン膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の局面に係る多結晶シリコン膜の製造方法は、基板上に膜厚60nm以上の非晶質シリコン膜を形成する工程と、酸素分圧が2Pa以下の雰囲気で波長390nm〜640nmのレーザを照射するレーザアニールにより、前記非晶質シリコン膜を結晶化させて多結晶シリコン膜を形成する結晶化工程とを備え、前記結晶化工程は、前記レーザアニールによって形成される多結晶シリコン膜の結晶の平均粒径が0.28μm±0.03μmの範囲内となるレーザの照射エネルギー密度を選定する選定工程と、前記選定工程で選定したレーザの照射エネルギー密度で前記レーザアニールを行い、前記多結晶シリコン膜を製造する製造工程とを有するものである。
本発明の第2の局面に係る多結晶シリコン膜の製造方法は、基板上に膜厚60nm以上の非晶質シリコン膜を形成する工程と、酸素分圧が2Pa以下の雰囲気で波長390nm〜640nmのレーザを照射するレーザアニールにより、前記非晶質シリコン膜を結晶化させて多結晶シリコン膜を形成する結晶化工程と、前記レーザの照射エネルギー密度を変化させつつ前記レーザアニールを行うことで形成された多結晶シリコン膜の各表面に対して可視光を含んだ所定の光を照射し、当該各表面で散乱する散乱光の強度を測定する測定工程とを備え、前記測定工程で得られた測定結果に基づき前記照射エネルギー密度に対する前記散乱光の強度をグラフ化し、前記照射エネルギー密度の低い順に第1の極大値、第1の極小値、第2の極大値および第2の極小値からなる4の極値を特定するとともに、前記結晶化工程は、前記第2の極小値に対応する照射エネルギー密度を中心とした±10mJ/cm2の範囲から選定した照射エネルギー密度で前記レーザアニールを行い、前記多結晶シリコン膜を製造する製造工程を有するものである。
本発明に係る多結晶シリコン膜の製造方法によれば、酸素分圧が2Pa以下の雰囲気で波長390nm〜640nmのレーザを照射するレーザアニールによって形成される多結晶シリコン膜の結晶の平均粒径が0.28μm±0.03μmの範囲内となるレーザの照射エネルギー密度を選定し、この選定したレーザの照射エネルギー密度でレーザアニールを行って多結晶シリコン膜を製造する。その結果、レーザアニールによって形成される多結晶シリコン膜の結晶粒径の均一性を向上できる。
また、本発明に係る多結晶シリコン膜の製造方法によれば、酸素分圧が2Pa以下の雰囲気で波長390nm〜640nmのレーザを照射するレーザアニールを、レーザの照射エネルギー密度を変化させつつ行うことで形成された多結晶シリコン膜の各表面に対して可視光を含む所定の光を照射し、当該各表面で散乱する散乱光の強度を測定する。そして、この測定結果に基づき照射エネルギー密度に対する散乱光の強度をグラフ化し、照射エネルギー密度の低い順に第1の極大値、第1の極小値、第2の極大値および第2の極小値からなる4の極値を特定するとともに、第2の極小値に対応する照射エネルギー密度を中心とした±10mJ/cm2の範囲から選定した照射エネルギー密度でレーザアニールを行って多結晶シリコン膜を製造する。その結果、レーザアニールによって形成される多結晶シリコン膜の結晶粒径の均一性を向上できる。
<実施の形態1>
本発明の実施の形態1に係る多結晶シリコン膜の製造方法を説明する前に、この製造方法を実施するためのレーザアニール装置の構成をまず説明する。
図1は、レーザアニール装置1の要部構成を示す図である。
レーザアニール装置1は、例えば不要な水素を除去するための熱処理(脱水素アニール)が施された非晶質のシリコン膜20に対しレーザ照射を行って、多結晶シリコンを生成する。すなわち、レーザアニール装置1は、ガラス基板上(以下では、単に「基板」とも称する)に形成された非結晶シリコン膜をレーザ光のスキャン照射により結晶化するレーザ結晶化を行って、多結晶シリコン膜を製造する。
レーザアニール装置1は、レーザ発振器120と、照射部110と、可動ステージ131と、駆動モータ132と、制御部140とを備えている。
そして、非晶質シリコン膜20が上面に形成された基板10は、可動ステージ131上に載置される。レーザ発振器120はYAG2ωレーザを発振する。当該レーザは照射部110を介して、基板10上の非晶質シリコン膜20に照射される。照射部110は、ミラー111とビーム成形光学系112とにより構成される。ビーム成形光学系112はレーザ発振器120から射出されたレーザのスポット形状を線状に成形するものであり、ミラー111はビーム成形光学系112から射出されたレーザビーム101を反射し、可動ステージ131上の非晶質シリコン膜20に向けて照射するものである。
可動ステージ131は基板10を支持し、レーザビーム101に対して移動することが可能である。つまり可動ステージ131が移動することにより、非晶質シリコン膜20上においてレーザビーム101が走査されることになる。この可動ステージ131の移動は、駆動モータ132によって行われる。
制御部140は、駆動モータ132を制御して可動ステージ131をレーザの線状スポットの幅方向(走査方向Ds)に一定速度で移動させるとともに、レーザ発振器120を制御してレーザビーム101を発振させる。すなわち、レーザビーム101のプロファイル、レーザの1パルス当たりの照射エネルギー密度、走査方向およびスキャンピッチ等は、制御部140によって制御される。
以上の構成を有するレーザアニール装置1を利用し、多結晶シリコン膜を製造する方法について以下で説明する。
図2は、レーザの照射エネルギー密度と、レーザ照射により生成された多結晶シリコン膜の結晶の平均粒径等との関係を示すグラフである。このグラフは、レーザの照射エネルギー密度を変化させた実験によって得られた多結晶シリコン膜の結晶の平均粒径(μm)と、この平均粒径に対する標準偏差(μm)の比率を表す粒径標準偏差相対値とをプロットしたものである。
この実験では、レーザの走査方向Dsの照射エネルギー密度プロファイルをトップフラット分布(走査方向Dsのトップ幅20μm)とし、レーザビームのパルス間の送りピッチ(スキャンピッチ)を2μmとした条件で、例えばレーザビーム101の照射部分に窒素ガスを吹き付けることによって、その部分の雰囲気において酸素分圧を2Pa以下として波長532nmのYAG2ωレーザの照射が行われた。そして、シリコンの酸化膜および窒化膜からなる2層構造を下地膜とし、無アルカリガラス基板として構成された基板10上に形成された膜厚65nmの非晶質シリコン膜に対して、レーザ照射を行うことにより結晶化した粒子の粒径を計測している。
この粒径の計測においては、例えばHFおよびK2Cr2O7の混合液によって結晶粒界を溶解させる「Seccoエッチング」を多結晶シリコン膜に施して結晶粒界を顕在化させたものを走査電子顕微鏡(SEM)で観察し、このSEM観察で得られた画像に対する画像処理を行って粒径を求めている。ここでは、粒子の面積を与える円の直径(円相当径)を、その粒子の粒径とみなすとともに、5μm角〜10μm角の領域における上記の円相当径を求めて平均したものを平均粒径としている。
図2を見ると、平均粒径は照射エネルギー密度の増加に伴って大きくなっており、また標準偏差相対値は照射エネルギー密度0.38J/cm2を境に急増していることが分かる。ただし、照射エネルギー密度0.366〜0.378J/cm2の範囲Rgでは、照射エネルギー密度が異なっても平均粒径が略一定となる平坦な部分(以下では「プラトー領域」という)となっている。そして、このプラトー領域における多結晶シリコン膜の結晶は、図3に示すようにレーザのスキャン方向(走査方向)と垂直方向の粒界が、0.25μm±0.03μm(例えば0.266μm)で等ピッチとなっている。このような粒子の平均粒径を、上述した円相当径から求めると0.28μm±0.03μmとなる。
また、図2を見ると、粒径標準偏差相対値は照射エネルギー密度の増加に伴って大きくなる傾向であるものの、上記のプラトー領域、つまり照射エネルギー密度0.366〜0.378J/cm2の範囲Rgでは、粒径標準偏差相対値が小さくなっている。よって、このプラトー領域においては、多結晶シリコン膜の結晶粒径の均一性が向上していることが分かる。
次に、プラトー領域における多結晶シリコン膜の結晶粒子の形状について説明する。
図4は、レーザの照射エネルギー密度と、レーザ照射により生成された多結晶シリコン膜の結晶の平均最大弦長比との関係を示すグラフである。この平均最大弦長比とは、レーザのスキャン方向における粒子の最大幅(スキャン方向の最大弦長)と、レーザのスキャン方向と垂直な方向における粒子の最大幅(垂直方向の最大弦長)とに関して平均値をそれぞれ求めた後に、その垂直方向の平均値とスキャン方向の平均値との比率を算出したものであり、平均最大弦長比が1(100%)に近いほど結晶形状についての等方性が高いこととなる。
図4を見ると、平均最大弦長比は照射エネルギー密度が低い領域で100%より大きく、照射エネルギー密度が高い領域で100%より小さいことが分かる。そして、上記のプラトー領域に対応する照射エネルギー密度の範囲Rh(図2)を含む照射エネルギー密度0.366〜0.390J/cm2の範囲Rhでは、平均最大弦長比が100%±5%の範囲内の数値となっている。
薄膜トランジスタのチャネルは一般に縦方向および横方向に形成されるが、これら各方向による特性の違いは少ない方が好ましい。ここで、このような薄膜トランジスタ特性のばらつきを低減するには、シリコン結晶の粒子形状の等方性が高いほど、つまり上記の平均最大弦長比が100%に近いほど効果的となる。
すなわち、上述した平均最大弦長比が100%付近の照射エネルギー密度0.366〜0.390J/cm2の範囲Rhでは、シリコンの結晶が等方的となり、トランジスタの方向依存性が小さくなるため、薄膜トランジスタの品質が向上することとなる。
次に、プラトー領域における多結晶シリコン膜の表面の状態を説明する。
図5は、レーザの照射エネルギー密度を変化させた場合の各光学顕微鏡像を示す図である。ここで、図5(a)〜図5(f)については、それぞれ照射エネルギー密度を0.355J/cm2、0.378J/cm2、0.389J/cm2、0.401J/cm2、0.412J/cm2、0.435J/cm2に設定して得られた光学顕微鏡写真である。
レーザの照射エネルギー密度が0.378J/cm2の場合には、図5(b)に示すようにシリコン膜の表面において、レーザのスキャン方向と垂直な方向に延びる筋状の凹凸(以下では「縦筋」という)が視認可能に現われ始めるが、これより低い照射エネルギー密度0.355J/cm2の場合には、図5(a)に示すように縦筋が現われていない。なお、図示は省略しているが、レーザの照射エネルギー密度が0.355J/cm2と0.378J/cm2との中間値である0.366J/cm2の場合にも、図5(a)と同様に縦筋が現われないことを確認している。
縦筋はシリコン膜の表面が凹凸形状であるために視認されるものであり、縦筋の発生はシリコン膜の表面が粗いことを示している。よって、図5(c)〜図5(f)からは、縦筋が生じ始める0.378J/cm2から照射エネルギー密度が大きくなるほど、縦筋の密度が高くなって表面粗さも増加することが分かる。なお、図5(e)に示す照射エネルギー密度0.412J/cm2の場合には、照射エネルギー密度0.401J/cm2の場合(図5(d))および0.435J/cm2の場合(図5(f))に比べて、縦筋のコントラストが多少弱くなっている。この現象については後述の実施の形態4で説明する。
以上説明したように、プラトー領域に対応するレーザの照射エネルギー密度の範囲(約0.37〜0.38J/cm2)では、図2に示すように照射エネルギー密度に対する粒径(平均粒径)の変化が小さくなるとともに、粒径標準偏差相対値が小さくなって粒径のばらつきが抑えられ、結晶形状の等方性も向上するという特性を有している。さらに、図5に示す光学顕微鏡像のようにプラトー領域に対応する照射エネルギー密度の範囲では、シリコン膜の表面粗さが小さく縦筋の発生が認められないが、プラトー領域を超える照射エネルギー密度では、縦筋の発生が光学顕微鏡像で観察されるようになる。
このようなプラトー領域に対応する照射エネルギー密度の範囲では、上述のようにトップフラット分布のプロファイルを有するレーザを膜厚65nmのシリコン膜に照射する場合に限らず、シリコン膜の膜厚を60〜80nmで変化させたりビームのプロファイルをガウシアン分布に設定する場合であっても、結晶粒径のばらつきが抑えられるといった上記の特性を得られることが、実験で確認されている(図示等は省略)。すなわち、シリコン膜厚やビームプロファイルを変化させるとプラトー領域に関する照射エネルギー密度が増減するが、プラトー領域の照射エネルギー密度を選定すればビームの走査方向と垂直な方向に関するシリコン膜の結晶粒界が0.25μm±0.03μmの等ピッチになるとともに、結晶粒径(円相当径)が0.28μm±0.03μmとなって略一定になる。
以上のことから、酸素分圧が2Pa以下の雰囲気でレーザアニールを行うことにより多結晶シリコンを生成する際には、多結晶シリコン膜の結晶の平均粒径が0.28μm±0.03μmとなるプラトー領域の照射エネルギー密度(の範囲)を選定するとともに、この選定した照射エネルギー密度でレーザアニールを行って多結晶シリコン膜を製造するようにする。これにより、シリコン膜の結晶粒径の均一性を向上できるとともに結晶形状の等方性が高まるため、薄膜トランジスタの特性のばらつきが低減されて信頼性の向上を図れることとなる。また、酸素分圧が2Pa以下の雰囲気で膜厚60nm以上の非晶質シリコン膜に対してレーザ照射を行うことにより、シリコン膜の表面における突起が小さくなって、表面粗さを小さく保ちつつ、結晶粒径の大きな多結晶シリコン膜を生成できることとなるが、これについて図6を参照しつつ説明する。
図6は、膜厚70μmの非晶質シリコン膜にYAG2ωレーザアニールを行った場合における、レーザの照射エネルギー密度と、形成された多結晶シリコン膜の表面粗さとの関係を示すグラフである。なお、図6のグラフ中には、代表的なポイントに、上述した「Seccoエッチング」を施してSEMで測定した多結晶シリコン膜の結晶サイズも記入している。
図6のグラフにおいて、シリコン膜の結晶がサブミクロンサイズとなる照射エネルギー密度の範囲で比較すると、酸素分圧が2Pa以下(真空を含む)である場合と、それを超える場合とで、照射エネルギー密度と表面粗さとの関係が大きく異なっていることが分かる。
具体的には、酸素分圧が2Paを超える場合には、レーザの照射エネルギー密度を上げて多結晶シリコン膜の結晶粒径がサブミクロンオーダー以上(特に0.2μm以上)にすると、表面粗さが30nmを大きく超えている。これに対し、酸素分圧が2Pa以下である場合には、多結晶シリコン膜の結晶粒径が1μm程度になるような高い照射エネルギー密度であっても、表面粗さは30nm程度に抑えられている。つまり、レーザ照射雰囲気の酸素分圧を2Pa以下にすることによって、表面粗さを小さく保ちつつ、結晶粒径の大きな多結晶シリコン膜を作成することができることとなる。
一方、非晶質シリコンの膜厚50nm、60nm、100nmのサンプルについても、同様にレーザ照射雰囲気の酸素分圧を変化させて、作成した多結晶シリコン膜の表面粗さの測定および表面のSEM観察を行う実験を実施した。
その結果、膜厚60nm、100nmのサンプルでは、上記の膜厚70μmと同様に、酸素分圧2Pa以下での突起の縮小効果が確認されたものの、膜厚50nmのサンプルでは、酸素分圧を小さくすることによって表面粗さが減少する傾向は見られたが、表面の突起の大きさ自体は明確には縮小されなかった。
以上の実験結果から、60nm以上の膜厚の非晶質シリコン膜に対し、酸素分圧2Pa以下の雰囲気でYAG2ωレーザアニールを行うと、多結晶シリコン膜表面の突起を小さくして、表面粗さを小さくすることができることが分かる。
<実施の形態2>
本発明の実施の形態2に係る多結晶シリコン膜の製造方法については、図1に示すレーザアニール装置1を用いレーザアニールによって多結晶シリコン膜を形成する点で実施の形態1と類似しているが、上述したプラトー領域に係るレーザの照射エネルギー密度を選定する方法が異なっている。
このプラトー領域に係る照射エネルギー密度の選定方法について、以下で詳しく説明する。
<プラトー領域に係る照射エネルギー密度の選定方法について>
上述のようにレーザの照射エネルギー密度とシリコン膜の結晶粒径との関係は、レーザのビームプロファイルやシリコン膜厚によって変化する。そこで、実施の形態1では、Seccoエッチングによりシリコン膜の結晶粒を顕在化してからSEM観察を行うことで、結晶粒径が0.28μm±0.03μmとなるプラトー領域の照射エネルギー密度を選定していた。
これに対して、実施の形態2では、実施の形態1のようにSeccoエッチング(およびSEM観察)を行わずに、シリコン膜の表面を単に光学顕微鏡で観察することによって適切な照射エネルギー密度を選定するようにしている。
すなわち、図5に示すような光学顕微鏡像において縦筋が現われ始めるレーザの照射エネルギー密度、つまり図5(b)の照射エネルギー密度0.378J/cm2を求め、この照射エネルギー密度を基準としてプラトー領域に係る照射エネルギー密度を選定する。具体的には、縦筋が現れる照射エネルギー0.378J/cm2から、これより5%程度低い照射エネルギー密度までの範囲を、プラトー領域に係るレーザの照射エネルギー密度の範囲として選定する。このようにプラトー領域に係る照射エネルギー密度の下限値として、縦筋が現れる照射エネルギー密度の95%程度の値を採用するのは、図2に示すプラトー領域に係る照射エネルギー密度の範囲Rgの下限値が上限値の95%程度であることや、経験的に得られた知見によるものである。
以上のことから、レーザアニールによって形成される多結晶シリコン膜の表面でレーザの走査方向と垂直な方向に沿った筋状の凹凸が生じるレーザの照射エネルギー密度の下限値を特定し、この特定した下限値から当該下限値の95%までの範囲においてレーザの照射エネルギー密度を選定するようにすれば、光学顕微鏡観察だけでプラトー領域に係る適切な照射エネルギー密度の範囲を選定できるため、その選定が一層容易になる。そして、選定された照射エネルギー密度の範囲内でレーザ照射を行えば、実施の形態1のようにシリコン膜の結晶粒径の均一性を向上できるとともに結晶形状の等方性が高まるため、薄膜トランジスタの特性ばらつきが低減されて信頼性の向上を図れる。
なお、光学顕微鏡を用いたシリコン膜の表面の観察においては、縦筋が現れるか否かを目視で判断するのは必須でなく、光学顕微鏡を用いて得られた画像に対して画像処理を施し機械的に判断するようにしても良い。
<実施の形態3>
本発明の実施の形態3に係る多結晶シリコン膜の製造方法については、図1に示すレーザアニール装置1を用いレーザアニールによって多結晶シリコン膜を形成する点で実施の形態1と類似しているが、上述したプラトー領域に係るレーザの照射エネルギー密度を選定する方法が異なっている。
このプラトー領域に係る照射エネルギー密度の選定方法について、以下で詳しく説明する。
<プラトー領域に係る照射エネルギー密度の選定方法について>
実施の形態3に係るプラトー領域の照射エネルギー密度の選定においては、実施の形態1〜2のように走査電子顕微鏡(SEM)や光学顕微鏡を用いてシリコン膜の結晶状態を判断するのではなく、シリコン膜の表面に照射された光の散乱光強度を測定しシリコン膜の結晶状態について簡易で客観的な判断を行えるようにしている。この散乱光強度の測定について、以下で説明する。
図7は、シリコン膜の散乱光強度を測定する測定装置3の構成を示す概略図である。
測定装置3は、シリコン膜21に光を照射する光照射部30と、光照射部30から照射されシリコン膜21の表面で散乱(反射)した光を検知する光検知部33とを備えている。
光照射部30は、シリコン膜21の上方に配置された光源31と、光源31から発せられた光をコリメート(平行化)させるレンズ32とを有している。この光源31は、例えば白色光を射出する白色LEDとして簡易に構成されている。このような構成の光照射部30により、基板10上のシリコン膜21に対して、その垂直方向から数mm程度のスポット光の照射を行える。
光検知部33は、シリコン膜21で散乱した光を集光するレンズ34と、レンズ34で集光された光を検知するフォトダイオード35とを備えており、光照射部30から射出される光の光路に対して角度θだけ傾斜した方向からの光検知が行われる。このフォトダイオード35は、例えばシリコン(Si)フォトダイオードとして構成されており、シリコン膜21の表面で散乱した光の強度を測定する。
このような測定装置3を利用し、プラトー領域に係るレーザの照射エネルギー密度を選定する方法について説明する。
まず、非晶質シリコン膜に対して照射エネルギー密度を変化させつつレーザ照射を行うことにより、レーザの照射エネルギー密度が異なる複数の多結晶シリコン膜を作成する。そして、各多結晶シリコン膜の表面における散乱光の強度を測定装置3を用いて測定する。この測定結果からプラトー領域に係る照射エネルギー密度を選定することとなるが、この選定方法について以下で説明する。
図8は、レーザの照射エネルギー密度と、レーザ照射により生成された多結晶シリコン膜表面での散乱光の強度との関係を示すグラフである。すなわち、図8のグラフでは、レーザの照射エネルギー密度を変化させつつレーザアニールを行うことで形成された多結晶シリコン膜の各表面に対して白色光を照射し、当該各表面で散乱する散乱光の強度を測定した測定結果をプロットしている。この散乱光強度の測定では、図7に示す測定装置3の角度θを55度とし暗室内で測定を行った。
図8のグラフにおいては、散乱光強度に関して照射エネルギー密度0.34J/cm2付近に第1の極大値(ピーク)P1が存在し、0.39J/cm2付近に第2の極大値(ピーク)P2が存在する。この第1の極大値P1と第2の極大値P2との間にある第1の極小値M1は、照射エネルギー密度が0.366J/cm2であり、上述のプラトー領域に係る照射エネルギー密度の範囲に属している。よって、この第1の極小値M1付近に照射エネルギー密度を設定してレーザ照射を行うことにより適切な多結晶シリコン膜を生成できることとなる。また、照射エネルギー密度が第2の極大値P2より大きくなると散乱光強度が一旦低下し、照射エネルギー密度0.412J/cm2で第2の極小値M2をとる。
第1の極大値P1については、この照射エネルギー密度付近でのレーザ照射によってシリコン膜の結晶サイズが0.2μm以下となるため、顕微鏡によってシリコン膜表面の凹凸を観察できないものの、粒界に生じた突起での散乱による散乱光の極大値と考えられる。そして、第1の極大値P1より照射エネルギー密度が高くなるとシリコン膜の結晶サイズが大きくなって粒界の数が減少するため、散乱光強度が低下し、プラトー領域に係る適切な照射エネルギー密度を与える第1の極小値M1をとるものと考えられる。この第1の極小値M1を超えると、シリコン膜の表面において部分的に大きな結晶が生じ、これが縦筋(図5参照)となって表面粗さを増加させる。
以上のことから、測定装置3を用いて事前にレーザの照射エネルギー密度と散乱光強度との関係を調べた上で、散乱光強度に関する最初のピーク(第1の極大値P1)と次のピーク(第2の極大値P2)との間に存在する極小値(第1の極小値M1)を与える照射エネルギー密度を求めれば、プラトー領域に係るレーザの照射エネルギー密度が選定できることとなる。この照射エネルギー密度の選定においては、第1の極小値に対応する照射エネルギー密度0.366J/cm2を中心とした一定の範囲、具体的には最適値0.366J/cm2と上述したプラトー領域の上限値0.378J/cm2との差0.01J/cm2だけ前後に幅をもった照射エネルギー密度0.366±0.01J/cm2の範囲内の値となるようにする。
すなわち、測定装置3で得られた測定結果に基づきレーザの照射エネルギー密度に対する散乱光の強度を図8のようにグラフ化し、照射エネルギー密度の低い順に第1の極大値P1、第1の極小値M1、第2の極大値P2および第2の極小値M2からなる4の極値を特定するとともに、この第1の極小値M1に対応する照射エネルギー密度を中心とした±10mJ/cm2の範囲において照射エネルギー密度を選定するようにする。これにより、プラトー領域に関する適切な照射エネルギー密度の範囲を定量的で客観的に選定できるため、この選定した照射エネルギー密度の範囲内でレーザ照射を行えば、実施の形態1のようにシリコン膜の結晶粒径の均一性を向上できるとともに結晶形状の等方性を高めることが可能となる。
<実施の形態4>
本発明の実施の形態4に係る多結晶シリコン膜の製造方法については、シリコン膜表面の散乱光強度を測定することにより適切なレーザの照射エネルギー密度の範囲を選定しレーザアニールを行う点で実施の形態3と類似しているが、プラトー領域と異なる適切な照射エネルギー密度の範囲を選定する点が異なっている。この適切な照射エネルギー密度の選定について、以下で詳しく説明する。
<適切な照射エネルギー密度の選定について>
実施の形態4に係る適切な照射エネルギー密度の選定では、実施の形態3と同様にシリコン膜表面の散乱光強度を測定して行うこととなるが、実施の形態3で選定する照射エネルギーの範囲と異なる適切な照射エネルギー密度を選定するようにしている。
図8に示すように第2の極大値P2を与える照射エネルギー密度0.39J/cm2を超えると、照射エネルギー密度0.40J/cm2で散乱光の強度が一旦減少し、第2の極小値M2をとっている。この第2の極小値M2付近の散乱光強度とシリコン膜の結晶状態との関係について図9〜図11を参照して説明する。
図9は、照射エネルギー密度0.39J/cm2でレーザ照射した場合のシリコン膜の結晶状態を示す図であり、図10は、照射エネルギー密度0.40J/cm2でレーザ照射した場合のシリコン膜の結晶状態を示す図である。また、図11は、照射エネルギー密度0.41J/cm2でレーザ照射した場合のシリコン膜の結晶状態を示す図である。なお、図9〜図11は、シリコン膜の結晶をSEM観察して得られたものである。
レーザの照射エネルギー密度0.39J/cm2での結晶状態においては、図9に示すように部分的に大きいサイズの結晶が現れて始めている。よって、この0.39J/cm2より低い照射エネルギー密度では、シリコン膜表面の凹凸が顕著になって、結晶粒径のばらつきが大きくなる。
第2の極小値M2(図8)を与えるレーザの照射エネルギー密度0.40J/cm2での結晶状態については、図10に示すように比較的大きなサイズの結晶が面全体を埋めた状態になる。このように結晶粒径のばらつきが小さくなる状態では、シリコン膜の表面粗さが減少し、散乱光の強度が一旦低下することとなる。
また、レーザの照射エネルギー密度0.41J/cm2での結晶状態においては、図11に示すように図10の結晶サイズより大きいサイズの結晶と小さいサイズの結晶との2分化が生じ結晶粒径のばらつきが大きくなり始めている。
以上のことから第2の極小値M2を与える照射エネルギー密度0.4J/cm2の付近、具体的には0.40±0.01J/cm2の範囲では、プラトー領域に係る照射エネルギー密度のレーザ照射で生成された結晶(図3参照)に比べて結晶粒径のばらつきが多少大きくなるものの、結晶の平均粒径が0.6μmを超えるため、良好な特性の薄膜トランジスタが得られることとなる。
すなわち、測定装置3で得られた測定結果に基づきレーザの照射エネルギー密度に対する散乱光の強度を図8のようにグラフ化し、照射エネルギー密度の低い順に第1の極大値P1、第1の極小値M1、第2の極大値P2および第2の極小値M2からなる4の極値を特定するとともに、この第2の極小値に対応する照射エネルギー密度を中心とした±10mJ/cm2の範囲において照射エネルギー密度を選定するようにする。これにより、適切な照射エネルギー密度の範囲を定量的で客観的に選定できるため、この選定した照射エネルギー密度の範囲内でレーザ照射を行えば、シリコン膜の結晶粒径の均一性を向上でき、品質の高い薄膜トランジスタが得られることとなる。
<変形例>
上記の各実施の形態1〜4におけるレーザ照射については、YAG2ωレーザに限らず、波長が390nmから640nmの範囲のレーザであれば同様の効果が得られる。すなわち、例えばNd:YVO4レーザの第2高調波、Nd:YLFレーザの第2高調波、Nd:ガラスレーザの第2高調波、Yb:YAGレーザの第2高調波、Yb:ガラスレーザの第2高調波、Arイオンレーザ、Ti:サファイアレーザの第2高調波などが使用できる。
上記の実施の形態3〜4における散乱光強度測定用の光源については、白色光を発するものに限らず、可視光を含んだ光を発するもので良い。
本発明の実施の形態1に係るレーザアニール装置1の要部構成を示す図である。 レーザの照射エネルギー密度と、レーザ照射により生成された多結晶シリコン膜の結晶の平均粒径等との関係を示すグラフである。 プラトー領域に係る多結晶シリコン膜の結晶状態を示す図である。 レーザの照射エネルギー密度と、レーザ照射により生成された多結晶シリコン膜の結晶の平均最大弦長比との関係を示すグラフである。 レーザの照射エネルギー密度を変化させた場合の各光学顕微鏡像を示す図である。 膜厚70μmの非晶質シリコン膜にレーザアニールを行った場合における、レーザの照射エネルギー密度と、形成された多結晶シリコン膜の表面粗さとの関係を示すグラフである。 シリコン膜の散乱光強度を測定する測定装置3の構成を示す概略図である。 レーザの照射エネルギー密度と、レーザ照射により生成された多結晶シリコン膜表面での散乱光の強度との関係を示すグラフである。 照射エネルギー密度0.39J/cm2でレーザ照射した場合のシリコン膜の結晶状態を示す図である。 照射エネルギー密度0.40J/cm2でレーザ照射した場合のシリコン膜の結晶状態を示す図である。 照射エネルギー密度0.41J/cm2でレーザ照射した場合のシリコン膜の結晶状態を示す図である。
符号の説明
1 レーザアニール装置、3 散乱光強度の測定装置、10 基板、20,21 シリコン膜、31 光源、35 フォトダイオード、101 レーザビーム、120 レーザ発振器、Ds レーザの走査方向、M1 第1の極小値、M2 第2の極小値、P1 第1の極大値(ピーク)、P2 第2の極大値(ピーク)。

Claims (5)

  1. 多結晶シリコン膜を製造する方法であって、
    基板上に膜厚60nm以上の非晶質シリコン膜を形成する工程と、
    酸素分圧が2Pa以下の雰囲気で波長390nm〜640nmのレーザを照射するレーザアニールにより、前記非晶質シリコン膜を結晶化させて多結晶シリコン膜を形成する結晶化工程と、
    を備え、
    前記結晶化工程は、
    前記レーザアニールによって形成される多結晶シリコン膜の結晶の平均粒径が0.28μm±0.03μmの範囲内となるレーザの照射エネルギー密度を選定する選定工程と、
    前記選定工程で選定したレーザの照射エネルギー密度で前記レーザアニールを行い、前記多結晶シリコン膜を製造する製造工程と、
    を有することを特徴とする多結晶シリコン膜の製造方法。
  2. 請求項1に記載の多結晶シリコン膜の製造方法において、
    前記レーザアニールによって形成される多結晶シリコン膜の表面でレーザの走査方向と垂直な方向に沿った筋状の凹凸が生じるレーザの照射エネルギー密度の下限値を特定する特定工程、
    をさらに備え、
    前記選定工程では、前記特定工程で特定したレーザの照射エネルギー密度の下限値から、当該下限値の95%までの範囲において前記照射エネルギー密度を選定することを特徴とする多結晶シリコン膜の製造方法。
  3. 請求項1に記載の多結晶シリコン膜の製造方法において、
    前記照射エネルギー密度を変化させつつ前記レーザアニールを行うことで形成された多結晶シリコン膜の各表面に対して可視光を含んだ所定の光を照射し、当該各表面で散乱する散乱光の強度を測定する測定工程、
    をさらに備え、
    前記測定工程で得られた測定結果に基づき前記照射エネルギー密度に対する前記散乱光の強度をグラフ化し、前記照射エネルギー密度の低い順に第1の極大値、第1の極小値、第2の極大値および第2の極小値からなる4の極値を特定するとともに、
    前記選定工程では、前記第1の極小値に対応する照射エネルギー密度を中心とした±10mJ/cm2の範囲から前記照射エネルギー密度を選定することを特徴とする多結晶シリコン膜の製造方法。
  4. 請求項3に記載の多結晶シリコン膜の製造方法において、
    前記所定の光は、白色光であることを特徴とする多結晶シリコン膜の製造方法。
  5. 多結晶シリコン膜を製造する方法であって、
    基板上に膜厚60nm以上の非晶質シリコン膜を形成する工程と、
    酸素分圧が2Pa以下の雰囲気で波長390nm〜640nmのレーザを照射するレーザアニールにより、前記非晶質シリコン膜を結晶化させて多結晶シリコン膜を形成する結晶化工程と、
    前記レーザの照射エネルギー密度を変化させつつ前記レーザアニールを行うことで形成された多結晶シリコン膜の各表面に対して可視光を含んだ所定の光を照射し、当該各表面で散乱する散乱光の強度を測定する測定工程と、
    を備え、
    前記測定工程で得られた測定結果に基づき前記照射エネルギー密度に対する前記散乱光の強度をグラフ化し、前記照射エネルギー密度の低い順に第1の極大値、第1の極小値、第2の極大値および第2の極小値からなる4の極値を特定するとともに、
    前記結晶化工程は、
    前記第2の極小値に対応する照射エネルギー密度を中心とした±10mJ/cm2の範囲から選定した照射エネルギー密度で前記レーザアニールを行い、前記多結晶シリコン膜を製造する製造工程、
    を有することを特徴とする多結晶シリコン膜の製造方法。
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