JP2009040672A - 板状多結晶粒子、板状多結晶粒子の製造方法、結晶配向セラミックスの製造方法 - Google Patents

板状多結晶粒子、板状多結晶粒子の製造方法、結晶配向セラミックスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粒径やアスペクト比を容易に調整することができる板状多結晶粒子を提供する。
【解決手段】板状多結晶粒子10は、無機粒子を所定厚さ(15μm)以下の自立したシート状の成形体に成形しこれを焼成し、所定サイズのメッシュの開口部を通過させることにより焼成後の成形体を解砕及び分級して得られる。無機粒子は、等方的且つ多面体形状の結晶粒子(例えば立方体)に成長するペロブスカイト構造を有する酸化物により構成されているが、厚さ方向への粒成長が限られており、シートの面方向に粒成長がより促されるため、アスペクト比が大きく配向度の高い結晶粒子12を得ることができる。このため、板状多結晶粒子10は、その大部分が厚さ方向に結晶粒子12が1個であり、アスペクト比が大きく配向度が高いものである。また、この板状多結晶粒子10は、粒界部14で結晶粒子12同士が結合された構造であり、この粒界部14で解砕しやすい。
【選択図】図1

Description

本発明は、板状多結晶粒子、板状多結晶粒子の製造方法、結晶配向セラミックスの製造方法に関する。
従来、結晶配向セラミックスとしては、結晶に含まれる特定の結晶面の配向度を高めることにより圧電特性を向上させるものが提案されている(特許文献1、2参照)。また、結晶配向セラミックスの製造方法としては、例えば、形状異方性を有するホスト材料Aとホスト材料Aの少なくとも一つの結晶面と結晶整合性を有し且つ結晶異方性の小さいゲスト材料Bとを混合する混合工程と、ホスト材料Aの結晶面を配向させる配向工程と、配向したものを加熱してゲスト材料Bの結晶面を配向させる焼成工程とを含むことにより、結晶異方性の小さなゲスト材料Bを用いても配向性を高めたセラミックスを得るものが提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。更に、水熱合成によってホスト材料自体の配向性を高めるものなどが提案されている(特許文献4)。
特開平11−60333号公報 特開2003−12373号公報 特開平10−330184号公報 特開2007−22857号公報
しかしながら、この特許文献1〜3に記載された製造方法では、ホスト材料が単結晶であることから、ホスト材料の粒径やアスペクト比などを容易に変更することができなかった。また、この結晶配向セラミックスの製造において、成形時の配向を有利とするためホスト材料のアスペクト比を大きくしようとすると、一次粒子径も大きくなり、これを用いた場合、例えば焼結性が低下したり、結晶配向セラミックスの密度が低下したり、粒径が大きくなってしまう場合などがあり、機械的強度や絶縁性などの低下が起きる問題があった。また、特許文献2では、層状ペロブスカイト構造を有する組成において板状結晶を得たあと、この組成の一部を置換させることにより、望ましい元素から成るホスト材料を合成するものであるが、この置換反応が十分に進まないことがあり、最終的に得られる材料に望ましくない元素が残留することがあった。また、処理が煩雑であった。更に、特許文献4に記載されたホスト材料は、原料を含む水溶液を高温・高圧にして合成する水熱合成によって作製されるため、合成する処理に手間がかかった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、粒径やアスペクト比を容易に調整することができる板状多結晶粒子、板状多結晶粒子の製造方法、結晶配向セラミックスの製造方法を提供することを目的の一つとする。また、組成がより均質な板状多結晶粒子、板状多結晶粒子の製造方法、結晶配向セラミックスの製造方法を提供することを目的の一つとする。また、より簡単な処理で結晶の配向度を高めることができる板状多結晶粒子、板状多結晶粒子の製造方法、結晶配向セラミックスの製造方法を提供することを目的の一つとする。
上述した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明者らは、無機粒子を厚さが15μm以下の自立したシート状の成形体に成形し、この成形体を該成形体と実質的に反応しない不活性層に隣接させ又は、該成形体のまま焼成し、所定サイズの開口部を通過させることにより焼成後の成形体を解砕及び分級したところ、板状多結晶粒子やこれに含まれる結晶粒子の粒径やアスペクト比を容易に調整することができ、より簡単な処理で結晶粒子の配向度を高めることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の板状多結晶粒子は、
結晶粒子を複数含み、
実質的に厚さ方向の該結晶粒子が1個であり該複数の結晶粒子が特定の結晶面を揃えた状態で粒界部で結合されている、ものである。
また、本発明の板状多結晶粒子の製造方法は、
結晶粒子を複数含む板状多結晶粒子の製造方法であって、
無機粒子を厚さが15μm以下の自立したシート状の成形体に成形する成形工程と、
前記成形体を該成形体と実質的に反応しない不活性層に隣接させ又は、該成形体のまま焼成する焼成工程と、
所定サイズの開口部を通過させることにより前記焼成後の成形体を解砕及び分級する粉砕工程と、
を含むものである。
更に、本発明の結晶配向セラミックスの製造方法は、
上述した本発明の板状多結晶粒子と、原料粉体とを混合する混合工程と、
前記混合した粉体のうち前記板状多結晶粒子を所定方向に配向させ所定の2次成形体に成形する第2成形工程と、
前記板状多結晶粒子が配向している方向に前記原料粉体を配向させるよう前記2次成形体を焼成する第2焼成工程と、
を含むものである。
本発明の板状多結晶粒子、板状多結晶粒子の製造方法及び結晶配向セラミックスの製造方法によれば、無機粒子を所定厚さの自立したシート状の成形体に成形しこれを焼成し、所定サイズの開口部を通過させることにより焼成後の成形体を解砕及び分級すればよいため、より簡単な処理で結晶の配向度を高めることができる。また、板状多結晶粒子が、粒界部で結晶粒子同士が結合された構造であり、実質的に厚さ方向の該結晶粒子が1個であり、この粒界部で解砕しやすいため、粒径やアスペクト比などを容易に調整することができる。また、添加剤などを加えたり、望まない元素を含んだ組成を経由する必要がないため、より組成が均質なものを得ることができる。なお、「添加剤などを加える必要がない」とは、本発明に添加剤を加えて配向度を更に高めることを排除する趣旨ではない。
本発明の板状多結晶粒子を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態の板状多結晶粒子10の一例を表す説明図である。この板状多結晶粒子10は、特定の結晶面11を有する結晶粒子12を複数含み、実質的に厚さ方向の該結晶粒子が1個でありこの複数の結晶粒子12がこの特定の結晶面11を揃えた状態で粒界部14で結合されている形状を有している。即ち、板状多結晶粒子10は、特定の結晶面11を揃えた複数の結晶粒子12が略2次元的に連なった形状を有している。この「特定の結晶面11を揃えた状態」とは、複数の結晶粒子12の結晶面11が同一面上にある場合や(図1(a))、同一面上ではないが結晶面11の向いている方向が同じ場合(図1(b))、結晶面11の向いている方向が異なるものがあってもおおよそ複数の結晶粒子12の結晶面11が同一面上にあるか、同一面上ではないが結晶面11の向いている方向が同じ場合(図1(c))などの状態をいうものとする。この板状多結晶粒子10は、無機粒子をシート状の成形体に成形し、この成形体を焼成して粒成長させた焼成成形体を解砕して得られるものである。なお、ここでは、説明の便宜のため、未焼成のシート状の成形体を「成形体」と称し、焼成後のシート状の成形体を「焼成成形体」と称し、焼成成形体を所定の粒径に解砕・分級したものを「板状多結晶粒子」と称するものとする。
この板状多結晶粒子10は、実質的に厚さ方向の結晶粒子が1個である。この「実質的に厚さ方向の結晶粒子が1個」とは、一部で結晶粒子12が重なり合う部分があっても、他の大部分では結晶粒子12が重なり合わずに、厚さ方向に結晶粒子12を1個だけ含むことをいう。また、中心部分など板状多結晶粒子10の大部分が2個以上の結晶粒子12が結合した状態であり、端部のみ厚さ方向に1個であるようなものは含まない趣旨である。この板状多結晶粒子10は、厚さ方向に存在する材料が限られているため、焼成などにより粒成長すると、厚さ方向に結晶粒子12を1個有する状態となり、厚さ方向よりも面方向に粒成長が促される。このため、面方向に扁平な結晶粒子12が配列すると共に、特定の結晶面11が配向するのである。この板状多結晶粒子10は、粒成長時に、結晶粒子12の粒成長がシート状の成形体の厚さまで達しないものや、結晶面11の向く方向が異なるものが存在することがあるため、図1(b),(c)などのように、結晶粒子12が重なり合う部分や結晶面11の向いている方向が異なるものなどが局所的に存在するが、概して結晶面11の方向が同じ複数の結晶粒子12が粒界部14で結合された形状を有している。この板状多結晶粒子10は、結晶粒子12を1個だけ含む部分が、板状多結晶粒子10の面積割合で70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが最も好ましい。この面積割合は、できる限り板状多結晶粒子10を分散した状態で電子顕微鏡観察(SEM観察)を行い、得られたSEM写真に含まれる面積の割合として求めるものとする。なお、厚さ方向に結晶粒子12を1個だけ含む部分の面積は、面方向の長さが厚さ以上である結晶粒子の総面積から予測することも可能である。この板状多結晶粒子10は、結晶粒子12が重なるような部分は全体の一部分(例えば面積割合で30%以下など)であり、結晶粒子12同士が結合する粒界部14で比較的簡単に解砕することができる。
本発明の板状多結晶粒子10において、板状多結晶粒子10の長手方向の長さYは(図1(a)参照)、1.0mm以下や、50μm以下、20μm以下とすることができる。この長さYは、目的の板状多結晶粒子10のサイズに合わせて適宜変更することが可能である。また、板状多結晶粒子10の厚さWに対する板状多結晶粒子10の長手方向の長さYの比である板状多結晶粒子10のアスペクト比(Y/W)は、2以上100以下であることが好ましい。例えば、板状多結晶粒子10を結晶配向セラミックスの結晶配向用の原料として用いる場合には、板状多結晶粒子10のアスペクト比が2以上では、成形時における配向が容易となり、結晶配向性を高めることができるし、100以下では、例えば後述する結晶配向セラミックスの混合工程において、粉砕されにくく、アスペクト比を維持することができるため、板状多結晶粒子10が配向した成形体を容易に得ることができる。ここで、板状多結晶粒子10の厚さWは、板状多結晶粒子10の厚さのうち最も厚い部分の長さとする。板状多結晶粒子10は、厚さWが15μm以下に形成されているのが好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ましく、2μm以下であるのが最も好ましい。また、この厚さWは、0.1μm以上に形成されていることが好ましい。厚さWが0.1μm以上であれば、平板状の板状多結晶粒子10を作成しやすいし、15μm以下であればより配向度を高めることができる。なお、板状多結晶粒子10の厚さWは、通常、結晶粒子12の厚さZと略同じ長さとなる。この板状多結晶粒子10のアスペクト比は、以下のようにして求めるものとする。まず、走査型電子顕微鏡を用いてSEM観察を行い、撮影したSEM写真などから板状多結晶粒子10の厚さWを求める。次に、アルコールなどの溶媒に1〜10重量%となるように板状多結晶粒子10を入れ、例えば30分間の超音波などを用いて分散させ、この分散液を1000〜4000rpmの条件でスピンコートしガラス基板にコートすることにより、できるだけ重ならないように、且つ板状多結晶粒子10に含まれる結晶面11が基板面に対して平行になるように板状多結晶粒子10を薄層に分散させ、この状態でSEM観察を行い、板状多結晶粒子10が5〜30個程度含まれる視野において、板状多結晶粒子10の結晶面を観察し、撮影したSEM写真から板状多結晶粒子10の最長長さYを求める。このとき、重なっている板状多結晶粒子10については無視して構わない。次に、求めた最長長さYを板状多結晶粒子10の粒径と仮定しこの粒径を板状多結晶粒子10の厚さWで除算して各板状多結晶粒子10のアスペクト比を算出し、これを平均した値を板状多結晶粒子10のアスペクト比とする。
本発明の板状多結晶粒子10において、特定の結晶面11の配向度は、ロットゲーリング法で25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、60%以上であることが最も好ましい。配向度が25%以上であると、例えばこの板状多結晶粒子10を更に2次配向させて成形し結晶配向セラミックスを得るのに十分な配向度であるといえる。この配向度が60%以上であると、より高い特性を得ることができる。この特定の結晶面11は、焼成成形体の面内にある擬立方(100)面としてもよい。この擬立方(100)とは、等方性ペロブスカイト型の酸化物は正方晶、斜方晶及び三方晶など、立方晶からわずかに歪んだ構造をとるがその歪みがわずかであるため立方晶とみなしてミラー指数により表示することを意味する。ここで、ロットゲーリング法による配向度は、板状多結晶粒子10に含まれる結晶面11をできるだけ均一な方向にして板状多結晶粒子10をサンプルホルダとしての基板上に載置してXRD回折パターンを測定し、次式(1)により求めるものとした。この、XRD回折パターンの測定は、上述したアスペクト比を求める際のSEM観察のサンプル調整と同様の工程を行うことにより、できるだけ重ならないように、且つ板状多結晶粒子10に含まれる結晶面11がガラスなどの基板面に対して平行になるように板状多結晶粒子10を薄層に分散させ、この状態で測定するものとする。なお、板状多結晶粒子10の大部分が分散しているかどうかをSEM観察などで確認することが好ましい。この数式(1)において、ΣI(hkl)が板状多結晶粒子で測定されたすべての結晶面(hkl)のX線回折強度の総和であり、ΣI0(hkl)が板状多結晶粒子と同一組成であり無配向のものについて測定されたすべての結晶面(hkl)のX線回折強度の総和であり、Σ’I(HKL)が板状多結晶粒子で測定された結晶学的に等価な特定の結晶面(例えば(100)面)のX線回折強度の総和であり、Σ’I0(HKL)が板状多結晶粒子と同一組成であり無配向のものについて測定された特定の結晶面のX線回折強度の総和である。
本発明の板状多結晶粒子10において、結晶粒子12は、厚さZが15μm以下に形成されているのが好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ましく、2μm以下であるのが最も好ましい。また、この厚さZは、0.1μm以上に形成されていることが好ましい。厚さZが0.1μm以上であれば、平板状の板状多結晶粒子10を作成しやすいし、15μm以下であればより配向度を高めることができる。厚さZが15μm以下であれば、等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長する無機粒子を含んでいても、厚さ方向への粒成長が限られており、板状多結晶粒子10の面方向に結晶粒子12の粒成長がより促されるため、特定の結晶面が板状多結晶粒子10の面内に成長することにより、アスペクト比が大きく配向度の高いものとなる。
本発明の板状多結晶粒子10において、結晶粒子12の厚さZに対する結晶粒子12の結晶面11の方向の長さX(図1(a)参照)の比である結晶粒子12のアスペクト比(X/Z)は、1以上であることが好ましく、2以上であるのがより好ましく、4以上であることが更に好ましい。アスペクト比が2以上では、結晶粒子12を配向させやすいため、板状多結晶粒子の配向度も高くなる。このアスペクト比は50以下であることが好ましい。アスペクト比が50以下では、板状多結晶粒子10の大きさを調整しやすい。この結晶粒子12のアスペクト比は、以下のようにして求めるものとする。まず、走査型電子顕微鏡を用いてSEM観察を行い、撮影したSEM写真などから結晶粒子12の厚さZを求める。次に、上述した板状多結晶粒子10のアスペクト比と同様に、できるだけ重ならないように板状多結晶粒子10を薄層に分散させた状態でSEM観察を行い、結晶粒子12が20〜40個程度含まれる視野において、板状多結晶粒子10の結晶面を観察し、撮影したSEM写真から結晶粒子12の結晶面11の最長長さXを求める。このとき、重なっている板状多結晶粒子10については無視して構わない。次に、求めた結晶面11の最長長さXを結晶粒子12の粒径と仮定しこの粒径を結晶粒子12の厚さZで除算して各結晶粒子12のアスペクト比を算出し、これを平均した値を板状多結晶粒子10に含まれる結晶粒子12のアスペクト比とする。
本発明の板状多結晶粒子10において、結晶粒子12の結晶面11の方向の長さXは、50μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることが最も好ましい。この長さXが50μm以下であれば、板状多結晶粒子10の大きさを調整しやすい。
また、結晶粒子12の結晶面方向の長さXと板状多結晶粒子10の長手方向の長さYとの比であるY/Xは、3以上100以下であることが好ましい。例えば、板状多結晶粒子10を結晶配向セラミックスの結晶配向用の原料として用いる場合には、Y/Xが3以上では、板状多結晶粒子10のアスペクト比が大きくできるため、結晶配向性を高めることができるし、100以下では、例えば結晶配向セラミックスに含まれる板状多結晶粒子10の粒指数が少なくなるため、配向しやすく、結晶配向セラミックスの成形が容易である。
本発明の板状多結晶粒子10において、結晶粒子12は、等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長する無機粒子により構成されていてもよいし、異方的な結晶粒子に成長する無機粒子により構成されていてもよい。ここで、等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長するということは、状況によっては特定の結晶面を成長させることが可能であると考えられる。ここでは、等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長する無機粒子を含んでいても、厚さ方向への粒成長が限られており、面方向に粒成長がより促されるため、結晶成長の優先方向を面内方向に持った結晶粒子が、結晶成長の優先方向を面内にない結晶粒子を取り込むなどして選択的に面方向へ成長することにより、アスペクト比が大きく配向度の高いものとなる。多面体形状の中でも、6面体形状に粒成長するものが好ましい。6面体であれば、平板形状としたときに、この平板形状の面積の大きな2面(シート面とも称する)に平行な表面を持った粒子は、その2面を除く他の4面が成長面として成形体内の全方位に含まれるから、成形体内で等方的に粒成長したときには、2つのシート面が無理なく拡がるため、アスペクト比の大きな粒子が得られやすく、好ましい。また、結晶粒子12は、ペロブスカイト構造を有する酸化物により構成されているのが好ましい。ペロブスカイト構造を有する酸化物は、擬立方晶のサイコロ状に粒成長するものがあり、成形体面内に(100)面(あるいは(001)面)が成長することによりシート面の垂直方向に結晶面(100)(あるいは(001)面)が配向しやすく、好ましい。なお、板状多結晶粒子10に含まれる結晶粒子12は、異方的であってもよいし、等方的であってもよいが、異方的である方が好ましい。
本発明の板状多結晶粒子10において、結晶粒子12は、一般式ABO3で表される酸化物を主成分とし、AサイトがLi,Na,K,Bi及びAgから選ばれる1種以上を含み、BサイトがNb,Ta及びTiから選ばれる1種以上を含む粒子であるものとしてもよく、このうち(LiXNaYZ)NbMTaN3や(BiXNaYZAgN)TiO3など(X,Y,Z,M,Nは任意の数を表す)が特に好ましい。こうすれば、所定厚さ(例えば15μm以下など)において、アスペクト比が大きく、特定の結晶面が成長した結晶粒子として得られやすい。なお、ここに挙げた元素以外を含んでいても構わない。このとき、結晶粒子12は、焼成前(後述する焼成工程前をいう)のA/Bが1.0以上1.1以下であることが好ましい。一般式ABO3で表される酸化物のA/Bが1.0以上1.1以下の範囲では、アスペクト比や配向度を大きいものとすることができる。ここでは、化学式ABO3で表される酸化物の一例について示したが、本発明はこれ以外にも、例えば、Al23、ZrO2、TiO2、MgO、CaO、Y23、SnO2、ZnO、SiO2などの酸化物およびPZT、BaTiO3、BiFeO3、YBa2Cu37などの複合酸化物、AlN、Si34、BNなどの窒化物、CaB6、MgB2、LaB6などのほう化物、TiC、SiC、WCなどの炭化物、さらには、Bi2Te3、Bi2Sb8Te15、PbTeなどのテルル系化合物や、CrSi2、MnSi1.73、FeSi2、CoSi2などのシリサイド系材料、その他、金属、合金、金属間化合物等へも適用可能である。あるいは、結晶粒子は、一般式ABO3で表される酸化物を主成分とし、AサイトがPbを含み、BサイトがMg,Zn,Nb,Ni,Ti及びZrから選ばれる1種以上を含む粒子であるものとしてもよい。
次に、板状多結晶粒子10の製造方法について説明する。本発明の板状多結晶粒子の製造方法は、(1)板状多結晶粒子の原料である無機粒子の調製工程、(2)無機粒子からシート状の成形体への成形工程、(3)成形した成形体の焼成工程、(4)焼成した焼成成形体のメッシュ粉砕工程を含み、これら各工程の順に説明する。
(1)無機粒子の調製工程
板状多結晶粒子10に用いる無機材料としては、所定焼成条件において異方形状の結晶粒子に成長するもの、即ち、所定焼成条件における成長形が異方形状の結晶粒子に成長するものや、所定焼成条件において等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長するもの、即ち、所定焼成条件における成長形が等方的且つ多面体形状の結晶粒子であるものを用いることができる。この点について、本発明では、厚さが15μm以下のシート状の成形体を焼成させ粒成長させるので、成形体の厚さ方向への粒成長は限られており、成形体の面方向に、より粒成長が促進されるから、所定焼成条件において等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長するもの、例えば立方体に成長するものでも、これを用いて板状多結晶粒子10を作製することができるのである。ここで、「所定焼成条件における成長形」とは、与えられた熱処理条件下で無機材料の結晶が平衡に達したときに見られるモルフォロジーと定義され、例えば、バルクを焼成し結晶化を進めた際に表面の粒子の形状を観察することにより得られるものである。また、「異方形状」とは、例えば板状、短冊状、柱状、針状及び鱗状など、長軸長さと短軸長さとの比(アスペクト比)が大きいもの(例えばアスペクト比が2以上など)をいう。また、「等方的且つ多面体形状」とは、例えば立方体形状などをいう。ここで、一般的に、粒成長によって生成する結晶粒子のモルフォロジーは、固体の融点もしくは分解温度に対し、例えば400℃以下など粒成長する温度が十分に低ければ、ほとんど球状となる。本来、原子の配列に異方性があり、結晶面によって成長速度に差があるにもかかわらず、球状に粒成長するのは、固体原子が非常に動きにくいからである。一方、固体の融点もしくは分解温度と、粒成長する温度とが近い場合、例えば両者の温度差が200℃以内となると、粒成長する際の粒子表面の原子の動きが活発となり、結晶構造に起因した表面形態が現れる。すなわち、粒成長において、結晶面による成長速度の差が出るようになり、成長の遅い結晶面は発達するが、成長の速い結晶面は、小さくなるか消滅してしまう。このように面成長速度の差で定まるモルフォロジーを成長形という。成長形として、異方形状や多面形状となるのは、先に述べたように、固体の融点、もしくは分解温度と、粒成長する温度が近い材料の他に、ガラスなどの低融点化合物をフラックスとして添加し、フラックスを介した粒成長を行わせるようにした系が好ましく選ばれる。フラックスを介することで、粒子表面での固体構成元素の動きが活発となるためである。なお、無機材料は、多面体形状に成長するものの中で、6面体形状に成長するものを利用することができる。6面体であれば、平板形状としたときに、この平板形状のシート面に平行な表面を持った粒子は、その2面を除く他の4面が成長面として成形体内の全方位に含まれるから、成形体内で等方的に粒成長したときには、2つのシート面が無理なく拡がるため、アスペクト比の大きな粒子が得られやすく、好ましい。同様の理由で6角柱や8角柱など、柱形状を用いることもできる。なお、アスペクト比の大きな結晶粒子を得る目的で、粒成長を促進する添加剤を添加してもよい。この無機材料は、ペロブスカイト構造を有する酸化物となるものが好ましく、更に、焼成後の結晶が一般式ABO3で表される酸化物であり、このAサイトがLi,Na,K,Bi及びAgから選ばれる1種以上を含み、BサイトがNb,Ta及びTiから選ばれる1種以上を含むものとなるものを用いるのが好ましい。例えば、無機材料として、NaNbO3のAサイトの一部をLi,Kなどで置換し、Bサイトの一部をTaなどで置換したもの((LiXNaYZ)NbMTaN3:X,Y,Z,M,Nは任意の数を表す)となるようなものとすると、900℃〜1300℃での成長形が立方体形状となるため、好ましい。なお、ここに挙げた元素以外を添加しても構わない。また、(Bi0.5Na0.5-xx)TiO3 を主組成とするものにおいては、X>0.01とすることで成長形が立方体形状となるため、好ましい。また、AサイトとしてPbを主成分として含み、Bサイトとして、Mg、Zn、Nb、Ni、Ti、Zrから選ばれる1種以上を含むものも好ましい。さらにフラックスとして、鉛ホウ酸系ガラス、亜鉛ホウ酸系ガラス、ホウ珪酸ガラス、鉛−珪酸ガラス、亜鉛−珪酸ガラス及びビスマス−珪酸ガラスなど、融点が1000℃以下のガラスを、0.1wt%以上添加したものとすると、900℃〜1300℃での成長形がより立方体形状となりやすいため好ましい。この場合、ガラスの分散性の観点から、ガラス粉末をそのままシート状にするのではなく、一度仮焼しガラスを十分拡散したあとこの仮焼した材料を粉砕し、この粉砕した粉末を用いて成形体を作製するものとするのが好ましい。ABO3で表される酸化物となるものを用いるとき、AサイトとBサイトの比であるA/Bが1.0以上1.1以下となるよう原料を調製することが好ましい。A/Bが1.0以上1.1以下の範囲では、焼成後の板状多結晶粒子に含まれる結晶のアスペクト比や配向度を大きいものとすることができる。また、A/Bが1.0以上1.1以下の範囲では、焼成時に揮発するアルカリ成分や鉛成分などを補償する点で好ましい。なお、得られた焼成成形体から、結晶粒子12を得る場合に、A/Bが1.0以上1.1以下の範囲にあると焼成成形体を水に入れた際などに粒界部に存在するアルカリリッチ相が溶解し結晶粒子が各粒子単位に簡単に分離することがあるため、好ましい。更に、成形シートの厚みが3μm以下のように極めて薄い場合や、焼成時の鞘内部の雰囲気(アルカリ成分や鉛成分の蒸気など)が薄い場合など、焼成時における成形シートからのアルカリ成分や鉛成分などの揮発による組成変化が大きくなることがあるため、A/Bが1.1以上1.3以下の範囲も好ましい。
無機粒子の調製工程では、無機粒子の原料を粉砕混合し、混合した粉体を仮焼し、得られた無機粒子を更に粉砕することが好ましい。無機粒子の原料としては、目的の成分の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩及び酒石酸塩などを用いることができるが、主として酸化物、炭酸塩を用いることが好ましい。また、無機粒子の粉砕では、成形体の厚さに応じた粒径とすることが好ましく、無機粒子のメディアン径(D50)を成形体の厚さの1%以上60%以下とすることが好ましい。メディアン径が成形体厚さの1%以上であれば、粉砕処理が容易であるし、60%以下であれば成形体内の粒子がより均質に分布するため成形体の厚さを調整しやすい。また、結晶粒子12の大きさをより大きくしようとすると、より無機粒子のメディアン径(D50)を小さくすることが粒成長を促す点からみて好ましい。この粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて分散媒(有機溶剤や水など)に分散させて測定した値を用いるものとする。無機粒子の粉砕は、湿式粉砕することが好ましく、例えばボールミルやビーズミル、トロンメル、アトライターなどを用いてもよい。
(2)成形体の成形工程
無機粒子を成形体の厚さが15μm以下の自立したシート状の成形体に成形する。ここで、「自立した成形体」とは、それ単体でシート状の成形体の形状を保つことができるものや、それ単体ではシート状の成形体の形状を保つことができないものであってもなんらかの基板に貼り付けたり成膜したりして、焼成前、又は焼成後に、この基板から剥離したものをも含む。成形体の成形方法としては、例えば、無機粒子を含むスラリーを用いたドクターブレード法や、無機粒子を含む坏土を用いた押出成形法などによって行うことができる。ドクターブレード法を用いる場合、可撓性を有する板(例えばPETフィルムなどの有機ポリマー板など)にスラリーを塗布し、塗布したスラリーを乾燥固化して成形体とし、この成形体と板とを剥がすことにより板状多結晶粒子の焼成前の成形体を作製してもよい。成形前にスラリーや坏土を調製するときには、無機粒子を適当な分散媒に分散させ、バインダーや可塑剤などを適宜加えてもよい。また、スラリーは、粘度が500〜700cPとなるように調製するのが好ましく、減圧化で脱泡するのが好ましい。成形体の厚さとしては、15μm以下とするが、10μm以下に形成することがより好ましく、5μm以下に形成することが更に好ましく、2μm以下とすることが最も好ましい。15μm以下では高い結晶粒子12の配向度を得ることができ、10μm以下であればより一層高い結晶粒子12の配向度を得ることができる。また、成形体の厚さは、0.1μm以上とするのが好ましい。厚さが0.1μm以上であれば、自立したシート状の成形体を作成しやすい。結晶粒子12の大きさを比較的大きくするには、成形体の厚さを5〜10μm程度とするのが好ましい。このシート状の成形体の厚さは、略そのまま板状多結晶粒子10の厚さとなり、ひいては結晶粒子12の粒径にも関係するから、板状多結晶粒子10の用途に合わせて、適宜設定するものとする。なお、その他の成形方法としては、エアロゾルデポジション法などの、粒子の高速吹き付け法や、スパッタ、CVD、PVDなどの気相法などにより、樹脂、ガラス、セラミックス及び金属などの基板へ膜付けし、基板から剥離することで板状多結晶粒子の焼成前の成形体を作製してもよい。この場合、焼成前の成形体の密度を高くすることができるため、低温での粒成長、構成元素の揮発防止、得られる板状多結晶粒子が高い密度である、などの利点がある。
(3)成形体の焼成工程
成形工程で得られた成形体をこの成形体と実質的に反応しない不活性層(例えば、焼成済みのセラミック板やPt板、カーボン板、黒鉛板、モリブデン板、タングステン板など)に隣接させた状態で焼成するか、又は、この成形体のままの状態で焼成する。例えば、アルミナ、ジルコニア、スピネル、カーボン、黒鉛、モリブデン、タングステン、白金など、成形体の焼成温度では不活性な層の上に成形体を配置して焼成するものとしてもよい。あるいは、成形体と不活性シートとを重ねた状態でロール状に巻いて焼成してもよい。あるいは、不活性層の上にシート状に成形体を形成し、焼成後にこの不活性層から剥離させるものとしてもよい。あるいは、不活性層に成形体を成膜し、焼成後に不活性層を除去するものとしてもよい。例えば、不活性層に黒鉛を用いる場合などでは、非酸化性雰囲気(例えば窒素中)で焼成し、不活性層の存在下で所望の焼成成形体を得たあと、その温度以下の酸化雰囲気(例えば大気中)で再び熱処理し、黒鉛を燃焼させることで除去するものとしてもよい。ここで、成形体に含まれる無機粒子が等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長するものであるときでも、状況によっては特定の結晶面を成長させることが可能であると考えられる。ここでは、成形体の厚さが15μm以下と成形体の厚さ方向への粒成長が限られており、成形体の面の方向に粒成長がより促されるため、特定の結晶面が成形体の面内に成長することにより、アスペクト比が大きく配向度の高いものとなる。こうして、成形体の厚さ方向には略1個だけ結晶粒子12が存在するようになるのである。
また、成形体の焼成工程において、この成形体に含まれる特定成分(例えばアルカリなど)の揮発を抑制する揮発抑制状態で成形体を焼成することが好ましい。こうすれば、成形体からの特定の元素が揮発してしまうのを抑制することにより、焼成後の板状多結晶粒子の組成がずれてしまうのを抑制することができる。例えば、揮発抑制状態として成形体とは別の無機粒子を共存させた状態でこの成形体を焼成してもよい。こうすれば、共存した無機粒子から特定成分を揮発させることにより、比較的容易に成形体から特定成分が揮発してしまうのを抑制することができる。このとき、「別の無機粒子」は、粉末状であってもよいし成形体状であってもよい。あるいは、揮発抑制状態として蓋付きの鞘などに入れ密閉状態でこの成形体を焼成するものとしてもよい。このとき、鞘内部の空間はできる限り小さくすることが好ましい。ここで、鞘内部の雰囲気を濃くしすぎる、例えば鞘内部に共存させる別の無機粒子の量を多くしすぎると、成形体の焼結及び粒成長が活発化したりして、成形体のうねりを生じたり、粒成長が粒子表面積を小さくする方向、即ち厚肉化し、結晶粒子のアスペクト比が小さくなることがある。このため、鞘内部の雰囲気が最適な状態となるように、鞘内部の容積や、成形体の量、共存させる無機粒子の量などを適切な状態に経験的に設定することが重要である。なお、無機粒子を共存させて焼成する際には、成形体と同一組成の無機粒子を共存させることが好ましいが、成形体を構成する無機粒子よりも特定成分が揮発しやすい粒子を共存させておくことにより、焼成成形体へ特定成分を補充することもできる。また、焼成工程の中で、最適なタイミングで最適な雰囲気を提供することがより重要であり、例えば、第1の雰囲気に制御した鞘内において第1の焼成温度で焼成し、室温に戻したあと、第2の雰囲気に制御した鞘内において第1の焼成温度よりも高い第2の焼成温度で焼成してもよい。また、焼成雰囲気は、大気中としてもよいが、構成元素の揮発抑制、不活性層との反応性などの点で、酸素雰囲気や、窒素などの中性雰囲気、水素や炭化水素の共存下などの還元雰囲気、真空中などとしてもよい。また、面内の粒成長を促進する観点から、ホットプレスなど加重焼成してもよい。
この焼成工程を図を用いて説明する。図2は、焼成器20の説明図であり、図2(a)が側面図、図2(b)が(a)のA−A断面図である。この焼成器20は、図示しない焼成炉で成形体30を焼成するときに用いられるものであり、未焼成の成形体30を載置する焼成済みのセラミック板であるセッター22と、成形体30と同一の無機粒子により形成され成形体30よりも厚さの大きい未焼成の共存用未焼成成形体24と、共存用未焼成成形体24上に配置され成形体30の蓋となる焼成済みのセラミック板である角板26とによって構成されている。図2に示すように、成形体30の四方を共存用未焼成成形体24により囲み込むことにより成形体30から特定成分(例えばアルカリなど)が揮発して組成が変化してしまうのを防止するのである。ここでは、セッター22は、平板状であるものとしたが、成形体30の載置面の表面を粗くしたセッターや、成形体30の載置面に貫通孔を複数設けたハニカム状のセッター、ディンプル加工されたセッターなど成形体30との接触面積が小さくなるようにし、セッターと成形体30とが溶着してしまうのを防止するものとしてもよい。また、セッター22の載置面に成形体30の焼成温度で安定なアルミナ粉やジルコニア粉などを敷きその上に成形体30を載置して焼成するものとしてもよい。ここで、未焼成成形体を共存させる代わりに、鞘内部に粉末状態で共存させる場合には、鞘内部でのセッターの置き方やサイズ、段積みの方法、粉末の置く位置などを調整することにより、鞘内部の雰囲気を均一に調整することができ、成形体を複数枚焼成する場合に、各成形体が均一な結晶粒子構造となるようにすることができる。
また、焼成条件について、成形体30は、焼成により平衡形の結晶が得られる焼成温度、例えばバルクを焼成することにより緻密化、粒成長する焼成温度に比べて1割以上高い温度で焼成することが好ましい。1割以上高い温度では、15μm以下の成形体30の粒成長を十分進めることができる。なお、成形体の材料が分解しない程度に高い温度で焼成することが好ましい。特に、成形体30の厚さがより薄くなると、粒成長がしにくくなるため、焼成温度をより高くする傾向とすることが好ましい。また、結晶粒子12の大きさをより大きくしようとすると、より高い焼成温度で焼成することが好ましい。例えば、無機粒子として、NaNbO3のAサイトにLi,Kなどを添加し、BサイトにTaを添加したもの((LiXNaYZ)NbMTaN3)の焼成工程では、成形体の焼成温度を900℃以上1250℃以下とすることが好ましい。焼成温度が900℃以上では、粒子の結晶の成長が促されるため好ましく、1250℃以下では、アルカリ成分などの揮発を少なく抑えることができ、材料が分解してしまうのを抑制することができる。このように焼成することにより、成形体30に含まれる無機粒子が、異方性の結晶粒子に成長するのである。
(4)焼成成形体のメッシュ粉砕工程
次に、得られた焼成成形体を解砕、分級する。ここでは、目的とする粒子サイズに合わせた開口部を有するメッシュ(ふるい)を用いるものとし、1.0mm以下のメッシュを用いることが好ましい。図3は、メッシュ粉砕工程の一例の説明図である。このメッシュ粉砕工程では、例えば、開口径が45μm、25μm、20μmなどのメッシュを用いることができる。成形体30を焼成した焼成成形体32は比較的解砕しやすいため、メッシュ34上に載置したあと、例えばへら状などの押圧部材36などにより軽く焼成成形体32を押圧しながらメッシュ34を篩うことによりメッシュ粉砕工程を行うことができる。こうすれば、焼成成形体32の解砕と、解砕した板状多結晶粒子10(図1参照)の分級とを同時並行で行うことができる。また、より大きな粒径及びより大きなアスペクト比の板状多結晶粒子10を得ようとすれば、メッシュの開口部を大きくすればよいし、より小さな粒径及びより小さなアスペクト比の板状多結晶粒子10を得ようとすれば、メッシュの開口部を小さくすればよいため、メッシュの開口部の大きさを変えるという簡単な処理で板状多結晶粒子10の特性を変化させることができる。このようにして、図1に示した板状多結晶粒子10を得ることができる。
得られた板状多結晶粒子10は、結晶配向セラミックスの原料としてもよい。続いて、板状多結晶粒子10を原料とする結晶配向セラミックスの製造方法について説明する。この結晶配向セラミックスは、例えば厚み方向が15μmを超えるような任意の形状とすることができる。即ち、板状多結晶粒子10は、結晶配向セラミックスの中間生成物として作製されるものとしてもよい。図4は、結晶配向セラミックスの製造方法の一例を表す説明図であり、図4(a)が配向後焼成前の図、図4(b)が焼成して得られた結晶配向セラミックス50の図である。結晶配向セラミックスは、板状多結晶粒子10と、その他の原料粉体(例えば配向していない無機粒子など)と、適宜バインダーや可塑剤などを混合する混合工程を経て、板状多結晶粒子10が一定方向を向くような配向成形(2次配向)を行うことにより所定形状の2次成形体40(図4(a))に成形する2次成形工程を行うものとしてもよい。配向成形は、上述したドクターブレード法や押出成型法などにより行うことができる。そして、板状多結晶粒子10が配向している方向に他の原料粉体も配向させるようこの2次成形体を焼成する2次焼成工程を行い結晶配向セラミックス50を得るのである(図4(b))。この2次焼成工程での焼成温度は、上述した所定焼成条件における成長形の結晶が得られる焼成温度としてもよいし、この温度よりも1割以上高い温度としてもよい。このように、板状多結晶粒子10を一方向へ配向させた後に焼成すると、その他の原料粉体がこの配向した板状多結晶粒子10の結晶方位に倣って粒成長したり、配向した板状多結晶粒子10が、その他の原料粉体を取り込みながら粒成長したりするため、一方向へ配向した配向結晶52を多数含む結晶配向セラミックス50を得ることができる。なお、上述した成形体30の焼成時に揮発抑制状態で焼成しない場合であっても、成形体30の焼成時に揮発した成分を混合工程や2次成形工程時に添加することにより、結晶配向セラミックス50を目的とする組成比とすることができる。
以上詳述した本実施形態の板状多結晶粒子10によれば、無機粒子を厚さ15μm以下の自立したシート状の成形体に成形しこれを焼成し、所定サイズの開口部を通過させることにより焼成後の成形体を解砕及び分級すればよいため、より簡単な処理でアスペクト比及び結晶の配向度を高めることができる。また、板状多結晶粒子10は、粒界部14で結晶粒子12同士が結合された構造であり、この粒界部14で解砕しやすいため、粒径やアスペクト比などを容易に調整することができる。このため、単結晶の粒子を用いて結晶配向セラミックスを作製するものに比して、結晶配向セラミックス50の配向度や配向結晶52のサイズなどの調整も容易な処理で行いやすい。更に、配向性を高めるために何らかの成分を添加する必要がないから、組成がより均質な板状多結晶粒子を得ることができる。このため、結晶配向セラミックス50の作製に板状多結晶粒子10を用いると、均質な組成で且つ配向性の高い結晶配向セラミックス50を得ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、板状多結晶粒子10を結晶配向セラミックス50の原料として用いるものとしたが、これ以外の用途(例えばフィラーなど)に利用するものとしてもよい。本発明の板状多結晶粒子10は、誘電体材料、焦電体材料、圧電体材料、強誘電体材料、磁性材料、イオン伝導材料、電子伝導性材料、熱伝導材料、熱電材料、超伝導材料、耐摩耗性材料等の機能や特性が結晶方位依存性を有する物質よりなる多結晶材料へ用いることができる。具体的には、加速度センサ、焦電センサ、超音波センサ、電界センサ、温度センサ、ガスセンサ、ノッキングセンサ、ヨーレートセンサ、エアバックセンサ、圧電ジャイロセンサ等の各種センサ、圧電トランス等のエネルギー変換素子、圧電アクチュエータ、超音波モータ、レゾネータ等の低損失アクチュエータ又は低損失レゾネータ、キャパシタ、バイモルフ圧電素子、振動ピックアップ、圧電マイクロホン、圧電点火素子、ソナー、圧電ブザー、圧電スピーカ、発振子、フィルタ、誘電素子、マイクロ波誘電素子、熱電変換素子、焦電素子、磁気抵抗素子、磁性素子、超伝導素子、抵抗素子、電子伝導素子、イオン伝導素子、PTC素子、NTC素子等に応用すれば、高い性能を有する各種素子を得ることができる。このとき、結晶粒子12のアスペクト比や板状多結晶粒子10のアスペクト比は、用途に合わせた値を適宜設定するものとする。なお、板状多結晶粒子10のアスペクト比や粒子サイズは、メッシュ粉砕工程での開口径の大きさを設定するだけで容易に変更することができる。
また、上述した実施形態では、板状多結晶粒子10は特定の結晶面11がシート面上に現れて揃っているものとしたが(図1参照)、結晶粒子12が粒界部で二次元的に結合したものであればよく、結晶面11がシート面上に現れていないものとしてもよい。
以下には、板状多結晶粒子10を具体的に製造した例を、実験例として説明する。
[実験例1]
(無機粒子の合成工程)
Li0.07(Na0.50.50.93Nb0.9Ta0.13の組成比となるように、各粉末(Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、Nb25、Ta25)を秤量した。ポリポットに、秤量物と、ジルコニアボールと、分散媒としてエタノールを入れ、ボールミルで16h湿式混合、粉砕を行った。得られたスラリーをエバポレータ及び乾燥機によって乾燥した後、850℃,5hの条件化で仮焼成した。この仮焼粉末と、ジルコニアボールと、分散媒としてエタノールを入れ、ボールミルで5h湿式粉砕し、エバポレータ及び乾燥機によって乾燥して、Li0.07(Na0.50.50.93Nb0.9Ta0.13の無機粒子粉体を得た。この粉体をHORIBA製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−750を用い、水を分散媒として平均粒径を測定したところ、メディアン径(D50)は、0.6μmであった。
(自立したシート状の成形体の成形工程)
分散媒としてのトルエン、イソプロパノールを等量混合したものに、上記の無機粒子粉体と、バインダーとしてポリビニルブチラール(BM−2、積水化学製)、可塑剤(DOP、黒金化成製)と、分散剤(SP−O30、花王製)とを混合し、スラリー状の成形原料を作製した。各原料の使用量は、無機粒子100重量部に対して、分散媒100重量部、バインダー10重量部、可塑剤4重量部及び分散剤2重量部とした。次に、得られたスラリーを、減圧下で撹拌して脱泡し、粘度500〜700cPとなるように調製した。スラリーの粘度は、ブルックフィールド社製LVT型粘度計で測定した。得られたスラリーをドクターブレード法によってPETフィルムの上にシート状に成形した。乾燥後の厚さを5μmとした。
(成形体の焼成工程)
PETフィルムからはがしたシート状の成形体を、カッターで50mm角に切り出し、ジルコニアからなるセッター(寸法70mm角、高さ5mm)の中央に載置した。このセッターに、シート状の成形体と同じ成形原料からなる未焼成のシート成形体(寸法5mm×40mm、厚さ100μm)をシート状の成形体の四辺の外側に載置してこれを囲い、その上に更にジルコニアの角板(寸法70mm角、高さ5mm)を載置した。こうして、シート状の成形体の空間をできるだけ小さくすると共に、同じ成形原料を共存させる焼成条件とした。そして、600℃、2h脱脂後、1100℃で5h焼成を行った。焼成後、セッターに溶着していない部分を取り出した。
(焼成成形体のメッシュ粉砕工程)
得られた焼成後の成形体を300メッシュ(開口径45μm)のふるいに載せ、軽く焼成成形体をへらで押し付けながら解砕・分級した。得られた粒子を実験例1の板状多結晶粒子とした。
[実験例2,3]
メッシュ粉砕工程において、ふるいをそれぞれ500メッシュ(開口径25μm),635メッシュ(開口径20μm)とした以外は上述した実験例1と同様の工程を行い、得られた板状多結晶粒子をそれぞれ実験例2,3とした。
[実験例4〜7]
成形工程において、シート状の成形体の厚さを2μm,10μm,15μm,20μmとした以外は上述した実験例1と同様の工程を行い、得られた板状多結晶粒子10をそれぞれ実験例4〜7とした。
[実験例8〜12]
合成工程において、無機粒子の組成をLi0.07(Na0.50.50.93NbO3,Li0.07(Na0.50.50.97NbO3.02 ,Li0.07(Na0.50.51.03NbO3.05,Li0.1(Na0.50.51.1NbO3.1,Li0.07(Na0.50.50.91NbO2.99の組成比、即ち、一般式ABO3においてA/B=1.00,1.04,1.10,1.20,0.98となるように無機粒子粉体を調製した以外は上述した実験例2と同様の工程を行い、得られた板状多結晶粒子をそれぞれ実験例8〜12とした。なお、これらの実験例の平均粒径を上記と同様に測定したところ、メディアン径(D50)が0.6μmであった。
[実験例13]
(Bi0.5Na0.350.1Ag0.05)TiO3の組成比となるように各粉末(Bi23、Na2CO3、K2CO3、Ag2O、TiO2)を秤量し実験例1と同様に湿式混合、粉砕、乾燥を行ったあと、900℃、2hの条件で仮焼し、この得られた仮焼粉末を実験例1と同様に粉砕、乾燥して(Bi0.5Na0.350.1Ag0.05)TiO3の無機粒子粉体を得た。この粉体を、成形工程において成形体の厚さを5μmとし、焼成工程において600℃、2hの脱脂及び焼成温度を1250℃,3hとした以外は上述した実験例2と同様の工程を行い、得られた板状多結晶粒子を実験例13とした。なお、この実験例の平均粒径を上記と同様に測定したところ、メディアン径(D50)が0.6μmであった。
[実験例14]
合成工程において、0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3−0.35PbTiO3−0.45PbZrO3に1重量%のNiOを添加した組成比となる合成粉末へ、ZnO−B23−SiO2系ガラス粉末(旭硝子(AGG)製ASF1891)を1重量%添加し、ポリポットにこの秤量物とジルコニアボールと分散媒としてイオン交換水とを入れ、ボールミルで16h、湿式混合を行った。得られたスラリーを乾燥機で乾燥したあと、800℃、2hの条件下で仮焼した。この仮焼粉末と、ジルコニアボールと分散媒としてイオン交換水とを入れ、ボールミルで5h湿式粉砕し、乾燥機によって乾燥し、無機粒子粉体を得た。この粉体を、成形工程において、シート厚さを1μmとして成形した。得られたシートを、アルミナの鞘内に配置したジルコニア角板に載置した。この鞘内には、焼成雰囲気を調整する粉体として、0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3−0.35PbTiO3−0.45PbZrO3の組成からなる無機粒子粉体を少量共存させ、焼成工程において、600℃、2hの脱脂及び1100℃、5hの焼成条件とした以外は実験例1と同様の工程を行い、得られた板状多結晶粒子を実験例14とした。なお、この実験例の平均粒径を上記と同様に測定したところ、メディアン径(D50)が0.6μmであった。
[実験例15]
合成工程において、0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3−0.35PbTiO3−0.45PbZrO3にとなる組成の無機粒子粉体を用い、NiO及びガラス粉末を添加せず、成形工程において、シート厚さを2μmとして成形した以外は実験例14と同様の工程を行い、得られた板状多結晶粒子を実験例14とした。なお、この実験例の平均粒径を上記と同様に測定したところ、メディアン径(D50)が0.6μmであった。
[実験例16]
実験例14の0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3−0.35PbTiO3−0.45PbZrO3にのA/Bが1.1となるようにした以外は実験例14と同様の工程を行い、得られた板状多結晶粒子を実験例16とした。
[電子顕微鏡撮影]
上記実験例1〜14について、走査型電子顕微鏡(日本電子製JSM−6390)を用いてSEM写真を撮影した。まず、板状多結晶粒子をさじを用いて導電性テープ上にランダムに配置した状態でSEM観察を行い、その中で、観察方向に対してシート面が平行になっているもの、つまり垂直に立った状態の粉末を選び、結晶粒子12の厚さZを求めた。次に、エタノール2gに板状多結晶粒子を0.1gを加えたものを、超音波分散機(超音波洗浄機)で30分間分散させ、これをガラス基板に2000rpmでスピンコートし、板状多結晶粒子ができるだけ重ならないように、且つ結晶面と基板面とが平行となる状態に配置してSEM観察を行った。その中で、結晶粒子が20〜40個程度含まれる視野において、板状多結晶粒子の結晶面を観察し、結晶粒子12の結晶面11の最長長さXを求め、結晶面11の最長長さXを結晶粒子12の粒径と仮定しこの粒径を結晶粒子12の厚さZで除算して各結晶粒子12のアスペクト比を算出し、これを平均した値を板状多結晶粒子10に含まれる結晶粒子12のアスペクト比とした。また、同様に、SEM写真から板状多結晶粒子10の厚さWを求め、板状多結晶粒子10が5〜30個程度含まれる視野において、板状多結晶粒子10の結晶面を観察し、板状多結晶粒子10の最長長さYを求め、最長長さYを板状多結晶粒子10の粒径と仮定しこの粒径を板状多結晶粒子10の厚さWで除算して各板状多結晶粒子10のアスペクト比を算出し、これを平均した値を板状多結晶粒子10のアスペクト比とした。
[配向性]
上記実験例1〜14について、XRD回折装置(リガク社製RAD−IB)を用い、板状多結晶粒子10の表面に対してX線を照射したときのXRD回折パターンを測定し、ロットゲーリング法によって擬立方(100)面の配向度を、擬立方(100),(110),(111)のピークを使用して上述の式(1)を用いて計算した。XRD回折測定は、エタノール2gに板状多結晶粒子を0.1gを加えたものを、超音波分散機(超音波洗浄機)で30分間分散させ、これを25mm×50mmのガラス基板に2000rpmでスピンコートし、板状多結晶粒子ができるだけ重ならないように、且つ結晶面とガラス基板面とが平行となる状態に配置して行った。
このようにして得られた実験例1〜16の評価結果を表1及び図5〜8に示す。表1には、サンプル名、無機材料、焼成温度、板状多結晶粒子10の厚さ、メッシュ開口径、結晶粒子12のアスペクト比、結晶粒子12の大きさの範囲、板状多結晶粒子10のアスペクト比、板状多結晶粒子10の大きさの範囲、板状多結晶粒子10の配向度を示した。図5は、実験例2のX線回折パターンであり、図6〜8は、実験例1〜3のSEM写真である。なお、このSEM写真は、板状多結晶粒子をランダムにガラス基板上へ配置したものを示した。本実施例の結果によると、図5に示すように、(100)面に帰属するピークが大きいことから、本発明の板状多結晶粒子10は、(100)面をシート面に持った複数の結晶粒子から構成されていることがわかる。図6〜8に示すように、板状多結晶粒子10は、特定の結晶面を有する結晶粒子を複数含み、厚さ方向で結晶粒子が1個である部分が広範囲を占め、この複数の結晶粒子12が特定の結晶面を揃えた状態で粒界部で結合されていることが観察された。このため、板状多結晶粒子は、結晶粒子同士が結合した粒界部で比較的簡単に解砕することができることがわかった。即ち、実験例1〜3によれば、メッシュ開口径を変化させることにより板状多結晶粒子のアスペクト比や大きさを容易に変化させられることがわかった。また、表1に示すように、板状多結晶粒子10の厚さやA/B値を変化させることにより、配向度及び結晶粒子12のアスペクト比を変化させることができることが明らかとなった。また、実験例2,8〜12,14,16によれば、A/Bが1.0以上1.2以下の範囲がより好ましいことがわかった。表1に示すように、実験例1,4〜7の結果より、板状多結晶粒子10の厚さが15μm以下では配向度が向上することがわかった。なお、実験例7及び12では、実質的に厚さ方向に1個の結晶粒子とはならなかった。
[結晶配向セラミックスの作製]
分散媒としてのトルエン、イソプロパノールを等量混合したものに、焼成後の結晶配向セラミックスの組成がLi0.03Na0.4750.475Nb0.82Ta0.183となるように実験例1の仮焼後の無機粒子粉体(配向していない原料粉体)と、実験例1の板状多結晶粒子10と、バインダーとしてポリビニルブチラール(BM−2、積水化学製)と、可塑剤(DOP、黒金化成製)と、分散剤(SP−O30、花王製)とを混合し、スラリー状の成形原料を作製した。各原料の使用量は、無機材料100重量部に対して、板状多結晶粒子30重量部、分散媒100重量部、バインダー10重量部、可塑剤4重量部及び分散剤2重量部とした。次に、得られたスラリーを、減圧下で撹拌して脱泡し、粘度2500〜3000cPとなるように調製した。スラリーの粘度は、ブルックフィールド社製LVT型粘度計で測定した。得られたスラリーをドクターブレード法によって、板状多結晶粒子10が一方向に配向し、且つ乾燥後の厚さが100μmとなるように平板状に成形した。この平板を室温で乾燥したのち、600℃、2h脱脂後、1100℃で5h焼成を行い上記無機材料粉体の粒成長を行い、結晶配向セラミックス50を得た。
本発明は、結晶が配向したセラミックスの製造分野に利用可能である。
板状多結晶粒子10の一例を表す説明図である。 焼成器20の説明図であり、図2(a)が側面図、図2(b)が(a)のA−A断面図である。 メッシュ粉砕工程の一例の説明図である。 結晶配向セラミックス50の製造方法の一例を表す説明図である。 実験例4のX線回折パターンである。 実験例1のSEM写真である。 実験例2のSEM写真である。 実験例3のSEM写真である。
符号の説明
10 板状多結晶粒子、11 結晶面、12 結晶粒子、14 粒界部、20 焼成器、22 セッター、24 共存用未焼成成形体、26 角板、30 成形体、32 焼成成形体、34 メッシュ、36 押圧部材、40 2次成形体、50 結晶配向セラミックス、52 配向結晶。

Claims (25)

  1. 結晶粒子を複数含み、
    実質的に厚さ方向の該結晶粒子が1個であり該複数の結晶粒子が特定の結晶面を揃えた状態で粒界部で結合されている、
    板状多結晶粒子。
  2. 前記結晶粒子は、等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長する無機粒子により構成され、特定の結晶面を有している、請求項1に記載の板状多結晶粒子。
  3. 前記板状多結晶粒子のアスペクト比が2以上である、請求項1又は2に記載の板状多結晶粒子。
  4. 前記板状多結晶粒子の配向度がロットゲーリング法で25%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の板状多結晶粒子。
  5. 前記結晶粒子は、板状多結晶粒子の面方向の該結晶粒子の長さが該結晶粒子の厚さ方向の長さ以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の板状多結晶粒子。
  6. 前記結晶粒子の厚さが0.1μm以上15μm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の板状多結晶粒子。
  7. 前記結晶粒子は、異方的な結晶粒子に成長する無機粒子により構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の板状多結晶粒子。
  8. 前記結晶粒子は、一般式ABO3で表される酸化物を主成分とし、AサイトがLi,Na,K,Bi及びAgから選ばれる1種以上を含み、BサイトがNb,Ta及びTiから選ばれる1種以上を含む粒子である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の板状多結晶粒子。
  9. 前記結晶粒子は、一般式ABO3で表される酸化物を主成分とし、AサイトがPbを含み、BサイトがMg,Zn,Nb,Ni,Ti及びZrから選ばれる1種以上を含む粒子である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の板状多結晶粒子。
  10. 前記結晶粒子は、前記AサイトとBサイトの比である焼成前のA/Bが1.0以上1.3以下である、請求項8又は9に記載の板状多結晶粒子。
  11. 前記結晶粒子は、ペロブスカイト構造を有する酸化物により構成されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の板状多結晶粒子。
  12. 結晶粒子を複数含む板状多結晶粒子の製造方法であって、
    無機粒子を厚さが15μm以下の自立したシート状の成形体に成形する成形工程と、
    前記成形体を該成形体と実質的に反応しない不活性層に隣接させ又は、該成形体のまま焼成する焼成工程と、
    所定サイズの開口部を通過させることにより前記焼成後の成形体を解砕及び分級する粉砕工程と、
    を含む板状多結晶粒子の製造方法。
  13. 前記成形工程では、所定焼成条件において等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長する無機粒子を用いる、請求項12に記載の板状多結晶粒子の製造方法。
  14. 前記成形工程では、所定焼成条件において異方的な結晶粒子に成長する無機粒子を用いる、請求項12に記載の板状多結晶粒子の製造方法。
  15. 前記成形工程では、一般式ABO3で表される酸化物を主成分とし、AサイトがLi,Na,K,Bi及びAgから選ばれる1種以上を含み、BサイトがNb,Ta及びTiから選ばれる1種以上を含む酸化物となる無機粒子を用いる、請求項12〜14のいずれか1項に記載の板状多結晶粒子の製造方法。
  16. 前記成形工程では、一般式ABO3で表される酸化物のAサイトがLi,Na及びKから選ばれる1種以上を含み、BサイトがNb及びTaから選ばれる1種以上を含む酸化物となる無機粒子を用い、
    前記焼成工程では、前記成形体の焼成温度を900℃以上1250℃以下とする、
    請求項15に記載の板状多結晶粒子の製造方法。
  17. 前記成形工程では、一般式ABO3で表される酸化物を主成分とし、AサイトがPbを含み、BサイトがMg,Zn,Nb,Ni,Ti及びZrから選ばれる1種以上を含む酸化物となる無機粒子を用いる、請求項12〜14のいずれか1項に記載の板状多結晶粒子の製造方法。
  18. 前記成形工程では、前記AサイトとBサイトの比であるA/Bが1.0以上1.3以下である酸化物の無機粒子を用いる、請求項15〜17のいずれか1項に記載の板状多結晶粒子の製造方法。
  19. 前記成形工程では、ペロブスカイト構造となる無機粒子を用いる、請求項12〜18のいずれか1項に記載の板状多結晶粒子の製造方法。
  20. 前記成形工程では、メディアン径が前記成形体の厚さの1%以上60%以下である前記無機粒子を用いて前記成形体を成形する、請求項12〜19のいずれか1項に記載の板状多結晶粒子の製造方法。
  21. 前記焼成工程では、前記成形体に含まれる特定成分の揮発を抑制する揮発抑制状態で前記成形体を焼成する、請求項12〜20のいずれか1項に記載の板状多結晶粒子の製造方法。
  22. 前記焼成工程では、前記揮発抑制状態として前記成形体とは別の前記無機粒子を共存させた状態で該成形体を焼成する、請求項21に記載の板状多結晶粒子の製造方法。
  23. 前記粉砕工程では、前記所定サイズとして1.0mm以下の開口部を通過させることにより前記焼成後の成形体の解砕及び分級を行う、請求項12〜22のいずれか1項に記載の板状多結晶粒子の製造方法。
  24. 前記粉砕工程では、押圧部材で前記焼成後の成形体を押圧することにより前記所定サイズの開口を有するメッシュを通過させ該焼成後の成形体を解砕及び分級する、請求項12〜23のいずれか1項に記載の板状多結晶粒子の製造方法。
  25. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の板状多結晶粒子と、原料粉体とを混合する混合工程と、
    前記混合した粉体のうち前記板状多結晶粒子を所定方向に配向させ所定の2次成形体に成形する第2成形工程と、
    前記板状多結晶粒子が配向している方向に前記原料粉体を配向させるよう前記2次成形体を焼成する第2焼成工程と、
    を含む結晶配向セラミックスの製造方法。
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