JP2003012373A - 結晶配向セラミックス及びその製造方法、並びに、異方形状粉末a及びその製造方法 - Google Patents

結晶配向セラミックス及びその製造方法、並びに、異方形状粉末a及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ
化合物からなる高配向度の結晶配向セラミックス及びそ
の製造方法を提供すること。また、このような結晶配向
セラミックスを製造する際の反応性テンプレートとして
好適な異方形状粉末A、及びその製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 本発明に係る結晶配向セラミックスは、
第1のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物を主
相とする多結晶体からなり、多結晶体を構成する各結晶
粒の特定の結晶面が配向していることを特徴とする。こ
の結晶配向セラミックスは、その発達面が第1のペロブ
スカイト型5価金属酸アルカリ化合物の特定の結晶面と
格子整合性を有する第1異方形状粉末と、第1異方形状
粉末と反応して、少なくとも第1のペロブスカイト型5
価金属酸アルカリ化合物を生成する第1反応原料との混
合物を第1異方形状粉末が配向するように成形し、加熱
することにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶配向セラミッ
クス及びその製造方法、並びに、異方形状粉末A及びそ
の製造方法に関し、更に詳しくは、加速度センサ、焦電
センサ、超音波センサ、電界センサ、温度センサ、ガス
センサ、ノッキングセンサ等の各種センサ、圧電トラン
ス等のエネルギー変換素子、圧電アクチュエータ、超音
波モータ、レゾネータ等の低損失アクチュエータ又は低
損失レゾネータ、キャパシタ、バイモルフ圧電素子、振
動ピックアップ、圧電マイクロホン、圧電点火素子、ソ
ナー、圧電ブザー、圧電スピーカ、発振子、フィルタ等
に用いられる圧電材料、あるいは、熱電変換材料、イオ
ン伝導材料等として好適な結晶配向セラミックス及びそ
の製造方法、並びに、このような結晶配向セラミックス
の製造に適した異方形状粉末A及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】圧電材料は、圧電効果を有する材料であ
り、その形態は、単結晶、セラミックス、薄膜、高分子
及びコンポジット(複合材)に分類される。これらの圧
電材料の中で、特に、圧電セラミックスは、高性能で、
形状の自由度が大きく、材料設計が比較的容易なため、
広くエレクトロニクスやメカトロニクスの分野で応用さ
れているものである。
【0003】圧電セラミックスは、強誘電体セラミック
スに直流を印加し、強誘電体の分域の方向を一定の方向
にそろえる、いわゆる分極処理を施したものである。圧
電セラミックスにおいて、分極処理により自発分極を一
定方向にそろえるためには、自発分極の方向が三次元的
に取りうる等方性ペロブスカイト型の結晶構造が有利で
ある。そのため、実用化されている圧電セラミックスの
大部分は、等方性ペロブスカイト型強誘電体セラミック
スである。
【0004】等方性ペロブスカイト型強誘電体セラミッ
クスとしては、例えば、Pb(Zr・Ti)O(以
下、これを「PZT」という。)、PZTに対して鉛系
複合ペロブスカイトを第三成分として添加したPZT3
成分系、BaTiO、Bi .5Na0.5TiO
(以下、これを「BNT」という。)などが知られてい
る。
【0005】これらの中で、PZTに代表される鉛系の
圧電セラミックスは、他の圧電セラミックスに比較して
高い圧電特性を有しており、現在実用化されている圧電
セラミックスの大部分を占めている。しかしながら、蒸
気圧の高い酸化鉛(PbO)を含んでいるために、環境
に対する負荷が大きいという問題がある。そのため、低
鉛あるいは無鉛でPZTと同等の圧電特性を有する圧電
セラミックスが求められている。
【0006】一方、BaTiOセラミックスは、鉛を
含まない圧電材料の中では比較的高い圧電特性を有して
おり、ソナーなどに利用されている。また、BaTiO
と他の非鉛系ペロブスカイト化合物(例えば、BNT
など)との固溶体の中にも、比較的高い圧電特性を示す
ものが知られている。しかしながら、これらの無鉛圧電
セラミックスは、PZTに比して、圧電特性が低いとい
う問題がある。
【0007】そこで、この問題を解決するために、従来
から種々の提案がなされている。例えば、特開平11−
180769号公報には、(1−x)BNT−BaTi
(但し、x=0.06〜0.12)の基本組成を有
し、かつ、0.5〜1.5重量%の希土類元素の酸化物
(例えば、La、Y、Yb等)を含
有する圧電セラミックス材料が開示されている。
【0008】また、特開2000−272962号公報
には、一般式:{Bi0.5(Na
1−x0.5}TiO(但し、0.2<x≦
0.3)で表される圧電磁器組成物、及び、これに2w
t%以下の添加物(例えば、Fe、Cr
MnO、NiO、Nb等)を含有させた圧電磁
器組成物が開示されている。
【0009】また、特開2000−281443号公報
には、一般式:xNaNbO−yBaNb−z
BiNb(但し、x+y+z=1、(x、y、
z)は、3成分組成図上における所定の領域内にあ
る。)で表されるタングステンブロンズ型の複合酸化物
を主成分とし、かつ、全重量中Biを金属換算で3〜6
重量%の割合で含有する圧電磁器組成物が開示されてい
る。
【0010】また、特開2000−313664号公報
には、一般式:K1−xNaNbO(但し、x=0
〜0.8)で表される固溶体に、Cu、Li、Taより
選択される1種又は2種以上の元素を含む化合物を添加
したアルカリ金属含有ニオブ酸物系圧電磁器組成物が本
願出願人により開示されている。
【0011】さらに、特開平11−60333号公報に
は、菱面体晶を端相として含むペロブスカイト型セラミ
ックス(例えば、BNTに対してBi0.50.5
iO 、BaTiO、NaNbO等を固溶させたペ
ロブスカイト型セラミックス)からなり、かつ擬立方
{100}面のロットゲーリング法による配向度が30
%以上である圧電セラミックスが本願出願人により開示
されている。
【0012】また、同公報には、板状形状を有し、か
つ、層状ペロブスカイト型化合物からなるホスト材料A
(BiTi12)と、等方性ペロブスカイト型構
造を有するゲスト材料B又はゲスト材料Bを生成可能な
原料Q(Bi0.5(Na0. 850.150.5
TiOの等軸形状粉末)と、ホスト材料Aを等方性ペ
ロブスカイト型化合物に転換するためのゲスト材料C
(Bi粉末、NaCO粉末、KCO粉末
及びTiO粉末)とを混合し、ホスト材料Aが配向す
るようにこれらを成形し、次いで加熱焼結する圧電セラ
ミックスの製造方法が開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】BaTiO、BNT
等の非鉛系の等方性ペロブスカイト型化合物に対して、
ある種の添加物を加えると、焼結性や圧電特性が向上す
ることが知られている。この点は、ペロブスカイト型ニ
オブ酸アルカリ化合物(K1−xNaNbO)に代
表される、Aサイト元素の主成分がK及び/又はNaで
あり、Bサイト元素の主成分がNb、Sb及び/又はT
aである等方性ペロブスカイト型化合物(以下、これを
「第1のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物」
という。)も同様であり、添加物の種類及び添加量を最
適化することによって、焼結性及び圧電特性を向上させ
ることができる。
【0014】しかしながら、第1のペロブスカイト型5
価金属酸アルカリ化合物を通常のセラミックス製造プロ
セス、すなわち、成分元素を含む単純化合物を出発原料
に用いて、仮焼、成形及び焼結を行う製造プロセスによ
り製造すると、得られる焼結体は、各結晶粒がランダム
に配向したものとなる。そのため、本質的には高い圧電
特性を有しているにもかかわらず、得られる焼結体の圧
電特性は不十分である。
【0015】一方、等方性ペロブスカイト型化合物の圧
電特性は、一般に、結晶軸の方向によって異なることが
知られている。そのため、圧電特性の高い結晶軸を一定
の方向に配向させることができれば、圧電特性の異方性
を最大限に利用することができ、圧電セラミックスの高
特性化が期待できる。実際に、非鉛系強誘電体材料から
なる単結晶の中には、優れた圧電特性を示すものがある
ことが知られている。
【0016】しかしながら、単結晶は、製造コストが高
いという問題がある。また、第1のペロブスカイト型5
価金属酸アルカリ化合物のような複雑な組成を有する固
溶体の単結晶は、製造時に組成のずれを引き起こしやす
く、実用材料としては不適当である。さらに、単結晶
は、破壊靱性が劣るため、高応力下での使用は困難であ
り、応用範囲が限られるという問題がある。
【0017】これに対し、層状ペロブスカイト型化合物
の板状粉末(ホスト材料A)は、特開平11−6033
3号公報に開示されているように、等方性ペロブスカイ
ト型化合物を生成させるための反応性テンプレートとし
て機能する。そのため、ホスト材料Aを成形体中に配向
させ、これとゲスト材料Cとを反応させれば、結晶格子
の異方性が小さい等方性ペロブスカイト型化合物であっ
ても、特定の結晶面が高い配向度で配向した結晶配向セ
ラミックスを容易かつ安価に製造することができる。
【0018】しかしながら、この方法を第1のペロブス
カイト型5価金属酸アルカリ化合物に適用した例は、従
来にはない。また、この方法は、ホスト材料Aとゲスト
材料Cとの反応によって等方性ペロブスカイト型化合物
(一般式:ABO)を生成させるものであり、得られ
た結晶配向セラミックスの組成中には、ホスト材料A
(BiTi12)に含まれるAサイト元素(B
i)が必ず残留する。そのため、この方法では、最も望
ましい組成を実現できない場合があり、不可避的に含ま
れるAサイト元素によって圧電材料としての特性が害さ
れるおそれがある。
【0019】本発明が解決しようとする課題は、第1の
ペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物からなる高
配向度の結晶配向セラミックス及びその製造方法を提供
することにある。また、本発明が解決しようとする他の
課題は、特に、このような結晶配向セラミックスを製造
する際の反応性テンプレートとして好適な異方形状粉末
A、及びその製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る結晶配向セラミックスは、一般式:AB
で表される等方性ペロブスカイト型化合物であっ
て、Aサイト元素の主成分がK及び/又はNaであり、
Bサイト元素の主成分がNb、Sb及び/又はTaであ
る第1のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物を
主相とする多結晶体からなり、かつ、該多結晶体を構成
する各結晶粒の特定の結晶面が配向していることを要旨
とするものである。
【0021】また、本発明に係る結晶配向セラミックス
の製造方法は、その発達面が前記第1のペロブスカイト
型5価金属酸アルカリ化合物の特定の結晶面と格子整合
性を有する第1異方形状粉末と、該第1異方形状粉末と
反応して、少なくとも前記第1のペロブスカイト型5価
金属酸アルカリ化合物を生成する第1反応原料とを混合
する混合工程と、該混合工程で得られた混合物を前記第
1異方形状粉末が配向するように成形する成形工程と、
該成形工程で得られた成形体を加熱し、前記第1異方形
状粉末と前記第1反応原料とを反応させる熱処理工程と
を備えていることを要旨とするものである。
【0022】所定の条件を満たす第1異方形状粉末と、
所定の組成を有する第1反応原料とを反応させると、第
1異方形状粉末の配向方位を承継した第1のペロブスカ
イト型5価金属酸アルカリ化合物からなる異方形状結晶
が生成する。そのため、第1異方形状粉末を成形体中に
配向させ、成形体を所定の温度に加熱すれば、第1のペ
ロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物からなり、か
つ、特定の結晶面を発達面とする結晶粒が特定の方向に
配向した結晶配向セラミックスが得られる。
【0023】また、本発明に係る異方形状粉末Aは、一
般式:ABOで表される等方性ペロブスカイト型化合
物であって、Aサイト元素の主成分がK、Na及び/又
はLiであり、Bサイト元素の主成分がNb、Sb及び
/又はTaである第2のペロブスカイト型5価金属酸ア
ルカリ化合物からなり、かつ、特定の結晶面を発達面と
するものからなる。
【0024】さらに、本発明に係る異方形状粉末Aの製
造方法は、層状ペロブスカイト型化合物からなり、か
つ、その発達面が前記第2のペロブスカイト型5価金属
酸アルカリ化合物の特定の結晶面と格子整合性を有する
第2異方形状粉末と、該第2異方形状粉末と反応して、
少なくとも前記第2のペロブスカイト型5価金属酸アル
カリ化合物からなる異方形状粉末Aを生成する第2反応
原料とを、フラックス中で加熱することを要旨とするも
のである。
【0025】層状ペロブスカイト型化合物からなる第2
異方形状粉末と所定の組成を有する第2反応原料とを、
適当なフラックス中で反応させると、第2異方形状粉末
の配向方位を承継した第2のペロブスカイト型5価金属
酸アルカリ化合物からなる異方形状粉末Aが得られる。
また、第2異方形状粉末及び第2反応原料の組成を最適
化すると、第2異方形状粉末に含まれるAサイト元素を
含まず、第2のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化
合物からなり、かつ、特定の結晶面を発達面とする異方
形状粉末Aが得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて詳細に説明する。本発明に係る結晶配向セラミック
スは、第1のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合
物を主相とする多結晶体からなり、かつ、多結晶体を構
成する各結晶粒の特定の結晶面が配向していることを特
徴とする。
【0027】本発明に係る結晶配向セラミックスにおい
て、「第1のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合
物」とは、上述したように、一般式:ABOで表され
る等方性ペロブスカイト型化合物であって、Aサイト元
素の主成分がK及び/又はNaであり、Bサイト元素の
主成分がNb、Sb及び/又はTaであるものをいう。
また、「主成分」とは、前述した1種又は2種以上の特
定の元素が該当するサイトの50at%以上を占めてい
ることをいう。
【0028】第1のペロブスカイト型5価金属酸アルカ
リ化合物に含まれるK及びNa以外のAサイト元素、並
びに、Nb、Sb及びTa以外のBサイト元素の種類に
ついては、特に限定されるものではない。すなわち、等
方性ペロブスカイト型の結晶構造を維持でき、かつ、焼
結特性、圧電特性等の諸特性に悪影響を及ぼさないもの
である限り、種々の元素が含まれていても良い。
【0029】副成分として含まれるAサイト元素として
は、具体的には、1価の陽イオン元素(例えば、L
、Ag、Cs等)が好適な一例として挙げられ
る。また、副成分として含まれるBサイト元素として
は、具体的には、5価の陽イオン元素(例えば、Nb
5+、Sb5+、Ta5+等)が好適な一例として挙げ
られる。
【0030】さらに、副成分として含まれるAサイト元
素及びBサイト元素は、これらの価数の和が6価になる
組み合わせであっても良い。具体的には、Ba2+とT
の組み合わせ、Sr2+とTi4+の組み合わ
せ、Ca2+とTi4+の組み合わせ等が好適な一例と
して挙げられる。また、Bサイト元素の副成分として、
6価の金属元素(例えば、W6+、Mo6+等)のみが
含まれていても良い。この場合、陽イオン元素全体の価
数が6価となるように、Aサイトには欠陥が形成される
ことになる。
【0031】また、「第1のペロブスカイト型5価金属
酸アルカリ化合物を主相とする」とは、結晶配向セラミ
ックス全体に占める第1のペロブスカイト型5価金属酸
アルカリ化合物の割合が、90vol%以上であること
をいう。この場合、副相は、後述する製造方法や使用す
る出発原料に起因する添加物、焼結助剤、副生成物、不
純物等(例えば、Bi、CuO、MnO、Ni
O等)で構成される。また、特性に悪影響を及ぼすおそ
れのある副相の含有量は、少ないほど良い。
【0032】さらに、「特定の結晶面が配向している」
とは、第1のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合
物の特定の結晶面が互いに平行になるように、各結晶粒
が配列(以下、このような状態を「面配向」という。)
していること、又は、特定の結晶面が成形体を貫通する
1つの軸に対して平行に配列(以下、このような状態を
「軸配向」という。)していることをいう。
【0033】配向している結晶面の種類は、特に限定さ
れるものではなく、第1のペロブスカイト型5価金属酸
アルカリ化合物の自発分極の方向、結晶配向セラミック
スの用途、要求特性等に応じて、選択される。すなわ
ち、配向している結晶面は、擬立方{100}面、擬立
方{110}面、擬立方{111}面等、目的に合わせ
て選択される。
【0034】なお、「擬立方{HKL}」とは、一般
に、等方性ペロブスカイト型化合物は、正方晶、斜方
晶、三方晶など、立方晶からわずかに歪んだ構造を取る
が、その歪は僅かであるので、立方晶とみなしてミラー
指数表示することを意味する。
【0035】また、一般に、配向している結晶粒の割合
が多くなる程、高い特性が得られる。例えば、特定の結
晶面を面配向させる場合において、高い圧電特性を得る
ためには、次の数1の式で表されるロットゲーリング
(Lotgering)法による平均配向度F(HKL)
は、30%以上が好ましく、さらに好ましくは、50%
以上である。
【0036】
【数1】
【0037】なお、数1の式において、ΣI(hkl)
は、結晶配向セラミックスについて測定されたすべての
結晶面(hkl)のX線回折強度の総和であり、ΣI
(hkl)は、結晶配向セラミックスと同一組成を有する
無配向セラミックスについて測定されたすべての結晶面
(hkl)のX線回折強度の総和である。また、Σ'I
(HKL)は、結晶配向セラミックスについて測定された
結晶学的に等価な特定の結晶面(HKL)のX線回折強
度の総和であり、Σ'I(HKL)は、結晶配向セラミ
ックスと同一組成を有する無配向セラミックスについて
測定された結晶学的に等価な特定の結晶面(HKL)の
X線回折強度の総和である。
【0038】次に、本発明に係る結晶配向セラミックス
の作用について説明する。本発明に係る結晶配向セラミ
ックスは、第1のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ
化合物を主相とする多結晶体からなるので、非鉛系の圧
電セラミックスの中でも高い圧電特性を示す。また、本
発明に係る結晶配向セラミックスは、多結晶体を構成す
る各結晶粒の特定の結晶面が一方向に配向しているの
で、同一組成を有する無配向の多結晶体に比して、高い
圧電特性を示す。
【0039】次に、本発明に係る異方形状粉末Aについ
て説明する。本発明に係る異方形状粉末Aは、Aサイト
元素の主成分がK、Na及び/又はLiであり、Bサイ
ト元素の主成分がNb、Sb及び/又はTaである第2
のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物からな
り、かつ、特定の結晶面が発達面になっていることを特
徴とする。なお、第2のペロブスカイト型5価金属酸ア
ルカリ化合物のその他の点については、Aサイト元素の
主成分としてLiを含むことがある場合を除き、第1の
ペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物と同様であ
るので、説明を省略する。
【0040】ここで、「異方形状」とは、幅方向又は厚
さ方向の寸法に比して、長手方向の寸法が大きいことを
いう。具体的には、板状、柱状、鱗片状等が好適な一例
として挙げられる。また、「発達面」とは、最も大きな
面積を占める面をいう。発達面を構成する結晶面の種類
は、擬立方{100}面、擬立方{110}面、擬立方
{111}面等の中から目的に合わせて選択される。
【0041】また、本発明に係る異方形状粉末Aを、本
発明に係る結晶配向セラミックスを製造するための反応
性テンプレートとして用いる場合、異方形状粉末Aの平
均アスペクト比(=(異方形状粉末の長手方向の寸法)
/(幅方向又は厚さ方向の寸法)の平均値)は、少なく
とも3以上が必要である。平均アスペクト比が3未満で
あると、成形時に一定の方向に配向させることが困難に
なるので好ましくない。高い配向度の結晶配向セラミッ
クスを得るには、異方形状粉末Aの平均アスペクト比
は、5以上が好ましく、さらに好ましくは、10以上で
ある。
【0042】一般に、異方形状粉末Aの平均アスペクト
比が大きくなるほど、成形時における異方形状粉末Aの
配向が容易化される傾向がある。但し、平均アスペクト
比が過大になると、後述する混合工程において異方形状
粉末Aが粉砕され、異方形状粉末Aが配向した成形体が
得られない場合がある。従って、異方形状粉末Aの平均
アスペクト比は、100以下が好ましい。
【0043】また、異方形状粉末Aの平均粒径(長手方
向の寸法の平均値)は、0.05μm以上が好ましい。
異方形状粉末Aの平均粒径が0.05μm未満である
と、成形時に作用する剪断応力によって異方形状粉末A
を一定の方向に配向させるのが困難になる。また、界面
エネルギーの利得が小さくなるので、結晶配向セラミッ
クスを作製する際の反応性テンプレートとして用いた時
に、テンプレート粒子へのエピタキシャル成長が生じに
くくなる。
【0044】一方、異方形状粉末Aの平均粒径は、20
μm以下が好ましい。異方形状粉末Aの平均粒径が20
μmを超えると、焼結性が低下し、焼結体密度の高い結
晶配向セラミックスが得られない。異方形状粉末Aの平
均粒径は、さらに好ましくは、0.1μm以上10μm
以下である。
【0045】本発明に係る異方形状粉末Aは、第2のペ
ロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物からなるの
で、当然に本発明に係る結晶配向セラミックスの主相と
良好な格子整合性を有している。そのため、この異方形
状粉末Aを反応性テンプレートとして用いれば、本発明
に係る結晶配向セラミックスを容易に製造することがで
きる。
【0046】次に、本発明に係る異方形状粉末Aの製造
方法について説明する。第2のペロブスカイト型5価金
属酸アルカリ化合物は、結晶格子の異方性が極めて小さ
いので、特定の結晶面を発達面とする異方形状粉末Aを
直接、合成するのは困難である。
【0047】しかしながら、第2のペロブスカイト型5
価金属酸アルカリ化合物からなる異方形状粉末Aは、所
定の条件を満たす第2異方形状粉末を反応性テンプレー
トとして用いて、これと所定の条件を満たす第2反応原
料とを、フラックス中で加熱することにより製造するこ
とができる。
【0048】ここで、「第2異方形状粉末」とは、層状
ペロブスカイト型化合物からなり、かつ、その発達面が
第2のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物の特
定の結晶面と格子整合性を有するものをいう。
【0049】第2異方形状粉末として層状ペロブスカイ
ト型化合物を用いるのは、結晶格子の異方性が大きいた
めに、形状異方性を有する粉末の作製が比較的容易であ
ることによる。また、格子整合性が要求されるのは、層
状ペロブスカイト型化合物からなり、かつ形状異方性を
有する粉末であっても、その発達面が第2のペロブスカ
イト型5価金属酸アルカリ化合物の特定の結晶面と格子
整合性を有していない場合には、異方形状粉末Aを合成
するための反応性テンプレートとして機能しないためで
ある。
【0050】また、格子整合性の良否は、第2異方形状
粉末の発達面の格子寸法と第2のペロブスカイト型5価
金属酸アルカリ化合物の特定の結晶面の格子寸法との差
の絶対値を、第2異方形状粉末の発達面の格子寸法で割
った値(以下、この値を「格子整合率」という。)で表
すことができる。格子整合率の値が小さいほど、その第
2異方形状粉末は、良好な反応性テンプレートとして機
能することを示す。異方形状粉末Aを効率よく製造する
ためには、第2異方形状粉末の格子整合率は、20%以
下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。
【0051】また、第2異方形状粉末と第2反応原料と
をフラックス中で反応させることによって異方形状粉末
Aを合成する場合、反応条件を最適化すれば、結晶構造
の変化のみが起こり、粉末形状の変化はほとんど生じな
い。また、第2異方形状粉末の平均粒径及び/又はアス
ペクト比は、通常、反応前後においてそのまま維持され
るが、反応条件を最適化すれば、得られる異方形状粉末
Aの平均粒径及び/又はアスペクト比を増減させること
もできる。
【0052】しかしながら、成形時に一方向に配向させ
ることが容易な異方形状粉末Aを容易に合成するために
は、その合成に使用する第2異方形状粉末もまた、成形
時に一方向に配向させることが容易な形状を有している
ことが望ましい。
【0053】すなわち、第2異方形状粉末の平均アスペ
クト比は、少なくとも3以上が好ましく、好ましくは5
以上、さらに好ましくは10以上である。また、後工程
における粉砕を抑制するためには、平均アスペクト比
は、100以下が好ましい。さらに、第2異方形状粉末
の平均粒径は、0.05μm以上20μm以下が好まし
く、さらに好ましくは0.1μm以上10μm以下であ
る。
【0054】第2異方形状粉末の材料として好適な層状
ペロブスカイト型化合物としては、具体的には、次の化
1の式で表される組成を有するビスマス層状ペロブスカ
イト型化合物が好適な一例として挙げられる。
【0055】
【化1】(Bi)2+(Bi0.5Nam−1.5
Nb3m+1)2− (但し、mは2以上の整数)
【0056】化1の式で表される化合物は、{001}
面の表面エネルギーが他の結晶面の表面エネルギーより
小さいので、{001}面を発達面とする第2異方形状
粉末を容易に合成できる。ここで、{001}面とは、
化1の式で表されるビスマス層状ペロブスカイト型化合
物の(Bi)2+層に平行な面である。しかも、化
1の式で表される化合物の{001}面は、第2のペロ
ブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物の擬立方{10
0}面との間に極めて良好な格子整合性がある。
【0057】そのため、化1の式で表される化合物から
なり、かつ、{001}面を発達面とする第2異方形状
粉末は、{100}面を発達面とする異方形状粉末Aを
作製するための反応性テンプレートとして好適である。
また、化1の式で表される化合物を用いると、第2反応
原料の組成を最適化することによって、Aサイト元素と
して実質的にBiを含まない異方形状粉末Aであっても
合成することができる。
【0058】また、第2異方形状粉末の材料として、次
の化2の式で表されるビスマス層状ペロブスカイト型化
合物も好適な一例として挙げられる。
【0059】
【化2】(Bi)2+(Bi0.5m−1.5
3m+1)2− (但し、mは2以上の整数)
【0060】化2の式で表される化合物は、化1の式で
表される化合物と同様の作用効果を有しており、異方形
状粉末Aを作製するための反応性テンプレートとして好
適である。なお、化1の式で表されるビスマス層状ペロ
ブスカイト型化合物において、Naサイトの一部あるい
は全量を、Li及び/又はKで置換した第2異方形状粉
末も、化1の式で表される第2異方形状粉末と同様の作
用効果を有し、異方形状粉末Aを作製するための反応性
テンプレートとして好適である。
【0061】第2異方形状粉末の材料として好適な層状
ペロブスカイト型化合物の他の一例としては、Sr
が挙げられる。SrNbの{010}
面は、その表面エネルギーが他の結晶面の表面エネルギ
ーより小さく、しかも、第2のペロブスカイト型5価金
属酸アルカリ化合物の擬立方{110}面との間に極め
て良好な格子整合性がある。そのため、SrNb
からなり、かつ、{010}面を発達面とする異方形
状粉末は、{110}面を発達面とする異方形状粉末A
を作製するための反応性テンプレートとして好適であ
る。
【0062】その他、第2のペロブスカイト型5価金属
酸アルカリ化合物の擬立方{100}面と格子整合性を
有する層状ペロブスカイト型化合物としては、具体的に
は、Na1.5Bi2.5Nb12、Na2.5
2.5Nb15、Bi TiNbO、Bi
iTaO、K0.5Bi2.5Nb、CaBi
Nb、SrBiNb、BaBiNb
、BaBiTiNbO12、CaBiTa
、SrBiTa、BaBiTa
、Na0.5Bi2.5Ta、BiTi
NbO21、BiNb15等が好適な一例とし
て挙げられる。また、第2のペロブスカイト型5価金属
酸アルカリ化合物の擬立方{110}面と格子整合性を
有する層状ペロブスカイト型化合物としては、具体的に
は、CaNb、SrTa 等が好適な一
例として挙げられる。
【0063】なお、このような組成、並びに、平均粒径
及び/又はアスペクト比を備えた第2異方形状粉末は、
第2異方形状粉末の成分元素を含む酸化物、炭酸塩、硝
酸塩等の原料(以下、これを「異方形状粉末生成原料」
という。)を、液体又は加熱により液体となる物質と共
に加熱することにより容易に製造することができる。異
方形状粉末生成原料を原子の拡散が容易な液相中で加熱
すると、表面エネルギーの小さい面(化1の式又は化2
の式で表される物質の場合は{001}面)が優先的に
発達した第2異方形状粉末を容易に合成することができ
る。この場合、第2異方形状粉末の平均アスペクト比及
び平均粒径は、合成条件を適宜選択することにより、制
御することができる。
【0064】第2異方形状粉末の製造方法としては、具
体的には、異方形状粉末生成原料に適当なフラックス
(例えば、NaCl、KCl、NaClとKClの混合
物、BaCl、KF等)を加えて所定の温度で加熱す
る方法(フラックス法)、作製しようとする第2異方形
状粉末と同一組成を有する不定形粉末をアルカリ水溶液
と共にオートクレーブ中で加熱する方法(水熱合成法)
等が好適な一例として挙げられる。
【0065】また、「第2反応原料」とは、上述した第
2異方形状粉末と反応して、少なくとも第2のペロブス
カイト型5価金属酸アルカリ化合物からなる異方形状粉
末Aを生成するものをいう。この場合、第2反応原料
は、第2異方形状粉末との反応によって、第2のペロブ
スカイト型5価金属酸アルカリ化合物のみを生成するも
のであっても良く、あるいは、第2のペロブスカイト型
5価金属酸アルカリ化合物と余剰成分の双方を生成する
ものであっても良い。ここで、「余剰成分」とは、目的
とする第2のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合
物ではない物質をいう。また、第2異方形状粉末と第2
反応原料によって余剰成分が生成する場合、余剰成分
は、熱的又は化学的に除去が容易なものからなることが
望ましい。
【0066】第2反応原料の形態は、特に限定されるも
のではなく、酸化物粉末、複合酸化物粉末、炭酸塩、硝
酸塩、シュウ酸塩等の塩、アルコキシド等を用いること
ができる。また、第2反応原料の組成は、作製しようと
する第2のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物
の組成、及び、第2異方形状粉末の組成によって決ま
る。
【0067】例えば、化1の式で表されるビスマス層状
ペロブスカイト型化合物の1種であるBi2.5Na
0.5Nb(以下、これを「BINN2」とい
う。)からなる第2異方形状粉末を用いて、第2のペロ
ブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物の一種であるN
aNbO(以下、これを「NN」という。)からなる
異方形状粉末Aを合成する場合、第2反応原料として、
Naを含む化合物(酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩
等)を用いればよい。この場合、1モルのBINN2に
対して、Na原子1.5モルに相当するNa含有化合物
を第2反応原料として添加すれば良い。
【0068】このような組成を有する第2異方形状粉末
及び第2反応原料に対して、適当なフラックス(例え
ば、NaCl、KCl、NaClとKClの混合物、B
aCl 、KF等)を1wt%〜500wt%加えて、
共晶点・融点に加熱すると、NNと、Biを主成
分とする余剰成分が生成する。Biは、融点が低
く、酸にも弱いので、得られた反応物から湯煎等により
フラックスを取り除いた後、これを高温で加熱するか、
あるいは、酸洗を行えば、{100}面を発達面とする
NNからなる異方形状粉末Aが得られる。
【0069】また、例えば、BINN2からなる第2異
方形状粉末を用いて、第2のペロブスカイト型5価金属
酸アルカリ化合物の一種であるK0.5Na0.5Nb
(以下、これを「KNN」という。)からなる異方
形状粉末Aを合成する場合、第2反応原料として、Na
を含む化合物(酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩等)
及びKを含む化合物(酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸
塩等)、又は、Na及びKの双方を含む化合物を用いれ
ばよい。この場合、1モルのBINN2に対して、Na
原子0.5モルに相当するNa含有化合物、及び、K原
子1モルに相当するK含有化合物を第2反応原料として
添加すれば良い。
【0070】このような組成を有する第2異方形状粉末
及び第2反応原料に対して、適当なフラックスを1wt
%〜500wt%加えて、共晶点・融点に加熱すると、
KNNと、Biを主成分とする余剰成分が生成す
るので、得られた反応物からフラックス及びBi
を除去すれば、{100}面を発達面とするKNNから
なる異方形状粉末Aが得られる。
【0071】第2異方形状粉末と第2反応原料との反応
によって、第2のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ
化合物のみを生成させる場合も同様であり、所定の組成
を有する第2異方形状粉末と、所定の組成を有する第2
反応原料とを適当なフラックス中で加熱すればよい。こ
れにより、フラックス中において、目的とする組成を有
する第2のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物
が生成する。また、得られた反応物からフラックスを取
り除けば、第2のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ
化合物からなり、かつ、特定の結晶面を発達面とする異
方形状粉末Aが得られる。
【0072】次に、本発明に係る異方形状粉末Aの製造
方法の作用について説明する。第2のペロブスカイト型
5価金属酸アルカリ化合物は、結晶格子の異方性が小さ
いので、直接、異方形状粉末Aを合成するのは困難であ
る。また、任意の結晶面を発達面とする異方形状粉末A
を直接、合成することも困難である。
【0073】これに対し、層状ペロブスカイト型化合物
は、結晶格子の異方性が大きいので、異方形状粉末を直
接合成するのは容易である。また、層状ペロブスカイト
型化合物からなる異方形状粉末の発達面は、第2のペロ
ブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物の特定の結晶面
との間に格子整合性を有しているものが多い。さらに、
第2のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物は、
層状ペロブスカイト型化合物に比して熱力学的に安定で
ある。
【0074】そのため、層状ペロブスカイト型化合物か
らなり、かつ、その発達面が第2のペロブスカイト型5
価金属酸アルカリ化合物の特定の結晶面と格子整合性を
有する第2異方形状粉末と第2反応原料とを、適当なフ
ラックス中で反応させると、第2異方形状粉末が反応性
テンプレートとして機能し、第2異方形状粉末の配向方
位を承継した第2のペロブスカイト型5価金属酸アルカ
リ化合物の異方形状粉末Aを容易に合成することができ
る。
【0075】また、第2異方形状粉末及び第2反応原料
の組成を最適化すると、第2異方形状粉末に含まれてい
たAサイト元素(以下、これを「余剰Aサイト元素」と
いう。)が余剰成分として排出され、かつ、余剰Aサイ
ト元素を含まない第2のペロブスカイト型5価金属酸ア
ルカリ化合物からなる異方形状粉末Aが生成する。
【0076】特に、第2異方形状粉末として化1の式に
示すビスマス層状ペロブスカイト型化合物、あるいは、
そのNaサイトの全部又は一部がK及び/又はLiで置
換されたものを用いた場合には、Biが余剰Aサイト元
素として排出され、Bi を主成分とする余剰成分
が生成する。そのため、この余剰成分を熱的又は化学的
に除去すれば、実質的にBiを含まず、第2のペロブス
カイト型5価金属酸アルカリ化合物からなり、かつ、特
定の結晶面を発達面とする異方形状粉末Aが得られる。
【0077】次に、本発明に係る結晶配向セラミックス
の製造方法について説明する。本発明に係る結晶配向セ
ラミックスの製造方法は、混合工程と、成形工程と、熱
処理工程とを備えている。
【0078】初めに、混合工程について説明する。混合
工程は、第1異方形状粉末と第1反応原料とを混合する
工程である。ここで、「第1異方形状粉末」とは、その
発達面が第1のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化
合物の特定の結晶面と格子整合性を有するものをいう。
第1異方形状粉末としては、具体的には、上述した異方
形状粉末A、あるいは、第2異方形状粉末を用いること
ができる。
【0079】また、「第1反応原料」とは、第1異方形
状粉末と反応して、少なくとも第1のペロブスカイト型
5価金属酸アルカリ化合物を生成するものをいう。この
場合、第1反応原料は、第1異方形状粉末との反応によ
って、第1のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合
物のみを生成するものであっても良く、あるいは、第1
のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物と余剰成
分の双方を生成するものであっても良い。また、第1異
方形状粉末と第1反応原料との反応によって余剰成分が
生成する場合、余剰成分は、熱的又は化学的に除去が容
易なものであることが望ましい。
【0080】第1反応原料の組成は、第1異方形状粉末
の組成、及び、作製しようとする第1のペロブスカイト
型5価金属酸アルカリ化合物の組成に応じて定まる。ま
た、第1反応原料の形態は、特に限定されるものではな
く、酸化物粉末、複合酸化物粉末、炭酸塩、硝酸塩、シ
ュウ酸塩等の塩、アルコキシド等を用いることができ
る。
【0081】例えば、第1異方形状粉末としてKNN組
成を有する異方形状粉末Aを用いて、KNN組成を有す
る結晶配向セラミックスを作製する場合には、第1反応
原料として、KNN組成となるように化学量論比で配合
されたK含有化合物、Na含有化合物及びNb含有化合
物の混合物を用いればよい。
【0082】また、例えば、第1異方形状粉末としてN
N組成を有する異方形状粉末Aを用いて、KNN組成を
有する結晶配向セラミックスを作製する場合には、第1
反応原料として、異方形状粉末Aと第1反応原料からK
NNが生成するように化学量論比で配合されたK含有化
合物及びNa含有化合物の混合物を用いればよい。
【0083】また、例えば、第1異方形状粉末として、
化1の式で表される組成を有する第2異方形状粉末を用
いて、KNN組成を有する結晶配向セラミックスを作製
する場合には、第1反応原料として、第2異方形状粉末
と第1反応原料からKNN及びBiが生成するよ
うに化学量論比で配合されたK含有化合物及びNa含有
化合物の混合物を用いればよい。
【0084】なお、混合工程においては、所定の比率で
配合された第1異方形状粉末及び第1反応原料に対し
て、さらに、これらの反応によって得られる第1のペロ
ブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物と同一組成を有
する化合物からなる不定形の微粉(以下、これを「化合
物微粉」という。)、及び/又は、焼結助剤(例えば、
CuO)を添加しても良い。第1異方形状粉末及び第1
反応原料に対して、さらに化合物微粉や焼結助剤を添加
すると、焼結体を容易に緻密化できるという利点があ
る。
【0085】また、化合物微粉を配合する場合におい
て、化合物微粉の配合比率が過大になると、必然的に原
料全体に占める第1異方形状粉末の配合比率が小さくな
り、得られる結晶配向セラミックスの配向度が低下する
おそれがある。従って、化合物微粉の配合比率は、要求
される焼結体密度及び配向度に応じて、最適な配合比率
を選択するのが好ましい。
【0086】第1異方形状粉末の配合比率は、第1異方
形状粉末中の1つないし複数の成分元素により、ABO
で表される第1のペロブスカイト型5価金属酸アルカ
リ化合物のAサイトが占有される比率が、0.01〜7
0at%となるようにすることが好ましく、より好まし
くは、0.1〜50at%である。
【0087】さらに、第1異方形状粉末及び第1反応原
料、並びに、必要に応じて配合される化合物微粉及び焼
結助剤の混合は、乾式で行っても良く、あるいは、水、
アコール等の適当な分散媒を加えて湿式で行っても良
い。さらに、この時、必要に応じてバインダ及び/又は
可塑剤を加えても良い。
【0088】次に、成形工程について説明する。成形工
程は、混合工程で得られた混合物を第1異方形状粉末が
配向するように成形する工程である。この場合、第1異
方形状粉末が面配向するように成形しても良く、あるい
は、第1異方形状粉末が軸配向するように成形しても良
い。
【0089】成形方法については、第1異方形状粉末を
配向させることが可能な方法であれば良く、特に限定さ
れるものではない。第1異方形状粉末を面配向させる成
形方法としては、具体的には、ドクターブレード法、プ
レス成形法、圧延法等が好適な一例として挙げられる。
また、第1異方形状粉末を軸配向させる成形方法として
は、具体的には、押出成形法、遠心成形法等が好適な一
例として挙げられる。
【0090】また、第1異方形状粉末が面配向した成形
体(以下、これを「面配向成形体」という。)の厚さを
増したり、配向度を上げるために、面配向成形体に対
し、さらに積層圧着、プレス、圧延などの処理(以下、
これを「面配向処理」という。)を行っても良い。この
場合、面配向成形体に対して、いずれか1種類の面配向
処理を行っても良く、あるいは、2種以上の面配向処理
を行っても良い。また、面配向成形体に対して、1種類
の面配向処理を複数回繰り返り行っても良く、あるい
は、2種以上の配向処理をそれぞれ複数回繰り返し行っ
ても良い。
【0091】次に、熱処理工程について説明する。熱処
理工程は、成形工程で得られた成形体を加熱し、第1異
方形状粉末と第1反応原料とを反応させる工程である。
第1異方形状粉末と第1反応原料とを含む成形体を所定
の温度に加熱すると、これらの反応によって第1のペロ
ブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物が生成し、これ
と同時に、生成した第1のペロブスカイト型5価金属酸
アルカリ化合物の焼結が進行する。また、第1異方形状
粉末及び/又は第1反応原料の組成によっては、余剰成
分も同時に生成する。
【0092】加熱温度は、反応及び/又は焼結が効率よ
く進行し、かつ、目的とする組成を有する反応物が生成
するように、使用する第1異方形状粉末、第1反応原
料、作製しようとする結晶配向セラミックスの組成等に
応じて最適な温度を選択すればよい。
【0093】例えば、KNN組成を有する異方形状粉末
Aを用いて、KNN組成を有する結晶配向セラミックス
を製造する場合、加熱温度は、900℃以上1300℃
以下が好ましい。この場合、加熱は、大気中、酸素中、
減圧下又は真空下のいずれの雰囲気下で行っても良い。
また、加熱時間は、所定の焼結体密度が得られるよう
に、加熱温度に応じて最適な時間を選択すればよい。
【0094】また、第1異方形状粉末と第1反応原料と
の反応によって余剰成分が生成する場合、焼結体中に余
剰成分を副相として残留させても良く、あるいは、焼結
体から余剰成分を除去しても良い。余剰成分を除去する
場合、その方法には、熱的に除去する方法と、化学的に
除去する方法がある。
【0095】熱的に除去する方法は、第1のペロブスカ
イト型5価金属酸アルカリ化合物及び余剰成分が生成し
た焼結体(以下、これを「中間焼結体」という。)を所
定温度に加熱し、余剰成分を揮発させる方法である。具
体的には、中間焼結体を減圧下もしくは真空下におい
て、余剰成分の揮発が生じる温度で加熱する方法、中間
焼結体を大気中もしくは酸素中において、余剰成分の揮
発が生じる温度で長時間加熱する方法等が好適な一例と
して挙げられる。
【0096】余剰成分を熱的に除去する際の加熱温度
は、余剰成分の揮発が効率よく進行し、かつ、副生成物
の生成が抑制されるように、第1のペロブスカイト型5
価金属酸アルカリ化合物及び余剰成分の組成に応じて、
最適な温度を選択すればよい。例えば、第1のペロブス
カイト型5価金属酸アルカリ化合物がKNN単相であ
り、余剰成分が酸化ビスマス単相である場合、加熱温度
は、800℃以上1300℃以下が好ましく、さらに好
ましくは、1000℃以上1200℃以下である。
【0097】余剰成分を化学的に除去する方法は、余剰
成分のみを浸食させる性質を有する処理液中に中間焼結
体を浸漬し、余剰成分を抽出する方法である。使用する
処理液は、第1のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ
化合物及び余剰成分の組成に応じて、最適なものを選択
すればよい。例えば、第1のペロブスカイト型5価金属
酸アルカリ化合物がKNN単相であり、余剰成分が酸化
ビスマス単相である場合、処理液は、硝酸、塩酸等の酸
を用いるのが好ましい。特に、硝酸は、酸化ビスマスを
主成分とする余剰成分を化学的に抽出する処理液として
好適である。
【0098】第1異方形状粉末と第1反応原料との反応
及び余剰成分の除去は、同時、逐次又は個別のいずれの
タイミングで行っても良い。例えば、成形体を減圧下又
は真空下において、第1異方形状粉末と第1反応原料と
の反応及び余剰成分の揮発の双方が効率よく進行する温
度まで直接加熱し、反応と同時に余剰成分の除去を行っ
ても良い。
【0099】また、例えば、大気中又は酸素中におい
て、第1異方形状粉末と第1反応原料との反応が効率よ
く進行する温度で成形体を加熱し、中間焼結体を生成さ
せた後、引き続き中間焼結体を減圧下又は真空下におい
て、余剰成分の揮発が効率よく進行する温度で加熱し、
余剰成分の除去を行っても良い。あるいは、中間焼結体
を生成させた後、引き続き中間焼結体を大気中又は酸素
中において、余剰成分の揮発が効率よく進行する温度で
長時間加熱し、余剰成分の除去を行っても良い。
【0100】また、例えば、中間焼結体を生成させ、中
間焼結体を室温まで冷却した後、中間焼結体を処理液に
浸漬して、余剰成分を化学的に除去しても良い。あるい
は、中間焼結体を生成させ、室温まで冷却した後、再
度、中間焼結体を所定の雰囲気下において所定の温度に
加熱し、余剰成分を熱的に除去しても良い。
【0101】なお、バインダを含む成形体の場合、熱処
理工程の前に、脱脂を主目的とする熱処理を行っても良
い。この場合、脱脂の温度は、少なくともバインダを熱
分解させるに十分な温度であれば良い。
【0102】また、配向成形体の脱脂を行うと、配向成
形体中の第1異方形状粉末の配向度が低下したり、ある
いは、配向成形体に体積膨張が発生する場合がある。こ
のような場合には、脱脂を行った後、熱処理を行う前
に、配向成形体に対して、さらに静水圧(CIP)処理
を行うのが好ましい。脱脂後の成形体に対して、さらに
静水圧処理を行うと、脱脂に伴う配向度の低下、あるい
は、配向成形体の体積膨張に起因する焼結体密度の低下
を抑制できるという利点がある。
【0103】また、第1異方形状粉末と第1反応原料と
の反応によって余剰成分が生成する場合において、余剰
成分の除去を行う時には、余剰成分を除去した中間焼結
体に対し、さらに、静水圧処理を施し、これを再焼成し
ても良い。また、焼結体密度及び配向度をさらに高める
ために、熱処理後の焼結体に対してさらにホットプレス
を行う方法も有効である。さらに、化合物微粉を添加す
る方法、CIP処理、ホットプレス等の方法とを組み合
わせて用いても良い。
【0104】次に、本発明に係る結晶配向セラミックス
の製造方法の作用について説明する。第1異方形状粉末
及び第1反応原料を混合し、これを第1異方形状粉末に
対して一方向から力が作用するような成形方法を用いて
成形すると、第1異方形状粉末に作用する剪断応力によ
って第1異方形状粉末が成形体中に配向する。このよう
な成形体を所定の温度で加熱すると、第1異方形状粉末
と第1反応原料が反応し、第1のペロブスカイト型5価
金属酸アルカリ化合物が生成する。
【0105】この時、第1異方形状粉末の発達面と第1
のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物の特定の
結晶面との間には格子整合性があるので、第1異方形状
粉末の発達面が、生成した第1のペロブスカイト型5価
金属酸アルカリ化合物の特定の結晶面として承継され
る。そのため、焼結体中には、特定の結晶面が一方向に
配向した状態で、第1のペロブスカイト型5価金属酸ア
ルカリ化合物の異方形状結晶が生成する。
【0106】層状ペロブスカイト型化合物からなる異方
形状粉末を反応性テンプレートとして用いて、等方性ペ
ロブスカイト型化合物のみを生成させる従来の方法は、
異方形状粉末及びその他の原料に含まれるすべてのAサ
イト元素及びBサイト元素を含む等方性ペロブスカイト
型化合物からなる結晶配向セラミックス又は異方形状粉
末のみが製造可能である。
【0107】一方、反応性テンプレートとして用いる異
方形状粉末の材質は、結晶格子の異方性の大きく、か
つ、等方性ペロブスカイト型化合物との間に格子整合性
を有するものであることが必要であるが、作製しようと
する等方性ペロブスカイト型化合物の組成によっては、
このような条件を満たす材料が存在しないか、あるい
は、その探索に著しい困難を伴う場合がある。従って、
従来の方法では、得られる結晶配向セラミックス又は異
方形状粉末の組成制御、特に、Aサイト元素の組成制御
には限界があった。
【0108】これに対し、まず、異方形状粉末の合成が
容易な層状ペロブスカイト型化合物からなる第2異方形
状粉末を反応性テンプレートに用いて、第2のペロブス
カイト型5価金属酸アルカリ化合物からなる異方形状粉
末Aを合成し、次いで、この異方形状粉末Aを反応性テ
ンプレートに用いて結晶配向セラミックスを製造する第
1の方法によれば、結晶格子の異方性の小さい第1のペ
ロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物であっても、
任意の結晶面が配向した結晶配向セラミックスを容易か
つ安価に製造することができる。
【0109】しかも、第2異方形状粉末及び第2反応原
料の組成を最適化すれば、余剰Aサイト元素を含まない
異方形状粉末Aであっても合成することができる。その
ため、従来の方法に比してAサイト元素の組成制御が容
易化し、従来の方法では得られない組成を有する第1の
ペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物を主相とす
る結晶配向セラミックスであっても製造することができ
る。
【0110】また、第1異方形状粉末として、層状ペロ
ブスカイト型化合物からなる第2異方形状粉末を用いる
第2の方法によれば、焼結と同時に第1のペロブスカイ
ト型5価金属酸アルカリ化合物を合成することができ
る。また、成形体中に配向させる第2異方形状粉末及び
これと反応させる第1反応原料の組成を最適化すれば、
第1のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物を合
成すると同時に、第2異方形状粉末から余剰Aサイト元
素を余剰成分として排出することができる。
【0111】さらに、熱的又は化学的な除去が容易な余
剰成分を生成する第2異方形状粉末を第1異方形状粉末
として用いた場合には、実質的に余剰Aサイト元素を含
まず、第1のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合
物からなり、かつ、特定の結晶面が配向した結晶配向セ
ラミックスが得られる。
【0112】
【実施例】(実施例1)以下の手順に従い、NN組成を
有する板状粉末を合成した。まず、化学量論比でBIN
N2組成となるようにBi粉末、NaCO
末及びNb 粉末を秤量し、これらを湿式混合し
た。次いで、この原料に対し、フラックスとしてNaC
lを50wt%添加し、1時間乾式混合した。さらに、
得られた混合物を白金るつぼに入れ、850℃×1hの
条件下で加熱し、フラックスを完全に溶解させた後、1
050℃×1hの条件下で加熱し、BINN2の合成を
行った。なお、昇温速度は、200℃/hとし、降温速
度は、200℃/hとした。
【0113】冷却後、反応物から湯煎によりフラックス
を取り除き、BINN2粉末を得た。得られたBINN
2粉末は、{001}面を発達面とする板状粉末であっ
た。また、この粉末の平均アスペクト比は、3〜5であ
り、平均粒径は、5〜10μmであった。
【0114】次に、このBINN2板状粉末とNa
粉末とを、化学量論比でNN組成となるように秤量
し、これらを湿式混合した。次いで、これらの原料に対
し、フラックスとしてNaClを50wt%添加し、1
時間乾式混合した。さらに、得られた混合物を白金るつ
ぼに入れ、850℃×8hの条件下で熱処理を行った。
なお、昇温速度は、200℃/hとし、降温速度は20
0℃/hとした。
【0115】得られた反応物には、NN粉末に加えてB
が含まれているので、反応物からフラックスを
取り除いた後、これをHNO(1N)中に入れ、余剰
成分として生成したBiを溶解させた。さらに、
この溶液を濾過してNN粉末を分離し、80℃のイオン
交換水で洗浄した。得られたNN粉末は、{100}面
を発達面とする板状粉末であった。また、この粉末の平
均アスペクト比は、3〜10であり、平均粒径は、1〜
10μmであった。
【0116】(実施例2)以下の手順に従い、KNN組
成を有する板状粉末を合成した。まず、実施例1前段と
同一の手順に従い、BINN2板状粉末を合成した。次
に、このBINN2板状粉末、NaCO粉末及びK
CO粉末を、化学量論比でKNN組成となるように
秤量した以外は、実施例1後段と同一の手順に従い、K
NN粉末を合成した。得られたKNN粉末は、{10
0}面を発達面とする板状粉末であった。また、この粉
末の平均アスペクト比は、3〜10であり、平均粒径
は、1〜10μmであった。
【0117】(実施例3)以下の手順に従い、NN組成
を有する板状粉末を合成した。まず、化学量論比でBi
2.5Na3.5Nb18(以下、これを「BIN
N5」という。)組成となるようにBi粉末、N
CO粉末及びNb粉末を秤量した以外は、
実施例1前段と同一の手順に従い、BINN5板状粉末
を合成した。次に、このBINN5板状粉末とNa
粉末とを、化学量論比でNN組成となるように秤量
した以外は、実施例1後段と同一の手順に従い、NN粉
末を合成した。図1及び図2に、それぞれ、得られた粉
末のSEM写真及びX線回折図形を示す。得られた粉末
は、NN単相であり、かつ{100}面を発達面とする
板状粉末であった。また、この粉末の平均アスペクト比
は、10〜20であり、平均粒径は、5〜10μmであ
った。
【0118】(実施例4)以下の手順に従い、KNN組
成を有する板状粉末を合成した。まず、化学量論比でB
INN5組成となるようにBi粉末、NaCO
粉末及びNb粉末を秤量した以外は、実施例1
前段と同一の手順に従い、BINN5板状粉末を合成し
た。次に、このBINN5板状粉末、NaCO
末、KCO 粉末及びNb粉末を、化学量論比
でKNN組成となるように秤量した以外は、実施例1後
段と同一の手順に従い、KNN粉末を合成した。得られ
たKNN粉末は、{100}面を発達面とする板状粉末
であった。また、この粉末の平均アスペクト比は、10
〜30であり、平均粒径は、5〜10μmであった。
【0119】(実施例5)以下の手順に従い、KNbO
(以下、これを「KN」という。)組成を有する板状
粉末を合成した。まず、化学量論比でBi2.5
0.5Nb(以下、これを「BIKN2」とい
う。)組成となるように、Bi粉末、KCO
粉末及びNb粉末を秤量し、これらを湿式混合し
た。次いで、この原料に対し、フラックスとしてKCl
を50wt%添加し、1時間乾式混合した。さらに、得
られた混合物を白金るつぼに入れ、800℃×1hの条
件下で加熱し、フラックスを完全に溶解させた後、90
0℃×1hの条件下で加熱し、BIKN2の合成を行っ
た。なお、昇温速度は、200℃/hとし、降温速度
は、200℃/hとした。
【0120】冷却後、反応物から湯煎によりフラックス
を取り除き、BIKN2粉末を得た。得られたBIKN
2粉末は、{001}面を発達面とする板状粒子であっ
た。また、この粉末の平均アスペクト比は、3〜5であ
り、平均粒径は、5〜10μmであった。
【0121】次に、このBIKN2板状粉末とKCO
粉末とを化学量論比でKN組成となるように秤量し、
これらを湿式混合した。次いで、これらの原料に対し、
フラックスとしてKClを50wt%添加し、1時間乾
式混合した。さらに、得られた混合物を白金るつぼに入
れ、800℃×8hrの条件下で熱処理を行った。な
お、昇温速度は200℃/hとし、降温速度は、200
℃/hとした。
【0122】得られた反応物には、KN粉末に加えてB
が含まれているので、実施例1後段と同一の手
順に従い、Biを除去して、KN粉末を得た。得
られたKN粉末は、{100}面を発達面とする板状粉
末であった。また、この粉末の平均アスペクト比は、3
〜10であり、平均粒径は、1〜10μmであった。
【0123】(実施例6)実施例3で得られたNN板状
粉末を用いて、KNNを主相とする結晶配向セラミック
スを作製した。まず、実施例3で得られたNN板状粉
末、非板状KN粉末を1:1のモル比で秤量し、20時
間の湿式混合を行った。
【0124】混合終了後、バインダ(積水化学(株)
製、エスレックBH−3)、可塑剤(フタル酸ブチル)
及び焼結助剤(CuO)を、それぞれ、合成する焼結体
中のKNN1molに対して10.35g、10.35
g及び0.795gをスラリーに加えた後、さらに1h
混合した。
【0125】なお、非板状KN粉末は、所定量のK
粉末及びNb粉末を含む混合物を800℃で
4時間加熱し、反応物をボールミル粉砕する固相法によ
り作製した。
【0126】次に、ドクターブレード装置を用いて、ス
ラリーを厚さ100μmのテープ状に成形した。さら
に、このテープを積層、圧着及び圧延することにより、
厚さ1.5mmの板状成形体を得た。次に、得られた板
状成形体を、大気中において、加熱温度:600℃、加
熱時間:2時間、昇温速度:50℃/h、冷却速度:炉
冷の条件下で脱脂した。さらに、板状成形体を圧力:3
00MPaでCIP処理した後、大気中において、11
00℃又は1125℃で10時間焼成した。
【0127】得られた結晶配向セラミックス中のKNN
の{100}面は、テープ面に対して平行に配向してお
り、ロットゲーリング法による{100}面の配向度
は、加熱温度1100℃の焼結体で43%、加熱温度1
125℃の焼結体で64%であった。
【0128】(実施例7)実施例3で得られたNN板状
粉末を用い、NN板状粉末、非板状KN粉末、非板状K
NN粉末を1:1:3のモル比で配合した以外は、実施
例6と同一の手順に従い、KNNを主相とする結晶配向
セラミックスを作製した。なお、非板状KNN粉末及び
非板状KN粉末は、所定量のKCO粉末、Na
粉末及びNb粉末を含む混合物を800℃で
4時間加熱し、反応物をボールミル粉砕する固相法によ
り作製した。
【0129】得られた結晶配向セラミックス中のKNN
の{100}面は、テープ面に対して平行に配向してお
り、ロットゲーリング法による{100}面の配向度
は、加熱温度1100℃の焼結体で30%、加熱温度1
125℃の焼結体で38%であった。
【0130】(実施例8)実施例3で得られたNN板状
粉末を用い、NN板状粉末、KCO粉末、Nb
粉末を2:1:1のモル比で配合した以外は、実施例
6と同一の手順に従い、KNNを主相とする結晶配向セ
ラミックスを作製した。
【0131】得られた結晶配向セラミックス中のKNN
の{100}面は、テープ面に対して平行に配向してお
り、ロットゲーリング法による{100}面の配向度
は、加熱温度1100℃の焼結体で36%あった。
【0132】(実施例9)実施例3で得られたNN板状
粉末を用い、NN板状粉末、非板状NN粉末、非板状K
N粉末を1:1:2のモル比で配合した以外は、実施例
6と同一の手順に従い、KNNを主相とする結晶配向セ
ラミックスを作製した。なお、非板状NN粉末及び非板
状KN粉末は、所定量のNaCO粉末、KCO
粉末及びNb粉末を含む混合物を800℃で4時
間加熱し、反応物をボールミルで粉砕する固相法により
作製した。
【0133】得られた結晶配向セラミックス中のKNN
の{100}面は、テープ面に対して平行に配向してお
り、ロットゲーリング法による{100}面の配向度
は、加熱温度1125℃の焼結体で40%であった。さ
らに、得られた焼結体を厚さ0.7mm、直径11mm
に研削、研磨、加工した後、Au電極をスパッタにより
円盤状試料の上下面にコーティングした。円盤状試料に
分極処理を施した後、共振反共振法により圧電電圧セン
サg係数(g31)及び圧電歪み定数(d31)を測定
した。なお、円盤状試料の上下面は、テープ面に対して
平行な面になるよう加工した。その結果、g31は、1
0.7×10−3Vm/Nであり、d31は、34.6
pm/Vであった。d31の値は、後述する無配向KN
N焼結体(比較例1)の場合に比べて、約1.2倍であ
った。
【0134】(実施例10)実施例3で得られたNN板
状粉末を用い、焼成時間を20時間とした以外は、実施
例9と同一の手順に従い、KNNを主相とする結晶配向
セラミックスを作製した。
【0135】得られた結晶配向セラミックス中のKNN
の{100}面は、テープ面に対して平行に配向してお
り、ロットゲーリング法による{100}面の配向度
は、加熱温度1125℃の焼結体で30%であった。さ
らに得られた焼結体から、実施例9と同一の手順に従
い、圧電特性評価用の円盤状試料を作製した。円盤状試
料に分極処理を施した後、共振反共振法により圧電電圧
センサg係数(g31)及び圧電歪み定数(d31)を
測定した。その結果、g31は、9.7×10−3Vm
/Nであり、d31は、44.7pm/Vであった。d
31の値は、後述する無配向KNN焼結体(比較例1)
の場合に比べて、約1.5倍であった。
【0136】(実施例11)実施例3で得られたNN板
状粉末を用い、NN板状粉末、非板状NN粉末、非板状
KN粉末を1:9:10のモル比で配合し、焼成時間を
5時間とした以外は、実施例9と同一の手順に従い、K
NNを主相とする結晶配向セラミックスを作製した。な
お、非板状NN粉末及び非板状KN粉末は、所定量のN
CO粉末、KCO粉末及びNb粉末を
含む混合物を800℃で4時間加熱し、反応物をボール
ミル粉砕する固相法により作製した。
【0137】得られた結晶配向セラミックス中のKNN
の{100}面は、テープ面に対して平行に配向してお
り、ロットゲーリング法による{100}面の配向度
は、加熱温度1100℃の焼結体で96%であった。図
3に、本実施例で得られた結晶配向セラミックスのテー
プ面に対して平行な面について測定されたX線回折図形
を示す。さらに、得られた焼結体から、実施例9と同一
の手順に従い、圧電特性評価用の円盤状試料を作製し
た。円盤状試料に分極処理を施した後、共振反共振法に
より圧電電圧センサg係数(g31)及び圧電歪み定数
(d31)を測定した。その結果、g31は、22.5
×10−3Vm/Nであり、d31は、41.3pm/
Vであった。これらは、後述する無配向KNN焼結体
(比較例1)の場合に比べて、g31で約1.6倍、d
31で約1.4倍であった。
【0138】(比較例1)出発原料として、固相法によ
り合成したKNN粉末のみを用いた以外は、実施例6と
同一の手順に従い、KNNを主相とする無配向セラミッ
クスを作製した。得られた無配向セラミックスのロット
ゲーリング法による{100}面配向度は、加熱温度に
よらず、0%であった。また、圧電電圧センサg係数
(g31)は、加熱温度1100℃の焼結体で13.9
×10−3Vm/Nであった。さらに、加熱温度110
0℃の焼結体の圧電歪み定数(d31)は、29.2p
m/Vであった。
【0139】表1に、実施例9、10、11及び比較例
1で得られた各焼結体の焼成条件及び焼結体特性を示
す。
【0140】
【表1】
【0141】以上、本発明の実施の形態について詳細に
説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の
改変が可能である。
【0142】例えば、上記実施例では、5価金属として
Nbを含むペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物
に対して本発明を適用した例について主に説明したが、
5価金属としてSb又はTaを含むもの、あるいは、N
b、Sb及びTaの内の2種以上の5価金属を含むもの
に対しても本発明を同様に適用することができる。
【0143】また、上記実施例では、結晶配向セラミッ
クスを製造するに際し、常圧で熱処理を行っているが、
熱処理後の焼結体に対して、ホットプレスあるいはHI
P処理を行い、結晶配向セラミックスの緻密化を行って
も良い。
【0144】また、本発明に係る異方形状粉末Aは、本
発明に係る結晶配向セラミックスを作製するための反応
性テンプレートとして特に好適であるが、本発明に係る
異方形状粉末Aの用途はこれに限定されるものではな
く、圧電ゴム複合材料用の粉末等としても用いることが
できる。
【0145】さらに、上記実施の形態では、圧電材料と
して好適なペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物
からなる結晶配向セラミックス及び異方形状粉末A並び
にこれらの製造方法について主に説明したが、ペロブス
カイト型5価金属酸アルカリ化合物に対して適当な副成
分及び/又は副相を添加すれば、熱電特性やイオン伝導
特性を付与することができる。そのため、本発明に係る
製造方法を応用すれば、熱電材料やイオン伝導材料とし
て好適な結晶配向セラミックス及び異方形状粉末Aであ
っても製造することができる。
【0146】
【発明の効果】本発明に係る結晶配向セラミックスは、
第1のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物を主
相とする多結晶体からなり、かつ、多結晶体を構成する
各結晶粒の特定の結晶面が配向しているので、同一組成
を有する無配向セラミックスに比して高い特性を示すと
いう効果がある。
【0147】また、本発明に係る結晶配向セラミックス
の製造方法は、その発達面が第1のペロブスカイト型5
価金属酸アルカリ化合物の特定の結晶面と格子整合性を
有する第1異方形状粉末を反応性テンプレートとして用
いているので、第1のペロブスカイト型5価金属酸アル
カリ化合物からなり、かつ、特定の結晶面が配向した結
晶配向セラミックスを容易かつ低コストで得られるとい
う効果がある。また、第1異方形状粉末及び第1反応原
料の組成を最適化することによって、結晶配向セラミッ
クスの主相を構成する第1のペロブスカイト型5価金属
酸アルカリ化合物に含まれるAサイト元素の組成制御が
容易化するという効果がある。
【0148】また、本発明に係る異方形状粉末Aは、第
2のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物からな
り、かつ、特定の結晶面を発達面とするので、これを結
晶配向セラミックス製造用の反応性テンプレートとして
用いれば、従来の方法では得られない組成を有する第1
のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物からな
り、かつ、高い配向度を有する結晶配向セラミックスが
得られるという効果がある
【0149】さらに、本発明に係る異方形状粉末Aの製
造方法は、層状ペロブスカイト型化合物からなる所定の
第2異方形状粉末を反応性テンプレートとして用い、こ
れと所定の組成を有する第2反応原料とをフラックス中
で反応させるので、第2のペロブスカイト型5価金属酸
アルカリ化合物からなり、かつ、任意の結晶面を発達面
とする異方形状粉末Aが容易に得られるという効果があ
る。また、第2異方形状粉末及び第2反応原料の組成を
最適化することによって、異方形状粉末Aを構成する第
2のペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物に含ま
れるAサイト元素の組成制御が容易化するという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例3で得られたNN板状粉末の
SEM写真である。
【図2】 図2は、実施例3で得られたNN板状粉末の
X線回折図形である。
【図3】 図3は、実施例11で得られた結晶配向セラ
ミックスのテープ面に対して平行な面について測定され
たX線回折図形である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷 俊彦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4G030 AA02 AA03 AA04 AA20 AA43 BA10 CA01 CA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:ABOで表される等方性ペロ
    ブスカイト型化合物であって、Aサイト元素の主成分が
    K及び/又はNaであり、Bサイト元素の主成分がN
    b、Sb及び/又はTaである第1のペロブスカイト型
    5価金属酸アルカリ化合物を主相とする多結晶体からな
    り、かつ、 該多結晶体を構成する各結晶粒の特定の結晶面が配向し
    ていることを特徴とする結晶配向セラミックス。
  2. 【請求項2】 その発達面が請求項1に記載の第1のペ
    ロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物の特定の結晶
    面と格子整合性を有する第1異方形状粉末と、該第1異
    方形状粉末と反応して、少なくとも前記第1のペロブス
    カイト型5価金属酸アルカリ化合物を生成する第1反応
    原料とを混合する混合工程と、 該混合工程で得られた混合物を前記第1異方形状粉末が
    配向するように成形する成形工程と、 該成形工程で得られた成形体を加熱し、前記第1異方形
    状粉末と前記第1反応原料とを反応させる熱処理工程と
    を備えた結晶配向セラミックスの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1異方形状粉末は、 {001}面を発達面とし、かつ 一般式:(Bi)2+(Bi0.5AMm−1.5
    Nb3m+1)2−(但し、mは2以上の整数。A
    Mは、Na、K及びLiからなる群から選ばれる少なく
    とも1つのアルカリ金属元素。)で表されるビスマス層
    状ペロブスカイト型化合物からなる第2異方形状粉末
    と、該第2異方形状粉末と反応して、少なくとも第2の
    ペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物を生成する
    第2反応原料とを、 フラックス中において加熱することにより得られる異方
    形状粉末Aである請求項2に記載の結晶配向セラミック
    スの製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式:ABOで表される等方性ペロ
    ブスカイト型化合物であって、Aサイト元素の主成分が
    K、Na及び/又はLiであり、Bサイト元素の主成分
    がNb、Sb及び/又はTaである第2のペロブスカイ
    ト型5価金属酸アルカリ化合物からなり、かつ、特定の
    結晶面を発達面とする異方形状粉末A。
  5. 【請求項5】 層状ペロブスカイト型化合物からなり、
    かつ、その発達面が請求項4に記載の第2のペロブスカ
    イト型5価金属酸アルカリ化合物の特定の結晶面と格子
    整合性を有する第2異方形状粉末と、 該第2異方形状粉末と反応して、少なくとも前記第2の
    ペロブスカイト型5価金属酸アルカリ化合物からなる異
    方形状粉末Aを生成する第2反応原料とを、 フラックス中で加熱することを特徴とする異方形状粉末
    Aの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2異方形状粉末は、 {001}面を発達面とし、かつ一般式:(Bi)
    2+(Bi0.5AMm−1.5Nb3m+1)2−
    (但し、mは2以上の整数。AMは、Na、K及びLi
    からなる群から選ばれる少なくとも1つのアルカリ金属
    元素。)で表されるビスマス層状ペロブスカイト型化合
    物からなる請求項5に記載の異方形状粉末Aの製造方
    法。
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