JP2014172800A - 粒子配向セラミックス - Google Patents

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Abstract

【課題】 応力の影響を受けやすい結晶異方性の小さい(等方性の比較的高い)物質を用いて、熱処理なく、緻密かつ微細な構造を持った粒子配向膜を作製し、必要に応じて低い熱処理温度をかけ、膜に働く内部応力を利用し結晶構造を制御することを提供する。
【解決手段】 原料粉末として、等方性の高い結晶構造を持った物質の板状形状に作製された粒子を用いて、エアロゾルデポジション法により粒子配向させるとともに、該等方性の高い結晶構造を持った物質の結晶構造を制御する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、粒子配向セラミックスに関する。
圧電材料やリチウムイオン二次電池等に用いられる無機材料が持つ機能性は、結晶の構造と結晶方位に依存することが多い。これまで、機能性の向上を図る手法として、組成の変化による結晶構造の制御や結晶方位を揃える粒子配向化などの検討がなされている。
特に、セラミックスを圧電材料として用いる場合、外部電圧を加えて分極のベクトル方向を揃える必要があるが、その機能性から結晶方位を一方向に揃えた配向セラミックスの研究が盛んに行われている。
例えば、非特許文献1では、ビスマス層状構造強誘電体の粒子が板状に成長することを利用し、ホット・フォージング法(押しつぶしながら焼結する方法)で緻密なc軸方向への粒子配向セラミックスを得ている。
また、非特許文献2では、ビスマス層状構造強誘電体の一つであるBiTの板状の粒子を合成し、ドクターブレードによりテープキャスティングしたグリーンシートを焼結することで緻密なc軸方向への粒子配向セラミックスを得ている。ここでBiTとはチタン酸ビスマスのことであり、組成式はBi4Ti312である。
さらに、非特許文献3では、BiTはc軸方向とa(b)軸方向でごく僅かに磁化率が異なることを利用、スラリー状にしたBiTを強磁場中(10T以上)で堆積することでa(b)軸方向に粒子が揃ったグリーンシートを作製し、これを焼結することで緻密なa(b)軸方向への粒子配向セラミックスを得ている。
しかしながら、これまでの手法はいずれも熱処理を要するものであって、十分に緻密な微細構造を持ったセラミックスを、熱処理することなく配向制御することは実現されていなかった。
これに対して、本発明者等は、BiTの板状粒子を用いて、エアロゾルデポジション(AD)法により室温で配向膜を作製できることを見いだしている(非特許文献5)。AD法は、粉末材料の噴射加工技術の1つであり、セラミック微粒子を高温で焼結することなく常温で固化・緻密化できる方法である。
圧電セラミックスは、強誘電体セラミックスに電界を印加し、強誘電体の分域の方向を一定の方向にそろえる、いわゆる分極処理を施したものである。圧電セラミックスにおいて、分極処理により自発分極を一定方向にそろえるためには、自発分極の方向が三次元的に取りうる等方性ペロブスカイト型の結晶構造が有利である。そのため、実用化されている圧電セラミックスの大部分は、等方性ペロブスカイト型強誘電体セラミックスである。等方性ペロブスカイト型強誘電体セラミックスとしては、例えばPZT,BTO,BNT等が知られている。ここでPZTとはチタン酸ジルコン酸鉛のことであり、組成式はPb(Zr,Ti)O3である。BTOはチタン酸バリウムのことであり、組成式はBaTiO3である。また、BNTとは単純ペロブスカイト構造を持つチタン酸ビスマスナトリウムのことであり、組成式はBi0.5Na0.5TiO3である。
これらの中で、PZTに代表される鉛系の圧電セラミックスは、他の圧電セラミックスに比較して高い圧電特性を有しており、現在実用化されている圧電セラミックスの大部分を占めている。しかしながら、蒸気圧の高い酸化鉛(PbO)を含んでいるために、環境に対する負荷が大きいという問題がある。そのため、低鉛あるいは無鉛でPZTと同等の圧電特性を有する圧電セラミックスが求められている。
しかしながらBNT、BTOなどの非鉛圧電体材料は、これまで置換や固溶などの組成制御による機能性向上が試みられてきたが、圧電定数が低い、キュリー温度が低いなどの理由から代替が実現できていない。
例えば、非特許文献5、特許文献1等では、組成がBNT−BTOになるようBiT板状粒子のテンプレート周辺へ原料粉末を混ぜ、テープキャスティングして焼結することで、板状粒子が得にくい組成系(BNT−BTO)でも緻密な(100)c粒子配向セラミックスを得ている。
しかしながら、キュリー温度については、検討されておらず、また、ビスマス等の低融点の元素を含む材料では、熱処理温度が高いと酸素欠陥を生成してしまい、絶縁性の劣化などを引き起こす。
さらに、250〜300℃の環境下でも比誘電率が低下しない誘電体材料は「高温高耐圧コンデンサ」としてハイブリッド車や電気自動車での応用が期待されている。現在、電子デバイスに搭載されている積層セラミックコンデンサなどで用いられている誘電体材料のBTOはキュリー温度が130℃程度であり、それより高い温度環境下で利用できない。これまでBTOのキュリー温度を上げるための研究が盛んに行われているが、組成制御では十分な特性改善に至っていない。
また、近年、ガソリン自動車のノックセンサーやインジェクターに圧電体材料を用いることで低燃費化をはかる研究開発が進められており、高温環境下で利用できる圧電体の開発が求められているなか、BTOのキュリー温度は130℃程度であり、BNTも180℃程度までしか利用できない。
近年、薄膜作製技術の進化により結晶方位に対して特定の方向から大きな応力を印加することで、等方的もしくは擬等方的な結晶構造を持つ物質の組成を変えることなく、結晶構造を制御する方法が注目を集めている。
例えば、非特許文献6では、擬等方的な結晶構造を持つBTOを単結晶基板上へエピタキシャル成長させることで、基板から膜に働く内部応力によってBTOの結晶構造を変化させ、BTOの単結晶が示す本来の物性よりも大幅な機能性改善(高相転移温度化)を導いている。
該方法は、BTO膜の堆積を終え、膜と基板を冷却するものであり、基板の線膨張係数がBTOよりも大きいと、室温に戻った際、基板の方が縮んでいるため、BTO膜には大きな内部圧縮応力が働き、この内部応力によって、BTOのa軸とb軸が縮むかわりにc軸が伸び、これにより、組成を変更することなく大きな強誘電体性の発現と高いキュリー温度変化を実現するものである。
しかしながら、非特許文献6のBTOを利用する上で問題点であった低相転移温度も、基板からの応力印加による結晶構造の制御で解決が図られつつも、特定の基板を利用しなければならないことや高い合成温度など、作製条件に大きな制約があり実用化の域には達していない。
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特開2010−222194号公報
このように、応力によって結晶構造を制御しやすい擬等方的な結晶構造を持つ物質に対して、配向化と内部応力の印加を可能にすることにより、特性の向上が期待されるが、基板の種類や膜の合成方法(低スループット、高コスト)、高温での熱処理温度などが課題とされてきた。
本発明は、こうした現状を鑑みてなされたものであって、応力の影響を受けやすい結晶異方性の小さい(等方性の比較的高い)物質を用いて、熱処理なく、緻密かつ微細な構造を持った粒子配向膜を作製し、必要に応じて低い熱処理温度をかけ、膜に働く内部応力を利用し結晶構造を制御することを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、AD法に用いる原料粒子の形状を制御することで、等方性の高い結晶構造を持った物質の粒子配向化膜を作製できることを見いだした。すなわち、BNT等の等方性の高い結晶構造を持つものは、通常、球状か立法体もしくは直方体の粒子に成長するが、本発明では、板状形状に作製された粒子を用いることで、上記目的を達成するという知見を得た。
本発明はこれらの知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]エアロゾルデポジション法により粒子配向膜を製造する方法であって、原料粉末として、等方性の高い結晶構造を持った物質の板状形状に作製された粒子を用いて粒子配向させるとともに、該等方性の高い結晶構造を持った物質の結晶構造を制御することを特徴とする粒子配向膜の製造方法。
[2]前記等方性の高い結晶構造を持った物質が、単純ペロブスカイト構造のチタン酸ビスマスナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載の粒子配向膜の製造方法。
[3]エアロゾルデポジション法による粒子配向膜であって、等方性の高い結晶構造を持った物質の板状形状に作製された粒子が配向するとともに、該等方性の高い結晶構造を持った物質の結晶構造が制御されていることを特徴とする粒子配向膜。
[4]前記等方性の高い結晶構造を持った物質が、単純ペロブスカイト構造のチタン酸ビスマスナトリウムであることを特徴とする請求項3に記載の粒子配向膜。
本発明によれば、AD法に用いる原料粒子として板状形状を有するものを用いることで、等方性の高い結晶構造を持った物質でも十分に緻密で熱処理することなく配向制御でき、低温で基板を選ぶことなく効果的にその物質の結晶構造を応力によって制御することができる。
無配向膜と一軸配向膜について、X線回折による評価を行った際の違いを示す図。 球形形状のBNT原料粒子と、板状のBNT原料粒子。 BNTの粉末、通常の固相法により作製したBNT粉末を用いて作製したAD膜およびBNTを板状粒子化した原料粉末のX線回折パターン。 配向メカニズムを示す図。
本発明は、AD法に用いる原料粒子の形状を制御することで、等方性の高い結晶構造を持った物質を配向するものである。
すなわち、BNT等の等方性の高い結晶構造を持つものは、通常、球状か立法体もしくは直方体の粒子に成長するが、本発明では、AD法に用いる原料粒子として板状形状に作製されたBNT粒子を用いることを特徴とするものである。
本発明におけるエアロゾルデポジション法(以下AD法)は、あらかじめ他の手法で準備された微粒子、超微粒子原料をガスと混合してエアロゾル化し、ノズルを通して基板に噴射して被膜を形成する方法である。このAD法でセラミックス原料粉末を用い、その粒子径、機械的強度等を調製し適切な成膜条件を選ぶと、常温衝撃固化現象(Room Temperature Impact Consolidation)により、基板に噴射する際の基板の加熱処理や成膜後の熱処理をすることなく、高密度かつ透明なセラミックス被膜が常温で高速形成できるものである。
本発明に基づき、板状BTO粒子をAD法で常温にて成膜すると、板状粒子の面垂直方向の結晶方位と基板の面垂直方向が揃い、一軸配向膜を得ることができる。AD法は基板へ粒子を衝突させて膜を堆積させるため、得られた膜には基板から大きな圧縮内部応力が働く(ショットピーニング効果)。この圧縮内部応力によってBTOの結晶構造が変化し、BTOを高キュリー温度化させることができる。
また、非鉛圧電体材料の板状粒子を用いてAD法により一軸配向化した膜を常温で形成することで、内部圧縮応力により結晶構造を制御し、高い圧電定数、高いキュリー温度を示す非鉛圧電体材料を開発することが可能となる。
さらに、2種類以上の異なる無機材料を緻密に積層することは、それぞれの材料が緻密になる熱処理温度が異なる為、困難であり、組み合わせが限られていたが、AD法はあらゆる無機材料を常温で緻密な膜に形成できるため、2種類以上の異なる無機材料を緻密に積層することが容易である。この際、板状の粒子を用いて一軸配向化させた層を積み重ねて低温で熱処理すると、内部圧縮応力がセラミックス内に閉じ込められる。この閉じ込められた内部圧縮応力により、結晶構造を制御し、高い圧電定数、高いキュリー温度を示す非鉛圧電体材料を開発することが可能となる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
〈XRDによる構造解析〉
最初に、本発明において用いた、X線回折(XRD)による無配向膜と一軸配向膜の評価方法について記載する。
図1は、無配向膜と一軸配向膜について、X線回折による評価を行った際の違いを示すものである。
図1に示すとおり、無配向膜は結晶の向きがそろっていないため、すべての回折ピークが観察されるため、X線回折結果によるそれぞれのピーク強度比は、粉末を測定した場合と同一となる。
一方で、一軸配向膜は、基板の面垂直方向に結晶方向がそろっており、その結晶方位に起因した回折ピーク強度が強くなり、他のピークは小さくなる。
〈結晶異方性の小さい材料を用いたAD法による配向膜の作製〉
結晶異方性の小さい物質として、単純ペロブスカイト構造を持ったBNTを用い、原料粉末に板状粒子を用いたAD膜と、原料粉末に通常の球状粒子を用いたAD膜について配向性の違いを確認した。
図2は、比較試料として固相法800℃2時間で作製した球形形状のBNT粒子(左側)と、本発明で用いた板状のBNT原料粒子(右側)の電子顕微鏡(SEM)による粒子の形状の観察結果を示す図である。
この板状粒子の作製方法は次のとおりである。Bi23(粒子サイズ約2〜3μmで純度は99.99%)、TiO2(粒子サイズは約2μmで純度は99.99%)、Na2CO3(純度は99%)の出発原料をNBTiの化学量論比になるように秤量し、プラスチック製の容器にエタノールとジルコニアボールと共に入れ、1時間、遊星ボールミル(200rpm)により粉砕、混合した。ここでNBTiとはビスマス層状構造強誘電体のチタン酸ビスマスナトリウムのことであり、組成式はNa0.5Bi4.5Ti415である。得られた試料は約60℃のトレイに移しエタノールを揮発させた。この試料をアルミナ坩堝に入れて大気中で800℃2時間熱処理し、NBTiの粉末を得た。得られたNBTiの粉末は、ジルコニア製の容器にアセトン、ジルコニアボールと共に、NBTiと等量のNaCl(粒子径サイズはおよそ100μm)を入れ1時間、遊星ボールミル(200rpm)により粉砕混合した。得られた混合体は、およそ60℃のトレイに移し、十分アセトンを揮発させた。NBTiとNaClの混合体はアルミナ坩堝に移し、1000℃2時間の熱処理を行った。得られた試料を純水で洗浄し、NaClを取り除いてNBTiの板状粒子を得た。この板状NBTi粒子に次の式に則ってBNTが得られるようにアセトン中でNaNO3を加え、さらにその混合物に3mol%過剰のNaNO3を加え、さらにそれらの重量と等量のNaClを加えて撹拌し、そのまま、エバポレーターで乾燥させた。得られた混合体は670℃で10時間の熱処理を加えた。
Na0.5Bi4.5Ti415+1.5NaNO3
4(Bi0.5Na0.5)TiO3+1.25Bi23+1.5NO2+0.375O2
合成された試料を3M塩酸で、NaCl、過剰NaNO3、Bi23を溶解し、さらに純水で洗浄することで板状のBNT粒子を得た。板状粒子は、形状が四角く、厚さが500〜1000nm程度の板状であった。
AD法の原料粉末として、これらの2種の粒子形状が異なる粒子を用いて、前述と同様の方法により、AD法による成膜をおこなった。
図3は、左から順に、固相法で作製した球状粒子のBNT粉末、固相法で作製したBNT粉末によるAD膜、及び板状BNT粉末によるAD膜、下の図は板状BNT粒子をガラス板に押し付けた試料のX線回折パターンを示す図である。
固相法で作製した球状粒子のBNT粉末のX線回折パターンと板状BNT粒子をガラス板に押し付けた試料のX線回折パターンの図を比較する。ガラス板がX線回折しないことは事前に確認しているため、板状BNT粒子をガラス板に押し付けた試料のX線回折パターンは板状粒子に対して面垂直方向の結晶構造の状態を示している。従って、100cに起因したピークが強くなっていることから、BNT結晶の100cの方位と板状粒子の面垂直方向が一致していることが確認できる。また、格子定数を確認したところ、固相法で作製した球状粒子のBNT粉末と板状BNT粉末のどちらも格子定数が一致していることを確認した。
固相法で作製した球状粒子のBNT粉末、固相法で作製したBNT粉末によるAD膜、及び板状BNT粉末によるAD膜を比較すると、固相法で作製した球状粒子のBNT粉末、固相法で作製したBNT粉末によるAD膜はピーク強度比が一致しているため、固相法で作製したBNT粉末によるAD膜は無配向であることが確認できる。固相法で作製した球状粒子のBNT粉末と板状BNT粉末によるAD膜のX線回折パターンを比較すると、板状BNT粉末によるAD膜のX線回折パターンは100cに起因したピーク強度が強くなっていることから、一軸粒子配向膜化していることが確認できる。
球状粒子のBNT粉末を用いて作製したAD膜と、板状粒子のBNT粉末を用いて作製したAD膜を比較すると、若干、板状BNT粉末を用いたほうが、100c由来のピーク強度が強くなっていることが確認された。
これらの結果から、原料粒子形状を制御することで、AD法により配向制御できる可能性が示唆された。
また、AD膜の100c由来のピークから算出された格子定数では、a軸長が0.3915ナノメートルであり焼結体の値(0.388ナノメートル)より大きく、特定の方位に対して結晶構造を変えることができた。
〈板状粒子の配向メカニズム〉
図4は、以上の結果より、想定される板状粒子の配向メカニズムを示すものである。
板状粒子はエアロゾルの状態で凝集しているものと考えられる。つまり、板状粒子が基板に衝突する際、そのほとんどが基板に対して垂直から外れているものと考えられる。基板に衝突すると、その衝突の際の力の影響で、粒子の面と基板の面が平行になる状態が安定である。これにより、配向したものと考えられる。

Claims (4)

  1. エアロゾルデポジション法により粒子配向膜を製造する方法であって、原料粉末として、等方性の高い結晶構造を持った物質の板状形状に作製された粒子を用いて粒子配向させるとともに、該等方性の高い結晶構造を持った物質の結晶構造を制御することを特徴とする粒子配向膜の製造方法。
  2. 前記等方性の高い結晶構造を持った物質が、単純ペロブスカイト構造のチタン酸ビスマスナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載の粒子配向膜の製造方法。
  3. エアロゾルデポジション法による粒子配向膜であって、等方性の高い結晶構造を持った物質の板状形状に作製された粒子が配向するとともに、該等方性の高い結晶構造を持った物質の結晶構造が制御されていることを特徴とする粒子配向膜。
  4. 前記等方性の高い結晶構造を持った物質が、単純ペロブスカイト構造のチタン酸ビスマスナトリウムであることを特徴とする請求項3に記載の粒子配向膜。
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