JP2002322269A - ヘキサフルオロプロペンオキシド重合体の製造方法 - Google Patents
ヘキサフルオロプロペンオキシド重合体の製造方法Info
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Abstract
フルオロカルボニル化合物の一種もしくは複数種の混合
物と金属フッ化物とを非プロトン性極性溶媒に混合して
重合開始剤溶液を調製し、得られた重合開始剤溶液にヘ
キサフルオロプロペンオキシドを供給することを特徴と
するヘキサフルオロプロペンオキシド重合体の製造方
法。 【化1】 (但し、Rf1〜Rf4はFもしくはCF3であるが、R
f1とRf2、Rf3とRf 4はそれぞれ互いに異なる原子
もしくは基である。) 【効果】 本発明によれば、アルカリ金属フッ素化物と
非プロトン性極性溶媒中で定量的にアルコラートを生成
し、比較的安価に入手でき、かつ一官能性の不純物を含
まない二官能パーフルオロカルボニル化合物を開始剤と
しているため、一官能性HFPO重合体及び低分子成分
の含有率の低い高純度の二官能性HFPO重合体を安価
に製造することができる。
Description
ロペンオキシド(以下、HFPOと略す)重合体の製造
方法に関する。更に詳しくは、一官能性HFPO重合体
の含有率の低い二官能性のHFPO重合体の製造方法に
関する。
二官能性HFPO重合体の製造方法としては、米国特許
第3,250,807号公報に記載の方法が知られてい
る。
報には、FOC−(CF2)n−COF(n=0〜6)を
アルカリ金属フッ化物あるいは活性炭などの触媒存在
下、非プロトン性極性溶媒中でHFPOと反応させるこ
とにより、下記式の二官能性HFPO重合体が得られる
ことが記述されている。
れた−COF基にHFPOを付加しようとすると、下記
式のように連鎖移動によって片方の末端にヘキサフルオ
ロプロピル基を有するHFPO重合体(一官能性HFP
O重合体)が副生するという問題がある。
性HFPO重合体を製造するための改良方法が、特公昭
53−5360号公報、米国特許第3,660,315
号公報に記述されている。これは、下記一般式(2) FOCCF(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)COF (2) の化合物およびフッ化セシウムをテトラエチレングリコ
ールジメチルエーテル中で混合して、下記一般式(3) CsOCF2CF(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)CF2OCs (3) の化合物とし、得られた溶液から過剰のフッ化セシウム
を分離して均一な溶液を調整し、その均一溶液を開始剤
として用いることにより、HFPO重合体を製造するも
のである。ここでは、過剰のフッ化セシウムを分離し、
かつ重合を−60〜−30℃の低温で行うことによっ
て、数平均重合度約50の純粋な二官能性HFPO重合
体が得られている。
ロライドにヘキサフルオロプロピレンオキシドを付加す
ることで合成される。しかし、原料となるシュウ酸フロ
ライドは不安定で扱いにくく、また合成過程において副
生する不純物のため精製が困難であり、工程は煩雑にな
り、収率も低い。その結果、非常に高価である。
としては、パーフルオロアジピン酸フロリド、パーフル
オログルタル酸フロリド、パーフルオロこはく酸フロリ
ド等がよく知られているが、これらの化合物は上記式
(2)の化合物と同様にして重合開始剤を調製しようと
すると、エステル化などの副反応をおこすため、加えた
パーフルオロジカルボン酸フロリドと当量のアルコラー
トを得ることができない。このような重合開始剤を用い
てHFPOの重合を行った場合には、低分子の成分を多
量に含む、分子量分布の広い重合体を生成することにな
り、重合開始剤として不適である。
価に入手でき、アルカリ金属フッ化物と非プロトン性極
性溶媒中で定量的に二官能アルコラートを生成する、安
価な原料を用いて重合開始剤を調製し、HFPO重合体
を製造する方法が望まれていた。
たもので、比較的安価に入手できる原料から重合開始剤
を調製し、一官能性HFPO重合体の含有率の低い二官
能性HFPO重合体を製造する方法を提供することを目
的とする。
発明者らは上記目的を達成するため鋭意努力を重ねた結
果、下記一般式(1)で示される二官能パーフルオロカ
ルボニル化合物のうち一種もしくは複数種の混合物をア
ルカリ金属フッ化物と非プロトン性極性溶媒中で混合す
ると、定量的にアルコラートが生成して均一溶液が得ら
れ、この溶液を重合開始剤としてHFPOを重合する
と、分子量分布が狭く、二官能率の非常に高いHFPO
重合体が得られることを見出し、本発明をなすに至っ
た。
f1とRf2、Rf3とRf 4はそれぞれ互いに異なる原子
もしくは基である。)
される二官能パーフルオロカルボニル化合物の一種もし
くは複数種の混合物と金属フッ化物とを非プロトン性極
性溶媒に混合して重合開始剤溶液を調製し、得られた重
合開始剤溶液にヘキサフルオロプロペンオキシドを供給
することを特徴とするヘキサフルオロプロペンオキシド
重合体の製造方法を提供する。
る。
て、重合開始剤としては、下記一般式(1)で示される
二官能パーフルオロカルボニル化合物のうち一種もしく
は複数種の混合物とアルカリ金属フッ化物を非プロトン
性極性溶媒中で混合して調製した溶液が用いられる。
f1とRf2、Rf3とRf 4はそれぞれ互いに異なる原子
もしくは基、即ち常にRf1≠Rf2、Rf3≠Rf 4であ
る。)
化合物は、比較的安価な原料であるジプロピレングリコ
ールから誘導されるジエステルを、例えば特許公報第2
945693号で示されるような公知の液相フッ素化法
により完全フッ素化したのちに、得られたパーフルオロ
ジエステルをアルカリ金属フッ化物で処理することで製
造することができる。
としては、次のものが例示される。
パーフルオロカルボニル化合物を、非プロトン性極性溶
媒とアルカリ金属フッ化物の混合物に添加して重合開始
剤溶液を調製する。重合開始剤溶液中では、カルボニル
基を有する化合物はアルカリ金属フッ化物と反応して対
応するアルコラートになる。アルコラートヘの変換は、
混合液の赤外吸収スペクトルを測定することにより確認
できる。
化合物に対するアルカリ金属フッ化物の添加量は、カル
ボニル基に対して1.0〜1.2倍モル、特に1.0〜
1.05倍モルとすることが好ましい。
フッ化セシウムが好ましい。また、非プロトン性極性溶
媒としては、グライム類、テトラヒドロフラン、1,4
−ジオキサン等があるが、特にモノグライム、ジグライ
ム、トリグライム、テトラグライム等のグライム類が好
ましい。
コラートの濃度は、10〜60重量%、特に25〜45
重量%であることが望ましい。
好にする目的で、調製時に用いた溶媒とは異なる第二の
溶媒を添加してもよい。第二の溶媒は、−30℃以下の
低温においても重合開始剤溶液と均一に混合する溶媒で
あって、凝固点が−50℃以下のものがよい。望ましく
は分子内に1〜3のエーテル結合を有する炭化水素化合
物がよく、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、エチルメチルエーテル、メチルプロピルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等が好適に使用できる。これらの溶媒は、開始剤溶
液の重合温度領域(−40〜−30℃)における粘度を
低下させ、攪拌効率を高めるために添加される。添加量
は、開始剤溶液100重量部に対して20〜60重量部
である。なお、これらの溶媒はあらかじめ脱水しておく
ことがよく、好ましくは、水分量を50ppm以下にす
ることがよい。
にヘキサフルオロプロペン(HFP)等のパーフルオロ
オレフィンを反応させ、パーフルオロオレフィンのオリ
ゴマーを生成させる。この操作は、開始剤溶液と第二の
溶媒中に存在する連鎖移動を引き起こす原因物質を除去
し、引き続き行うHFPOの供給時に重合開始を円滑に
行わせるために有効である。
炭素数2〜9、特に炭素数3〜6のものが使用され、例
えば下記のものを例示することができる。
い。
限されないが、通常、重合開始剤溶液100重量部に対
して0.5〜100重量部、特に3〜30重量部が使用
される。
行う場合の温度は、通常−30〜50℃で行うことがで
きるが、好ましくは−25〜30℃である。反応温度が
低すぎると反応時間に長時間を要し、また高温すぎると
開始剤の分解が生じるおそれがある。反応時間は特に制
限されないが、−25〜30℃の反応時間においてはパ
ーフルオロオレフィンの添加時間も含めて通常10分〜
2時間、特に20分〜1時間である。
媒を加えて反応器内で攪拌しながら冷却し、HFPOを
供給することにより二官能性HFPO重合体を得ること
ができる。このときヘキサフルオロプロペン(HFP)
を同時に添加しても良い。HFPの添加は、重合の進行
に伴い次第に増粘する反応液を希釈するので、さらに流
動性を高めることができる。重合時には反応液の温度を
−45〜−30℃に保つことが好ましい。−45℃より
も低い温度では反応液の粘度およびチキソ性が増加し、
その結果効率的な攪拌が困難になる。このような状況で
は、反応器内壁あるいは攪拌翼の一部に流動性の失われ
た反応物が付着して均一な攪拌が困難になり、生成する
重合体の分子量分布が広くなる。また−30℃よりも高
い温度では、連鎖移動反応が起こり易くなり、一官能性
HFPO重合体が生成してしまうおそれがある。なお、
HFPの添加量は、HFPOの重量に対して1/4〜3
/4倍量が好ましい。
するために重要である。ただし、反応器の形状と大きさ
によってそれぞれ異なり、一般的には、アンカー型、パ
ドル型、スパイラルリボン型、インペラー型などを用い
ることができる。回転数は特に制限はなく、攪拌翼の形
状に合わせて最適の攪拌効率が得られるように調整すれ
ばよい。
ー等の流量調節器を用いて連続的に行うことが好まし
い。HFPO供給を安定した速度で行うことは、反応液
の温度を適度な範囲に保つために必要である。供給速度
は開始剤のモル数に対して3〜15倍モル/時間、好ま
しくは5〜10倍モル/時間が適当である。供給量は所
望の分子量に応じて適宜設定することができ、開始剤1
モルに対して30〜400倍モルの範囲で実施できる
が、HFPOの倍率を高めると得られたHFPO重合体
に無視できない量の一官能性ポリマーが混入するので、
通常は30〜200倍モル程度である。
量(重量)をHFPOと同時に供給すると良い。HFP
Oの供給が終了したならば、1〜2時間程度攪拌を継続
したのちに反応液を昇温し、目的物を分取すれば、下記
式の二官能性HFPO重合体を得ることができる。
であり、常にRf1≠Rf 2、Rf3≠Rf4である。)
重合体は、出発原料の末端が−COF基であり、これを
別の官能基に変換することによって、種々の有用な誘導
体を合成することができる。これらの誘導体は、液状ゴ
ム、コーティング材、シーリング材などに有効に利用す
ることができる。
物と非プロトン性極性溶媒中で定量的にアルコラートを
生成し、比較的安価に入手でき、かつ一官能性の不純物
を含まない二官能パーフルオロカルボニル化合物を開始
剤としているため、一官能性HFPO重合体及び低分子
成分の含有率の低い高純度の二官能性HFPO重合体を
安価に製造することができる。
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
を乾燥窒素で十分置換した後、フッ化セシウム26.5
gおよびテトラグライム96.7gを入れ、乾燥窒素雰
囲気中で攪拌しながら(純度99.0%)の下記式
(4)、(5)、(6)に示した3種の二官能パーフル
オロカルボニル化合物が、それぞれモル分率(4)35
%、(5)56%、(6)9%の割合で存在する混合液
27.0gをシリンジを用いて添加した。
間攪拌した後に攪拌を止め、静置した。内容物は過剰の
フッ化セシウムが僅かに沈殿している以外は均一な淡黄
色透明の液体であった。この溶液の一部を取り出し、赤
外吸収スペクトルを測定したところ、−COF基に由来
する1880cm-1付近の吸収は観測されなかった。
た内容積0.5Lの反応器に上記〔実施例1−1〕にて
調製した開始剤溶液30.7gおよびエチレングリコー
ルジメチルエーテル9.31gを入れ、毎分180回転
の速度で攪拌しながら−10℃に調節された冷媒浴を用
いて反応器を冷却した。 (ステップ1)反応器の内部温度が−7℃になった時点
でHFPを10.2g/時間の速度で5.07g供給し
た。 (ステップ2)次に、冷媒浴温度を−40℃に設定し、
反応器内部の液体の温度が−38℃に達した時点でさら
にHFPを11.0g/時間の速度で5.52g供給し
た。 (ステップ3)次に、HFPOを6.9g/時間の速度
で103gおよびHFPを3.6g/時間の速度で5
3.8g、約15時間かけて供給した。
ラーを用いた。HFPO供給中の反応器内部の液体の温
度は−42〜−35℃の範囲であった。
し、冷媒浴を徐々に室温付近まで昇温した。このとき若
干の発熱が認められるとともにHFPが蒸発する様子が
観察された。
あけ、よく攪拌した後、下層をさらにエタノール100
gを用いて洗浄し、静置して相分離した下層を取り出
し、固形分をろ過してから120℃、10mmHgにて
揮発分を除去し、無色透明の末端エチルエステル化した
HFPO重合体108gを得た。
測定で単分散の分子量分布を示した。
び重合時に生成したC 3F7−基末端(一官能性成分)の
含有率は下記の方法により求めた。
(mol%)
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で示される二官能パー
フルオロカルボニル化合物の一種もしくは複数種の混合
物と金属フッ化物とを非プロトン性極性溶媒に混合して
重合開始剤溶液を調製し、得られた重合開始剤溶液にヘ
キサフルオロプロペンオキシドを供給することを特徴と
するヘキサフルオロプロペンオキシド重合体の製造方
法。 【化1】 (但し、Rf1〜Rf4はFもしくはCF3であるが、R
f1とRf2、Rf3とRf 4はそれぞれ互いに異なる原子
もしくは基である。)
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CN117550676A (zh) * | 2024-01-12 | 2024-02-13 | 中国科学院合肥物质科学研究院 | 一种双功能聚合材料及其制备方法和应用 |
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2001
- 2001-04-27 JP JP2001130592A patent/JP4873109B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN117550676A (zh) * | 2024-01-12 | 2024-02-13 | 中国科学院合肥物质科学研究院 | 一种双功能聚合材料及其制备方法和应用 |
CN117550676B (zh) * | 2024-01-12 | 2024-04-09 | 中国科学院合肥物质科学研究院 | 一种双功能聚合材料及其制备方法和应用 |
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