JP2002217103A - レーザアニール方法 - Google Patents
レーザアニール方法Info
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Abstract
ーザアニールできるレーザアニール方法を提供する。 【解決手段】 異なるフルエンスのエキシマレーザビー
ムで条件出し用のアモルファスシリコンをレーザアニー
ルしてポリシリコン2にする。ポリシリコン2の表面中
の散乱度の最も高い位置を検出する。エキシマレーザビ
ームの照射状況に関わらず、光が最も散乱する際のフル
エンスを容易に発見できる。光が最も散乱する際のフル
エンスは、散乱度の最も高い位置に相当するフルエンス
に所定のフルエンスを加えて設定値とし、この設定値に
基づいて、アモルファスシリコンをレーザアニールする
ことにより、常に最適なレーザアニールができる。バリ
アブルアッテネータの透過率でエネルギ密度を調整した
エキシマレーザビームでアモルファスシリコンをレーザ
アニールしてもよい。
Description
晶質シリコン半導体に向けてレーザビームを照射して、
この非晶質シリコン半導体を多結晶シリコン半導体にす
るレーザアニール方法に関する。
ルファスシリコン(a-Si)により形成される絶縁ゲー
ト型の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TF
T)を画素スイッチに用いた液晶ディスプレイ(Liquid C
rystal Display:LCD)が用いられているが、高精彩
で高速な高機能を有する液晶ディスプレイを実現するた
めには、電界移動度(μFE)が1cm2/Vs以下と低
いアモルファスシリコンの薄膜トランジスタでは能力が
不足する。これに対して、アモルファスシリコンにエキ
シマレーザを照射するレーザアニール法で作成した多結
晶シリコンであるポリシリコンの薄膜トランジスタで
は、電界移動度が100cm2/Vs〜200cm2/V
s程度のものが得られる。このため、液晶ディスプレイ
の高精彩化、高速化および駆動回路の一体形成などの高
機能化が期待できる。
界移動度を決定する要素は、ポリシリコンの粒径であ
る。これは、照射するレーザビームのいわゆるフルエン
ス(fluence)といわれるエネルギ密度に大きく依存す
る。すなわち、このフルエンスの増大につれて、ポリシ
リコンの粒径が増大するが、電界移動度100cm2/
Vs以上の高性能のポリシリコンを得るためには、F1
というあるフルエンスよりも高いフルエンスが必要であ
る。
大させていくと、ポリシリコンの粒径はさらに増大して
いくが、あるフルエンスの値、すなわちF2を境に微結
晶粒となり、このような微結晶なポリシリコンでは所望
の薄膜トランジスタ特性を得ることができない。
シリコンをエッチング液でエッチングして、走査電子顕
微鏡(FE-SEM)で粒径を観察することによって求め
ることができる。この方法を利用して、レーザビームの
フルエンスを、ポリシリコンの粒径がある程度大きい領
域、すなわちF1からF2の間で選ぶ。このように選択
することによって、レーザビームの発振強度がある程度
変化しても、所望の電界移動度のポリシリコンの薄膜ト
ランジスタが得られるようになる。
エッチング法では、ガラス基板を割ってこのガラス基板
をエッチングし、走査電子願微鏡で観察するという工程
が必要であるため、ポリシリコンの粒径が求まるまでに
非常に時間が掛かる。このため、このエッチング法で
は、生産性を落すことになる。
た後のショット数が増大するにつれて最適な条件が変化
してしまうため、頻繁に最適な条件を求める必要があ
る。ところが、このエッチング法で頻繁に最適な条件を
求めることは、生産性を落とすことになるので、生産現
場では現実的でないという問題を有している。
ので、非晶質シリコン半導体を常に最適な条件でレーザ
アニールできるレーザアニール方法を提供することを目
的とする。
質シリコン半導体の薄膜を堆積した透光性基板にレーザ
ビームを照射して、前記非晶質シリコン半導体を多結晶
シリコン半導体にするレーザアニール方法であって、条
件出し用の非晶質シリコン半導体に向けて、異なる大き
さのエネルギ密度を持つレーザビームそれぞれでこの非
晶質シリコン半導体をレーザアニールして多結晶シリコ
ンとし、この異なる大きさのエネルギ密度でレーザアニ
ールされた前記多結晶シリコン半導体の表面中の散乱度
の最も高い位置を検出し、この散乱度の最も高い位置に
照射されたレーザビームのエネルギ密度に所定のエネル
ギ密度を加えて設定値とし、この設定値に基づいて、製
品用の前記透光性基板に形成された非晶質シリコン半導
体をレーザアニールし、この非晶質シリコン半導体を多
結晶シリコン半導体にするものである。
多結晶シリコン半導体の表面の形状、結晶粒径および作
製した薄膜トランジスタ特性との関係を調べた結果、多
結晶シリコン半導体の平均粒径が所定の大きさのとき、
この多結晶シリコン半導体の表面の凹凸が最も激しくな
って光が散乱する。そして、高性能な多結晶シリコン半
導体を得るために必要なエネルギ密度は、光が最も散乱
する条件である。このため、条件出し用の非晶質シリコ
ン半導体に向けて、異なる大きさのエネルギ密度を持つ
レーザビームそれぞれで非晶質シリコン半導体をレーザ
アニールして多結晶シリコンとし、この異なる大きさの
エネルギ密度でレーザアニールされた多結晶シリコン半
導体の表面中の散乱度の最も高い位置を検出することに
より、レーザビームの状況に関わらず、光が最も散乱す
る際におけるエネルギ密度を容易に見つけ出すことが可
能となる。このため、レーザアニールのエネルギ密度の
設定をこれらの間に選ぶことにより歩留まりが向上す
る。また、光が最も散乱する条件でのエネルギ密度は、
レーザビームの状況によって変化するが、散乱度の最も
高い位置に相当するエネルギ密度に所定のエネルギ密度
を加えて設定値とし、この設定値に基づいて、非晶質シ
リコン半導体をレーザアニールすることにより、常に最
適なレーザアニールが可能となる。
度を調整して、レーザビームを照射して非晶質シリコン
をレーザアニールしてもよい。
置の一実施の形態の構成を図1ないし図3を参照して説
明する。
基板であるガラス基板5の一主面上に成膜した非晶質シ
リコン半導体であるアモルファスシリコン(a-Si)7
の薄膜に向けて、キセノンクロライド(XeCl)などか
らなるパルスレーザであるレーザビームとしてのエキシ
マレーザビームBを照射して、このアモルファスシリコ
ン7をレーザアニールし、このアモルファスシリコン7
を多結晶シリコン半導体であるポリシリコン2にする。
シマレーザビームBを発振するレーザ発振手段であるレ
ーザ発振器11を備えている。このレーザ発振器11から発
振されたエキシマレーザビームBは、光学系の第1のモ
ジュール21および第2のモジュール31を通り、アニール
チャンバ38内のステージ40上に設置されたガラス基板5
上のアモルファスシリコン7面では線状となる。また、
このレーザ発振器11により発振されるエキシマレーザビ
ームBは、アニールチャンバ38内のステージ40上に設置
されたガラス基板5上で最終的に焦点が結ばれるように
調整されている。ここで、このレーザ発振器11は、エキ
シマレーザビームBの発振開始時と発振終了時に、発振
途中における強度よりも低い強度のエキシマレーザビー
ムBを発振させる。
交差する方向にスキャンして、エキシマレーザビームB
をアモルファスシリコン7に照射する。
体12を備えており、このレーザ本体12内には、エキシマ
レーザビームBの発振源であるディテクタ13が取り付け
られている。このディテクタ13は、フォトダイオード(P
hoto diode)により形成されている。また、このディテ
クタ13にて発振されたレーザビームは、このディテクタ
13の光路前方に配設された全反射ミラー14により、光路
が90°曲げられる。この全反射ミラー14は、レーザ本
体12内に配設されている。
折されたレーザビームの光路前方には、レーザ発振チュ
ーブとしてのレーザチューブ15が配設されている。この
レーザチューブ15は、レーザ本体12内に配設されてお
り、ディテクタ13から発振されたレーザビームをエキシ
マレーザビームBにする。さらに、このレーザチューブ
15の光路前方および後方のそれぞれには、レーザ発振器
11から発振するエキシマレーザビームBを共振させる共
振器ミラー16a,16bが配設されている。
シマレーザビームBの光路前方には、このエキシマレー
ザビームBを高速で遮断可能なシャッタ18が配設されて
いる。このシャッタ18は、レーザ本体12内に配設されて
おり、このシャッタ18を通過したエキシマレーザビーム
Bの光路前方であるレーザ本体12の一側面には、このシ
ャッタ18を通過したエキシマレーザビームBをレーザ本
体12の外部へと引き出すプロテクトウインドウ17が取り
付けられている。このプロテクトウインドウ17の共振器
ミラー16b側の一主面は、アンチリフレクションコート
が施されている。
主面には、発振されたエキシマレーザビームBを引き込
み、このエキシマレーザビームBの透過率を制御する第
1のモジュール21が配置されている。この第1のモジュ
ール21内には、プロテクトウインドウ17を通過したエキ
シマレーザビームBの光路前方には、このエキシマレー
ザビームBの光路を、例えば90°で全反射させる第1
のミラー22が配設されている。この第1のミラー22は、
第1のモジュール21内に配設されている。
エキシマレーザビームBの光路前方には、光の減衰器で
あるアッテネータとしてのバリアブルアッテネータ23が
配置されている。このバリアブルアッテネータ23は、電
圧可変型であり、第1のモジュール21内に配設されてい
る。また、このバリアブルアッテネータ23は、エキシマ
レーザビームBの透過率を変更する。さらに、このバリ
アブルアッテネータ23は、エキシマレーザビームBの透
過率を0%から90%の範囲で変更可能なアッテネータ
24と、このアッテネータ24を通過したエキシマレーザビ
ームBの光路を補正する補償板としてのコンペンセータ
25とを備えている。そして、バリアブルアッテネータ23
へと入射したエキシマレーザビームBは、アッテネータ
24にて透過率を調整された後、コンペンセータ25でアッ
テネータ24へと入射する以前の光路へと補正される。こ
れらアッテネータ24およびコンペンセータ25は、石英な
どで成形されており、互いに相対する方向に向けて連動
して回動可能である。
通過したエキシマレーザビームBの光路前方には、テレ
スコープ26が配設されている。このテレスコープ26は、
第1のモジュール21内に配設されており、複数、例えば
2枚のレンズにて構成され、LAH32へと入射するエキ
シマレーザビームBの大きさ、すなわちビームサイズを
調整する。また、このテレスコープ26を通過したエキシ
マレーザビームBの光路前方には、このエキシマレーザ
ビームBの光路を、例えば90°で反射させる第2のミ
ラー27が配設されている。この第2のミラー27は、第1
のモジュール21内に配設されており、入射するエキシマ
レーザビームBを全反射する。
れたエキシマレーザビームBの光路前方には、第1のモ
ジュール21に隣接された第2のモジュール31が取り付け
られている。そして、第2のミラー27にて反射されたエ
キシマレーザビームBは、このエキシマレーザビームB
の長軸を調整するロングアクシスホモジナイザ、すなわ
ちLAH32へと入射する。このLAH32は、第2のモジ
ュール21内に配設されており、エキシマレーザビームB
の長軸をズーミングする図示しない第1のLH(ロング
ホモジナイザ)および第2のLHと、これら第1のLH
および第2のLHにて長軸をズーミングしたエキシマレ
ーザビームBの波形を補正する図示しないコンデンサレ
ンズとを有している。
エキシマレーザビームBの光路前方には、このエキシマ
レーザビームBの短軸を調整するショートアクシスホモ
ジナイザ、すなわちSAH33が配設されている。このS
AH33は、第2のモジュール31内に配設されており、エ
キシマレーザビームBの短軸をズーミングする図示しな
い第1のSH(ショートホモジナイザ)および第2のSH
と、これら第1のSHおよび第2のSHにて短軸をズー
ミングしたエキシマレーザビームBの波形を補正する図
示しないコンデンサレンズとを有している。
エキシマレーザビームBの光路前方には、短軸スリット
34が配設されている。この短軸スリット34は、第2のモ
ジュール31内に配設されている。
レーザビームBの光路前方には、このエキシマレーザビ
ームBの短軸、およびこのエキシマレーザビームBの時
間波形でのスティープネスを調整するフィールドレンズ
35が配設されている。このフィールドレンズ35は、第2
のモジュール31内に配設されている。さらに、このフィ
ールドレンズ35を通過したエキシマレーザビームBの光
路前方には、このエキシマレーザビームBの光路を、9
0°で反射させる第3のミラー36が配設されている。こ
の第3のミラー36は、第2のモジュール31内に配設され
ており、入射するエキシマレーザビームBを全反射す
る。さらに、この第3のミラー36を通過したエキシマレ
ーザビームBの光路前方には、いわゆる5Xレンズとい
われるプロジェクションレンズ37が配設されている。こ
のプロジェクションレンズ37は、第2のモジュール31内
に配設されている。
通過したエキシマレーザビームの光路前方には、内部で
ガラス基板5上のアモルファスシリコン7をレーザアニ
ールする雰囲気制御手段としてのアニールチャンバ38が
配設されている。このアニールチャンバ38の一側面に
は、外部からエキシマレーザビームBを内部へと照射さ
せるアニーラウインドウ39が設けられている。このアニ
ーラウインドウ39は、プロジェクションレンズ37を通過
したエキシマレーザビームBが入射する位置に配設され
ている。
ガラス基板5が設置され、このガラス基板5を面方向に
向けて走査、すなわち移動させるステージ40が取り付け
られている。このステージ40は、設置したガラス基板5
を水平方向である互いに直角に交わるそれぞれの方向に
向けて走査可能である。
ス基板5上は、アニールチャンバ38により窒素ガスなど
の不活性ガスにより雰囲気が調整されている。さらに、
このステージ40は、このステージ40上に設置したガラス
基板5上のアモルファスシリコン7の薄膜上の全面、す
なわち全域にアニーラウインドウ39を通過したエキシマ
レーザビームBが照射するように形成されている。ま
た、このステージ40は、このステージ40上に設置したガ
ラス基板5上のアモルファスシリコン7のレーザアニー
ルを開始する位置から等速度で移動する。
るポリシリコンを用いた薄膜トランジスタの構成を図3
を参照して説明する。
5の一主面上に、このガラス基板5からの不純物の拡散
を防止する絶縁性のアンダーコート層6が成膜されてい
る。
島状のポリシリコン2が成膜されている。このポリシリ
コン2は、ガラス基板5上に堆積させたアモルファスシ
リコン7に向けてエキシマレーザビームBを照射して、
このアモルファスシリコン7をレーザアニールすること
により形成されている。また、このポリシリコン2を形
成する以前のアモルファスシリコン7の膜厚は、約50
nmである。
コート層6上には、絶縁性を有するシリコン酸化膜など
でゲート酸化膜63が成膜されている。
ブデン−タングステン合金(MoW)などが成膜されて、
ゲート電極64が形成されている。
ス領域67とドレイン領域68とが形成されている。さら
に、ドーピングされていないゲート電極64の下方に位置
するポリシリコン2がチャネル領域69となる。
64上には、シリコン酸化膜などで形成された層間絶縁膜
71が成膜されている。また、この層間絶縁膜71とゲート
酸化膜63とには、これら層間絶縁膜71およびゲート酸化
膜63を貫通し、ソース領域67およびドレイン領域68に連
通する第1のコンタクトホール72a,72bが開口されてい
る。
層として成膜されたソース電極73と、ドレイン電極74
と、信号を供給する図示しない信号線とが形成されてい
る。これらソース電極73、ドレイン電極74および信号線
は、アルミニウム(Al)などの低抵抗金属などで成膜形
成されている。そして、ソース電極73は、第1のコンタ
クトホール72aを介してソース領域67に導電接続されて
いる。同様に、ドレイン電極74は、第1のコンタクトホ
ール72bを介してドレイン領域68に導電接続されてい
る。
ザアニール方法について説明する。
酸化膜などをプラズマCVD法などで成膜形成してアン
ダーコート層6を形成する。
0nmの膜厚でアモルファスシリコン7をプラズマCV
D法などで成膜する。
素雰囲気中において500℃で10分熱処理し、このア
モルファスシリコン7中の水素濃度を低下させる。
る。
ガスを交換した後、アモルファスシリコン7が形成され
た条件出し用のガラス基板5をステージ40上に設置し、
このステージ40を走査してガラス基板5を移動させなが
ら、レーザ発振器11から単調に増加または低下する異な
るエネルギ密度であるフルエンス(fluence)を持つエキ
シマレーザビームBを発振させて、このエキシマレーザ
ビームBをガラス基板5上のアモルファスシリコン7に
向けて照射して、このアモルファスシリコン7をレーザ
ーアニールし、このアモルファスシリコン7をポリシリ
コン2にする。
マレーザビームBをガラス基板5上の膜厚50nmのア
モルファスシリコン7に、1mm間隔で20mmずつ、
フルエンスを10mJ/cm2ずつ増やしながら、26
0mJ/cm2から400mJ/cm2までの15の条件
で照射する。
m×500mmであり、このガラス基板5を載せたステ
ージの送りピッチは20μmである。またレーザ発振器
11から発振されるエキシマレーザビームBのレーザ発振
周波数は300Hzである。さらに、エキシマレーザビ
ームBの波長を308nmに設定し、このエキシマレー
ザビームBの照射サイズを250mm×0.4mmの線
状ビームとする。また、このエキシマレーザビームBの
オーバーラップを95%に設定する。
ガラス基板5上のアモルファスシリコン7の表面中にお
ける散乱度の最も高い位置を検出する。
するフルエンスに所定のフルエンスを加えて設定値Eと
する。
フルエンスに加えるフルエンスは、条件出し用のガラス
基板5に形成されたアモルファスシリコン7の膜厚と、
製品化するガラス基板5に形成するアモルファスシリコ
ン7の膜厚の規格値とが同じときは、10mJ/cm2
以上40mJ/cm2以下とする。
7の膜厚の平均値dsナノメータと、製品化するアモル
ファスシリコン7の膜厚の規格値doナノメータとの
比、すなわちds/doが、90%以上94%未満の場
合には20mJ/cm2以上50mJ/cm2以下の値を
加え、94%以上98%未満の場合には15mJ/cm
2以上45mJ/cm2以下の値を加え、98%以上か
ら102%未満の場合には10mJ/cm2以上40m
J/cm2以下の値を加え、102%以上106%未満
の場合には5mJ/cm2以上35mJ/cm2以下の値
を加え、106%以上110%未満の場合には0mJ/
cm2以上30mJ/cm2以下の値を加える。そし
て、ds/doが90%未満および110%を超える膜
厚のアモルファスシリコン7が形成されたガラス基板5
は、条件出し用のガラス基板5として使用しない。
のガスを交換した後と、次のエキシマレーザビームBの
ガスの交換に至る前に行なう。
ザビームBのフルエンスが330mJ/cm2となるの
で、この値に20mJ/cm2のフルエンスを加えて、
設定値Eを350mJ/cm2とする。
化するガラス基板5上のアモルファスシリコン7に向け
て、設定値Eに基づいたエキシマレーザビームBを照射
して、このアモルファスシリコン7をレーザアニール
し、このアモルファスシリコン7を所望する、例えば
0.3μm程度の結晶粒径を有するポリシリコン2にす
る。
で発振されるエキシマレーザビームBの波長を308n
mに設定し、このエキシマレーザビームBの照射サイズ
を250mm×0.4mmの線状ビームとする。また、
ガラス基板5上でのエキシマレーザビームBのフルエン
スが設定値E、すなわち350mJ/cm2となるよう
に設定し、このエキシマレーザビームBのオーバーラッ
プを95%に設定する。
基板5上に、プラズマCVD法などでゲート酸化膜63を
形成する。
線層をスパッタリング法で成膜し、この第1配線層をエ
ッチング加工して、ゲート電極64を形成する。
領域67およびドレイン領域68を形成する。これらソース
領域67およびドレイン領域68は、ゲート電極64をエッチ
ング加工する際におけるレジストをマスクとして、ボロ
ン(B)やリン(P)などの不純物をイオンドーピング法な
どで、ポリシリコン2の両側域をドーピングすることに
より形成されている。
ドーピングされていないポリシリコン2がチャネル領域
69となる。
64上に層間絶縁膜71を形成し、層間絶縁膜71およびゲー
ト酸化膜63に第1のコンタクトホール72a,72bを形成し
た後、この層間絶縁膜71上に低抵抗金属をスパッタリン
グ法などで成膜しパターニングしてソース電極73、ドレ
イン電極74および信号線を形成する。
ば、フルエンスと、ポリシリコン2の表面の形状である
表面モフォロジ、結晶粒径および作製した薄膜トランジ
スタ特性との関係を調べた結果、ポリシリコン2の平均
粒径が所定の大きさ、例えば0.3μmとなるときに、
このポリシリコン2の表面の凹凸が最も激しくなって光
が散乱する。そして、高性能なポリシリコン2を得るた
めに必要なフルエンスは、光が最も散乱する条件であ
る。このため、液晶ディスプレイ用の薄膜トランジスタ
3に適した性能を出すためには、ポリシリコン2の粒径
は0.3μm以上である必要がある。
3μmの際に、このポリシリコン2の表面の突起が最大
となるは、エキシマレーザビームBの波長が0.3μm
であり、光学系を通したエキシマレーザビームBが光の
干渉により、0.3μm間隔で強度分布を持つためであ
る。
シリコン7に向けてエキシマレーザビームBを照射し
て、このアモルファスシリコン7をポリシリコン2とす
る以前の状態で、異なるフルエンスを持つエキシマレー
ザビームBのそれぞれでアモルファスシリコン7をレー
ザアニールし、この異なる条件でレーザアニールしたア
モルファスシリコン7の表面中の散乱度の最も高い位置
を選択することにより、エキシマレーザビームBの状況
に関わらず、光が最も散乱する際におけるフルエンス
(F1)を容易に見つけ出すことができる。
いくと、ポリシリコン2の粒径はさらに増大していく
が、あるフルエンスの値(F2)を境に微結晶粒となるの
で、レーザアニールのマージンはF1とF2との間にあ
る。よって、歩留まりを最大にするためには、エキシマ
レーザビームBによるレーザアニールのフルエンスの設
定をF1とF2との間で選ぶことにより、ガラス基板5
上に形成される薄膜トランジスタ3の歩留まりを向上で
きる。
よって、光が最も散乱する条件でのフルエンスF1は変
化をするが、(F2−F1)はほぼ一定している。このた
め、散乱度の最も高い位置に相当するフルエンスF1か
ら所定のフルエンスを加えて設定値Eとし、この設定値
Eに基づいて、アモルファスシリコン7をレーザアニー
ルすることにより、エキシマレーザビームBの変化に関
わらず、最適なレーザアニール照射条件を即座に決定で
き、アモルファスシリコン7を常に最適にレーザアニー
ルできる。よって、高い特性を有するポリシリコン2を
歩留まりよく、生産性よく製造できるので、高性能かつ
高品質な薄膜トランジスタ3の液晶ディスプレイや、駆
動回路一体型の液晶ディスプレイ、その他の高機能な液
晶ディスプレイなどの製造を容易にできる。
フルエンスに所定のフルエンスを加えて設定値Eを選択
することにより、この設定値Eの選択が容易であるとと
もに、この設定値Eが、0.3μmの粒径寸法であるポ
リシリコン2をレーザアニールで形成する際におけるエ
キシマレーザビームBのフルエンスのマージンの範囲内
に該当する。
レーザアニールして、このガラス基板5中での散乱度の
最も高い位置に相当するフルエンスを選択するので、多
数のガラス基板5それぞれにフルエンスの異なるエキシ
マレーザビームBを照射して、これら複数のガラス基板
5上のポリシリコン2を比較して散乱度の最も高い位置
に相当するフルエンスを選択する場合に比べ、散乱度の
最も高い位置に相当するフルエンスを選択する作業を正
確かつ容易にできる。
ン7の膜厚の平均値と製品化されるガラス基板5に形成
されるアモルファスシリコン7の膜厚の規格値との膜厚
比が、90%以上94%未満の場合に加える値は20m
J/cm2以上50mJ/cm 2以下であり、94%以上
98%未満の場合に加える値は15mJ/cm2以上4
5mJ/cm2以下であり、98%以上から102%未
満の場合に加える値は10mJ/cm2以上40mJ/c
m2以下であり、102%以上106%未満の場合に加
える値は5J/cm2以上35mJ/cm2以下であり、
106%以上110%未満の場合に加える値は0mJ/
cm2以上30mJ/cm2以下であり、さらに、90
%未満および110%を超える場合には条件出し用のガ
ラス基板5としては使用しないとすることにより、アモ
ルファスシリコン7の膜厚が薄くまたは厚くなっても、
設定値Eを求められる。よって、ガラス基板5上のアモ
ルファスシリコン7で形成したポリシリコン2の不良を
削減できる。
ルエンスを持つエキシマレーザビームBで、ガラス基板
5上のアモルファスシリコン7をレーザアニールするこ
とにより、ポリシリコン2の散乱度は段階的に高くまた
は低くなる。このため、散乱度の最も高いポリシリコン
2の選択がより正確かつ容易になる。
ガスを交換した後と、次のエキシマレーザビームBのレ
ーザガスの交換に至る前である所定ロット毎に設定値E
を測定することにより、この設定値Eを測定する際のタ
イミングを的確にできる。
ーザビームBをガラス基板5上のアモルファスシリコン
7に対して1mm間隔で20mmずつ、フルエンスを1
0mJ/cm2ずつ増やしながら、260mJ/cm2か
ら400mJ/cm2までの15の条件で照射した構成
について説明したが、このような構成に限定されること
はなく、バリアブルアッテネータ23による透過率で、エ
キシマレーザビームBのフルエンスを調整しながら、こ
のエキシマレーザビームBでガラス基板5上のアモルフ
ァスシリコン7をレーザアニールしても、上記一実施の
形態と同様の作用効果を奏することができる。
スを交換した後、このエキシマレーザビームBをガラス
基板5上の膜厚47nmのアモルファスシリコン7に、
1mm間隔で20mmずつ、バリアブルアッテネータ23
の角度を調整して、レーザ発振器11から発振されるエキ
シマレーザビームBの透過率を2%ずつ増やしながら、
72%から100%までの15の条件で照射する。ここ
で、エキシマレーザビームBの透過率は、単調に増加ま
たは低下させればよい。
mm×500mmで、このガラス基板6を載せたステー
ジ40の送りピッチを20μmに設定する。また、エキシ
マレーザビームBの発振周波数を300Hzに設定す
る。
あるが、条件出し用のアモルファスシリコン7の膜厚が
47nmであり、製品となる基板に形成されるアモルフ
ァスシリコン7の膜厚の規格値50nmとの比が94%
であるため、製品に対しては加えるバリアブルアッテネ
ータ23の透過率が、79%に4%を加え、さらに1%を
加えた84%とする。この84%は、フルエンスに換算
すると353mJ/cm2であった。
モルファスシリコン7の膜厚の平均値と製品化するガラ
ス基板5に形成されるアモルファスシリコン7の膜厚の
規格値との膜厚比が、90%以上94%未満で4%以上
10%以下であり、94%以上98%未満で3%以上9
%以下であり、98%以上から102%未満で2%以上
8%以下であり、102%以上106%未満で1%以上
7%以下であり、106%以上110%未満で0%以上
6%以下である。そして、アモルファスシリコン7の膜
厚の平均値が、製品化するガラス基板5に形成されるア
モルファスシリコン7の膜厚の規格値に対して90%未
満および110%を超える場合には条件出し用のガラス
基板5として使用しない。
関わらず、光が最も散乱する際におけるエネルギ密度を
容易に見つけ出せるとともに、散乱度の最も高い位置に
相当するエネルギ密度に所定のエネルギ密度を加えて設
定値とし、この設定値に基づいて、非晶質シリコン半導
体をレーザアニールすることにより、常に最適なレーザ
アニールができる。
アニールしたガラス基板を示す説明図である。
ジスタを示す断面図である。
コン 23 アッテネータとしてのバリアブルアッテネータ B レーザビームとしてのエキシマレーザビーム
Claims (6)
- 【請求項1】 一主面に非晶質シリコン半導体の薄膜を
堆積した透光性基板にレーザビームを照射して、前記非
晶質シリコン半導体を多結晶シリコン半導体にするレー
ザアニール方法であって、 条件出し用の非晶質シリコン半導体に向けて、異なる大
きさのエネルギ密度を持つレーザビームそれぞれでこの
非晶質シリコン半導体をレーザアニールして多結晶シリ
コンとし、 この異なる大きさのエネルギ密度でレーザアニールされ
た前記多結晶シリコン半導体の表面中の散乱度の最も高
い位置を検出し、 この散乱度の最も高い位置に照射されたレーザビームの
エネルギ密度に所定のエネルギ密度を加えて設定値と
し、 この設定値に基づいて、製品用の前記透光性基板に形成
された非晶質シリコン半導体をレーザアニールし、この
非晶質シリコン半導体を多結晶シリコン半導体にするこ
とを特徴としたレーザアニール方法。 - 【請求項2】 前記所定のエネルギ密度は、条件出し用
の非晶質シリコン半導体の膜厚の平均値と製品用の透光
性基板に形成する非晶質シリコン半導体の膜厚の規格値
との膜厚比が、 90%以上94%未満で、20mJ/cm2以上50m
J/cm2以下であり、 94%以上98%未満で、15mJ/cm2以上45m
J/cm2以下であり、 98%以上102%未満で、10mJ/cm2以上40
mJ/cm2以下であり、 102%以上106%未満で、5J/cm2以上35m
J/cm2以下であり、 106%以上110%未満で、0mJ/cm2以上30
mJ/cm2以下であることを特徴とする請求項1記載
のレーザアニール方法。 - 【請求項3】 一主面に非晶質シリコン半導体薄膜を堆
積した透光性基板に、光の減衰器であるアッテネータの
透過率でエネルギ密度が調整されたレーザビームを照射
して、前記非晶質シリコン半導体を多結晶シリコン半導
体とするレーザアニール方法であって、 条件出し用の非晶質シリコン半導体に向けて、異なる前
記アッテネータの透過率によるレーザビームそれぞれで
この非晶質シリコンをレーザアニールして多結晶シリコ
ンとし、 この異なる条件でレーザアニールされた前記多結晶シリ
コンの表面中の散乱度が最も高い位置を検出し、 この散乱度の最も高い位置に照射されたレーザビームの
アッテネータの透過率に所定の透過率を加えて透過率の
設定値とし、 この所定値に基づいて、製品用の前記透光性基板に形成
された非晶質シリコン半導体をレーザアニールし、この
非晶質シリコン半導体を多結晶シリコンにすることを特
徴とするレーザアニール方法。 - 【請求項4】 前記所定の透過率は、条件出し用の非晶
質シリコン半導体の膜厚の平均値と製品用の透光性基板
に形成する非晶質シリコン半導体の膜厚の規格値との膜
厚比が、 90%以上94%未満で、4%以上10%以下であり、 94%以上98%未満で、3%以上9%以下であり、 98%以上102%未満で、2%以上8%以下であり、 102%以上106%未満で、1%以上7%以下であ
り、 106%以上110%未満で、0%以上6%以下である
ことを特徴とした請求項3記載のレーザアニール方法。 - 【請求項5】 1枚の条件出し用非晶質シリコン半導体
で設定値を求めることを特徴とする請求項1または3記
載のレーザアニール方法。 - 【請求項6】 レーザのガスを交換した後と、次のガス
交換に至る前とで設定値を求めることを特徴とする請求
項1または3記載のレーザアニール方法。
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