JP2947264B1 - ヘキサフロロプロペンオキシドの重合方法 - Google Patents

ヘキサフロロプロペンオキシドの重合方法

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JP2947264B1 JP10105854A JP10585498A JP2947264B1 JP 2947264 B1 JP2947264 B1 JP 2947264B1 JP 10105854 A JP10105854 A JP 10105854A JP 10585498 A JP10585498 A JP 10585498A JP 2947264 B1 JP2947264 B1 JP 2947264B1
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G65/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule
    • C08G65/002Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from unsaturated compounds
    • C08G65/005Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from unsaturated compounds containing halogens
    • C08G65/007Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from unsaturated compounds containing halogens containing fluorine

Abstract

【要約】 【解決手段】 下記一般式(1) CsOCF2−Rf−CF2OCs …(1) (式中、Rfは炭素数1〜4のパーフロロアルキレン基
又は炭素数2〜10のエーテル結合を有するパーフロロ
アルキレン基を示す。)で示される重合開始剤と非プロ
トン性極性溶媒とからなる重合開始剤溶液中でヘキサフ
ロロプロペンオキシドを重合させる方法において、上記
重合開始剤溶液にパーフロロオレフィンが開環反応する
のに十分な温度条件のもとでパーフロロオレフィンを添
加して処理した後、この重合開始剤溶液にヘキサフロロ
プロペンオキシドを添加して重合を行うことを特徴とす
るヘキサフロロプロペンオキシドの重合方法。 【効果】 本発明によれば、簡単な操作で連鎖移動反応
を低減し、一官能性HFPOポリマーの生成を抑制して
高重合度の二官能性HFPOポリマーを確実に製造し得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘキサフロロプロ
ペンオキシド(以下、HFPOと略す)の重合方法に関
し、更に詳述すると、HFPOポリマーの重合度を増加
させることができ、しかも二官能性HFPOポリマーを
有利に得ることができるHFPOの重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
HFPOの重合方法として、いくつかの提案が知られて
いる。
【0003】
【化4】
【0004】一般には、上記のように予め用意した重合
開始剤(上記の場合はFOC−(CF2n−COF)に
HFPOを付加しようとすると、下記のように連鎖移動
によってHFPO単独重合体が副生するという問題があ
る。
【0005】
【化5】
【0006】上記の問題点に対する改良方法として米国
特許第3,660,315号公報及び特公昭53−53
60号公報には次の提案がなされている。
【0007】この方法は、下記式(1a)の化合物のテ
トラグライム溶液を重合開始剤として用い、下記式(2
a)の二官能性ポリマーを得るものである。
【0008】
【化6】
【0009】この方法の特徴は、フッ化セシウムとテト
ラグライム及びFOCCF(CF3)OCF2CF2OC
F(CF3)COFを混合し、過剰のフッ化セシウムを
分離した均一溶液を用いてHFPOの重合を行うことで
ある。これにより過剰のフッ化セシウムによるHFPO
の単独重合を防ぎ、結果的に一官能性(即ち、片末端官
能性の)HFPOポリマーの生成を低く抑えることがで
きるものである。
【0010】一方、米国特許第4,356,291号に
は、一般にHFPOはフッ化水素、酸フッ化物、水など
の不純物が含まれており、これらの物質は重合によって
得られるポリマーの最大重合度を制限する問題点がある
ことが述べられ、このため高度に精製されたHFPOを
重合に使用することで、分子量の高いHFPOポリマー
を得ている。また、J.MACROMOL.SCI.C
HEM.,48(3),499−520(1974)に
は、HFPO重合時に、ヘキサフロロプロペン(以下、
HFPと略す)を存在させることにより連鎖移動反応を
防ぎ、生成ポリマーの重合度を増加させることができる
ことが述べられている。この場合HFPの効果とは、フ
リーのフッ化セシウムをトラップすることにあるとの説
明がなされている。
【0011】更に、HFPO重合系に水、アルコール類
などを添加すると連鎖移動反応が促進され、低重合度の
オリゴマーだけが生成することも知られている。これら
のプロトン性化合物はHFPO重合系に存在する活性末
端と下記式で示される反応により、フッ酸を生成し、こ
れが連鎖移動剤として作用するものと考えられる。
【0012】
【化7】
【0013】従って、従来HFPOの重合において連鎖
移動反応を防ぎ、HFPOポリマーの重合度を増加させ
る方法は、HFPO重合系のフリーのフッ化セシウム及
び原料HFPO中に含まれる連鎖移動反応を引き起こす
物質を取り除く観点から検討されてきた。
【0014】しかしながら、従来公知のHFPO重合の
重合開始剤は、下記一般式(3) FOC−Rf−COF …(3) (式中、Rfは炭素数1〜4のパーフロロアルキレン基
又は炭素数2〜10のエーテル結合を有するパーフロロ
アルキレン基を示す。)で示されるパーフロロジカルボ
ン酸フロライドとフッ化セシウム及び非プロトン性極性
溶媒を混合撹拌したのち、過剰のフッ化セシウムを沈
殿、分離して調製されているが、原料のパーフロロジカ
ルボン酸フロライドは加水分解性が高く、フッ化セシウ
ムは吸湿性が高い。そのため一連の操作は真空ライン上
又はグローブボックスを使用して行う必要があり、煩雑
にならざるを得ない。また、そのようにして調製した溶
液であっても、水、フッ化水素などの連鎖移動反応を引
き起こす物質が含まれる可能性がある。
【0015】従って、このような可能性をできるだけ少
なくし、連鎖移動反応を確実にしかも簡単に防止してH
FPOポリマーを得る方法が望まれていた。
【0016】本発明は、上記要望に応えるためになされ
たもので、連鎖移動反応を確実に防止して、生成物中に
一官能性HFPOポリマーをほとんどあるいは実質的に
含有せず、重合度の高い二官能性HFPOポリマーを簡
単な操作で得ることができるHFPOの重合方法を提供
することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、下記一般式(1) CsOCF2−Rf−CF2OCs …(1) (式中、Rfは炭素数1〜4のパーフロロアルキレン基
又は炭素数2〜10のエーテル結合を有するパーフロロ
アルキレン基を示す。)を重合開始剤とし、これに非プ
ロトン性極性溶媒を加えた重合開始剤溶液中でHFPO
の重合を行うに際し、上記重合開始剤溶液に−30℃〜
50℃の温度においてパーフロロオレフィンを添加して
接触反応させることにより、上記重合開始剤溶液中に微
量含まれるプロトン性物質及びこれにより溶液中に生成
するフッ化セシウム、フッ化水素をも補足、除去するこ
とができ、このようにして得た重合開始剤溶液中でHF
POの重合を行った場合、連鎖移動が可及的に防止さ
れ、二官能性HFPOポリマーを確実に得ることができ
ることを知見した。そして、このようなパーフロロオレ
フィンの反応は、重合器内で実施でき、何ら分離操作を
行うことなく、引き続いてHFPOの重合を行うことが
でき、真空ラインのような特別な装置を必要とせず、簡
単にしかも確実に連鎖反応防止操作を行うことができる
ことを見い出し、本発明をなすに至ったものである。
【0018】従って、本発明は、下記一般式(1) CsOCF2−Rf−CF2OCs …(1) (式中、Rfは炭素数1〜4のパーフロロアルキレン基
又は炭素数2〜10のエーテル結合を有するパーフロロ
アルキレン基を示す。)で示される重合開始剤と非プロ
トン性極性溶媒とからなる重合開始剤溶液中でヘキサフ
ロロプロペンオキシドを重合させる方法において、上記
重合開始剤溶液に−30℃〜50℃の温度範囲でパーフ
ロロオレフィンを添加して上記重合開始剤中のプロトン
性物質及びフッ化セシウム、フッ化水素の除去処理を行
った後、この重合開始剤溶液にヘキサフロロプロペンオ
キシドを添加して重合を行うことを特徴とするヘキサフ
ロロプロペンオキシドの重合方法を提供する。
【0019】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明のHFPOの重合方法は下記一般式(1) CsOCF2−Rf−CF2OCs …(1) (式中、Rfは炭素数1〜4のパーフロロアルキレン基
又は炭素数2〜10のエーテル結合を有するパーフロロ
アルキレン基を示す。)で示される化合物を重合開始剤
とし、これに非プロトン性極性溶媒を加えた重合開始剤
溶液中でHFPOを重合するものである。
【0020】ここで、上記重合開始剤溶液の調製は、米
国特許第3,660,315号等に記載された公知の方
法によって行うことができる。即ち、下記一般式(3) FOC−Rf−COF …(3) (式中、Rfは上記と同様の意味を示す。)のパーフロ
ロジカルボン酸フロライドとフッ化セシウム及び非プロ
トン性極性溶媒とを混合撹拌した後、過剰のフッ化セシ
ウムを沈殿させて、上澄み液を分取することにより調製
することができる。
【0021】なお、Rfは炭素数1〜4、好ましくは炭
素数2,3又は4のパーフロロアルキレン基又は炭素数
2〜10、好ましくは炭素数4〜8のエーテル結合を有
するパーフロロアルキレン基であり、例えば下記のもの
を例示することができる。
【0022】
【化8】
【0023】またこの場合、上記一般式(3)で示され
るパーフロロジカルボン酸フロライドとしては通常炭素
数3〜12、好ましくは炭素数6〜10のものであり、
例えば下記のものを例示することができる。
【0024】
【化9】 これらの中では下記化合物が好ましい。
【0025】
【化10】
【0026】なお、フッ化セシウムについては市販のも
の、通常は微粉末状のものを使用前に乾燥して用いれば
よい。非プロトン性極性溶媒としては、モノグライム、
ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどのグラ
イム類やテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が
使用できるが、一般にはグライム類、特にテトラグライ
ムが好適である。但し、ここで用いる非プロトン性極性
溶媒の凝固点が−40℃以上の場合、重合温度において
流動性が低下することがある。このようなときはより凝
固点の低い別の溶媒を添加してもよい。
【0027】即ち、本発明においては、重合開始剤に用
いる非プロトン性極性溶媒として、分子内に4個以上、
特に5個以上のエーテル結合を有する鎖状又は環状の炭
化水素化合物、特にテトラグライム、クラウンエーテル
などに、第2の溶媒として常圧で融点が−40℃以下、
好ましくは−50℃の非プロトン性極性溶媒、特に分子
内に1〜3個のエーテル結合を有する炭化水素化合物、
例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチル
メチルエーテル、メチルプロピルエーテル、エチレング
リコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等を重
合開始剤溶液に対して3〜60重量%、特に20〜60
重量%混合したものを使用することが好ましい。この場
合、上記第2の溶媒が多すぎると、副生成物(一官能性
ポリマー)が増大するおそれがある。
【0028】なお、これらの溶媒は使用前に脱水する必
要があるが、本発明においては水分量100ppm以
下、特に50ppm以下にすれば十分である。
【0029】また、上記重合開始剤溶液において、上記
式(1)の化合物の濃度は2.0×10-4〜9.0×1
-4mol/g、特に2.5×10-4〜7.0×10-4
mol/gであることが好ましい。
【0030】本発明においては、この重合開始剤溶液に
−30℃〜50℃の温度範囲でパーフロロオレフィンを
添加し、好ましくは、後述するHFPOの重合温度より
高い温度で該溶液中のプロトン性物質及び/又は副生す
るフッ化セシウム、フッ化水素をトラップする反応を行
う。この場合、反応はHFPOの重合を行う重合器と同
じ重合器で行うことができ、この反応の終了後、そのま
まHFPOの重合を行うことが好ましい。
【0031】ここで、パーフロロオレフィンとしては、
炭素原子数2〜9、特に炭素原子数3〜6のものが使用
され、例えば下記のものを例示することができる。
【0032】
【化11】 これらの中では、特に下記のものが好ましい。
【0033】
【化12】
【0034】このパーフロロオレフィンの使用量は特に
制限されないが、通常重合開始剤溶液100重量部に対
して0.5〜100重量部、特に3〜30重量部が使用
される。
【0035】パーフロロオレフィンを添加して反応を行
う場合の温度は、通常−30℃〜50℃で行うことがで
きるが、好ましくは−25℃〜30℃である。反応温度
が低すぎると反応時間に長時間を要し、また高温すぎる
と開始剤の分解が生じるおそれがある。反応時間は特に
制限されないが、−25℃〜30℃の反応温度において
はパーフロロオレフィンの添加に要する時間を含めて通
常10分〜2時間、特に20分〜1時間である。
【0036】本発明においては、このように処理した重
合開始剤溶液中にHFPOを加え、HFPOの通常の重
合温度でHFPOの重合を行う。この場合、更に、ヘキ
サフロロプロペン(HFP)を同時に供給してもよい。
【0037】HFPOの供給量は適宜選定され、重合開
始剤1モルに対して10〜400倍モルの範囲で実施で
きるが、通常は30〜300倍モル程度である。供給は
ガス状、液体状のいずれでも可能である。ただし、内温
を一定に保つために連続して行うことが好ましい。ま
た、供給時間は3〜120時間で行うことが好ましい
が、HFPOの供給は、マスフローコントローラー等の
流量調節器を用いて連続的に行うことが好ましい。HF
PO供給を安定した速度で行うことは、反応液の温度を
適度な範囲に保つために必要である。供給速度は重合開
始剤のモル数に対して3〜15倍モル/時間、好ましく
は5〜10倍モル/時間が適当である。
【0038】反応温度は−45℃〜−30℃とすること
ができ、また重合終了後、内温を−45℃〜−30℃に
保ち、0.5〜24時間程度熟成させ、次いで約20℃
まで昇温し、内容物を回収してポリマーを分取すれば、
一官能性HFPOポリマーをほとんど又は実質的に含有
しない状態で下記一般式(2)で示される二官能性HF
POポリマーを得ることができる。
【0039】
【化13】 (式中、Rfは上記と同様の意味を示す。また、a+b
=10〜400、特に30〜300の整数である。)
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な操作で連鎖移動
反応を低減し、一官能性HFPOポリマーの生成を抑制
して高重合度の二官能性HFPOポリマーを確実に製造
し得る。
【0041】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるもので
はない。
【0042】〔実施例1〕温度計、撹拌機、コンデンサ
ーを備えた500ml四つ口フラスコにCsOCF2
F(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)CF2OCs
のテトラグライム溶液(5.0×10-4mol/g)を
49.2g仕込んだ。コンデンサーを−45℃に設定
し、内容物を撹拌しながらヘキサフロロプロペン(HF
P)11.0gを30分かけて供給した。このときの内
温は21℃〜23℃であった。反応が進行するに従って
内容物がしだいに白濁する現象が観察された。
【0043】次いで、フラスコを冷媒浴を用いて冷却
し、内温−35℃に調節し、HFP18.2gを43分
かけて仕込み、更にHFPO127g、HFP43.8
gを23時間かけて供給した。この間内温は−38℃〜
−32℃の範囲であった。供給終了後、−38℃〜−3
2℃にて12時間撹拌を続けた。その後、冷媒浴を取り
除き、内温を約20℃まで昇温した。このとき未反応の
HFPはガス化してパージされた。フラスコの内容物は
白濁した粘稠な液体であり、回収量は184.6gであ
った。
【0044】この回収された生成物にメタノール50
g、1,3−ビストリフロロメチルベンゼン70gを加
え、20℃〜23℃にて30分間撹拌し、更にメタノー
ル50gを加えて静置した後、相分離した下層を取り出
し、120℃、1mmHgにて揮発分を除去し、更に濾
過して、下記式(A)で示される無色透明の粘稠な液体
132g(二官能性HFPOポリマーのメチルエステ
ル)を得た。その19F−NMRの結果を下記に示す。
【0045】
【化14】 なお、片末端オリゴマーのCF3CF2CF2O−の末端
基CF3−CF2−CF2のピークは検出されなかった。
【0046】
【化15】
【0047】〔実施例2〕30Lステンレススチール製
オートクレーブにCsOCF2CF(CF3)OCF2
2OCF(CF3)CF2OCsのテトラグライム溶液
(5.0×10-4mol/g)を2.14kg仕込ん
だ。内温3℃において撹拌しながらHFPの0.47k
gを1時間かけて供給した。その後、オートクレーブの
ジャケットにブラインを循環して冷却し、内温−24℃
において再びHFPの0.47kgを1時間かけて供給
した。次いで、内温−34℃〜−30℃にてHFPOの
5.85kg、HFPの1.61kgを72時間かけて
同時に供給した。供給終了後、−34℃において17時
間撹拌を続けた。
【0048】次にブラインを抜き取り、温水を循環して
昇温を行った。このときHFPのオリゴメリゼーション
による発熱が観察された。反応終了後、白濁した粘稠な
生成物を10.30kg回収した。この生成物の一部を
実施例1と同様にしてメチルエステル化した後、分析し
た結果、下記式(B)で示されるポリマーであることが
確認された。その19F−NMRの結果を下記に示す。
【0049】
【化16】 CF32 CF2O−については検出されなかった。
【0050】
【化17】
【0051】〔実施例3〕実施例1と同じ反応器にCs
OCF2CF(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)C
2OCsのテトラグライム溶液(5.0×10-4mo
l/g)を49.7g仕込み、そこに水を0.015g
加えた。この水分量はテトラグライム溶液に対して約3
00ppmに相当する。次に撹拌しながら内温20℃に
おいてHFP11.0gを30分かけて供給し、更に内
温−35℃においてHFP16.4gを45分かけて供
給した。次いで、内温−35℃〜−32℃においてHF
PO130g、HFP42.6gを24時間かけて供給
した。その後、−33℃において17時間撹拌を行い、
昇温して生成物を回収した。回収量は214.6gであ
った。この生成物を実施例1と同様にしてメチルエステ
ル化した後、分析した結果、下記式(C)で示されるポ
リマーであることが確認された。その19F−NMRの結
果を下記に示す。
【0052】
【化18】 CF32 CF2O−については検出されなかった。
【0053】
【化19】
【0054】〔比較例1〕温度計、撹拌機、コンデンサ
ーを備えた500ml四つ口フラスコにCsOCF2
F(CF3)OCF2CF2OCF(CF3)CF2OCs
のテトラグライム溶液(5.0×10-4mol/g)を
20.0g仕込んだ。コンデンサーを−45℃に設定
し、内容物を撹拌しながら冷媒浴を用いてフラスコを冷
却した。内温−38℃においてHFP9.8gを1時間
かけて仕込んだ後、30分間撹拌を行った。次にHFP
O58.1g、HFP21.5gを23時間かけて仕込
んだ。この間の内温は−38℃〜−37℃であった。そ
の後、−40℃にて17時間撹拌を続けた。反応終了
後、冷媒浴を取り除き内温を約20℃まで昇温した。こ
のとき未反応のHFPはガス化してパージされた。フラ
スコの内容物は白濁した粘稠な液体であり、回収量は9
3.1gであった。この生成物を実施例1と同様にして
メチルエステル化し得られたポリマーを分析した結果、
下記式(D)と(E)で示される化合物の混合物である
ことが確認された。このポリマー(混合物)の19F−N
MRの結果を下記に示す。
【0055】
【化20】
【0056】
【化21】
【0057】〔比較例2〕30Lステンレススチール製
オートクレーブにCsOCF2CF(CF3)OCF2
2OCF(CF3)CF2OCsのテトラグライム溶液
(5.0×10-4mol/g)を2.34kg仕込ん
だ。撹拌しながらオートクレーブを冷却し、内温−36
℃〜−30℃においてHFPO6.86kg、HFP
3.11kgを72時間かけて同時に供給した。供給終
了後、−34℃〜−32℃において10時間撹拌を行っ
た。
【0058】次いで実施例2と同様にして昇温し、生成
物10.647kgを回収した。この生成物の一部を実
施例1と同様にしてメチルエステル化した後、分析した
結果、下記式(F)と(G)で示される化合物の混合物
であることが確認された。このポリマー(混合物)の19
F−NMRの結果を下記に示す。
【0059】
【化22】
【0060】
【化23】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 延幸 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−175185(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 65/00 - 65/32 CA(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) CsOCF2−Rf−CF2OCs …(1) (式中、Rfは炭素数1〜4のパーフロロアルキレン基
    又は炭素数2〜10のエーテル結合を有するパーフロロ
    アルキレン基を示す。)で示される重合開始剤と非プロ
    トン性極性溶媒とからなる重合開始剤溶液中でヘキサフ
    ロロプロペンオキシドを重合させる方法において、上記
    重合開始剤溶液に−30℃〜50℃の温度範囲でパーフ
    ロロオレフィンを添加して上記重合開始剤中のプロトン
    性物質及びフッ化セシウム、フッ化水素の除去処理を行
    った後、この重合開始剤溶液にヘキサフロロプロペンオ
    キシドを添加して重合を行うことを特徴とするヘキサフ
    ロロプロペンオキシドの重合方法。
  2. 【請求項2】 Rfのパーフロロアルキレン基又はエー
    テル結合を有するパーフロロアルキレン基が下記のもの
    から選ばれる請求項1記載の重合方法。 【化1】
  3. 【請求項3】 非プロトン性極性溶媒がモノグライム、
    ジグライム、トリグライム、テトラグライム、テトラヒ
    ドロフラン及び1,4−ジオキサンから選ばれる成分を
    含有するものである請求項1又は2記載の重合方法。
  4. 【請求項4】 重合開始剤溶液中における式(1)の重
    合開始剤濃度が2.0×10-4〜9.0×10-4mol
    /gである請求項1,2又は3記載の重合方法。
  5. 【請求項5】 パーフロロオレフィンが炭素原子数2〜
    9のものである請求項1乃至4のいずれか1項記載の重
    合方法。
  6. 【請求項6】 パーフロロオレフィンが下記式のものか
    ら選ばれる請求項5記載の重合方法。 【化2】
  7. 【請求項7】 パーフロロオレフィンの使用量が重合開
    始剤溶液100重量部に対して5〜100重量部である
    請求項1乃至6のいずれか1項記載の重合方法。
  8. 【請求項8】 パーフロロオレフィンを重合開始剤溶液
    に添加して処理する温度が−25℃〜30℃である請求
    項1乃至7のいずれか1項記載の重合方法。
  9. 【請求項9】 ヘキサフロロプロペンオキシドの供給量
    が重合開始剤1モルに対して10〜400倍モルである
    請求項1乃至8のいずれか1項記載の重合方法。
  10. 【請求項10】 ヘキサフロロプロペンオキシドの重合
    によって得られる化合物が下記式(2) 【化3】 (式中、Rfは上記と同様の意味を示す。また、a+b
    =10〜400の整数である。)で示されるものである
    請求項1乃至9のいずれか1項記載の重合方法。
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