JP3330881B2 - レーザー照射装置 - Google Patents
レーザー照射装置Info
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Description
ザー光を照射してアニールを行なう構成に関する。
導体薄膜に対してレーザー光を照射して、レーザーアニ
ールを施し、半導体薄膜の結晶化や結晶性の向上を図る
技術が広く研究されている。
なアニールを生産性良く行なうことができる。
レーザー光源から出力されるレーザー光の断面は、数c
m□のスポット状断面を有している。このレーザー光を
ホモジナイザや、ビームエキスパンダを介して拡大・均
質化し、シリンドリカルレンズにより集光する。このよ
うにして被照射面での形状が数mm×数10cm程度の
線状レーザー光が得られる。
スリットを介することにより、被照射面での線状レーザ
ー光の線幅方向のエネルギープロファイルが矩形状とな
り、より均質なアニールを行なうことができる。
シマレーザー等のパルスレーザー光がよく用いられる。
対して相対的にスキャン(走査)しながら照射する。ス
キャンは線状レーザー光の線方向(長手方向)に対して
直角な方向になされる。一般的には被照射面を移動して
スキャンが実施される。
の比較的大面積の被照射面に対して、均質に生産性よく
レーザーアニールを行なうことができる。
結晶性をより高いものとするために、半導体薄膜全体に
対して線状レーザー光を走査してレーザーアニールする
工程を、2回またはそれ以上の回数行なうことがよく行
なわれる。
まず低いエネルギー密度のレーザー光でアニールし、結
晶化させる。その後、結晶化させた時より高いエネルギ
ー密度のレーザー光でアニールする。これにより、シリ
コン膜の結晶性をより向上させることができる。
初から高いエネルギー密度のレーザー光を照射すると、
エネルギーが高すぎて半導体薄膜がひどく荒れてしまう
ためである。荒れてしまった膜は半導体素子を構成する
のには適さない。
させる場合と、結晶性シリコン膜の結晶性を向上させる
場合とでは、必要とされるレーザー光のエネルギー密度
は大きく異なる。アモルファスシリコン膜にとっては結
晶性向上のためのレーザー光のエネルギー密度は高す
ぎ、膜が荒れてしまう。
膜の結晶性を向上させる上でも有効である。すなわち、
結晶性シリコン膜に対し、まず低いエネルギー密度のレ
ーザー光でアニールを行なった後、高いエネルギー密度
のレーザー光でアニールを行なう。
ネルギー密度のレーザー光でアニールを行なう場合に比
較して、より大きな結晶粒径が得られ、かつ膜の荒れを
少なくすることができる。
ーザー光により結晶化させるあるいは結晶性を助長させ
るためには、まず弱いエネルギー密度のレーザー光を照
射し、次に先のレーザー光より強いエネルギー密度のレ
ーザー光を照射するということが、膜の荒れを少なくす
るためには重要である。
ー照射を行うと、1度だけの照射を行なう場合に比較し
てアニール工程に要する時間が長くなってしまう。
て、線状レーザー光の線幅方向のエネルギープロファイ
ルを、台形状あるいはガウス分布状とする構成がある。
めには、矩形状のエネルギープロファイルのレーザー光
を形成するスリットを有する光学系にて、最終段のシリ
ンドリカルレンズ(焦点レンズ)と被照射面との距離を
制御する。
イルを得るためには、台形状のエネルギープロファイル
を有するレーザー光を形成する光学系中のスリットをは
ずす、あるいはスリットの線幅方向の幅を大きくする。
ルの線状レーザー光を、スキャンしながら照射すると、
被照射面上に対して、まず低いエネルギー密度のレーザ
ー光が照射されてから、次第に高いエネルギー密度のレ
ーザー光が照射されることになる。
イルのレーザー光に比較して、被膜に対していきなり高
いエネルギー密度のレーザー光が照射されることがな
い。ゆえに、被照射面全体に対する1度のスキャンニン
グで、良好に結晶化させることもできる。これはガウス
分布状のプロファイルを用いてもほぼ同様の結果とな
る。
ウス分布状のエネルギープロファイルを用いてレーザー
アニールを行なうと、アニール後の半導体薄膜に、縞状
に膜の荒れが生じることがある。
ー光の長手方向に平行な複数の線状に生じ、縞模様状を
呈する。
ー光のエネルギープロファイルにより、被照射面上の位
置が異なると同一なエネルギー密度のレーザー光が照射
できなくなる場合があるためである。この様子を図6を
用いて説明する。
ザーアニールして結晶化させる場合の例を示す。
を有する線状レーザー光のスキャン過程を示す。図6
(a)〜(d)は、エキシマレーザー等のパルスレーザ
ーを光源とする台形状のエネルギープロファイルを有す
る線状レーザー光が、照射される毎にスキャン方向にピ
ッチDでスキャンされたときの様子を示す。図6におい
て、α’およびβ’は被照射面上の特定の位置を示す。
を示す。E2はE1より高いエネルギー密度である。
すように、台形状のエネルギープロファイルを有するレ
ーザー光が、位置α’の付近に照射されている。
6(b)に示すように、ピッチDだけスキャンした位置
に照射される。このとき、位置α’には、エネルギー密
度E1のレーザー光が照射される。これにより位置α’
付近のアモルファスシリコンは良好に結晶化される。
ファスシリコンを良好に結晶化させるエネルギーの範囲
とする。
1が照射されたシリコン膜の結晶性を良好に向上させる
エネルギーの範囲とする。
置β’には、殆どレーザー光は照射されない(実際には
弱いエネルギー密度で照射されている部分もあるが、エ
ネルギー密度がE1よりもかなり低いので、膜質は変化
しない)。
(c)に示すようにピッチDでスキャンされた位置にレ
ーザー光が照射されるとき、位置α’にはE2のエネル
ギー密度でレーザー光が照射される。これにより、位置
α’付近の結晶性シリコン膜は、結晶性が向上される。
ギー密度E1よりも強いエネルギーのレーザー光が照射
されてしまう。その結果、位置β’付近のアモルファス
シリコン膜は、結晶化はされるものの、ひどく荒れてし
まう。
(d)に示すように、位置α’には再びE2のエネルギ
ー密度でレーザー光が照射される。
ン膜のある位置に対して最初に照射される、膜質を変え
るだけのエネルギーを持ったレーザー光が、その位置の
膜質に対して極めて重大な影響を与える。
同程度またはそれ以下のエネルギー密度を有するレーザ
ー光を、同位置に対し2回以上照射することは、その位
置の膜に対してはあまり重要ではない。
密度E2で再びレーザー照射がされても、膜質にはあま
り影響しない。
てしまっている。そのために結晶性を向上させるための
強いエネルギー密度E2が照射されると、結晶性は向上
するものの、他の位置とは異なる膜質となってしまう。
このシリコン膜を用いて同一基板上に複数の半導体素子
を作製しても、各素子間で特性が異なるという問題が発
生する。
ある。すなわち、パルスレーザー光源(発振器)は、所
定のエネルギー密度のレーザー光を所定の周波数(パル
ス間隔)で発生させる。
が突発的に低下することがある。通常は数十〜数百ショ
ットのうちの数ショットにおいて出力の低下がある。複
数ショット続けて出力が低下することは少ない。
状レーザー光のスキャン工程を示す。図7では、レーザ
ー光の線幅方向のエネルギープロファイルは、図6と同
様に台形状である。
ープロファイルを有する線状レーザー光が、照射される
毎にスキャン方向にピッチDでスキャンされたときの様
子を示す。図7において、xは被照射面上の特定の位置
を示す。
に示すようにレーザー光が照射される。ここでは第1の
ショットにおいてレーザー光源の出力低下によりレーザ
ー光のエネルギー密度がΔEだけ低下したものとする。
この時点では、位置x’にはほとんどレーザー光は照射
されていない。
(b)に示すように、エネルギー密度がΔE’低下した
レーザー光が照射されるとする。この時点では、位置
x’に、極弱いエネルギー密度のレーザー光が照射され
る。しかし、エネルギー密度が低いため結晶化はほとん
どされない。
(c)に示すように、エネルギー密度が正常なレーザー
光が照射されるとする。すると、位置xには、いきな
り、結晶化に要する以上にエネルギー密度の高いレーザ
ー光が照射されてしまう。その結果、膜が荒れてしま
う。
のショットによるレーザー照射が行われても、半導体薄
膜の膜質は改善しない。したがって、結晶性は向上する
ものの、均質な膜質ではなくなってしまう。
ギープロファイルを有するレーザー光でも同様に発生す
る。
に線状レーザー光を走査しながら照射してレーザーアニ
ールを行い、結晶化や結晶性の向上を図るに際し、アニ
ール後の半導体薄膜の面内均質性を向上させることを目
的とする。
も、基板面内において均質にアニールすることを目的と
する。
の一つは、幅方向に段階的なビームブロファイルを有し
た線状のパルスレーザー光を照射する手段と、前記レー
ザー光を線状の幅方向にピッチDで走査して照射する手
段と、を有し、前記段階のそれぞれは所定の照射エネル
ギー密度を有し、かつ前記幅方向における寸法がLn の
領域でなり、Ln ≧Dであることを特徴とする。
ルを有した線状のパルスレーザー光を照射する方法であ
って、前記レーザー光は線状の幅方向にピッチDで走査
して照射され、前記段階のそれぞれは所定の照射エネル
ギー密度を有し、かつ前記幅方向における寸法がLn の
領域でなり、Ln ≧Dとすることを特徴とする。
とが好ましい。これは、被照射領域の指定の領域に同一
の照射エネルギー密度を有したレーザーパルスが2回以
上照射されるようにした方がレーザー光の照射エネルギ
ー密度のバラツキに起因する照射効果のバラツキを是正
できるからである。
キを是正するには、Ln ≧5Dとすることがより好まし
い。
1に示すような2段階に照射エネルギー密度が設定され
た例を挙げることができる。
L1とL2で示される2つである。なお一般にnの数
は、2以上の自然数となる。
ある幅(線状ビームの幅方向における)の寸法がL1 =
L1(n=1)である領域と、第2のエネルギー密度E
2である幅の寸法がL2 =L2(n=2)である領域
と、でビームプロファイルが構成されている。
を第1の状態とするのに適した値に設定し、エネルギー
密度E2は、被照射物を第2の状態とするのに適した値
に設定することができる。
素膜を結晶化させるのに適した値とし、エネルギー密度
E2は、結晶化した珪素膜の結晶性を助長するのに適し
た値とすることで、レーザー光の照射による非晶質珪素
膜の結晶化を効果的に行うことができる。
のエネルギープロファイルの概念図を示す。本明細書で
開示する発明は、線状レーザ光の線幅方向のエネルギー
プロファイルとして、図1に示すような、エネルギー密
度が段階的に異なった領域、言い換えれば、階段状の領
域を有して構成されるものを用いる。このレーザー光
を、被照射面に対して線幅方向(線状レーザー光の長手
方向に対して垂直)にスキャン(走査)させる。
E1で幅L1の領域(a)と、エネルギー密度E2で幅
L2の領域(b)とを少なくとも有する。
度を示す。E2はE1より高いエネルギー密度である。
結晶化させるエネルギー密度、E2をエネルギー密度E
1で結晶化された膜の結晶粒径の拡大を促すエネルギー
密度とする。
なる幅、L2はエネルギー密度が概略E2となる幅(線
幅方向の長さ)を示す。
たはL2の幅内で完全に同一なエネルギー密度、すなわ
ち完全に平坦なエネルギープロファイルを呈するわけで
はない。
や、光学系等の影響で、エネルギー密度は各ショット間
である程度のぶれがある。
ギー密度E1及びE2は、±5%以内の変位幅を含むも
のとする。
れのエネルギー密度が±5%以内となる範囲の幅であ
る。
より大きくなると、レーザー照射後の被膜の結晶性が不
均一となりやすい。逆に小さい程、結晶性の均一性向上
に寄与する。
ルのうちスキャン方向の反対側の領域である。領域
(c)は、エネルギー密度がE2より低いものであれ
ば、どのようなプロファイルであっても、被膜への影響
はほとんどない。
て、領域(a)のスキャン方向側の領域S1、および領
域(b)のスキャン方向側の領域S2は、立ち上がりが
急峻で垂直に近いほど、均質なレーザーアニールが可能
となる。
査)しながら照射して、アモルファスシリコン膜や結晶
性シリコン膜に対してレーザー照射を行う。
を説明する。図2にスキャン過程を示す。図2の(a)
〜(d)は、所定のエネルギープロファイルを有する線
状レーザービームが、照射される毎にスキャン方向にピ
ッチDでスキャンされたときの様子を示す。図2におい
て、αおよびβは被照射面上の特定の位置を示す。
1照射する毎の、レーザー光の被照射面に対する走査方
向への相対的な移動量とする。
は、L1、L2共にピッチDの2倍の長さである。
に示すように、位置αにはエネルギー密度E1のレーザ
ービームが照射される。
に示すように、位置αおよびβに共にエネルギー密度E
1のレーザービームが照射される。
に示すように、位置αにはエネルギー密度E2のレーザ
ービームが照射され、位置βには再びエネルギー密度E
1のレーザービームが照射される。
(d)に示すように、位置α、βともにエネルギー密度
E2のレーザビームが照射される。
被照射面のスキャン方向における全ての位置に対し、ま
ずエネルギー密度E1のレーザービームを2回照射し、
次により高いエネルギー密度E2のレーザービームを2
回照射することができる。
リコン膜を結晶化させるのに適したエネルギー密度、E
2を結晶化した膜の結晶性をさらに高めるのに適したエ
ネルギー密度とした、階段状のエネルギープロファイル
を有するレーザー光でアニールを行うことで、結晶化と
結晶性の向上を、1回のレーザー光照射により同時に行
うことができる。よって、工程時間の短縮が図れる。
ギー密度のレーザー光を照射してしまうことがない。そ
のため半導体薄膜の荒れの発生を防ぎ、基板面内におい
て均質な結晶性を有する被膜を得ることができる。
ー光のエネルギー密度が突発的に変動する場合について
示す。
発的に変動する場合のスキャン過程の例を示す。図4
(a)〜(d)は、所定のエネルギープロファイルを有
する線状レーザー光が、照射される毎にスキャン方向に
ピッチDでスキャンされたときの様子を示す。図4にお
いて、xは被照射面上の特定の位置を示す。
図1のものに従う。またL1、L2共にピッチDの4倍
の長さを有するものとしている。
に示すように、位置xにレーザー光が照射される。ここ
ではレーザー光源の出力変動によりレーザー光のエネル
ギー密度がΔEだけ低下したものとする。したがって、
位置xには、エネルギー密度がE1−ΔEのエネルギー
が照射される。
(b)に示すように、位置xには低下したエネルギー密
度E1−ΔE’のレーザービームが照射されるとする。
ネルギーは、アモルファスシリコン膜の結晶化や結晶性
の向上には不十分である。その結果、第1および第2の
ショットでは、被膜がほとんど結晶化されない。
すように、位置xには正常なエネルギー密度E1のレー
ザ光が照射される。
ー密度E1であるので、この時点で、アモルファスシリ
コンでなる半導体薄膜は良好に結晶化される。
りエネルギー密度が低くなったレーザー光が照射された
後に、正常なエネルギー密度のレーザー光が照射されて
も、半導体薄膜を荒らすことがない。
ョットにおいて、結晶性を高めるためのエネルギー密度
E2のレーザー光が、位置xに照射される。
ー密度E1のレーザー光により結晶化がされている。そ
のため、より高いエネルギー密度E2のレーザー光が照
射されると、結晶性が向上する。また膜の荒れは生じな
い。その結果、半導体薄膜を基板面内において均質に結
晶化させることができる。
ープロファイルを有するレーザー光を用い、レーザー光
のスキャンのピッチDを、同一位置に複数回、同一エネ
ルギー密度として設定されたレーザー光が照射されるよ
うにする。
も正常なエネルギー密度を有するレーザー光が照射され
れば、レーザー光源の出力が突然低下しても不均質な結
晶化を防ぐことができる。
光を照射する回数は、レーザー光源の出力が変動する確
率に合わせて定めればよい。回数が多いほど均質化には
寄与するが、その分アニール工程に要する時間は長くな
る。
L2は、要求されるアニール特性に応じた長さとする。
L1とL2は同じであっても、異なっていてもよい。
各エネルギー密度で照射されるレーザー光が、半導体薄
膜に与えるエネルギー量を制御することができる。線状
レーザー光の線幅方向の長さは極めて限られたものであ
る。そのためL1とL2の長さの制御により、最も効率
の良いアニールを行う条件を得ることは、生産性を向上
させるためには極めて好ましいことである。
るレーザーアニール工程において、本明細書で開示する
階段状のエネルギープロファイルを用いることで、・半
導体薄膜に対し、一度のスキャン(走査)で高い結晶性
が得られる。・アニール後の半導体薄膜に、良好な面内
均質性を付与する。・レーザー光源の出力の突発的な低
下があっても、半導体薄膜の面内均質性を損なわない。
という優れた効果が得られる。
において、レーザー光源の出力が±5%以内の安定性を
有していれば、本方法による効果は極めて好ましいもの
となる。
ル方法において、図2におけるピッチDが、D≦L1お
よびD≦L2とすることは極めて重要である。ピッチD
がL1またはL2より大きいと、被照射面にE1または
E2が照射されない領域が発生してしまう。その結果、
被膜の荒れや面内不均質性を招く。
プロファイルとして、スキャン方向側のエネルギー密度
が低いものを示したが、図5に示すようなスキャン方向
側のエネルギー密度を高いものとした方が有効な場合も
ある。
イルとして、E1、E2の2種のエネルギー密度で構成
した例を示した。しかし、3種以上のエネルギー密度で
構成してもよい。
て階段状のエネルギープロファイルを得るための構成の
例を示す。
ギープロファイルを得るための構成の例を示す。階段状
のエネルギープロファイルを得るために、エネルギープ
ロファイルの頂点が平坦なレーザー光を減光フィルター
で加工する方法がある。
プロファイルを階段状にするために、まず、レーザー光
源から出力されるレーザー光を、光学系を通して台形状
またはガウス分布状のエネルギープロファイルを有する
線状レーザー光とする。そしてこの線状レーザー光のエ
ネルギープロファイルを、マスクおよび減光フィルター
により変化させる。
示す。図3において、マスク301に減光フィルター3
02が連結して設けられている。
ャン方向側のエネルギープロファイルの立ち上がりを急
峻にする。また、減光フィルター302は、幅L1(図
1)を得るのに必要な幅(スキャン方向の長さ)を有し
ている。
光304のエネルギー密度は低減されて、半導体薄膜で
なる被照射面305に照射される。また減光フィルター
を通過しなかったレーザー光303は、そのまま被照射
面305に照射される。
射されるレーザー光のエネルギープロファイルは、図1
のような階段状のエネルギープロファイルとなってい
る。
は、台形状またはガウス分布状のエネルギープロファイ
ルが得られる光学系において、最終段の凸レンズと被照
射面との間に配置する。
は、極力被照射面305に近い方が好ましい。エネルギ
ープロファイルのスキャン方向側の立ち上がりを急峻に
することができるためである。ただし、回折光の影響が
問題にならない程度の被照射面からの距離を維持する必
要はある。
台形状またはガウス分布状のエネルギープロファイルと
するための光学系の例を図8および図9に示す。
れるレーザー光を拡大、均質化した後、線状に集光して
被照射面に照射する光学系の構成の例である。図8
(A)および図9(A)は光学系の上面図、図8(B)
および図9(B)は光学系の側面図を示す。
1から照射されたレーザー光は、ホモジナイザ802〜
805、凸レンズ806、807、を通過して拡大、均
質化される。さらにシリンドリカルレンズ808により
線状化され、ミラー809で反射された後、シリンドリ
カルレンズ810を介して被照射面811に照射され
る。シリンドリカルレンズ810は焦点の制御をする。
01から照射されたレーザー光は、凹レンズ902及び
凸レンズ903で構成されるビームエキスパンダ、ホモ
ジナイザ904、905を通過して拡大、均質化され
る。さらにシリンドリカルレンズ906、907により
線状化され、ミラー908で反射された後、シリンドリ
カルレンズ909を介して被照射面910に照射され
る。シリドリカルレンズ909は焦点の制御をする。な
おホモジナイザの数は、3個、5個、7個というように
奇数個にしてもよい。また6個、8個、10個というよ
うに偶数個でさらにその数を多くしてもよい。
の被照射面におけるエネルギープロファイルの頂点を、
極めて平坦なものとすることができる。
は、エキシマレーザー、例えばXeClエキシマレーザ
ー(波長308nm)、KrFエキシマレーザー(波長
248nm)等、出力の大きいパルスレーザー発振器を
使用できる。
ンドリカルレンズと被照射面との距離を制御することに
より、レーザー光の被照射面におけるエネルギープロフ
ァイルを概略台形状とすることができる。最終段のシリ
ンドリカルレンズと被照射面との間にスリットを配置し
て、スリットを介して照射させることで、より台形状に
近いプロファイルを得ることができる。
用いると、スキャン方向の反対側のエネルギープロファ
イルの立ち下がりを急峻にできる。ただしスキャン方向
の反対側のエネルギープロファイルは、特に限定せずと
も結晶化には影響しない。
装置の構成の例を示す。図10に、レーザー照射装置の
構成の例を示す。
である。レーザー照射室101は外部から遮断され、減
圧状態に保つこともできる構成となっている。
2で発振され、光学系103により断面形状が線状に加
工される。そしてミラー104で反射され、焦点調整用
の凸レンズ(シリンドリカルレンズ)105、石英で構
成された窓106を介して被処理基板100に照射され
る。102〜105は、実施例1で示した図8、図9の
レーザー光源及び光学系に対応する。
れたステージ111上に配置され、台108内に設置さ
れたヒーターによって、所定の温度(室温〜700℃、
好ましくは100〜500℃)に保たれる。
状レーザー光の線方向に対して直角の方向に移動され、
被処理基板100上面に対しレーザービームを走査しな
がら照射することを可能としている。
110を備えており、必要に応じて内部を減圧状態また
は真空状態にすることができる。
9を有している。気体供給部109は、レーザー照射室
101内に酸素、水素、窒素、ヘリウム等の気体を導入
して、所望の雰囲気を形成する。必要に応じて、他の気
体を導入するための別の気体供給部を設けてもよい。
12を有し、他の処理室との接続を可能なものとしてい
る。また必要に応じて、ゲイトバルブ112を介して基
板(試料)の出し入れを行うことができる構成となって
いる。
室、加熱室、徐冷室、ロード/アンロード室などを配置
したマルチチャンバー構成としてもよい。
ようなマスクおよび減光フィルター107が図示しない
固定手段に支持されて設けられている。減光フィルター
は、マスクに連結して設けられている。
ーザー光のスキャン方向(図10においては矢印の方
向)側を遮る。これにより、線状レーザー光のエネルギ
ープロファイルの立ち上がりを急峻にする。
ャン方向側のエネルギー密度を部分的に低下させる。
り、階段状のエネルギープロファイルを有するレーザー
光によるレーザーアニールを、高品質かつ高生産性を有
して行うことができる。
薄膜トランジスタを作製する場合の例を示す。
ず、被処理基板1101として127mm角のコーニン
グ1737ガラス基板を用意する。
化珪素膜1102を2000Åの厚さに成膜する。成膜
方法はプラズマCVD法を用いる。次に図示しないアモ
ルファスシリコン膜を500〜1000Å例えば500
Åの厚さに減圧CVD法により成膜する。
を、スピンコート法によりアモルファスシリコン膜上に
塗布し、ニッケル元素がアモルファスシリコン膜の表面
に接して保持された状態とする。このニッケルを用いた
結晶化技術の詳細については、特開平6−244104
号に記載されている。
えば600℃、4時間の加熱処理を水素含有雰囲気(即
ち還元雰囲気)中で行う。この加熱処理により、アモル
ファスシリコン膜は結晶化し結晶性シリコン膜へと変成
される。(図11(A))
素の濃度は、1×1015〜5×10 19原子/cm3 の範
囲内に収まることが望ましい。
が得られる。次に得られた結晶シリコン膜1103の結
晶性をさらに高めるために、レーザーアニールを行う。
用いて行う。また光学系として図8に示すものを用い
る。アニール時は、大気圧、酸素含有雰囲気中とする。
状態でレーザーアニールを行う。照射される線状レーザ
ー光は、マスクおよび減光フィルターを介さない状態
で、被照射面上で幅約0.3mm×長さ135mmの大
きさを有する。
クおよび減光フィルターにより、エネルギープロファイ
ルが図1に示すような階段状にされている。減光フィル
ターのスキャン方向の幅は、0.1mmとする。
イルは、図1に対応させて示すと、E1=150mJ/
cm2 、E2=280mJ/cm2 、L1=L2=0.
1mmと設定する。
晶性シリコン膜を、良好に加熱するエネルギーの範囲で
あればよい。代表的には100mJ/cm2 ≦E1≦2
50mJ/cm2 である。
密度E1が照射されたシリコン膜の結晶性を良好に向上
させるエネルギーの範囲であればよい。代表的には20
0mJ/cm2 ≦E2≦300mJ/cm2 である。
5%以内の変位幅を含む。
おいて約0.1mm程度遮られる。これによりスキャン
方向のエネルキープロファイルが急峻に立ち上がる。
性シリコン膜に対し予備的な加熱を行う役割を果たす。
エネルギー密度E2のレーザー光は、予備加熱が行われ
た結晶性シリコン膜の結晶粒径のさらなる増大など、膜
全体の結晶性を向上させる役割を果たす。
スキャンする際のピッチDは0.025mmとする。し
たがって、同一箇所に対し同一のエネルギー密度(E1
またはE2)のレーザー光が0.1mm/0.025m
m=4回照射される。
行った結果、一度のスキャンニングで充分に結晶性が向
上した。またレーザー光源は、出力が突発的に5〜10
%程度低下するものであるが、それにも係わらず、アニ
ール後の結晶性シリコン膜1103の表面は極めて均質
であり、縞状の荒れは全く見られなかった。(図11
(B))
助長された結晶性シリコン膜1103を用いて薄膜トラ
ンジスタ(TFT)を作製する。まず、結晶性シリコン
膜1103をエッチングして、島状領域1104を形成
する。この島状領域1104は後に薄膜トランジスタの
活性層を構成することとなる。
素膜をプラズマCVD法によって厚さ1200Åの厚さ
に成膜する。ここではこの酸化珪素膜を成膜するための
原料ガスとして、TEOSおよび酸化珪素膜を用いる。
(図11(C))
ず図示しないアルミニウム膜をスパッタ法により、60
00Åの厚さに成膜する。なお、アルミニウム膜中にス
カンジウムまたは珪素を0.1〜2.0重量%含有させ
る。そしてこのアルミニウム膜をエッチングして、ゲイ
ト電極1106を形成する。
の不純物イオンの注入を行う。ここではNチャネル型の
TFTを作製するためにP(リン)イオンの注入をイオ
ンドーピング法によって行う。
07をマスクとして行われる。ドーピングの条件は、ド
ーピングガスとして、フォスフィン(PH3 )を用い、
加速電圧を80kV、ドーズ量を1×1015原子/cm
2 として行う。また基板温度は室温とする。
めに、B(硼素)イオンの注入を行う場合は、ドーピン
グガスとして水素で5%程度に希釈されたジボラン(B
2 H 6 )を用い、加速電圧を65kV、ドーズ量を3×
1015原子/cm2 とする。またこの際、基板温度は室
温とする。
的にチャネル形成領域1109と、不純物領域であるソ
ース領域1107、さらにドレイン領域1108が形成
される。(図11(D))
ために、レーザーアニールを行う。ここでも、階段状の
エネルギープロファイルを有する線状レーザー光を用い
る。
ープロファイルは、図1に対応させて示すと、E1=1
50mJ/cm2 、E2=200mJ/cm2 、L1=
L2=0.1mmとした。その他の条件は、前述の結晶
化工程と同様とした。
性化される共に、先の不純物イオンの注入時における損
傷が回復される。このレーザーアニールの終了後、窒素
雰囲気中にて2時間、450℃の熱アニールを行う。
(図11(E))
膜をプラズマCVD法で6000Åの厚さに成膜する。
ールを形成し、金属材料、例えば、チタンとアルミニウ
ムの多層膜でもってソース電極1111とドレイン電極
1112を形成する。
350℃の熱アニール処理を行い、図11(F)に示す
薄膜トランジスタを完成させる。
膜トランジスタが形成される。
スタは、結晶化助長のためのレーザーアニール工程に矩
形や台形のエネルギープロファイルを使用した場合に比
較して、しきい値や移動度等の諸特性の、同一基板面内
におけるばらつきが極めて低くなった。
リコン膜に対してレーザーアニールを施し、結晶性シリ
コン膜を得る構成に関する。
m厚のコーニング1737基板を用意する。この基板上
にプラズマCVD法により酸化珪素膜を2000Åの厚
さに形成し、下地膜とする。
ン膜を500〜1000Åここでは500Åの厚さに形
成する。
ニールは、図10に示す装置を用いて行う。また光学系
として図9に示すものを用いる。アニール時は、大気
圧、酸素含有雰囲気中とする。
ーザーアニールを行う。照射される線状レーザー光は、
マスクおよび減光フィルターを介さない状態で、被照射
面上で幅約0.7mm×長さ135mmの大きさを有す
る。
クおよび減光フィルターにより、エネルギープロファイ
ルが図1に示すような階段状にされている。減光フィル
ターのスキャン方向の幅は、0.3mmとする。
イルは、図1に対応させて示すと、E1=130mJ/
cm2 、E2=250mJ/cm2 、L1=L2=0.
3mmである。
コンを良好に結晶化させるエネルギーの範囲であればよ
い。代表的には100mJ/cm2 ≦E1≦200mJ
/cm2 である。
密度E1が照射されたシリコン膜の結晶性を良好に向上
させるエネルギーの範囲であればよい。代表的には20
0mJ/cm2 ≦E2≦300mJ/cm2 である。
5%以内の変位幅を含む。
において0.1mm程度遮られる。これによりスキャン
方向のエネルキープロファイルが急峻に立ち上がる。
ルファスシリコン膜を結晶化させる役割を果たす。エネ
ルギー密度E2のレーザー光は、エネルギー密度E1の
レーー光により結晶化された結晶性シリコン膜の結晶粒
径のさらなる増大など、膜全体の結晶性を向上させる役
割を果たす。
スキャンする際のピッチDは0.06mmとする。した
がって、同一箇所に対し同一のエネルギー密度(E1ま
たはE2)のレーザー光が0.3mm/0.06mm=
5回照射される。
行った結果、一度のスキャンニングで充分に結晶性が向
上した。またレーザー光源は、出力が突発的に5〜10
%程度変動するものであるが、それにも係わらず、アニ
ール後の結晶性シリコン膜の表面は極めて均質であり、
縞状の荒れは全く見られなかった。
されおよび結晶性が助長された結晶性シリコン膜を用い
て複数の薄膜トランジスタ(TFT)を、実施例3と同
様にして作製する。
の諸特性が同一基板面内において極めて均質なものとす
ることができた。
ルギープロファイルを得るための他の構成を示す。階段
状のエネルギープロファイルを得るための他の方法とし
て、レーザー光を均質化するために設けられているホモ
ジナイザに減光フィルターを設けてもよい。その場合の
構成の例を図12に示す。
ンズを平行に配置したものである。レーザー光源から出
力された、数cm角のスポット形状の断面を有するレー
ザー光は、ホモジナイザに入射すると、各シリンドリカ
ルレンズの後段で一度収束してから拡大する。
ザー光は、凸レンズに入射させることで収束する。この
ような加工を、レーザー光断面の縦方向、横方向でそれ
ぞれ行うと、レーザー光はエネルギー密度が均質な概略
正方形または長方形の断面となる。
光を、レーザー光を収束させる凸レンズによって断面の
縦横の長さを変化させる。その結果被照射面上にて所定
の線幅を有する線状レーザー光とする。レーザー光断面
の縦横の長さは、レーザー光を収束させる凸レンズの曲
率によって決定される。
は、被照射面上では線方向(長手方向)も線幅方向もエ
ネルギー密度が均質化されている。
化を図るためのホモジナイザを、図12に示すような構
成とする。すなわち、図12に示すように、ホモジナイ
ザ1201を構成する各シリンドリカルレンズの前段ま
たは後段に減光フィルター1205を設ける。図12で
は後段に設けている。
がホモジナイザ1201を透過した後、減光フィルター
を透過する部分はエネルギー密度が低下する。例えば、
縦方向の均質化を図るホモジナイザを構成する各シリン
ドリカルレンズに対し、その対応した位置の下側に減光
フィルターを設ける。つまり、各シリドリカルレンズに
一つずつ対応して減光フィルターを設ける。
対応して設けられた減光フィルターが、他のシリンドリ
カルレンズを通過した光あるいは入射する光を遮らない
ようにする。
202により集光されて、エネルギー密度が均質化され
たレーザー光が照射される。
すように、減光フィルターを透過しなかったレーザー光
が照射される領域(a)と、減光フィルターを透過した
レーザー光が照射される領域(b)が存在する。
るため、被照射面でのレーザー光のエネルギープロファ
イルは、階段状となる。図12の上下方向が線状レーザ
ー光の線幅方向に相当する。ゆえに、線幅方向のエネル
ギープロファイルを階段状とすることができる。
階段状のエネルギープロファイルを得る方法に比較し
て、レーザー照射時に減光フィルターに加わるエネルギ
ーが大幅に小さくなる。そのため、長期間において安定
したフィルター特性を維持できる。
ズに対応する減光フィルターの幅により、エネルギー密
度の低い側の領域の線幅方向の長さを制御できる。
と被照射面との間にを設けて、エネルギープロファイル
の立ち上がりをより急峻にしてもよい。
ァイルは、特に限定されない。
半導体薄膜に対するレーザーアニールにおいて、結晶性
の向上、処理工程の短縮、膜質の面内均質性の向上、レ
ーザー光源の出力変動の影響の回避、といった優れた効
果を実現することができる。
ファイルの概念図
の構成の例を示す図。
する場合のスキャン過程の例を示す図。
とした例を示す図。
状レーザー光のスキャン過程を示す図。
レーザー光のスキャン工程を示す図。
成の例を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】レーザー光を出力するレーザー光源と、 前記レーザー光を一度収束してから拡大させるために平
行に配置された複数のシリンドリカルレンズと、 前記複数のシリンドリカルレンズを通過したレーザー光
を収束するための凸レンズと、 前記シリンドリカルレンズと前記凸レンズの間に配置さ
れる減光フィルターとを有するレーザー照射装置におい
て、 前記シリンドリカルレンズを通過した前記レーザー光の
一部が前記減光フィルターを通過することによって、被
照射面において、前記レーザー光が半導体膜を結晶化さ
せるエネルギー密度の領域と前記結晶化された半導体膜
の結晶性を助長するエネルギー密度の領域とを含むよう
にすることを特徴とするレーザー照射装置。
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