JP2002321247A - メモリーカードの製造方法 - Google Patents
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Abstract
工程や充填材の注入工程が不要であり、規格化されたメ
モリーカードの外形寸法において電子部品及び基板が占
める容積を大きく確保することができるメモリーカード
の製造方法を提供する。 【解決手段】 電子部品2が実装された基板1を内蔵す
るメモリーカードAを製造する方法に関する。電子部品
2が実装された基板1を成形金型3のキャビティ4内部
に配置し、成形金型3に設けた基板保持ピン5で基板1
を固定して型締めした後、キャビティ4内部に溶融状態
の樹脂8を注入すると共にこの樹脂8の注入圧によって
基板保持ピン5を基板1から離間させる。少ない工数で
電子部品や基板の容積を大きく確保した信頼性の高いメ
モリーカードを効率よく製造することができる。
Description
ー等のICメモリーを搭載したメモリーカードの製造方
法に関するものである。
に示すように、メモリーカード用成形品15に設けた凹
部16にICメモリー等の電子部品2が実装された基板
1を搭載し、この基板1が搭載された凹部16に他のメ
モリーカード用成形品15に設けた凹部16を対向さ
せ、上記2枚のメモリーカード用成形品15を超音波溶
着や接着剤等で貼着することによって製造されている。
通常、このようにして製造されるメモリーカードAは、
その大きさや厚みが規格化されて制限されているため、
メモリーカード用成形品15の凹部16の容積に応じて
電子部品2が実装された基板1を搭載する必要がある。
逆に言えば、大容量の記憶能力や高速処理能力を有する
電子部品2が実装された基板1を搭載するにあたって
は、予め凹部16の容積を大きく確保しておく必要があ
り、従って凹部16の底部となる薄肉部17をより薄く
形成しておかなければならないものである。
成形品15は、射出成形やトランスファー成形によって
成形されており、上記の薄肉部17の厚みは0.2mm
にするのが限界であって、例えこれ以下の厚みで薄肉部
17を形成できたとしても、反り、ヒケ、バリ、ウエル
ド等が発生してメモリーカードAの製造が困難となるも
のであった。
造は、電子部品2が実装された基板1を2枚のメモリー
カード用成形品15の凹部16に挟入した後、これらの
メモリーカード用成形品15を貼着して行われている。
このとき凹部16の大部分は、図4(a)に示すように
電子部品2や基板1によって占められているが、凹部1
6の一部分には隙間18が生じている。従って、場合に
よってはこの隙間18に起因してメモリーカードAが破
損するおそれがあるため、図4(b)に示すようにメモ
リーカード用成形品15と電子部品2及び基板1との間
の隙間18にエポキシ樹脂等の充填材19を注入するこ
とによって、メモリーカードAの破損防止が行われてい
る。
製造においては、2枚のメモリーカード用成形品15を
貼着する工程が必要であるのはもちろん、さらにメモリ
ーカードAを補強して信頼性を確保するため、上述した
凹部16の隙間18に充填材19を注入しこれを硬化さ
せる工程も必要となり、工数が多くなるという問題があ
った。
みてなされたものであり、従来のようなメモリーカード
用成形品の貼着工程や充填材の注入工程が不要であり、
規格化されたメモリーカードの外形寸法において電子部
品及び基板が占める容積を大きく確保することができる
メモリーカードの製造方法を提供することを目的とする
ものである。
メモリーカードの製造方法は、電子部品2が実装された
基板1を内蔵するメモリーカードAを製造するにあたっ
て、電子部品2が実装された基板1を成形金型3のキャ
ビティ4内部に配置し、成形金型3に設けた基板保持ピ
ン5で基板1を固定して型締めした後、キャビティ4内
部に溶融状態の樹脂8を注入すると共にこの樹脂8の注
入圧によって基板保持ピン5を基板1から離間させるこ
とを特徴とするものである。
て、基板保持ピン5として、基板1に接する先端部6が
先細り状に形成されたものを用いることを特徴とするも
のである。
おいて、先端部11に弾性体9を設けた端子用基板保持
ピン10を備え、先端部11の弾性体9を基板1の端子
部12に当接させた状態で基板1を端子用基板保持ピン
10で固定しながらキャビティ4内部に溶融状態の樹脂
8を注入することを特徴とするものである。
いずれかにおいて、スプリング13による付勢力によっ
て基板保持ピン5を基板1に押圧し基板1を固定するこ
とを特徴とするものである。
いずれかにおいて、基板1として、基板保持ピン5の先
端部6が嵌まり込む凹陥部14が設けられたものを用い
ることを特徴とするものである。
する。
工程の一例を示すものであり、メモリーカードAは図2
に示すように電子部品2が実装された基板1を内蔵する
ものであるが、かかる基板1としては特に限定されるも
のではなく、従来のメモリーカードAの製造に使用され
ていたものと同様のものを使用することができる。すな
わち、基板1の両面又は片面にICメモリー(例えばフ
ラッシュメモリー)等の電子部品2を実装して回路を形
成すると共に、この回路に接続する端子部12を基板1
の端部に設け、図示省略した外部電極からこの端子部1
2を介して基板1の回路に通電できるようになってい
る。
型3は、一対の割り型3a,3bから形成されるもので
あり、両割り型3a,3bは型締め・型開き自在に各パ
ーティング面(分割面)を対向させて配置してある。そ
して両割り型3a,3bのパーティング面には、それぞ
れキャビティ4a,4bが凹設してあり、両割り型3
a,3bを型締めした際に両キャビティ4a,4bが形
成する空間部分が、規格化されたメモリーカードAの外
形寸法と略等しくなるようになっている。
ャビティ4内部において基板1を固定するための基板保
持ピン5が設けられている。この基板保持ピン5は棒状
に形成され、両割り型3a,3bの型締め・型開き方向
と平行を維持したまま、この方向に移動自在となってい
ると共に、キャビティ4内面からキャビティ4内部に向
けて突出自在となっている。このとき、例えば図3に示
すように、スプリング13の一端を割り型3a(3b)
に固定すると共に他端を基板保持ピン5の後端部7に取
着するようにしておくと、スプリング13の収縮・伸長
によって基板保持ピン5を移動自在にすることができ、
基板保持ピン5を移動させるための複雑な機構を組み込
む必要がなくなり、成形金型3の構造を簡素化すること
ができるものである。
にそれぞれ複数設けることができる。そして基板1の固
定は、一方の割り型3aに設けた基板保持ピン5と他方
の割り型3bに設けた基板保持ピン5とで基板1を挟持
することによって行われる。このとき、一方の割り型3
aに設けた基板保持ピン5に対向させて、他方の割り型
3bに基板保持ピン5を設けておくと、基板1を固定す
る際に基板1の位置ずれの発生を確実に防止することが
できるものである。
ティ4内部において基板1を固定しながら基板1の端子
部12を隠蔽するための端子用基板保持ピン10が設け
られている。この端子用基板保持ピン10は基本的には
上述した基板保持ピン5と同様に形成されているが、先
端部11は基板1の端子部12を隠蔽できるほどの面積
を有する平滑面に形成されている。そしてこのとき先端
部11に上記と同様の面積を有するシリコンラバーやテ
フロン(商標名;ポリテトラフルオロエチレン)シート
の弾性体9を設けておくと、端子部12に多少の凹凸が
あったとしても、基板1を固定するにあたってこの弾性
体9が端子部12に隙間なく当接することができるもの
である。なお、図1に示すように一方の割り型3bに設
けた端子用基板保持ピン10に対向させて、他方の割り
型3aに上記の基板保持ピン5を設けることができ、端
子用基板保持ピン10と基板保持ピン5とで基板1を挟
持し固定することができる。
3を使用してメモリーカードAを製造するにあたって
は、まず図1(a)に示すように型開きした成形金型3
の一方の割り型3bのキャビティ4b内部に、基板1の
端子部12が、端子用基板保持ピン10が設けられた側
を向くようにして、基板1を配置する。このときキャビ
ティ4b内面から基板保持ピン5と端子用基板保持ピン
10とを突出させ、これらの先端部6,11に基板1を
載置し、基板1をキャビティ4b内面から離間させてお
く。ここで、図1に示すように基板1の表面のうち基板
保持ピン5の先端部6が当接する箇所に、この先端部6
が嵌まり込む凹陥部14を予め設けておくと、基板1の
位置決めを容易に行うことができると共に、成形金型3
への基板1のセットを迅速に行うことができるものであ
る。一方、端子用基板保持ピン10の先端部11は基板
1の端子部12に当接させ、この端子部12を隠蔽した
状態にしておく。
a,3bを近付けて型締めを行う。このときキャビティ
4内部の基板1は、両側から基板保持ピン5で押圧され
ることによって挟持され、キャビティ4内面から離間し
た状態で固定されている。ここで、基板1に大容量の記
憶能力や高速処理能力を有する電子部品2が実装されて
いても、このように基板1をキャビティ4内面から離間
させておけば、規格化されたメモリーカードAの外形寸
法内に上記の電子部品2を収容することができるもので
ある。特に、上述した図3に示す成形金型3を使用する
場合は、スプリング13による付勢力によって両側の基
板保持ピン5を基板1に押圧させ、この基板保持ピン5
で基板1を挟持し固定しているものである。一方、端子
用基板保持ピン10はその先端部11を基板1の端子部
12に圧接させ、この端子部12を隠蔽しているもので
あるが、先端部11に上述したような弾性体9を設けて
おくと、この弾性体9が押圧によって変形し端子部12
に密接することによって、隙間なく端子部12を隠蔽す
ることができるものである。
4内部に溶融状態の樹脂8を注入するものであるが、こ
のとき基板保持ピン5を基板1から離間させずに成形し
てしまうと、成形後において基板1の表面を底部とする
孔がメモリーカードAに残存することになり、メモリー
カードAの信頼性を高く得ることができなくなる。そこ
で本発明においては、図1(c)に示すように樹脂8を
注入する際にこの樹脂8の注入圧によって基板保持ピン
5を基板1の表面から離間させるものである。このとき
特に基板保持ピン5の先端部6を先細り状に形成、つま
り先端ほど細くなる傾斜面や曲率を有する面に形成して
おくと、この面に働く樹脂8の注入圧は基板1から離れ
る向きに向いているため、基板保持ピン5を基板1から
離間させやすくなるものである。このように基板保持ピ
ン5が基板1から離間する場合、基板1に設けていた凹
陥部14には樹脂8が充填され、また基板1の両側に充
填される樹脂8の注入圧によって基板1は固定された状
態を維持し、キャビティ4内部において位置ずれするこ
とはない。なお、上記の樹脂8としては、特に限定され
るものではなく、例えば、ポリカーボネート、ポリエス
テル、ポリオレフィン、ポリスチレン、PET、PB
T、ABS又はこれらの樹脂8の混合混練物等を使用す
ることができる。
終了するまで基板1の端子部12に圧接されており、端
子部12は端子用基板保持ピン10の先端部11によっ
て隠蔽されている。従って、キャビティ4内部に注入さ
れた樹脂8が端子部12に触れることはなく、製造され
たメモリーカードAに端子部12に起因する導通不良が
生じることはないものである。
3のキャビティ4内部を溶融状態の樹脂8で充填した
後、この樹脂8を冷却して硬化させ、次いで図1(e)
に示すように両割り型3a,3bを遠ざけて型開きを行
って成形品を取り出し、メモリーカードAの製造が完了
するものである。
って、ゲーム用、音楽用、動画用、静止画用等の種々の
用途に使用可能なメモリーカードAを製造することがで
きるものであり、従来のようにメモリーカード用成形品
15を別途成形しておく必要はなく、このため2枚のメ
モリーカード用成形品15を貼着したり、貼着後に生じ
たメモリーカードA内部の隙間18に補強のための充填
材19を注入する必要もなくなるものである。つまり、
本発明によればこれらに相当する工程を一度に行うこと
ができるものであり、規格化されたメモリーカードAを
効率よく製造することができるものである。しかも、本
発明において使用する成形金型3のキャビティ4の容積
は、規格化されたメモリーカードAの外形寸法と略等し
いことにより、キャビティ4の容積を限度として電子部
品2や基板1の容積を大きく確保することができるもの
である。
モリーカードの製造方法は、電子部品が実装された基板
を内蔵するメモリーカードを製造するにあたって、電子
部品が実装された基板を成形金型のキャビティ内部に配
置し、成形金型に設けた基板保持ピンで基板を固定して
型締めした後、キャビティ内部に溶融状態の樹脂を注入
すると共にこの樹脂の注入圧によって基板保持ピンを基
板から離間させるので、少ない工数で信頼性の高いメモ
リーカードを効率よく製造することができると共に、規
格化された外形寸法において電子部品や基板の容積を大
きく確保することができるものである。
て、基板に接する先端部が先細り状に形成されたものを
用いるので、基板保持ピンの先端部に樹脂の注入圧が基
板から離れる向きに働くことになり、基板保持ピンを容
易に基板から離間させることができるものである。
設けた端子用基板保持ピンを備え、先端部の弾性体を基
板の端子部に当接させた状態で基板を端子用基板保持ピ
ンで固定しながらキャビティ内部に溶融状態の樹脂を注
入するので、端子部に樹脂が触れることを防止し、導通
信頼性が良好なメモリーカードを製造することができる
ものである。
付勢力によって基板保持ピンを基板に押圧し基板を固定
するので、成形金型の構造を簡素化することができるも
のである。
保持ピンの先端部が嵌まり込む凹陥部が設けられたもの
を用いるので、基板の位置決めを容易に行うことができ
ると共に、基板を成形金型へ迅速にセットすることがで
きるものである。
(a)乃至(e)は各工程の断面図である。
す断面図である。
る。
断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 電子部品が実装された基板を内蔵するメ
モリーカードを製造するにあたって、電子部品が実装さ
れた基板を成形金型のキャビティ内部に配置し、成形金
型に設けた基板保持ピンで基板を固定して型締めした
後、キャビティ内部に溶融状態の樹脂を注入すると共に
この樹脂の注入圧によって基板保持ピンを基板から離間
させることを特徴とするメモリーカードの製造方法。 - 【請求項2】 基板保持ピンとして、基板に接する先端
部が先細り状に形成されたものを用いることを特徴とす
る請求項1に記載のメモリーカードの製造方法。 - 【請求項3】 先端部に弾性体を設けた端子用基板保持
ピンを備え、先端部の弾性体を基板の端子部に当接させ
た状態で基板を端子用基板保持ピンで固定しながらキャ
ビティ内部に溶融状態の樹脂を注入することを特徴とす
る請求項1又は2に記載のメモリーカードの製造方法。 - 【請求項4】 スプリングによる付勢力によって基板保
持ピンを基板に押圧し基板を固定することを特徴とする
請求項1乃至3のいずれかに記載のメモリーカードの製
造方法。 - 【請求項5】 基板として、基板保持ピンの先端部が嵌
まり込む凹陥部が設けられたものを用いることを特徴と
する請求項1乃至4のいずれかに記載のメモリーカード
の製造方法。
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