JP2005072440A - 半導体装置の製造方法および製造装置 - Google Patents

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正樹 中堀
Kazuyuki Fujiwara
一之 藤原
Shinsuke Yura
信介 由良
Atsuhiro Sono
淳弘 園
Kazuya Kawabe
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Abstract

【課題】 良好な多結晶シリコンを安定して形成し、薄膜トランジスタの性能を向上させた半導体装置の製造方法と製造装置を提供する。
【解決手段】 基板1上に形成された非晶質シリコンに、レーザー照射して多結晶シリコンを形成する際に、レーザーのエネルギ密度とレーザー焦点距離それぞれの条件を変化させてレーザー照射し、複数の多結晶シリコンの領域13を基板1上に形成し、レーザー照射した時の、前記複数の多結晶シリコン領域13からの反射光および/または透過光の光学情報に基づいて、レーザー照射の条件を決定し、前記決定された条件により基板1上に形成された非晶質シリコンに、レーザー照射して所望の多結晶シリコンを形成する。
【選択図】 図2


Description

本発明は、半導体装置の製造方法および製造装置に関するものであり、特に液晶表示装置などに用いられる薄膜トランジスタの製造方法および製造装置に適用して好適なものである。
近年、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置には、薄膜トランジスタの特性の優位性から、多結晶シリコンが多く利用されている。このため、非晶質シリコンを結晶化した多結晶シリコンの使用が増加している。非晶質シリコンを結晶化する方法としては、ランプアニール法やレーザー照射(レーザーアニール)法がよく知られているが、レーザー照射法は、結晶粒界を大きく成長させて、より高い移動度を確保しやすい点において優れている。このため、液晶表示装置用の薄膜トランジスタの多結晶シリコンは、レーザー照射法によって製造される場合が多い。レーザー照射法によって多結晶シリコンを製造する従来の方法は、非晶質シリコンに対して、試行条件で試行レーザー照射領域を形成し、該試行レーザー照射領域からの反射光のみの光学情報に基づいて、ロットのレーザー照射条件を決定するというものであった(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−8976号公報(第5図)
しかしながら、上記した従来技術においては、レーザーのエネルギ密度のみを変化させ、暗視野像から最適のレーザー照射条件を決定しているが、実際にはシリコンの結晶の成長はレーザーのエネルギ密度のみではなく、レーザーの焦点距離にも依存している。さらには、上記従来技術は、反射光のみの光学情報から最適条件を決定していたが、評価が定量的ではないため、高い信頼性が得られないという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、良好な多結晶シリコンを安定して形成し、それによって薄膜トランジスタの性能も安定かつ向上させた半導体装置の製造方法と製造装置を得ることを目的としている。
本発明の半導体装置の製造方法は、基板上に形成された非晶質シリコンに、レーザー照射して多結晶シリコンを形成する半導体装置の製造方法であって、レーザーのエネルギ密度とレーザー焦点距離それぞれの条件を変化させてレーザー照射し、複数の多結晶シリコンの領域を基板上に形成する工程と、レーザー照射した時の、前記複数の多結晶シリコン領域からの反射光および/または透過光の光学情報に基づいて、レーザー照射の条件を決定する工程と、前記決定された条件によって、基板上に形成された非晶質シリコンに、レーザー照射して所望の多結晶シリコンを形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、非晶質シリコンを結晶化して多結晶シリコンを形成する際の、レーザー照射の最適条件を容易に決定することができ、非晶質シリコンを安定して多結晶化させることが可能となる。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1を図1、図2により説明する。図1は本発明の実施の形態1における半導体装置である薄膜トランジスタの断面図であり、図2は本発明の実施の形態1におけるレーザー照射条件を決定する方法を説明する平面図である。
まず、本実施の形態の薄膜トランジスタの製造方法について、図1を用いて説明する。図1において、絶縁性を有する例えばガラスなどの基板1上に絶縁層である、窒化珪素膜2、酸化珪素膜3および水素化非晶質シリコンをプラズマCVD法などを用いて連続形成する。このとき、レーザー照射により非晶質シリコンを多結晶化し、多結晶シリコン4を形成するが、その際にシリコン中の水素が突沸するのを防ぐために、シリコン中の脱水素処理を行っておくことが好ましい。次に、バッファード弗酸などを用いて、非晶質シリコン上の自然酸化膜を除去した後、例えば、エキシマレーザーなどのレーザー光を照射し、非晶質シリコンを多結晶化する。この時、レーザーのエネルギ密度が最適条件より小さければ結晶が充分大きくならず、逆に最適条件より大きすぎると微結晶が形成され、特性が悪くなるため、レーザー照射の最適条件を設定しておくことが重要である。
次に、第1のフォトリソグラフィー工程で、半導体層である多結晶シリコン4において、チャネルを形成する部分を残すようにアイランド(島)状にパターニングする。次に、プラズマCVD法などの方法により、酸化珪素膜などでゲート絶縁膜5を形成する。
次に、第2のフォトリソグラフィー工程で、ゲート電極6をパターニングする。その後、第3のフォトリソグラフィー工程で、レジストパターンを形成し、nチャネルのTFTを形成するために、レジストの上からイオンドープ法でリンをドープする。その後、ゲート電極6をエッチングにより再度パターニングし、レジストを剥離した上からリンを少量ドープし、nチャネルTFTのLDD構造を形成する。
次に、ゲート電極6と後述するソース電極9およびドレイン電極10の層間絶縁膜7をプラズマCVD法などにより形成した後、熱処理によりイオンドープした不純物を活性化させるための結晶化処理を行う。次に第4のフォトリソグラフィー工程で、後述するソース電極9およびドレイン電極10とコンタクトをとるためのコンタクトホール8を形成する。そして、スパッタ法などによりソース電極およびドレイン電極材料の金属膜を堆積し、第5のフォトリソグラフィー工程で、ソース電極9とドレイン電極10とをパターニングする。次に半導体膜中の欠陥準位を少なくするために、水素プラズマ処理を施した後、プラズマCVDなどの方法でパッシベーション膜11を形成し、第6のフォトリソグラフィー工程で、パッシベーション膜11に必要に応じてコンタクトホールを形成する。
その後、端子電極となる透明導電膜(図示せず)をスパッタ法などにより形成し、第7のフォトリソグラフィー工程で、端子電極をパターニングし、薄膜トランジスタが完成する。端子電極を形成する前に、有機平坦化膜などの有機膜を成膜、あるいは反射膜を形成し、反射光を利用した表示デバイス用の薄膜トランジスタとする場合もある。
次に、上記説明した図1の薄膜トランジスタの半導体層として用いられる多結晶化シリコンの製造方法について説明する。図2は、基板上に形成された非晶質シリコンに、レーザー光を照射し多結晶化シリコンを形成する際の、レーザー照射条件の最適条件を決定する方法について説明したものである。図2に示すように基板1上に形成された非晶質シリコンに、レーザーのエネルギ強度12とレーザー焦点距離13とをそれぞれ変化させてレーザー照射した複数の多結晶シリコンの領域14を形成する。本実施の形態においては、レーザーのエネルギ密度12として440から470mJ/cmまで5mJ/cmずつ変化させ、レーザー焦点距離13としては初期設定値を基準として±3μmの範囲で1μmずつ変化させている。このレーザーのエネルギ密度及びレーザー焦点距離の条件は、装置の性能等により適宜変更可能である。その後、上記それぞれの条件でレーザー照射される複数の多結晶シリコンの形成領域において、レーザー照射の際の反射光および/または透過光を暗視野像として、図示せぬ光学測定手段に取り込み、最適な明暗の状態を判別することで、最適条件を決定することが可能である。ここでレーザー照射する際の反射光または透過光をそれぞれ独立して判別に用いてもよく、反射光及び透過光の両方を判別に用いても良いが、反射光及び透過光の両方を判別に用いた方がより確実に判別可能である。なお、最適な明暗の状態を判別するために、暗視野像において適宜設定した所定の明るさ以上であれば、最適条件とするようにしてもよく、単に光源からの光の反射光および/または透過光の強度変化を測定することにより、レーザー照射の最適条件を設定するようにしてもよい。
この後、決定されたレーザー照射の最適条件によって、基板上の非晶質シリコンにレーザー照射し、所望の多結晶シリコンを形成し、薄膜トランジスタなどを形成する。
なお、本実施の形態においては、レーザーとしてキセノンクロライド(XeCl)を励起したエキシマレーザーの波長308nmの光を使用したが、それに限定されることなく、例えばYAGレーザーの第二高調波(YAG−2ω)を使用すると結晶がより大きく成長し、多結晶シリコンの特性の向上が可能となり、好ましい。また、レーザー焦点距離を変更してレーザー照射する際に、該焦点距離の変更をパーソナルコンピューターへの数値の入力により、実際のレーザーの焦点距離が変更されるようなレーザー焦点距離変更手段を設けておくことで、作業性が向上する。
以上のように本実施の形態においては、レーザーのエネルギ密度およびレーザー焦点距離のそれぞれを変化させた条件から、そのレーザー照射の際の反射光および/または透過光の暗視野像を判別することにより、最適条件を決定することができ、非晶質シリコンを安定して多結晶化させることが可能となる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2を図3〜図12により説明する。図3〜図12において、図1、図2と同じ構成部分については同一の符号を付している。図3は、レーザーによる結晶化アニールのエネルギ密度を変化させたときの、基板を含めたシリコン薄膜の透過率と波長の関係を示している。このときの膜構成は、実施の形態1と同様に、絶縁性を有する例えばガラスなどの基板1上に絶縁層である窒化珪素膜と酸化珪素膜とからなる下地積層膜18と結晶化したシリコン薄膜19(図5参照)とからなる。ここで、シリコン薄膜19の厚みは500Åである。図3に示すように、透過率は波長440nmおよび570nm付近でピークがあり、440nmのピークの高さはエネルギ密度に依存している。そこで、この440nmの波長でエネルギ密度の異なるサンプルの透過率を測定した結果を図4に示す。透過率は、ほぼ460mJ/cmから530mJ/cmの間で高くなり、510mJ/cm付近で最大になる。なお、エネルギ密度に対する結晶サイズの依存性を調べると、470mJ/cmから520mJ/cmの領域で結晶サイズが大きくなり、460mJ/cmより低いエネルギ密度領域では、結晶サイズは全体に1000Å以下で小さく、540mJ/cm以上でも1000Å以下の結晶サイズとなっている。結晶サイズが大きく、しかもサイズに安定したものが得られるのは、490mJ/cm付近であり、上記透過率の最大値から20mJ/cm程度低いところであることが分かった。このように、波長440nmにおいて、エネルギ密度と透過率の関係を調べることにより、透過率の最大値からレーザー照射の最適条件を求めることができる。
また、図3の透過率の波長440nmにおけるピークは、シリコン薄膜の膜厚による光学干渉に起因するものと考えられる。図5に示すように、入射光15の一部はシリコン薄膜19の底部の境界で第1の透過光16と反射光に別れる。反射光の一部は図5のように、シリコン薄膜19の表面で再度反射し、17に示すように第2の透過光となる。ここで、第1の透過光16と第2の透過光17とが干渉することにより、透過光の強度は増大する。シリコン薄膜19の膜厚dと屈折率nから、λ=2ndで与えられる波長近傍でのピークを有する波長を最適のレーザー照射条件とすることができる。本実施の形態においては、d=500Å、n=4.5であるから、波長は450nmになり、上述のようにピークが440nmと570nmであるとすると、該λ=450nmに近い440nmを最適のレーザー照射条件とする。このことより、シリコン薄膜の膜厚が異なれば、透過率を測定する光の波長は選定する必要があることが分かる。例えば、シリコン膜厚がd=600Åであれば、最適のレーザー照射条件は530nmとなった。また、図6のように入射光が、基板に垂直な方向とθ1の角度で入射した場合、光路差は入射光の傾斜により長くなり、λ=2nd/cosθで与えられる。
次に、上述の現象を利用した最適のレーザー照射条件の決定方法を示す。図7に示すように、非晶質シリコンを形成した基板1に、照射のエネルギ密度を変えながら、20に示される任意の領域にレーザー照射を行う。次に図8に示す装置で部分的にアニールされた領域20の透過率を測定する。白色光源などの光源21の光をレンズ22でコリメート(平行化)させ、基板1の結晶化した複数の部分20に数mm程度のスポットで照射する。この光を波長440nm近傍を透過するバンドパスフィルタ23を透過させ、440nmの波長のみを取り出す。この光を集光レンズ24にて、フォトダイオード25に集光させ、透過光の強度を測定する。一方、入射光の強度は基板1を取り除いて、同様の測定を行えば、取得できる。透過率は透過光強度/入射光強度で求める。照射のエネルギ密度の異なる結晶化領域20に対して、このような測定を行うことにより、図4に示す透過率とエネルギ密度との関係を、440nmの波長で測定することができる。具体的には、まず基板を光路からはずして、入射光の強度を測定した後、ステージ26を移動させて、エネルギ密度の異なる結晶化領域20に順に光を当てていくことにより、異なるエネルギ密度の結晶化領域20の透過光強度を測定する。ここで得られた透過率のピークを与えるエネルギ密度から、20mJ/cm低いエネルギ密度を最適のレーザー照射条件とすることができる。
ここで、バンドパスフィルタ23は440nmの波長を透過させるものとしたが、これはシリコンの膜厚d=500Åの場合であり、他の膜厚の場合にはバンドパスフィルタで透過する波長λはλ=2ndで与えられる波長近傍となるようにフィルタを選択すればよい。また、上述では、光源を白色光源としたが、LEDを使用してもよく、現在波長470nmの青色のLEDが市販されており、これを用いてもよい。この場合、シリコンの膜厚500Åで最適470nmを最適波長とするために、cosθ=440/470を満たすθ=0.359rad.だけ入射光の光軸を傾ければよい。このように最適波長が受光系或いは照射系で望ましい値になるように、光軸を傾けて調整することが可能である。また、LEDを使用する場合、上述のような青色のLEDでなくとも、LEDは元来所定の方向への指向性が強いため、光の強度変化を測定する場合に好適である。
なお、上記では透過光のみを用いて、最適のレーザー照射条件を求めたが、併せて反射光(散乱光)を用いて判定することも可能である。図9は照射のエネルギ密度と、基板と垂直方向から白色光を入射させ、垂直方向から45度傾けた方向から、反射光を取得して反射光強度のエネルギ密度依存性を求めたものである。エネルギ密度が460mJ/cmから520mJ/cmの間で、反射光が減少する領域が見られる。この領域が結晶サイズが大きくなる領域に対応している。特に、520mJ/cmで反射光が急に上昇する現象が見られ、微結晶が発生するエネルギ領域に対応している。結晶観察から結晶サイズが大きく、ばらつきが少ない照射のエネルギは490mJ/cm付近であり、反射光が増加するピークの520mJ/cmより30mJ/cm程度低く設定すれば、最適照射エネルギが得られることが分かる。
図10は透過光による判定に加えて、上記反射光による判定も行う装置を示している。図10は、図8の透過光のみの測定装置に、反射光用の集光レンズ27とフォトダイオード28を備えたものである。測定方法は透過光のみによる方法と同様で、まず基板1を除いて、入射光の強度などのバックグラウンドを取得した後、ステージ26を移動させて、基板1の異なる照射エネルギ密度で結晶化した領域20での反射光の測定を順に行い、得られた反射光強度より前述のバックグラウンドを除いて、図9に示す照射のエネルギ密度と反射光強度の関係を取得する。
図10における検出系の角度θ2と反射光強度の関係を図11に示すが、検出系の角度θ2が小さいほど反射光強度の出力が大きくなる傾向があるため、検出系の角度θ2は小さいほうが良く、好ましくは45度以下が望ましい。
上記、透過率および反射光強度から、それぞれ得られたエネルギ密度を比較し、それらが例えば2%以内の差で一致すれば、判定可能として、それらの平均値をレーザー照射の最適条件とする。一方、これらの差が大きい時は、測定装置系あるいはサンプルが通常の状態から異なっていると判断し、装置チェックおよびサンプルを確認する。このように、透過光および反射光の両方から、レーザー照射の最適条件を決定することにより、より確実にレーザー照射の最適条件の設定が可能となる。
本実施の形態においては、光源21からの入射光は、基板1に対して略垂直の方向から入射する場合について示したが、図12に示すように、透過率を測定する最適波長を測定系に適した値とするために、入射光を傾けてもよい。さらに、図12においては省略しているが、入射光を傾けた場合においても、図10の場合と同様に、上述と同様に透過光と反射光強度の両方から、レーザー照射の最適条件を決定してもよい。
上記の装置は、あらかじめ照射のエネルギ密度を振ってレーザー結晶化したサンプルを用いてレーザー照射の最適条件を求めるものであったが、このようにして求めたレーザー照射の最適条件で作成された多結晶シリコンのレーザー照射による結晶化の膜質のチェックにも適用することができる。即ち、実際にレーザー照射により結晶化したサンプルの反射光強度、透過率を本装置により調べ、レーザー照射の最適条件決定時の値からのずれがないことを確認すればよい。このようにして、ずれがあることが判明した場合は、膜質に問題があると判定することが可能である。
上述のように決定されたレーザー照射の最適条件によって、基板上の非晶質シリコンにレーザー照射し、所望の多結晶シリコンを形成し、薄膜トランジスタなどを形成する。
なお、本実施の形態においては、エネルギ密度のみを変化させ、レーザー焦点距離については変化させていないが、レーザー焦点距離については、上記実施の形態1による方法などで一旦設定しておけば、それほど頻繁にレーザー焦点距離がずれることはないことによるものである。レーザー焦点距離が一度設定された後では、その後不具合が生じレーザー焦点距離の再設定が必要となるまで、本実施の形態のように、エネルギ密度のみを変化させて、透過光または透過光と反射光の光学情報にてレーザー照射の最適条件を設定するようにすればよい。
また、本実施の形態においても、上記実施の形態1と同様に、レーザー照射された複数の多結晶シリコンの形成領域において、光源からの光の透過光または透過光と反射光を暗視野像として、光学測定手段に取り込み、最適な明暗の状態を判別することで、最適条件を決定することが可能である。最適な明暗の状態を判別するために、暗視野像において適宜設定した所定の明るさ以上であれば、最適条件とするようにしてもよく、単に光源からの光の透過光または透過光と反射光の強度変化を測定することにより、レーザー照射の最適条件を設定するようにしてもよい。なお、本実施の形態においても、上記実施の形態1と同様に、外部の光源からの光ではなく、レーザー照射した時の複数の多結晶シリコン領域からの透過光または透過光と反射光の光学情報に基づいてレーザー照射の最適条件を設定してもよい。
さらに、本実施の形態の白色光源などの光源21を用いた図8、図10、図12を、上記実施の形態1のエネルギ密度とレーザー焦点距離とを変化させて形成された複数の多結晶シリコン領域14を有する基板に適用してもよい。この場合、それぞれの条件でレーザー照射された複数の多結晶シリコンの形成領域において、光源からの光の透過光または透過光と反射光を暗視野像として、実施の形態1と同様に光学測定手段に取り込み、最適な明暗の状態を判別することで、最適条件を決定することが可能である。また、上述と同様に、最適な明暗の状態を判別するために、暗視野像において適宜設定した所定の明るさ以上であれば、最適条件とするようにしてもよく、単に光源からの光の透過光または透過光と反射光の強度変化を測定することにより、レーザー照射の最適条件を設定するようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、実施の形態1と同様に、レーザーとしてキセノンクロライドを励起したエキシマレーザーの波長308nmの光を使用したが、それに限定されることなく、例えばYAGレーザーの第二高調波(YAG−2ω)を使用すると結晶がより大きく成長し、多結晶シリコンの特性の向上が可能となり、好ましい。
以上、上記実施の形態における表示装置としては、薄膜トランジスタに用いる多結晶シリコンついて説明を行ったが、それに限定されることなく、多結晶化したシリコンを用いるあらゆる半導体装置の製造方法および製造装置に適用しても、何ら差し支えないことは勿論である。
本発明の実施の形態1における半導体装置である薄膜トランジスタの断面図である。 本発明の実施の形態1におけるレーザー照射条件を決定する方法を説明する平面図である。 本発明の実施の形態2における照射エネルギ密度を変化させたときのシリコン薄膜の透過率と波長との関係を示す図である。 本発明の実施の形態2における440nmの波長でエネルギ密度の異なるサンプルの透過率を測定した図である。 本発明の実施の形態2における入射光と透過光を説明する図である。 本発明の実施の形態2における基板に対して傾斜して入射された入射光と透過光を説明する図である。 本発明の実施の形態2におけるレーザー照射条件を決定する方法を説明する平面図である。 本発明の実施の形態2における透過光によりレーザー照射条件を決定する方法を説明する図である。 本発明の実施の形態2におけるエネルギ密度と反射光出力との関係を示す図である。 本発明の実施の形態2における透過光と反射光とによりレーザー照射条件を決定する方法を説明する図である。 図10における装置における角度θ2と反射光出力との関係を示す図である。 本発明の実施の形態2における入射光が基板に対して傾斜して入射された場合のレーザー照射条件を決定する方法を説明する図である。
符号の説明
1 基板
2 窒化珪素膜
3 酸化珪素膜
4 多結晶シリコン
5 ゲート絶縁膜
6 ゲート電極
7 層間絶縁膜
8 コンタクトホール
9 ソース電極
10 ドレイン電極
11 パッシベーション膜
12 レーザーのエネルギ密度
13 レーザー焦点距離
14 多結晶シリコンの形成領域
15 入射光
16 第1の透過光
17 第2の透過光
18 下地積層膜
19 シリコン薄膜
20 エネルギ密度の異なる結晶化領域
21 光源
22 レンズ
23 バンドパスフィルタ
24 集光レンズ
25 フォトダイオード
26 ステージ
27 反射光用集光レンズ
28 反射光用フォトダイオード

Claims (22)

  1. 基板上に形成された非晶質シリコンに、レーザー照射して多結晶シリコンを形成する半導体装置の製造方法であって、
    レーザーのエネルギ密度とレーザー焦点距離それぞれの条件を変化させてレーザー照射し、複数の多結晶シリコンの領域を基板上に形成する工程と、
    レーザー照射した時の、前記複数の多結晶シリコン領域からの反射光および/または透過光の光学情報に基づいて、レーザー照射の条件を決定する工程と、
    前記決定された条件によって、基板上に形成された非晶質シリコンに、レーザー照射して所望の多結晶シリコンを形成する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記反射光および/または透過光の光学情報は、前記複数の多結晶シリコン領域の暗視野像であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記レーザー照射の条件を決定する工程を、前記複数の多結晶シリコン領域に、外部の光源から光を照射した時の反射光および/または透過光の強度変化により決定する工程と置き換えたことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記光源からの光の波長は、多結晶シリコンを形成した基板の透過率と波長の関係を測定し、該透過率が複数のピークを有するとき、多結晶シリコンの膜厚と屈折率をそれぞれdとnとして、λ=2ndで与えられる波長近傍でピークを有する波長とすることを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記光源からの光の波長は実質的に440nmであることを特徴とする請求項3または4記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記光源はLEDからなることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記レーザーはYAGレーザーの第二高調波であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  8. 基板上に形成された非晶質シリコンに、レーザー照射して多結晶シリコンを形成する半導体装置の製造方法であって、
    レーザーのエネルギ密度を変化させてレーザー照射し、複数の多結晶シリコンの領域を基板上に形成する工程と、
    レーザー照射した時の、前記複数の多結晶シリコン領域の透過光の光学情報に基づいて、レーザー照射の条件を決定する工程と、
    前記決定された条件によって、基板上に形成された非晶質シリコンに、レーザー照射して所望の多結晶シリコンを形成する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 前記透過光の光学情報は、前記複数の多結晶シリコン領域の暗視野像であることを特徴とする請求項8記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記レーザー照射の条件を決定する工程を、前記複数の多結晶シリコン領域に、外部の光源から光を照射した時の透過光の強度変化により決定する工程と置き換えたことを特徴とする請求項8記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記レーザー照射した時または前記外部の光源から光を照射した時の、前記複数の多結晶シリコン領域の透過光の光学情報に加えて、反射光の光学情報に基づいて、レーザー照射の条件を決定する工程を含むことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記光源からの光の波長は、多結晶シリコンを形成した基板の透過率と波長の関係を測定し、該透過率が複数のピークを有するとき、多結晶シリコンの膜厚と屈折率をそれぞれdとnとして、λ=2ndで与えられる波長近傍でピークを有する波長とすることを特徴とする請求項10または11に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記光源からの光の波長は実質的に440nmであることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記光源はLEDからなることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記レーザーはYAGレーザーの第二高調波であることを特徴とする請求項8乃至14のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  16. 基板上に形成された非晶質シリコンに、レーザー照射して多結晶シリコンを形成する半導体装置の製造装置であって、
    レーザーのエネルギ密度とレーザー焦点距離それぞれの条件を変化させてレーザー照射し、複数の多結晶シリコンの領域を基板上に形成するレーザー照射手段と、
    レーザー照射した時の、前記複数の多結晶シリコン領域からの反射光および/または透過光の光学情報を入力可能な光学測定手段と、
    を備えることを特徴とする半導体装置の製造装置。
  17. 前記反射光および/または透過光の光学情報は、前記複数の多結晶シリコン領域の暗視野像であり、前記光学測定手段は前記暗視野像を入力可能であることを特徴とする請求項16記載の半導体装置の製造装置。
  18. 前記光学測定手段を、前記基板上に形成された複数の多結晶シリコン領域に、外部の光源から光を照射した時の反射光および/または透過光の強度変化を測定する手段と置き換えたことを特徴とする請求項16記載の半導体装置の製造装置。
  19. 基板上に形成された非晶質シリコンに、レーザー照射して多結晶シリコンを形成する半導体装置の製造装置であって、
    レーザーのエネルギ密度を変化させてレーザー照射し、複数の多結晶シリコンの領域を基板上に形成するレーザー照射手段と、
    レーザー照射した時の、前記複数の多結晶シリコン領域の透過光の光学情報を入力可能な光学測定手段と、
    を備えることを特徴とする半導体装置の製造装置。
  20. 前記透過光の光学情報は、前記複数の多結晶シリコン領域の暗視野像であり、前記光学測定手段は前記暗視野像を入力可能であることを特徴とする請求項19記載の半導体装置の製造装置。
  21. 前記光学測定手段を、前記基板上に形成された複数の多結晶シリコン領域に、外部の光源から光を照射した時の透過光の強度変化を測定する手段と置き換えたことを特徴とする請求項19記載の半導体装置の製造装置。
  22. 前記レーザー照射した時または前記外部の光源から光を照射した時の、前記複数の多結晶シリコン領域の透過光の光学情報に加えて、反射光の光学情報も入力可能な光学測定手段を備えることを特徴とする請求項19乃至21のいずれかに記載の半導体装置の製造装置。
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