JP3733341B2 - 電力半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力半導体装置の製造方法に関し、特に、電力半導体素子の樹脂封止時におけるリードフレームの固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電力半導体素子を樹脂封止(樹脂モールド成形)する方法として、トランスファーモールド法が既知である。この方法では、まず、一対の成形金型(以下、「金型」という。)によって形成されたキャビティ内に電力半導体素子を配置する。ここで、電力半導体素子をキャビティ内に保持するために、電力半導体素子が搭載されたリードフレームの一部を、上部金型と下部金型とで挟持する。また、キャビティ内への樹脂注入時にリードフレームが動かないように、そのキャビティ内のリードフレームの端部を、キャビティ内に挿入される可動ピンで固定する。次に、電力半導体素子が配置されたキャビティ内に樹脂を注入する。そして、キャビティ内に樹脂を充填させた後、可動ピンをキャビティ内から引き抜きながら、樹脂を一定時間硬化させる。最後に、上部金型および下部金型を開いて、樹脂封止型電力半導体装置を得る。以上のような方法を用いて電力半導体素子を樹脂封止する技術は、例えば、特開平7−74195号公開公報や特開平8−192446号公開公報に開示されている。
【0003】
以下に、従来の樹脂モールド成形時における可動ピンの動作について説明する。図5は、電力半導体素子とその電力半導体素子を駆動する制御回路とを含む電力半導体装置のモールド成形時における可動ピンの動作を示す図である。可動ピンの動作が分かり易いように、図5においては、キャビティの外形、電力半導体素子、リードフレームおよび可動ピンのみを示し、金型や可動ピンを駆動させる機構等を省略する。まず、図5の(1)は、樹脂注入前のキャビティ内部の状態を示す断面図である。図5の(1)において、キャビティ108内には、電力半導体素子102が搭載された主端子フレーム104、および、制御回路(図示されない)が搭載された制御端子フレーム106が配置される。主端子フレーム104は、電力半導体素子102が搭載された平坦部(ダイパッド103)と、そのダイパッド103の一方の端部に接続されるリード部を備える。そのリード部の一部を金型で挟持することによって、ダイパッド103をキャビティ108内に保持する。また、ダイパッド103の位置を固定するために、キャビティ108内に可動ピン110および可動ピン112を挿入する。可動ピン110および可動ピン112は、ダイパッド103におけるリード部に接続されない他方の端部を固定する。可動ピン110は、上部金型(図示されない)の上方からキャビティ108内へ、ダイパッド103の表面(電力半導体素子102が搭載された面)に垂直に挿入される。可動ピン112は、下部金型(図示されない)の下方からキャビティ108内へ、ダイパッド103の裏面に垂直に挿入される。可動ピン110の先端および可動ピン112の先端は、それぞれ、対向するように、ダイパッド103の表面およびダイパッド103の裏面に当接する。その後、キャビティ108内に樹脂を注入して充填させた後、樹脂の硬化を始める。
【0004】
図5の(2)は、樹脂硬化開始後、樹脂硬化が完了する前のキャビティ108内の断面図である。樹脂硬化開始後、可動ピン110および可動ピン112は、それぞれ、挿入された経路をたどって、キャビティ108内から抜き取られる。樹脂が完全に硬化する前なので、可動ピン110および可動ピン112が抜き取られた後の隙間に樹脂が流れ込む。これにより、主端子フレーム104および制御端子フレーム106を、樹脂で完全に覆うことができる。可動ピン110および可動ピン112が抜き取られた後、樹脂は完全に硬化される。最後に、金型を取り外すと、モールド成形された電力半導体装置が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、モールド成形された電力半導体装置のモールド樹脂表面には、可動ピン110および可動ピン112の痕跡(凹部)が残る。特に、可動ピン112の痕跡は、主端子フレーム104におけるダイパッド103の下部(図5の(3)において点線で示される。)に存在する。これにより、ダイパッド103の下部のモールド樹脂が薄くなり、モールド部分の絶縁耐圧が低下するという問題があった。また、可動ピンの痕跡の周囲には樹脂バリが発生し、モールド樹脂表面が平坦でなくなる。特に、可動ピン112の痕跡の周囲に発生する樹脂バリによって、ダイパッド103の下部のモールド樹脂表面が粗くなる。これは、電力半導体素子102の放熱のために、ダイパッド103の下部のモールド樹脂表面とヒートシンクとを接合しようとするとき、モールド樹脂とヒートシンクとの間の密着性を低下させ、放熱の効率を悪くするという問題があった。
【0006】
上述の特開平7−74195号公開公報は、先端が細くなった可動ピンでリードフレームを固定したり、可動ピンとリードフレームとの間に微小の隙間を設けたりして樹脂を硬化させ、リードフレームが樹脂で完全に覆われるように樹脂封止を行う技術を開示している。しかし、樹脂硬化後、可動ピンが引き抜かれた後に樹脂表面に残る痕跡については言及していない。また、特開平8−192446号公開公報も、可動ピンを精度良く位置決めしてリードフレームを固定する技術を開示しているが、可動ピンが引き抜かれた後に樹脂表面に残る痕跡については言及していない。
【0007】
本発明の目的は、絶縁耐圧の高いモールド部分を備えた電力半導体装置の製造方法を提供することである。また、本発明の別の目的は、ヒートシンクとの接続を阻害しない平坦なモールド樹脂表面を有する電力半導体装置の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の半導体装置製造方法は、半導体素子をモールド成形して半導体装置を製造する方法である。この方法は、前記の半導体素子が搭載されたリードフレームの一部を一対の成形金型で挟持することにより、前記の成形金型によって形成されるキャビティ内に前記の半導体素子を配置する配置ステップと、前記のキャビティ内に第1の可動ピンおよび第2の可動ピンを挿入して、前記の第1の可動ピンの先端部および前記の第2の可動ピンの先端部を、それぞれ、前記のリードフレームの前記の半導体素子が搭載された第1の表面および前記のリードフレームの第1の表面に対向する第2の表面に接触させる挿入ステップと、前記のキャビティ内に樹脂を注入する注入ステップと、前記の樹脂を硬化させる硬化ステップと、前記の樹脂が完全に硬化する前に、前記の第1の可動ピンおよび前記の第2の可動ピンを、それぞれ、前記の挿入ステップにおける挿入経路と同じ経路で、前記のキャビティ内から引き抜く引き抜きステップとから成る。また、前記の挿入ステップにおいて、前記の第2の可動ピンを挿入する方向と前記のリードフレームの第2の表面との間の角度が、0度以上90度未満である。
【0009】
好ましくは、前記の挿入ステップにおいて、前記の第2の可動ピンを、前記のキャビティ内に、前記のリードフレームの第2の表面に平行に挿入し、前記の第2の可動ピンの先端部を、前記のリードフレームの第2の表面に接触させる。
【0010】
好ましくは、前記の挿入ステップにおいて、前記の第1の可動ピンを、前記のキャビティ内に、前記のリードフレームの第1の表面に平行に挿入し、前記の第1の可動ピンの先端部を、前記のリードフレームの第1の表面に接触させる。
【0011】
本発明に係る第2の半導体装置製造方法は、半導体素子をモールド成形して半導体装置を製造する方法である。この方法は、前記の半導体素子が搭載されたリードフレームの一部を一対の成形金型で挟持することにより、前記の成形金型によって形成されるキャビティ内に前記の半導体素子を配置する配置ステップと、前記のキャビティ内に第1の可動ピンおよび第2の可動ピンを挿入して、前記の第1の可動ピンの先端部および前記の第2の可動ピンの先端部を、それぞれ、前記のリードフレームの前記の半導体素子が搭載された第1の表面および前記のリードフレームの第1の表面に対向する第2の表面に接触させる挿入ステップと、前記のキャビティ内に樹脂を注入する注入ステップと、前記の樹脂を硬化させる硬化ステップと、前記の樹脂が完全に硬化する前に、前記の第1の可動ピンおよび前記の第2の可動ピンを、前記のキャビティ内から引き抜く引き抜きステップとから成る。また、前記の挿入ステップにおいて、前記の第1の可動ピンを、前記のキャビティ内に、前記のリードフレームの第1の表面と接触しないように前記の第1の表面に平行に挿入し、その後、その第1の可動ピンを、前記のリードフレーム側に前記のリードフレームの第1の表面に垂直に移動させて、前記の可動ピンの先端部を、前記の第1の表面に接触させ、前記の挿入ステップにおいて、前記の第2の可動ピンを、前記のキャビティ内に、前記の第2の可動ピンの挿入方向と前記のリードフレームの第2の表面との間の角度が0度以上90度未満であるように挿入し、前記の引き抜きステップにおいて、前記の第1の可動ピンを、前記の挿入ステップにおいて前記のリードフレームの第1の表面に接触させた位置から、前記の第1の表面に平行に引き抜き、前記の引き抜きステップにおいて、前記の第2の可動ピンを、前記の挿入ステップにおける挿入経路と同じ経路で、前記のキャビティ内から引き抜く。
【0012】
本発明に係る第3の半導体装置製造方法は、半導体素子をモールド成形して半導体装置を製造する方法である。この方法は、前記の半導体素子が搭載されたリードフレームの一部を一対の成形金型で挟持することにより、前記の成形金型によって形成されるキャビティ内に前記の半導体素子を配置する配置ステップと、前記のキャビティ内に第1の可動ピンおよび第2の可動ピンを挿入して、前記の第1の可動ピンの先端部および前記の第2の可動ピンの先端部を、それぞれ、前記のリードフレームの前記の半導体素子が搭載された第1の表面および前記のリードフレームの第1の表面に対向する第2の表面に接触させる挿入ステップと、前記のキャビティ内に樹脂を注入する注入ステップと、前記の樹脂を硬化させる硬化ステップと、前記の樹脂が完全に硬化する前に、前記の第1の可動ピンおよび前記の第2の可動ピンを、それぞれ、前記の挿入ステップにおける挿入経路と同じ経路で、前記のキャビティ内から引き抜く引き抜きステップとから成る。また、前記の第2の可動ピンの先端部がL字型であり、前記の挿入ステップにおいて、前記の第2の可動ピンを、前記のリードフレームの第1の表面側から、前記のリードフレームと交差しないように、前記のリードフレームの第2の表面に垂直に挿入し、その後、その第2の可動ピンを、前記のリードフレーム側に前記の第2の表面に平行に移動させて、前記のL字型の先端部を前記の第2の表面に接触させる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
以下の実施の形態による電力半導体装置の製造方法は、半導体素子を搭載したダイパッドを成型金型によって形成されるキャビティ内に配置して樹脂モールド成型を行う方法であって、ダイパッドを固定する可動ピンをキャビティ内に挿入する、および、キャビティ内から引き抜く工程を含んでいる。以下の実施の形態による製造方法は、製造された電力半導体装置のモールド樹脂表面において、可動ピンの痕跡(凹部)がダイパッドの下部に残らないように、可動ピンが挿入され、引き抜かれる例を示す。可動ピンの痕跡は、ダイパッドの下部以外であれば、モールド樹脂表面に存在しても、電力半導体装置の絶縁耐圧および熱伝導性に影響を与えることはないので、可動ピンの挿入および引き抜き位置は、以下の実施の形態に説明される位置に限られず、ダイパッドの下部以外の任意の位置であってよい。
【0014】
なお、以下の実施の形態においては、樹脂封止されるリードフレームにおいてリードフレームとモールド樹脂表面との間の距離が最も短い部分(最短距離部分)を、電力半導体素子が搭載されるダイパッドとしたが、上述の最短距離部分を、リードフレームにおける他の部分とする場合には、その他の部分を覆うモールド樹脂の表面に可動ピンの痕跡が残らないように可動ピンを動作させるべきである。
【0015】
実施の形態1.
本実施の形態による電力半導体装置の製造方法において、電力半導体素子のモールド成形は、トランスファーモールド法によって行われる。本実施の形態による製造方法においては、電力半導体素子、および、その電力半導体素子を駆動する制御回路を、一体的にモールド成形する。図1は、本実施の形態による電力半導体装置の製造方法を説明する図であり、一対の金型(成型金型)によって形成されるキャビティ内の断面図が示される。図1においては、簡単化のために、キャビティの外形、電力半導体素子、リードフレームおよび可動ピンのみを示し、金型や可動ピンを駆動させる機構等を省略する。図1を参照すると、本実施の形態による製造方法においては、電力半導体素子2が搭載された主端子フレーム4の一部、および、制御回路(図示されない)が搭載された制御端子フレーム6の一部を、それぞれ、一対の金型(図示されない)によって挟持し、キャビティ8内に電力半導体素子2と制御回路を配置する。特に、主端子フレーム4に注目すると、主端子フレーム4は、電力半導体素子2が搭載される平坦部(ダイパッド3)と、そのダイパッド3の一方の端部に接続されるリード部を備える。そのリード部の一部を金型で挟持することによって、電力半導体素子2が搭載されたダイパッド3をキャビティ8内に保持する。
【0016】
さらに、キャビティ8内に樹脂を注入するときに、高い注入圧によって上述のダイパッド3が変形したり、その位置がずれないように、キャビティ8内に、ダイパッド3を固定する可動ピン10および可動ピン12を挿入する。以下に、この可動ピンの動作について説明する。
【0017】
図1の(1)は、樹脂注入前のキャビティ内部の状態を示す断面図である。主端子フレーム4のダイパッド3において、リード部が接続された端部に対向する端部は、2つの可動ピン10および可動ピン12によって固定される。図1の(1)において、可動ピン10は、上部金型(図示されない)を貫通して、キャビティ8の上方からキャビティ8内に挿入される。このとき、可動ピン10は、主端子フレーム4におけるダイパッド3の電力半導体素子2が搭載された面(以下、「第1の表面」という。)に垂直に挿入される。可動ピン10の先端部は、ダイパッド3の端部を押さえるように、その第1の表面に当接する。可動ピン12は、下部金型(図示されない)の側壁を貫通して、キャビティの側壁側からキャビティ8内に挿入される。このとき、可動ピン12は、主端子フレーム4におけるダイパッド3の裏面(以下、「第2の表面」という。)に平行に挿入される(可動ピン12の挿入方向とダイパッド3の第2の表面との間の角度は0度である)。可動ピン12の先端部は、第2の表面に接触し、その第2の表面においてダイパッド3の端部を支持する。
【0018】
キャビティ8内に樹脂が充填された後、その樹脂の硬化を始める。図1の(2)は、樹脂硬化開始後、樹脂硬化が完了する前のキャビティ内の状態を示す断面図である。樹脂硬化開始後、可動ピン10および可動ピン12は、それぞれ、挿入された経路をたどって抜き取られる。樹脂が完全に硬化する前なので、可動ピン10や可動ピン12が抜き取られた後の隙間に樹脂が流れ込む。これにより、主端子フレーム4および制御端子フレーム6を、樹脂で完全に覆うことができる。可動ピン10および可動ピン12が抜き取られた後、樹脂は、完全に硬化される。樹脂の硬化が完了した後、金型を取り外すと、樹脂モールド成形された電力半導体装置が得られる。
【0019】
本実施の形態による製造方法を用いれば、成形後のモールド樹脂表面における可動ピン12の痕跡(凹部)は、成形されたモールド部分の側面に残る。よって、可動ピン12の痕跡(凹部)が、ダイパッド3の下部のモールド樹脂表面に残らない。従って、電力半導体素子2が搭載されたダイパッド3の下部においてモールド樹脂が薄くなることはなく、モールド部分の絶縁耐圧が維持される。また、可動ピン12の痕跡(凹部)が、ダイパッド3の下部のモールド樹脂表面に残らないので、ダイパッド3の下部においてモールド樹脂表面が平坦であり、ダイパッド3の下部におけるモールド樹脂表面とヒートシンクとの良好な接続が実現できる。
【0020】
なお、可動ピン10が、上部金型(図示されない)の側壁からキャビティ8内に、ダイパッド3の第1の表面に平行に挿入されてもよい。その場合、第1の表面に平行に挿入された可動ピン10の先端部は、第1の表面に接触して、ダイパッド3の端部を固定する。
【0021】
なお、図2に示されるように、可動ピン10が、上部金型(図示されない)の側壁からキャビティ内に、ダイパッド3の第1の表面に平行に挿入されてもよい。その場合、可動ピン10は、第1の表面に平行に挿入された後(図2の(1))、可動ピン10の先端部がその第1の表面を押さえるように、ダイパッド3側にその第1の表面に垂直に移動させられる(図2の(2))。このように、可動ピン10と可動ピン12とでダイパッド3を挟むことにより、ダイパッド3が固定される。電力半導体装置の製造方法におけるその他の工程は、上述の工程と同様である。可動ピン10および可動ピン12をキャビティ8内から引き抜く場合は、可動ピン10および可動ピン12を、それぞれ、ダイパッド3を固定した位置から、第1の表面および第2の表面に平行に移動させる(図2の(3))。
【0022】
以上のように、可動ピン10を、上部金型(図示されない)の側壁からキャビティ8内に、ダイパッド3の第1の表面に平行に挿入できれば、可動ピン10と可動ピン12を、共にキャビティ8内に挿入する、および、共にキャビティ8内から引き抜くことが可能となり、可動ピン10および可動ピン12を駆動させる機構を単純化できる。
【0023】
以上のように、可動ピン10が、上部金型(図示されない)の側壁からキャビティ8内に、ダイパッド3の第1の表面に平行に挿入されても、本実施の形態による効果と同様の効果が得られる。
【0024】
なお、本実施の形態による製造方法において、可動ピン10のキャビティ8内への挿入方向は、上述した方向に限られない。可動ピン10は、ダイパッド3の下部のモールド樹脂表面に痕跡が残らない限り、他の任意の方向でキャビティ8内に挿入されてよい。
【0025】
実施の形態2.
図3は、本発明による実施の形態2の電力半導体装置の製造方法を説明する図である。本実施の形態による製造方法が、実施の形態1による製造方法と異なる点は、ダイパッド3の第2の表面においてダイパッド3を支持する可動ピン12が、下部金型(図示されない)の下方からキャビティ8内に、その第2の表面と約45度の角度をなして挿入され(図3の(1))、その挿入された経路と同じ経路で、キャビティ8内から引き抜かれる(図3の(2))点である。
【0026】
本実施の形態による製造方法を用いれば、電力半導体装置の成形後のモールド樹脂表面において、主端子フレーム4におけるダイパッド3の真下に可動ピン12の痕跡(凹部)が残らない。従って、ダイパッド3の真下のモールド樹脂が薄くなってモールド部分の絶縁耐圧が低下したり、ダイパッド3の真下のモールド樹脂表面に樹脂バリが発生してモールド樹脂とヒートシンクとの接続が阻害されるといった問題を解決できる。
【0027】
なお、本実施の形態による製造方法において、可動ピン12のキャビティ8内への挿入方向とダイパッド3の第2の表面との間の角度は約45度としたが、0度より大きく90度より小さい角度であれば、ダイパッド3の真下に可動ピン12の痕跡(凹部)が残ることはなく、本実施の形態による効果と同様の効果が得られる。
【0028】
なお、本実施の形態による製造方法において、可動ピン10のキャビティ8内への挿入方向は、ダイパッド3の上方からダイパッド3の第1の表面に垂直な方向に限られない。可動ピン10は、ダイパッド3の下部のモールド樹脂表面に痕跡が残らない限り、他の任意の方向でキャビティ8内に挿入されてよい。例えば、図2に示されるように、可動ピン10が、上部金型(図示されない)の側壁からキャビティ内に、ダイパッド3の第1の表面に平行に挿入され、その後、可動ピン10の先端部がその第1の表面を押さえるように、ダイパッド3側にその第1の表面に垂直に移動させられてもよい。
【0029】
実施の形態3.
図4は、本発明による実施の形態3の電力半導体装置の製造方法を説明する図である。本実施の形態による製造方法が、実施の形態1による製造方法と異なる点は、ダイパッド3の第2の表面においてダイパッド3を支持する可動ピン12が、上部金型(図示されない)の上方からキャビティ8内に、ダイパッド3の第2の表面に垂直に挿入される点である。可動ピン10および可動ピン12は、それぞれ、ダイパッド3の第1の表面およびダイパッド3の第2の表面に垂直に挿入される。可動ピン10の先端は、ダイパッド3の第1の表面の端部に当接する。可動ピン12の先端は、ダイパッド3の第2の表面に達する深さまで、主端子フレーム4と交差しないように、樹脂中を移動する(図4の(1))。
【0030】
ここで、可動ピン12の先端は、L字型に曲げられている。その可動ピン12の先端の曲げられた部分は、ダイパッド3の第2の表面に平行であり、可動ピン12をそのダイパッド3の第2の表面に平行にダイパッド3側に移動させることにより、その曲げられた部分がそのダイパッド3の第2の表面に接触する。その可動ピン12の曲げられた部分は、ダイパッド3の第2の表面においてダイパッド3の端部を支持する(図4の(2))。樹脂がキャビティ8内に充填された後、可動ピン12は、最初にダイパッド3の第2の表面に垂直に挿入された位置まで、ダイパッド3の第2の表面に平行に移動させられる。その後、可動ピン10および可動ピン12は、挿入された経路をたどって、ダイパッド3の第1の表面およびダイパッド3の第2の表面に垂直に、キャビティ8内から抜き取られる(図4の(3))。
【0031】
本実施の形態による製造方法を用いれば、電力半導体装置の成形後のモールド樹脂表面において、ダイパッド3の下部に可動ピン12の痕跡(凹部)が残らない。従って、ダイパッド3の下部のモールド樹脂が薄くなってモールド部分の絶縁耐圧が低下したり、ダイパッド3の下部に樹脂バリが発生してモールド樹脂とヒートシンクとの接続が阻害されるといった問題を解決できる。
【0032】
なお、本実施の形態による製造方法において、可動ピン10のキャビティ8内への挿入方向は、ダイパッド3の上方からダイパッド3の第1の表面に垂直な方向に限られない。可動ピン10は、ダイパッド3の下部のモールド樹脂表面に痕跡が残らない限り、他の任意の方向でキャビティ8内に挿入されてよい。
【0033】
なお、実施の形態1から実施の形態3に述べられた電力半導体装置の製造方法において、可動ピン10および可動ピン12のキャビティ8内への挿入方向は、上述した方向に限られない。可動ピン10および可動ピン12は、ダイパッド3の下部のモールド樹脂表面に痕跡が残らない限り、他の任意の方向でキャビティ8内に挿入されてよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明による電力半導体装置の製造方法によれば、電力半導体装置のモールド樹脂表面において、リードフレームのダイパッドの下部に可動ピンの痕跡が残らない。よって、そのダイパッドの下部のモールド樹脂において、絶縁耐圧が低下することを防止できる。
【0035】
本発明による電力半導体装置の製造方法によれば、電力半導体装置のモールド樹脂表面において、リードフレームのダイパッドの下部に可動ピンの痕跡が残らない。これにより、モールド樹脂表面に樹脂バリが発生しないので、ダイパッドの下部のモールド樹脂とヒートシンクとの接続を容易に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による電力半導体装置の製造方法を説明する図。
【図2】 本発明の実施の形態1による別の電力半導体装置の製造方法を説明する図。
【図3】 本発明の実施の形態2による電力半導体装置の製造方法を説明する図。
【図4】 本発明の実施の形態3による電力半導体装置の製造方法を説明する図。
【図5】 従来の電力半導体装置の製造方法を説明する図。
【符号の説明】
2 電力半導体素子、 3 ダイパッド、 4 主端子フレーム、 6 制御端子フレーム、 8 キャビティ、 10、12 可動ピン

Claims (4)

  1. 半導体素子をモールド成形して半導体装置を製造する方法であって、
    前記半導体素子が搭載されたリードフレームの一部を一対の成形金型で挟持することにより、前記成形金型によって形成されるキャビティ内に前記半導体素子を配置する配置ステップと、
    前記キャビティ内に第1の可動ピンおよび第2の可動ピンを挿入して、前記第1の可動ピンの先端部および前記第2の可動ピンの先端部を、それぞれ、前記リードフレームの前記半導体素子が搭載された第1の表面および前記リードフレームの第1の表面に対向する第2の表面に接触させる挿入ステップと、
    前記キャビティ内に樹脂を注入する注入ステップと、
    前記樹脂を硬化させる硬化ステップと、
    前記樹脂が完全に硬化する前に、前記第1の可動ピンおよび前記第2の可動ピンを、それぞれ、前記挿入ステップにおける挿入経路と同じ経路で、前記キャビティ内から引き抜く引き抜きステップと
    から成り、
    前記挿入ステップにおいて、前記第1の可動ピンを挿入する方向と前記リードフレームの第1の表面との間の角度が、90度であり、前記第2の可動ピンを挿入する方向と前記リードフレームの第2の表面との間の角度が、0度であることを特徴とする半導体装置製造方法。
  2. 半導体素子をモールド成形して半導体装置を製造する方法であって、
    前記半導体素子が搭載されたリードフレームの一部を一対の成形金型で挟持することにより、前記成形金型によって形成されるキャビティ内に前記半導体素子を配置する配置ステップと、
    前記キャビティ内に第1の可動ピンおよび第2の可動ピンを挿入して、前記第1の可動ピンの先端部および前記第2の可動ピンの先端部を、それぞれ、前記リードフレームの前記半導体素子が搭載された第1の表面および前記リードフレームの第1の表面に対向する第2の表面に接触させる挿入ステップと、
    前記キャビティ内に樹脂を注入する注入ステップと、
    前記樹脂を硬化させる硬化ステップと、
    前記樹脂が完全に硬化する前に、前記第1の可動ピンおよび前記第2の可動ピンを、それぞれ、前記挿入ステップにおける挿入経路と同じ経路で、前記キャビティ内から引き抜く引き抜きステップと
    から成り、
    前記挿入ステップにおいて、前記第2の可動ピンを挿入する方向と前記リードフレームの第2の表面との間の角度が、0度であり、
    前記挿入ステップにおいて、前記第1の可動ピンを、前記キャビティ内に、前記リードフレームの第1の表面に平行に挿入し、前記第1の可動ピンの先端部を、前記リードフレームの第1の表面に接触させることを特徴とする半導体装置製造方法。
  3. 半導体素子をモールド成形して半導体装置を製造する方法であって、
    前記半導体素子が搭載されたリードフレームの一部を一対の成形金型で挟持することにより、前記成形金型によって形成されるキャビティ内に前記半導体素子を配置する配置ステップと、
    前記キャビティ内に第1の可動ピンおよび第2の可動ピンを挿入して、前記第1の可動ピンの先端部および前記第2の可動ピンの先端部を、それぞれ、前記リードフレームの前記半導体素子が搭載された第1の表面および前記リードフレームの第1の表面に対向する第2の表面に接触させる挿入ステップと、
    前記キャビティ内に樹脂を注入する注入ステップと、
    前記樹脂を硬化させる硬化ステップと、
    前記樹脂が完全に硬化する前に、前記第1の可動ピンおよび前記第2の可動ピンを、前記キャビティ内から引き抜く引き抜きステップと
    から成り、
    前記挿入ステップにおいて、前記第1の可動ピンを、前記キャビティ内に、前記リードフレームの第1の表面と接触しないように前記第1の表面に平行に挿入し、その後、その第1の可動ピンを、前記リードフレーム側に前記リードフレームの第1の表面に垂直に移動させて、前記可動ピンの先端部を、前記第1の表面に接触させ、
    前記挿入ステップにおいて、前記第2の可動ピンを、前記キャビティ内に、前記第2の可動ピンの挿入方向と前記リードフレームの第2の表面との間の角度が0度であるように挿入し、
    前記引き抜きステップにおいて、前記第1の可動ピンを、前記挿入ステップにおいて前記リードフレームの第1の表面に接触させた位置から、前記第1の表面に平行に引き抜き、
    前記引き抜きステップにおいて、前記第2の可動ピンを、前記挿入ステップにおける挿入経路と同じ経路で、前記キャビティ内から引き抜くことを特徴とする半導体装置製造方法。
  4. 半導体素子をモールド成形して半導体装置を製造する方法であって、
    前記半導体素子が搭載されたリードフレームの一部を一対の成形金型で挟持することにより、前記成形金型によって形成されるキャビティ内に前記半導体素子を配置する配置ステップと、
    前記キャビティ内に第1の可動ピンおよび第2の可動ピンを挿入して、前記第1の可動ピンの先端部および前記第2の可動ピンの先端部を、それぞれ、前記リードフレームの前記半導体素子が搭載された第1の表面および前記リードフレームの第1の表面に対向する第2の表面に接触させる挿入ステップと、
    前記キャビティ内に樹脂を注入する注入ステップと、
    前記樹脂を硬化させる硬化ステップと、
    前記樹脂が完全に硬化する前に、前記第1の可動ピンおよび前記第2の可動ピンを、それぞれ、前記挿入ステップにおける挿入経路と同じ経路で、前記キャビティ内から引き抜く引き抜きステップと
    から成り、
    前記第2の可動ピンの先端部がL字型であり、
    前記挿入ステップにおいて、前記第2の可動ピンを、前記リードフレームの第1の表面側から、前記リードフレームと交差しないように、前記リードフレームの第2の表面に垂直に挿入し、その後、その第2の可動ピンを、前記リードフレーム側に前記第2の表面に平行に移動させて、前記L字型の先端部を前記第2の表面に接触させることを特徴とする半導体装置製造方法。
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