JP2002256822A - 動弁装置のバルブクリアランス調整機構 - Google Patents
動弁装置のバルブクリアランス調整機構Info
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Abstract
る。 【解決手段】 エンジンヘッド10にはピボット24と
同心の周方向に沿ったラチェット歯28を設け、ピボッ
ト24にはラチェット歯28に嵌合する方向へ付勢され
た係止部材27を設けた。ロック状態では係止部材27
がラチェット歯28に嵌合することによってピボット2
4の回転が規制される。このロック状態からピボット2
4に回転力を付与すると、係止部材27が付勢に抗して
ラチェット歯28から間欠的に退避しつつピボット24
が回転される。ピボット24への回転力を解除すると、
付勢によりロック状態に復帰する。ロック状態とロック
解除状態との間での切り替えに際して、ロックナットを
締め付ける作業と緩める作業が不要である。
Description
置におけるバルブクリアランス調整機構に関するもので
ある。
おける吸気弁及び排気弁の追従性を高めて動弁性能を向
上させるため、バルブクリアランス調整機構が設けられ
ている。機械式のバルブクリアランス調整機構として
は、特開平7−54617号公報に開示されているもの
がある。これは、ロッカーアームの揺動支点を支承する
ボルトタイプのピボットを、エンジンヘッドにねじ込ん
だ構造になり、ピボットを回転させてそのエンジンヘッ
ドからの突出高さを変えることにより、ロッカーアーム
の揺動支点の高さを調整するようになっている。また、
調整後は、ピボットを回転不能にロックする手段とし
て、ピボットの外周の雄ネジ部にロックナットを螺合し
てそのロックナットの下面をエンジンヘッドの上面に押
し付け、その押し付けに起因する軸方向の反力によって
ピボットの回転を規制するようになっている。
アランス調整機構では、バルブクリアランスの調整に際
して、ピボットの回転を規制するロック状態とピボット
の回転を許容するロック解除状態との間で切り替えると
きには、ロックナットを締め付ける作業と緩める作業が
必要であるため、作業性が悪いという問題がある。本願
発明は上記事情に鑑みて創案され、バルブクリアランス
調整の作業性向上を図ることを目的としている。
ジンヘッドに設けた雌ネジ孔に螺合したピボットにより
ロッカーアームの揺動支点を支承し、カムにより前記ロ
ッカーアームを揺動させることでバルブを駆動するよう
にした動弁装置において、前記ピボットを螺進させるこ
とにより前記ロッカーアームの揺動支点の高さを変える
ようにしたバルブクリアランス調整機構において、前記
エンジンヘッド側と前記ピボットのうち、いずれか一方
には、前記ピボットと同心の周方向に沿ったラチェット
歯が設けられているとともに、他方には、前記ラチェッ
ト歯に対して嵌合する位置と前記ラチェット歯から退避
する位置との間で変位可能であり且つ前記ラチェット歯
に嵌合する方向へ付勢された係止部材が設けられている
構成とした。
て、前記係止部材は、バネ材料からなり、それ自身の弾
性復元力によって前記ラチェット歯への嵌合する構成と
されている。請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、前記係止部材が、前記ピボットをその軸線と直交す
る径方向に貫通する形態で設けられ、前記ラチェット歯
が前記雌ネジ孔の内周に設けられている構成とした。請
求項4の発明は、請求項1の発明において、前記ラチェ
ット歯が前記ピボットの外周に形成されており、前記エ
ンジンヘッド側には、前記係止部材とこの係止部材を前
記ラチェット歯への嵌合方向付勢する付勢部材とが設け
られている構成とした。
て、前記係止部材が、前記ラチェット歯に対して前記ピ
ボットの軸線と直交する径方向に変位することで嵌合さ
れる構成とした。請求項6の発明は、請求項4の発明に
おいて、前記係止部材が、前記ラチェット歯に対して前
記ピボットの軸線と平行に変位することで嵌合される構
成とした。
では、係止部材がラチェット歯に嵌合することによって
ピボットの回転が規制される。このロック状態からピボ
ットに回転力を付与すると、係止部材が付勢に抗してラ
チェット歯から間欠的に退避しつつ、ピボットが回転さ
れる。ピボットへの回転力を解除すると、付勢によって
係止部材がラチェット歯に嵌合するロック状態に復帰す
る。ロック状態とロック解除状態との間での切り替えに
際して、ロックナットを締め付ける作業と緩める作業が
不要であるから、作業性に優れる。
具備しているので、係止部材と付勢手段とを別体の部品
とした場合に比べると、部品点数が少なくて済む。 [請求項3の発明]ロック状態では係止部材のうちピボ
ットの外周から突出している部分をラチェット歯に嵌合
させる。係止部材がピボットに径方向に貫通されている
とともに、ラチェット歯が係止部材を径方向に挟むよう
に配されているので、係止部材がピボットから外れる虞
がない。
ト歯が形成されているだけなので、ピボットに係止部材
や付勢部材を具備させる構造に比べると、ピボットの構
造を簡素化することができる。 [請求項5の発明]係止部材をラチェット歯に対してピ
ボットの軸線と平行に変位させつつ嵌合させる場合に
は、ラチェット歯をピボットの外周から突出させた形態
にする必要があるためにピボットが大径化するのである
が、本発明では、係止部材を径方向に変位させつつラチ
ェット歯に嵌合させるようにしたので、ラチェット歯は
ピボットの外周面に凹凸を形成するだけで済み、ピボッ
トの大径化を回避することができる。
歯に嵌合した状態では、係止部材からラチェット歯への
軸線方向の付勢力により、ピボットと雌ネジ孔との螺合
部分に摩擦抵抗が生じるので、この摩擦によってもピボ
ットの回転規制機能が発揮される。
体化した実施形態1を図1乃至図3を参照して説明す
る。まず、動弁装置について説明すると、動弁装置は、
エンジンヘッド10の上面からバルブクリアランス調整
機構20を構成するピボット24を突出させ。そのピボ
ット24の上端部によりロッカーアーム11の揺動支点
部11Aを下から支承するとともに、そのロッカーアー
ム11の揺動端部11Bを上下動可能に設けられたバル
ブステム12の上端に上から当接させ、ロッカーアーム
11の略中央部に設けたカムローラ13に対しその上方
からカムシャフト14のカム15を当接させた構造にな
る。カムシャフト14が回転すると、ロッカーアーム1
1がその揺動支点部11Aを支点として上下方向に揺動
し、そのロッカーアーム11の揺動にともなってバルブ
ステム12が上下動することによりバルブ(図示せず)
が開閉される。
調整機構20は、エンジンヘッド10からのピボット2
4の突出高さ、即ちロッカーアーム11の揺動支点部1
1Aの高さを変えることによってバルブクリアランスを
調整するとともに、後述するラチェット手段によってピ
ボット24の回転を規制することで調整状態を保持する
ようになっている。以下、その構成を詳しく説明する。
エンジンヘッド10に埋設して固定された有底筒体21
(底が空いた円筒でもよい)には、エンジンヘッド10
の上面側に開口するとともに軸線を上下方向に向けた円
形の雌ネジ孔22が設けられ、この雌ネジ孔22の内周
には雌ネジ部23が形成されている。雌ネジ部23には
ピボット24の外周に形成した雄ネジ部25が螺合され
ている。かかるピボット24を回転させると、その雄ネ
ジ部25と雌ネジ部23との螺合によりピボット24が
上方又は下方へ移動し、それによってバルブクリアラン
スが調整される。
方向に貫通する貫通孔26が形成されており、この貫通
孔26内には係止部材27が収容されている。係止部材
27は、細長い板状をなす金属製のバネ材料からなり、
弧状部27Aの両端から一対の折返部27Bを延出させ
た形状をなし、その折返部分がラチェット歯28への引
っ掛かり部27Cとなっている。この一対の引っ掛かり
部27Cは、係止部材27が弾性撓みしない自由状態
(又は、弾性撓み量が少ない状態)にあるときには、ピ
ボット24の外周面から外方へ突出するようになってい
る。有底筒体21の雌ネジ孔22の内周における貫通孔
26と対応する位置には、ピボット24と同心の周方向
に沿って複数の凹凸歯を一定ピッチで並列してなるラチ
ェット歯28が形成されている。
構20は、常には、一対の引っ掛かり部27Cがラチェ
ット歯28のいずれかの凹部に嵌合することにより、エ
ンジンヘッド10(有底筒体21)に対するピボット2
4の回転が規制されたロック状態に保持されている。こ
のロック状態では、ピボット24に回転力が作用して
も、その回転力が係止部材27の弾力に起因する引っ掛
かり部27Cとラチェット歯28との周方向の係止力よ
りも小さい場合には、ピボット24は回転することはな
い。
し、引っ掛かり部27Cとラチェット歯28との周方向
の係止力よりも大きい回転力を付与すると、係止部材2
7がその引っ掛かり部27Cを貫通孔26の内部に退避
させるように弾性撓みする退避状態と、引っ掛かり部2
7Cをピボット24の外周から突出させてラチェット歯
28に係止させる弾性復元状態とを繰り返すことによっ
てラチェット歯28の突起を乗り越えつつ、ピボット2
4が回転する。
止部材27がそれ自身の弾性復元力によって引っ掛かり
部27Cをラチェット歯28に係止させるロック状態と
なる。本実施形態1では、ピボット24を回転規制する
ロック手段として、ラチェット歯28に対し弾性を有す
る係止部材27を弾性的に係止させるようにしたので、
ロック状態とロック解除状態との間での切り替えに際し
て、従来のようにロックナットを締め付ける作業と緩め
る作業が不要であるから、作業性に優れている。
しているので、係止部材と付勢手段とを別体の部品とし
た場合に比べると、部品点数が少なくて済んでいる。ま
た、係止部材27がピボット24に径方向に貫通されて
いるとともに、ラチェット歯28が係止部材27を径方
向に挟むように配されているので、係止部材27がピボ
ット24から外れる虞がない。 [実施形態2]以下、本発明を具体化した実施形態2を
図4を参照して説明する。
構30では、ピボット31の貫通孔32に貫通された係
止部材33が、細長い板状をなす金属製のバネ材料から
なり、ヘアピン状に折り曲げられるとともに、その両端
から外向きに一対の当接部33Aを延出させた形態であ
り、折曲げ部分がラチェット歯34への引っ掛かり部3
3Bとされている。係止部材33が弾性撓みしない自由
状態にあるときには、当接部33Aがピボット31の外
周面とラチェット歯34の突起の先端との間で挟まれる
とともに、引っ掛かり部33Bがラチェット歯34の谷
に嵌合されている。この引っ掛かり部33Bとラチェッ
ト歯34との係止により、有底筒体21(エンジンヘッ
ド10)に対するピボット31の回転が規制されたロッ
ク状態に保持されている。このロック状態では、ピボッ
ト24に回転力が作用しても、その回転力が係止部材3
3の弾力に起因する引っ掛かり部33Bとラチェット歯
34との周方向の係止力よりも小さい場合には、ピボッ
ト31は回転することはない。
し、引っ掛かり部33Bとラチェット歯34との周方向
の係止力よりも大きい回転力を付与すると、係止部材3
3がその引っ掛かり部33Bを貫通孔32の内部に退避
させるように弾性撓みする退避状態と、引っ掛かり部3
3Bをピボット31の外周から突出させてラチェット歯
34に係止させる弾性復元状態とを繰り返すことによっ
てラチェット歯34の突起を乗り越えつつ、ピボット3
1が回転する。尚、貫通孔32における引っ掛かり部3
3B側の開口部分には、係止部材27の弾性撓みを許容
するための撓み空間32Aが形成されている。
て、特に詳しく説明しない構成については上記実施形態
1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を
付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。 [実施形態3]以下、本発明を具体化した実施形態3を
図5を参照して説明する。本実施形態3のバルブクリア
ランス調整機構35では、ピボット36の貫通孔37に
貫通された係止部材38が、細長い板状をなす金属製の
バネ材料からなり、貫通孔37に緊密に貫通された直線
部38Aと、直線部38Aのピボット36の外周面から
突出した両端においてV字形に屈曲された一対の引っ掛
かり部38Bとからなる。係止部材38が弾性撓みしな
い自由状態(又は、弾性撓み量が少ない状態)にあると
きには、引っ掛かり部38Bがラチェット歯39の谷に
嵌合されており、この引っ掛かり部38Bとラチェット
歯39との係止により、有底筒体21(エンジンヘッド
10)に対するピボット36の回転が規制されたロック
状態に保持されている。
し、引っ掛かり部38Bとラチェット歯39との周方向
の係止力よりも大きい回転力を付与すると、引っ掛かり
部38Bが周方向に変位するように弾性撓みする退避状
態と、引っ掛かり部38Bをラチェット歯39に係止さ
せる弾性復元状態とを繰り返すことによってラチェット
歯39の突起を乗り越えつつ、ピボット36が回転す
る。尚、貫通孔37におけるピボット36の外周におけ
る開口部分には、係止部材38の弾性撓みを許容するた
めの撓み空間37Aが形成されている。
実施形態4を図6及び図7を参照して説明する。本実施
形態4のバルブクリアランス調整機構40について説明
する。ピボット41の外周には、一定ピッチで複数の突
起42Aを同心状に配してなる従動ギヤ42が形成さ
れ、エンジンヘッド10の上面には駆動軸43がピボッ
ト41と平行に回転可能に支持され、この駆動軸43に
は一定ピッチで配した複数の突起44Aからなる駆動ギ
ヤ44が一体回転可能に固着されていて、この駆動ギヤ
44と従動ギヤ42とが係合されている。この駆動ギヤ
44を回転させるとピボット41が回転され、このピボ
ット41の回転によってバルブクリアランスが調整され
る。尚、駆動軸43は、エンジンヘッド10に支持する
のに替えて、後述する有底筒体45に一体形成してもよ
く、有底筒体45に支持してもよい。
ている有底筒体45(底が空いた円筒でもよい)の上端
面には、ピボット41と同心の周方向に沿った複数の凹
凸を一定ピッチで並列してなるラチェット歯46が形成
されている。ピボット41には、係止部材47が一体回
転するように取り付けられている。係止部材47は、バ
ネ性を有する金属線材を曲げ加工してなり、V字形をな
す引っ掛かり部47Aと、この引っ掛かり部47Aの両
端から周方向外向きに延出する一対の宛がい部47B
と、この宛がい部47Bの延出端から上方へ延出する一
対の挟圧部47Cとからなる。かかる係止部材47は、
その一対の挟圧部47Cを突起42Aに対して周方向に
係止させ、宛がい部47Bを突起42Aの下面に当接さ
せ、引っ掛かり部47Aの下端をラチェット歯46の谷
に嵌合させた状態でピボット41に取り付けられてい
る。かかる係止部材47は、一対の挟圧部47Cが突起
42Aを周方向に挟圧することにより、ピボット41に
対する周方向への相対変位を規制されている。また、宛
がい部47Bを突起42Aの下面に当接させるととも
に、引っ掛かり部47Aをラチェット歯46に対して上
から当接させることにより、係止部材47のピボット4
1に対する上下遊動が規制されている。尚、本実施形態
4において、雌ネジ孔22、雌ネジ部23、ラチェット
歯46を、エンジンヘッド10に直接形成してもよい。
また、係止部材47をピボット41に取り付ける手段と
して、一対の挟圧部47Cを突起42を挟圧させる構造
に替えて、挟圧部47Cをピボット41に形成した取付
孔に差し込むようにしてもよい。
り部47Aがラチェット歯46に対して弾性的に係止す
ることによってエンジンヘッド10(有底筒体45)に
対する回転が規制されている。また、係止部材47の弾
力に起因するラチェット歯46との係止力よりも大きな
回転力をピボット41に付与すると、係止部材47の引
っ掛かり部47Aが弾性撓みしつつピボット41が回転
する。 [実施形態5]以下、本発明を具体化した実施形態5を
図8乃至図10を参照して説明する。本実施形態5のバ
ルブクリアランス調整機構50について説明する。ピボ
ット51の外周には、半円筒形の凹部を一定ピッチで複
数同心状に並列してなるラチェット歯52が形成されて
いる。有底筒体53(底が空いた円筒でもよい)には、
ピボット51と同心状をなす円形の撓み空間54が形成
され、その撓み空間54内にはC字形をなす板バネ状の
付勢部材55がその弾性復元力によって撓み空間54の
内側の周面54Aに密着する形態で収容されている。ま
た、有底筒体53には、その内周面に開口するとともに
撓み空間54に連通する一対の連通孔56が形成されて
おり、この連通孔56内には球体からなる係止部材57
が、ピボット51の軸線を中心とする周方向への遊動を
規制され且つ軸線と直交する径方向への変位を許容され
た状態で収容されている。
って径方向内側へ押動された係止部材57が連通孔56
とラチェット歯52の双方に対して周方向の相対変位を
規制された状態で係止されることで、有底筒体53(エ
ンジンヘッド10)に対する回転を規制される。また、
付勢部材55の弾力に起因する係止部材57とラチェッ
ト歯52との係止力よりも大きな回転力をピボット51
に付与すると、係止部材57が付勢部材55の付勢に抗
して径方向外側へ変位する退避状態と、付勢部材55の
付勢によって径方向内側へ変位する係止状態とを繰り返
しつつ、ピボット51が回転する。
の軸線と平行に変位させつつ嵌合させる場合には、ラチ
ェット歯をピボットの外周から突出させた形態にする必
要があるためにピボットが大径化するのであるが、本実
施形態5では、係止部材57を径方向に変位させつつラ
チェット歯52に嵌合させるようにしたので、ラチェッ
ト歯52はピボット51の外周面に凹凸を形成するだけ
で済み、ピボット51の大径化を回避することができる
ようになっている。また、ピボット51にはラチェット
歯52が形成されているだけなので、ピボットに係止部
材や付勢部材を具備させる構造に比べると、ピボット5
1の構造が簡素化されている。
実施形態6を図11乃至図13を参照して説明する。本
実施形態6のバルブクリアランス調整機構60について
説明すると、エンジンヘッド10の雌ネジ孔22に螺合
されたピボット61には、そのエンジンヘッド10の上
面よりも上方位置にラチェット歯62が形成されてい
る。ラチェット歯62は、ピボット61の外周から外向
きに突出する複数の突起62Aを一定ピッチで配したも
のであり、各突起62Aの下面には、夫々、下方へ向け
て(エンジンヘッド10の上面に向けて)三角形状に突
出する一対のガイド斜面62Bが形成されている。
するとともにピボット61の軸線と平行をなすガイド孔
63が形成されており、このガイド孔63内には、圧縮
コイルバネからなり、係止部材64を上方(ラチェット
歯62側)へ付勢するための付勢部材65が収容されて
いる。係止部材64は、その脚部64Aをガイド孔63
内に差し込むことにより、ピボット61の軸線周りの回
転及び軸線と直交する径方向の遊動を規制されるととも
にピボット61の軸線と平行な方向への変位を許容され
た状態でエンジンヘッド10に支持されている。脚部6
4Aの上端には当接部64Bが形成されており、この当
接部64Bは、付勢部材65を弾縮させた状態で隣接す
る2つの突起62Aのガイド斜面62Bに対して下方か
ら当接される。
り係止部材64がラチェット歯62に対して弾性的に当
接することによりエンジンヘッド10に対する回転を規
制される。この状態から、付勢部材65の弾力に起因す
る係止部材64とラチェット歯62との係止力よりも大
きな回転力をピボット61に付与すると、係止部材64
が付勢部材65の付勢に抗して下方へ変位する退避状態
と、付勢部材65の付勢によって上方へ変位する係止状
態とを繰り返しつつ、ピボット61が回転する。
ェット歯62が形成されているだけなので、ピボットに
係止部材や付勢部材を具備させる構造に比べると、ピボ
ット61の構造が簡素化されている。また、係止部材6
4がラチェット歯62に嵌合した状態では、係止部材6
4からラチェット歯62への軸線方向の付勢力により、
ピボット61と雌ネジ孔22との螺合部分に摩擦抵抗が
生じるので、この摩擦によってもピボット61の回転規
制機能が発揮される。さらに、ラチェット歯62の突起
62Aには、ピボット61の軸線方向(係止部材64の
移動方向)及び周方向(ピボット61の回転方向)の両
方向に対して斜め方向のガイド斜面62Bが形成されて
いるので、ピボット61の回転及び係止部材64の上下
移動が円滑に行われるようになっている。尚、本実施形
態6では、ピボット61の回転及び係止部材64の上下
移動が円滑に行われるようにするためのガイド斜面62
Bを突起62Aに形成したが、ガイド斜面を係止部材6
4に形成してもよく、突起62Aと係止部材64の双方
にガイド斜面を形成してもよい。
実施形態7を図14及び図15を参照して説明する。本
実施形態7のバルブクリアランス調整機構70について
説明すると、ピボット71には、その下端面中心に開口
する保持孔72が形成され、その保持孔72には係止部
材73が取り付けられている。係止部材73は、バネ性
を有する略L字形をなす2本の金属線材74を溶接によ
り一体化したものであり、溶接により固着された上向き
の本体部74Aが保持孔72内に嵌入されることで、ピ
ボット71に対して一体的に回転するようになってい
る。係止部材73は、ピボット71の下端面から突出し
て径方向外向きに延出する一対の引っ掛かり部74Bを
有している。この一対の引っ掛かり部74Bは互いに反
対方向に延出しており、その延出端部は、雌ネジ孔22
の内周にピボット71と同心状に形成したラチェット歯
75に係止されている。この引っ掛かり部74Bとラチ
ェット歯75との係合により、ピボット71は、エンジ
ンヘッド10に対する回転を規制されたロック状態に保
持されている。
し、引っ掛かり部74Bとラチェット歯75との周方向
の係止力よりも大きい回転力を付与すると、引っ掛かり
部74Bが弾性撓みしつつラチェット歯75から外れる
退避状態とラチェット歯75に係合する係止状態とを繰
り返すことによってラチェット歯75の突起を乗り越え
つつ、ピボット71が回転する。尚、雌ネジ孔22にお
けるピボット71よりも下方の空間は、引っ掛かり部7
4Bの弾性撓みを許容するための撓み空間76とされて
いる。
実施形態8を図16及び図17を参照して説明する。本
実施形態8のバルブクリアランス調整機構80について
説明すると、ピボット81には、バネ性を有する金属線
材からなる係止部材82が一体回転し得るように取り付
けられている。係止部材82は、密着折り返し状に曲げ
られた引っ掛かり部82Aと、この引っ掛かり部82A
から延出する一対の弧状保持部82Bと、各弧状保持部
82Bの延出端から延出する直線状保持部82Cとから
なる。弧状保持部82Bは同心且つ同径の周方向に沿っ
て延び、また、直線状保持部82Cは、互いに一直線状
に並ぶように且つその延出端同士を接近させて突き合わ
せた形態となっている。かかる係止部材82は、その弧
状保持部82Bをピボット81の外周に沿わせるととも
に、直線状保持部82Cをピボット81の外周の保持溝
83に嵌合させ、引っ掛かり部82Aをピボット81の
外周から径方向外側へ突出させた状態で、ピボット81
に外嵌されている。また、直線状保持部82Cが保持溝
83に嵌合することにより、ピボット81に対する係止
部材82の軸線方向の遊動及び軸線回りの回転が規制さ
れている。
81と同心のラチェット歯85が形成されており、この
ラチェット歯85の谷には係止部材82の引っ掛かり部
82Aが嵌合されている。この引っ掛かり部82Aとラ
チェット歯85との係合により、ピボット81は、有底
筒体84(エンジンヘッド10)に対する回転を規制さ
れたロック状態に保持されている。このロック状態か
ら、ピボット81に対し、引っ掛かり部82Aとラチェ
ット歯85との周方向の係止力よりも大きい回転力を付
与すると、弧状保持部82Bの弾性撓みを伴いつつ引っ
掛かり部82Aが径方向内側へ変位してラチェット歯8
5から外れる退避状態とラチェット歯85に係合する弾
性復元状態とを繰り返すことによってラチェット歯85
の突起を乗り越えつつ、ピボット81が回転する。尚、
ピボット81の外周には、引っ掛かり部82Aの内周側
への変位を許容するための逃がし凹部86が形成されて
いる。
実施形態9を図18及び図19を参照して説明する。本
実施形態9のバルブクリアランス調整機構90について
説明すると、エンジンヘッド10に固定した有底筒体9
1の雌ネジ孔22にはピボット92が螺合されている。
ピボット92は、外周に雄ネジ部25が形成された円柱
形の本体部93と、その本体部93の上端面から突出す
る半球形支承部94とからなる。半球形支承部94は、
ロッカーアーム11の揺動支点部11A(図1を参照)
に当接されるものであり、本体部93よりも小径で且つ
本体部93と同心の配置となっている。このピボット9
2の本体部93の上端面には、ピボット92と同心の周
方向に沿ったラチェット歯95が形成されている。
の雄ネジ部96が形成され、この雄ネジ部96には円筒
状をなす保持部材97の内周の雌ネジ部98が螺合され
ている。保持部材97の上端には上面板99が形成され
ているとともに、この上面板99にはピボット92と同
心の中心孔100が形成されている。この中心孔100
からはピボット92の半球形支承部94が上方へ突出さ
れている。また、上面板99には、その下面に開口する
保持孔101が形成され、この保持孔101には圧縮コ
イルバネからなる付勢部材102が収容されている。こ
の付勢部材102はラチェット歯95の真上に位置され
ており、この付勢部材102とラチェット歯95との間
には球体からなる係止部材103が介装されている。
範囲内の最も上方に位置した場合でもその本体部93と
干渉せず、且つピボット92がその調整範囲内のいずれ
の高さに位置していても付勢部材102が弾縮して係止
部材103をラチェット歯95の谷に嵌合させる状態に
保持できるように、予め高さが設定されている。この状
態では、係止部材103とラチェット歯95との係合に
よってピボット92の回転が規制されている。
力に起因する係止部材103とラチェット歯95との係
止力よりも大きな回転力をピボット92に付与すると、
係止部材103が付勢部材102の付勢に抗してラチェ
ット歯95から外れるようにピボット92の軸方向(上
方)へ変位する退避状態と、付勢部材102の付勢によ
って下方へ変位してラチェット歯95と係合する係止状
態とを繰り返しつつ、ピボット92が回転する。
はラチェット歯95が形成されているだけなので、ピボ
ットに係止部材や付勢部材を具備させる構造に比べる
と、ピボット92の構造が簡素化されている。また、係
止部材103がラチェット歯95に嵌合した状態では、
係止部材103からラチェット歯95への軸線方向の付
勢力により、ピボット92と雌ネジ孔22との螺合部分
に摩擦抵抗が生じるので、この摩擦によってもピボット
92の回転規制機能が発揮される。
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。 (1)上記実施形態1,2,3,4,7,8ではピボッ
ト側に設けた係止部材がそれ自身にバネ性を有している
場合について説明したが、本発明によれば、ピボット
に、バネ性を有しない係止部材と、この係止部材とは別
体の付勢部材とを設ける構造としてもよい。
ンヘッド側にバネ性を有しない係止部材とこの係止部材
とは別体の付勢部材とを設ける構造としたが、本発明に
よれば、バネ性を有する係止部材をエンジンヘッド側に
設ける構造としてもよい。
ルブクリアランス調整機構 31,36,41,51,61,71,81,92…ピ
ボット 33,38,47,57,64,73,82,103…
係止部材 34,39,46,52,62,75,85,95…ラ
チェット歯 55,65,102…付勢部材
Claims (6)
- 【請求項1】 エンジンヘッドに設けた雌ネジ孔に螺合
したピボットによりロッカーアームの揺動支点を支承
し、カムにより前記ロッカーアームを揺動させることで
バルブを駆動するようにした動弁装置において、前記ピ
ボットを螺進させることにより前記ロッカーアームの揺
動支点の高さを変えるようにしたバルブクリアランス調
整機構において、 前記エンジンヘッド側と前記ピボットのうち、いずれか
一方には、前記ピボットと同心の周方向に沿ったラチェ
ット歯が設けられているとともに、他方には、前記ラチ
ェット歯に対して嵌合する位置と前記ラチェット歯から
退避する位置との間で変位可能であり且つ前記ラチェッ
ト歯に嵌合する方向へ付勢された係止部材が設けられて
いることを特徴とする動弁装置のバルブクリアランス調
整機構。 - 【請求項2】 前記係止部材は、バネ材料からなり、そ
れ自身の弾性復元力によって前記ラチェット歯への嵌合
する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の
動弁装置のバルブクリアランス調整機構。 - 【請求項3】 前記係止部材が、前記ピボットをその軸
線と直交する径方向に貫通する形態で設けられ、前記ラ
チェット歯が前記雌ネジ孔の内周に設けられていること
を特徴とする請求項2記載の動弁装置のバルブクリアラ
ンス調整機構。 - 【請求項4】 前記ラチェット歯が前記ピボットの外周
に形成されており、前記エンジンヘッド側には、前記係
止部材とこの係止部材を前記ラチェット歯への嵌合方向
付勢する付勢部材とが設けられていることを特徴とする
請求項1記載の動弁装置のバルブクリアランス調整機
構。 - 【請求項5】 前記係止部材が、前記ラチェット歯に対
して前記ピボットの軸線と直交する径方向に変位するこ
とで嵌合される構成としたことを特徴とする請求項4記
載の動弁装置のバルブクリアランス調整機構。 - 【請求項6】 前記係止部材が、前記ラチェット歯に対
して前記ピボットの軸線と平行に変位することで嵌合さ
れる構成としたことを特徴とする請求項4記載の動弁装
置のバルブクリアランス調整機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001049182A JP2002256822A (ja) | 2001-02-23 | 2001-02-23 | 動弁装置のバルブクリアランス調整機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001049182A JP2002256822A (ja) | 2001-02-23 | 2001-02-23 | 動弁装置のバルブクリアランス調整機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002256822A true JP2002256822A (ja) | 2002-09-11 |
Family
ID=18910322
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001049182A Pending JP2002256822A (ja) | 2001-02-23 | 2001-02-23 | 動弁装置のバルブクリアランス調整機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002256822A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2001
- 2001-02-23 JP JP2001049182A patent/JP2002256822A/ja active Pending
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