JP3471485B2 - 光処理装置および光処理方法 - Google Patents

光処理装置および光処理方法

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JP3471485B2
JP3471485B2 JP15385095A JP15385095A JP3471485B2 JP 3471485 B2 JP3471485 B2 JP 3471485B2 JP 15385095 A JP15385095 A JP 15385095A JP 15385095 A JP15385095 A JP 15385095A JP 3471485 B2 JP3471485 B2 JP 3471485B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本明細書で開示する発明は、レー
ザー光を用いた各種処理工程において、その処理効果を
評価する技術に関する。さらには、レーザー光の照射エ
ネルギーを相対的に評価、さらには制御する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】多結晶珪素薄膜を用いた薄膜トランジス
タ(一般のTFTと称される)が知られている。このT
FTは、各種集積回路、特にアクティブマトリクス型の
液晶パネルに利用される。またこのアクティブマトリク
ス型の液晶パネルを製作する試みとして、「低温プロセ
ス」の開発が進んでいる。これは、低温プロセスを用い
ることにより、基板として安価で大面積なものが低コス
トで入手できるガラス基板を用い、液晶パネル自体のコ
ストを抑えるためである。
【0003】上記低温プロセスは、ガラス基板が耐えら
れる約600℃以下の温度プロセスでガラス基板上に形
成された非晶質珪素膜を結晶化できるかどうかが大きな
課題となっている。低温プロセスの一つとしては、ガラ
ス基板上に非晶質珪素膜をプラズマCVD法や減圧熱C
VD法で形成し、その膜にエキシマレーザー光を照射し
て結晶性珪素膜に変成するプロセスが知られている。こ
のプロセスは、珪素膜の表面近傍を瞬間的に溶融状態と
することによって、非晶質珪素膜を結晶化させるもので
ある。
【0004】レーザー光、特にエキシマレーザー光の照
射によって結晶化された結晶性珪素膜は、緻密で電気的
な特性も優れているという長所を有している。しかも基
板に対する熱的なダメージが極めて少ないという特徴が
ある。しかしながら、エキシマレーザー光は、その照射
エネルギーが不安定であり、常に最適な条件で照射を行
うことが困難であるという問題がある。
【0005】エキシマレーザーは特定のガスを用い、こ
のガスに対して高周波放電を起こすことによって、ガス
を励起状態とし、そしてこのガスの分子が励起状態から
定常状態に変化する際における電磁波放出を利用したも
のである。したがって、レーザー発振を継続して行う
と、ガス中の不純物が増加したり、ガスが変質したり
し、同じ放電電力を与えても、レーザー光の出力が低下
してしまうという原理的な問題が存在する。一般には、
校正表等を用い、レーザー光の出力が一定なものとなる
ようにしてはいるが、十分なものとはいえないのが現状
である。(例えば放電チャンバー内の汚染等までも考慮
して校正を行うことは困難である)
【0006】レーザー光の照射によって、結晶性を有せ
しめた結晶性珪素膜を用い、薄膜トランジスタを作製し
た場合、薄膜トランジスタの特性はレーザー光の照射エ
ネルギーにほぼ依存していることが判明している。従っ
て、常にレーザー光の照射エネルギーを一定なもの、あ
るいは所望の値のものとすることができれば、所定の特
性を有する薄膜トランジスタを得ることができる。この
ことは、薄膜トランジタの例に限らず、レーザー光の照
射による処理を用いた半導体装置に広くいえることであ
る。
【0007】半導体に対するレーザー光の照射によるア
ニール効果を評価する方法としては、例えば、特開昭5
8−15943号公報、特開昭58−40331号公
報、特開平1−16378号公報に記載されている技術
がある。
【0008】これらの方法は、半導体に対するレーザー
光の照射によるアニール効果、特にその結晶性をラマン
分光法によって計測し、所定のアニール効果を評価せん
とするものである。しかしながら、ラマン分光法には次
のような欠点がある。 (1)測定の再現性が悪い。 (2)Arレーザーのような大出力レーザーを使用するた
め安全面で問題がある。 (3)装置の値段が高い。 (4)測定に時間を要する。
【0009】また、膜の表面の平坦性も完成した薄膜ト
ランジスタの特性を左右する大きな要素であるが、ラマ
ン分光法では膜表面の平坦性を評価することは困難であ
る。以上のような理由から、ラマン分光法のみでは、所
望の特性を有する薄膜トランジスタを構成する結晶性珪
素膜の評価を十分に行うことができない。
【0010】従って、上記のラマン分光法を用いた評価
方法に併用して、光学顕微鏡やSEM(走査型電子顕微
鏡)を使用して、人間の目で膜の平坦性を評価している
のが現状である。
【0011】以上述べたように、現状では、 (A)エキシマレーザー光を用いた非晶質珪素膜の結晶
化工程において、エキシマレーザー光の最適照射条件を
実験的に見い出し、常に最適な条件でレーザー光の照射
が行えるように努める。 (B)上記の最適な条件の割り出しは、ラマン分光法に
よってその結晶性を評価し、さらに目視によってその平
坦性を評価することによって行われる。
【0012】しかしながら、前述のように、エキシマレ
ーザー光の照射エネルギーは変動し易く、その照射エネ
ルギーを制御することは困難である。また、上記(B)
に示すように、レーザー光の照射による効果の評価は、
ラマン分光法による結晶性の評価と目視による膜の平坦
性の評価という2つのパラメータに依存し、しかもこの
2つのパラメータを用いて、徐々に変動するエキシマレ
ーザー光の照射パワーを最適なものに制御するという基
本的に困難な方法を利用している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以下に示す
課題の少なくとも一つを解決することを目的とする。 (1)レーザー光を用いた薄膜の膜質改善やアニール等
の各種処理において、リアルタイムでその効果を判定で
きる技術を提供する。 (2)レーザー光を用いた薄膜の膜質改善やアニールに
おいて、常に最適な条件に制御しつつレーザー光の照射
が行える技術を提供する。 (3)レーザー光を用いた珪素薄膜の結晶化工程におい
て、珪素薄膜の結晶性を簡単に評価できる技術を提供す
る。 (4)レーザー光を用いた珪素薄膜の結晶化工程におい
て、珪素薄膜の結晶性と、その表面の平坦性とを簡単に
評価できる技術を提供する。 (5)レーザー光の照射エネルギーが常に所定の値に近
くなるように制御する技術を提供する。 (6)レーザー光の照射エネルギーが常に所定の範囲内
となるように制御する技術を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本明細書で開示する主要
な構成の1つは、薄膜にレーザー光または強光を照射す
る工程と、前記レーザー光または強光が照射された薄膜
の屈折率を計測する工程と、前記屈折率を基に前記レー
ザー光または強光の照射エネルギーを制御して前記薄膜
または別の薄膜に対してレーザー光または強光を照射す
る工程と、を有することを特徴とする。
【0015】薄膜としては、半導体薄膜である非晶質珪
素、結晶性珪素の薄膜を挙げることができる。なお半導
体の導電型は特に限定されるものではない。また、薄膜
としては、酸化物材料、窒化物材料、さらには金属材料
や有機物材料を用いることができる。即ち、レーザー光
または強光の照射によって変質する材料を用いることが
できる。
【0016】またこれらの薄膜が形成される基板として
は、絶縁表面を有する基板であるガラス基板、石英基
板、各種絶縁性の基板、絶縁膜が形成された半導体基板
や導体基板、その他絶縁膜が形成された材料を用いるこ
とができる。
【0017】レーザー光としては、KrF、ArFまた
はXeClエキシマレーザー光等を挙げることができ
る。また、強光としては、紫外光から赤外光まで、必要
とする波長の光を用いることができる。また、レーザー
ビームの形状は、矩形状、線状、点状、面状等、実用と
する形状とすることができる。
【0018】薄膜の屈折率を計測する方法としては、エ
リプソメトリを用いる方法を挙げることができる。
【0019】レーザー光または強光の照射エネルギーを
制御する方法としては、例えば、エキシマレーザー光で
あれば、放電の出力を制御する方法を挙げることができ
る。また、フィルターを用いて、照射エネルギーを制御
するようにしてもよい。
【0020】上記構成は、レーザー光の照射によって変
質した半導体薄膜の屈折率を計測することで、レーザー
光の照射による効果を評価することを特徴とする。例え
ば、常に特定の屈折率になるようにレーザー光の照射エ
ネルギーを制御し、必要とする回数で繰り返しレーザー
光の照射を行うことで、常に所定の効果を得ることがで
きる。またはレーザー光が照射された半導体膜の屈折率
が所定の範囲内となるようにすることによって、そのレ
ーザー光の照射による効果を一定に範囲内に収めること
ができる。
【0021】この際、最初の薄膜を屈折率の測定用に利
用し、次の薄膜から、必要とする処理を行うのでもよ
い。また、1つの薄膜に対して複数回のレーザー光の照
射を行うようにしてもよい。また、多数枚の基板上に形
成された薄膜を連続して処理する際に、その中の何枚か
を屈折率の測定用に利用し、工程の全体において、常に
得られる屈折率を一定の値、または一定の範囲の値とす
るようにしてもよい。
【0022】本明細書で開示する他の主要な構成は、珪
素の結晶化を助長する金属元素の作用で結晶化された珪
素膜にレーザー光または強光を照射する第1の工程と、
前記レーザー光または強光が照射された珪素膜の屈折率
を計測する第2の工程と、前記珪素膜または前記珪素膜
と同一の作製法によって得られた他の珪素膜に対してレ
ーザー光または強光を照射する第3の工程と、を有し、
前記第3の工程において、前記屈折率の値を基にレーザ
ー光または強光の照射エネルギーが制御されることを特
徴とする光処理方法。
【0023】上記構成は、レーザー光を照射する珪素膜
として、結晶化を助長する元素の作用により結晶化がさ
れた膜を用いることを特徴とする。このような元素とし
ては、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、In、S
n、Pb、As、Sbから選ばれた一種または複数種の
元素が用いることができる。特にNiを用いた場合、顕
著な効果を得ることができる。具体的には、この結晶化
を助長する元素を非晶質珪素膜に導入し、しかる後に加
熱処理を施すことにより、非晶質珪素膜を結晶化させ、
結晶性珪素膜を得ることができる。この加熱処理は、こ
の結晶化を助長する触媒元素を導入しない場合と比較し
て50℃以上低い温度で行うことができ、基板(特にガ
ラス基板)に対する熱ダメージを大きく低減させること
ができる。
【0024】また上記非晶質珪素膜の結晶化を助長する
元素としては、VIII族、IIIb族、IVb 族、Vb族元素から
選ばれた一種または複数種の元素を用いることもでき
る。
【0025】他の発明の構成は、レーザー光または強光
を照射する手段と、前記レーザー光または強光が照射さ
れた薄膜の屈折率に基づいて、前記レーザー光または強
光の照射エネルギーを制御する手段と、を有することを
特徴とする。
【0026】上記構成において、レーザー光または強光
の照射エネルギーを制御する手段としては、例えばエキ
シマレーザー光における放電パワーを制御する機構を挙
げることができる。
【0027】上記構成において、薄膜の屈折率が所定の
値または所定の範囲内の値となるようにレーザー光また
は強光の照射エネルギーを制御することによって、レー
ザー光または強光の照射エネルギーを所定に値、または
所定の値に近い値、または所定の範囲内の値とすること
ができる。さらにその動作を繰り返し行うことによっ
て、徐々に所定の屈折率の値に近づけることもできる。
【0028】
【作用】レーザー光の照射によって変質させられる薄膜
の屈折率を計測することにより、レーザー光の照射エネ
ルギーを相対的に見積もることができる。例えば、屈折
率が常に一定に値となるようにレーザー光の照射エネル
ギーを調整することによって、照射されるレーザー光の
エネルギーを特定に値に常に近づくようにすることがで
きる。従って、レーザー光の照射エネルギーが変動し易
い場合であっても、前述の屈折率を用いて照射エネルギ
ーの値を監視することができ、その変動が極力小さくな
るようにすることができる。言い換えるならば、レーザ
ー光の照射によって変質させられる薄膜の屈折率を常に
計測することで、レーザー光の照射エネルギーの値の変
動を監視することができ、この屈折率が一定の値または
一定に範囲内の値になるようにすることができる。そし
て、レーザー光の照射エネルギーの値を一定の値または
一定の範囲内の値とすることができる。またこのことを
利用して、レーザー光の照射による効果を所定のものと
することができる。
【0029】例えば、図4に示すのは、レーザー光の照
射エネルギー密度とレーザー光の照射によって結晶性が
助長された珪素薄膜の屈折率nとの関係を示した実験デ
ータである。ここでこのグラフに基づき、珪素薄膜の屈
折率nが所定の値より大きい場合は、次に新たな珪素薄
膜に対してレーザー光の照射を行う際に、レーザー光の
照射エネルギー密度を大きくする。するとこの珪素薄膜
の屈折率を所定の値に近づけることができる。また珪素
薄膜の屈折率が所定の値より小さい場合は、次にレーザ
ー光の照射を行う際に、レーザー光の照射エネルギー密
度を小さくする。この場合も珪素薄膜の屈折率を所定の
値に近づけることができる。
【0030】また、同じ珪素薄膜に対して、屈折率の測
定を行いながら複数回のレーザー光の照射を繰り返し行
い、所定の屈折率になるようにしてもよい。ただし、一
端結晶性の進んだ珪素膜の結晶性を低下させるには、非
常に強力なパワーでレーザー光を照射し、一端非晶質状
態にする必要があるので注意が必要である。
【0031】以上のような動作を行うことによって、レ
ーザー光の照射エネルギー密度が変動してしまう場合で
あっても、一定の結晶性を有する珪素薄膜を得ることが
できる。このことは、常に所定のエネルギー密度でレー
ザー光の照射が行えるようにレーザー光の照射エネルギ
ー密度を制御することができることを意味する。そし
て、レーザー光の照射による効果を一定なものとするこ
とができることを意味する。
【0032】また、膜の屈折率は、膜の平坦性をも評価
できるので、結晶性の評価と膜の平坦性とを同時に評価
することができる。このことを利用すると、所定の特性
を有する薄膜トランジスタを作製ことが可能となる。
【0033】
【実施例】
〔実施例1〕本実施例は、エキシマレーザー光の照射に
よって結晶化された珪素膜の状態(この状態というの
は、膜の結晶性と平坦性とを含む概念として定義され
る)を評価するシステム、およびその方法を示す。
【0034】まず装置について説明する。図1には本実
施例で使用するレーザーアニール装置の概念図を示す。
装置の大部分は台1は上に配置されている。台1は外部
からの振動の影響を受けない構造となっている。レーザ
ー光は発振器2で発振される。発振器2で発振されるレ
ーザー光は、KrFエキシマレーザー(波長248n
m、パルス幅25ns)である。勿論、他のエキシマレ
ーザーさらには他の方式のレーザーを用いることもでき
る。
【0035】発振器2で発振されたレーザー光は、全反
射ミラー5、6を経由して増幅器3で増幅され、さらに
全反射ミラー7、8を経由して光学系4に入射する。光
学系に入射する直前のレーザー光のビームは、3×2cm
2 程度の長方形である。そして光学系4を通過すること
によって、長さ10〜30cm、幅0.1 〜1cm程度の細
長いビーム(線状ビーム)に加工される。この光学系4
を経たレーザー光のエネルギーは最大で1000mJ/
ショットである。
【0036】レーザー光をこのような細長いビームに加
工するのは、加工性を向上させるためである。即ち、線
状のビームは光学系4を出た後、全反射ミラー9を経
て、試料11に照射されるが、ビームの幅は試料の幅よ
りも長いので、試料を1方向に移動させることで、試料
全体に対してレーザー光を照射することができる。従っ
て、試料のステージ及び駆動装置10は構造が簡単で保
守も用意である。また、試料をセットする際の位置合わ
せの操作(アラインメント)も容易である。
【0037】レーザー光が照射される試料のステージ1
0はコンピュータにより制御されており線状のレーザー
光に対して直角に動くよう設計されている。又、ステー
ジ10の下にはヒーターが内臓されており、レーザー光
の照射時に試料を所定の温度に保つことができる。
【0038】光学系4の内部の光路を図2に示す。光学
系4に入射したレーザー光はシリンドリカル凹レンズ
A、シリンドリカル凸レンズB、横方向のフライアイレ
ンズC、Dを通過することによってレーザー光はそれま
でのガウス分布型から短形分布に変化する。さらに、シ
リンドリカル凸レンズE、Fを通過してミラーG(図1
ではミラー9に相当)を介して、シリンドリカルレンズ
H(図1には示さず)によって集束され、試料に照射さ
れる。
【0039】図3にはエリプソメトリの原理図を示す。
エリプソメトリは、膜の見かけ上の屈折率を計測するも
のであり、このエリプソメトリで得られる屈折率を用い
て、珪素膜の結晶性と平坦性とを同時に評価することが
できる。
【0040】エリプソメトリは、図3に示す様に、測定
しようとする試料(薄膜)表面に偏光を斜め方向から入
射させる。この入射光の偏光は反射する時に偏光状態が
変化する。この変化量は薄膜の厚さや屈折率に関係して
いる。それでまず偏光の変化量を測定し、次に解析計算
によって変化量から厚さや屈折率を求めようとするのが
エリプソメトリである。例えば膜の厚さが判明していれ
ば、屈折率を得ることができる。
【0041】以下に本明細書で開示する発明を用いて、
レーザー光の照射によって、ガラス基板上に結晶性を有
する珪素膜を形成する例を示す。まず、10cm角のガ
ラス基板(例えばコーニング7959ガラス基板)を用
意する。そしてこのガラス基板上に、TEOSを原料と
したプラズマCVD法により、酸化珪素膜を2000Å
の厚さに形成する。この酸化珪素膜は、ガラス基板側か
ら不純物が半導体膜に拡散したりするのを防止する下地
膜として機能する。
【0042】次にプラズマCVD法によって、非晶質珪
素膜(アモルファスシリコン膜)の成膜を行う。ここで
は、プラズマCVD法を用いるが、減圧熱CVD法を用
いるのでもよい。なお、非晶質珪素膜の厚さは、500
Åとする。勿論この厚さは、必要とする厚さとすればよ
い。次に過水アンモニアに基板を浸し、70℃に5分間
保つことにより、非晶質珪素膜の表面に酸化膜を形成す
る。さらに液相Ni酢酸塩をスピンコート法により非晶
質珪素膜の表面に塗布する。Ni元素は、非晶質珪素膜
が結晶化する際に結晶化を助長する元素として機能す
る。
【0043】次に窒素雰囲気中において、450℃の温
度で1時間保持することにより、非晶質珪素膜中の水素
を離脱させる。これは、非晶質珪素膜中に不対結合手を
意図的に形成することにより、後の結晶化に際してのし
きい値エネルギーを下げるためである。そして窒素雰囲
気中において、550℃、4時間の加熱処理を施すこと
により、非晶質珪素膜を結晶化させる。この結晶化の際
の温度を550℃とすることができのは、ニッケル元素
の作用によるものである。
【0044】こうして、ガラス基板上に結晶性を有する
珪素膜を得ることができる。次に図1に示す装置を用
い、KrFエキシマレーザー(波長248nm、パルス
幅25ns)を前記結晶性を有する珪素膜に照射する。
このレーザー光の照射によって、結晶性をさらに高める
ことができる。
【0045】レーザービームはビーム形状変換レンズを
用いて長方形に整形し、被照射部分でのビーム面積は1
25mm×1mmとする。試料は、ステージ10上に載
せられており、ステージを2mm/s速度で移動させる
ことによって、その全面に照射が行われる。レーザー光
の照射条件は、まず200mJ/cm2 、次に本照射と
して250〜350mJ/cm2 の2段階照射とし、パ
ルス数を30パルス/sとする。また、レーザー光の照射の
際、基板温度は200℃に保たれている。また雰囲気制
御は特に行わず、大気中で照射を行う。
【0046】上記レーザー光の照射の際の2段階目の照
射エネルギー密度を250〜350mJ/cm2 の範囲
で変化させ、それぞれの場合における結晶性珪素膜の屈
折率を図3にその原理図を示すエリプソメトリ(波長12
94nmの半導体レーザー使用)を用いて測定した結果を図
4に示す。
【0047】なお、ここでいう屈折率とは、ガラス基板
上に形成された結晶性珪素膜の屈折率をエリプソメトリ
を用いて測定したものを指す。エリプソメトリは測定膜
の平坦性が悪いと実際の膜の屈折率よりやや低い値を出
す特性を持っている。従って得られる値は、膜の平坦性
をも含んだ見かけの屈折率ということができる。また、
屈折率が小さいことは、その膜の結晶性が高いことを示
す。従って、得られた屈折率が小さければ小さい程、そ
の膜の結晶性は高く、またその膜の平坦性が悪いという
ことを意味する。なお、珪素膜の場合、屈折率の下限は
3程度となる。
【0048】図4の意味するところは以下のように示さ
れる。即ち、必要とする結晶性が得られ、許容できる平
坦性を備えた膜は、ある一定の範囲の屈折率を示す、と
いうことができる。換言すれば、一定の範囲内の屈折率
を有する結晶性珪素膜であれば、その膜の結晶性は一定
のレベル以上であり、またその平坦性は許容できる範囲
内にあると判断できる。
【0049】図4を見ると、結晶性珪素膜の屈折率と照
射されるレーザー光のエネルギー密度とは、比例関係に
あることが分かる。勿論前述したように、エキシマレー
ザー光の照射エネルギー密度は変動するものであり、図
4の横軸で示される値もある程度相対的なものであると
考えられる。
【0050】また、図4に示す実験データは、膜表面の
5点を平均したものを用いている。なお、5点間の測定
値のばらつきは2%以内であった。このことは膜の均質
性、エリプソメトリの測定精度が共によいことを示唆し
ている。
【0051】一般にエリプソメトリを使って測定した屈
折率の値は、結晶化が進むほど又表面の平坦性が損なわ
れるほど低下する傾向にある。この性質を利用して、本
発明者らは、以下のようなレーザー処理方法を発明する
に至った。即ち、エキシマレーザー光を照射した後の結
晶性珪素膜の屈折率をエリプソメタリで計測し、その屈
折率が所定の間より小さければ、その後のレーザー光の
照射エネルギーを小さくし、その屈折率が所定の値より
大きければ、その後のレーザー光の照射エネルギーを大
きくする。こうすることによって、常に所定の屈折率の
値またはそれに近い値を有する結晶性珪素膜を得ること
ができる。そして、レーザー光の照射エネルギーの絶対
値が変動しても、常に所定の結晶性と許容できる平坦性
を有した結晶性珪素膜を得ることができる。
【0052】例えば、前述したようなNiを用いて加熱
処理により結晶化させた結晶性珪素膜に対して、KrF
エキシマレーザー光を照射し、その結晶性をさらに高め
る構成とする場合、この結晶性珪素膜を用いて得られる
薄膜トランジスタの性能を損なわない程度の表面劣化状
態とTFTを駆動するのに充分な高さの電界効果移動度
とを兼ね備えた結晶性珪素膜の屈折率は、概ね3.5以
下であるとの測定結果が得られている。
【0053】測定によれば、レーザー光の照射後におけ
る結晶性珪素膜の屈折率が3.5以上の場合、その膜を
用いた薄膜トランジスタの電界効果移動度が100以下
であり、またその屈折率が3.5以下であれば、その膜
を用いた薄膜トランジスタの電界効果移動度が100以
上であることが判明している。従って、例えば結晶性珪
素膜の屈折率が3.4となるようにすることによって、
常に電界効果移動度が100以上である薄膜トランジス
タを構成する結晶性珪素膜を得ることができる。
【0054】ただ、あまりに屈折率が低くなりすぎると
膜の平坦性が著しく悪化し、薄膜トランジスタに用いる
のは適さないものとなってしまう。従って、その適性な
範囲は、屈折率が3.2〜3.5の範囲となるようにす
ることが好ましい。
【0055】本実施例で説明したエリプソメトリを使っ
た測定は非常に簡便で安全性も高い。また測定も極短時
間(数十秒)で済む。よって、例えば基板を1枚処理す
る毎に、エリプソメトリを用いて基板上の結晶性珪素膜
の屈折率を計測し、その計測値を基にして、次の基板を
処理する際の照射エネルギー密度を制御することによっ
て、常に所定の絶対値を有するエネルギー密度でレーザ
ー光を照射することができる。そして、基板を処理する
毎に生じるその効果のバラツキを抑えることができる。
そして、このことを利用して、所定の特性を有する半導
体装置、例えば薄膜トランジスタを大量に生産すること
ができる。
【0056】また、本実施例では、線状のレーザービー
ムを用いてビームを走査する例を示したが、基板全面に
レーザービームを照射する形態としてもよい。
【0057】〔実施例2〕本実施例は、実施例1に示し
た技術を用いて、薄膜トランジスタを形成する例を示
す。図5に本実施例の薄膜トランジスタの作製工程を示
す。本実施例では基板としてガラス基板501を用い
る。このガラス基板501の表面には、図示しないが、
下地膜として酸化珪素膜が2000Åの厚さに形成され
ている。
【0058】まず、ガラス基板501上に非晶質珪素膜
502を500Åの厚さにプラズマCVD法または減圧
熱CVD法で形成する。次に、非晶質珪素膜の表面に酸
素雰囲気中においてUV光を照射し、表面の洗浄を行う
とともに、その表面に極薄い酸化膜を形成する。次に酢
酸ニッケル塩の溶液を塗布し、水膜503を形成する。
そしてスピナー500を用いて、酢酸ニッケル塩溶液を
スピンコートするとともに、余分な溶液を吹き飛ばす。
【0059】次に不活性雰囲気中において450℃、1
時間の加熱処理を行い、非晶質珪素膜502の水素出し
を行うとともに、非晶質珪素膜の表面にニッケルと珪素
の化合物層を形成する。
【0060】次に不活性雰囲気中において、550℃、
4時間の加熱処理を施すことにより、ニッケルを膜中に
拡散させ、結晶化を行わせる。こうして、結晶性珪素膜
504を得る。そして図1に示す装置を用いてKrFエ
キシマレーザーを照射し、結晶性珪素膜504の結晶性
をさらに向上させる。
【0061】この際、基板1枚を処理する毎に、結晶性
珪素膜の屈折率をエリプソメタリによって計測し、その
計測値が所定の値(例えば3.4)よりも大きければ、
レーザー光の照射エネルギーの設定値を大きくし、その
計測値が所定の値よりの小さければ、レーザー光の照射
エネルギー設定値を小さくする。そして、次の基板に対
するレーザー光の照射を行う。こうすることによって、
基板を連続して処理していく状態において、常に所定の
屈折率またはそれに近い値の屈折率を有した結晶性珪素
膜を得ることができる。即ち、所定の状態(膜質)を有
する結晶性珪素膜を得ることができる。
【0062】上記のレーザー光の照射工程のチャート図
を図6に示す。図6に示すのは、(A)〜(C)で1枚
の基板に対する処理を構成する。そして、(C)の結果
を(A)にフィードバックすることによって、次の基板
に対する処理が修正される。こうして連続して基板を処
理していくに従って、徐々に変化していってしまうレー
ザー光の照射エネルギー密度の変化分を補正することが
できる。そして、常にそのバラツキを最小限に抑えるこ
とができる。
【0063】ここで示したのは、基板1枚毎に対して、
レーザー光の照射条件を調整する方法であるが、例えば
5枚の基板を処理する毎に、5枚目の基板上の結晶性珪
素膜の屈折率をエリプソメタリで計測し、その値を基
に、次の基板に対するレーザー光の照射エネルギー密度
の設定を制御するという形態としてもよい。
【0064】図5(B)に示す工程において、結晶性珪
素膜504を得たら、パターニングを行い、薄膜トラン
ジスタの活性層を形成する。この活性層は、図5(C)
の507〜509で示される領域を有する半導体層のこ
とである。
【0065】そして、ゲイト絶縁膜として機能する酸化
珪素膜505を1000Åの厚さにプラズマCVD法ま
たはスパッタ法で形成する。さらにアルミニウム等の金
属または一導電型を付与する不純物がヘビードープされ
た珪素半導体でゲイト電極506を形成する。その後、
ゲイト電極506をマクスとして一導電型を付与する不
純物のイオン注入(またはプラズマドーピング)を行
い、ソース領域507とドレイン領域509を形成す
る。また同時にチャネル形成領域508が形成される。
(図5(C))
【0066】その後、イオンの衝撃によって非晶質化さ
れたソース及びドレイン領域507、509の再結晶化
と、注入された不純物の活性化のために、レーザー光の
照射を行う。この際、レーザー光の照射エネルギー密度
を一定なものとすために、別に(B)に示す状態の基板
をサンプルとして用意し、例えば基板1枚の処理が済む
毎に、この別に用意したサンプル基板に対してレーザー
光を照射し、その被照射領域の屈折率をエリプソメタリ
によって計測する。そしてその計測値に基づいて、次の
基板に対するレーザー光の照射条件を設定する。
【0067】即ち、図7に示すように、サンプル基板上
に形成された珪素膜の屈折率に基づいて、常にレーザー
光の照射条件を制御する。具体的には、サンプル基板の
屈折率が所定の値より大きければ、レーザー光の照射エ
ネルギー密度が大きくなるように設定を変更する。ま
た、サンプル基板の屈折率が所定の値より小さければ、
レーザー光の照射エネルギー密度が小さくなるように設
定を変更する。こうすることによって、基板1枚を処理
する毎に、レーザー光の照射エネルギー密度のバラツキ
を補正し、その値を特定の値に近づけるこができる。結
果として、基板毎において照射されるレーザー光の照射
エネルギー密度をほぼ一定なものとすることができ、常
に同じアニール条件とすることができる。
【0068】こうして図5(C)に示す状態を経て、次
に層間絶縁膜510を酸化珪素または酸化珪素と窒化珪
素等の絶縁材料によって形成する。次に穴開け工程を経
て、ソース電極511、ドレイン電極512を形成す
る。また図示はしないが、同時にゲイト引出し電極を形
成する。そして、水素雰囲気中において、350℃、1
時間の加熱処理を行うことにより、活性層中の不対結合
手を中和し、薄膜トランジスタを完成する。
【0069】本実施例のような構成を採用した場合、常
に特定の状態に近い結晶性珪素膜を用いて薄膜トランジ
スタを作製することができ、さらに常に特定の条件に近
い条件でレーザー光を用いたアニール(ソース/ドレイ
ンへのアニール)を行うことができるので、特性のそろ
った薄膜トランジスタを得ることができる。
【0070】〔実施例3〕本実施例は、レーザー光の照
射条件をリアルタイムで補正する技術に関する。図4に
示すデータは、KrFエキシマレーザー光によって結晶
性が助長された結晶性珪素膜の屈折率(エリプソメトリ
で計測された屈折率)とその際に照射されたレーザー光
の照射エネルギー密度(mJ/cm2 )との関係を示し
たものである。図4に示す照射エネルギー密度が、照射
されるレーザー光の実際のエネルギー密度を表すもので
ないことは、前述の通りである。
【0071】しかし、結晶性が助長された結晶性珪素膜
の屈折率と照射されたレーザー光のエネルギー密度との
相対的な関係が、図4に示すような比例関係となること
は理解される。従って、所定の屈折率となるように、常
にレーザー光の照射エネルギーを制御することによっ
て、常に一定の値の照射エネルギー密度とすることがで
きる。
【0072】そこで、一定の出力でレーザー光の照射を
行う必要がある場合、他にモニター用の非晶質珪素膜
(または結晶性珪素膜)を用意し、この非晶質珪素膜に
対するレーザー光の照射において、常に一定の屈折率が
得られるようにすることによって、必要とする時にレー
ザー光の照射エネルギー密度を校正できる。
【0073】例えば、被照射体に対して、所定のエネル
ギーでレーザー光を照射する必要のある場合を考える。
この場合、別にモニター用の非晶質珪素膜を用意し、必
要とする工程毎に、このレーザー光の照射によって結晶
化あるいは結晶化が助長される珪素膜の屈折率を計測す
る。そして、この計測値が所定の値に近づくように、レ
ーザー光の照射エネルギーを変化させる。すると、常に
特定の値にレーザー光の照射エネルギーが近づくような
補正(校正)を行うことができる。即ち、レーザー光の
照射エネルギーが一定の範囲内に納まるようにすること
ができる。
【0074】上記のような構成は、レーザー光を用いた
各種処理装置、アニール装置、加工装置、切断装置等に
利用することができる。
【0075】
【発明の効果】レーザー光の照射による各種処理効果の
評価を、レーザー光の照射によって変質される薄膜の屈
折率を計測することで行うことができる。また、レーザ
ー光の照射によって変質される薄膜の屈折率を計測する
ことで、レーザー光の照射エネルギーの値を相対的に評
価することができる。そして、このことを利用して、レ
ーザー光の照射のエネルギーが特定に値または特定に値
に近い値となるように制御することができる。
【0076】本明細書で開示する発明を利用することに
より、レーザー光の照射によるアニールを常に一定の効
果でもって得ることができるようになる。従って、例え
ば薄膜トランジスタの作製において、特性のそろったも
のを得ることができる。また、薄膜トランジスタに利用
される結晶性珪素膜の結晶性と膜の平坦性との評価を同
時にしかも平易に行うことができる。
【0077】本明細書で開示する発明は、各種半導体の
作製やレーザー光の照射エネルギーや照射パワーの制御
に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 レーザー光を照射する装置の概要を示す。
【図2】 レーザー光を照射する装置に配置された光学
系の概要を示す。
【図3】 エリプソメタリの原理図を示す。
【図4】 レーザー光の照射エネルギー密度とレーザー
光が照射された結晶性を有する珪素膜の屈折率との関係
を示す。
【図5】 薄膜トランジスタの作製工程を示す。
【図6】 レーザー光を用いた結晶性珪素膜の形成工程
のチャート図を示す。
【図7】 薄膜トランジスタの作製工程におけるレーザ
ー光を用いたアニール工程のチャート図を示す。
【符号の説明】
1・・・・・・台 2・・・・・・発振器 5、6・・・・全反射ミラー 3・・・・・・増幅器 7、8・・・・全反射ミラー 4・・・・・・光学系 9・・・・・・全反射ミラー 11・・・・・試料(基板) 10・・・・・ステージ及び駆動装置 500・・・・スピナー 501・・・・ガラス基板 502・・・・非晶質珪素膜 503・・・・水膜 504・・・・結晶性珪素膜 505・・・・ゲイト絶縁膜(酸化珪素膜) 506・・・・ゲイト電極 507・・・・ソース領域 508・・・・チャネル形成領域 509・・・・ドレイン領域 510・・・・層間絶縁膜 511・・・・ソース電極 512・・・・ドレイン電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 27/12 H01L 29/78 627G 29/786 (56)参考文献 特開 平6−204132(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/20 B23K 26/00 H01L 21/268 H01L 21/324 H01L 21/336 H01L 21/12 H01L 29/786

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜にレーザー光を照射し、 前記レーザー光が照射された薄膜の屈折率を計測し、 前記屈折率を基に前記レーザー光の照射エネルギー密度
    を見積もり、 見積もられた前記照射エネルギー密度から、前記薄膜ま
    たは別の薄膜に照射するレーザー光の照射エネルギー密
    度が所定の照射エネルギー密度または所定の範囲内の照
    射エネルギー密度となるようにレーザー光の照射エネル
    ギーを調整し、 照射エネルギーを調整したレーザー光を前記薄膜または
    別の薄膜に照射する ことを特徴とする光処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記薄膜が珪素膜で
    あることを特徴とする光処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記レーザ
    ー光KrF、ArFまたはXeClエキシマレーザー
    であることを特徴とする光処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のうちのいずれか一項
    おいて、前記屈折率の計測はエリプソメトリを用いる
    とを特徴とする光処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のうちのいずれか一項
    おいて、前記薄膜または別の薄膜の屈折率が所定の値ま
    たは所定の範囲内の値となるように、前記レーザー光の
    照射エネルギーを調整することを特徴とする光処理方
    法。
  6. 【請求項6】 珪素の結晶化を助長する金属元素の作用
    で結晶化された珪素膜にレーザー光を照射し、 前記レーザー光が照射された珪素膜の屈折率を計測し、 前記屈折率を基に前記レーザー光の照射エネルギー密度
    を見積もり、 見積もられた前記照射エネルギー密度から、前記珪素膜
    または珪素の結晶化を助長する金属元素の作用で結晶化
    された他の珪素膜に照射するレーザー光の照射エネルギ
    ー密度が所定の照射エネルギー密度または所定の範囲内
    の照射エネルギー密度となるようにレーザー光の照射エ
    ネルギーを調整し、 照射エネルギーを調整したレーザー光を前記珪素膜また
    は前記他の珪素膜に照射する ことを特徴とする光処理方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記レーザー光
    rF、ArFまたはXeClエキシマレーザー光である
    ことを特徴とする光処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7において、前記照射エ
    ネルギーを調整したレーザー光が照射された珪素膜の屈
    折率3.5以下であることを特徴とする光処理方法。
  9. 【請求項9】 請求項6または7において、前記照射エ
    ネルギーを調整したレーザー光が照射された珪素膜の屈
    折率は3.2〜3.5の範囲であることを特徴とする光
    処理方法。
  10. 【請求項10】 請求項6乃至9のうちのいずれか一項
    において、前記屈折率の計測はエリプソメトリを用いる
    ことを特徴とする光処理方法。
  11. 【請求項11】 請求項6乃至10のうちのいずれか一
    において、前記結晶化を助長する金属元素は、Ni、
    Pd、Pt、Cu、Ag、Au、In、Sn、Pb、A
    s、Sbから選ばれた一または複数の元素であることを
    特徴とする光処理方法。
  12. 【請求項12】 請求項6乃至11のうちのいずれか一
    において、前記珪素膜または前記他の珪素膜の屈折率
    が所定の値または所定の範囲内の値となるように、前記
    レーザー光の照射エネルギーを調整することを特徴とす
    る光処理方法。
  13. 【請求項13】 薄膜にレーザー光を照射し、 前記レーザー光が照射された薄膜の屈折率を計測し、 前記屈折率を基に前記レーザー光の照射エネルギー密度
    を見積もり、 見積もられた前記照射エネルギー密度から、前記薄膜に
    照射するレーザー光の照射エネルギー密度が所定の照射
    エネルギー密度または所定の範囲内の照射エネルギー密
    度となるようにレーザー光の照射エネルギーを調整し、 照射エネルギーを調整したレーザー光を前記薄膜に照射
    し、 前記屈折率が所定の値または所定の範囲内の値となるま
    で繰り返しレーザー光を照射することを特徴とする光処
    理方法。
  14. 【請求項14】 レーザー光を照射する手段と、 前記レーザー光が照射された薄膜の屈折率を基に前記レ
    ーザー光の照射エネルギー密度を見積もり、見積もられ
    た前記照射エネルギー密度から、前記薄膜また は別の薄
    膜に照射するレーザー光の照射エネルギー密度が所定の
    照射エネルギー密度または所定の範囲内の照射エネルギ
    ー密度となるようにレーザー光の照射エネルギーを調整
    する手段と、 を有することを特徴とする光処理装置。
  15. 【請求項15】 請求項14において、前記照射エネル
    ギーを調整する手段は、薄膜の屈折率が所定の値または
    所定の範囲内の値となるように、前記レーザー光の照射
    エネルギーを調整することを特徴とする光処理装置。
  16. 【請求項16】 レーザー光を照射する手段と、 前記レーザー光が照射された薄膜の屈折率を基に前記レ
    ーザー光の照射エネルギー密度を見積もり、見積もられ
    た前記照射エネルギー密度から、前記薄膜に照射するレ
    ーザー光の照射エネルギー密度が所定の照射エネルギー
    密度または所定の範囲内の照射エネルギー密度となるよ
    うにレーザー光の照射エネルギーを調整する手段と、 前記屈折率が所定の値または所定の範囲内の値となるま
    で繰り返しレーザー光を照射する手段と、 を有することを特徴とする光処理装置。
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