JP2003234288A - 多結晶半導体膜と半導体素子の製造方法及び製造装置 - Google Patents

多結晶半導体膜と半導体素子の製造方法及び製造装置

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JP2003234288A
JP2003234288A JP2002030762A JP2002030762A JP2003234288A JP 2003234288 A JP2003234288 A JP 2003234288A JP 2002030762 A JP2002030762 A JP 2002030762A JP 2002030762 A JP2002030762 A JP 2002030762A JP 2003234288 A JP2003234288 A JP 2003234288A
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semiconductor film
light
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Hiroto Kasai
弘人 河西
Hideo Yamanaka
英雄 山中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多結晶半導体膜の膜質を評価し、均質な多結晶
半導体膜を形成する方法と装置、及び該多結晶半導体膜
を有する半導体素子の製造方法と製造装置を提供する。 【解決手段】半導体膜の透過率を測定する少なくとも一
つの透過率測定手段と、半導体膜の反射率を測定する少
なくとも一つの反射率測定手段とを設け、レーザアニー
ル工程中に、または、レーザアニール工程の直後に、半
導体膜の透過率及び半導体膜の反射率を測定し、その測
定結果により、半導体膜の膜質を検査し、また、その結
果をレーザ光源にフィードバックし、レーザアニール工
程を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多結晶質半導体膜及
び半導体素子の製造方法及び製造装置に関し、特に多結
晶質シリコン薄膜の製造方法及び製造装置と、多結晶質
シリコンをチャネルに用いた薄膜トランジスタなどの半
導体素子の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜トランジスタ(TFT)は液晶表示
装置の画素部、駆動回路部のスイッチング素子として広
く用いられている。非晶質シリコン(アモルファスシリ
コン:a−Si)を薄膜トランジスタの構成材料とする
非晶質アモルファスシリコン薄膜トランジスタ(a−S
i TFT)が主に使われていたが、結晶相を有する多
結晶シリコン膜(ポリシリコン:poly−Si)を用
いた多結晶シリコン薄膜トランジスタ(poly−Si
TFT)は、キャリアの移動度はa−Si TFTよ
り10倍から100倍程度大きく、高速動作が可能であ
るので、近年では、各種論理回路や、液晶表示装置の駆
動回路などを構成するスイッチング素子としても注目さ
れている。特に、液晶表示装置においては、画素部(画
素アレイ)と、走査線信号回路や信号線駆動回路などの
周辺駆動回路とを同一の基板上に形成する、いわゆる画
素部・駆動回路部一体型の液晶表示装置の研究・開発も
精力的に行われている。
【0003】一般に、レーザアニール法により、絶縁基
板上に堆積されるa−Si膜を溶融結晶化してpoly
−Si膜が形成される。レーザアニールにて、a−Si
膜にレーザビームを照射すると、a−Si膜全体は均一
加熱され、溶融されて、周期的温度分布が形成され、a
−Si膜に周期的な構造が形成されて、a−Si膜が非
晶質から比較的粒径の大きな多結晶に転換され、結晶化
される。レーザ照射により比較的低温でa−Si膜を結
晶化でき、低融点ガラスなど低コストの絶縁基板材料を
採用できる。また、出力の大きい、エキシマレーザ(ex
cimer laser)(XeCl308nmなど)等のパルス
レーザビームを、被照射面において、数mm角の四角ス
ポットや、数ミリ×数10ミリの線状となるように光学
系にて加工し、レーザビームを走査させて、オーバラッ
プ照射することで比較的大面積のa−Si膜をpoly
−Siに効率良く転換できるため、量産性が良く、工業
的に優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示装置にて均一
な表示を得るために、均質なpoly−Si膜が必須で
ある。そのため、形成されたpoly−Si膜の膜質の
ばらつきを極力に抑え、再現性を向上することが不可欠
である。
【0005】従来は、均質なポリシリコン膜を得るに
は、エキシマレーザビームのエネルギー密度を安定化さ
せるようにしていた。具体的には、エキシマレーザアニ
ール装置においてエキシマレーザビームのエネルギー密
度を制御するために、発振されるエキシマレーザビーム
をビームスプリッターで数%分岐した光、或は、レーザ
発振器のリアミラーからの漏れ光、或は、ミラーを透過
する数%の光をエネルギー測定器で測定・演算処理し、
そのデータをフィードバックさせ、常にレーザエネルギ
ー密度を一定にするようレーザの充電電圧を調整、制御
し、レーザの充電電圧を上下させることで、レーザのエ
ネルギー密度の一定化を図っていた。また、特開200
0−77759に開示されているように、エネルギー測
定器により、レーザ出力を測定し、この測定結果に応じ
てレーザ発振器の充電電圧を設定した後、この充電電圧
を保持することにより、絶縁基板からの反射ビームの発
生に拘わらず、レーザ出力の安定を図った。
【0006】しかしながら、レーザビームのエネルギー
密度を安定させることによって、結晶化過程(アニー
ル)が一様に行なわれ、結晶化過程において膜の不均一
性が生じないが、結晶化過程以外で生じたpoly−S
i膜の不均一性を解消できない。たとえば、成膜条件か
ら生じたa−Si膜そのものの膜質の不均一性(膜の膜
厚むら、欠陥密度、含有酸素、含有水素濃度など)が存
在しており、出力が安定化したレーザビームではそれら
を解消できない、むしろ、レーザ出力はこれらの実際条
件に基づいて最適化すべきである。また、たとえばボト
ムゲートTFTなどの構造上、poly−Si膜に結晶
化されるべきa−Si膜の高さが違い、照射条件も一様
ではない。実際には、結晶化過程においても、たとえ
ば、poly−Si膜の結晶粒径を大きくするためのレ
ーザビームの重ね合わせ照射による膜質の変化も生じ
る。
【0007】さらに、以上のレーザビームの出力を安定
させる措置により、形成されたpoly−Si膜の膜質
の検査ができず、形成中のpoly−Si膜の膜質を検
査することもできなかった。従来は、a−Si膜をレー
ザアニールにより結晶化した後、一度装置から試料を取
り出して、走査電子顕微鏡の観察でpoly−Siの結
晶粒径を評価し、或は、最後までプロセスを進めてpo
ly−SiTFTを作製し、電気的な特性評価を行なっ
てはじめて不良かどうかを判断していた。これらがpo
ly−SiTFT製造時の歩留まり品質、及び生産性を
低下させる原因の1つになっていた。
【0008】その状況を改善するために、従来は、po
ly−Si膜の形成工程中及びその後に、poly−S
i膜の結晶化状況を評価する方法の開発もなされた。例
えば、特開平11−274078において開示された方
法では、結晶粒径が最大で且つ顆粒が未発生状態である
時、電気伝導度が高くなり、エキシマレーザアニールさ
れた薄膜表面の光沢度は最も低くなることから、ポリシ
リコンの形成工程において、ポリシリコンの光沢度(反
射率)を測定することにより、非破壊で結晶粒径を評価
して、結晶化の最適な条件を設定し、不良品の早期排除
やレーザビームのエネルギー密度の最適条件を設定し
た。具体的には、アニール前のa−Si膜は、膜表面が
平坦なため光沢度が高い(反射率が高い)が、アニール
後にpoly−Siとなると結晶粒径が大きくなり表面
凸凹が発生するため、光の散乱等で膜の光沢度が低くな
る、つまり反射率が低くなる。
【0009】しかし、薄膜の反射率は、膜の物性的な特
質の違いと膜の表面の平坦性(凹凸の大きさ)両方によ
って変化している。以上の光沢度を測定する方法は、膜
表面の平坦性、具体的に結晶粒径だけ評価し、前述した
結晶化過程の前にa−Si膜が有する各種不均一性(欠
陥密度、含有酸素、含有水素濃度、膜厚など)、即ち膜
の物性的な特性、及びそれらによるレーザアニールの条
件及び結晶化結果の違いを評価できない。また、光沢度
の測定により、poly−Si膜の結晶粒径を評価する
方法は、平均的な評価であり、精確さが不充分である。
さらに、光沢度の測定では、測定角度などの正確な定義
は容易ではないので、操作上は、不便である。
【0010】また、特開平11−54581において開
示された方法では、形成されたpoly−Si膜に不純
物をドープした後に、ドープされたpoly−Si膜の
不純物領域において可視光の透過率を測定し、不純物領
域での可視光の透過強度とドープされたpoly−Si
膜のシート抵抗値とが相関していることから、不純物領
域の活性化度合を評価した。しかし、以上の方法は、p
oly−Si膜が形成し、不純物をドープした後に、こ
の領域で光の透過率の測定によって不純物領域の活性化
を監視する方法であり、poly−Si膜の結晶化度合
の評価ではない。
【0011】本発明は、上記従来技術の問題を鑑みてな
されたものであり、その目的は、a−Siからpoly
−Si膜を形成する時に、レーザビームの安定性にかか
わらず、poly−Si膜の膜質を評価し、均質なpo
ly−Si膜を形成する方法と装置、及び該poly−
Si膜を有する半導体素子の製造方法と製造装置を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係わる多結晶半導体膜の製造方法は、膜質
データに基づいて、半導体膜の膜質を検査し、多結晶半
導体膜を製造する多結晶半導体膜の製造方法であって、
非晶質の半導体膜を成膜する工程と、アニール光を前記
非晶質の半導体膜に照射して前記非晶質の半導体膜を多
結晶の半導体膜に転換するアニール工程と、前記半導体
膜の膜質を検査する検査光に対する前記半導体膜の透過
率を測定し、第1の膜質データを生成する第1の測定工
程と、前記検査光に対する前記半導体膜の反射率を測定
し、第2の膜質のデータを生成する第2の測定工程とを
有する。好適に、前記記第1及び第2の膜質データに応
じて、前記アニール工程を続行、または、停止させる。
また、好適に、前記第1及び第2の測定工程は、前記ア
ニール工程と並行に行なう。或は、前記第1及び第2の
測定工程は、前記アニール工程の直後に行なう。また、
好適に、前記検査光は前記アニール光と併用している。
或は、前記検査光は前記アニール光と異なる。
【0013】また、上記目的を達成するために、本発明
に係わる多結晶半導体膜の製造装置は、膜質データに基
づいて、半導体膜の膜質を検査し、多結晶半導体膜を製
造する多結晶半導体膜の製造装置であって、非晶質の半
導体膜を多結晶の半導体膜に転換するアニール光を当該
半導体膜に照射する光源と、前記アニール光に対する前
記半導体膜の透過率を測定し、第1の膜質データを生成
する少なくとも一つの透過率測定手段と、前記アニール
光に対する前記半導体膜の反射率を測定し、第2の膜質
データを生成する少なくとも一つの反射率測定手段とを
有する。好適に、前記記第1及び第2の膜質データに応
じて、前記光源の照射を続行、または、停止させる制御
手段をさらに有する。
【0014】或は、本発明に係わる多結晶半導体膜の製
造装置は、非晶質の半導体膜を多結晶の半導体膜に転換
するアニール光を当該半導体膜に照射する主光源と、前
記半導体膜に検査光を照射し、該半導体膜の膜質を検査
する少なくとも1つの検査用光源と、前記検査光に対す
る前記半導体膜の透過率を測定し、第1の膜質データを
生成する少なくとも一つの透過率測定手段と、前記検査
光に対する前記半導体膜の反射率を測定し、第2の膜質
データを生成する少なくとも一つの反射率測定手段とを
有する。好適に、前記第1及び第2の膜質データに応じ
て、前記主光源の照射を続行、または、停止させる制御
手段をさらに有する。
【0015】また、上記目的を達成するために、本発明
に係わる半導体素子の製造方法は、絶縁基板と、該絶縁
基板上に形成された多結晶の半導体膜と、前記多結晶の
半導体膜を活性層として形成された薄膜トランジスタと
を含む半導体素子の製造方法であって、前記絶縁基板上
に非晶質の半導体膜を形成する工程と、アニール光を前
記非晶質の半導体膜に照射して前記非晶質の半導体膜を
多結晶の半導体膜に転換するアニール工程と、前記多結
晶の半導体膜を活性層として薄膜トランジスタを形成す
る工程とを有し、前記半導体膜の膜質を検査する検査光
に対する前記半導体膜の透過率を測定し、第1の膜質デ
ータを生成する第1の測定工程と、前記検査光に対する
前記半導体膜の反射率を測定し、第2の膜質データを生
成する第2の測定工程とをさらに有し、前記第1と第2
の膜質データに基づいて、前記半導体膜の膜質を検査
し、前記多結晶半導体膜を形成する。好適に、前記第1
及び第2の膜質データに応じて、前記アニール工程を続
行、または、停止させる。また、好適に、前記第1の及
び第2の測定工程は、前記アニール工程と並行に行な
う。或は、前記第1の及び第2の測定工程は、前記アニ
ール工程の直後に行なう。また、好適に、前記前記検査
光はアニール光と併用している。或は、前記検査光は前
記アニール光と異なる。
【0016】また、上記目的を達成するために、本発明
に係わる半導体素子の製造装置は、絶縁基板と、該絶縁
基板上に形成された多結晶の半導体膜と、前記多結晶の
半導体膜を活性層として形成された薄膜トランジスタと
を含む半導体素子の製造装置であって、前記絶縁基板上
に形成された非晶質の半導体膜を多結晶の半導体膜に転
換するアニール光を当該半導体膜に照射する光源と、前
記アニール光に対する前記半導体膜の透過率を測定し、
第1の膜質データを生成する少なくとも一つの透過率測
定手段と、前記アニール光に対する前記半導体膜の反射
率を測定し、第2の膜質データを生成する少なくとも一
つの反射率測定手段とを有し、前記第1の膜質データ及
び第2の膜質データに基づいて、前記半導体膜の膜質を
検査し、前記多結晶半導体膜を形成する。好適に、前記
第1及び第2の膜質データに応じて、前記光源の照射を
続行、または、停止させる制御手段をさらに有する。
【0017】或は、本発明に係わる半導体素子の製造装
置は、絶縁基板と、該絶縁基板上に形成された多結晶の
半導体膜と、前記多結晶の半導体膜を活性層として形成
された薄膜トランジスタとを含む半導体素子の製造装置
であって、前記絶縁基板上に形成された非晶質の半導体
膜を多結晶の半導体膜に転換するアニール光を当該半導
体膜に照射する主光源と、前記半導体膜に検査光を照射
し、該半導体膜の膜質を検査する少なくとも1つの検査
用光源と、前記検査光に対する前記半導体膜の透過率を
測定し、第1の膜質データを生成する少なくとも一つの
透過率測定手段と、前記検査光に対する前記半導体膜の
反射率を測定し、第2の膜質データを生成する少なくと
も一つの反射率測定手段とを有し、前記透過率測定手段
と反射率測定手段の透過率と反射率の測定結果により、
前記半導体膜の膜質が検査される。好適に、前記第1の
膜質データ及び第2の膜質データに応じて、前記主光源
の照射を続行、または、停止させる制御手段をさらに有
する。
【0018】以上のように、本発明は結晶化過程におい
て又はその直後に、結晶化の対象となる半導体薄膜から
の反射光、及び半導体薄膜を透過した透過光を測定し、
反射率と透過率、或は、反射率スペクトルと透過率スペ
クトルから半導体膜の結晶化度合や膜質を評価する。次
に、以上の方法と装置の原理を説明する。
【0019】光がある物質の中を通過する割合を透過率
(T)、反射する割合を反射率(R)、吸収する割合を
吸収率(A)と言い、それらはT+R+A=1の関係が
成り立つ。TとRは実験値から得られ、計算からAが求
められる。また、TとRには以下の関係式が成り立つ。 T=(1−R)2exp(一αL)、 ただし、α:物質の吸収係数、L:物質の膜厚。 なお、この式における反射率は、純粋に膜物性から生じ
る反射のみを考えており、表面の凹凸などがあって光の
散乱を考慮すると、上記の関係式は単純には成り立たな
くなる。
【0020】a−Si膜、又は、poly−Si膜等の
薄膜において、光の透過率及び反射率は、材料の構造と
特性を反映する吸収係数及びシート抵抗値に関連してお
り、膜質の違いにより変化する。薄膜の反射率特性は、
入射光の波長によって異なる。これは膜物性の違いによ
って生じる現象である。たとえば、後述する図6におい
て、入射光の波長が300nmの場合は、結晶Si膜の
反射率はa−Si膜の反射率より大きい、入射光の波長
が500nmの場合は、逆にa−Si膜の反射率は結晶
Si膜の反射率より大きい。また、薄膜の反射率特性
は、薄膜表面の平坦性によっても変化する。たとえば、
アニールなどでa−Si膜をpoly−Si膜に変化さ
せると、膜物性の違いに加えて、表面形状が凹凸になる
ことによって反射率が変化してくる。したがって、非晶
質のa−Si膜と結晶相を有するpoly−Siからの
反射光のスペクトルが違う。さらに、poly−Si膜
においても、結晶粒径に依存して、反射光のスペクトル
において特有なピークが現れる。即ち、反射光のスペク
トルが反射膜の結晶構造を反映しており、その反射光の
スペクトルにおけるピーク構造から、反射膜の結晶構造
を判明できる。たとえば、次の文献に、以上の結果に関
連する事項が開示されている。T.E.Dyer, J.M.Marsha1
1, W.Pickin, A.R.Hepburn, J.F.Davies,“Optoelectro
nic and structural properties of poly-silicon prod
uced by excimer laser and furnace crystallization
of hydrogenated amorphous silicon (a-Si:H),”IEEE
Proc. Circuits Devices Syst., Vol.141, pp15-18, 19
94.本稿の図6は、該文献から引用されたものである。
【0021】また、poly−Si膜のコンダクタンス
と反射率の時系列変化(数百nsの領域)には相関関係
があり、したがって、レーザビームによる結晶化の度合
を反射率の時系列変化で予測することが可能である。そ
こで、以上の特性を利用し、レーザアニール工程中に、
反射スペクトルを測定し、結晶度合を監視することがで
きる。たとえば、次の文献に、以上の結果に関連する事
項が開示されている。T.Samejima, H.Tomita and S.Usu
i,“In Situ Observation of Pulsed LaserDoping”, J
pn. J. Appl. Phys., Vol.27, ppL1935-L1937, 1988.
【0022】結晶化度合と反射率の相関の具体例とし
て、図6において、a−Si膜の反射スペクトル、単結
晶シリコンの反射スペクトル、電気炉で600゜Cにア
ニールされたpoly−Siの反射スペクトル、及び、
150゜C、250゜C、350゜Cの基板温度でレーザ
アニールで形成されるpoly−Siの反射スペクトル
が示されている。この場合、波長300nmにおける反
射率は、poly−Siで約70%、水素化a−Siで
約60%であるため、その値だけで膜変化が起きたかど
うかが判別可能である。また、水銀ランプ等の紫外光を
有する連続スペクトルの光源がある場合には、Si膜の
結晶性、結晶方位に起因すると言われている280n
m、365nmの反射率のピークを測定することによ
り、より正確に結晶化の度合を判断することができる。
なお、図6に示された結果は、上記下膜の物性的な特質
と膜表面の平坦性によるものである。反射率と透過率を
同時に評価すれば、この2つの現象による効果を分離す
ることが可能となり、より詳細に膜特性を把握すること
ができる。
【0023】一方、特開平11−54581に開示され
ているように、ドープ領域に対する電磁波の透過強度と
ドープ領域のシート抵抗値に相関があり、シート抵抗値
は膜の結晶構造と関連する。それを利用して、簡単にか
つ非接触でドープ領域の状態を知ることができる。ま
た、a−Siとpoly−Siでは電磁波に対する光の
吸収係数が異なっており、吸収係数も膜の結晶構造と関
連する。したがって、電磁波の透過特性を評価すること
により不純物領域の活性化の程度並びに結晶化の程度を
判別できる。同様の方法は、a−Siを結晶化してpo
ly−Siを形成する過程にも適用できる。
【0024】具体的に、poly−Si膜に対するレー
ザ光の透過率は、poly−Si膜のシート抵抗値と相
関があり、シート抵抗値の増加につれて透過率が低下す
る。一方、膜のシート抵抗値は膜の結晶化度合に関係
し、結晶化が進むにつれて低下する。したがって、結晶
化の進化につれて、透過強度が上昇する。そこで、透過
強度スペクトルを測定し、それに基づいて、結晶化の度
合を判別できる。また、透過強度スペクトルはpoly
−Si結晶のバンド構造による微細構造を反映するの
で、その微細構造の観測も、結晶化の度合を判別する根
拠となる。
【0025】透過率、または反射率を検出する場合に
は、Si膜の結晶性により特性が大きく変化する200
〜1100nmの紫外光、可視光、赤外先の領域が望ま
しい。検出は単一波長でも良いし、波長領域を評価して
も良い。入射光の波長によっては、反射率のみが検出さ
れる場合、或は、透過率のみが検出される場合、反射率
と透過率の両方が検出される場合がある。例えば、30
0nm程度の紫外光の場合、a−Si,poly−Si
共に吸収係数が10cm−1以上あるために、レーザ
光は膜中を透過しない。この場合には反射率の値から評
価する。a−Siでは透過せず、poly−Si膜で透
過するような波長(たとえば、可視光、赤外領域)を有
するレーザ、及びランプ等の光源の場合には、膜の結晶
化により光源が透過するため、反射率に加え、透過率の
評価も同時に行なうことができる。
【0026】具体的に、図6及び特開平11−5458
1の図2に示されたように、波長が300nm以下の場
合は、光はほぼ100%半導体膜に吸収され、透過率か
ら結晶性を判別できない。一方、波長が400nm以下
の場合は、反射率スペクトルにピーク構造が現れ、半導
体膜の結晶構造の詳細を判別することに有利である。波
長が400nm以上の場合は、非晶質と多結晶半導体膜
の反射率の違いが増大するが、結晶化の度合による反射
率の変化がなくなる。即ち、状況に応じて、各波長領域
で、反射率と透過率は結晶性の判断にそれぞれ利点があ
り、両者を利用して、相補的な情報を得て、便利に精確
に半導体薄膜の結晶性の検査ができる。
【0027】そのため、a−Si膜の結晶化過程におい
て又はその直後に、反射光及び透過光を測定し、反射率
と透過率、または、反射率と透過率のスペクトルから半
導体膜の結晶化度合や膜質を評価できる。たとえば、あ
らかじめこれらの粒径等を走査電子顕微鏡(SEM)や
透過電子顕微鏡(TEM)などにより評価しておけば、
以後アニールする際に毎回粒径を評価しなくても、反射
率と透過率さえ評価すれば粒径などの物性値を概算する
ことができ、逆に、poly−Siの物性値を一定にす
るようにレーザアニール条件を微妙に調整することも可
能となる。したがって、本発明において透過測定及び反
射測定により、a−Si膜の結晶化工程中、または結晶
化工程直後に、膜質の情報が得られ、アニールが十分に
行なえたかを判断することができる。その判断結果か
ら、照射されたa−Si膜が持つ不均一性を一切考慮せ
ず、得られた膜質の情報から、その膜に最適なアニール
条件に変えることができ、結晶性及び膜質のばらつきを
抑制できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、a−Si膜をレーザアニ
ールによりpoly−Siに結晶化するレーザアニール
装置を例として、本発明の多結晶半導体膜と半導体素子
の製造方法および製造装置の実施の形態について、添付
の図面を参照して述べる。第1の実施形態 図1は、本発明の第1の実施形態に係る多結晶半導体膜
及び半導体素子の製造装置1の概略図を示している。図
1に示す多結晶半導体膜及び半導体素子の製造装置1
は、基板ホルダー2と、基板ホルダー2に載置された絶
縁基板3と、絶縁基板3上に形成されたa−Si薄膜4
と、a−Si薄膜4にレーザ光を照射してレーザアニー
ルを施すレーザ光源5、レーザ光源5からのレーザビー
ムの断面形状を所望の形状に加工するビーム形成器6、
レーザ光源5からの光がa−Si薄膜4に反射された反
射光の線量を測定する測定器7、レーザ光源5からの光
がa−Si薄膜4と絶縁基板3を透過した透過光の線量
を測定する測定器8、測定器7と測定器8の測定したデ
ータにより、レーザ光源5の出力エネルギー密度、照射
時間を含む動作状態の設定を修正する制御部9を有す
る。
【0029】基板ホルダー2は、紫外光、可視光、赤外
光で透明性のある材料とする。たとえば石英、合成石
英、ガラス板、他にポリエステル、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリイミド等の耐熱性合成
樹脂の板でも良い。絶縁基板3には、たとえば、ガラス
(たとえばCorning社1737等)を用いる。a
−Si薄膜4は、たとえば、シランガス(SiH4)を
用いたプラズマCVD法等により、絶縁基板3上に30
0℃程度で成膜された。a−Si膜4にレーザビームを
照射し、poly−Si膜を得る。レーザ光源5は、そ
の発光スペクトルの波長領域において、レーザビームの
半導体膜4での反射率、または、透過率が半導体薄膜4
の結晶性に依存性が有するものが好ましい。前述のよう
に、反射率の測定には、200nm以上は好適であり、
例えば、エキシマレーザ(例えばXeCl,波長308
nm、KrFレーザ、波長248nm)などのパルスレ
ーザ、Ar(波長514nm)、He−Ne(波長63
2.8nm)などの連続レーザなどを用いることができ
る。特に、出力の大きいエキシマレーザ(たとえばXe
Cl,波長308nm)がレーザアニールに広く使用さ
れている。透過率の測定には、前述のように、400n
m程度以上は好適であり、たとえば、Ar(波長514
nm)、He−Ne(波長632.8nm)などの連続
レーザなどを用いることができる。波長の短いレーザ
は、たとえば、XeClエキシマレーザ(波長308n
m)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、その
レーザビームが半導体膜での透過率はほぼゼロであり、
結晶性に依存しないので、それらをレーザ光源5に用い
ても良いが、その場合は、反射率だけで結晶性の評価を
行なう。一例として、本実施形態においては、レーザ光
源5として連続レーザAr(514nm)を用いる。
【0030】ビーム形成器6としてレーザビームの断面
形状を加工できる公知の光学系を用いる。本実施形態で
は、たとえば、レーザビームの断面形状を約10mm角
の四角スポット状に加工する光学系を用いる。測定器7
と測定器8には、たとえば、感度波長領域が使用される
光源の波長領域に合致するフォトダイオード、パイロメ
ータ等の素子、または照射温度計などを用いる。制御部
9は、たとえば、測定器7と測定器8からの測定データ
を収集する機能とレーザ光源5の動作状態を制御する機
能を備えたコンピュータシステムである。
【0031】多結晶半導体膜及び半導体素子の製造装置
1において、レーザ光源5が所定のエネルギー密度のレ
ーザビームLBを出力し、レーザビームLBは、ビーム
形成器6により断面形状が加工されて、たとえば、断面
が収束されて、断面が〜10mm角の四角スポット状の
レーザビームLBとなる。このレーザビームLBが基板
ホルダー2に載置した絶縁基板3上に形成されたa−S
i膜4に照射される。絶縁基板3は、基板ホルダー2上
に設けられ、図示しないたとえば紫外線ランプ(UVラ
ンプ、波長400nm以下)によって、あらかじめ所定
の温度(100〜600℃)に保たれる。基板ホルダー
2は、図示しない移動機構によって前後左右に移動さ
れ、a−Si膜4の上面に対しレーザビームを前後左右
に走査しながら照射することを可能とする。
【0032】測定器7は、レーザビームLBの進行方向
に対して後方に設けられ、レーザビームLBの反射光L
BRの線量を測定する。その位置は、受光される反射光
の強度と組み立ての便利さを考慮して決められる。測定
器8は、レーザビームLBの進行方向に向けて設けら
れ、レーザビームLBのa−Si膜4と絶縁基板3を透
過した透過光LBTの線量を測定する。その位置も、受
光される透過光の強度と組み立ての便利さを考慮して決
められる。測定器7と測定器8は、受光されたLBRと
LBTをそれぞれアナログ電気信号に変換し、たとえ
ば、それぞれのピークホールド回路&アナログデジタル
変換器(不図示)に出力し、該それぞれのピークホール
ド回路&アナログデジタル変換器は、LBRとLBTの
アナログ信号をロジック信号に変換し、それぞれ独立に
制御部9に出力する。
【0033】制御部9は、入力された測定器7と測定器
8で測定されたレーザビームLBRとLBTの線量信号
を処理し、別途測定したレーザ光源5の全出力と測定器
の幾何学条件を用いて、照射されている場所の反射率と
透過率を求める。なお、透過率と反射率から、膜の吸収
係数を見積もることが可能となり、より正確な膜評価を
行なうことができる。前述したように、結晶化につれて
反射率と透過率両方が上昇する。制御部9は反射率と透
過率の変化を観察し、その上昇傾向を確認する。また、
あらかじめ定めておいた結晶化シリコン(poly−S
i)の反射率と透過率と比較し、照射されている場所で
レーザアニールを十分に行なえたかどうかを判断し、そ
れに応じて、レーザ光源5の設定を修正し、アニール過
程を続行させ、または、停止させる。
【0034】次は、非結晶質の半導体(a−Si)薄膜
から多結晶の半導体(poly−Si)薄膜の製造工程
を例として、図2を用いて、本発明に係わる半導体薄膜
の製造方法及び製造装置の動作を説明する。 ステップS1:ガラス絶縁基板3の上に、公知のCVD
方法により、膜厚約50nm程度の非晶質の半導体薄膜
(a−Si)4を形成する。
【0035】ステップS2:結晶化処理(アニール)を
行ない、レーザ光源5からレーザ光を出力し、ビーム形
成器6に収束されて、半導体薄膜a−Si4表面上の1
箇所に照射して加熱溶融する。その後半導体薄膜4を冷
却し、多結晶半導体膜(poly−Si)に転換する。
【0036】ステップS3:レーザ光源が半導体薄膜4
に照射している時に、測定器7が半導体薄膜4の表面か
らの反射光を測定し、測定器8が半導体薄膜4と絶縁基
板3を通った透過光を測定し、測定結果が制御部9に出
力する。
【0037】ステップS4:制御部9は測定データから
反射率と透過率を求め、あらかじめ定めておいた反射率
値と透過率値と比較し、半導体薄膜の結晶性を判別す
る。定められた反射率値と透過率値に達していない場合
は、結晶化は不充分であると判別し、結晶化処理を続行
する、即ち、処理はステップS2に戻る。定められた反
射率値と透過率値に達している場合は、結晶化は充分で
あると判別し、当該箇所の照射を停止し、基板ホルダー
2を移動して、次の箇所の照射(結晶化処理)を行な
う。反射率、または、透過率の時系列変化は異常がある
場合は、照射されている場所の性質は異常があると判断
し、結晶化処理を中断し、半導体薄膜の更なる検査を行
なう。1箇所の結晶化処理と検査が終了した後、試料を
前後左右に移動し、言い換えれば、レーザ光源5が左右
前後走査し、次の場所で結晶化処理と検査を行なう。該
半導体薄膜4の全面が結晶化された後は、該膜の結晶化
は終了する。
【0038】次は、p−Si膜をチャネルに用いた薄膜
トランジスタの製造を例として、本実施形態に係わる半
導体素子の製造方法を説明する。図3は、本実施形態の
半導体素子の製造装置を用いて、p−Si膜をチャネル
に用いた薄膜トランジスタの製造方法を示す工程図であ
る。ここではボトムゲート構造の薄膜トランジスタを絶
縁基板上に集積形成している。まず、図3(a)に示す
ように、ガラス等からなる絶縁基板3の上にMo,Cr
などの金属またはMoとTaの合金を200〜250n
mの厚みで形成し、パタニングしてゲート電極31に加
工する。次いで、ゲート電極31の上にゲート絶縁膜を
形成する。本例では、ゲート絶縁膜はゲート窒化膜32
(SiN)/ゲート酸化膜33(SiO )の二層
構造を用いる。本例では、ゲート窒化膜2をたとえばプ
ラズマCVD法(PCVD法)で50nmの厚みで堆積
し、ゲート酸化膜33を約200nmの厚みで成膜す
る。ゲート酸化膜33の上に非晶質シリコンからなる半
導体薄膜4を約30乃至80nmの厚みで成膜する。プ
ラズマCVD法を用いた場合には、400℃の温度で窒
素雰囲気中2時間程度加熱処理を行ない、非晶質半導体
薄膜4に含有されていた水素を放出する。いわゆる脱水
素アニールを行なう。
【0039】次いで、非晶質半導体薄膜4を溶融結晶化
するレーザアニール工程を行なう。前述したように絶縁
基板3を基板ホルダー2上に搭載し、ビーム形成器6が
レーザ光源5から放射したレーザ光を収束して半導体薄
膜4に照射する。このとき、測定器7と測定器8が半導
体薄膜4での反射光と透過光の線量を測定し、半導体薄
膜4の結晶性を判別する。たとえば、液晶表示装置の駆
動素子となる薄膜トランジスタ(TFT)を製造する場
合は、液晶表示装置のアレイ基板は、絶縁基板、半導体
層、絶縁層をはじめ基本的には可視光を透過する材料に
より構成されている。したがってレーザ光がこれらの材
料を透過する場合の損失は少なく、a−Siとp−Si
の区別の評価としては都合がよい。この後、半導体薄膜
を各薄膜トランジスタの素子領域に合わせてパタニング
する。
【0040】続いて、図3(b)に示すように、結晶化
された多結晶の半導体薄膜4aの上にたとえばプラズマ
CVD法でSiOを約100nm〜300nmの厚み
で形成し、所定の形状にパタニングしてエッチングスト
ッパー膜36に加工して、その直下に位置するチャネル
領域となる多結晶半導体薄膜4aの部分を保護する。続
いて、ストッパー膜36をマスクとしてたとえばp
不純物を半導体薄膜4aに注入し、LDD領域を形成す
る。さらにストッパー膜36及びその両側のLDD領域
を被覆するようにフォトレジストをパタニング形成した
後、これをマスクとして不純物を高濃度で注入し、ソー
ス領域S及びドレイン領域Dを形成する。このあと、た
とえば、レーザ光源5を用いたレーザ活性化アニールに
より、多結晶半導体薄膜4aに注入された不純物を活性
化する。
【0041】続いて、図3(c)に示すように、SiO
からなる層間絶縁膜37を約200nm堆積し、そし
て、プラズマCVD法で約200〜400nmのSiN
からなるパシベーション膜(キャップ膜)38を成膜
する。その後、ソース領域S上でコンタクト・ホールを
開口し、Mo,Alなどの金属を配線電極39として堆
積し、ソース領域Sと接続する。また、アクリル樹脂か
らなる平坦化層34を1μm程度の厚みで塗布したあ
と、ドレイン領域D上にコンタクト・ホールを開口し、
平坦化層34の上にITOやIXO等からなる透明導電
膜をスパッタした後、所定の形状にパタニングして画素
電極35として、薄膜トランジスタが完成する。
【0042】本実施形態によれば、アニール工程中に、
反射率と透過率を測定することによって、非晶質半導体
膜(a−Si)の結晶化の度合がアニール工程中で、非
接触、非破壊で、精度良く評価できる。また、本実施形
態によれば、照射されるa−Si膜が持つ不均一性を一
切考慮する必要がなく、膜質の条件により、その膜に最
適なアニール条件に変えることができる。さらに、本実
施形態によれば、結晶性のばらつきが抑制され、高移動
度poly−SiTFTが高い歩留まり、及び高品質で
製造可能となる。その結果、生産性が向上し、かつ、コ
ストダウンにつながる。また、本実施形態のように、ア
ニールを行なうレーザ光源から出力されるレーザ光を収
束してその断面を小さいスポット状にして半導体薄膜に
照射する。そのため、2つの光測定器を用いて、レーザ
光の反射光及び透過光をそれぞれ測定することによっ
て、照射されているスポット範囲内の結晶性を判別する
ことが可能となり、装置の構成が簡単にでき、新たな投
資コストを抑えることができる。
【0043】第2の実施形態 本実施形態において、多結晶半導体膜と半導体素子の製
造装置の基本構成は前記第1の実施形態と同じであり、
その違いは、レーザ光源からのレーザビームの断面は直
線状(たとえば、3mm×70mm)、または、矩形状
(たとえば、30mm×70mm)に加工されている。
そのため、第1の実施形態と異なり、レーザビームの断
面の直線方向に直角な方向だけの走査で飛翔斜面全体に
レーザ照射を行なうことができるので、生産性を高める
には有利であり、広く利用されている。
【0044】しかし、レーザビームの断面が以上の大き
さの直線状、または、矩形状のようになると、反射光と
透過光の測定による照射された半導体薄膜の結晶性の判
別に不利である。その理由は、レーザビームの断面と照
射範囲が広くなると、測定された反射光について、その
反射が発生した場所は特定できなくなる。また、照射範
囲が広くなったため、第1の実施形態のような装置で
は、照射範囲全体について反射光と透過光を測定し、イ
ン・プロセスで結晶性を評価してフィードバックするこ
とができなくなる。直線状、または、矩形状のレーザビ
ームを用いて、生産性が高まった場合でも、照射された
半導体薄膜の結晶化度合を評価できるために、本実施形
態では、複数の測定器を設けて、各々の測定器は照射中
の半導体薄膜の照射範囲において決められた領域からの
反射光と透過光を測定すし、その照射範囲内の各々の領
域について結晶化度合を評価する。
【0045】図4は、本発明の第2の実施形態に係る多
結晶半導体膜及び半導体素子の製造装置40の概略図を
示している。なお、図4において、図1と同一又は対応
する部分には同一の符号を付する。また、重複する説明
は適宜に省略する。図4に示す多結晶半導体膜及び半導
体素子の製造装置40は、基板ホルダー2と、基板ホル
ダー2に搭載されたガラスなどからなる絶縁基板3と、
絶縁基板3上に形成されたa−Si薄膜4と、a−Si
薄膜4にレーザ光を発射しレーザアニールを施すレーザ
光源5、レーザ光源5からのレーザビームの断面形状を
所望の形状に加工するビーム形成器6、レーザ光源5か
らの光がa−Si薄膜4に照射して反射された反射光を
測定する測定器7a、7b、7c、7d、レーザ光源5
からの光がa−Si薄膜4と絶縁基板3を透過した透過
光を測定する測定器8a、8b、8c、8d、8e、測
定器7a、7b、7c、7dと測定器8a、8b、8
c、8d、8eの測定したデータにより、レーザ光源5
の照射状態及び出力エネルギー密度を制御する制御部9
を有する。なお、ここで、反射光を測定する測定器を4
つ、透過光を測定する測定器5つを設けているが、本実
施形態がこれに限られたものではない。測定器の数は照
射領域全体の結晶化度合の評価に必要な測定器の数とな
り、また、組み立てや、操作、及び制御部9の処理能力
にもよる。
【0046】レーザ光源5には、連続レーザAr(波長
514nm)を用いる。ビーム形成器6は、たとえば、
レーザビームの断面形状を30mm×70mmの矩形形
状に加工できる光学系を用いる。測定器7a、7b、7
c、7dと測定器8a、8b、8c、8d、8eには、
適切な感度波長領域を有するフォトダイオード、パイロ
メータ等の素子、または照射温度計などを用いる。制御
部9は、たとえば、測定器7a、7b、7c、7dと測
定器8a、8b、8c、8d、8eからの測定データを
収集する機能とレーザ光源5の動作状態を制御する機能
を備えたコンピュータシステムである。
【0047】多結晶半導体膜及び半導体素子の製造装置
1において、レーザ光源5が所定のエネルギー密度のレ
ーザビームLBを出力し、レーザビームLBは、ビーム
形成器6により断面形状が加工されて、たとえば、30
mm×70mmの矩形状の断面を有するレーザビームと
なる。このレーザビームLBが基板ホルダー2に載置し
た絶縁基板3上に形成されたa−Si膜4に照射され
る。絶縁基板3は、基板ホルダー2上に設けられ、図示
しないたとえば紫外線ランプによって、あらかじめ所定
の温度(100〜600℃)に保たれる。基板ホルダー
2は、図示しない移動機構によって、レーザビームLB
の矩形の照射領域の長手方向(図4では左右方向)に直
角な方向((図4では紙面に垂直な方向)に移動され、
a−Si膜4の上面に対しレーザビームを紙面に対する
垂直な方向に走査しながら照射することを可能とする。
【0048】測定器7a、7b、7c、7dは、レーザ
ビームLBの進行方向に対して後方に設けられ、それぞ
れの前に、各測定器に入射する光の方向を選択するコリ
メータ41a、41b、41c、41dを設けて、選択
された方向に沿っている半導体膜4の所定領域からの反
射光の線量を測定する。測定器7a、7b、7c、7d
それぞれの位置は、受光される反射光の強度と組み立て
の便利さを考慮して決められる。測定器8a、8b、8
c、8d、8eは、レーザビームLBの進行方向に向け
て設けられ、a−Si膜4と絶縁基板3の所定領域を通
った透過光の線量を測定する。測定器8a、8b、8
c、8d、8eの位置も、受光される透過光の強度と組
み立ての便利さから決められる。第1の実施形態と同じ
ように、測定器7a、7b、7c、7dと測定器8a、
8b、8c、8d、8eの各々は、受光した光をアナロ
グ電気信号に変換し、不図示のアナログデジタル変換器
にロジック信号に変換され、制御部9に出力する。
【0049】制御部9は、入力された測定器7a、7
b、7c、7dと測定器8a、8b、8c、8d、8e
で測定された反射光と透過光の線量信号を処理し、各々
の照射場所の反射率と透過率を求める。第1の実施形態
においては、反射率と透過率からさらに半導体薄膜4の
吸収係数を求めることが可能であるが、ここで、反射光
と透過光を測定する測定器は対応関係がないので、吸収
係数を求めることができない。第1の実施形態と同じよ
うに、制御部9は測定された各々の反射率と透過率か
ら、各照射領域の結晶度合を判別し、それに応じて、ア
ニール過程を続行させ、または、停止させる。
【0050】本発明に係わる半導体薄膜の製造装置の動
作は第1の実施形態と類似する。即ち、ガラス絶縁基板
3の上に、非晶質の半導体薄膜(a−Si)4を形成し
た後、レーザ光源5からレーザ光を出力し、ビーム形成
器6に加工されて、半導体薄膜a−Si4表面上のある
矩形の領域に照射し加熱溶融し、そして半導体薄膜4を
冷却し、多結晶半導体膜(poly−Si)に転換す
る。
【0051】照射中に、測定器測定器7a、7b、7
c、7dが半導体薄膜4の所定の照射領域からの反射光
を測定し、測定器8a、8b、8c、8d、8eが半導
体薄膜4の所定の照射領域を通った透過光を測定し、測
定結果が制御部9に出力する。制御部9は測定データか
ら反射率と透過率を求め、半導体薄膜4の結晶性を判別
する。定められた反射率値と透過率値に達していない場
合は、結晶化処理を続行する。定められた反射率値と透
過率値に達している場合は、当該領域の照射を停止し、
基板ホルダー2を図4において前後に移動して、次の領
域の照射(結晶化処理)を行なう。該半導体薄膜4の全
面が結晶化された後は、該膜の結晶化は終了する。
【0052】以上に説明した装置を用いた半導体素子の
製造方法は、第1の実施形態と同じであり、説明を省略
する。
【0053】本実施形態によれば、アニール工程中に、
反射率と透過率を測定することによって、非晶質半導体
膜(a−Si)の結晶化の度合がイン・プロセスで、非
接触、非破壊で、精度良く評価でき、結晶性のばらつき
が抑制され、高移動度poly−SiTFTが得られ
る。また、本実施形態のように、複数の光測定器を用い
て、レーザ光の半導体膜の所定領域での反射光及び透過
光を測定することによって、線状或は矩形上の断面を持
つレーザビームであっても、照射されている範囲内各位
置での結晶性を判別することが可能となる。その結果、
高品質のpoly−SiTFTが高い歩留まりで製造可
能となり、生産性が向上し、かつ、コストダウンにつな
がる。
【0054】第3の実施形態 本実施形態の多結晶半導体膜と半導体素子の製造装置の
基本構成は前記第2の実施形態と同じである、その違い
は、アニール処理を行なうレーザ光源の他、もう一つの
光源を設け、アニール処理中とアニール処理後に半導体
薄膜の結晶性を評価するのに使う。
【0055】図5は、本発明の第3の実施形態に係る多
結晶半導体膜及び半導体素子の製造装置50の要部を示
している。なお、図5において、図1、4と同一又は対
応する部分には同一の符号を付する。また、重複する説
明は適宜に省略する。図5に示す多結晶半導体膜及び半
導体素子の製造装置50は、基板ホルダー2と、基板ホ
ルダー2に搭載されたガラスなどからなる絶縁基板3
と、絶縁基板3上に形成されたa−Si薄膜4と、a−
Si薄膜4にレーザ光を放射しレーザアニールを施すレ
ーザ光源5、レーザ光源5からのレーザビームの断面形
状を所望の形状に加工するビーム形成器6、ランプ5
1、ランプ51又はレーザ光源5からの光がa−Si薄
膜4に照射して反射された反射光を測定する複数の測定
器7a、7b、ランプ51又はレーザ光源5からの光が
a−Si薄膜4と絶縁基板3を透過した透過光を測定す
る測定器8a、8b、8c、測定器7a、7bと測定器
8a、8b、8cの測定したデータにより、レーザ光源
5の照射状態及び出力エネルギー密度を制御する制御部
9を有する。なお、ここで、反射光を測定する測定器を
2つ、透過光を測定する測定器を3つ設けているが、本
実施形態はこれに限られておらず、測定器の数は実際の
状況により決められる。
【0056】本実施形態では、結晶性の検査にランプ5
1を用いるので、レーザ光源5からの光の反射率と透過
率を考慮せずにレーザ光源5を選択することができる。
第1と第2の実施形態では、反射率と透過率両方を測定
できるようにレーザ光源5としてArレーザ(波長51
4nm)を用いたが、本実施形態では、XeClエキシ
マレーザ(波長308nm)、KrFエキシマレーザ
(波長248nm)、Arレーザ(波長514nm)、
He−Neレーザ(波長632.8nm)などを用いる
ことができる。特に、出力の大きいエキシマレーザがレ
ーザビームの断面を線状又は矩形上にしても、単位照射
面積でのエネルギー密度は十分大きいので、生産性を高
めるに有利であり、広く使用されている。一例として、
前記実施形態と同様に、レーザ光源5にArレーザ(波
長514nm)を用いる。
【0057】ビーム形成器6には、たとえば、レーザビ
ームの断面形状を30mm×70mmの矩形形状に加工
できる光学系を用いる。測定器7a、7bと測定器8
a、8b、8cには、適切な感度波長領域を有するたと
えばフォトダイオード(PD)を用いる。制御部9は、
たとえば、データ収集機能とレーザ光源5を制御する機
能を備えたコンピュータシステムである。ランプ51と
して、たとえば、装置内に基板温度制御するために設置
された予備加熱用のランプを用いる。
【0058】一般に、予備加熱用のランプとして、Si
に対する吸収係数が高いものが好ましいので、発光スペ
クトルは1000nm以下に分布するものが望ましい。
したがって、キセノンアークランプやUVランプを予備
加熱用のランプとして用いることができる。しかし、発
光スペクトルで400nm以下にピークを持つUVラン
プは、Siに対する吸収係数が高すぎるので(特開20
00−36464に参照する)、その光はほぼSiに吸
収されて、反射光と透過光は少なく、測定は難しい。そ
のため、本実施形態では、ランプ51として、キセノン
アークランプを用いる。ランプ51は予備加熱用のラン
プとして設置されているので、絶縁基板3とa−Si薄
膜4とを全面照射し、レーザ光源5はa−Si薄膜4を
照射する前に及び間に、ランプ51はa−Si薄膜4と
絶縁基板3を所定の温度に加熱して、その温度を保持す
る。
【0059】ランプ51からの透過光、または反射光を
測定することによって、ランプ51からの入射光はa−
Si薄膜4においての透過率、反射率を得ることもで
き、その透過率と反射率から、a−Si薄膜4の結晶化
度合を判別することも可能である。ただ、ランプ51は
a−Si薄膜4を全面照射しているので、矩形の断面を
有するレーザ光と同じように、測定された光の反射と透
過する場所を限定する必要があり、そのため、矩形の断
面を有するレーザ光と同じような措置を取れば良い。ま
た、レーザ光源5として用いられているArレーザ(波
長514nm)は単波長であり、ランプ51としてのキ
セノンアークランプは、発光スペクトルが連続であり、
約700nmでピークがある(特開2000−3646
4に参照する)。ランプ51の反射光又は透過光を測定
する時は、レーザ光源5からの光は測定のバックグラウ
ンドになるが、514nmでピークになるので、識別は
容易である。
【0060】なお、ランプ51としてのキセノンアーク
ランプは連続発光スペクトルであるので、反射率又は透
過率は波長依存性(反射率スペクトル又は透過率スペク
トル)を有する。反射率スペクトル又は透過率スペクト
ルを測定すれば、そのスペクトルでの微細構造から半導
体薄膜4の結晶構造を調べることができ、更なる精確な
結晶性の評価が可能である。反射率スペクトル又は透過
率スペクトルを測定するために、波長の連続する光から
特定の波長成分を選択する分光器を、たとえば、ランプ
51の前に、若しくは、測定器7a、7bと測定器8
a、8b、8cの前に設けることが必要である。しか
し、ランプ51は予備加熱用であるので、その前に分光
器を設けることができない、また、装置の構成を簡単に
するために、測定器7a、7bと測定器8a、8b、8
cの前にも分光器を設けない。したがって、本実施形態
では、測定器7a、7bと測定器8a、8b、8cで、
反射率スペクトル又は透過率スペクトルを測定せず、そ
のスペクトルの積分値だけを測定する。
【0061】多結晶半導体膜及び半導体素子の製造装置
1において、レーザ光源5が所定のエネルギー密度のレ
ーザビームLBを出力し、レーザビームLBは、ビーム
形成器6により断面形状が加工されて、たとえば、30
mm×70mmの矩形状の断面を有するレーザビームと
なる。このレーザビームLBが基板ホルダー2に載置し
た絶縁基板3上に形成されたa−Si膜4に照射され
る。絶縁基板3は、基板ホルダー2上に設けられ、ラン
プ51によって、あらかじめ所定の温度(100℃〜6
00℃)に保たれる。基板ホルダー2は、図示しない移
動機構によって、レーザビームLBの矩形の照射領域の
長手方向(図5では左右方向)に直角な方向((図5で
は紙面に垂直な方向)に移動され、a−Si膜4の上面
に対しレーザビームを紙面に対する垂直な方向に走査し
ながら照射することを可能とする。
【0062】測定器7a、7bの前に、各測定器に入射
する光の方向を選択するコリメータ41a、41bを設
けて、選択された方向に沿っている半導体膜4の所定領
域からの反射光の線量を測定する。測定器8a、8b、
8cは、a−Si膜4と絶縁基板3の所定領域を通った
透過光の線量を測定する。第1、2の実施形態と同じよ
うに、測定器7a、7bと測定器8a、8b、8cの各
々は、受光した光をアナログ電気信号に変換し、不図示
のアナログデジタル変換器にロジック信号に変換され、
制御部9に出力する。制御部9は、入力された測定器7
a、7bと測定器8a、8b、8cで測定された反射光
と透過光の線量信号を処理し、各々の照射場所の反射率
と透過率を求め、反射率と透過率のスペクトルの積分値
を得る。
【0063】前述したように、結晶化につれて反射率と
透過率スペクトルは系統的に変化する。図6は結晶化の
度合と反射率の相関の一具体例を示す。図6において、
横軸は波長、縦軸は反射率を表し、また、図6中のデー
タは、a−Si(ここで、基板温度Tdが250゜Cの
条件で水素化されたa−Si)膜の反射スペクトル(実
線)、電気炉で600゜Cにアニールで結晶化されたp
oly−Siの反射スペクトル(白丸)、単結晶シリコ
ンの反射スペクトル(破線)、及び、基板温度(Td)
は150゜C(四角)、250゜C(黒丸)、350゜C
(+)の条件でレーザアニールで形成されるpoly−
Siの反射スペクトルを示している。a−Si膜の成膜
条件は次の通りである。 基板: ガラス基板(Corning70
59)、 使用装置: プラズマCVD法、 出力(Power):83mW/cm2、 ガス圧(Pg): 0.5 Torr、 SiH4ガス流量: 25sccm、 基板温度(Td): 150゜C〜350゜C、 膜厚: 200nm レーザアニールにおいては、ArF(波長193nm)
レーザによりパルス時間20ns、パルスエネルギー6
0mJ、1Hzでアニールを行なった。
【0064】a−Si(ここで、水素化a−Si)は、
成膜条件により膜質が変わることが知られている。特に
成膜時の基板温度(Td)は大きく影響する。その理由
は、水素や酸素、窒素などの混入量が変わり、膜内部欠
陥密度が変わるためである。a−Siの膜質が異なる
と、レーザアニールで形成されるpoly−Siの結晶
化の度合も大きく異なり、その結果、透過率(及び反射
率特性)が異なってくる。図6に示すように、アモルフ
ァスシリコン(a−Si)、単結晶シリコン、および多
結晶シリコン(poly−Si)の反射率スペクトルは
それぞれ異なる。この場合、波長300nmにおける反
射率は、poly−Siで約70%、水素化a−Siで
約60%である。その値だけで膜変化が起きたかどうか
が判別可能である。また、図6において、異なる条件で
レーザアニールによって形成されたpoly−Siの反
射率スペクトルも変化を示している。また、図6によれ
ば、水銀ランプ等の紫外光を有する連続スペクトルの光
源がある場合には、Si膜の結晶性、結晶方位に起因す
ると言われている280nm、365nmの反射率のピ
ークを測定することにより、より正確に結晶化の度合を
判断することができる。このように、反射率を評価する
だけでa−Siとpoly−Siの違いは当然のこと、
poly−Siでも膜質の違いを判別することができ
る。なお、図6に示された結果は、上記下膜の物性的な
特質と膜表面の平坦性によるものである。反射率と透過
率を同時に評価すれば、この2つの現象による効果を分
離することが可能となり、より詳細に膜特性を把握する
ことができる。
【0065】一方、特開平11−54581に開示され
ているように、poly−Si膜に対するレーザ光の透
過率は、poly−Si膜のシート抵抗値と相関があ
り、シート抵抗値の増加につれて透過率が低下する。一
方、膜のシート抵抗値は膜の結晶化度合に関係し、結晶
化が進むにつれて低下する。したがって、結晶化の進化
につれて、透過強度が上昇する。また、透過強度スペク
トルはpoly−Si結晶のバンド構造による微細構造
を反映するので、その微細構造の観測も、結晶化の度合
を判別する根拠となる。特開平11−54581の図2
はその傾向を示している。
【0066】したがって、得られた各々の反射率と透過
率のスペクトルの積分値から、制御部9は各照射領域の
結晶度合を判別でき、それに応じて、アニール過程を続
行させ、または、停止させる。
【0067】本発明に係わる半導体薄膜の製造装置の動
作は第2の実施形態と類似する。即ち、ガラス絶縁基板
3の上に、非晶質の半導体薄膜(a−Si)4を形成し
た後、レーザ光源5からレーザ光を出力し、ビーム形成
器6に加工されて、半導体薄膜a−Si4表面上のある
矩形の領域に照射し加熱溶融し、そして半導体薄膜4を
冷却し、多結晶半導体膜(poly−Si)に転換す
る。
【0068】照射中に、測定器測定器7a、7bが半導
体薄膜4の所定の照射領域からの反射光を測定し、測定
器8a、8b、8cが半導体薄膜4の所定の照射領域を
通った透過光を測定し、測定結果が制御部9に出力す
る。制御部9は測定データから反射率と透過率のスペク
トルの積分値を求め、半導体薄膜4の結晶性を判別す
る。あらかじめ定めておいた反射率値と透過率値に達し
ていない場合は、結晶化処理を続行し、達している場合
は、当該領域の照射を停止し、基板ホルダー2を図5に
おいて前後に移動して、次の領域の照射(結晶化処理)
を行なう。
【0069】次は、以上に説明した装置を用いて半導体
素子を製造する方法は、第1の実施形態と同じであり、
説明を省略する。
【0070】本実施形態によれば、アニール工程中に、
反射率と透過率を測定することによって、非晶質半導体
膜(a−Si)の結晶化の度合がイン・プロセスで、非
接触、非破壊で、精度良く評価でき、結晶性のばらつき
が抑制され、高移動度poly−SiTFTが得られ
る。また、本実施形態のように、別の光源を用いて半導
体膜の結晶性の検査に使うことから、結晶性の検査は、
レーザ光源及びアニール工程と独立し、検査方法の調整
しやすく、便利である。また、検査用光源はランプとな
る場合、反射光と透過光のスペクトルの測定が可能であ
り、単波長の場合より、感度が高く,結晶構造を詳細に
判別することが可能である。また、既存のランプを有効
利用することで、新たに光源を設置する必要がなく、投
資コストを抑えることができる。その結果、高品質のp
oly−SiTFTが高い歩留まりで製造可能となり、
生産性が向上し、かつ、コストダウンにつながる。
【0071】第4の実施形態 透過測定器、及び反射測定器をアニール装置内で設置す
ることが困難な場合には、新たに別室に光源を含む機器
を設け、アニール直後に評価することも可能である。図
7は本実施形態に係る半導体素子製造装置の一例の構成
図を示す。図7に示す半導体素子製造装置70は、試料
を搬入、搬出するロードロック室(前室)71と、a−
Si膜を堆積する成膜室72と、a−Si膜の結晶化処
理を行なうアニール室73から構成されている。各チャ
ンバーの中心には真空搬送チャンバー74が設けてあ
り、試料基板は、大気に暴露することなく移動すること
ができる。
【0072】前室71に、たとえば、多数枚のシリコン
薄膜を成膜するための絶縁基板がカセットに収納されて
おり、たとえば、ロボットアームにより、カセットから
一枚の基板が真空搬送室74を通して成膜室72に移動
される。成膜室72に、例えば、PCVD法にて絶縁基
板の上にa−Si薄膜を成膜する。成膜された被照射基
板は、ロボットアームによって成膜室72から引き出さ
れ、真空搬送室74を通してアニール室73に移送され
る。アニール室73にレーザ光源により、a−Si薄膜
が照射されて溶融して、それで冷却して結晶化される。
そして、結晶化された半導体薄膜を有する基板は、ロボ
ットアームによって、真空搬送室74を通して前室71
に移送され、別のカセットに収納される。以上に説明し
た機能と構成は公知のものであり、図示を省略する。
【0073】半導体薄膜4の結晶性を検査する装置は、
アニール室73、前室71、真空搬送室74のいずれに
設置してもよく、アニールと透過率測定、反射率測定を
真空中で繰り返すことができる。たとえば、図8に示す
検査装置81は、真空搬送室74に設置し、半導体薄膜
4の結晶性を検査する。図8に示す結晶化検査装置81
は、基板ホルダー2と、基板ホルダー2に搭載されたガ
ラスからなる絶縁基板3と、絶縁基板3上に形成されて
結晶化処理された半導体薄膜4と、ランプ85a、ラン
プ85b、ランプ85aから発射された波長の連続する
光から所定の波長成分を選択する分光器86、ランプ8
5a、または、ランプ85bからの光が半導体薄膜4に
照射して反射された反射光を測定する測定器7、ランプ
85a、または、ランプ85bからの光が半導体薄膜4
と絶縁基板3を透過した透過光を測定する測定器8、測
定器7と測定器8の測定したデータにより、半導体薄膜
4の結晶化の度合を判別する制御部89を有する。な
お、ここで、反射光を測定する測定器と透過光を測定す
る測定器を1個ずつ設けているが、数は実際の状況に応
じて、複数を設けても良い。
【0074】ランプ85a、85bとして、たとえば、
キセノンアークランプを用いる。ランプ85aの前に分
光器86が設けられているので、ランプ85aを光源と
して結晶性を検査する時は、反射率と透過率のスペクト
ルを測定することができ、半導体薄膜4の詳細な結晶構
造を判別することができる。ランプ85bは、第3の実
施形態と同様に、反射率と透過率のスペクトルの積分値
を測定するためのものである。分光器86には、設定を
変えることによって、ある波長領域内で異なる波長成分
を選ぶことができるものを用いる。制御部89は、たと
えば、データ収集解析機能を備えたコンピュータシステ
ムである。
【0075】結晶化検査装置81において、たとえばラ
ンプ85aは発光し、その光は分光器86によって分光
され、所定の波長成分が抽出されて、半導体薄膜4の所
定の領域に射出される。この所定波長の光が基板ホルダ
ー2に載置した絶縁基板3上に形成されたa−Si膜4
に照射される。基板ホルダー2は、図示しない移動機構
によって、前後左右で移動でき、半導体膜4の上面に対
し照射スポットが前後左右に走査しながら照射すること
を可能とする。
【0076】測定器7と測定器8は、受光した光をアナ
ログ電気信号に変換し、不図示のアナログデジタル変換
器にロジック信号に変換され、制御部9に出力する。制
御部9は、入力された信号を処理し、照射場所の反射率
と透過率を求め、分光器86の設定を変えることによっ
て、反射率と透過率のスペクトルを得る。
【0077】第3の実施形態において説明したように、
結晶化につれて反射率と透過率スペクトルは系統的に変
化するので、反射率と透過率スペクトルを用いて、結晶
化の度合を精確に判別することができる。制御部9は、
得られた反射率と透過率のスペクトルから、照射領域の
結晶度合を判別する。あらかじめ定めておいた反射率値
と透過率値に達していない場合は、結晶化処理をもう一
度行なう。達している場合は、当該領域の結晶化処理が
終了する。そして、基板ホルダー2を前後左右に移動し
て、次の領域の結晶化度合を検査する。
【0078】なお、ランプ85bを用いて、結晶性を検
査する場合は、第3の実施形態と同様に、分光器を使用
せず、測定器7と測定器8から、照射場所の反射率スペ
クトルと透過率スペクトルの積分値を求める。たとえ
ば、詳細な検査しなくても良い場合は、ランプ85bを
用いる。
【0079】図9は本実施形態に係る半導体素子装置の
他例の構成図を示す。図9に示す半導体素子製造装置9
0は、搬入室91、成膜室92、アニール室93、搬出
室94から構成されている。図7に示した例では各チャ
ンバーが真空搬送室74を中心に放射型に配列されてい
たのに対し、図9では、搬入室91、成膜室92、アニ
ール室93、搬出室94が直列に接続されている。図7
同様、透過測定機器、および反射測定機器は、アニール
室93、搬入室91、搬出室94のいずれに設置しても
よく、アニールと透過測定を真空中で繰り返すことがで
きる。このため試料基板は往復移動が可能である。たと
えば、図8に示す検査装置81は、搬出室94に設置
し、半導体薄膜4の結晶性を検査する。
【0080】本実施形態によれば、アニール工程後に、
反射率と透過率を測定することによって、半導体膜結晶
化の度合が精確に評価でき、高品質のpoly−SiT
FTが得られる。また、本実施形態のように、ランプと
分光器を用いて検査を行なうことで、反射光と透過光の
スペクトルを測定でき、単波長の場合より、感度良く結
晶構造を判別できる。また、別室で半導体膜の結晶性の
検査を行なうことで、検査工程はアニール工程と関係な
く、詳細に行なえる。また、2つのランプを用意するこ
とで、検査工程の進行状況をコントロールでき、検査用
時間を合理に節約できる。その結果、高品質のpoly
−SiTFTが高い歩留まりで製造可能となり、生産性
が向上し、かつ、コストダウンにつながる。
【0081】以上、本発明を好ましい実施の形態に基づ
き説明したが、本発明は以上に説明した実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々の改変が可能である。本発明において説明した
多結晶半導体薄膜の半導体素子の製造装置は例示であ
り、適宜にその構成を変更することが可能である。たと
えば、第1、2、3、4実施形態では、基板ホルダーを
移動可能としたが、他に、基板ホルダーは固定されてお
りレーザ光源が移動可能にする構造であっても良い。ま
た、実際の条件に合わせて、ミラーを使って、光路を最
適化にすることもできる。また、アニールの光源とし
て、レーザの他に、ハロゲン、キセノン、水銀、高圧水
銀ランプ等でも構わない。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、半導体薄膜において反
射率と透過率を測定することによって、半導体薄膜の結
晶化の度合がアニール工程中に、または、その直後に、
非接触、非破壊で、精度良く評価でき、照射されるa−
Si膜が持つ不均一性を一切考慮する必要がない。すな
わち膜質の条件により、その膜に最適なアニール条件に
変えることができる。そのため、アニールされるa−S
i膜に対する膜質精度などの要求が、従来よりもゆるく
なる。結晶性のばらつきが抑制されるので、高品質のp
oly−SiTFTが高い歩留まりで製造可能となる。
その結果、生産性が向上し、かつ、コストダウンにつな
がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る多結晶半導体膜
及び半導体素子の製造装置の要部の概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る多結晶半導体膜
及び半導体素子の製造装置の動作を説明するフローチャ
ートである。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体素子の製
造装置を用いて、第1の実施形態に係る半導体素子の製
造方法を示す工程図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る多結晶半導体膜
及び半導体素子の製造装置の要部の概略図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る多結晶半導体膜
及び半導体素子の製造装置の要部の概略図である。
【図6】半導体薄膜の結晶化の度合と反射率の相関の一
具体例を示す。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る半導体素子製造
装置の一例の構成図を示す。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る半導体素子製造
装置に含まれる半導体膜検査装置の構成図を示す。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る半導体素子製造
装置の他例の構成図を示す。
【符号の説明】
1…半導体薄膜及び半導体素子製造装置、2…基板ホル
ダー、3…絶縁基板、4…非結晶質半導体(a−Si)
薄膜、4a…他結晶質半導体薄膜(poly−Si)、
5…レーザ光源、6…ビーム形成器、7、7a,7b,
7c,7d…光測定器、8、8a,8b,8c,8d、
8e…光測定器、9…制御部、31…ゲート電極、32
…ゲート窒化膜、33…ゲート酸化膜、34…平坦化
層、35…画素電極、36…エッチングストッパー膜、
37…層間絶縁膜、38…パシベーション膜、39…配
線電極、40…半導体薄膜及び半導体素子製造装置、4
1a、41b、41c、41d、41e…コリメータ、
50…半導体薄膜及び半導体素子製造装置、51…ラン
プ、70…半導体素子製造装置、71…ロードロック
室、72…成膜室、73…アニール室、74…真空搬送
室、85a、85b…ランプ、86…分光器、89…制
御部、90…半導体素子製造装置、91…搬入室、92
…成膜室、93…アニール室、94…搬出室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/786 H01L 29/78 624 Fターム(参考) 4M106 AA20 BA05 CA21 CB19 CB30 DH12 DH32 DH56 DJ18 DJ19 DJ20 5F052 AA02 BA04 BA18 BB01 BB07 CA07 DA02 DB03 JA01 5F110 AA01 AA24 BB01 CC08 DD02 EE04 EE06 EE23 FF02 FF03 FF09 FF30 GG02 GG13 GG25 GG45 HJ13 HJ23 HL03 HL04 HL07 HM15 NN03 NN16 NN23 NN24 NN35 NN72 PP03 PP04 PP06 PP35 PP40 QQ11

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜質データに基づいて、半導体膜の膜質を
    検査し、多結晶半導体膜を製造する多結晶半導体膜の製
    造方法であって、 非晶質の半導体膜を成膜する工程と、 アニール光を前記非晶質の半導体膜に照射して前記非晶
    質の半導体膜を多結晶の半導体膜に転換するアニール工
    程と、 前記半導体膜の膜質を検査する検査光に対する前記半導
    体膜の透過率を測定し、第1の膜質データを生成する第
    1の測定工程と、 前記検査光に対する前記半導体膜の反射率を測定し、第
    2の膜質のデータを生成する第2の測定工程とを有する
    多結晶半導体膜の製造方法。
  2. 【請求項2】前記第1の膜質データ及び第2の膜質デー
    タに応じて、前記アニール工程を続行、または、停止さ
    せる請求項1に記載の多結晶半導体膜の製造方法。
  3. 【請求項3】前記第1及び第2の測定工程は、前記アニ
    ール工程と並行に行なう請求項1に記載の多結晶半導体
    膜の製造方法。
  4. 【請求項4】前記第1及び第2の測定工程は、前記アニ
    ール工程の直後に行なう請求項1に記載の多結晶半導体
    膜の製造方法。
  5. 【請求項5】前記検査光は前記アニール光と併用してい
    る請求項1に記載の多結晶半導体膜の製造方法。
  6. 【請求項6】前記検査光は前記アニール光と異なる請求
    項1に記載の多結晶半導体膜の製造方法。
  7. 【請求項7】膜質データに基づいて、半導体膜の膜質を
    検査し、多結晶半導体膜を製造する多結晶半導体膜の製
    造装置であって、 非晶質の半導体膜を多結晶の半導体膜に転換するアニー
    ル光を当該半導体膜に照射する光源と、 前記アニール光に対する前記半導体膜の透過率を測定
    し、第1の膜質データを生成する少なくとも一つの透過
    率測定手段と、 前記アニール光に対する前記半導体膜の反射率を測定
    し、第2の膜質データを生成する少なくとも一つの反射
    率測定手段とを有する多結晶半導体膜の製造装置。
  8. 【請求項8】前記第1の膜質データ及び第2の膜質デー
    タに応じて、前記光源の照射を続行、または、停止させ
    る制御手段をさらに有する請求項7に記載の多結晶半導
    体膜の製造装置。
  9. 【請求項9】膜質データに基づいて、半導体膜の膜質を
    検査し、多結晶半導体膜を製造する多結晶半導体膜の製
    造装置であって、 非晶質の半導体膜を多結晶の半導体膜に転換するアニー
    ル光を当該半導体膜に照射する主光源と、 前記半導体膜に検査光を照射し、該半導体膜の膜質を検
    査する少なくとも1つの検査用光源と、 前記検査光に対する前記半導体膜の透過率を測定し、第
    1の膜質データを生成する少なくとも一つの透過率測定
    手段と、 前記検査光に対する前記半導体膜の反射率を測定し、第
    2の膜質データを生成する少なくとも一つの反射率測定
    手段とを有する多結晶半導体膜の製造装置。
  10. 【請求項10】前記第1の膜質データ及び第2の膜質デ
    ータに応じて、前記主光源の照射を続行、または、停止
    させる制御手段をさらに有する請求項9に記載の多結晶
    半導体膜の製造装置。
  11. 【請求項11】絶縁基板と、該絶縁基板上に形成された
    多結晶の半導体膜と、前記多結晶の半導体膜を活性層と
    して形成された薄膜トランジスタとを含む半導体素子の
    製造方法であって、 前記絶縁基板上に非晶質の半導体膜を形成する工程と、 アニール光を前記非晶質の半導体膜に照射して前記非晶
    質の半導体膜を多結晶の半導体膜に転換するアニール工
    程と、 前記多結晶の半導体膜を活性層として薄膜トランジスタ
    を形成する工程とを有し、 前記半導体膜の膜質を検査する検査光に対する前記半導
    体膜の透過率を測定し、第1の膜質データを生成する第
    1の測定工程と、 前記検査光に対する前記半導体膜の反射率を測定し、第
    2の膜質データを生成する第2の測定工程とをさらに有
    し、 前記第1と第2の膜質データに基づいて、前記半導体膜
    の膜質を検査し、前記多結晶半導体膜を形成する半導体
    素子の製造方法。
  12. 【請求項12】前記第1と第2の膜質データに応じて、
    前記アニール工程を続行、または、停止させる請求項1
    1に記載の半導体素子の製造方法。
  13. 【請求項13】前記第1及び第2の測定工程は、前記ア
    ニール工程と並行に行なう請求項11に記載の半導体素
    子の製造方法。
  14. 【請求項14】前記第1及び第2の測定工程は、前記ア
    ニール工程の直後に行なう請求項11に記載の半導体素
    子の製造方法。
  15. 【請求項15】前記検査光は、前記アニール光と併用し
    ている請求項11に記載の半導体素子の製造方法。
  16. 【請求項16】前記検査光は、前記アニール光と異なる
    請求項11に記載の半導体素子の製造方法。
  17. 【請求項17】絶縁基板と、該絶縁基板上に形成された
    多結晶の半導体膜と、前記多結晶の半導体膜を活性層と
    して形成された薄膜トランジスタとを含む半導体素子の
    製造装置であって、 前記絶縁基板上に形成された非晶質の半導体膜を多結晶
    の半導体膜に転換するアニール光を当該半導体膜に照射
    する光源と、 前記アニール光に対する前記半導体膜の透過率を測定
    し、第1の膜質データを生成する少なくとも一つの透過
    率測定手段と、 前記アニール光に対する前記半導体膜の反射率を測定
    し、第2の膜質データを生成する少なくとも一つの反射
    率測定手段とを有し、 前記第1の膜質データ及び第2の膜質データに基づい
    て、前記半導体膜の膜質を検査し、前記多結晶半導体膜
    を形成する半導体素子の製造装置。
  18. 【請求項18】前記第1の膜質データ及び第2の膜質デ
    ータに応じて、前記光源の照射を続行、または、停止さ
    せる制御手段をさらに有する請求項17に記載の半導体
    素子の製造装置。
  19. 【請求項19】絶縁基板と、該絶縁基板上に形成された
    多結晶の半導体膜と、前記多結晶の半導体膜を活性層と
    して形成された薄膜トランジスタとを含む半導体素子の
    製造装置であって、 前記絶縁基板上に形成された非晶質の半導体膜を多結晶
    の半導体膜に転換するアニール光を当該半導体膜に照射
    する主光源と、 前記半導体膜に検査光を照射し、該半導体膜の膜質を検
    査する少なくとも1つの検査用光源と、 前記検査光に対する前記半導体膜の透過率を測定し、第
    1の膜質データを生成する少なくとも一つの透過率測定
    手段と、 前記検査光に対する前記半導体膜の反射率を測定し、第
    2の膜質データを生成する少なくとも一つの反射率測定
    手段とを有し、 前記第1の膜質データ及び第2の膜質データに基づい
    て、前記半導体膜の膜質を検査し、前記多結晶半導体膜
    を形成する半導体素子の製造装置。
  20. 【請求項20】前記第1の膜質データ及び第2の膜質デ
    ータに応じて、前記主光源の照射を続行、または、停止
    させる制御手段をさらに有する請求項19に記載の半導
    体素子の製造装置。
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