JP2003324067A - レーザアニール装置及び方法、ポリシリコン膜の製造方法 - Google Patents

レーザアニール装置及び方法、ポリシリコン膜の製造方法

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JP2003324067A
JP2003324067A JP2002127419A JP2002127419A JP2003324067A JP 2003324067 A JP2003324067 A JP 2003324067A JP 2002127419 A JP2002127419 A JP 2002127419A JP 2002127419 A JP2002127419 A JP 2002127419A JP 2003324067 A JP2003324067 A JP 2003324067A
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amorphous silicon
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film
annealing
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JP2002127419A
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Hiroyuki Wada
裕之 和田
Koichi Tatsuki
幸一 田附
Atsushi Fukumoto
敦 福本
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ発振器の取り扱いが容易であり、大き
なグレーンサイズのポリシリコンを生成する。 【解決手段】 レーザアニール装置30は、ガラス基板
上に成膜されたアモルファスシリコンにCOレーザを
照射することにより、当該アモルファスシリコンに対し
てアニール処理をする。レーザアニール装置30は、ア
モルファスシリコン膜の膜圧をt(nm)としたとき
に、アモルファスシリコンに与えるCOレーザのエネ
ルギ密度を、0.040×t(J/cm)以上、2.
3(J/cm )以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アモルファスシリ
コンをポリシリコン化させるレーザアニール装置及び方
法、ポリシリコン膜生成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、チャネル層にポリシリコン膜を用
いた薄膜トランジスタの実用化が行われている。チャネ
ル層にポリシリコンを用いた場合、チャネル層にアモル
ファスシリコンを用いている場合と比べ、薄膜トランジ
スタの電界移動度が非常に高くなる。そのため、チャネ
ル層にポリシリコン膜を用いた薄膜トランジスタを、例
えば液晶ディスプレイ等の駆動回路に適用した場合に
は、ディスプレイの高精彩化、高速化、小型化等を実現
できる。
【0003】薄膜トランジスタのチャネル層にポリシリ
コンを形成する場合、低温多結晶プロセスと呼ばれる製
造プロセスを用いるのが一般的になっている。低温多結
晶プロセスは、ガラス基板上に成膜したアモルファスシ
リコンに対してレーザアニールを行うことによって、ポ
リシリコンを形成するプロセスである。
【0004】ところで、物質の光の吸収係数には波長特
性がある。そのため、レーザアニールを行う場合には、
対象物質に対して光の吸収係数が高い波長のレーザ光を
照射するのが効率的である。シリコンの場合、光の吸収
係数が高い波長領域が、紫外線領域(0.3μm〜0.4μm)
と赤外線領域(10μm以上)とに存在する。従って、ア
モルファスシリコンに対してレーザアニールを行う場合
には、紫外線領域又は赤外線領域のレーザ光を用いるの
がよい。
【0005】一方、薄膜トランジスタを製造する場合、
ガラス基板上に成膜されたアモルファスシリコンに対し
てレーザアニールがされる。例えば、薄膜トランジスタ
に用いられる一般的なガラス基板としては、例えばショ
ット社のBK7等のホウ珪クラウンガラスが広く用いら
れている。BK7等のホウ珪クラウンガラスは、耐熱性
は低いが、大面積で安価なガラス基板であるため、薄膜
トランジスタの生産性を向上させることができる。
【0006】もっとも、BK7等のホウ珪クラウンガラ
スの場合、赤外線領域の光の吸収係数は高いが、紫外線
領域の光の吸収係数は低い。そのため、レーザアニール
で、赤外線領域のレーザ光を照射した場合、熱損傷して
しまう可能性が高い。
【0007】このようなレーザ光によるガラス基板の熱
破壊を回避するため、従来の薄膜トランジスタの製造プ
ロセスでは、エキシマレーザ等の紫外光レーザを用いた
レーザアニールがされていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、エキシマレ
ーザ等の紫外光レーザは、出力パワーの変動が大きく不
安定であり、取り扱いが難しかった。
【0009】また、一般に、ポリシリコンのグレーンサ
イズが大きければ大きいほど電界移動度は高くなる。し
かしながら、紫外光レーザで得られるポリシリコンのグ
レーンサイズは、一般に0.3μm程度にしかならず、
非常に小さかった。
【0010】本発明は、このような実情を鑑みてなされ
たものであり、レーザ発振器の取り扱いが容易であり、
大きなグレーンサイズのポリシリコンを生成することが
できるレーザアニール装置及び方法、並びに、ポリシリ
コン膜生成方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるレーザア
ニール装置及び方法並びにポリシリコン膜生成方法は、
ガラス基板上に成膜されたアモルファスシリコンに赤外
光レーザを照射することにより、当該アモルファスシリ
コンに対してアニール処理をする。
【0012】本発明にかかるレーザアニール装置及びレ
ーザアニール方法では、上記赤外光レーザとして、CO
レーザを用いる。
【0013】本発明にかかるレーザアニール装置及び方
法並びにポリシリコン膜生成方法は、上記アモルファス
シリコンに与える上記赤外光レーザのエネルギ密度を、
照射された赤外光レーザのエネルギ密度の変化に対して
生成されるポリシリコンのグレーンサイズの成長量が小
さい均一成長領域における最低のエネルギ密度以上、且
つ、上記赤外光レーザを上記アモルファスシリコンに照
射したときに上記ガラス基板が破壊するエネルギ密度以
下に設定する。
【0014】本発明にかかるレーザアニール装置及び方
法並びにポリシリコン膜生成方法は、上記アモルファス
シリコン膜の膜圧をt(nm)としたときに、上記アモ
ルファスシリコンに与える上記赤外光レーザのエネルギ
密度を0.040×t(J/cm)以上、2.3(J
/cm)以下とする。ただし、tは57.5nmより
小さいものとする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態とし
て、本発明を適用した薄膜トランジスタの製造方法につ
いて説明をする。
【0016】TFTの製造方法 図1に、いわゆるボトムゲート型と呼ばれる薄膜トラン
ジスタ(TFT)の構成図を示す。ボトムゲート型のT
FT1は、図1に示すように、ガラス基板2上に、ゲー
ト電極3、第1のゲート絶縁膜4、第2のゲート絶縁膜
5、ポリシリコン膜6、ストッパ7、第1の層間絶縁膜
8、第2の層間絶縁膜9、配線10、平坦化膜11、透
明導電膜12が積層されて構成される。ボトムゲート型
TFTの特徴は、ガラス基板2と、チャネル層となるポ
リシリコン膜6との間に、ゲート電極3が設けられてい
ることである。
【0017】このようなボトムゲート型のTFT1の製
造方法を以下に説明する。
【0018】まず、例えば膜厚が0.7mmのガラス基
板2上に、例えば膜厚が50〜300nmのモリブデン
(Mo)を成膜する。ガラス基板2の材質は、例えば、
ショット社のBK7等のホウ珪クラウンガラスである。
【0019】続いて、成膜したモリブデン(Mo)を異
方性エッチングによりパターニングして、ゲート電極3
を形成する。
【0020】続いて、ゲート電極3を形成したガラス基
板2上に、例えば膜厚が500nmの窒化シリコン(S
iN)を成膜し、第1のゲート絶縁膜4を形成する。
【0021】続いて、第1のゲート絶縁膜4上に、例え
ば膜厚が200nmの二酸化シリコン(SiO)を成
膜し、第2のゲート絶縁膜5を形成する。
【0022】続いて、第2のゲート絶縁膜5上に、例え
ばLPCVD法等によって膜厚が30〜80nmのアモ
ルファスシリコン(a−Si)を成膜する。続いて、成
膜したアモルファスシリコンに対して後述する赤外光レ
ーザを用いたレーザアニール装置により、レーザアニー
ルを行い、ポリシリコン膜6を形成する。続いて、ポリ
シリコン膜6に、不純物をイオンドーピングしてソース
/ドレイン領域を形成する。イオンドーピングは、ゲー
ト電極3に対応した部分のポリシリコン膜6上にストッ
パ7を形成した後に行う。ストッパ7を形成することに
よって、ソース/ドレイン領域にのみ不純物がドーピン
グされる。ストッパ7は、例えば膜厚200nmの二酸
化シリコン(SiO)からなり、ゲート電極3を形成
したときに用いたマスク等を用いて形成されている。こ
のようなポリシリコン膜6は、当該TFT1のチャネル
層として機能する。
【0023】続いて、ポリシリコン膜6上に、例えば膜
厚が300nmの窒化シリコン(SiN)を成膜し、
第1の層間絶縁膜8を形成する。
【0024】続いて、第1の層間絶縁膜8上に、例えば
膜厚が150nmの二酸化シリコン(SiO)を成膜
し、第2の層間絶縁膜9を成膜する。
【0025】続いて、第1の層間絶縁膜8及び第2の層
間絶縁膜9のソース/ドレイン領域に対応する位置に、
コンタクトホールを開口する。続いて、第2の層間絶縁
膜9上に、アルミニウム(Al)やチタン(Ti)等か
らなる配線10を、所定の配線パターンに形成する。配
線10を形成することによって、コンタクトホールを介
してポリシリコン膜6に形成された各トランジスタ間の
ソース/ドレイン領域が接続され、基板上の所定のトラ
ンジスタ回路が形成される。
【0026】続いて、例えば膜厚が2〜3μmの平坦化
膜11を成膜し、当該TFT1の表面を平坦化する。
【0027】続いて、平坦化膜11にコンタクトホール
を開口し、透明導電膜12を形成する。透明導電膜12
は、例えば、ITO等からなる透明導電材料からなり、
配線10と当該TFT1の外部に存在する外部素子や外
部配線とを接続するための導電線となる。
【0028】以上のような製造プロセスで、TFT1が
製造される。TFT1では、チャネル層にポリシリコン
を用いているため、チャネル層の電界移動度が非常に高
くなる。そのため、例えば液晶ディスプレイ等の駆動回
路として用いた場合には、ディスプレイの高精細化、高
速化、小型化等を実現することができる。
【0029】また、以上のようなTFT1は、レーザア
ニールを用いてアモルファスシリコンを熱処理する、い
わゆる低温ポリシリコンプロセスにより、ポリシリコン
膜6が形成されている。
【0030】レーザアニール装置 つぎに、上述したTFT1の製造工程中の低温ポリシリ
コンプロセスで用いられるレーザアニール装置について
説明をする。
【0031】本レーザアニール装置は、赤外光レーザを
用いてアモルファスシリコンを溶融固化し、ポリシリコ
ン膜を製造する装置である。
【0032】本発明の実施形態のレーザアニール装置の
構成図を図2に示す。
【0033】レーザアニール装置30は、可動ステージ
31と、赤外光レーザ光源32と、対物レンズ33と、
ミラー等の照射光学系34と、制御用コンピュータ35
とを備えて構成される。
【0034】可動ステージ31は、アニール対象物であ
るアモルファスシリコン膜が成膜された後のガラス基板
2を支持するためのステージである。可動ステージ31
は、ガラス基板2を支持するとともに、このガラス基板
2を所定の位置へと移動させる機能も備えている。
【0035】具体的には、可動ステージ31は、Xステ
ージ、Yステージ、Zステージ、吸着プレート等を備え
て構成される。
【0036】Xステージ及びYステージは、ガラス基板
2を水平方向に移動するステージであり、Xステージと
Yステージとで、ガラス基板2を互いに直交する方向に
移動させ、照射された赤外光レーザのスポットをガラス
基板2を所定の位置へと導くようにしている。Zステー
ジは、ガラス基板2を鉛直方向に移動するステージであ
り、アニール対象物となるアモルファスシリコン膜と対
物レンズとの距離を調整するためのものである。吸着プ
レートは、ガラス基板2を吸着して固定するためのもの
である。
【0037】赤外光レーザ光源32は、波長10.6μ
mのCOレーザ光源である。なお、赤外光レーザ光源
32から出射されるレーザ光は、シリコンによる光吸収
係数の高い赤外線領域の波長の赤外光レーザ光であれ
ば、COレーザでなくてもよい。赤外光レーザ光源3
2は、例えば、波長1.064μmのNd:YAGレー
ザや、波長0.8μmの半導体レーザ等の光源であって
もよい。赤外光レーザ光源32から出射された赤外光レ
ーザは、ミラー等を含む照射光学系34、および、対物
レンズを介して可動ステージ31上のガラス基板2に照
射される。
【0038】制御用コンピュータ35は、赤外光レーザ
光源32の点灯の制御、可動ステージ31の移動位置の
制御等を行う。
【0039】このようなレーザアニール装置30では、
可動ステージ31に対して、アモルファスシリコン膜が
成膜されたガラス基板2を固定し、アニール処理を行
う。レーザアニール装置30の赤外光レーザ光源は、例
えば、周波数が300Hzのパルス状のCOレーザを
出射する。照射光学系34は、赤外光レーザ光源32か
ら出射されたCOレーザを、例えば長手方向の長さが
20cm、短辺方向の長さが400μmの線状ビームと
するとともに、直線偏向の光とし、ガラス基板2上のア
モルファスシリコン膜上に照射する。制御用コンピュー
タ35は、レーザ光の発振周期と同期させながら可動ス
テージ31を水平方向に移動させ、ガラス基板2上のア
モルファスシリコン膜の全体にレーザ光を照射して、当
該アモルファスシリコン膜をアニールしていく。
【0040】赤外光レーザの最適なエネルギー強度 ところで、ガラス基板2上に成膜されたアモルファスシ
リコン膜に対して赤外光レーザを用いてレーザアニール
を行う場合、照射された赤外光レーザによりガラス基板
2が熱破壊をせず、且つ、形成されたポリシリコンのグ
レーンサイズが十分な移動度を得られる程度の照射エネ
ルギ密度に、赤外光レーザの出射パワーを設定しなけれ
ばならない。
【0041】図3に、ガラス基板2の熱破壊を考慮しな
かった場合における、照射したレーザ光のエネルギ密度
と、形成されたポリシリコンのグレーンサイズとの関係
を示す。
【0042】レーザアニールで与える照射エネルギ密度
を低レベルから増加させていくと、照射エネルギ密度の
増加に伴いポリシリコンのグレーンサイズが比例的に増
大していく。そして、ある所定の照射エネルギ密度(図
3中のLの位置:このときの照射エネルギ密度を最低許
容エネルギ密度Lと呼ぶ。)以上となると、グレーンサ
イズの増大が止まり、照射エネルギ密度を増加させても
グレーンサイズの変化が少なくなる領域が現れる。
【0043】最低許容エネルギ密度Lからさらにレーザ
アニールで与えるエネルギ密度を増大させていくと、あ
る所定の照射エネルギ密度(図3中のMの位置:このと
きの照射エネルギ密度を変化点エネルギ密度Mと呼
ぶ。)以上となると、こんどは、照射エネルギ密度の増
大に伴いグレーンサイズが急激に大きくなっていく。最
低許容エネルギ密度Lから変化点エネルギ密度Mまでの
エネルギ密度の範囲、つまり、照射エネルギ密度を増加
させてもグレーンサイズの変化が少なくなる領域を、以
下、均一成長領域と呼ぶ。
【0044】そして、さらに、この変化点エネルギ密度
Mから照射エネルギ密度をさらに増加させていくと、あ
る臨界点のエネルギ密度(図3中のHの位置:このとき
の照射エネルギ密度を最高許容エネルギ密度H)が現れ
る。この最高許容エネルギ密度H以上となると、シリコ
ンのグレーンが微結晶化してしまう。
【0045】レーザアニールを行う場合、十分大きなグ
レーンサイズとしなければならない。そのため、レーザ
アニールを行う場合、図3で示した許容最低エネルギ密
度L〜許容最高エネルギ密度Hの範囲で、レーザ光のエ
ネルギ密度を設定することとなる。つまり、ガラス基板
2の熱破壊を考慮しなかった場合には、アモルファスシ
リコン膜に対して照射されるレーザ光のエネルギ密度
が、グレーンサイズが十分大きなサイズとなる最低許容
エネルギ密度Lから、シリコン膜が微結晶化してしまう
最高エネルギ密度Hまでの範囲に入るように、出射する
レーザ光のパワーを設定しなければならない。
【0046】ここで、赤外光レーザによりポリシリコン
膜に対してレーザアニールを行う場合、アモルファスシ
リコン膜に照射されるレーザ光のエネルギ密度が、上記
の最低許容エネルギ密度L〜最高許容エネルギ密度Hの
範囲となり、且つ、アモルファスシリコン膜の下層にあ
るガラス基板2の熱破壊が生じる照射エネルギ密度(以
下、破壊エネルギ密度Xという。)以下となるように、
出射するレーザ光のパワーを設定しなければならない。
【0047】そのため、本発明者は、赤外光レーザ光源
32にCOレーザ(発振波長10.6μm)を使用
し、アモルファスシリコン膜の膜厚42nmとし、ガラ
ス基板2にBK7を使用した場合における、赤外光レー
ザの照射エネルギ密度とポリシリコンの平均グレーンサ
イズとの関係、並びに、ガラス基板2が破壊する破壊エ
ネルギ密度Xを測定した。
【0048】この測定結果を図4に示す。図4に示すよ
うに、測定結果は、最低許容エネルギ密度Lが1.7
(J/cm)であり、変化点エネルギ密度Mが1.9
(J/cm)であり、破壊エネルギ密度Xは、2.3
(J/cm)であった。また、最高許容エネルギ密度
Hは、正確な値はわからなかったが、微結晶化の前にガ
ラスの破壊(X)が起こったので、2.3(J/cm
であるといえる。
【0049】このことから、赤外光レーザ光源32には
COレーザ(発振波長10.6μm)を使用し、アモ
ルファスシリコン膜の膜厚42nm、ガラス基板2にB
K7を使用した場合では、赤外光レーザの照射エネルギ
密度を1.7(J/cm)〜2.3(J/cm)に
設定すれば、ガラス基板2が照射した赤外光レーザによ
り熱破壊をせず、且つ、形成されたポリシリコンのグレ
ーンサイズが十分な移動度を得られる。
【0050】また、アモルファスシリコン膜の膜厚を変
化させて、最低許容エネルギ密度L、最高許容エネルギ
密度H、破壊エネルギ密度Xを測定したところ、最低許
容エネルギ密度Lは、膜厚に応じて線形に変化した。ま
た、ガラス基板2が熱損傷を受ける破壊エネルギ密度X
は、膜厚に関わらず一定であった。
【0051】以上のことから、最低許容エネルギ密度L
(J/cm)は、アモルファスシリコンの膜厚をt
(nm)としたとき、以下の一次関数で表されることが
わかる。 L=0.040×t 従って、アモルファスシリコン膜の膜厚tが変化した場
合であっても、0.040×t(J/cm)以上、
2.3(J/cm)以下の照射エネルギ密度となるよ
うに、COレーザのレーザパワーを設定すれば、ガラ
ス基板2を熱破壊させず、且つ、十分なグレーンサイズ
のポリシリコン膜を形成することができる。なお、膜厚
tが57.5nmより大きいと、最高許容エネルギ密度
である2.3J/cm以上となってしまうので、膜厚
tは、57.5nmより小さいものとする。
【0052】また、最低許容エネルギ密度Lで得られる
ポリシリコン膜の平均グレーンサイズは、10(μm)
であった。
【0053】一般に、レーザアニールを行ってポリシリ
コンを生成した場合、ポリシリコンのグレーンサイズ
は、照射するレーザ光の波長に大きく依存するといわれ
ている。例えば、エキシマレーザ(発振波長0.308
μm)のエネルギ密度を最低許容エネルギ密度Lとした
状態で、アモルファスシリコンに対してエキシマレーザ
アニールをした場合、生成されたポリシリコンの平均グ
レーンサイズは0.3(μm)となる。それに対して、
COレーザ(発振波長10.6μm)の場合は、上述
したように10(μm)となる。このように、従来のエ
キシマレーザを用いたレーザアニールを行った場合より
も、COレーザを用いたレーザアニールを行ったほう
が、形成されるグレーンサイズは非常に大きいものとな
る。つまり、電界移動度が高い良好なポリシリコンを生
成することができる。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明にかかるレーザアニ
ール装置及び方法並びにポリシリコン膜生成方法では、
ガラス基板上に成膜されたアモルファスシリコンに赤外
光レーザを照射することにより、当該アモルファスシリ
コンに対してアニール処理をする。
【0055】このため、本発明では、レーザ発振器の取
り扱いが容易であり、且つ、大きなグレーンサイズのポ
リシリコンを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の薄膜トランジスタの製造
プロセスで製造される薄膜トランジスタの層構造を示す
図である。
【図2】本発明の実施の形態のレーザアニール装置の構
成を示す図である。
【図3】ガラス基板の熱破壊を考慮しなかった場合にお
ける、照射したレーザ光のエネルギ密度と、形成された
ポリシリコンのグレーンサイズとの関係を示す図であ
る。
【図4】赤外光レーザ光源にCOレーザを使用し、ア
モルファスシリコン膜の膜厚42nmとし、ガラス基板
にBK7を使用した場合における、赤外光レーザの照射
エネルギ密度とポリシリコンの平均グレーンサイズとの
関係、並びに、ガラス基板が破壊する破壊エネルギ密度
の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1 薄膜トランジスタ、2 ガラス基板、3 ゲート電
極、6 ポリシリコン膜(アモルファスシリコン膜)、
30 レーザアニール装置、31 可動ステージ、32
赤外線レーザ光源、33 対物レンズ、34 照射光
学系、35 制御用コンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福本 敦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5F052 AA01 BA07 BB06 CA04 CA07 DA02 DB02 FA00 JA01 JA02 5F110 AA30 BB01 BB02 CC08 DD02 EE04 FF02 FF03 FF09 GG02 GG13 GG16 GG25 GG47 HJ12 HL03 HL04 NN03 NN04 NN14 NN15 NN16 NN23 NN24 PP03 PP04 PP06 QQ11 QQ19

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板上に成膜されたアモルファス
    シリコンに赤外光レーザを照射することにより、当該ア
    モルファスシリコンに対してアニール処理をするアニー
    ル手段を備えるレーザアニール装置。
  2. 【請求項2】 上記赤外光レーザは、COレーザであ
    ることを特徴とする請求項1記載のレーザアニール装
    置。
  3. 【請求項3】 上記アニール手段は、上記アモルファス
    シリコンに与える上記赤外光レーザのエネルギ密度を、
    照射された赤外光レーザのエネルギ密度の変化に対して
    生成されるポリシリコンのグレーンサイズの成長量が小
    さい均一成長領域における最低のエネルギ密度以上、且
    つ、上記赤外光レーザを上記アモルファスシリコンに照
    射したときに上記ガラス基板が破壊するエネルギ密度以
    下に設定することを特徴とする請求項2記載のレーザア
    ニール装置。
  4. 【請求項4】 上記アニール手段は、上記アモルファス
    シリコン膜の膜圧をt(nm)(t<57.5)とした
    ときに、上記アモルファスシリコンに与える上記赤外光
    レーザのエネルギ密度を0.040×t(J/cm
    以上、2.3(J/cm)以下とすることを特徴とす
    る請求項3記載のレーザアニール装置。
  5. 【請求項5】 ガラス基板上に成膜されたアモルファス
    シリコンに赤外光レーザを照射することにより、当該ア
    モルファスシリコンに対してアニール処理をすることを
    特徴とするレーザアニール方法。
  6. 【請求項6】 上記赤外光レーザは、COレーザであ
    ることを特徴とする請求項5記載のレーザアニール方
    法。
  7. 【請求項7】 上記アモルファスシリコンに与える上記
    赤外光レーザのエネルギ密度を、照射された赤外光レー
    ザのエネルギ密度の変化に対して生成されるポリシリコ
    ンのグレーンサイズの成長量が小さい均一成長領域にお
    ける最低のエネルギ密度以上、且つ、上記赤外光レーザ
    を上記アモルファスシリコンに照射したときに上記ガラ
    ス基板が破壊するエネルギ密度以下に設定することを特
    徴とする請求項6記載のレーザアニール方法。
  8. 【請求項8】 上記アモルファスシリコン膜の膜圧をt
    (nm)(t<57.5)としたときに、上記アモルフ
    ァスシリコンに与える上記赤外光レーザのエネルギ密度
    を0.040×t(J/cm)以上、2.3(J/c
    )以下とすることを特徴とする請求項7記載のレー
    ザアニール方法。
  9. 【請求項9】 ガラス基板上にアモルファスシリコンを
    成膜するアモルファスシリコン成膜工程と、 上記ガラス基板上に成膜されたアモルファスシリコンに
    赤外光レーザを照射することにより、当該アモルファス
    シリコンに対してアニール処理をするアニール工程とを
    有することを特徴とするポリシリコン膜生成方法。
  10. 【請求項10】 上記アニール工程では、COレーザ
    を上記アモルファスシリコンに照射することを特徴とす
    る請求項9記載のポリシリコン膜生成方法。
  11. 【請求項11】 上記アニール工程では、上記アモルフ
    ァスシリコンに与える上記赤外光レーザのエネルギ密度
    を、照射された赤外光レーザのエネルギ密度の変化に対
    して生成されるポリシリコンのグレーンサイズの成長量
    が小さい均一成長領域における最低のエネルギ密度以
    上、且つ、上記赤外光レーザを上記アモルファスシリコ
    ンに照射したときに上記ガラス基板が破壊するエネルギ
    密度以下に設定することを特徴とする請求項10記載の
    ポリシリコン膜生成方法。
  12. 【請求項12】 上記アモルファスシリコン成膜工程で
    は、膜圧がt(nm)(t<57.5)のアモルファス
    シリコンを成膜し、 上記アニール工程では、上記アモルファスシリコンに与
    える上記赤外光レーザのエネルギ密度を0.040×t
    (J/cm)以上、2.3(J/cm)以下とする
    ことを特徴とする請求項11記載のポリシリコン膜生成
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008016717A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Mitsubishi Electric Corp 多結晶シリコン膜の製造方法
WO2023171170A1 (ja) * 2022-03-09 2023-09-14 株式会社ブイ・テクノロジー レーザアニール装置およびレーザアニール方法

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