JPH11254338A - 螺子回し工具 - Google Patents

螺子回し工具

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JPH11254338A
JPH11254338A JP10192474A JP19247498A JPH11254338A JP H11254338 A JPH11254338 A JP H11254338A JP 10192474 A JP10192474 A JP 10192474A JP 19247498 A JP19247498 A JP 19247498A JP H11254338 A JPH11254338 A JP H11254338A
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JP
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handle
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main
sub
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JP10192474A
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Hiroshi Ochiai
博 落合
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Individual
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25BTOOLS OR BENCH DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, FOR FASTENING, CONNECTING, DISENGAGING OR HOLDING
    • B25B13/00Spanners; Wrenches
    • B25B13/46Spanners; Wrenches of the ratchet type, for providing a free return stroke of the handle
    • B25B13/461Spanners; Wrenches of the ratchet type, for providing a free return stroke of the handle with concentric driving and driven member
    • B25B13/467Spanners; Wrenches of the ratchet type, for providing a free return stroke of the handle with concentric driving and driven member which are gear-operated
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25BTOOLS OR BENCH DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, FOR FASTENING, CONNECTING, DISENGAGING OR HOLDING
    • B25B17/00Hand-driven gear-operated wrenches or screwdrivers

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンドル操作を行うだけで、ボルト,ナット
等の螺子部材を共回りさせずに、これの締めつけ或いは
取り外しをすべからく遂行できる螺子回し工具を提供す
る。 【解決手段】 螺子部材と嵌合するソケット部8を形成
した主回動体1の外周に第一逆転防止機構2を設けた主
部Aと、外周に第二逆転防止機構5を設けた副回動体4
が前記主回動体1に係合して、該第二逆転防止機構5を
作動させるハンドル6をもつ副部Bと、を具備し、該ハ
ンドル操作によりソケット部8に嵌合する螺子部材を一
方向に回わせるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボルト,ナット等
の螺子部材の締めつけ或いは取り外しに用いる螺子回し
工具に関する。
【0002】
【従来の技術】ボルト,ナット等の螺子部材による締結
手段は、その利便性,強度確保等の確実性から今日広く
使用されている。そして、斯る螺子部材の締めつけ或い
は取り外しに用いる工具にはスパナ,モンキーレンチ等
もあるが、使い勝手の観点から、ラチェット機構を組込
んだラチェット工具が優れたものとなっている。この種
のラチェット工具は、図19のごとく、ハンドルaを所
定角度内で揺動することによって、クリックbがラチェ
ット車cを回し、ラチェット車cに一体化しているソケ
ットdを一方向に回すことができる。符号eはソケット
内周に形成した螺子部材との係合部で、符号fは付勢バ
ネを示す。従って、該ソケットに螺子部材を嵌合すれ
ば、スパナ等のようにいちいち嵌合し直す必要がなく、
螺子部材の締めつけ或いは取り外しを簡単に行えるよう
になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、ラチェット
工具にあっても、その作業が可能な範囲は限られてい
た。例えば、ボルトを取り外す際、締結状態にあったボ
ルトをラチェット工具で弛めていく過程で、雌ねじ部と
ボルト間の抵抗がラチェット機構のラチェット車とクリ
ック間の抵抗より小さくなる事態が生じると、ラチェッ
トハンドルをいくら揺動してもハンドル揺動にボルトが
追随してラチェット機構が作動せず共回りした。ボルト
の締めつけにあっても、締めつけ初期から中期にかけて
同様の事態が起こり、最後の締めつけだけにしかラチェ
ット工具が役立たない結果に陥っていた。こうしたこと
から、ラチェット工具のソケット外周に手回しリングを
取着する特開平8−141921号公報のごとく技術も
開示されている。ただ、該開示技術も、雌ねじ部とボル
ト間の抵抗が小さくなった場合に、手回しリングを手で
直接回わして補足するもので、通常行うラチェットハン
ドルの操作と違い、厄介な作業になっていた。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するもので、
ハンドル操作を行うだけで、ボルト,ナット等の螺子部
材を共回りさせずに、これの締めつけ或いは取り外しを
すべからく遂行できる螺子回し工具を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項1記載の発明の要旨は、螺子部材と嵌合するソケ
ット部を形成した主回動体の外周に第一逆転防止機構を
設けた主部(A)と、外周に第二逆転防止機構を設けた
副回動体が前記主回動体に係合して、該第二逆転防止機
構を作動させるハンドルをもつ副部(B)と、を具備
し、該ハンドル操作によりソケット部に嵌合する螺子部
材を一方向に回わせるようにしたことを特徴とする螺子
回し工具にある。ここで、「ソケット部を形成した主回
動体」には、ソケット部と主回動体が別体で組付け形成
されるもの、及び、ソケット部と主回動体が一体形成さ
れているものの両方を含む。「第一逆転防止機構」や
「第二逆転防止機構」に係る逆転防止機構は主回動体や
副回動体を一方向だけに回せるもので、ラチェット機構
や一方向クラッチ(ワンウェイクラッチ)等を含む概念
として用いる。請求項2記載の発明に係る螺子回し工具
は、請求項1で、主回動体と前記副回動体とが両者の回
転軸の軸方向を変えて係合することを特徴とする。請求
項3記載の発明に係る螺子回し工具は、請求項1又は2
で、主回動体と副回動体が歯車により噛合し、副回動体
の歯数を主回動体の歯数と異にしたことを特徴とする。
請求項4記載の発明に係る螺子回し工具は、請求項1〜
3で、主回動体を支えるフレームにハンドルの軸部を挿
通させ、且つ、該軸部を弾性体によりハンドル基端部の
把手から軸部先端に設けられる副回動体方向へ付勢させ
て、該副回動体を主回動体に係合させることを特徴とす
る。請求項5記載の発明の要旨は、螺子部材と嵌合する
ソケット部を一端部に形成した主回動体を回転自在に軸
支するフレームと、該主回動体の自在回転方向を一方向
だけに制限すべく主回動体の外周に設けた第一逆転防止
機構と、前記フレームに主回動体とは異なる回転軸方向
で回転自在なるよう軸支したハンドルと、該ハンドルか
ら前記主回動体に回転を伝達する回転伝動機構と、ハン
ドルから主回動体に伝達される回転を前記第一逆転防止
機構による主回動体の自在回転方向だけに制限する第二
逆転防止機構と、を具備することを特徴とする螺子回し
工具にある。請求項6記載の発明の要旨は、螺子部材と
嵌合するソケット部を一端部に形成した主回動体(1)
と、該主回動体の軸方向に設けられる第二逆転防止機構
(5)及び第三逆転防止機構(9)と、前記主回動体を
支持するフレームに軸部を挿通して先端部分を第二逆転
防止機構及び第三逆転防止機構に係合させたハンドル
(6)と、を具備し、該ハンドル操作によりソケット部
に嵌合する螺子部材を一方向に回わせるようにしたこと
を特徴とする螺子回し工具にある。
【0006】請求項1の発明のごとく、主回動体の外周
に第一逆転防止機構を設けた主部と、外周に第二逆転防
止機構を設けた副回動体が前記主回動体に係合して、該
第二逆転防止機構を作動させるハンドルをもつ副部とを
設けると、第一逆転防止機構を静止させた状態でハンド
ル操作によって第二逆転防止機構を作動させることがで
きる。従って、たとえ螺子部材に係る雌ねじ部と雄ねじ
部間の抵抗が小さくなっても、共回りさせずに螺子部材
の締結或いは弛め作業を行える。請求項2の発明のごと
く、主回動体と前記副回動体とが両者の回転軸の軸方向
を変えて係合するようにすると、ハンドル操作方向の自
由度が高まるので、使い勝手が一段と向上する。請求項
3の発明のごとく、主回動体と副回動体が歯車により噛
合し、副回動体の歯数を主回動体の歯数より大にする
と、副回動体に対する主回動体の回転効率を高めること
ができるので、作業効率を上げることが可能になる。一
方、副回動体の歯数を主回動体の歯数より小にすると、
ギヤ比を下げることになり、主回動体に対して副回動体
を軽く回せるようになり、力のいる作業負担を軽減でき
る。請求項4の発明のごとく、主回動体を支えるフレー
ムにハンドルの軸部を挿通させ、且つ、該軸部を弾性体
によりハンドル基端部の把手から軸部先端に設けられる
副回動体方向へ付勢させて、該副回動体を主回動体に係
合させるようにすると、通常の螺子部材の締めつけ或い
は取り外し動作を確保しながら、弾性体の付勢に抗して
ハンドル基端部の把手を引っ張ることによって主回動体
から把手までの距離を長くすることができるので、トル
クをかせいで締めつけ最終段階又は取り外し初期の力の
いる作業を確実なものとすることができる。請求項5の
発明のごとく、第一逆転防止機構,第二逆転防止機構を
具備すると、請求項1の発明と同じく、第一逆転防止機
構を静止させた状態でハンドル操作によって第二逆転防
止機構を作動させることができる。従って、たとえ螺子
部材に係る雌ねじ部と雄ねじ部間の抵抗が小さくなって
も、共回りさせずに螺子部材の締結或いは弛め作業を行
える。請求項6の発明のごとく、主回動体を支持するフ
レームに軸部を挿通して先端部分を第二逆転防止機構及
び第三逆転防止機構に係合させたハンドルを具備する
と、第二逆転防止機構及び第三逆転防止機構を互いに逆
回転方向のみ作動するようセットすれば、手首を使った
ハンドル操作の正逆いずれの回動も第二逆転防止機構か
第三逆転防止機構かを作動させて主回動体を一方向に回
わすこととなる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る螺子回し工具
の実施形態について詳述する。 (1)実施形態1 図1〜図7は本発明の螺子回し工具の一形態を表し、図
1はその全体斜視図、図2は図1の部分断面正面図、図
3,図4はラチェット機構の説明図、図5は図1で軸部
を把手方向へ引っ張った状態の螺子回し工具の斜視図、
図6は図1のIV−IV線矢視図、図7は傘歯車周りの拡大
斜視図である。
【0008】螺子回し工具(ラチェット工具)は、主部
Aと副部Bとフレーム3と弾性体たる圧縮コイルバネm
とを具備する。主部Aは主回動体1と第一ラチェット機
構2を備える。主回動体1は、柱状体からなり、その頭
部に副部Bの副回動体4に係合させるための係合体(こ
こでは傘歯車11)を形成する一方、下端部には着脱自
在に別体のソケット部8を取付けるために四角柱形の挿
着部12を形成する。符号121は弾性付勢させて外方
に突出す小突起を示す。挿着部12に差し込んだソケッ
ト部8の窪み83に嵌まり込んで、ソケット部8を挿着
部12に係止固定させる。挿着部12に嵌まる角穴81
をもつソケット部8で、螺子部材との係合部分82の大
きさの違うものがセットで取り揃えられるため、ここで
はソケット部8を主回動体1と分離構成とするが、主回
動体1にソケット部8を分離不能に一体化することもで
きる。主回動体1の柱状胴部13の外周には第一ラチェ
ット機構2が設けられる。
【0009】第一逆転防止機構2はここではラチェット
機構とし、その第一ラチェット機構2は主回動体1の自
在回転方向を一方向だけに制限させるものである。第一
ラチェット機構2は、公知のもので、ラチェット車21
とクリック22とを備える。ラチェット車21は主回動
体1の胴部外周に一体固定される。クリック22は、ラ
チェット車21の歯211(図3)の上に爪221を係
合させてラチェット車21を一方向にのみ回わせるよう
にしている。本実施形態のクリック22は、図3のごと
く円弧板体の左右両側に爪221a,221bを形成
し、且つ中央部に突部222を設けた格好になってい
る。クリック22は、中央に孔223を形成し、該孔2
23に挿通した支軸23によってフレーム3に回動可能
に取付けられる。そして、コイルバネ24で付勢を受け
たピン25で左側クリック22の爪221aをラチェッ
ト車21に係合させる。こうして、図3ではラチェット
車21が時計回り(白抜き矢印)のみ回わるようにして
いる。ラチェット車21が時計回りに回ると、クリック
22はラチェット車21の歯211の上を滑る。逆に、
ラチェット車21が反時計回りに回ろうとすると、クリ
ック22がロックしてこれを阻止するしかけである。勿
論、つまみ26でクリック22を切替え、クリック爪2
21bを図3の鎖線位置にもっていけば、ラチェット車
21は反時計回りのみ回わることになる。
【0010】フレーム3は、図1のごとくの板状体であ
る。フレーム3は主回動体1を挿着して回動自在に支え
ると共にフレーム基端部(図2の右端部)が副部ハンド
ル6の軸部62を嵌挿支持するようにしている。円孔3
11を設けたフレーム3の板体31が、該円孔311に
主回動体1を組込んでこれを回動自在に支える。一対の
板体31,31が第一ラチェット機構2のラチェット車
21を挟んで主回動体1を支え、さらに、該板体31に
クリック22の支軸23(図3)を取付けて第一ラチェ
ット機構2が作動できるようにしている。フレーム3を
形成する一対の板体31は、また、その基端部で二つの
起立片32,33を所定間隔で起立させ、その先端部分
に孔34を設けている。該孔34には副部Bのハンドル
軸部62を挿通する。
【0011】副部Bは、副回動体4と第二ラチェット機
構5とハンドル6とを備える。副回動体4も、前記主回
動体1と同様、柱状体からなり、頭部に主回動体1と係
合するための傘歯車41(係合体)を形成する。傘歯車
41は副回動体4の回転運動を主回動体1へ傘歯車11
を介して伝える。両傘歯車11,41は、主回動体1と
前記副回動体4とが両者の回転軸の軸方向を変えて係合
伝達する回転伝動機構を構成する。ハンドル6の操作を
行い易くするためである。ここでは、主回動体1の回転
軸と副回動体4の回転軸とを直角交叉させている(図
2)。
【0012】ところで、傘歯車41は主回動体1の傘歯
車11と同形であってもよいが、本実施形態のごとく、
副回動体4の傘歯車41の歯数を主回動体1の傘歯車1
1の歯数より大にすると、より好ましくなる(図7)。
螺子部材の締めつけにあっては、最終の締結段階を除け
ば、一般に螺子部材は軽く回せる。また、螺子部材の取
り外しにあっても、弛める初期段階が過ぎれば、さほど
力をかけずに螺子部材を弛めていくことができる。副回
動体4の傘歯車41の歯数を、主回動体1の傘歯車11
の歯数より大きくすることによって、ハンドル6の回転
数より主回動体1の回転数を増やせる構造となり、この
ような強い力のいらない大半の螺子部材のねじ回し動作
を効率良く速めることが可能になる。尚、ここでは回転
伝動機構として傘歯車11,41を用いたが、強い力は
いらず、副回動体の回転運動を主回動体へ伝動できれば
よいことから、頭部にテーパをつけた傘形ゴム体(コ
マ)同士を係合させ両者の摩擦力でもって伝動させるこ
ともできる。傘形ゴム体の係合面に摩擦力を高めるもの
を貼着すればより好ましくなる。該副回動体4には柱状
胴部42の外周に第二ラチェット機構5が設けられる
(図7)。
【0013】第二逆転防止機構5はここではラチェット
機構とし、その第二ラチェット機構5は、ハンドル軸部
62から主回動体1に伝達される回転を第一ラチェット
機構2による主回動体1の自在回転方向だけに制限する
ものである。第二ラチェット機構5も、公知のもので、
ラチェット車51とクリック52とを備える。ここでの
第二ラチェット機構5は、クリック52を副回動体4に
取付け、ラチェット車51を副回動体4を支持するハン
ドル6に取付けている。具体的には、図3,図4のごと
く、ハンドル先端を副回動体4の胴部42に挿着できる
筒部61とし、該筒部61の内周に歯511を形成して
ラチェット車51とする。また、副回動体44の胴部4
2の一部を半径方向に切欠き、円弧状クリック52を軸
53により回動自在に副回動体4に取着する。そして、
副回動体4の切欠面43に設けた穴44にセットしたバ
ネ54で付勢されたピン55によりクリック52の一端
部の爪521をラチェット車51に当てるようにしてい
る。こうして、図4では副回動体4が時計回りのみ可能
な状態となる。図4中、ハンドル6(筒部61)を時計
回りに回すと(白抜き矢印)、クリック爪521aがラ
チェット車51を係止して副回動体4も一緒に時計回り
に回る。逆に、ハンドル6を反時計回りに回すと、クリ
ック爪521aがラチェット車51の歯面511を滑
り、ラチェット車51すなわちハンドル6だけが空回り
する。勿論、切替つまみ56により、ピン55がクリッ
ク52の突起522を乗り越え、図4の右側の爪521
bがラチェット車51に当たれば、副回動体4は反時計
回りのみ可能な状態になる。
【0014】ハンドル6は、図1のような一本の棒状体
で、前述のごとく先端に筒部61を形成する。筒部61
から二股部を経て延びる軸部62をフレーム3の起立片
32,33に挿通することで、副回動体4,第二ラチェ
ット機構5を取着したハンドル6がフレーム3に支持さ
れる。ハンドル6の回転軸方向については主回動体1の
回転軸方向と異なるように設定される。ハンドル6を回
動または揺動すると、ラチェット機構5が作動し、副回
動体4を一方向にのみ回す。そして、該副回動体4の一
方向への回転が回転伝動機構たる傘歯車41,11及び
第一ラチェット機構2を介して主回動体1を一方向のみ
回転可能とする。
【0015】本実施形態のハンドル6では、さらに両起
立片32,33の間に位置する軸部62に鍔63を固着
すると共に該鍔63と起立片33間の軸部62に弾性体
たる圧縮コイルバネmを嵌挿する(図2)。該圧縮コイ
ルバネmにより鍔63を起立片32に当接付勢させ、斯
る状態下で、筒部61内に挿着された副回動体4の傘歯
車41を前記主回動体1の傘歯車11に噛合させる。一
方、ハンドル基端部の把手6aを図5の白抜き矢印方向
へ引っ張れば、圧縮コイルバネmの付勢に抗して噛合し
ていた傘歯車41を引き離せる構成とする。また、ハン
ドル6には起立片33の把手側にピン64を固着する。
そして、起立片の把手側面に所定角度(例えば120度
の角度)で突片35を固着し、ハンドル6を回動させた
場合、ピン64が突片35で係止され、所定角度の範囲
でのみハンドル6を回動できるようにする(図6)。ハ
ンドル操作の使い勝手を良くするためである。符号65
はハンドル把手6aに設けた孔を示す(図2)。スペー
ス確保が難しい所での作業で、螺子部材を強く締め付け
たり或いは弛めたりする際、該孔65に棒材を通してハ
ンドル6を強く回せるようにするためである。
【0016】次に、このように構成した螺子回し工具の
使い方の一例を述べる。本螺子回し工具を使って、例え
ば螺子部材を締めていく場合には、まず、螺子部材に適
合したソケット部8を挿着部12に取着する。次いで、
図1のように傘歯車11,41が矢印方向の一方向のみ
回転するよう切替つまみ26,56を正セットとする。
そして、ソケット部8の係合部分82に螺子部材を嵌め
込む。その後は、手で把手6aを握り、ハンドル6を全
回転することなく、手首を使って揺動(往復回動)しさ
えすれば足りる。ラチェット機構2,5が働いて主回動
体1(ソケット部8)が図1の矢印方向に回って螺子部
材を締めつけていく。
【0017】手首を使って把手6aを図1の中黒矢印方
向に回動させると、クリック爪521がラチェット車5
1に噛み、把手6aでの揺動運動を伝え、ハンドル6と
一緒に副回動体4が図1の矢印方向に回転する。と同時
に、傘歯車41が傘歯車11に噛合して主回動体1を矢
印方向に回転させる。この主回動体1が副回動体4の回
転伝動を受けて回転しているとき、第一ラチェット機構
2に係るクリック22はラチェット車21の歯面211
を滑っている。一方、把手6aを図1の白抜き矢印方向
に回動(戻し動作)すると、第二ラチェット機構5に係
るクリック爪521がラチェット車51の歯面上を滑
り、副回動体4を静止させたままハンドル6だけが空回
りする。万一、副回動体4がハンドル動作に追随しよう
としても、主部Aのクリック22がラチェット車21を
ロックして主回動体1の動きを静止させ、副回動体4の
動きを止める。故に、ソケット部8に嵌め込んだ螺子部
材とこれに螺合する雌ねじ部との間の抵抗が小さくなっ
ても、ハンドル6の戻し動作の過程では、フレーム3,
主回動体1自身が静止しているので、ソケット部8内の
螺子部材も静止し、ハンドル6の空回りに螺子部材が追
動することはない。かくのごとく、ハンドル把手6aを
全回転することなく、手首を使って所定範囲で揺動すれ
ば、螺子部材を確実に締め付け方向へ回していくことに
なる。しかも、傘歯車41の歯数が傘歯車11の歯数よ
り大であるので、ハンドル把手6aを僅かに回動するだ
けで、主回動体1を(傘歯車41の歯数/傘歯車11の
歯数)の倍率で速く回して螺子部材をスピーディに螺着
していくことができる。その後、螺子部材の最終締め付
け段階できつく締めなければならない状況になったら、
図5のごとく、圧縮コイルバネmの付勢力に抗してハン
ドル6を把手方向(白抜き矢印)に引っ張る。そして、
この状態下で、主回動体1の回転軸を中心にして把手6
aを中黒矢印のごとく手元方向へハンドル6を引き寄せ
る。主回動体1の回転軸中心から把手6aまで距離L分
が伸びたため、トルクが大きくなって、小さな力で螺子
部材を確実に締めつけることが可能になる。一方、螺子
部材を弛める場合は、切替つまみ26,56を逆セット
にする。そして、前述と同様の作業をすれば、図1の傘
歯車11,41が矢印方向と逆回りの一方向のみ回転
し、螺子部材を簡単に弛めていくことができる。
【0018】(2)実施形態2 本実施形態の螺子回し工具は、図8のごとく主回動体1
に縦通するソケット部8を一体的に設けたものである。
斯る構成のソケット部8とすると、板材P1 に溶接固定
された植込みボルトB2 で板材P2 を締結する場合にあ
っても、該ボルト軸が主回動体1のソケット部8内を貫
通する状態を確保できるので、ナットNを初期段階から
最終段階まで全てに亘って締め付けていくことができ
る。勿論、切替つまみ26,56を切替えれば、植込み
ボルトB2 からのナットNの取り外しも可能である。ま
た、螺子孔Oを設けた基材P3 にL形鋼P4 をボルトB
2 で固定する場合でも、ボルト頭B1 をソケット部8の
係合部82に係止できるので、ボルトB2 の締めつけ,
取り外しが簡単となる。他の構成は、実施形態1と同様
でその説明を省略する。実施形態1と同一符号はそれと
同一又は相当部分を示す。
【0019】(3)実施形態3 本実施形態の螺子回し工具は、図9のごとく主回動体1
の回転軸と副回動体4の回転軸の交叉角度θを90度よ
り大きくして、両傘歯車11,41を噛合させたもので
ある。交叉角度θを90度より大きくすると、ハンドル
6の軸部62が把手方向に角度α分だけ上方傾斜する。
従って、ハンドル操作がより一層行い易くなっている。
尚、ハンドル軸部62を把手方向に角度αだけ上方傾斜
させる分、実施形態1のフレーム3は一部屈曲した形状
となる。本実施形態では、突片35,ピン64を設けて
いない。他の構成は、実施形態1と同様でその説明を省
略する。実施形態1と同一符号はそれと同一又は相当部
分を示す。
【0020】(4)実施形態4 本実施形態の螺子回し工具は、図10〜図12のごとく
主回動体1に副回動体4が一体化したもので、主回動体
1の軸方向に第一ラチェット機構2から所定間隔離して
逆転防止機構たる第二ラチェット機構5および第三ラチ
ェット機構9を設けている。主部Aは主回動体1と第一
ラチェット機構2と第二ラチェット機構5と第三ラチェ
ット機構9とを備え、副部はハンドル6を備える。実施
形態1と同様に、柱状体の主回動体1の一端部に四角柱
形の挿着部12を形成し、該挿着部12に螺子部材と嵌
合するソケット部8が係止固定できるようにしている。
そして、図12に示すように該主回動体1の胴部外周に
第一ラチェット機構2のラチェット車21が固定され
る。フレーム3に係る一対の板体31,31が第一ラチ
ェット機構2のラチェット車21を挟んで主回動体1を
支え、さらに、該板体31にクリック22の支軸23
(図11)を取付けて第一ラチェット機構2が作動でき
るようにしている。フレーム3の基端部で立設する起立
片32,33には孔34が形成され、該孔34に副部の
ハンドル軸部62を挿通する。
【0021】本実施形態では、さらに第二ラチェット機
構5のラチェット車51と第三ラチェット機構9のラチ
ェット車91が、ラチェット車21から所定間隔をおい
て主回動体1の胴部外周に一体固定される(図12)。
第二ラチェット車51のところには、円孔711を形成
したリング盤体71が挿着され、ラチェット車51に係
合するようにクリック52が該リング盤体71に取付け
られている。第二ラチェット機構5は第一ラチェット機
構2と基本構造が同じでその説明を省略する。ただ切替
つまみ26に代えて切替ボタン57とし、この切替ボタ
ン57によってラチェット車51の回転方向の切替えを
可能にしている。リング盤体71の上面側には傘歯車7
12が固着される。逆転防止機構の第三ラチェット車9
についても、同じように円孔721を形成したリング盤
体72が挿着され、ラチェット車91に係合するようク
リック92が該リング盤体72に取付けられている。切
替ボタン97によってラチェット車91の回転方向を切
替える。リング盤体71と違って、リング盤体72には
下面側に傘歯車722が固着される。ところで、コスト
低減を図るべく、第一ラチェット機構のラチェット車2
1と第二ラチェット機構のラチェット車51とを図13
(イ)のように一体化させることができるし、また、図
13(ロ)のごとく第一ラチェット機構〜第三ラチェッ
ト機構の三つのラチェット車21,51,91を一体化
させることもできる。
【0022】そして、ハンドル軸部62の先端部分に傘
歯車41を設けて、図11のごとく、該傘歯車41を前
記両傘歯車712,722に噛合させ、所定間隔離して
設けた第二ラチェット機構5及び第三ラチェット機構9
にハンドル6が係合するようにしている。ハンドル6の
回転軸方向については主回動体1の回転軸方向と異なる
よう(実施形態4では直交する)に設定される。ここで
は、回転伝動機構たる傘歯車41が傘歯車712,72
2に噛合伝達しているが、ハンドル6が第二ラチェット
機構及び第三ラチェット機構に係合して、ハンドル操作
によりソケット部8に嵌合する螺子部材を一方向に回わ
せるようにできれば、他の係合体を勿論用いることがで
きる。他の構成は、実施形態1と同様でその説明を省略
する。実施形態1と同一符号はそれと同一又は相当部分
を示す。尚、本実施形態においては、前記第一〜第三ラ
チェット機構2,5,9のうち、第一ラチェット機構2
だけを省略することができる。斯る場合、フレーム3は
第一ラチェット機構2の代わりに主回動体1を回動でき
るようにして支持することになる。また、第二ラチェッ
ト機構5または第三ラチェット機構9のいずれかを省略
することもできるが、斯る場合は、その効果が実施形態
1と同じになる。
【0023】(5)実施形態5 本実施形態の螺子回し工具は、図14のごとくで、実施
形態1の類似品である。主回動体1を回転自在に軸支す
るフレーム3と、該主回動体1の自在回転方向を一方向
だけに制限すべく主回動体外周に設けた第一ラチェット
機構2と、フレーム3に主回動体1とは異なる回転軸方
向で回転自在なるよう軸支したハンドル軸部62と、ハ
ンドル軸部62から主回動体1に回転を伝達する回転伝
動機構41,11と、該ハンドル軸部62から主回動体
1に伝達される回転を前記第一ラチェット機構2による
主回動体1の自在回転方向だけに制限する第二ラチェッ
ト機構5を備える。傘歯車11を除いた主回動体1、ソ
ケット部8及び第一ラチェット機構2を含んでここから
水平に延びる板体31の部分は、既存の螺子回し工具を
利用したもので、市販品をそのまま用いた格好になって
いる。第二ラチェット機構5は実施形態4における第二
ラチェット機構5と同じもので、切替ボタン57を設け
る。符号32,33は起立体で実施形態1の起立片3
2,33に相当する。主回動体1にソケット部8が一体
に設けられる。符号69は小突起で、軸部62が図14
の右方にズレるのを防止して、傘歯車41が傘歯車11
との係合を保つものである。図中、傘歯車41を含む副
回動体4と第二ラチェット機構5の切替ボタン57(及
びクリック)を取付けているリング盤体59とは固着さ
れている。他の構成は実施形態1と同様で詳述を省く。
実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。螺子
回し工具の使い方は、例えば切替つまみ26と切替ボタ
ン57を正セットしてハンドル6を揺動(往復運動)す
ると、往路では、第二ラチェット機構5のクリックが噛
んでハンドル軸部62と副回動体4が一体となって傘歯
車11を回す。このとき、第一ラチェット機構2のクリ
ック26はラチェット車を滑って、傘歯車11と一体と
なった主回動体1すなわちソケット部8を正回転させ螺
子を締めていく。一方、ハンドル6の復路では、第二ラ
チェット機構5のクリックがラチェット車を滑ってハン
ドル6が空回りする。ハンドル6の揺動が伝わらず副回
動体4が止まった状態となる。そして、第一ラチェット
機構2のクリック26はそのラチェット車に噛み、逆回
りを阻止し、共回りはしなくなる。切替つまみ26,切
替ボタン57を逆セットすれば、上記内容と逆の作用が
働き、螺子を弛めていくことができる。
【0024】(6)実施形態6 本実施形態の螺子回し工具も、図15のごとく実施形態
4の第三ラチェット機構9をなくした形に似せている。
ソケット部8及び第一ラチェット機構2を含んでここか
ら水平に延びる板体31の部分は既存の螺子回し工具を
利用したもので、第二ラチェット機構5も切替ボタン5
7のある既存の螺子回し工具の頭部分をカットして造っ
ている。傘歯車41とハンドル軸部62の三つは一体固
着している。傘歯車11と第二ラチェット機構5の切替
ボタン57(及びクリック)を取付けているリング盤体
59と両者のつなぎ円筒部58とは固着している。ソケ
ット部8と一体になった主回動体1は、その外周に第一
ラチェット機構2のラチェット車21と第二ラチェット
機構5のラチェット車(図示せず)を固着する一方で、
リング盤体59とは第二ラチェット機構5を介して係合
するだけで固着されてはいない。符号39はスペーサを
示す。他の構成は実施形態4と同様で詳述を省く。実施
形態4と同一符号は同一又は相当部分を示す。螺子回し
工具の使い方は、例えば切替つまみ26と切替ボタン5
7を正セットしてハンドル6を揺動(往復運動)する
と、往路では、第二ラチェット機構5のクリックが噛ん
で傘歯車11,リング盤体59と主回動体1が一体化し
連動する。このとき、第一ラチェット機構2のクリック
26はラチェット車を滑っており、主回動体1すなわち
ソケット部8を正回転させ螺子を締めていく。一方、ハ
ンドル6の復路では、第二ラチェット機構5のクリック
がラチェット車を滑って、回転伝動機構たる傘歯車4
1,11が回っても、傘歯車11,つなぎ円筒部58,
リング盤体59の部分だけが空回りする。第一ラチェッ
ト機構2のクリック26はラチェット車21に噛み、主
回動体1の逆回り(共回り)を阻止する。
【0025】(7)実施形態7 本実施形態の螺子回し工具は、図16のごとくで、大略
的には実施形態4の第二ラチェット機構5を外した格好
になっている。螺子部材と嵌合するソケット部8を一端
部に形成した主回動体1の外周に第一ラチェット機構2
を設けた主部Aと、主回動体1の軸方向に第三ラチェッ
ト機構9(第二ラチェットでも可)を設け且つ係合体4
1,722を介して第三ラチェット機構9を作動させる
ハンドルと、を備える。そして、ハンドル操作によりソ
ケット部8に嵌合する螺子部材を一方向に回わせる構成
である。さらに、ここでは、ハンドル6の軸部62と第
一ラチェット機構2の水平レベルをほぼ一致させる。両
者の水平レベルが一致し偏心しなくなるので、最後の増
し締め(決め締め)の際のブレがなくなり、また初期の
仮締め時の転びも少なくできる。回転伝動機構たる係合
体41,722は傘歯車に代え図示のごとく半円盤状の
傘歯車とする。係合体41,722は傘歯車のように全
周廻る必要はなく、斯る係合体を採用することで小形化
できる。符号32は起立部で図10の起立片32に相当
する。符号29は切替つまみに代るクリック22の切替
ボタンを示す。他の構成は実施形態4と同様で詳述を省
く。実施形態4と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0026】(8)実施形態8 本実施形態の螺子回し工具は、図17のごとくで、実施
形態7の係合体41,722を棒材に置き換えたもので
ある。ハンドル6に係る軸部62の先端部に一本の棒材
41を立設する。第三ラチェット機構9のリング盤体7
2から水平に突出する二本の棒材722で前記棒材41
を挟んで両者が係合するようにし、ハンドル6の回転操
作によりリング盤体72を回せるようにしている。他の
構成は実施形態7と同様で詳述を省く。
【0027】(9)実施形態9 本実施形態の螺子回し工具は、図18のごとくで、実施
形態8の係合体722を発展させる。リング盤体72か
ら水平に突出する二本の棒材722に代って、先端にリ
ングがある棒材722の係合体とする。該リングに軸部
6の棒材41を遊挿させることにより棒材41,722
が係合し、ハンドル6の回転操作によりリング盤体72
を回せるようにしている。他の構成は実施形態8と同様
で詳述を省く。
【0028】(10)効果 このように構成した螺子回し工具は、従来の螺子回し工
具と異なり、螺子部材に係る雌ねじ部と雄ねじ部間の抵
抗が小さくなっても、ハンドル揺動(又は回転や回動)
に螺子部材が追随して共回りすることがないので、螺子
回し工具を一度たりと螺子部材から外すことなく、螺子
部材の締め付け或いは取り外しを遂行できる。すなわ
ち、主回動体1の回転軸方向とハンドル6の回転軸方向
が異なるように設定されているので、力のかかる方向が
違い、螺子部材の共回りは起らなくなる。そして、実施
形態1〜3では、主回動体1と副回動体4とが両者の回
転軸の軸方向を変えて係合しているので、自由度が高ま
り、操作する把手6aを扱い易い位置にもっていくこと
ができる。しかも、手で把手6aを掴んで手首を揺動す
るだけで螺子部材の締め付け或いは取り外しが可能であ
るので、頗る便利になる。特に、片手操作で扱え、且
つ、螺子部材に嵌合すれば嵌合し直す必要がないので、
高所の危険な場所で大形のボルト,ナットを扱う鳶職人
等による螺子部材の締め付け或いは取り外し用螺子回し
工具として優れた効果を発揮する。
【0029】また、例えば、締結部材たるボルトB2
取り外す際、締結状態にあったボルトを弛める最初の段
階では、図5のごとくボルト(すなわち主回動体1)の
軸心から把手6aまでの距離を長くすることによって大
きなトルクをかせげるので、きつく締め付けられていた
ボルトでも容易に弛めることができる。そして、ボルト
を一旦弛めたら、傘歯車11,41同士を噛合させて、
把手6aを握る手の揺動だけでボルトを弛めていくこと
ができる。本螺子回し工具で弛めていく過程で、雌ねじ
部とボルト間の抵抗がラチェット機構のラチェット車と
クリック間の抵抗より小さくなる事態が生じても、主回
動体1は静止するかボルトを弛める一方向に回るかのど
ちらかになるので、従来の螺子回し工具に見られたよう
なハンドル操作で螺子部材の共回りの不具合は起らな
い。更にいえば、従来の螺子回し工具のようにハンドル
を手元に引き寄せる回動動作(図19の矢印,図5の中
黒矢印)をとることがないので、ハンドルと螺子部材の
共回りは生じない。前述(螺子回し工具の使い方の一
例)した締結部材の締め付け作業のケースにおいても、
ハンドル操作での螺子部材の共回りが起らず、順調に締
め付け作業を実行できる。
【0030】加えて、副部Bに係る傘歯車41の歯数を
主部Aに係る傘歯車11の歯数より大にしているので、
副部Bの回転数より主部Aの回転数を増加させることが
でき、雌ねじ部とボルト間の抵抗が小さい状況下にあっ
て作業効率を上げることができる。
【0031】実施形態2のごとくのソケット部8とする
と、軸部の長い螺子部材B2 でも障害にならないので
(図8)、螺子部材B2 ,Nの締結や取り外し作業を円
滑に進めることができる。実施形態3のごとく、主回動
体1の回転軸と副回動体4の回転軸の交叉角度θを90
度より大きくすると、把手部分が上方傾斜するので、手
で掴みやすくなり、螺子回し工具による作業を一段と遂
行し易くなる。
【0032】さらに、実施形態4では、ラチェット車5
1を作動させる第二ラチェット機構5の切替ボタン57
と、ラチェット車91を作動させる第三ラチェット機構
9の切替ボタン97とを正逆にセットして、手首を使っ
てハンドル6を揺動(往復動)させると、往路,復路と
もに主回動体1がソケット部8に嵌合する螺子部材を締
め付けていくことになり、一層優れた効果を発揮する。
手首を使って把手6aを図10の中黒矢印方向に回動さ
せると、傘歯車41が傘歯車712,722に噛合伝達
して第二,第三ラチェット機構5,9に傘歯車41の回
動を伝達する。第二ラチェット機構5では、クリック5
2がラチェット車51に噛み、把手6aでの揺動運動
(往路)を伝え、主回動体1を矢印方向に回転させる。
この主回動体1が第二ラチェット機構5(ラチェット車
51)の回転伝動を受けて回転しているとき、第一ラチ
ェット機構2に係るクリック22はラチェット車21の
歯面211を滑っている。同様に、第三ラチェット機構
9に係るクリック92もラチェット車91の歯面を滑っ
ている。一方、把手6aを図1の白抜き矢印方向に回動
(戻し動作)すると、第二ラチェット機構5に係るクリ
ック52がラチェット車51の歯面上を滑るが、第三ラ
チェット機構9のクリック92がラチェット車91に噛
み、把手6aでの揺動運動(復路)を伝え、主回動体1
を図10の矢印方向に回転させる。第一ラチェット機構
2に係るクリック22はラチェット車21の歯面211
を滑る。また、上記設定した切替つまみ26,切替ボタ
ン57,97のセット位置を逆にしてやると、主回動体
1すなわちソケット部8は図10の矢印方向と反対回り
することになるので、螺子部材の締め付け或いは取り外
しに非常に便利になる。かくして、ハンドル操作の往路
のみならず復路も主回動体1を矢印方向に回転させ、ソ
ケット部に嵌合する螺子部材を一方向に回わし続け、作
業効率が一段と向上する。他の効果は実施形態1と同じ
でその説明を省く。尚、第一ラチェット機構2がない場
合でも、第一ラチェット機構2の一方向にのみ回す安全
ロックの役割が失われるだけで、ハンドル6の往復動操
作がともに主回動体1を回す実施形態4の実質的効果が
得られる。一方、第三ラチェット機構9を取り外せば、
実施形態1の効果と同じになる。
【0033】実施形態5〜9は、実施形態1の類似品で
あり、実施形態1と同様の効果を得る。そして、実施形
態7〜9は簡易構造にして低コスト化が図られる。
【0034】尚、本発明においては、前記実施例に示す
ものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種
々変更できる。主回動体1,第一ラチェット機構2,フ
レーム3,副回動体4,第二ラチェット機構5,ハンド
ル6,圧縮コイルバネm,ソケット部8の形状,機構,
大きさ等は用途にあわせて適宜選択できる。例えば、実
施形態では係合体として傘歯車11たる歯車を用いた
が、係合体は副回動体4の回転運動を主回動体1へ伝動
できればよく、これに代え、ユニバーサルジョイントや
フレキシブルジョイント等とすることができる。また、
第一,第二,第三の逆転防止機構は、実施形態のものに
限定されず、主回動体1や副回動体4を一方向に回せる
機構のものであればこれを含み、実施形態のラチェット
機構の他、ギヤレスラチェット機構のものやブレーキ式
のものに置き換えることができる。第一,第二ラチェッ
ト機構2,5の形態は共に同一タイプにしてもよいし、
図3,図4のような異種タイプにすることもできる。こ
こで、バネ24,54はピン25,55をクリック2
2,52へ押圧付勢させるものであればよく、板バネや
拡開バネ等の弾性体にすることができる。ソケット部8
の係合部分82に嵌まる螺子部材は実施形態で示したボ
ルト,ナットに限定されず、その他の多角形状のボルト
頭やナットに適合する凹部形状とすることができる。ま
た、嵌合部が凹部である螺子部材に対して、クロスビッ
ト,マイナスビット,又は六角棒といった凸部形状の係
合部分82をもつソケット部8とすることもできる。ソ
ケット部8は使用時に主回動体1に一体化できれば取り
外しできるものも本発明の要件を充足する。
【0035】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の螺子回し工具
は、ハンドルの揺動操作を行うだけで、ボルト,ナット
等の螺子部材を共回りさせずに、これの締めつけ或いは
取り外しを容易且つ確実にすべからく遂行でき、多大な
効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の螺子回し工具の全体斜視図であ
る。
【図2】図1の部分断面正面図である。
【図3】ラチェット機構の説明図である。
【図4】ラチェット機構の説明図である。
【図5】図1で軸部を把手方向へ引っ張った状態の螺子
回し工具の斜視図である。
【図6】図1のIV−IV線矢視図である。
【図7】傘歯車周りの拡大斜視図である。
【図8】実施形態2の螺子回し工具の部分拡大斜視図で
ある。
【図9】実施形態3の螺子回し工具の部分断面正面図で
ある。
【図10】実施形態4の螺子回し工具の全体斜視図であ
る。
【図11】図10の部分断面正面図である。
【図12】図10の主回動体と、これに一体化する第
一,第二,第三ラチェット機構のラチェット車の正面図
である。
【図13】図12とは別態様の第一,第二,第三ラチェ
ット機構のラチェット車の正面図である。
【図14】実施形態5の螺子回し工具の全体斜視図であ
る。
【図15】実施形態6の螺子回し工具の全体斜視図であ
る。
【図16】実施形態7の螺子回し工具の全体斜視図であ
る。
【図17】実施形態8の螺子回し工具の全体斜視図であ
る。
【図18】実施形態9の螺子回し工具の全体斜視図であ
る。
【図19】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 主回動体 2 第一逆転防止機構 4 副回動体 41,11 回転伝動機構 5 第二逆転防止機構 6 ハンドル 61 軸部 6a 把手 8 ソケット部 9 第三逆転防止機構 A 主部 B 副部 N ナット(螺子部材) B2 ボルト(螺子部材) m 圧縮コイルバネ(弾性体)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 螺子部材と嵌合するソケット部を一端部
    に形成した主回動体の外周に第一逆転防止機構を設けた
    主部(A)と、外周に第二逆転防止機構を設けた副回動
    体が前記主回動体に係合して、該第二逆転防止機構を作
    動させるハンドルをもつ副部(B)と、を具備し、該ハ
    ンドル操作によりソケット部に嵌合する螺子部材を一方
    向に回わせるようにしたことを特徴とする螺子回し工
    具。
  2. 【請求項2】 前記主回動体と前記副回動体とが両者の
    回転軸の軸方向を変えて係合するようにした請求項1記
    載の螺子回し工具。
  3. 【請求項3】 前記主回動体と副回動体が歯車により噛
    合し、副回動体の歯数を主回動体の歯数と異にした請求
    項1又は2に記載の螺子回し工具。
  4. 【請求項4】 前記主回動体を支えるフレームにハンド
    ルの軸部を挿通させ、且つ、該軸部を弾性体によりハン
    ドル基端部の把手から軸部先端に設けられる副回動体方
    向へ付勢させて、該副回動体を主回動体に係合させるよ
    うにした請求項1乃至3のいずれかに記載の螺子回し工
    具。
  5. 【請求項5】 螺子部材と嵌合するソケット部を一端部
    に形成した主回動体を回転自在に軸支するフレームと、
    該主回動体の自在回転方向を一方向だけに制限すべく主
    回動体の外周に設けた第一逆転防止機構と、前記フレー
    ムに主回動体とは異なる回転軸方向で回転自在なるよう
    軸支したハンドルと、該ハンドルから前記主回動体に回
    転を伝達する回転伝動機構と、ハンドルから主回動体に
    伝達される回転を前記第一逆転防止機構による主回動体
    の自在回転方向だけに制限する第二逆転防止機構と、を
    具備することを特徴とする螺子回し工具。
  6. 【請求項6】 螺子部材と嵌合するソケット部を一端部
    に形成した主回動体(1)と、該主回動体の軸方向に設
    けられる第二逆転防止機構(5)及び第三逆転防止機構
    (9)と、前記主回動体を支持するフレームに軸部を挿
    通して先端部分を第二逆転防止機構及び第三逆転防止機
    構に係合させたハンドル(6)と、を具備し、該ハンド
    ル操作によりソケット部に嵌合する螺子部材を一方向に
    回わせるようにしたことを特徴とする螺子回し工具。
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