JP2002246311A - 多結晶性半導体薄膜及びその形成方法、半導体装置及びその製造方法、これらの方法の実施に使用する装置、並びに電気光学装置 - Google Patents

多結晶性半導体薄膜及びその形成方法、半導体装置及びその製造方法、これらの方法の実施に使用する装置、並びに電気光学装置

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JP2002246311A JP2001041850A JP2001041850A JP2002246311A JP 2002246311 A JP2002246311 A JP 2002246311A JP 2001041850 A JP2001041850 A JP 2001041850A JP 2001041850 A JP2001041850 A JP 2001041850A JP 2002246311 A JP2002246311 A JP 2002246311A
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film
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semiconductor
polycrystalline
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Hideo Yamanaka
英雄 山中
Hisayoshi Yamoto
久良 矢元
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Sony Corp
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Sony Corp
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  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Recrystallisation Techniques (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高結晶化率で高品質の多結晶性シリコン等の
多結晶性半導体薄膜を容易かつ低コストに、しかも大面
積に形成可能な方法と、この方法を実施する装置を提供
すること。 【解決手段】 基体1上に高結晶化率、大粒径の多結晶
性シリコン膜等の多結晶性半導体薄膜7を形成するに際
し、或いは基体1上に多結晶性半導体薄膜7を有する半
導体装置を製造するに際し、基体1上に触媒CVD法等
によりアモルファス又は微結晶カーボン薄膜100Aを
形成し、水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体46
に接触させ、これによって生成した水素系活性種をカー
ボン薄膜100Aに作用させて(触媒AHA処理で)そ
のアモルファス成分をエッチングし、ダイヤモンド構造
のカーボン超微粒子層100Bを形成し、これをシード
に触媒CVD法等により多結晶性半導体薄膜を成長させ
る気相成長工程(更に触媒AHA処理と触媒CVD等と
を繰り返すこと)によって多結晶性半導体薄膜7を得
る、多結晶性半導体薄膜の形成方法、又は半導体装置の
製造方法、及びこれらを実施するための装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基体上に多結晶性
シリコンなどの多結晶性半導体薄膜と、これを気相成長
させる方法及びその装置、その多結晶性半導体薄膜を基
体上に有する半導体装置と、その製造方法及びその装
置、並びに電気光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、MOSFET(Metal-Oxide-Semi
conductor Field Effect Transistor)である例えばM
OSTFT(Thin Film Transistor=薄膜絶縁ゲート型
電界効果トランジスタ)のソース、ドレイン及びチャン
ネル領域を多結晶シリコン膜で形成するに際し、プラズ
マCVD(CVD:Chemical Vapor Deposition=化学
的気相成長法)や減圧CVD法等が用いられている。
【0003】例えば特開平6−140325号によれ
ば、プラズマCVD、スパッタリング法等により、ガラ
ス基板上にアモルファスカーボン薄膜を形成し、プラズ
マ水素処理により、そのアモルファスカーボン薄膜の表
面上に存在するカーボンクラスタを安定させ、かつその
付近に存在するアモルファス構造のカーボンをわずかに
エッチングする。その後に、プラズマCVD法にて水素
含有アモルファスシリコン膜(a−Si:H膜)を2〜
20μm堆積させる。最後に、ガラス基板の温度を室温
から800℃まで8〜20秒間で昇温し、次いでハロゲ
ンランプによる急速加熱を15〜500秒間行い、更に
室温まで降温させる一連の工程を1サイクルとするアニ
−リング処理を所定回数、例えば100回行い、a−S
i:H膜から多結晶シリコン薄膜を形成する。これは、
いわゆる高速ランプアニール法であり、カーボン超微粒
子を核として多結晶シリコン膜を形成している。
【0004】また、プラズマCVD法、減圧CVD法等
により形成したアモルファス又は多結晶シリコンは、特
開平7−131030号、特開平9−116156号、
特公平7−118443号にみられるように、単に高温
アニール又はエキシマレーザーアニール(ELA:Exci
mer Laser Anneal)処理することにより、多結晶シリコ
ン膜のキャリア移動度の改善を図ってきたが、この方法
では80〜120cm 2/V・sec程度のキャリア移
動度を得るのが限界であった。しかし、プラズマCVD
法によるアモルファスシリコンのELAで得られた多結
晶シリコンを用いるMOSTFTの電子移動度は、10
0cm2/V・sec前後であり、高精細化にも対応で
きるので、最近は駆動回路一体型の多結晶シリコンMO
STFTを用いたLCD(Liquid Crystal Display=液
晶表示装置)が注目されている(特開平6−24243
3号参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た方法はいずれも、次に示す欠点を回避することができ
ない。
【0006】1)RFプラズマCVD法、又はRF/D
C混合プラズマCVD法による原料ガスの熱分解反応の
エネルギー不足で、アモルファスカーボン薄膜中のカー
ボン超微粒子(クラスタ)の形成が不安定となる。 2)RFプラズマ、又はRF/DC混合プラズマの水素
処理は、その水素分子/原子/イオンのエネルギーが低
く、アモルファス構造のカーボンのエッチング効果が低
く、カーボンクラスタの形成が不安定となる。 3)高速ランプアニール法は、熱伝導率の高い基板を用
いる場合には効果はあるが、熱伝導率の低いガラス基板
等では室温までの冷却に時間がかかるので、生産性が悪
い。
【0007】また、エキシマレーザーを用いると、その
出力の安定性や、生産性、大型化による装置価格の上
昇、歩留/品質低下等の問題が山積しており、特に、1
m×1mの大型ガラス基板になると、前記の問題が拡大
して性能/品質向上とコストダウンが一層難しくなる。
【0008】また、固相成長法による多結晶シリコンM
OSTFTの製法では、600℃以上での十数時間のア
ニールと、約1000℃での熱酸化のゲートSiO2
形成が必要なために、半導体製造装置を採用せざるを得
ない。このために、基板サイズは、ウエーハサイズ8〜
12インチφが限界であり、また高耐熱性で高価な石英
ガラスを採用しなければならず、コストダウンが難し
く、EVFやデータ/AVプロジェクタに用途が限定さ
れている。
【0009】近時、ガラス基板のような絶縁性基板上
に、多結晶シリコン膜、窒化シリコン膜等を低温で作製
し得る優れた熱CVDである触媒CVD法が開発され
(特公昭63−40314号、特公平8−250438
号参照)、実用化の検討が推進されている。触媒CVD
法においては、結晶化アニールなしで、30cm2/V
・sec程度のキャリア移動度を得ているが、良質なM
OSTFTデバイスを作製するにはまだ不十分である。
そして、ガラス基板上に多結晶シリコン膜を形成する
と、成膜条件次第では初期のアモルファスシリコンの転
移層(厚さ5〜10nm)が形成されやすいので、ボト
ムゲート型MOSTFTとした場合は所望のキャリア移
動度は得にくい。一般に駆動回路一体型の多結晶シリコ
ンMOSTFTを用いたLCDは、ボトムゲート型MO
STFTが歩留及び生産性の面で製造しやすいが、この
問題がネックとなってくる。
【0010】本発明の目的は、高結晶化率で高品質の多
結晶性シリコン等の多結晶性半導体薄膜と、これを容易
かつ低コストに、しかも大面積に形成可能な方法と、こ
の方法を実施する装置を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、こうした多結晶性半
導体薄膜を構成部分として有するMOSTFT等の半導
体装置と、その製造方法と、この方法を実施する装置、
及び電気光学装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、基体上
に多結晶性半導体薄膜を形成するに際し、或いは基体上
に多結晶性半導体薄膜を有する半導体装置を製造するに
際し、前記基体上にアモルファスカーボン又は微結晶カ
ーボン又はこれらの混合物からなるカーボン薄膜を形成
する工程と、水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体
に接触させ、これによって生成した水素系活性種を前記
カーボン薄膜に作用させてアニールを行い、ダイヤモン
ド構造のカーボン超微粒子を形成する工程と、このカー
ボン超微粒子上に半導体材料薄膜を気相成長させる工程
とを経て前記多結晶性半導体薄膜を得る、多結晶性半導
体薄膜の形成方法、又は半導体装置の製造方法に係るも
のである。
【0013】また、本発明は、本発明の方法を実施する
装置として、アモルファスカーボン又は微結晶カーボン
又はこれらの混合物からなるカーボン薄膜の形成手段
と、水素又は水素含有ガス供給手段と、前記多結晶性半
導体薄膜となる半導体材料薄膜の原料ガスの供給手段
と、触媒体と、触媒体加熱手段と、基体加熱手段とを有
する、多結晶性半導体薄膜の形成装置、又は半導体装置
の製造装置を提供するものである。
【0014】また、本発明は、ダイヤモンド構造のカー
ボン超微粒子をシードにして形成された多結晶性半導体
薄膜、又はこの多結晶性半導体薄膜を有する半導体装置
を提供するものである。
【0015】また、本発明は、各色用の有機又は無機エ
レクトロルミネセンス層の下層にそれぞれ、前記多結晶
性半導体薄膜からなるMOSTFTのドレイン又はソー
スと接続された陰極又は陽極を有し、前記MOSTFT
を含む能動素子上も前記陰極が覆い、或いは前記各色用
の有機又は無機エレクトロルミネセンス層の各層上及び
各層間の全面に前記陰極又は陽極が被着されている電気
光学装置を提供するものである。
【0016】また、本発明は、フィールドエミッション
ディスプレイ(FED)装置のエミッタが、前記多結晶
性半導体薄膜からなるMOSTFTのドレインに前記多
結晶性半導体薄膜を介して接続されると共に前記多結晶
性半導体薄膜上に成長されたn型多結晶性半導体膜又は
多結晶性ダイヤモンド膜によって形成されている電気光
学装置も提供するものである。
【0017】本発明によれば、基体上に多結晶性半導体
薄膜を形成するに際し、前記基体上にアモルファスカー
ボン又は微結晶カーボン又はこれらの混合物からなるカ
ーボン薄膜を形成し、水素又は水素含有ガスを加熱され
た触媒体に接触させ、これによって生成した水素系活性
種を前記カーボン薄膜に作用させてアニールを行い、ダ
イヤモンド構造のカーボン超微粒子を形成し、このカー
ボン超微粒子上に前記半導体材料薄膜を気相成長させて
いるので、次の(1)〜(4)に示すような顕著な作用
効果が得られる。
【0018】(1)加熱された触媒体に水素又は水素含
有ガスを接触させて生成した活性種(高温の水素系分
子、水素系原子、活性化水素イオン等の水素系活性種)
による処理(以下、これを触媒AHA(Atomic Hydroge
n Anneal)処理と称する。)により、高温の水素系分
子、水素系原子、活性水素イオン等の水素系活性種を前
記カーボン薄膜に対し吹き付け等で作用させているの
で、高温の加熱触媒体の輻射熱による加熱も加わって、
次の顕著な効果を示す。
【0019】この触媒AHA処理は、減圧下(好ましく
は10〜50Paの水素系キャリアガス圧)で、水素を
高温の触媒体(融点未満の800〜2000℃、例えば
タングステンでは1500〜2000℃)に接触させ
て、大量の高温の水素系活性種(水素系分子/水素系原
子/活性化水素イオン等)を生成し、これを基板上に形
成したアモルファスカーボン膜又は微結晶カーボン膜等
に吹き付けると(但し、基板温度は特に200〜500
℃)、高温の水素系活性種等が有する大量の熱エネルギ
ーがその膜等に移動して、その膜等の温度を局部的に上
昇させる。これによって、アモルファスカーボン膜や微
結晶カーボン膜等は、水素系活性種の還元作用によりア
モルファス成分がエッチング除去されると共に結晶化し
て、アモルファスカーボン膜又は微結晶カーボン膜等の
表面又は基板(例えばガラス基板)上に、ダイヤモンド
構造を有するカーボン超微粒子(クラスタ)を確実に安
定して点在させることができ、これを次の多結晶性シリ
コン等の成長の核(シード)として有効に働かせること
ができる。この時、特にゲートチャンネル領域等には島
状に点在し、電気抵抗が無視しうる程度に小さいことが
必要である。尚、触媒AHA処理の水素系活性種による
還元作用のエッチングは、アモルファス成分のみなら
ず、微結晶、多結晶及び単結晶成分にも起こるが、アモ
ルファス成分のエッチング作用が大きいので、その選択
性を利用する方法であり、カーボン系膜、シリコン系膜
などに適用できる。
【0020】(2)こうして触媒AHA処理されて得ら
れるダイヤモンド構造のカーボン超微粒子をシードとし
て、この上に半導体材料薄膜が多結晶化され易い状態で
(多結晶性半導体薄膜として)成長し易くなり、特に次
の触媒AHA処理及び気相成長により、上記多結晶性半
導体薄膜上に気相成長されたシリコン膜等はこの多結晶
性半導体薄膜をシードとして結晶化が促進されるので、
目的とする高結晶化率、高品質の多結晶性半導体薄膜を
得ることができる。即ち、触媒AHA処理により、例え
ば触媒CVDで成膜されたアモルファスカーボン膜、又
は微結晶カーボン膜にアモルファス成分が存在している
と、これが水素系活性種によりエッチング除去されてダ
イヤモンド構造のカーボン超微粒子が形成され、その上
に気相成長するシリコン膜は下地のダイヤモンド構造の
カーボン超微粒子をシード(核)にしてより多結晶性シ
リコン膜化し易く、更には、同様の触媒AHA処理と気
相成長とを繰り返すと、高温の水素系活性種が有する熱
エネルギーがその膜等に移動して、その膜等の温度を局
部的に上昇させ、水素系活性種の還元作用によりアモル
ファスシリコンや微結晶シリコンは多結晶化し、多結晶
性シリコンは高結晶化して、高結晶化率、大粒径の多結
晶性シリコン膜を形成することができる。この結果、ト
ップゲート型のみならず、ボトムゲート型、デュアルゲ
ート型MOSTFTでも、高いキャリア(電子/正孔)
移動度の大粒径の多結晶性シリコン膜等が得られるため
に、この高性能の多結晶性シリコン等の半導体を使用し
た高速、高電流密度の半導体装置、電気光学装置、更に
は高効率の太陽電池等の製造が可能となる。
【0021】(3)この触媒AHA処理は、プラズマの
発生なしに行えるので、プラズマによるダメージがな
く、またプラズマ処理に比べ、シンプルで安価な装置を
実現できる。
【0022】(4)基体温度を低温化しても上記水素系
活性種のエネルギーが大きいために、目的とするダイヤ
モンド構造のカーボン超微粒子が確実に安定して得られ
ることから、基体温度を特に200〜400℃と低温化
しても、多結晶性半導体薄膜がカーボン超微粒子をシー
ドに効率良く成長し、従って大型で安価な低歪点の絶縁
基板(ガラス基板、耐熱性樹脂基板等)を使用でき、こ
の点でもコストダウンが可能となる。
【0023】なお、本発明において、上記の触媒AHA
処理で形成されるダイヤモンド構造のカーボン超微粒子
は、粒径10nm以下で1〜100個/μm2の面積比
率で点在していることが望ましい。また、上記の多結晶
性半導体薄膜は、アモルファス成分が除去された或いは
微量存在してよい大粒径(グレインサイズでは通常、数
100nm以上)の多結晶をベースとしたものであり、
微結晶も含有する構造からなる。なお、この多結晶性半
導体薄膜となる上記の半導体材料薄膜は、多結晶以外に
も、低級結晶性半導体薄膜であって、アモルファス成分
を含有する微結晶をベースとした構造を例えば微結晶シ
リコン、微結晶カーボンと称し、又は微結晶を含有する
アモルファス(非晶質)をベースとした構造を例えばア
モルファスシリコン、アモルファスカーボンと称する。
これは、上記のカーボン超微粒子がシードとなって多結
晶化されることになる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の方法及びその装置におい
ては、前記カーボン薄膜を気相成長法(触媒CVD法、
高密度プラズマCVD法、高密度触媒CVD法等:以
下、同様)又は物理的成膜法(スパッタリング法等:以
下、同様)によって、前記半導体材料薄膜を気相成長法
によって形成するのがよい。この場合、望ましくは融点
未満の温度(例えば1600〜1800℃)に加熱され
た前記触媒体に、前記原料ガス及び水素又は水素含有ガ
ス(又は水素系キャリアガス)の少なくとも一部を接触
させて触媒的に分解させ、これによって生成したラジカ
ル、イオン等の反応種を加熱された前記基体上に堆積さ
せて前記カーボン薄膜及び/又は前記半導体材料薄膜を
触媒CVDにより気相成長させるのがよい。また、この
気相成長後に、連続して前記原料ガスの供給を停止し、
望ましくは、融点未満の温度に加熱された触媒体(これ
は前記触媒体と同一物であるのがよいが、別のものであ
ってもよい。)に前記水素又は水素含有ガスの少なくと
も一部を接触させ、これによって生成した高温の水素系
分子、水素系原子、活性化水素イオン等の水素系活性種
を前記カーボン薄膜又は前記半導体材料薄膜に作用させ
て触媒AHA処理による前記アニールを行うのがよい。
【0025】この場合、前記気相成長時の水素又は水素
含有ガス供給量よりも前記アニール時の水素又は水素含
有ガス供給量を多くする。例えば、気相成長時に用いる
水素系キャリアガスは水素又は水素と不活性ガス(熱伝
導性が良好であって反応性向上に寄与するアルゴン、ヘ
リウム、キセノン、クリプトン、ラドン等)との混合ガ
スであり、混合ガスの場合は水素含有比率は50モル%
以上とすることによって触媒体の酸化劣化を防止でき
る。また、触媒AHA処理時に用いる水素又は水素含有
ガスは、気相成長時の水素系キャリアガスと同様であっ
てよいが、例えばガス流量300〜1000SCCM
(Standard cc per minute)、ガス圧10〜50Paと
大きくし(触媒CVDのときのガス圧は0.1〜数P
a)、ガスによる熱伝導の増大とラジカル水素イオン発
生量の増大を図るのがよい。
【0026】また、前記半導体材料薄膜の気相成長後
に、連続して水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体
に接触させ、これによって生成した高温の水素系分子、
水素系原子、活性化水素イオン等の水素系活性種を前記
半導体材料薄膜に作用させてアニールを行い、必要あれ
ば、前記半導体材料薄膜と同様の半導体材料薄膜の気相
成長と前記アニールとを繰り返すのが望ましい。このた
めには、前記原料ガス供給手段と前記水素又は水素含有
ガス供給手段とを制御する制御手段を有するのがよい。
【0027】即ち、触媒AHA処理されて得られる多結
晶性半導体薄膜上に更に半導体材料薄膜を気相成長させ
る工程とアニール工程とを目的とする膜厚となるまで繰
り返す、いわば2ステップ又はそれ以上のマルチ触媒A
HA処理により、この半導体材料薄膜は既に触媒AHA
処理で多結晶化された下地膜上に、これをシードとして
多結晶化され易い状態で成長し易くなり、目的とする高
結晶化率、高品質の多結晶性半導体膜を所定の膜厚で得
ることができる。即ち、触媒CVDと触媒AHA処理を
繰り返すマルチ触媒AHA処理により、例えば触媒CV
Dでカーボン超微粒子層上に成膜された多結晶性シリコ
ンを触媒AHA処理でシード化し、この上に触媒CVD
で半導体材料薄膜を気相成長させ、更に触媒AHA処理
することにより、高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコ
ン膜等を形成することができる。
【0028】具体的には、シリコン膜においては、高温
の水素分子/原子/ラジカルが有する熱エネルギーが移
動して、その膜の温度を局部的に上昇させ、水素系活性
種の還元作用によりアモルファス成分をエッチングして
アモルファスシリコン等は多結晶化し、多結晶性シリコ
ンは高結晶化して大粒径の多結晶性シリコン膜が形成さ
れ易くなると共に、この上に気相成長させるシリコン膜
はより高結晶化、大粒径化され、キャリア移動度の向上
が図れる。
【0029】しかも、多結晶性シリコン膜上又は膜内又
は粒界にシリコン酸化物が存在したとき、水素系活性種
がこれと反応してSiOを生成して蒸発させるので、多
結晶性シリコン膜上又は膜内のシリコン酸化物を減少/
除去させることができ、キャリア移動度の向上を図るこ
とができる。
【0030】また、この触媒CVDの場合、触媒体の種
類及び温度、基板加熱温度、気相成膜条件、原料ガスの
種類、添加するn又はp型不純物濃度等により、広範囲
のn又はp型不純物濃度の多結晶性シリコン膜が容易に
得られ、かつ、触媒AHA処理により大きな粒径の多結
晶性シリコン膜を形成できるので、高キャリア移動度で
th(しきい値)調整が容易であり、低抵抗での高速動
作が可能となる。
【0031】なお、多結晶性シリコンをプラズマCVD
で成膜し、これを触媒AHA処理する場合、プラズマC
VDでの多結晶性シリコン膜中に10〜20%含有する
水素を触媒AHA処理で減少/除去させ、大きな粒径の
多結晶性シリコン膜を形成できるので、大きなキャリア
移動度の多結晶性シリコン膜の形成が可能となる。更
に、基板加熱温度、気相成膜条件、原料ガスの種類、触
媒AHA処理条件、添加するn又はp型不純物濃度等に
より、広範囲のn又はp型不純物濃度の多結晶性シリコ
ン膜が容易に得られるので、高移動度でVth調整が容易
で低抵抗での高速動作が可能となる。
【0032】また、スパッタリングで成膜後に触媒AH
A処理する場合、シリコンターゲットの比抵抗(添加す
るn又はp型不純物濃度)、スパッタリング成膜条件、
基板加熱温度、触媒AHA処理条件等により、広範囲の
n又はp型不純物濃度の多結晶性シリコン膜が容易に得
られるので、高キャリア移動度でVth調整が容易であ
り、低抵抗での高速動作が可能となる。
【0033】前記触媒CVDによる上記の気相成長は、
具体的には、前記触媒体を800〜2000℃の範囲で
あってその融点未満の温度に加熱し(例えば触媒体に通
電してそれ自体の抵抗加熱によって加熱し)、この加熱
された触媒体により前記原料ガス及び前記水素又は水素
含有ガスの少なくとも一部を触媒反応又は熱分解反応さ
せて生成した前記反応種を原料種として、例えば200
〜400℃に加熱した基板上に薄膜を堆積させることが
できる。このような触媒体温度や下記の触媒体材質は触
媒AHA処理時も同様である。
【0034】ここで、触媒体の加熱温度が800℃未満
であると、原料ガスの触媒反応又は熱分解反応が不十分
となって堆積速度が低下し易く、また2000℃を超え
ると触媒体の構成材料が堆積膜中に混入して膜の電気的
特性を阻害し、膜質低下を生じ、また、触媒体の融点以
上の加熱は、その形態安定性が失われるので、回避する
のがよい。触媒体の加熱温度は、その構成材料の融点未
満であって1100℃〜1800℃であるのが好まし
い。
【0035】触媒体は、タングステン、トリア含有タン
グステン、モリブデン、白金、パラジウム、バナジウ
ム、シリコン、アルミナ、金属を付着したセラミック
ス、及び炭化ケイ素からなる群より選ばれた少なくとも
1種の材料によって形成することができる。
【0036】そして、この触媒体及びこれを支持する支
持体の純度を99.99wt%(4N)以上、好ましく
は99.999wt%(5N)又はそれ以上とすること
によって、形成される多結晶性半導体薄膜の重金属汚染
を低減することができる。
【0037】また、基板温度は、200〜800℃が好
ましく、より好ましくは300〜400℃とすれば、効
率的で高品質の成膜を行なえる。基板温度が高いと、安
価なほうけい酸ガラス、アルミノけい酸ガラスが使用で
きなくなり、また熱の影響によって不純物のドーピング
濃度分布が変化し易くなる。
【0038】通常の熱CVD法で多結晶性シリコン膜を
形成する場合には、基板温度を約600〜900℃とす
る必要があるが、本発明に基づく成膜では、プラズマや
光励起を必要とせずに、上記のような低温での熱CVD
が可能となることが極めて有利である。本発明に基づく
触媒CVD時の基板温度が上記したように低いため、基
板、例えばガラス基板として、歪点が470〜670℃
と低いほうけい酸ガラスやアルミノけい酸ガラス等のガ
ラスを用いることができる。これは、安価で、薄板化が
容易であり、大型化(1m×1m以上)が可能であり、
また長尺ロール化されたガラス板を作製できる。例え
ば、長尺ロール化ガラス板上に、上記手法を用いて、薄
膜を連続して又は非連続に作製することができる。
【0039】本発明による触媒CVDによる気相成長に
使用する原料ガスは、カーボン薄膜の場合は、メタン、
エタン、プロパン等の炭化水素又はその誘導体が挙げら
れる。半導体材料薄膜の場合は、水素化ケイ素又はその
誘導体、水素化ケイ素又はその誘導体と水素、ゲルマニ
ウム、炭素又はスズを含有するガスとの混合物、水素化
ケイ素又はその誘導体と周期表第III族又は第V族元素
からなる不純物を含有するガスとの混合物、水素化ケイ
素又はその誘導体と水素、ゲルマニウム、炭素又はスズ
を含有するガスと周期表第III族又は第V族元素からな
る不純物を含有するガスとの混合物等が挙げられる。
【0040】上記の如き原料ガスを使用することによっ
て、アモルファス又は微結晶カーボン薄膜(例えば粒径
は10nm未満)を形成することができる。また、多結
晶性半導体薄膜として、多結晶性シリコン膜、多結晶性
ゲルマニウム膜又は多結晶性シリコンゲルマニウム膜を
形成することができる。
【0041】そして、半導体材料薄膜の成長時又は成長
後に、錫、ゲルマニウム、鉛等のIV族元素の少なくとも
1種を合計が適量(1015atoms/cc以上、例え
ば1018〜1020atoms/cc)含有させる(更に
この状態で触媒AHA処理による前記アニール工程を行
う)と、多結晶性半導体薄膜の結晶粒界(グレインバウ
ンダリ)に存在する不整を低減し、その膜ストレスを低
減して高キャリア移動度、高品質の多結晶性半導体が得
られ易くなる。このIV族元素は、原料ガス中にガス成分
として混合したり、或いはイオン注入又はイオンドーピ
ングにより、半導体材料薄膜中に含有させることができ
る。また、本発明により形成した多結晶性半導体膜中の
酸素、窒素、炭素濃度はそれぞれ1×1019atoms
/cc以下、好ましくは5×1018atoms/cc以
下がよく、水素濃度は0.01原子%以上が好ましい。
又、ナトリウム(Na)濃度はSIMS最低濃度領域で
1×1018atoms/cc以下が好ましい。
【0042】なお、前記原料ガスを供給する前に、前記
触媒体を水素系ガス雰囲気中で加熱処理することが望ま
しい。これは、原料ガスの供給前に触媒体を加熱する
と、触媒体の構成材料が放出され、これが成膜された膜
中に混入することがあるが、触媒体を水素系ガス雰囲気
中で加熱することによってそのような混入を解消するこ
とができる。従って、成膜室内を水素系ガスで充たした
状態で触媒体を加熱し、次いで水素系ガスをキャリアガ
スとして原料ガス(いわゆる反応ガス)を供給すること
がよい。
【0043】前記触媒AHA処理は、高温の水素系活性
種により前記多結晶性半導体薄膜中の特にアモルファス
成分を選択的にエッチングする作用があり、高結晶化
率、大粒径(特にグレインサイズが数100nm以上)
の多結晶をベースとする薄膜を形成し得、かつ膜中のキ
ャリア不純物を活性化する処理であるが、その際、触媒
体温度は1600〜1800℃、基板−触媒体間の距離
は20〜50mmとし、処理時間を短縮する等、処理効
果向上のため、任意に変更してもよい。
【0044】本発明の処理で得られた前記多結晶性半導
体薄膜によって、MOSTFTのチャンネル、ソース及
びドレイン領域、又は配線、抵抗、容量又は電子放出体
等を形成することができる。この場合、前記チャンネ
ル、ソース及びドレイン領域の形成後に、これらの領域
に対し、この触媒AHA処理を施すと、上記のn型又は
p型不純物のイオン活性化を行える。
【0045】また、多結晶性シリコン等の前記多結晶性
半導体薄膜中への外部からの酸素侵入を低減するため
に、多結晶性シリコン膜等内においてゲート絶縁膜側か
ら外部に向って結晶粒径を小さくして高密度化するか、
或いはアモルファスシリコン等のアモルファス半導体膜
又は微粒径層とアモルファスシリコン等のアモルファス
半導体膜で前記多結晶性半導体薄膜を被覆するのがよ
い。この場合、汎用フォトリソグラフィ及びエッチング
技術により、微粒径層又はアモルファス半導体膜を除去
し、大粒径層(前記多結晶性半導体薄膜)とコンタクト
したソース、ドレイン電極を形成することができる。
【0046】本発明は、シリコン半導体装置、シリコン
半導体集積回路装置、シリコン−ゲルマニウム半導体装
置、シリコン−ゲルマニウム半導体集積回路装置、化合
物半導体装置、化合物半導体集積回路装置、炭化ケイ素
半導体装置、炭化ケイ素半導体集積回路装置、液晶表示
装置、有機又は無機エレクトロルミネセンス(EL)表
示装置、フィールドエミッションディスプレイ(FE
D)装置、発光ポリマー表示装置、発光ダイオード表示
装置、CCDエリア/リニアセンサ装置、MOSセンサ
装置、太陽電池装置用の薄膜を形成するのに好適であ
る。
【0047】この場合、内部回路及び周辺回路を有する
半導体装置、固体撮像装置、電気光学装置等の製造に際
し、これらの少なくとも一部を構成するMOSTFTの
チャンネル、ソース及びドレイン領域を前記多結晶性半
導体薄膜によって形成してよく、また駆動回路、映像信
号処理回路及びメモリー回路等の周辺回路一体型の構成
とすることもできる。
【0048】また、各色用の有機又は無機エレクトロル
ミネセンス層(EL層)の下層にそれぞれ、前記MOS
TFTのドレイン又はソースと接続された陰極又は陽極
を有するEL素子構造とするのがよい。
【0049】この場合、前記MOSTFT及びダイオー
ド等の能動素子上も前記陰極が覆うようにすれば、陽極
が上部にある構造では発光面積が増大すると共に、陰極
の遮光作用で発光光が前記能動素子に入射してリーク電
流を発生させることを防止できる。また、前記各色用の
有機又は無機EL層の各層上及び各層間の全面に前記陰
極又は陽極が被着されるようにすれば、全面が陰極又は
陽極で覆われることにより、湿気に弱い有機EL層の劣
化や電極の酸化を防止して、長寿命、高品質、高信頼性
が可能となり、また陰極で覆われると放熱効果が高まる
ので、発熱による薄膜の構造変化(融解あるいは再結晶
化)が低減し、長寿命、高品質、高信頼性が可能とな
り、更にこれにより、高精度、高品質のフルカラーの有
機EL層を生産性良く形成できるので、コストダウンが
可能となる。
【0050】また、前記各色用の前記有機又は無機EL
層間にクロム、二酸化クロム等のブラックマスク層を形
成すると、各色間又は画素間での光漏れを防ぎ、コント
ラストが向上する。
【0051】本発明をフィールドエミッションディスプ
レイ(FED)装置に適用するときは、そのエミッタ
(電界放出カソード)を、前記多結晶性半導体薄膜を介
して前記MOSTFTのドレインに接続すると共に前記
多結晶性半導体薄膜上に成長されたn型多結晶性半導体
膜又は多結晶性ダイヤモンド膜によって形成するのがよ
い。
【0052】この場合、前記MOSTFT、ダイオード
等の能動素子上にアース電位の金属遮蔽膜(これは、前
記FED装置のゲート引き出し電極と同一材料で同一工
程により形成すると、工程簡略化等の点で有利であ
る。)を形成すると、気密容器内にあるガスがエミッタ
から放出された電子により正イオン化されて絶縁層上に
チャージアップし、この正電荷が絶縁層下にある能動素
子に不要な反転層を形成したり、この反転層を介して余
分な電流が流れるために生じるエミッタ電流の暴走を防
止することができる。また、エミッタから放出された電
子の衝突により蛍光体が発光する際、この光によりTF
Tのゲートチャンネル内に電子、正孔が発生してリーク
電流が生じることも防止できる。
【0053】次に、本発明を好ましい実施の形態につい
て更に詳細に説明する。
【0054】第1の実施の形態 図1〜図11について、本発明の第1の実施の形態を説
明する。
【0055】本実施の形態は、本発明をトップゲート型
の多結晶性シリコンCMOS(Complementary MOS)T
FTに適用したものである。
【0056】<触媒CVD法とその装置>まず、本実施
の形態に用いる触媒CVD法及び触媒AHA処理につい
て説明する。触媒CVD法においては水素系キャリアガ
スとシランガス等の原料ガスとからなる反応ガスを加熱
されたタングステン等の触媒体に接触させ、これによっ
て生成したラジカルな堆積種又はその前駆体及び活性化
水素イオン等の水素系活性種に高いエネルギーを与え、
基板上にアモルファス又は微結晶カーボン薄膜や、多結
晶性シリコン等の多結晶性半導体薄膜を気相成長させ
る。そして、この成膜後に原料ガスの供給を停止し、水
素系キャリアガスのみを供給することによって、カーボ
ン薄膜又は多結晶性半導体薄膜の触媒AHA処理を行い
(つまり、高温の水素系分子、水素系原子、活性化水素
イオン等の水素系活性種によりアモルファス成分のカー
ボン又はシリコン等を選択的に還元エッチングし)、ダ
イヤモンド構造のカーボン超微粒子を形成し、或いはこ
のカーボン超微粒子をシード(核)にして多結晶性シリ
コン等を大粒径に成長させる。これらの触媒AHA処理
と触媒CVDとを繰り返して、より大粒径で所定膜厚の
多結晶性シリコン等の多結晶性半導体薄膜を得る。
【0057】この触媒CVD及び触媒AHA処理は、図
5〜図6に示す如き装置を用いて実施される。
【0058】この装置によれば、水素系キャリアガスと
炭化水素(例えばメタン)又は水素化ケイ素(例えばモ
ノシラン、ジシラン、トリシラン)等の原料ガス40
(及び必要に応じてB26やPH3などのドーピングガ
スも含む。)からなるガスは、供給導管41からシャワ
ーヘッド42の供給口(図示せず)を通して成膜室44
へ導入される。成膜室44の内部には、ガラス等の基板
1を支持するためのサセプタ45と、耐熱性の良い(望
ましくは触媒体46と同じか或いはそれ以上の融点を有
する材質の)シャワーヘッド42と、例えばコイル状の
タングステン等の触媒体46と、更には開閉可能なシャ
ッター47とがそれぞれ配されている。なお、図示はし
ないが、サセプタ45と成膜室44との間には磁気シー
ルが施され、また、成膜室44は前工程を行なう前室に
後続され、ターボ分子ポンプ等でバルブを介して排気さ
れる。
【0059】そして、基板1はサセプタ45内のヒータ
ー線等の加熱手段で加熱され、また触媒体46は例えば
抵抗線として融点以下(特に800〜2000℃、タン
グステンの場合は約1600〜1800℃)に加熱され
て活性化される。触媒体46の両端子は直流又は交流の
触媒体電源48に接続され、この電源からの通電により
所定温度に加熱される。
【0060】触媒CVD法を実施するには、図5の状態
で、成膜室44内の真空度を1.33×10-4〜1.3
3×10-6Paとし、例えば水素系キャリアガス50〜
100SCCM又は100〜200SCCMを供給し
て、触媒体を所定温度に加熱して活性化した後に、炭化
水素(例えばメタン)ガス10〜20SCCM又は水素
化ケイ素(例えばモノシラン)ガス1〜20SCCM
(及び必要に応じてB26や、PH3等のドーピングガ
スも適量含む。)からなる反応ガス40を供給導管41
からシャワーヘッド42の供給口43を通して導入し
て、ガス圧を0.133〜13.3Pa、例えば1.3
3Paとする。ここで、水素系キャリアガスは、水素、
水素+アルゴン、水素+ヘリウム、水素+ネオン、水素
+キセノン、水素+クリプトン等の、水素に不活性ガス
を適量混合させたガスであれば、いずれでもよい(以
下、同様)。尚、原料ガスの種類又は触媒体の材質によ
っては、必ずしも水素系キャリアガスは必要ではない。
【0061】そして、図6のようにシャッター47を開
け、原料ガス40の少なくとも一部を触媒体46と接触
して触媒的に分解させ、触媒分解反応または熱分解反応
によって、高エネルギーをもつシリコン等のイオン、ラ
ジカル等の反応種の集団(即ち、堆積種又はその前駆体
及びラジカル水素イオン)を形成する。こうして生成し
たイオン、ラジカル等の反応種50を高いエネルギーで
200〜800℃(例えば300〜400℃)に保持さ
れた基板1上にアモルファスカーボン、多結晶性シリコ
ン等の所定の膜として気相成長させる。
【0062】こうして、プラズマを発生することなく、
反応種に対し、触媒体46の触媒作用とその熱エネルギ
ーによるエネルギーを与えるので、反応ガスを効率良く
反応種に変えて、基板1上に均一に熱CVDで堆積する
ことができる。
【0063】また、基板温度を低温化しても堆積種のエ
ネルギーが大きいために、目的とする良質の膜が得られ
ることから、基板温度を上記のように更に低温化でき、
大型で安価な絶縁基板(ほうけい酸ガラス、アルミノけ
い酸ガラス等のガラス基板、ポリイミド等の耐熱性樹脂
基板等)を使用でき、この点でもコストダウンが可能と
なる。
【0064】また、勿論のことであるが、プラズマの発
生がないので、プラズマによるダメージがなく、低スト
レスの生成膜が得られると共に、プラズマCVD法に比
べ、はるかにシンプルで安価な装置が実現する。
【0065】この場合、減圧下(例えば0.133〜
1.33Pa)又は常圧下で操作を行なえるが、減圧タ
イプよりも常圧タイプの方がよりシンプルで安価な装置
が実現する。そして、常圧タイプでも従来の常圧CVD
と比べて密度、均一性、密着性のよい高品質膜が得られ
る。この場合も、減圧タイプよりも常圧タイプの方がス
ループットが大であり、生産性が高く、コストダウンが
可能である。
【0066】上記の触媒CVDにおいて、触媒体46に
よる副射熱のために、基板温度は上昇するが、上記のよ
うに、必要に応じて基板加熱用ヒーター51を設置して
よい。また、触媒体46はコイル状(これ以外にメッシ
ュ、ワイヤー、多孔板状もよい。)としているが、更に
ガス流方向に複数段(例えば2〜3段)として、ガスと
の接触面積を増やすのがよい。なお、このCVDにおい
て、基板1をサセプタ45の下面においてシャワーヘッ
ド42の上方に配しているので、成膜室44内で生じた
パーティクルが落下して基板1又はその上の膜に付着す
ることがない。
【0067】<触媒AHA処理とその装置>そして、本
実施の形態においては、上記の装置をそのまま用い、触
媒CVDによる気相成長後に、メタン、モノシラン等の
原料ガスの供給を停止し、触媒CVD時よりも多い流量
で水素系キャリアガスのみを成膜室44内に供給して、
カーボン薄膜又は半導体材料薄膜に対して触媒AHA処
理を行い、水素系活性種の選択的な還元作用によりその
アモルファス成分のエッチング、より多結晶化のための
アニールを施し、かつ、この触媒CVDと触媒AHA処
理とを所定回数繰り返して、目的とする膜厚の多結晶性
シリコン等の多結晶性半導体薄膜を形成する。
【0068】この触媒AHA処理は、加熱された触媒に
より分解、生成した水素系活性種により選択的に前記ア
モルファス成分をエッチングしてカーボン超微粒子を生
成すると共に、半導体材料薄膜の場合は下地のカーボン
超微粒子をシードとして多結晶化し易くして、高結晶化
率、大粒径(特にグレインサイズが数100nm以上)
の多結晶をベースとする薄膜を形成し得、膜中のキャリ
ア不純物を活性化する処理であるが、その際、触媒体温
度1600〜1800℃、基板−触媒体間の距離20〜
50mm、基板温度300〜400℃とし、また水素系
キャリアガスは上記したと同様に水素又は水素と不活性
ガス(アルゴン、ヘリウム、キセノン、クリプトン、ラ
ドン等)との混合ガスであり、混合ガスの場合は水素含
有比率は50モル%以上とすることによって触媒体の酸
化劣化を防止できる。また、触媒AHA処理時に用いる
水素又は水素含有ガスは、気相成長時の水素系キャリア
ガスと同様であってよいが、ガス流量300〜1000
SCCM、ガス圧10〜50Paと大きくし(触媒CV
Dのときは0.1〜数Pa)、ガスによる熱伝導の増大
とラジカル水素イオン発生量の増大を図るのがよい。
【0069】図7は、上記の触媒CVDと触媒AHA処
理における上記水素系キャリアガス及び原料ガスの導入
時間及びタイミングを多結晶性シリコン薄膜形成の場合
について示し、また図8は、流量計(MFC)や調整弁
などを組み込んだガス導入系を示す。
【0070】まず、成膜を行う前に、ゲートバルブを通
してチャンバ(成膜室)44内に基板1を搬入し、サセ
プタ45に載置し、次いで、排気系を作動させてチャン
バ44内を所定圧力まで排気するとともに、サセプタ4
5に内蔵されたヒーターを作動させて基板1を所定温度
まで加熱する。
【0071】そして、ガス導入系によって、まず水素系
キャリアガス300〜1000SCCM、例えば500
SCCMをチャンバ1内に導入する。導入された水素ガ
スの一部は、加熱触媒体46による接触分解反応により
活性化水素イオン等の水素系活性種となり、基板表面に
到達して、基板1の表面クリーニングを行う。その後に
水素系キャリアガスを150SCCMにする。
【0072】このように、チャンバ44内に水素系キャ
リアガスが供給されている状態で、ガス導入系を作動さ
せ、原料ガス(メタン又はモノシラン15SCCM)を
チャンバ44内に導入する。導入された原料ガスは、加
熱触媒体46の熱触媒反応及び熱分解反応により堆積種
が生成され、多結晶性シリコン薄膜等として基板表面に
気相成長する。
【0073】その後、原料ガスの導入を停止して、チャ
ンバ44内から原料ガスを排出し、更に水素系キャリア
ガスのみを300〜1000SCCM、例えば500S
CCMの流量で導入する、これによって、加熱触媒体に
よる接触分解反応で生じた活性水素イオン等の水素系活
性種が上記の多結晶性シリコン薄膜等に作用してそのア
モルファス成分をエッチングし、アモルファス成分が除
去されたシリコン結晶粒を形成し得、またこれをシード
として結晶化が促進された高結晶化率、大粒径の多結晶
性シリコンを得る。
【0074】こうして得られた多結晶性シリコン膜を更
に触媒AHA処理し、この上に、再び上記の触媒CVD
を施し、多結晶性シリコンをシードとしてその上に多結
晶性シリコン薄膜を成長させ、更に触媒AHA処理、触
媒CVDを繰り返して行うことにより、多結晶性シリコ
ン薄膜の膜厚をコントロールしつつ最終的には目的とす
る膜厚で高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコン薄膜を
形成することができる。
【0075】このように、水素系活性種のラジカル作用
により、熱エネルギーが膜に移動して局部的に温度上昇
させ、半導体薄膜は、アモルファス成分がエッチングさ
れて結晶化が促進され、大粒径の多結晶性膜化し、高キ
ャリア移動度、高品質の多結晶性半導体薄膜を得ること
ができ、しかも、多結晶性シリコン膜上又は膜内にシリ
コン酸化物が存在したときに、これと還元反応してSi
O等を生成して蒸発させるので、その膜上又は膜内のシ
リコン酸化物を減少/除去させることができ、高キャリ
ア移動度、高品質の多結晶性シリコン膜等を得ることが
できる。
【0076】また、微結晶シリコン含有アモルファスシ
リコン、アモルファスシリコン含有微結晶シリコンなど
は、下地のカーボン超微粒子をシードとして結晶化し、
多結晶性シリコンは高結晶率化が促進され、大粒径の多
結晶性シリコン膜化する。しかも、その膜に含有される
アモルファス構造のシリコンが水素系活性種で還元(エ
ッチング)されるので、高結晶化率の多結晶性膜が形成
される。
【0077】そして、この触媒AHA処理時に、半導体
薄膜中に存在するキャリア不純物は高温で活性化され、
各領域において最適なキャリア不純物濃度を得ることが
でき、また、高温の水素分子、水素原子及び活性化水素
イオンによるクリーニング(基板等への吸着ガス及び有
機物残渣等の還元除去)が可能であり、触媒体も酸化劣
化し難しくなり、更に水素化により、半導体膜中の例え
ばシリコンダングリングボンドをなくし、特性が向上す
る。
【0078】こうした触媒AHA処理によるアニールと
半導体薄膜の触媒CVDによる気相成長とを目的とする
膜厚となるまで繰り返すことにより、この半導体薄膜は
既に触媒AHA処理で多結晶化された下地膜上に多結晶
化され易い状態で成長し易くなり、目的とする高結晶化
率、高品質の多結晶性半導体薄膜を所定の膜厚で得るこ
とができる。即ち、触媒CVDと触媒AHA処理を繰り
返すマルチ触媒AHA処理により、例えば触媒CVDで
成膜された微結晶シリコン含有アモルファスシリコン、
アモルファスシリコン及び微結晶シリコン含有多結晶シ
リコン等を触媒AHA処理で多結晶性シリコン化し、多
結晶性シリコンは高結晶率化し、更にこの多結晶性シリ
コンをシードとした触媒CVDで多結晶性シリコン膜の
気相成長、更には触媒AHA処理を繰り返すので、高結
晶化率、大粒径の多結晶性シリコン膜を形成することが
できる。
【0079】なお、上記の触媒CVD及び触媒AHA処
理はいずれも、プラズマの発生なしに行えるので、プラ
ズマによるダメージがなく、低ストレスの生成膜が得ら
れ、またプラズマCVD法に比べ、シンプルで安価な装
置を実現できる。
【0080】図9は、本実施の形態による上記のマルチ
触媒AHA処理(触媒CVDと触媒AHA処理の繰り返
し)で得られた多結晶性シリコン薄膜のラマンスペクト
ルをその繰り返し回数等に応じて示すものである。この
結果によれば、触媒CVDによるアモルファスシリコン
の堆積(depo)時のガス流量をSiH4:H2=5:
500SCCM、触媒温度=1800〜2000℃、基
板温度=400℃とし、触媒AHA処理の条件を各種と
し、繰り返し回数も変えたところ、この繰り返し回数を
多くし、かつ処理時間を長くし、処理時の水素流量を増
加させると、サンプル#1→#2→#3→#4の順に、
アモルファス(非晶質)や微結晶が減少し、多結晶層が
増加すること(即ち、大粒径化、高結晶化すること)が
明らかである。尚、ここで、AHA1は成膜前の基板表
面のクリーニング処理であり、本来の触媒AHA処理は
AHA2〜4である。
【0081】また、図10は、各サンプルについての結
晶化率を多結晶性シリコン中の微結晶の有無について比
較して示すものである。これによれば、結晶化率はサン
プル#1→#2→#3→#4の順に高くなり、かつ下地
が微結晶(Im)を含む方が高くなることが分かる。
【0082】これらの結果は、本発明に基づく処理が高
結晶化率、大粒径の多結晶性半導体薄膜の形成にとって
非常に優れた方法であることを示すものである。
【0083】なお、本実施の形態において、上記の触媒
CVDでは、例えば0.4mmφタングステンワイヤー
の触媒体及びこれを支持している例えば0.8mmφモ
リブデンワイヤーの支持体(図示せず)の純度が問題と
なるが、従来の純度:3N(99.9wt%)を4N
(99.99wt%)以上、好ましくは5N(99.9
99wt%)又はそれ以上に純度を上げることにより、
触媒CVDによる多結晶性シリコン膜中の鉄、ニッケ
ル、クロム等の重金属汚染を低減できることが実証され
ている。図11(A)は純度3Nでの膜中の鉄、ニッケ
ル、クロム等の重金属濃度を示すが、これを5Nに高め
ることによって図11(B)に示すように鉄、ニッケ
ル、クロム等の重金属濃度を大幅に減らせることが判明
した。これにより、TFT特性の向上が可能となる。
【0084】<トップゲート型CMOSTFTの製造>
次に、本実施の形態によるトップゲート型CMOSTF
Tの製造例を示す。
【0085】まず、図1の(1)に示す石英ガラス、結
晶化ガラス、ほうけい酸ガラス、アルミノけい酸ガラス
などの絶縁基板1の少なくともTFT形成領域に、プラ
ズマCVD、触媒CVD、減圧CVD等の気相成長法に
より、保護用の窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜の積
層膜からなる保護膜(図示せず)を下記の条件で形成す
る(以下、同様)。
【0086】この場合、TFT形成のプロセス温度によ
ってガラス材質を使い分ける。200〜500℃の低温
の場合:ほうけい酸、アルミノけい酸ガラス等のガラス
基板(500×600×0.5〜1.1μm厚)、耐熱
性樹脂基板を用いてもよい。600〜1000℃の高温
の場合:石英ガラス、結晶化ガラス等の耐熱性ガラス基
板(6〜12インチφ、700〜800μm厚)を用い
てもよい。保護膜用の窒化シリコン膜はガラス基板から
のNaイオンストップのために形成するが、合成石英ガ
ラスを用いる場合は不要である。
【0087】また、触媒CVDを用いる場合、図5及び
図6に示したと同様の装置が使用可能であるが、触媒体
の酸化劣化防止のために、水素系キャリアガスを供給し
て触媒体を所定温度(約1600〜1800℃、例えば
約1700℃)に加熱し、成膜後は触媒体を問題ない温
度まで冷却して水素系キャリアガスをカットする必要が
ある。
【0088】成膜条件としては、チャンバ内に水素系キ
ャリアガス(水素、アルゴン+水素、ヘリウム+水素、
ネオン+水素等)を常時流し、流量と圧力、サセプタ温
度を下記の所定の値に制御する。 チャンバ内圧力:1〜15Pa程度、例えば10Pa サセプタ温度:300〜400℃ 水素系キャリアガス流量(混合ガスの場合、水素は70
〜80モル%以上):50〜150SCCM
【0089】また、窒化シリコン膜は、次の条件で50
〜200nmの厚みに形成する。水素(H2)をキャリ
アガスとし、原料ガスとしてモノシラン(SiH4)に
アンモニア(NH3)を適量比率で混合して形成。 水素(H2)流量:50〜150SCCM、SiH4
量:10〜20SCCM、NH3流量:50〜60SC
CM
【0090】また、酸化シリコン膜は、次の条件で50
〜100nmの厚みに形成する。水素(H2)をキャリ
アガス、原料ガスとしてモノシラン(SiH4)にHe
希釈O2を適量比率で混合して形成。 水素(H2)流量:50〜150SCCM、SiH4
量:10〜20SCCM、He希釈O2流量:1〜2S
CCM
【0091】次いで、図1の(1)に示すように、本発
明に基づく触媒CVD法等により上記の保護膜上に、次
の条件でアモルファスカーボン又は微結晶カーボン膜1
00Aを50〜100nmの厚みに形成する。水素(H
2)をキャアガス、原料ガスとしてメタン(CH4)を適
量比率混合して形成。 水素(H2)流量;50〜100SCCM、CH4流量;
10〜20SCCM
【0092】次いで、図1の(2)に示すように、連続
して触媒AHA処理により、上記のアモルファスカーボ
ン又は微結晶カーボン膜100Aからアモルファス成分
をエッチングし、ダイヤモンド構造のカーボン超微粒子
層100Bを形成する。
【0093】この触媒AHA処理は、触媒CVD法にお
いて原料ガスを供給しないで処理する方法であり、具体
的には、減圧下で、水素系キャリアガスを供給して触媒
体を所定温度(約1600〜1800℃、例えば約17
00℃設定)に加熱し、例えば300〜1000SCC
Mの水素系キャリアガスを供給して10〜50Paのガ
ス圧とし、大量の高温の水素系活性種(活性化水素イオ
ンなど)を発生させて、これらを基板上に形成した、例
えばアモルファスカーボン又は微結晶カーボン膜100
Aに吹き付ける。これにより大量の高温の水素系活性種
(活性化水素イオンなど)が有する高い熱エネルギーが
それらの膜に移動して、それらの膜温度を局部的に上昇
させ、アモルファスカーボン又は微結晶カーボン膜10
0Aに存在するアモルファス構造のカーボンを選択的に
エッチングして、ダイヤモンド構造のカーボン超微粒子
を形成し、多結晶性シリコン成長の核とする。この時
に、TFT形成領域内で、ダイヤモンド構造を有するカ
ーボン超微粒子(クラスタ)が点在し、それらの間の電
気抵抗が無視し得る(電気的ショートしていない)こと
が必要である。
【0094】次いで、図1の(3)に示すように、連続
して触媒CVD法(或いはマルチ触媒AHA処理)によ
って、例えば周期表IV族元素、例えば錫を1018〜10
20atoms/ccドープした(これはCVD時又は成
膜後のイオン注入によってドープしてよい。)多結晶性
シリコン膜7をダイヤモンド構造のカーボン超微粒子層
100Bをシードに50〜100nm厚、例えば50n
m厚に気相成長させる。但し、この錫のドーピングは必
ずしも必要ではない(以下、同様)。
【0095】このとき、必要に応じて、モノシランにn
型不純物(燐、ひ素、アンチモン)又はp型不純物(ボ
ロン等)を適量添加、例えば1015〜1018atoms
/cc含有させて、n型又はp型の多結晶性シリコンを
形成してもよい。また、ダイヤモンド構造を有するカー
ボン超微粒子100B上に、触媒CVDによりアモルフ
ァスシリコン又は微結晶シリコン又は多結晶性シリコン
を10〜30nm厚に成長させた後、触媒AHA処理
し、更にその上に触媒CVDによりアモルファスシリコ
ン又は微結晶シリコン又は多結晶性シリコンを10〜3
0nm厚に成長させ、更に触媒AHA処理し、更にその
上に触媒CVDによりアモルファスシリコン又は微結晶
シリコン又は多結晶性シリコン膜を10〜30nm厚に
成長させ、更に触媒AHA処理してもよい。この方法に
よって、より大きい粒径のより厚い膜の多結晶性シリコ
ン膜を形成できる。
【0096】この場合、図5及び図6に示した装置を用
い、上記の触媒CVDにより下記の条件で例えば錫ドー
プの多結晶性シリコンを気相成長させ、しかる後に下記
の条件で触媒AHA処理を行ってアニールし、多結晶性
シリコンをより多結晶化し、これらの触媒CVDと触媒
AHA処理とを繰り返して50nm厚の多結晶性シリコ
ン膜7を形成してよい。例えば、触媒CVDで10〜3
0nm厚の膜を成長させ、触媒AHA処理後、触媒CV
Dで10〜30nm厚の膜を成長させ、更に触媒AHA
処理後に、触媒CVDで10〜30nm厚の膜を成長さ
せて、最終的に目的とする膜厚の多結晶性シリコン膜を
得る。
【0097】触媒CVDによる多結晶性シリコンの成
膜:水素(H2)をキャリアガス、原料ガスとしてモノ
シラン(SiH4)、水素化錫(SnH4)を適量比率で
混合して形成。H2流量:150SCCM、SiH4
量:15SCCM、SnH4流量:15SCCM。この
時、原料ガスのシラン系ガス(シラン又はジシラン又は
トリシラン等)に、n型のリン又はひ素又はアンチモン
等を適量混入したり、又はp型のボロン等を適量混入す
ることにより、任意のn又はp型不純物キャリア濃度の
錫含有シリコン膜を形成してもよい。 n型化の場合:ホスフィン(PH3)、アルシン(As
3)、スチビン(SbH3) p型化の場合:ジボラン(B26
【0098】触媒AHA処理:触媒AHA処理は、触媒
CVDにおいて原料ガスを供給しない方法であり、具体
的には、減圧下で、水素系キャリアガスをガス流量30
0〜1000SCCM、ガス圧10〜50Paで供給し
て触媒体を所定温度(約1600〜1800℃、例えば
約1700℃)に加熱し、大量の高温の水素分子/水素
原子/活性化水素イオンを発生させ、これらを基板上に
形成した例えば多結晶性シリコン膜に吹き付ける。これ
により、大量の高温の水素分子/水素原子/活性化水素
イオンが有する熱エネルギーがそれらの膜に移動して、
それらの膜温度を上昇させ、アモルファスシリコンや微
結晶シリコンを含有するときには水素系活性種の還元作
用によりアモルファス成分が選択的にエッチングされて
これらは多結晶化し、多結晶性シリコンは高結晶化し
て、大粒径の錫含有多結晶性シリコン膜化し、錫等のIV
族元素の効果によりその結晶粒界に存在する不整及びス
トレスを低減し、高キャリア移動度及び高品質の多結晶
性シリコン膜を形成することができる。
【0099】また、上記の水素系活性種は、多結晶性シ
リコン等の膜上又は膜内にシリコン酸化物が存在したと
きにこれと還元反応してSiO等を生成し、蒸発させる
ので、それらの膜上又は膜内のシリコン酸化物を減少/
除去させることができ、高キャリア移動度及び高品質の
多結晶性シリコン膜を形成できる。この触媒AHA処理
を後述のゲートチャンネル/ソース/ドレイン形成後に
行うと、大量の高温の水素系活性種が有する熱エネルギ
ーがそれらの膜に移動して、それらの膜温度を上昇さ
せ、結晶化促進と同時にゲートチャンネル/ソース/ド
レインに注入されキャリア不純物(燐、ひ素、ボロン
等)がイオン活性化される。
【0100】なお、上記の各膜を同一のチャンバで形成
する場合は、水素系キャリアガスを常時供給し、触媒体
を所定温度に加熱してスタンバイをしておき、次のよう
に処理してよい。
【0101】モノシランにアンモニアを適当比率で混合
して所定膜厚の窒化シリコン膜を形成し、前の原料ガス
を十分に排出した後に、連続してモノシランとHe希釈
2を適当比率で混合して所定膜厚の酸化シリコン膜を
形成し、前の原料ガス等を十分に排出した後に、連続し
てメタンを供給し、或いはモノシランとSnH4を適量
比率で混合して、所定膜厚のアモルファス又は微結晶カ
ーボン薄膜、又は所定膜厚の錫含有多結晶性シリコン膜
を形成し、前の原料ガスを十分に排出した後に、連続し
て原料ガスをカットして触媒AHA処理によりカーボン
薄膜をダイヤモンド構造のカーボン超微粒子化し、或い
は多結晶性シリコン膜をより高結晶化させ、必要に応じ
て前の原料ガスを十分に排出した後に、連続してモノシ
ランとHe希釈O2を適当比率で混合して所定膜厚の酸
化シリコン膜を形成する。成膜後は原料ガスをカット
し、触媒体を問題ない温度まで冷却して水素系キャリア
ガスをカットする。この時、絶縁膜形成時の原料ガスは
傾斜減少又は傾斜増加させて、傾斜接合の絶縁膜として
もよい。
【0102】或いは、それぞれ独立したチャンバで形成
する場合は、各チャンバ内に水素系キャリアガスを常時
供給し、触媒体を所定温度に加熱してスタンバイしてお
き、次のように処理してよい。Aチャンバに移し、モノ
シランにアンモニアを適量比率で混合して所定膜厚の窒
化シリコン膜を形成する。次にBチャンバに移し、モノ
シランにHe希釈O2を適量比率で混合して酸化シリコ
ン膜を形成する。次にCチャンバに移し、メタンを供給
し、或いはモノシランとSnH4を適量比率で混合し
て、アモルファス又は微結晶カーボン薄膜、又は錫含有
の多結晶性シリコン膜を形成し、連続して(或いは別の
チャンバで)水素系キャリアガスによる触媒AHA処理
により、カーボン薄膜をダイヤモンド構造のカーボン超
微粒子化し、或いは多結晶性シリコン膜をより高結晶化
する。必要に応じて次にBチャンバに移し、モノシラン
にHe希釈O2を適量比率で混合して酸化シリコン膜を
形成する。成膜後は原料ガスをカットし、触媒体を問題
ない温度まで冷却して水素系キャリアガスをカットす
る。この時に、それぞれのチャンバ内に水素系キャリア
ガスとそれぞれの原料ガスを常時供給して、スタンバイ
の状態にしておいてもよい。
【0103】そして次に、多結晶性シリコン膜7をソー
ス、チャンネル及びドレイン領域とするMOSTFTの
作製を行なう。
【0104】即ち、図2の(4)に示すように、汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチングにより多結晶性シリコ
ン膜7をアイランド化した後、nMOSTFT用のチャ
ンネル領域の不純物濃度制御によるしきい値(Vth)の
最適化のために、pMOSTFT部をフォトレジスト9
でマスクし、イオン注入又はイオンドーピングによりp
型不純物イオン(例えばボロンイオン)10を例えば5
×1011atoms/cm2のドーズ量でドーピング
し、1×1017atoms/ccのアクセプタ濃度に設
定し、多結晶性シリコン膜7の導電型をp型化した多結
晶性シリコン膜11とする。
【0105】次いで、図2の(5)に示すように、pM
OSTFT用のチャンネル領域の不純物濃度制御による
thの最適化のために、今度はnMOSTFT部をフォ
トレジスト12でマスクし、イオン注入又はイオンドー
ピングによりn型不純物イオン(例えば燐イオン)13
を例えば1×1012atoms/cm2のドーズ量でド
ーピングし、2×1017atoms/ccのドナー濃度
に設定し、多結晶性シリコン膜7の導電型をn型化した
多結晶性シリコン膜14とする。尚、多結晶性シリコン
膜7の上に酸化シリコン膜がある場合は除去して、しき
い値(Vth)の最適化のイオン注入又はイオンドーピン
グしてもよい。
【0106】次いで、図3の(6)に示すように、必要
あれば結晶化促進と膜中の不純物の活性化のために上記
の触媒AHA処理を行なった後、触媒CVD等によりゲ
ート絶縁膜の酸化シリコン膜50nm厚8を形成した
後、ゲート電極材料としてのリンドープド多結晶シリコ
ン膜15を例えば2〜20SCCMのPH3及び20S
CCMのモノシランの供給下での上記と同様の触媒CV
D法によって厚さ例えば400nm厚に堆積させる。
【0107】次いで、図3の(7)に示すように、フォ
トレジスト16を所定パターンに形成し、これをマスク
にしてリンドープド多結晶シリコン膜15をゲート電極
形状にパターニングし、更に、必要に応じてフォトレジ
スト16の除去後に図3の(8)に示すように、例えば
触媒CVD等によりゲート電極用保護膜の酸化シリコン
膜17を20〜30nm厚に形成する。
【0108】次いで、図3の(9)に示すように、pM
OSTFT部をフォトレジスト18でマスクし、イオン
注入又はイオンドーピングによりn型不純物である例え
ば燐イオン19を例えば1×1015atoms/cm2
のドーズ量でドーピングし、2×1020atoms/c
cのドナー濃度に設定し、nMOSTFTのn+型ソー
ス領域20及びドレイン領域21をそれぞれ形成する。
【0109】次いで、図4の(10)に示すように、n
MOSTFT部をフォトレジスト22でマスクし、イオ
ン注入又はイオンドーピングによりp型不純物である例
えばボロンイオン23を例えば1×1015atoms/
cm2のドーズ量でドーピングし、2×1020atom
s/ccのアクセプタ濃度に設定し、pMOSTFTの
+型ソース領域24及びドレイン領域25をそれぞれ
形成する。
【0110】こうしてゲート、ソース及びドレインを形
成するが、これらは上記したプロセス以外の方法で形成
することが可能である。
【0111】即ち、図1の(3)の工程後に、多結晶性
シリコン膜7をpMOSTFTとnMOSTFT領域に
アイランド化し、pMOSTFT領域にイオン注入又は
イオンドーピングでn型不純物、例えば燐イオンを1×
1012atoms/cm2のドーズ量でドーピングし、
2×1017atoms/ccのドナー濃度に設定し、n
MOSTFT領域にp型不純物、例えばボロンイオンを
5×1011atoms/cm2のドーズ量でドーピング
し、1×1017atoms/ccのアクセプタ濃度に設
定し、各チャンネル領域の不純物濃度を制御し、Vth
最適化する。
【0112】そして、次に、汎用フォトリソグラフィ技
術により、フォトレジストマスクで各ソース/ドレイン
領域を形成する。nMOSTFTの場合、イオン注入又
はイオンドーピング法によりn型不純物、例えばひ素、
燐イオンを1×1015atoms/cm2のドーズ量で
ドーピングし、2×1020atoms/ccのドナー濃
度に設定し、pMOSTFTの場合、イオン注入又はイ
オンドーピング法によりp型不純物、例えばボロンイオ
ンを1×1015atoms/cm2のドーズ量でドーピ
ングし、2×1020atoms/ccのアクセプタ濃度
に設定する。
【0113】しかる後、必要あれば膜中の不純物の活性
化のために触媒AHA処理を行った後、ゲート絶縁膜と
して酸化シリコン膜を形成するが、必要に応じて連続し
て窒化シリコン膜と酸化シリコン膜を形成する。即ち、
必要に応じて、触媒AHA処理後に連続して触媒CVD
法により、水素系キャリアガスとモノシランにHe希釈
2を適量比率で混合して酸化シリコン膜8を20〜3
0nm厚に形成し、必要に応じて水素系キャリアガスと
モノシランにNH3を適量比率で混合して窒化シリコン
膜を10〜20nm厚に形成し、更に前記の条件で酸化
シリコン膜を20〜30nm厚に形成する。この後は、
上記と同様の汎用の触媒CVD法、フォトリソグラフィ
技術によりゲート電極を形成する。
【0114】ゲート、ソース及びドレイン形成後は、図
4の(11)に示すように、全面に上記したと同様の触
媒CVD法によって、水素系キャリアガス150SCC
Mを共通として、1〜2SCCMのヘリウムガス希釈の
2、15〜20SCCMのモノシラン供給下で酸化シ
リコン膜26を例えば100〜200nm厚に、1〜2
0SCCMのPH3、1〜2SCCMのヘリウム希釈の
2、15〜20SCCMのモノシラン供給下でフォス
フィンシリケートガラス(PSG)膜27を300〜4
00nm厚に形成し、50〜60SCCMのNH3、1
5〜20SCCMのモノシラン供給下で窒化シリコン膜
28を例えば100〜200nm厚に形成し、積層絶縁
膜を形成する。その後に、例えば約1000℃で20〜
30秒のRTA(Rapid Thermal Anneal)処理でイオン
活性化させ、各領域に設定したキャリア不純物濃度とす
る。
【0115】次いで、図4の(12)に示すように、上
記の絶縁膜の所定位置にコンタクト窓開けを行い、各コ
ンタクトホールを含む全面に1%Si入りアルミニウム
等の電極材料をスパッタ法等で150℃で1μmの厚み
に堆積し、これをパターニングして、pMOSTFT及
びnMOSTFTのそれぞれのソース又はドレイン電極
29(S又はD)とゲート取出し電極又は配線30
(G)を形成し、トップゲート型の各CMOSTFTを
形成する。この後に、フォーミングガス中で400℃、
1hの水素化及びシンター処理する。尚、触媒CVD法
により、アルミニウム化合物ガス(例えばAlCl3
を供給し、アルミニウムを形成してもよい。
【0116】なお、上記のゲート電極の形成に代えて、
全面にMo−Ta合金等の耐熱性金属のスパッタ膜40
0〜500nm厚を形成し、汎用フォトリソグラフィ及
びエッチング技術により、nMOSTFT及びpMOS
TFTのゲート電極を形成してよい。
【0117】なお、上記のアモルファス又は微結晶カー
ボン薄膜をスパッタリングで形成し、これを触媒AHA
処理してトップゲート型多結晶シリコンCMOSTFT
を製造する例について説明すると、まず、グラファイト
ターゲットを、アルゴンガス0.133〜1.33Pa
の真空中でスパッタリングして、ガラス基板等の絶縁性
基板の少なくともTFT形成領域に10〜20nm厚の
アモルファスカーボン膜を形成する。
【0118】次いで、このアモルファスカーボン膜を触
媒AHA処理して、ダイヤモンド構造を有するカーボン
超微粒子を形成する。触媒AHA処理条件は上述したも
のに準ずる。
【0119】次いで、ダイヤモンド構造を有するこのカ
ーボン超微粒子上に、シリコンターゲットをアルゴンガ
ス0.133〜1.33Paの真空中でスパッタリング
して、絶縁性基板の少なくともTFT形成領域に30〜
100nm厚、例えば50nm厚のアモルファスシリコ
ン含有微結晶シリコン膜を形成する。
【0120】次いで、これを触媒AHA処理して多結晶
性シリコン膜化する。この触媒AHA処理条件は上述し
たものに準ずる。必要に応じて、例えばダイヤモンド構
造を有するカーボン超微粒子上にアモルファスシリコン
を10〜30nm厚に成膜し、触媒AHA処理で多結晶
性シリコン膜化した後にアモルファスシリコンを10〜
30nm厚に積層して成膜し、更に触媒AHA処理で多
結晶シリコン膜化する方法を必要回数繰り返す、いわゆ
るマルチ触媒AHA処理をしてもよい。この方が、より
大きい粒径、より高結晶化率の多結晶性シリコン膜を形
成できる。
【0121】これ以降は、上述したプロセスと同様であ
る。尚、アモルファスシリコン又は微結晶シリコン膜は
上述した触媒CVD法で成長させてもよい。
【0122】なお、このスパッタリング膜を用いる方法
は、後述のボトムゲート型、デュアルゲート型CMOS
TFT等についても、同様に適用されてよい。
【0123】上述したように、本実施の形態によれば、
下記(a)〜(j)の優れた作用効果を得ることができ
る。
【0124】(a)上記の触媒AHA処理は、10〜5
0Paの水素系キャリアガス圧で、水素系キャリアガス
を高温触媒体(例えばタングステン、1500〜200
0℃)に接触させて、大量の高温の水素系活性種(水素
系分子、水素系原子、活性化水素イオン等)を形成し、
絶縁性基板上に形成したアモルファスカーボン膜又は微
結晶カーボン膜に吹き付けると(基板温度200〜50
0℃)、高温の水素系分子/原子/ラジカルが有する熱
エネルギーがその膜等に移動して、その膜等の温度を局
部的に上昇させ、水素系活性種の還元作用により、アモ
ルファス成分を選択的にエッチングし、アモルファスカ
ーボン膜や微結晶カーボン膜は多結晶化して、アモルフ
ァスカーボン膜又は微結晶カーボン膜表面又はガラス基
板上に、ダイヤモンド構造を有するカーボン超微粒子
(クラスタ)が点在し、これが多結晶性シリコン成長の
核として働く。
【0125】(b)また、上記の触媒AHA処理におい
て大量の高温の水素系活性種等を絶縁性基板上に形成し
たアモルファスシリコン又は多結晶性シリコン又は微結
晶シリコンに吹き付けると(基板温度200〜500
℃)、大量の高温の水素系活性種等が有する熱エネルギ
ーがその膜等に移動して、その膜等の温度を局部的に上
昇させ、水素系活性種の還元作用によりアモルファス成
分を選択的にエッチングしてアモルファスシリコンや微
結晶シリコンは多結晶化し、多結晶性シリコンは高結晶
率化して、大粒径で高結晶化率の多結晶性シリコン膜が
形成され、キャリア移動度向上が図れる。
【0126】(c)基板上に形成した多結晶性シリコン
又は微結晶シリコンに大量の高温の水素系活性種等を吹
き付けると、その膜上又は膜内又は粒界にシリコン酸化
物が存在したとき、これと反応してSiOを形成し蒸発
するので、多結晶性シリコン又は微結晶シリコン膜上又
は膜内のシリコン酸化物を減少/除去させることがで
き、キャリア移動度の向上を図ることができる。
【0127】(d)触媒CVDによる成膜後に触媒AH
A処理を行う場合、触媒体の種類及び温度、基板加熱温
度、気相成膜条件、原料ガスの種類、添加するn又はp
型不純物濃度等により、広範囲のn又はp型不純物濃度
の多結晶性シリコン膜が容易に得られ、かつ、触媒AH
A処理により大きな粒径で高結晶化率の多結晶性シリコ
ン膜を形成できるので、高キャリア移動度でVth調整が
容易で低抵抗での高速動作が可能となる。
【0128】(e)なお、プラズマCVDによる成膜後
に触媒AHA処理を行う場合、プラズマCVDでのアモ
ルファスシリコン膜中に10〜20%含有する水素を触
媒AHA処理で減少/除去させ、大きな粒径の多結晶性
シリコン膜を形成するので、大きなキャリア移動度の多
結晶性シリコン膜の形成が可能となる。更に、基板加熱
温度、気相成膜条件、原料ガスの種類、触媒AHA処理
条件、添加するn又はp型不純物濃度により、広範囲の
n又はp型不純物濃度の多結晶性シリコン膜が容易に得
られるので、高キャリア移動度でVth調整が容易で低抵
抗での高速動作が可能となる。
【0129】(f)スパッタリングによる成膜後に触媒
AHA処理を行う場合、シリコンターゲットの比抵抗
(添加するn又はp型不純物濃度)、スパッタリング成
膜条件、基板加熱温度、触媒AHA処理条件等により、
広範囲のn又はp型不純物濃度の多結晶性シリコン膜が
容易に得られるので、高キャリア移動度でVth調整が容
易で低抵抗での高速動作が可能となる。
【0130】(g)トップゲート型のみならず、ボトム
ゲート型、デュアルゲート型MOSTFTでも高いキャ
リア移動度の大粒径で高結晶化率の多結晶性シリコン膜
が得られるために、この高性能の多結晶性シリコン半導
体を使用した高速、高電流密度の半導体装置、電気光学
装置、更に、高効率の太陽電池等の製造が可能となる。
【0131】(h)上記触媒AHA処理は、プラズマの
発生なしに行えるので、プラズマによるダメージがな
く、またプラズマAHA処理に比べ、シンプルで安価な
装置を実現できる。
【0132】(i)基体温度を低温化しても上記水素系
活性種のエネルギーが大きいために、目的とするダイヤ
モンド構造のカーボン超微粒子が確実に安定して得ら
れ、また多結晶性シリコンの成膜が可能となることか
ら、基体温度を特に200〜400℃と低温化でき、従
って大型で安価な低歪点の絶縁基板(ガラス基板、耐熱
性樹脂基板等)を使用でき、この点でもコストダウンが
可能となる。
【0133】(j)ゲートチャンネル/ソース/ドレイ
ン領域に添加されたn又はp型不純物の触媒AHA処理
でのイオン活性化に、条件によっては触媒CVD装置が
兼用できるので、設備投資の削減、生産性向上でのコス
トダウンが可能となる。
【0134】第2の実施の形態 <LCDの製造例1>本実施の形態は、高温プロセスに
よる多結晶性シリコンMOSTFTを用いたLCD(液
晶表示装置)に本発明を適用したものであり、以下にそ
の製造例を示す(この製造例は、後述する有機ELやF
ED等の表示装置等にも同様に適用可能である)。
【0135】まず、図12の(1)に示すように、画素
部及び周辺回路部において、石英ガラス、結晶化ガラス
などの耐熱性絶縁基板61(歪点約800〜1100
℃、厚さ50ミクロン〜数mm)の一主面に、上述した
触媒CVD法等によって、保護膜(図示せず)の形成後
に、この上にアモルファス又は微結晶カーボン薄膜10
0Aを形成する。
【0136】次いで、図12の(2)に示すように、上
述の触媒AHA処理により、カーボン薄膜100Aをダ
イヤモンド構造のカーボン超微粒子層100Bに改質さ
せる。
【0137】次いで、図12の(3)に示すように、上
述した触媒CVD法等によって、カーボン超微粒子層1
00Bをシードに多結晶性シリコン膜67を例えば50
nm厚に形成する。この多結晶性シリコン膜は、上述の
マルチ触媒AHA処理により形成してよい。
【0138】次いで、図13の(4)に示すように、フ
ォトレジストマスクを用いて多結晶性シリコン膜67を
パターニング(アイランド化)し、例えば、表示領域の
nMOSTFT部と周辺駆動回路領域のnMOSTFT
部及びpMOSTFT部などのトランジスタ、ダイオー
ド等の能動素子、抵抗、容量、インダクタンス等の受動
素子の活性層を形成する。
【0139】次いで、トランジスタ活性層67のチャン
ネル領域の不純物濃度制御によるV thの最適化のために
前記と同様のボロン又は燐等の所定の不純物のイオン注
入を行なった後、図13の(5)に示すように、例えば
上記と同様の触媒CVD法等によって多結晶性シリコン
膜67の表面に厚さ例えば50nm厚のゲート絶縁膜用
の酸化シリコン膜68を形成する。触媒CVD法等でゲ
ート絶縁膜用の酸化シリコン膜68を形成する場合、基
板温度及び触媒体温度は上記したものと同様であるが、
酸素ガス流量は1〜2SCCM、モノシランガス流量は
15〜20SCCM、水素系キャリアガスは150SC
CMとしてよい。尚、チャンネル領域の不純物濃度制御
する前又は後に、例えば、約1000℃、30分の高温
熱酸化により、ゲート絶縁膜用の酸化シリコン膜68を
形成してもよい。
【0140】次いで、図13の(6)に示すように、ゲ
ート電極及びゲートライン用材料として、例えばMo−
Ta合金をスパッタリングで厚さ例えば400nm厚に
堆積させるか、或いは、リンドープド多結晶シリコン膜
を例えば水素系キャリアガス150SCCM、2〜20
SCCMのフォスフィン(PH3)及び20SCCMの
モノシランガスの供給下での上記と同様の触媒CVD法
等によって厚さ例えば400nm厚に堆積させる。そし
て、汎用フォトリソグラフィー及びエッチング技術によ
り、ゲート電極材料層をゲート電極75及びゲートライ
ンの形状にパターニングする。尚、リンドープド多結晶
性シリコン膜の場合は、触媒CVD等により、その表面
に保護用酸化シリコン膜(10〜20nm厚)を形成し
てもよい。
【0141】次いで、図14の(7)に示すように、p
MOSTFT部をフォトレジスト78でマスクし、イオ
ン注入又はイオンドーピング法によりn型不純物である
例えばヒ素(又は燐)イオン79を例えば1×1015
toms/cm2のドーズ量でドーピングし、2×10
20atoms/ccのドナー濃度に設定し、nMOST
FTのn+型ソース領域80及びドレイン領域81をそ
れぞれ形成する。
【0142】次いで、図14の(8)に示すように、n
MOSTFT部をフォトレジスト82でマスクし、イオ
ン注入又はイオンドーピング法によりp型不純物である
例えばボロンイオン83を例えば1×1015atoms
/cm2のドーズ量でドーピングし、2×1020ato
ms/ccのアクセプタ濃度に設定し、pMOSTFT
のp+型ソース領域84及びドレイン領域85をそれぞ
れ形成する。
【0143】次いで、図14の(9)に示すように、全
面に上記したと同様の触媒CVD法等によって、水素系
キャリアガス150SCCMを共通として、1〜2SC
CMのHe希釈O2、15〜20SCCMのモノシラン
供給下で酸化シリコン膜を例えば100〜200nm厚
に、更に、1〜20SCCMのフォスフィン(P
3)、1〜2SCCMのHe希釈O2、15〜20SC
CMのモノシラン供給下でフォスフィンシリケートガラ
ス(PSG)膜を300〜400nm厚に形成し、50
〜60SCCMのアンモニア(NH3)、15〜20S
CCMのモノシラン供給下で窒化シリコン膜を例えば1
00〜200nm厚に形成する。これらの絶縁膜の積層
によって層間絶縁膜86を形成する。なお、このような
層間絶縁膜は、上記とは別の通常の方法で形成してもよ
い。この後に、例えば900℃、5分間のN2中のアニ
ール又は1000℃、20〜30秒のN2中のRTA処
理によりイオン活性化し、各領域に設定したキャリア不
純物濃度とする。
【0144】次いで、図15の(10)に示すように、
上記の絶縁膜86の所定位置にコンタクト窓開けを行
い、各コンタクトホールを含む全面にアルミニウムなど
の電極材料をスパッタ法等で150℃で1μmの厚みに
堆積し、これをパターニングして、画素部のnMOST
FTのソース電極87及びデータライン、周辺回路部の
pMOSTFT及びnMOSTFTのソース電極88、
90とドレイン電極89、91及び配線をそれぞれ形成
する。尚、この時に、触媒CVD法によりアルミニウム
を形成してもよい。この後に、例えばフォーミングガス
中、400℃、1hの水素化及びシンター処理する。
【0145】次いで、表面上に酸化シリコン膜等の層間
絶縁膜92をCVD法等で形成した後、図15の(1
1)に示すように、画素部のnMOSTFTドレイン領
域において層間絶縁膜92及び86にコンタクトホール
を開け、例えばITO(Indiumtin oxide:インジウム
酸化物にスズをドープした透明電極材料)を真空蒸着法
等で全面に堆積させ、パターニングしてnMOSTFT
のドレイン領域81に接続された透明画素電極93を形
成する。この後に、例えばフォーミングガス中、250
℃、1h、アニールして、ITOとのオーミックコンタ
クトを改善し、ITOの透明度を向上させる。
【0146】こうしてアクティブマトリクス基板(以
後、TFT基板と称する)を作製し、透過型のLCDを
作製することができる。この透過型LCDは、図15
(12)に示すように、画素電極93上に配向膜94、
液晶95、配向膜96、透明電極97、対向基板98が
積層された構造からなっている。
【0147】なお、上記した工程は、反射型のLCDの
製造にも同様に適用可能である。図20(A)には、こ
の反射型のLCDの一例が示されているが、図中の10
1は粗面化された絶縁膜92上に被着された反射膜であ
り、MOSTFTのドレインと接続されている。
【0148】このLCDの液晶セルを面面組立で作製す
る場合(2インチサイズ以上の中/大型液晶パネルに適
している。)、まずTFT基板61と、全面ベタのIT
O(Indium Tin Oxide)電極97を設けた対向基板98
の素子形成面に、ポリイミド配向膜94、96を形成す
る。このポリイミド配向膜はロールコート、スピンコー
ト等により50〜100nm厚に形成し、180℃/2
hで硬化キュアする。
【0149】次いで、TFT基板61と対向基板98を
ラビング、又は光配向処理する。ラビングバフ材にはコ
ットンやレーヨン等があるが、バフかす(ゴミ)やリタ
デーション等の面からはコットンの方が安定している。
光配向は非接触の線型偏光紫外線照射による液晶分子の
配向技術である。なお、配向には、ラビング以外にも、
偏光又は非偏光を斜め入射させることによって高分子配
向膜を形成することができる(このような高分子化合物
は、例えばアゾベンゼンを有するポリメチルメタクリレ
ート系高分子等がある)。
【0150】次いで、洗浄後に、TFT基板61側には
コモン剤塗布、対向基板98側にはシール剤塗布する。
ラビングバフかす除去のために、水、又はIPA(イソ
プロピルアルコール)洗浄する。コモン剤は導電性フィ
ラーを含有したアクリル、又はエポキシアクリレート、
又はエポキシ系接着剤であってよく、シール剤はアクリ
ル、又はエポキシアクリレート、又はエポキシ系接着剤
であってよい。加熱硬化、紫外線照射硬化、紫外線照射
硬化+加熱硬化のいずれも使用できるが、重ね合せの精
度と作業性からは紫外線照射硬化+加熱硬化タイプが良
い。
【0151】次いで、対向基板98側に所定のギャップ
を得るためのスペーサを散布し、TFT基板61と所定
の位置で重ね合せる。対向基板98側のアライメントマ
ークとTFT基板61側のアライメントマークとを精度
よく合わせた後に、紫外線照射してシール剤を仮硬化さ
せ、その後に一括して加熱硬化する。
【0152】次いで、スクライブブレークして、TFT
基板61と対向基板98を重ね合せた単個の液晶パネル
を作成する。
【0153】次いで、液晶95を両基板61−98間の
ギャップ内に注入し、注入口を紫外線接着剤で封止後
に、IPA洗浄する。液晶の種類は何れでも良いが、例
えばネマティック液晶を用いる高速応答のTN(ツイス
トネマティック)モードが一般的である。
【0154】次いで、加熱急冷処理して、液晶95を配
向させる。
【0155】次いで、TFT基板61のパネル電極取り
出し部にフレキシブル配線を異方性導電膜の熱圧着で接
続し、更に対向基板98に偏光板を貼合わせる。
【0156】また、液晶パネルの面単組立の場合(2イ
ンチサイズ以下の小型液晶パネルに適している。)、上
記と同様、TFT基板61と対向基板98の素子形成面
に、ポリイミド配向膜94、96を形成し、両基板をラ
ビング、又は非接触の線型偏光紫外線光の配向処理す
る。
【0157】次いで、TFT基板61と対向基板98を
ダイシング又はスクライブブレークで単個に分割し、水
又はIPA洗浄する。TFT基板61にはコモン剤塗
布、対向基板98にはスペーサ含有のシール剤塗布し、
両基板を重ね合せる。これ以降のプロセスは上記に準ず
る。
【0158】上記したLCDにおいて、対向基板98は
CF(カラーフィルタ)基板であって、カラーフィルタ
層(図示せず)をITO電極97下に設けたものであ
る。対向基板98側からの入射光は例えば反射膜93で
効率良く反射されて対向基板98側から出射してよい。
【0159】他方、TFT基板61として、TFT基板
61にカラーフィルタを設けたオンチップカラーフィル
タ(OCCF)構造のTFT基板とするときには、対向
基板98にはITO電極がベタ付け(又はブラックマス
ク付きのITO電極がベタ付け)される。
【0160】透過型LCDの場合、次のようにしてオン
チップカラーフィルタ(OCCF)構造とオンチップブ
ラック(OCB)構造を作製することができる。
【0161】即ち、図15の(13)に示すように、フ
ォスフィンシリケートガラス/酸化シリコンの絶縁膜8
6のドレイン部も窓開けしてドレイン電極用のアルミニ
ウム埋込み層を形成した後、R、G、Bの各色を各セグ
メント毎に顔料分散したフォトレジスト99を所定厚さ
(1〜1.5μm)で形成した後、汎用フォトリソグラ
フィ技術で所定位置(各画素部)のみを残すパターニン
グで各カラーフィルタ層99(R)、99(G)、99
(B)を形成する(オンチップカラーフィルタ構造)。
この際、ドレイン部の窓開けも行う。なお、不透明なセ
ラミック基板や低透過率のガラス及び耐熱性樹脂基板は
使用できない。
【0162】次いで、表示用TFTのドレインに連通す
るコンタクトホールに、カラーフィルタ層上にかけてブ
ラックマスク層となる遮光層100’を金属のパターニ
ングで形成する。例えば、スパッタ法により、モリブデ
ンを200〜250nm厚で成膜し、表示用MOSTF
Tを覆って遮光する所定の形状にパターニングする(オ
ンチップブラック構造)。
【0163】次いで、透明樹脂の平坦化膜92を形成
し、更にこの平坦化膜に設けたスルーホールにITO透
明電極93を遮光層100’に接続するように形成す
る。
【0164】このように、表示アレイ部上に、カラーフ
ィルタ99やブラックマスク100’を作り込むことに
より、液晶表示パネルの開口率を改善し、またバックラ
イトも含めたディスプレイモジュールの低消費電力化が
実現する。
【0165】図16は、上述のトップゲート型MOST
FTを組み込んで駆動回路一体型に構成したアクティブ
マトリクス液晶表示装置(LCD)の全体を概略的に示
すものである。このアクティブマトリクスLCDは、主
基板61(これはアクティブマトリクス基板を構成す
る。)と対向基板98とをスペーサ(図示せず)を介し
て貼り合わせたフラットパネル構造からなり、両基板6
1−98間に液晶(ここでは図示せず)が封入されてい
る。主基板61の表面には、マトリクス状に配列した画
素電極93と、この画素電極を駆動するスイッチング素
子とからなる表示部、及びこの表示部に接続される周辺
駆動回路部とが設けられている。
【0166】表示部のスイッチング素子は、上記したn
MOS又はpMOS又はCMOSでLDD構造のトップ
ゲート型MOSTFTで構成される。また、周辺駆動回
路部にも、回路要素として、上記したトップゲート型M
OSTFTのCMOS又はnMOS又はpMOSTFT
又はこれらの混在が形成されている。なお、一方の周辺
駆動回路部はデータ信号を供給して各画素のTFTを水
平ライン毎に駆動する水平駆動回路であり、また他方の
周辺駆動回路部は各画素のTFTのゲートを走査ライン
毎に駆動する垂直駆動回路であり、通常は表示部の両辺
にそれぞれ設けられる。これらの駆動回路は、点順次ア
ナログ方式、線順次デジタル方式のいずれも構成でき
る。
【0167】図17に示すように、直交するゲートバス
ラインとデータバスラインの交差部に上記のMOSTF
Tが配置され、このMOSTFTを介して液晶容量(C
LC)に画像情報を書き込み、次の情報がくるまで電荷を
保持する。この場合、TFTのチャンネル抵抗だけで保
持させるには十分ではないので、それを補うため液晶容
量と並列に蓄積容量(補助容量)(CS)を付加し、リ
ーク電流による液晶電圧の低下を補ってよい。こうした
LCD用MOSTFTでは、画素部(表示部)に使用す
るTFTの特性と周辺駆動回路に使用するTFTの特性
とでは要求性能が異なり、特に画素部のTFTではオフ
電流の制御、オン電流の確保が重要な問題となる。この
ため、表示部には、後述の如きLDD構造のTFTを設
けることによって、ゲート−ドレイン間に電界がかかり
にくい構造としてチャンネル領域にかかる実効的な電界
を低減させ、オフ電流を低減し、特性の変化も小さくで
きる。しかし、プロセス的には複雑になり、素子サイズ
も大きくなり、かつオン電流が低下するなどの問題も発
生するため、それぞれの使用目的に合わせた最適設計が
必要である。
【0168】なお、使用可能な液晶としては、TN液晶
(アクティブマトリクス駆動のTNモード用に用いられ
るネマチック液晶)をはじめ、STN(スーパーツイス
テッドネマチック)、GH(ゲスト・ホスト)、PC
(フェーズ・チェンジ)、FLC(強誘電性液晶)、A
FLC(反強誘電性液晶)、PDLC(ポリマー分散型
液晶)等の各種モード用の液晶を採用してよい。
【0169】<LCDの製造例2>次に、本実施の形態
による低温プロセスの多結晶性シリコンMOSTFTを
用いたLCD(液晶表示装置)の製造例を示す(この製
造例は後述する有機ELやFEDの表示装置等にも同様
に適用可能である)。
【0170】この製造例では、上述の製造例1におい
て、基板61としてアルミノけい酸ガラス、ホウケイ酸
ガラス等を使用し、図12の(1)、(2)及び(3)
の工程を同様に行う。即ち、基板61上に触媒CVDと
触媒AHA処理により錫含有(又は非含有)の多結晶性
シリコン膜67を形成してこれをアイランド化し、表示
領域のnMOSTFT部と周辺駆動回路領域のnMOS
TFT部及びpMOSTFT部を形成する。この場合、
同時に、ダイオード、コンデンサ、インダクタンス、抵
抗等の領域を形成する。
【0171】次いで、図18の(1)に示すように(但
し、ダイヤモンド構造の超微粒子層100Bは図示省
略:以下、同様)、各MOSTFTゲートチャンネル領
域のキャリア不純物濃度を制御してVthを最適化するた
めに、表示領域のnMOSTFT部と周辺駆動回路領域
のnMOSTFT部をフォトレジスト82でカバーし、
周辺駆動回路領域のpMOSTFT部に、イオン注入又
はイオンドーピング法により例えば燐、ひ素等のn型不
純物79を1×1012atoms/cm2のドーズ量で
ドーピングし、2×1017atoms/ccのドナー濃
度に設定し、更に図18の(2)に示すように、周辺駆
動回路領域のpMOSTFT部をフォトレジスト82で
カバーし、表示領域のnMOSTFT部と周辺駆動回路
領域のnMOSTFT部に、イオン注入又はイオンドー
ピング法により例えばボロン等のp型不純物83を5×
1011atoms/cm2のドーズ量でドーピングし、
1×1017atoms/ccのアクセプタ濃度を設定す
る。
【0172】次いで、図18の(3)に示すように、表
示領域のnMOSTFT部にn-型のLDD(Lightly D
oped Drain)部を形成するために、汎用フォトリソグラ
フィ技術により、表示領域のnMOSTFTのゲート部
と周辺駆動領域のpMOSTFT及びnMOSTFT全
部をフォトレジスト82で覆い、露出した表示領域のn
MOSTFTのソース/ドレイン領域に、イオン注入又
はイオンドーピング法により例えば燐等のn型不純物7
9を1×1013atoms/cm2のドーズ量でドーピ
ングし、2×1018atoms/ccのドナー濃度に設
定して、n-型のLDD部を形成する。
【0173】次いで、図19の(4)に示すように、表
示領域のnMOSTFT部及び周辺駆動回路領域のnM
OSTFT部の全部をフォトレジスト82でカバーし、
周辺駆動回路領域のpMOSTFT部のゲート部をフォ
トレジスト82でカバーして露出したソース、ドレイン
領域に、イオン注入又はイオンドーピング法により例え
ばボロン等のp型不純物83を1×1015atoms/
cm2のドーズ量でドーピングし、2×1020atom
s/ccのアクセプタ濃度に設定してp+型のソース部
84、ドレイン部85を形成する。
【0174】次いで、図19の(5)に示すように、周
辺駆動回路領域のpMOSTFT部をフォトレジスト8
2でカバーし、表示領域のnMOSTFTのゲート及び
LDD部と周辺駆動回路領域のnMOSTFT部のゲー
ト部をフォトレジスト82でカバーし、露出した表示領
域及び周辺駆動領域のnMOSTFTのソース、ドレイ
ン領域に、イオン注入又はイオンドーピング法により例
えば燐、ひ素等のn型不純物79を1×1015atom
s/cm2のドーズ量でイオンドーピングし、2×10
20atoms/ccのドナー濃度に設定し、n+型のソ
ース部80、ドレイン部81を形成する。
【0175】次いで、図19の(6)に示すように、プ
ラズマCVD、TEOS系プラズマCVD、触媒CVD
法等により、ゲート絶縁膜68として、酸化シリコン膜
40〜50nm厚、窒化シリコン膜10〜20nm厚、
酸化シリコン膜40〜50nm厚の積層膜を形成する。
そして、ハロゲンランプ等でのRTA処理を例えば、約
1000℃、10〜30秒行い、添加したn又はp型不
純物をイオン活性化することにより、設定した各々のキ
ャリア不純物濃度を得る。
【0176】この後に、全面に400〜500nm厚の
1%Si入りアルミニウムスパッタ膜を形成し、汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチングにより、全TFTのゲ
ート電極75及びゲートラインを形成する。更にこの後
に、プラズマCVD、触媒CVD法等により、酸化シリ
コン膜100〜200nm厚、フォスフィンシリケート
ガラス(PSG)膜200〜300nm厚、窒化シリコ
ン膜100〜200nm厚の積層膜からなる絶縁膜86
を形成する。
【0177】次いで、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術により、周辺駆動回路の全TFT部のソース
/ドレイン部及び表示用nMOSTFT部のソース部の
窓開けを行う。窒化シリコン膜はCF4のプラズマエッ
チング、酸化シリコン膜及びリンシリケートガラス膜は
フッ酸系エッチング液でエッチング処理する。
【0178】次いで、図19の(7)に示すように、全
面に400〜500nm厚の1%Si入りアルミニウム
スパッタ膜を形成し、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術により、周辺駆動回路の全TFTのソース、
ドレイン電極88、89、90、91を形成すると同時
に、表示用nMOSTFTのソース電極87及びデータ
ラインを形成する。
【0179】次いで、図示は省略したが、プラズマCV
D、触媒CVD法等により、酸化シリコン膜100〜2
00nm厚、フォスフィンシリケートガラス膜(PSG
膜)200〜300nm厚、窒化シリコン膜100〜3
00nm厚を層間絶縁膜(上述の92)として全面に形
成し、フォーミングガス中で約400℃、1時間、水素
化及びシンター処理する。その後に、表示用nMOST
FTのドレイン部コンタクト用窓開けを行う。
【0180】ここで、LCDが透過型の場合は、画素開
口部の酸化シリコン膜、フォスフィンシリケートガラス
膜及び窒化シリコン膜は除去し、また反射型の場合は、
画素開口部等の酸化シリコン膜、フォスフィンシリケー
トガラス膜及び窒化シリコン膜は除去する必要はない
(これは上述又は後述のLCDにおいても同様であ
る)。
【0181】透過型の場合、図15の(10)と同様
に、全面に、スピンコート等で2〜3μm厚のアクリル
系透明樹脂平坦化膜を形成し、汎用フォトリソグラフィ
及びエッチング技術により、表示用TFTのドレイン側
の透明樹脂窓開けを形成した後、全面に130〜150
nm厚のITOスパッタ膜を形成し、汎用フォトリソグ
ラフィ及びエッチング技術により、表示用nMOSTF
Tのドレイン部とコンタクトしたITO透明電極を形成
する。更に熱処理(フォーミングガス中で200〜25
0℃、1時間)により、コンタクト抵抗の低減化とIT
O透明度向上を図る。
【0182】反射型の場合は、全面に、スピンコート等
で2〜3μm厚の感光性樹脂膜を形成し、汎用フォトリ
ソグラフィ及びエッチング技術により、少なくとも画素
部に凹凸形状パターンを形成し、リフローさせて凹凸反
射下部を形成する。同時に、表示用nMOSTFTのド
レイン部の感光性樹脂窓開けを形成する。しかる後、全
面に、300〜400nm厚の1%Si入りアルミニウ
ムスパッタ膜を形成し、汎用フォトリソグラフィ及びエ
ッチング技術により、画素部以外のアルミニウム膜を除
去し、表示用nMOSTFTのドレイン電極と接続した
凹凸形状のアルミニウム反射部を形成する。その後に、
フォーミングガス中で300℃、1時間シンター処理す
る。
【0183】なお、上記において、nMOSTFTのソ
ース、ドレインを形成した後に、触媒AHA処理すれ
ば、多結晶性シリコン膜の膜温度を局部的に上昇させ、
結晶化が更に促進され、高移動度及び高品質の多結晶性
シリコン膜を形成する。同時に、高温の水素分子、水素
原子、活性化水素イオンが有する熱エネルギーが膜に移
動して、膜温度を局部的に上昇させるので、ゲートチャ
ンネル/ソース/ドレイン領域に注入された燐、ひ素、
ボロンイオン等が活性化される。
【0184】なお、プラズマCVD法によってアモルフ
ァスシリコン含有微結晶シリコン膜を形成した場合、膜
中に10〜20%の水素が含有されるが、触媒AHA処
理によって減少/除去することができて多結晶性シリコ
ン膜化し、高移動度及び高品質の多結晶性シリコン膜を
形成する。又、アモルファスシリコン含有微結晶シリコ
ン等の膜上又は膜内にシリコン酸化物が存在するとき
に、これと還元反応してSiOを生成し、蒸発させるの
で、それらの膜上又は膜内のシリコン酸化物を減少/除
去させることができ、高移動度及び高品質の多結晶性シ
リコン膜を形成できる。
【0185】<ボトムゲート型又はデュアルゲート型M
OSTFT>MOSTFTを組み込んだ例えばLCDに
おいて、上述のトップゲート型に代えて、ボトムゲート
型、デュアルゲート型のMOSTFTからなる透過型L
CDを製造した例を述べる(但し、反射型LCDも同様
である)。
【0186】図20(B)に示すように、表示部及び周
辺部にはボトムゲート型のnMOSTFTが設けられ、
或いは図20(C)に示すように、表示部及び周辺部に
はデュアルゲート型のnMOSTFTがそれぞれ設けら
れている。これらのボトムゲート型、デュアルゲート型
MOSTFTのうち、特にデュアルゲート型の場合には
上下のゲート部によって駆動能力が向上し、高速スイッ
チングに適し、また上下のゲート部のいずれかを選択的
に用いて場合に応じてトップゲート型又はボトムゲート
型として動作させることもできる。
【0187】図20(B)のボトムゲート型MOSTF
Tにおいて、図中の102はMo−Ta合金等のゲート
電極であり、103は窒化シリコン膜及び104は酸化
シリコン膜であってゲート絶縁膜を形成し、このゲート
絶縁膜上にはトップゲート型MOSTFTと同様の多結
晶性シリコン膜67を用いたチャンネル領域等が形成さ
れている。また、図20(C)のデュアルゲート型MO
STFTにおいて、下部ゲート部はボトムゲート型MO
STFTと同様であるが、上部ゲート部は、ゲート絶縁
膜106を酸化シリコン膜と窒化シリコン膜、必要に応
じて更に酸化シリコン膜の積層膜で形成し、この上に上
部ゲート電極75を設けている。
【0188】<ボトムゲート型MOSTFTの製造>ま
ず、ガラス基板61上の全面に、Mo−Ta合金のスパ
ッタ膜を300〜400nm厚に形成し、これを汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチング技術により20〜45
度のテーパーエッチングし、少なくともTFT形成領域
に、ボトムゲート電極102を形成すると同時に、ゲー
トラインを形成する。ガラス材質の使い分けは上述した
トップゲート型に準ずる。
【0189】次いで、プラズマCVD、TEOS系プラ
ズマCVD、触媒CVD、減圧CVD等の気相成長法に
より、ゲート絶縁膜及び保護膜用の窒化シリコン膜10
3及び酸化シリコン膜104を、触媒CVD等によりア
モルファスカーボン又は微結晶カーボン膜を形成し、触
媒AHA処理によりダイヤモンド構造のカーボン超微粒
子を形成する。これをシードに触媒CVD等により錫含
有又は非含有の多結晶性シリコン膜を形成し、更に触媒
AHA処理を繰り返して高結晶化率の大粒径多結晶性シ
リコン膜67を形成する。これらの気相成膜条件は上述
したトップゲート型に準ずる。なお、ボトムゲート絶縁
膜及び保護膜用の窒化シリコン膜はガラス基板からのN
aイオンストッパ作用を期待して設けるものであるが、
合成石英ガラスの場合は不要である。尚、ダイヤモンド
構造のカーボン超微粒子層は図20(B)では省略して
いる。
【0190】これ以降のプロセスは上述したものに準ず
るが、すでに上記の工程でゲート電極を形成しているの
で、ここではゲート電極用多結晶シリコン膜形成、ゲー
ト電極形成、ゲート多結晶シリコン酸化工程は不要であ
る。
【0191】そして次に、上述したと同様に、pMOS
TFT、nMOSTFT領域をアイランド化し(但し、
一方の領域のみを図示:以下、同様)、各チャンネル領
域のキャリア不純物濃度を制御してVthを最適化するた
めに、イオン注入又はイオンドーピング法によりn型又
はp型不純物を適当量混入した後、更に、各MOSTF
Tのソース、ドレイン領域を形成するためにイオン注入
又はイオンドーピング法によりn型又はp型不純物を適
当量混入させる。この後に、不純物活性化のために触媒
AHA処理又はRTA処理のアニールをする。
【0192】これ以降のプロセスは、上述したものに準
ずる。
【0193】<デュアルゲート型MOSTFTの製造>
上記のボトムゲート型と同様に、ボトムゲート電極10
2、ゲート絶縁膜103及び104、ダイヤモンド構造
のカーボン超微粒子をシードとして形成した高結晶化率
で大粒径の多結晶性シリコン膜67をそれぞれ形成す
る。但し、ボトムゲート絶縁膜及び保護膜用の窒化シリ
コン膜103はガラス基板からのNaイオンストッパ作
用を期待して設けるものであるが、合成石英ガラスの場
合は不要である。
【0194】そして次に、上述したと同様に、pMOS
TFT、nMOSTFT領域をアイランド化し、各チャ
ンネル領域のキャリア不純物濃度を制御してVthを最適
化するために、イオン注入又はイオンドーピング法によ
りn型又はp型不純物を適当量混入した後、更に、各M
OSTFTのソース、ドレイン領域を形成するためにイ
オン注入又はイオンドーピング法によりn型又はp型不
純物を適当量混入させる。この後に、不純物活性化のた
めに触媒AHA処理又はRTA処理のアニールをする。
【0195】次いで、トップゲート絶縁膜106用の酸
化シリコン膜及び窒化シリコン膜、必要に応じて更に酸
化シリコン膜の積層膜を成膜する。気相成長条件は上述
したトップゲート型に準ずる。尚、この後に不純物活性
化のためにRTA処理のアニールをしてもよい。
【0196】この後に、全面に400〜500nm厚の
1%Si入りアルミニウムスパッタ膜を形成し、汎用フ
ォトリグラフィ及びエッチング技術により、全TFTの
トップゲート電極75及びゲートラインを形成する。こ
の後に、プラズマCVD、触媒CVD法等により、酸化
シリコン膜100〜200nm厚、フォスフィンシリケ
ートガラス(PSG)膜200〜300nm厚等からな
る絶縁膜86を形成する。次に、汎用フォトリソグラフ
ィ及びエッチング技術により、周辺駆動回路の全MOS
TFTのソース、ドレイン電極部、さらに表示部nMO
STFTのソース電極部の窓開けを行う。
【0197】次いで、全面に400〜500nm厚の1
%Si入りアルミニウムスパッタ膜を形成し、汎用フォ
トリソグラフィ及びエッチング技術により、ソース及び
ドレインの各アルミニウム電極87、88及び89、ソ
ースライン及び配線等を形成する。次いで、プラズマC
VD、触媒CVD法等により、酸化シリコン膜100〜
200nm厚、フォスフィンシリケートガラス膜(PS
G膜)200〜300nm厚、窒化シリコン膜100〜
300nm厚を層間絶縁膜92として全面に形成し、フ
ォーミングガス中で約400℃、1時間、水素化及びシ
ンター処理する。その後に、表示用nMOSTFTのド
レイン部コンタクト用窓開けを行い、ITO等の画素電
極93を形成する。
【0198】上述したように、本実施の形態によれば、
上述の第1の実施の形態と同様に、触媒CVDと触媒A
HA処理により、LCDの表示部及び周辺駆動回路部の
MOSTFTのゲートチャンネル、ソース及びドレイン
領域となる、高キャリア移動度でVth調整が容易であ
り、低抵抗での高速動作が可能な多結晶性シリコン膜を
形成することができる。この多結晶性シリコン膜による
トップゲート、ボトムゲート又はデュアルゲート型MO
STFTを用いた液晶表示装置は、高いスイッチング特
性と低リーク電流のLDD構造を有する表示部と、高い
駆動能力のCMOS、又はnMOS、又はpMOS周辺
駆動回路を一体化した構成が可能となり、高画質、高精
細、狭額縁、高効率、安価な液晶パネルの実現が可能で
ある。
【0199】そして、低温(300〜400℃)で形成
できるので、安価で、大型化が容易な低歪点ガラスを採
用でき、コストダウンが可能となる。しかも、アレイ部
上にカラーフィルタやブラックマスクを作り込むことに
より、液晶表示パネルの開口率、輝度等を改善し、カラ
ーフィルタ基板を不要とし、生産性改善等によるコスト
ダウンが実現する。
【0200】第3の実施の形態 本実施の形態は、本発明を有機又は無機のエレクトロル
ミネセンス(EL)表示装置、例えば有機EL表示装置
に適用したものである。以下にその構造例と製造例を示
す。
【0201】<有機EL素子の構造例I>図21
(A)、(B)に示すように、この構造例Iによれば、
ガラス等の基板111上に、本発明に基づいて上述した
方法で形成された高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコ
ン膜によって、スイッチング用MOSTFT1と電流駆
動用MOSTFT2のゲートチャンネル117、ソース
領域120及びドレイン領域121が形成されている。
そして、ゲート絶縁膜118上にゲート電極115、ソ
ース及びドレイン領域上にソース電極127及びドレイ
ン電極128、131が形成されている。MOSTFT
1のドレインとMOSTFT2のゲートとはドレイン電
極128を介して接続されていると共に、MOSTFT
2のソース電極127との間に絶縁膜136を介してキ
ャパシタCが形成され、かつ、MOSTFT2のドレイ
ン電極131は有機EL素子の陰極138にまで延設さ
れている。
【0202】各MOSTFTは絶縁膜130で覆われ、
この絶縁膜上には陰極を覆うように有機EL素子の例え
ば緑色有機発光層132(又は青色有機発光層133、
更には図示しない赤色有機発光層)が形成され、この有
機発光層を覆うように陽極(1層目)134が形成さ
れ、更に共通の陽極(2層目)135が全面に形成され
ている。なお、CMOSTFTからなる周辺駆動回路、
映像信号処理回路、メモリー回路等の製法は、上述した
液晶表示装置に準ずる(以下、同様)。
【0203】この構造の有機EL表示部は、有機EL発
光層が電流駆動用MOSTFT2のドレインに接続さ
れ、陰極(Li−Al、Mg−Agなど)138がガラ
ス等の基板111の面に被着され、陽極(ITO膜な
ど)134、135がその上部に設けられており、従っ
て、上面発光136’となる。また、陰極がMOSTF
T上を覆っている場合は発光面積が大きくなり、このと
きには陰極が遮光膜となり、発光光等がMOSTFTに
入射しないのでリーク電流発生がなく、TFT特性の悪
化がない。
【0204】また、各画素部周辺に図21(C)のよう
にブラックマスク部(クロム、二酸化クロム等)140
を形成すれば、光漏れ(クロストーク等)を防止し、コ
ントラストの向上が図れる。
【0205】なお、画素表示部に緑色、青色、赤色の3
色発光層を使用する方法、色変換層を使用する方法、白
色発光層にカラーフィルターを使用する方法のいずれで
も、良好なフルカラーのEL表示装置が実現でき、ま
た、各色発光材料である高分子化合物のスピンコーティ
ング法、又は金属錯体の真空加熱蒸着法においても、長
寿命、高精度、高品質、高信頼性のフルカラー有機EL
部を生産性良く作成できるので、コストダウンが可能と
なる(以下、同様)。
【0206】従来のこの種の有機ELは、アモルファス
シリコンTFTを用いているので、Vthが変動しても電
流値が変わり易く、画質に変動が起き易い。しかも、移
動度が小さいため、高速応答でドライブできる電流にも
限界があり、またpチャンネルの形成が困難であり、小
規模なCMOS回路構成さえも困難である。そこで、比
較的大面積化が容易であって高信頼性で移動度も高く、
CMOS回路構成も可能な多結晶シリコンTFTを用い
ることが望ましいが、従来の多結晶シリコン膜は、1)
アモルファスシリコン膜を300〜400℃のプラズマ
CVD法で成膜し、エキシマレーザーアニールして多結
晶シリコン膜化する。2)アモルファスシリコン膜を4
30〜500℃のLPCVD法で成膜し、窒素ガス中で
600℃/5〜20hrと850℃/0.5〜3hrで
固相成長させて多結晶シリコン膜化する。
【0207】しかし、1)は、高価なエキシマレーザー
装置の採用、エキシマレーザーの不安定性起因のTFT
特性むらと品質問題、生産性低下等によるコストアップ
となる。2)は、600℃以上、15〜20hrsの長
時間の熱処理のために、汎用ガラス基板を使用できず、
石英ガラス採用となるので、コストアップとなる。ま
た、フルカラー有機EL層では、その微細加工プロセス
において、電極の酸化や有機EL材料が酸素、水分にさ
らされたり、加熱で構造変化(溶解あるいは再結晶化)
して劣化しやすいので、各色発光領域を高精度に形成す
るのが難しい。
【0208】次に、本実施の形態による有機EL素子の
製造プロセスを説明すると、まず、図22の(1)に示
すように、上述した工程を経て多結晶性シリコン膜から
なるソース領域120、チャンネル領域117及びドレ
イン領域121を形成した後、ゲート絶縁膜118を形
成し、この上にMOSTFT1、2のゲート電極115
をMo−Ta合金等のスパッタリング成膜とフォトリソ
グラフィ及びエッチング技術により形成し、またMOS
TFT1のゲート電極に接続されるゲートラインをスパ
ッタリング成膜とフォトリソグラフィ及びエッチング技
術により(以下、同様)形成する。そして、オーバーコ
ート膜(酸化シリコン等)137を触媒CVD等の気相
成長法により(以下、同様)形成後、MOSTFT2の
ソース電極127及びアースラインを形成し、更にオー
バーコート膜(酸化シリコン/窒化シリコン積層膜な
ど)136を形成する。
【0209】次いで、図22の(2)に示すように、M
OSTFT1のソース/ドレイン部、MOSTFT2の
ゲート部の窓開けを行った後、図22の(3)に示すよ
うに、1%Si入りAlのスパッタリングと汎用フォト
リソグラフィ及びエッチング技術によりMOSTFT1
のドレイン電極とMOSTFT2のゲート電極を1%S
i入りAl配線128で接続し、同時にMOSTFT1
のソース電極と、この電極に接続される1%Si入りA
lからなるソースラインを形成する。そして、オーバー
コート膜(酸化シリコン/フォスフィンシリケートガラ
ス/窒化シリコン積層膜など)130を形成し、MOS
TFT2のドレイン部の窓開けを行い、MOSTFT2
のドレイン部と接続した発光部の陰極138を形成す
る。
【0210】次いで、図22の(4)に示すように、有
機発光層132等及び陽極134、135を形成する。
【0211】なお、上記において、緑色(G)発光有機
EL層、青色(B)発光有機EL層、赤色(R)発光有
機EL層はそれぞれ、100〜200nm厚に形成する
が、これらの有機EL層は、低分子化合物の場合は真空
加熱蒸着法で形成され、高分子化合物の場合はディッピ
ングコーティング、スピンコーティングなどの塗布法や
インクジェット法によりR、G、B発光ポリマーを配列
する方法が用いられる。金属錯体の場合は、昇華可能な
材料を真空加熱蒸着法で形成される。
【0212】有機EL層には、単層型、二層型、三層型
等があるが、ここでは低分子化合物の三層型の例を示
す。 単層型;陽極/バイポーラー発光層/陰極、 二層型;陽極/ホール輸送層/電子輸送性発光層/陰
極、又は陽極/ホール輸送性発光層/電子輸送層/陰
極、 三層型;陽極/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰
極、又は陽極/ホール輸送性発光層/キャリアブロック
層/電子輸送性発光層/陰極
【0213】なお、図21(B)の素子において、有機
発光層の代わりに公知の発光ポリマーを用いれば、パッ
シブマトリクス又はアクティブマトリクス駆動の発光ポ
リマー表示装置(LEPD)として構成することができ
る(以下、同様)。
【0214】<有機EL素子の構造例II>図23
(A)、(B)に示すように、この構造例IIによれば、
ガラス等の基板111上に、上記の構造例Iと同様に、
本発明に基づいて上述した方法で形成された高結晶化
率、大粒径の多結晶性シリコン膜によって、スイッチン
グ用MOSTFT1と電流駆動用MOSTFT2のゲー
トチャンネル117、ソース領域120及びドレイン領
域121が形成されている。そして、ゲート絶縁膜11
8上にゲート電極115、ソース及びドレイン領域上に
ソース電極127及びドレイン電極128、131が形
成されている。MOSTFT1のドレインとMOSTF
T2のゲートとはドレイン電極128を介して接続され
ていると共に、MOSTFT2のドレイン電極131と
の間に絶縁膜136を介してキャパシタCが形成され、
かつ、MOSTFT2のソース電極127は有機EL素
子の陽極144にまで延設されている。
【0215】各MOSTFTは絶縁膜130で覆われ、
この絶縁膜上には陽極を覆うように有機EL素子の例え
ば緑色有機発光層132(又は青色有機発光層133、
更には図示しない赤色有機発光層)が形成され、この有
機発光層を覆うように陰極(1層目)141が形成さ
れ、更に共通の陰極(2層目)142が全面に形成され
ている。
【0216】この構造の有機EL表示部は、有機EL発
光層が電流駆動用MOSTFT2のソースに接続され、
ガラス等の基板111の面に被着された陽極144を覆
うように有機EL発光層を形成し、その有機EL発光層
を覆うように陰極141を形成し、全面に陰極142を
形成しており、従って、下面発光136’となる。ま
た、陰極が有機EL発光層間及びMOSTFT上を覆っ
ている。即ち、全面に、例えば緑色発光有機EL層を真
空加熱蒸着法等により形成した後に、緑色発光有機EL
部をフォトリソグラフィ及びドライエッチングで形成
し、連続して同様に、青色、赤色発光有機EL部を形成
し、最後に全面に陰極(電子注入層)141をマグネシ
ウム:銀合金又はアルミニウム:リチウム合金により形
成する。この全面に更に形成した陰極(電子注入層)で
密封するので、外部から有機EL層間に湿気が侵入する
ことを特に全面被着の陰極142により防止して湿気に
弱い有機EL層の劣化や電極の酸化を防止し、長寿命、
高品質、高信頼性が可能となる(これは、図21の構造
例Iでも陽極で全面被覆されているため、同様であ
る)。また、陰極141及び142により放熱効果が高
まるので、発熱による薄膜の構造変化(融解又は再結晶
化)が低減し、長寿命、高品質、高信頼性が可能とな
る。しかも、これによって、高精度、高品質のフルカラ
ーの有機EL層を生産性良く作成できるので、コストダ
ウンが可能となる。
【0217】また、各画素部周辺に図23(C)のよう
にブラックマスク部(クロム、二酸化クロム等)140
を形成すれば、光漏れ(クロストーク等)を防止し、コ
ントラストの向上が図れる。なお、このブラックマスク
部140は、酸化シリコン膜143(これはゲート絶縁
膜118と同時に同一材料で形成してよい。)によって
覆われている。
【0218】次に、この有機EL素子の製造プロセスを
説明すると、まず、図24の(1)に示すように、上述
した工程を経て多結晶性シリコン膜からなるソース領域
120、チャンネル領域117及びドレイン領域121
を形成した後、触媒CVD等の気相成長法によりゲート
絶縁膜118を形成し、1%Si入りAlのスパッタリ
ング成膜及び汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技
術によりこの上にMOSTFT1、2のゲート電極11
5を形成し、また1%Si入りAlのスパッタリング成
膜及び汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技術によ
りMOSTFT1のゲート電極に接続されるゲートライ
ンを形成する。そして、触媒CVD等の気相成長法によ
りオーバーコート膜(酸化シリコン等)137を形成
後、1%Si入りAlのスパッタリング成膜及び汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチング技術によりMOSTF
T2のドレイン電極131及びVddラインを形成し、更
に触媒CVD等の気相成長法によりオーバーコート膜
(酸化シリコン/窒化シリコン積層膜等)136を形成
する。
【0219】次いで、図24の(2)に示すように、汎
用フォトリソグラフィ及びエッチング技術によりMOS
TFT1のソース/ドレイン部、MOSTFT2のゲー
ト部の窓開けを行った後、図24の(3)に示すよう
に、1%Si入りAlのスパッタリング成膜及び汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチング技術により、MOST
FT1のドレインとMOSTFT2のゲートを1%Si
入りAl配線128で接続し、同時にMOSTFT1の
ソースに接続される1%Si入りAlからなるソースラ
インを形成する。そして、オーバーコート膜(酸化シリ
コン/フォスフィンシリケートガラス/窒化シリコン積
層膜など)130を形成し、汎用フォトリソグラフィ及
びエッチング技術によりMOSTFT2のソース部の窓
開けを行い、ITO等のスパッタリング及び汎用フォト
リソグラフィ及びエッチング技術によりMOSTFT2
のソース部と接続した発光部の陽極144を形成する。
【0220】次いで、図24の(4)に示すように、上
記のように有機発光層132等及び陰極141、142
を形成する。
【0221】なお、以下に述べる有機ELの各層の構成
材料や形成方法は図23の例に適用されるが、図21の
例にも同様に適用されてよい。
【0222】緑色発光有機EL層に低分子化合物を用い
る場合は、ガラス基板上の陽極(ホール注入層)である
電流駆動用MOSTFTのソース部とコンタクトしたI
TO透明電極上に、連続した真空加熱蒸着法により形成
する。 1)ホール輸送層は、アミン系化合物(例えば、トリア
リールアミン誘導体、アリールアミンオリゴマー、芳香
族第三アミン等)等 2)発光層は、緑色発光材料であるトリス(8−ヒドロ
キシキシリノ)Al錯体(Alq)等 3)電子輸送層は、1,3,4−オキサジアゾール誘導
体(OXD)、1,2,4−トリアゾール誘導体(TA
Z)等 4)陰極である電子注入層は、4eV以下の仕事関数を
有する材料で作られるのが好ましい。 例えば、10:1(原子比)のマグネシウム:銀合金の
10〜30nm厚 アルミニウム:リチウム(濃度は0.5〜1%)合金の
10〜30nm厚 ここで、銀は有機界面との接着性を増すためにマグネシ
ウム中に1〜10原子%添加され、リチウムは安定化の
ためにアルミニウム中に濃度は0.5〜1%添加され
る。
【0223】緑色画素部を形成するには、緑色画素部を
フォトレジストでマスクし、CCl 4ガスのプラズマエ
ッチングにより陰極である電子注入層のアルミニウム:
リチウム合金を除去し、連続して電子輸送層、発光層、
ホール輸送層の低分子系化合物及びフォトレジストを酸
素プラズマエッチングで除去し、緑色画素部を形成す
る。この時に、フォトレジストの下にはアルミニウム:
リチウム合金があるので、フォトレジストがエッチング
されても問題ない。又、この時に、電子輸送層、発光
層、ホール輸送層の低分子系化合物層は、ホール注入層
のITO透明電極よりも大きい面積とし、後工程で全面
に形成する陰極142の電子注入層(マグネシウム:銀
合金等)と電気的ショートしないようにする。
【0224】次に、青色発光有機EL層を低分子化合物
で形成する場合は、ガラス基板上の陽極(ホール注入
層)である電流駆動用TFTのソース部とコンタクトし
たITO透明電極上に、連続して真空加熱蒸着により形
成する。 1)ホール輸送層は、アミン系化合物(例えば、トリア
リールアミン誘導体、アリールアミンオリゴマー、芳香
族第三アミン等)等 2)発光層は、青色発光材料であるDTVBiのような
ジスチリル誘導体等 3)電子輸送層は、1,3,4−オキサジアゾール誘導
体(TAZ)、1,2,4−トリアゾール誘導体(TA
Z)等 4)陰極である電子注入層は、4eV以下の仕事関数を
有する材料で作られるのが好ましい。 例えば、10:1(原子比)のマグネシウム:銀合金の
10〜30nm厚 アルミニウム:リチウム(濃度は0.5〜1%)合金の
10〜30nm厚 ここで、銀は有機界面との接着性を増すためにマグネシ
ウム中に1〜10原子%添加され、リチウムは安定化の
ためにアルミニウム中に濃度は0.5〜1%添加され
る。
【0225】青色画素部を形成するには、青色画素部を
フォトレジストでマスクし、CCl 4ガスのプラズマエ
ッチングで陰極である電子注入層のアルミニウム:リチ
ウム合金を除去し、連続して電子輸送層、発光層、ホー
ル輸送層の低分子系化合物及びフォトレジストを酸素プ
ラズマエッチングで除去し、青色画素部を形成する。こ
の時に、フォトレジストの下にはアルミニウム:リチウ
ム合金があるので、フォトレジストがエッチングされて
も問題ない。又、この時に、電子輸送層、発光層、ホー
ル輸送層の低分子系化合物層は、ホール注入層のITO
透明電極よりも大きい面積とし、後工程で全面に形成す
る陰極142の電子注入層(マグネシウム:銀合金等)
と電気的ショートしないようにする。
【0226】また、赤色発光有機EL層を低分子化合物
で形成する場合は、ガラス基板上の陽極(ホール注入
層)である電流駆動用TFTのソース部とコンタクトし
たITO透明電極上に、連続して真空加熱蒸着により形
成する。 1)ホール輸送層は、アミン系化合物(例えば、トリア
リールアミン誘導体、アリールアミンオリゴマー、芳香
族第三アミン等)等 2)発光層は、赤色発光材料であるEu(Eu(DBM)
3(Phen))等 3)電子輸送層は、1,3,4−オキサジアゾール誘導
体(OXD)、1,2,4−トリアゾール誘導体(TA
Z)等 4)陰極である電子注入層は、4eV以下の仕事関数を
有する材料で作られるのが好ましい。 例えば、10:1(原子比)のマグネシウム:銀合金の
10〜30nm厚 アルミニウム:リチウム(濃度は0.5〜1%)合金の
10〜30nm厚 銀は有機界面との接着性を増すためにマグネシウム中に
1〜10原子%添加され、リチウムは安定化のためにア
ルミニウム中に濃度は0.5〜1%添加される。
【0227】赤色画素部を形成するには、赤色画素部を
フォトレジストでマスクし、CCl 4ガスのプラズマエ
ッチングで陰極である電子注入層のアルミニウム:リチ
ウム合金を除去し、連続して電子輸送層、発光層、ホー
ル輸送層の低分子系化合物及びフォトレジストを酸素プ
ラズマエッチングで除去し、赤色画素部を形成する。こ
の時に、フォトレジストの下にはアルミニウム:リチウ
ム合金があるので、フォトレジストがエッチングされて
も問題ない。又、この時に、電子輸送層、発光層、ホー
ル輸送層の低分子系化合物層は、ホール注入層のITO
透明電極よりも大きい面積とし、後工程で全面に形成す
る陰極142の電子注入層(マグネシウム:銀合金等)
と電気的ショートしないようにする。この後に、共通の
陰極142の電子注入層(マグネシウム:銀合金等)を
全面に形成する。
【0228】陰極である電子注入層は、4eV以下の仕
事関数を有する材料で作られるのが好ましい。例えば、
10:1(原子比)のマグネシウム:銀合金の10〜3
0nm厚、又はアルミニウム:リチウム(濃度は0.5
〜1%)合金の10〜30nm厚とする。ここで、銀は
有機界面との接着性を増すためにマグネシウム中に1〜
10原子%添加され、リチウムは安定化のためにアルミ
ニウム中に濃度は0.5〜1%添加される。なお、スパ
ッタリングで成膜してもよい。
【0229】第4の実施の形態 本実施の形態は、本発明を電界放出型(フィールドエミ
ッション)ディスプレイ装置(FED:Field Emission
Display)に適用したものである。以下にその構造例と
製造例を示す。
【0230】<FEDの構造例I>図25(A)、
(B)、(C)に示すように、この構造例Iによれば、
ガラス等の基板111上に、本発明に基づいて上述した
方法で形成された高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコ
ン膜によって、スイッチング用MOSTFT1と電流駆
動用MOSTFT2のゲートチャンネル117、ソース
領域120及びドレイン領域121が形成されている。
そして、ゲート絶縁膜118上にゲート電極115、ソ
ース及びドレイン領域上にソース電極127及びドレイ
ン電極128が形成されている。MOSTFT1のドレ
インとMOSTFT2のゲートとはドレイン電極128
を介して接続されていると共に、MOSTFT2のソー
ス電極127との間に絶縁膜136を介してキャパシタ
Cが形成され、かつ、MOSTFT2のドレイン領域1
21はそのままFED素子のFEC(電界放出カソー
ド)にまで延設され、エミッタ領域152として機能し
ている。
【0231】各MOSTFTは絶縁膜130で覆われ、
この絶縁膜上には、FECのゲート引き出し電極150
と同一材料にて同一工程で接地用の金属遮蔽膜151が
形成され、各MOSTFT上を覆っている。FECにお
いては、多結晶性シリコン膜からなるエミッタ領域15
2上に電界放出エミッタとなるn型多結晶性シリコン膜
153が形成され、更にm×n個の各エミッタに区画す
るための開口を有するように、絶縁膜118、137、
136及び130がパターニングされ、この上面にはゲ
ート引き出し電極150が被着されている。
【0232】また、このFECに対向して、バックメタ
ル155付きの蛍光体156をアノードとして形成した
ガラス基板等の基板157が設けられており、FECと
の間は高真空に保持されている。
【0233】この構造のFECにおいては、ゲート引き
出し電極150の開口下には、本発明に基づいて形成さ
れた多結晶性シリコン膜152上に成長されたn型多結
晶性シリコン膜153が露出し、これがそれぞれ電子1
54を放出する薄膜型のエミッタとして機能する。即
ち、エミッタの下地となる多結晶性シリコン膜152
は、大粒径(グレインサイズ数100nm以上)のグレ
インからなっているため、これをシードとしてその上に
n型多結晶性シリコン膜153を触媒CVD等によって
成長させると、この多結晶性シリコン膜153はさらに
大きな粒径で成長し、表面が電子放出にとって有利な微
細な凹凸158を生じるように形成されるのである。
【0234】従って、エミッタが薄膜からなる面放出型
であるために、その形成が容易であると共に、エミッタ
性能も安定し、長寿命化が可能となる。
【0235】また、すべての能動素子(これには周辺駆
動回路及び画素表示部のMOSTFTとダイオードが含
まれる。)の上部にアース電位の金属遮蔽膜151(こ
の金属遮蔽膜は、ゲート引き出し電極150と同じ材料
(Nb、Ti/Mo等)、同じ工程で形成すると工程上
都合がよい。)が形成されているので、次の(1)、
(2)の利点を得ることができる。
【0236】(1)気密容器内にあるガスがエミッタ1
53から放出された電子により正イオン化されて絶縁層
上にチャージアップし、この正電荷が絶縁層下にあるM
OSTFTに不要な反転層を形成し、この反転層からな
る不要な電流経路を介して余分な電流が流れるために、
エミッタ電流の暴走が起きる。しかし、MOSTFT上
の絶縁層に金属遮蔽膜151を形成してアース電位に落
としているので、チャージアップ防止が可能となり、エ
ミッタ電流の暴走を防止できる。
【0237】(2)エミッタ153から放出された電子
の衝突により蛍光体156が発光するが、この光により
MOSTFTのゲートチャンネル内に電子、正孔が発生
し、リーク電流となる。しかし、MOSTFT上の絶縁
層に金属遮蔽膜151が形成されているので、MOST
FTへの光入射が防止され、MOSTFTの動作不良は
生じない。
【0238】また、触媒CVD等により、少なくとも多
結晶性シリコンMOSTFTのドレイン領域に連続して
n型多結晶性シリコン膜の電子放出体(エミッタ)が形
成されているので、その接合性が良好であり、高効率の
エミッタ特性が可能となる。
【0239】また、1つの画素表示部の電子放出体(エ
ミッタ)領域を複数に分割し、それぞれにスイッチング
素子のMOSTFTを接続すれば、たとえ1つのMOS
TFTが故障しても、他のMOSTFTが動作するの
で、1つの画素表示部は必ず電子放出する構成となって
おり、高品質で歩留が高く、コストダウンできる。又、
これらのMOSTFTにおいて、電気的オープン不良の
MOSTFTは問題ないが、電気的ショートしたMOS
TFTはレーザーリペアで分離できるので、高品質で歩
留が高く、コストダウンできる。
【0240】これに比べて、従来のFEDでは、シリコ
ン単結晶基板を用いるために、基板コストが高く、ウエ
ーハサイズ以上の大面積化が困難である。そして、カソ
ード電極表面に減圧CVD等により導電性の多結晶シリ
コン膜を形成し、その表面にプラズマCVD等により結
晶性ダイヤモンド膜を形成して電子放出体を構成するこ
とが提案されているが、減圧CVD時の成膜温度が63
0℃と高く、ガラス基板を採用できないので、コストダ
ウンが難しい。そして、その減圧CVDによる多結晶シ
リコン膜は粒径が小さく、その上の結晶性ダイヤモンド
膜も粒径が小さく、電子放出体の特性が良くない。更
に、プラズマCVDのために、反応エネルギーが不足し
ているので、良い結晶性ダイヤモンド膜は得にくい。
又、透明電極又はAl、Ti、Cr等の金属のカソード
電極と導電性の多結晶シリコン膜の接合性が悪いので、
良好な電子放出特性は得られない。
【0241】次に、本実施の形態によるFEDの製造プ
ロセスを説明すると、まず、図26の(1)に示すよう
に、上述した工程を経て全面に多結晶性シリコン膜11
7を形成した後、汎用フォトリソグラフィ及びエッチン
グ技術によりMOSTFT1とMOSTFT2及びエミ
ッタ領域にアイランド化し、プラズマCVD、触媒CV
D法等により全面に保護用酸化シリコン膜159を形成
する。
【0242】次いで、MOSTFT1、2のゲートチャ
ンネル不純物濃度の制御によるVthの最適化のために、
イオン注入又はイオンドーピング法により全面にボロン
イオン83を5×1011atoms/cm2のドーズ量
でドーピングし、1×1017atoms/ccのアクセ
プタ濃度に設定する。
【0243】次いで、図26の(2)に示すように、フ
ォトレジスト82をマスクにして、イオン注入又はイオ
ンドーピング法によりMOSTFT1、2のソース/ド
レイン部及びエミッタ領域に燐イオン79を1×1015
atoms/cm2のドーズ量でドーピングし、2×1
20atoms/ccのドナー濃度に設定し、ソース領
域120、ドレイン領域121、エミッタ領域152を
それぞれ形成した後、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術によりエミッタ領域の保護用酸化シリコン膜
を除去する。
【0244】次いで、図26の(3)に示すように、触
媒CVDによりエミッタ領域を形成する多結晶性シリコ
ン膜152をシードに、モノシランとPH3等のドーパ
ントを適量比率で混合し、表面に微細凹凸158を有
し、ドーパントを例えば5×1020〜1×1021ato
ms/cc含有するn型多結晶性シリコン膜153を1
〜5μm厚にエミッタ領域に形成し、同時に他の酸化シ
リコン膜159及びガラス基板111上にはn型アモル
ファスシリコン膜160を1〜5μm厚に形成する。
【0245】次いで、図26の(4)に示すように、上
述した触媒AHA処理時の水素系活性種により、アモル
ファスシリコン膜160をエッチング除去し、酸化シリ
コン膜159のエッチング除去後に触媒CVD等により
ゲート絶縁膜(酸化シリコン膜等)118を形成する。
【0246】次いで、図27の(5)に示すように、ス
パッタリング法によるMo−Ta合金等の耐熱性金属に
よりMOSTFT1、2のゲート電極115、MOST
FT1のゲート電極に接続されるゲートラインを形成
し、オーバーコート膜(酸化シリコン膜等)137を形
成した後、MOSTFT2のソース部窓開け後にスパッ
タリング法によるMo−Ta合金等の耐熱性金属でMO
STFT2のソース電極127及びアースラインを形成
する。更に、プラズマCVD、触媒CVD等によりオー
バーコート膜(酸化シリコン/窒化シリコン積層膜な
ど)136を形成し、RTA処理等の1000℃、10
〜20秒のイオン活性化処理を行う。
【0247】次いで、図27の(6)に示すように、M
OSTFT1のソース/ドレイン部及びMOSTFT2
のゲート部の窓開けを行い、MOSTFT1のドレイン
とMOSTFT2のゲートを1%Si入りAl配線12
8で接続し、同時にMOSTFT1のソース電極とその
ソースに接続されるソースライン127を形成する。
【0248】次いで、図27の(7)に示すように、オ
ーバーコート膜(酸化シリコン/フォスフィンシリケー
トガラス/窒化シリコン積層膜など)130を形成した
後、GNDラインの窓開けし、図27の(8)に示すよ
うに、ゲート引き出し電極150や金属遮蔽膜151を
Nb蒸着後のエッチングで形成し、更に電界放出カソー
ド部を窓開けしてエミッタ153を露出させ、上述した
触媒AHA処理の水素系活性種でクリーニングする。
【0249】<FEDの構造例II>図28(A)、
(B)、(C)に示すように、この構造例IIによれば、
ガラス等の基板111上に、上記の構造例Iと同様に、
本発明に基づいて上述した方法で形成された高結晶化
率、大粒径の多結晶性シリコン膜によって、スイッチン
グ用MOSTFT1と電流駆動用MOSTFT2のゲー
トチャンネル117、ソース領域120及びドレイン領
域121が形成されている。そして、ゲート絶縁膜11
8上にゲート電極115、ソース及びドレイン領域上に
ソース電極127及びドレイン電極128が形成されて
いる。MOSTFT1のドレインとMOSTFT2のゲ
ートとはドレイン電極128を介して接続されていると
共に、MOSTFT2のソース電極127との間に絶縁
膜136を介してキャパシタCが形成され、かつ、MO
STFT2のドレイン領域121はそのままFED素子
のFEC(電界放出カソード)にまで延設され、エミッ
タ領域152として機能している。
【0250】各MOSTFTは絶縁膜130で覆われ、
この絶縁膜上には、FECのゲート引き出し電極150
と同一材料にて同一工程で接地用の金属遮蔽膜151が
形成され、各MOSTFT上を覆っている。FECにお
いては、多結晶シリコン膜からなるエミッタ領域152
上に電界放出エミッタとなるn型多結晶ダイヤモンド膜
163が形成され、更にm×n個の各エミッタに区画す
るための開口を有するように、絶縁膜118、137、
136及び130がパターニングされ、この上面にはゲ
ート引き出し電極150が被着されている。
【0251】また、このFECに対向して、バックメタ
ル155付きの蛍光体156をアノードとして形成した
ガラス基板等の基板157が設けられており、FECと
の間は高真空に保持されている。
【0252】この構造のFECは、ゲート引き出し電極
150の開口下には、本発明に基づいて形成された多結
晶性シリコン膜152上に成長されたn型多結晶ダイヤ
モンド膜163が露出し、これがそれぞれ電子154を
放出する薄膜型のエミッタとして機能する。即ち、エミ
ッタの下地となる多結晶性シリコン膜152は、大粒径
(グレインサイズ数100nm以上)のグレインからな
っているため、これをシードとしてその上にn型多結晶
性ダイヤモンド膜163を触媒CVD等によって成長さ
せると、この多結晶性ダイヤモンド膜163はやはり大
粒径で成長し、表面が電子放出にとって有利な微細な凹
凸168を生じるように形成されるのである。
【0253】従って、エミッタが薄膜からなる面放出型
であるために、その形成が容易であると共に、エミッタ
性能も安定し、長寿命化が可能となる。
【0254】また、すべての能動素子(これには周辺駆
動回路及び画素表示部のMOSTFTとダイオードが含
まれる。)の上部にアース電位の金属遮蔽膜151(こ
の金属遮蔽膜は、ゲート引き出し電極150と同じ材料
(Nb、Ti/Mo等)、同じ工程で形成すると工程上
都合がよい。)が形成されているので、上述したと同様
に、MOSTFT上の絶縁層に金属遮蔽膜151を形成
してアース電位に落とし、チャージアップ防止が可能と
なり、エミッタ電流の暴走を防止でき、また、MOST
FT上の絶縁層に金属遮蔽膜151が形成されているの
で、MOSTFTへの光入射が防止され、MOSTFT
の動作不良は生じない。
【0255】次に、このFEDの製造プロセスを説明す
ると、まず、図29の(1)に示すように、上述した工
程を経て全面に多結晶性シリコン膜117を形成した
後、汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技術により
MOSTFT1とMOSTFT2及びエミッタ領域にア
イランド化し、プラズマCVD、触媒CVD法等により
全面に保護用酸化シリコン膜159を形成する。
【0256】次いで、MOSTFT1、2のゲートチャ
ンネル不純物濃度の制御によるVthの最適化のために、
イオン注入又はイオンドーピング法により全面にボロン
イオン83を5×1011atoms/cm2のドーズ量
でドーピングし、1×1017atoms/ccのアクセ
プタ濃度に設定する。
【0257】次いで、図29の(2)に示すように、フ
ォトレジスト82をマスクにして、イオン注入又はイオ
ンドーピング法によりMOSTFT1、2のソース/ド
レイン部及びエミッタ領域に燐イオン79を1×1015
atoms/cm2のドーズ量でドーピングし、2×1
20atoms/ccのドナー濃度に設定し、ソース領
域120、ドレイン領域121、エミッタ領域152を
それぞれ形成した後、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術によりエミッタ領域の保護用酸化シリコン膜
を除去する。
【0258】次いで、図29の(3)に示すように、触
媒CVDによりエミッタ領域を形成する多結晶性シリコ
ン膜152をシードに、モノシランとメタン(CH4
及びドーパントを適量比率混合し、表面に微細凹凸16
8を有するn型多結晶性ダイヤモンド膜163をエミッ
タ領域に形成し、同時に他の酸化シリコン膜159及び
ガラス基板111上にはn型アモルファスダイヤモンド
膜170を形成する。
【0259】次いで、図29の(4)に示すように、上
述した触媒AHA処理時の水素系活性種により、アモル
ファスダイヤモンド膜170をエッチング除去し、酸化
シリコン膜159のエッチング除去後に触媒CVD等に
よりゲート絶縁膜(酸化シリコン膜等)118を形成す
る。
【0260】次いで、図30の(5)に示すように、ス
パッタリング法によるMo−Ta合金等の耐熱性金属に
よりMOSTFT1、2のゲート電極115、MOST
FT1のゲート電極に接続されるゲートラインを形成
し、オーバーコート膜(酸化シリコン膜等)137を形
成した後、MOSTFT2のソース部窓開け後にスパッ
タリング法によるMo−Ta合金等の耐熱性金属でMO
STFT2のソース電極127及びアースラインを形成
する。更に、プラズマCVD、触媒CVD等によりオー
バーコート膜(酸化シリコン/窒化シリコン積層膜な
ど)136を形成し、RTA等の1000℃、10〜2
0秒のイオン活性化処理を行う。
【0261】次いで、図30の(6)に示すように、M
OSTFT1のソース/ドレイン部及びMOSTFT2
のゲート部の窓開けを行い、MOSTFT1のドレイン
とMOSTFT2のゲートを1%Si入りAl配線12
8で接続し、同時にMOSTFT1のソース電極とその
ソースに接続されるソースライン127を形成する。
【0262】次いで、図30の(7)に示すように、オ
ーバーコート膜(酸化シリコン/フォスフィンシリケー
トガラス/窒化シリコン積層膜など)130を形成した
後、GNDラインの窓開けし、図30の(8)に示すよ
うに、ゲート引き出し電極150や金属遮蔽膜151を
Nb蒸着後のエッチングで形成し、更に電界放出カソー
ド部を窓開けしてエミッタ163を露出させ、上述した
触媒AHA処理の水素系活性種でクリーニングする。
【0263】なお、上記において、多結晶性ダイヤモン
ド膜163を成膜する際、使用する原料ガスとしての炭
素含有化合物は、例えば 1)メタン、エタン、プロパン、ブタン等のパラフィン
系炭化水素 2)アセチレン、アリレン系のアセチレン系炭化水素 3)エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン系
炭化水素 4)ブタジエン等のジオレフィン系炭化水素 5)シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、
シクロヘキサン等の脂環式炭化水素 6)シクロブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ナフタリン等の芳香族炭化水素 7)アセトン、ジエチルケトン、ベンゾフェノン等のケ
トン類 8)メタノール、エタノール等のアルコール類 9)トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類 10)グラファイト、石炭、コークス等の炭素原子のみ
からなる物質 であってよく、これらは、1種を単独で用いることもで
きるし、2種以上を併用することもできる。
【0264】また、使用可能な不活性ガスは、例えばア
ルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、ラ
ドンである。ドーパントとしては、例えばホウ素、リチ
ウム、窒素、リン、硫黄、塩素、ひ素、セレン、ベリリ
ウム等を含む化合物又は単体が使用可能であり、そのド
ーピング量は1020atoms/cc以上であってよ
い。
【0265】第5の実施の形態 本実施の形態は、本発明を光電変換装置としての太陽電
池に適用したものである。以下にその製造例を示す。
【0266】まず、図31の(1)に示すように、ステ
ンレス等の金属基板111上に、上述した触媒CVD法
等によって、保護膜(図示せず)の形成後に、この上に
アモルファス又は微結晶カーボン薄膜100Aを形成す
る。
【0267】次いで、図31の(2)に示すように、上
述した触媒AHA処理によって、カーボン薄膜100A
をダイヤモンド構造のカーボン超微粒子層100Bに変
化させる。
【0268】次いで、図31の(3)に示すように、上
述した触媒CVD法等によって、カーボン超微粒子層1
00Bをシードにn型多結晶性シリコン膜7を形成す
る。この多結晶性シリコン膜7は、上述のマルチ触媒A
HA処理により形成してよく、高結晶化率、大粒径の錫
又は他のIV族元素(Ge、Pb)の単独又は混合物含有
のn型多結晶性シリコン膜として100〜200nm厚
に形成する。この多結晶性シリコン膜7には、リン等の
n型不純物をPH3等としてモノシランと共に供給して
例えば1×1017〜1×1018atoms/cc含有さ
せる。
【0269】次いで、図32の(4)に示すように、多
結晶性シリコン膜7上に、これをシードにして触媒CV
D等により錫又は他のIV族元素(Ge、Pb)の単独又
は混合物含有のi型多結晶性シリコン膜180、錫又は
他のIV族元素(Ge、Pb)の単独又は混合物含有のp
型多結晶性シリコン膜181等を成長させ、光電変換層
を形成する。
【0270】例えば、触媒CVDにより、モノシランに
水素化錫(SnH4)を適量比率で混合してi型の大粒
径の錫含有多結晶性シリコン膜180を2〜5μm厚に
成長させ、この上に、モノシランにp型不純物ボロン
(B26など)と水素化錫(SnH4)を適量比率混合
して、例えば1×1017〜1×1018atoms/cc
含有させたp型の大粒径の錫含有多結晶性シリコン膜1
81を100〜200nm厚に形成する。この時にそれ
ぞれの膜中に錫又は他のIV族元素(Ge、Pb)の単独
又は混合物、例えば錫を1×1016atoms/cc以
上、好ましくは1×1018〜1×1020atoms/c
c含有させることにより、結晶粒界に存在する結晶不整
及び応力を低減させるので、キャリア移動度向上を図る
ことができる(これは、n型又はp型多結晶性シリコン
膜7、181を形成する場合も同様である)。
【0271】また、上述したマルチ触媒AHA処理を行
ってよい。例えば、触媒CVDでn型又はp型の錫含有
多結晶性シリコン膜を20〜50nm厚に成長させた
後、触媒AHA処理を行い、触媒CVDでn型又はp型
の錫含有多結晶性シリコン膜を20〜50nm厚に成長
させ、触媒AHA処理後、更に触媒CVDでn型又はp
型の錫含有多結晶性シリコン膜を20〜50nmに成長
させた後、触媒AHA処理を行うように、各処理を必要
回数繰り返す方法で成膜してもよい(これはi型多結晶
性シリコン膜180の場合も同様である)。この方法に
よって、より大きい粒径の錫含有多結晶性シリコン膜を
形成できる。また、成膜途中で原料ガス供給量を増加し
て、高速成膜としてもよい。
【0272】次いで、図32の(5)に示すように、上
記の方法で形成したn−i−p接合の大粒径の錫含有多
結晶性シリコン膜の全面に、透明電極182を形成す
る。例えば、汎用スパッタリング技術により、無反射コ
ート用のITO(Indium Tin Oxide)又はIZO(Indi
um Zinc Oxide)等の透明電極182を100〜150
nm厚に形成する。そして、この上に、汎用スパッタリ
ング技術により、メタルマスクを用いて、所定領域に銀
等のくし型電極183を100〜150nm厚に形成す
る。
【0273】なお、上記の膜は錫又は他のIV族元素を必
ずしも含有していなくてもよいが、この場合も上記と同
様に製造することができる。また、上記のn−i−p接
合構造以外にも、p−i−n接合、p−n接合、n−p
接合等の構造も同様に作製することができる。
【0274】本実施の形態による太陽電池は、本発明に
基づく大粒径の多結晶性シリコン膜によって、高キャリ
ア移動度で変換効率の大きい光電変換薄膜を形成でき、
良好な表面テクスチャ構造と裏面テクスチャ構造が形成
されるので、光封じ込め効果が高く、変換効率の大きい
光電変換薄膜を形成できる。これはまた、太陽電池に限
らず、電子写真用の感光体ドラム等の薄膜光電変換装置
にも有利に利用することができる。
【0275】これに比べて、従来のこの種の光電変換装
置では、RFプラズマCVD、VHFプラズマCVD等
によりアモルファスカーボン薄膜を形成し、プラズマ水
素処理でカーボン超微粒子を形成してこれを多結晶シリ
コン結晶成長の核として大粒径多結晶シリコン膜を形成
しており、n型多結晶シリコン層とi型多結晶シリコン
活性層及びp型多結晶シリコン層を連続成膜し、その全
面にITO膜を積層し、最後にくし型電極を形成して、
2μm厚程度の薄膜多結晶性シリコン太陽電池を得てい
る。
【0276】ところが、この従来法では、次のような欠
点を回避できない。 1)RFプラズマCVD、VHFプラズマCVD法等に
よる低温形成の結晶質シリコン系薄膜は、そのエネルギ
ーが低いので、原料ガスの化学的分解反応やプラズマ水
素処理が不十分になりやすく、結晶粒径が小さいので、
移動度が小さく、しかも粒界の多さやピンホール等のた
めに局部的な電気的ショート又はリークによる過剰電流
が発生しやすく、光電変換層として必要な数μmの膜厚
に堆積させたときに膜の内部応力や歪が大きくなって、
最悪の場合には膜が剥離してしまうという問題がある。
これによって、光電変換層の製造歩留や信頼性を著しく
低下させ、それを含む光電変換装置の実用化を目指す上
で大きな支障となる。 2)RFプラズマCVD、VHFプラズマCVD等のプ
ラズマCVD法はエネルギーが低いので、原料ガスの利
用効率が5〜10%と低い。このために、生産性が低
く、コストダウンしにくい。
【0277】以上に述べた本発明の実施の形態は、本発
明の技術的思想に基づいて種々変形が可能である。
【0278】例えば、上述した触媒CVD法と触媒AH
A処理の繰り返し回数や各条件は種々変更してよく、用
いる基板等の材質も上述したものに限定されることはな
い。
【0279】また、本発明は、表示部等の内部回路や周
辺駆動回路及び映像信号処理回路及びメモリー等のMO
STFTに好適なものであるが、それ以外にもダイオー
ドなどの素子の能動領域や、抵抗、キャパシタンス(容
量)、配線、インダクタンス等の受動領域を本発明によ
る多結晶性シリコン膜で形成することも可能である。
【0280】
【発明の作用効果】本発明は上述したように、基体上に
アモルファスカーボン又は微結晶カーボン又はこれらの
混合物からなるカーボン薄膜を形成し、水素又は水素含
有ガスを加熱された触媒体に接触させ、これによって生
成した水素系活性種を前記カーボン薄膜に作用させてア
ニールを行い、ダイヤモンド構造のカーボン超微粒子を
形成し、このカーボン超微粒子上に半導体材料薄膜を気
相成長させているので、次の(1)〜(4)に示すよう
な顕著な作用効果が得られる。
【0281】(1)触媒AHA処理により大量の高温の
水素系分子、水素系原子、活性化水素イオン等の水素系
活性種を前記カーボン薄膜に対し吹き付け等で作用させ
ているので、高温の熱触媒体の輻射熱による加熱も加わ
って、次の顕著な効果を示す。
【0282】この触媒AHA処理は、減圧下で、水素を
高温の触媒体に接触させて、大量の高温の水素系活性種
(水素系分子、水素系原子、活性化水素イオン等)を生
成し、これを基板上に形成したアモルファスカーボン膜
又は微結晶カーボン膜に吹き付けると、大量の高温の水
素系活性種(水素系分子、水素系原子、活性化水素イオ
ン等)が有する熱エネルギーがその膜等に移動して、そ
の膜等の温度を局部的に上昇させ、アモルファスカーボ
ン膜や微結晶カーボン膜中のアモルファス成分が水素系
活性種の還元作用による選択的エッチングにより除去さ
れると共に結晶化して、アモルファスカーボン膜又は微
結晶カーボン膜表面又は基板上に、ダイヤモンド構造を
有するカーボン超微粒子(クラスタ)を確実に安定して
点在させることができ、これを次の多結晶性シリコン等
の成長の核(シード)として有効に働かせることができ
る。
【0283】(2)こうして触媒AHA処理されて得ら
れるダイヤモンド構造のカーボン超微粒子をシードとし
て、この上に半導体材料薄膜が多結晶化され易い状態で
(多結晶性半導体薄膜として)成長し易くなり、特に次
の触媒AHA処理及び気相成長により、上記多結晶性半
導体薄膜上に気相成長されたシリコン膜等はこの多結晶
性半導体薄膜をシードとして結晶化が促進されるので、
目的とする高結晶化率、高品質の多結晶性半導体薄膜を
得ることができる。即ち、触媒AHA処理により、例え
ば触媒CVDで成膜されたシリコン膜にアモルファス成
分が存在していると、これがエッチング除去されて、そ
の上に気相成長するシリコン膜は下地のダイヤモンド構
造のカーボン超微粒子をシード(核)にしてより多結晶
シリコン膜化し易く、更には、同様の触媒AHA処理と
気相成長とを繰り返すと、大量の高温の水素系活性種
(水素系分子、水素系原子、活性化水素イオン等)が有
する熱エネルギーがその膜等に移動して、その膜等の温
度を局部的に上昇させ、アモルファスシリコンや微結晶
シリコンは多結晶化し、多結晶性シリコンは高結晶化し
て、高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコン膜を形成す
ることができる。この結果、トップゲート型のみなら
ず、ボトムゲート型、デュアルゲート型MOSTFTで
も、高いキャリア(電子/正孔)移動度の大粒径の多結
晶性シリコン膜等が得られるために、この高性能の多結
晶性シリコン等の半導体を使用した高速、高電流密度の
半導体装置、電気光学装置、更には高効率の太陽電池等
の製造が可能となる。
【0284】(3)この触媒AHA処理は、プラズマの
発生なしに行えるので、プラズマによるダメージがな
く、またプラズマ処理に比べ、シンプルで安価な装置を
実現できる。
【0285】(4)基体温度を低温化しても、上記した
高温の水素系分子等のエネルギーが大きいために、目的
とするダイヤモンド構造のカーボン超微粒子が確実に安
定して得られることから、基体温度を低温化しても、目
的とする多結晶性半導体薄膜がカーボン超微粒子をシー
ドに効率良く成長し、従って大型で安価な低歪点の絶縁
基板(ガラス基板、耐熱性樹脂基板等)を使用でき、こ
の点でもコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるMOSTFT
の製造プロセスを工程順に示す断面図である。
【図2】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図3】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図4】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図5】同、製造に用いる触媒CVD及び触媒AHA処
理用の装置の一状態での概略断面図である。
【図6】同、装置の他の状態での概略断面図である。
【図7】同、装置を用いた処理時のガス流量のタイミン
グチャートである。
【図8】同、装置のガス供給系の概略図である。
【図9】同、処理により得られた半導体膜のラマンスペ
クトルを比較して示すグラフである。
【図10】同、半導体薄膜の結晶化率を比較して示すグ
ラフである。
【図11】同、触媒体及びこの支持体の純度による膜中
の重金属濃度を比較して示すグラフである。
【図12】本発明の第2の実施の形態によるLCDの製
造プロセスを工程順に示す断面図である。
【図13】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図14】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図15】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図16】同、LCDの全体の概略レイアウトを示す斜
視図である。
【図17】同、LCDの等価回路図である。
【図18】同、LCDの他の製造プロセスを工程順に示
す断面図である。
【図19】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図20】同、LCDのMOSTFTを各種示す断面図
である。
【図21】本発明の第3の実施の形態による有機EL表
示装置の要部の等価回路図(A)、同要部の拡大断面図
(B)及び同画素周辺部の断面図(C)である。
【図22】同、有機EL表示装置の製造プロセスを工程
順に示す断面図である。
【図23】同、他の有機EL表示装置の要部の等価回路
図(A)、同要部の拡大断面図(B)及び同画素周辺部
の断面図(C)である。
【図24】同、有機EL表示装置の製造プロセスを工程
順に示す断面図である。
【図25】本発明の第4の実施の形態によるFEDの要
部の等価回路図(A)、同要部の拡大断面図(B)及び
同要部の概略平面図(C)である。
【図26】同、FEDの製造プロセスを工程順に示す断
面図である。
【図27】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図28】同、他のFEDの要部の等価回路図(A)、
同要部の拡大断面図(B)及び同要部の平面図(C)で
ある。
【図29】同、FEDの製造プロセスを工程順に示す断
面図である。
【図30】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図31】本発明の第5の実施の形態による太陽電池の
製造プロセスを工程順に示す断面図である。
【図32】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1、61、98、111、157…基板、7、67…多
結晶性シリコン膜、14、67、117…チャンネル、
15、75、102、105、115…ゲート電極、
8、68、103、104、106、118…ゲート絶
縁膜、20、21、80、81、120、121…n+
型ソース又はドレイン領域、24、25、84、85…
+型ソース又はドレイン領域、27、28、86、9
2、130、136、137…絶縁膜、29、30、8
7、88、89、90、91、93、97、127、1
28、131…電極、40…原料ガス、42…シャワー
ヘッド、44…成膜室、45…サセプタ、46…触媒
体、47…シャッター、48…触媒体電源、94、96
…配向膜、95…液晶、99…カラーフィルタ層、10
0A…アモルファス又は微結晶カーボン薄膜、100B
…ダイヤモンド構造のカーボン超微粒子層、100’、
140…ブラックマスク層、132、133…有機発光
層、134、135、144…陽極、138、141、
142、171…陰極、150…ゲート引き出し電極
(ゲートライン)、151…遮蔽膜、152…エミッ
タ、153…n型多結晶性シリコン膜、155…バック
メタル、156…蛍光体、158、168…微細凹凸、
163…n型多結晶性ダイヤモンド膜、180…i型多
結晶性シリコン膜、181…p型多結晶性シリコン膜、
182…透明電極、183…くし型電極
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/205 H01L 21/205 5F052 29/786 29/78 618A 5F110 21/336 626C 31/04 31/04 X Fターム(参考) 2H092 JA24 KA04 KA12 KB22 KB24 KB25 MA05 MA08 MA19 MA27 NA07 NA26 PA08 PA09 PA13 4K030 AA06 AA09 AA17 BA27 BA30 BB04 CA04 DA08 FA10 KA49 LA15 5C094 AA25 AA43 AA44 AA53 BA03 BA12 BA23 BA27 BA32 BA34 CA19 CA24 DA09 DA13 EA04 EA05 EB02 FA01 FA02 FB01 FB02 FB12 FB14 FB15 GB10 5F045 AA03 AA08 AB03 AB07 AB32 AB33 AB35 AC01 AC07 AC12 AC16 AC17 AC19 AD05 AD06 AD07 AD08 AD09 AD10 AD11 AD12 AE03 AE05 AE07 AE09 CA09 CA15 DP05 EK09 HA06 5F051 AA03 AA04 AA05 CA11 CA14 CA32 CB12 GA02 5F052 AA06 AA11 CA04 DA01 DA10 DB01 DB03 DB07 EA16 FA19 HA08 JA01 JA09 5F110 AA01 AA14 AA16 AA17 BB02 BB04 CC02 CC08 DD01 DD02 DD03 DD12 DD13 DD14 DD17 EE06 EE09 EE30 EE38 EE44 EE45 FF02 FF03 FF09 FF23 FF29 FF30 FF32 GG01 GG02 GG03 GG13 GG16 GG19 GG25 GG32 GG34 GG44 GG51 GG52 HJ01 HJ04 HJ12 HJ13 HJ23 HL03 HL04 HL06 HL07 HL11 HL23 HL24 HM15 NN03 NN04 NN23 NN24 NN25 NN27 NN35 NN36 NN44 NN46 NN54 NN71 NN73 PP02 PP36 PP40 QQ11 QQ24

Claims (61)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に多結晶性半導体薄膜を形成する
    に際し、 前記基体上にアモルファスカーボン又は微結晶カーボン
    又はこれらの混合物からなるカーボン薄膜を形成する工
    程と、 水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体に接触させ、
    これによって生成した水素系活性種を前記カーボン薄膜
    に作用させてアニールを行い、ダイヤモンド構造のカー
    ボン超微粒子を形成する工程と、 このカーボン超微粒子上に半導体材料薄膜を気相成長さ
    せる工程とを経て前記多結晶性半導体薄膜を得る、多結
    晶性半導体薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 基体上に多結晶性半導体薄膜を有する半
    導体装置を製造するに際し、 前記基体上にアモルファスカーボン又は微結晶カーボン
    又はこれらの混合物からなるカーボン薄膜を形成する工
    程と、 水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体に接触させ、
    これによって生成した水素系活性種を前記カーボン薄膜
    に作用させてアニールを行い、ダイヤモンド構造のカー
    ボン超微粒子を形成する工程と、 このカーボン超微粒子上に半導体材料薄膜を気相成長さ
    せる工程とを経て前記多結晶性半導体薄膜を得る、半導
    体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記カーボン薄膜を気相成長法又は物理
    的成膜法によって形成し、前記半導体材料薄膜を気相成
    長法によって形成する、請求項1又は2に記載した方
    法。
  4. 【請求項4】 原料ガス及び水素又は水素含有ガスの少
    なくとも一部を加熱された触媒体に接触させて触媒的に
    分解させ、これによって生成したラジカル、イオン等の
    反応種を基体上に堆積させて、前記カーボン薄膜及び/
    又は前記半導体材料薄膜を気相成長させる、請求項1又
    は2に記載した方法。
  5. 【請求項5】 前記半導体材料薄膜の気相成長後に、水
    素又は水素含有ガスを加熱された触媒体に接触させ、こ
    れによって生成した高温の水素系分子、水素系原子、活
    性化水素イオン等の水素系活性種を前記半導体材料薄膜
    に作用させてアニールを行い、必要あれば、前記半導体
    材料薄膜と同様の半導体材料薄膜の気相成長と前記アニ
    ールとを繰り返す、請求項4に記載した方法。
  6. 【請求項6】 前記加熱触媒体に前記水素又は水素含有
    ガスの少なくとも一部を接触させ、これによって生成し
    た高温の水素系分子、水素系原子、活性化水素イオン等
    の水素系活性種を前記カーボン薄膜又は前記半導体材料
    薄膜に作用させてアニールを行う、請求項1又は2に記
    載した方法。
  7. 【請求項7】 加熱された前記触媒体に、原料ガス及び
    水素系キャリアガスの少なくとも一部を接触させて触媒
    的に分解させ、これによって生成したラジカル、イオン
    等の反応種を加熱された前記基体上に堆積させて前記カ
    ーボン薄膜又は前記半導体材料薄膜を気相成長させた
    後、前記原料ガスの供給を停止し、加熱された触媒体に
    前記水素系キャリアガスの少なくとも一部を接触させ、
    これによって生成した高温の水素系分子、水素系原子、
    活性化水素イオン等の水素系活性種を前記カーボン薄膜
    又は前記半導体材料薄膜に作用させてアニールを行う、
    請求項1、2又は5に記載した方法。
  8. 【請求項8】 前記気相成長時の水素又は水素含有ガス
    供給量よりも前記アニール時の水素又は水素含有ガス供
    給量を多くする、請求項7に記載した方法。
  9. 【請求項9】 タングステン、トリア含有タングステ
    ン、モリブデン、白金、パラジウム、バナジウム、シリ
    コン、アルミナ、金属を付着したセラミックス、及び炭
    化ケイ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の材料
    によって、前記触媒体を形成する、請求項1又は2に記
    載した方法。
  10. 【請求項10】 前記触媒体及びこれを支持する支持体
    の純度を99.99wt%以上、好ましくは99.99
    9wt%又はそれ以上とする、請求項1又は2に記載し
    た方法。
  11. 【請求項11】 前記多結晶性半導体薄膜が多結晶性シ
    リコン膜、多結晶性ゲルマニウム膜、多結晶性シリコン
    ゲルマニウム膜、多結晶性炭化ケイ素膜からなり、か
    つ、前記水素又は水素含有ガスが水素又は水素と不活性
    なガスとの混合ガスからなる、請求項1又は2に記載し
    た方法。
  12. 【請求項12】 前記半導体薄膜に錫等のIV族元素の少
    なくとも1種を適量含有させる、請求項11に記載した
    方法。
  13. 【請求項13】 前記多結晶性半導体薄膜によって、薄
    膜絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャンネル、ソ
    ース及びドレイン領域、又は配線、抵抗、容量又は電子
    放出体等を形成する、請求項1又は2に記載した方法。
  14. 【請求項14】 前記チャンネル、ソース及びドレイン
    領域の形成後に、これらの領域に対し、水素又は水素含
    有ガスを加熱された触媒体に接触させることによって生
    成した水素系活性種を作用させる、請求項13に記載し
    た方法。
  15. 【請求項15】 シリコン半導体装置、シリコン半導体
    集積回路装置、シリコン−ゲルマニウム半導体装置、シ
    リコン−ゲルマニウム半導体集積回路装置、化合物半導
    体装置、化合物半導体集積回路装置、炭化ケイ素半導体
    装置、炭化ケイ素半導体集積回路装置、液晶表示装置、
    有機又は無機エレクトロルミネセンス表示装置、フィー
    ルドエミッションディスプレイ(FED)装置、発光ポ
    リマー表示装置、発光ダイオード表示装置、CCDエリ
    ア/リニアセンサ装置、MOSセンサ装置、太陽電池装
    置用の薄膜を製造する、請求項1又は2に記載した方
    法。
  16. 【請求項16】 内部回路及び周辺回路を有する半導体
    装置、固体撮像装置、電気光学装置等の製造に際し、こ
    れらの少なくとも一部を構成する薄膜絶縁ゲート型電界
    効果トランジスタのチャンネル、ソース及びドレイン領
    域を前記多結晶性半導体薄膜によって形成する、請求項
    15に記載した方法。
  17. 【請求項17】 各色用の有機又は無機エレクトロルミ
    ネセンス層の下層にそれぞれ、前記薄膜絶縁ゲート型電
    界効果トランジスタのドレイン又はソースと接続された
    陰極又は陽極を有する、請求項16に記載した方法。
  18. 【請求項18】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上も前記陰極が覆い、或いは前記
    各色用の有機又は無機エレクトロルミネセンス層の各層
    上及び各層間の全面に前記陰極又は陽極が被着されてい
    る装置を製造する、請求項17に記載した方法。
  19. 【請求項19】 前記各色用の前記有機又は無機エレク
    トロルミネセンス層間にブラックマスク層を形成する、
    請求項17に記載した方法。
  20. 【請求項20】 フィールドエミッションディスプレイ
    装置のエミッタを、前記多結晶性半導体薄膜を介して前
    記薄膜絶縁ゲート型電界効果トランジスタのドレインに
    接続すると共に前記多結晶性半導体薄膜上に成長された
    n型多結晶性半導体膜又は多結晶性ダイヤモンド膜によ
    って形成する、請求項16に記載した方法。
  21. 【請求項21】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上にアース電位の遮蔽膜を形成す
    る、請求項20に記載した方法。
  22. 【請求項22】 前記遮蔽膜を前記フィールドエミッシ
    ョンディスプレイ装置のゲート引き出し電極と同一材料
    で同一工程により形成する、請求項21に記載した方
    法。
  23. 【請求項23】 ダイヤモンド構造のカーボン超微粒子
    をシードにして形成された多結晶性半導体薄膜。
  24. 【請求項24】 ダイヤモンド構造のカーボン超微粒子
    をシードにして形成された多結晶性半導体薄膜を有する
    半導体装置。
  25. 【請求項25】 前記多結晶性半導体薄膜が多結晶性シ
    リコン膜、多結晶性ゲルマニウム膜、多結晶性シリコン
    ゲルマニウム膜、多結晶性炭化ケイ素膜からなる、請求
    項23又は24に記載した多結晶性半導体薄膜又は半導
    体装置。
  26. 【請求項26】 前記多結晶性半導体薄膜が錫等のIV族
    元素の少なくとも1種を適量含有する、請求項25に記
    載した多結晶性半導体薄膜又は半導体装置。
  27. 【請求項27】 前記多結晶性半導体薄膜によって、薄
    膜絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャンネル、ソ
    ース及びドレイン領域、又は配線、抵抗、容量又は電子
    放出体等が形成される、請求項23又は24に記載した
    多結晶性半導体薄膜又は半導体装置。
  28. 【請求項28】 シリコン半導体装置、シリコン半導体
    集積回路装置、シリコン−ゲルマニウム半導体装置、シ
    リコン−ゲルマニウム半導体集積回路装置、化合物半導
    体装置、化合物半導体集積回路装置、炭化ケイ素半導体
    装置、炭化ケイ素半導体集積回路装置、液晶表示装置、
    有機又は無機エレクトロルミネセンス表示装置、フィー
    ルドエミッションディスプレイ(FED)装置、発光ポ
    リマー表示装置、発光ダイオード表示装置、CCDエリ
    ア/リニアセンサ装置、MOSセンサ装置、太陽電池装
    置用である、請求項23又は24に記載した多結晶性半
    導体薄膜又は半導体装置。
  29. 【請求項29】 内部回路及び周辺回路を有する半導体
    装置、固体撮像装置、電気光学装置等において、これら
    の少なくとも一部を構成する薄膜絶縁ゲート型電界効果
    トランジスタのチャンネル、ソース及びドレイン領域が
    前記多結晶性半導体薄膜によって形成されている、請求
    項28に記載した多結晶性半導体薄膜又は半導体装置。
  30. 【請求項30】 各色用の有機又は無機エレクトロルミ
    ネセンス層の下層にそれぞれ、前記薄膜絶縁ゲート型電
    界効果トランジスタのドレイン又はソースと接続された
    陰極又は陽極を有する、請求項29に記載した多結晶性
    半導体薄膜又は半導体装置。
  31. 【請求項31】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上も前記陰極が覆い、或いは前記
    各色用の有機又は無機エレクトロルミネセンス層の各層
    上及び各層間の全面に前記陰極又は陽極が被着されてい
    る、請求項30に記載した多結晶性半導体薄膜又は半導
    体装置。
  32. 【請求項32】 前記各色用の前記有機又は無機エレク
    トロルミネセンス層間にブラックマスク層が形成されて
    いる、請求項30に記載した多結晶性半導体薄膜又は半
    導体装置。
  33. 【請求項33】 フィールドエミッションディスプレイ
    装置のエミッタが、前記多結晶性半導体薄膜を介して前
    記薄膜絶縁ゲート型電界効果トランジスタのドレインに
    接続されると共に前記多結晶性半導体薄膜上に成長され
    たn型多結晶性半導体膜又は多結晶性ダイヤモンド膜に
    よって形成されている、請求項29に記載した多結晶性
    半導体薄膜又は半導体装置。
  34. 【請求項34】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上にアース電位の遮蔽膜が形成さ
    れている、請求項33に記載した多結晶性半導体薄膜又
    は半導体装置。
  35. 【請求項35】 前記遮蔽膜が前記フィールドエミッシ
    ョンディスプレイ装置のゲート引き出し電極と同一材料
    で同一工程により形成される、請求項34に記載した多
    結晶性半導体薄膜又は半導体装置。
  36. 【請求項36】 基体上に多結晶性半導体薄膜を形成す
    るための装置であって、 アモルファスカーボン又は微結晶カーボン又はこれらの
    混合物からなるカーボン薄膜の形成手段と、 水素又は水素含有ガス供給手段と、 前記多結晶性半導体薄膜となる半導体材料薄膜の原料ガ
    スの供給手段と、 触媒体と、 触媒体加熱手段と、 基体加熱手段と を有する、多結晶性半導体薄膜の形成装置。
  37. 【請求項37】 基体上に多結晶性半導体薄膜を有する
    半導体装置を製造するための装置であって、 アモルファスカーボン又は微結晶カーボン又はこれらの
    混合物からなるカーボン薄膜の形成手段と、 水素又は水素含有ガス供給手段と、 前記多結晶性半導体薄膜となる半導体材料薄膜の原料ガ
    スの供給手段と、 触媒体と、 触媒体加熱手段と、 基体加熱手段とを有する、半導体装置の製造装置。
  38. 【請求項38】 前記カーボン薄膜が気相成長法又は物
    理的成膜法によって、前記半導体材料薄膜が気相成長法
    によって形成される、請求項36又は37に記載した装
    置。
  39. 【請求項39】 原料ガス及び水素又は水素含有ガスの
    少なくとも一部を加熱された触媒体に接触させて触媒的
    に分解させ、これによって生成したラジカル、イオン等
    の反応種を基体上に堆積させて、前記カーボン薄膜及び
    /又は前記半導体材料薄膜を気相成長させる、請求項3
    6又は37に記載した装置。
  40. 【請求項40】 原料ガス及び水素又は水素含有ガスの
    少なくとも一部を加熱された前記触媒体に接触させて触
    媒的に分解させ、これによって生成したラジカル、イオ
    ン等の反応種を前記基体上に堆積させることにより前記
    カーボン薄膜又は前記半導体材料薄膜を気相成長させた
    後、原料ガスの供給を停止し、水素又は水素含有ガスの
    少なくとも一部を加熱された前記触媒体に接触させ、こ
    れによって生成した高温の水素系分子、水素系原子、活
    性化水素イオン等の水素系活性種を前記カーボン薄膜又
    は前記半導体材料薄膜に作用させるアニール工程を行
    い、更に、この半導体材料薄膜のアニール工程と、前記
    半導体材料薄膜と同様の半導体材料薄膜の気相成長工程
    とを繰り返すために、前記原料ガス供給手段と前記水素
    又は水素含有ガス供給手段とを制御する制御手段を有す
    る、請求項39に記載した装置。
  41. 【請求項41】 前記加熱触媒体に前記水素又は水素含
    有ガスの少なくとも一部を接触させ、これによって生成
    した高温の水素系分子、水素系原子、活性化水素イオン
    等の水素系活性種を前記カーボン薄膜又は前記半導体材
    料薄膜に作用させてアニールを行う、請求項36又は3
    7に記載した装置。
  42. 【請求項42】 加熱された前記触媒体に、原料ガス及
    び水素系キャリアガスの少なくとも一部を接触させて触
    媒的に分解させ、これによって生成したラジカル、イオ
    ン等の反応種を加熱された前記基体上に堆積させて前記
    カーボン薄膜又は前記半導体材料薄膜を気相成長させた
    後、前記原料ガスの供給を停止し、加熱された触媒体に
    前記水素系キャリアガスの少なくとも一部を接触させ、
    これによって生成した高温の水素系分子、水素系原子、
    活性化水素イオン等の水素系活性種を前記カーボン薄膜
    又は前記半導体材料薄膜に作用させてアニールを行う、
    請求項36、37、40又は41に記載した装置。
  43. 【請求項43】 前記カーボン薄膜又は前記半導体材料
    薄膜の気相成長時の水素又は水素含有ガス供給量よりも
    前記アニール時の水素又は水素含有ガス供給量が多くさ
    れる、請求項42に記載した装置。
  44. 【請求項44】 タングステン、トリア含有タングステ
    ン、モリブデン、白金、パラジウム、バナジウム、シリ
    コン、アルミナ、金属を付着したセラミックス、及び炭
    化ケイ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の材料
    によって、前記触媒体が形成されている、請求項36又
    は37に記載した装置。
  45. 【請求項45】 前記触媒体及びこれを支持する支持体
    の純度を99.99wt%以上、好ましくは99.99
    9wt%又はそれ以上とする、請求項36又は37に記
    載した装置。
  46. 【請求項46】 前記多結晶性半導体薄膜が多結晶性シ
    リコン膜、多結晶性ゲルマニウム膜、多結晶性シリコン
    ゲルマニウム膜、多結晶性炭化ケイ素膜からなり、か
    つ、前記水素又は水素含有ガスが水素又は水素と不活性
    なガスとの混合ガスからなる、請求項36又は37に記
    載した装置。
  47. 【請求項47】 前記多結晶性半導体薄膜に錫等のIV族
    元素の少なくとも1種を適量含有させる、請求項46に
    記載した装置。
  48. 【請求項48】 前記多結晶性半導体薄膜によって、薄
    膜絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャンネル、ソ
    ース及びドレイン領域、又は配線、抵抗、容量又は電子
    放出体等を形成する、請求項36又は37に記載した装
    置。
  49. 【請求項49】 シリコン半導体装置、シリコン半導体
    集積回路装置、シリコン−ゲルマニウム半導体装置、シ
    リコン−ゲルマニウム半導体集積回路装置、化合物半導
    体装置、化合物半導体集積回路装置、炭化ケイ素半導体
    装置、炭化ケイ素半導体集積回路装置、液晶表示装置、
    有機又は無機エレクトロルミネセンス表示装置、フィー
    ルドエミッションディスプレイ(FED)装置、発光ポ
    リマー表示装置、発光ダイオード表示装置、CCDエリ
    ア/リニアセンサ装置、MOSセンサ装置、太陽電池装
    置用の薄膜を製造する、請求項36又は37に記載した
    装置。
  50. 【請求項50】 内部回路及び周辺回路を有する半導体
    装置、固体撮像装置、電気光学装置等の製造に際し、こ
    れらの少なくとも一部を構成する薄膜絶縁ゲート型電界
    効果トランジスタのチャンネル、ソース及びドレイン領
    域を前記多結晶性半導体薄膜によって形成する、請求項
    49に記載した装置。
  51. 【請求項51】 各色用の有機又は無機エレクトロルミ
    ネセンス層の下層にそれぞれ、前記薄膜絶縁ゲート型電
    界効果トランジスタのドレイン又はソースと接続された
    陰極又は陽極を有する装置を製造する、請求項50に記
    載した装置。
  52. 【請求項52】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上も前記陰極が覆い、或いは前記
    各色用の有機又は無機エレクトロルミネセンス層の各層
    上及び各層間の全面に前記陰極又は陽極が被着されてい
    る装置を製造する、請求項51に記載した装置。
  53. 【請求項53】 前記各色用の前記有機又は無機エレク
    トロルミネセンス層間にブラックマスク層を形成する、
    請求項51に記載した装置。
  54. 【請求項54】 フィールドエミッションディスプレイ
    装置のエミッタを、前記多結晶性半導体薄膜を介して前
    記薄膜絶縁ゲート型電界効果トランジスタのドレインに
    接続すると共に前記多結晶性半導体薄膜上に成長された
    n型多結晶性半導体膜又は多結晶性ダイヤモンド膜によ
    って形成する、請求項50に記載した装置。
  55. 【請求項55】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上にアース電位の遮蔽膜を形成す
    る、請求項54に記載した装置。
  56. 【請求項56】 前記遮蔽膜を前記フィールドエミッシ
    ョンディスプレイ装置のゲート引き出し電極と同一材料
    で同一工程により形成する、請求項55に記載した装
    置。
  57. 【請求項57】 各色用の有機又は無機エレクトロルミ
    ネセンス層の下層にそれぞれ、請求項23又は24に記
    載した多結晶性半導体薄膜からなる薄膜絶縁ゲート型電
    界効果トランジスタのドレイン又はソースと接続された
    陰極又は陽極を有し、前記薄膜絶縁ゲート型電界効果ト
    ランジスタを含む能動素子上も前記陰極が覆い、或いは
    前記各色用の有機又は無機エレクトロルミネセンス層の
    各層上及び各層間の全面に前記陰極又は陽極が被着され
    ている電気光学装置。
  58. 【請求項58】 前記各色用の前記有機又は無機エレク
    トロルミネセンス層間にブラックマスク層が形成されて
    いる、請求項57に記載した電気光学装置。
  59. 【請求項59】 フィールドエミッションディスプレイ
    のエミッタが、請求項23又は24に記載した多結晶性
    半導体薄膜からなる薄膜絶縁ゲート型電界効果トランジ
    スタのドレインに前記多結晶性半導体薄膜を介して接続
    されると共に前記多結晶性半導体薄膜上に成長されたn
    型多結晶性半導体膜又は多結晶性ダイヤモンド膜によっ
    て形成されている電気光学装置。
  60. 【請求項60】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上にアース電位の遮蔽膜が形成さ
    れている、請求項59に記載した電気光学装置。
  61. 【請求項61】 前記遮蔽膜が前記フィールドエミッシ
    ョンディスプレイ装置のゲート引き出し電極と同一材料
    で同一工程により形成される、請求項60に記載した電
    気光学装置。
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