JP2008284773A - 複合成形方法および樹脂成形品ならびに電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】インサート成形において金属インサート部品と樹脂との間に空間を設けることにより、外部からの力や熱などが伝わることを防止する。
【解決手段】第2金型201に金属板101を変形させることを目的とした第1凸部204を形成し、インサート成形時に金属板101を変形させた状態で溶融樹脂205を充填し、固化させて樹脂102を成形する。樹脂102は金属板101が弾性変形した形状で成形される。その後、第1凸部204を金属板101から離すことにより、金属板101が変形させられる前の形状に復元し、金属板101と樹脂102との間に微小な空間104を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属板など(以下、インサート部品という)を金型内に配置した後に樹脂の成形を行い一体化した成形品を得る複合成形において、インサート部品と樹脂との間に微小な空間を設ける複合成形方法、および、その複合成形方法にて成形される樹脂成形品、および、その樹脂成形品を用いる電子機器に関するものである。
近年、携帯電話をはじめとして、市場においてカメラ,音楽機器,ゲーム機などの携帯用の電子機器が増加している。これら携帯用機器は、その用途から薄型化や小型化を求められる一方、携帯時の落下にも耐える強度が必要とされる。そのため携帯用機器には金属筐体が採用されることが多い。
金属筐体の製造方法としては、ダイカストやチクソモールドなどの溶融金属を金型で成形する方法があるが、成形後の表面加工なしで良好な外観品質を得ることが困難であるという問題や、成形後の磨き作業や仕上げ加工などの製造コストが高くなるという問題があった。また、金属プレスでは、良好な外観は得られるものの、内蔵部品を固定するためのボスやリブ構造を成形することが困難であった。
そこで、金属プレス品をインサート成形により、金属プレス品に樹脂でボスやリブの内部構造体を形成する方法の採用が増加している。
一方、携帯用機器として求められる外的衝撃から内蔵部品を保護するために、筐体と内蔵部品との間にクッション材を配置するなどの構造が採用されている。しかしながら、この構造では、クッション材の組込みといった作業が必要になると共に、クッション材を貼り付けた場合、機器の廃棄時にクッション材の剥離が必要になり、リサイクル性を悪くすることになる。
そこで、携帯用機器の外装面と内部部品の固定用リブとの間などに空間を設けることにより、外的衝撃力が内部部品に加わることを防止するようにした構造がある。
従来の樹脂射出成形や金属板のインサート成形において、中空形状を成形する方法としては、樹脂の肉厚内部に高圧気体を圧入することによって空間を成形する中空成形方法がある(例えば、特許文献1参照)。
図7は特許文献1に記載された従来の中空成形体の製造方法の概略を示す説明図であって、701は射出ノズル、702は金型、703は流体ノズル、704は樹脂射出口、705は流体圧入口、706はスプルーであり、キャビティ203内に溶融樹脂を射出した後に、ノズル701より気体を圧入することにより成形品内部に空間を形成する。そして、溶融樹脂205の冷却固化後に、圧入気体を排気し、成形品を金型より取り出すことにより、中空成形体を成形していた。
特開平3−286814号公報
しかしながら、前記従来の構成では、中空成形品において中空部の形成が可能な部位は肉厚の中心部に限定されており、インサート成型においてインサート部品と樹脂との間に空間を形成することは不可能であった。また、中空形状を形成するためには、一般的に成型品の肉厚を2mm〜3mm以上に厚くする必要があり、携帯用機器に求められる薄型化,小型化の実現が困難であった。さらに、内部部品を取り付けるネジ形状などの内壁が円筒面である任意の肉厚を有する円筒形状のボスには強度が要求されるため、通常、一般面に対して厚肉となっているにもかかわらず、この厚肉部分に高圧気体が流入して中空となって、ボスの必要強度が得られないことがあるという課題を有していた。
前記従来の方法では、金型キャビティ内に充填した溶融樹脂が金型に接した部分だけが固化し、樹脂肉厚の中心部が、まだ溶融した状態のときに高圧で気体を充填させることにより、溶融状態である肉厚中心部に気体を圧入して中空形状を成形していた。このため、金型キャビティ内に充填した樹脂が完全に溶融した状態で気体を圧入すると、金型と樹脂との間に気体が入り、本来必要な形状の製品が得られない場合があったり、排気用の孔とつながらずに気泡状になった場合、気体の圧力で樹脂が破裂する場合があるためである。また、完全に樹脂が固化した状態では気体を圧入することができず、中空を形成することができないためである。
したがって、従来の方法において、中空部の成形には樹脂を厚肉形状にする必要があり、かつ空間形成の部位は樹脂の肉厚中央部に限定されていた。これは、インサート成型でも同様であって、インサート部品と樹脂との間に空間を設けることは不可能であった。さらに、携帯機器で求められる肉厚1mm程度以下では、樹脂の肉厚方向での温度差が小さく、気体の圧入に必要な表面が固化しつつ内部が溶融した状態を得ることが困難なため、中空を成形することができなかった。
また、従来の方法において、中空部の形状は高圧気体を圧入するときの樹脂の溶融状態と気体の圧力で決定されるため、自由に中空形状を設計することができず、また、成形するたびに形状が変化してしまうという課題を有していた。
前記中空成形とは別の方法として、インサート成形にて筐体を製作する方法も考えられる。インサート成形において任意の位置に空間を成形する従来の方法として、スライドコアなどの金型構造を用いる方法もある。
図8はスライドコア工法による空間形成例の説明図であって、スライドコア工法によれば、図8(a)に示すように、成形対象の樹脂本体に所定の位置にスライドコア801を配設しておき、成形後にスライドコア801を抜き取るようにしている。このようにして、図8(b)に示すように、インサート金属板101と樹脂102との間に空間104を形成することは可能であるが、樹脂の充填圧により変形しないスライドコア801の強度が必要になるため、スライドコア801を大きくする必要がある。
図8(a)に示すスライドコア801の幅B,長さL,厚みAは、一般的に、幅B=10mm,長さL=10mmの空間を作るスライドコア801の場合では、厚みA=3mm程度以上は必要である。したがって、空間の大きさも同じく大きくなり、携帯用機器に採用した場合、薄型化することができないという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであって、インサート成形において金属インサート部品と樹脂との間に空間を設けることにより、外部からの力や熱などが伝わることを空間にて防止することを可能にした複合成形方法および樹脂成形品ならびに電子機器を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、第1金型あるいは第2金型に金属板を配置し、第2金型に設置された第1凸部により前記金属板を樹脂充填用のキャビティ空間方向に変形し、前記第1金型と前記第2金型を型締めし、前記第1金型と前記金属板とで構成したキャビティで溶融樹脂を固化し、前記第1金型と前記第2金型とを型開きし、前記第1凸部で変形した前記金属板を前記第1凸部とは逆方向に変形し、前記キャビティに成形された樹脂と前記金属板との接触面に前記空間を形成するものである。
前記のようにすることにより、金属板をインサート成形する際に空間を形成する位置に金属板を弾性変形域内で変形させ、金属板を弾性変形させた状態で樹脂の充填を行い、樹脂の固化後に金属板を変形させる力を取り除き、金属板が弾性変形前の形状に戻ることにより金属板と樹脂との間に空間を形成する。また、金属板の変形量を弾性変形領域内とすることによって、成形前後での金属板の形状が変化することがなく、良好な成形品を得ることができる。
このため、電子機器などの筺体において、内部部品を固定するリブやボスと外装金属板との間に空間を設けることが可能となる。
以上のように、本発明によれば、金属板をインサート成形する際に空間を形成する位置に金属板を弾性変形域内で変形させるようにすることにより、容易かつ良好に樹脂と金属板との接触面に空間を形成することができ、例えば、電子機器における筐体の強度を高めて機器全体の薄型化,小型化を可能にする金属板インサート成形において、外部からの力や熱が内蔵部品に直接伝わることを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は本発明の実施の形態1における金属板インサート成形を行った成形品と、その内部部品取り付け用ボス部を示す断面図であって、(a)は全体の断面図、(b)は(a)におけるA部の拡大図、(c)は要部の拡大断面図、図2の(a)〜(e)は本発明のインサート成形方法の実施の形態1のインサート成形方法における成形工程を説明するための要部の断面図、図2の(f)は(b)におけるB部の拡大図、図3(a)〜(d)は本発明の実施の形態1における金型のピン構造を説明するための断面図、図4は本発明の実施の形態1における成形品の中空部を説明するための断面図であって、(a)は要部の拡大断面図、(b)は(a)におけるC部の拡大図である。なお、以下の説明において、図7,図8にて説明した同じ構成要素については、同じ符号を付して説明を省略する。
図1において、所定の形状に成形された金属板(本例では、ステンレス:SUS)101を樹脂102でインサート成形した成形品の断面図であり、内蔵部品を固定するボス103と金属板101との間に空間104を設けることにより、金属板101に加わった外力が内蔵部品105に直接伝わることを防止する構造としている。
図2において、201は第2金型、202は第1金型、203はキャビティ空間、204は第1凸部、205は溶融樹脂、206はゲート、207は第2凸部、208は隙間である。本実施の形態では、第2金型201に金属板101を弾性変形させる第1凸部204を設けている点が特徴である。
本実施の形態1における成形工程の概要を図2を参照して説明する。
図2(a)は型開き状態の第1金型202に金属板101を挿入した状態を示す。ただし、金属板101を第2金型201に挿入する構造としても同様の効果を得られる。第2金型201には金属板101を変形させるための第1凸部204を設けてある。図2(b)に第1金型202と第2金型201とを型閉めした状態を示す。このとき第2金型201に設けた第1凸部204で金属板101が変形させられる。このときの変形量を金属板101の弾性変形域内とすることで永久ひずみの発生を防止し、外観面の品質を良好に保つことが可能となる。この状態で金属板101と第1金型202との間の空間が、溶融樹脂205を充填するキャビティ空間203となる。
溶融樹脂205をキャビティ空間203へ充填し、冷却固化することにより所定の樹脂形状の成形を行う。樹脂の固化完了後、図2(c)に示すように型開きを行うが、このとき、第2金型201に設けた第1凸部204が金属板101より離れることにより、金属板101を変形させる力が無くなり、金属板101は型閉め前の形状に戻る。これにより、固化した樹脂102と金属板101との間に空間104が形成される。この後、図2(d)に示すように、成形品を金型より取り出すことによって、金属板101とボス103との間に空間104を有する成形品を得ることができる。
このように本実施の形態では、樹脂102の成形時に金属板101を意図的に変形させ、樹脂の成形完了後に、変形している金属板101の復元力を利用することと、樹脂102を成形するためのキャビティ空間203を、成形品の一部となる金属板101を変形させて作り出すことを特徴としている。本構造において、第1凸部204は金型201,202の任意の位置に設けることが可能であることより、空間104を成形品の任意の位置に形成することが可能である。
次に、前記成形を確実に行うための実施の形態1における構造について詳細に説明する。
本実施の形態では金属板101の成形時の変形を弾性変形内とし、塑性変形させないことが良好な外観品質を得るために重要となる。本実施の形態1では、金属板101をSUS304、板厚0.3mmとし、溶融樹脂205の温度を約250℃とした。そこで250℃での金属板101の物性値がヤング率=約18300kgf/mm,許容応力=約110N/mmであることより、金属板101の変形を塑性変形とするために、第1凸部204の形状を幅約14mm、高さ0.1mmと設定した。
次に、溶融樹脂205の流動を制御するための構造を説明する。通常のインサート成形では金属板101と同じ形状に第2金型201を加工し、金属板101と第2金型201との間に隙間がない状態で溶融樹脂205を充填させるが、本実施の形態では意図的に金型内で金属板101を変形させるため、図2(f)に示すように、第2金型201と金属板101とが密着せずに隙間208が発生する。溶融樹脂205を充填させるときに、この隙間208に樹脂が流入すると、型開き後に金属板101が完全に元の形状に戻ることができない場合が生じる。また、隙間208に流入した溶融樹脂205の圧力により金属板101が変形させられる場合がある。
そこで、溶融樹脂205が隙間208に流入すること無く、かつ樹脂が所定の肉厚に成形されるために金属板101を第2金型201に密着させる構造として、第1金型202に第2凸部207を設けると共に、図2(e)に示すサブマリン構造のゲート206を第1金型202に配置した。第2凸部207によりゲート206付近では金属板101が確実に第2金型201に押し付けられ、金属板101と第1金型202との間にキャビティ空間203が生じる。このキャビティ空間203に第1金型202に配置したサブマリン構造のゲート206より溶融樹脂205を充填させることにより、溶融樹脂205は確実に金属板101と第1金型202との間に流入させることが可能となる。これにより、溶融樹脂205の圧力は、金属板101を第2金型201に押し付ける方向に働くため、隙間208を無くすことが可能となる。したがって、樹脂102を所定の形状に成形することが可能となる。
溶融樹脂205が固化した後に金型201,202を開くことにより、金属板101を変形させていた第1凸部204が金属板101から離れて、金属板101が元の形状に戻り空間104が形成される。このとき、重要となるのが金属板101の復元力と、金属板101と樹脂102との密着力と、樹脂102と第1金型202との密着力、すなわち樹脂102の離型抵抗の3つの力の関係である。
ここで、金属板101が元の形状に復元する力をf1、樹脂102と金属板101の密着力をf2、樹脂102の第1金型202からの離型力をf3とすると、f1>f3かつf2>f3となった場合、中空形状の空間104が形成されずに樹脂102が第1金型202から離れ、樹脂102の成形形状が、本来成形すべき形状とは異なった状態になる。
本実施の形態1では、樹脂102が第1金型202に確実に密着するために、樹脂102の第1金型202からの離型抵抗を利用する。空間104を成形する位置にf2<f3となる離型抵抗f3を有したボス103を設けることにより、樹脂102が第1金型202に密着した状態を保つことが可能となる。
空間104を小さくするために、金属板101の変形量、すなわち第1金型202の第1凸部204の凸量を小さく設定した場合、金属板101の復元力f1もまた小さくなる。このように、金属板101の復元力f1に対し、金属板101と樹脂102の密着力f2の関係がf1<f2となった場合、金属板101は樹脂102に密着したままとなり、空間104が形成されない。
また、型開き後に金属板101が樹脂102から確実に剥離するようにするため、金型にスプリングで可動するピン構造を採用することが考えられる。
図3は本実施の形態における前記ピン構造と、その動作工程の説明図であって、第1金型202にピン301とスプリング302とを設け、スプリング302で押し出されたときのピン301の長さが、図3(b)における長さL1と図3(c)における長さL2とが同じ長さであるように設定し、また、ピン301の外周が樹脂と接することを防止するための第3凸部303を備えている。
図3において、金属板101を変形させる第2金型201の第1凸部204の突出量をLとすると、型閉めによりピン301はスプリング302の弾発力に抗して前記Lだけ押し下げられる。この状態で溶融樹脂205を射出充填し、冷却固化させて型開きを行う。このとき、型閉め時にスプリング302がピン301を押す力をf4とした場合、f4>f2となるようにスプリング302の弾性を設定することにより、スプリング302がピン301を介して金属板101を押す力によって、金属板101を樹脂102から確実に剥離させることが可能となる。
また、前記ピン構造を採用することにより、ピン301と第3凸部303の隙間から空気が金属板101と樹脂102との間に流入することが可能となり、金属板101と樹脂との真空密着を確実に防止することが可能となる。
図3(d)に示すように、第3凸部303を設けない場合には、ピン301と樹脂102との間に抵抗力f5が発生し、スプリング302が金属板101を押す力が(f4−f5)となる。このため、(f4−f5)>f2となるように、スプリング力f4を大きく設定する必要があると同時に、前記金属板101と樹脂102の真空密着が発生する可能性が高くなる。
以上の構造を持った金型を用いることにより、金属板101を変形させた状態で成形を行い、樹脂102の固化後に金属板101の変形を元の形状に戻すことにより、空間104を形成するインサート成形が可能となり、金属板101と樹脂102の間に空間104を持った成形品を得ることが可能となる。
この場合の空間104の形状は、図4に示す空間部104の端部形状に、以下のような特徴を持つ。すなわち、樹脂102と金属板101の接点401では樹脂102の種類や成形の状態でキャビティ形状の転写性が異なり、樹脂102と金属板101とのなす角度を正確にみることが困難であるため、樹脂102と金属板101との接点401から微小距離X1離れた樹脂102の接線L1と金属板101の接線L2との角度θ1をみると、空間104の形成に必要な金属板101の復元力を得るために、角度θ1を0.01度程度以上にすることが望ましい。
また、第1凸部204により金属板101を変形させるため、金属板101の変形角度θ2が全周にわたって90度より大きくなると、樹脂充填後に第1凸部204が離型できないため、角度θ2を90度以下にする必要がある。さらに、角度θ2を90度とした場合でも、型開き後に金属板101をピン301を用いて変形を復元しても、塑性変形となるために変形量が残る。したがって、前記角度θ1は90度より小さい角度となる。すなわち、端部形状の角度θ1が、0.01度以上で90度より小さい角度の空間104の創出を可能にするものである。
なお、本実施の形態において、金属板101と第2金型201との間に樹脂の流入を防止する目的のために、第1金型に第2凸部207を設けると共に、ゲート206をサブマリンゲート構造としたが、同様の目的を達することが可能であれば、トンネルゲートなど他のゲート構造としてもよい。
また、型開き時に樹脂が確実に第1金型と密着した状態を保つ為にボス形状205の離型抵抗を利用したが、同様の目的を達することが可能であれば、後述する図5に示すような凹凸形状(リブ,凹部)など、他の構造としてもよい。
また、本実施の形態では、金属板101を成形品の外部から見える外側に配設したが、樹脂を成形品の外側に配設することも可能である。すなわち、金属板101が表面に露出する成形品であれば、金属板101と樹脂102のどちらが外側になるかを制限するものでは無く、金属板101と樹脂102との間に空間を設けることは可能である。
また、金属板101を第1凸部204により変形させた後に溶融樹脂107を充填させる工程としたが、第1凸部204を可動式とすることにより、金属板101を変形させる前に溶融樹脂107を充填させ、固化する前に可動式の第1凸部204を動作させることによって、金属板101を弾性変形内で変形させることによっても同様の効果を得ることが可能である。また、第1凸部204をスライドコアなどを用いた可動式とすることにより、成形品側面部106においても金属板101と樹脂102との間に空間を設けることは可能である。
金属板101をSUS304としたが、弾性変形する素材でかつ樹脂のインサート成形が可能な部材であれば、他の素材でも同様の効果を得ることが可能である。また、本実施の形態では、良好な外観品質を得るために金属板101の変形量を弾性変形内としたが、永久ひずみが残ることを許容すれば弾性現度以上の変形をさせても、空間104を作り出すことは可能である。
また、本実施の形態では金属板101のインサート成形としたが、金属板101を金型内に配置して成形する樹脂と金属板の複合成形であれば、他の成形方法であっても空間104を作り出すことは可能である。
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2により成形された成形品を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるD部の拡大図である。図6(a)〜(c)は図5に示す成形品の空間部を成形する状態を示した断面図である。なお、図5および図6において、図1〜4、および図7,図8にて説明したと同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図5において、インサート成形する金属板101は、あらかじめ溝形状501が成形されたものであり、この溝部501を弾性変形させてインサート成形を行うことによって、溝形状501に沿った形状の空間104を金属板101と樹脂102との間に形成するものである。
図6(a)に示すように、第2金型201に第1凸部204を、金属板101の溝部501に合わせた形状にして設置し、図6(b)に示すように、金属板101の溝部501を弾性変形させた後にキャビティ空間203に溶融樹脂205を充填させ、図6(c)に示すように離型させる。
本実施の形態2では、金属板101が元の形状に復元する力f1を、樹脂102と金属板101との密着力f2より十分大きな値となるように、金属板101の形状を設定することにより、実施の形態1で設置したピン301の設置は不要となる。
また、樹脂102が第1金型202との間に離型抵抗を発生させる形状として、リブ形状502または凹溝形状503を設置した。これら構造を採用し、実施の形態1と同様の成形を行うことにより、樹脂102の上に金属板101で構成された空間104を成形することが可能であり、金属板の溝部501の形状を任意の形状にすることが可能である。
図5に示すような溝形状501を用いて、例えば樹脂102と金属板101との間に管路を設けることが可能であり、また、空間104に媒体を流すことによって薄型の熱交換器などとしての利用も可能である。さらに、金属板101と樹脂102との接する部分505に樹脂102と金属板101とを密着させることが可能な接着技術を用いることにより、液体の媒体を流すことも可能になる。
また、金属板101と樹脂102の間に空間104が存在することにより、金属板101と樹脂102との分離を容易にし、近年、重要視されているリサイクル性を高める効果も有している。
金属板101と樹脂102を分離する方法の例として、物理的な方法と化学的な方法が挙げられる。物理的な方法としては、空間104にくさび形状の器具を圧入することによって金属板101と樹脂102に対して剥離する力を与える方法や、空間104に高圧気体を充填させるなどにより空間504内の圧力を高めることにより金属板101と樹脂102とを剥離する力を与える方法がある。
本実施の形態における空間104を形成する成形工法を用いれば、成形品の任意の位置に空間104を成形することが可能である。金属板101と樹脂102とを密着させるための形状の近傍に空間104を設けておくことにより、金属板101と樹脂102の剥離に必要な力を効果的に与えることが可能となる。
また、金属板101と樹脂102とを接着剤などを用いて接着した場合には、化学的な方法を取ることが可能となる。具体的には、金属板101と樹脂102との接着面の近傍に空間104を設けておき、空間104内に接着剤を溶融することが可能な溶液を充填し、金属板101と樹脂102との接する面505に溶液を浸透させることにより、金属板101と樹脂102との剥離が容易に行える。
なお、本実施の形態2は、実施の形態1の内容に加えて実施する事も可能である。
本発明は、インサート部品と樹脂との間に微小な空間を有するものであり、外力が内部に直接伝わることを防止可能である。そのため薄型化や小型化が求められると同時に落下などの可能性が高く耐衝撃性が必要とされる携帯用電子機器などにおいて、耐衝撃性を持った外装筐体として有用である。
また、微小な空間を空気断熱層として利用することにより、電子機器の内部に電気部品などの発熱体がある場合、機器筺体の外壁への熱の伝達を防止する安全機構としての用途にも適用できるし、逆に、外部の熱が筺体内部へ伝わることを防止する用途としても適用できる。
また、インサート部品と樹脂との間に空間があることにより、インサート部品と樹脂を剥離させる力を与えることが可能になり、近年、重要視されている製品のリサイクルを容易にする効果もある。
本発明の実施の形態1における金属板インサート成形を行った成形品と、その内部部品取り付け用ボス部を示す断面図であって、(a)は全体の断面図、(b)は(a)におけるA部の拡大図、(c)は要部の拡大断面図 (a)〜(e)は本発明のインサート成形方法の実施の形態1のインサート成形方法における成形工程を説明するための要部の断面図、(f)は(b)におけるB部の拡大図 (a)〜(d)は本発明の実施の形態1における金型のピン構造を説明するための断面図 本発明の実施の形態1における成形品の中空部を説明するための断面図であって、(a)は要部の拡大断面図、(b)は(a)におけるC部の拡大図 本発明の実施の形態2により成形された成形品を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるD部の拡大図 (a)〜(c)は図5に示す成形品の空間部を成形する状態を示した断面図 従来の中空成形体の製造方法の概略を示す説明図 従来のスライドコア工法による空間形成例の説明図であって、(a)はスライドコア設置の状態を示す斜視図、(b)はスライドコア抜き取り後の状態を示す斜視図
符号の説明
101 金属板
102 樹脂
103 ボス
104 空間
201 第2金型
202 第1金型
203 キャビティ空間
204 第1凸部
205 溶融樹脂
206 ゲート
207 第2凸部
301 ピン
302 スプリング
303 第3凸部
401 樹脂と金属板との接点
501 溝部
502 リブ形状
503 凹溝部

Claims (9)

  1. 樹脂本体と、該樹脂本体に接触する金属板との間に空間が形成される樹脂成形品を成形する複合成形方法であって、
    第1金型あるいは第2金型に前記金属板を配置し、第2金型に設置された第1凸部により前記金属板を樹脂充填用のキャビティ空間方向に変形し、前記第1金型と前記第2金型を型締めし、前記第1金型と前記金属板とで構成したキャビティで溶融樹脂を固化し、前記第1金型と前記第2金型とを型開きし、前記第1凸部で変形した前記金属板を前記第1凸部とは逆方向に変形し、前記キャビティに成形された樹脂と前記金属板との接触面に前記空間を形成することを特徴とする複合成形方法。
  2. 前記空間での前記金属板と前記樹脂との接点から任意の距離離れた位置における前記金属板の接線と前記空間における樹脂面の接線とのなす角度を、0.01度以上90度以下の角度とすることを特徴とする請求項1記載の複合成形方法。
  3. 前記第1金型として、少なくとも1つの第2凸部を前記空間の壁面から任意の距離離れた位置に設置した金型を使用することを特徴とする請求項1記載の複合成形方法。
  4. 樹脂ゲートを、該樹脂ゲートと前記空間との間に設置される前記第2凸部の近傍に配設することを特徴とする請求項3記載の複合成形方法。
  5. 型開き時に前記第1凸部により変形された前記金属板の部位を、前記第1金型側から前記第2金型側へ押し出すことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の複合成形方法。
  6. 前記第1金型として、キャビティ面に凹部または凸部を設けた金型を使用することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の複合成形方法。
  7. 任意の表面の一部に金属板を有し、該金属板との間に空間が設けられる樹脂本体からなる樹脂成形品であって、前記金属板と前記樹脂本体との複合成形が請求項1〜6いずれか1項記載の複合成形方法により行われたことを特徴とする樹脂成形品。
  8. 任意の表面の一部に金属板を有し、該金属板との間に空間が設けられる樹脂本体からなる樹脂成形品であって、前記空間での前記金属板と前記樹脂本体との接点から任意の距離離れた位置における前記金属板の接線と前記空間における前記樹脂本体の面の接線とのなす角度が0.01度以上90度以下の角度であることを特徴とする樹脂成形品。
  9. 請求項6または7記載の樹脂成形品を構成部品の少なくとも一部に用いたことを特徴とする電子機器。
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