JP5011066B2 - 結晶配向セラミックスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶配向セラミックスの製造方法に関する。
従来、結晶配向セラミックスの製造方法としては、形状異方性を有するホスト材料Aとホスト材料Aの少なくとも一つの結晶面と結晶整合性を有し且つ結晶異方性の小さいゲスト材料Bとを混合する混合工程と、ホスト材料Aの結晶面を配向させる配向工程と、配向したものを加熱してゲスト材料Bの結晶面を配向させる焼成工程とを含むことにより、結晶異方性の小さなゲスト材料Bを用いても配向性を高めたセラミックスを得るものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−330184号公報
しかしながら、この特許文献1に記載された製造方法では、ホスト材料Aの結晶面を成長させる工程、例えばホスト材料Aの焼成工程や、上記配向工程で配向可能なように結晶面を成長させたホスト材料Aを解砕する工程などが別途必要であり、結晶配向性を高めるに際して煩雑な処理を行わなければならなかった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、より簡便な方法で結晶配向性を高めることができる結晶配向セラミックスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
即ち、本発明の結晶性配向セラミックスは、
所定の第1温度以上で粒成長する第1無機材料を含む厚さが10μm以下の第1成形体層と、前記第1温度よりも高い第2温度で粒成長する第2無機材料を含む第2成形体層とを成形する成形工程と、
前記成形した第1成形体層と第2成形体層とを1以上積層した積層体を得る積層工程と、
前記積層した積層体を前記第1温度以上第2温度未満の温度で焼成することにより前記第1無機材料を粒成長させ、その後前記第2温度以上で焼成することにより前記粒成長した第1無機材料の結晶面方向に前記第2無機材料を粒成長させる焼成工程と、
を含むものである。
この結晶配向セラミックスの製造方法では、所定の第1温度以上で粒成長する第1無機材料を含む厚さが10μm以下の第1成形体層と、第1温度よりも高い第2温度で粒成長する第2無機材料を含む第2成形体層とを成形し、成形した第1成形体層と第2成形体層とを1以上積層した積層体を得て、積層された積層体を第1温度以上第2温度未満の温度で焼成することにより第1無機材料を粒成長させる。このとき、第1成形体層は、厚さが10μm以下であるため、第1無機材料は、層の厚さ方向への粒成長が限られており、第2成形体層との接触面に沿って粒成長がより促される。その後、第2温度以上で焼成することにより第2成形体層に含まれる第2無機材料を粒成長させる。このとき、第2無機材料は、接触面に沿って粒成長した第1無機材料の粒子の方向に沿って粒成長する。このように、全体として一定の方向へ粒成長するのである。したがって、第1無機材料を焼成により粒成長させたものを解砕して第2無機材料と混合・成形した後に再度焼成を行うものに比して、より簡便な方法で結晶配向性を高めることができる。
本発明の結晶性配向セラミックスの製造方法は、(1)成形体層としてのセラミックスシート(以下シートとも称する)の原料である第1無機材料と第1無機材料よりも高い温度で粒成長する第2無機材料とを調製する調製工程、(2)第1無機材料から第1シートを成形すると共に第2無機材料から第2シートを成形する成形工程、(3)成形したシートを交互に積層し積層体を得る積層工程、(4)積層体を2段階の焼成温度で焼成する焼成工程を含むものであり、以下、各工程順にこれらの工程を図面を用いて説明する。
(1)無機材料の調製工程
セラミックシートに用いる無機材料としては、所定焼成条件において異方形状の結晶粒子に成長するもの、即ち、所定焼成条件における成長形が異方形状の結晶粒子に成長するものや、所定焼成条件において等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長するもの、即ち、所定焼成条件における成長形が等方的且つ多面体形状の結晶粒子であるものを用いることができ、このうち、所定焼成条件において等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長するものを用いることが好ましい。ここで、「所定焼成条件における成長形」とは、与えられた熱処理条件下で無機材料の結晶が平衡に達したときに見られるモルフォロジーと定義され、例えば、バルクを焼成し結晶化を進めた際に表面の粒子の形状を観察することにより得られるものである。また、「異方形状」とは、例えば板状、短冊状、柱状、針状及び鱗状など、長軸長さと短軸長さとの比(アスペクト比)が大きいもの(例えばアスペクト比が2以上など)をいう。また、「等方的且つ多面体形状」とは、例えば立方体形状などをいう。ここで、一般的に、粒成長によって生成する結晶粒子のモルフォロジーは、固体の融点もしくは分解温度に対し、例えば400℃以下など粒成長する温度が十分に低ければ、ほとんど球状となる。本来、原子の配列に異方性があり、結晶面によって成長速度に差があるにもかかわらず、球状に粒成長するのは、固体原子が非常に動きにくいからである。一方、固体の融点もしくは分解温度と、粒成長する温度とが近い場合、例えば両者の温度差が200℃以内となると、粒成長する際の粒子表面の原子の動きが活発となり、結晶構造に起因した表面形態が現れる。すなわち、粒成長において、結晶面による成長速度の差が出るようになり、成長の遅い結晶面は発達するが、成長の速い結晶面は、小さくなるか消滅してしまう。このように面成長速度の差で定まるモルフォロジーを成長形という。成長形として、異方形状や多面形状となるのは、先に述べたように、固体の融点、もしくは分解温度と、粒成長する温度が近い材料の他に、ガラスなどの低融点化合物をフラックスとして添加し、フラックスを介した粒成長を行わせるようにした系が好ましく選ばれる。フラックスを介することで、粒子表面での固体構成元素の動きが活発となるためである。なお、第1無機材料は、多面体形状に成長するものの中でも、6面体形状に成長するものが最も好ましい。6面体であれば、シート内に全方位となる4面が成長面として含まれることからシート内で等方的に粒成長し、シート表面に存在する残りの2面が無理なく拡がるため、アスペクト比の大きな粒子が得られやすく、好ましい。同様の理由で6角柱や8角柱など、柱形状も好ましい。この無機材料は、ペロブスカイト構造を有する酸化物となるものが好ましく、更に、焼成後の結晶が一般式ABO3で表される酸化物であり、このAサイトがLi,Na及びKから選ばれる1種以上を含み、BサイトがNb及びTaから選ばれる1種以上を含むものとなるものを用いるのが好ましい。例えば、無機材料として、NaNbO3のAサイトの一部をLi,Kなどで置換し、Bサイトの一部をTaなどで置換したもの((LiXNaYZ)NbMTaN3:X,Y,Z,M,Nは任意の数を表す)となるようなものとすると、900℃〜1300℃での成長形が立方体形状となるため、好ましい。また、(Bi0.5Na0.5-xx)TiO3 を主組成とするものにおいては、X>0.01とすることで成長形が立方体形状となるため、好ましい。なお、ここに挙げた元素以外を添加しても構わない。また、AサイトとしてPbを主成分として含み、Bサイトとして、Mg、Zn、Nb、Ni、Ti、Zrから選ばれる1種以上を含むものも好ましい。さらにフラックスとして、鉛ホウ酸系ガラス、亜鉛ホウ酸系ガラス、ホウ珪酸ガラス、鉛−珪酸ガラス、亜鉛−珪酸ガラス及びビスマス−珪酸ガラスなど、融点が1000℃以下のガラスを、0.1wt%以上添加したものとすると、900℃〜1300℃での成長形がより立方体形状となりやすいため好ましい。この場合、ガラスの分散性の観点から、ガラス粉末をそのままシート状にするのではなく、一度仮焼しガラスを十分拡散したあとこの仮焼した材料を粉砕し、この粉砕した粉末を用いてシートを作製するものとするのが好ましい。
第1シートに用いる第1無機材料としては、一般式ABO3で表される酸化物のAサイトリッチとすることが好ましく、AサイトがLi,Na及びKを含み、BサイトがNbを含むものを用いることができる。なお、「Aサイトリッチ」とは、「B」に対して「A」の元素比が多いことをいう。第1無機材料は、AサイトとBサイトの比であるA/Bが1.0以上1.1以下となるよう原料を調製することが好ましい。A/Bが1.0以上1.1以下の範囲では、焼成後のセラミックスシートに含まれる結晶のアスペクト比や配向度を大きいものとすることができる。第2シートに用いる第2無機材料としては、第1無機材料の粒成長する温度よりも高い温度で粒成長するものを用いる。この第2無機材料の粒成長する温度は、第1無機材料よりも少なくとも50℃以上高い温度とすることが好ましく、100℃以上高い温度とすることがより好ましく、200℃以上高い温度とすることが最も好ましい。50℃以上高い温度であれば、第1無機材料の粒成長と第2無機材料の粒成長とを分けて行いやすい。ここで、「粒成長する温度」とは、無機材料を成形したものを焼成したときに、電子顕微鏡で観察した粒子径が焼成前の粒子径に対して2倍以上になる温度とする。第2無機材料の粒成長する温度は、第1無機材料と異なる組成とすることでより高いものとしたり、第1無機材料に低融点化合物などの粒成長促進剤を添加することでより高いものとしたり、第2無機材料に粒成長抑制剤を添加することでより高いものとしたり、第1無機材料と異なる粒度分布とすることでより高いものとしたりすることができる。この第2の無機材料は、Aサイト欠乏とすることが好ましく、一般式ABO3で表される酸化物のAサイトがLi,Na及びKを含み、BサイトがNbを含むものであるときに、AサイトがLi,Na及びKを含み、BサイトがNb及びTaを含むものを用いることができる。第1無機材料の組成及び第2無機材料の組成は、その焼成時に互いに拡散し全体として均一な組成になる場合には、目的とする結晶配向セラミックスの組成に合わせて適宜設定することができる。
無機材料の調製工程では、無機材料の原料を粉砕混合し、混合した粉体を仮焼し、得られた無機材料を更に粉砕することが好ましい。無機材料の原料としては、目的の成分の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩及び酒石酸塩などを用いることができるが、主として酸化物、炭酸塩を用いることが好ましい。また、無機材料の粉砕では、シートの厚さに応じた粒径とすることが好ましく、無機材料のメディアン径(D50)をシート厚さの5%以上60%以下とすることが好ましい。メディアン径がシート厚さの5%以上であれば、粉砕処理が容易であるし、60%以下であればシート厚さを調整しやすい。この粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて分散媒(有機溶剤や水など)に分散させて測定した値を用いるものとする。無機材料の粉砕は、湿式粉砕することが好ましく、例えばボールミルやビーズミル、トロンメル、アトライターなどを用いてもよい。
(2)シートの成形工程
次に、無機材料を平板状の成形体に成形する。ここでは、第1無機材料を含むシート厚さが10μm以下の第1シートと、第2無機材料を含む第2シートとを成形する。シートの成形方法としては、例えば、無機材料を含むスラリーを用いたドクターブレード法や、無機材料を含む坏土を用いた押出成形法などによって行うことができる。ドクターブレード法を用いる場合、可撓性を有する支持部材(例えばPETフィルムなどの有機ポリマーフィルムなど)にスラリーを塗布し、塗布したスラリーを乾燥固化して成形体とし、この成形体と支持部材とを剥がすことによりシートを作製してもよい。成形前にスラリーや坏土を調製するときには、無機材料を適当な分散媒に分散させ、バインダーや可塑剤などを適宜加えてもよい。また、スラリーは、粘度が500〜700cPとなるように調製するのが好ましく、減圧下で脱泡するのが好ましい。その他の成形方法としては、エアロゾルデポジション法などの、粒子の高速吹き付け法や、スパッタ、CVD、PVDなどの気相法などにより、樹脂、ガラス、セラミックス及び金属などの支持部材へ膜付けし、支持部材から剥離することでシートを作製してもよい。この場合、シートの密度を高くすることができるため、低温での粒成長、構成元素の揮発防止、得られるセラミックスシートが高い密度である、などの利点がある。
第1シートの厚さとしては、10μm以下とするが、5μm以下に形成することがより好ましく、2μm以下とすることが最も好ましい。10μm以下では高い配向度を得ることができ、5μm以下であればより一層高い配向度を得ることができる。また、シート厚さは、0.1μm以上とするのが好ましい。シート厚さが0.1μm以上であれば、平板状のシートを作成しやすい。第2シートの厚さは、特に限定されないが、各工程が終了して得られる結晶配向セラミックスの組成に合わせて第1シートの厚さに対して設定してもよく、第1シートの厚さよりも厚く成形するのが好ましい。こうすれば、第1シートに含まれる第1無機材料を粒成長させる際に、その温度では粒成長しない第2シートによって第1シートを保持しやすいため、第1無機材料の粒成長を促しやすい。この第2シートの厚さは、第1シートの厚さに対して5倍以下とするのが好ましく、2倍以下とするのがより好ましい。5倍以下であれば、第1無機材料の粒成長を行ったのちにこの粒成長した第1無機材料を核として第2無機材料を粒成長しやすい。
(3)シートの積層工程
次に、成形した第1シート及び第2シートを積層する。この積層工程では、最下層と最上層とが第1シートとなるよう第1シートと第2シートとを交互に積層するものとしてもよいし、最下層と最上層とが第2シートとなるよう第1シートと第2シートとを交互に積層するものとしてもよい。前者では、第2無機材料の粒成長の核となる第1無機材料を含む第1シートで第2シートを挟み込むため、最下層または最上層の一方が第2シートであるものに比して、最上下層近傍の第2シートの結晶配向性をより高めることができる。また、後者では、より高い温度で粒成長する第2無機材料を含む第2シートで第1シートを挟み込むため、焼成時に積層体を載置した載置台へ積層体が溶着してしまうのをより抑制することができる。なお、最下層と最上層とが異なるシートとなるように積層してもよい。図1は、積層工程の一例を表す説明図であり、図1(a)が各シートの説明図、図1(b)がシート同士を圧着する図、図1(c)が支持部材の除去図である。なお、以降の図には、第1シート21に網掛け処理を施した。図1(a)に示すように、PETフィルムなどの支持部材23上に成形した第1シート21を第2シート22に対向させ、第1シート21と第2シート22とを圧着し(図1(b))、支持部材23を除去する(図1(c))。続いて、第1シート21に新たな第2シート22を対向させ、これを圧着し、この作業を望みの積層枚数になるまで繰り返す。第1シート21と第2シート22との圧着は、支持部材23を剥がす際に第1シート21と第2シート22とが剥離しない程度に行えばよい。そして、積層した積層体をプレス装置を用いて積層圧力を加えることが好ましい。この積層圧力は、100kg/cm2程度で行うことが好ましい。また、この積層圧力を加える際に加温することが好ましい。この加温は、80℃程度で行うことが好ましい。第1シート21は、シート成形により形成するのではなく、スクリーン印刷などにより第2シート22に塗布することにより形成してもよい。更には、第1,第2シート共にスクリーン印刷によって塗布し、印刷、乾燥を交互に繰り返すことによって積層してもよい。また、スクリーン印刷などにより、基板上に直接積層体を形成してもよい。この場合、基板に接合された状態で結晶配向セラミックスが得られる。
(4)積層体の焼成工程
続いて、積層工程で得られた積層体を焼成する。この焼成工程では、第1無機材料が粒成長する温度以上且つ第2無機材料が粒成長する温度未満で焼成する第1焼成処理を行うことにより第1無機材料の粒成長を行ったのちに、第2無機材料が粒成長する温度以上で焼成する第2焼成処理を行うことにより第1無機材料の結晶面方向に第2無機材料を粒成長させるものとする。例えば、第1無機材料が等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長するものであるときでも、状況によっては特定の結晶面を成長させることが可能であると考えられる。ここでは、等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長する無機粒子を含んでいても、第1シート21の厚さが10μm以下とシート厚さ方向への粒成長が限られており、シート面の方向に粒成長がより促されるため、特定の結晶面がシート面内に成長することにより、アスペクト比が大きく配向度の高いものとなる。この第1焼成処理と第2焼成処理とは、別工程で行うこととしてもよいし、第1焼成処理に続けて第2焼成処理を行うこととしてもよいが、省エネルギの観点から、第1焼成処理に続けて第2焼成処理を行うことが好ましい。第1焼成処理では、焼成により第1無機材料の成長形の結晶が得られる焼成温度、例えばバルクを焼成することにより緻密化、粒成長する焼成温度に比べて1割以上高い温度で焼成することが好ましい。1割以上高い温度では、10μm以下の第1シート21の粒成長を十分進めることができる。なお、積層体の材料が分解しない程度に高い温度で焼成することが好ましい。特に、シートの厚さがより薄くなると、粒成長がしにくくなるため、焼成温度をより高くする傾向とすることが好ましい。第2焼成処理では、第2無機材料が粒成長し且つ積層体の材料が分解しない程度の温度で焼成することが好ましい。なお、第2シート22の厚さが10μm以下であるときは、第1無機材料と同様に、シートの厚さがより薄くなると、焼成温度をより高くする傾向とすることが好ましい。
例えば、無機材料として、NaNbO3のAサイトにLi,Kなどを添加し、BサイトにTaを添加したもの((LiXNaYZ)NbMTaN3)の焼成工程では、第1焼成処理における第1シート21の焼成温度を850℃以上1000℃以下とすることが好ましい。焼成温度が850℃以上では、粒子の結晶の成長が促されるため好ましく、1000℃以下では、アルカリ成分などの揮発を少なく抑えることができ、材料が分解してしまうのを抑制することができる。また、第2焼成処理における第2シート22の焼成温度を1050℃以上1200℃以下とすることが好ましい。焼成温度が1050℃以上では、粒子の結晶の成長が促されるため好ましく、1200℃以下では、アルカリ成分などの揮発を少なく抑えることができ、材料が分解してしまうのを抑制することができる。
また、積層体に含まれる特定成分(例えばアルカリなど)の揮発を抑制する揮発抑制状態で積層体を焼成することが好ましい。こうすれば、積層体からの特定の元素が揮発してしまうのを抑制することにより、焼成後の結晶配向セラミックスの組成がずれてしまうのを抑制することができる。例えば、揮発抑制状態として積層体とは別の無機材料を共存させた状態でこの積層体を焼成してもよい。こうすれば、共存した無機材料から特定成分を揮発させることにより、比較的容易に積層体から特定成分が揮発してしまうのを抑制することができる。このとき、「別の無機材料」は、第1無機材料であってもよいし、第2無機材料であってもよいし、積層体の全体の組成と同じものであってもよく、その形態は、粉末状であってもよいし成形体状であってもよい。あるいは、揮発抑制状態として蓋付きの鞘などに入れ密閉状態でこの積層体を焼成するものとしてもよい。このとき、鞘内部の空間はできる限り小さくすることが好ましい。ここで、鞘内部の雰囲気が最適な状態となるように、鞘内部の容積や、成形体の量、共存させる無機材料の量などを適切な状態に経験的に設定することが重要である。なお、焼成雰囲気は、大気中としてもよいが、構成元素の揮発抑制、不活性層との反応性などの点で、酸素雰囲気や、窒素などの中性雰囲気、水素や炭化水素の共存下などの還元雰囲気、真空中などとしてもよい。また、緻密化を促進する観点から、ホットプレスなど加重焼成してもよい。
この焼成工程を図を用いて説明する。図2は、焼成器10の説明図であり、図2(a)が側面図、図2(b)が図2(a)のA−A断面図である。この焼成器10は、図示しない焼成炉で積層体20を焼成するときに用いられるものであり、未焼成の積層体20を載置する焼成済みのセラミック板であるセッター12と、積層体20と同一の無機材料により形成され積層体20よりも厚さの大きい未焼成の共存用未焼成成形体14と、共存用未焼成成形体14上に配置され積層体20の蓋となる焼成済みのセラミック板である角板16とによって構成されている。図2に示すように、積層体20の四方を共存用未焼成成形体14により囲み込むことにより積層体20から特定成分(例えばアルカリなど)が揮発して組成が変化してしまうのを防止するのである。なお、未焼成成形体を共存させる代わりに、鞘内部に粉末状態で無機材料を共存させる場合には、鞘内部でのセッターの置き方やサイズ、段積みの方法、粉末の置く位置などを調整することにより、鞘内部の雰囲気を均一に調整することができ、成形体を複数枚焼成する場合に、各成形体が均一な配向結晶構造となるようにすることができる。ここでは、セッター12は、平板状であるものとしたが、シートの載置面の表面を粗くしたセッターや、シートの載置面に貫通孔を複数設けたハニカム状のセッター、ディンプル加工されたセッターなど積層体20との接触面積が小さくなるようにし、セッター12と積層体20とが溶着してしまうのを防止するものとしてもよい。また、セッター12の載置面に積層体20の焼成温度で安定なアルミナ粉やジルコニア粉などを敷きその上に積層体20を載置して焼成するものとしてもよい。
このような焼成器10を焼成炉に入れ、第1無機材料が粒成長する第1温度まで昇温し、その後第2無機材料が粒成長する第2温度まで昇温するのである。図3は、積層体20を焼成したときの模式図であり、図3(a)が焼成前の積層体20の説明図、図3(b)が第1無機材料が粒成長した第1粒成長積層体30の説明図、図3(c)が第2無機材料が粒成長した結晶配向セラミックス40の説明図である。具体的には、第1温度まで所定の昇温速度(例えば100〜200℃/hなど)で昇温し、この第1温度で所定時間(例えば2〜5hなど)保持する。すると、第1シート21の厚さが10μm以下と薄いため、第1無機材料の厚さ方向への粒成長が制限され第2シート22と接触している接触面に沿ってより粒成長し、異方形状の第1粒子31が生成される(図3(b))。次に、第2無機材料が粒成長する第2温度まで所定の昇温速度(例えば100〜200℃/hなど)で昇温し、この第2温度で所定時間(例えば2〜5hなど)保持する。すると、先に粒成長した第1無機材料を核として第2無機材料が第1無機材料の粒子の向きに沿って粒成長する(図3(c))。このとき、第1無機材料と第2無機材料とが互いに拡散し、セラミックス全体として均一な組成となる。このように、第1無機材料が異方形状の結晶粒子に成長するものや等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長するもののいずれかであっても、第1無機材料は第2シート22との接触面に沿って粒成長し、第2無機材料が異方形状の結晶粒子に成長するものや等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長するもののいずれかであっても、第2無機材料は粒成長した第1無機材料に沿う方向に粒成長するのである。また、揮発抑制状態で積層体20を焼成するため、目的とする元素比により近い結晶配向セラミックス40となる。その後室温まで降温し、所定方向に結晶面が配向した配向結晶41を含む結晶配向セラミックス40を得ることができる。
得られた結晶配向セラミックス40は、圧電部材や電歪部材として利用することができる。結晶配向セラミックス40を圧電部材や電歪部材として利用する際に、結晶配向セラミックス40及び電極を基板上に交互に積層してもよい。また、ここでは、電極を含まない結晶配向セラミックス40を製造する方法を説明したが、積層した第1シート21及び第2シート22の任意の位置に電極を形成し、上述した焼成工程を行うことによって、電極が形成された結晶配向セラミックス40を作製するものとしてもよい。こうすれば、1回の焼成工程で粒子の配向と電極の形成とが行えるため、生産効率がよい。
以上詳述した本実施形態の結晶配向セラミックスの製造方法によれば、第1温度以上で粒成長する第1無機材料を含む厚さが10μm以下の第1シート21と、第1温度よりも高い第2温度で粒成長する第2無機材料を含む第2シート22とを成形し、成形した第1シート21と第2シート22とを1以上積層した積層体20を得て、この積層体20を第1温度以上第2温度未満の温度で焼成することにより第1無機材料を粒成長させる。このとき、第1シート21は、厚さが10μm以下であるため、第1無機材料は、シートの厚さ方向への粒成長が限られており、第2シート22との接触面に沿って粒成長がより促される。その後、第2温度以上で焼成することにより第2シート22に含まれる第2無機材料を粒成長させる。このとき、第2無機材料は、接触面に沿って粒成長した第1無機材料の粒子の方向に沿って粒成長する。このように、全体として一定の方向へ粒成長するのである。したがって、第1無機材料を焼成により粒成長させたものを解砕して第2無機材料と混合・成形した後に再度焼成を行うものに比して、より簡便な方法で結晶配向性を高めることができる。また、焼成工程において第1温度による焼成に続いて第2温度による焼成を行うことにより焼成工程が簡素化可能であるため、より低エネルギで結晶配向性を高めることができる。更に、原料調製工程、成形工程、積層工程、焼成工程の一連の流れにより結晶配向セラミックス40を得ることができるため、より短時間の処理で結晶配向性を高めることができる。更に、第1シート21の厚さが10μm以下であり第2シート22との接触面に沿って第1無機材料の粒成長がより促されることから、通常は、等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長するような材料であっても、異方形状に粒成長させ且つ結晶配向性を高めるものとして有効に利用することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、第1シート21を平板状に形成するものとしたが、図4に示すように、第1シート21に複数の貫通孔24を設けた第1シート21Bとし、この貫通孔24に入れ込んだ第2無機材料を介して2つの第2シート22を接続した積層体20Bとしてもよい。具体的には、第1シート21を支持部材23上に成形したのち、打ち抜きなどにより貫通孔24を設け、第1シート21Bを作製する。また、平板状の第2シート22を上記実施形態と同様に作製する。次に、この貫通孔24を設けた第1シート21Bと第2シート22とを上述と同様の方法で積層する(図4(a))。このとき、各第1シート21Bの貫通孔24の位置が互いにずれるように積層するのが好ましい。次に、例えば加温しながら積層加圧する。すると、第2シート22の一部が貫通孔24に入り込んだ状態で圧着される(図4(b))。こうすれば、貫通孔24に入り込んだ第2無機材料のアンカー効果により、焼成時に起こりうる第1シート21と第2シート22との剥離の発生を抑制することができる。あるいは、第2シート22に複数の貫通孔を設け、この貫通孔に入れ込んだ第1無機材料を介して2つの第1シート21を接続した積層体としてもよい。この貫通孔の内部に第1無機材料を満たす積層体としてもよい。こうしても、貫通孔に入り込んだ第1無機材料のアンカー効果により、焼成時に起こりうる第1シート21と第2シート22との剥離の発生を抑制することができる。
上述した実施形態では、積層体の焼成工程において、第1無機材料が粒成長する第1温度まで昇温し、その温度で所定時間保持したのちに第2無機材料が粒成長する第2温度まで昇温しその温度で所定時間保持する2段階の焼成工程としたが、第1温度で所定時間保持するのを省略してもよい。例えば、第2温度まで昇温する過程において、第1温度以上となったときに第1無機材料を粒成長させ、第2温度に至ったあと第2無機材料がこの粒成長した第1無機材料に合わせて粒成長するものとすればよい。このとき、第1無機材料が十分粒成長可能な昇温速度にすることが好ましい。こうしても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、上述した実施形態では、2段階の温度で焼成するものとしたが、3段階以上の温度で焼成するものとしても構わない。
以下には、結晶配向セラミックス40を具体的に製造した例を説明する。
[実施例1]
(無機材料の調製工程)
第1無機材料が、Li0.03(Na0.4750.4751.03NbO3.015の組成比(ABO3で表される酸化物のAサイトリッチ)とし、第2無機材料が、Li0.03(Na0.4750.4750.98Nb0.7Ta0.32.999の組成比(Aサイト欠乏)となるように、各粉末(Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、Nb25、Ta25)を秤量した。次に、2つのポリポットに、それぞれ秤量物と、ジルコニアボールと、分散媒としてエタノールとを入れ、ボールミルで16h湿式混合、粉砕を行った。得られたスラリーをエバポレータ及び乾燥機によって乾燥した後、850℃,5hの条件化で仮焼成した。この仮焼粉末と、ジルコニアボールと、分散媒としてエタノールを入れ、ボールミルで5h湿式粉砕し、エバポレータ及び乾燥機によって乾燥して、それぞれ、Li0.03(Na0.4750.4751.03NbO3.015、及びLi0.03(Na0.4750.4750.98Nb0.7Ta0.32.999の無機材料粉体を得た。この粉体をHORIBA製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−750を用い、水を分散媒として平均粒径を測定したところ、メディアン径(D50)は、0.6μmであった。この第1無機材料の粒成長する温度は約850℃であり、第2無機材料の粒成長する温度は、1050℃であった。
(シートの成形工程)
分散媒としてのトルエン、イソプロパノールを等量混合したものに、上記の無機材料粉体のいずれかと、バインダーとしてポリビニルブチラール(BM−2、積水化学製)、可塑剤(DOP、黒金化成製)と、分散剤(SP−O30、花王製)とを混合し、スラリー状の成形原料を作製した。各原料の使用量は、無機材料100重量部に対して、分散媒100重量部、バインダー10重量部、可塑剤4重量部及び分散剤2重量部とした。次に、得られたスラリーを、減圧下で撹拌して脱泡し、粘度500〜700cPとなるように調製した。スラリーの粘度は、ブルックフィールド社製LVT型粘度計で測定した。得られたスラリーをドクターブレード法によって支持部材23としてのPETフィルムの上にシート状に成形した。乾燥後の厚さを、第1無機材料を含む第1シート21では5μmとし、第2無機材料を含む第2シート22では10μmとした。なお、目的とする結晶配向セラミックス40の組成は、Li0.03Na0.4750.475Nb0.82Ta0.183であり、目的とする組成と第2無機材料のみTaが含まれるように、各シートの厚さを設定した。
(シートの積層工程)
第1シート21及び第2シート22を20mm×20mmに切り出し、最下層と最上層とが第1シート21となり全体で21層になるように、これら第1シート21及び第2シート22を交互に積層した。第1シート21と支持部材23とが一体となった状態で第1シート21を第2シート22上に仮圧着し、続いて支持部材23を剥がす作業を繰り返して積層体20(厚さ約150μm)を作製した。得られた積層体20に、プレス装置を用いて温度80℃、積層圧力100kg/cm2を加えた。
(積層体の焼成工程)
積層体20をジルコニアからなるセッター12(寸法70mm角、高さ5mm)の中央に載置した。このセッター12に、第2シート22と同じ成形原料からなる未焼成の成形体(寸法5mm×40mm、厚さ300μm)を積層体20の四辺の外側に載置してこれを囲い、その上に更にジルコニアの角板(寸法70mm角、高さ5mm)を載置した。こうして、シート状の成形体の空間をできるだけ小さくすると共に、同じ成形原料を共存させる焼成条件とした。そして、600℃、2h脱脂後、昇温速度200℃/hで昇温し、900℃で2h焼成を行い第1シート21に含まれる第1無機材料の粒成長を行った。続いて、昇温速度200℃/hで昇温し、1100℃で5h焼成を行い第2シート22に含まれる第2無機材料の粒成長を行った。焼成後、セッター12に溶着していない部分を取り出し、これを実施例1の結晶配向セラミックス40とした。
[実施例2]
成形工程において第1シート21に打ち抜きにより50μmの貫通孔24を形成し、積層工程において第1シート21の貫通孔24の位置がずれるように積層して積層体20を作製した(図4参照)以外は、上述の実施例1と同様の工程で結晶配向セラミックス40を作製した。なお、積層圧力を加えたあと、断面を確認したところ、貫通孔24には第2無機材料が充填されていた。なお、実施例2では、焼成時の剥離が生じにくいことがわかった。
[実施例3]
調製工程において、第1の無機材料が0.2Pb(Mg0.33Nb0.67)O3−0.35PbTiO3−0.45PbZrO3に1重量%のNiOを添加した組成比となる合成粉末へ、ZnO−B23−SiO2系ガラス粉末(旭硝子(AGG)製ASF1891)を1重量%添加し、ポリポットにこの秤量物とジルコニアボールと分散媒としてイオン交換水とを入れ、ボールミルで16h、湿式混合を行った。得られたスラリーを乾燥機で乾燥したあと、800℃、2hの条件下で仮焼した。この仮焼粉末と、ジルコニアボールと分散媒としてイオン交換水とを入れ、ボールミルで5h湿式粉砕し、乾燥機によって乾燥し、第1の無機材料を得た。また、第2の無機材料は、第1の無機材料にNiO及びZnO−B23−SiO2系ガラス粉末を添加しない状態で、第1の無機材料と同様の工程を経て作製した。この第1無機材料の粒成長温度は、950℃であり、第2無機材料の粒成長温度は、1150℃であった。そして、積層体の第1無機材料を1100℃で粒成長させ、第2の無機材料を1200℃で粒成長させた以外は実施例1と同様の工程を経て結晶配向セラミックスを作製した。
[配向性の評価]
上記実施例1〜3について、XRD回折装置(リガク社製RAD−IB)を用い、シート面に対してX線を照射したときのXRD回折パターンを測定し、ロットゲーリング法によって擬立方(100)面の配向度を、擬立方(100),(110),(111)のピークを使用して式(1)を用いて計算した。この数式(1)において、ΣI(HKL)がセラミックスシートで測定されたすべての結晶面(hkl)のX線回折強度の総和であり、ΣI0(hkl)がセラミックスシートと同一組成であり無配向のものについて測定されたすべての結晶面(hkl)のX線回折強度の総和であり、Σ’I(HKL)がセラミックスシートで測定された結晶学的に等価な特定の結晶面(例えば(100)面)のX線回折強度の総和であり、Σ’I0(HKL)がセラミックスシートと同一組成であり無配向のものについて測定された特定の結晶面のX線回折強度の総和である。このように、ロットゲーリング法による配向度を求めたところ、60%以上を示した。
Figure 0005011066
本発明は、圧電体・電歪体の製造分野に利用可能である。
積層工程の一例を表す説明図であり、図1(a)が各シートの説明図、図1(b)がシート同士を圧着する図、図1(c)が支持部材の除去図である。 焼成器10の説明図であり、図2(a)が側面図、図2(b)が図2(a)のA−A断面図である。 積層体20を焼成したときの模式図であり、図3(a)が焼成前の積層体20の説明図、図3(b)が第1無機材料が粒成長した第1粒成長積層体30の説明図、図3(c)が第2無機材料が粒成長した結晶配向セラミックス40の説明図である。 積層体20Bの説明図であり、図4(a)が積層した図、図4(b)が積層圧力を加えたあとの図である。
符号の説明
10 焼成器、12 セッター、14 共存用未焼成成形体、16 角板、20 積層体、20B 積層体、21 第1シート、21B 第1シート、22 第2シート、23 支持部材、24 貫通孔、30 第1粒成長積層体、31 第1粒子、40 結晶配向セラミックス、41 配向結晶。

Claims (11)

  1. 所定の第1温度以上で粒成長する第1無機材料を含む厚さが10μm以下の第1成形体層と、前記第1温度よりも高い第2温度で粒成長する第2無機材料を含む第2成形体層とを成形する成形工程と、
    前記成形した第1成形体層と第2成形体層とを1以上積層した積層体を得る積層工程と、
    前記積層した積層体を前記第1温度以上第2温度未満の温度で焼成することにより前記第1無機材料を前記第2無機材料との接触面に沿って粒成長させ、その後前記第2温度以上で焼成することにより前記粒成長した第1無機材料の結晶面方向に前記第2無機材料を粒成長させる焼成工程と、
    を含む結晶配向セラミックスの製造方法。
  2. 前記成形工程では、前記第1無機材料として所定焼成条件において等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長する無機材料を用いる、請求項1に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  3. 前記焼成工程では、前記積層体に含まれる特定成分の揮発を抑制する揮発抑制状態で前記成形体を焼成する、請求項1又は2に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  4. 前記焼成工程では、前記揮発抑制状態として、前記第1無機材料及び前記第2無機材料のうち少なくとも一方を前記積層体とは別に共存させた状態で該積層体を焼成する、請求項3に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  5. 前記積層工程では、最下層と最上層とが前記第1成形体層となるよう前記第1及び第2成形体層を積層する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  6. 前記成形工程では、前記第1成形体層よりも厚い前記第2成形体層を成形する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  7. 前記成形工程では、ペロブスカイト構造となる無機材料を用いる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  8. 前記成形工程では、前記第1及び第2無機材料として一般式ABO3で表される酸化物
    のAサイトがLi,Na及びKから選ばれる1種以上を含み、BサイトがNb及びTaから選ばれる1種以上を含む酸化物となる無機材料を用いる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  9. 前記成形工程では、前記第1及び第2無機材料として一般式ABO3で表される酸化物
    のAサイトがPbを含み、BサイトがMg,Zn,Nb,Ni,Ti及びZrから選ばれる1種以上を含む酸化物となる無機材料を用いる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  10. 前記成形工程では、前記第2成形体層に接する接触面に貫通孔を設けた第1成形体層を成形し、
    前記積層工程では、該貫通孔に前記第2無機材料を充填する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
  11. 前記成形工程では、前記第1成形体層に接する接触面に貫通孔を設けた第2成形体層を成形し、
    前記積層工程では、該貫通孔に前記第1無機材料を充填する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の結晶配向セラミックスの製造方法。
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