JP2002270526A - 多結晶性半導体薄膜の形成方法、半導体装置の製造方法、並びにこれらの方法の実施に使用する装置 - Google Patents

多結晶性半導体薄膜の形成方法、半導体装置の製造方法、並びにこれらの方法の実施に使用する装置

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JP2002270526A JP2001072089A JP2001072089A JP2002270526A JP 2002270526 A JP2002270526 A JP 2002270526A JP 2001072089 A JP2001072089 A JP 2001072089A JP 2001072089 A JP2001072089 A JP 2001072089A JP 2002270526 A JP2002270526 A JP 2002270526A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高結晶化率で高品質の多結晶性シリコン等の
多結晶性半導体薄膜を容易かつ低コストに、しかも大面
積に形成する。 【解決手段】 基体1上に触媒CVD法等によりアモル
ファス又は微結晶カーボン薄膜100Aを形成する。水
素又は水素含有ガスを加熱された触媒体に接触させ生成
した水素系活性種を、このカーボン薄膜100Aにグロ
ー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で作
用させて、ダイヤモンド構造のカーボン超微粒子層10
0Bを形成する。これをシードとして触媒CVD法等に
より多結晶性半導体薄膜7を成長させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基体上に多結晶性
シリコンなどの多結晶性半導体薄膜の形成方法及びその
装置、その多結晶性半導体薄膜を基体上に有する半導体
装置の製造方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、MOSFET(Metal-Oxide-Semi
conductor Field Effect Transistor)である例えばM
OSTFT(Thin Film Transistor=薄膜絶縁ゲート型
電界効果トランジスタ)のソース、ドレイン及びチャン
ネル領域を多結晶シリコン膜で形成するに際し、プラズ
マCVD(CVD:Chemical Vapor Deposition=化学
的気相成長法)や減圧CVD法等が用いられている。
【0003】例えば特開平6−140325号によれ
ば、プラズマCVD、スパッタリング法等により、ガラ
ス基板上にアモルファスカーボン薄膜を形成し、プラズ
マ水素処理により、そのアモルファスカーボン薄膜の表
面上に存在するカーボンクラスタを安定させ、かつその
付近に存在するアモルファス構造のカーボンをわずかに
エッチングする。その後に、プラズマCVD法にて水素
含有アモルファスシリコン膜(a−Si:H膜)を2〜
20μm堆積させる。最後に、ガラス基板の温度を室温
から800℃まで8〜20秒間で昇温し、次いでハロゲ
ンランプによる急速加熱を15〜500秒間行い、更に
室温まで降温させる一連の工程を1サイクルとするアニ
−リング処理を所定回数、例えば100回行い、a−S
i:H膜から多結晶シリコン薄膜を形成する。これは、
いわゆる高速ランプアニール法であり、カーボン超微粒
子を核として多結晶シリコン膜を形成している。
【0004】また、プラズマCVD法、減圧CVD法等
により形成したアモルファス又は多結晶シリコンは、特
開平7−131030号、特開平9−116156号、
特公平7−118443号にみられるように、単に高温
アニール又はエキシマレーザーアニール(ELA:Exci
mer Laser Anneal)処理することにより、多結晶シリコ
ン膜のキャリア移動度の改善を図ってきたが、この方法
では80〜120cm 2/V・sec程度のキャリア移
動度を得るのが限界であった。しかし、プラズマCVD
法によるアモルファスシリコンのELAで得られた多結
晶シリコンを用いるMOSTFTの電子移動度は、10
0cm2/V・sec前後であり、高精細化にも対応で
きるので、最近は駆動回路一体型の多結晶シリコンMO
STFTを用いたLCD(Liquid Crystal Display=液
晶表示装置)が注目されている(特開平6−24243
3号参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た方法はいずれも、次に示す欠点を回避することができ
ない。
【0006】1)RFプラズマCVD法、又はRF/D
C混合プラズマCVD法による原料ガスの熱分解反応の
エネルギー不足で、アモルファスカーボン薄膜中のカー
ボン超微粒子(クラスタ)の形成が不安定となる。 2)RFプラズマ、又はRF/DC混合プラズマの水素
処理は、その水素分子/原子/イオンのエネルギーが低
く、アモルファス構造のカーボンのエッチング効果が低
く、カーボンクラスタの形成が不安定となる。 3)高速ランプアニール法は、熱伝導率の高い基板を用
いる場合には効果はあるが、熱伝導率の低いガラス基板
等では室温までの冷却に時間がかかるので、生産性が悪
い。
【0007】また、エキシマレーザーを用いると、その
出力の安定性や、生産性、大型化による装置価格の上
昇、歩留/品質低下等の問題が山積しており、特に、1
m×1mの大型ガラス基板になると、前記の問題が拡大
して性能/品質向上とコストダウンが一層難しくなる。
【0008】また、固相成長法による多結晶シリコンM
OSTFTの製法では、600℃以上での十数時間のア
ニールと、約1000℃での熱酸化のゲートSiO2
形成が必要なために、半導体製造装置を採用せざるを得
ない。このために、基板サイズは、ウエーハサイズ8〜
12インチφが限界であり、また高耐熱性で高価な石英
ガラスを採用しなければならず、コストダウンが難し
く、EVFやデータ/AVプロジェクタに用途が限定さ
れている。
【0009】近時、ガラス基板のような絶縁性基板上
に、多結晶シリコン膜、窒化シリコン膜等を低温で作製
し得る優れた熱CVDである触媒CVD法が開発され
(特公昭63−40314号、特公平8−250438
号参照)、実用化の検討が推進されている。触媒CVD
法においては、結晶化アニールなしで、30cm2/V
・sec程度のキャリア移動度を得ているが、良質なM
OSTFTデバイスを作製するにはまだ不十分である。
そして、ガラス基板上に多結晶シリコン膜を形成する
と、成膜条件次第では初期のアモルファスシリコンの遷
移層(厚さ5〜10nm)が形成されやすいので、ボト
ムゲート型MOSTFTとした場合は所望のキャリア移
動度は得にくい。一般に駆動回路一体型の多結晶シリコ
ンMOSTFTを用いたLCDは、ボトムゲート型MO
STFTが歩留及び生産性の面で製造しやすいが、この
問題がネックとなってくる。
【0010】本発明の目的は、高結晶化率で高品質の多
結晶性シリコン等の多結晶性半導体薄膜を容易かつ低コ
ストに、しかも大面積に形成可能な方法と、この方法を
実施する装置を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、こうした多結晶性半
導体薄膜を構成部分として有するMOSTFT等の半導
体装置の製造方法と、この方法を実施する装置を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、基体上
に多結晶性半導体薄膜を形成するに際し、或いは基体上
に多結晶性半導体薄膜を有する半導体装置を製造するに
際し、前記基体上にアモルファスカーボン又は微結晶カ
ーボン又はこれらの混合物からなるカーボン薄膜を形成
する工程と、水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体
に接触させ、これによって生成した活性種をグロー放電
開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記カー
ボン薄膜に作用させてアニールを行い、ダイヤモンド構
造のカーボン超微粒子を形成する工程と、このカーボン
超微粒子上に半導体材料薄膜を気相成長させる工程とを
経て前記多結晶性半導体薄膜を得る、多結晶性半導体薄
膜の形成方法、又は半導体装置の製造方法に係るもので
ある。
【0013】また、本発明は、本発明の方法を実施する
装置として、アモルファスカーボン又は微結晶カーボン
又はこれらの混合物からなるカーボン薄膜の形成手段
と、水素又は水素含有ガス供給手段と、前記多結晶性半
導体薄膜となる半導体材料薄膜の原料ガスの供給手段
と、触媒体と、触媒体加熱手段と、基体加熱手段と、グ
ロー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界を印加する
電界又は/及び磁界印加手段とを有する、多結晶性半導
体薄膜の形成装置、又は半導体装置の製造装置を提供す
るものである。
【0014】本発明によれば、基体上に多結晶性半導体
薄膜を形成するに際し、前記基体上に微結晶カーボン含
有アモルファスカーボン(以後、アモルファスカーボン
と称する。)又はアモルファスカーボン含有微結晶カー
ボン(以後、微結晶カーボンと称する。)又はこれらの
混合物からなるカーボン薄膜を形成し、水素又は水素含
有ガスを加熱された触媒体に接触させ、これによって生
成した活性種をグロー放電開始電圧以下の電界又は/及
び磁界の作用下で前記カーボン薄膜に作用させてアニー
ルを行い、ダイヤモンド構造のカーボン超微粒子を形成
し、このカーボン超微粒子をシード(結晶成長核)に前
記半導体材料薄膜を気相成長させているので、次の
(1)〜(4)に示すような顕著な作用効果が得られ
る。
【0015】(1)加熱された触媒体に水素又は水素含
有ガスを接触させて生成した水素系活性種(高温の水素
系分子、水素系原子、活性化水素イオン等の水素系活性
種)をグロー放電開始電圧以下(即ち、パッシェンの法
則によるプラズマ発生電圧以下)の電界又は/及び磁界
の作用下で作用させるアニール処理(以下、これをバイ
アス触媒AHA(Atomic Hydrogen Anneal)処理と称す
る。)により、前記カーボン薄膜に対し吹き付け等で作
用させているので、高温の加熱触媒体の輻射熱による加
熱も加わって、次の顕著な効果を示す。
【0016】このバイアス触媒AHA処理は、10〜5
0Paの水素又は水素含有ガス圧下で、水素を高温の触
媒体(融点未満の800〜2000℃、例えばタングス
テンでは1500〜2000℃)に接触させて、大量の
高温の水素系活性種(水素系分子/水素系原子/活性化
水素イオン等)を生成し、これを基板上に形成したアモ
ルファスカーボン膜又は微結晶カーボン膜等に吹き付け
ると(但し、基板温度は特に200〜500℃)、大量
の高温の水素系活性種(水素系分子、水素系原子、活性
化水素イオン等)が有する熱エネルギーに加えて上記電
界による加速電界又は/及び磁界での十分な指向性運動
エネルギーによりその膜等に移動して、その膜等の温度
を局部的に上昇させ、アモルファスカーボン膜や微結晶
カーボン膜等は、アモルファス成分がエッチング除去さ
れると共に多結晶化して、アモルファスカーボン膜又は
微結晶カーボン膜等の表面又は基板(例えばガラス基
板)上に、ダイヤモンド構造を有するカーボン超微粒子
(クラスタ)を確実に安定して点在させることができ、
これを次の多結晶性シリコン等の結晶成長の核(シー
ド)として有効に働かせることができる。この時、特に
ゲートチャンネル領域等には島状に点在し、電気抵抗が
無視しうる程度に小さいことが必要である。
【0017】(2)こうしてバイアス触媒AHA処理さ
れて得られるダイヤモンド構造のカーボン超微粒子をシ
ードとして、この上に半導体材料薄膜が多結晶化され易
い状態で(多結晶性半導体薄膜として)成長し易くな
り、特に次のバイアス触媒AHA処理及び気相成長によ
り、上記多結晶性半導体薄膜上に気相成長されたシリコ
ン膜等はこの多結晶性半導体薄膜をシードとして結晶化
が促進されるので、目的とする高結晶化率、高品質の多
結晶性半導体薄膜を得ることができる。即ち、バイアス
触媒AHA処理により、例えば触媒CVDで成膜された
シリコン膜にアモルファス成分が存在していると、これ
がエッチング除去されて、その上に気相成長するシリコ
ン膜は下地の多結晶性シリコン薄膜をシード(結晶成長
核)にしてより多結晶性シリコン膜化し易く、更には、
同様のバイアス触媒AHA処理と気相成長とを繰り返す
と、大量の高温の水素系活性種等が有する熱エネルギー
が加速電界又は/及び磁界による十分な指向性運動エネ
ルギーによりその膜等に移動して、その膜等の温度を局
部的に上昇させ、アモルファスシリコンや微結晶シリコ
ンは多結晶化し、多結晶性シリコンは高結晶化して、高
結晶化率、大粒径の多結晶性シリコン薄膜を形成するこ
とができる。この結果、トップゲート型のみならず、ボ
トムゲート型、デュアルゲート型MOSTFTでも、高
いキャリア(電子/正孔)移動度の大粒径の多結晶性シ
リコン薄膜等が得られるために、この高性能の多結晶性
シリコン等の半導体を使用した高速、高電流密度の半導
体装置、電気光学装置、更には高効率の太陽電池等の製
造が可能となる。
【0018】(3)このバイアス触媒AHA処理は、プ
ラズマの発生なしに行えるので、プラズマによるダメー
ジがなく、またプラズマ処理に比べ、シンプルで安価な
装置を実現できる。
【0019】(4)基体温度を低温化しても上記活性種
のエネルギーが大きいために、目的とするダイヤモンド
構造のカーボン超微粒子が確実に安定して得られること
から、基体温度を特に200〜400℃と低温化して
も、多結晶性半導体薄膜がカーボン超微粒子をシードに
効率良く成長し、従って大型で安価な低歪点の絶縁基板
(ガラス基板、耐熱性樹脂基板等)を使用でき、この点
でもコストダウンが可能となる。
【0020】なお、本発明において、上記のバイアス触
媒AHA処理で形成されるダイヤモンド構造のカーボン
超微粒子は、粒径10nm以下で1〜100個/μm2
の面積比率で点在していることが望ましい。また、上記
の多結晶性半導体薄膜は、アモルファス成分が除去され
た或いは微量存在してよい大粒径(グレインサイズでは
通常、数100nm以上)の多結晶をベースとしたもの
であり、微結晶も含有する構造からなる。なお、この多
結晶性半導体薄膜となる上記の半導体材料薄膜は、多結
晶以外にも、低級結晶性半導体薄膜であって、アモルフ
ァス成分を含有する微結晶をベースとした構造、いわゆ
る微結晶半導体薄膜、又は微結晶を含有するアモルファ
ス(非晶質)をベースとした構造、いわゆるアモルファ
ス半導体薄膜を含んでいても、これは、上記のカーボン
超微粒子がシードとなって多結晶化されることになる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の方法及びその装置におい
ては、前記カーボン薄膜を気相成長法(触媒CVD法、
プラズマCVD法、減圧CVD法、常圧CVD法、光C
VD法、高密度プラズマCVD法(ECRプラズマCV
D等)、高密度触媒CVD法(高密度プラズマCVDと
触媒CVDとを組み合せたもの)等:以下、同様)又は
物理的成膜法(スパッタリング法等:以下、同様)によ
って、前記半導体材料薄膜を気相成長法によって形成す
るのがよい。この場合、望ましくは融点未満の温度(例
えば1600〜1800℃)に加熱された前記触媒体
に、前記原料ガス及び水素又は水素含有ガス(水素ガス
+不活性ガス)の少なくとも一部を接触させて触媒的に
分解させ、これによって生成したラジカル、イオン等の
反応種を必要あればグロー放電開始電圧以下の電界又は
/及び磁界の作用下で加熱された前記基体上に堆積させ
て前記カーボン薄膜及び/又は前記半導体材料薄膜を触
媒CVD(上記電界又は/及び磁界の作用下の場合はバ
イアス触媒CVD)により気相成長させるのがよい。ま
た、この気相成長後に、前記原料ガスの供給を停止し、
望ましくは、融点未満の温度に加熱された触媒体(これ
は前記触媒体と同一物であるのがよいが、別のものであ
ってもよい。)に前記水素又は水素含有ガスの少なくと
も一部を接触させ、これによって生成した高温の水素系
分子、水素系原子、活性化水素イオン等の水素系活性種
を前記カーボン薄膜又は前記半導体材料薄膜に作用させ
てバイアス触媒AHA処理による前記アニールを行うの
がよい。
【0022】この場合、前記気相成長時の水素又は水素
含有ガス供給量よりも前記アニール時の水素又は水素含
有ガス供給量を多くする。例えば、気相成長時に用いる
水素系キャリアガスは水素又は水素と不活性ガス(熱伝
導性が良好であって反応性向上に寄与するアルゴン、ヘ
リウム、キセノン、クリプトン、ラドン等)との混合ガ
スであり、混合ガスの場合は水素含有比率は70〜80
モル%以上とすることによって触媒体の酸化劣化を防止
できる。また、バイアス触媒AHA処理時に用いる水素
又は水素含有ガスは、気相成長時の水素系キャリアガス
と同様であってよいが、例えばガス流量300〜100
0SCCM(Standard cc per minute)、ガス圧10〜
50Paと大きくし(触媒CVDのときのガス圧は0.
1〜数Pa)、ガスによる熱伝導の増大と水素系活性種
発生量の増大を図るのがよい。
【0023】また、前記半導体材料薄膜の気相成長後
に、水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体に接触さ
せ、これによって生成した高温の水素系分子、水素系原
子、活性化水素イオン等の水素系活性種をグロー放電開
始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記半導体
材料薄膜に作用させてアニールを行い、必要あれば、前
記半導体材料薄膜と同様の半導体材料薄膜の気相成長と
前記アニールとを繰り返すのが望ましい。このために
は、前記原料ガス供給手段と前記水素又は水素含有ガス
供給手段とを制御する制御手段を有するのがよい。
【0024】即ち、バイアス触媒AHA処理されて得ら
れる多結晶性半導体薄膜上に更に半導体材料薄膜を気相
成長させる工程とアニール工程とを目的とする膜厚とな
るまで繰り返す、いわば2ステップ又はそれ以上のマル
チバイアス触媒AHA処理により、この半導体材料薄膜
は既にバイアス触媒AHA処理で多結晶化された下地膜
上に、これをシードとして多結晶化され易い状態で成長
し易くなり、目的とする高結晶化率、高品質の多結晶性
半導体膜を所定の膜厚で得ることができる。即ち、触媒
CVD又はバイアス触媒CVDとバイアス触媒AHA処
理を繰り返すマルチバイアス触媒AHA処理により、例
えば触媒CVDでカーボン超微粒子層上に成膜された多
結晶性シリコンをバイアス触媒AHA処理でシード化
し、この上に触媒CVD又はバイアス触媒CVDで半導
体材料薄膜を気相成長させ、更にバイアス触媒AHA処
理することにより、高結晶化率、大粒径の多結晶性シリ
コン膜等を形成することができる。
【0025】具体的には、シリコン膜においては、大量
の高温の水素系活性種などが有する熱エネルギーが上記
電界による加速電界での十分な指向性運動エネルギーで
移動して、その膜の温度を局部的に上昇させ、アモルフ
ァスシリコン等は多結晶化し、多結晶性シリコンは高結
晶化して大粒径の多結晶性シリコン膜が形成され易くな
ると共に、この上に気相成長させるシリコン膜はより高
結晶化され、キャリア移動度の向上が図れる。
【0026】しかも、多結晶性シリコン膜上又は膜内又
は粒界にシリコン酸化物が存在したとき、水素系活性種
等がこれと反応してSiOを生成して蒸発するので、多
結晶性シリコン膜上又は膜内のシリコン酸化物を減少/
除去させることができ、キャリア移動度の向上を図るこ
とができる。
【0027】また、このバイアス触媒CVD処理の場
合、触媒体の種類及び温度、電界又は/及び磁界の種類
及び印加量、基板加熱温度、気相成膜条件、原料ガスの
種類、添加するn又はp型不純物濃度等により、広範囲
のn又はp型不純物濃度の多結晶性シリコン膜が容易に
得られ、かつ、バイアス触媒AHA処理により大きな粒
径の多結晶性シリコン膜を形成できるので、高キャリア
移動度でVth(しきい値)調整が容易であり、低抵抗で
の高速動作が可能となる。
【0028】なお、微結晶性シリコンをプラズマCVD
で成膜し、これをバイアス触媒AHA処理する場合、プ
ラズマCVDでの微結晶性シリコン膜中に10〜20%
含有する水素をバイアス触媒AHA処理で減少/除去さ
せ、大きな粒径の多結晶性シリコン膜を形成できるの
で、大きなキャリア移動度の多結晶性シリコン膜の形成
が可能となる。更に、基板加熱温度、気相成膜条件、原
料ガスの種類、バイアス触媒AHA処理条件、添加する
n又はp型不純物濃度等により、広範囲のn又はp型不
純物濃度の多結晶性シリコン膜が容易に得られるので、
高キャリア移動度でVth調整が容易で低抵抗での高速動
作が可能となる。
【0029】また、スパッタリングで成膜後にバイアス
触媒AHA処理する場合、シリコンターゲットの比抵抗
(添加するn又はp型不純物濃度)、スパッタリング成
膜条件、基板加熱温度、バイアス触媒AHA処理条件等
により、広範囲のn又はp型不純物濃度の多結晶性シリ
コン膜が容易に得られるので、高キャリア移動度でV th
調整が容易であり、低抵抗での高速動作が可能となる。
【0030】CVDを上記バイアス電界又は/及び磁界
の作用下でのバイアス触媒CVDで行うと(更には、バ
イアス触媒AHA処理とバイアス触媒CVDとを繰り返
すと)、触媒体の触媒作用とその熱エネルギーに加えて
上記電圧による加速電界又は/及び磁界を与えるため、
運動エネルギーが大きくなって基体上に効率良く導ける
と共に、基体上での泳動及び生成過程の膜中での拡散が
十分となる。従って、従来の触媒CVD法に比べて、触
媒体で生成された反応種の運動エネルギーを電界又は/
及び磁界で独立してコントロールできるため、上記触媒
体により原料ガスが分解されて生成する反応種(堆積種
又はその前駆体及びラジカルイオン)は、基体上での泳
動及び生成過程の膜中での拡散が十分となるので、生成
膜の基体との密着性向上、生成膜密度の向上、生成膜均
一性又は平滑性の向上、ビアホールなどへの埋め込み性
とステップカバレージの向上、基体温度の更なる低温
化、生成膜のストレスコントロール等が可能となり、か
つ反応ガスの利用効率が高く、生成速度を早め、コスト
ダウンを図れる。
【0031】触媒CVD、バイアス触媒CVD、触媒A
HA処理、バイアス触媒AHA処理のいずれも、具体的
には、前記触媒体を800〜2000℃の範囲であって
その融点未満の温度に加熱し(例えば触媒体に通電して
それ自体の抵抗加熱によって加熱し)、この加熱された
触媒体により前記原料ガス及び/又は前記水素又は水素
含有ガス(キャリアガス)の少なくとも一部を触媒反応
又は熱分解反応させて生成した前記反応種又は水素系活
性種を、200〜800℃に加熱した基板上に薄膜とし
て堆積させるか、或いはこの薄膜をアニールすることが
できる。このような触媒体温度や下記の触媒体材質は触
媒CVD及びバイアス触媒CVD、触媒AHA及びバイ
アス触媒AHA処理のいずれも同様であってよい。
【0032】ここで、触媒体の加熱温度が800℃未満
であると、触媒反応又は熱分解反応が不十分となって反
応種の堆積速度や水素系活性種の熱エネルギーが低下し
易く、また2000℃を超えると触媒体の構成材料が堆
積膜中に混入して膜の電気的特性を阻害し、膜質低下を
生じ、また、触媒体の融点以上の加熱は、その形態安定
性が失われるので、回避するのがよい。触媒体の加熱温
度は、その構成材料の融点未満であって1100℃〜1
800℃であるのが好ましい。
【0033】触媒体は、タングステン、トリア含有タン
グステン、モリブデン、白金、パラジウム、バナジウ
ム、シリコン、アルミナ、金属を付着したセラミック
ス、及び炭化ケイ素からなる群より選ばれた少なくとも
1種の材料によって形成することができる。
【0034】そして、この触媒体及びこれを支持する支
持体の純度を99.99wt%(4N)以上、好ましく
は99.999wt%(5N)又はそれ以上とすること
によって、形成される多結晶性半導体薄膜の重金属汚染
を低減することができる。
【0035】また、基板温度は、200〜800℃が好
ましく、より好ましくは300〜400℃とすれば、効
率的で高品質の成膜を行なえる。基板温度が高いと、安
価なほうけい酸ガラス、アルミノけい酸ガラスが使用で
きなくなり、また熱の影響によって不純物のドーピング
濃度分布が変化し易くなる。
【0036】前記バイアス触媒AHA処理(又はバイア
ス触媒CVD)における前記電界として、グロー放電開
始電圧以下の直流電圧(即ち、パッシェンの法則により
決まるプラズマ発生電圧以下、例えば1kV以下、数1
0V以上)を印加し、前記水素系活性種等を前記基体の
側へ指向させることが望ましい。
【0037】そして、前記電界として、グロー放電開始
電圧以下であって直流電圧(DC)に交流電圧(高周波
電圧及び/又は低周波電圧)を重畳させた電圧(即ち、
パッシェンの法則により決まるプラズマ発生電圧以下、
例えば1kV以下、数10V以上)を印加すると、直流
電圧に重畳させた交流電圧により微妙な電界変化での運
動エネルギーを水素系活性種(又は反応種)等に与える
ことができるため、上記した作用効果に加えて、種々の
形状の膜を効果的に十二分にアニールすることができ、
或いは複雑な形状を有する基体表面(凹凸段差や高アス
ペクト比のビアホール等)にステップカバレージが良
く、均一で密着性及び密度の高い膜を形成できる。これ
と同様の作用効果は、前記電界を形成する電圧(但し、
その絶対値はグロー放電開始電圧以下である。)とし
て、交流電圧(高周波電圧及び/又は低周波電圧)を印
加するときにも得られる。なお、上記において交流電圧
とは、高周波電圧のみ、又は低周波電圧のみ、又は低周
波電圧に高周波電圧を重畳させた電圧を意味する。
【0038】上記の場合、前記交流電圧を高周波電圧
(RF)及び/又は低周波電圧(AC)としてよいが、
高周波電圧の周波数を1〜100MHz、低周波電圧の
周波数を1MHz未満とするのがよい。
【0039】電界印加は、電極に直流の正電圧、サセプ
タ(基板)に直流の負(又はアース)電圧を印加する方
法、又は、電極にアース電位、サセプタ(基板)に負電
圧又は低周波(又は高周波)電圧を印加する方法のいず
れでもよい。これは、装置構造、電源の種類、バイアス
効果等に応じて決めればよい。
【0040】そして、前記基体又は前記サセプタと前記
電界印加用の電極との間に前記触媒体を設置することが
できる。この場合、前記水素又は水素含有ガス及び原料
ガスを導出するガス供給口を前記電極に形成するのがよ
い。
【0041】また、前記基体又は前記サセプタと前記ガ
ス供給手段との間に前記触媒体と前記電界印加用の電極
とを設置してよい。この電極は高耐熱性材料、例えば触
媒体と同じか、またはそれ以上の融点をもつ材料で形成
されるのが望ましい(以下、同様)。
【0042】前記触媒体又は前記電界印加用の電極はコ
イル状、ワイヤー状、メッシュ状又は多孔板状に形成し
てよく、またガス流に沿って複数個又は複数枚配設して
よい。これによってガス流を効果的に形成しつつ、触媒
体とガスとの接触面積を増大させ、触媒反応を十分に生
ぜしめることができる。ガス流に沿って複数個又は複数
枚配設する場合は、互いに同じ材質又は互いに異なる材
質の触媒体又は電極としてもよい。又、複数個又は複数
枚配設した触媒体のそれぞれに互いに異なる電界、例え
ばDCとAC/DC、DCとRF/DC、AC/DCと
RF/DCを印加して、独立してコントロールしてもよ
い。
【0043】上記のバイアス触媒AHA処理は、以下の
(1)〜(3)の方法で行うことができる。 (1)電界印加 グロー放電開始電圧以下の適当な電界の作用下で触媒A
HA処理、いわゆる電界バイアス触媒AHA処理を行う
と、水素ガス又は水素系ガス(水素+不活性ガス)を触
媒体の触媒反応又は接触分解反応させて発生させた水素
系活性種が、電界と相互作用して一定の方向に向き、指
向性の運動エネルギーが付与されて基板上の微粒子層等
に作用する。
【0044】(2)磁界印加 適当な磁界の作用下で触媒AHA処理、いわゆる磁界バ
イアス触媒AHA処理を行うと、水素ガス又は水素系ガ
ス(水素+不活性ガス)を触媒体の触媒反応又は接触分
解反応させて発生させた水素系活性種が磁界と相互作用
して一定の方向に向き、指向性の運動エネルギーが付与
されて、基板上の微粒子層等に作用する。
【0045】(3)電界と磁界印加 グロー放電開始電圧以下の適当な電界と、適当な磁界と
を同時に印加して触媒AHA処理、いわゆる電界/磁界
バイアス触媒AHA処理を行うと、水素ガス又は水素系
ガス(水素+不活性ガス)を触媒体の触媒反応又は接触
分解反応させて発生させた水素系活性種が電界と磁界の
相互作用により更に一定の方向に向き、指向性の運動エ
ネルギーが付与されて基板上の微粒子層等に作用する。
【0046】以上のようなバイアス効果により、大量の
高温の水素系活性種(水素系分子、水素系原子、活性化
水素イオン)等によりカーボン薄膜や低級結晶性半導体
薄膜中のアモルファス成分が効率良く選択的にエッチン
グされて、例えばアモルファスシリコン含有微結晶シリ
コンや微結晶シリコン含有アモルファスシリコンはアモ
ルファス成分がエッチングされて多結晶化し、アモルフ
ァスシリコン及び微結晶シリコン含有多結晶シリコンは
高結晶化して、多結晶性シリコン膜が効率良く形成され
る。
【0047】また、上記のバイアス触媒CVD法は、以
下の(1)〜(3)の方法で行うことができる。 (1)電界印加 グロー放電開始電圧以下の電界の作用下で触媒CVD、
いわゆる電界バイアス触媒CVDを行うと、触媒体の触
媒反応又は接触分解反応により発生させた堆積種、例え
ばシリコン原子の電子スピンが電界と相互作用して一定
の方向に向き、この状態で基板上に堆積するシリコンの
結晶方位が揃うことになる。
【0048】(2)磁界印加 適当な磁界の作用下で触媒CVD、いわゆる磁界バイア
ス触媒CVDを行うと、触媒体の触媒反応又は接触分解
反応により発生させた堆積種、例えばシリコン原子の電
子スピンが磁界と相互作用して一定の方向に向き、この
状態で基板上に堆積するシリコンの結晶方位が揃うこと
になる。
【0049】(3)電界と磁界印加 グロー放電開始電圧以下の適当な電界と、適当な磁界と
を同時に印加して触媒CVD、いわゆる電界/磁界バイ
アス触媒CVDを行うと、触媒体の触媒反応又は接触分
解反応により発生させた堆積種、例えばシリコン原子の
電子スピンが電界と磁界の相互作用により更に一定の方
向に向き、この状態で基板上に堆積するシリコンの結晶
方位が揃うことになる。
【0050】以上のようなバイアス効果により、 (1)結晶化された膜の結晶方位がほぼ揃うために、粒
界の持つ電子ポテンシャルバリアが低くなり、キャリア
移動度が大きくなる。 (2)結晶粒が揃うことにより、多結晶性シリコン薄膜
の表面の凹凸がなくなって薄膜表面が平坦化されるの
で、これに接して形成されるゲート絶縁膜等との間の界
面状態が良好となり、キャリア移動度が改善され、耐圧
が向上してTFT特性が改善される。という効果が得ら
れる。
【0051】通常の熱CVD法で例えば多結晶性シリコ
ン膜を形成する場合には、基板温度を約600〜900
℃とする必要があるが、これを触媒CVD(又はバイア
ス触媒CVD)で成膜する場合には、プラズマや光励起
を必要とせずに、上記のような低温での熱CVDが可能
となるので有利である。そして、触媒CVD(又はバイ
アス触媒CVD)時の基板温度が上記したように低いた
め、基板、例えばガラス基板として、歪点が470〜6
70℃と低いほうけい酸ガラスやアルミノけい酸ガラス
等のガラスを用いることができる。これは、安価で、薄
板化が容易であり、大型化(1m×1m以上)が可能で
あり、また長尺ロール化されたガラス板を作製できる。
例えば、長尺ロール化ガラス板上に、上記手法を用い
て、薄膜を連続して又は非連続に作製することができ
る。
【0052】本発明による触媒CVDによる気相成長に
使用する原料ガスは、カーボン薄膜の場合は、メタン、
エタン、プロパン等の炭化水素又はその誘導体が挙げら
れる。半導体材料薄膜の場合は、水素化ケイ素又はその
誘導体、水素化ケイ素又はその誘導体と水素、ゲルマニ
ウム又はスズを含有するガスとの混合物、水素化ケイ素
又はその誘導体と周期表第III族又は第V族元素からな
る不純物を含有するガスとの混合物、水素化ケイ素又は
その誘導体と水素、ゲルマニウム又はスズを含有するガ
スと周期表第III族又は第V族元素からなる不純物を含
有するガスとの混合物等が挙げられる。
【0053】上記の如き原料ガスを使用することによっ
て、アモルファス又は微結晶カーボン薄膜(粒径は10
nm以下)を形成することができる。また、多結晶性半
導体薄膜として、多結晶性シリコン膜、多結晶性ゲルマ
ニウム膜又は多結晶性シリコンゲルマニウム膜を形成す
ることができる。
【0054】そして、半導体材料薄膜の成長時又は成長
後に、錫、ゲルマニウム、鉛等のIV族元素の少なくとも
1種を合計が適量(1016atoms/cc以上、例え
ば1018〜1020atoms/cc)含有させる(更に
この状態で触媒AHA処理による前記アニール工程を行
う)と、多結晶性半導体薄膜の結晶粒界(グレインバウ
ンダリ)に存在する不整を低減し、その膜ストレスを低
減して高キャリア移動度、高品質の多結晶性半導体が得
られ易くなる。これらのIV族元素は、シリコン膜中で電
子又は正孔を発生させないので、TFT特性を損わず、
ゲッタリングする必要がない。このIV族元素は、原料ガ
ス中にガス成分として混合したり、或いはイオン注入又
はイオンドーピングにより、半導体材料薄膜中に含有さ
せることができる。また、本発明により形成した多結晶
性半導体膜中の酸素、窒素、炭素濃度はそれぞれ1×1
19atoms/cc以下、好ましくは5×1018at
oms/cc以下がよく、水素濃度は0.01原子%以
上が好ましい。又、ナトリウム(Na)濃度はSIMS
最低濃度領域で1×1018atoms/cc以下が好ま
しい。
【0055】なお、前記原料ガスを供給する前に、前記
触媒体を水素系ガス雰囲気中で加熱処理することが望ま
しい。これは、原料ガスの供給前に触媒体を加熱する
と、触媒体の構成材料が放出され、これが成膜された膜
中に混入することがあるが、触媒体を水素系ガス雰囲気
中で加熱することによってそのような混入を解消するこ
とができる。従って、成膜室内を水素系ガスで充たした
状態で触媒体を加熱し、次いで水素系ガスをキャリアガ
スとして原料ガス(いわゆる反応ガス)を供給すること
がよい。
【0056】前記バイアス触媒AHA処理は、前記多結
晶性半導体薄膜中のアモルファス成分を水素系活性種等
の作用により選択的にエッチング除去する作用があり、
高結晶化率、大粒径(特にグレインサイズが数100n
m以上)の多結晶をベースとする薄膜を形成し、かつ膜
中のキャリア不純物を活性化する処理であるが、その
際、触媒体温度は1600〜1800℃、基板−触媒体
間の距離は20〜50mmとし、処理時間を短縮する
等、処理効果向上のため、任意に変更してもよい。
【0057】本発明の処理で得られた前記多結晶性半導
体薄膜によって、MOSTFTのチャンネル、ソース及
びドレイン領域、又は配線、抵抗、容量又は電子放出体
等を形成することができる。この場合、前記チャンネ
ル、ソース及びドレイン領域の形成後に、これらの領域
に対し、このバイアス触媒AHA処理又は触媒AHA処
理を施すと、膜中のn型又はp型不純物の活性化を行え
る。また、この触媒AHA処理(又はバイアス触媒AH
A処理)により高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコン
膜化し、これに連続して触媒CVDによりゲート絶縁膜
(SiO2、SiOxNy、SiO2/SiN等)を形成
することができる。Sn、Ge、Pb等のIV族元素含有
の低級結晶性半導体薄膜に、ゲートチャンネル、ソース
及びドレイン領域の形成後に、バイアス触媒AHA処理
して高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコン膜化し、こ
れに連続して触媒CVDによりゲート絶縁膜(Si
2、SiOxNy、SiO2/SiN等)を形成するこ
ともできる。
【0058】また、多結晶性シリコン等の前記多結晶性
半導体薄膜中への外部からの酸素侵入を低減するため
に、多結晶性シリコン膜等内においてゲート絶縁膜側か
ら外部に向って結晶粒径を小さくして高密度化するか、
或いはアモルファスシリコン等のアモルファス半導体膜
又は微粒径層とアモルファスシリコン等のアモルファス
半導体膜で前記多結晶性半導体薄膜を被覆するのがよ
い。この場合、汎用フォトリソグラフィ及びエッチング
技術により、微粒径層又はアモルファス半導体膜を除去
し、大粒径層(前記多結晶性半導体薄膜)とコンタクト
したソース、ドレイン電極を形成することができる。
【0059】本発明は、シリコン半導体装置、シリコン
半導体集積回路装置、シリコン−ゲルマニウム半導体装
置、シリコン−ゲルマニウム半導体集積回路装置、化合
物半導体装置、化合物半導体集積回路装置、炭化ケイ素
半導体装置、炭化ケイ素半導体集積回路装置、液晶表示
装置、有機又は無機エレクトロルミネセンス(EL)表
示装置、フィールドエミッションディスプレイ(FE
D)装置、発光ポリマー表示装置、発光ダイオード表示
装置、CCDエリア/リニアセンサ装置、MOSセンサ
装置、太陽電池装置用の薄膜を形成するのに好適であ
る。
【0060】この場合、内部回路及び周辺回路を有する
半導体装置、固体撮像装置、電気光学装置等の製造に際
し、これらの少なくとも一部を構成するMOSTFTの
チャンネル、ソース及びドレイン領域を前記多結晶性半
導体薄膜によって形成してよく、また周辺駆動回路一体
型の構成とすることもできる。
【0061】また、各色用の有機又は無機エレクトロル
ミネセンス層の下層にそれぞれ、前記MOSTFTのド
レイン又はソースと接続された陰極又は陽極を有するE
L素子構造とするのがよい。
【0062】この場合、前記MOSTFT及びダイオー
ド等の能動素子上も前記陰極が覆うようにすれば、陽極
が上部にある構造では発光面積が増大すると共に、陰極
の遮光作用で発光光が前記能動素子に入射してリーク電
流を発生させることを防止できる。また、前記各色用の
有機又は無機EL層の各層上及び各層間の全面に前記陰
極又は陽極が被着されるようにすれば、全面が陰極又は
陽極で覆われることにより、湿気に弱い有機EL層の劣
化や電極の酸化を防止して、長寿命、高品質、高信頼性
が可能となり、また陰極で覆われると放熱効果が高まる
ので、発熱による薄膜の構造変化(融解あるいは再結晶
化)が低減し、長寿命、高品質、高信頼性が可能とな
り、更にこれにより、高精度、高品質のフルカラーの有
機EL層を生産性良く形成できるので、コストダウンが
可能となる。
【0063】また、前記各色用の前記有機又は無機EL
層間にクロム、二酸化クロム等のブラックマスク層を形
成すると、各色間又は画素間での光漏れを防ぎ、コント
ラストが向上する。
【0064】本発明をフィールドエミッションディスプ
レイ装置に適用するときは、そのエミッタ(電界放出カ
ソード)を、前記多結晶性半導体薄膜を介して前記MO
STFTのドレインに接続すると共に前記多結晶性半導
体薄膜上に成長されたn型多結晶性半導体膜又は多結晶
性ダイヤモンド膜によって形成するのがよい。
【0065】この場合、前記MOSTFT、ダイオード
等の能動素子上にアース電位の金属系遮蔽膜(これは、
前記FED装置のゲート引き出し電極と同一材料で同一
工程により形成すると、工程簡略化等の点で有利であ
る。)を形成すると、気密容器内にあるガスがエミッタ
から放出された電子により正イオン化されて絶縁層上に
チャージアップし、この正電荷が絶縁層下にある能動素
子に不要な反転層を形成したり、この反転層を介して余
分な電流が流れるために生じるエミッタ電流の暴走を防
止することができる。また、エミッタから放出された電
子の衝突により蛍光体が発光する際、この光によりTF
Tのゲートチャンネル内に電子、正孔が発生してリーク
電流が生じることも防止できる。
【0066】次に、本発明を好ましい実施の形態につい
て更に詳細に説明する。
【0067】第1の実施の形態 図1〜図12について、本発明の第1の実施の形態を説
明する。
【0068】本実施の形態は、本発明をトップゲート型
の多結晶性シリコンCMOS(Complementary MOS)T
FTに適用したものである。
【0069】<触媒CVD法、バイアス触媒AHA処理
とその装置>まず、本実施の形態に用いるバイアス触媒
CVD法(又は触媒CVD法)及びバイアス触媒AHA
処理について説明する。触媒CVD法においては、水素
系キャリアガスとシランガス等の原料ガスとからなる反
応ガスを加熱されたタングステン等の触媒体に接触さ
せ、これによって生成したラジカルな堆積種又はその前
駆体及び活性化水素イオン等の水素系活性種に高いエネ
ルギーを与え(バイアス触媒CVD法では、グロー放電
開始電圧以下の電界の作用で指向性の運動エネルギーを
与え)、基板上にアモルファスシリコン含有微結晶シリ
コン等の低級結晶性半導体薄膜やアモルファス又は微結
晶カーボン薄膜を気相成長させる。そして、この成膜後
に原料ガスの供給を停止し、水素系キャリアガスのみを
供給することによって、上記薄膜のバイアス触媒AHA
処理を行う(必要に応じて、バイアス触媒AHA処理と
触媒CVDとを繰り返す)。つまり、高温の水素分子、
水素原子、活性化水素イオン等の水素系活性種によりア
モルファス成分のシリコンを還元エッチングし、所定膜
厚の高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコン等の多結晶
性半導体薄膜を得るか、或いはダイヤモンド構造のカー
ボン超微粒子を形成し、或いはこのカーボン超微粒子を
シード(結晶成長核)にして多結晶性シリコン等を大粒
径に成長させる。これらのバイアス触媒AHA処理と触
媒CVDとを繰り返して、より大粒径で所定膜厚の多結
晶性シリコン等の多結晶性半導体薄膜を得る。
【0070】このバイアス触媒AHA処理、バイアス触
媒CVDにおいては、基板と対向電極との間にグロー放
電開始電圧以下の直流電圧(パッシェンの法則で決まる
直流電圧、例えば、1kV以下の電圧)を印加し、前記
水素系活性種、又は前記ラジカルな堆積種又はその前駆
体及びラジカル水素イオンを基板の側へ指向させる。以
下、本実施の形態によるAHA処理、CVD法をDCバ
イアス触媒AHA処理、DCバイアス触媒CVD法と称
するが、交流バイアス(RF)又は交流と直流の重畳バ
イアス(RF/DC)による場合も同様である。
【0071】このDCバイアス触媒AHA処理又はCV
D法は、図5〜図7に示す如き装置を用いて実施され
る。
【0072】この装置によれば、水素系キャリアガスと
水素化ケイ素(例えばモノシラン)等の原料ガス40
(及び必要に応じてB26やPH3などのドーピングガ
スも含む。)からなるガスは、供給導管41からシャワ
ーヘッド42の供給口(図示せず)を通して成膜又はア
ニール用のチャンバ44へ導入される。チャンバ44の
内部には、ガラス等の基板1を支持するためのサセプタ
45と、耐熱性の良い(望ましくは触媒体46と同じか
或いはそれ以上の融点を有する材質の)シャワーヘッド
42と、例えばコイル状のタングステン等の触媒体46
と、更には開閉可能なシャッター47とがそれぞれ配さ
れている。なお、サセプタ45とチャンバ44との間に
は磁気シール52が施され、また、チャンバ44は前工
程を行なう前室53に後続され、ターボ分子ポンプ等で
バルブ55を介して排気される。
【0073】そして、基板1はサセプタ45内のヒータ
ー線51等の加熱手段で加熱され、また触媒体46は例
えば抵抗線として融点以下(特に800〜2000℃、
タングステンの場合は約1600〜1800℃)に加熱
されて活性化される。触媒体46の両端子は直流又は交
流の触媒体電源48に接続され、この電源からの通電に
より所定温度に加熱される。また、シャワーヘッド42
は加速電極として、導管41を介して可変の直流電源
(1kV以下、例えば500V)49の正極側に接続さ
れ、負極側のサセプタ45(従って、基板1)との間に
1kV以下の直流バイアス電圧が印加されるようになっ
ている。
【0074】この方法を実施するには、図5の状態で、
チャンバ44内の真空度を1.33×10-4〜1.33
×10-6Paとし、例えば水素系キャリアガス100〜
200SCCMを供給して、触媒体を所定温度に加熱し
て活性化した後に、炭化水素(例えばメタン)ガス10
〜20SCCM又は水素化ケイ素(例えばモノシラン)
ガス1〜20SCCM(及び必要に応じてB26や、P
3等のドーピングガスも適量含む。)からなる原料ガ
ス40(ガス圧0.133〜13.3Pa、例えば1.
33Pa)、又は水素系キャリアガスのみ(300〜1
000SCCM、ガス圧10〜50Pa)を供給導管4
1からシャワーヘッド42の供給口43を通して導入す
る。ここで、水素系キャリアガスは、水素、水素+アル
ゴン、水素+ヘリウム、水素+ネオン、水素+キセノ
ン、水素+クリプトン等の、水素に不活性ガスを適量混
合させたガスであれば、いずれでもよい(以下、同
様)。尚、原料ガスの種類によっては、必ずしも水素系
キャリアガスは必要ではない。
【0075】そして、図6のようにシャッター47を開
ける。原料ガス40又は水素系キャリアガスの少なくと
も一部は触媒体46と接触して触媒的に分解し、触媒分
解反応または熱分解反応によって、高エネルギーをもつ
シリコン等のイオン、ラジカル等の反応種の集団(即
ち、堆積種又はその前駆体及びラジカル水素イオン)、
又は高温の水素系分子、水素系原子、活性化水素イオン
等の水素系活性種を形成し、こうして生成したイオン、
ラジカル等の反応種50にグロー放電開始電圧(約1k
V)以下、例えば500Vの直流電源49による直流電
界を作用させて指向性運動エネルギーを与え、基板1の
側へ指向させて、室温〜550℃(例えば200〜30
0℃)に保持された基板1上にアモルファスカーボン、
低級結晶性シリコン等の所定の膜をDCバイアス触媒C
VDで気相成長させる。或いは上記水素系活性種に指向
性運動エネルギーを与え、室温〜550℃(例えば20
0〜300℃)に保持された基板1上の上記膜に作用さ
せてDCバイアス触媒AHA処理を行う。なお、上記低
級結晶性シリコン膜等は、バイアスを用いない触媒CV
Dで気相成長させてもよいが、この場合は、上記の直流
電源49をオフとしておく。
【0076】こうして、プラズマを発生することなく、
反応種又は水素系活性種に対し、触媒体46の触媒作用
とその熱エネルギーに直流電界による加速エネルギーを
与えた指向性の運動エネルギーを与えるので、反応ガス
を効率良く反応種に変えて、基板1上に均一に熱CVD
で堆積することができる。この堆積種56は基板1上で
泳動し、薄膜中で拡散するので、緻密でステップカバレ
ージの良い平坦かつ均一な薄膜を形成できる。或いは、
水素系キャリアガスから生成した水素系活性種をCVD
膜に対し十分なエネルギーで効率良く作用させることが
できる。
【0077】本実施の形態においてDCバイアス触媒C
VDを適用すると、これは、従来の触媒CVDのコント
ロールファクタである基板温度、触媒体温度、ガス圧
(反応ガス流量)、原料ガス種類等に比べ、独立した任
意の直流電界で薄膜生成をコントロールすることを追加
するのが特長である。このため、生成膜の基板との密着
性をはじめ、生成膜密度、生成膜均一性又は平滑性、ビ
アホールなどへの生め込み性とステップカバレージを向
上させ、基板温度を一層低温化し、生成膜のストレスコ
ントロール等が可能となり、高品質膜(例えばバルクに
近い物性のシリコン膜や金属膜)が得られる。しかも、
触媒体46で生成された反応種を直流電界で独立してコ
ントロールし、効率良く基板上に堆積できるので、反応
ガスの利用効率が高く、生成速度を早め、生産性向上と
反応ガス削減によるコストダウンを図れる。
【0078】また、DCバイアス触媒AHA処理におい
ても、上記と同様に独立した任意の直流電界でアニール
をコントロールすることができ、基板温度の低温化、膜
ストレスの減少等がガス利用効率の向上、処理速度の向
上、コストダウンを実現しながら可能となる。
【0079】また、基板温度を低温化しても堆積種又は
活性種のエネルギーが大きいために、目的とする良質の
膜が得られることから、基板温度を上記のように更に低
温化でき、大型で安価な絶縁基板(ほうけい酸ガラス、
アルミノけい酸ガラス等のガラス基板、ポリイミド等の
耐熱性樹脂基板等)を使用でき、この点でもコストダウ
ンが可能となる。しかも、上記した反応種の加速のため
の電極として、ガス供給用のシャワーヘッド42を兼用
できるので、構造が簡略となる。
【0080】また、勿論のことであるが、プラズマの発
生がないので、プラズマによるダメージがなく、低スト
レスの生成膜が得られると共に、プラズマCVD法等に
比べ、はるかにシンプルで安価な装置が実現する。
【0081】この場合、減圧下(例えば0.133〜
1.33Pa)又は常圧下で操作を行なえるが、減圧タ
イプよりも常圧タイプの方がよりシンプルで安価な装置
が実現する。そして、常圧タイプでも上記の電界を加え
るので、密度、均一性、密着性のよい高品質膜が得られ
る。この場合も、減圧タイプよりも常圧タイプの方がス
ループットが大であり、生産性が高く、コストダウンが
可能である。
【0082】減圧タイプの場合は、直流電圧はガス圧
(ガス流量)やガス種等によって左右されるが、いずれ
にしても、グロー放電開始電圧以下の任意の電圧に調整
する必要がある。常圧タイプの場合は、放電はしない
が、原料ガス及び反応種又は活性種の流れが膜厚及び膜
質に悪影響を及ぼさないように、基板上に排ガス流が接
しないように排気を調整することが望ましい。
【0083】上記のDCバイアス触媒CVD(又は触媒
CVD)又はDCバイアス触媒AHA処理において、触
媒体46による副射熱のために、基板温度は上昇する
が、上記のように、必要に応じて基板加熱用ヒーター5
1を設置してよい。また、触媒体46はコイル状(これ
以外にメッシュ、ワイヤー、多孔板状もよい。)として
いるが、更にガス流方向に複数段(例えば2〜3段)と
して、ガスとの接触面積を増やすのがよい。なお、基板
1をサセプタ45の下面においてシャワーヘッド42の
上方に配しているので、チャンバ44内で生じたパーテ
ィクルが落下して基板1又はその上の膜に付着すること
がない。
【0084】本実施の形態においては、触媒CVDに用
いた装置をそのまま用い、触媒CVDによるアモルファ
スカーボン等のカーボン薄膜、低級結晶性半導体薄膜の
気相成長後に、モノシラン等の原料ガスの供給を停止
し、触媒CVD時よりも多い流量で水素系キャリアガス
のみを成膜室44内に供給して、低級結晶性半導体薄膜
に対してDCバイアス触媒AHA処理を行い、そのアモ
ルファス成分のエッチング、より多結晶化のためのアニ
ールを施し、かつ、この触媒CVDとDCバイアス触媒
AHA処理とを所定回数繰り返して、目的とする膜厚の
多結晶シリコン等の多結晶性半導体薄膜を形成する。
【0085】このDCバイアス触媒AHA処理は、加熱
された触媒により分解、生成した水素系活性種により前
記アモルファス成分をエッチング除去してカーボン超微
粒子を生成すると共に、半導体材料薄膜の場合は下地の
カーボン超微粒子をシードとして多結晶化し易くして、
高結晶化率、大粒径(特にグレインサイズが数100n
m以上)の多結晶をベースとする薄膜を得、膜中のキャ
リア不純物を活性化する処理であるが、その際、触媒体
温度1600〜1800℃、基板−触媒体間の距離20
〜50mm、基板温度200〜800℃とし、処理時間
10〜20分とし、また水素系キャリアガスは上記した
と同様に水素又は水素と不活性ガス(アルゴン、ヘリウ
ム、キセノン、クリプトン、ラドン等)との混合ガスで
あり、混合ガスの場合は水素含有比率は70〜80モル
%以上とすることによって触媒体の酸化劣化を防止でき
る。また、触媒AHA処理時に用いる水素又は水素含有
ガスは、気相成長時の水素系キャリアガスと同様であっ
てよいが、ガス流量300〜1000SCCM、ガス圧
10〜50Paと大きくし(触媒CVDのときは0.1
〜数Pa)、ガスによる熱伝導の増大と水素系活性種発
生量の増大を図るのがよい。
【0086】本発明に基づいて、バイアスの作用下での
半導体薄膜の結晶化処理によれば、電界又は磁界、又は
これらの双方を印加し、この作用下で水素系活性種によ
るアニール(バイアス触媒AHA処理)又は堆積種の気
相成長(バイアス触媒CVD)を行うので、結晶粒の結
晶方位を揃えることができる。以下に、上記したDCバ
イアス触媒AHA処理及びDCバイアス触媒CVDも含
めてまとめると、次のようになる。
【0087】まず、図8は、上記した電界の作用下で触
媒CVD、いわゆるバイアス触媒CVDを行う場合を示
すが、基板1を収容した真空容器44の周囲に高周波電
圧(又は直流電圧、或いはこれらの双方)を印加する電
極200、201を設け、これによる電界を作用させ
る。
【0088】この時に、バイアス触媒CVDの場合、触
媒体46の触媒反応又は接触分解反応で発生させた堆積
種のシリコン原子の電子スピンが電界と相互作用して一
定の方向に向き、この状態から冷却により固化する際
に、一定の方向性をもって結晶化し、シリコンの結晶方
位が揃うことになる。こうして結晶化された膜は結晶方
位がほぼ揃うため、粒界のもつ電子ポテンシャルバリア
が低くなり、キャリア移動度が大きくなる。この際、結
晶方位を一定方向に揃えることが重要であり、シリコン
原子の外殻軌道の構造に応じて、得られた多結晶性シリ
コン薄膜7の垂直方向に結晶が揃う場合もあり或いは水
平方向に結晶方位が揃う場合もある。結晶粒が一定の方
向に揃うことにより、多結晶性シリコン薄膜の表面の凹
凸もなくなり、薄膜の表面が平坦化されることになり、
これに接して形成されるゲート絶縁膜等との間の界面状
態が良好となり、キャリア移動度が向上する。
【0089】図9は、電界に代えて、磁界を印加する場
合であり、基板1を収容した真空容器44の周囲に永久
磁石202及び203、又は電磁石204を設け、これ
による磁界を作用させる。
【0090】こうして、上記した電界の場合と同様に、
磁界の作用で一定の方向に結晶粒が揃い、キャリア移動
度が向上し、また表面の凹凸も減少する。
【0091】図10は、上記の電界と共に磁界も同時に
印加する例であるが、基板1を収容した真空容器44の
周囲の永久磁石202、203(これは電磁石でもよ
い。)による磁界と同時に、高周波電圧(または直流電
圧、或いはこれらの双方)49を印加する電極200、
201による電界を同時に作用させる。
【0092】この時に、シリコン原子の電子スピンが磁
場と電場の相互作用で一定の方向に向き、この状態から
冷却により固化する際に、磁界と電界の相乗作用により
更に十分な方向性をもって結晶化することになる。従っ
て、一定の方向に結晶粒が更に揃い易くなり、キャリア
移動度が一層向上し、また表面の凹凸も一層減少する。
【0093】図8〜図10に示したバイアス方式は、バ
イアス触媒AHA処理においても同様に適用され、電界
又は/及び磁界の作用によって、微粒子層100Aやシ
リコン薄膜7に対して水素系活性種が効率的に十分なエ
ネルギーで作用し、AHA処理効果が向上し、アモルフ
ァス成分を十二分にエッチングしてシリコンの結晶化を
促進させることができる。
【0094】図11は、上記の触媒CVD(DCバイア
ス触媒CVDも同様)とDCバイアスと触媒AHA処理
における上記水素系キャリアガス及び原料ガスの導入時
間及びタイミングを多結晶性シリコン薄膜形成の場合に
ついて示し、また図12は、流量計(MFC)や調整弁
などを組み込んだガス導入系を示す。
【0095】まず、成膜を行う前に、ゲートバルブを通
してチャンバ(成膜室)44内に基板1を搬入し、サセ
プタ45に載置し、次いで、排気系を作動させてチャン
バ44内を所定圧力まで排気するとともに、サセプタ4
5に内蔵されたヒーターを作動させて基板1を所定温度
まで加熱する。
【0096】そして、ガス導入系によって、まず水素系
キャリアガス300〜1000SCCM、例えば500
SCCMをチャンバ1内に導入する。導入された水素ガ
スの一部は、加熱触媒体46による接触分解反応により
活性化水素イオン等の水素系活性種となり、基板表面に
到達して、基板1の表面クリーニングを行う。その後に
水素系キャリアガスを150SCCMにする。
【0097】このように、チャンバ44内に水素系キャ
リアガスが供給されている状態で、ガス導入系を作動さ
せ、原料ガス(メタン又はモノシラン15SCCM)を
チャンバ44内に導入する。導入された原料ガスは、加
熱触媒体46の熱触媒反応及び熱分解反応により堆積種
が生成され、必要あれば上記バイアス電界の作用下で多
結晶性シリコン薄膜等として基板表面に気相成長する。
【0098】その後、原料ガスの導入を停止して、チャ
ンバ44内から原料ガスを排出し、更に水素系キャリア
ガスのみを300〜1000SCCM、例えば500S
CCMの流量で導入する、これによって、加熱触媒体に
よる接触分解反応で生じた活性水素イオン等の水素系活
性種が上記したバイアス電界の作用下で上記の薄膜に作
用してそのアモルファス成分をエッチングし、アモルフ
ァス成分が除去された下地のカーボン超微粒子を得、ま
たこれをシードとして結晶化が促進された多結晶性シリ
コンを得る。
【0099】こうしてバイアス触媒AHA処理されたシ
リコン膜上に、再び上記の触媒CVDを施し、多結晶性
シリコンをシードとしてその上に多結晶性シリコン薄膜
を成長させ、更にバイアス触媒AHA処理、触媒CVD
を繰り返して行うことにより、多結晶性シリコン薄膜の
膜厚をコントロールしつつ最終的には目的とする膜厚で
高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコン薄膜を形成する
ことができる。
【0100】このように、上記のバイアス電界で加速さ
れた十分なエネルギーの水素系活性種のラジカル作用に
より、熱エネルギーが膜に移動して局部的に温度上昇さ
せ、半導体薄膜は、アモルファス成分がエッチングされ
て結晶化が促進され、大粒径の多結晶性膜化し、高キャ
リア移動度、高品質の多結晶性半導体薄膜を得ることが
でき、しかも、多結晶性シリコン膜上又は膜内にシリコ
ン酸化物が存在したときに、これと還元反応してSiO
等を生成して蒸発させるので、その膜上又は膜内のシリ
コン酸化物を減少/除去させることができ、高キャリア
移動度、高品質の多結晶性シリコン膜等を得ることがで
きる。
【0101】また、微結晶シリコン含有アモルファスシ
リコン、アモルファスシリコン含有微結晶シリコンなど
は、下地のカーボン超微粒子をシードとして多結晶化
し、多結晶性シリコンは高結晶化が促進され、大粒径の
多結晶性シリコン膜化する。しかも、その膜に含有され
るアモルファス構造のシリコンが活性水素イオン等で還
元(エッチング)されるので、高結晶化率の多結晶性膜
が形成される。
【0102】そして、このバイアス触媒AHA処理時
に、半導体薄膜中に存在するキャリア不純物は高温で活
性化され、各領域において最適なキャリア不純物濃度を
得ることができ、また、高温の水素分子、水素原子及び
活性化水素イオンによるクリーニング(基板等への吸着
ガス及び有機物残渣等の還元除去)が可能であり、触媒
体も酸化劣化し難しくなり、更に水素化により、半導体
膜中の例えばシリコンダングリングボンドをなくし、特
性が向上する。
【0103】こうしたバイアス触媒AHA処理によるア
ニールと半導体薄膜の触媒CVDによる気相成長とを目
的とする膜厚となるまで繰り返すことにより、この半導
体薄膜は既にバイアス触媒AHA処理で多結晶化された
下地膜上に多結晶化され易い状態で成長し易くなり、目
的とする高結晶化率、高品質の多結晶性半導体薄膜を所
定の膜厚で得ることができる。即ち、触媒CVDとバイ
アス触媒AHA処理を繰り返すマルチバイアス触媒AH
A処理により、例えば触媒CVDで成膜された微結晶シ
リコン含有アモルファスシリコン、アモルファスシリコ
ン及び微結晶シリコン含有多結晶シリコン等をバイアス
触媒AHA処理で多結晶性シリコン化し、多結晶性シリ
コンは高結晶化し、更にこの多結晶性シリコンをシード
とした触媒CVDで多結晶性シリコン膜の気相成長、更
にはバイアス触媒AHA処理を繰り返すので、高結晶化
率、大粒径の多結晶性シリコン膜を形成することができ
る。
【0104】なお、上記の触媒CVD及びバイアス触媒
AHA処理はいずれも、プラズマの発生なしに行えるの
で、プラズマによるダメージがなく、低ストレスの生成
膜が得られ、またプラズマCVD法に比べ、シンプルで
安価な装置を実現できる。
【0105】図13は、本実施の形態による上記のマル
チバイアス触媒AHA処理(触媒CVDとバイアス触媒
AHA処理の繰り返し)で得られた多結晶性シリコン薄
膜のラマンスペクトルをその繰り返し回数等に応じて示
すものである。この結果によれば、触媒CVDによる堆
積(depo)時のガス流量をSiH4:H2=5:50
0SCCM、触媒温度=1800〜2000℃、基板温
度=400℃とし、バイアス触媒AHA処理の条件を各
種とし、繰り返し回数も変えたところ、この繰り返し回
数を多くし、かつ処理時間を長くし、処理時のH2流量
を増加させると、サンプル#1→#2→#3→#4の順
に、アモルファス(非晶質)や微結晶が減少し、多結晶
層が増加すること(即ち、大粒径化、高結晶化するこ
と)が明らかである。尚、ここで、AHA1は成膜前の
基板表面のクリーニング処理であり、本来のバイアス触
媒AHA処理はAHA2〜4である。
【0106】また、図14は、各サンプルについての結
晶化率を多結晶性シリコン中の微結晶の有無について比
較して示すものである。これによれば、結晶化率はサン
プル#1→#2→#3→#4の順に高くなり、かつ下地
が微結晶(Im)を含む方が高くなることが分かる。
【0107】これらの結果は、本発明に基づく処理が高
結晶化率、大粒径の多結晶性半導体薄膜の形成にとって
非常に優れた方法であることを示すものである。
【0108】なお、本実施の形態において、上記の触媒
CVDでは、例えば0.4mmφタングステンワイヤー
の触媒体及びこれを支持している例えば0.8mmφモ
リブデンワイヤーの支持体(図示せず)の純度が問題と
なるが、従来の純度:3N(99.9wt%)を4N
(99.99wt%)以上、好ましくは5N(99.9
99wt%)又はそれ以上に純度を上げることにより、
触媒CVDによる多結晶性シリコン膜中の鉄、ニッケ
ル、クロム等の重金属汚染を低減できることが実証され
ている。図15(A)は純度3Nでの膜中の鉄、ニッケ
ル、クロム等の重金属濃度を示すが、これを5Nに高め
ることによって図15(B)に示すように鉄、ニッケ
ル、クロム等の重金属濃度を大幅に減らせることが判明
した。これにより、TFT特性の向上が可能となる。
【0109】<トップゲート型CMOSTFTの製造>
次に、本実施の形態によるバイアス触媒AHA処理を用
いたトップゲート型CMOSTFTの製造例を示す。
【0110】まず、図1の(1)に示す石英ガラス、結
晶化ガラスなどの絶縁基板1の少なくともTFT形成領
域に、プラズマCVD、触媒CVD、高密度プラズマC
VD、高密度触媒CVD等の気相成長法により、保護用
の窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜の積層膜からなる
下地保護膜(図示せず)を下記の条件で形成する(以
下、同様)。
【0111】この場合、TFT形成のプロセス温度によ
ってガラス材質を使い分ける。 200〜500℃の低温の場合:ほうけい酸、アルミノ
けい酸ガラス等のガラス基板(500×600×0.5
〜1.1μm厚)、耐熱性樹脂基板を用いてもよい。 600〜1000℃の高温の場合:石英ガラス、結晶化
ガラス等の耐熱性ガラス基板(6〜12インチφ、70
0〜800μm厚)を用いてもよい。保護膜用の窒化シ
リコン膜はガラス基板からのNaイオンストップのため
に形成するが、合成石英ガラスを用いる場合は不要であ
る。
【0112】また、触媒CVDを用いる場合、図5〜図
7に示したと同様の装置が使用可能であるが、触媒体の
酸化劣化防止のために、水素系キャリアガスを供給して
触媒体を所定温度(約1600〜1800℃、例えば約
1700℃)に加熱し、成膜後は触媒体を問題ない温度
まで冷却して水素系キャリアガスをカットする必要があ
る。
【0113】成膜条件としては、チャンバ内に水素系キ
ャリアガス(水素、アルゴン+水素、ヘリウム+水素、
ネオン+水素等)を常時流し、流量と圧力、サセプタ温
度を下記の所定の値に制御する。 チャンバ内圧力:1〜15Pa程度、例えば10Pa サセプタ温度:200〜300℃ 水素系キャリアガス流量(混合ガスの場合、水素は70
〜80モル%):50〜150SCCM
【0114】また、窒化シリコン膜は、次の条件で50
〜200nmの厚みに形成する。水素(H2)をキャリ
アガスとし、原料ガスとしてモノシラン(SiH4)に
アンモニア(NH3)を適量比率で混合して形成。 水素(H2)流量:50〜150SCCM、 SiH4流量:10〜20SCCM、NH3流量:50〜
60SCCM
【0115】また、酸化シリコン膜は、次の条件で50
〜100nmの厚みに形成する。水素(H2)をキャリ
アガス、原料ガスとしてモノシラン(SiH4)にHe
希釈O2を適量比率で混合して形成。 H2流量:50〜150SCCM、SiH4流量:10〜
20SCCM、He希釈O2流量:1〜2SCCM
【0116】次いで、図1の(1)に示すように、本発
明に基づく触媒CVD法等により上記の保護膜上に、次
の条件でアモルファスカーボン又は微結晶カーボン膜1
00Aを50〜100nmの厚みに形成する。水素(H
2)をキャリアガス、原料ガスとしてCH4を適量比率混
合して形成。 H2流量;50〜100SCCM、CH4流量;10〜2
0SCCM
【0117】次いで、図1の(2)に示すように、連続
してバイアス触媒AHA処理により、上記のアモルファ
スカーボン又は微結晶カーボン膜100Aからアモルフ
ァス成分をエッチング除去し、ダイヤモンド構造のカー
ボン超微粒子層100Bを形成する。
【0118】このバイアス触媒AHA処理は、バイアス
触媒CVD法において原料ガスを供給しないで処理する
方法であり、具体的には、水素系キャリアガスを供給し
て10〜50Paのガス圧とし、触媒体を所定温度(約
1600〜1800℃、例えば約1700℃設定)に加
熱し、大量の高温の水素系活性種(水素系分子、水素系
原子、活性化水素イオン)などを発生させて、これらを
グロー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用に
よる指向性運動エネルギーの付与下で、基板上に形成し
た例えばアモルファスカーボン又は微結晶カーボン膜1
00Aに吹き付ける。これにより大量の高温の水素系活
性種(水素系分子、水素系原子、活性化水素イオン)な
どが有する高い熱エネルギーがそれらの膜に移動して、
それらの膜温度を局部的に上昇させる。これにより、ア
モルファスカーボン又は微結晶カーボン膜100A上に
存在するダイヤモンド構造のカーボン超微粒子(クラス
タ)を安定させ、かつその付近に存在するアモルファス
構造のカーボンをわずかにエッチングして、ダイヤモン
ド構造のカーボン超微粒子を形成し、多結晶性シリコン
成長の核とする。この時に、TFT形成領域内で、ダイ
ヤモンド構造を有するカーボン超微粒子(クラスタ)が
点在し、それらの間の電気抵抗が無視し得る(電気的シ
ョートしていない)ことが必要である。
【0119】次いで、図1の(3)に示すように、連続
して触媒CVD法(或いはバイアス触媒CVD)によっ
て、例えば周期表IV族元素、例えば錫を1018〜1020
atoms/ccドープした(これはCVD時又は成膜
後のイオン注入によってドープしてよい。)多結晶性シ
リコン膜7をダイヤモンド構造のカーボン超微粒子層1
00Bをシードに50〜100nm厚、例えば50nm
厚に気相成長させる。但し、この錫のドーピングは必ず
しも必要ではない(以下、同様)。
【0120】このとき、必要に応じて、モノシランにn
型不純物(燐、ひ素、アンチモン)又はp型不純物(ボ
ロン等)を適量添加、例えば1017〜1018atoms
/cc含有させて、n型又はp型の多結晶性シリコンを
形成してもよい。また、ダイヤモンド構造を有するカー
ボン超微粒子100B上に、アモルファスシリコン又は
微結晶シリコン又は多結晶性シリコンを10〜30nm
厚に成長させた後、バイアス触媒AHA処理し、アモル
ファスシリコン又は微結晶シリコン又は多結晶性シリコ
ンを10〜30nm厚に成長させ、更にバイアス触媒A
HA処理し、アモルファスシリコン又は微結晶シリコン
又は多結晶性シリコン膜を10〜30nm厚に成長さ
せ、更にバイアス触媒AHA処理してもよい。この方法
によって、より大きい粒径の多結晶性シリコン膜を形成
できる。
【0121】この場合、図5〜図7に示した装置を用
い、上記の触媒CVDにより下記の条件で例えば錫ドー
プの多結晶性シリコンを気相成長させ、しかる後に下記
の条件でバイアス触媒AHA処理を行ってアニールし、
多結晶性シリコンをより多結晶化及び高結晶化し、これ
らの触媒CVDとバイアス触媒AHA処理とを繰り返し
て50nm厚の多結晶性シリコン膜7を形成してよい。
例えば、触媒CVDで10〜30nm厚の膜を成長さ
せ、バイアス触媒AHA処理後、触媒CVDで10〜3
0nm厚の膜を成長させ、更にバイアス触媒AHA処理
後に、触媒CVDで10〜30nm厚の膜を成長させ
て、最終的に目的とする膜厚の多結晶性シリコン膜を得
る。尚、この時に触媒CVDに代えて、バイアス触媒C
VDとしてもよい。
【0122】触媒CVDによる多結晶性シリコンの成
膜:水素(H2)をキャリアガス、原料ガスとしてモノ
シラン(SiH4)、水素化錫(SnH4)を適量比率で
混合して形成。H2流量:150SCCM、SiH4
量:15SCCM、SnH4流量:15SCCM。この
時、原料ガスのシラン系ガス(シラン又はジシラン又は
トリシラン等)に、n型のリン又はひ素又はアンチモン
等を適量混入したり、又はp型のボロン等を適量混入す
ることにより、任意のn又はp型不純物キャリア濃度の
錫含有シリコン膜を形成してもよい。 n型化の場合:ホスフィン(PH3)、アルシン(As
3)、スチビン(SbH 3) p型化の場合:ジボラン(B26
【0123】バイアス触媒AHA処理:バイアス触媒A
HA処理は、バイアス触媒CVDにおいて原料ガスを供
給しない方法であり、具体的には、減圧下で、水素系キ
ャリアガスをガス流量300〜1000SCCM、ガス
圧10〜50Paで供給して触媒体を所定温度(約16
00〜1800℃、例えば約1700℃)に加熱し、大
量の高温の水素系活性種(水素系分子、水素系原子、活
性化水素イオン)などを発生させ、これらを基板上に形
成した例えば多結晶性シリコン膜に吹き付ける。これに
より、大量の高温の水素系活性種(水素系分子、水素系
原子、活性化水素イオン)などが有する熱エネルギーが
それらの膜に移動して、それらの膜温度を上昇させ、ア
モルファスシリコンや微結晶シリコンを含有するときに
はこれらは多結晶化し、多結晶性シリコンは高結晶化し
て、大粒径の錫含有多結晶性シリコン膜化し、その結晶
粒界に存在する不整及びストレスを低減し、高キャリア
移動度及び高品質の多結晶性シリコン膜を形成すること
ができる。
【0124】上記のバイアス触媒AHA処理(又はバイ
アス触媒CVD)時のバイアス電界は、次のいずれかの
電圧印加によって形成できる。
【0125】1)直流電圧(例えば500V) 2)低周波電圧(例えば500VP-P/26kHz) 3)高周波電圧(例えば500VP-P/13.56MH
z) 4)低周波電圧に高周波電圧を重複させた電圧(例えば
500VP-P/26kHz+200VP-P/13.56M
Hz) 5)直流電圧に低周波電圧を重複させた電圧(例えば5
00V+200VP-P/26kHz) 6)直流電圧に高周波電圧を重複させた電圧(例えば5
00V+200VP-P/13.56MHz) 7)直流電圧に低周波電圧と高周波電圧を重複させた電
圧(例えば500V+100VP-P/26kHz+10
0VP-P/13.56MHz)
【0126】また、上記の水素系活性種は、多結晶性シ
リコン等の膜上又は膜内にシリコン酸化物が存在したと
きにこれと還元反応してSiO等を生成し、蒸発させる
ので、それらの膜上又は膜内のシリコン酸化物を減少/
除去させることができ、高キャリア移動度及び高品質の
多結晶性シリコン膜を形成できる。このバイアス触媒A
HA処理(又は触媒AHA処理)を後述のゲートチャン
ネル/ソース/ドレイン形成後に行うと、大量の高温の
水素系活性種が有する熱エネルギーがそれらの膜に移動
して、それらの膜温度を上昇させ、結晶化促進と同時に
ゲートチャンネル/ソース/ドレインに注入されキャリ
ア不純物(燐、ひ素、ボロンイオン等)が活性化され
る。
【0127】なお、上記の各膜を同一のチャンバで形成
する場合は、水素系キャリアガスを常時供給し、触媒体
を所定温度に加熱してスタンバイをしておき、次のよう
に処理してよい。
【0128】モノシランにアンモニアを適当比率で混合
して所定膜厚の窒化シリコン膜を形成し、前の原料ガス
を十分に排出した後に、連続してモノシランとHe希釈
2を適当比率で混合して所定膜厚の酸化シリコン膜を
形成し、前の原料ガス等を十分に排出した後に、連続し
てメタンを供給し、或いはモノシランとSnH4を適量
比率で混合して、所定膜厚のアモルファス又は微結晶カ
ーボン薄膜、又は所定膜厚の錫含有多結晶性シリコン膜
を形成し、前の原料ガスを十分に排出した後に、連続し
て原料ガスをカットしてバイアス触媒AHA処理により
カーボン薄膜をダイヤモンド構造の超微粒子化し、或い
は多結晶性シリコン膜をより結晶化させ、必要に応じて
前の原料ガスを十分に排出した後に、連続してモノシラ
ンとHe希釈O2を適当比率で混合して所定膜厚の酸化
シリコン膜を形成する。成膜後は原料ガスをカットし、
触媒体を問題ない温度まで冷却して水素系キャリアガス
をカットする。この時、絶縁膜形成時の原料ガスは傾斜
減少又は傾斜増加させて、傾斜接合の絶縁膜としてもよ
い。
【0129】或いは、それぞれ独立したチャンバで形成
する場合は、各チャンバ内に水素系キャリアガスを常時
供給し、触媒体を所定温度に加熱してスタンバイしてお
き、次のように処理してよい。Aチャンバに移し、モノ
シランにアンモニアを適量比率で混合して所定膜厚の窒
化シリコン膜を形成する。次にBチャンバに移し、モノ
シランにHe希釈O2を適量比率で混合して酸化シリコ
ン膜を形成する。次にCチャンバに移し、メタンを供給
し、或いはモノシランとSnH4を適量比率で混合し
て、アモルファス又は微結晶カーボン薄膜、又は錫含有
の多結晶性シリコン膜を形成し、連続して(或いは別の
チャンバで)水素系キャリアガスによるバイアス触媒A
HA処理により、カーボン薄膜をダイヤモンド構造の超
微粒子化し、或いは多結晶性シリコン膜をより結晶化す
る。必要に応じて次にBチャンバに移し、モノシランに
He希釈O2を適量比率で混合して酸化シリコン膜を形
成する。成膜後は原料ガスをカットし、触媒体を問題な
い温度まで冷却して水素系キャリアガスをカットする。
この時に、それぞれのチャンバ内に水素系キャリアガス
とそれぞれの原料ガスを常時供給して、スタンバイの状
態にしておいてもよい。
【0130】そして次に、多結晶性シリコン膜7をソー
ス、チャンネル及びドレイン領域とするMOSTFTの
作製を行なう。
【0131】即ち、図2の(4)に示すように、汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチングにより多結晶性シリコ
ン膜7をアイランド化した後、nMOSTFT用のチャ
ンネル領域の不純物濃度制御によるしきい値(Vth)の
最適化のために、pMOSTFT部をフォトレジスト9
でマスクし、イオン注入又はイオンドーピングによりp
型不純物イオン(例えばボロンイオン)10を例えば5
×1011atoms/cm2のドーズ量でドーピング
し、1×1017atoms/ccのアクセプタ濃度に設
定し、多結晶性シリコン膜7の導電型をp型化した多結
晶性シリコン膜11とする。
【0132】次いで、図2の(5)に示すように、pM
OSTFT用のチャンネル領域の不純物濃度制御による
thの最適化のために、今度はnMOSTFT部をフォ
トレジスト12でマスクし、イオン注入又はイオンドー
ピングによりn型不純物イオン(例えば燐イオン)13
を例えば1×1012atoms/cm2のドーズ量でド
ーピングし、2×1017atoms/ccのドナー濃度
に設定し、多結晶性シリコン膜7の導電型をn型化した
多結晶性シリコン膜14とする。
【0133】次いで、図3の(6)に示すように、必要
あれば結晶化促進と膜中の不純物の活性化のために上記
のバイアス触媒AHA処理を行なった後、触媒CVD又
はバイアス触媒CVD等によりゲート絶縁膜の酸化シリ
コン膜50nm厚8を形成した後、ゲート電極材料とし
てのリンドープド多結晶シリコン膜15を例えば2〜2
0SCCMのPH3及び20SCCMのモノシランの供
給下での上記と同様の触媒CVD法等によって厚さ例え
ば400nm厚に堆積させる。
【0134】次いで、図3の(7)に示すように、フォ
トレジスト16を所定パターンに形成し、これをマスク
にしてリンドープド多結晶シリコン膜15をゲート電極
形状にパターニングし、更に、必要に応じてフォトレジ
スト16の除去後に図3の(8)に示すように、例えば
触媒CVD等によりゲート電極用保護膜の酸化シリコン
膜17を20〜30nm厚に形成する。
【0135】次いで、図3の(9)に示すように、pM
OSTFT部をフォトレジスト18でマスクし、イオン
注入又はイオンドーピングによりn型不純物である例え
ば燐イオン19を例えば1×1015atoms/cm2
のドーズ量でドーピングし、2×1020atoms/c
cのドナー濃度に設定し、nMOSTFTのn+型ソー
ス領域20及びドレイン領域21をそれぞれ形成する。
【0136】次いで、図4の(10)に示すように、n
MOSTFT部をフォトレジスト22でマスクし、イオ
ン注入又はイオンドーピングによりp型不純物である例
えばボロンイオン23を例えば1×1015atoms/
cm2のドーズ量でドーピングし、2×1020atom
s/ccのアクセプタ濃度に設定し、pMOSTFTの
+型ソース領域24及びドレイン領域25をそれぞれ
形成する。
【0137】こうしてゲート、ソース及びドレインを形
成するが、これらは上記したプロセス以外の方法で形成
することが可能である。
【0138】即ち、図1の(3)の工程後に、多結晶性
シリコン膜7をpMOSTFTとnMOSTFT領域に
アイランド化し、pMOSTFT領域にイオン注入又は
イオンドーピングでn型不純物、例えば燐イオンを1×
1012atoms/cm2のドーズ量でドーピングし、
2×1017atoms/ccのドナー濃度に設定し、n
MOSTFT領域にp型不純物、例えばボロンイオンを
5×1011atoms/cm2のドーズ量でドーピング
し、1×1017atoms/ccのアクセプタ濃度に設
定し、各チャンネル領域の不純物濃度を制御し、Vth
最適化する。
【0139】そして、次に、汎用フォトリソグラフィ技
術により、フォトレジストマスクで各ソース/ドレイン
領域を形成する。nMOSTFTの場合、イオン注入又
はイオンドーピング法によりn型不純物、例えばひ素、
燐イオンを1×1015atoms/cm2のドーズ量で
ドーピングし、2×1020atoms/ccのドナー濃
度に設定し、pMOSTFTの場合、イオン注入又はイ
オンドーピング法によりp型不純物、例えばボロンイオ
ンを1×1015atoms/cm2のドーズ量でドーピ
ングし、2×1020atoms/ccのアクセプタ濃度
に設定する。
【0140】しかる後、必要あれば膜中の不純物の活性
化のためにバイアス触媒AHA処理を行った後、ゲート
絶縁膜として酸化シリコン膜を形成するが、必要に応じ
て連続して窒化シリコン膜と酸化シリコン膜を形成す
る。即ち、必要に応じて、バイアス触媒AHA処理後に
連続してバイアス触媒CVD法により、水素系キャリア
ガスとモノシランにHe希釈O2を適量比率で混合して
酸化シリコン膜8を20〜30nm厚に形成し、必要に
応じて水素系キャリアガスとモノシランにNH3を適量
比率で混合して窒化シリコン膜を10〜20nm厚に形
成し、更に前記の条件で酸化シリコン膜を20〜30n
m厚に形成する。この後は、上記と同様の汎用の触媒C
VD法、フォトリソグラフィ技術によりゲート電極を形
成する。
【0141】ゲート、ソース及びドレイン形成後は、図
4の(11)に示すように、全面に上記したと同様の触
媒CVD又はバイアス触媒CVD法等によって、水素系
キャリアガス150SCCMを共通として、1〜2SC
CMのヘリウムガス希釈のO 2、15〜20SCCMの
モノシラン供給下で酸化シリコン膜26を例えば100
〜200nm厚に、1〜20SCCMのPH3、1〜2
SCCMのヘリウム希釈のO2、15〜20SCCMの
モノシラン供給下でフォスフィンシリケートガラス(P
SG)膜27を300〜400nm厚に形成し、50〜
60SCCMのNH3、15〜20SCCMのモノシラ
ン供給下で窒化シリコン膜28を例えば100〜200
nm厚に形成し、積層絶縁膜を形成する。その後に、例
えば約1000℃で20〜30秒のRTA(Rapid Ther
mal Anneal)処理でイオン活性化させ、各領域に設定し
たキャリア不純物濃度とする。
【0142】次いで、図4の(12)に示すように、上
記の絶縁膜の所定位置にコンタクト窓開けを行い、各コ
ンタクトホールを含む全面に1%Si入りアルミニウム
等の電極材料をスパッタ法等で1μmの厚みに堆積し、
これをパターニングして、pMOSTFT及びnMOS
TFTのそれぞれのソース又はドレイン電極29(S又
はD)とゲート取出し電極又は配線30(G)を形成
し、トップゲート型の各CMOSTFTを形成する。こ
の後に、フォーミングガス中で400℃、1hの水素化
及びシンター処理する。
【0143】なお、上記のゲート電極の形成に代えて、
全面にMo−Ta合金等の耐熱性金属のスパッタ膜40
0〜500nm厚を形成し、汎用フォトリソグラフィ及
びエッチング技術により、nMOSTFT及びpMOS
TFTのゲート電極を形成してよい。
【0144】なお、上記のアモルファス又は微結晶カー
ボン薄膜をスパッタリングで形成し、これをバイアス触
媒AHA処理してトップゲート型多結晶シリコンCMO
STFTを製造する例について説明すると、まず、グラ
ファイトターゲットを、アルゴンガス0.133〜1.
33Paの真空中でスパッタリングして、ガラス基板等
の絶縁性基板の少なくともTFT形成領域に10〜20
nm厚のアモルファスカーボン膜を形成する。
【0145】次いで、このアモルファスカーボン膜をバ
イアス触媒AHA処理して、ダイヤモンド構造を有する
カーボン超微粒子を形成する。バイアス触媒AHA処理
条件は上述したものに準ずる。
【0146】次いで、ダイヤモンド構造を有するこのカ
ーボン超微粒子上に、シリコンターゲットをアルゴンガ
ス0.133〜1.33Paの真空中でスパッタリング
して、絶縁性基板の少なくともTFT形成領域に30〜
100nm厚、例えば50nm厚のアモルファスシリコ
ン膜を形成する。
【0147】次いで、これをバイアス触媒AHA処理し
て多結晶性シリコン膜化する。このバイアス触媒AHA
処理条件は上述したものに準ずる。必要に応じて、例え
ばダイヤモンド構造を有するカーボン超微粒子上にアモ
ルファスシリコンを10〜30nm厚に成膜し、バイア
ス触媒AHA処理後にアモルファスシリコンを10〜3
0nm厚に成膜し、更にバイアス触媒AHA処理を必要
回数繰り返す、いわゆるマルチバイアス触媒AHA処理
をしてもよい。この方が、より大きい粒径の多結晶性シ
リコン膜を形成できる。
【0148】これ以降は、上述したプロセスと同様であ
る。但し、多結晶性シリコン膜は、上述した触媒CVD
法で成長させてもよい。
【0149】なお、このスパッタリング膜を用いる方法
は、後述のボトムゲート型、デュアルゲート型CMOS
TFT等についても、同様に適用されてよい。
【0150】上述したように、本実施の形態によれば、
下記(a)〜(o)の優れた作用効果を得ることができ
る。
【0151】(a)上記のバイアス触媒AHA処理は、
10〜50Paの水素又は水素含有ガス圧下で、水素を
高温触媒体(例えばタングステン、1500〜2000
℃)に接触させて、高温の水素系活性種(水素系分子、
水素系原子、活性化水素イオン)などを形成し、絶縁性
基板上に形成したアモルファスカーボン膜又は微結晶カ
ーボン膜にグロー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁
界の作用による指向性運動エネルギーの付与下で吹き付
けると(基板温度200〜500℃)、大量の高温の水
素系活性種(水素系分子、水素系原子、活性化水素イオ
ン)などが有する熱エネルギーがその膜等に移動して、
その膜等の温度を局部的に上昇させ、高温の水素系活性
種の作用によりアモルファス構造のカーボンがエッチン
グされてアモルファスカーボン膜や微結晶カーボン膜は
結晶化して、アモルファスカーボン膜又は微結晶カーボ
ン膜表面又はガラス基板上に、ダイヤモンド構造を有す
るカーボン超微粒子(クラスタ)が点在し、これが多結
晶性シリコン成長の核として働く。
【0152】(b)また、上記のバイアス触媒AHA処
理において高温の水素系活性種(水素系分子、水素系原
子、活性化水素イオン)などを絶縁性基板上に形成した
アモルファスシリコン又は多結晶性シリコン又は微結晶
シリコンに吹き付けると(基板温度200〜500
℃)、大量の高温の水素系活性種(水素系分子、水素系
原子、活性化水素イオン)などが有する熱エネルギーが
その膜等に移動して、その膜等の温度を局部的に上昇さ
せ、高温の水素系活性種の作用によりアモルファス構造
のシリコンがエッチングされて、アモルファスシリコン
や微結晶シリコンは多結晶化し、多結晶性シリコンは高
結晶化して、大粒径多結晶性シリコン膜が形成され、キ
ャリア移動度向上が図れる。
【0153】(c)この時に、高温の水素系活性種(水
素系分子、水素系原子、活性化水素イオン)などを触媒
体温度等のみならず、電界又は/及び磁界で独立してコ
ントロールするので、効率良く処理でき、カーボン超微
粒子を十分に形成し、大粒径多結晶性シリコン膜化が可
能であり、高キャリア移動度、高品質の多結晶性シリコ
ン薄膜を得ることができる。又、例えば30keV、1
15atoms/cm2(SiF4使用)のシリコンイオ
ンの注入後にバイアス触媒AHA処理すると、結晶核成
長の促進により更に大粒径の多結晶性シリコン膜化が可
能であり、さらなる高キャリア移動度化が可能となる。
【0154】(d)基板上に形成したアモルファスシリ
コン又は多結晶性シリコン又は微結晶シリコンに大量の
高温の水素系活性種(水素系分子、水素系原子、活性化
水素イオン)などを吹き付けると、その膜上又は膜内又
は粒界にシリコン酸化物が存在したとき、これと反応し
てSiOを形成し蒸発するので、アモルファスシリコン
又は多結晶性シリコン又は微結晶シリコン膜上又は膜内
のシリコン酸化物を減少/除去させることができ、キャ
リア移動度の向上を図ることができる。
【0155】(e)このバイアス触媒AHA処理時に、
半導体薄膜中に存在するキャリア不純物は高温により効
率良く活性化され、各領域において最適なキャリア不純
物濃度を得る。
【0156】(f)また、活性化水素イオン等の水素系
活性種によるクリーニング(基板等への吸着ガス及び有
機物残渣等の還元除去)が可能であり、触媒体も酸化劣
化し難くなる(なお、このような効果は、上記のシリコ
ン薄膜を触媒CVDで形成する時も水素系キャリアガス
を用いることから、同様に生じる)。
【0157】(g)活性化水素イオン等の水素系活性種
の水素化作用により、半導体膜中の例えばシリコンダン
グリングボンドをなくし、特性が向上する。
【0158】(h)こうしてバイアス触媒AHA処理さ
れた多結晶性薄膜上に更に低級結晶性半導体薄膜を気相
成長させる工程を目的とする膜厚となるまで繰り返す
と、この半導体薄膜は既にバイアス触媒AHA処理で多
結晶化された下地膜上に多結晶化され易い状態で成長し
易くなり、目的とする高結晶化率、高品質の多結晶性半
導体薄膜を所定の膜厚で得ることができ、また上記した
と同様のクリーニング作用により酸素、金属等によるコ
ンタミを低減させて更なる高性能化、高品質化が可能と
なる。即ち、触媒CVDとバイアス触媒AHA処理を繰
り返すマルチバイアス触媒AHA処理により、例えば微
結晶シリコン含有アモルファスシリコン膜、アモルファ
スシリコン及び微結晶シリコン含有多結晶シリコン膜を
バイアス触媒AHA処理で多結晶性シリコン膜化した
後、更にこの多結晶シリコンをシードとした触媒CVD
又はバイアス触媒CVDで多結晶性シリコン膜の気相成
長、更にはバイアス触媒AHA処理を繰り返す(繰り返
し回数が1回で2ステップバイアス触媒AHA処理、2
回又はそれ以上ではマルチバイアス触媒AHA処理と称
する。)ので、高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコン
膜を形成することができる。この場合、上記の電界又は
/及び磁界(バイアス)の作用下で処理するため、効率
が向上し、バイアスを作用させない場合に比べて繰り返
し処理の回数を減少させ、スループットを向上させるこ
ともできる。
【0159】(i)触媒CVD又はバイアス触媒CVD
による成膜後にバイアス触媒AHA処理を行う場合、バ
イアス(電界又は/及び磁界)の種類及び処理条件、触
媒体の種類及び温度、基板加熱温度、気相成膜条件、原
料ガスの種類、添加するn又はp型不純物濃度、錫又は
他のIV族元素の種類と含有量等により、広範囲のn又は
p型不純物濃度の錫又は他のIV族元素(鉛、ゲルマニウ
ム)含有多結晶性シリコン膜が容易に得られ、またバイ
アス触媒AHA処理により多結晶性シリコン膜の大粒径
化、多結晶性シリコン粒界に存在する結晶不整を減少さ
せて内部応力を減少させ、同時に各領域に添加したn又
はp型不純物を活性化させるので、高いキャリア移動度
でしきい値(Vth)調整が容易となり、低抵抗での高速
動作が可能となる。
【0160】(j)なお、プラズマCVDによる成膜後
にバイアス触媒AHA処理を行う場合、プラズマCVD
でのアモルファスシリコン膜中に10〜20%含有する
水素をバイアス触媒AHA処理で減少/除去させ、大き
な粒径の多結晶性シリコン膜を形成するので、大きなキ
ャリア移動度の多結晶性シリコン膜の形成が可能とな
る。更に、基板加熱温度、気相成膜条件、原料ガスの種
類、バイアス(電界又は/及び磁界)の種類及び処理条
件、添加するn又はp型不純物濃度により、広範囲のn
又はp型不純物濃度の多結晶性シリコン膜が容易に得ら
れるので、高キャリア移動度でVth調整が容易で低抵抗
での高速動作が可能となる。
【0161】(k)スパッタリングによる成膜後にバイ
アス触媒AHA処理を行う場合、シリコンターゲットの
比抵抗(添加するn又はp型不純物濃度)、スパッタリ
ング成膜条件、基板加熱温度、バイアス(電界又は/及
び磁界)の種類及び処理条件等により、広範囲のn又は
p型不純物濃度の多結晶性シリコン膜が容易に得られる
ので、高キャリア移動度でVth調整が容易で低抵抗での
高速動作が可能となる。
【0162】(l)トップゲート型のみならず、ボトム
ゲート型、デュアルゲート型MOSTFTでも高い電子
/正孔移動度の大粒径多結晶性シリコン薄膜が得られる
ために、この高性能の多結晶性シリコン半導体を使用し
た高速、高電流密度の半導体装置、電気光学装置、更
に、高効率の太陽電池等の製造が可能となる。
【0163】(m)上記バイアス触媒AHA処理及び触
媒CVDは、プラズマの発生なしに行えるので、プラズ
マによるダメージがなく、またプラズマ処理に比べ、シ
ンプルで安価な装置を実現できる。
【0164】(n)基体温度を低温化しても上記活性種
のエネルギーが大きいために、目的とするダイヤモンド
構造のカーボン超微粒子が確実に安定して得られ、また
多結晶性シリコンの成膜が可能となることから、基体温
度を特に300〜400℃と低温化でき、従って大型で
安価な低歪点の絶縁基板(ガラス基板、耐熱性樹脂基板
等)を使用でき、この点でもコストダウンが可能とな
る。
【0165】(o)ゲートチャンネル/ソース/ドレイ
ン領域に添加されたn又はp型不純物の活性化に、条件
によっては触媒CVD装置が兼用できるので、設備投資
の削減、生産性向上でのコストダウンが可能となる。
【0166】第2の実施の形態 <LCDの製造例1>本実施の形態は、高温プロセスに
よる多結晶性シリコンMOSTFTを用いたLCD(液
晶表示装置)に本発明を適用したものであり、以下にそ
の製造例を示す(この製造例は、後述する有機ELやF
ED等の表示装置等にも同様に適用可能である)。
【0167】まず、図16の(1)に示すように、画素
部及び周辺回路部において、石英ガラス、結晶化ガラス
などの耐熱性絶縁基板61(歪点約800〜1100
℃、厚さ50ミクロン〜数mm)の一主面に、上述した
触媒CVD法等によって、保護膜(図示せず)の形成後
に、この上にアモルファス又は微結晶カーボン薄膜10
0Aを形成する。
【0168】次いで、図16の(2)に示すように、上
述のバイアス触媒AHA処理により、カーボン薄膜10
0Aをダイヤモンド構造のカーボン超微粒子層100B
に変化させる。
【0169】次いで、図16の(3)に示すように、上
述した触媒CVD法等によって、カーボン超微粒子層1
00Bをシードに多結晶性シリコン膜67を例えば50
nm厚に形成する。この多結晶性シリコン膜は、上述の
マルチバイアス触媒AHA処理により形成してよい。
【0170】次いで、図17の(4)に示すように、フ
ォトレジストマスクを用いて多結晶性シリコン膜67を
パターニング(アイランド化)し、トランジスタ、ダイ
オード等の能動素子、抵抗、容量、インダクタンス等の
受動素子の活性層を形成する。
【0171】次いで、トランジスタ活性層67のチャン
ネル領域の不純物濃度制御によるV thの最適化のために
前記と同様のボロン又は燐等の所定の不純物のイオン注
入を行なった後、図17の(5)に示すように、例えば
上記と同様の触媒CVD法等によって多結晶性シリコン
膜67の表面に厚さ例えば50nm厚のゲート絶縁膜用
の酸化シリコン膜68を形成する。触媒CVD法等でゲ
ート絶縁膜用の酸化シリコン膜68を形成する場合、基
板温度及び触媒体温度は上記したものと同様であるが、
酸素ガス流量は1〜2SCCM、モノシランガス流量は
15〜20SCCM、水素系キャリアガスは150SC
CMとしてよい。尚、チャンネル領域の不純物濃度制御
する前又は後に、例えば、約1000℃、30分の高温
熱酸化により、ゲート絶縁膜用の酸化シリコン膜68を
形成してもよい。
【0172】次いで、図17の(6)に示すように、ゲ
ート電極及びゲートライン用材料として、例えばMo−
Ta合金をスパッタリングで厚さ例えば400nm厚に
堆積させるか、或いは、リンドープド多結晶シリコン膜
を例えば水素系キャリアガス150SCCM、2〜20
SCCMのPH3及び20SCCMのモノシランガスの
供給下での上記と同様の触媒CVD法等によって厚さ例
えば400nm厚に堆積させる。そして、汎用フォトリ
ソグラフィー及びエッチング技術により、ゲート電極材
料層をゲート電極75及びゲートラインの形状にパター
ニングする。尚、リンドープド多結晶性シリコン膜の場
合は、触媒CVD等により、その表面に保護用酸化シリ
コン膜10〜20nm厚を形成してもよい。
【0173】次いで、図18の(7)に示すように、p
MOSTFT部をフォトレジスト78でマスクし、イオ
ン注入又はイオンドーピング法によりn型不純物である
例えばヒ素(又は燐)イオン79を例えば1×1015
toms/cm2のドーズ量でドーピングし、2×10
20atoms/ccのドナー濃度に設定し、nMOST
FTのn+型ソース領域80及びドレイン領域81をそ
れぞれ形成する。
【0174】次いで、図18の(8)に示すように、n
MOSTFT部をフォトレジスト82でマスクし、イオ
ン注入又はイオンドーピング法によりp型不純物である
例えばボロンイオン83を例えば1×1015atoms
/cm2のドーズ量でドーピングし、2×1020ato
ms/ccのアクセプタ濃度に設定し、pMOSTFT
のp+型ソース領域84及びドレイン領域85をそれぞ
れ形成する。
【0175】次いで、図18の(9)に示すように、全
面に上記したと同様の触媒CVD法等によって、水素系
キャリアガス150SCCMを共通として、1〜2SC
CMのHe希釈O2、15〜20SCCMのモノシラン
供給下で酸化シリコン膜を例えば100〜200nm厚
に、更に、1〜20SCCMのPH3、1〜2SCCM
のHe希釈O2、15〜20SCCMのモノシラン供給
下でフォスフィンシリケートガラス(PSG)膜を30
0〜400nm厚に形成し、50〜60SCCMのNH
3、15〜20SCCMのSiH4供給下で窒化シリコン
膜を例えば100〜200nm厚に形成する。これらの
絶縁膜の積層によって層間絶縁膜86を形成する。な
お、このような層間絶縁膜は、上記とは別の通常の方法
で形成してもよい。この後に、例えば900℃、5分間
のN2中のアニール又は1000℃、20〜30秒のN2
中のRTA処理によりイオン活性化し、各領域に設定し
たキャリア不純物濃度とする。
【0176】次いで、図19の(10)に示すように、
上記の絶縁膜86の所定位置にコンタクト窓開けを行
い、各コンタクトホールを含む全面にアルミニウムなど
の電極材料をスパッタ法等で1μmの厚みに堆積し、こ
れをパターニングして、画素部のnMOSTFTのソー
ス電極87及びデータライン、周辺回路部のpMOST
FT及びnMOSTFTのソース電極88、90とドレ
イン電極89、91及び配線をそれぞれ形成する。この
後に、例えばフォーミングガス中、400℃、1hの水
素化及びシンター処理する。
【0177】次いで、表面上に酸化シリコン膜等の層間
絶縁膜92をCVD法で形成した後、図19の(11)
に示すように、画素部のnMOSTFTドレイン領域に
おいて層間絶縁膜92及び86にコンタクトホールを開
け、例えばITO(Indium tin oxide:インジウム酸化
物にスズをドープした透明電極材料)を真空蒸着法等で
全面に堆積させ、パターニングしてnMOSTFTのド
レイン領域81に接続された透明画素電極93を形成す
る。この後に、例えばフォーミングガス中、250℃、
1h、アニールして、ITOとのオーミックコンタクト
を改善し、ITOの透明度を向上させる。
【0178】こうしてアクティブマトリクス基板(以
後、TFT基板と称する。)を作製し、透過型のLCD
を作製することができる。この透過型LCDは、図19
(12)に示すように、画素電極93上に配向膜94、
液晶95、配向膜96、透明電極97、対向基板98が
積層された構造からなっている。
【0179】なお、上記した工程は、反射型のLCDの
製造にも同様に適用可能である。図24(A)には、こ
の反射型のLCDの一例が示されているが、図中の10
1は粗面化された絶縁膜92上に被着された反射膜であ
り、MOSTFTのドレインと接続されている。
【0180】このLCDの液晶セルを面面組立で作製す
る場合(2インチサイズ以上の中/大型液晶パネルに適
している。)、まずTFT基板61と、全面ベタのIT
O(Indium Tin Oxide)電極97を設けた対向基板98
の素子形成面に、ポリイミド配向膜94、96を形成す
る。このポリイミド配向膜はロールコート、スピンコー
ト等により50〜100nm厚に形成し、180℃/2
hで硬化キュアする。
【0181】次いで、TFT基板61と対向基板98を
ラビング、又は光配向処理する。ラビングバフ材にはコ
ットンやレーヨン等があるが、バフかす(ゴミ)やリタ
デーション等の面からはコットンの方が安定している。
光配向は非接触の線型偏光紫外線照射による液晶分子の
配向技術である。なお、配向には、ラビング以外にも、
偏光又は非偏光を斜め入射させることによって高分子配
向膜を形成することができる(このような高分子化合物
は、例えばアゾベンゼンを有するポリメチルメタクリレ
ート系高分子等がある)。
【0182】次いで、洗浄後に、TFT基板61側には
コモン剤塗布、対向基板98側にはシール剤塗布する。
ラビングバフかす除去のために、水、又はIPA(イソ
プロピルアルコール)洗浄する。コモン剤は導電性フィ
ラーを含有したアクリル、又はエポキシアクリレート、
又はエポキシ系接着剤であってよく、シール剤はアクリ
ル、又はエポキシアクリレート、又はエポキシ系接着剤
であってよい。加熱硬化、紫外線照射硬化、紫外線照射
硬化+加熱硬化のいずれも使用できるが、重ね合せの精
度と作業性からは紫外線照射硬化+加熱硬化タイプが良
い。
【0183】次いで、対向基板98側に所定のギャップ
を得るためのスペーサを散布し、TFT基板61と所定
の位置で重ね合せる。対向基板98側のアライメントマ
ークとTFT基板61側のアライメントマークとを精度
よく合わせた後に、紫外線照射してシール剤を仮硬化さ
せ、その後に一括して加熱硬化する。
【0184】次いで、スクライブブレークして、TFT
基板61と対向基板98を重ね合せた単個の液晶パネル
を作成する。
【0185】次いで、液晶95を両基板61−98間の
ギャップ内に注入し、注入口を紫外線接着剤で封止後
に、IPA洗浄する。液晶の種類は何れでも良いが、例
えばネマティック液晶を用いる高速応答のTN(ツイス
トネマティック)モードが一般的である。
【0186】次いで、加熱急冷処理して、液晶95を配
向させる。
【0187】次いで、TFT基板61のパネル電極取り
出し部にフレキシブル配線を異方性導電膜の熱圧着で接
続し、更に対向基板98に偏光板を貼合わせる。
【0188】また、液晶パネルの面単組立の場合(2イ
ンチサイズ以下の小型液晶パネルに適している。)、上
記と同様、TFT基板61と対向基板98の素子形成面
に、ポリイミド配向膜94、96を形成し、両基板をラ
ビング、又は非接触の線型偏光紫外線光の配向処理す
る。
【0189】次いで、TFT基板61と対向基板98を
ダイシング又はスクライブブレークで単個に分割し、水
又はIPA洗浄する。TFT基板61にはコモン剤塗
布、対向基板98にはスペーサ含有のシール剤塗布し、
両基板を重ね合せる。これ以降のプロセスは上記に準ず
る。
【0190】上記したLCDにおいて、対向基板98は
CF(カラーフィルタ)基板であって、カラーフィルタ
層(図示せず)をITO電極97下に設けたものであ
る。対向基板98側からの入射光は例えば反射膜93で
効率良く反射されて対向基板98側から出射してよい。
【0191】他方、TFT基板61として、TFT基板
61にカラーフィルタを設けたオンチップカラーフィル
タ(OCCF)構造のTFT基板とするときには、対向
基板98にはITO電極がベタ付け(又はブラックマス
ク付きのITO電極がベタ付け)される。
【0192】透過型LCDの場合、次のようにしてオン
チップカラーフィルタ(OCCF)構造とオンチップブ
ラック(OCB)構造を作製することができる。
【0193】即ち、図19の(13)に示すように、フ
ォスフィンシリケートガラス/酸化シリコンの絶縁膜8
6のドレイン部も窓開けしてドレイン電極用のアルミニ
ウム埋込み層を形成した後、R、G、Bの各色を各セグ
メント毎に顔料分散したフォトレジスト99を所定厚さ
(1〜1.5μm)で形成した後、汎用フォトリソグラ
フィ技術で所定位置(各画素部)のみを残すパターニン
グで各カラーフィルタ層99(R)、99(G)、99
(B)を形成する(オンチップカラーフィルタ構造)。
この際、ドレイン部の窓開けも行う。なお、不透明なセ
ラミック基板や低透過率のガラス及び耐熱性樹脂基板は
使用できない。
【0194】次いで、表示用TFTのドレインに連通す
るコンタクトホールに、カラーフィルタ層上にかけてブ
ラックマスク層となる遮光層100’を金属のパターニ
ングで形成する。例えば、スパッタ法により、モリブデ
ンを200〜250nm厚で成膜し、表示用MOSTF
Tを覆って遮光する所定の形状にパターニングする(オ
ンチップブラック構造)。
【0195】次いで、透明樹脂の平坦化膜92を形成
し、更にこの平坦化膜に設けたスルーホールにITO透
明電極93を遮光層100’に接続するように形成す
る。
【0196】このように、表示アレイ部上に、カラーフ
ィルタ99やブラックマスク100’を作り込むことに
より、液晶表示パネルの開口率を改善し、またバックラ
イトも含めたディスプレイモジュールの低消費電力化が
実現する。
【0197】図20は、上述のトップゲート型MOST
FTを組み込んで駆動回路一体型に構成したアクティブ
マトリクス液晶表示装置(LCD)の全体を概略的に示
すものである。このアクティブマトリクスLCDは、主
基板61(これはアクティブマトリクス基板を構成す
る。)と対向基板98とをスペーサ(図示せず)を介し
て貼り合わせたフラットパネル構造からなり、両基板6
1−98間に液晶(ここでは図示せず)が封入されてい
る。主基板61の表面には、マトリクス状に配列した画
素電極93と、この画素電極を駆動するスイッチング素
子とからなる表示部、及びこの表示部に接続される周辺
駆動回路部とが設けられている。
【0198】表示部のスイッチング素子は、上記したn
MOS又はpMOS又はCMOSでLDD構造のトップ
ゲート型MOSTFTで構成される。また、周辺駆動回
路部にも、回路要素として、上記したトップゲート型M
OSTFTのCMOS又はnMOS又はpMOSTFT
又はこれらの混在が形成されている。なお、一方の周辺
駆動回路部はデータ信号を供給して各画素のTFTを水
平ライン毎に駆動する水平駆動回路であり、また他方の
周辺駆動回路部は各画素のTFTのゲートを走査ライン
毎に駆動する垂直駆動回路であり、通常は表示部の両辺
にそれぞれ設けられる。これらの駆動回路は、点順次ア
ナログ方式、線順次デジタル方式のいずれも構成でき
る。
【0199】図21に示すように、直交するゲートバス
ラインとデータバスラインの交差部に上記のMOSTF
Tが配置され、このMOSTFTを介して液晶容量(C
LC)に画像情報を書き込み、次の情報がくるまで電荷を
保持する。この場合、TFTのチャンネル抵抗だけで保
持させるには十分ではないので、それを補うため液晶容
量と並列に蓄積容量(補助容量)(CS)を付加し、リ
ーク電流による液晶電圧の低下を補ってよい。こうした
LCD用MOSTFTでは、画素部(表示部)に使用す
るTFTの特性と周辺駆動回路に使用するTFTの特性
とでは要求性能が異なり、特に画素部のTFTではオフ
電流の制御、オン電流の確保が重要な問題となる。この
ため、表示部には、後述の如きLDD構造のTFTを設
けることによって、ゲート−ドレイン間に電界がかかり
にくい構造としてチャンネル領域にかかる実効的な電界
を低減させ、オフ電流を低減し、特性の変化も小さくで
きる。しかし、プロセス的には複雑になり、素子サイズ
も大きくなり、かつオン電流が低下するなどの問題も発
生するため、それぞれの使用目的に合わせた最適設計が
必要である。
【0200】なお、使用可能な液晶としては、TN液晶
(アクティブマトリクス駆動のTNモード用に用いられ
るネマチック液晶)をはじめ、STN(スーパーツイス
テッドネマチック)、GH(ゲスト・ホスト)、PC
(フェーズ・チェンジ)、FLC(強誘電性液晶)、A
FLC(反強誘電性液晶)、PDLC(ポリマー分散型
液晶)等の各種モード用の液晶を採用してよい。
【0201】<LCDの製造例2>次に、本実施の形態
による低温プロセスの多結晶性シリコンMOSTFTを
用いたLCD(液晶表示装置)の製造例を示す(この製
造例は後述する有機ELやFEDの表示装置等にも同様
に適用可能である)。
【0202】この製造例では、上述の製造例1におい
て、基板61としてアルミノけい酸ガラス、ホウケイ酸
ガラス等を使用し、図16の(1)、(2)及び(3)
の工程を同様に行う。即ち、基板61上に触媒CVDと
バイアス触媒AHA処理により錫含有(又は非含有)の
多結晶性シリコン膜67を形成してこれをアイランド化
し、表示領域のnMOSTFT部と周辺駆動回路領域の
nMOSTFT部及びpMOSTFT部を形成する。こ
の場合、同時に、ダイオード、コンデンサ、インダクタ
ンス、抵抗等の領域を形成する。
【0203】次いで、図22の(1)に示すように(但
し、ダイヤモンド構造の超微粒子層100Bは図示省
略:以下、同様)、各MOSTFTゲートチャンネル領
域のキャリア不純物濃度を制御してVthを最適化するた
めに、表示領域のnMOSTFT部と周辺駆動回路領域
のnMOSTFT部をフォトレジスト82でカバーし、
周辺駆動回路領域のpMOSTFT部に、イオン注入又
はイオンドーピング法により例えば燐、ひ素等のn型不
純物79を1×1012atoms/cm2のドーズ量で
ドーピングし、2×1017atoms/ccのドナー濃
度に設定し、更に図22の(2)に示すように、周辺駆
動回路領域のpMOSTFT部をフォトレジスト82で
カバーし、表示領域のnMOSTFT部と周辺駆動回路
領域のnMOSTFT部に、イオン注入又はイオンドー
ピング法により例えばボロン等のp型不純物83を5×
1011atoms/cm2のドーズ量でドーピングし、
1×1017atoms/ccのアクセプタ濃度を設定す
る。
【0204】次いで、図22の(3)に示すように、表
示領域のnMOSTFT部にn-型のLDD(Lightly D
oped Drain)部を形成するために、汎用フォトリソグラ
フィ技術により、表示領域のnMOSTFTのゲート部
と周辺駆動領域のpMOSTFT及びnMOSTFT全
部をフォトレジスト82で覆い、露出した表示領域のn
MOSTFTのソース/ドレイン領域に、イオン注入又
はイオンドーピング法により例えば燐等のn型不純物7
9を1×1013atoms/cm2のドーズ量でドーピ
ングし、2×1018atoms/ccのドナー濃度に設
定して、n-型のLDD部を形成する。
【0205】次いで、図23の(4)に示すように、表
示領域のnMOSTFT部及び周辺駆動回路領域のnM
OSTFT部の全部をフォトレジスト82でカバーし、
周辺駆動回路領域のpMOSTFT部のゲート部をフォ
トレジスト82でカバーして露出したソース、ドレイン
領域に、イオン注入又はイオンドーピング法により例え
ばボロン等のp型不純物83を1×1015atoms/
cm2のドーズ量でドーピングし、2×1020atom
s/ccのアクセプタ濃度に設定してp+型のソース部
84、ドレイン部85を形成する。
【0206】次いで、図23の(5)に示すように、周
辺駆動回路領域のpMOSTFT部をフォトレジスト8
2でカバーし、表示領域のnMOSTFTのゲート及び
LDD部と周辺駆動回路領域のnMOSTFT部のゲー
ト部をフォトレジスト82でカバーし、露出した表示領
域及び周辺駆動領域のnMOSTFTのソース、ドレイ
ン領域に、イオン注入又はイオンドーピング法により例
えば燐、ひ素等のn型不純物79を1×1015atom
s/cm2のドーズ量でイオンドーピングし、2×10
20atoms/ccのドナー濃度に設定し、n+型のソ
ース部80、ドレイン部81を形成する。
【0207】次いで、図23の(6)に示すように、プ
ラズマCVD、TEOS系プラズマCVD、触媒CVD
法等により、ゲート絶縁膜68として、酸化シリコン膜
40〜50nm厚、窒化シリコン膜10〜20nm厚、
酸化シリコン膜40〜50nm厚の積層膜を形成する。
そして、ハロゲンランプ等でのRTA処理を例えば、約
1000℃、10〜30秒行い、添加したn又はp型不
純物を活性化することにより、設定した各々のキャリア
不純物濃度を得る。
【0208】この後に、全面に400〜500nm厚の
1%Si入りアルミニウムスパッタ膜を形成し、汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチングにより、全TFTのゲ
ート電極75及びゲートラインを形成する。更にこの後
に、プラズマCVD、触媒CVD法等により、酸化シリ
コン膜100〜200nm厚、フォスフィンシリケート
ガラス(PSG)膜200〜300nm厚、窒化シリコ
ン膜100〜200nm厚の積層膜からなる絶縁膜86
を形成する。
【0209】次いで、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術により、周辺駆動回路の全TFT部のソース
/ドレイン部及び表示用nMOSTFT部のソース部の
窓開けを行う。窒化シリコン膜はCF4のプラズマエッ
チング、酸化シリコン膜及びリンシリケートガラス膜は
フッ酸系エッチング液でエッチング処理する。
【0210】次いで、図23の(7)に示すように、全
面に400〜500nm厚の1%Si入りアルミニウム
スパッタ膜を形成し、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術により、周辺駆動回路の全TFTのソース、
ドレイン電極88、89、90、91を形成すると同時
に、表示用nMOSTFTのソース電極87及びデータ
ラインを形成する。
【0211】次いで、図示は省略したが、プラズマCV
D、触媒CVD法等により、酸化シリコン膜100〜2
00nm厚、フォスフィンシリケートガラス(PSG
膜)200〜300nm厚、窒化シリコン膜100〜3
00nm厚を層間絶縁膜(上述の92)として全面に形
成し、フォーミングガス中で約400℃、1時間、水素
化及びシンター処理する。その後に、表示用nMOST
FTのドレイン部コンタクト用窓開けを行う。
【0212】ここで、LCDが透過型の場合は、画素開
口部の酸化シリコン膜、フォスフィンシリケートガラス
膜及び窒化シリコン膜は除去し、また反射型の場合は、
画素開口部等の酸化シリコン膜、フォスフィンシリケー
トガラス膜及び窒化シリコン膜は除去する必要はない
(これは上述又は後述のLCDにおいても同様であ
る)。
【0213】透過型の場合、図19の(10)と同様
に、全面に、スピンコート等で2〜3μm厚のアクリル
系透明樹脂平坦化膜を形成し、汎用フォトリソグラフィ
及びエッチング技術により、表示用TFTのドレイン側
の透明樹脂窓開けを形成した後、全面に130〜150
nm厚のITOスパッタ膜を形成し、汎用フォトリソグ
ラフィ及びエッチング技術により、表示用nMOSTF
Tのドレイン部とコンタクトしたITO透明電極を形成
する。更に熱処理(フォーミングガス中で200〜25
0℃、1時間)により、コンタクト抵抗の低減化とIT
O透明度向上を図る。
【0214】反射型の場合は、全面に、スピンコート等
で2〜3μm厚の感光性樹脂膜を形成し、汎用フォトリ
ソグラフィ及びエッチング技術により、少なくとも画素
部に凹凸形状パターンを形成し、リフローさせて凹凸反
射下部を形成する。同時に、表示用nMOSTFTのド
レイン部の感光性樹脂窓開けを形成する。しかる後、全
面に、300〜400nm厚の1%Si入りアルミニウ
ムスパッタ膜を形成し、汎用フォトリソグラフィ及びエ
ッチング技術により、画素部以外のアルミニウム膜を除
去し、表示用nMOSTFTのドレイン電極と接続した
凹凸形状のアルミニウム反射部を形成する。その後に、
フォーミングガス中で300℃、1時間シンター処理す
る。
【0215】なお、上記において、nMOSTFTのソ
ース、ドレインを形成した後に、バイアス触媒AHA処
理すれば、多結晶性シリコン膜の膜温度を局部的に上昇
させ、結晶化が更に促進され、高移動度及び高品質の多
結晶性シリコン膜を形成する。同時に、大量の高温の水
素系活性種(水素系分子、水素系原子、活性化水素イオ
ン)などが有する熱エネルギーが膜に移動して、膜温度
を局部的に上昇させるので、ゲートチャンネル/ソース
/ドレイン領域に注入された燐、ひ素、ボロンイオン等
が活性化される。
【0216】なお、プラズマCVD法によってアモルフ
ァスシリコン含有微結晶シリコン膜を形成した場合、膜
中に10〜20%の水素が含有されるが、バイアス触媒
AHA処理によって減少/除去することができて多結晶
性シリコン膜化し、高移動度及び高品質の多結晶性シリ
コン膜を形成する。又、アモルファスシリコン含有微結
晶シリコン等の膜上又は膜内にシリコン酸化物が存在す
るときに、これと還元反応してSiOを生成し、蒸発さ
せるので、それらの膜上又は膜内のシリコン酸化物を減
少/除去させることができ、高移動度及び高品質の多結
晶性シリコン膜を形成できる。
【0217】<ボトムゲート型又はデュアルゲート型M
OSTFT>MOSTFTを組み込んだ例えばLCDに
おいて、上述のトップゲート型に代えて、ボトムゲート
型、デュアルゲート型のMOSTFTからなる透過型L
CDを製造した例を述べる(但し、反射型LCDも同様
である)。
【0218】図24(B)に示すように、表示部及び周
辺部にはボトムゲート型のnMOSTFTが設けられ、
或いは図24(C)に示すように、表示部及び周辺部に
はデュアルゲート型のnMOSTFTがそれぞれ設けら
れている。これらのボトムゲート型、デュアルゲート型
MOSTFTのうち、特にデュアルゲート型の場合には
上下のゲート部によって駆動能力が向上し、高速スイッ
チングに適し、また上下のゲート部のいずれかを選択的
に用いて場合に応じてトップゲート型又はボトムゲート
型として動作させることもできる。
【0219】図24(B)のボトムゲート型MOSTF
Tにおいて、図中の102はMo−Ta合金等のゲート
電極であり、103は窒化シリコン膜及び104は酸化
シリコン膜であってゲート絶縁膜を形成し、このゲート
絶縁膜上にはトップゲート型MOSTFTと同様の多結
晶性シリコン膜67を用いたチャンネル領域等が形成さ
れている。また、図24(C)のデュアルゲート型MO
STFTにおいて、下部ゲート部はボトムゲート型MO
STFTと同様であるが、上部ゲート部は、ゲート絶縁
膜106を酸化シリコン膜と窒化シリコン膜、必要に応
じて更に酸化シリコン膜の積層膜で形成し、この上に上
部ゲート電極75を設けている。
【0220】<ボトムゲート型MOSTFTの製造>ま
ず、ガラス基板61上の全面に、Mo−Ta合金のスパ
ッタ膜を300〜400nm厚に形成し、これを汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチング技術により20〜45
度のテーパーエッチングし、少なくともTFT形成領域
に、ボトムゲート電極102を形成すると同時に、ゲー
トラインを形成する。ガラス材質の使い分けは上述した
トップゲート型に準ずる。
【0221】次いで、プラズマCVD、TEOS系プラ
ズマCVD、触媒CVD、減圧CVD等の気相成長法に
より、ゲート絶縁膜及び保護膜用の窒化シリコン膜10
3及び酸化シリコン膜104と、錫含有のアモルファス
シリコン含有微結晶シリコン膜とを形成する。この膜は
上述したと同様に更にバイアス触媒AHA処理を繰り返
して多結晶性シリコン膜67を形成する。これらの気相
成膜条件は上述したトップゲート型に準ずる。なお、ボ
トムゲート絶縁膜及び保護膜用の窒化シリコン膜はガラ
ス基板からのNaイオンストッパ作用を期待して設ける
ものであるが、合成石英ガラスの場合は不要である。
【0222】これ以降のプロセスは上述したものに準ず
るが、すでに上記の工程でゲート電極を形成しているの
で、ここではゲート電極用多結晶シリコン膜形成、ゲー
ト電極形成、ゲート多結晶シリコン酸化工程は不要であ
る。
【0223】そして次に、上述したと同様に、pMOS
TFT、nMOSTFT領域をアイランド化し(但し、
一方の領域のみを図示:以下、同様)、各チャンネル領
域のキャリア不純物濃度を制御してVthを最適化するた
めに、イオン注入又はイオンドーピング法によりn型又
はp型不純物を適当量混入した後、更に、各MOSTF
Tのソース、ドレイン領域を形成するためにイオン注入
又はイオンドーピング法によりn型又はp型不純物を適
当量混入させる。この後に、不純物活性化のためにRT
A処理(約1000℃、10〜30秒間)する。
【0224】これ以降のプロセスは、上述したものに準
ずる。
【0225】<デュアルゲート型MOSTFTの製造>
上記のボトムゲート型と同様に、ボトムゲート電極10
2、ゲート絶縁膜103及び104、多結晶性シリコン
膜67をそれぞれ形成する。但し、ボトムゲート絶縁膜
及び保護膜用の窒化シリコン膜103はガラス基板から
のNaイオンストッパ作用を期待して設けるものである
が、合成石英ガラスの場合は不要である。
【0226】そして次に、上述したと同様に、pMOS
TFT、nMOSTFT領域をアイランド化し、各チャ
ンネル領域のキャリア不純物濃度を制御してVthを最適
化するために、イオン注入又はイオンドーピング法によ
りn型又はp型不純物を適当量混入した後、更に、各M
OSTFTのソース、ドレイン領域を形成するためにイ
オン注入又はイオンドーピング法によりn型又はp型不
純物を適当量混入させる。
【0227】次いで、トップゲート絶縁膜106用の酸
化シリコン膜及び窒化シリコン膜、必要に応じて更に酸
化シリコン膜の積層膜を成膜する。気相成長条件は上述
したトップゲート型に準ずる。この後に、不純物活性化
のためにRTA処理(約1000℃、10〜30秒間)
する。
【0228】この後に、全面に400〜500nm厚の
1%Si入りアルミニウムスパッタ膜を形成し、汎用フ
ォトリグラフィ及びエッチング技術により、全TFTの
トップゲート電極75及びゲートラインを形成する。こ
の後に、プラズマCVD、触媒CVD法等により、酸化
シリコン膜100〜200nm厚、フォスフィンシリケ
ートガラス(PSG)膜200〜300nm厚からなる
絶縁膜86を形成する。次に、汎用フォトリソグラフィ
及びエッチング技術により、周辺駆動回路の全MOST
FTのソース、ドレイン電極部、さらに表示部nMOS
TFTのソース電極部の窓開けを行う。
【0229】次いで、全面に400〜500nm厚の1
%Si入りアルミニウムスパッタ膜を形成し、汎用フォ
トリソグラフィ及びエッチング技術により、ソース及び
ドレインの各アルミニウム電極87、88及び89、ソ
ースライン及び配線等を形成する。次いで、プラズマC
VD、触媒CVD法等により、酸化シリコン膜100〜
200nm厚、フォスフィンシリケートガラス(PSG
膜)200〜300nm厚、窒化シリコン膜100〜3
00nm厚を層間絶縁膜92として全面に形成し、フォ
ーミングガス中で約400℃、1時間、水素化及びシン
ター処理する。その後に、表示用nMOSTFTのドレ
イン部コンタクト用窓開けを行い、画素電極93を形成
する。
【0230】上述したように、本実施の形態によれば、
上述の第1の実施の形態と同様に、触媒CVD又はバイ
アス触媒CVDとバイアス触媒AHA処理により、LC
Dの表示部及び周辺駆動回路部のMOSTFTのゲート
チャンネル、ソース及びドレイン領域となる、高キャリ
ア移動度でVth調整が容易であり、低抵抗での高速動作
が可能な多結晶性シリコン膜を形成することができる。
この多結晶性シリコン膜によるトップゲート、ボトムゲ
ート又はデュアルゲート型MOSTFTを用いた液晶表
示装置は、高いスイッチング特性と低リーク電流のLD
D構造を有する表示部と、高い駆動能力のCMOS、又
はnMOS、又はpMOS周辺駆動回路を一体化した構
成が可能となり、高画質、高精細、狭額縁、高効率、安
価な液晶パネルの実現が可能である。
【0231】そして、低温(300〜400℃)で形成
できるので、安価で、大型化が容易な低歪点ガラスを採
用でき、コストダウンが可能となる。しかも、アレイ部
上にカラーフィルタやブラックマスクを作り込むことに
より、液晶表示パネルの開口率、輝度等を改善し、カラ
ーフィルタ基板を不要とし、生産性改善等によるコスト
ダウンが実現する。
【0232】第3の実施の形態 本実施の形態は、本発明を有機又は無機のエレクトロル
ミネセンス(EL)表示装置、例えば有機EL表示装置
に適用したものである。以下にその構造例と製造例を示
す。
【0233】<有機EL素子の構造例I>図25
(A)、(B)に示すように、この構造例Iによれば、
ガラス等の基板111上に、本発明に基づいて上述した
方法で形成された高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコ
ン膜によって、スイッチング用MOSTFT1と電流駆
動用MOSTFT2のゲートチャンネル117、ソース
領域120及びドレイン領域121が形成されている。
そして、ゲート絶縁膜118上にゲート電極115、ソ
ース及びドレイン領域上にソース電極127及びドレイ
ン電極128、131が形成されている。MOSTFT
1のドレインとMOSTFT2のゲートとはドレイン電
極128を介して接続されていると共に、MOSTFT
2のソース電極127との間に絶縁膜136を介してキ
ャパシタCが形成され、かつ、MOSTFT2のドレイ
ン電極131は有機EL素子の陰極138にまで延設さ
れている。
【0234】各MOSTFTは絶縁膜130で覆われ、
この絶縁膜上には陰極を覆うように有機EL素子の例え
ば緑色有機発光層132(又は青色有機発光層133、
更には図示しない赤色有機発光層)が形成され、この有
機発光層を覆うように陽極(1層目)134が形成さ
れ、更に共通の陽極(2層目)135が全面に形成され
ている。なお、CMOSTFTからなる周辺駆動回路、
映像信号処理回路、メモリー回路等の製法は、上述した
液晶表示装置に準ずる(以下、同様)。
【0235】この構造の有機EL表示部は、有機EL発
光層が電流駆動用MOSTFT2のドレインに接続さ
れ、陰極(Li−Al、Mg−Agなど)138がガラ
ス等の基板111の面に被着され、陽極(ITO膜な
ど)134、135がその上部に設けられており、従っ
て、上面発光136’となる。また、陰極がMOSTF
T上を覆っている場合は発光面積が大きくなり、このと
きには陰極が遮光膜となり、発光光等がMOSTFTに
入射しないのでリーク電流発生がなく、TFT特性の悪
化がない。
【0236】また、各画素部周辺に図25(C)のよう
にブラックマスク部(クロム、二酸化クロム等)140
を形成すれば、光漏れ(クロストーク等)を防止し、コ
ントラストの向上が図れる。
【0237】なお、画素表示部に緑色、青色、赤色の3
色発光層を使用する方法、色変換層を使用する方法、白
色発光層にカラーフィルターを使用する方法のいずれで
も、良好なフルカラーのEL表示装置が実現でき、ま
た、各色発光材料である高分子化合物のスピンコーティ
ング法、又は金属錯体の真空加熱蒸着法においても、長
寿命、高精度、高品質、高信頼性のフルカラー有機EL
部を生産性良く作成できるので、コストダウンが可能と
なる(以下、同様)。
【0238】従来のこの種の有機ELは、アモルファス
シリコンTFTを用いているので、Vthが変動しても電
流値が変わり易く、画質に変動が起き易い。しかも、移
動度が小さいため、高速応答でドライブできる電流にも
限界があり、またpチャンネルの形成が困難であり、小
規模なCMOS回路構成さえも困難である。そこで、比
較的大面積化が容易であって高信頼性で移動度も高く、
CMOS回路構成も可能な多結晶シリコンTFTを用い
ることが望ましいが、従来の多結晶シリコン膜は、1)
アモルファスシリコン膜を300〜400℃のプラズマ
CVD法で成膜し、エキシマレーザーアニールして多結
晶シリコン膜化する。2)アモルファスシリコン膜を4
30〜500℃のLPCVD法で成膜し、窒素ガス中で
600℃/5〜20hrと850℃/0.5〜3hrで
固相成長させて多結晶シリコン膜化する。
【0239】しかし、1)は、高価なエキシマレーザー
装置の採用、エキシマレーザーの不安定性起因のTFT
特性むらと品質問題、生産性低下等によるコストアップ
となる。2)は、600℃以上、15〜20hrsの長
時間の熱処理のために、汎用ガラス基板を使用できず、
石英ガラス採用となるので、コストアップとなる。ま
た、フルカラー有機EL層では、その微細加工プロセス
において、電極の酸化や有機EL材料が酸素、水分にさ
らされたり、加熱で構造変化(溶解あるいは再結晶化)
して劣化しやすいので、各色発光領域を高精度に形成す
るのが難しい。
【0240】次に、本実施の形態による有機EL素子の
製造プロセスを説明すると、まず、図26の(1)に示
すように、上述した工程を経て多結晶性シリコン膜から
なるソース領域120、チャンネル領域117及びドレ
イン領域121を形成した後、ゲート絶縁膜118を形
成し、この上にMOSTFT1、2のゲート電極115
をMo−Ta合金等のスパッタリング成膜とフォトリソ
グラフィ及びエッチング技術により形成し、またMOS
TFT1のゲート電極に接続されるゲートラインをスパ
ッタリング成膜とフォトリソグラフィ及びエッチング技
術により(以下、同様)形成する。そして、オーバーコ
ート膜(酸化シリコン等)137を触媒CVD等の気相
成長法により(以下、同様)形成後、MOSTFT2の
ソース電極127及びアースラインを形成し、更にオー
バーコート膜(酸化シリコン/窒化シリコン積層膜な
ど)136を形成する。
【0241】次いで、図26の(2)に示すように、M
OSTFT1のソース/ドレイン部、MOSTFT2の
ゲート部の窓開けを行った後、図26の(3)に示すよ
うに、1%Si入りAlのスパッタリングと汎用フォト
リソグラフィ及びエッチング技術によりMOSTFT1
のドレイン電極とMOSTFT2のゲート電極を1%S
i入りAl配線128で接続し、同時にMOSTFT1
のソース電極と、この電極に接続される1%Si入りA
lからなるソースラインを形成する。そして、オーバー
コート膜(酸化シリコン/フォスフィンシリケートガラ
ス/窒化シリコン積層膜など)130を形成し、MOS
TFT2のドレイン部の窓開けを行い、MOSTFT2
のドレイン部と接続した発光部の陰極138を形成す
る。
【0242】次いで、図26の(4)に示すように、有
機発光層132等及び陽極134、135を形成する。
【0243】なお、上記において、緑色(G)発光有機
EL層、青色(B)発光有機EL層、赤色(R)発光有
機EL層はそれぞれ、100〜200nm厚に形成する
が、これらの有機EL層は、低分子化合物の場合は真空
加熱蒸着法で形成され、高分子化合物の場合はディッピ
ングコーティング、スピンコーティングなどの塗布法や
インクジェット法によりR、G、B発光ポリマーを配列
する方法が用いられる。金属錯体の場合は、昇華可能な
材料を真空加熱蒸着法で形成される。
【0244】有機EL層には、単層型、二層型、三層型
等があるが、ここでは低分子化合物の三層型の例を示
す。 単層型;陽極/バイポーラー発光層/陰極、 二層型;陽極/ホール輸送層/電子輸送性発光層/陰
極、又は陽極/ホール輸送性発光層/電子輸送層/陰
極、 三層型;陽極/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰
極、又は陽極/ホール輸送性発光層/キャリアブロック
層/電子輸送性発光層/陰極
【0245】なお、図25(B)の素子において、有機
発光層の代わりに公知の発光ポリマーを用いれば、パッ
シブマトリクス又はアクティブマトリクス駆動の発光ポ
リマー表示装置(LEPD)として構成することができ
る(以下、同様)。
【0246】<有機EL素子の構造例II>図27
(A)、(B)に示すように、この構造例IIによれば、
ガラス等の基板111上に、上記の構造例Iと同様に、
本発明に基づいて上述した方法で形成された高結晶化
率、大粒径の多結晶性シリコン膜によって、スイッチン
グ用MOSTFT1と電流駆動用MOSTFT2のゲー
トチャンネル117、ソース領域120及びドレイン領
域121が形成されている。そして、ゲート絶縁膜11
8上にゲート電極115、ソース及びドレイン領域上に
ソース電極127及びドレイン電極128、131が形
成されている。MOSTFT1のドレインとMOSTF
T2のゲートとはドレイン電極128を介して接続され
ていると共に、MOSTFT2のドレイン電極131と
の間に絶縁膜136を介してキャパシタCが形成され、
かつ、MOSTFT2のソース電極127は有機EL素
子の陽極144にまで延設されている。
【0247】各MOSTFTは絶縁膜130で覆われ、
この絶縁膜上には陽極を覆うように有機EL素子の例え
ば緑色有機発光層132(又は青色有機発光層133、
更には図示しない赤色有機発光層)が形成され、この有
機発光層を覆うように陰極(1層目)141が形成さ
れ、更に共通の陰極(2層目)142が全面に形成され
ている。
【0248】この構造の有機EL表示部は、有機EL発
光層が電流駆動用MOSTFT2のソースに接続され、
ガラス等の基板111の面に被着された陽極144を覆
うように有機EL発光層を形成し、その有機EL発光層
を覆うように陰極141を形成し、全面に陰極142を
形成しており、従って、下面発光136’となる。ま
た、陰極が有機EL発光層間及びMOSTFT上を覆っ
ている。即ち、全面に、例えば緑色発光有機EL層を真
空加熱蒸着法等により形成した後に、緑色発光有機EL
部をフォトリソグラフィ及びドライエッチングで形成
し、連続して同様に、青色、赤色発光有機EL部を形成
し、最後に全面に陰極(電子注入層)141をマグネシ
ウム:銀合金又はアルミニウム:リチウム合金により形
成する。この全面に更に形成した陰極(電子注入層)で
密封するので、外部から有機EL層間に湿気が侵入する
ことを特に全面被着の陰極142により防止して湿気に
弱い有機EL層の劣化や電極の酸化を防止し、長寿命、
高品質、高信頼性が可能となる(これは、図25の構造
例Iでも陽極で全面被覆されているため、同様であ
る)。また、陰極141及び142により放熱効果が高
まるので、発熱による薄膜の構造変化(融解又は再結晶
化)が低減し、長寿命、高品質、高信頼性が可能とな
る。しかも、これによって、高精度、高品質のフルカラ
ーの有機EL層を生産性良く作成できるので、コストダ
ウンが可能となる。
【0249】また、各画素部周辺に図27(C)のよう
にブラックマスク部(クロム、二酸化クロム等)140
を形成すれば、光漏れ(クロストーク等)を防止し、コ
ントラストの向上が図れる。なお、このブラックマスク
部140は、酸化シリコン膜143(これはゲート絶縁
膜118と同時に同一材料で形成してよい。)によって
覆われている。
【0250】次に、この有機EL素子の製造プロセスを
説明すると、まず、図28の(1)に示すように、上述
した工程を経て多結晶性シリコン膜からなるソース領域
120、チャンネル領域117及びドレイン領域121
を形成した後、触媒CVD等の気相成長法によりゲート
絶縁膜118を形成し、1%Si入りAlのスパッタリ
ング成膜及び汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技
術によりこの上にMOSTFT1、2のゲート電極11
5を形成し、また1%Si入りAlのスパッタリング成
膜及び汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技術によ
りMOSTFT1のゲート電極に接続されるゲートライ
ンを形成する。そして、触媒CVD等の気相成長法によ
りオーバーコート膜(酸化シリコン等)137を形成
後、1%Si入りAlのスパッタリング成膜及び汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチング技術によりMOSTF
T2のドレイン電極131及びVddラインを形成し、更
に触媒CVD等の気相成長法によりオーバーコート膜
(酸化シリコン/窒化シリコン積層膜等)136を形成
する。
【0251】次いで、図28の(2)に示すように、汎
用フォトリソグラフィ及びエッチング技術によりMOS
TFT1のソース/ドレイン部、MOSTFT2のゲー
ト部の窓開けを行った後、図28の(3)に示すよう
に、1%Si入りAlのスパッタリング成膜及び汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチング技術により、MOST
FT1のドレインとMOSTFT2のゲートを1%Si
入りAl配線128で接続し、同時にMOSTFT1の
ソースに接続される1%Si入りAlからなるソースラ
インを形成する。そして、オーバーコート膜(酸化シリ
コン/フォスフィンシリケートガラス/窒化シリコン積
層膜など)130を形成し、汎用フォトリソグラフィ及
びエッチング技術によりMOSTFT2のソース部の窓
開けを行い、ITO等のスパッタリング及び汎用フォト
リソグラフィ及びエッチング技術によりMOSTFT2
のソース部と接続した発光部の陽極144を形成する。
【0252】次いで、図28の(4)に示すように、上
記のように有機発光層132等及び陰極141、142
を形成する。
【0253】なお、以下に述べる有機ELの各層の構成
材料や形成方法は図27の例に適用されるが、図25の
例にも同様に適用されてよい。
【0254】緑色発光有機EL層に低分子化合物を用い
る場合は、ガラス基板上の陽極(ホール注入層)である
電流駆動用MOSTFTのソース部とコンタクトしたI
TO透明電極上に、連続した真空加熱蒸着法により形成
する。 1)ホール輸送層は、アミン系化合物(例えば、トリア
リールアミン誘導体、アリールアミンオリゴマー、芳香
族第三アミン等)等 2)発光層は、緑色発光材料であるトリス(8−ヒドロ
キシキシリノ)Al錯体(Alq)等 3)電子輸送層は、1,3,4−オキサジアゾール誘導
体(OXD)、1,2,4−トリアゾール誘導体(TA
Z)等 4)陰極である電子注入層は、4eV以下の仕事関数を
有する材料で作られるのが好ましい。 例えば、10:1(原子比)のマグネシウム:銀合金の
10〜30nm厚 アルミニウム:リチウム(濃度は0.5〜1%)合金の
10〜30nm厚 ここで、銀は有機界面との接着性を増すためにマグネシ
ウム中に1〜10原子%添加され、リチウムは安定化の
ためにアルミニウム中に濃度は0.5〜1%添加され
る。
【0255】緑色画素部を形成するには、緑色画素部を
フォトレジストでマスクし、CCl 4ガスのプラズマエ
ッチングにより陰極である電子注入層のアルミニウム:
リチウム合金を除去し、連続して電子輸送層、発光層、
ホール輸送層の低分子系化合物及びフォトレジストを酸
素プラズマエッチングで除去し、緑色画素部を形成す
る。この時に、フォトレジストの下にはアルミニウム:
リチウム合金があるので、フォトレジストがエッチング
されても問題ない。又、この時に、電子輸送層、発光
層、ホール輸送層の低分子系化合物層は、ホール注入層
のITO透明電極よりも大きい面積とし、後工程で全面
に形成する陰極の電子注入層(マグネシウム:銀合金)
と電気的ショートしないようにする。
【0256】次に、青色発光有機EL層を低分子化合物
で形成する場合は、ガラス基板上の陽極(ホール注入
層)である電流駆動用TFTのソース部とコンタクトし
たITO透明電極上に、連続して真空加熱蒸着により形
成する。 1)ホール輸送層は、アミン系化合物(例えば、トリア
リールアミン誘導体、アリールアミンオリゴマー、芳香
族第三アミン等)等 2)発光層は、青色発光材料であるDTVBiのような
ジスチリル誘導体等 3)電子輸送層は、1,3,4−オキサジアゾール誘導
体(TAZ)、1,2,4−トリアゾール誘導体(TA
Z)等 4)陰極である電子注入層は、4eV以下の仕事関数を
有する材料で作られるのが好ましい。 例えば、10:1(原子比)のマグネシウム:銀合金の
10〜30nm厚 アルミニウム:リチウム(濃度は0.5〜1%)合金の
10〜30nm厚 ここで、銀は有機界面との接着性を増すためにマグネシ
ウム中に1〜10原子%添加され、リチウムは安定化の
ためにアルミニウム中に濃度は0.5〜1%添加され
る。
【0257】青色画素部を形成するには、青色画素部を
フォトレジストでマスクし、CCl 4ガスのプラズマエ
ッチングで陰極である電子注入層のアルミニウム:リチ
ウム合金を除去し、連続して電子輸送層、発光層、ホー
ル輸送層の低分子系化合物及びフォトレジストを酸素プ
ラズマエッチングで除去し、青色画素部を形成する。こ
の時に、フォトレジストの下にはアルミニウム:リチウ
ム合金があるので、フォトレジストがエッチングされて
も問題ない。又、この時に、電子輸送層、発光層、ホー
ル輸送層の低分子系化合物層は、ホール注入層のITO
透明電極よりも大きい面積とし、後工程で全面に形成す
る陰極の電子注入層(マグネシウム:銀合金)と電気的
ショートしないようにする。
【0258】また、赤色発光有機EL層を低分子化合物
で形成する場合は、ガラス基板上の陽極(ホール注入
層)である電流駆動用TFTのソース部とコンタクトし
たITO透明電極上に、連続して真空加熱蒸着により形
成する。 1)ホール輸送層は、アミン系化合物(例えば、トリア
リールアミン誘導体、アリールアミンオリゴマー、芳香
族第三アミン等)等 2)発光層は、赤色発光材料であるEu(Eu(DBM)
3(Phen))等 3)電子輸送層は、1,3,4−オキサジアゾール誘導
体(OXD)、1,2,4−トリアゾール誘導体(TA
Z)等 4)陰極である電子注入層は、4eV以下の仕事関数を
有する材料で作られるのが好ましい。 例えば、10:1(原子比)のマグネシウム:銀合金の
10〜30nm厚 アルミニウム:リチウム(濃度は0.5〜1%)合金の
10〜30nm厚 銀は有機界面との接着性を増すためにマグネシウム中に
1〜10原子%添加され、リチウムは安定化のためにア
ルミニウム中に濃度は0.5〜1%添加される。
【0259】赤色画素部を形成するには、赤色画素部を
フォトレジストでマスクし、CCl 4ガスのプラズマエ
ッチングで陰極である電子注入層のアルミニウム:リチ
ウム合金を除去し、連続して電子輸送層、発光層、ホー
ル輸送層の低分子系化合物及びフォトレジストを酸素プ
ラズマエッチングで除去し、赤色画素部を形成する。こ
の時に、フォトレジストの下にはアルミニウム:リチウ
ム合金があるので、フォトレジストがエッチングされて
も問題ない。又、この時に、電子輸送層、発光層、ホー
ル輸送層の低分子系化合物層は、ホール注入層のITO
透明電極よりも大きい面積とし、後工程で全面に形成す
る陰極の電子注入層(マグネシウム:銀合金)と電気的
ショートしないようにする。
【0260】陰極である電子注入層は、4eV以下の仕
事関数を有する材料で作られるのが好ましい。例えば、
10:1(原子比)のマグネシウム:銀合金の10〜3
0nm厚、又はアルミニウム:リチウム(濃度は0.5
〜1%)合金の10〜30nm厚とする。ここで、銀は
有機界面との接着性を増すためにマグネシウム中に1〜
10原子%添加され、リチウムは安定化のためにアルミ
ニウム中に濃度は0.5〜1%添加される。なお、スパ
ッタリングで成膜してもよい。
【0261】第4の実施の形態 本実施の形態は、本発明を電界放出型(フィールドエミ
ッション)ディスプレイ装置(FED:Field Emission
Display)に適用したものである。以下にその構造例と
製造例を示す。
【0262】<FEDの構造例I>図29(A)、
(B)、(C)に示すように、この構造例Iによれば、
ガラス等の基板111上に、本発明に基づいて上述した
方法で形成された高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコ
ン膜によって、スイッチング用MOSTFT1と電流駆
動用MOSTFT2のゲートチャンネル117、ソース
領域120及びドレイン領域121が形成されている。
そして、ゲート絶縁膜118上にゲート電極115、ソ
ース及びドレイン領域上にソース電極127及びドレイ
ン電極128が形成されている。MOSTFT1のドレ
インとMOSTFT2のゲートとはドレイン電極128
を介して接続されていると共に、MOSTFT2のソー
ス電極127との間に絶縁膜136を介してキャパシタ
Cが形成され、かつ、MOSTFT2のドレイン領域1
21はそのままFED素子のFEC(電界放出カソー
ド)にまで延設され、エミッタ領域152として機能し
ている。
【0263】各MOSTFTは絶縁膜130で覆われ、
この絶縁膜上には、FECのゲート引き出し電極150
と同一材料にて同一工程で接地用の金属遮蔽膜151が
形成され、各MOSTFT上を覆っている。FECにお
いては、多結晶性シリコン膜からなるエミッタ領域15
2上に電界放出エミッタとなるn型多結晶性シリコン膜
153が形成され、更にm×n個の各エミッタに区画す
るための開口を有するように、絶縁膜118、137、
136及び130がパターニングされ、この上面にはゲ
ート引き出し電極150が被着されている。
【0264】また、このFECに対向して、バックメタ
ル155付きの蛍光体156をアノードとして形成した
ガラス基板等の基板157が設けられており、FECと
の間は高真空に保持されている。
【0265】この構造のFECにおいては、ゲート引き
出し電極150の開口下には、本発明に基づいて形成さ
れた多結晶性シリコン膜152上に成長されたn型多結
晶性シリコン膜153が露出し、これがそれぞれ電子1
54を放出する薄膜型のエミッタとして機能する。即
ち、エミッタの下地となる多結晶性シリコン膜152
は、大粒径(グレインサイズ数100nm以上)のグレ
インからなっているため、これをシードとしてその上に
n型多結晶性シリコン膜153を触媒CVD等によって
成長させると、この多結晶性シリコン膜153はさらに
大きな粒径で成長し、表面が電子放出にとって有利な微
細な凹凸158を生じるように形成されるのである。
【0266】従って、エミッタが薄膜からなる面放出型
であるために、その形成が容易であると共に、エミッタ
性能も安定し、長寿命化が可能となる。
【0267】また、すべての能動素子(これには周辺駆
動回路及び画素表示部のMOSTFTとダイオードが含
まれる。)の上部にアース電位の金属系遮蔽膜151
(この金属系遮蔽膜は、ゲート引き出し電極150と同
じ材料(Nb、Ti/Mo、金属シリサイド等)、同じ
工程で形成すると工程上都合がよい。)が形成されてい
るので、次の(1)、(2)の利点を得ることができ
る。
【0268】(1)気密容器内にあるガスがエミッタ1
53から放出された電子により正イオン化されて絶縁層
上にチャージアップし、この正電荷が絶縁層下にあるM
OSTFTに不要な反転層を形成し、この反転層からな
る不要な電流経路を介して余分な電流が流れるために、
エミッタ電流の暴走が起きる。しかし、MOSTFT上
の絶縁層に金属系遮蔽膜151を形成してアース電位に
落としているので、チャージアップ防止が可能となり、
エミッタ電流の暴走を防止できる。
【0269】(2)エミッタ153から放出された電子
の衝突により蛍光体156が発光するが、この光により
MOSTFTのゲートチャンネル内に電子、正孔が発生
し、リーク電流となる。しかし、MOSTFT上の絶縁
層に金属系遮蔽膜151が形成されているので、MOS
TFTへの光入射が防止され、MOSTFTの動作不良
は生じない。
【0270】また、触媒CVD等により、少なくとも多
結晶性シリコンMOSTFTのドレイン領域に連続して
n型多結晶性シリコン膜の電子放出体(エミッタ)が形
成されているので、その接合性が良好であり、高効率の
エミッタ特性が可能となる。
【0271】また、1つの画素表示部の電子放出体(エ
ミッタ)領域を複数に分割し、それぞれにスイッチング
素子のMOSTFTを接続すれば、たとえ1つのMOS
TFTが故障しても、他のMOSTFTが動作するの
で、1つの画素表示部は必ず電子放出する構成となって
おり、高品質で歩留が高く、コストダウンできる。又、
これらのMOSTFTにおいて、電気的オープン不良の
MOSTFTは問題ないが、電気的ショートしたMOS
TFTはレーザーリペアで分離できるので、高品質で歩
留が高く、コストダウンできる。
【0272】これに比べて、従来のFEDでは、シリコ
ン単結晶基板を用いるために、基板コストが高く、ウエ
ーハサイズ以上の大面積化が困難である。そして、カソ
ード電極表面に減圧CVD等により導電性の多結晶シリ
コン膜を形成し、その表面にプラズマCVD等により結
晶性ダイヤモンド膜を形成して電子放出体を構成するこ
とが提案されているが、減圧CVD時の成膜温度が63
0℃と高く、ガラス基板を採用できないので、コストダ
ウンが難しい。そして、その減圧CVDによる多結晶シ
リコン膜は粒径が小さく、その上の結晶性ダイヤモンド
膜も粒径が小さく、電子放出体の特性が良くない。更
に、プラズマCVDのために、反応エネルギーが不足し
ているので、良い結晶性ダイヤモンド膜は得にくい。
又、透明電極又はAl、Ti、Cr等の金属のカソード
電極と導電性の多結晶シリコン膜の接合性が悪いので、
良好な電子放出特性は得られない。
【0273】次に、本実施の形態によるFEDの製造プ
ロセスを説明すると、まず、図30の(1)に示すよう
に、上述した工程を経て全面に多結晶性シリコン膜11
7を形成した後、汎用フォトリソグラフィ及びエッチン
グ技術によりMOSTFT1とMOSTFT2及びエミ
ッタ領域にアイランド化し、プラズマCVD、触媒CV
D法等により全面に保護用酸化シリコン膜159を形成
する。
【0274】次いで、MOSTFT1、2のゲートチャ
ンネル不純物濃度の制御によるVthの最適化のために、
イオン注入又はイオンドーピング法により全面にボロン
イオン83を5×1011atoms/cm2のドーズ量
でドーピングし、1×1017atoms/ccのアクセ
プタ濃度に設定する。
【0275】次いで、図30の(2)に示すように、フ
ォトレジスト82をマスクにして、イオン注入又はイオ
ンドーピング法によりMOSTFT1、2のソース/ド
レイン部及びエミッタ領域に燐イオン79を1×1015
atoms/cm2のドーズ量でドーピングし、2×1
20atoms/ccのドナー濃度に設定し、ソース領
域120、ドレイン領域121、エミッタ領域152を
それぞれ形成した後、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術によりエミッタ領域の保護用酸化シリコン膜
を除去する。
【0276】次いで、図30の(3)に示すように、触
媒CVDによりエミッタ領域を形成する多結晶性シリコ
ン膜152をシードに、モノシランとPH3等のドーパ
ントを適量比率で混合し、表面に微細凹凸158を有
し、ドーパントを例えば5×1020〜1×1021ato
ms/cc含有するn型多結晶性シリコン膜153を1
〜5μm厚にエミッタ領域に形成し、同時に他の酸化シ
リコン膜159及びガラス基板111上にはn型アモル
ファスシリコン膜160を1〜5μm厚に形成する。
【0277】次いで、図30の(4)に示すように、上
述した触媒AHA処理時の活性化水素イオンにより、ア
モルファスシリコン膜160をエッチング除去し、酸化
シリコン膜159のエッチング除去後に触媒CVD等に
よりゲート絶縁膜(酸化シリコン膜等)118を形成す
る。
【0278】次いで、図31の(5)に示すように、ス
パッタリング法によるMo−Ta合金等の耐熱性金属に
よりMOSTFT1、2のゲート電極115、MOST
FT1のゲート電極に接続されるゲートラインを形成
し、オーバーコート膜(酸化シリコン膜等)137を形
成した後、MOSTFT2のソース部窓開け後にスパッ
タリング法によるMo−Ta合金等の耐熱性金属でMO
STFT2のソース電極127及びアースラインを形成
する。更に、プラズマCVD、触媒CVD等によりオー
バーコート膜(酸化シリコン/窒化シリコン積層膜な
ど)136を形成し、RTA処理等の1000℃、10
〜20秒のイオン活性化処理を行う。
【0279】次いで、図31の(6)に示すように、M
OSTFT1のソース/ドレイン部及びMOSTFT2
のゲート部の窓開けを行い、MOSTFT1のドレイン
とMOSTFT2のゲートを1%Si入りAl配線12
8で接続し、同時にMOSTFT1のソース電極とその
ソースに接続されるソースライン127を形成する。
【0280】次いで、図31の(7)に示すように、オ
ーバーコート膜(酸化シリコン/フォスフィンシリケー
トガラス/窒化シリコン積層膜など)130を形成した
後、GNDラインの窓開けし、図31の(8)に示すよ
うに、ゲート引き出し電極150や金属遮蔽膜151を
Nb蒸着後のエッチングで形成し、更に電界放出カソー
ド部を窓開けしてエミッタ153を露出させ、上述した
バイアス触媒AHA処理の水素系活性種等でクリーニン
グする。
【0281】<FEDの構造例II>図32(A)、
(B)、(C)に示すように、この構造例IIによれば、
ガラス等の基板111上に、上記の構造例Iと同様に、
本発明に基づいて上述した方法で形成された高結晶化
率、大粒径の多結晶性シリコン膜によって、スイッチン
グ用MOSTFT1と電流駆動用MOSTFT2のゲー
トチャンネル117、ソース領域120及びドレイン領
域121が形成されている。そして、ゲート絶縁膜11
8上にゲート電極115、ソース及びドレイン領域上に
ソース電極127及びドレイン電極128が形成されて
いる。MOSTFT1のドレインとMOSTFT2のゲ
ートとはドレイン電極128を介して接続されていると
共に、MOSTFT2のソース電極127との間に絶縁
膜136を介してキャパシタCが形成され、かつ、MO
STFT2のドレイン領域121はそのままFED素子
のFEC(電界放出カソード)にまで延設され、エミッ
タ領域152として機能している。
【0282】各MOSTFTは絶縁膜130で覆われ、
この絶縁膜上には、FECのゲート引き出し電極150
と同一材料にて同一工程で接地用の金属遮蔽膜151が
形成され、各MOSTFT上を覆っている。FECにお
いては、多結晶シリコン膜からなるエミッタ領域152
上に電界放出エミッタとなるn型多結晶ダイヤモンド膜
163が形成され、更にm×n個の各エミッタに区画す
るための開口を有するように、絶縁膜118、137、
136及び130がパターニングされ、この上面にはゲ
ート引き出し電極150が被着されている。
【0283】また、このFECに対向して、バックメタ
ル155付きの蛍光体156をアノードとして形成した
ガラス基板等の基板157が設けられており、FECと
の間は高真空に保持されている。
【0284】この構造のFECは、ゲート引き出し電極
150の開口下には、本発明に基づいて形成された多結
晶性シリコン膜152上に成長されたn型多結晶ダイヤ
モンド膜163が露出し、これがそれぞれ電子154を
放出する薄膜型のエミッタとして機能する。即ち、エミ
ッタの下地となる多結晶性シリコン膜152は、大粒径
(グレインサイズ数100nm以上)のグレインからな
っているため、これをシードとしてその上にn型多結晶
性ダイヤモンド膜163を触媒CVD等によって成長さ
せると、この多結晶性ダイヤモンド膜163はやはり大
粒径で成長し、表面が電子放出にとって有利な微細な凹
凸168を生じるように形成されるのである。
【0285】従って、エミッタが薄膜からなる面放出型
であるために、その形成が容易であると共に、エミッタ
性能も安定し、長寿命化が可能となる。
【0286】また、すべての能動素子(これには周辺駆
動回路及び画素表示部のMOSTFTとダイオードが含
まれる。)の上部にアース電位の金属系遮蔽膜151
(この金属系遮蔽膜は、ゲート引き出し電極150と同
じ材料(Nb、Ti/Mo、金属シリサイド等)、同じ
工程で形成すると工程上都合がよい。)が形成されてい
るので、上述したと同様に、MOSTFT上の絶縁層に
金属系遮蔽膜151を形成してアース電位に落とし、チ
ャージアップ防止が可能となり、エミッタ電流の暴走を
防止でき、また、MOSTFT上の絶縁層に金属系遮蔽
膜151が形成されているので、MOSTFTへの光入
射が防止され、MOSTFTの動作不良は生じない。
【0287】次に、このFEDの製造プロセスを説明す
ると、まず、図33の(1)に示すように、上述した工
程を経て全面に多結晶性シリコン膜117を形成した
後、汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技術により
MOSTFT1とMOSTFT2及びエミッタ領域にア
イランド化し、プラズマCVD、触媒CVD法等により
全面に保護用酸化シリコン膜159を形成する。
【0288】次いで、MOSTFT1、2のゲートチャ
ンネル不純物濃度の制御によるVthの最適化のために、
イオン注入又はイオンドーピング法により全面にボロン
イオン83を5×1011atoms/cm2のドーズ量
でドーピングし、1×1017atoms/ccのアクセ
プタ濃度に設定する。
【0289】次いで、図33の(2)に示すように、フ
ォトレジスト82をマスクにして、イオン注入又はイオ
ンドーピング法によりMOSTFT1、2のソース/ド
レイン部及びエミッタ領域に燐イオン79を1×1015
atoms/cm2のドーズ量でドーピングし、2×1
20atoms/ccのドナー濃度に設定し、ソース領
域120、ドレイン領域121、エミッタ領域152を
それぞれ形成した後、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術によりエミッタ領域の保護用酸化シリコン膜
を除去する。
【0290】次いで、図33の(3)に示すように、触
媒CVDによりエミッタ領域を形成する多結晶性シリコ
ン膜152をシードに、モノシランとメタン(CH4
及びドーパントを適量比率混合し、表面に微細凹凸16
8を有するn型多結晶性ダイヤモンド膜163をエミッ
タ領域に形成し、同時に他の酸化シリコン膜159及び
ガラス基板111上にはn型アモルファスダイヤモンド
膜170を形成する。
【0291】次いで、図33の(4)に示すように、上
述した触媒AHA処理時の活性化水素イオンにより、ア
モルファスダイヤモンド膜170をエッチング除去し、
酸化シリコン膜159のエッチング除去後に触媒CVD
等によりゲート絶縁膜(酸化シリコン膜等)118を形
成する。
【0292】次いで、図34の(5)に示すように、ス
パッタリング法によるMo−Ta合金等の耐熱性金属に
よりMOSTFT1、2のゲート電極115、MOST
FT1のゲート電極に接続されるゲートラインを形成
し、オーバーコート膜(酸化シリコン膜等)137を形
成した後、MOSTFT2のソース部窓開け後にスパッ
タリング法によるMo−Ta合金等の耐熱性金属でMO
STFT2のソース電極127及びアースラインを形成
する。更に、プラズマCVD、触媒CVD等によりオー
バーコート膜(酸化シリコン/窒化シリコン積層膜な
ど)136を形成し、RTA等の1000℃、10〜2
0秒のイオン活性化処理を行う。
【0293】次いで、図34の(6)に示すように、M
OSTFT1のソース/ドレイン部及びMOSTFT2
のゲート部の窓開けを行い、MOSTFT1のドレイン
とMOSTFT2のゲートを1%Si入りAl配線12
8で接続し、同時にMOSTFT1のソース電極とその
ソースに接続されるソースライン127を形成する。
【0294】次いで、図34の(7)に示すように、オ
ーバーコート膜(酸化シリコン/フォスフィンシリケー
トガラス/窒化シリコン積層膜など)130を形成した
後、GNDラインの窓開けし、図34の(8)に示すよ
うに、ゲート引き出し電極150や金属遮蔽膜151を
Nb蒸着後のエッチングで形成し、更に電界放出カソー
ド部を窓開けしてエミッタ163を露出させ、上述した
バイアス触媒AHA処理の水素系活性種でクリーニング
する。
【0295】なお、上記において、多結晶性ダイヤモン
ド膜163を成膜する際、使用する原料ガスとしての炭
素含有化合物は、例えば 1)メタン、エタン、プロパン、ブタン等のパラフィン
系炭化水素 2)アセチレン、アリレン系のアセチレン系炭化水素 3)エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン系
炭化水素 4)ブタジエン等のジオレフィン系炭化水素 5)シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、
シクロヘキサン等の脂環式炭化水素 6)シクロブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ナフタリン等の芳香族炭化水素 7)アセトン、ジエチルケトン、ベンゾフェノン等のケ
トン類 8)メタノール、エタノール等のアルコール類 9)トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類 10)グラファイト、石炭、コークス等の炭素原子のみ
からなる物質 であってよく、これらは、1種を単独で用いることもで
きるし、2種以上を併用することもできる。
【0296】また、使用可能な不活性ガスは、例えばア
ルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、ラ
ドンである。ドーパントとしては、例えばホウ素、リチ
ウム、窒素、リン、硫黄、塩素、ひ素、セレン、ベリリ
ウム等を含む化合物又は単体が使用可能であり、そのド
ーピング量は1020atoms/cc以上であってよ
い。
【0297】第5の実施の形態 本実施の形態は、本発明を光電変換装置としての太陽電
池に適用したものである。以下にその製造例を示す。
【0298】まず、図35の(1)に示すように、ステ
ンレス等の金属基板111上に、上述した触媒CVD法
等によって、保護膜(図示せず)の形成後に、この上に
アモルファス又は微結晶カーボン薄膜100Aを形成す
る。
【0299】次いで、図35の(2)に示すように、上
述したバイアス触媒AHA処理によって、カーボン薄膜
100Aをダイヤモンド構造のカーボン超微粒子層10
0Bに変化させる。
【0300】次いで、図35の(3)に示すように、上
述した触媒CVD又はバイアス触媒CVD法等によっ
て、カーボン超微粒子層100Bをシードにn型多結晶
性シリコン膜7を形成する。この多結晶性シリコン膜7
は、上述のマルチ触媒AHA処理により形成してよく、
高結晶化率、大粒径の錫又は他のIV族元素(Ge、P
b)の単独又は混合物含有のn型多結晶性シリコン膜と
して100〜200nm厚に形成する。この多結晶性シ
リコン膜7には、リン等のn型不純物をPH3等として
モノシランと共に供給して例えば1×1017〜1×10
18atoms/cc含有させる。
【0301】次いで、図36の(4)に示すように、多
結晶性シリコン膜7上に、これをシードにして触媒CV
D等により錫又は他のIV族元素(Ge、Pb)の単独又
は混合物含有のi型多結晶性シリコン膜180、錫又は
他のIV族元素(Ge、Pb)の単独又は混合物含有のp
型多結晶性シリコン膜181等を成長させ、光電変換層
を形成する。
【0302】例えば、触媒CVDにより、モノシランに
水素化錫(SnH4)を適量比率で混合してi型の大粒
径の錫含有多結晶性シリコン膜180を2〜5μm厚に
成長させ、この上に、モノシランにp型不純物ボロン
(B26など)と水素化錫(SnH4)を適量比率混合
して、例えば1×1017〜1×1018atoms/cc
含有させたp型の大粒径の錫含有多結晶性シリコン膜1
81を100〜200nm厚に形成する。この時にそれ
ぞれの膜中に錫又は他のIV族元素(Ge、Pb)の単独
又は混合物、例えば錫を1×1016atoms/cc以
上、好ましくは1×1018〜1×1020atoms/c
c含有させることにより、結晶粒界に存在する結晶不整
及び応力を低減させるので、キャリア移動度向上を図る
ことができる(これは、n型又はp型多結晶性シリコン
膜7、181を形成する場合も同様である)。
【0303】また、上述したマルチバイアス触媒AHA
処理を行ってよい。例えば、触媒CVD又はバイアス触
媒CVDでn型又はp型の錫含有多結晶性シリコン膜を
20〜50nm厚に成長させた後、バイアス触媒AHA
処理を行い、触媒CVD又はバイアス触媒CVDでn型
又はp型の錫含有多結晶性シリコン膜を20〜50nm
厚に成長させ、バイアス触媒AHA処理後、更に触媒C
VD又はバイアス触媒CVDでn型又はp型の錫含有多
結晶性シリコン膜を20〜50nmに成長させた後、バ
イアス触媒AHA処理を行うように、各処理を必要回数
繰り返す方法で成膜してもよい(これはi型多結晶性シ
リコン膜180の場合も同様である)。この方法によっ
て、より大きい粒径の錫含有多結晶性シリコン膜を形成
できる。また、成膜途中で原料ガス供給量を増加して、
高速成膜としてもよい。この後に、RTA処理(約10
00℃、10〜30秒間)で各層内のイオン活性化す
る。
【0304】次いで、図36の(5)に示すように、上
記の方法で形成したn−i−p接合の大粒径の錫含有多
結晶性シリコン膜の全面に、透明電極182を形成す
る。例えば、汎用スパッタリング技術により、無反射コ
ート用のITO(Indium Tin Oxide)又はIZO(Indi
um Zinc Oxide)等の透明電極182を100〜150
nm厚に形成する。そして、この上に、汎用スパッタリ
ング技術により、メタルマスクを用いて、所定領域に銀
等のくし型電極183を100〜150nm厚に形成す
る。
【0305】なお、上記の膜は錫又は他のIV族元素を含
有していなくてもよいが、この場合も上記と同様に製造
することができる。また、上記のn−i−p接合構造以
外にも、p−i−n接合、n−p接合、p−n接合構造
も同様に作製することができる。
【0306】本実施の形態による太陽電池は、本発明に
基づく大粒径の多結晶性シリコン膜によって、高キャリ
ア移動度で変換効率の大きい光電変換薄膜を形成でき、
良好な表面テクスチャ構造と裏面テクスチャ構造が形成
されるので、光封じ込め効果が高く、変換効率の大きい
光電変換薄膜を形成できる。これはまた、太陽電池に限
らず、電子写真用の感光体ドラム等の薄膜光電変換装置
にも有利に利用することができる。
【0307】これに比べて、従来のこの種の光電変換装
置では、RFプラズマCVD、VHFプラズマCVD等
によりアモルファスカーボン薄膜を形成し、プラズマ水
素処理でカーボン超微粒子を形成してこれを多結晶シリ
コン結晶成長の核として大粒径多結晶シリコン膜を形成
しており、n型多結晶シリコン層とi型多結晶シリコン
活性層及びp型多結晶シリコン層を連続成膜し、その全
面にITO膜を積層し、最後にくし型電極を形成して、
2μm厚程度の薄膜多結晶性シリコン太陽電池を得てい
る。
【0308】ところが、この従来法では、次のような欠
点を回避できない。 1)RFプラズマCVD、VHFプラズマCVD法等に
よる低温形成の結晶質シリコン系薄膜は、そのエネルギ
ーが低いので、原料ガスの化学的分解反応やプラズマ水
素処理が不十分になりやすく、結晶粒径が小さいので、
移動度が小さく、しかも粒界の多さやピンホール等のた
めに局部的な電気的ショート又はリークによる過剰電流
が発生しやすく、光電変換層として必要な数μmの膜厚
に堆積させたときに膜の内部応力や歪が大きくなって、
最悪の場合には膜が剥離してしまうという問題がある。
これによって、光電変換層の製造歩留や信頼性を著しく
低下させ、それを含む光電変換装置の実用化を目指す上
で大きな支障となる。 2)RFプラズマCVD、VHFプラズマCVDはエネ
ルギーが低いので、原料ガスの利用効率が5〜10%と
低い。このために、生産性が低く、コストダウンしにく
い。
【0309】以上に述べた本発明の実施の形態は、本発
明の技術的思想に基づいて種々変形が可能である。
【0310】例えば、上述した触媒CVD法とバイアス
触媒AHA処理の繰り返し回数や各条件は種々変更して
よく、用いる基板等の材質も上述したものに限定される
ことはない。
【0311】また、本発明は、表示部等の内部回路や周
辺駆動回路及び映像信号処理回路及びメモリー回路等の
MOSTFTに好適なものであるが、それ以外にもダイ
オードなどの素子の能動領域や、抵抗、キャパシタンス
(容量)、配線、インダクタンス等の受動領域を本発明
による多結晶性シリコン膜で形成することも可能であ
る。
【0312】
【発明の作用効果】本発明は上述したように、基体上に
多結晶性半導体薄膜を形成するに際し、前記基体上にア
モルファスカーボン又は微結晶カーボン又はこれらの混
合物からなるカーボン薄膜を形成し、水素又は水素含有
ガスを加熱された触媒体に接触させ、これによって生成
した水素系活性種をグロー放電開始電圧以下の電界又は
/及び磁界の作用下で前記カーボン薄膜に作用させて水
素系活性種の作用によりアモルファス構造のカーボンを
エッチングして、ダイヤモンド構造のカーボン超微粒子
を形成し、このカーボン超微粒子をシード(結晶成長
核)に前記半導体材料薄膜を気相成長させているので、
次の(1)〜(4)に示すような顕著な作用効果が得ら
れる。
【0313】(1)加熱された触媒体に水素又は水素含
有ガスを接触させて生成した活性種(高温の水素系分
子、水素系原子、活性化水素イオン等の水素系活性種)
を任意の電界又は/及び磁界によるバイアス触媒AHA
処理により、前記カーボン薄膜に対し吹き付け等で作用
させているので、高温の加熱触媒体の輻射熱による加熱
も加わって、次の顕著な効果を示す。
【0314】このバイアス触媒AHA処理は、10〜5
0Paの水素又は水素含有ガス圧下で、水素を高温の触
媒体(融点未満の800〜2000℃、例えばタングス
テンでは1500〜2000℃)に接触させて、大量の
高温の水素系活性種(水素系分子、水素系原子、活性化
水素イオン)などを生成し、これを基板上に形成したア
モルファスカーボン膜又は微結晶カーボン膜等に吹き付
けると(但し、基板温度は特に200〜500℃)、大
量の高温の水素系活性種(水素系分子、水素系原子、活
性化水素イオン)などが有する熱エネルギーに加えて上
記電界又は/及び磁界による加速電界又は/及び磁界で
の十分な指向性運動エネルギーによりその膜等に移動し
て、その膜等の温度を局部的に上昇させ、アモルファス
カーボン膜や微結晶カーボン膜等は、水素系活性種の作
用によりアモルファス成分がエッチング除去されると共
に結晶化して、アモルファスカーボン膜又は微結晶カー
ボン膜等の表面又は基板(例えばガラス基板)上に、ダ
イヤモンド構造を有するカーボン超微粒子(クラスタ)
を確実に安定して点在させることができ、これを次の多
結晶性シリコン等の成長の結晶成長核(シード)として
有効に働かせることができる。この時、特にゲートチャ
ンネル領域等には島状に点在し、電気抵抗が無視しうる
程度に小さいことが必要である。
【0315】(2)こうしてバイアス触媒AHA処理さ
れて得られるダイヤモンド構造のカーボン超微粒子をシ
ードとして、この上に半導体材料薄膜が多結晶化され易
い状態で(多結晶性半導体薄膜として)成長し易くな
り、特に次のバイアス触媒AHA処理及び気相成長によ
り、上記多結晶性半導体薄膜上に気相成長されたシリコ
ン膜等はこの多結晶性半導体薄膜をシードとして結晶化
が促進されるので、目的とする高結晶化率、高品質の多
結晶性半導体薄膜を得ることができる。即ち、バイアス
触媒AHA処理により、例えば触媒CVDで成膜された
シリコン膜にアモルファス成分が存在していると、これ
が水素系活性種の作用によりエッチング除去されて、そ
の上に気相成長するシリコン膜は下地のダイヤモンド構
造のカーボン超微粒子をシード(核)にしてより多結晶
性シリコン膜化し易く、更には、同様のバイアス触媒A
HA処理と気相成長とを繰り返すと、大量の高温の水素
系活性種などが有する熱エネルギーが加速電界又は/及
び磁界による十分な指向性運動エネルギーによりその膜
等に移動して、その膜等の温度を局部的に上昇させ、ア
モルファスシリコンや微結晶シリコンは多結晶化し、多
結晶性シリコンは高結晶化して、高結晶化率、大粒径の
多結晶性シリコン膜を形成することができる。この結
果、トップゲート型のみならず、ボトムゲート型、デュ
アルゲート型MOSTFTでも、高いキャリア(電子/
正孔)移動度の大粒径の多結晶性シリコン薄膜等が得ら
れるために、この高性能の多結晶性シリコン等の半導体
を使用した高速、高電流密度の半導体装置、電気光学装
置、更には高効率の太陽電池等の製造が可能となる。
【0316】(3)このバイアス触媒AHA処理は、プ
ラズマの発生なしに行えるので、プラズマによるダメー
ジがなく、またプラズマ処理に比べ、シンプルで安価な
装置を実現できる。
【0317】(4)基体温度を低温化しても上記活性種
のエネルギーが大きいために、目的とするダイヤモンド
構造のカーボン超微粒子が確実に安定して得られること
から、基体温度を特に300〜400℃と低温化して
も、多結晶性半導体薄膜がカーボン超微粒子をシードに
効率良く成長し、従って大型で安価な低歪点の絶縁基板
(ガラス基板、耐熱性樹脂基板等)を使用でき、この点
でもコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるMOSTFT
の製造プロセスを工程順に示す断面図である。
【図2】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図3】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図4】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図5】同、製造に用いる触媒CVD及びバイアス触媒
AHA処理用の装置の一状態での概略断面図である。
【図6】同、この装置の他の状態での概略断面図であ
る。
【図7】同、この装置をより詳細に示す概略断面図であ
る。
【図8】同、バイアス方式による装置の概略断面図であ
る。
【図9】同、バイアス方式による他の装置の概略断面図
である。
【図10】同、バイアス方式による他の装置の概略断面
図である。
【図11】同、この装置を用いた処理時のガス流量のタ
イミングチャートである。
【図12】同、この装置のガス供給系の概略図である。
【図13】同、処理により得られた半導体膜のラマンス
ペクトルを比較して示すグラフである。
【図14】同、半導体薄膜の結晶化率を比較して示すグ
ラフである。
【図15】同、触媒体及びこの支持体の純度による膜中
の重金属濃度を比較して示すグラフである。
【図16】本発明の第2の実施の形態によるLCDの製
造プロセスを工程順に示す断面図である。
【図17】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図18】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図19】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図20】同、LCDの全体の概略レイアウトを示す斜
視図である。
【図21】同、LCDの等価回路図である。
【図22】同、LCDの他の製造プロセスを工程順に示
す断面図である。
【図23】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図24】同、LCDのMOSTFTを各種示す断面図
である。
【図25】本発明の第3の実施の形態による有機EL表
示装置の要部の等価回路図(A)、同要部の拡大断面図
(B)及び同画素周辺部の断面図(C)である。
【図26】同、有機EL表示装置の製造プロセスを工程
順に示す断面図である。
【図27】同、他の有機EL表示装置の要部の等価回路
図(A)、同要部の拡大断面図(B)及び同画素周辺部
の断面図(C)である。
【図28】同、有機EL表示装置の製造プロセスを工程
順に示す断面図である。
【図29】本発明の第4の実施の形態によるFEDの要
部の等価回路図(A)、同要部の拡大断面図(B)及び
同要部の概略平面図(C)である。
【図30】同、FEDの製造プロセスを工程順に示す断
面図である。
【図31】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図32】同、他のFEDの要部の等価回路図(A)、
同要部の拡大断面図(B)及び同要部の平面図(C)で
ある。
【図33】同、FEDの製造プロセスを工程順に示す断
面図である。
【図34】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図35】本発明の第5の実施の形態による太陽電池の
製造プロセスを工程順に示す断面図である。
【図36】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1、61、98、111、157…基板、7、67…多
結晶性シリコン膜、14、67、117…チャンネル、
15、75、102、105、115…ゲート電極、
8、68、103、104、106、118…ゲート絶
縁膜、20、21、80、81、120、121…n+
型ソース又はドレイン領域、24、25、84、85…
+型ソース又はドレイン領域、27、28、86、9
2、130、136、137…絶縁膜、29、30、8
7、88、89、90、91、93、97、127、1
28、131…電極、40…原料ガス、42…シャワー
ヘッド、44…成膜室、45…サセプタ、46…触媒
体、47…シャッター、48…触媒体電源、49…バイ
アス電源、94、96…配向膜、95…液晶、99…カ
ラーフィルタ層、100A…アモルファス又は微結晶カ
ーボン薄膜、100B…ダイヤモンド構造のカーボン超
微粒子層、100’、140…ブラックマスク層、13
2、133…有機発光層、134、135、144…陽
極、138、141、142、171…陰極、150…
ゲート引き出し電極(ゲートライン)、151…遮蔽
膜、152…エミッタ、153…n型多結晶性シリコン
膜、155…バックメタル、156…蛍光体、158、
168…微細凹凸、163…n型多結晶性ダイヤモンド
膜、180…i型多結晶性シリコン膜、181…p型多
結晶性シリコン膜、182…透明電極、183…くし型
電極、200、201…電極、202、203…磁極
(永久磁石)、204…電磁石
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/35 G09F 9/35 5G435 H01L 21/20 H01L 21/20 29/161 29/163 29/786 29/78 618A 21/336 626C 627G Fターム(参考) 2H092 HA04 JA25 JA26 JA46 KA04 KA05 KA07 KA12 MA05 MA08 MA29 NA01 NA27 NA29 PA01 PA08 PA09 5C094 AA43 AA44 BA26 BA29 BA43 CA19 FB14 5F045 AA06 AA08 AA10 AA11 AA16 AA19 AB01 AB03 AB04 AB05 AB07 AC01 AD06 AD07 AD08 AD09 AD10 AD11 AD12 AE09 AF07 AF14 BB07 BB08 BB16 CA05 CA15 DP05 EB08 EE04 EE12 EE14 EF05 EF18 EH09 EH16 EH19 EK07 HA16 HA23 5F052 AA11 DA01 DA03 DB07 EA11 FA01 FA19 HA08 JA01 JA06 JA07 JA09 5F110 AA16 AA28 BB02 BB04 BB10 CC02 CC07 DD02 DD03 DD12 DD13 DD14 DD17 DD25 EE06 EE09 EE14 EE30 EE44 EE45 FF02 FF03 FF09 FF29 GG01 GG02 GG03 GG13 GG19 GG25 GG32 GG34 GG43 GG44 GG45 GG46 GG47 GG48 GG51 GG52 GG58 HJ01 HJ04 HJ12 HJ13 HJ23 HL03 HL06 HL07 HL23 HM15 NN03 NN04 NN23 NN24 NN25 NN35 NN71 NN72 PP01 PP27 PP34 QQ24 5G435 BB05 BB12 CC09 HH13 KK05 KK09 KK10

Claims (53)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に多結晶性半導体薄膜を形成する
    に際し、 前記基体上にアモルファスカーボン又は微結晶カーボン
    又はこれらの混合物からなるカーボン薄膜を形成する工
    程と、 水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体に接触させ、
    これによって生成した水素系活性種をグロー放電開始電
    圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記カーボン薄
    膜に作用させてアニールを行い、ダイヤモンド構造のカ
    ーボン超微粒子を形成する工程と、 このカーボン超微粒子上に半導体材料薄膜を気相成長さ
    せる工程とを経て前記多結晶性半導体薄膜を得る、多結
    晶性半導体薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 基体上に多結晶性半導体薄膜を有する半
    導体装置を製造するに際し、 前記基体上にアモルファスカーボン又は微結晶カーボン
    又はこれらの混合物からなるカーボン薄膜を形成する工
    程と、 水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体に接触させ、
    これによって生成した水素系活性種をグロー放電開始電
    圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記カーボン薄
    膜に作用させてアニールを行い、ダイヤモンド構造のカ
    ーボン超微粒子を形成する工程と、 このカーボン超微粒子上に半導体材料薄膜を気相成長さ
    せる工程とを経て前記多結晶性半導体薄膜を得る、半導
    体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記カーボン薄膜を気相成長法又は物理
    的成膜法によって、前記半導体材料薄膜を気相成長法に
    よって形成する、請求項1又は2に記載した方法。
  4. 【請求項4】 原料ガス及び水素又は水素含有ガスの少
    なくとも一部を加熱された触媒体に接触させて触媒的に
    分解させ、これによって生成したラジカル、イオン等の
    反応種を必要あればグロー放電開始電圧以下の電界又は
    /及び磁界の作用下で基体上に堆積させて、前記カーボ
    ン薄膜及び/又は前記半導体材料薄膜を気相成長させ
    る、請求項1又は2に記載した方法。
  5. 【請求項5】 前記半導体材料薄膜の気相成長後に、水
    素又は水素含有ガスを加熱された触媒体に接触させ、こ
    れによって生成した高温の水素系分子、水素系原子、活
    性化水素イオン等の水素系活性種をグロー放電開始電圧
    以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記半導体材料薄
    膜に作用させてアニールを行い、必要あれば、前記半導
    体材料薄膜と同様の半導体材料薄膜の気相成長と前記ア
    ニールとを繰り返す、請求項4に記載した方法。
  6. 【請求項6】 前記加熱触媒体に前記水素又は水素含有
    ガスの少なくとも一部を接触させ、これによって生成し
    た高温の水素系分子、水素系原子、活性化水素イオン等
    の水素系活性種をグロー放電開始電圧以下の電界又は/
    及び磁界の作用下で前記カーボン薄膜又は前記半導体材
    料薄膜に作用させてアニールを行う、請求項1又は2に
    記載した方法。
  7. 【請求項7】 加熱された前記触媒体に、原料ガス及び
    水素系キャリアガスの少なくとも一部を接触させて触媒
    的に分解させ、これによって生成したラジカル、イオン
    等の反応種を必要あればグロー放電開始電圧以下の電界
    又は/及び磁界の作用下で加熱された前記基体上に堆積
    させて前記カーボン薄膜又は前記半導体材料薄膜を気相
    成長させた後、前記原料ガスの供給を停止し、加熱され
    た触媒体に前記水素系キャリアガスの少なくとも一部を
    接触させ、これによって生成した高温の水素系分子、水
    素系原子、活性化水素イオン等の水素系活性種をグロー
    放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記
    カーボン薄膜又は前記半導体材料薄膜に作用させてアニ
    ールを行う、請求項1、2又は5に記載した方法。
  8. 【請求項8】 前記気相成長時の水素又は水素含有ガス
    供給量よりも前記アニール時の水素又は水素含有ガス供
    給量を多くする、請求項7に記載した方法。
  9. 【請求項9】 タングステン、トリア含有タングステ
    ン、モリブデン、白金、パラジウム、バナジウム、シリ
    コン、アルミナ、金属を付着したセラミックス、及び炭
    化ケイ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の材料
    によって、前記触媒体を形成する、請求項1又は2に記
    載した方法。
  10. 【請求項10】 前記触媒体及びこれを支持する支持体
    の純度を99.99wt%以上、好ましくは99.99
    9wt%又はそれ以上とする、請求項1又は2に記載し
    た方法。
  11. 【請求項11】 前記多結晶性半導体薄膜が多結晶性シ
    リコン膜、多結晶性ゲルマニウム膜又は多結晶性シリコ
    ンゲルマニウム膜からなり、かつ、前記水素又は水素含
    有ガスが水素又は水素と不活性なガスとの混合ガスから
    なる、請求項1又は2に記載した方法。
  12. 【請求項12】 前記半導体薄膜に錫等のIV族元素の少
    なくとも1種を適量含有させる、請求項11に記載した
    方法。
  13. 【請求項13】 前記グロー放電開始電圧以下の電圧と
    して、直流電圧、交流電圧(高周波電圧及び/又は低周
    波電圧)、又は直流電圧に交流電圧(高周波電圧及び/
    又は低周波電圧)を重畳させた電圧を印加する、請求項
    1又は2に記載した方法。
  14. 【請求項14】 前記高周波電圧の周波数を1〜100
    MHz、前記低周波電圧の周波数を1MHz未満とす
    る、請求項13に記載した方法。
  15. 【請求項15】 前記多結晶性半導体薄膜によって、薄
    膜絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャンネル、ソ
    ース及びドレイン領域、又は配線、抵抗、容量又は電子
    放出体等を形成する、請求項1又は2に記載した方法。
  16. 【請求項16】 前記チャンネル、ソース及びドレイン
    領域の形成後に、これらの領域に対し、水素又は水素含
    有ガスを加熱された触媒体に接触させることによって生
    成した水素系活性種を、又はこの水素系活性種をグロー
    放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で作用
    させる、請求項15に記載した方法。
  17. 【請求項17】 前記多結晶性半導体薄膜内においてゲ
    ート絶縁膜側から外部に向って結晶粒径を小さくして高
    密度化するか、或いはアモルファス半導体薄膜又は微粒
    径層及びアモルファス半導体薄膜で前記多結晶性半導体
    薄膜を被覆する、請求項1又は2に記載した方法。
  18. 【請求項18】 前記微粒径層及びアモルファス半導体
    薄膜又は前記アモルファス半導体薄膜を除去し、大粒径
    層(前記多結晶性半導体薄膜)とコンタクトしたソー
    ス、ドレイン電極を形成する、請求項17に記載した方
    法。
  19. 【請求項19】 シリコン半導体装置、シリコン半導体
    集積回路装置、シリコン−ゲルマニウム半導体装置、シ
    リコン−ゲルマニウム半導体集積回路装置、化合物半導
    体装置、化合物半導体集積回路装置、炭化ケイ素半導体
    装置、炭化ケイ素半導体集積回路装置、液晶表示装置、
    有機又は無機エレクトロルミネセンス表示装置、フィー
    ルドエミッションディスプレイ(FED)装置、発光ポ
    リマー表示装置、発光ダイオード表示装置、CCDエリ
    ア/リニアセンサ装置、MOSセンサ装置、太陽電池装
    置用の薄膜を製造する、請求項1又は2に記載した方
    法。
  20. 【請求項20】 内部回路及び周辺回路を有する半導体
    装置、固体撮像装置、電気光学装置等の製造に際し、こ
    れらの少なくとも一部を構成する薄膜絶縁ゲート型電界
    効果トランジスタのチャンネル、ソース及びドレイン領
    域を前記多結晶性半導体薄膜によって形成する、請求項
    19に記載した方法。
  21. 【請求項21】 各色用の有機又は無機エレクトロルミ
    ネセンス層の下層にそれぞれ、前記薄膜絶縁ゲート型電
    界効果トランジスタのドレイン又はソースと接続された
    陰極又は陽極を有する、請求項20に記載した方法。
  22. 【請求項22】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上も前記陰極が覆い、或いは前記
    各色用の有機又は無機エレクトロルミネセンス層の各層
    上及び各層間の全面に前記陰極又は陽極が被着されてい
    る装置を製造する、請求項21に記載した方法。
  23. 【請求項23】 前記各色用の前記有機又は無機エレク
    トロルミネセンス層間にブラックマスク層を形成する、
    請求項21に記載した方法。
  24. 【請求項24】 フィールドエミッションディスプレイ
    装置のエミッタを、前記多結晶性半導体薄膜を介して前
    記薄膜絶縁ゲート型電界効果トランジスタのドレインに
    接続すると共に前記多結晶性半導体薄膜上に成長された
    n型多結晶性半導体膜又は多結晶性ダイヤモンド膜によ
    って形成する、請求項20に記載した方法。
  25. 【請求項25】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上にアース電位の金属系遮蔽膜を
    形成する、請求項24に記載した方法。
  26. 【請求項26】 前記金属系遮蔽膜を前記フィールドエ
    ミッションディスプレイ装置のゲート引き出し電極と同
    一材料で同一工程により形成する、請求項25に記載し
    た方法。
  27. 【請求項27】 基体上に多結晶性半導体薄膜を形成す
    るための装置であって、 アモルファスカーボン又は微結晶カーボン又はこれらの
    混合物からなるカーボン薄膜の形成手段と、 水素又は水素含有ガス供給手段と、 前記多結晶性半導体薄膜となる半導体材料薄膜の原料ガ
    スの供給手段と、 触媒体と、 触媒体加熱手段と、 基体加熱手段と、 グロー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界を印加す
    る電界又は/及び磁界印加手段とを有する、多結晶性半
    導体薄膜の形成装置。
  28. 【請求項28】 基体上に多結晶性半導体薄膜を有する
    半導体装置を製造するための装置であって、 アモルファスカーボン又は微結晶カーボン又はこれらの
    混合物からなるカーボン薄膜の形成手段と、 水素又は水素含有ガス供給手段と、 前記多結晶性半導体薄膜となる半導体材料薄膜の原料ガ
    スの供給手段と、 触媒体と、 触媒体加熱手段と、 基体加熱手段と、 グロー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界を印加す
    る電界又は/及び磁界印加手段とを有する、半導体装置
    の製造装置。
  29. 【請求項29】 前記カーボン薄膜が気相成長法又は物
    理的成膜法によって、前記半導体材料薄膜が気相成長法
    によって形成される、請求項27又は28に記載した装
    置。
  30. 【請求項30】 原料ガス及び水素又は水素含有ガスの
    少なくとも一部を加熱された触媒体に接触させて触媒的
    に分解させ、これによって生成したラジカル、イオン等
    の反応種を必要あればグロー放電開始電圧以下の電界又
    は/及び磁界の作用下で基体上に堆積させて、前記カー
    ボン薄膜及び/又は前記半導体材料薄膜を気相成長させ
    る、請求項27又は28に記載した装置。
  31. 【請求項31】 原料ガス及び水素又は水素含有ガスの
    少なくとも一部を加熱された前記触媒体に接触させて触
    媒的に分解させ、これによって生成したラジカル、イオ
    ン等の反応種を前記基体上に堆積させることにより前記
    カーボン薄膜又は前記半導体材料薄膜を気相成長させた
    後、原料ガスの供給を停止し、水素又は水素含有ガスの
    少なくとも一部を加熱された前記触媒体に接触させ、こ
    れによって生成した高温の水素系分子、水素系原子、活
    性化水素イオン等の水素系活性種をグロー放電開始電圧
    以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記カーボン薄膜
    又は前記半導体材料薄膜に作用させるアニール工程を行
    い、更に、この半導体材料薄膜のアニール工程と、前記
    半導体材料薄膜と同様の半導体材料薄膜の気相成長工程
    とを繰り返すために、前記原料ガス供給手段と前記水素
    又は水素含有ガス供給手段とを制御する制御手段を有す
    る、請求項30に記載した装置。
  32. 【請求項32】 前記加熱触媒体に前記水素又は水素含
    有ガスの少なくとも一部を接触させ、これによって生成
    した高温の水素系分子、水素系原子、活性化水素イオン
    等の水素系活性種をグロー放電開始電圧以下の電界又は
    /及び磁界の作用下で前記カーボン薄膜又は前記半導体
    材料薄膜に作用させてアニールを行う、請求項27又は
    28に記載した装置。
  33. 【請求項33】 加熱された前記触媒体に、原料ガス及
    び水素系キャリアガスの少なくとも一部を接触させて触
    媒的に分解させ、これによって生成したラジカル、イオ
    ン等の反応種を必要あればグロー放電開始電圧以下の電
    界又は/及び磁界の作用下で加熱された前記基体上に堆
    積させて前記カーボン薄膜又は前記半導体材料薄膜を気
    相成長させた後、前記原料ガスの供給を停止し、加熱さ
    れた触媒体に前記水素系キャリアガスの少なくとも一部
    を接触させ、これによって生成した高温の水素系分子、
    水素系原子、活性化水素イオン等の水素系活性種をグロ
    ー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で前
    記カーボン薄膜又は前記半導体材料薄膜に作用させてア
    ニールを行う、請求項27、28、31又は32に記載
    した装置。
  34. 【請求項34】 前記カーボン薄膜又は前記半導体材料
    薄膜の気相成長時の水素又は水素含有ガス供給量よりも
    前記アニール時の水素又は水素含有ガス供給量が多くさ
    れる、請求項33に記載した装置。
  35. 【請求項35】 タングステン、トリア含有タングステ
    ン、モリブデン、白金、パラジウム、バナジウム、シリ
    コン、アルミナ、金属を付着したセラミックス、及び炭
    化ケイ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の材料
    によって、前記触媒体が形成されている、請求項27又
    は28に記載した装置。
  36. 【請求項36】 前記触媒体及びこれを支持する支持体
    の純度を99.99wt%以上、好ましくは99.99
    9wt%又はそれ以上とする、請求項27又は28に記
    載した装置。
  37. 【請求項37】 前記多結晶性半導体薄膜が多結晶性シ
    リコン膜、多結晶性ゲルマニウム膜又は多結晶性シリコ
    ンゲルマニウム膜からなり、かつ、前記水素又は水素含
    有ガスが水素又は水素と不活性なガスとの混合ガスから
    なる、請求項27又は28に記載した装置。
  38. 【請求項38】 前記多結晶性半導体薄膜に錫等のIV族
    元素の少なくとも1種を適量含有させる、請求項37に
    記載した装置。
  39. 【請求項39】 前記電界印加手段が、グロー放電開始
    電圧以下の直流電圧、交流電圧(高周波電圧及び/又は
    低周波電圧)、又は直流電圧に交流電圧(高周波電圧及
    び/又は低周波電圧)を重畳させた電圧を印加する電源
    を有している、請求項27又は28に記載した装置。
  40. 【請求項40】 前記高周波電圧の周波数が1〜100
    MHz、前記低周波電圧の周波数が1MHz未満であ
    る、請求項39に記載した装置。
  41. 【請求項41】 前記基体を支持するサセプタと前記電
    界印加用の電極との間に前記触媒体が設置される、請求
    項27又は28に記載した装置。
  42. 【請求項42】 前記水素又は水素含有ガスと原料ガス
    を導出するガス供給口が前記電極に形成されている、請
    求項41に記載した装置。
  43. 【請求項43】 前記多結晶性半導体薄膜内においてゲ
    ート絶縁膜側から外部に向って結晶粒径を小さくして高
    密度化するか、或いはアモルファス半導体薄膜又は微粒
    径層及びアモルファス半導体薄膜で前記多結晶性半導体
    薄膜を被覆する、請求項27又は28に記載した装置。
  44. 【請求項44】 前記微粒径層及びアモルファス半導体
    薄膜又は前記アモルファス半導体薄膜を除去し、大粒径
    層(前記多結晶性半導体薄膜)とコンタクトしたソー
    ス、ドレイン電極を形成する、請求項43に記載した装
    置。
  45. 【請求項45】 前記多結晶性半導体薄膜によって、薄
    膜絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャンネル、ソ
    ース及びドレイン領域、又は配線、抵抗、容量又は電子
    放出体等を形成する、請求項27又は28に記載した装
    置。
  46. 【請求項46】 シリコン半導体装置、シリコン半導体
    集積回路装置、シリコン−ゲルマニウム半導体装置、シ
    リコン−ゲルマニウム半導体集積回路装置、化合物半導
    体装置、化合物半導体集積回路装置、炭化ケイ素半導体
    装置、炭化ケイ素半導体集積回路装置、液晶表示装置、
    有機又は無機エレクトロルミネセンス表示装置、フィー
    ルドエミッションディスプレイ(FED)装置、発光ポ
    リマー表示装置、発光ダイオード表示装置、CCDエリ
    ア/リニアセンサ装置、MOSセンサ装置、太陽電池装
    置用の薄膜を製造する、請求項27又は28に記載した
    装置。
  47. 【請求項47】 内部回路及び周辺回路を有する半導体
    装置、固体撮像装置、電気光学装置等の製造に際し、こ
    れらの少なくとも一部を構成する薄膜絶縁ゲート型電界
    効果トランジスタのチャンネル、ソース及びドレイン領
    域を前記多結晶性半導体薄膜によって形成する、請求項
    46に記載した装置。
  48. 【請求項48】 各色用の有機又は無機エレクトロルミ
    ネセンス層の下層にそれぞれ、前記薄膜絶縁ゲート型電
    界効果トランジスタのドレイン又はソースと接続された
    陰極又は陽極を有する装置を製造する、請求項46に記
    載した装置。
  49. 【請求項49】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上も前記陰極が覆い、或いは前記
    各色用の有機又は無機エレクトロルミネセンス層の各層
    上及び各層間の全面に前記陰極又は陽極が被着されてい
    る装置を製造する、請求項48に記載した装置。
  50. 【請求項50】 前記各色用の前記有機又は無機エレク
    トロルミネセンス層間にブラックマスク層を形成する、
    請求項48に記載した装置。
  51. 【請求項51】 フィールドエミッションディスプレイ
    装置のエミッタを、前記多結晶性半導体薄膜を介して前
    記薄膜絶縁ゲート型電界効果トランジスタのドレインに
    接続すると共に前記多結晶性半導体薄膜上に成長された
    n型多結晶性半導体膜又は多結晶性ダイヤモンド膜によ
    って形成する、請求項50に記載した装置。
  52. 【請求項52】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上にアース電位の金属系遮蔽膜を
    形成する、請求項51に記載した装置。
  53. 【請求項53】 前記金属系遮蔽膜を前記フィールドエ
    ミッションディスプレイ装置のゲート引き出し電極と同
    一材料で同一工程により形成する、請求項52に記載し
    た装置。
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