JP2002261010A - 多結晶性半導体薄膜の形成方法及び半導体装置の製造方法、これらの方法の実施に使用する装置、並びに電気光学装置 - Google Patents

多結晶性半導体薄膜の形成方法及び半導体装置の製造方法、これらの方法の実施に使用する装置、並びに電気光学装置

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JP2002261010A
JP2002261010A JP2001056207A JP2001056207A JP2002261010A JP 2002261010 A JP2002261010 A JP 2002261010A JP 2001056207 A JP2001056207 A JP 2001056207A JP 2001056207 A JP2001056207 A JP 2001056207A JP 2002261010 A JP2002261010 A JP 2002261010A
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film
thin film
semiconductor thin
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Hideo Yamanaka
英雄 山中
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Sony Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高結晶化率で高品質の多結晶性シリコン等の
多結晶性半導体薄膜を容易かつ低コストに、しかも大面
積に形成可能な方法を提供する。 【解決手段】 基体1上に高結晶化率、大粒径の多結晶
性シリコン膜等の多結晶性半導体薄膜7を形成するに際
し、水素又は水素含有ガスと原料ガスを加熱された触媒
体に接触させ、これによって生成した反応種を基体上に
堆積させて、微結晶シリコン等の低級結晶性半導体薄膜
を形成する気相成長工程(触媒CVD)と、水素又は水
素含有ガスを加熱された触媒体に接触させ、これによっ
て生成した水素系活性種をグロー放電開始電圧以下の電
界又は/及び磁界の作用下で前記低級結晶性半導体薄膜
に作用させて、前記低級結晶性半導体薄膜の結晶化を促
進するアニール工程(バイアス触媒AHA処理)とを行
うことによって多結晶性半導体薄膜7を得る、多結晶性
半導体薄膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基体上に多結晶性
シリコンなどの多結晶性半導体薄膜を気相成長させる方
法及びその装置、その多結晶性半導体薄膜を基体上に有
する半導体装置の製造方法及びその装置、並びに電気光
学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、MOSFET(Metal-Oxide-Semi
conductor Field Effect Transistor)である例えばM
OSTFT(Thin Film Transistor=薄膜絶縁ゲート型
電界効果トランジスタ)のソース、ドレイン及びチャン
ネル領域を多結晶シリコン膜で形成するに際し、プラズ
マCVD(CVD:Chemical Vapor Deposition=化学
的気相成長法)や減圧CVD法等が用いられている。
【0003】こうしたプラズマCVD法、減圧CVD法
等により形成したアモルファス又は多結晶シリコンは、
特開平7−131030号、特開平9−116156
号、特公平7−118443号にみられるように、単に
高温アニール又はエキシマレーザーアニール(ELA:
Excimer Laser Anneal)処理することにより、多結晶シ
リコン膜のキャリア移動度の改善を図ってきたが、この
方法では80〜120cm2/V・sec程度のキャリ
ア移動度を得るのが限界であった。しかし、プラズマC
VD法によるアモルファスシリコンのELAで得られた
多結晶シリコンを用いるMOSTFTの電子移動度は、
100cm2/V・sec前後であり、高精細化にも対
応できるので、最近は駆動回路一体型の多結晶シリコン
MOSTFTを用いたLCD(Liquid Crystal Display
=液晶表示装置)が注目されている(特開平6−242
433号参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したEL
Aによる多結晶シリコンMOSTFTの製法では、エキ
シマレーザー出力の安定性や、生産性、大型化による装
置価格の上昇、歩留/品質低下等の問題が山積してお
り、特に、1m×1mの大型ガラス基板になると、前記
の問題が拡大して性能/品質向上とコストダウンが一層
難しくなる。
【0005】また、固相成長法による多結晶シリコンM
OSTFTの製法では、600℃以上での十数時間のア
ニールと、約1000℃での熱酸化のゲートSiO2
形成が必要なために、半導体製造装置を採用せざるを得
ない。このために、基板サイズは、ウエーハサイズ8〜
12インチφが限界であり、また高耐熱性で高価な石英
ガラスを採用しなければならず、コストダウンが難し
く、EVFやデータ/AVプロジェクタに用途が限定さ
れている。
【0006】近時、ガラス基板のような絶縁性基板上
に、多結晶シリコン膜、窒化シリコン膜等を低温で作製
し得る優れた熱CVDである触媒CVD法が開発され
(特公昭63−40314号、特公平8−250438
号参照)、実用化の検討が推進されている。触媒CVD
法においては、結晶化アニールなしで、30cm2/V
・sec程度のキャリア移動度を得ているが、良質なM
OSTFTデバイスを作製するにはまだ不十分である。
そして、ガラス基板上に多結晶シリコン膜を形成する
と、成膜条件次第では初期のアモルファスシリコンの遷
移層(厚さ5〜10nm)が形成されやすいので、ボト
ムゲート型MOSTFTとした場合は所望のキャリア移
動度は得にくい。一般に駆動回路一体型の多結晶シリコ
ンMOSTFTを用いたLCDは、ボトムゲート型MO
STFTが歩留及び生産性の面で製造しやすいが、この
問題がネックとなってくる。
【0007】本発明の目的は、高結晶化率で高品質の多
結晶シリコン等の多結晶性半導体薄膜を容易かつ低コス
トに、しかも大面積に形成可能な方法と、この方法を実
施する装置を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、こうした多結晶性半
導体薄膜を構成部分として有するMOSTFT等の半導
体装置の製造方法と、この方法を実施する装置、及び電
気光学装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、基体上
に多結晶性半導体薄膜を形成するに際し、或いは基体上
に多結晶性半導体薄膜を有する半導体装置を製造するに
際し、前記基体上に低級結晶性半導体薄膜を形成する工
程と、水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体に接触
させ、これによって生成した活性種をグロー放電開始電
圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記低級結晶性
半導体薄膜に作用させて、前記低級結晶性半導体薄膜の
結晶化を促進するアニール工程とを行うことによって前
記多結晶性半導体薄膜を得る、多結晶性半導体薄膜の形
成方法、又は半導体装置の製造方法に係るものである。
【0010】また、本発明は、本発明の方法を実施する
装置として、低級結晶性半導体薄膜の形成手段と、水素
又は水素含有ガス供給手段と、触媒体と、触媒体加熱手
段と、基体加熱手段と、グロー放電開始電圧以下の電界
又は/及び磁界を印加する電界又は/及び磁界印加手段
とを有する、多結晶性半導体薄膜の形成装置、又は半導
体装置の製造装置を提供するものである。
【0011】また、本発明は、各色用の有機又は無機エ
レクトロルミネセンス層の下層にそれぞれ、前記多結晶
性半導体薄膜からなるMOSTFTのドレイン又はソー
スと接続された陰極又は陽極を有し、前記MOSTFT
を含む能動素子上も前記陰極が覆い、或いは前記各色用
の有機又は無機エレクトロルミネセンス層の各層上及び
各層間の全面に前記陰極又は陽極が被着されている電気
光学装置を提供するものである。
【0012】また、本発明は、フィールドエミッション
ディスプレイ(FED)装置のエミッタが、前記多結晶
性半導体薄膜からなるMOSTFTのドレインに前記多
結晶性半導体薄膜を介して接続されると共に前記多結晶
性半導体薄膜上に成長されたn型多結晶性半導体膜又は
多結晶性ダイヤモンド膜によって形成されている電気光
学装置も提供するものである。
【0013】本発明によれば、基体上に多結晶性半導体
薄膜を形成するに際し、前記基体上に低級結晶性半導体
薄膜を形成し、水素又は水素含有ガスを加熱された触媒
体に接触させ、これによって生成した活性種をグロー放
電開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記低
級結晶性半導体薄膜に作用させて、前記低級結晶性半導
体薄膜の結晶化を促進するアニールを行うので、次の
(1)〜(4)に示すような顕著な作用効果が得られ
る。
【0014】(1)基体上に形成した低級結晶性半導体
薄膜に対して、加熱された触媒体による高真空度下での
熱分解反応及び接触分解反応で多量に発生した高温の水
素系分子、水素系原子、活性化水素イオン等の水素系活
性種にグロー放電開始電圧以下(即ち、パッシェンの法
則によるプラズマ発生電圧以下)の電界又は/及び磁界
の作用下で指向性運動エネルギーを与えた状態で吹き付
け等で作用させているので、高温の熱触媒体の輻射熱に
よる加熱も加わって、次の顕著な効果を示す。
【0015】1.触媒体の触媒作用で十二分に生成した
上記の水素系活性種が、その熱エネルギーに加えて上記
電圧による加速電界又は/及び磁界での十分な運動エネ
ルギーにより、低級結晶性半導体薄膜に効率良く移動し
てこの半導体薄膜を局部的かつ均一に温度上昇させ、水
素系活性種の作用によりアモルファス成分が選択的にエ
ッチングされて微結晶シリコン含有アモルファスシリコ
ンやアモルファスシリコン含有微結晶シリコンは多結晶
化し、又、アモルファスシリコン及び微結晶シリコン含
有多結晶シリコンの場合は高結晶化し、適量のIV族元素
の添加によりその結晶粒界に存在する結晶不整及び内部
応力を低減させてキャリア移動度の向上を図ることがで
きる。微結晶シリコン含有アモルファスシリコン、アモ
ルファスシリコン含有微結晶シリコンなどは、その微結
晶シリコンをシードに効率よく再結晶化を促進して、大
粒径多結晶シリコン化する。そして、その膜に含有され
るアモルファス構造のシリコンが水素系活性種の作用に
より選択的にエッチングされるので、効率良く高結晶化
率の多結晶性シリコン膜が形成される。
【0016】2.この時に、大量の高温の水素系活性種
等を触媒体温度等のみならず、電界又は/及び磁界で独
立してコントロールするので、効率良く再結晶化及び高
結晶化でき、高結晶化率の大粒径多結晶性シリコン膜化
が可能である。しかも、適量のIV族元素の添加によりそ
の結晶粒界に存在する結晶不整及び内部応力を低減さ
せ、高キャリア移動度、高品質の多結晶性半導体薄膜を
得ることができる。
【0017】3.しかも、多結晶性シリコン等の膜上又
は膜内にシリコン酸化物が存在したときに、電界又は/
及び磁界の作用によりそれと効率良く反応してSiOを
生成して蒸発させるので、その膜上又は膜内のシリコン
酸化物を減少/除去することができ、高キャリア移動
度、高品質の多結晶性シリコン膜等を得ることができ
る。
【0018】4.そして、微結晶シリコン含有アモルフ
ァスシリコン膜、アモルファスシリコン含有微結晶シリ
コン膜などの低級結晶性シリコンは、その微結晶シリコ
ンをシードとして再結晶化が促進され、大粒径の多結晶
性シリコン膜化する。しかも、その膜に含有されるアモ
ルファス構造のシリコンが水素系活性種等で選択的にエ
ッチングされるので、高結晶化率の多結晶性膜が形成さ
れる。尚、水素系活性種の作用によるエッチングは、ア
モルファス成分のみならず、微結晶、多結晶及び単結晶
成分でも起こるが、アモルファス成分にエッチングレー
トが大きいので、その選択性を利用している。こうした
活性水素イオン等の水素系活性種による前記電界又は/
及び磁界の作用下での処理を以下にバイアス触媒AHA
(Atomic Hydrogen Anneal)処理と称する。
【0019】5.このバイアス触媒AHA処理時に、多
結晶性半導体薄膜中に存在するキャリア不純物は高温に
より効率良く活性化され、各領域において最適なキャリ
ア不純物濃度を得ることも可能である。
【0020】6.また、活性化水素イオン等の水素系活
性種によるクリーニング(基板等への吸着ガス及び有機
物残渣等の還元除去)が可能であり、触媒体も酸化劣化
し難くなる(なお、このような効果は、上記の低級結晶
性半導体薄膜を触媒CVDで形成する時も水素系キャリ
アガスを用いることから、同様に生じる)。
【0021】7.活性化水素イオン等の水素系活性種の
水素化作用により、半導体膜中の例えばシリコンダング
リングボンドをなくし、特性が向上する。
【0022】(2)こうしてバイアス触媒AHA処理さ
れた多結晶性膜上に更に低級結晶性半導体薄膜を気相成
長させる工程を目的の膜厚となるまで繰返すと、この半
導体薄膜は既にバイアス触媒AHA処理で多結晶化され
た下地膜上に多結晶化され易い状態で成長し易くなり、
目的の高結晶化率、高品質の多結晶性半導体薄膜を所定
の膜厚で得ることができる。即ち、触媒CVDとバイア
ス触媒AHA処理を繰返すマルチバイアス触媒AHA処
理により、例えば触媒CVDで成膜された微結晶シリコ
ン含有アモルファスシリコン膜、アモルファスシリコン
及び微結晶シリコン含有多結晶シリコン膜をバイアス触
媒AHA処理で多結晶性シリコン膜化し、更にこの多結
晶性シリコンをシードとした触媒CVDで多結晶性シリ
コン膜の気相成長、更にはバイアス触媒AHA処理を繰
返すと、高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコン膜を形
成することができる。この場合、上記の電界又は/及び
磁界の作用下で処理するため、効率が向上し、これらの
バイアスを作用させない場合に比べ繰返し処理の回数を
減少させ、スループットを向上させることもできる。
【0023】(3)この触媒CVD及びバイアス触媒A
HA処理はいずれも、プラズマの発生なしに行えるの
で、プラズマによるダメージがなく、低ストレスの生成
膜が得られ、またプラズマCVD法に比べ、シンプルで
安価な装置を実現できる。
【0024】(4)基体温度を低温化しても反応種又は
水素系活性種のエネルギーが大きいために、目的とする
良質の膜が得られることから、基体温度を低温化でき、
従って大型で安価な絶縁基板(ガラス基板、耐熱性樹脂
基板等)を使用でき、この点でもコストダウンが可能と
なる。
【0025】なお、本発明において、上記の低級結晶性
半導体薄膜とは、後述の定義のように、アモルファス成
分のみは対象外とし(なぜならば、バイアス触媒AHA
処理でエッチングされてなくなるからである。)、アモ
ルファス成分を含有する微結晶をベースとした構造を例
えば微結晶シリコン薄膜と称し、微結晶を含有するアモ
ルファス(非晶質)をベースとした構造を例えばアモル
ファスシリコン薄膜と称し、上記の多結晶性半導体薄膜
は、そうしたアモルファス成分が除去された大粒径(グ
レインサイズでは通常、数100nm以上)の多結晶を
ベースとした微結晶も含有する構造を例えば多結晶性シ
リコン薄膜と称する。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の方法及びその装置におい
ては、前記低級結晶性半導体薄膜を触媒CVD法、プラ
ズマCVD法、減圧CVD法、常圧CVD法、光励起C
VD法、高密度プラズマCVD法(ECRプラズマCV
D等)、高密度触媒CVD法(高密度プラズマCVDと
触媒CVDとを組み合わせたもの)等の気相成長法、シ
リコン合金溶融液式等の液相成長法又はスパッタリング
法、蒸着法等の物理的成膜法によって形成することがで
きる。
【0027】前記水素又は水素含有ガスの少なくとも一
部を加熱された触媒体に接触させ、これによって生成し
た高温の水素系分子、水素系原子、活性化水素イオン等
の水素系活性種にグロー放電開始電圧以下の電界又は/
及び磁界を作用させて指向性運動エネルギーを与え、こ
の水素系活性種を前記低級結晶性半導体薄膜に作用させ
る、バイアス触媒AHA処理を行うのがよい。
【0028】特に、前記低級結晶性半導体薄膜の気相成
長と前記アニールとを繰り返す、マルチバイアス触媒A
HA処理を行えば、既にバイアス触媒AHA処理で多結
晶化された下地の半導体薄膜上に多結晶化され易い状態
で(即ち、下地が結晶核として)次の半導体薄膜を成長
させ易くなり、これを更にバイアス触媒AHA処理すれ
ば、目的とする高結晶化率、大粒径、高品質の多結晶性
半導体薄膜を所定の膜厚で得ることができる。
【0029】また、望ましくは融点未満の温度(例えば
1600〜1800℃)に加熱された前記触媒体に、前
記原料ガス及び水素系キャリアガスの少なくとも一部を
接触させて触媒的に分解させ、これにより生成したラジ
カル、イオン等の反応種を必要あればグロー放電開始電
圧以下の電界又は/及び磁界の作用による指向性運動エ
ネルギーの付与下で前記基体上に堆積させて前記低級結
晶性半導体薄膜を触媒CVD又はバイアス触媒CVD法
により気相成長させた後、前記原料ガスの供給を停止
し、加熱触媒体(これは前記触媒体と同一物であるのが
よいが、別のものであってもよい。)に前記水素系キャ
リアガスの少なくとも一部を接触させ、これによって生
成した大量の高温の水素系分子、水素系原子、活性化水
素イオン等の水素系活性種に必要あればグロー放電開始
電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で指向性運動エ
ネルギーを与え、この水素系活性種を前記低級結晶性半
導体薄膜に作用させてバイアス触媒AHA処理による前
記アニールを行うのがよい。
【0030】この場合、前記気相成長時の水素又は水素
含有ガス供給量よりも前記アニール時の水素又は水素含
有ガス供給量を多くする。例えば、気相成長時に用いる
水素系キャリアガスは水素又は水素と不活性ガス(熱伝
導性が良好であって反応性向上に寄与するアルゴン、ヘ
リウム、キセノン、クリプトン、ラドン等)との混合ガ
スであり、混合ガスの場合は水素含有比率は70〜80
モル%以上とすることによって触媒体の酸化劣化を防止
できる。また、バイアス触媒AHA処理時に用いる水素
又は水素含有ガスは、気相成長時の水素系キャリアガス
と同様であってよいが、例えばガス流量300〜100
0SCCM(Standard cc per minute)、ガス圧10〜
50Paと大きくし(触媒CVDのときのガス圧は0.
1〜数Pa)、ガスによる熱伝導の増大と水素系活性種
の発生量の増大を図るのがよい。
【0031】前記触媒CVDにより気相成長を行うと、
触媒体により原料ガスが分解されて生成する反応種(堆
積種又はその前駆体及びラジカルイオン)は、例えば、
シリコン原子の電子スピンが電界又は/及び磁界の相互
作用により一定の方向に向き、この状態で基板上に堆積
するシリコンの結晶性が揃うので、キャリア移動度が大
きくなる。更に、バイアス触媒AHA処理による上記し
た効果(3)、(4)を併せて得ることができる。ま
た、このCVDを上記バイアス電界又は/及び磁界の作
用下でのバイアス触媒CVDで行うと(更には、バイア
ス触媒AHA処理とバイアス触媒CVDとを繰り返す
と)、触媒体の触媒作用とその熱エネルギーに加えて上
記電圧による加速電界又は/及び集束の磁界を与えるた
め、運動エネルギーが大きくなって基体上に効率良く導
けると共に、基体上での泳動及び生成過程の膜中での拡
散が十分となる。従って、従来の触媒CVD法に比べ
て、触媒体で生成された反応種の運動エネルギーを電界
又は/及び磁界で独立してコントロールできるため、基
体上での泳動及び生成過程の膜中での拡散が十分となる
ので、生成膜の基体との密着性向上、生成膜密度の向
上、生成膜均一性又は平滑性の向上、ビアホールなどへ
の埋め込み性とステップカバレージの向上、基体温度の
更なる低温化、生成膜のストレスコントロール等が可能
となり、上記した効果を向上させることができ、かつ反
応ガスの利用効率が高く、生成速度を早め、コストダウ
ンを図れる。
【0032】触媒CVD、バイアス触媒CVD、バイア
ス触媒AHA処理のいずれも、具体的には、前記触媒体
を800〜2000℃の範囲であってその融点未満の温
度に加熱し(例えば触媒体に通電してそれ自体の抵抗加
熱によって加熱し)、この加熱された触媒体により前記
原料ガス及び/又は前記水素又は水素含有ガス(キャリ
アガス)の少なくとも一部を触媒反応又は熱分解反応さ
せて生成した前記反応種又は水素系活性種を、200〜
800℃、好ましくは300〜400℃に加熱した基板
上に薄膜として堆積させるか、或いはこの薄膜をアニー
ルすることができる。このような触媒体温度や下記の触
媒体材質は触媒CVD及びバイアス触媒CVD、バイア
ス触媒AHA処理のいずれも同様であってよい。
【0033】ここで、触媒体の加熱温度が800℃未満
であると、触媒反応又は熱分解反応が不十分となって反
応種の堆積速度や水素系活性種の熱エネルギーが低下し
易く、また2000℃を超えると触媒体の構成材料が堆
積膜中に混入して膜の電気的特性を阻害し、膜質低下を
生じ易くなり、また、触媒体の融点以上の加熱は、その
形態安定性が失われるので、回避するのがよい。触媒体
の加熱温度は、その構成材料の融点未満であって110
0℃〜1800℃であるのが好ましい。
【0034】触媒体は、タングステン、トリア含有タン
グステン、モリブデン、白金、パラジウム、バナジウ
ム、シリコン、アルミナ、金属を付着したセラミック
ス、及び炭化ケイ素からなる群より選ばれた少なくとも
1種の材料によって形成できる。
【0035】そして、この触媒体及びこれを支持する支
持体の純度を99.99wt%(4N)以上、好ましく
は99.999wt%(5N)又はそれ以上とすること
によって、形成される多結晶性半導体薄膜の重金属汚染
を低減することができる。
【0036】また、基板温度は、200〜800℃が好
ましく、より好ましくは300〜400℃とすれば、効
率的で高品質の成膜を行なえる。基板温度が高いと、安
価なほうけい酸ガラス、アルミノけい酸ガラス等が使用
できなくなり、また熱の影響によって不純物のドーピン
グ濃度分布が変化し易くなる。
【0037】前記バイアス触媒AHA処理(又はバイア
ス触媒CVD)における前記電界として、グロー放電開
始電圧以下の直流電圧(即ち、パッシェンの法則により
決まるプラズマ発生電圧以下、例えば1kV以下、数1
0V以上)を印加し、前記反応種又は水素系活性種を前
記基体の側へ指向させることが望ましい。
【0038】そして、前記電界として、グロー放電開始
電圧以下であって直流電圧(DC)に交流電圧(高周波
電圧及び/又は低周波電圧)を重畳させた電圧(即ち、
パッシェンの法則により決まるプラズマ発生電圧以下、
例えば1kV以下、数10V以上)を印加すると、直流
電圧に重畳させた交流電圧により微妙な電界変化での運
動エネルギーを水素系活性種(又は反応種)に与えるこ
とができるため、上記した作用効果に加えて、種々の形
状の膜を効果的に十二分にアニールすることができ、或
いは複雑な形状を有する基体表面(凹凸段差や高アスペ
クト比のビアホール等)にステップカバレージが良く、
均一で密着性及び密度の高い膜を形成できる。これと同
様の作用効果は、前記電界を形成する電圧(但し、その
絶対値はグロー放電開始電圧以下である。)として、交
流電圧(高周波電圧及び/又は低周波電圧)を印加する
ときにも得られる。なお、上記において交流電圧とは、
高周波電圧のみ、又は低周波電圧のみ、又は低周波電圧
に高周波電圧を重畳させた電圧を意味する。
【0039】上記の場合、前記交流電圧を高周波電圧
(RF)及び/又は低周波電圧(AC)としてよいが、
高周波電圧の周波数を1〜100MHz、低周波電圧の
周波数を1MHz未満とするのがよい。
【0040】電界印加は、電極に直流の正電圧、サセプ
タ(基板)に直流の負(又はアース)電圧を印加する方
法、又は、電極にアース電位、サセプタ(基板)に負電
圧又は低周波(又は高周波)電圧を印加する方法のいず
れでもよい。これは、装置構造、電源の種類、バイアス
効果等に応じて決めればよい。
【0041】そして、前記基体又は前記サセプタと前記
電界印加用の電極との間に前記触媒体を設置することが
できる。この場合、前記水素又は水素含有ガスを導出す
るガス供給口を前記電極に形成するのがよい。
【0042】また、前記基体又は前記サセプタと前記ガ
ス供給手段との間に前記触媒体と前記電界印加用の電極
とを設置してよい。この電極は高耐熱性材料、例えば触
媒体と同じか、またはそれ以上の融点をもつ材料で形成
されるのが望ましい(以下、同様)。
【0043】前記触媒体又は前記電界印加用の電極はコ
イル状、ワイヤー状、メッシュ状又は多孔板状に形成し
てよく、またガス流に沿って複数個又は複数枚配設して
よい。これによってガス流を効果的に形成しつつ、触媒
体とガスとの接触面積を増大させ、触媒反応を十分に生
ぜしめることができる。ガス流に沿って複数個又は複数
枚配設する場合は、互いに同じ材質又は互いに異なる材
質の触媒体又は電極としてもよい。又、複数個又は複数
枚配設した触媒体のそれぞれに互いに異なる電界、例え
ばDCとAC/DC、DCとRF/DC、AC/DCと
RF/DCを印加して、独立してコントロールしてもよ
い。
【0044】上記バイアス触媒AHA処理は、以下の
(1)〜(3)の方法で行うことができる。 (1)電界印加 グロー放電開始電圧以下の適当な電界の作用下で触媒A
HA処理、いわゆる電界バイアス触媒AHA処理を行う
と、水素ガス又は水素系ガス(水素+不活性ガス)を触
媒体の触媒反応又は接触分解反応で発生させた水素系活
性種が、電界と相互作用して一定の方向に向き、指向性
の運動エネルギーが付与されて基板上の低級結晶性半導
体薄膜等に作用する。
【0045】(2)磁界印加 適当な磁界の作用下で触媒AHA処理、いわゆる磁界バ
イアス触媒AHA処理を行うと、水素ガス又は水素系ガ
ス(水素+不活性ガス)を触媒体の触媒反応又は接触分
解反応で発生させた水素系活性種が磁界と相互作用して
一定の方向に向き、指向性の運動エネルギーが付与され
て基板上の低級結晶性半導体薄膜等に作用する。
【0046】(3)電界と磁界印加 グロー放電開始電圧以下の適当な電界と、適当な磁界と
を同時に印加して触媒AHA処理、いわゆる電界/磁界
バイアス触媒AHA処理を行うと、水素ガス又は水素系
ガス(水素+不活性ガス)を触媒体の触媒反応又は接触
分解反応で発生させた水素系活性種が電界と磁界の相互
作用により更に一定の方向に向き、指向性の運動エネル
ギーが付与されて基板上の低級結晶性半導体薄膜等に作
用する。
【0047】以上のようなバイアス効果により、大量の
高温の水素系活性種(水素系分子、水素系原子、活性化
水素イオン)等により低級結晶性半導体薄膜中のアモル
ファス成分が効率良く選択的にエッチングされて、例え
ばアモルファスシリコン含有微結晶シリコンや微結晶シ
リコン含有アモルファスシリコンはアモルファス成分が
エッチングされて多結晶化し、アモルファスシリコン及
び微結晶シリコン含有多結晶シリコンは高結晶化して、
多結晶性シリコン膜が効率良く形成される。
【0048】また、上記のバイアス触媒CVD法は、以
下の(1)〜(3)の方法で行うことができる。 (1)電界印加 グロー放電開始電圧以下の電界の作用下で触媒CVD、
いわゆる電界バイアス触媒CVDを行うと、触媒体の触
媒反応又は接触分解反応で発生させた堆積種、例えばシ
リコン原子の電子スピンが電界と相互作用して一定の方
向に向き、この状態で基板上に堆積するシリコンの結晶
方位が揃うことになる。
【0049】(2)磁界印加 適当な磁界の作用下で触媒CVD、いわゆる磁界バイア
ス触媒CVDを行うと、触媒体の触媒反応又は接触分解
反応で発生させた堆積種、例えばシリコン原子の電子ス
ピンが磁界と相互作用して一定の方向に向き、この状態
で基板上に堆積するシリコンの結晶方位が揃うことにな
る。
【0050】(3)電界と磁界印加 グロー放電開始電圧以下の適当な電界と、適当な磁界と
を同時に印加して触媒CVD、いわゆる電界/磁界バイ
アス触媒CVDを行うと、触媒体の触媒反応又は接触分
解反応で発生させた堆積種、例えばシリコン原子の電子
スピンが電界と磁界の相互作用により更に一定の方向に
向き、この状態で基板上に堆積するシリコンの結晶方位
が揃うことになる。
【0051】以上のようなバイアス効果により、 (1)結晶化された膜の結晶方位がほぼ揃うために、粒
界の持つ電子ポテンシャルバリアが低くなり、キャリア
移動度が大きくなる。 (2)結晶粒が揃うことにより、多結晶性シリコン薄膜
の表面の凹凸がなくなって薄膜表面が平坦化されるの
で、これに接して形成されるゲート絶縁膜等との間の界
面状態が良好となり、キャリア移動度が改善され、耐圧
が向上してTFT特性が改善される。という効果が得ら
れる。
【0052】通常の熱CVD法で例えば多結晶性シリコ
ン膜を形成する場合には、基板温度を約600〜900
℃とする必要があるが、これを触媒CVD(又はバイア
ス触媒CVD)で成膜する場合には、プラズマや光励起
を必要とせずに、上記のような低温での熱CVDが可能
となるので有利である。そして、触媒CVD(又はバイ
アス触媒CVD)時の基板温度が上記したように低いた
め、基板、例えばガラス基板として、歪点が470〜6
70℃と低いほうけい酸ガラスやアルミノけい酸ガラス
等のガラスを用いることができる。これは、安価で、薄
板化が容易であり、大型化(1m×1m以上)が可能で
あり、また長尺ロール化されたガラス板を作製できる。
例えば、長尺ロール化ガラス板上に、上記手法を用い
て、薄膜を連続して又は非連続に作製することができ
る。
【0053】この触媒CVD(又はバイアス触媒CV
D)による気相成長に使用する原料ガスは、水素化ケイ
素又はその誘導体、水素化ケイ素又はその誘導体と水
素、酸素、窒素、ゲルマニウム、炭素又はスズを含有す
るガスとの混合物、水素化ケイ素又はその誘導体と周期
表第III族又は第V族元素からなる不純物を含有するガ
スとの混合物、水素化ケイ素又はその誘導体と水素、酸
素、窒素、ゲルマニウム、炭素又はスズを含有するガス
と周期表第III族又は第V族元素からなる不純物を含有
するガスとの混合物等が挙げられる。
【0054】上記の如き原料ガスを使用することによっ
て、微結晶シリコン含有アモルファスシリコン膜、微結
晶シリコン(アモルファスシリコン含有微結晶シリコ
ン)膜、アモルファスシリコン及び微結晶シリコン含有
多結晶シリコン膜、微結晶ゲルマニウム含有アモルファ
スゲルマニウム膜、微結晶ゲルマニウム(アモルファス
ゲルマニウム含有微結晶ゲルマニウム)膜、アモルファ
スゲルマニウム及び微結晶ゲルマニウム含有多結晶ゲル
マニウム膜、又はSixGe1-x(0<x<1)で示され
るアモルファスシリコンゲルマニウム膜からなる前記低
級結晶性半導体薄膜を形成することができる。この低級
結晶性半導体薄膜は、アモルファス成分をベースとし
て、微結晶を含む場合には粒径が10nm以下の微結晶
が点在するのがよい。本発明では、上記の触媒CVD
(又はバイアス触媒CVD)以外にも、高密度触媒CV
Dを適用してよい。また、減圧CVD、常圧CVD、光
励起CVD、プラズマCVD、高密度プラズマCVD等
の気相成長法、シリコン合金等の溶融液式等の液相成長
法、又はスパッタリング法、蒸着法等の物理的成膜法も
適用してよい。
【0055】シリコン合金溶融液の液相成長法の場合、
例えばアモルファスシリコン膜に、低融点金属、例えば
錫又はその合金(錫/鉛系半田等)を蒸着、スパッタリ
ング法で被着させ、熱処理でシリコン合金溶融液を形成
し、冷却で析出させることにより低級結晶性シリコン膜
を形成し、これをバイアス触媒AHA処理する。また、
スパッタリング法の場合、任意の不純物がドープされた
例えばシリコンターゲットをスパッタリングして微結晶
シリコン含有アモルファスシリコン又はアモルファスシ
リコン含有微結晶シリコン膜等を形成し、これをバイア
ス触媒AHA処理する。
【0056】本発明において、上記低級結晶性半導体薄
膜の成長又は成長後に、錫、ゲルマニウム、鉛等のIV族
元素の少なくとも1種を合計が適量(例えば1018〜1
20atoms/cc)含有させ、この状態でバイアス
触媒AHA処理による前記アニール工程を行うと、この
低級結晶性半導体薄膜が多結晶化されるときに、結晶化
を助長すると同時に、多結晶化後の多結晶性半導体の結
晶粒界(グレインバウンダリ)に存在する不整を低減
し、その膜ストレスを低減して高キャリア移動度、高品
質の多結晶半導体が得られ易くなる。これらのIV族元素
は、シリコン膜中で電子又は正孔を発生させないので、
TFT特性を損わず、ゲッタリングする必要がない。ま
た、結晶核成長の促進による大粒径多結晶性シリコン膜
化のために、例えば30keV、1015atoms/c
2(原料はSiF4)でシリコンイオンを低級結晶性シ
リコン膜に注入した後に、バイアス触媒AHA処理して
もよい。
【0057】このIV族元素は、原料ガス中にガス成分と
して混合したり、或いはイオン注入又はイオンドーピン
グにより、低級結晶性半導体薄膜中に含有させることが
できる。また、本発明により形成した多結晶性半導体膜
中の酸素、窒素、炭素濃度はそれぞれ1×1019ato
ms/cc以下、好ましくは5×1018atoms/c
c以下がよく、水素濃度は0.01原子%以上が好まし
い。又、ナトリウム(Na)濃度は、SIMS最低濃度
領域で1×1018atoms/cc以下が好ましい。
【0058】なお、前記原料ガス及び/又は水素又は水
素含有ガスを供給する前に、前記触媒体を水素系ガス雰
囲気中で加熱処理することが望ましい。これは、ガスの
供給前に触媒体を加熱すると、触媒体の構成材料が放出
され、これが成膜された膜中に混入することがあるが、
触媒体を水素系ガス雰囲気中で加熱することによってそ
のような混入を解消することができる。従って、成膜室
内を水素系ガスで充たした状態で触媒体を例えば、成膜
時以上で触媒体の融点以下の温度に加熱(空焼き)し、
次いで水素系ガスをキャリアガスとして原料ガス(いわ
ゆる反応ガス)を、或いはキャリアガスのみを供給する
ことがよい。
【0059】前記バイアス触媒AHA処理は、水素系活
性種の作用を強めるために電界又は/及び磁界を印加し
て前記低級結晶性半導体薄膜中のアモルファス成分をエ
ッチング除去して高結晶化率、大粒径(特にグレインサ
イズが数100nm以上)の多結晶をベースとする薄膜
を得、かつ膜中のキャリア不純物を活性化する処理であ
るが、その際、触媒体温度は1600〜1800℃、基
板−触媒体間の距離は20〜50mmとし、処理時間を
短縮する等、処理効果向上のため、任意に変更してもよ
い。
【0060】このバイアス触媒AHA処理で得られた前
記多結晶性半導体薄膜によって、MOSTFTのチャン
ネル、ソース及びドレイン領域、又は配線、抵抗、容量
又は電子放出体等を形成することができる。この場合、
前記チャンネル、ソース及びドレイン領域の形成後に、
これらの領域に対し、このバイアス触媒AHA処理又は
触媒AHA処理(バイアス電界なし)を施すと、膜中の
n型又はp型不純物の活性化を行える。また、この触媒
AHA処理(又はバイアス触媒AHA処理)により高結
晶化率/、大粒径の多結晶性シリコン膜化し、これに連
続して触媒CVD又はバイアス触媒CVDによりゲート
絶縁膜(SiO2、SiOxNy、SiO2/SiN等)
を形成することができる。Sn、Ge、Pb等のIV族元
素含有の低級結晶性半導体薄膜に、ゲートチャンネル、
ソース及びドレイン領域の形成後に、バイアス触媒AH
A処理して高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコン膜化
し、これに連続して触媒CVD又はバイアス触媒CVD
によりゲート絶縁膜(SiO2、SiOxNy、SiO2
/SiN等)を形成することもできる。
【0061】また、多結晶性シリコン等の前記多結晶性
半導体薄膜中への外部からの酸素侵入を低減するため
に、例えば多結晶性シリコン膜等内においてゲート絶縁
膜側から外部に向って結晶粒径を小さくして高密度化す
るか、或いはアモルファスシリコン含有微結晶シリコン
膜又は微粒子含有アモルファスシリコン膜で前記多結晶
性シリコン膜を被覆するのがよい。この場合、汎用フォ
トリソグラフィ及びエッチング技術により、微粒子含有
アモルファスシリコンを除去し、大粒径多結晶性シリコ
ン膜とコンタクトしたソース、ドレイン電極を形成する
ことができる。
【0062】本発明は、シリコン半導体装置、シリコン
半導体集積回路装置、シリコン−ゲルマニウム半導体装
置、シリコン−ゲルマニウム半導体集積回路装置、化合
物半導体装置、化合物半導体集積回路装置、炭化ケイ素
半導体装置、炭化ケイ素半導体集積回路装置、液晶表示
装置、有機又は無機エレクトロルミネセンス(EL)表
示装置、フィールドエミッションディスプレイ(FE
D)装置、発光ポリマー表示装置、発光ダイオード表示
装置、CCDエリア/リニアセンサ装置、MOSセンサ
装置、太陽電池装置用の薄膜を形成するのに好適であ
る。
【0063】この場合、内部回路及び周辺回路を有する
半導体装置、固体撮像装置、電気光学装置等の製造に際
し、これらの少なくとも一部を構成するMOSTFTの
チャンネル、ソース及びドレイン領域を前記多結晶性半
導体薄膜によって形成してよく、また周辺駆動回路一体
型の構成とすることもできる。
【0064】また、各色用の有機又は無機エレクトロル
ミネセンス層(EL層)の下層にそれぞれ、前記MOS
TFTのドレイン又はソースと接続された陰極又は陽極
を有するEL素子構造とするのがよい。
【0065】この場合、前記MOSTFT及びダイオー
ド等の能動素子上も前記陰極が覆うようにすれば、陽極
が上部にある構造では発光面積が増大すると共に、陰極
の遮光作用で発光光が前記能動素子に入射してリーク電
流を発生させることを防止できる。また、前記各色用の
有機又は無機EL層の各層上及び各層間の全面に前記陰
極又は陽極が被着されるようにすれば、全面が陰極又は
陽極で覆われることにより、湿気に弱い有機EL層の劣
化や電極の酸化を防止して、長寿命、高品質、高信頼性
が可能となり、また陰極で覆われると放熱効果が高まる
ので、発熱による薄膜の構造変化(融解あるいは再結晶
化)が低減し、長寿命、高品質、高信頼性が可能とな
り、更にこれにより、高精度、高品質のフルカラーの有
機EL層を生産性良く形成できるので、コストダウンが
可能となる。
【0066】また、前記各色用の前記有機又は無機EL
層間にクロム、二酸化クロム等のブラックマスク層を形
成すると、各色間又は画素間での光漏れを防ぎ、コント
ラストが向上する。
【0067】本発明をフィールドエミッションディスプ
レイ(FED)装置に適用するときは、そのエミッタ
(電界放出カソード)を、前記多結晶性半導体薄膜を介
して前記MOSTFTのドレインに接続すると共に前記
多結晶性半導体薄膜上に成長されたn型多結晶性半導体
膜又は多結晶性ダイヤモンド膜によって形成するのがよ
い。
【0068】この場合、前記MOSTFT、ダイオード
等の能動素子上にアース電位の金属遮蔽膜(これは、前
記FED装置のゲート引き出し電極と同一材料で同一工
程により形成すると、工程簡略化等の点で有利であ
る。)を形成すると、気密容器内にあるガスがエミッタ
から放出された電子により正イオン化されて絶縁層上に
チャージアップし、この正電荷が絶縁層下にある能動素
子に不要な反転層を形成したり、この反転層を介して余
分な電流が流れるために生じるエミッタ電流の暴走を防
止することができる。また、エミッタから放出された電
子の衝突により蛍光体が発光する際、この光によりTF
Tのゲートチャンネル内に電子、正孔が発生してリーク
電流が生じることも防止できる。
【0069】次に、本発明を好ましい実施の形態につい
て更に詳細に説明する。
【0070】第1の実施の形態 図1〜図11について、本発明の第1の実施の形態を説
明する。
【0071】本実施の形態は、本発明をトップゲート型
の多結晶性シリコンCMOS(Complementary MOS)T
FTに適用したものである。
【0072】<触媒CVD法、バイアス触媒AHA処理
とその装置>まず、本実施の形態に用いるバイアス触媒
CVD法(又は触媒CVD法)及びバイアス触媒AHA
処理について説明する。触媒CVD法においては、水素
系キャリアガスとシランガス等の原料ガスとからなる反
応ガスを加熱されたタングステン等の触媒体に接触さ
せ、これによって生成したラジカルな堆積種又はその前
駆体及び活性化水素イオン等の水素系活性種に高いエネ
ルギーを与え(バイアス触媒CVD法では、グロー放電
開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用で指向性の運
動エネルギーを与え)、基板上にアモルファスシリコン
含有微結晶シリコン等の低級結晶性半導体薄膜を気相成
長させる。そして、この成膜後に原料ガスの供給を停止
し、水素系キャリアガスのみを供給することによって、
低級結晶性半導体薄膜のバイアス触媒AHA処理を行う
(必要に応じて、バイアス触媒AHA処理と触媒CVD
とを繰り返す)。つまり、高温の水素分子、水素原子、
活性化水素イオン等の水素系活性種によりアモルファス
成分のシリコンを選択的にエッチングし、所定膜厚の高
結晶化率、大粒径の多結晶性シリコン等の多結晶性半導
体薄膜を得る。
【0073】この電界印加のバイアス触媒AHA処理、
バイアス触媒CVDにおいては、基板と対向電極との間
にグロー放電開始電圧以下の直流電圧(パッシェンの法
則で決まる直流電圧、例えば、1kV以下の電圧)を印
加し、前記水素系活性種、又は前記ラジカルな堆積種又
はその前駆体及びラジカル水素イオン等を基板の側へ指
向させる。以下、本実施の形態によるAHA処理、CV
D法をDCバイアス触媒AHA処理、DCバイアス触媒
CVD法と称するが、交流バイアス(例えばRF)又は
交流と直流の重畳バイアス(例えばRF/DC)による
場合も同様である。
【0074】このDCバイアス触媒AHA処理又はCV
D法は、図5〜図7に示す如き装置を用いて実施され
る。
【0075】この装置によれば、水素系キャリアガスと
水素化ケイ素(例えばモノシラン)等の原料ガス40
(及び必要に応じてB26やPH3などのドーピングガ
スも含む。)からなるガスは、供給導管41からシャワ
ーヘッド42の供給口(図示せず)を通して成膜又はア
ニール用のチャンバ44へ導入される。チャンバ44の
内部には、ガラス等の基板1を支持するためのサセプタ
45と、耐熱性の良い(望ましくは触媒体46と同じか
或いはそれ以上の融点を有する材質の)シャワーヘッド
42と、例えばコイル状のタングステン等の触媒体46
と、更には開閉可能なシャッター47とがそれぞれ配さ
れている。なお、サセプタ45とチャンバ44との間に
は磁気シール52が施され、また、チャンバ44は前工
程を行なう前室53に後続され、ターボ分子ポンプ等で
バルブ55を介して排気される。
【0076】そして、基板1はサセプタ45内のヒータ
ー線51等の加熱手段で加熱され、また触媒体46は例
えば抵抗線として融点以下(特に800〜2000℃、
タングステンの場合は約1600〜1800℃)に加熱
されて活性化される。触媒体46の両端子は直流又は交
流の触媒体電源48に接続され、この電源からの通電に
より所定温度に加熱される。また、シャワーヘッド42
は加速電極として、導管41を介して可変の直流電源
(1kV以下、例えば500V)49の正極側に接続さ
れ、負極側のサセプタ45(従って、基板1)との間に
1kV以下の直流バイアス電圧が印加されるようになっ
ている。
【0077】この方法を実施するには、図5の状態で、
チャンバ44内の真空度を1.33×10-4〜1.33
×10-6Paとし、例えば水素系キャリアガス100〜
200SCCMを供給して、触媒体を所定温度に加熱し
て活性化した後に、水素化ケイ素(例えばモノシラン)
ガス1〜20SCCM(及び必要に応じてB26や、P
3等のドーピングガスも適量含む。)からなる原料ガ
ス40(ガス圧0.133〜13.3Pa、例えば1.
33Pa)、又は水素系キャリアガスのみ(300〜1
000SCCM、ガス圧10〜50Pa)を供給導管4
1からシャワーヘッド42の供給口43を通して導入す
る。ここで、水素系キャリアガスは、水素、水素+アル
ゴン、水素+ヘリウム、水素+ネオン、水素+キセノ
ン、水素+クリプトン等の、水素に不活性ガスを適量混
合させたガスであれば、いずれでもよい(以下、同
様)。尚、原料ガスの種類によっては、必ずしも水素系
キャリアガスは必要ではない。
【0078】そして、図6のようにシャッター47を開
ける。原料ガス40又は水素系キャリアガスの少なくと
も一部は触媒体46と接触して触媒的に分解し、触媒分
解反応または熱分解反応によって、高エネルギーをもつ
シリコン等のイオン、ラジカル等の反応種の集団(即
ち、堆積種又はその前駆体及びラジカル水素イオン
等)、又は高温の水素系分子、水素系原子、活性化水素
イオン等の水素系活性種を形成し、こうして生成したイ
オン、ラジカル等の反応種50にグロー放電開始電圧
(約1kV)以下、例えば500Vの直流電源49によ
る直流電界を作用させて指向性運動エネルギーを与え、
基板1の側へ指向させて、室温〜550℃(例えば20
0〜300℃)に保持された基板1上に低級結晶性シリ
コン等の所定の膜をDCバイアス触媒CVDで気相成長
させる。或いは上記水素系活性種に指向性運動エネルギ
ーを与え、室温〜550℃(例えば200〜300℃)
に保持された基板1上の上記低級結晶性シリコン膜等に
作用させてDCバイアス触媒AHA処理を行う。なお、
上記低級結晶性シリコン膜等は、バイアスを用いない触
媒CVDで気相成長させてもよいが、この場合は、上記
の直流電源49をオフとしておく。
【0079】こうして、プラズマを発生することなく、
反応種又は水素系活性種に対し、触媒体46の触媒作用
とその熱エネルギーに直流電界による加速エネルギーを
与えた指向性の運動エネルギーを与えるので、反応ガス
を効率良く反応種に変えて、基板1上に均一に熱CVD
で堆積することができる。この堆積種56は基板1上で
泳動し、薄膜中で拡散するので、緻密でステップカバレ
ージの良い平坦かつ均一な薄膜を形成できる。或いは、
水素系キャリアガスから生成した水素系活性種をCVD
膜に対し十分なエネルギーで効率良く作用させることが
できる。
【0080】本実施の形態においてDCバイアス触媒C
VDを適用すると、これは、従来の触媒CVDのコント
ロールファクタである基板温度、触媒体温度、ガス圧
(反応ガス流量)、原料ガス種類等に比べ、独立した任
意の直流電界で薄膜生成をコントロールすることを追加
するのが特長である。このため、生成膜の基板との密着
性をはじめ、生成膜密度、生成膜均一性又は平滑性、ビ
アホールなどへの生め込み性とステップカバレージを向
上させ、基板温度を一層低温化し、生成膜のストレスコ
ントロール等が可能となり、高品質膜(例えばバルクに
近い物性のシリコン膜や金属膜)が得られる。しかも、
触媒体46で生成された反応種を直流電界で独立してコ
ントロールし、効率良く基板上に堆積できるので、反応
ガスの利用効率が高く、生成速度を早め、生産性向上と
反応ガス削減によるコストダウンを図れる。
【0081】また、DCバイアス触媒AHA処理におい
ても、上記と同様に独立した任意の直流電界でアニール
をコントロールすることができ、基板温度の低温化、膜
ストレスの減少等がガス利用効率の向上、処理速度の向
上、コストダウンを実現しながら可能となる。
【0082】また、基板温度を低温化しても堆積種又は
活性種のエネルギーが大きいために、目的とする良質の
膜が得られることから、基板温度を上記のように更に低
温化でき、大型で安価な絶縁基板(ほうけい酸ガラス、
アルミノけい酸ガラス等のガラス基板、ポリイミド等の
耐熱性樹脂基板等)を使用でき、この点でもコストダウ
ンが可能となる。しかも、上記した反応種の加速のため
の電極として、ガス供給用のシャワーヘッド42を兼用
できるので、構造が簡略となる。
【0083】また、勿論のことであるが、プラズマの発
生がないので、プラズマによるダメージがなく、低スト
レスの生成膜が得られると共に、プラズマCVD法等に
比べ、はるかにシンプルで安価な装置が実現する。
【0084】この場合、減圧下(例えば0.133〜
1.33Pa)又は常圧下で操作を行なえるが、減圧タ
イプよりも常圧タイプの方がよりシンプルで安価な装置
が実現する。そして、常圧タイプでも上記の電界を加え
るので、密度、均一性、密着性のよい高品質膜が得られ
る。この場合も、減圧タイプよりも常圧タイプの方がス
ループットが大であり、生産性が高く、コストダウンが
可能である。
【0085】減圧タイプの場合は、直流電圧はガス圧
(ガス流量)やガス種等によって左右されるが、いずれ
にしても、グロー放電開始電圧以下の任意の電圧に調整
する必要がある。常圧タイプの場合は、放電はしにくい
が、原料ガス及び反応種又は活性種の流れが膜厚及び膜
質に悪影響を及ぼさないように、基板上に排ガス流が接
しないように排気を調整することが望ましい。
【0086】上記のDCバイアス触媒CVD(又は触媒
CVD)又はDCバイアス触媒AHA処理において、触
媒体46による副射熱のために、基板温度は上昇する
が、上記のように、必要に応じて基板加熱用ヒーター5
1を設置してよい。また、触媒体46はコイル状(これ
以外にメッシュ、ワイヤー、多孔板状もよい。)として
いるが、更にガス流方向に複数段(例えば2〜3段)と
して、ガスとの接触面積を増やすのがよい。なお、基板
1をサセプタ45の下面においてシャワーヘッド42の
上方に配しているので、チャンバ44内で生じたパーテ
ィクルが落下して基板1又はその上の膜に付着すること
がない。
【0087】本実施の形態においては、触媒CVDに用
いた装置をそのまま用い、触媒CVDによるアモルファ
スシリコン含有微結晶シリコン等の低級結晶性半導体薄
膜の気相成長後に、モノシラン等の原料ガスの供給を停
止し、触媒CVD時よりも多い流量で水素系キャリアガ
スのみを成膜室44内に供給して、低級結晶性半導体薄
膜に対してDCバイアス触媒AHA処理を行い、その多
結晶化のためのアニールを施し、かつ、この触媒CVD
とDCバイアス触媒AHA処理とを所定回数繰り返し
て、目的とする膜厚の多結晶シリコン等の多結晶性半導
体薄膜を形成する。
【0088】このDCバイアス触媒AHA処理は、加熱
された触媒体により分解、生成した水素系活性種により
前記低級結晶性半導体薄膜中のアモルファス成分をエッ
チングして高結晶化率、大粒径(特にグレインサイズが
数100nm以上)の多結晶ベースとする薄膜を得、か
つ膜中のキャリア不純物を活性化する処理であるが、そ
の際、触媒体温度は1600〜1800℃、基板−触媒
体間の距離は20〜50mm、基板温度200〜800
℃とし、また水素系キャリアガスは上記したと同様に水
素又は水素と不活性ガス(アルゴン、ヘリウム、キセノ
ン、クリプトン、ラドン等)との混合ガスであり、混合
ガスの場合は水素含有比率は70〜80モル%以上とす
ることによって触媒体の酸化劣化を防止できる。また、
DCバイアス触媒AHA処理時に用いる水素又は水素含
有ガスは、気相成長時の水素系キャリアガスと同様であ
ってよいが、ガス流量300〜1000SCCM、ガス
圧10〜50Paと大きくし(触媒CVDのときは0.
1〜数Pa)、ガスによる熱伝導の増大と水素系活性種
の発生量の増大を図るのがよい。
【0089】本発明に基づいて、バイアスの作用下での
低級結晶性半導体薄膜の結晶化処理によれば、電界又は
磁界、又はこれらの双方を印加し、この作用下で水素系
活性種によるアニール(バイアス触媒AHA処理)又は
堆積種の気相成長(バイアス触媒CVD)を行うので、
結晶粒の結晶方位を揃えることができる。以下に、上記
したDCバイアス触媒AHA処理及びDCバイアス触媒
CVDも含めてまとめると、次のようになる。
【0090】まず、図8は、上記した電界の作用下で触
媒CVD、いわゆるバイアス触媒CVDを行う場合を示
すが、基板1を収容した真空容器44の周囲に高周波電
圧(又は直流電圧、或いはこれらの双方)を印加する電
極200、201を設け、これによる電界を作用させ
る。
【0091】この時に、バイアス触媒CVDの場合、触
媒体46の触媒反応又は接触分解反応で発生させた堆積
種のシリコン原子の電子スピンが電界と相互作用して一
定の方向に向き、この状態から冷却により固化する際
に、一定の方向性をもって結晶化し、シリコンの結晶方
位が揃うことになる。こうして結晶化された膜は結晶方
位がほぼ揃うため、粒界のもつ電子ポテンシャルバリア
が低くなり、キャリア移動度が大きくなる。この際、結
晶方位を一定方向に揃えることが重要であり、シリコン
原子の外殻軌道の構造に応じて、得られた多結晶性シリ
コン薄膜7の垂直方向に結晶が揃う場合もあり或いは水
平方向に結晶方位が揃う場合もある。結晶粒が一定の方
向に揃うことにより、多結晶性シリコン薄膜の表面の凹
凸もなくなり、薄膜の表面が平坦化されることになり、
これに接して形成されるゲート絶縁膜等との間の界面状
態が良好となり、キャリア移動度が向上する。
【0092】図9は、電界に代えて、磁界を印加する場
合であり、基板1を収容した真空容器44の周囲に永久
磁石202及び203、又は電磁石204を設け、これ
による磁界を作用させる。
【0093】こうして、上記した電界の場合と同様に、
磁界の作用で一定の方向に結晶粒が揃い、キャリア移動
度が向上し、また表面の凹凸も減少する。
【0094】図10は、上記の電界と共に磁界も同時に
印加する例であるが、基板1を収容した真空容器44の
周囲の永久磁石202、203(これは電磁石でもよ
い。)による磁界と同時に、高周波電圧(または直流電
圧、或いはこれらの双方)49を印加する電極200、
201による電界を同時に作用させる。
【0095】この時に、シリコン原子の電子スピンが磁
場と電場の相互作用で一定の方向に向き、この状態から
冷却により固化する際に、磁界と電界の相乗作用により
更に十分な方向性をもって結晶化することになる。従っ
て、一定の方向に結晶粒が更に揃い易くなり、キャリア
移動度が一層向上し、また表面の凹凸も一層減少する。
【0096】図8〜図10に示したバイアス方式は、バ
イアス触媒AHA処理においても同様に適用され、電界
又は/及び磁界の作用によって、低級結晶性シリコン薄
膜7Aに対して水素系活性種が効率的に十分なエネルギ
ーで作用し、AHA処理効果が向上し、アモルファス成
分を十二分にエッチングしてシリコンの結晶化を促進さ
せることができる。
【0097】図11は、上記の触媒CVD(DCバイア
ス触媒CVDも同様)とDCバイアス触媒AHA処理に
おける上記水素系キャリアガス及び原料ガスの導入時間
及びタイミングを多結晶性シリコン薄膜形成の場合につ
いて示し、また図12は、流量計(MFC)や調整弁な
どを組み込んだガス導入系を示す。
【0098】まず、成膜を行う前に、ゲートバルブを通
してチャンバ44内に基板1を搬入し、サセプタ45に
載置し、次いで、排気系を作動させてチャンバ44内を
所定圧力まで排気するとともに、サセプタ45に内蔵さ
れたヒーターを作動させて基板1を所定温度まで加熱す
る。
【0099】そして、ガス導入系によって、まず水素系
キャリアガス300〜1000SCCM、例えば500
SCCMをチャンバ1内に導入する。導入された水素ガ
スの一部は、加熱触媒体46による接触分解反応により
活性化水素イオン等の水素系活性種となり、この水素系
活性種は必要あれば上記したバイアス電界の作用下で基
板表面に到達して、基板1の表面クリーニングを行う。
その後に水素系キャリアガスを150SCCMにする。
【0100】このように、チャンバ44内に水素系キャ
リアガスが供給されている状態で、ガス導入系を作動さ
せ、原料ガス(モノシラン15SCCM)をチャンバ4
4内に導入する。導入された原料ガスは、加熱触媒体4
6の熱触媒反応及び熱分解反応により堆積種が生成さ
れ、必要あれば上記バイアス電界の作用下でアモルファ
スシリコン含有微結晶シリコン薄膜等として基板表面に
気相成長する。
【0101】その後、原料ガスの導入を停止して、チャ
ンバ44内から原料ガスを排出し、更に水素系キャリア
ガスのみを300〜1000SCCM、例えば500S
CCMの流量で導入する、これによって、加熱触媒体に
よる接触分解反応で生じた活性水素イオン等の水素系活
性種が、上記したバイアス電界の作用下で上記のアモル
ファスシリコン含有微結晶シリコン薄膜等の低級結晶性
シリコン薄膜に作用してアモルファス成分を選択的にエ
ッチングし、その結晶化を促進し、アモルファス成分の
除去された(多結晶化された)シリコンに改質させる。
【0102】こうしてバイアス触媒AHA処理されたシ
リコン膜上に、再び上記の触媒CVDを施し、多結晶性
シリコンをシードとしてその上に多結晶性シリコン薄膜
を成長させ、更にバイアス触媒AHA処理、触媒CVD
を繰り返して行うことにより、多結晶性シリコン薄膜の
膜厚をコントロールしつつ最終的には目的とする膜厚で
高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコン薄膜を形成する
ことができる。
【0103】このように、上記のバイアス電界で加速さ
れた十分なエネルギーの水素系活性種のラジカル作用に
より、熱エネルギーが膜に移動して局部的に温度上昇さ
せ、低級結晶性半導体薄膜は、アモルファス成分が選択
的にエッチングされて結晶化が促進され、大粒径の多結
晶膜化し、かつIV族元素添加の効果によりその結晶粒界
に存在する結晶不整及び内部応力を低減させ、高移動
度、高品質の多結晶性半導体薄膜を得ることができ、し
かも、多結晶性シリコン膜上又は膜内にシリコン酸化物
が存在したときに、これと還元反応してSiO等を生成
して蒸発させるので、その膜上又は膜内のシリコン酸化
物を減少/除去させることができ、高キャリア移動度、
高品質の多結晶性シリコン膜等を得ることができる。
【0104】また、微結晶シリコン含有アモルファスシ
リコン膜、アモルファスシリコン含有微結晶シリコン膜
などは、その微結晶シリコンをシードとして再結晶化が
促進され、大粒径の多結晶性シリコン膜化する。しか
も、その膜に含有されるアモルファス構造のシリコンが
水素系活性種で選択的エッチングされるので、高結晶化
率の多結晶性膜が形成される。
【0105】そして、このバイアス触媒AHA処理時
に、低級結晶性半導体薄膜中に存在するキャリア不純物
は高温で活性化され、各領域において最適なキャリア不
純物濃度を得ることができ、また、大量の高温の水素系
活性種によるクリーニング(基板等への吸着ガス及び有
機物残渣等の還元除去)が可能であり、触媒体も酸化劣
化し難しくなり、更に水素化により、半導体膜中の例え
ばシリコンダングリングボンドをなくし、特性が向上す
る。
【0106】こうしたバイアス触媒AHA処理によるア
ニールと低級結晶性半導体薄膜の触媒CVDによる気相
成長とを目的とする膜厚となるまで繰り返すことによ
り、この半導体薄膜は既にバイアス触媒AHA処理で多
結晶化された下地膜上に多結晶化され易い状態で成長し
易くなり、目的とする高結晶化率、高品質の多結晶性半
導体薄膜を所定の膜厚で得ることができる。即ち、触媒
CVDとバイアス触媒AHA処理を繰り返すマルチ触媒
AHA処理により、例えば触媒CVDで成膜された微結
晶シリコン含有アモルファスシリコン膜、アモルファス
シリコン及び微結晶シリコン含有多結晶シリコン等をバ
イアス触媒AHA処理で多結晶性シリコン膜化し、更に
この多結晶性シリコンをシードとした触媒CVDで多結
晶性シリコン膜の気相成長、更にはバイアス触媒AHA
処理を繰り返すので、高結晶化率、大粒径の多結晶性シ
リコン膜を形成することができる。
【0107】なお、上記の触媒CVD又はバイアス触媒
CVD及びバイアス触媒AHA処理はいずれも、プラズ
マの発生なしに行えるので、プラズマによるダメージが
なく、低ストレスの生成膜が得られ、またプラズマCV
D法に比べ、シンプルで安価な装置を実現できる。
【0108】図13は、本実施の形態による上記のマル
チバイアス触媒AHA処理(触媒CVDとバイアス触媒
AHA処理の繰り返し)で得られた多結晶シリコン薄膜
のラマンスペクトルをその繰り返し回数等に応じて示す
ものである。この結果によれば、触媒CVDによるアモ
ルファス及び微結晶シリコン含有多結晶シリコンの堆積
(depo)時のガス流量をSiH4:H2=5:500
SCCM、触媒温度=1800℃、基板温度=400℃
とし、バイアス触媒AHA処理の条件を各種とし、繰り
返し回数も変えたところ、この繰り返し回数を多くし、
かつ処理時間を長くし、処理時のH2流量を増加させる
と、サンプル#1→#2→#3→#4の順に、アモルフ
ァス(非晶質)や微結晶が減少し、多結晶層が増加する
こと(即ち、大粒径化、高結晶化すること)が明らかで
ある。尚、ここで、AHA1は成膜前の基板表面のクリ
ーニング処理であり、本来のバイアス触媒AHA処理は
AHA2〜4である。
【0109】また、図14は、各サンプルについての結
晶化率を多結晶性シリコン中の微結晶の有無について比
較して示すものである。これによれば、結晶化率はサン
プル#1→#2→#3→#4の順に高くなり、かつ下地
が微結晶(Im)を含む方が高くなることが分かる。
【0110】これらの結果は、本発明に基づく処理が高
結晶化率、大粒径の多結晶性半導体薄膜の形成にとって
非常に優れた方法であることを示すものである。
【0111】なお、本実施の形態において、上記の触媒
CVDでは、例えば0.4mmφタングステンワイヤー
の触媒体及びこれを支持している例えば0.8mmφモ
リブデンワイヤーの支持体(図示せず)の純度が問題と
なるが、従来の純度:3N(99.9wt%)を4N
(99.99wt%)以上、好ましくは5N(99.9
99wt%)又はそれ以上に純度を上げることにより、
触媒CVDによる多結晶性シリコン膜中の鉄、ニッケ
ル、クロム等の重金属汚染を低減できることが実証され
ている。図15(A)は純度3Nでの膜中の鉄、ニッケ
ル、クロム等の重金属濃度を示すが、これを5Nに高め
ることによって図15(B)に示すように鉄、ニッケ
ル、クロム等の重金属濃度を大幅に減らせることが判明
した。これにより、TFT特性の向上が可能となる。
【0112】<トップゲート型CMOSTFTの製造>
次に、本実施の形態によるマルチバイアス触媒AHA処
理を用いたトップゲート型多結晶性シリコンCMOST
FTの製造例を示す。
【0113】まず、図1の(1)に示すように、ほうけ
い酸ガラス、アルミノけい酸ガラス、耐熱性樹脂、石英
ガラス、結晶化ガラスなどの絶縁基板1の少なくともT
FT形成領域に、プラズマCVD、減圧CVD、常圧C
VD、触媒CVD、高密度プラズマCVD、高密度触媒
CVD等の気相成長法により、保護用の窒化シリコン膜
及び酸化シリコン膜の積層膜からなる保護膜100を下
記の条件で形成する(以下、同様)。
【0114】この場合、TFT形成のプロセス温度によ
ってガラス材質を使い分ける。 200〜500℃の低温の場合:ほうけい酸、アルミノ
けい酸ガラス等のガラス基板(500×600×0.5
〜1.1μm厚)、耐熱性樹脂基板を用いてもよい。 600〜1000℃の高温の場合:石英ガラス、結晶化
ガラス等の耐熱性ガラス基板(6〜12インチφ、70
0〜800μm厚)を用いてもよい。保護膜用の窒化シ
リコン膜はガラス基板からのNaイオンストップのため
に形成するが、合成石英ガラスを用いる場合は不要であ
る。
【0115】また、触媒CVDを用いる場合、図5〜図
7、図8〜図10に示したと同様の装置が使用可能であ
るが、触媒体の酸化劣化防止のために、水素系キャリア
ガスを供給して触媒体を所定温度(約1600〜180
0℃、例えば約1700℃)に加熱し、成膜後は触媒体
を問題ない温度まで冷却して水素系キャリアガスをカッ
トする必要がある。
【0116】成膜条件としては、チャンバ内に水素系キ
ャリアガス(水素、アルゴン+水素、ヘリウム+水素、
ネオン+水素等)を常時流し、流量と圧力、サセプタ温
度を下記の所定の値に制御する。 チャンバ内圧力:1〜15Pa程度、例えば10Pa サセプタ温度 :300℃ 水素系キャリアガス流量(混合ガスの場合、水素は70
〜80モル%):100〜150SCCM
【0117】また、窒化シリコン膜は、次の条件で50
〜200nmの厚みに形成する。水素(H2)をキャリ
アガスとし、原料ガスとしてモノシラン(SiH4)に
アンモニア(NH3)を適量比率で混合して形成。 H2流量:100〜150SCCM、SiH4流量:10
〜20SCCM、NH3流量:50〜60SCCM
【0118】また、酸化シリコン膜は、次の条件で50
〜100nmの厚みに形成する。水素(H2)をキャリ
アガス、原料ガスとしてモノシラン(SiH4)にHe
希釈O2を適量比率で混合して形成。 H2流量:100〜150SCCM、SiH4流量:10
〜20SCCM、He希釈O2流量:1〜2SCCM
【0119】次いで、図1の(2)、(3)に示すよう
に、触媒CVD(又はバイアス触媒CVD)及びバイア
ス触媒AHA処理によって、室温〜550℃、例えば3
00℃の基板1上に、例えば周期表IV族元素、例えば錫
を1018〜1020atoms/ccドープした(これは
CVD時又は成膜後のイオン注入又はイオンドーピング
法によってドープしてよい。)低級結晶性シリコン膜7
A、更には多結晶性シリコン膜7を50nm厚に形成す
る。但し、この錫のドーピングは必ずしも必要ではない
(以下、同様)。
【0120】この場合、図5〜図7に示した装置を用
い、まず図1の(2)のように、上記の触媒CVDによ
り下記の条件で低級結晶性半導体薄膜としての例えば錫
ドープの低級結晶性シリコン膜7Aを気相成長させ、し
かる後に図1の(3)のように下記の条件でバイアス触
媒AHA処理を行ってアニールし、低級結晶性シリコン
を多結晶化し、必要あればこれらの触媒CVDとバイア
ス触媒AHA処理とを繰り返して50nm厚の多結晶性
シリコン膜7を形成する。例えば、触媒CVDで10〜
30nm厚の膜を成長させ、バイアス触媒AHA処理
後、触媒CVDで10〜30nm厚の膜を成長させ、更
にバイアス触媒AHA処理後に、触媒CVDで10〜3
0nm厚の膜を成長させて、最終的に目的とする膜厚の
多結晶性シリコン膜を得る。
【0121】触媒CVDによる錫及びアモルファスシリ
コン含有微結晶シリコンの成膜:水素(H2)をキャリ
アガス、原料ガスとしてモノシラン(SiH4)、水素
化錫(SnH4)を適量比率で混合して形成。H2流量:
100〜150SC CM、SiH4流量:10〜20
SCCM、SnH4流量:10〜20SCCM 。この
時、原料ガスのシラン系ガス(シラン又はジシラン又は
トリシラン等) に、n型のリン又はひ素又はアンチモ
ン等を適量混入したり、又はp型のボロ ン等を適量混
入することにより、任意のn又はp型不純物キャリア濃
度の錫含 有又は非含有のシリコン膜を形成してもよ
い。 n型化の場合:ホスフィン(PH3)、アルシン(As
3)、スチビン(SbH3) p型化の場合:ジボラン(B26
【0122】バイアス触媒CVDは、バイアス電界又は
/及び磁界の作用下で触媒CVDを行うが、例えばこの
バイアス電界は、次のいずれかの電圧印加によって形成
できる。 1)直流電圧(例えば500V) 2)低周波電圧(例えば500VP-P/26kHz) 3)高周波電圧(例えば500VP-P/13.56MH
z) 4)低周波電圧に高周波電圧を重複させた電圧(例えば
500VP-P/26kHz+200VP-P/13.56M
Hz) 5)直流電圧に低周波電圧を重複させた電圧(例えば5
00V+200VP-P/26kHz) 6)直流電圧に高周波電圧を重複させた電圧(例えば5
00V+200VP-P/13.56MHz) 7)直流電圧に低周波電圧と高周波電圧を重複させた電
圧(例えば500V+100VP-P/26kHz+10
0VP-P/13.56MHz)
【0123】バイアス触媒AHA処理:バイアス触媒A
HA処理は、バイアス触媒CVDにおいて原料ガスを供
給しない方法であり、具体的には、減圧下で、水素系キ
ャリアガスをガス流量300〜1000SCCM、ガス
圧10〜50Paで供給して触媒体を所定温度(約16
00〜1800℃、例えば約1700℃)に加熱し、大
量の高温の水素分子/水素原子/活性化水素イオン等の
水素系活性種を発生させ、これらをグロー放電開始電圧
以下の電界又は/及び磁界の作用による指向性運動エネ
ルギーの付与下で、基板上に形成した例えば錫含有のア
モルファスシリコン含有微結晶シリコン膜に吹き付け
る。これにより、大量の高温の水素系分子/水素系原子
/活性化水素イオン等の水素系活性種が有する熱エネル
ギーがそれらの膜に移動して、それらの膜温度を分布性
良く上昇させ、水素系活性種の作用によるアモルファス
成分の選択的エッチングによりアモルファスシリコン含
有微結晶シリコン膜は多結晶化し、多結晶性シリコン膜
は高結晶化して、大粒径の多結晶性シリコン膜化し、更
にIV族元素の錫含有の効果によりその結晶粒界に存在す
る不整及びストレスを低減し、高キャリア移動度及び高
品質の多結晶性シリコン膜を形成することができる。
【0124】上記のバイアス電界又は/及び磁界は、例
えばバイアス電界の場合は次のいずれかの電圧印加によ
って形成できる。 1)直流電圧(例えば500V) 2)低周波電圧(例えば500VP-P/26kHz) 3)高周波電圧(例えば500VP-P/13.56MH
z) 4)低周波電圧に高周波電圧を重複させた電圧(例えば
500VP-P/26kHz+200VP-P/13.56M
Hz) 5)直流電圧に低周波電圧を重複させた電圧(例えば5
00V+200VP-P/26kHz) 6)直流電圧に高周波電圧を重複させた電圧(例えば5
00V+200VP-P/13.56MHz) 7)直流電圧に低周波電圧と高周波電圧を重複させた電
圧(例えば500V+100VP-P/26kHz+10
0VP-P/13.56MHz)
【0125】また、上記の水素系活性種は、多結晶性シ
リコン等の膜上又は膜内にシリコン酸化物が存在したと
きにこれと還元反応してSiO等を生成し、蒸発させる
ので、それらの膜上又は膜内のシリコン酸化物を減少/
除去させることができ、高移動度及び高品質の多結晶性
シリコン膜を形成できる。このバイアス触媒AHA処理
(又は触媒AHA処理)を後述のゲートチャンネル/ソ
ース/ドレイン形成後に行うと、大量の高温の水素系活
性種が有する熱エネルギーがそれらの膜に移動して、そ
れらの膜温度を上昇させ、結晶化促進と同時にゲートチ
ャンネル/ソース/ドレインに注入されキャリア不純物
(燐、ひ素、ボロンイオン等)が活性化される。
【0126】なお、プラズマCVD法によってアモルフ
ァスシリコン含有微結晶シリコン膜等を形成した場合、
膜中に10〜20%の水素が含有されるが、上記のバイ
アス触媒AHA処理によって減少/除去することがで
き、多結晶性シリコン膜化し、高移動度及び高品質の多
結晶性シリコン膜を形成する。また、水素系活性種が微
結晶シリコン又は多結晶性シリコン等の膜上、又は膜内
にシリコン酸化物が存在したときに、これと反応してS
iOを生成して蒸発させるので、それらの膜上又は膜内
のシリコン酸化物を減少/除去させることができ、高キ
ャリア移動度及び高品質の多結晶性シリコン膜を形成で
きる。
【0127】なお、上記の各膜を同一のチャンバで形成
する場合は、水素系キャリアガスを常時供給し、触媒体
を所定温度に加熱してスタンバイをしておき、次のよう
に処理してよい。
【0128】モノシランにアンモニアを適当比率で混合
して所定膜厚の窒化シリコン膜を形成し、前の原料ガス
を十分に排出した後に、連続してモノシランとHe希釈
2を適当比率で混合して所定膜厚の酸化シリコン膜を
形成し、前の原料ガス等を十分に排出した後に、連続し
てモノシランとSnH4を適量比率で混合して所定膜厚
の錫含有アモルファスシリコン含有微結晶シリコン膜を
形成し、前の原料ガスを十分に排出した後に、連続して
原料ガスをカットしてバイアス触媒AHA処理により多
結晶性シリコン膜を形成し、必要に応じて前の原料ガス
を十分に排出した後に、連続してモノシランとHe希釈
2を適当比率で混合して所定膜厚の酸化シリコン膜を
形成する。成膜後は原料ガスをカットし、触媒体を問題
ない温度まで冷却して水素系キャリアガスをカットす
る。この時、絶縁性薄膜形成時の原料ガスは傾斜減少又
は傾斜増加させて、傾斜接合の膜としてもよい。
【0129】或いは、それぞれ独立したチャンバで形成
する場合は、各チャンバ内に水素系キャリアガスを常時
供給し、触媒体を所定温度に加熱してスタンバイしてお
き、次のように処理してよい。Aチャンバに移し、モノ
シランにアンモニアを適量比率で混合して所定膜厚の窒
化シリコン膜を形成する。次にBチャンバに移し、モノ
シランにHe希釈O2を適量比率で混合して酸化シリコ
ン膜を形成する。次にCチャンバに移し、モノシランと
SnH4を適量比率で混合して錫含有のアモルファスシ
リコン含有微結晶シリコン膜を形成し、連続して(或い
は別のチャンバで)水素系キャリアガスのみによるバイ
アス触媒AHA処理により多結晶性シリコン膜を形成す
る。必要に応じて次にBチャンバに移し、モノシランに
He希釈O2を適量比率で混合して酸化シリコン膜を形
成する。成膜後は原料ガスをカットし、触媒体を問題な
い温度まで冷却して水素系キャリアガスをカットする。
この時に、それぞれのチャンバ内に水素系キャリアガス
とそれぞれの原料ガスを常時供給して、スタンバイの状
態にしておいてもよい。
【0130】そして次に、多結晶性シリコン膜7をソー
ス、チャンネル及びドレイン領域とするMOSTFTの
作製を行なう。
【0131】即ち、図2の(4)に示すように、汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチングにより多結晶性シリコ
ン膜7をアイランド化した後、nMOSTFT用のチャ
ンネル領域の不純物濃度制御によるしきい値(Vth)の
最適化のために、pMOSTFT部をフォトレジスト9
でマスクし、イオン注入又はイオンドーピングによりp
型不純物イオン(例えばボロンイオン)10を例えば5
×1011atoms/cm2のドーズ量でドーピング
し、1×1017atoms/ccのアクセプタ濃度に設
定し、多結晶性シリコン膜7の導電型をp型化した多結
晶性シリコン膜11とする。なお、このとき、必要に応
じて、ダイオード、コンデンサ、インダクタンス、抵抗
等の領域を形成してもよく、このためには、汎用フォト
リソグラフィ及びエッチング技術により、表示領域のn
MOSTFT部と、周辺駆動回路領域のnMOSTFT
部とpMOSTFT部を所定パターンのフォトレジスト
でマスクし、CF4等でドライエッチングし、フォトレ
ジストを剥離除去する。
【0132】次いで、図2の(5)に示すように、pM
OSTFT用のチャンネル領域の不純物濃度制御による
thの最適化のために、今度はnMOSTFT部をフォ
トレジスト12でマスクし、イオン注入又はイオンドー
ピングによりn型不純物イオン(例えば燐イオン)13
を例えば1×1012atoms/cm2のドーズ量でド
ーピングし、2×1017atoms/ccのドナー濃度
に設定し、多結晶性シリコン膜7の導電型をn型化した
多結晶性シリコン膜14とする。
【0133】次いで、図3の(6)に示すように、必要
あれば結晶化促進と膜中の不純物の活性化のために上記
の触媒AHA処理又はバイアス触媒AHA処理を行なっ
た後、触媒CVD又はバイアス触媒CVD等によりゲー
ト絶縁膜の酸化シリコン膜50nm厚8を形成した後、
ゲート電極材料としてのリンドープド多結晶シリコン膜
15を例えば2〜20SCCMのPH3及び20SCC
Mのモノシランの供給下での上記と同様の触媒CVD法
によって厚さ例えば400nm厚に堆積させる。
【0134】次いで、図3の(7)に示すように、フォ
トレジスト16を所定パターンに形成し、これをマスク
にしてリンドープド多結晶シリコン膜15をゲート電極
形状にパターニングし、更に、必要に応じてフォトレジ
スト16の除去後に図3の(8)に示すように、例えば
触媒CVD等によりゲート電極用保護膜の酸化シリコン
膜17を20〜30nm厚に形成する。
【0135】次いで、図3の(9)に示すように、pM
OSTFT部をフォトレジスト18でマスクし、イオン
注入又はイオンドーピングによりn型不純物である例え
ば燐イオン19を例えば1×1015atoms/cm2
のドーズ量でドーピングし、2×1020atoms/c
cのドナー濃度に設定し、nMOSTFTのn+型ソー
ス領域20及びドレイン領域21をそれぞれ形成する。
【0136】次いで、図4の(10)に示すように、n
MOSTFT部をフォトレジスト22でマスクし、イオ
ン注入又はイオンドーピングによりp型不純物である例
えばボロンイオン23を例えば1×1015atoms/
cm2のドーズ量でドーピングし、2×1020atom
s/ccのアクセプタ濃度に設定し、pMOSTFTの
+型ソース領域24及びドレイン領域25をそれぞれ
形成する。
【0137】こうしてゲート、ソース及びドレインを形
成するが、これらは上記したプロセス以外の方法で形成
することが可能である。
【0138】即ち、図1の(3)の工程後に、多結晶性
シリコン膜7をpMOSTFTとnMOSTFT領域に
アイランド化し、pMOSTFT領域にイオン注入又は
イオンドーピングでn型不純物、例えば燐イオンを1×
1012atoms/cm2のドーズ量でドーピングし、
2×1017atoms/ccのドナー濃度に設定し、n
MOSTFT領域にp型不純物、例えばボロンイオンを
5×1011atoms/cm2のドーズ量でドーピング
し、1×1017atoms/ccのアクセプタ濃度に設
定し、各チャンネル領域の不純物濃度を制御し、Vth
最適化する。
【0139】しかる後、必要あれば膜中の不純物のイオ
ン活性化のために触媒AHA処理又はバイアス触媒AH
A処理を行った後、ゲート絶縁膜として酸化シリコン膜
を形成するが、必要に応じて連続して窒化シリコン膜と
酸化シリコン膜を形成する。即ち、必要に応じて、触媒
AHA処理又はバイアス触媒AHA処理後に連続して触
媒CVD又はバイアス触媒CVD法により、水素系キャ
リアガスとモノシランにHe希釈O2を適量比率で混合
して酸化シリコン膜8を20〜30nm厚に形成し、必
要に応じて水素系キャリアガスとモノシランにNH3
適量比率で混合して窒化シリコン膜を10〜20nm厚
に形成し、更に前記の条件で酸化シリコン膜を20〜3
0nm厚に形成する。
【0140】なお、上記のゲート電極の形成に代えて、
全面にMo−Ta合金等の耐熱性金属のスパッタ膜40
0〜500nm厚を形成し、汎用フォトリソグラフィ及
びエッチング技術により、nMOSTFT及びpMOS
TFTのゲート電極を形成する。
【0141】そして、次に、汎用フォトリソグラフィ技
術により、フォトレジストマスクで各ソース/ドレイン
領域を形成する。nMOSTFTの場合、イオン注入又
はイオンドーピング法によりn型不純物、例えばひ素、
燐イオンを1×1015atoms/cm2のドーズ量で
ドーピングし、2×1020atoms/ccのドナー濃
度に設定し、pMOSTFTの場合、イオン注入又はイ
オンドーピング法によりp型不純物、例えばボロンイオ
ンを1×1015atoms/cm2のドーズ量でドーピ
ングし、2×1020atoms/ccのアクセプタ濃度
に設定する。
【0142】次いで、図4の(11)に示すように、全
面に上記したと同様の触媒CVD又はバイアス触媒CV
D法によって、水素系キャリアガス150SCCMを共
通として、1〜2SCCMのヘリウムガス希釈のO2
15〜20SCCMのモノシラン供給下で酸化シリコン
膜26を例えば100〜200nm厚に、1〜20SC
CMのPH3、1〜2SCCMのヘリウム希釈のO2、1
5〜20SCCMのモノシラン供給下でフォスフィンシ
リケートガラス(PSG)膜27を300〜400nm
厚に形成し、50〜60SCCMのNH3、15〜20
SCCMのモノシラン供給下で窒化シリコン膜28を例
えば100〜200nm厚に形成し、積層絶縁膜を形成
する。その後に、例えば約1000℃で20〜30秒の
RTA(Rapid Thermal Anneal)処理でイオン活性化さ
せ、各領域に設定したキャリア不純物濃度とする。
【0143】次いで、図4の(12)に示すように、上
記の絶縁膜の所定位置にコンタクト窓開けを行い、各コ
ンタクトホールを含む全面に1%Si入りアルミニウム
等の電極材料をスパッタ法等で150℃で1μmの厚み
に堆積し、これをパターニングして、pMOSTFT及
びnMOSTFTのそれぞれのソース又はドレイン電極
29(S又はD)とゲート取出し電極又は配線30
(G)を形成し、トップゲート型の各CMOSTFTを
形成する。この後に、フォーミングガス中で400℃、
1hの水素化及びシンター処理する。尚、触媒CVD法
により、アルミニウム化合物ガス(例えばAlCl3
を供給し、アルミニウムを形成してもよい。
【0144】なお、シリコン合金溶融液の液相成長法と
バイアス触媒AHA処理を適用したトップゲート型多結
晶シリコンCMOSTFTの製法例について説明する
と、まず、下記のいずれかの方法で錫含有又は非含有の
アモルファスシリコン含有微結晶シリコン層を(析出)
成長させた後、その上の錫等の低融点金属膜を除去す
る。必要に応じてn型又はp型キャリア不純物を適量混
入させてもよい。シリコンを含む錫等の低融点金属溶融
液を塗布し、冷却させる。シリコンを含む錫等の低融点
金属溶融液に浸漬し、引き上げて冷却させる。シリコン
を含む錫等の低融点金属膜を加熱溶融し、冷却させる。
アモルファスシリコン膜の上に錫等の低融点金属膜を形
成し、加熱溶融及び冷却させる。錫等の低融点金属膜の
上にアモルファスシリコン膜を形成し、加熱溶融及び冷
却させる。
【0145】次いで、錫含有又は非含有のアモルファス
シリコン含有微結晶シリコン層をアイランド化して、p
MOSTFT部とnMOSTFT部に分割し、イオン注
入又はイオンドーピング法によりチャンネル領域の不純
物濃度を制御してVthを最適化する(条件は、上述した
ものに準ずる)。しかる後に、イオン注入又はイオンド
ーピング法によりpMOSTFT部とnMOSTFT部
のソース、ドレインを形成する(条件は、上述したもの
に準ずる)。
【0146】次いで、バイアス触媒AHA処理で結晶化
促進とイオン活性化を行なう(条件は、上述したものに
準ずる)。連続して触媒CVDによりゲート絶縁膜の酸
化シリコン膜を形成するが、必要に応じて連続して窒化
シリコン膜及び酸化シリコン膜を形成する(成膜条件
は、上述したものに準ずる)。これ以降のプロセスは、
上述したものと同様である。また、この液相成長法を用
いる方法は、後述のボトムゲート型、デュアルゲート型
CMOSTFT等にも、同様に適用されてよい。
【0147】スパッタリング膜のバイアス触媒AHA処
理を適用したトップゲート型多結晶シリコンCMOST
FTの製法例について説明すると、まず、錫を0.1〜
1at%含有する或いは非含有でキャリア不純物濃度の
制御されたシリコンターゲットを、アルゴンガス圧0.
133〜1.33Paの真空中でスパッタリングして、
絶縁性基板の少なくともTFT形成領域に50〜100
nm厚の例えば錫含有又は非含有のアモルファスシリコ
ン含有微結晶シリコン膜を形成する。
【0148】次いで、形成した錫含有又は非含有のアモ
ルファスシリコン含有微結晶シリコン膜をアイランド化
し、pMOSTFT部とnMOSTFT部に分割する
(条件は気相成長法の場合に準ずる)。しかる後に、ゲ
ートチャンネル、ソース、ドレインを形成する(条件は
気相成長法の場合に準ずる)。
【0149】次いで、錫含有又は非含有のアモルファス
シリコン含有微結晶シリコン膜をバイアス触媒AHA処
理する。このバイアス触媒AHA処理により、多結晶性
シリコン膜化し、イオン注入又はイオンドーピングした
n型又はp型不純物を活性化して、ゲートチャンネル、
ソース、ドレイン領域の最適なキャリア不純物濃度を形
成する(触媒AHA処理条件は上述したものに準ず
る)。
【0150】次いで、ゲート絶縁膜として酸化シリコン
膜を形成するが、必要に応じて連続して窒化シリコン膜
及び酸化シリコン膜を形成する。即ち、触媒CVD又は
バイアス触媒CVD法等により、酸化シリコン膜を40
〜50nm厚、窒化シリコン膜を10〜20nm厚、酸
化シリコン膜を40〜50nm厚に連続形成する(成膜
条件は上述したものに準ずる)。
【0151】以降のプロセスは、上述したものと同様で
ある。また、このスパッタリング膜を用いる方法は、後
述のボトムゲート型、デュアルゲート型CMOSTFT
等についても、同様に適用されてよい。
【0152】上述したように、本実施の形態によれば、
下記(a)〜(o)の優れた作用効果を得ることができ
る。
【0153】(a)減圧下(特に10〜50Paの水素
系ガス圧)で、水素又は水素含有ガスを高温触媒体(例
えばタングステン、1600〜1800℃)に接触させ
て、大量の高温の水素系活性種(水素系分子、水素系原
子、活性化水素イオン等)等を生成し、基板上に形成し
た錫含有又は非含有、特に錫含有のアモルファスシリコ
ン含有微結晶シリコン膜等の低級結晶性シリコン膜にグ
ロー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用によ
る指向性運動エネルギーの付与下で吹き付けて(基板温
度例えば300〜400℃)、バイアス触媒AHA処理
することにより、大量の高温の水素系活性種等が有する
高い熱エネルギーが低級結晶性シリコン膜に効率良く移
動して、その膜温度を局部的かつ均一に効率良く上昇さ
せ、アモルファス構造のシリコンが水素系活性種の作用
により選択的にエッチングされ、アモルファスシリコン
や微結晶シリコンは多結晶化し、又、多結晶シリコンの
場合は高結晶化し、IV族元素添加の効果によりその結晶
粒界に存在する結晶不整及び内部応力を低減させてキャ
リア移動度の向上を図ることができる。微結晶シリコン
含有アモルファスシリコン、アモルファスシリコン含有
微結晶シリコンなどは、その微結晶シリコンをシードに
効率よく再結晶化を促進して、大粒径多結晶性シリコン
化する。そして、その膜に含有されるアモルファス構造
のシリコンが水素系活性種の作用により選択的にエッチ
ングされるので、効率良く高結晶化率の多結晶性シリコ
ン膜が形成される。
【0154】(b)この時に、大量の高温の水素系活性
種などを触媒体温度等のみならず、電界又は/及び磁界
で独立してコントロールするので、効率良く結晶化及び
再結晶化でき、大粒径多結晶性シリコン膜化が可能であ
り、高キャリア移動度、高品質の多結晶性シリコン薄膜
を得ることができる。又、例えば30keV、1015
toms/cm2(SiF4使用)のシリコンイオンの注
入後にバイアス触媒AHA処理すると、結晶核成長の促
進により更に大粒径の多結晶性シリコン膜化が可能であ
り、さらなる高キャリア移動度化が可能となる。
【0155】(c)しかも、多結晶性シリコン等の膜上
又は膜内にシリコン酸化物が存在したときに、電界又は
/及び磁界の作用によりそれと効率良く反応してSiO
を生成して蒸発させるので、その膜上又は膜内のシリコ
ン酸化物を減少/除去させることができ、高キャリア移
動度、高品質の多結晶性シリコン膜等を得ることができ
る。
【0156】(d)このバイアス触媒AHA処理時に、
多結晶性半導体薄膜中に存在するキャリア不純物は高温
により効率良く活性化され、各領域において最適なキャ
リア不純物濃度を得る。
【0157】(e)また、活性化水素イオン等の水素系
活性種によるクリーニング(基板等への吸着ガス及び有
機物残渣等の還元除去)が可能であり、触媒体も酸化劣
化し難くなる(なお、このような効果は、上記の低級結
晶性シリコン薄膜を触媒CVDで形成する時も水素系キ
ャリアガスを用いることから、同様に生じる)。
【0158】(f)活性化水素イオン等の水素系活性種
の水素化作用により、半導体膜中の例えばシリコンダン
グリングボンドをなくし、特性が向上する。
【0159】(g)こうしてバイアス触媒AHA処理さ
れた多結晶性膜上に更に低級結晶性半導体薄膜を気相成
長させる工程を目的とする膜厚となるまで繰り返すと、
この半導体薄膜は既にバイアス触媒AHA処理で多結晶
化された下地膜上に多結晶化され易い状態で成長し易く
なり、目的とする高結晶化率、高品質の多結晶性半導体
薄膜を所定の膜厚で得ることができ、また上記したと同
様のクリーニング作用により酸素、金属等によるコンタ
ミを低減させて更なる高性能化、高品質化が可能とな
る。即ち、触媒CVD又はバイアス触媒CVDとバイア
ス触媒AHA処理を繰り返すマルチバイアス触媒AHA
処理により、例えば触媒CVD又はバイアス触媒CVD
で成膜された微結晶シリコン含有アモルファスシリコン
膜、アモルファスシリコン及び微結晶シリコン含有多結
晶シリコン膜をバイアス触媒AHA処理で多結晶性シリ
コン膜化した後、更にこの多結晶シリコンをシードとし
た触媒CVD又はバイアス触媒CVDで多結晶性シリコ
ン膜の気相成長、更にはバイアス触媒AHA処理を繰り
返す(繰り返し回数が1回で2ステップバイアス触媒A
HA処理、2回又はそれ以上ではマルチバイアス触媒A
HA処理と称する。)ので、高結晶化率、大粒径の多結
晶性シリコン膜を形成することができる。この場合、上
記の電界又は/及び磁界印加(バイアス)の作用下で処
理するため、効率が向上し、バイアスを作用させない場
合に比べて繰り返し処理の回数を減少させ、スループッ
トを向上させることもできる。
【0160】(h)この触媒CVD又はバイアス触媒C
VD及びバイアス触媒AHA処理はいずれも、プラズマ
の発生なしに行えるので、プラズマによるダメージがな
く、低ストレスの生成膜が得られ、またプラズマCVD
法に比べ、シンプルで安価な装置を実現できる。
【0161】(i)基体温度を低温化しても反応種又は
水素系活性種のエネルギーが大きいために、目的とする
良質の膜が得られることから、基体温度を低温化でき
(例えば300〜400℃)、従って大型で安価な絶縁
基板(ガラス基板、耐熱性樹脂基板等)を使用でき、こ
の点でもコストダウンが可能となる。
【0162】(j)触媒CVD又はバイアス触媒CVD
による成膜(或いは、この後にゲートチャンネル/ソー
ス/ドレインの形成)後にバイアス触媒AHA処理を行
う場合、触媒体の種類及び温度、基板加熱温度、気相成
膜条件、原料ガスの種類、添加するn又はp型不純物濃
度等により、広範囲のn又はp型不純物濃度の錫又は他
のIV族元素(鉛、ゲルマニウム)含有多結晶性シリコン
膜が容易に得られ、またバイアス触媒AHA処理により
多結晶性シリコン膜の大粒径化、多結晶性シリコン粒界
に存在する結晶不整を減少させて内部応力を減少させ、
同時に各領域に添加したn又はp型不純物を活性化させ
るので、高いキャリア移動度でしきい値(Vth)調整が
容易となり、低抵抗での高速動作が可能となる。
【0163】(k)シリコン合金溶融液式液相成長法の
成膜後のバイアス触媒AHA処理の場合、シリコン合金
組成比、溶融液温度、冷却方法/速度、添加するn又は
p型不純物濃度等により、広範囲のn型又はp型不純物
濃度の錫又は他のIV族元素(鉛、ゲルマニウム)含有の
アモルファスシリコン及び微結晶シリコン含有多結晶シ
リコン膜等が得られ、かつ、バイアス触媒AHA処理に
より多結晶性シリコン膜の大粒径化、多結晶性シリコン
粒界に存在する結晶不整を減少させて内部応力を減少さ
せ、同時に各領域に添加したn又はp型不純物を活性化
させるので、高いキャリア移動度で、Vth調整が容易と
なり、低抵抗での高速動作が可能となる。
【0164】(l)プラズマCVDによる成膜後のバイ
アス触媒AHA処理の場合、プラズマCVDでの低級結
晶性シリコン膜中に10〜20%含有する水素をバイア
ス触媒AHA処理で減少させて多結晶性シリコン膜を形
成し、多結晶性シリコン粒界に存在する結晶不整を減少
させて内部応力を減少させ、同時に各領域に添加したn
又はp型不純物を活性化させるので、高いキャリア移動
度の多結晶性シリコン膜の形成が可能となる。更に、基
板加熱温度、気相成膜条件、原料ガスの種類、バイアス
触媒AHA処理条件、添加するn又はp型不純物濃度等
により、広範囲のn又はp型キャリア不純物濃度の錫又
は他のIV族元素(鉛、ゲルマニウム)含有多結晶性シリ
コン膜が得られるので、Vth調整が容易で、低抵抗での
高速動作が可能となる。
【0165】(m)スパッタリングによる成膜後のバイ
アス触媒AHA処理の場合、シリコンターゲットの比抵
抗(添加するn又はp型不純物濃度、錫又は他のIV族元
素)、スパッタリング成膜条件、基板加熱温度、バイア
ス触媒AHA処理条件等により、広範囲のn又はp型キ
ャリア不純物濃度の錫又は他のIV族元素(鉛、ゲルマニ
ウム)含有多結晶性シリコン膜を形成し、多結晶性シリ
コン粒界に存在する結晶不整を減少させて内部応力を減
少させ、同時に各領域に添加したn又はp型不純物を活
性化させるので、高いキャリア移動度で、Vth調整が容
易となり、低抵抗での高速動作が可能となる。
【0166】(n)トップゲート型のみならず、後述す
るボトムゲート型、デュアルゲート型MOSTFTでも
高いキャリア移動度の多結晶性シリコン膜が得られるた
めに、この高性能の多結晶性シリコン半導体膜を使用し
た高速、高電流密度の半導体装置、電気光学装置、更に
は、高効率の太陽電池等の製造が可能となる。例えば液
晶表示装置は、高いスイッチング特性と低リーク電流の
LDD構造を有する表示部と、高い駆動能力のCMOS
又はnMOS、又はpMOS周辺駆動回路、映像信号処
理回路、メモリー回路等の周辺回路を一体化した構成が
可能となり、高画質、高精細、狭額縁、高効率、安価な
液晶パネルが実現可能である。
【0167】(o)ゲートチャンネル/ソース/ドレイ
ン領域に添加されたn又はp型不純物の活性化に、条件
によっては触媒CVD又はバイアス触媒CVD装置が兼
用できるので、設備投資の削減、生産性向上でのコスト
ダウンが可能となる。
【0168】第2の実施の形態 <LCDの製造例1>本実施の形態は、高温プロセスに
よる多結晶性シリコンMOSTFTを用いたLCD(液
晶表示装置)に本発明を適用したものであり、以下にそ
の製造例を示す。尚、この製造例は、後述する有機EL
やFED等の表示装置等にも同様に適用可能である。
【0169】まず、図16の(1)、(2)に示すよう
に、画素部及び周辺回路部において、石英ガラス、結晶
化ガラスなどの耐熱性絶縁基板61(歪点約800〜1
100℃、厚さ50ミクロン〜数mm)の一主面に、上
述した触媒CVD法(又はバイアス触媒CVD法)、更
にはバイアス触媒AHA処理によって、保護膜100
(ここでは図示省略:以下、同様)を形成後に、この上
に低級結晶性シリコン膜67A、更には多結晶性シリコ
ン膜67を50nm厚に形成する。
【0170】次いで、図16の(3)に示すように、フ
ォトレジストマスクを用いて多結晶性シリコン膜67を
パターニング(アイランド化)し、トランジスタ、ダイ
オード等の能動素子、抵抗、容量、インダクタンス等の
受動素子の活性層を形成する。
【0171】次いで、トランジスタ活性層67のチャン
ネル領域の不純物濃度制御によるV thの最適化のために
前記と同様のボロン又は燐等の所定の不純物のイオン注
入を行なった後、図16の(4)に示すように、例えば
上記と同様の触媒CVD法等によって多結晶性シリコン
膜67の表面に厚さ例えば50nm厚のゲート絶縁膜用
の酸化シリコン膜68を形成する。触媒CVD法等でゲ
ート絶縁膜用の酸化シリコン膜68を形成する場合、基
板温度及び触媒体温度は上記したものと同様であるが、
酸素ガス流量は1〜2SCCM、モノシランガス流量は
15〜20SCCM、水素系キャリアガスは150SC
CMとしてよい。尚、チャンネル領域の不純物濃度制御
する前又は後に、例えば、約1000℃、30分の高温
熱酸化により、ゲート絶縁膜用の酸化シリコン膜68を
形成してもよい。
【0172】次いで、図16の(5)に示すように、ゲ
ート電極及びゲートライン用材料として、例えばMo−
Ta合金をスパッタリングで厚さ例えば400nm厚に
堆積させるか、或いは、リンドープド多結晶シリコン膜
を例えば水素系キャリアガス150SCCM、2〜20
SCCMのPH3及び20SCCMのモノシランガスの
供給下での上記と同様の触媒CVD法等によって厚さ例
えば400nm厚に堆積させる。そして、汎用フォトリ
ソグラフィー及びエッチング技術により、ゲート電極材
料層をゲート電極75及びゲートラインの形状にパター
ニングする。尚、リンドープド多結晶性シリコン膜の場
合は、触媒CVD等により、その表面に保護用酸化シリ
コン膜(10〜20nm厚)を形成してもよい。
【0173】次いで、図17の(6)に示すように、p
MOSTFT部をフォトレジスト78でマスクし、イオ
ン注入又はイオンドーピング法によりn型不純物である
例えばヒ素(又は燐)イオン79を例えば1×1015
toms/cm2のドーズ量でドーピングし、2×10
20atoms/ccのドナー濃度に設定し、nMOST
FTのn+型ソース領域80及びドレイン領域81をそ
れぞれ形成する。
【0174】次いで、図17の(7)に示すように、n
MOSTFT部をフォトレジスト82でマスクし、イオ
ン注入又はイオンドーピング法によりp型不純物である
例えばボロンイオン83を例えば1×1015atoms
/cm2のドーズ量でドーピングし、2×1020ato
ms/ccのアクセプタ濃度に設定し、pMOSTFT
のp+型ソース領域84及びドレイン領域85をそれぞ
れ形成する。
【0175】次いで、図17の(8)に示すように、全
面に上記したと同様の触媒CVD法(又はバイアス触媒
CVD法)等によって、水素系キャリアガス150SC
CMを共通として、1〜2SCCMのHe希釈O2、1
5〜20SCCMのモノシラン供給下で酸化シリコン膜
を例えば100〜200nm厚に、更に、1〜20SC
CMのPH3、1〜2SCCMのHe希釈O2、15〜2
0SCCMのモノシラン供給下でフォスフィンシリケー
トガラス(PSG)膜を300〜400nm厚に形成
し、50〜60SCCMのNH3、15〜20SCCM
のSiH4供給下で窒化シリコン膜を例えば100〜2
00nm厚に形成する。これらの絶縁膜の積層によって
層間絶縁膜86を形成する。なお、このような層間絶縁
膜は、上記とは別の通常の方法で形成してもよい。この
後に、例えば900℃、5分間のN2中のアニール又は
1000℃、20〜30秒のN2中のRTA処理により
イオン活性化し、各領域に設定したキャリア不純物濃度
とする。
【0176】次いで、図18の(9)に示すように、上
記の絶縁膜86の所定位置にコンタクト窓開けを行い、
各コンタクトホールを含む全面にアルミニウムなどの電
極材料をスパッタ法等で約1μmの厚みに堆積し、これ
をパターニングして、画素部のnMOSTFTのソース
電極87及びデータライン、周辺回路部のpMOSTF
T及びnMOSTFTのソース電極88、90とドレイ
ン電極89、91及び配線をそれぞれ形成する。尚、こ
の時に、触媒CVD法によりアルミニウムを形成しても
よい。この後に、例えばフォーミングガス中、400
℃、1hの水素化及びシンター処理する。
【0177】次いで、表面上に酸化シリコン膜等の層間
絶縁膜92を触媒CVD法等で形成した後、図18の
(10)に示すように、画素部のnMOSTFTドレイ
ン領域において層間絶縁膜92及び86にコンタクトホ
ールを開け、例えばITO(Indium tin oxide:インジ
ウム酸化物にスズをドープした透明電極材料)を真空蒸
着法等で全面に堆積させ、パターニングしてnMOST
FTのドレイン領域81に接続された透明画素電極93
を形成する。この後に、例えばフォーミングガス中、2
50℃、1h、アニールして、ITOとのオーミックコ
ンタクトを改善し、ITOの透明度を向上させる。
【0178】こうしてアクティブマトリクス基板(以降
TFT基板と称す)を作製し、透過型のLCDを作製す
ることができる。この透過型LCDは、図18の(1
1)に示すように、画素電極93上に配向膜94、液晶
95、配向膜96、透明電極97、対向基板98が積層
された構造からなっている。
【0179】なお、上記した工程は、反射型のLCDの
製造にも同様に適用可能である。図23(A)には、こ
の反射型のLCDの一例が示されているが、図中の10
1は粗面化された絶縁膜92上に被着された反射膜であ
り、MOSTFTのドレインと接続されている。
【0180】このLCDの液晶セルを面面組立で作製す
る場合(2インチサイズ以上の中/大型液晶パネルに適
している。)、まずTFT基板61と、全面ベタのIT
O(Indium Tin Oxide)電極97を設けた対向基板98
の素子形成面に、ポリイミド配向膜94、96を形成す
る。このポリイミド配向膜はロールコート、スピンコー
ト等により50〜100nm厚に形成し、180℃/2
hで硬化キュアする。
【0181】次いで、TFT基板61と対向基板98を
ラビング、又は光配向処理する。ラビングバフ材にはコ
ットンやレーヨン等があるが、バフかす(ゴミ)やリタ
デーション等の面からはコットンの方が安定している。
光配向は非接触の線型偏光紫外線照射による液晶分子の
配向技術である。なお、配向には、ラビング以外にも、
偏光又は非偏光を斜め入射させることによって高分子配
向膜を形成することができる(このような高分子化合物
は、例えばアゾベンゼンを有するポリメチルメタクリレ
ート系高分子等がある)。
【0182】次いで、洗浄後に、TFT基板61側には
コモン剤塗布、対向基板98側にはシール剤塗布する。
ラビングバフかす除去のために、水、又はIPA(イソ
プロピルアルコール)洗浄する。コモン剤は導電性フィ
ラーを含有したアクリル、又はエポキシアクリレート、
又はエポキシ系接着剤であってよく、シール剤はアクリ
ル、又はエポキシアクリレート、又はエポキシ系接着剤
であってよい。加熱硬化、紫外線照射硬化、紫外線照射
硬化+加熱硬化のいずれも使用できるが、重ね合せの精
度と作業性からは紫外線照射硬化+加熱硬化タイプが良
い。
【0183】次いで、対向基板98側に所定のギャップ
を得るためのスペーサを散布し、TFT基板61と所定
の位置で重ね合せる。対向基板98側のアライメントマ
ークとTFT基板61側のアライメントマークとを精度
よく合わせた後に、紫外線照射してシール剤を仮硬化さ
せ、その後に一括して加熱硬化する。
【0184】次いで、スクライブブレークして、TFT
基板61と対向基板98を重ね合せた単個の液晶パネル
を作成する。
【0185】次いで、液晶95を両基板61−98間の
ギャップ内に注入し、注入口を紫外線接着剤で封止後
に、IPA洗浄する。液晶の種類は何れでも良いが、例
えばネマティック液晶を用いる高速応答のTN(ツイス
トネマティック)モードが一般的である。
【0186】次いで、加熱急冷処理して、液晶95を配
向させる。
【0187】次いで、TFT基板61のパネル電極取り
出し部にフレキシブル配線を異方性導電膜の熱圧着で接
続し、更に対向基板98に偏光板を貼合わせる。
【0188】また、液晶パネルの面単組立の場合(2イ
ンチサイズ以下の小型液晶パネルに適している。)、上
記と同様、TFT基板61と対向基板98の素子形成面
に、ポリイミド配向膜94、96を形成し、両基板をラ
ビング、又は非接触の線型偏光紫外線光の配向処理す
る。
【0189】次いで、TFT基板61と対向基板98を
ダイシング又はスクライブブレークで単個に分割し、水
又はIPA洗浄する。TFT基板61にはコモン剤塗
布、対向基板98にはスペーサ含有のシール剤塗布し、
両基板を重ね合せる。これ以降のプロセスは上記に準ず
る。
【0190】上記したLCDにおいて、対向基板98は
CF(カラーフィルタ)基板であって、カラーフィルタ
層(図示せず)をITO電極97下に設けたものであ
る。対向基板98側からの入射光は例えば反射膜93で
効率良く反射されて対向基板98側から出射してよい。
【0191】他方、TFT基板61として、TFT基板
61にカラーフィルタを設けたオンチップカラーフィル
タ(OCCF)構造のTFT基板とするときには、対向
基板98にはITO電極がベタ付け(又はブラックマス
ク付きのITO電極がベタ付け)される。
【0192】透過型LCDの場合、次のようにしてオン
チップカラーフィルタ(OCCF)構造とオンチップブ
ラック(OCB)構造を作製することができる。
【0193】即ち、図18の(12)に示すように、フ
ォスフィンシリケートガラス/酸化シリコンの絶縁膜8
6のドレイン部も窓開けしてドレイン電極用のアルミニ
ウム埋込み層を形成した後、R、G、Bの各色を各セグ
メント毎に顔料分散したフォトレジスト99を所定厚さ
(1〜1.5μm)で形成した後、汎用フォトリソグラ
フィ技術で所定位置(各画素部)のみを残すパターニン
グで各カラーフィルタ層99(R)、99(G)、99
(B)を形成する(オンチップカラーフィルタ構造)。
この際、ドレイン部の窓開けも行う。なお、不透明なセ
ラミック基板や低透過率のガラス及び耐熱性樹脂基板は
使用できない。
【0194】次いで、表示用TFTのドレインに連通す
るコンタクトホールに、カラーフィルタ層上にかけてブ
ラックマスク層となる遮光層100’を金属のパターニ
ングで形成する。例えば、スパッタ法により、モリブデ
ンを200〜250nm厚で成膜し、表示用MOSTF
Tを覆って遮光する所定の形状にパターニングする(オ
ンチップブラック構造)。
【0195】次いで、透明樹脂の平坦化膜92を形成
し、更にこの平坦化膜に設けたスルーホールにITO透
明電極93を遮光層100’に接続するように形成す
る。
【0196】このように、表示アレイ部上に、カラーフ
ィルタ99やブラックマスク100’を作り込むことに
より、液晶表示パネルの開口率、輝度等の改善、カラー
フィルタ基板の不要化、生産性改善等によるコストダウ
ン、またバックライトも含めたディスプレイモジュール
の低消費電力化が実現する。
【0197】図19は、上述のトップゲート型MOST
FTを組み込んで駆動回路一体型に構成したアクティブ
マトリクス液晶表示装置(LCD)の全体を概略的に示
すものである。このアクティブマトリクスLCDは、主
基板61(これはアクティブマトリクス基板を構成す
る。)と対向基板98とをスペーサ(図示せず)を介し
て貼り合わせたフラットパネル構造からなり、両基板6
1−98間に液晶(ここでは図示せず)が封入されてい
る。主基板61の表面には、マトリクス状に配列した画
素電極93と、この画素電極を駆動するスイッチング素
子とからなる表示部、及びこの表示部に接続される周辺
駆動回路部とが設けられている。
【0198】表示部のスイッチング素子は、上記したn
MOS又はpMOS又はCMOSでLDD構造のトップ
ゲート型MOSTFTで構成される。また、周辺駆動回
路部にも、回路要素として、上記したトップゲート型M
OSTFTのCMOS又はnMOS又はpMOSTFT
又はこれらの混在が形成されている。なお、一方の周辺
駆動回路部はデータ信号を供給して各画素のTFTを水
平ライン毎に駆動する水平駆動回路であり、また他方の
周辺駆動回路部は各画素のTFTのゲートを走査ライン
毎に駆動する垂直駆動回路であり、通常は表示部の両辺
にそれぞれ設けられる。これらの駆動回路は、点順次ア
ナログ方式、線順次デジタル方式のいずれも構成でき
る。
【0199】図20に示すように、直交するゲートバス
ラインとデータバスラインの交差部に上記のMOSTF
Tが配置され、このMOSTFTを介して液晶容量(C
LC)に画像情報を書き込み、次の情報がくるまで電荷を
保持する。この場合、TFTのチャンネル抵抗だけで保
持させるには十分ではないので、それを補うため液晶容
量と並列に蓄積容量(補助容量)(CS)を付加し、リ
ーク電流による液晶電圧の低下を補ってよい。こうした
LCD用MOSTFTでは、画素部(表示部)に使用す
るTFTの特性と周辺駆動回路に使用するTFTの特性
とでは要求性能が異なり、特に画素部のTFTではオフ
電流の制御、オン電流の確保が重要な問題となる。この
ため、表示部には、後述の如きLDD構造のTFTを設
けることによって、ゲート−ドレイン間に電界がかかり
にくい構造としてチャンネル領域にかかる実効的な電界
を低減させ、オフ電流を低減し、特性の変化も小さくで
きる。しかし、プロセス的には複雑になり、素子サイズ
も大きくなり、かつオン電流が低下するなどの問題も発
生するため、それぞれの使用目的に合わせた最適設計が
必要である。
【0200】なお、使用可能な液晶としては、TN液晶
(アクティブマトリクス駆動のTNモード用に用いられ
るネマチック液晶)をはじめ、STN(スーパーツイス
テッドネマチック)、GH(ゲスト・ホスト)、PC
(フェーズ・チェンジ)、FLC(強誘電性液晶)、A
FLC(反強誘電性液晶)、PDLC(ポリマー分散型
液晶)等の各種モード用の液晶を採用してよい。
【0201】<LCDの製造例2>次に、本実施の形態
による低温プロセスの多結晶性シリコンMOSTFTを
用いたLCD(液晶表示装置)の製造例を示す(この製
造例は後述する有機ELやFEDの表示装置等にも同様
に適用可能である)。
【0202】この製造例では、上述の製造例1におい
て、基板61としてアルミノけい酸ガラス、ホウケイ酸
ガラス等の低歪点ガラスを使用し、図16の(1)及び
(2)の工程を同様に行う。即ち、基板61上に触媒C
VD又はバイアス触媒CVD等とバイアス触媒AHA処
理により錫含有(又は非含有)の多結晶性シリコン膜6
7を形成してこれをアイランド化し、表示領域のnMO
STFT部と周辺駆動回路領域のnMOSTFT部及び
pMOSTFT部を形成する。この場合、同時に、ダイ
オード、コンデンサ、インダクタンス、抵抗等の領域を
形成する。
【0203】次いで、図21の(1)に示すように、各
MOSTFTゲートチャンネル領域のキャリア不純物濃
度を制御してVthを最適化するために、表示領域のnM
OSTFT部と周辺駆動回路領域のnMOSTFT部を
フォトレジスト82でカバーし、周辺駆動回路領域のp
MOSTFT部に、イオン注入又はイオンドーピング法
により例えば燐、ひ素等のn型不純物79を1×1012
atoms/cm2のドーズ量でドーピングし、2×1
17atoms/ccのドナー濃度に設定し、更に図2
1の(2)に示すように、周辺駆動回路領域のpMOS
TFT部をフォトレジスト82でカバーし、表示領域の
nMOSTFT部と周辺駆動回路領域のnMOSTFT
部に、イオン注入又はイオンドーピング法により例えば
ボロン等のp型不純物83を5×1011atoms/c
2のドーズ量でドーピングし、1×1017atoms
/ccのアクセプタ濃度を設定する。
【0204】次いで、図21の(3)に示すように、表
示領域のnMOSTFT部にn-型のLDD(Lightly D
oped Drain)部を形成するために、汎用フォトリソグラ
フィ技術により、表示領域のnMOSTFTのゲート部
と周辺駆動領域のpMOSTFT及びnMOSTFT全
部をフォトレジスト82で覆い、露出した表示領域のn
MOSTFTのソース/ドレイン領域に、イオン注入又
はイオンドーピング法により例えば燐等のn型不純物7
9を1×1013atoms/cm2のドーズ量でドーピ
ングし、2×1018atoms/ccのドナー濃度に設
定して、n-型のLDD部を形成する。
【0205】次いで、図22の(4)に示すように、表
示領域のnMOSTFT部及び周辺駆動回路領域のnM
OSTFT部の全部をフォトレジスト82でカバーし、
周辺駆動回路領域のpMOSTFT部のゲート部をフォ
トレジスト82でカバーして露出したソース、ドレイン
領域に、イオン注入又はイオンドーピング法により例え
ばボロン等のp型不純物83を1×1015atoms/
cm2のドーズ量でドーピングし、2×1020atom
s/ccのアクセプタ濃度に設定してp+型のソース部
84、ドレイン部85を形成する。
【0206】次いで、図22の(5)に示すように、周
辺駆動回路領域のpMOSTFT部をフォトレジスト8
2でカバーし、表示領域のnMOSTFTのゲート及び
LDD部と周辺駆動回路領域のnMOSTFT部のゲー
ト部をフォトレジスト82でカバーし、露出した表示領
域及び周辺駆動領域のnMOSTFTのソース、ドレイ
ン領域に、イオン注入又はイオンドーピング法により例
えば燐、ひ素等のn型不純物79を1×1015atom
s/cm2のドーズ量でイオンドーピングし、2×10
20atoms/ccのドナー濃度に設定し、n+型のソ
ース部80、ドレイン部81を形成する。
【0207】次いで、図22の(6)に示すように、プ
ラズマCVD、TEOS系プラズマCVD、触媒CVD
法等により、ゲート絶縁膜68として、酸化シリコン膜
40〜50nm厚、窒化シリコン膜10〜20nm厚、
酸化シリコン膜40〜50nm厚の積層膜を形成する。
そして、ハロゲンランプ等でのRTA処理を例えば、約
1000℃、10〜30秒行い、添加したn又はp型不
純物を活性化することにより、設定した各々のキャリア
不純物濃度を得る。
【0208】この後に、全面に400〜500nm厚の
1%Si入りアルミニウムスパッタ膜を形成し、汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチングにより、全TFTのゲ
ート電極75及びゲートラインを形成する。更にこの後
に、プラズマCVD、触媒CVD法等により、酸化シリ
コン膜100〜200nm厚、フォスフィンシリケート
ガラス(PSG)膜200〜300nm厚、窒化シリコ
ン膜100〜200nm厚の積層膜からなる絶縁膜86
を形成する。
【0209】次いで、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術により、周辺駆動回路の全TFT部のソース
/ドレイン部及び表示用nMOSTFT部のソース部の
窓開けを行う。窒化シリコン膜はCF4のプラズマエッ
チング、酸化シリコン膜及びフォスフィンシリケートガ
ラス膜はフッ酸系エッチング液でエッチング処理する。
【0210】次いで、図22の(7)に示すように、全
面に400〜500nm厚の1%Si入りアルミニウム
スパッタ膜を形成し、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術により、周辺駆動回路の全TFTのソース、
ドレイン電極88、89、90、91を形成すると同時
に、表示用nMOSTFTのソース電極87及びデータ
ラインを形成する。
【0211】次いで、図示は省略したが、プラズマCV
D、触媒CVD法等により、酸化シリコン膜100〜2
00nm厚、フォスフィンシリケートガラス膜(PSG
膜)200〜300nm厚、窒化シリコン膜100〜3
00nm厚を全面に形成し、フォーミングガス中で約4
00℃、1時間、水素化及びシンター処理する。その後
に、表示用nMOSTFTのドレイン部コンタクト用窓
開けを行う。
【0212】ここで、LCDが透過型の場合は、画素開
口部の酸化シリコン膜、フォスフィンシリケートガラス
膜及び窒化シリコン膜は除去し、また反射型の場合は、
画素開口部等の酸化シリコン膜、フォスフィンシリケー
トガラス膜及び窒化シリコン膜は除去する必要はない
(これは上述又は後述のLCDにおいても同様であ
る)。
【0213】透過型の場合、図18の(10)と同様
に、全面に、スピンコート等で2〜3μm厚のアクリル
系透明樹脂平坦化膜を形成し、汎用フォトリソグラフィ
及びエッチング技術により、表示用TFTのドレイン側
の透明樹脂窓開けを形成した後、全面に130〜150
nm厚のITOスパッタ膜を形成し、汎用フォトリソグ
ラフィ及びエッチング技術により、表示用nMOSTF
Tのドレイン部とコンタクトしたITO透明電極を形成
する。更に熱処理(フォーミングガス中で200〜25
0℃、1時間)により、コンタクト抵抗の低減化とIT
O透明度向上を図る。
【0214】反射型の場合は、全面に、スピンコート等
で2〜3μm厚の感光性樹脂膜を形成し、汎用フォトリ
ソグラフィ及びエッチング技術により、少なくとも画素
部に凹凸形状パターンを形成し、リフローさせて凹凸反
射下部を形成する。同時に、表示用nMOSTFTのド
レイン部の感光性樹脂窓開けを形成する。しかる後、全
面に、300〜400nm厚の1%Si入りアルミニウ
ムスパッタ膜を形成し、汎用フォトリソグラフィ及びエ
ッチング技術により、画素部以外のアルミニウム膜を除
去し、表示用nMOSTFTのドレイン電極と接続した
凹凸形状のアルミニウム反射部を形成する。その後に、
フォーミングガス中で300℃、1時間シンター処理す
る。
【0215】なお、上記において、ゲート絶縁膜68を
形成する前に、触媒AHA処理すれば、多結晶性シリコ
ン膜の膜温度を局部的に上昇させ、結晶化が更に促進さ
れ、高移動度及び高品質の多結晶性シリコン膜を形成す
る。同時に、大量の高温の水素系活性種等が有する熱エ
ネルギーが膜に移動して、膜温度を局部的に上昇させる
ので、ゲートチャンネル/ソース/ドレイン領域に注入
された燐、ひ素、ボロンイオン等が活性化される。
【0216】<ボトムゲート型又はデュアルゲート型M
OSTFT>MOSTFTを組み込んだ例えばLCDに
おいて、上述のトップゲート型に代えて、ボトムゲート
型、デュアルゲート型のMOSTFTからなる透過型L
CDを製造した例を述べる(但し、反射型LCDも同様
である)。
【0217】図23(B)に示すように、表示部及び周
辺部にはボトムゲート型のnMOSTFTが設けられ、
或いは図23(C)に示すように、表示部及び周辺部に
はデュアルゲート型のnMOSTFTがそれぞれ設けら
れている。これらのボトムゲート型、デュアルゲート型
MOSTFTのうち、特にデュアルゲート型の場合には
上下のゲート部によって駆動能力が向上し、高速スイッ
チングに適し、また上下のゲート部のいずれかを選択的
に用いて場合に応じてトップゲート型又はボトムゲート
型として動作させることもできる。
【0218】図23(B)のボトムゲート型MOSTF
Tにおいて、図中の102はMo−Ta合金等のゲート
電極であり、103は窒化シリコン膜及び104は酸化
シリコン膜であってゲート絶縁膜を形成し、このゲート
絶縁膜上にはトップゲート型MOSTFTと同様の多結
晶性シリコン膜67を用いたチャンネル領域等が形成さ
れている。また、図23(C)のデュアルゲート型MO
STFTにおいて、下部ゲート部はボトムゲート型MO
STFTと同様であるが、上部ゲート部は、ゲート絶縁
膜106を酸化シリコン膜と窒化シリコン膜、必要に応
じて更に酸化シリコン膜の積層膜で形成し、この上に上
部ゲート電極75を設けている。
【0219】<ボトムゲート型MOSTFTの製造>ま
ず、ガラス基板61上の全面に、Mo−Ta合金のスパ
ッタ膜を300〜400nm厚に形成し、これを汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチング技術により20〜45
度のテーパーエッチングし、少なくともTFT形成領域
に、ボトムゲート電極102を形成すると同時に、ゲー
トラインを形成する。ガラス材質の使い分けは上述した
トップゲート型に準ずる。
【0220】次いで、プラズマCVD、TEOS系プラ
ズマCVD、触媒CVD、減圧CVD等の気相成長法に
より、ゲート絶縁膜及び保護膜用の窒化シリコン膜10
3及び酸化シリコン膜104と、錫含有又は非含有のア
モルファスシリコン含有微結晶シリコン膜とを形成す
る。この膜は上述したと同様に更にバイアス触媒AHA
処理を施して錫含有又は非含有の多結晶性シリコン膜6
7を形成する。これらの気相成膜条件は上述したトップ
ゲート型に準ずる。なお、ボトムゲート絶縁膜及び保護
膜用の窒化シリコン膜はガラス基板からのNaイオンス
トッパ作用を期待して設けるものであるが、合成石英ガ
ラスの場合は不要である。
【0221】そして次に、上述したと同様に、pMOS
TFT、nMOSTFT領域をアイランド化し(但し、
一方の領域のみを図示:以下、同様)、各チャンネル領
域のキャリア不純物濃度を制御してVthを最適化するた
めに、イオン注入又はイオンドーピング法によりn型又
はp型不純物を適当量混入した後、更に、各MOSTF
Tのソース、ドレイン領域を形成するためにイオン注入
又はイオンドーピング法によりn型又はp型不純物を適
当量混入させる。この後に、不純物活性化のためにバイ
アス触媒AHA処理又はRTA処理する。
【0222】これ以降のプロセスは、上述したものに準
ずる。
【0223】<デュアルゲート型MOSTFTの製造>
上記のボトムゲート型と同様に、ボトムゲート電極10
2、ボトムゲート絶縁膜103及び104、多結晶性シ
リコン膜67をそれぞれ形成する。但し、ボトムゲート
絶縁膜及び保護膜用の窒化シリコン膜103はガラス基
板からのNaイオンストッパ作用を期待して設けるもの
であるが、合成石英ガラスの場合は不要である。
【0224】そして次に、上述したと同様に、pMOS
TFT、nMOSTFT領域をアイランド化し、各チャ
ンネル領域のキャリア不純物濃度を制御してVthを最適
化するために、イオン注入又はイオンドーピング法によ
りn型又はp型不純物を適当量混入した後、更に、各M
OSTFTのソース、ドレイン領域を形成するためにイ
オン注入又はイオンドーピング法によりn型又はp型不
純物を適当量混入させる。この後に、不純物活性化のた
めにバイアス触媒AHA処理又はRTA処理する。
【0225】次いで、トップゲート絶縁膜106用の酸
化シリコン膜及び窒化シリコン膜、必要に応じて更に酸
化シリコン膜の積層膜を成膜する。気相成長条件は上述
したトップゲート型に準ずる。
【0226】この後に、全面に400〜500nm厚の
1%Si入りアルミニウムスパッタ膜を形成し、汎用フ
ォトリグラフィ及びエッチング技術により、全TFTの
トップゲート電極75及びゲートラインを形成する。こ
の後に、プラズマCVD、触媒CVD法等により、酸化
シリコン膜100〜200nm厚、フォスフィンシリケ
ートガラス(PSG)膜200〜300nm厚からなる
絶縁膜86を形成する。次に、汎用フォトリソグラフィ
及びエッチング技術により、周辺駆動回路の全MOST
FTのソース、ドレイン電極部、さらに表示部nMOS
TFTのソース電極部の窓開けを行う。
【0227】次いで、全面に400〜500nm厚の1
%Si入りアルミニウムスパッタ膜を形成し、汎用フォ
トリソグラフィ及びエッチング技術により、ソース及び
ドレインの各アルミニウム電極87、88及び89、ソ
ースライン及び配線等を形成する。次いで、図示は省略
したが、プラズマCVD、触媒CVD法等により、酸化
シリコン膜100〜200nm厚、フォスフィンシリケ
ートガラス膜(PSG膜)200〜300nm厚、窒化
シリコン膜100〜300nm厚を全面に形成し、フォ
ーミングガス中で約400℃、1時間、水素化及びシン
ター処理する。その後に、表示用nMOSTFTのドレ
イン部コンタクト用窓開けを行う。その後に、表示用の
MOSTFTのドレイン部とコンタクトしたITO透明
電極を形成し、熱処理(フォーミングガス中で200〜
250℃、1h)により、コンタクト抵抗の低減化とI
TO透明度向上を図る。
【0228】上述したように、本実施の形態によれば、
上述の第1の実施の形態と同様に、触媒CVD又はバイ
アス触媒CVD等とバイアス触媒AHA処理により、L
CDの表示部及び周辺駆動回路部のMOSTFTのゲー
トチャンネル、ソース及びドレイン領域となる、高キャ
リア移動度でVth調整が容易であり、低抵抗での高速動
作が可能な多結晶性シリコン膜を形成することができ
る。この多結晶性シリコン膜によるトップゲート、ボト
ムゲート又はデュアルゲート型MOSTFTを用いた液
晶表示装置は、高いスイッチング特性と低リーク電流の
LDD構造を有する表示部と、高い駆動能力のCMO
S、又はnMOS、又はpMOS周辺駆動回路、映像信
号処理回路、メモリー回路等の周辺回路を一体化した構
成が可能となり、高画質、高精細、狭額縁、高効率、安
価な液晶パネルの実現が可能である。
【0229】そして、低温(300〜400℃)で形成
できるので、安価で、大型化が容易な低歪点ガラスを採
用でき、コストダウンが可能となる。しかも、アレイ部
上にカラーフィルタやブラックマスクを作り込むことに
より、液晶表示パネルの開口率、輝度等を改善し、カラ
ーフィルタ基板を不要とし、生産性改善等によるコスト
ダウンが実現する。
【0230】第3の実施の形態 本実施の形態は、本発明を有機又は無機のエレクトロル
ミネセンス(EL)表示装置、例えば有機EL表示装置
に適用したものである。以下にその構造例と製造例を示
す。
【0231】<有機EL素子の構造例I>図24
(A)、(B)に示すように、この構造例Iによれば、
ガラス等の基板111上に、本発明に基づいて上述した
方法で形成された高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコ
ン膜によって、スイッチング用MOSTFT1と電流駆
動用MOSTFT2のゲートチャンネル117、ソース
領域120及びドレイン領域121が形成されている。
そして、ゲート絶縁膜118上にゲート電極115、ソ
ース及びドレイン領域上にソース電極127及びドレイ
ン電極128、131が形成されている。MOSTFT
1のドレインとMOSTFT2のゲートとはドレイン電
極128を介して接続されていると共に、MOSTFT
2のソース電極127との間に絶縁膜136を介してキ
ャパシタCが形成され、かつ、MOSTFT2のドレイ
ン電極131は有機EL素子の陰極138にまで延設さ
れている。
【0232】各MOSTFTは絶縁膜130で覆われ、
この絶縁膜上には陰極を覆うように有機EL素子の例え
ば緑色有機発光層132(又は青色有機発光層133、
更には図示しない赤色有機発光層)が形成され、この有
機発光層を覆うように陽極(1層目)134が形成さ
れ、更に共通の陽極(2層目)135が全面に形成され
ている。なお、CMOSTFTからなる周辺駆動回路、
映像信号処理回路、メモリー回路等の製法は、上述した
液晶表示装置に準ずる(以下、同様)。
【0233】この構造の有機EL表示部は、有機EL発
光層が電流駆動用MOSTFT2のドレインに接続さ
れ、陰極(Li−Al、Mg−Agなど)138がガラ
ス等の基板111の面に被着され、陽極(ITO膜な
ど)134、135がその上部に設けられており、従っ
て、上面発光136’となる。また、陰極がMOSTF
T上を覆っている場合は発光面積が大きくなり、このと
きには陰極が遮光膜となり、発光光等がMOSTFTに
入射しないのでリーク電流発生がなく、TFT特性の悪
化がない。
【0234】また、各画素部周辺に図24(C)のよう
にブラックマスク部(クロム、二酸化クロム等)140
を形成すれば、光漏れ(クロストーク等)を防止し、コ
ントラストの向上が図れる。
【0235】なお、画素表示部に緑色、青色、赤色の3
色発光層を使用する方法、色変換層を使用する方法、白
色発光層にカラーフィルターを使用する方法のいずれで
も、良好なフルカラーのEL表示装置が実現でき、ま
た、各色発光材料である高分子化合物のスピンコーティ
ング法、又は金属錯体の真空加熱蒸着法においても、長
寿命、高精度、高品質、高信頼性のフルカラー有機EL
部を生産性良く作成できるので、コストダウンが可能と
なる(以下、同様)。
【0236】次に、この有機EL素子の製造プロセスを
説明すると、まず、図25の(1)に示すように、上述
した工程を経て多結晶性シリコン膜からなるソース領域
120、チャンネル領域117及びドレイン領域121
を形成した後、ゲート絶縁膜118を形成し、この上に
MOSTFT1、2のゲート電極115をMo−Ta合
金等のスパッタリング成膜とフォトリソグラフィ及びエ
ッチング技術により形成し、またMOSTFT1のゲー
ト電極に接続されるゲートラインをスパッタリング成膜
とフォトリソグラフィ及びエッチング技術により(以
下、同様)形成する。そして、オーバーコート膜(酸化
シリコン等)137を触媒CVD等の気相成長法により
(以下、同様)形成後、MOSTFT2のソース電極1
27及びアースラインを形成し、更にオーバーコート膜
(酸化シリコン/窒化シリコン積層膜など)136を形
成する。
【0237】次いで、図25の(2)に示すように、M
OSTFT1のソース/ドレイン部、MOSTFT2の
ゲート部の窓開けを行った後、図25の(3)に示すよ
うに、1%Si入りAlのスパッタリングと汎用フォト
リソグラフィ及びエッチング技術によりMOSTFT1
のドレイン電極とMOSTFT2のゲート電極を1%S
i入りAl配線128で接続し、同時にMOSTFT1
のソース電極と、この電極に接続される1%Si入りA
lからなるソースラインを形成する。そして、オーバー
コート膜(酸化シリコン/フォスフィンシリケートガラ
ス/窒化シリコン積層膜など)122を形成し、MOS
TFT2のドレイン部の窓開けを行い、MOSTFT2
のドレイン部と接続した発光部の陰極138を形成す
る。
【0238】次いで、図25の(4)に示すように、有
機発光層132等及び陽極134、135を形成する。
【0239】なお、上記において、緑色(G)発光有機
EL層、青色(B)発光有機EL層、赤色(R)発光有
機EL層はそれぞれ、100〜200nm厚に形成する
が、これらの有機EL層は、低分子化合物の場合は真空
加熱蒸着法で形成され、高分子化合物の場合はディッピ
ングコーティング、スピンコーティングなどの塗布法や
インクジェット法によりR、G、B発光ポリマーを配列
する方法が用いられる。金属錯体の場合は、昇華可能な
材料を真空加熱蒸着法で形成される。
【0240】有機EL層には、単層型、二層型、三層型
等があるが、ここでは低分子化合物の三層型の例を示
す。 単層型;陽極/バイポーラー発光層/陰極、 二層型;陽極/ホール輸送層/電子輸送性発光層/陰
極、又は陽極/ホール輸送性発光層/電子輸送層/陰
極、 三層型;陽極/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰
極、又は陽極/ホール輸送性発光層/キャリアブロック
層/電子輸送性発光層/陰極
【0241】なお、図24(B)の素子において、有機
発光層の代わりに公知の発光ポリマーを用いれば、パッ
シブマトリクス又はアクティブマトリクス駆動の発光ポ
リマー表示装置(LEPD)として構成することができ
る(以下、同様)。
【0242】<有機EL素子の構造例II>図26
(A)、(B)に示すように、この構造例IIによれば、
ガラス等の基板111上に、上記の構造例Iと同様に、
本発明に基づいて上述した方法で形成された高結晶化
率、大粒径の多結晶性シリコン膜によって、スイッチン
グ用MOSTFT1と電流駆動用MOSTFT2のゲー
トチャンネル117、ソース領域120及びドレイン領
域121が形成されている。そして、ゲート絶縁膜11
8上にゲート電極115、ソース及びドレイン領域上に
ソース電極127及びドレイン電極128、131が形
成されている。MOSTFT1のドレインとMOSTF
T2のゲートとはドレイン電極128を介して接続され
ていると共に、MOSTFT2のドレイン電極131と
の間に絶縁膜136を介してキャパシタCが形成され、
かつ、MOSTFT2のソース電極127は有機EL素
子の陽極144にまで延設されている。
【0243】各MOSTFTは絶縁膜130で覆われ、
この絶縁膜上には陽極を覆うように有機EL素子の例え
ば緑色有機発光層132(又は青色有機発光層133、
更には図示しない赤色有機発光層)が形成され、この有
機発光層を覆うように陰極(1層目)141が形成さ
れ、更に共通の陰極(2層目)142が全面に形成され
ている。
【0244】この構造の有機EL表示部は、有機EL発
光層が電流駆動用MOSTFT2のソースに接続され、
ガラス等の基板111の面に被着された陽極144を覆
うように有機EL発光層を形成し、その有機EL発光層
を覆うように陰極141を形成し、全面に陰極142を
形成しており、従って、下面発光136’となる。ま
た、陰極が有機EL発光層間及びMOSTFT上を覆っ
ている。即ち、全面に、例えば緑色発光有機EL層を真
空加熱蒸着法等により形成した後に、緑色発光有機EL
部をフォトリソグラフィ及びドライエッチングで形成
し、連続して同様に、青色、赤色発光有機EL部を形成
し、最後に全面に陰極(電子注入層)141をマグネシ
ウム:銀合金又はアルミニウム:リチウム合金により形
成する。この全面に更に形成した陰極(電子注入層)で
密封するので、外部から有機EL層間に湿気が侵入する
ことを特に全面被着の陰極142により防止して湿気に
弱い有機EL層の劣化や電極の酸化を防止し、長寿命、
高品質、高信頼性が可能となる(これは、図21の構造
例Iでも陽極で全面被覆されているため、同様であ
る)。また、陰極141及び142により放熱効果が高
まるので、発熱による薄膜の構造変化(融解又は再結晶
化)が低減し、長寿命、高品質、高信頼性が可能とな
る。しかも、これによって、高精度、高品質のフルカラ
ーの有機EL層を生産性良く作成できるので、コストダ
ウンが可能となる。
【0245】また、各画素部周辺に図26(C)のよう
にブラックマスク部(クロム、二酸化クロム等)140
を形成すれば、光漏れ(クロストーク等)を防止し、コ
ントラストの向上が図れる。なお、このブラックマスク
部140は、酸化シリコン膜143(これはゲート絶縁
膜118と同時に同一材料で形成してよい。)によって
覆われている。
【0246】次に、この有機EL素子の製造プロセスを
説明すると、まず、図27の(1)に示すように、上述
した工程を経て多結晶性シリコン膜からなるソース領域
120、チャンネル領域117及びドレイン領域121
を形成した後、触媒CVD等の気相成長法によりゲート
絶縁膜118を形成し、1%Si入りAlのスパッタリ
ング成膜及び汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技
術によりこの上にMOSTFT1、2のゲート電極11
5を形成し、また1%Si入りAlのスパッタリング成
膜及び汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技術によ
りMOSTFT1のゲート電極に接続されるゲートライ
ンを形成する。そして、触媒CVD等の気相成長法によ
りオーバーコート膜(酸化シリコン等)137を形成
後、1%Si入りAlのスパッタリング成膜及び汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチング技術によりMOSTF
T2のドレイン電極131及びVddラインを形成し、更
に触媒CVD等の気相成長法によりオーバーコート膜
(酸化シリコン/窒化シリコン積層膜等)136を形成
する。
【0247】次いで、図27の(2)に示すように、汎
用フォトリソグラフィ及びエッチング技術によりMOS
TFT1のソース/ドレイン部、MOSTFT2のゲー
ト部の窓開けを行った後、図27の(3)に示すよう
に、1%Si入りAlのスパッタリング成膜及び汎用フ
ォトリソグラフィ及びエッチング技術により、MOST
FT1のドレインとMOSTFT2のゲートを1%Si
入りAl配線128で接続し、同時にMOSTFT1の
ソースに接続される1%Si入りAlからなるソースラ
インを形成する。そして、オーバーコート膜(酸化シリ
コン/フォスフィンシリケートガラス/窒化シリコン積
層膜など)122を形成し、汎用フォトリソグラフィ及
びエッチング技術によりMOSTFT2のソース部の窓
開けを行い、ITO等のスパッタリング及び汎用フォト
リソグラフィ及びエッチング技術によりMOSTFT2
のソース部と接続した発光部の陽極144を形成する。
【0248】次いで、図27の(4)に示すように、上
記のように有機発光層132等及び陰極141、142
を形成する。
【0249】なお、以下に述べる有機ELの各層の構成
材料や形成方法は図26の例に適用されるが、図24の
例にも同様に適用されてよい。
【0250】緑色発光有機EL層に低分子化合物を用い
る場合は、ガラス基板上の陽極(ホール注入層)である
電流駆動用MOSTFTのソース部とコンタクトしたI
TO透明電極上に、連続した真空加熱蒸着法により形成
する。 1)ホール輸送層は、アミン系化合物(例えば、トリア
リールアミン誘導体、アリールアミンオリゴマー、芳香
族第三アミン等)等 2)発光層は、緑色発光材料であるトリス(8−ヒドロ
キシキシリノ)Al錯体(Alq)等 3)電子輸送層は、1,3,4−オキサジアゾール誘導
体(OXD)、1,2,4−トリアゾール誘導体(TA
Z)等 4)陰極である電子注入層は、4eV以下の仕事関数を
有する材料で作られるのが好ましい。 例えば、10:1(原子比)のマグネシウム:銀合金の
10〜30nm厚 アルミニウム:リチウム(濃度は0.5〜1%)合金の
10〜30nm厚 ここで、銀は有機界面との接着性を増すためにマグネシ
ウム中に1〜10原子%添加され、リチウムは安定化の
ためにアルミニウム中に濃度は0.5〜1%添加され
る。
【0251】緑色画素部を形成するには、緑色画素部を
フォトレジストでマスクし、CCl 4ガスのプラズマエ
ッチングにより陰極である電子注入層のアルミニウム:
リチウム合金を除去し、連続して電子輸送層、発光層、
ホール輸送層の低分子系化合物及びフォトレジストを酸
素プラズマエッチングで除去し、緑色画素部を形成す
る。この時に、フォトレジストの下にはアルミニウム:
リチウム合金があるので、フォトレジストがエッチング
されても問題ない。又、この時に、電子輸送層、発光
層、ホール輸送層の低分子系化合物層は、ホール注入層
のITO透明電極よりも大きい面積とし、後工程で全面
に形成する陰極の電子注入層(マグネシウム:銀合金)
と電気的ショートしないようにする。
【0252】次に、青色発光有機EL層を低分子化合物
で形成する場合は、ガラス基板上の陽極(ホール注入
層)である電流駆動用TFTのソース部とコンタクトし
たITO透明電極上に、連続して真空加熱蒸着により形
成する。 1)ホール輸送層は、アミン系化合物(例えば、トリア
リールアミン誘導体、アリールアミンオリゴマー、芳香
族第三アミン等)等 2)発光層は、青色発光材料であるDTVBiのような
ジスチリル誘導体等 3)電子輸送層は、1,3,4−オキサジアゾール誘導
体(TAZ)、1,2,4−トリアゾール誘導体(TA
Z)等 4)陰極である電子注入層は、4eV以下の仕事関数を
有する材料で作られるのが好ましい。 例えば、10:1(原子比)のマグネシウム:銀合金の
10〜30nm厚 アルミニウム:リチウム(濃度は0.5〜1%)合金の
10〜30nm厚 ここで、銀は有機界面との接着性を増すためにマグネシ
ウム中に1〜10原子%添加され、リチウムは安定化の
ためにアルミニウム中に濃度は0.5〜1%添加され
る。
【0253】青色画素部を形成するには、青色画素部を
フォトレジストでマスクし、CCl 4ガスのプラズマエ
ッチングで陰極である電子注入層のアルミニウム:リチ
ウム合金を除去し、連続して電子輸送層、発光層、ホー
ル輸送層の低分子系化合物及びフォトレジストを酸素プ
ラズマエッチングで除去し、青色画素部を形成する。こ
の時に、フォトレジストの下にはアルミニウム:リチウ
ム合金があるので、フォトレジストがエッチングされて
も問題ない。又、この時に、電子輸送層、発光層、ホー
ル輸送層の低分子系化合物層は、ホール注入層のITO
透明電極よりも大きい面積とし、後工程で全面に形成す
る陰極の電子注入層(マグネシウム:銀合金)と電気的
ショートしないようにする。
【0254】また、赤色発光有機EL層を低分子化合物
で形成する場合は、ガラス基板上の陽極(ホール注入
層)である電流駆動用TFTのソース部とコンタクトし
たITO透明電極上に、連続して真空加熱蒸着により形
成する。 1)ホール輸送層は、アミン系化合物(例えば、トリア
リールアミン誘導体、アリールアミンオリゴマー、芳香
族第三アミン等)等 2)発光層は、赤色発光材料であるEu(Eu(DBM)
3(Phen))等 3)電子輸送層は、1,3,4−オキサジアゾール誘導
体(OXD)、1,2,4−トリアゾール誘導体(TA
Z)等 4)陰極である電子注入層は、4eV以下の仕事関数を
有する材料で作られるのが好ましい。 例えば、10:1(原子比)のマグネシウム:銀合金の
10〜30nm厚 アルミニウム:リチウム(濃度は0.5〜1%)合金の
10〜30nm厚 銀は有機界面との接着性を増すためにマグネシウム中に
1〜10原子%添加され、リチウムは安定化のためにア
ルミニウム中に濃度は0.5〜1%添加される。
【0255】赤色画素部を形成するには、赤色画素部を
フォトレジストでマスクし、CCl 4ガスのプラズマエ
ッチングで陰極である電子注入層のアルミニウム:リチ
ウム合金を除去し、連続して電子輸送層、発光層、ホー
ル輸送層の低分子系化合物及びフォトレジストを酸素プ
ラズマエッチングで除去し、赤色画素部を形成する。こ
の時に、フォトレジストの下にはアルミニウム:リチウ
ム合金があるので、フォトレジストがエッチングされて
も問題ない。又、この時に、電子輸送層、発光層、ホー
ル輸送層の低分子系化合物層は、ホール注入層のITO
透明電極よりも大きい面積とし、後工程で全面に形成す
る陰極の電子注入層(マグネシウム:銀合金)と電気的
ショートしないようにする。
【0256】陰極である電子注入層は、4eV以下の仕
事関数を有する材料で作られるのが好ましい。例えば、
10:1(原子比)のマグネシウム:銀合金の10〜3
0nm厚、又はアルミニウム:リチウム(濃度は0.5
〜1%)合金の10〜30nm厚とする。ここで、銀は
有機界面との接着性を増すためにマグネシウム中に1〜
10原子%添加され、リチウムは安定化のためにアルミ
ニウム中に濃度は0.5〜1%添加される。なお、スパ
ッタリングで成膜してもよい。
【0257】第4の実施の形態 本実施の形態は、本発明を電界放出型(フィールドエミ
ッション)ディスプレイ装置(FED:Field Emission
Display)に適用したものである。以下にその構造例と
製造例を示す。
【0258】<FEDの構造例I>図28(A)、
(B)、(C)に示すように、この構造例Iによれば、
ガラス等の基板111上に、本発明に基づいて上述した
方法で形成された高結晶化率、大粒径の多結晶性シリコ
ン膜によって、スイッチング用MOSTFT1と電流駆
動用MOSTFT2のゲートチャンネル117、ソース
領域120及びドレイン領域121が形成されている。
そして、ゲート絶縁膜118上にゲート電極115、ソ
ース及びドレイン領域上にソース電極127及びドレイ
ン電極128が形成されている。MOSTFT1のドレ
インとMOSTFT2のゲートとはドレイン電極128
を介して接続されていると共に、MOSTFT2のソー
ス電極127との間に絶縁膜136を介してキャパシタ
Cが形成され、かつ、MOSTFT2のドレイン領域1
21はそのままFED素子のFEC(電界放出カソー
ド)にまで延設され、エミッタ領域152として機能し
ている。
【0259】各MOSTFTは絶縁膜130で覆われ、
この絶縁膜上には、FECのゲート引き出し電極150
と同一材料にて同一工程で接地用の金属遮蔽膜151が
形成され、各MOSTFT上を覆っている。FECにお
いては、多結晶性シリコン膜からなるエミッタ領域15
2上に電界放出エミッタとなるn型多結晶性シリコン膜
153が形成され、更にm×n個の各エミッタに区画す
るための開口を有するように、絶縁膜118、137、
136及び130がパターニングされ、この上面にはゲ
ート引き出し電極150が被着されている。
【0260】また、このFECに対向して、バックメタ
ル155付きの蛍光体156をアノードとして形成した
ガラス基板等の基板157が設けられており、FECと
の間は高真空に保持されている。
【0261】この構造のFECにおいては、ゲート引き
出し電極150の開口下には、本発明に基づいて形成さ
れた多結晶性シリコン膜152上に成長されたn型多結
晶性シリコン膜153が露出し、これがそれぞれ電子1
54を放出する薄膜型のエミッタとして機能する。即
ち、エミッタの下地となる多結晶性シリコン膜152
は、大粒径(グレインサイズ数100nm以上)のグレ
インからなっているため、これをシードとしてその上に
n型多結晶性シリコン膜153を触媒CVD等によって
成長させると、この多結晶性シリコン膜153はさらに
大きな粒径で成長し、表面が電子放出にとって有利な微
細な凹凸158を生じるように形成されるのである。
【0262】従って、エミッタが薄膜からなる面放出型
であるために、その形成が容易であると共に、エミッタ
性能も安定し、長寿命化が可能となる。
【0263】また、すべての能動素子(これには周辺駆
動回路及び画素表示部のMOSTFTとダイオードが含
まれる。)の上部にアース電位の金属遮蔽膜151(こ
の金属遮蔽膜は、ゲート引き出し電極150と同じ材料
(Nb、Ti/Mo等)、同じ工程で形成すると工程上
都合がよい。)が形成されているので、次の(1)、
(2)の利点を得ることができる。
【0264】(1)気密容器内にあるガスがエミッタ1
53から放出された電子により正イオン化されて絶縁層
上にチャージアップし、この正電荷が絶縁層下にあるM
OSTFTに不要な反転層を形成し、この反転層からな
る不要な電流経路を介して余分な電流が流れるために、
エミッタ電流の暴走が起きる。しかし、MOSTFT上
の絶縁層に金属遮蔽膜151を形成してアース電位に落
としているので、チャージアップ防止が可能となり、エ
ミッタ電流の暴走を防止できる。
【0265】(2)エミッタ153から放出された電子
の衝突により蛍光体156が発光するが、この光により
MOSTFTのゲートチャンネル内に電子、正孔が発生
し、リーク電流となる。しかし、MOSTFT上の絶縁
層に金属遮蔽膜151が形成されているので、MOST
FTへの光入射が防止され、MOSTFTの動作不良は
生じない。
【0266】次に、このFEDの製造プロセスを説明す
ると、まず、図29の(1)に示すように、上述した工
程を経て全面に多結晶性シリコン膜117を形成した
後、汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技術により
MOSTFT1とMOSTFT2及びエミッタ領域にア
イランド化し、プラズマCVD、触媒CVD法等により
全面に保護用酸化シリコン膜159を形成する。
【0267】次いで、MOSTFT1、2のゲートチャ
ンネル不純物濃度の制御によるVthの最適化のために、
イオン注入又はイオンドーピング法により全面にボロン
イオン83を5×1011atoms/cm2のドーズ量
でドーピングし、1×1017atoms/ccのアクセ
プタ濃度に設定する。
【0268】次いで、図29の(2)に示すように、フ
ォトレジスト82をマスクにして、イオン注入又はイオ
ンドーピング法によりMOSTFT1、2のソース/ド
レイン部及びエミッタ領域に燐イオン79を1×1015
atoms/cm2のドーズ量でドーピングし、2×1
20atoms/ccのドナー濃度に設定し、ソース領
域120、ドレイン領域121、エミッタ領域152を
それぞれ形成した後、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術によりエミッタ領域の保護用酸化シリコン膜
を除去する。
【0269】次いで、図29の(3)に示すように、触
媒CVD又はバイアス触媒CVD法等によりエミッタ領
域を形成する多結晶性シリコン膜152をシードに、モ
ノシランとPH3等のドーパントを適量比率で混合し、
表面に微細凹凸158を有し、ドーパントを例えば5×
1020〜1×1021atoms/cc含有するn型多結
晶性シリコン膜153を1〜5μm厚にエミッタ領域に
形成し、同時に他の酸化シリコン膜159及びガラス基
板111上にはn型アモルファスシリコン膜160を1
〜5μm厚に形成する。
【0270】次いで、図29の(4)に示すように、上
述した触媒AHA処理又はバイアス触媒AHA処理時の
水素系活性種等により、アモルファスシリコン膜160
をエッチング除去し、酸化シリコン膜159のエッチン
グ除去後に触媒CVD又はバイアス触媒CVD法等によ
りゲート絶縁膜(酸化シリコン膜等)118を形成す
る。
【0271】次いで、図30の(5)に示すように、ス
パッタリング法によるMo−Ta合金等の耐熱性金属に
よりMOSTFT1、2のゲート電極115、MOST
FT1のゲート電極に接続されるゲートラインを形成
し、オーバーコート膜(酸化シリコン膜等)137を形
成した後、MOSTFT2のソース部窓開け後にスパッ
タリング法によるMo−Ta合金等の耐熱性金属でMO
STFT2のソース電極127及びアースラインを形成
する。更に、プラズマCVD、触媒CVD等によりオー
バーコート膜(酸化シリコン/窒化シリコン積層膜な
ど)136を形成し、RTA処理等の1000℃、10
〜20秒のイオン活性化処理を行う。
【0272】次いで、図30の(6)に示すように、M
OSTFT1のソース/ドレイン部及びMOSTFT2
のゲート部の窓開けを行い、MOSTFT1のドレイン
とMOSTFT2のゲートを1%Si入りAl配線12
8で接続し、同時にMOSTFT1のソース電極とその
ソースに接続されるソースライン127を形成する。
【0273】次いで、図30の(7)に示すように、オ
ーバーコート膜(酸化シリコン/フォスフィンシリケー
トガラス/窒化シリコン積層膜など)130を形成した
後、GNDラインの窓開けし、図30の(8)に示すよ
うに、ゲート引き出し電極150や金属遮蔽膜151を
Nb蒸着後のエッチングで形成し、更に電界放出カソー
ド部を窓開けしてエミッタ153を露出させ、上述した
触媒AHA処理又はバイアス触媒AHA処理の水素系活
性種でクリーニングする。
【0274】<FEDの構造例II>図31(A)、
(B)、(C)に示すように、この構造例IIによれば、
ガラス等の基板111上に、上記の構造例Iと同様に、
本発明に基づいて上述した方法で形成された高結晶化
率、大粒径の多結晶性シリコン膜によって、スイッチン
グ用MOSTFT1と電流駆動用MOSTFT2のゲー
トチャンネル117、ソース領域120及びドレイン領
域121が形成されている。そして、ゲート絶縁膜11
8上にゲート電極115、ソース及びドレイン領域上に
ソース電極127及びドレイン電極128が形成されて
いる。MOSTFT1のドレインとMOSTFT2のゲ
ートとはドレイン電極128を介して接続されていると
共に、MOSTFT2のソース電極127との間に絶縁
膜136を介してキャパシタCが形成され、かつ、MO
STFT2のドレイン領域121はそのままFED素子
のFEC(電界放出カソード)にまで延設され、エミッ
タ領域152として機能している。
【0275】各MOSTFTは絶縁膜130で覆われ、
この絶縁膜上には、FECのゲート引き出し電極150
と同一材料にて同一工程で接地用の金属遮蔽膜151が
形成され、各MOSTFT上を覆っている。FECにお
いては、多結晶シリコン膜からなるエミッタ領域152
上に電界放出エミッタとなるn型多結晶ダイヤモンド膜
163が形成され、更にm×n個の各エミッタに区画す
るための開口を有するように、絶縁膜118、137、
136及び130がパターニングされ、この上面にはゲ
ート引き出し電極150が被着されている。
【0276】また、このFECに対向して、バックメタ
ル155付きの蛍光体156をアノードとして形成した
ガラス基板等の基板157が設けられており、FECと
の間は高真空に保持されている。
【0277】この構造のFECは、ゲート引き出し電極
150の開口下には、本発明に基づいて形成された多結
晶性シリコン膜152上に成長されたn型多結晶ダイヤ
モンド膜163が露出し、これがそれぞれ電子154を
放出する薄膜型のエミッタとして機能する。即ち、エミ
ッタの下地となる多結晶性シリコン膜152は、大粒径
(グレインサイズ数100nm以上)のグレインからな
っているため、これをシードとしてその上にn型多結晶
性ダイヤモンド膜163を触媒CVD又はバイアス触媒
CVD等によって成長させると、この多結晶性ダイヤモ
ンド膜163はやはり大粒径で成長し、表面が電子放出
にとって有利な微細な凹凸168を生じるように形成さ
れるのである。
【0278】従って、エミッタが薄膜からなる面放出型
であるために、その形成が容易であると共に、エミッタ
性能も安定し、長寿命化が可能となる。
【0279】また、すべての能動素子(これには周辺駆
動回路及び画素表示部のMOSTFTとダイオードが含
まれる。)の上部にアース電位の金属遮蔽膜151(こ
の金属遮蔽膜は、ゲート引き出し電極150と同じ材料
(Nb、Ti/Mo等)、同じ工程で形成すると工程上
都合がよい。)が形成されているので、上述したと同様
に、MOSTFT上の絶縁層に金属遮蔽膜151を形成
してアース電位に落とし、チャージアップ防止が可能と
なり、エミッタ電流の暴走を防止でき、また、MOST
FT上の絶縁層に金属遮蔽膜151が形成されているの
で、MOSTFTへの光入射が防止され、MOSTFT
の動作不良は生じない。
【0280】次に、このFEDの製造プロセスを説明す
ると、まず、図32の(1)に示すように、上述した工
程を経て全面に多結晶性シリコン膜117を形成した
後、汎用フォトリソグラフィ及びエッチング技術により
MOSTFT1とMOSTFT2及びエミッタ領域にア
イランド化し、プラズマCVD、触媒CVD法等により
全面に保護用酸化シリコン膜159を形成する。
【0281】次いで、MOSTFT1、2のゲートチャ
ンネル不純物濃度の制御によるVthの最適化のために、
イオン注入又はイオンドーピング法により全面にボロン
イオン83を5×1011atoms/cm2のドーズ量
でドーピングし、1×1017atoms/ccのアクセ
プタ濃度に設定する。
【0282】次いで、図32の(2)に示すように、フ
ォトレジスト82をマスクにして、イオン注入又はイオ
ンドーピング法によりMOSTFT1、2のソース/ド
レイン部及びエミッタ領域に燐イオン79を1×1015
atoms/cm2のドーズ量でドーピングし、2×1
20atoms/ccのドナー濃度に設定し、ソース領
域120、ドレイン領域121、エミッタ領域152を
それぞれ形成した後、汎用フォトリソグラフィ及びエッ
チング技術によりエミッタ領域の保護用酸化シリコン膜
を除去する。
【0283】次いで、図32の(3)に示すように、触
媒CVD又はバイアス触媒CVD等によりエミッタ領域
を形成する多結晶性シリコン膜152をシードに、モノ
シランとメタン(CH4)及びドーパントを適量比率混
合し、表面に微細凹凸168を有するn型多結晶性ダイ
ヤモンド膜163をエミッタ領域に形成し、同時に他の
酸化シリコン膜159及びガラス基板111上にはn型
アモルファスダイヤモンド膜170を形成する。
【0284】次いで、図32の(4)に示すように、上
述した触媒AHA処理又はバイアス触媒AHA処理時の
水素系活性種により、アモルファスダイヤモンド膜17
0をエッチング除去し、酸化シリコン膜159のエッチ
ング除去後に触媒CVD又はバイアス触媒CVD等によ
りゲート絶縁膜(酸化シリコン膜等)118を形成す
る。
【0285】次いで、図33の(5)に示すように、ス
パッタリング法によるMo−Ta合金等の耐熱性金属に
よりMOSTFT1、2のゲート電極115、MOST
FT1のゲート電極に接続されるゲートラインを形成
し、オーバーコート膜(酸化シリコン膜等)137を形
成した後、MOSTFT2のソース部窓開け後にスパッ
タリング法によるMo−Ta合金等の耐熱性金属でMO
STFT2のソース電極127及びアースラインを形成
する。更に、プラズマCVD、触媒CVD等によりオー
バーコート膜(酸化シリコン/窒化シリコン積層膜な
ど)136を形成し、RTA等の1000℃、10〜2
0秒のイオン活性化処理を行う。
【0286】次いで、図33の(6)に示すように、M
OSTFT1のソース/ドレイン部及びMOSTFT2
のゲート部の窓開けを行い、MOSTFT1のドレイン
とMOSTFT2のゲートを1%Si入りAl配線12
8で接続し、同時にMOSTFT1のソース電極とその
ソースに接続されるソースライン127を形成する。
【0287】次いで、図33の(7)に示すように、オ
ーバーコート膜(酸化シリコン/フォスフィンシリケー
トガラス/窒化シリコン積層膜など)130を形成した
後、GNDラインの窓開けし、図33の(8)に示すよ
うに、ゲート引き出し電極150や金属遮蔽膜151を
Nb蒸着後のエッチングで形成し、更に電界放出カソー
ド部を窓開けしてエミッタ163を露出させ、上述した
触媒AHA処理又はバイアス触媒AHA処理の水素系活
性種でクリーニングする。
【0288】なお、上記において、多結晶性ダイヤモン
ド膜163を成膜する際、使用する原料ガスとしての炭
素含有化合物は、例えば 1)メタン、エタン、プロパン、ブタン等のパラフィン
系炭化水素 2)アセチレン、アリレン系のアセチレン系炭化水素 3)エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン系
炭化水素 4)ブタジエン等のジオレフィン系炭化水素 5)シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、
シクロヘキサン等の脂環式炭化水素 6)シクロブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ナフタリン等の芳香族炭化水素 7)アセトン、ジエチルケトン、ベンゾフェノン等のケ
トン類 8)メタノール、エタノール等のアルコール類 9)トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類 10)グラファイト、石炭、コークス等の炭素原子のみ
からなる物質 であってよく、これらは、1種を単独で用いることもで
きるし、2種以上を併用することもできる。
【0289】また、使用可能な不活性ガスは、例えばア
ルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、ラ
ドンである。ドーパントとしては、例えばホウ素、リチ
ウム、窒素、リン、硫黄、塩素、ひ素、セレン、ベリリ
ウム等を含む化合物又は単体が使用可能であり、そのド
ーピング量は1020atoms/cc以上であってよ
い。
【0290】第5の実施の形態 本実施の形態は、本発明を光電変換装置としての太陽電
池に適用したものである。以下にその製造例を示す。
【0291】まず、図34の(1)に示すように、ステ
ンレス等の金属基板111上に、本発明に基づいて、触
媒CVD又はバイアス触媒CVD法等で形成された錫又
は他のIV族元素(Ge、Pb)の単独又は混合物含有の
n型低級結晶性シリコン膜7Aをバイアス触媒AHA処
理によりアニールして、図34の(2)に示すように、
高結晶化率、大粒径のn型多結晶性シリコン膜7を10
0〜200nm厚に形成する。n型低級結晶性シリコン
膜7Aには、リン等のn型不純物をフォスフィン(PH
3)としてモノシランと共に供給して例えば1×1019
〜1×1020atoms/cc含有させる。
【0292】次いで、図34の(3)に示すように、n
型多結晶性シリコン膜7上に、これをシードにして触媒
CVD又はバイアス触媒CVD等により錫又は他のIV族
元素(Ge、Pb)の単独又は混合物含有のi型多結晶
性シリコン膜180、錫又は他のIV族元素(Ge、P
b)の単独又は混合物含有のp型多結晶性シリコン膜1
81等を成長させ、光電変換層を形成する。
【0293】例えば、触媒CVD又はバイアス触媒CV
Dにより、モノシランに水素化錫(SnH4)を適量比
率で混合してi型の大粒径の錫含有多結晶性シリコン膜
180を2〜5μm厚に成長させ、この上に、モノシラ
ンにボロン等のp型不純物のジボラン(B26)と水素
化錫(SnH4)を適量比率混合して、例えば1×10
19〜1×1020atoms/cc含有させたp型の大粒
径の錫含有多結晶性シリコン膜181を100〜200
nm厚に形成する。この時にそれぞれの膜中に錫又は他
のIV族元素(Ge、Pb)の単独又は混合物、例えば錫
を1×1016atoms/cc以上、好ましくは1×1
18〜1×1020atoms/cc含有させることによ
り、結晶粒界に存在する結晶不整及び応力を低減させる
ので、キャリア移動度向上を図ることができる。
【0294】また、このときに、上述した2ステップ又
はマルチバイアス触媒AHA処理を行ってよい。例え
ば、触媒CVD又はバイアス触媒CVDでp型の錫含有
多結晶性シリコン膜を20〜30nm厚に成長させた
後、バイアス触媒AHA処理を行い、触媒CVD又はバ
イアス触媒CVDでp型の錫含有多結晶性シリコン膜を
20〜30nm厚に成長させ、バイアス触媒AHA処理
後、更に触媒CVD又はバイアス触媒CVDでp型の錫
含有多結晶性シリコン膜を20〜30nmに成長させた
後、バイアス触媒AHA処理を行うように、各処理を必
要回数繰り返す方法で成膜してもよい。この方法によっ
て、より大きい粒径の錫含有多結晶性シリコン膜を形成
できる。また、成膜途中で原料ガス供給量を増加して、
高速成膜としてもよい。
【0295】次いで、図34の(4)に示すように、上
記の方法で形成したn−i−p接合の大粒径の錫含有多
結晶性シリコン膜の全面に、透明電極182を形成す
る。例えば、汎用スパッタリング技術により、無反射コ
ート用のITO(Indium Tin Oxide)又はIZO(Indi
um Zinc Oxide)等の透明電極182を100〜150
nm厚に形成する。そして、この上に、汎用スパッタリ
ング技術により、メタルマスクを用いて、所定領域に銀
等のくし型電極183を100〜150nm厚に形成す
る。
【0296】なお、上記の膜は錫又は他のIV族元素を含
有していなくてもよいが、この場合も上記と同様に製造
することができる。また、p−i−n接合、p−n接
合、n−p接合としてもよい。
【0297】本実施の形態による太陽電池は、本発明に
基づく大粒径の多結晶性シリコン膜によって、高キャリ
ア移動度で変換効率の大きい光電変換薄膜を形成でき、
良好な表面テクスチャ構造と裏面テクスチャ構造が形成
されるので、光封じ込め効果が高く、変換効率の大きい
光電変換薄膜を形成できる。これはまた、太陽電池に限
らず、電子写真用の感光体ドラム等の薄膜光電変換装置
にも有利に利用することができる。
【0298】以上に述べた本発明の実施の形態は、本発
明の技術的思想に基づいて種々変形が可能である。
【0299】例えば、上述した触媒CVD又はバイアス
触媒CVD法とバイアス触媒AHA処理の繰り返し回数
や各条件は種々変更してよく、用いる基板等の材質も上
述したものに限定されることはない。
【0300】また、本発明は、表示部等の内部回路や周
辺駆動回路及び映像信号処理回路及びメモリー回路等の
MOSTFTに好適なものであるが、それ以外にもダイ
オードなどの素子の能動領域や、抵抗、キャパシタンス
(容量)、配線、インダクタンス等の受動領域を本発明
による多結晶性シリコン膜で形成することも可能であ
る。
【0301】
【発明の作用効果】本発明は上述したように、前記基体
上に低級結晶性半導体薄膜を形成し、水素又は水素含有
ガスを加熱された触媒体に接触させ、これによって生成
した水素系活性種をグロー放電開始電圧以下の電界又は
/及び磁界の作用下で前記低級結晶性半導体薄膜に作用
させて、前記低級結晶性半導体薄膜の結晶化を促進する
アニール(バイアス触媒AHA処理)を行うので、次の
(1)〜(4)に示すような顕著な作用効果が得られ
る。
【0302】(1)基体上に形成した低級結晶性半導体
薄膜に対して、加熱された触媒体による適当なガス圧下
での熱分解反応及び接触分解反応により多量に発生した
高温の水素系分子、水素系原子、活性化水素イオン等の
水素系活性種にグロー放電開始電圧以下(即ち、パッシ
ェンの法則によるプラズマ発生電圧以下)の電界又は/
及び磁界の作用下で指向性運動エネルギーを与えた状態
で吹き付け等で作用させているので、高温の熱触媒体の
輻射熱による加熱も加わって、次の顕著な効果を示す。
【0303】1.触媒体の触媒作用で十二分に生成した
上記の水素系活性種が、その熱エネルギーに加えて上記
電圧による加速電界又は/及び磁界での十分な指向性の
運動エネルギーにより、低級結晶性半導体薄膜に効率良
く移動してこの半導体薄膜を局部的かつ均一に温度上昇
させ、水素系活性種の作用によりアモルファス構造のシ
リコンが選択的にエッチングされてアモルファスシリコ
ンや微結晶シリコンは多結晶化し、又、多結晶シリコン
の場合は高結晶化し、キャリア移動度の向上を図ること
ができる。微結晶シリコン含有アモルファスシリコン、
アモルファスシリコン含有微結晶シリコンなどは、その
微結晶シリコンをシードに効率よく再結晶化を促進し
て、大粒径多結晶性シリコン化する。そして、水素系活
性種の作用によりアモルファス構造のシリコンが選択的
にエッチングされるので、効率良く高結晶化率の多結晶
性シリコン膜が形成される。
【0304】2.この時に、高温の水素系活性種などを
触媒体温度等のみならず、電界又は/及び磁界で独立し
てコントロールするので、効率良く結晶化及び再結晶化
でき、高結晶化率で大粒径多結晶性シリコン膜化が可能
である。しかも、高キャリア移動度、高品質の多結晶性
半導体薄膜を得ることができる。
【0305】3.しかも、多結晶性シリコン等の膜上又
は膜内にシリコン酸化物が存在したときに、電界又は/
及び磁界の作用によりそれと効率良く反応してSiOを
生成して蒸発させるので、その膜上又は膜内のシリコン
酸化物を減少/除去させることができ、高キャリア移動
度、高品質の多結晶性シリコン膜等を得ることができ
る。
【0306】4.そして、微結晶シリコン含有アモルフ
ァスシリコン膜、アモルファスシリコン含有微結晶シリ
コン膜などの低級結晶性シリコンは、その微結晶シリコ
ンをシードとして再結晶化が促進され、大粒径の多結晶
性シリコン膜化する。しかも、その膜に含有されるアモ
ルファス構造のシリコンが水素系活性種で選択的にエッ
チングされるので、高結晶化率の多結晶性膜が形成され
る。
【0307】5.このバイアス触媒AHA処理時に、低
級結晶性半導体薄膜中に存在するキャリア不純物は高温
により効率良く活性化され、各領域において最適なキャ
リア不純物濃度を得る。
【0308】6.また、活性化水素イオン等の水素系活
性種によるクリーニング(基板等への吸着ガス及び有機
物残渣等の還元除去)が可能であり、触媒体も酸化劣化
し難くなる(なお、このような効果は、上記の低級結晶
性半導体薄膜を触媒CVD又はバイアス触媒CVDで形
成する時も水素系キャリアガスを用いることから、同様
に生じる)。
【0309】7.活性化水素イオン等の水素系活性種の
水素化作用により、半導体膜中の例えばシリコンダング
リングボンドをなくし、特性が向上する。
【0310】(2)こうしてバイアス触媒AHA処理さ
れた多結晶性膜上に更に低級結晶性半導体薄膜を気相成
長させる工程を目的とする膜厚となるまで繰り返すと、
この半導体薄膜は既にバイアス触媒AHA処理で多結晶
化された下地膜上に多結晶化され易い状態で成長し易く
なり、目的とする高結晶化率、高品質の多結晶性半導体
薄膜を所定の膜厚で得ることができる。即ち、触媒CV
D又はバイアス触媒CVDとバイアス触媒AHA処理を
繰り返すマルチバイアス触媒AHA処理により、例えば
触媒CVD又はバイアス触媒CVDで成膜された微結晶
シリコン含有アモルファスシリコン膜、アモルファスシ
リコン及び微結晶シリコン含有多結晶シリコン膜をバイ
アス触媒AHA処理で多結晶性シリコン膜化し、更にこ
の多結晶性シリコンをシードとした触媒CVD又はバイ
アス触媒CVDで多結晶性シリコン膜の気相成長、更に
はバイアス触媒AHA処理を繰り返すと、高結晶化率、
大粒径の多結晶性シリコン膜を形成することができる。
この場合、上記の電界又は/及び磁界(バイアス)の作
用下で処理するため、効率が向上し、バイアスを作用さ
せない場合に比べて繰り返し処理の回数を減少させ、ス
ループットを向上させることもできる。
【0311】(3)この触媒CVD又はバイアス触媒C
VD及びバイアス触媒AHA処理はいずれも、プラズマ
の発生なしに行えるので、プラズマによるダメージがな
く、低ストレスの生成膜が得られ、またプラズマCVD
法に比べ、シンプルで安価な装置を実現できる。
【0312】(4)基体温度を低温化しても反応種又は
水素系活性種のエネルギーが大きいために、目的とする
良質の膜が得られることから、基体温度を低温化でき、
従って大型で安価な絶縁基板(ガラス基板、耐熱性樹脂
基板等)を使用でき、この点でもコストダウンが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるMOSTFT
の製造プロセスを工程順に示す断面図である。
【図2】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図3】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図4】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図5】同、この製造プロセスに用いる触媒CVD(又
はバイアス触媒CVD)及びバイアス触媒AHA処理用
の装置の一状態での概略断面図である。
【図6】同、この装置の他の状態での概略断面図であ
る。
【図7】同、この装置をより詳細に示す概略断面図であ
る。
【図8】同、バイアス方式による装置の概略断面図であ
る。
【図9】同、バイアス方式による他の装置の概略断面図
である。
【図10】同、バイアス方式による他の装置の概略断面
図である。
【図11】同、この装置を用いた処理時のガス流量のタ
イミングチャートである。
【図12】同、この装置のガス供給系の概略図である。
【図13】同、この処理により得られた半導体膜のラマ
ンスペクトルを比較して示すグラフである。
【図14】同、半導体薄膜の結晶化率を比較して示すグ
ラフである。
【図15】同、触媒体及びこの支持体の純度による膜中
の重金属濃度を比較して示すグラフである。
【図16】本発明の第2の実施の形態によるLCDの製
造プロセスを工程順に示す断面図である。
【図17】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図18】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図19】同、LCDの全体の概略レイアウトを示す斜
視図である。
【図20】同、LCDの等価回路図である。
【図21】同、LCDの他の製造プロセスを工程順に示
す断面図である。
【図22】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図23】同、LCDのMOSTFTを各種示す断面図
である。
【図24】本発明の第3の実施の形態による有機EL表
示装置の要部の等価回路図(A)、同要部の拡大断面図
(B)及び同画素周辺部の断面図(C)である。
【図25】同、有機EL表示装置の製造プロセスを工程
順に示す断面図である。
【図26】同、他の有機EL表示装置の要部の等価回路
図(A)、同要部の拡大断面図(B)及び同画素周辺部
の断面図(C)である。
【図27】同、有機EL表示装置の製造プロセスを工程
順に示す断面図である。
【図28】本発明の第4の実施の形態によるFEDの要
部の等価回路図(A)、同要部の拡大断面図(B)及び
同要部の概略平面図(C)である。
【図29】同、FEDの製造プロセスを工程順に示す断
面図である。
【図30】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図31】同、他のFEDの要部の等価回路図(A)、
同要部の拡大断面図(B)及び同要部の平面図(C)で
ある。
【図32】同、FEDの製造プロセスを工程順に示す断
面図である。
【図33】同、製造プロセスを工程順に示す断面図であ
る。
【図34】本発明の第5の実施の形態による太陽電池の
製造プロセスを工程順に示す断面図である。
【符号の説明】
1、61、98、111、157…基板、7、67…多
結晶性シリコン膜、7A、67A…低級結晶性シリコン
膜、14、67、117…チャンネル、15、75、1
02、105、115…ゲート電極、8、68、10
3、104、106、118…ゲート絶縁膜、20、2
1、80、81、120、121…n+型ソース又はド
レイン領域、24、25、84、85…p+型ソース又
はドレイン領域、27、28、86、92、130、1
36、137…絶縁膜、29、30、87、88、8
9、90、91、93、97、127、128、131
…電極、40…原料ガス、42…シャワーヘッド、44
…チャンバ、45…サセプタ、46…触媒体、47…シ
ャッター、48…触媒体電源、49…バイアス電源、9
4、96…配向膜、95…液晶、99…カラーフィルタ
層、100…保護膜、100’、140…ブラックマス
ク層、132、133…有機発光層、134、135、
144…陽極、138、141、142、171…陰
極、150…ゲート引き出し電極(ゲートライン)、1
51…遮蔽膜、152…エミッタ、153…n型多結晶
性シリコン膜、155…バックメタル、156…蛍光
体、158、168…微細凹凸、163…n型多結晶性
ダイヤモンド膜、180…i型多結晶性シリコン膜、1
81…p型多結晶性シリコン膜、182…透明電極、1
83…くし型電極、200、201…電極、202、2
03…磁極(永久磁石)、204…電磁石
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/16 H01L 29/16 5F052 29/786 29/78 612B 5F110 21/336 618A 31/04 618F 618B 627G 31/04 A Fターム(参考) 2H092 HA04 JA24 JB57 KA04 KA05 KA12 KA18 KB24 MA08 MA29 PA01 PA06 PA08 PA12 4M104 AA09 BB01 BB40 CC05 DD34 DD37 DD43 DD51 DD78 DD81 GG09 5F045 AA03 AA06 AA08 AA18 AA19 AB04 AC01 AC16 AC17 AC19 AD04 AD05 AD06 AD07 AD08 AD09 AE03 AE05 AE07 AE09 BB08 CA15 DP05 EF05 EK01 HA16 5F048 AC04 BA14 BA16 BB05 BC16 BD04 5F051 AA03 CB12 CB24 DA03 DA04 FA04 FA14 GA02 5F052 AA11 CA04 DA01 DA02 DA03 DA10 DB01 DB02 DB03 DB05 DB07 DB09 JA01 JA07 JA09 5F110 AA01 AA17 BB02 BB04 BB05 BB10 CC02 CC08 DD02 DD03 DD07 DD13 DD14 EE06 EE09 EE23 EE30 EE32 EE44 EE45 FF02 FF03 FF23 FF29 GG01 GG02 GG13 GG25 GG32 GG33 GG34 GG42 GG43 GG44 GG45 GG47 GG48 GG51 GG52 GG60 HJ01 HJ04 HJ12 HJ13 HJ23 HL03 HL06 HL07 HL11 HL22 HL23 HL24 HL27 HM15 NN03 NN04 NN12 NN23 NN24 NN25 NN27 NN35 NN43 NN44 NN46 NN72 NN73 PP01 PP13 PP26 PP40 QQ08 QQ09 QQ11 QQ19 QQ24

Claims (54)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に多結晶性半導体薄膜を形成する
    に際し、 前記基体上に低級結晶性半導体薄膜を形成する工程と、 水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体に接触させ、
    これによって生成した水素系活性種をグロー放電開始電
    圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記低級結晶性
    半導体薄膜に作用させて、前記低級結晶性半導体薄膜の
    結晶化を促進するアニール工程とを行うことによって前
    記多結晶性半導体薄膜を得る、多結晶性半導体薄膜の形
    成方法。
  2. 【請求項2】 基体上に多結晶性半導体薄膜を有する半
    導体装置を製造するに際し、 前記基体上に低級結晶性半導体薄膜を形成する工程と、 水素又は水素含有ガスを加熱された触媒体に接触させ、
    これによって生成した水素系活性種をグロー放電開始電
    圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で前記低級結晶性
    半導体薄膜に作用させて、前記低級結晶性半導体薄膜の
    結晶化を促進するアニール工程とを行うことによって前
    記多結晶性半導体薄膜を得る、半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記低級結晶性半導体薄膜を気相成長
    法、液相成長法又は物理的成膜法によって形成する、請
    求項1又は2に記載した方法。
  4. 【請求項4】 前記水素又は水素含有ガスの少なくとも
    一部を加熱された触媒体に接触させ、これによって生成
    した高温の水素系分子、水素系原子、活性化水素イオン
    等の水素系活性種にグロー放電開始電圧以下の電界又は
    /及び磁界を作用させて指向性運動エネルギーを与え、
    この水素系活性種を前記低級結晶性半導体薄膜に作用さ
    せる、請求項1又は2に記載した方法。
  5. 【請求項5】 前記低級結晶性半導体薄膜の気相成長と
    前記アニールとを繰り返す、請求項3に記載した方法。
  6. 【請求項6】 加熱された前記触媒体に、前記原料ガス
    及び水素系キャリアガスの少なくとも一部を接触させて
    触媒的に分解させ、これによって生成したラジカル、イ
    オン等の反応種を必要あればグロー放電開始電圧以下の
    電界又は/及び磁界の作用による指向性運動エネルギー
    の付与下で、前記基体上に堆積させて前記低級結晶性半
    導体薄膜を気相成長させた後、前記原料ガスの供給を停
    止し、加熱触媒体に前記水素系キャリアガスの少なくと
    も一部を接触させ、これによって生成した大量の高温の
    水素系分子、水素系原子、活性化水素イオン等の水素系
    活性種にグロー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界
    の作用下で指向性運動エネルギーを与え、この水素系活
    性種を前記低級結晶性半導体薄膜に作用させて前記アニ
    ールを行う、請求項1又は2に記載した方法。
  7. 【請求項7】 前記気相成長時の水素又は水素含有ガス
    供給量よりも前記アニール時の水素又は水素含有ガス供
    給量を多くする、請求項7に記載した方法。
  8. 【請求項8】 タングステン、トリア含有タングステ
    ン、モリブデン、白金、パラジウム、バナジウム、シリ
    コン、アルミナ、金属を付着したセラミックス、及び炭
    化ケイ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の材料
    によって、前記触媒体を形成する、請求項1又は2に記
    載した方法。
  9. 【請求項9】 前記触媒体及びこれを支持する支持体の
    純度を99.99wt%以上、好ましくは99.999
    wt%又はそれ以上とする、請求項1又は2に記載した
    方法。
  10. 【請求項10】 前記低級結晶性半導体薄膜が微結晶シ
    リコン含有アモルファスシリコン膜、微結晶シリコン
    (アモルファスシリコン含有微結晶シリコン)膜、アモ
    ルファスシリコン及び微結晶シリコン含有多結晶シリコ
    ン膜、微結晶ゲルマニウム含有アモルファスゲルマニウ
    ム膜、微結晶ゲルマニウム(アモルファスゲルマニウム
    含有微結晶ゲルマニウム)膜、アモルファスゲルマニウ
    ム及び微結晶ゲルマニウム含有多結晶ゲルマニウム膜、
    又はSixGe1-x(0<x<1)で示されるアモルファ
    スシリコンゲルマニウム膜からなり、かつ、前記水素又
    は水素含有ガスが水素又は水素と不活性なガスとの混合
    ガスからなる、請求項1又は2に記載した方法。
  11. 【請求項11】 前記低級結晶性半導体薄膜に錫等のIV
    族元素の少なくとも1種を適量含有させ、この状態で前
    記アニール工程を行う、請求項10に記載した方法。
  12. 【請求項12】 前記グロー放電開始電圧以下の電圧と
    して、直流電圧、交流電圧(高周波電圧及び/又は低周
    波電圧)、又は直流電圧に交流電圧(高周波電圧及び/
    又は低周波電圧)を重畳させた電圧を印加する、請求項
    1又は2に記載した方法。
  13. 【請求項13】 前記高周波電圧の周波数を1〜100
    MHz、前記低周波電圧の周波数を1MHz未満とす
    る、請求項12に記載した方法。
  14. 【請求項14】 前記多結晶性半導体薄膜によって、薄
    膜絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャンネル、ソ
    ース及びドレイン領域、又は配線、抵抗、容量又は電子
    放出体等を形成する、請求項1又は2に記載した方法。
  15. 【請求項15】 前記多結晶性半導体薄膜又は前記低級
    結晶性半導体薄膜に対しチャンネル、ソース及びドレイ
    ン領域の形成後に、これらの領域に対し、水素又は水素
    含有ガスを加熱された触媒体に接触させることによって
    生成した水素系活性種を、又はこの水素系活性種をグロ
    ー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で作
    用させる、請求項1又は2に記載した方法。
  16. 【請求項16】 前記多結晶性半導体薄膜内において内
    部から外部に向って結晶粒径を小さくして高密度化する
    か、或いはアモルファス半導体薄膜又は微粒子含有アモ
    ルファス半導体薄膜で前記多結晶性半導体薄膜を被覆す
    る、請求項1又は2に記載した方法。
  17. 【請求項17】 前記微粒子含有アモルファス半導体薄
    膜又は前記アモルファス半導体薄膜を除去し、大粒径層
    (前記多結晶性半導体薄膜)とコンタクトしたソース、
    ドレイン電極を形成する、請求項16に記載した方法。
  18. 【請求項18】 シリコン半導体装置、シリコン半導体
    集積回路装置、シリコン−ゲルマニウム半導体装置、シ
    リコン−ゲルマニウム半導体集積回路装置、化合物半導
    体装置、化合物半導体集積回路装置、炭化ケイ素半導体
    装置、炭化ケイ素半導体集積回路装置、液晶表示装置、
    有機又は無機エレクトロルミネセンス表示装置、フィー
    ルドエミッションディスプレイ(FED)装置、発光ポ
    リマー表示装置、発光ダイオード表示装置、CCDエリ
    ア/リニアセンサ装置、MOSセンサ装置、太陽電池装
    置用の薄膜を製造する、請求項1又は2に記載した方
    法。
  19. 【請求項19】 内部回路及び周辺回路を有する半導体
    装置、固体撮像装置、電気光学装置等の製造に際し、こ
    れらの少なくとも一部を構成する薄膜絶縁ゲート型電界
    効果トランジスタのチャンネル、ソース及びドレイン領
    域を前記多結晶性半導体薄膜によって形成する、請求項
    18に記載した方法。
  20. 【請求項20】 各色用の有機又は無機エレクトロルミ
    ネセンス層の下層にそれぞれ、前記薄膜絶縁ゲート型電
    界効果トランジスタのドレイン又はソースと接続された
    陰極又は陽極を有する、請求項19に記載した方法。
  21. 【請求項21】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上も前記陰極が覆い、或いは前記
    各色用の有機又は無機エレクトロルミネセンス層の各層
    上及び各層間の全面に前記陰極又は陽極が被着されてい
    る装置を製造する、請求項20に記載した方法。
  22. 【請求項22】 前記各色用の前記有機又は無機エレク
    トロルミネセンス層間にブラックマスク層を形成する、
    請求項20に記載した方法。
  23. 【請求項23】 フィールドエミッションディスプレイ
    装置のエミッタを、前記多結晶性半導体薄膜を介して前
    記薄膜絶縁ゲート型電界効果トランジスタのドレインに
    接続すると共に前記多結晶性半導体薄膜上に成長された
    n型多結晶性半導体膜又は多結晶性ダイヤモンド膜によ
    って形成する、請求項19に記載した方法。
  24. 【請求項24】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上にアース電位の遮蔽膜を形成す
    る、請求項23に記載した方法。
  25. 【請求項25】 前記遮蔽膜を前記フィールドエミッシ
    ョンディスプレイ装置のゲート引き出し電極と同一材料
    で同一工程により形成する、請求項24に記載した方
    法。
  26. 【請求項26】 基体上に多結晶性半導体薄膜を形成す
    るための装置であって、 低級結晶性半導体薄膜の形成手段と、 水素又は水素含有ガス供給手段と、 触媒体と、 触媒体加熱手段と、 基体加熱手段と、 グロー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界を印加す
    る電界又は/及び磁界印加手段とを有する、多結晶性半
    導体薄膜の形成装置。
  27. 【請求項27】 基体上に多結晶性半導体薄膜を有する
    半導体装置を製造するための装置であって、 低級結晶性半導体薄膜の形成手段と、 水素又は水素含有ガス供給手段と、 触媒体と、 触媒体加熱手段と、 基体加熱手段と、 グロー放電開始電圧以下の電界又は/及び磁界を印加す
    る電界又は/及び磁界印加手段とを有する、半導体装置
    の製造装置。
  28. 【請求項28】 前記低級結晶性半導体薄膜が気相成長
    法、液相成長法又は物理的成膜法によって形成される、
    請求項26又は27に記載した装置。
  29. 【請求項29】 水素又は水素含有ガスの少なくとも一
    部を加熱された触媒体に接触させて触媒的に分解させ、
    これによって生成した高温の水素系分子、水素系原子、
    活性化水素イオン等の水素系活性種にグロー放電開始電
    圧以下の電界又は/及び磁界を作用させて指向性運動エ
    ネルギーを与え、この水素系活性種を前記低級結晶性半
    導体薄膜に作用させる、請求項26又は27に記載した
    装置。
  30. 【請求項30】 原料ガス及び水素系キャリアガスの少
    なくとも一部を加熱された前記触媒体に接触させて触媒
    的に分解させ、これによって生成したラジカル、イオン
    等の反応種を必要あればグロー放電開始電圧以下の電界
    又は/及び磁界の作用による指向性運動エネルギーの付
    与下で前記基体上に堆積させることによって、前記低級
    結晶性半導体薄膜を形成する気相成長工程と、前記水素
    系キャリアガスの少なくとも一部を加熱された触媒体に
    接触させて生成した高温の水素系分子、水素系原子、活
    性化水素イオン等の水素系活性種に前記グロー放電開始
    電圧以下の電界又は/及び磁界の作用下で指向性運動エ
    ネルギーを与え、この水素系活性種を前記低級結晶性半
    導体薄膜に作用させることにより前記低級結晶性半導体
    薄膜の結晶化を促進するアニール工程とを行うために、
    前記原料ガス供給手段と水素系キャリアガス供給手段と
    を制御する制御手段を有する、請求項26又は27に記
    載した装置。
  31. 【請求項31】 前記気相成長時の水素又は水素含有ガ
    ス供給量よりも前記アニール時の水素又は水素含有ガス
    供給量が多くされる、請求項30に記載した装置。
  32. 【請求項32】 タングステン、トリア含有タングステ
    ン、モリブデン、白金、パラジウム、バナジウム、シリ
    コン、アルミナ、金属を付着したセラミックス、及び炭
    化ケイ素からなる群より選ばれた少なくとも1種の材料
    によって、前記触媒体が形成されている、請求項26又
    は27に記載した装置。
  33. 【請求項33】 前記触媒体及びこれを支持する支持体
    の純度が99.99wt%以上、好ましくは99.99
    9wt%又はそれ以上である、請求項26又は27に記
    載した装置。
  34. 【請求項34】 前記低級結晶性半導体薄膜が微結晶シ
    リコン含有アモルファスシリコン膜、微結晶シリコン
    (アモルファスシリコン含有微結晶シリコン)膜、アモ
    ルファスシリコン及び微結晶シリコン含有多結晶シリコ
    ン膜、微結晶ゲルマニウム含有アモルファスゲルマニウ
    ム膜、微結晶ゲルマニウム(アモルファスゲルマニウム
    含有微結晶ゲルマニウム)膜、アモルファスゲルマニウ
    ム及び微結晶ゲルマニウム含有多結晶ゲルマニウム膜、
    又はSixGe1-x(0<x<1)で示されるアモルファ
    スシリコンゲルマニウム膜からなり、かつ、前記水素又
    は水素含有ガスが水素又は水素と不活性なガスとの混合
    ガスからなる、請求項26又は27に記載した装置。
  35. 【請求項35】 前記低級結晶性半導体薄膜に錫等のIV
    族元素の少なくとも1種を適量含有させ、この状態で前
    記アニールが行われる、請求項34に記載した装置。
  36. 【請求項36】 前記電界印加手段が、グロー放電開始
    電圧以下の直流電圧、交流電圧(高周波電圧及び/又は
    低周波電圧)、又は直流電圧に交流電圧(高周波電圧及
    び/又は低周波電圧)を重畳させた電圧を印加する電源
    を有している、請求項26又は27に記載した装置。
  37. 【請求項37】 前記高周波電圧の周波数が1〜100
    MHz、前記低周波電圧の周波数が1MHz未満であ
    る、請求項36に記載した装置。
  38. 【請求項38】 前記基体を支持するサセプタと前記電
    界印加用の電極との間に前記触媒体が設置される、請求
    項26又は27に記載した装置。
  39. 【請求項39】 前記水素又は水素含有ガスを導出する
    ガス供給口が前記電極に形成されている、請求項38に
    記載した装置。
  40. 【請求項40】 前記多結晶性半導体薄膜によって、薄
    膜絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャンネル、ソ
    ース及びドレイン領域、又は配線、抵抗、容量又は電子
    放出体等を形成する、請求項26又は27に記載した装
    置。
  41. 【請求項41】 前記チャンネル、ソース及びドレイン
    領域の形成後に、これらの領域に対し、水素又は水素含
    有ガスを加熱された触媒体に接触させることによって生
    成した水素系活性種を作用させる、請求項40に記載し
    た装置。
  42. 【請求項42】 シリコン半導体装置、シリコン半導体
    集積回路装置、シリコン−ゲルマニウム半導体装置、シ
    リコン−ゲルマニウム半導体集積回路装置、化合物半導
    体装置、化合物半導体集積回路装置、炭化ケイ素半導体
    装置、炭化ケイ素半導体集積回路装置、液晶表示装置、
    有機又は無機エレクトロルミネセンス表示装置、フィー
    ルドエミッションディスプレイ(FED)装置、発光ポ
    リマー表示装置、発光ダイオード表示装置、CCDエリ
    ア/リニアセンサ装置、MOSセンサ装置、太陽電池装
    置用の薄膜を製造する、請求項26又は27に記載した
    装置。
  43. 【請求項43】 内部回路及び周辺回路を有する半導体
    装置、固体撮像装置、電気光学装置等の製造に際し、こ
    れらの少なくとも一部を構成する薄膜絶縁ゲート型電界
    効果トランジスタのチャンネル、ソース及びドレイン領
    域を前記多結晶性半導体薄膜によって形成する、請求項
    42に記載した装置。
  44. 【請求項44】 各色用の有機又は無機エレクトロルミ
    ネセンス層の下層にそれぞれ、前記薄膜絶縁ゲート型電
    界効果トランジスタのドレイン又はソースと接続された
    陰極又は陽極を有する装置を製造する、請求項43に記
    載した装置。
  45. 【請求項45】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上も前記陰極が覆い、或いは前記
    各色用のエレクトロルミネセンス層の各層上及び各層間
    の全面に前記陰極又は陽極が被着されている装置を製造
    する、請求項44に記載した装置。
  46. 【請求項46】 前記各色用のエレクトロルミネセンス
    層間にブラックマスク層を形成する、請求項44に記載
    した装置。
  47. 【請求項47】 フィールドエミッションディスプレイ
    装置のエミッタを、前記多結晶性半導体薄膜を介して前
    記薄膜絶縁ゲート型電界効果トランジスタのドレインに
    接続すると共に前記多結晶性半導体薄膜上に成長された
    n型多結晶性半導体膜又は多結晶性ダイヤモンド膜によ
    って形成する、請求項43に記載した装置。
  48. 【請求項48】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上にアース電位の遮蔽膜を形成す
    る、請求項47に記載した装置。
  49. 【請求項49】 前記遮蔽膜を前記フィールドエミッシ
    ョンディスプレイ装置のゲート引き出し電極と同一材料
    で同一工程により形成する、請求項48に記載した装
    置。
  50. 【請求項50】 各色用の有機又は無機エレクトロルミ
    ネセンス層の下層にそれぞれ、請求項1又は2に記載し
    た多結晶性半導体薄膜からなる薄膜絶縁ゲート型電界効
    果トランジスタのドレイン又はソースと接続された陰極
    又は陽極を有し、前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上も前記陰極が覆い、或いは前記
    各色用の有機又は無機エレクトロルミネセンス層の各層
    上及び各層間の全面に前記陰極又は陽極が被着されてい
    る電気光学装置。
  51. 【請求項51】 前記各色用の前記有機又は無機エレク
    トロルミネセンス層間にブラックマスク層が形成されて
    いる、請求項50に記載した電気光学装置。
  52. 【請求項52】 フィールドエミッションディスプレイ
    (FED)のエミッタが、請求項1又は2に記載した多
    結晶性半導体薄膜からなる薄膜絶縁ゲート型電界効果ト
    ランジスタのドレインに前記多結晶性半導体薄膜を介し
    て接続されると共に前記多結晶性半導体薄膜上に成長さ
    れたn型多結晶性半導体膜又は多結晶性ダイヤモンド膜
    によって形成されている電気光学装置。
  53. 【請求項53】 前記薄膜絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタを含む能動素子上にアース電位の遮蔽膜が形成さ
    れている、請求項52に記載した電気光学装置。
  54. 【請求項54】 前記遮蔽膜が前記フィールドエミッシ
    ョンディスプレイ装置のゲート引き出し電極と同一材料
    で同一工程により形成される、請求項53に記載した電
    気光学装置。
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