JP2734359B2 - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ及びその製造方法

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JP2734359B2
JP2734359B2 JP33117693A JP33117693A JP2734359B2 JP 2734359 B2 JP2734359 B2 JP 2734359B2 JP 33117693 A JP33117693 A JP 33117693A JP 33117693 A JP33117693 A JP 33117693A JP 2734359 B2 JP2734359 B2 JP 2734359B2
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健一 中村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜トランジスタの製
造方法に関し、特にエキシマレーザアニールによる結晶
化半導体層を用いた薄膜トランジスタの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高度情報化時代の進展に伴い、入出力装
置の重要性が急激に増しており、装置の高機能化が求め
られている。このような状況のなかで薄膜トランジスタ
(TFT)を用いたアクティブマトリクス液晶表示素子
(AM−LCD)や、密着型イメージセンサ(CIS)
等の研究開発が活発に行われている。TFTは大別し
て、多結晶シリコン薄膜トランジスタ(poly−Si
TFT)とアモルファスシリコン薄膜トランジスタ
(a−Si TFT)に分けられるが、poly−Si
TFTはa−Si TFTに比べ、移動度が10〜1
00倍程度高いという特徴を有しており、薄膜回路の高
速動作が可能である。このため、デバイス外部に接続し
ていた周辺駆動回路を、デバイスと同一基板上に形成す
ることができる。この周辺駆動回路一体化により、LS
I接続のためのコストの削減、デバイスの小型化、信頼
性の向上が実現できる。poly−Si TFTを用い
たデバイスとしては、これまでにシリコンLSIと同様
な高温プロセスを用いた駆動回路一体型LCDが実用化
されている。(文献エスアイディ84ダイジェスト(S
ID 84 DIGEST)pp.316−319)し
かし、高温プロセスでは最高プロセス温度が1200℃
付近に達するため、高価な石英基板を用いる必要があ
り、長尺または大型デバイスを低コストで作製すること
は困難である。そこで、安価なガラス基板が使用可能な
600℃以下の低温プロセスを用いてpoly−Si
TFTの高性能化を行う技術が必要とされている。その
ための方法として、エキシマレーザアニール(ELA)
法が提案され、近年活発に研究されている。本法は、極
長短パルスのエキシマレーザビームを半導体層に照射し
半導体層のみを溶融・結晶化する方法であり、基板にダ
メージを与えずに高品質な半導体層を形成することがで
きる。ELA法を用いることにより100cm2 /V・
s以上の電界効果移動度を有するpoly−Si TF
Tが作製可能であり、薄膜回路の高速動作が実現でき
る。
【0003】現在、一般的に用いられているエキシマレ
ーザビームの強度プロファイルを図5(a)、(b)に
示す。同図(b)は強度プロファイルの平面概念図であ
り、同図(a)は(b)のA−A’でのビーム強度の位
置依存性を示している。同図(b)に示す様に、ビーム
強度が均一な領域502の周辺にビーム強度が不均一な
領域501が存在する。また、現状ではビームサイズは
数mm角である。そのため、ビームよりもサイズが大き
い薄膜回路をELA法で形成するためには、活性層が形
成される領域にビームを重ねて照射する必要があった。
【0004】一例として、従来のELA法を密着型イメ
ージセンサの駆動回路の作製に応用した例を図5(c)
に示す。活性層のエキシマレーザアニールにおいて、駆
動回路が形成される領域504の端からビームを重ね合
わせながら第1ショット505、第2ショット506、
第3ショット507と順次照射して活性層全体を結晶化
する。このとき、ビーム周辺部が照射された領域508
では、ビーム強度が急激に変化しているため、この領域
の結晶性はビーム強度が均一な領域の結晶性と大きく異
なり、さらに位置によるバラツキが大きい。TFTの特
性は活性層の結晶性に大きく依存するため、TFT特性
もビーム周辺部と中央部で大きく異なる。従って、ビー
ムを重ね合わせる方法では、TFT特性が不均一となる
ために、歩留まりが低下したり、薄膜回路の高性能化が
困難になる等の問題があった。そこで、これらの問題を
解決するために、ブロック照射法が提案されている。
(文献エスアイディ93ダイジェスト(SID 93
DIGEST)pp.356−358)本法は図5
(d)に示すように、駆動回路をビーム強度が均一な領
域よりも小さな複数のブロックに分割し、各ブロック内
に形成されるTFTの活性層のレーザアニールをビーム
強度の均一な領域のみを用いて行う方法である。本法に
よれば、ビーム周辺部の強度が不均一なビームが照射さ
れた領域にはTFTは形成されないため、活性層の結晶
性はブロック内、ブロック間共に均一となる。このよう
に、ブロック内ブロック間共にTFT特性を均一とする
ことができるため、高速動作が可能な駆動回路を高い良
品率で作製することができる。本法を用いた順スタガ型
n−ch TFTの作製プロセスについて図6を用いて
説明する。まず図6(a)に示すように、ガラス基板6
01上に、減圧気相成長(LPCVD)法によりSiO
2 膜を堆積し保護膜602を形成する。次に、リンを高
濃度に含有するn+ poly−Si膜を堆積した後パ
ターニングを行いソース・ドレイン領域603を形成す
る。このとき、エキシマレーザアニール時の目合わせ用
マーカ604を同時にパターニングにより形成する。さ
らに、LPCVD法によりa−Si膜を堆積し半導体層
605を形成する。次に図6(b)に示すように、マー
カ604を用いて目合わせを行い、半導体層605にエ
キシマレーザビームを照射する。このとき、強度が均一
なビーム606の周辺には、強度が不均一なビーム60
7が存在する。このため、半導体層605には、強度が
均一なビームが照射された領域608とその周辺に強度
が不均一なビームが照射された領域609が形成され
る。ここで、目合わせを行うことにより、強度が均一な
ビームが照射された領域内にソース・ドレイン領域60
3が含まれるように照射する。次に、図6(c)に示す
ように、パターニングを行い、強度が均一なビーム60
8内に活性層610を形成する。さらに、LPCVD法
によりSiO2 膜を堆積してゲート絶縁膜611を形成
した後、LPCVD法により、リンを高濃度に含有する
+ poly−Si膜を堆積した後、パターニングを
行い、ゲート電極612を形成する。さらに、プラズマ
CVD法によりSiNx膜を堆積して層間絶縁膜613
を形成した後、パターニングを行って層間絶縁膜61
3、ゲート絶縁膜611および活性層610の3層の一
部をエッチングしてコンタクトホールを形成する。さら
に、スパッタ法によりアルミを堆積した後、パターニン
グを行ってゲート電極612を形成する。このようにし
て、活性層の結晶性が各TFT間で均一になるため、T
FT特性が均一になり、高性能な薄膜回路を作製するこ
とができる。
【0005】一方、デバイスの高性能化のために、リー
ク電流の低減が重要となっている。poly−Si T
FTは、ミッドギャップ付近の準位を介した電界エミッ
ション電流によりバルクシリコンに形成したMOSFE
Tに比べて大きなリーク電流が流れる。(文献アイイー
イーイー トランザクション オン エレクトロンデバ
イスイズ(IEEE Trans.on Electr
on Devices),Vol.ED−32 No.
9 pp.1878)このリーク電流を低減するために
は、ドレイン端での電界を緩和することが効果的であ
り、これまでにLDD(Lightly Doped
Drain)構造(文献電子通信学会総合全国大会,2
−20,pp.271 1978)やオフセット構造
(文献アイイーイーイー エレクトロン デバイス レ
ターズ(IEEE Electron Device
Letters),Vol.EDL−8 No.9 p
p.434,1987)が提案されてきた。さらに、E
LA法で保護膜として用いた絶縁膜をそのままゲート絶
縁膜に用いるキャップアニール法がTFTの高性能化の
ために有利と考えられている。(特開平03−0339
35号公報)これは、レーザアニール時に半導体層と絶
縁膜界面が半導体層の融点付近まで加熱されるため、界
面を構成する原子が安定な構造に変化し、界面準位が減
少するためである。ここでは、このキャップアニール法
を用いたオフセット構造n−ch TFTの作製プロセ
スの一例について述べる。まず、図7(a)に示すよう
に、ガラス基板701上にLPCVD法によりSiO2
膜を堆積し第1保護膜702を形成する。次に、LPC
VD法によりa−Si膜を堆積し半導体層703を形成
し、さらに、LPCVD 法を用いてSiO2 膜を堆積
して第2保護膜704を堆積した後、エキシマレーザビ
ーム705を照射して半導体層703を結晶化する。次
に、同図(b)に示すように、結晶化した半導体層70
3と第2保護膜704を同一マスクで島状構造にパター
ニングして、活性層706と第1ゲート絶縁膜707を
形成する。さらに、LPCVD法によりSiO2 膜を堆
積して第2ゲート絶縁膜708を形成した後、LPCV
D法によりリンを高濃度に含有するn+ poly−S
i膜を堆積した後パターニングを行って、ゲート電極7
09を形成する。次に、同図(c)に示すように、ゲー
ト電極をマスクとしてパターニングを行い、第1ゲート
絶縁膜707及び第2ゲート絶縁膜708をエッチング
した後、イオン注入法によりリンイオン710を注入
し、活性層706の一部にソース・ドレイン領域711
を形成する。次に、同図(d)に示すように、ゲート電
極709をパターニングして、オフセット領域712を
形成した後、LPCVD法によりSiO2 膜を堆積し層
間絶縁膜713を形成する。さらに、パターニングを行
って、コンタクトホールを形成した後、スパッタ法によ
りアルミを堆積しパターニングを行ってソース・ドレイ
ン電極714を形成する。このようにして、オフセット
構造を形成することにより、ドレイン端での電界が緩和
され、リーク電流を低減することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、ス
タガ型TFTのように活性層となる半導体層の下部にソ
ース・ドレイン領域が形成される場合には、ソース・ド
レイン領域をパターニングする際に同時にマーカを形成
することによりレーザアニール時に目合わせを行うこと
ができ、ブロック照射法が採用できるため、半導体層の
うち薄膜回路が形成される領域を強度が均一なビームを
用いてレーザアニールを行うことができる。このため薄
膜回路を構成するTFT特性は均一となり、高性能な薄
膜回路を作製することができた。一方、プレーナ型TF
Tの場合、活性層となる半導体層の下部にはマーカとな
るべきパターンは形成されない。このため、上述したよ
うなブロック照射法を用いることができず、エキシマレ
ーザビームを部分的に重ね合わせながら走査して照射を
行っていた。この場合、前述したように、ビーム周辺部
ではビーム強度が急峻に変化するため、結晶性が大きく
変化し、ビーム周辺部が照射された領域に形成したTF
Tの特性は不均一となっていた。このため、プレーナ型
ではビームサイズよりも大きい薄膜回路の高性能化が困
難であった。
【0007】さらに、従来のオフセット構造では、イオ
ン注入工程後にゲート電極の形状を小さくする必要があ
り、工程数が増加するという問題が生じていた。
【0008】本発明の目的は、プレーナ型TFTであっ
ても、ビームサイズよりも大きい薄膜回路を高性能に作
製できる薄膜トランジスタおよびその製造方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決す
るため、第1の発明は、絶縁性基板上に形成された、不
純物を高濃度に含有するソース・ドレイン領域と、活性
層と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極と、層間絶縁膜と、
ソース・ドレイン電極からなる薄膜トランジスタにおい
て、島状構造を有する半導体からなる活性層と、前記活
性層の一部を覆うように形成された第1ゲート絶縁膜
と、前記活性層及び前記第1ゲート絶縁膜を覆うように
形成された第2ゲート絶縁膜と、前記第1ゲート絶縁膜
の一部を覆うように形成されたゲート電極と、前記活性
層のうち、前記第2ゲート絶縁膜のみが形成された領域
に形成された不純物を高濃度に含有するソース・ドレイ
ン領域と、前記活性層のうち、前記第1ゲート絶縁膜お
よび前記第2ゲート絶縁膜が形成された領域に形成され
た、不純物濃度が前記ソース・ドレイン領域よりも低い
低不純物濃度領域と、前記第2ゲート絶縁膜および前記
ゲート電極を覆うように形成された層間絶縁膜と、前記
層間絶縁膜及び前記第2ゲート絶縁膜の一部に形成され
たコンタクトホールと前記コンタクトホールを介して、
前記ソース・ドレイン領域と電気的に接続されたソース
・ドレイン電極からなる薄膜トランジスタを提供する。
【0010】また、絶縁性基板上に形成されたソース・
ドレイン領域と、活性層と、ゲート絶縁膜と、ゲート電
極と、層間絶縁膜と、ソース・ドレイン電極からなる薄
膜トランジスタの製造方法において、絶縁性基板上にア
モルファスシリコンあるいは多結晶シリコン等の半導体
層からなる活性層を形成する工程と、前記活性層上にレ
ーザビームを吸収しない透明絶縁膜からなる保護膜を形
成する工程と、前記保護膜の一部をエッチング等により
除去して溝を形成する工程と、前記溝をマーカとして位
置決めを行いレーザを照射して前記活性層を結晶化する
工程を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造
方法を提供する。
【0011】さらに、絶縁性基板上に活性層となる非結
晶性の半導体膜を形成する工程と、前記半導体膜の上に
第1ゲート絶縁膜となる第2保護膜を形成する工程と、
該第2保護膜をパターニングしマーカを形成すると同時
に第1ゲート絶縁膜を形成する工程と、該マーカを目印
にレーザを照射し、前記半導体膜を結晶化する工程と、
前記レーザ照射された領域のうちの強度が均一なビーム
が照射された領域を残して前記活性層を形成する工程
と、前記活性層と前記第1ゲート絶縁膜とを覆うように
第2ゲート絶縁膜を形成する工程と、前記第2ゲート絶
縁膜を介して、前記第1ゲート絶縁膜の一部を覆うよう
にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極をマス
クとして不純物をイオン注入し、前記第1ゲート絶縁膜
が形成されていない領域に不純物を高濃度に含有するソ
ース・ドレイン領域を形成する工程と、前記第2ゲート
絶縁膜および前記ゲート電極を覆うように層間絶縁膜を
形成する工程と、前記ソース・ドレイン領域上の前記層
間絶縁膜及び前記第2ゲート絶縁膜の一部にコンタクト
ホールを形成する工程と、前記コンタクトホールを介し
て、前記ソース・ドレイン領域と電気的に接続されたソ
ース・ドレイン電極を形成する工程とからなる薄膜トラ
ンジスタの製造方法を提供する。
【0012】
【実施例】次に、請求項2記載の発明について図面を参
照して説明する。本発明の一実施例として、本発明を駆
動回路一体型液晶表示素子に応用した例について示す。
まず図1(a)に示すように、洗浄を行ったガラス基板
101上に、LPCVD法によりシランガスおよび酸素
ガスを用いて基板温度400℃でSiO2 膜を2000
オングストローム堆積し、第1保護膜102を形成し
た。次に、LPCVD法により、a−Si膜を1000
オングストローム堆積し、半導体層103を1000オ
ングストローム堆積した。さらにLPCVD法によりS
iO2 膜を堆積して第2保護膜104を形成した。さら
に、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行い
第2保護膜の一部をドライエッチすることにより溝を形
成し目合わせ用マーカ105を形成した。次に、図1
(b)に示すように、マーカ105を用いて目合わせを
行い、半導体層103に、将来TFTが形成される領域
を含む領域にエキシマレーザビームを照射し結晶化し
た。このとき、エキシマレーザビームには強度が均一な
ビーム106の周辺に強度が不均一なビーム107が存
在し、両者が半導体層103の異なる領域に照射され
る。このため、半導体層103には強度が均一なビーム
が照射された領域108の周辺に強度が不均一なビーム
が照射された領域109が形成される。次に、図1
(c)に示すように、第2保護膜104を剥離した後、
フォトリソグラフィー法により強度が均一なビームが照
射された領域108を島状構造にパターニングし活性層
110を形成した。さらに、LPCVD法によりSiO
2 膜を1000オングストローム堆積した後、LPCV
D法によりシランガスとフォスフィンガスを用いて基板
温度600℃でリンを102 1 cm- 3 以上含有するn
+ poly−Si膜を2000オングストローム堆積し
た後、パターニングを行いゲート絶縁膜111及びゲー
ト電極112を形成した。さらに、イオン注入法により
リンイオン113を加速電圧40KeV、注入量5×1
1 5 cm- 2 で注入し、ソース・ドレイン領域114
を形成した。次に、図1(d)に示すように、600℃
でアニールを行いソース・ドレイン領域の活性化を行っ
た後、プラズマCVD法によりSiNx膜を2000オ
ングストローム堆積し層間絶縁膜115を形成した後、
コンタクトホールを形成した。さらに、スパッタ法によ
りアルミニウムを3000オングストローム堆積し、フ
ォトリソグラフィー法によりパターニングを行いソース
・ドレイン電極116を形成した。さらに、poly−
Si膜中の結晶粒界に存在するダングリングボンドを終
端すために、水素プラズマ雰囲気中でアニールを行っ
た。
【0013】以上のような工程で作製した、駆動回路一
体型LCDの平面図を図2に示す。同図に示すように、
アクティブマトリクスアレイ117に接続されたデータ
ドライバ118及びゲートドライバ119からなる駆動
回路は数ブロックに分割されて形成されている。これら
の駆動回路は、上述したように、均一な強度を有するエ
キシマレーザビームを用いて結晶化された活性層を有す
るプレーナ型TFTにより構成されている。このよう
に、各ブロック内のTFT特性の均一性が向上しただけ
でなく、各ブロック間でもTFT特性は向上し、駆動回
路全体の移動度、しきい値、オン電流、オフ電流等のT
FT特性のバラツキを±3%以下に抑ることができた。
このように、TFT特性の均一性を向上させることによ
り薄膜回路の高性能化を実現することができ、駆動回路
を駆動電圧10Vで最大クロック周波数5MHzで動作
させることができた。
【0014】次に、請求項1および請求項3記載の発明
の実施例について、図面を参照しながら説明する。まず
図3(a)に示すように、ガラス基板301上に、LP
CVD法によりSiO2 膜を2000オングストローム
堆積し第1保護膜302を形成し、さらに、LPCVD
法によりa−Si膜を1000オングストローム堆積し
半導体層303を形成した。さらに、LPCVD法によ
りSiO2 膜を1000オングストローム堆積して、第
2保護膜304を形成した後パターニングを行い、第1
ゲート絶縁膜306及びマーカ305を形成した。次
に、図3(b)に示すように、エキシマレーザビームを
照射し半導体層303を結晶化した。このとき、強度が
均一なビーム307の周辺に強度が不均一なビーム30
8存在し、両者が半導体層303に照射される。このた
め、半導体層303には強度が均一なビームが照射され
た領域309の周辺に、強度が不均一なビームが照射さ
れた領域310が形成される。次に、図3(c)に示す
ように、強度が均一なビームが照射された領域309を
パターニングして、島状構造の活性層311を形成し
た。次に図4(a)に示すように、LPCVD法により
SiO2 膜を500 オングストローム堆積して第2ゲ
ート絶縁膜313を形成した。次に、LPCVD法によ
り、シランガスとフォスフィンガスを用いてリンを10
2 1 cm- 3 以上含有するn+ poly−Si膜を2
000オングストローム堆積した後、パターニングを行
いゲート電極313を形成した。このとき、ゲート電極
313は第1ゲート絶縁膜306よりも小さくなるよう
にパターニングを行う。次に、ゲート電極313をマス
クとして、イオン注入法によりリンイオン314を加速
電圧60KeV、ドーズ量6×101 5 cm- 2 で注入
した。このとき、膜厚500オングストロームの第2ゲ
ート絶縁膜のみが形成された活性層311にはリンを1
2 1 cm- 3 以上含有するソース・ドレイン領域31
5が形成される。一方、ゲート電極313が形成されて
おらず、膜厚1500オングストロームの第1ゲート絶
縁膜306及び膜厚500オングストロームの第2ゲー
ト絶縁膜312が形成された領域にはリン濃度は10
1 9 cm- 3 以下のオフセット領域316が形成され
る。次に、図4(b)に示すように、プラズマCVD法
によりSiNx膜を2000オングストローム堆積し層
間絶縁膜317を形成した後、コンタクトホールを形成
し、さらにスパッタ法によりアルミを3000オングス
トローム堆積した後パターニングを行いソース・ドレイ
ン電極318を形成する。
【0015】本法によれば、オフセット領域を形成する
際、イオン注入後にゲート電極をパターニングする工程
を省略することができる。従って、オフセット構造TF
Tが従来に比べ少ない工程数で作製することができた。
さらに、エキシマレーザアニール時に用いた保護絶縁膜
をそのままゲート絶縁膜として用いているために、界面
準位密度の低い良好な界面が形成され、リーク電流が低
く、かつしきい値電圧が低い高性能なTFTが作製でき
た。本実施例では、オフセット構造について述べてきた
が、ゲート絶縁膜厚及びイオン注入加速電圧を変えるこ
とで低濃度不純物領域の不純物濃度を変えることがで
き、同一マスクを用いてLDD構造TFTを作製するこ
とも可能である。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、請求項2記載の発
明により、プレーナ型TFTのように、半導体層の下部
にマーカが形成されていない場合においても、半導体層
の所望の位置にエキシマレーザビームを照射することが
でき、プレーナ型TFTにおいてもブロック照射法が適
用できた。このため、50cm×50cmのガラス基板
上に形成したTFTの特性ばらつきを±3%以内に抑え
ることができ、駆動回路を駆動電圧10Vで最大クロッ
ク周波数5MHzで動作させることができた。
【0017】さらに、半導体層上に保護酸化膜を設けて
エキシマレーザアニールを行っているため、エキシマレ
ーザアニールにおける半導体層中への不純物の混入を保
護酸化膜を形成しない場合に比べ100分の1以下に抑
えることができ、高品質なpoly−Si膜が得られ
た。さらに、保護膜を形成しているために、エキシマレ
ーザアニールにおける溶融・結晶化過程で起こる表面の
凹凸を±5nm以下に抑えられ、電界効果移動度200
cm2 /V・sを有するpoly−Si TFTが作製
できた。
【0018】さらに、保護膜として用いたゲート絶縁膜
を通してエキシマレーザビームを照射して活性層を溶融
・結晶化することにより、活性層とゲート絶縁膜の界面
は1400℃以上に加熱される。このため、界面準位密
度を従来のエキシマレーザアニール法に比べて1/10
0以下に抑えることができた。
【0019】また、請求項1および請求項3記載の発明
により、オフセット長を0.5μmとしたときに、オン
電流を1mAに保ったまま、リーク電流を0.1pA以
下に低減することができた。さらに、エキシマレーザア
ニール時に用いた保護絶縁膜をゲート絶縁膜に用いるこ
とにより、良好な界面が得られ、しきい値電圧をn−c
h TFTで3V、p−ch TFTで−3Vと低く抑
えることができた。さらに、エキシマレーザビームの強
度が均一な領域のみを用いて活性化を行っているため、
大面積基板上に形成したTFTの特性ばらつきを±3%
以内に抑えることができ、作製したシフトレジスタを最
大クロック周波数5MHzで動作させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2記載の発明の実施例。
【図2】請求項2記載の発明の実施例。
【図3】請求項1および請求項3記載の発明の実施例。
【図4】請求項1および請求項3記載の発明の実施例。
【図5】エキシマレーザビームプロファイル及びTFT
特性の均一性。
【図6】ブロック照射法によるスタガ型TFTの工程
図。
【図7】オフセット構造TFTの工程図。
【符号の説明】
101 ガラス基板 102 第1保護膜 103 半導体層 104 第2保護膜 105 マーカ 106 強度が均一なビーム 107 強度が不均一なビーム 108 強度が均一なビームが照射された領域 109 強度が不均一なビームが照射された領域 110 活性層 111 ゲート絶縁膜 112 ゲート電極 113 リンイオン 114 ソース・ドレイン領域 115 層間絶縁膜 116 ソース・ドレイン電極 117 アクティブマトリクスアレイ 118 データドライバ 119 ゲートドライバン領域 301 ガラス基板 302 第1保護膜 303 半導体層 304 第2保護膜 305 マーカ 306 第1ゲート絶縁膜 307 強度が均一なビーム 308 強度が不均一なビーム 309 強度が均一なビームが照射された領域 330 強度が不均一なビームが照射された領域 311 活性層 312 第2ゲート絶縁膜 313 ゲート電極 314 リンイオン 315 ソース・ドレイン領域 316 オフセット領域 317 層間絶縁膜 318 ソース・ドレイン電極 501 ビーム強度が不均一な領域 502 ビーム強度が均一な領域 503 ガラス基板 504 駆動回路が形成される領域 505 第1ショット 506 第2ショット 507 第3ショット 508 強度が不均一なビームが照射された領域 509 センサアレイ 510 ガラス基板 511 駆動回路が形成される領域 512 第1ショット 513 第2ショット 514 第3ショット 515 センサアレイ 516 強度が均一なビームが照射された領域 517 強度が不均一なビームが照射された領域 601 ガラス基板 602 保護膜 603 ソース・ドレイン領域 604 マーカ 605 半導体層 606 強度が均一なビーム 607 強度が不均一なビーム 608 強度が均一なビームが照射された領域 609 強度が不均一なビームが照射された領域 610 活性層 611 ゲート絶縁膜 612 ゲート電極 613 層間絶縁膜 614 ソース・ドレイン電極 701 ガラス基板 702 第1保護膜 703 半導体層 704 第2保護膜 705 エキシマレーザビーム 706 活性層 707 第1ゲート絶縁膜 708 第2ゲート絶縁膜 709 ゲート電極 710 リンイオン 711 ソース・ドレイン領域 712 オフセット領域 713 層間絶縁膜 714 ソース・ドレイン電極

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上に形成された、ソース・ド
    レイン領域と、活性層と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極
    と、層間絶縁膜と、ソース・ドレイン電極からなる薄膜
    トランジスタにおいて、 アモルファスシリコンあるいは多結晶シリコン等の半導
    体からなる島状構造の活性層と、 前記活性層の一部を覆うように形成された第1ゲート絶
    縁膜と、 前記活性層及び前記第1ゲート絶縁膜を覆うように形成
    された第2ゲート絶縁膜と、 前記第2ゲート絶縁膜を介して、前記第1ゲート絶縁膜
    の一部を覆うように形成されたゲート電極と、 前記活性層のうち、前記第2ゲート絶縁膜が形成され、
    かつ前記第1ゲート絶縁膜が形成されていない領域に形
    成された、不純物を高濃度に含有するソース・ドレイン
    領域と、 前記活性層のうち、前記第1ゲート絶縁膜お
    よび前記第2ゲート絶縁膜が形成され、かつ前記ゲート
    電極が形成されていない領域に形成された、不純物濃度
    が前記ソース・ドレイン領域よりも低い低不純物濃度領
    域と、 前記第2ゲート絶縁膜および前記ゲート電極を覆うよう
    に形成された層間絶縁膜と、 前記ソース・ドレイン領域上の前記層間絶縁膜及び前記
    第2ゲート絶縁膜の一部に形成されたコンタクトホール
    と前記コンタクトホールを介して、前記ソース・ドレイ
    ン領域と電気的に接続されたソース・ドレイン電極とか
    らなる薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】 絶縁性基板上に形成されたソース・ドレ
    イン領域と、活性層と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極
    と、層間絶縁膜と、ソース・ドレイン電極からなる薄膜
    トランジスタの製造方法において、 絶縁性基板上にアモルファスシリコンあるいは多結晶シ
    リコン等の半導体層からなる活性層を形成する工程と、 前記活性層上にレーザビームを吸収しない透明絶縁膜か
    らなる保護膜を形成する工程と、 前記保護膜の一部をエッチング等により除去して溝を形
    成する工程と、 前記溝をマーカとして位置決めを行いレーザを照射して
    前記活性層を結晶化する工程とを有することを特徴とす
    る薄膜トランジスタの製造方法。
  3. 【請求項3】 絶縁性基板上に活性層となる非結晶性の
    半導体膜を形成する工程と、 前記半導体膜の上に第1ゲート絶縁膜となる保護膜を形
    成する工程と、 該第2保護膜をパターニングしマーカを形成すると同時
    に第1ゲート絶縁膜を形成する工程と、 該マーカを目印にレーザを照射し、前記半導体膜を結晶
    化する工程と、 前記レーザ照射された領域のうちの強度が均一なビーム
    が照射された領域を残して前記活性層を形成する工程
    と、 前記活性層と前記第1ゲート絶縁膜とを覆うように第2
    ゲート絶縁膜を形成する工程と、 前記第2ゲート絶縁膜を介して、前記第1ゲート絶縁膜
    の一部を覆うようにゲート電極を形成する工程と、 前記ゲート電極をマスクとして不純物をイオン注入し、
    前記第1ゲート絶縁膜が形成されていない領域に不純物
    を高濃度に含有するソース・ドレイン領域を形成する工
    程と、 前記第2ゲート絶縁膜および前記ゲート電極を覆うよう
    に層間絶縁膜を形成する工程と、 前記ソース・ドレイン領域上の前記層間絶縁膜及び前記
    第2ゲート絶縁膜の一部にコンタクトホールを形成する
    工程と、 前記コンタクトホールを介して、前記ソース・ドレイン
    領域と電気的に接続されたソース・ドレイン電極を形成
    する工程とからなる薄膜トランジスタの製造方法。
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