JP2009196844A - 結晶粒子の製造方法 - Google Patents

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昌平 横山
Akira Urakawa
明 浦川
Nobuyuki Kobayashi
伸行 小林
Tsutomu Nanataki
七瀧  努
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Abstract

【課題】結晶の配向性を高めるに際して、シート部同士をできるだけ接しないようにし、体積効率を高めて焼成する。
【解決手段】無機粒子をシート厚さが10μm以下のシート状に形成した複数のシート部32に成形し、このシート部32の間に上部スペーサ34及び下部スペーサ35を入れて積層した積層体に貫通孔26を設け、この貫通孔26に吊棒28を挿入し吊した状態で焼成し、積層焼成体20を作製する。シート部32は、シート厚さ方向に存在する材料が限られているため、焼成などにより粒成長すると、シート面方向に結晶粒子が成長する。また、シート部32の間にはスペーサ34,35により空間が形成されているからシート部同士が接しにくい。また、シート部32を積層し吊した状態で焼成するから、強度が必要な載置部材を省略可能であり、より体積効率を高めた状態で焼成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、結晶粒子の製造方法に関する。
従来、圧電体として利用されるジルコン酸鉛(以下PZTとする)の製造方法としては、ジルコニア焼結体のジルコニア結晶の粒界にスピネルが存在し且つこの粒界に酸化アルミが存在しない反応防止部材からなる載置部材にPZTを載置して焼成するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この製造方法では、反応防止部材が強度が高くPZTと低い反応性であるため、PZTの組成のばらつきを抑制することができる。
特開2007−145647号公報(図1)
しかしながら、この特許文献1に記載された圧電体の製造方法では、PZTを多量に製造しようとすると、例えば、PZTを載置した複数の載置部材をそれぞれ所定の空間を空けた状態で段積みにしてPZT同士が接触しない状態で焼成するということが考えられるが、載置部材の厚さや、所定の空間が必要であり、単位体積あたりに得られる焼成体の量が少ない、即ち、体積効率を高めて焼成効率を高めたいということがあった。また、PZTの性能を高めたいということもあった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、結晶の配向性を高めると共に、シート部同士をできるだけ接しないようにし、体積効率を高めて焼成することができる結晶粒子の製造方法を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、空間形成部を設けてシート部を積層し、吊した状態で焼成するものとすると、結晶の配向性を高め、シート部同士をできるだけ接しないようにし且つ体積効率を高めて焼成することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の結晶粒子の製造方法は、
無機粒子をシート厚さが10μm以下のシート状に形成した複数のシート部と、該シート部とシート部との間に配置され該シート間に空間を形成する空間形成部とを積層した積層体状態で該積層体を吊して焼成する焼成工程、を含むものである。
この結晶粒子の製造方法では、無機粒子をシート厚さが10μm以下のシート状に形成した複数のシート部を焼成するため、シート厚さ方向に存在する材料が限られており、焼成などにより粒成長すると、シート面方向に結晶粒子が成長し配向性を高めることができ、性能を高めることができる。また、シート部とシート部との間には空間形成部により空間が形成されているからシート部同士をできるだけ接しないようにすることができる。また、例えばシート部を載置部材に載置していわゆる段積みして焼成する場合には、載置部材と載置部材との間に空間を設けたり載置部材自体に強度を持たせるため厚くなるなどして体積あたりのシート部の量が少ないのに対して、ここでは、シート部を積層し吊した状態で焼成するから、強度が必要な載置部材を省略可能であり、より体積効率を高めた状態で焼成することができる。ここで、「結晶粒子」とは、配向した結晶粒子が含まれているもの、例えば自立したシート状の結晶粒子の形態や、複数の結晶粒子が粒界で接続した板状多結晶粒子の形態などを含む。この「自立したシート状」とは、シート厚さを10μm以下に成形したシート状の成形体を焼成して得たものをいい、他のシートに積層して焼成された状態であるものや、なんらかの基板に貼り付けて焼成された状態であるもの、スパッタ、ゾルゲル、エアロゾルデポジション法、スクリーン印刷法などによりなんらかの基板に成膜され支持された状態の膜を含まない趣旨である。また、「積層体状態」とは、各シートと空間形成部とが固定されて積層された状態でもよいし、各シートと空間形成部とが固定されずに積層された状態でもよい。なお、焼成された積層体は、焼成工程後に吊された状態で得られるのが好ましいが、粒成長し結晶粒子が得られるものとすれば落下した状態で得られるものとしてもよい。
本発明の結晶粒子の製造方法において、前記焼成工程では、前記シート部の上端側と下端側とに前記空間形成部を固定し該上端側の空間形成部を介して吊した状態で前記積層体を焼成するものとしてもよい。こうすれば、シート部を上端側で固定し、下端側に形成された空間形成部の重さによりシート部に張力を付与することができ、焼成時に複数のシート部を接しない状態にしやすい。また、焼成後に平板のシート状で得られやすい。
本発明の結晶粒子の製造方法は、前記焼成工程で消失する保護層を前記シート部に設ける保護層形成工程、を含み、前記焼成工程では、前記シート部と前記保護層と前記空間形成部とを積層した積層状態で焼成するものとしてもよい。こうすれば、保護層により焼成前のハンドリング強度を高めることができ、複数のシート部を積層しやすい。このとき、前記空間形成部を前記保護層に形成する空間形成部形成工程、を含み、前記焼成工程では、前記シート部、前記保護層及び前記空間形成部の順に積層して前記積層体状態とした前記積層体を焼成するものとしてもよい。こうすれば、焼成することにより保護層が消失するから、空間形成部がシート部から外れやすく、結晶粒子を得られやすい。
本発明の結晶粒子の製造方法において、前記焼成工程では、貫通孔を前記シート部と前記空間形成部とに設け、該貫通孔に吊棒を挿入した状態で焼成するものとしてもよい。こうすれば、シート部を積層して比較的容易に吊した状態で焼成することができる。このとき、前記焼成工程では、横長の貫通孔を前記シート部と前記空間形成部とに複数設け、該貫通孔のうち一方の貫通孔に隣り合う側に吊棒を挿入して焼成するものとしてもよい。こうすれば、シート部や空間形成部が焼成収縮したときに、吊棒が横長の貫通孔を移動可能であるため、焼成時に積層体が破損してしまうのをより抑制することができる。
本発明の結晶粒子の製造方法は、前記焼成工程の前に、前記無機粒子をシート状に成形したシート部を作製するシート成形工程と、前記成形した複数のシート部と複数の前記空間形成部とを積層する積層工程と、を含むものとしてもよい。このとき、前記シート成形工程では、一般式ABO3で表される酸化物を主成分とし、AサイトがPbを含み、BサイトがMg,Zn,Nb,Ni,Ti及びZrから選ばれる1種以上を含む酸化物となる無機粒子を前記シート状に成形するものとしてもよい。あるいは、前記シート成形工程では、一般式ABO3で表される酸化物を主成分とし、AサイトがLi,Na,K,Bi及びAgから選ばれる1種以上を含み、BサイトがNb,Ta及びTiから選ばれる1種以上を含む酸化物となる無機粒子を前記シート状に成形するものとしてもよい。また、前記積層工程では、シート部と空間形成部とを固定した状態で積層するものとしてもよいし、シート部と空間形成部とを固定しない状態で積層するものとしてもよい。
本発明の結晶粒子の製造方法において、前記焼成工程では、前記シート部と前記空間形成部とは同じ組成の無機粒子で形成されている前記積層体を焼成するものとしてもよい。こうすれば、焼成時に共存している空間形成部の無機粒子から特定成分を揮発させることにより、シート部から特定の元素が揮発することにより生じる組成のずれを抑制することができる。また、シート部同士の接触抑制機能と特定成分の揮発抑制機能とを空間形成部が兼ね備えるため、これらを別々に設けて焼成するのに比して、より体積効率を高めた状態で焼成することができる。
本発明の結晶粒子の製造方法は、前記焼成したシート部を解砕して前記結晶粒子を作製する解砕工程、を含むものとしてもよい。こうすれば、比較的容易に結晶粒子を得ることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。図1は、焼成工程後の積層焼成体20の説明図である。この積層焼成体20は、吊棒28に吊された状態で焼成された焼成体であり、無機粒子をシート厚さが10μm以下のシート状に形成され焼成された複数のセラミックスシート22と、セラミックスシート22同士の間に配置された空間形成部としての上部スペーサ24及び下部スペーサ25と、を備えている。また、この積層焼成体20の焼成時に、セラミックスシート22の一部が落下し、板状多結晶粒子21が得られることがある。この板状多結晶粒子21やセラミックスシート22には、所定方向に結晶面11が配向した複数の結晶粒子10が含まれている。以下、セラミックスシート22について主として説明するが、板状多結晶粒子21についても同様である。
このセラミックスシート22は、特定の結晶面11を有する結晶粒子10を複数含み、実質的に厚さ方向に1個である結晶粒子10を複数含み、この複数の結晶粒子10がこの特定の結晶面11を揃えた状態で粒界部12で結合されている形状を有している。即ち、セラミックスシート22は、特定の結晶面11を揃えた複数の結晶粒子10が略2次元的に連なった形状を有している。この「特定の結晶面11を揃えた状態」とは、複数の結晶粒子10の結晶面11が同一面上にある場合や、同一面上ではないが結晶面11の向いている方向が同じ場合(板状多結晶粒子21b参照)、結晶面11の向いている方向が異なるものがあってもおおよそ複数の結晶粒子10の結晶面11が同一面上にあるか、同一面上ではないが結晶面11の向いている方向が同じ場合(板状多結晶粒子21c参照)などの状態をいうものとする。また、「実質的に厚さ方向の結晶粒子10が1個」とは、一部で結晶粒子10が重なり合う部分があっても、他の大部分では結晶粒子10が重なり合わずに、厚さ方向に結晶粒子10を1個だけ含むことをいう。また、中心部分などセラミックスシート22の大部分が2個以上の結晶粒子10が結合した状態であり、端部のみ厚さ方向に1個であるようなものは含まない趣旨である。このセラミックスシート22は、厚さ方向に存在する材料が限られているため、焼成などにより粒成長すると、厚さ方向に結晶粒子10を1個有する状態となり、厚さ方向よりも面方向に粒成長が促される。このため、面方向に扁平な結晶粒子10が配列すると共に、特定の結晶面11が配向するのである。このセラミックスシート22は、粒成長時に、結晶粒子10の粒成長がシート状の成形体の厚さまで達しないものや、結晶面11の向く方向が異なるものが存在することがあるため、結晶粒子10が重なり合う部分や結晶面11の向いている方向が異なるものなどが局所的に存在するが、概して結晶面11の方向が同じ複数の結晶粒子10が粒界部12で結合された形状を有している。この結晶粒子10は、結晶粒子10を1個だけ含む部分が、結晶粒子10の面積割合で70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが最も好ましい。この面積割合は、できる限り結晶粒子10を分散した状態で電子顕微鏡観察(SEM観察)を行い、得られたSEM写真に含まれる面積の割合として求めるものとする。なお、厚さ方向に結晶粒子10を1個だけ含む部分の面積は、面方向の長さが厚さ以上である結晶粒子の総面積から予測することも可能である。この結晶粒子10は、結晶粒子10が重なるような部分は全体の一部分(例えば面積割合で30%以下など)であり、結晶粒子10同士が結合する粒界部12で比較的簡単に解砕することができる。
本発明のセラミックスシート22において、特定の結晶面11の配向度は、ロットゲーリング法で25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、60%以上であることが最も好ましい。配向度が25%以上であると、例えばこの結晶粒子10を更に2次配向させて成形し結晶配向セラミックスを得るのに十分な配向度であるといえる。この配向度が60%以上であると、より高い特性を得ることができる。この特定の結晶面11は、焼成成形体の面内にある擬立方(100)面としてもよい。この擬立方(100)とは、等方性ペロブスカイト型の酸化物は正方晶、斜方晶及び三方晶など、立方晶からわずかに歪んだ構造をとるがその歪みがわずかであるため立方晶とみなしてミラー指数により表示することを意味する。ここで、ロットゲーリング法による配向度は、
目的とするセラミックスシート22のXRD回折パターンを測定し、次式(1)により求めるものとした。また、この配向度は、板状多結晶粒子21の場合は、板状多結晶粒子21に含まれる結晶面11をできるだけ均一な方向にして板状多結晶粒子21をサンプルホルダとしての基板上に載置してXRD回折パターンを測定し、次式(1)により求めるものとした。この、XRD回折パターンの測定は、以下のように行う。まず、アルコールなどの溶媒に1〜10重量%となるように板状多結晶粒子21を入れ、例えば30分間の超音波などを用いて分散させ、この分散液を1000〜4000rpmの条件でスピンコートしガラス基板にコートすることにより、できるだけ重ならないように、且つ板状多結晶粒子21に含まれる結晶面11が基板面に対して平行になるように板状多結晶粒子21を薄層に分散させ、この状態でXRD回折の測定を行うものとする。なお、板状多結晶粒子21の大部分が分散しているかどうかをSEM観察などで確認することが好ましい。この数式(1)において、ΣI(hkl)が板状多結晶粒子で測定されたすべての結晶面(hkl)のX線回折強度の総和であり、ΣI0(hkl)が板状多結晶粒子と同一組成であり無配向のものについて測定されたすべての結晶面(hkl)のX線回折強度の総和であり、Σ’I(HKL)が板状多結晶粒子で測定された結晶学的に等価な特定の結晶面(例えば(100)面)のX線回折強度の総和であり、Σ’I0(HKL)が板状多結晶粒子と同一組成であり無配向のものについて測定された特定の結晶面のX線回折強度の総和である。
次に、結晶粒子10の製造方法について説明する。図2は、結晶粒子10の製造工程の一例を表す説明図である。本発明の結晶粒子の製造方法は、図2に示すように、(1)無機粒子から平板状のシート部32を成形するシート成形工程と、(2)シート部32を保護する保護層33を成形する保護層成形工程と、(3)シート部32と保護層33とを圧着し保護層33にスペーサ34,35を形成するスペーサ形成工程と、(4)複数のシート部32に貫通孔36を形成する貫通孔形成工程と、(5)複数のシート部を積層する積層工程と、(6)積層した積層体30を吊した状態で焼成する吊下焼成工程と、(7)積層焼成体20に含まれるセラミックスシート22を解砕して板状多結晶粒子21を得る解砕工程と、を含むものであり、以下、各工程順に説明する。
(1)シート成形工程
シート部32に用いる無機粒子としては、所定焼成条件において異方形状の結晶粒子に成長するもの、即ち、所定焼成条件における成長形が異方形状の結晶粒子に成長するものや、所定焼成条件において等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長するもの、即ち、所定焼成条件における成長形が等方的且つ多面体形状の結晶粒子であるものを用いることができる。この点について、本発明では、厚さが10μm以下のシート状の成形体を焼成させ粒成長させるので、シート部32の厚さ方向への粒成長は限られており、シート部32の面方向に、より粒成長が促進されるから、所定焼成条件において等方的且つ多面体形状の結晶粒子に成長するもの、例えば立方体に成長するものでも、これを用いて所定方向に配向した結晶粒子10を作製することができるのである。ここで、「所定焼成条件における成長形」とは、与えられた熱処理条件下で無機粒子の結晶が平衡に達したときに見られるモルフォロジーと定義され、例えば、バルクを焼成し結晶化を進めた際に表面の粒子の形状を観察することにより得られるものである。また、「異方形状」とは、例えば板状、短冊状、柱状、針状及び鱗状など、長軸長さと短軸長さとの比(アスペクト比)が大きいもの(例えばアスペクト比が2以上など)をいう。また、「等方的且つ多面体形状」とは、例えば立方体形状などをいう。ここで、一般的に、粒成長によって生成する結晶粒子のモルフォロジーは、固体の融点もしくは分解温度に対し、例えば400℃以下など粒成長する温度が十分に低ければ、ほとんど球状となる。本来、原子の配列に異方性があり、結晶面によって成長速度に差があるにもかかわらず、球状に粒成長するのは、固体原子が非常に動きにくいからである。一方、固体の融点もしくは分解温度と、粒成長する温度とが近い場合、例えば両者の温度差が200℃以内となると、粒成長する際の粒子表面の原子の動きが活発となり、結晶構造に起因した表面形態が現れる。すなわち、粒成長において、結晶面による成長速度の差が出るようになり、成長の遅い結晶面は発達するが、成長の速い結晶面は、小さくなるか消滅してしまう。このように面成長速度の差で定まるモルフォロジーを成長形という。成長形として、異方形状や多面形状となるのは、先に述べたように、固体の融点、もしくは分解温度と、粒成長する温度が近い材料の他に、ガラスなどの低融点化合物をフラックスとして添加し、フラックスを介した粒成長を行わせるようにした系が好ましく選ばれる。フラックスを介することで、粒子表面での固体構成元素の動きが活発となるためである。なお、無機粒子は、多面体形状に成長するものの中で、6面体形状に成長するものを利用することができる。6面体であれば、平板形状としたときに、この平板形状のシート面に平行な表面を持った粒子は、その2面を除く他の4面が成長面として成形体内の全方位に含まれるから、成形体内で等方的に粒成長したときには、2つのシート面が無理なく拡がるため、アスペクト比の大きな粒子が得られやすく、好ましい。同様の理由で6角柱や8角柱など、柱形状を用いることもできる。なお、アスペクト比の大きな結晶粒子を得る目的で、粒成長を促進する添加剤を添加してもよい。この無機粒子は、ペロブスカイト構造を有する酸化物となるものが好ましく、更に、焼成後の結晶が一般式ABO3で表される酸化物であり、このAサイトがLi,Na,K,Bi及びAgから選ばれる1種以上を含み、BサイトがNb,Ta及びTiから選ばれる1種以上を含むものとなるものを用いるのが好ましい。例えば、無機粒子として、NaNbO3のAサイトの一部をLi,Kなどで置換し、Bサイトの一部をTaなどで置換したもの((LiXNaYZ)NbMTaN3:X,Y,Z,M,Nは任意の数を表す)となるようなものとすると、900℃〜1300℃での成長形が立方体形状となるため、好ましい。なお、ここに挙げた元素以外を添加しても構わない。また、(Bi0.5Na0.5-xx)TiO3を主組成とするものにおいては、X>0.01とすることで成長形が立方体形状となるため、好ましい。また、AサイトとしてPbを主成分として含み、Bサイトとして、Mg、Zn、Nb、Ni、Ti、Zrから選ばれる1種以上を含むものも好ましい。さらにフラックスとして、鉛ホウ酸系ガラス、亜鉛ホウ酸系ガラス、ホウ珪酸ガラス、鉛−珪酸ガラス、亜鉛−珪酸ガラス及びビスマス−珪酸ガラスなど、融点が1000℃以下のガラスを、0.1wt%以上添加したものとすると、900℃〜1300℃での成長形がより立方体形状となりやすいため好ましい。この場合、ガラスの分散性の観点から、ガラス粉末をそのままシート状にするのではなく、一度仮焼しガラスを十分拡散したあとこの仮焼した材料を粉砕し、この粉砕した粉末を用いて成形体を作製するものとするのが好ましい。ABO3で表される酸化物となるものを用いるとき、AサイトとBサイトの比であるA/Bが1.0以上1.1以下となるよう原料を調製することが好ましい。A/Bが1.0以上1.1以下の範囲では、焼成後のセラミックスシート22に含まれる結晶のアスペクト比や配向度を大きいものとすることができる。また、A/Bが1.0以上1.1以下の範囲では、焼成時に揮発するアルカリ成分や鉛成分などを補償する点で好ましい。なお、得られたセラミックスシート22から、結晶粒子10を得る場合に、A/Bが1.0以上1.1以下の範囲にあるとセラミックスシート22を水に入れた際などに粒界部12に存在するアルカリリッチ相が溶解し結晶粒子10が各粒子単位に簡単に分離することがあるため、好ましい。更に、シート部32の厚みが3μm以下のように極めて薄い場合や、焼成時の鞘内部の雰囲気(アルカリ成分や鉛成分の蒸気など)が薄い場合など、焼成時におけるシート部32からのアルカリ成分や鉛成分などの揮発による組成変化が大きくなることがあるため、A/Bが1.1以上1.3以下の範囲も好ましい。
無機粒子の調製工程では、無機粒子の原料を粉砕混合し、混合した粉体を仮焼し、得られた無機粒子を更に粉砕することが好ましい。無機粒子の原料としては、目的の成分の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩及び酒石酸塩などを用いることができるが、主として酸化物、炭酸塩を用いることが好ましい。また、無機粒子の粉砕では、成形体の厚さに応じた粒径とすることが好ましく、無機粒子のメディアン径(D50)を成形体の厚さの1%以上60%以下とすることが好ましい。メディアン径が成形体厚さの1%以上であれば、粉砕処理が容易であるし、60%以下であれば成形体内の粒子がより均質に分布するため成形体の厚さを調整しやすい。また、結晶粒子10の大きさをより大きくしようとすると、より無機粒子のメディアン径(D50)を小さくすることが粒成長を促す点からみて好ましい。この粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて分散媒(有機溶剤や水など)に分散させて測定した値を用いるものとする。無機粒子の粉砕は、湿式粉砕することが好ましく、例えばボールミルやビーズミル、トロンメル、アトライターなどを用いてもよい。
無機粒子をシート部32の厚さが10μm以下の自立したシート状のシート部32に成形する。シート部32の成形方法としては、例えば、無機粒子を含むスラリーを用いたドクターブレード法やスクリーン印刷法、無機粒子を含む坏土を用いた押出成形法などによって行うことができる。ここでは、成形方法をドクターブレード法とし、可撓性を有する基板、ここではフィルム31(例えばPETフィルムなどの有機ポリマー板など)に無機粒子を含むスラリーを塗布し、塗布したスラリーを乾燥固化してシート部32とする場合について説明する。このフィルム31は、シート部32の成形後、所定の工程で剥がすものとした。成形前にスラリーや坏土を調製するときには、無機粒子を適当な分散媒に分散させ、バインダーや可塑剤などを適宜加えてもよい。また、スラリーは、粘度が500〜700cPとなるように調製するのが好ましく、減圧化で脱泡するのが好ましい。シート部32の厚さとしては、10μm以下とするが、5μm以下に形成することが好ましく、2μm以下とすることが更に好ましい。10μm以下では高い結晶粒子10の配向度を得ることができ、5μm以下であればより一層高い結晶粒子10の配向度を得ることができる。また、シート部32の厚さは、0.1μm以上とするのが好ましい。厚さが0.1μm以上であれば、自立したシート部32を作成しやすい。結晶粒子10の大きさを比較的大きくするには、シート部32の厚さを5〜10μm程度とするのが好ましい。このシート部32の厚さは、略そのままセラミックスシート22の厚さとなり、ひいては結晶粒子10の粒径にも関係するから、結晶粒子10の用途に合わせて、適宜設定するものとする。なお、その他の成形方法としては、エアロゾルデポジション法などの、粒子の高速吹き付け法や、スパッタ、CVD、PVDなどの気相法などにより、樹脂、ガラス、セラミックス及び金属などの基板へ膜付けし、基板から剥離することでシート部32を作製してもよい。この場合、焼成前であるシート部32の密度を高くすることができるため、低温での粒成長、構成元素の揮発防止、得られるセラミックスシート22が高い密度である、などの利点がある。
(2)保護層形成工程
次に、シート部32の保護に用いる保護層33を成形する。この保護層33は、シート部32のハンドリング強度を高めるものであり、焼成工程で消失するものとするのが好ましい。こうすれば、焼成後に何らかの成分がシート部32に付着しないため、シート部32を単独で得やすい。この保護層33は、シート部32に用いるバインダーの材料で作製してもよく、例えば、ポリマー系のバインダや、セルロース系のバインダなど、有機系のバインダを用いることができる。保護層33は、シート部32と同様に、フィルム31などの基板上にドクターブレード法やスクリーン印刷法、あるいは押出成形法などにより成形することができる。保護層33の厚さは、例えば、10μm以上30μm以下の厚さで形成することが好ましい。こうすれば、体積効率の低下をより抑制してシート部32のハンドリング強度を高めることができる。
(3)スペーサ形成工程
次に、フィルム31に設けられたシート部32とフィルム31に設けられた保護層33とを対向させて圧着し、フィルム31を剥離して除去する。次に、シート部32と保護層33との接合体に上部スペーサ34及び下部スペーサ35を配設する。ここでは、保護層33側に上部スペーサ34と下部スペーサ35とを固定するものとした。各スペーサは、シート部32とシート部32との間に設けられこれらの間に空間を設けるものである。このスペーサの厚さは、シート部32の厚さなどによって適した値を選択するのが好ましいが、20μm以上500μm以下の範囲が好ましく、50μm以上120μm以下であることがより好ましい。スペーサの厚さが20μm以上であれば、シート部32同士が接してしまうのをより抑制可能であり、500μm以下であれば、単位体積あたりに含まれるシート部32の量が低下してしまうのを抑制可能である。このスペーサは、上端部と下端部とに固定することが好ましい。こうすれば、上端部に配設したスペーサを介してシート部32を吊すと共に、下端部に配設したスペーサを錘とすることによりシート部32に張力を付与してシート部32の反りやシート部32同士の接触を抑制することができる。この下部スペーサ35の重さは、シート部32の面積や厚さに応じて経験的に定めることが好ましい。ここで、下部スペーサ35の重さが大きいと焼成中にシート部32が落下することがある。シート部32が焼成中に落下するものとしても、結晶粒子10の配向が十分に進んだあとであれば板状多結晶粒子21として利用可能であるから、下部スペーサ35の重量は、焼成により結晶粒子10の配向が十分に進む前に落下しない程度にすればよい。このスペーサは、シート部32と同じ組成としてもよいし、異なる組成としてもよいが、シート部32と同じ組成とすることがより好ましい。こうすれば、共存したスペーサから特定成分を揮発させることにより、焼成時の雰囲気を調整し、シート部32から特定の元素が揮発してしまうのを抑制することにより、焼成後のセラミックスシート22の組成がずれてしまうのを抑制することができる。このスペーサは、スラリーを用いて、スクリーン印刷法やドクターブレード法などにより形成することができる。このスラリーの粘度は、1000cP以上2000cP以下とすることが好ましい。また、このスペーサは、押出成形やプレス成形により所定形状に成形したものを用いることもできる。ここでは、シート部32と同じ組成でスクリーン印刷法を用いて、シート部32の上端部の左右に亘って上部スペーサ34を配設すると共に、シート部32の下端部の左右に亘って下部スペーサ35を配設するものとした。
(4)貫通孔形成工程
次に、保護層33とスペーサ34,35とが固定された複数のシート部32に、吊棒28を挿入する貫通孔36を形成する。貫通孔36は、上部スペーサ34の固定されている位置に設けることが好ましい。こうすれば、強度を確保することができるし、シート部32を吊しやすい。この貫通孔36は、横長に形成することが好ましい。こうすれば、シート部32や上部スペーサ34などが焼成収縮したときに、吊棒28が横長の貫通孔36を移動可能であるため、焼成時に積層焼成体20が破損してしまうのをより抑制することができる。
(5)積層工程
次に、上記過程を経た複数のシート部32を貫通孔36が連通するように積層させる。この積層数は、焼成炉の大きさや、シート部32のサイズなどにより適切な数を経験的に設定することが好ましい。また、積層した積層体30は、積層方向に荷重をかけて密着させることがより好ましい。この荷重は、シート部32の無機粒子にもよるが、50kgf/cm2以上200kgf/cm2以下が好ましい。
(6)吊下焼成工程
続いて、貫通孔36に吊棒28を通して積層した積層体30を吊した状態で焼成する。このように吊して焼成するため、例えば吊さずに積層体30をセッターに載置して焼成する場合のように、自重により積層体30が縦方向につぶれることを抑制可能であり、より結晶粒子10がシート面方向に粒成長しやすい。ここで、吊棒28により積層体30を吊り下げると共に、積層体30の下面を少しだけセッターに載置した状態で焼成するものとしてもよい。こうすれば、必要以上の張力を積層体30に作用させるのを抑制可能であり、焼成時のシート部32の落下を抑制することができる。なお、貫通孔36を横長に複数形成したときには、一方の貫通孔36に隣り合う側、即ち、貫通孔36と貫通孔36との内側に吊棒28を挿入して積層体30を焼成するものとしてもよい。こうすれば、積層体30が焼成収縮したときに、吊棒28が横長の貫通孔36を移動可能であるため、焼成時に積層体30が破損してしまうのをより抑制することができる。この焼成工程では、シート部32に含まれる特定成分(例えばアルカリなど)の揮発を抑制する揮発抑制状態で積層体30を焼成することが好ましい。例えば、揮発抑制状態として、シート部32とは別の無機粒子を共存させた状態でこの積層体30を焼成してもよい。こうすれば、共存した無機粒子から特定成分を揮発させることにより、比較的容易に成形体から特定成分が揮発してしまうのを抑制することができる。このとき、「別の無機粒子」は、粉末状であってもよいし成形体状であってもよい。なお、スペーサをシート部32と同じ組成で作製した場合でも、別の無機粒子を共存させてもよい。あるいは、揮発抑制状態として蓋付きの鞘などに入れ密閉状態で積層体30を焼成するものとしてもよい。このとき、鞘内部の空間はできる限り小さくすることが好ましい。ここで、鞘内部の雰囲気を濃くしすぎる、例えば鞘内部に共存させる別の無機粒子の量を多くしすぎると、シート部32の焼結及び粒成長が活発化したりして、シートのうねりを生じたり、粒成長が粒子表面積を小さくする方向、即ち厚肉化し、アスペクト比が小さくなることがある。このため、鞘内部の雰囲気が最適な状態となるように、鞘内部の容積や、積層体30の量、共存させる無機粒子の量などを適切な状態に経験的に設定することが重要である。なお、無機粒子を共存させて焼成する際には、シート部32と同一組成の無機粒子を共存させることが好ましいが、シート部32を構成する無機粒子よりも特定成分が揮発しやすい粒子を共存させておくことにより、シート部32へ特定成分を補充することもできる。また、焼成工程の中で、最適なタイミングで最適な雰囲気を提供することがより重要であり、例えば、第1の雰囲気に制御した鞘内において第1の焼成温度で焼成し、室温に戻したあと、第2の雰囲気に制御した鞘内において第1の焼成温度よりも高い第2の焼成温度で焼成してもよい。また、焼成雰囲気は、大気中としてもよいが、構成元素の揮発抑制、不活性層との反応性などの点で、酸素雰囲気や、窒素などの中性雰囲気、水素や炭化水素の共存下などの還元雰囲気、真空中などとしてもよい。また、面内の粒成長を促進する観点から、ホットプレスなど加重焼成してもよい。また、焼成条件について、積層体30は、焼成により平衡形の結晶が得られる焼成温度、例えばバルクを焼成することにより緻密化、粒成長する焼成温度に比べて1割以上高い温度で焼成することが好ましい。1割以上高い温度では、10μm以下のシート部32の粒成長を十分進めることができる。なお、シート部32の材料が分解しない程度に高い温度で焼成することが好ましい。特に、シート部32の厚さがより薄くなると、粒成長がしにくくなるため、焼成温度をより高くする傾向とすることが好ましい。また、結晶粒子10の大きさをより大きくしようとすると、より高い焼成温度で焼成することが好ましい。例えば、無機粒子として、NaNbO3のAサイトにLi,Kなどを添加し、BサイトにTaを添加したもの((LiXNaYZ)NbMTaN3)の焼成工程では、成形体の焼成温度を900℃以上1250℃以下とすることが好ましい。焼成温度が900℃以上では、粒子の結晶の成長が促されるため好ましく、1250℃以下では、アルカリ成分などの揮発を少なく抑えることができ、材料が分解してしまうのを抑制することができる。このように焼成することにより、シート部32に含まれる無機粒子が、異方性の結晶粒子10に成長するのである。
(7)解砕工程
続いて、積層焼成体20からセラミックスシート22を分離する。保護層33を形成しこの保護層33にスペーサを配設した場合は、吊下焼成工程により、保護層33が消失するから、比較的容易にセラミックスシート22を単離することができる。そして、このセラミックスシート22を解砕する解砕工程を行う。この解砕工程では、セラミックスシート22を結晶粒子10が複数接合した板状多結晶粒子21となるように解砕してもよいし、セラミックスシート22や落下などで生じた板状多結晶粒子21を結晶粒子10となるまで解砕するものとしてもよい。ここでは、板状多結晶粒子21となるように解砕するものとした。この解砕工程では、目的とする粒子サイズに合わせた開口部を有するメッシュ(ふるい)50を用いるものとし、1.0mm以下のメッシュを用いることが好ましい。この解砕工程では、例えば、開口径が45μm、25μm、20μmなどのメッシュを用いることができる。セラミックスシート22は比較的解砕しやすいため、メッシュ50上に載置したあと、例えばへら状などの押圧部材52などにより軽くセラミックスシート22を押圧しながらメッシュ50を篩うことにより解砕工程を行うことができる。こうすれば、セラミックスシート22の解砕と、解砕した板状多結晶粒子21(図1参照)の分級とを同時並行で行うことができる。また、より大きな粒径及びより大きなアスペクト比の板状多結晶粒子21を得ようとすれば、メッシュの開口部を大きくすればよいし、より小さな粒径及びより小さなアスペクト比の板状多結晶粒子21を得ようとすれば、メッシュの開口部を小さくすればよいため、メッシュの開口部の大きさを変えるという簡単な処理で板状多結晶粒子21の特性を変化させることができる。このようにして、図1に示した板状多結晶粒子21を得ることができる。
得られた板状多結晶粒子21や結晶粒子10は、結晶配向セラミックスの原料としてもよい。続いて、板状多結晶粒子21を原料とする結晶配向セラミックスの製造方法について説明する。この結晶配向セラミックスは、例えば厚み方向が10μmを超えるような任意の形状とすることができる。即ち、板状多結晶粒子21や結晶粒子10は、結晶配向セラミックスの中間生成物として作製されるものとしてもよい。結晶配向セラミックスは、板状多結晶粒子21と、その他の原料粉体(例えば配向していない無機粒子など)と、適宜バインダーや可塑剤などを混合する混合工程を経て、板状多結晶粒子21が一定方向を向くような配向成形(2次配向)を行うことにより所定形状の2次成形体に成形する2次成形工程を行うものとしてもよい。配向成形は、上述したドクターブレード法やスクリーン印刷法、押出成形法などにより行うことができる。そして、板状多結晶粒子21が配向している方向に他の原料粉体も配向させるようこの2次成形体を焼成する2次焼成工程を行い結晶配向セラミックスを得るのである。この2次焼成工程での焼成温度は、上述した所定焼成条件における成長形の結晶が得られる焼成温度としてもよいし、この温度よりも1割以上高い温度としてもよい。このように、板状多結晶粒子21を一方向へ配向させた後に焼成すると、その他の原料粉体がこの配向した板状多結晶粒子21の結晶方位に倣って粒成長したり、配向した板状多結晶粒子21が、その他の原料粉体を取り込みながら粒成長したりするため、一方向へ配向した配向結晶を多数含む結晶配向セラミックスを得ることができる。なお、上述した積層体30の焼成時に揮発抑制状態で焼成しない場合であっても、積層体30の焼成時に揮発した成分を混合工程や2次成形工程時に添加することにより、結晶配向セラミックスを目的とする組成比とすることができる。
また、板状多結晶粒子21及び結晶粒子10は、結晶配向セラミックス以外の用途(例えばフィラーなど)に利用するものとしてもよい。本発明の板状多結晶粒子21は、誘電体材料、焦電体材料、圧電体材料、強誘電体材料、磁性材料、イオン伝導材料、電子伝導性材料、熱伝導材料、熱電材料、超伝導材料、耐摩耗性材料等の機能や特性が結晶方位依存性を有する物質よりなる多結晶材料へ用いることができる。具体的には、加速度センサ、焦電センサ、超音波センサ、電界センサ、温度センサ、ガスセンサ、ノッキングセンサ、ヨーレートセンサ、エアバックセンサ、圧電ジャイロセンサ等の各種センサ、圧電トランス等のエネルギー変換素子、圧電アクチュエータ、超音波モータ、レゾネータ等の低損失アクチュエータ又は低損失レゾネータ、キャパシタ、バイモルフ圧電素子、振動ピックアップ、圧電マイクロホン、圧電点火素子、ソナー、圧電ブザー、圧電スピーカ、発振子、フィルタ、誘電素子、マイクロ波誘電素子、熱電変換素子、焦電素子、磁気抵抗素子、磁性素子、超伝導素子、抵抗素子、電子伝導素子、イオン伝導素子、PTC素子、NTC素子等に応用すれば、高い性能を有する各種素子を得ることができる。このとき、結晶粒子10のアスペクト比や板状多結晶粒子21のアスペクト比は、用途に合わせた値を適宜設定するものとする。なお、板状多結晶粒子21のアスペクト比や粒子サイズは、メッシュ粉砕工程での開口径の大きさを設定するだけで容易に変更することができる。
以上詳述した本実施形態の結晶粒子10の製造方法によれば、無機粒子をシート厚さが10μm以下のシート状に形成した複数のシート部を焼成することにより、シート厚さ方向に存在する材料が限られているため、焼成などにより粒成長すると、シート面方向に結晶粒子が成長し配向性を高めることができる。また、シート部32とシート部32との間にはスペーサ34,35により空間が形成されているからシート部32同士をできるだけ接しないようにすることができる。また、シート部32を積層し吊した状態で焼成するから、シート部32を段積み焼成する際に用いられる強度が必要な載置部材を省略可能であり、より体積効率を高めた状態で焼成することができる。また、シート部32を上端側で固定し、下端側に形成された下部スペーサ35の重さによりシート部32に張力を付与することができ、焼成時に複数のシート部32を接しない状態にしやすい。また、焼成後に平板のシート状で得られやすい。更に、保護層33により焼成前のハンドリング強度を高めることができ、複数のシート部32を積層しやすい。また、スペーサ34,35を保護層33に形成するから、焼成することにより保護層33が消失し、スペーサ34、35がシート部32から外れやすく、セラミックスシート22を得られやすい。更にまた、貫通孔36に吊棒28を挿入した状態で焼成するから、比較的容易に積層体30を吊した状態で焼成することができる。また、吊棒28が横長の貫通孔36を移動可能であるため、焼成時に積層体30が破損してしまうのをより抑制することができる。そしてまた、シート部32と上部スペーサ34,35とが同じ組成の無機粒子で形成されているため、シート部32から特定の元素が揮発することにより生じる組成のずれを抑制することができる。また、スペーサ34,35がシート部32同士の接触抑制機能と特定成分の揮発抑制機能とを兼ね備えるため、これらを別々に設けて焼成するのに比して、より体積効率を高めた状態で焼成することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、保護層33を設けて積層体30を作製するものとしたが、これを省略するものとしてもよい。図3は、配向した結晶粒子10の別の製造方法の説明図である。まず、上述したシート成形工程を行い、フィルム31上にシート部32を成形する。次に、このシート部32上に、上述した上部スペーサ34及び下部スペーサ35を配設するスペーサ形成工程を行う。続いて、シート成形工程で作製したシート部32をスペーサを形成したシート部32と対向させて積層する積層工程を行う。このとき、積層体を積層方向に加圧してもよい。初期段階では、フィルム31、シート部32、スペーサ34,35、シート部32、フィルム31の順に積層された状態となる。このうち一方のフィルム31を剥離し、外側に位置したシート部32上にスペーサ34,35を形成するスペーサ形成工程を行う。同様に、スペーサ34,35に対向したシート部32を積層する工程を繰り返し行い、上部スペーサ34の配設された位置に貫通孔36を複数設ける貫通孔形成工程を行う。そして、他方の面のフィルム31を剥離し、保護層33の積層されていない積層体40を作製することができる。なお、他方の面のフィルム31の剥離は積層工程、フィルム剥離及びスペーサ形成工程のうちいずれで行ってもよい。また、貫通孔36の形成は、スペーサ形成工程、積層工程及びフィルム剥離のうちいずれで行ってもよい。このようにして作製した積層体40の貫通孔36に吊棒28を挿入して吊した状態で吊下焼成工程を行う。こうすれば、保護層33を省略することにより、一層体積効率を高めた状態で焼成することができる。
上述した実施形態では、シート部32とスペーサ34,35とを積層した状態である積層体30とするものとしたが、例えば押出成形などにより、シート部32とスペーサとを一体成形するものとしてもよい。こうしても、シート部32同士に空間があり接触しにくく、段積み焼成するのに比してより体積効率を高めた状態で焼成することができる。
上述した実施形態では、シート部32と保護層33とを圧着し保護層33にスペーサ34,35を固定するものとしたが、特にこれに限定されない。例えば、シート部32にスペーサを固定するものとしてもよいし、上部スペーサ34を固定せずにシート部32の間に間挿するものとしてもよい。またスペーサの形状は、特に限定されず、例えば、図4に示すように、シート部32の左端部と右端部に配設した縦長の左端部スペーサ34Bと右端部スペーサ35Bとしてもよいし、図5に示すように、下右端部と下左端部に配設した下部スペーサ35C,35Cとしてもよいし、図6に示すように、シート部32の四隅に配設した上部スペーサ34D,34Dと下部スペーサ35D,35Dとしてもよいし、図7に示すように、シート部32の四隅に配設した上部スペーサ34E,34Eと下部スペーサ35E,35Eと中央部に配設した中央スペーサ37としてもよい。更にまた、下部スペーサ35を省略してもよい。また、スペーサ34,35をシート部32と同じ組成で成形するものとしたが、シート部32と異なる組成で成形するものとしてもよい。また、スペーサ34,35を未焼成体として積層体30を作製したが、焼成済みのセラミックス製のスペーサ34,35を用いるものとし、このスペーサ34,35を取り外して再利用するものとしてもよい。
上述した実施形態では、解砕工程を行い、板状多結晶粒子21又は結晶粒子10を用いて結晶配向セラミックスを作製するものとしたが、セラミックスシート22を解砕することなく用いて結晶配向セラミックスを作製するものとしてもよい。例えば、上述したセラミックスシート22と、原料粉体を含む原料粉体シートとを積層して2次成形体を作製する積層工程と、セラミックスシート22に含まれる結晶粒子10が配向している方向に原料粉体を配向させるよう積層した2次成形体を焼成する第2焼成工程と、を含む製造工程を経て作製することができる。具体的には、その他の原料粉体(例えば配向していない無機粒子など)と、適宜バインダーや可塑剤などを混合して原料粉体を含む原料ペーストを作製し、この原料ペーストを所定の厚さ、例えば10μm〜20μm厚などのシート状の原料粉体シートに、スクリーン印刷やドクターブレード法などにより成形する。この原料粉体シートに、面方向に成長した結晶粒子10を含むセラミックスシート22を積層し、この積層したものを適宜乾燥温度80〜150℃で乾燥する。セラミックスシート22と原料粉体シートとが交互になるよう積層する工程を、結晶配向セラミックスの必要とされる厚さになるまで繰り返し、2次成形体を作製する。続いて、この2次成形体を所定の焼成温度で焼成し、結晶粒子10の結晶方向に原料粉体シートに含まれる原料を粒成長させ、配向結晶を多数含む結晶配向セラミックスを得る。なお、この焼成前に所定の仮焼温度(例えば600℃など)で仮焼して脱脂してもよい。この第2焼成工程では、加圧しながら焼成する例えばホットプレスにより、2次成形体を焼成することが、粒成長及び緻密化をより促進させるためには好ましい。このようにしても、上記と同様に、セラミックスシートを利用して、結晶粒子が配向している方向に他の原料粉体も配向することができるから、結晶配向セラミックスを容易に作製することができる。
以下には、結晶粒子10を具体的に製造した例を説明する。
(シート成形工程)
焼成後の組成がLi0.03Na0.4750.475Nb0.82Ta0.183となるように、無機粒子の各粉末(Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、Nb25、Ta25)を秤量した。次に、ポリポットに、それぞれ秤量物と、ジルコニアボールと、分散媒としてエタノールとを入れ、ボールミルで16h湿式混合、粉砕を行った。得られたスラリーをエバポレータ及び乾燥機によって乾燥した後、850℃,5hの条件化で仮焼成した。この仮焼粉末と、ジルコニアボールと、分散媒としてエタノールを入れ、ボールミルで5h湿式粉砕し、エバポレータ及び乾燥機によって乾燥して、焼成後にLi0.03Na0.4750.475Nb0.82Ta0.183となる無機粒子粉体を得た。この粉体をHORIBA製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−750を用い、水を分散媒として平均粒径を測定したところ、メディアン径(D50)は、0.6μmであった。分散媒としてのトルエン、イソプロパノールを等量混合したものに、上記の無機粒子と、バインダーとしてポリビニルブチラール(BM−2、積水化学製)、可塑剤(DOP、黒金化成製)と、分散剤(SP−O30、花王製)とを混合し、スラリー状の成形原料を作製した。原料の使用量は、無機粒子100重量部に対して、分散媒100重量部、バインダー10重量部、可塑剤4重量部及び分散剤2重量部とした。次に、得られたスラリーを、減圧下で撹拌して脱泡し、粘度500〜700cPとなるように調製した。スラリーの粘度は、ブルックフィールド社製LVT型粘度計で測定した。得られたスラリーをドクターブレード法によってフィルム31(PETフィルム、厚さ38μm)の上にシート状のシート部32を成形した(図2参照)。このシート部32の乾燥後の厚さは、5μmとした。得られたシートを50mm×50mmに切り出した。
(保護層形成工程)
溶媒としてのテルピネオールと、有機高分子としてのポリビニルブチラール(BM−2、積水化学製)を混合・溶解し、ペーストを調製した。得られたペーストをスクリーン印刷法によって上記フィルム31の上にシート上に成形し保護層33を形成した。この保護層33の乾燥後の厚さは、30μmとした。このフィルム31上に形成された保護層33と、上記フィルム31上に形成されたシート部32とを対向させて圧着し、両フィルム31,31を剥離し圧着体を得た。
(スペーサ形成工程)
上記シート部32と同じ組成の無機粒子や分散媒、バインダーなどを用い、スラリー粘度が1000〜2000cPになるようにスラリーを調製した。得られたスラリーをドクターブレード法によって、圧着体のうち、保護層33側に上部スペーサ34及び下部スペーサ35を形成した。ここでは、その乾燥後のサイズが幅50mm、長さ8mm、厚さ100μmとなるように上部スペーサ34を形成し、乾燥後のサイズが幅50mm、長さ6mm、厚さ100μmとなるように下部スペーサ35を形成した。
(貫通孔形成・積層工程)
上部スペーサ34の右端側と左端側に貫通孔36を打ち抜きにより形成した。ここでは、貫通孔36は、横長の孔とした。この圧着体を複数作製し、積層させた。ここでは、圧着体を20層積層し、シート部32と保護層33との積層体30を作製した。積層体30は、積層方向にプレス装置を用い、80℃、80kgf/cm2の荷重をかけ、各圧着体が剥離しないように固定した。
(吊下焼成工程)
積層体30の貫通孔36に、アルミナ製の吊棒28(直径2mm)を通し、アルミナ製の鞘内に吊り下げた。2つの吊棒28は、貫通孔36内のうち、隣り合う貫通孔36の内側に配置した。また、鞘内部には、積層体30とは別の無機粒子の粉体を鞘内の下面に共存させた。この鞘を焼成炉に入れ、600℃、2h脱脂後、昇温速度200℃/hで昇温し、1100℃で5h焼成を行いシート部32に含まれる無機粒子の粒成長を行った。
なお、積層体30の体積は、60cm3であり、単位体積あたりのセラミックスシート22の量は、10mg/cm3であった。焼成後、鞘から積層焼成体20や焼成時に落下した板状多結晶粒子21を取り出し、これを実施例のセラミックスシート22及び板状多結晶粒子21とした。このセラミックスシート22を、走査型電子顕微鏡(日本電子製JSM−6390)を用いてSEM写真を撮影した。図8は、実施例のSEM写真である。図8に示すように、セラミックスシート22の各々は、近接した状態で且つ互いに接することなく焼成されていることがわかった。
(解砕工程)
20μmのメッシュ50にセラミックスシート22を載置したあと、例えばへら状などの押圧部材52などにより軽くセラミックスシート22を押圧しながらメッシュ50を篩うことによりセラミックスシート22を解砕・分級して板状多結晶粒子21を得た。この板状多結晶粒子21のSEM写真を図9に示す。板状多結晶粒子21は、シート面方向に粒成長していることがわかった。
比較例
上部スペーサ34、下部スペーサ35及び貫通孔36を形成せず、シート部32と保護層33とを交互に積層し、焼成炉内にシート面が水平方向になるようにこの積層体を載置した以外は上述の実施例と同様のシート成形条件、焼成条件としてセラミックスシート22を作製し、これを比較例とした。図10は、比較例のセラミックスシート22のSEM写真である。この比較例の製造方法では、シート部32とシート部32とが反応し、一体化してしまった。なお、図11に示すように、アルミナ製の耐熱部材であるセッター128上にシート132を載置し、縦方向に段積みして焼成した場合は、単位体積あたりのセラミックスシート22の量は、1mg/cm3であった。
[配向性の評価]
上記実施例について、XRD回折装置(リガク社製RAD−IB)を用い、シート面に対してX線を照射したときのXRD回折パターンを測定し、ロットゲーリング法によって擬立方(100)面の配向度を、擬立方(100),(110),(111)のピークを使用して式(1)を用いて計算した。このように、ロットゲーリング法による配向度を求めたところ、その配向度は60%以上を示した。このように、複数のシート部32間にスペーサを設けて積層した積層体を吊した状態で焼成する実施例では、配向性を高めることができ、シート部32同士をできるだけ接しないようにすることができると共に、より体積効率を高めた状態で焼成することができることが明らかとなった。
本発明は、圧電体・電歪体の製造分野に利用可能である。
焼成工程後の積層焼成体20の説明図である。 配向した結晶粒子10の製造工程の一例を表す説明図である。 配向した結晶粒子10の別の製造方法の説明図である。 左端部スペーサ34Bと右端部スペーサ35Bの説明図である。 下部スペーサ35Cの説明図である。 上部スペーサ34Dと下部スペーサ35Dの説明図である。 上部スペーサ34Eと下部スペーサ35Eと中央スペーサ37の説明図である。 実施例のセラミックスシート22のSEM写真である。 実施例の板状多結晶粒子21のSEM写真である。 比較例のセラミックスシート22のSEM写真である。 縦方向に段積みして焼成する説明図である。
符号の説明
10 結晶粒子、11 結晶面、12 粒界部、20 積層焼成体、21,21b,21c 板状多結晶粒子、22 セラミックスシート、24,34,34D,34E 上部スペーサ、25,35,35C,35D,35E 下部スペーサ、28 吊棒、30,40 積層体、31 フィルム、32 シート部、33 保護層、34B 左端部スペーサ、35B 右端部スペーサ、36 貫通孔、37 中央スペーサ、50 メッシュ、52 押圧部材、128 セッター、132 シート。

Claims (11)

  1. 所定方向に配向した結晶粒子の製造方法であって、
    無機粒子をシート厚さが10μm以下のシート状に形成した複数のシート部と、該シート部とシート部との間に配置され該シート間に空間を形成する空間形成部とを積層した積層体状態で該積層体を吊して焼成する焼成工程、を含む、
    結晶粒子の製造方法。
  2. 前記焼成工程では、前記シート部の上端側と下端側とに前記空間形成部を固定し該上端側の空間形成部を介して吊した状態で前記積層体を焼成する、請求項1に記載の結晶粒子の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の結晶粒子の製造方法であって、
    前記焼成工程で消失する保護層を前記シート部に設ける保護層形成工程、を含み、
    前記焼成工程では、前記シート部と前記保護層と前記空間形成部とを積層した積層状態で焼成する、結晶粒子の製造方法。
  4. 請求項3に記載の結晶粒子の製造方法であって、
    前記空間形成部を前記保護層に形成する空間形成部形成工程、を含み、
    前記焼成工程では、前記シート部、前記保護層及び前記空間形成部の順に積層して前記積層体状態とした前記積層体を焼成する、結晶粒子の製造方法。
  5. 前記焼成工程では、貫通孔を前記シート部と前記空間形成部とに設け、該貫通孔に吊棒を挿入した状態で焼成する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶粒子の製造方法。
  6. 前記焼成工程では、横長の貫通孔を前記シート部と前記空間形成部とに複数設け、該貫通孔のうち一方の貫通孔に隣り合う側に吊棒を挿入して焼成する、請求項5に記載の結晶粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の結晶粒子の製造方法であって、
    前記焼成工程の前に、前記無機粒子をシート状に成形したシート部を作製するシート成形工程と、
    前記成形した複数のシート部と複数の前記空間形成部とを積層する積層工程と、を含む結晶粒子の製造方法。
  8. 前記シート成形工程では、一般式ABO3で表される酸化物を主成分とし、AサイトがPbを含み、BサイトがMg,Zn,Nb,Ni,Ti及びZrから選ばれる1種以上を含む酸化物となる無機粒子を前記シート状に成形する、請求項7に記載の結晶粒子の製造方法。
  9. 前記シート成形工程では、一般式ABO3で表される酸化物を主成分とし、AサイトがLi,Na,K,Bi及びAgから選ばれる1種以上を含み、BサイトがNb,Ta及びTiから選ばれる1種以上を含む酸化物となる無機粒子を前記シート状に成形する、請求項7に記載の結晶粒子の製造方法。
  10. 前記焼成工程では、前記シート部と前記空間形成部とは同じ組成の無機粒子で形成されている前記積層体を焼成する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の結晶粒子の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の結晶粒子の製造方法であって、
    前記焼成したシート部を解砕して前記結晶粒子を作製する解砕工程、を含む結晶粒子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012104658A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、圧電素子及び圧電素子の製造方法

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