JP4147056B2 - シリコン材料の膜厚を制御する方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン材料の膜厚制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の薄膜トランジスタ(TFT: Thin Film Transistor)は、例えばガラス基板のような基板上に設けたアモルファス・シリコンまたポリシリコンに、パルス・レーザを照射して、シリコン材料の溶融・再結晶化を行うことによって、結晶性の向上したポリシリコン膜を形成し、このポリシリコン膜上にゲート電極、ソース電極およびドレイン電極を作成する。このポリシリコン膜内では、ソースおよびドレイン間の電子の導通路(チャネル)が形成される。ポリシリコンの結晶粒径が大きいと、チャネル内の電子の伝導がスムーズになるので、薄膜トランジスタ(TFT)の動作速度を高速化ないし高性能化させることができる。結晶粒径を大きくするには、加熱時間の短いパルス・レーザではなく、連続発振の熱源であるCWレーザを用いることに加えて、シリコンの膜厚を大きくすることが挙げられる。例えば、1000Åの膜厚の場合は、500Åの場合に比較して、結晶粒径で約2倍大きく、TFTの移動度で約1.5倍大きくなる。
【0003】
一方、膜厚が大きいと、その膜に不要なエネルギが蓄積されやすくなり、TFTが所望の動作を行なわなくなるという問題点が生じ得る。例えば、液晶ディスプレイに利用されるTFTのシリコン膜厚が厚いと、バック・ライトの照射により電子が発生することによってオフすべきTFTがオフしなくなり、良好な表示画像が得られないというリーク電流の問題点が生じる。画素となる透明電極より成るコンデンサ構造への電荷の充放電を制御するTFTが、オフすべき時点でオフしていないと、液晶の傾きを維持するのに必要な電圧がコンデンサで保持されなくなってしまうからである。
【0004】
このような不都合は、余分なエネルギが蓄積されないように、シリコンの膜厚を薄く形成することによって対処することも考えられが、そうすると上記の高速化の要請に反してしまう。
【0005】
高速化の要請および余分なエネルギの排除の要請に応じるため、同一基板上に2種類の膜厚を用意することが考えられる。しかし、そのような構造を作成するには、一般に、複数の成膜工程および付随する工程を要する。例えば、第1の成膜工程に続いてフォトリソグラフィおよびエッチングを行ない、厚くすべき部分に第2の成膜工程を行なってフォトリソグラフィおよびエッチングを行なう必要がある。複数の成膜工程を行なうことは、時間やコスト等の観点から不利である。このことは、液晶ディスプレイのような量産される低価格の装置にとって極めて不都合である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願課題は、複数の成膜工程を行なうことなしに、同一基板上に2種類以上の膜厚のポリシリコンを形成する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば:
基板上に形成されたシリコン材料にCWレーザを照射しシリコン材料の溶融・再結晶化を行う第1照射工程と、酸素を含む雰囲気中で、再結晶化されたシリコン材料の少なくとも一部にパルス発振レーザを照射することによって、再結晶化されたシリコン材料の膜厚を減少させる第2照射工程より成ることを特徴とするシリコン材料の膜厚を制御する方法が提供される。
【0008】
【作用】
請求項1記載の発明によれば、第1照射工程によりシリコン材料が溶融・再結晶化し、第2照射工程によってシリコン材料表面が酸化およびレーザー解離(アブレーション)させられ、シリコン材料(ポリシリコン)の膜厚が減少する。これにより、複数の成膜工程を行うことなしに、同一基板上で複数種類の膜厚を有するポリシリコン膜を形成することが可能になる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、注入された不純物によってシリコン材料表面の結晶性が劣化するので、第2照射工程による膜厚の低減をより速やかに行なうことが可能になる。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、ディスプレイのガラス基板に膜厚の異なる素子を形成するので、周辺回路一体型の液晶ディスプレイを形成することが可能になる。
【0011】
請求項4記載の発明によれば、表示部に関するシリコン材料の膜厚を薄くすることによって、従来問題となっていた液晶ディスプレイのリーク電流を低減させることが可能になる。
【0012】
請求項5記載の発明によれば、酸素の注入された部分がパルス発振レーザの照射によって酸化シリコンに変化する。このため、ポリシリコンの膜厚を減少させることに加えて、ポリシリコン上のゲート酸化物の膜厚を増加させることが可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)
図1は、第1実施例による薄膜トランジスタ(TFT)の製造工程の概念的な平面図(左)および断面図(右)を示す。本実施例では、液晶ディスプレイの表示部となる領域108および駆動部となる領域110に多数のTFTを作成することを想定している。
【0014】
(A)ガラス基板102上に、二酸化シリコン膜104を2000Å形成し、その上に、アモルファス・シリコン膜106を1500Å形成する。なお、このとき成膜するシリコン材料は、必ずしもアモルファス・シリコンである必要はなく、例えば、ポリシリコン膜をスパッタリング法によって形成してもかまわない。この二酸化シリコン膜104は、TFTの動作を不安定化させるような不純物によって、シリコン膜が汚染されるのを防止する。この二酸化シリコン膜104を厚く形成すれば、不純物の遮断効果も大きくなるが、不必要に厚く形成すると、成膜に余分な時間を費やすことになる点に留意を要する。550℃の熱処理が2時間行なわれ、アモルファス・シリコン中の水素が除去される。
【0015】
(B)次に、フォトリソグラフィおよびエッチング工程によって、所定の形状のアイランド112を、作成するTFTに対応して形成する。例えば、幅50μmおよび長さ200μmの長方形のアイランド112を形成する。領域110内の各アイランドには駆動部のTFTが形成され、領域108内の各アイランドには表示部のTFTが形成されることになる。
【0016】
(C)次に、総ての領域108,110におけるアイランド112のアモルファス・シリコンに熱エネルギを与えて多結晶化させる。この熱エネルギは、CW(continuous wave)レーザにより与えられる。CWレーザは、時間的に連続したレーザ発振を行うレーザである。このCWレーザをCWレーザ照射部118からアモルファス・シリコンに照射する。図1(C)では、図1(A)および(B)とは異なり、単独のアイランド112に関する部分のみが描かれている点に留意を要する。CWレーザは、アイランド112全体を照射するように、矢線114で示すような走査が行なわれる。本実施例では、レーザ出力7Wおよび走査速度200mm/秒のArレーザが使用されている。アイランド112の中で、CWレーザの照射される部分(領域116内)には、シリコンが融解する程度に充分な熱エネルギが与えられ、走査によってその領域116から抜け出ると、融解していたシリコンは固まり、例えば10μmのような大きな結晶粒径を有するポリシリコンが形成される。
【0017】
(D)(図2)次に、「パルス発振レーザ」であるエキシマ・レーザを、パルス・レーザ照射部122から、大気中でポリシリコン120に照射する。パルス発振レーザは、CWレーザとは異なり、時間軸上で間欠的なレーザ発振を行うレーザである。レーザ照射の条件は、発振周波数100Hz、レーザ・エネルギ250mJ/cmおよびオーバーラップ率98%である。エキシマ・レーザは、ホモジナイザを用いて線状の照射領域201,202を提供するよう形成される。オーバーラップ率とは、1回目の照射領域201と2回目の照射領域202の重複率である。本実施例では、発振周波数が100Hzなので、0.01秒ごとに数十ナノ秒のパルス・レーザが照射され、0.01秒ごとに線状の照射領域の98%が重複するように(2%ずらして)レーザ照射が行なわれる。すなわち、ポリシリコン120には、50ショット(1/0.02)のパルス・レーザが照射されることになる。
【0018】
エキシマ・レーザは、波長が短いので(XeClで308nm)、そのエネルギのほとんどはポリシリコン120の表面(数十ナノ・メートルの領域)で吸収される。酸素を含む雰囲気中(例えば、大気中)でエキシマ・レーザの照射を行なうと、パルス・レーザによるエネルギを吸収した表面のシリコンと雰囲気中の酸素とが反応して、表面に酸化膜が形成される。その後に(0.01秒後に)再びパルス・レーザが照射されると、表面のシリコンが溶融して最表面の酸化シリコンが離脱する。この離脱は、レーザ解離(laser ablation)と呼ばれる現象である。パルス・レーザが照射される毎に、シリコンの溶融および酸化、そして酸化膜の離脱(アブレーション)が繰り返されることによって、当初の膜厚123より薄い膜厚124になる。波長の長いパルス・レーザを照射すると、表面だけでなくより深い部分にもレーザのエネルギが分散してしまう。したがって、ポリシリコン表面の酸化および離脱を効果的に行なう観点からは、CWレーザのものより短い波長のパルス・レーザを照射することが望ましい。
【0019】
このように、膜厚を減少させるこの工程では、エキシマ・レーザを照射する雰囲気中に酸素が存在することが重要である。酸素量を正確に制御する場合には、基板が導入されている装置内を真空に排気した後に、装置内を酸素ガスで置換して、レーザ照射を行なうことが好ましい。また、ドライポンプまたはターボ分子ポンプを利用して、装置内を排気する一方で酸素を導入しながらレーザ照射を行なうことも可能である。導入する酸素は酸化膜を形成するのに充分な程度に多いことを要し、少なくとも酸素分圧は10−3Torr以上であることが望ましい。
【0020】
照射するレーザのエネルギとオーバーラップ率は、ポリシリコンの膜厚および薄膜化する膜厚等に依存して適宜設定し得るが、過度に大きなエネルギを照射すると、シリコン膜が完全溶融し、CWレーザの照射で作成した大きな結晶粒を小さくしてしまう点に留意を要する。CWレーザの照射により形成される結晶は例えば10μmのような大きな粒径に達し得るが、パルス・レーザの照射によるものは例えば0.5μm程度であるに過ぎない。
【0021】
(E)次に、所望の膜厚124に削減されたアイランド120に、TFTを形成するためのパターニングおよびエッチングを行なう。この工程は、パルス・レーザの照射(D)の前に行なってもよい。均一な膜厚を得る観点からは、本実施例のように、パルス・レーザの照射後に行なうことが好ましい。
【0022】
(F)そして、ゲート酸化膜127および層間絶縁膜125を形成し、ソース電極126、ドレイン電極128およびゲート電極130を形成することによって、TFTが完成する。ポリシリコン膜を作成した後にTFTを完成させるまでの工程は、従来と同様の工程であるため、詳細を省略する。
【0023】
本実施例では、説明の便宜上、(C)ないし(F)の工程において、1つのTFTに処理を行うがごとく描いているが、図3に示すように、複数のアイランドにレーザを照射し(203)、まとめて薄膜化することも可能である。
【0024】
(第2実施例)
図4は、第2実施例によるTFT製造工程のうち主要な工程に関する概念的な平面図および断面図を示す。ガラス基板402上に、プラズマCVD装置を用いて、窒化シリコン膜404を500Å、酸化シリコン406を2000Å形成した後、スパッタリング法によってポリシリコン膜412を形成する。ポリシリコン膜には水素が含まれないので、アモルファス・シリコンの場合に必要であった水素除去のための加熱処理が不要となり、工程数を削減することができる。次に、フォトリソグラフィ工程によって、幅30μmおよび長さ200μmの所定の形状のアイランド412を形成する。その後、YAGレーザを、レーザ出力10Wおよび走査速度400mm/秒の条件で照射して、結晶化を行なってポリシリコン膜412を形成する。ここまでは、第1実施例と同様の工程である。
【0025】
(A)次に、イオン注入装置を使用して、ポリシリコン膜412の膜厚を薄くすべき部分に不純物415を注入する。注入する不純物は、ポリシリコンの表面付近の結晶性を劣化させる一方、注入による弊害が少ないものであれば、任意の物質を使用し得る。具体的には、半導体の製造工程で一般に使用されるシリコン(Si),ホウ素(B),燐(P),水素(H)等である。シリコン(Si)はアイランド412と同一の原子であり、注入による弊害が少ない点で有利である。ホウ素(B)は、トランジスタの閾電圧を制御する工程で使用されるので、結晶中に残留したとしてもその濃度を適切に制御すれば、注入による弊害を抑制できる点で有利である。本実施例では、ホウ素(B)および水素(H)を注入することによって、表面付近413の結晶性を劣化させている。
【0026】
(B)このような不純物の注入された表面413に、パルス・レーザ照射部422から、エキシマ・レーザを、発振周波数300Hz、レーザ・エネルギ200mJ/cmおよびオーバーラップ率95%で大気中で照射する。この領域にエキシマ・レーザが照射されると、結晶性が劣化していることに起因して、容易にアブレーション(レーザ解離)を起こすので、低エネルギおよび低オーバーラップ率で膜厚を減少させることが可能になる。
【0027】
従って本実施例によれば、第1実施例に比べてスループットが向上する。更に、高エネルギのレーザを照射することは、素子にダメージを与える原因になり得るので、低エネルギで速やかに膜厚を削減する本実施例は特に有利である。
【0028】
(第3実施例)
図5は、第3実施例によるTFT製造工程のうち主要な工程に関する概念的な平面図および断面図を示す。
【0029】
(A)ガラス基板502上に、窒化シリコン膜504、酸化シリコン506およびアモルファス・シリコン512を連続的に形成する。熱処理の後に、フォトリソグラフィ工程によって、所定の形状のアイランド512,514を形成する。その後、CWレーザを照射することにより結晶化を行なってポリシリコン膜512を形成する。ここまでは、第1および第2実施例と同様の工程である。
【0030】
(B)次に、イオン注入装置を使用して、ポリシリコン膜512の表面に酸素原子515を注入する。酸素を注入する領域は、ポリシリコン膜512,514のうち薄膜化を必要とする領域512である。
【0031】
(C)次に、パルス・レーザ照射部522から、エキシマ・レーザを照射する。第1および第2実施例とは異なり、酸素の注入された部分を離脱させないような条件でエキシマ・レーザを照射する。そのような条件の調整は、レーザの出力だけでなく、オーバーラップ率等を変更することによっても行なうことができる。例えば、オーバーラップ率が98%であれば50ショット(1/0.02)のパルス・レーザが照射されるが、オーバーラップ率を95%にすれば20ショット(1/0.05)、92%にすれば12.5ショット(1/0.08)のパルス・レーザが照射される。そこで、アブレーションを起こすか否かの臨界的なショット数を見出すことが可能である。
【0032】
本実施例では、発振周波数50Hz、レーザ・エネルギ200mJ/cmおよびオーバーラップ率92%で、真空中で照射する。真空中で行なうのは、本実施例では、第1および第2実施例とは異なり、シリコン膜表面のシリコンと雰囲気中の酸素とを反応させて酸化膜を形成する必要がないからである。すなわち、パルス・レーザを照射することによって、酸素の注入された部分がゲート酸化膜として機能し得るように熱エネルギを注入するのである。このような条件で照射すると、酸素を注入した部分が酸化シリコン513になり、ポリシリコン512上に酸化シリコン513が積層した構造を形成することができる。
【0033】
(D)次に、ポリシリコン膜514、酸化シリコン膜506および513上に、酸化シリコン膜517を、プラズマCVDによって形成する。ポリシリコン514に関するTFTと、ポリシリコン512に関するTFTとでは、ポリシリコン膜の膜厚だけでなく、ゲート酸化膜の厚さも膜513の分だけ異なる。すなわち、ポリシリコン膜の膜厚を相違させることによってTFTの電気特性を制御するだけでなく、ゲート酸化膜の膜厚を相違させることによってもTFTの電気特性を制御することが可能になる。
【0034】
本実施例によれば、第1および第2実施例よりも、電気特性を変更する自由度が増える点で有利である。
【0035】
なお、本実施例では、酸化シリコン膜513を除去していないが、これを除去することも可能である。ゲート酸化膜517を形成する工程に先立って、ドライ・エッチング装置またはフッ化水素等によるウェット・エッチングによって、ポリシリコン膜512上の酸化シリコン膜513を除去することも可能である。
【0036】
以上、本願実施例によれば、薄膜化が必要な領域(図1の108)にパルス・レーザを照射することによって膜厚を削減する。薄膜化された領域(表示部)では、バックライトを照らすことに起因するリーク電流を抑制することが可能になる。一方、薄膜化の必要のない領域(図1の110)では、膜厚を厚く保つことにより高速なTFTを形成することができ、高性能な駆動部を形成することができる。
【0037】
本願実施例によれば、ガラス基板や半導体基板上に、結晶性に優れかつ結晶粒径の大きなポリシリコン膜を、薄い膜厚で形成することが可能になる。
【0038】
本願実施例では、2種類の膜厚を形成したが、それ以上の膜厚を形成することも可能である。例えば、不純物の種類、量、注入深さ等の条件を変更して各領域に注入し、パルス・レーザを全体的に照射することによって、領域毎に異なる膜厚を形成させることも可能である。これにより、複数の成膜工程を行うことなしに、同一基板上に様々な電気特性を有するTFTを作成することが可能になる。
【0039】
本実施例では、ガラス基板を用いた液晶表示装置への応用を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、基板としては、プラスチック基板やシリコンウエハ等の半導体基板を用いてもよく、ディスプレイへの応用としては、エレクトロルミネセント(EL: electro-luminescent)ディスプレイ、ディジタル・ミラー・デバイス、フィールド・エミッション・デバイス等の薄膜トランジスタを用いて駆動する任意のディスプレイに用いることが可能である。また、ディスプレイだけでなく、シリコン・ウエハ上に形成される集積回路へ応用することも可能である。
【0040】
以下、本発明により教示される手段を列挙する。
【0041】
(付記1) 基板上に形成されたシリコン材料にCWレーザを照射しシリコン材料の溶融・再結晶化を行う第1照射工程と、
酸素を含む雰囲気中で、再結晶化されたシリコン材料の少なくとも一部にパルス発振レーザを照射することによって、再結晶化されたシリコン材料の膜厚を減少させる第2照射工程
より成ることを特徴とするシリコン材料の膜厚を制御する方法。
【0042】
(付記2) 更に、前記第1照射工程に続いて、シリコン材料に不純物を注入する工程より成ることを特徴とする付記1記載の方法。
【0043】
(付記3) 前記不純物が、シリコン(Si)またはホウ素(B)であることを特徴とする付記1記載の方法。
【0044】
(付記4) 前記シリコン材料が、ディスプレイのガラス基板上に設けられることを特徴とする付記1記載の方法。
【0045】
(付記5) 表示部と駆動部とを含む前記ディスプレイの前記表示部となる部分に、前記パルス発振レーザが照射されることを特徴とする付記4記載の方法。
【0046】
(付記6) 前記パルス発振レーザの波長が、前記CWレーザの波長よりも短いことを特徴とする付記1記載の方法。
【0047】
(付記7) 基板上に形成されたシリコン材料にCWレーザを照射しシリコン材料の溶融・再結晶化を行う第1照射工程と、
酸素を含む雰囲気中で、再結晶化されたシリコン材料の少なくとも一部にパルス発振レーザを照射することによって、再結晶化されたシリコン材料の膜厚を減少させる第2照射工程
より成ることを特徴とするシリコン材料の膜厚を制御する方法。
【0048】
(付記8) 前記第2照射工程において、前記酸素の注入されたシリコン材料が酸化シリコン膜を形成するように、前記パルス発振レーザが照射されることを特徴とする付記7記載の方法。
【0049】
(付記9) 前記第2照射工程において、前記酸素の注入されたシリコン材料を解離させないように、前記パルス発振レーザが照射されることを特徴とする付記7記載の方法。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、複数の成膜工程を行なうことなしに、同一基板上に2種類以上の膜厚のポリシリコンを形成することが可能になる。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1実施例によるTFT製造工程における概念的な平面図および断面図(その1)を示す。
【図2】図2は、第1実施例によるTFT製造工程における概念的な平面図および断面図(その2)を示す。
【図3】図3は、第1実施例におけるパルス発振レーザの他の照射形態を示す図である。
【図4】図4は、第2実施例によるTFT製造工程のうち主要な工程に関する概念的な平面図および断面図を示す。
【図5】図5は、第3実施例によるTFT製造工程における概念的な平面図および断面図を示す。
【符号の説明】
102 ガラス基板
104 酸化シリコン
106 アモルファス・シリコン
108 表示部
110 駆動部
112 アイランド
114 走査方向
116 レーザ照射領域
118 CWレーザ照射部
120 結晶化されたアイランド
123 当初の膜厚
124 レーザ照射後の膜厚
125 層間絶縁膜
126 ドレイン電極
127 ゲート絶縁膜
128 ソース電極
130 ゲート電極
201,202,203 パルス・レーザ照射領域
402 ガラス基板
404 窒化シリコン
406 酸化シリコン
412 アモルファス・シリコン
413 不純物導入領域
415 不純物
422 パルス・レーザ照射部
502 ガラス基板
504 窒化シリコン
506 酸化シリコン
512,514 アイランド
513 酸素注入領域
515 酸素
517 酸化シリコン膜
522 パルス・レーザ照射部

Claims (5)

  1. 基板上に形成されたシリコン材料にCWレーザを照射しシリコン材料の溶融及び再結晶化を行う第1照射工程と、
    酸素を含む雰囲気中で、再結晶化されたシリコン材料の一部にパルス発振レーザを照射することによって、前記再結晶化されたシリコン材料の表面に酸化シリコンを形成し、その後、再び前記パルス発振レーザを照射し、前記表面の酸化シリコンを離脱させることによって、再結晶化されたシリコン材料の膜厚を減少させる第2照射工程と
    を有することを特徴とするシリコン材料の膜厚を制御する方法。
  2. 更に、前記第1照射工程に続いて、前記第2照射工程でパルス発振レーザを照射する領域の再結晶化されたシリコン材料の表面に不純物を注入する工程を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記シリコン材料が、ディスプレイのガラス基板上に設けられることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 表示部と駆動部とを含む前記ディスプレイの前記表示部となる部分に、前記パルス発振レーザが照射されることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. シリコン材料にCWレーザを照射しシリコン材料の溶融及び再結晶化を行う第1照射工程と、
    前記再結晶化されたシリコン材料の一部に酸素を注入し、前記再結晶化されたシリコン材料表面に酸素が注入された部分を形成する工程と、
    前記酸素を注入された再結晶化されたシリコン材料に、パルス発振レーザを照射し、前記酸素が注入された部分を酸化シリコンにする第2照射工程と
    を有することを特徴とするシリコン材料の膜厚を制御する方法。
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