JP2000174286A - 薄膜トランジスタの製造方法およびレーザアニール装置 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法およびレーザアニール装置

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JP2000174286A
JP2000174286A JP34824598A JP34824598A JP2000174286A JP 2000174286 A JP2000174286 A JP 2000174286A JP 34824598 A JP34824598 A JP 34824598A JP 34824598 A JP34824598 A JP 34824598A JP 2000174286 A JP2000174286 A JP 2000174286A
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semiconductor film
diffraction
film
laser
crystalline semiconductor
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JP34824598A
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Teru Nishitani
輝 西谷
Mutsumi Yamamoto
睦 山本
Mikihiko Nishitani
幹彦 西谷
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高性能TFTの製造時、結晶化のレーザ光の
照射エネルギー密度や照射回数が、TFTの特性に大き
な影響を及ぼすため、分布なく、安定して高性能TFT
アレイを製造することが困難であった。また、結晶化の
前駆体である非晶質半導体膜の膜厚や膜質によっても、
レーザ光の照射条件が異なってくるため、安定して高い
特性の結晶質半導体膜を形成することが困難であった。
さらには、結晶質半導体膜の特性のバラツキにより、必
要な特性のTFTを安定して製造することが出来ず、高
い歩留りが得られなかった。 【解決手段】 上記課題を解決するために、結晶化工程
後の検査に電子線回折、X線回折、ラマン散乱の手法を
用い、早期に特性の低い結晶質半導体膜を判定できるよ
う改善した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜トランジスタの
製造方法および半導体膜のレーザアニール装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】薄膜トランジスタ(TFT)の半導体膜
の製造方法として、ガラス等の基板に成膜された非晶質
半導体膜に対しレーザ光を照射し、溶融、結晶化させ、
結晶質半導体膜を得るレーザアニール法が使用されてい
る。通常、これを結晶化工程と呼ぶ。レーザの光源とし
て、連続発振であるアルゴンレーザおよびパルス発振で
あるKrFあるいはXeClエキシマレーザが一般に使
用されている。
【0003】また、レーザ光の照射エネルギー密度の強
弱により形成される結晶質半導体膜の特性が異なる。ま
た、連続発振のレーザを用いた場合の照射時間により、
形成される結晶質半導体膜の特性が異なる。また、パル
ス発振のレーザを用いた場合のレーザ光の照射回数によ
り、形成される結晶質半導体膜の特性が異なる。また、
基板をレーザ光に対して移動させながら、あるいは基板
に対し、レーザ光の光学系の位置を移動させながら、レ
ーザ光を照射するスキャン照射を行う場合には、基板ま
たは光学系の送り速度により、形成される結晶質半導体
膜の特性が異なる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】高性能TFTを製造す
るためには、結晶化のレーザ光の照射エネルギー密度や
照射回数により、結晶質半導体膜の特性が急激に変化
し、TFTの特性に大きく影響を及ぼす。このため、正
確な照射条件で結晶化を行う必要があり、分布なく、安
定して高性能TFTアレイを製造することが困難であっ
た。
【0005】また、結晶化の前駆体である非晶質半導体
膜の膜厚や膜質によっても、高い特性の結晶質半導体膜
を形成するためのレーザ光の照射条件が異なってくる。
このため、安定して高い特性の結晶質半導体膜を形成す
ることが困難であった。結晶質半導体膜の特性のバラツ
キにより、必要な特性のTFTを安定して製造すること
が出来ず、高い歩留りが得られなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、結晶化工程後の検査に電子線回折、X線回折、ラマ
ン散乱の手法を用い、早期に特性の低い結晶質半導体膜
を判定できるよう改善した。また、上記分析装置を備え
たレーザアニール装置とし、結晶化の工程において、高
い特性の結晶質半導体膜を形成できるように改善した。
以下に詳細を述べる。
【0007】少なくとも、基板上に非晶質半導体膜を成
膜し、非晶質半導体膜を結晶質半導体膜に結晶化させる
工程の後に、電子線回折法を利用した結晶質半導体膜の
検査を行うTFTの製造方法を用いることにより、早期
に特性の低い結晶質半導体膜を判定することが可能にな
った。請求項1に記載のTFTの製造方法において、結
晶質半導体膜の検査に反射電子線回折法(RHEED)
を用いることにより、早期に特性の低い結晶質半導体膜
を判定可能になり、また、正確に判定できるようになっ
た。
【0008】請求項2に記載のTFTの製造方法におい
て、結晶質半導体膜のRHEED像において、面方位を
示すスポットの位置の電子線量とバックグランドの電子
線量の比が少なくとも4倍以上となることを条件とする
検査方法を用いることにより、早期に特性の低い結晶質
半導体膜を判定可能になり、また、正確に判定できるよ
うになり、また、検査の自動化も可能になった。
【0009】少なくとも、基板上に非晶質半導体膜を成
膜する工程と、非晶質半導体膜を結晶質半導体膜に結晶
化させる工程を有し、X線回折法またはX線励起による
光電子回折(XPS)法を利用した結晶質半導体膜の検
査を行うTFTの製造方法を用いることにより、早期に
特性の低い結晶質半導体膜を判定することが可能になっ
た。
【0010】請求項4に記載のTFTの製造方法におい
て、結晶質半導体膜のXPSにおいて、面方位(11
1)を示すピーク強度とバックグランドとの比が少なく
とも10倍以上であることを条件とする検査方法を用い
ることにより、早期に特性の低い結晶質半導体膜を判定
可能になり、また、正確に判定できるようになり、ま
た、検査の自動化も可能になった。
【0011】少なくとも、基板上に非晶質半導体膜を成
膜する工程と、非晶質半導体膜を結晶質半導体膜に結晶
化させる工程を有し、結晶質半導体膜に対し、測定用レ
ーザ光を照射し、結晶質半導体膜から発せられる光を分
光するラマン散乱法を利用した結晶質半導体膜の検査を
行うTFTの製造方法を用いることにより早期に特性の
低い結晶質半導体膜を判定することが可能になった。
【0012】請求項6に記載のTFTの製造方法におい
て、結晶質シリコン(Si)膜のラマン散乱測定におい
て、516cm-1付近付近にピークを持つ、Si−Siの
結合を示すピークの分光強度とバックグランドとの比が
少なくとも10倍以上であることを条件とする検査方法
を用いることにより、早期に特性の低い結晶質半導体膜
を判定可能になり、また、正確に判定できるようにな
り、また、検査の自動化も可能になった。
【0013】請求項6に記載のTFTの製造方法におい
て、結晶質Si膜のラマン散乱測定において、516cm
-1付近付近にピークを持つ、Si−Siの結合を示すピ
ークの半値幅が13cm-1以下であることを条件とする検
査方法ことにより、早期に特性の低い結晶質半導体膜を
判定可能になり、また、正確に判定できるようになり、
また、検査の自動化も可能になった。
【0014】非晶質半導体膜に対しレーザ光を照射し、
結晶質半導体膜を形成するレーザアニール装置であっ
て、結晶質半導体膜に対する電子線回折を測定する機構
を具備することを特徴とするレーザアニール装置を用い
ることにより、結晶質半導体膜の検査を短時間で行うこ
とが可能になった。請求項9に記載のレーザアニール装
置において、結晶質半導体膜に対するRHEEDを測定
する機構を具備するレーザアニール装置を用いることに
より、結晶質半導体膜の検査を短時間で行うことが可能
になり、また、装置を簡便に構成できる。
【0015】非晶質半導体膜に対しレーザ光を照射し、
結晶質半導体膜を形成するレーザアニール装置であっ
て、結晶質半導体膜に対するX線回折法またはXPSを
測定する機構を具備するレーザアニール装置を用いるこ
とにより、結晶質半導体膜の検査を短時間で行うことが
可能になった。非晶質半導体膜に対しレーザ光を照射
し、結晶質半導体膜を形成するレーザアニール装置であ
って、ラマン散乱測定用レーザ装置および分光器を具備
し、結晶質半導体膜に対するラマン散乱を測定する機構
を具備するレーザアニール装置を用いることにより、結
晶質半導体膜の検査を短時間で行うことが可能になり、
また、検査結果を利用して、レーザ光の照射条件に反映
させることが容易になった。
【0016】請求項9から12に記載のレーザアニール
装置において、結晶質半導体膜に対する電子線回折また
はX線回折またはXPSまたはラマン散乱の測定結果を
利用して、結晶化のためのレーザ光の照射条件を変更す
る機構を有するレーザアニール装置を用いることによ
り、検査結果を利用して、次以降の基板に対するレーザ
照射条件を変更することが、可能になった。また、モニ
ター用の結晶化領域を作り、その検査結果を反映するこ
とにより、安定した特性の結晶質半導体膜を形成するこ
とが可能になった。
【0017】非晶質半導体膜に対しレーザ光を照射し、
結晶質半導体膜を形成するレーザアニール装置であっ
て、結晶質半導体膜に対する、電子線回折またはX線回
折またはXPSまたはラマン散乱を測定する機構を具備
し、結晶化のためのレーザ光照射と同時に結晶質半導体
膜の電子線回折またはX線回折またはXPSまたはラマ
ン散乱を測定し、電子線回折またはX線回折またはXP
Sまたはラマン散乱の情報に基づき、レーザ光の照射条
件を変更する機構を有するレーザアニール装置を用いる
ことにより、さらに高い特性の結晶質半導体を形成する
ことが可能となり、また、結晶質半導体膜の安定性がさ
らに高まった。
【0018】請求項14レーザアニール装置において、
結晶化のためのレーザ光照射と同時に結晶質半導体膜の
電子線回折またはX線回折またはXPSまたはラマン散
乱を測定し、電子線回折またはX線回折またはXPSま
たはラマン散乱の情報に基づき、レーザ光の照射エネル
ギー密度を変更する機構を有するレーザアニール装置を
用いることにより、さらに高い特性の結晶質半導体を形
成することが可能となり、また、結晶質半導体膜の安定
性がさらに高まった。
【0019】請求項14レーザアニール装置において、
結晶化のためのレーザ光照射と同時に結晶質半導体膜の
電子線回折またはX線回折またはXPSまたはラマン散
乱を測定し、電子線回折またはX線回折またはXPSま
たはラマン散乱の情報に基づき、レーザ光の照射を終了
する機構を有するレーザアニール装置を用いることによ
り、さらに高い特性の結晶質半導体を形成することが可
能となり、また、結晶質半導体膜の安定性がさらに高ま
った。
【0020】請求項14レーザアニール装置において、
結晶化のためのレーザ光照射と同時に結晶質半導体膜の
電子線回折またはX線回折またはXPSまたはラマン散
乱を測定し、電子線回折またはX線回折またはXPSま
たはラマン散乱の情報に基づき、基板または光学系の送
り速度を変更する機構を有するレーザアニール装置を用
いることにより、さらに高い特性の結晶質半導体を形成
することが可能となり、また、結晶質半導体膜の安定性
がさらに高まった。
【0021】少なくとも、基板上に非晶質半導体膜を成
膜する工程と、非晶質半導体膜を結晶質半導体膜に結晶
化させる工程を有し、前記の結晶化させる工程または結
晶質半導体膜を改質させる工程に請求項8から17に記
載のレーザアニール装置を用いるTFTの製造方法を用
いることにより、高い特性の結晶質半導体を形成するこ
とが可能となり、また、結晶質半導体膜の安定性がさら
に高まる。これにより、移動度等の特性が高いTFTを
安定して製造することが可能となった。
【0022】TFTの半導体膜の製造方法として、ガラ
ス等の基板(7)に成膜された非晶質半導体膜(1)に
対しレーザ光(6)を照射し、溶融、結晶化させ、結晶
質半導体膜(2)を得るレーザアニール法が使用されて
いる。レーザ光(6)の照射エネルギー密度の強弱およ
び照射回数等により形成される結晶質半導体膜(2)の
特性が異なる。特に高性能TFTを製造するためには、
結晶化のレーザ光(6)の照射条件の変動により、結晶
質半導体膜(2)の特性が急激に変化し、TFTの特性
に大きく影響を及ぼす。このため、正確な照射条件で結
晶化を行う必要がある。
【0023】図1−aに結晶質Si膜(2)のラマン散
乱におけるSi−Si結合ピークのレーザ光照射エネル
ギー密度依存性のグラフを示した。ラマン散乱測定は、
結晶質Si膜(2)に対し、励起用レーザ光(23)を
照射し、散乱光を分光器および受光器を用いて測定する
ことにより、Si−Si結合の理想的な結合状態からの
ズレを観測することができる。また、図1−bに同条件
で多結晶Si膜(2)を形成した場合のTFT電界効果
移動度(移動度)のレーザ光照射エネルギー密度依存性
のグラフを示した。移動度等の高い特性の多結晶Si膜
(2)は、Si−Si結合の理想の角度からのズレのバ
ラツキが少なくなる。ラマン散乱測定に現れるSi−S
i結合のピークが強く観測され、また半値幅が狭くな
る。多結晶Si膜(2)の移動度特性とラマンピーク強
度および半値幅の関係を利用して、多結晶Si膜(2)
の検査を行い、TFT製造工程の早期に特性の低い多結
晶Si膜(2)を発見することができる。
【0024】また、ガラス基板(7)上に非晶質半導体
膜(1)を形成し、レーザアニールにより結晶化した場
合、特性の高い結晶質半導体膜(2)の(111)面方
位が基板(7)に対して垂直に配向する。この結晶方位
の配向を電子線回折により測定できる。電子線回折法に
より、結晶方位の揃い方の度合いが観測できる。電子線
回折法には通常用いられる方法として、低速電子線回折
(LEED)と反射電子線回折(RHEED)がある。
RHEED装置は、電子線を結晶質半導体膜(2)に入
射し、散乱される電子線量の位置分布を観測し、位置と
電子線量から結晶方位の揃い方の度合いが判定できる。
また、X線を用いた結晶方位の観測方法として、X線回
折、XPS等がある。X線回折は、試料にX線を入射
し、散乱されたX線の位置と量を観測する。XPSは試
料にX線を入射し、励起された試料から電子線が観測す
ることができる。これらの測定方法により得られた結晶
質半導体膜(2)の配向の度合いをを利用して、結晶質
半導体膜(2)の検査を行い、TFT製造工程の早期に
特性の低い結晶質半導体膜(2)を発見することができ
る。電子線回折法の中で最も簡便なRHEED法を用い
ることが好ましいまた、上記のラマン散乱、電子線回
折、X線回折またはXPS等の測定装置をレーザアニー
ル装置に組み込むことにより、非晶質半導体膜(1)の
一部をモニター用照射として、結晶化させ、上記の測定
装置により、結晶性半導体膜の特性を評価した後、TF
Tを作成する部分を結晶化することが容易になる。これ
により、レーザ強度等の経時変化や非晶質半導体膜
(1)の膜厚、膜質のバラツキに対応した、レーザ照射
条件を設定することができ、結晶質半導体膜(2)に対
するレーザ照射条件の許容範囲が狭い場合でも、正確に
必要な強度等の照射条件で結晶化を行うことができる。
【0025】また、上記の測定装置を組み込んだレーザ
アニール装置を結晶化のためのレーザ光の照射と同時に
測定できるような装置とすることにより、結晶化のため
のレーザ照射中に結晶質半導体膜(2)の特性を評価す
ることが可能となり、レーザ照射終了、基板(7)の送
り速度の変更、レーザ照射エネルギー密度の変更等を前
記の評価を用いてリアルタイムに行うことができる。こ
れにより、さらに特性の高い結晶質半導体膜(2)を形
成することができる。また、結晶質半導体膜(2)の特
性が安定する。
【0026】また、上記のレーザアニール装置は、結晶
質半導体膜(2)の改質を行う活性化の工程に用いても
同様の効果がある。また、上記レーザアニール装置を結
晶化工程または活性化工程に用いるTFTの製造方法を
用いると、移動度等の特性が高く、かつ特性のバラツキ
の少ないTFTアレイを安定して製造することができ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお半導体膜として
は、Si,GeのIV族半導体が主に用いられるが、Ga
As等のIII−V半導体、ZnSe等のII−VI半導体用
いても、本発明の半導体結晶化方法および半導体活性化
方法が同様に有効であることを確認したが、以下に示す
実施の形態においては、もっとも一般的であるSiを例
に挙げて説明を行う。
【0028】また、基板(7)としては、プラスチッ
ク、有機系フィルムおよび半導体基板を用いても、本発
明の半導体結晶化方法および半導体活性化方法が有効で
あることを確認したが、以下に示す実施の形態において
は、通常用いられるガラス基板(7)を例に挙げて説明
を行う。 (実施の形態1)以下本発明の実施の形態1におけるT
FTの製造方法について説明する。
【0029】まず、ガラス基板(7)上に、ガラスから
の不純物を防ぐ目的で、たとえばTEOS CVD法に
より膜厚300nmのSiO2 下地膜を成膜する。な
お、この下地膜の膜厚は300nmに限らず、種々の設
定が可能である。次にプラズマCVD法により、たとえ
ば膜厚が85nmの非晶質Si膜(1)を成膜する。な
お、この非晶質Si膜(1)の成膜にあたっては、減圧
CVD法またはスパッタ法を用いても良く、上記非晶質
Si膜(1)の膜厚は85nmに限らず種々の設定が可
能である。
【0030】次に、非晶質Si膜(1)中の水素を取り
除くための熱処理を行う、本実施の形態においては、3
00℃で1時間の熱処理を行った。次に図2に示す、レ
ーザアニール装置により非晶質Si膜(1)を溶融、結
晶化させ、結晶質Si膜(2)を形成する。さらに図2
に示すように、結晶化閾値約160mJ/cm2 より大きな
エネルギー密度のレーザ光(6)を照射する。本実施の
形態ではXeClパルスレーザ(308nm)を用い、
385mJ/cm2 のエネルギー密度で基板(7)を静止さ
せた状態で、300回レーザ光(6)を照射した。ただ
しレーザ光のエネルギー密度は測定機器および測定方法
により、具体的な値は異なることがある。
【0031】次に、図3に示す電子線回折法を用いた検
査を行う。電子線回折法には、低速電子線回折法等種々
の方法があり、結晶質Si膜(2)の配向を確認できる
が、本実施の形態では、低真空で測定可能であり、装置
をコンパクトにすることができるRHEEDを用いた。
(111)面方位を示すスポットの位置の電子線量とバ
ックグランドの電子線量の比が少なくとも4倍以上とな
ることを条件とする検査方法を用いた。図4にスポット
の位置の電子線量とバックグランドの電子線量の比と、
TFT移動度のレーザ照射エネルギー密度依存性のグラ
フを示す。
【0032】高い結晶性を有する結晶質Si膜(2)の
RHEED、X線回折およびXPSにおいては(11
1)面以外にも多くの結晶面のスポットやピークが現れ
るので、(111)面以外のスポットやピークの情報を
利用しても同様の検査が可能である。これは、以下の実
施の形態においても同様である。この後、結晶質Si膜
(2)には、多数のダングリングボンドが形成されてい
るので、水素プラズマ中で、例えば450℃、2時間放
置する(水素化処理)。
【0033】以下、従来のTFTと同様に下記の工程を
経る。まずフォトとドライエッチングにより結晶質Si
層をパターニングする。次に、例えばTEOS CVD
法によりSiO2 をゲート絶縁膜として必要な膜厚、例
えば100nm成膜する。次にアルミニウム膜をスパッ
タリングし、エッチングにより所定の形状にパターニン
グして、ゲート電極を形成する。その後、イオンドーピ
ング装置により、ゲート電極をマスクとしてソースおよ
びドレイン領域に必要な種類のドーパントを注入する。
さらに、酸化Siからなる層間絶縁膜を常圧CVD法に
て成膜し、ゲート絶縁膜を覆い、エッチングにより、層
間絶縁膜および酸化Si膜に結晶質Si膜(2)のソー
ス領域またはドレイン領域に達するコンタクトホールを
開口する。次に、チタン膜およびアルミニウム膜をスパ
ッタリングし、エッチングにより所定の形状にパターニ
ングして、ソース電極およびドレイン電極を形成する。
【0034】本実施の形態に示したTFTの製造方法を
用いることにより、早期に特性の低い結晶質Si膜
(2)を判定することが可能になり、製造コストが低減
された。 (実施の形態2)以下本発明の実施の形態2におけるT
FTの製造方法について説明する。実施の形態1と同様
にして、ガラス基板(7)上にSiO2 下地膜および非
晶質Si膜(1)を成膜し、熱処理を行った。
【0035】次に図2に示す、レーザアニール装置によ
り非晶質Si膜(1)を溶融、結晶化させ、結晶質Si
膜(2)を形成する。さらに図2に示すように、実施の
形態1と同様にして385mJ/cm2 のエネルギー密度で
基板(7)を静止させた状態で、300回紫外パルスレ
ーザ光(6)を照射した。
【0036】次に、図5に示すX線回折法またはXPS
法を用いた結晶質Si膜(2)検査を行う。本実施の形
態では、XPSを用いた検査を行った例を示す。(11
1)面方位を示すXPSピーク強度とバックグランドと
の比が少なくとも10倍以上となることを条件とする検
査方法を用いた。結晶質Si膜(2)のXPSによる
(111)面方位ピーク強度とTFT移動度のレーザ照
射エネルギー密度依存性のグラフを図6に示す。
【0037】次に、実施の形態1と同様にして水素化処
理、フォト、エッチング、成膜、ドーピングを繰り返
し、TFTを作成した。本実施の形態に示したTFTの
製造方法を用いることにより、早期に特性の低い結晶質
Si膜(2)を判定することが可能になり、製造コスト
が低減された。特にXPSを用いた検査では、高性能結
晶質Si膜(2)を容易に判定できることから、検査の
正確度が高い。 (実施の形態3)以下本発明の実施の形態3におけるT
FTの製造方法について説明する。
【0038】実施の形態1と同様にして、ガラス基板
(7)上にSiO2 下地膜および非晶質Si膜(1)を
成膜し、熱処理を行った。次に図2に示す、レーザアニ
ール装置により非晶質Si膜(1)を溶融、結晶化さ
せ、結晶質Si膜(2)を形成する。さらに図2に示す
ように、実施の形態1と同様にして385mJ/cm2 のエ
ネルギー密度で基板(7)を静止させた状態で、300
回紫外パルスレーザ光(6)を照射した。
【0039】次に、図7に示すラマン散乱法を用いた結
晶質Si膜(2)の検査を行う。結晶質Si膜(2)の
ラマン散乱測定において、516cm-1付近付近にピーク
を持つ、Si−Siの結合を示すピーク強度とバックグ
ランドの比が10倍以上となることを条件とする検査方
法を用いた。結晶質Si膜(2)のラマン散乱のSi−
Si結合を示すピーク強度とTFT移動度のレーザ照射
エネルギー密度依存性のグラフを図1に示す。
【0040】また、ラマン散乱を用いた検査工程におい
て、Si−Si結合を示すピークの半値幅が13cm-1以
下であることを条件としてもよい。次に、実施の形態1
と同様にして水素化処理、フォト、エッチング、成膜、
ドーピングを繰り返し、TFTを作成した。本実施の形
態に示したTFTの製造方法を用いることにより、早期
に特性の低い結晶質Si膜(2)を判定することが可能
になり、製造コストが低減された。 (実施の形態4)以下本発明の実施の形態4におけるレ
ーザアニール装置について説明する。
【0041】図8に示した、本発明のレーザアニール装
置は、ガラス等の基板(7)に成膜された非晶質Si膜
(1)に対しレーザ光(6)を照射し、溶融、結晶化さ
せ、結晶質Si膜(2)を得るための装置である。レー
ザの光源として、連続発振であるアルゴンレーザおよび
パルス発振であるKrFあるいはXeClエキシマレー
ザのいずれを用いてもよいが、本実施の形態の装置は、
パルス発振のXeClエキシマレーザを具備する。
【0042】また、結晶質Si膜(2)の結晶方位を測
定するための、電子線回折測定システムを具備すること
が本装置の特徴である。電子線回折法には、低速電子線
回折法等種々の方法があり、結晶質Si膜(2)の配向
を確認できるが、本実施の形態では、低真空で測定可能
であり、装置をコンパクトにすることができるRHEE
Dを用いた。このRHEED装置は、特定の位置で観測
される電子線量を数値化して観測する機能を有する。
【0043】本装置を用いた結晶化の例として、以下の
レーザ照射方法を示す。実施の形態1と同様にして、ガ
ラス基板(7)上にSiO2 下地膜および非晶質Si膜
(1)を成膜し、熱処理を行った。次に非晶質Si膜
(1)の一部をモニター用照射として、上記レーザアニ
ール装置を用い、結晶化させる。モニター用に結晶化さ
れた部分の結晶質Si膜(2)をRHEED測定装置に
より特性を評価した後、レーザ光(6)の照射条件の調
整を行い、TFTを作成する部分に対してレーザ照射
し、結晶化する。
【0044】具体的には、モニター用照射として、4箇
所にそれぞれ375、380、385、390mJ/cm2で
照射を行い、RHEED測定装置により、(111)面
方位を示すスポット位置の電子線量を計測する。図4に
示した、RHEEDによる結晶質Si膜(2)の(11
1)面方位スポット位置の電子線量とバックグランドの
電子線量の比と、TFT移動度のレーザ照射エネルギー
密度依存性の関係を利用して、最適なレーザ照射条件を
決定する。
【0045】結晶質Si膜(2)の特性を変化させる、
レーザ照射条件は、エネルギー密度以外に照射回数、基
板(7)の送り速度等があり、どの条件に対しても、同
様の方法を用いて照射条件の調整を行うことが可能であ
る。決定された最適なレーザ照射条件、たとえば385
mJ/cm2を用いて、TFTを作成する部分に対してレーザ
照射し、結晶化する。
【0046】本装置を使用することにより、レーザ強度
等の経時変化や非晶質Si膜(1)の膜厚、膜質のバラ
ツキに対応した、レーザ照射条件を設定することがで
き、結晶質Si膜(2)に対するレーザ照射条件の許容
範囲が狭い場合でも、正確に必要な強度等の照射条件で
結晶化を行うことができる。これにより、移動度等の特
性が高い結晶質Si膜(2)を安定して形成することが
可能となった。 (実施の形態5)以下本発明の実施の形態5におけるレ
ーザアニール装置について説明する。
【0047】図9に示した、本発明のレーザアニール装
置は、実施の形態4と同様に非晶質Si膜(1)に対し
レーザ光(6)を照射し、溶融、結晶化させ、結晶質S
i膜(2)を得るための装置であり、XeClエキシマ
レーザを具備する。また、結晶質Si膜(2)の結晶方
位を測定するための、X線回折またはXPSを測定する
機構を具備することが本装置の特徴である。本実施の形
態では、計測が簡便であるXPSを用いた。このXPS
装置は、特定の位置で観測される電子線量を数値化して
観測する機能を有する。
【0048】本装置を用いた結晶化の例として、以下の
レーザ照射方法を示す。実施の形態1と同様にして、ガ
ラス基板(7)上にSiO2 下地膜および非晶質Si膜
(1)を成膜し、熱処理を行った。次に非晶質Si膜
(1)の一部をモニター用照射として、上記レーザアニ
ール装置を用い、結晶化させる。モニター用に結晶化さ
れた部分の結晶質Si膜(2)をXPS測定装置により
特性を評価した後、レーザ光(6)の照射条件の調整を
行い、TFTを作成する部分に対してレーザ照射し、結
晶化する。
【0049】実施の形態4と同様にして、モニター用照
射として、4箇所にそれぞれ375、380、385、
390mJ/cm2で照射を行い、XPS測定装置により、
(111)面方位を示すピーク強度を計測する。図6に
示した、結晶質Si膜(2)のXPSによる(111)
面方位ピーク強度とTFT移動度のレーザ照射エネルギ
ー密度依存性の関係を利用して、最適なレーザ照射条件
を決定する。
【0050】決定された最適なレーザ照射条件、たとえ
ば385mJ/cm2を用いて、TFTを作成する部分に対し
てレーザ照射し、結晶化する。本装置を使用することに
より、レーザ強度等の経時変化や非晶質Si膜(1)の
膜厚、膜質のバラツキに対応した、レーザ照射条件を設
定することができ、結晶質Si膜(2)に対するレーザ
照射条件の許容範囲が狭い場合でも、正確に必要な強度
等の照射条件で結晶化を行うことができる。これによ
り、移動度等の特性が高い結晶質Si膜(2)を安定し
て形成することが可能となった。 (実施の形態6)以下本発明の実施の形態6におけるレ
ーザアニール装置について説明する。
【0051】図10に示した、本発明のレーザアニール
装置は、実施の形態4と同様に非晶質Si膜(1)に対
しレーザ光(6)を照射し、溶融、結晶化させ、結晶質
Si膜(2)を得るための装置であり、XeClエキシ
マレーザを具備する。また、結晶質Si膜(2)の結晶
性を測定するための、ラマン散乱を測定する機構を具備
することが本装置の特徴である。結晶質Si膜励起用光
源として、アルゴンレーザを具備する。また、励起用光
源として、結晶化用のエキシマレーザを用いることも可
能である。
【0052】本装置を用いた結晶化の例として、以下の
レーザ照射方法を示す。実施の形態1と同様にして、ガ
ラス基板(7)上にSiO2 下地膜および非晶質Si膜
(1)を成膜し、熱処理を行った。次に非晶質Si膜
(1)の一部をモニター用照射として、上記レーザアニ
ール装置を用い、結晶化させる。モニター用に結晶化さ
れた部分の結晶質Si膜(2)をラマン散乱測定装置に
より特性を評価した後、レーザ光(6)の照射条件の調
整を行い、TFTを作成する部分に対してレーザ照射
し、結晶化する。
【0053】実施の形態4と同様にして、モニター用照
射として、4箇所にそれぞれ375、380、385、
390mJ/cm2で照射を行い、ラマン散乱測定装置によ
り、Si−Si結合を示す約○○cm-1のピーク強度を計
測する。図1に示した、結晶質Si膜(2)のラマン散
乱におけるSi−Si結合ピークおよびTFT移動度の
レーザ光照射エネルギー密度依存性の関係を利用して、
最適なレーザ照射条件を決定する。
【0054】決定された最適なレーザ照射条件、たとえ
ば385mJ/cm2を用いて、TFTを作成する部分に対し
てレーザ照射し、結晶化する。本装置を使用することに
より、レーザ強度等の経時変化や非晶質Si膜(1)の
膜厚、膜質のバラツキに対応した、レーザ照射条件を設
定することができ、結晶質Si膜(2)に対するレーザ
照射条件の許容範囲が狭い場合でも、正確に必要な強度
等の照射条件で結晶化を行うことができる。これによ
り、移動度等の特性が高い結晶質Si膜(2)を安定し
て形成することが可能となった。 (実施の形態7)以下本発明の実施の形態7におけるレ
ーザアニール装置について説明する。
【0055】図11に示した、本発明のレーザアニール
装置は、実施の形態4と同様に非晶質Si膜(1)に対
しレーザ光(6)を照射し、溶融、結晶化させ、結晶質
Si膜(2)を得るための装置であり、XeClエキシ
マレーザを具備する。また、結晶質Si膜(2)の結晶
性を測定するための、RHEED等を測定する機構を具
備する。結晶性を測定するための装置は、他の電子線回
折、X線回折、XPSまたはラマン散乱を用いても、同
様の効果があることを確認している。本装置に具備する
RHEED測定装置は高速な測定が可能であり、また、
位置的に結晶化のためのレーザ照射をさまたげず測定す
ることが可能である。これにより、結晶化のためのレー
ザ光照射と同時に結晶質Si膜(2)の特性を測定する
ことが可能であること、また、結晶化中に得られた結晶
質Si膜(2)の特性の情報に基づき、レーザ光(6)
の照射条件を変更する機構を有することが本装置の特徴
である。 結晶質Si膜(2)の特性を変化させる、レ
ーザ照射条件は、エネルギー密度以外に照射回数、基板
(7)の送り速度等があり、どの条件に対しても、同様
の方法を用いて照射条件の調整を行うことが可能であ
る。
【0056】本装置を用いた結晶化の例として、以下の
レーザ照射方法を示す。実施の形態1と同様にして、ガ
ラス基板(7)上にSiO2 下地膜および非晶質Si膜
(1)を成膜し、熱処理を行った。次に非晶質Si膜
(1)に対して、例えば385mJ/cm2でレーザ光(6)
を照射し、結晶化する。同時に結晶化されたSi膜のR
HEEDを測定する。(111)面方位を示すスポット
の位置の電子線量とバックグランドの電子線量の比が少
なくとも4倍以上、例えば6倍となった時点でレーザ光
(6)の照射を終了する。
【0057】あるいは、例えば基板(7)をレーザ照射
の時間間隔に10μm移動する設定で、エネルギー密度
が385mJ/cm2でレーザ光(6)を照射し、結晶化す
る。同時に結晶化されたSi膜のRHEEDを測定す
る。(111)面方位を示すスポットの位置の電子線量
とバックグランドの電子線量の比が例えば6倍から低下
したばあいには基板(7)送り速度を遅くするまたはエ
ネルギー密度を高くするという微調整を行いながら結晶
化する。
【0058】上記のRHEED測定およびレーザ照射条
件の微調整は自動的に行われる。本装置を使用すること
により、レーザ強度等の経時変化や非晶質Si膜(1)
の膜厚、膜質のバラツキに対応した、最適なレーザ照射
条件で結晶化することができ、結晶質Si膜(2)に対
するレーザ照射条件の許容範囲が狭い場合でも、正確に
必要な強度等の照射条件で結晶化を行うことができる。
これにより、移動度等の特性が高い結晶質Si膜(2)
を安定して形成することが可能となった。 (実施の形態8)以下本発明の実施の形態8におけるT
FTの製造方法について説明する。
【0059】実施の形態1と同様にして、ガラス基板
(7)上にSiO2 下地膜および非晶質Si膜(1)を
成膜し、熱処理を行った。次に図11に示す、レーザア
ニール装置により非晶質Si膜(1)を溶融、結晶化さ
せ、結晶質Si膜(2)を形成する。例えば基板(7)
をレーザ照射の時間間隔に5μm移動する設定で、エネ
ルギー密度が385mJ/cm2でレーザ光(6)を照射し、
結晶化する。同時に結晶化されたSi膜のRHEEDを
測定する。(111)面方位を示すスポットの位置の電
子線量とバックグランドの電子線量の比が例えば6倍か
ら低下した場合には、エネルギー密度を高くし、6倍を
上回るとエネルギー密度を低くするという微調整を行い
ながら結晶化する。
【0060】次に、実施の形態1と同様にして水素化処
理、フォト、エッチング、成膜、ドーピングを繰り返
し、TFTを作成した。本実施の形態に示したTFTの
製造方法を用いることにより、レーザ強度等の経時変化
や非晶質Si膜(1)の膜厚、膜質のバラツキに対応し
た、最適なレーザ照射条件で結晶化することができ、結
晶質Si膜(2)に対するレーザ照射条件の許容範囲が
狭い場合でも、正確に必要な強度等の照射条件で結晶化
を行うことができる。これにより、移動度等の特性が高
い結晶質Si膜(2)を安定して形成することが可能と
なった。図2に示す、照射条件の微調整を行わない、通
常のレーザアニール装置を用いて同様の条件でTFTア
レイを形成した場合、移動度のバラツキが32%である
のに対し、本実施の形態の方法で作成したTFTアレイ
の移動度のパラツキは11%であり、特性分布の少ない
TFTアレイを安定して製造することが可能になった。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電子線回
折法、X線回折法、XPS法あるいはラマン散乱法を用
いた結晶質半導体膜(2)の検査を行うTFTの製造方
法を用いることにより、早期に特性の低い結晶質Si膜
(2)を判定することが可能になり、製造コストが低減
された。
【0062】また、結晶質Si膜(2)の結晶性を測定
するための、電子線回折、X線回折、XPSあるいはラ
マン散乱の測定システムを具備するレーザアニール装置
を用い、モニター用にレーザ光(6)を照射し、形成し
た結晶性半導体膜の特性を測定し、結晶化のためのレー
ザ照射条件を決定する照射方法を用いることにより、レ
ーザ強度等の経時変化や非晶質Si膜(1)の膜厚、膜
質のバラツキに対応した、レーザ照射条件を設定するこ
とができ、結晶質Si膜(2)に対するレーザ照射条件
の許容範囲が狭い場合でも、正確に必要な強度等の照射
条件で結晶化を行うことができる。これにより、移動度
等の特性が高い結晶質Si膜(2)を安定して形成する
ことが可能となった。
【0063】また、上記の結晶性測定システムを具備
し、かつ高速測定が可能であり、結晶化のためのレーザ
照射と同時に結晶性Si膜の特性を測定することが可能
であるレーザアニール装置を用い、結晶化のためのレー
ザ照射中に得られた結晶質Si膜(2)の特性の情報に
基づき、レーザ光(6)の照射条件を微調整する照射方
法を用いることにより、結晶質Si膜(2)に対するレ
ーザ照射条件の許容範囲が狭い場合でも、正確に必要な
強度等の照射条件で結晶化を行うことができる。これに
より、移動度等の特性が高い結晶質Si膜(2)をさら
に安定して形成することが可能となった。
【0064】また、上記の結晶化のためのレーザ照射と
同時に結晶性を測定するシステムを備えるレーザアニー
ル装置を用いるTFTの製造方法とすることにより、レ
ーザ強度等の経時変化や非晶質Si膜(1)の膜厚、膜
質のバラツキに対応した、最適なレーザ照射条件で結晶
化することができ、結晶質Si膜(2)に対するレーザ
照射条件の許容範囲が狭い場合でも、正確に必要な強度
等の照射条件で結晶化を行うことができる。照射条件の
微調整を行わない、通常のレーザアニール装置を用いて
TFTアレイを形成した場合の移動度のバラツキが32
%であるのに対して、上記の微調整を行うレーザアニー
ル装置を用い作成したTFTアレイの移動度のパラツキ
は11%に改善された。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶質Si膜のラマン散乱におけるSi−Si
結合ピークおよびTFT電界効果移動度(移動度)のレ
ーザ光照射エネルギー密度依存性のグラフ
【図2】実施の形態1から3に用いるレーザアニール装
置を示す斜視図
【図3】実施の形態1の検査工程で用いる、反射電子線
回折測定装置(RHEED)を示す断面図
【図4】実施の形態1の検査工程および実施の形態4の
レーザアニール装置に用いる、a)RHEEDによる結
晶質Si膜の(111)面方位スポット位置の電子線量
とバックグランドの電子線量の比と、TFT移動度のレ
ーザ照射エネルギー密度依存性のグラフ、およびb,
c)RHEED電子線量のパターンを示す図
【図5】実施の形態2の検査工程で用いる、X線励起に
よる光電子回折測定装置(XPS)を示す断面図
【図6】実施の形態2の検査工程および実施の形態5に
用いる、結晶質Si膜のXPSによる(111)面方位
ピーク強度とTFT移動度のレーザ照射エネルギー密度
依存性のグラフ
【図7】実施の形態3の検査工程で用いるラマン散乱測
定装置を示す断面図
【図8】実施の形態4に記載のレーザアニール装置を示
す斜視図
【図9】実施の形態5に記載のレーザアニール装置を示
す斜視図
【図10】実施の形態6に記載のレーザアニール装置を
示す斜視図
【図11】実施の形態7および8に記載のレーザアニー
ル装置を示す断面図
【符号の説明】
1 非晶質Si膜 2 多結晶Si膜 3 エキシマレーザ装置 4 反射ミラー 5 光減衰器 6 レーザ光 7 ガラス基板 8 真空ポンプ 9 真空容器 10 電子線源 11 蛍光板 12 CCD 13 X線発生源 14 ビーム走査板 15 イメージングレンズ 16 アナライザ 17 光電子ディテクタ 18 光学レンズ 19 石英板 20 アニール用レーザ光 21 励起用レーザ 22 CCDまたは分光器 23 励起用レーザ光
フロントページの続き (72)発明者 西谷 幹彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H092 JA24 JA37 KA02 KA04 KA05 KA10 MA05 MA07 MA13 MA17 MA27 MA29 MA30 NA27 NA29 PA01 4M106 AA10 AB01 BA02 BA05 BA20 CB17 DH11 DH32 DH33 DH34 5F052 AA02 BB03 BB07 DA02 DB03 JA01 JA10 5F110 AA19 AA24 DD01 DD02 DD13 EE03 EE44 FF02 FF29 GG02 GG03 GG04 GG13 GG25 GG45 HJ18 HL03 HL04 HL11 NN02 NN23 PP03 QQ11 QQ21

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、基板上に非晶質半導体膜を成
    膜する工程と、非晶質半導体膜を結晶質半導体膜に結晶
    化させる工程を有し、電子線回折法を利用した結晶質半
    導体膜の検査を行うことを特徴とする薄膜トランジスタ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】結晶質半導体膜の検査に反射電子線回折法
    を用いることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜トラ
    ンジスタの製造方法。
  3. 【請求項3】結晶質半導体膜の反射電子線回折像におい
    て、面方位を示すスポットの位置の電子線量とバックグ
    ランドの電子線量の比が少なくとも4倍以上となること
    を条件とする検査方法を用いることを特徴とする、請求
    項2に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 【請求項4】少なくとも、基板上に非晶質半導体膜を成
    膜する工程と、非晶質半導体膜を結晶質半導体膜に結晶
    化させる工程を有し、X線回折法またはX線励起による
    光電子回折法を利用した結晶質半導体膜の検査を行うこ
    とを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 【請求項5】結晶質半導体膜のX線励起による光電子回
    折において、面方位(111)を示すピーク強度とバッ
    クグランドとの比が少なくとも10倍以上であることを
    条件とする検査方法を用いることを特徴とする、請求項
    4に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 【請求項6】少なくとも、基板上に非晶質半導体膜を成
    膜する工程と、非晶質半導体膜を結晶質半導体膜に結晶
    化させる工程を有し、結晶質半導体膜に対し、測定用レ
    ーザ光を照射し、結晶質半導体膜から発せられる光を分
    光するラマン散乱法を利用した結晶質半導体膜の検査を
    行うことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 【請求項7】結晶質シリコン膜のラマン散乱測定におい
    て、516cm-1付近付近にピークを持つ、Si−Siの
    結合を示すピークの分光強度とバックグランドとの比が
    少なくとも10倍以上であることを条件とする検査方法
    を用いることを特徴とする、請求項6に記載の薄膜トラ
    ンジスタの製造方法。
  8. 【請求項8】結晶質シリコン膜のラマン散乱測定におい
    て、516cm-1付近付近にピークを持つ、Si−Siの
    結合を示すピークの半値幅が13cm-1以下であることを
    条件とする検査方法を用いることを特徴とする、請求項
    6に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  9. 【請求項9】非晶質半導体膜に対しレーザ光を照射し、
    結晶質半導体膜を形成するレーザアニール装置であっ
    て、結晶質半導体膜に対する電子線回折を測定する機構
    を具備することを特徴とするレーザアニール装置。
  10. 【請求項10】結晶質半導体膜に対する反射電子線回折
    を測定する機構を具備することを特徴とする請求項9に
    記載のレーザアニール装置。
  11. 【請求項11】非晶質半導体膜に対しレーザ光を照射
    し、結晶質半導体膜を形成するレーザアニール装置であ
    って、結晶質半導体膜に対するX線回折法またはX線励
    起による光電子回折を測定する機構を具備することを特
    徴とするレーザアニール装置。
  12. 【請求項12】非晶質半導体膜に対しレーザ光を照射
    し、結晶質半導体膜を形成するレーザアニール装置であ
    って、ラマン散乱測定用レーザ装置および分光器を具備
    し、結晶質半導体膜に対するラマン散乱を測定する機構
    を具備することを特徴とするレーザアニール装置。
  13. 【請求項13】結晶質半導体膜に対する電子線回折また
    はX線回折またはX線励起による光電子回折またはラマ
    ン散乱の測定結果を利用して、結晶化のためのレーザ光
    の照射条件を変更する機構を有することを特徴とする請
    求項9から12に記載のレーザアニール装置。
  14. 【請求項14】非晶質半導体膜に対しレーザ光を照射
    し、結晶質半導体膜を形成するレーザアニール装置であ
    って、結晶質半導体膜に対する、電子線回折またはX線
    回折またはX線励起による光電子回折またはラマン散乱
    を測定する機構を具備し、結晶化のためのレーザ光照射
    と同時に結晶質半導体膜の電子線回折またはX線回折ま
    たはX線励起による光電子回折またはラマン散乱を測定
    し、電子線回折またはX線回折またはX線励起による光
    電子回折またはラマン散乱の情報に基づき、レーザ光の
    照射条件を変更する機構を有することを特徴とする請求
    項9から12に記載のレーザアニール装置。
  15. 【請求項15】結晶化のためのレーザ光照射と同時に結
    晶質半導体膜の電子線回折またはX線回折またはX線励
    起による光電子回折またはラマン散乱を測定し、電子線
    回折またはX線回折またはX線励起による光電子回折ま
    たはラマン散乱の情報に基づき、レーザ光の照射エネル
    ギー密度を変更する機構を有することを特徴とする請求
    項14に記載のレーザアニール装置。
  16. 【請求項16】結晶化のためのレーザ光照射と同時に結
    晶質半導体膜の電子線回折またはX線回折またはX線励
    起による光電子回折またはラマン散乱を測定し、電子線
    回折またはX線回折またはX線励起による光電子回折ま
    たはラマン散乱の情報に基づき、レーザ光の照射を終了
    する機構を有することを特徴とする請求項14に記載の
    レーザアニール装置。
  17. 【請求項17】結晶化のためのレーザ光照射と同時に結
    晶質半導体膜の電子線回折またはX線回折またはX線励
    起による光電子回折またはラマン散乱を測定し、電子線
    回折またはX線回折またはX線励起による光電子回折ま
    たはラマン散乱の情報に基づき、基板または光学系の送
    り速度を変更する機構を有することを特徴とする請求項
    14に記載のレーザアニール装置。
  18. 【請求項18】少なくとも、基板上に非晶質半導体膜を
    成膜する工程と、非晶質半導体膜を結晶質半導体膜に結
    晶化させる工程を有し、前記の結晶化させる工程または
    結晶質半導体膜を改質させる工程に請求項8から17に
    記載のレーザアニール装置を用いることを特徴とする薄
    膜トランジスタの製造方法。
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