JP2009257311A - アーム式動弁装置におけるラッシュアジャスタ - Google Patents

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誠 安井
Katsuhisa Yamaguchi
克久 山口
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Abstract

【課題】アーム式動弁装置に対して容易に組み付けることができるようにしたラッシュアジャスタを提供する。
【解決手段】筒状のボディ21の内周に形成された鋸歯状の雌ねじ22にスクリュロッド23の外周に形成された鋸歯状の雄ねじ24をねじ係合し、そのスクリュロッド23をボディ21の内部に組込まれたリターンスプリング26により外方に向けて付勢する。スクリュロッド23のボディ開口端から突出する端部に大径部を設け、上記スクリュロッド23をボディ21の内部にねじ込んだ状態で、対向一対の挟持片部32を有する初期セット部材30を大径部とボディ21の開口端部に跨って取付けて、スクリュロッド23を回り止めし、ラッシュアジャスタを収縮状態に保持する。その収縮状態でラッシュアジャスタをアーム式動弁装置に組込み、その組込み後に初期セット部材30の取外しを行ってラッシュアジャスタを作動状態とする。
【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関におけるアーム式動弁装置のバルブクリアランスを自動調整するラッシュアジャスタに関する。
カムの回転によって吸気バルブあるいは排気バルブ(以下、単にバルブという)を開閉させるアーム式動弁装置には、スイングアーム式(エンドピボット式)とロッカアーム式とが存在する。
スイングアーム式動弁装置においては、カムの下方に配置されたアームの端部をピボットで支持し、そのアームをカムの回転によりピボットを中心に揺動させ、その揺動側の端部でバルブステムを押し下げてバルブを開放させるようにしている。
一方、ロッカアーム式動弁装置においては、カムの上方に設けられたロッカシャフトを中心にしてアームを揺動自在に支持し、上記カムの回転によりアームの一端部を押し上げ、アームの他端部でバルブステムを押し下げてバルブを開放させるようにしている。
上記いずれのアーム式動弁装置においても、ラッシュアジャスタの組込みによってバルブクリアランスを自動調整している。
上記ラッシュアジャスタとして、筒状ボディの内周に形成された雌ねじを鋸歯状とし、その鋸歯状の雌ねじにスクリュロッドの外周に設けられた鋸歯状の雄ねじをねじ係合し、そのスクリュロッドをボディの内部に組込まれたリターンスプリングにより突出する方向に向けて付勢するようにした機械式ラッシュアジャスタが従来から知られている(特許文献1および特許文献2参照)。
ところで、上記機械式ラッシュアジャスタにおいては、アーム式動弁装置に対する組付け前の状態で、スクリュロッドがリターンスプリングにより押圧されて突出する状態にあるため、アーム式動弁装置への組付けに際しては、上記スクリュロッドをボディの内部にねじ込み、そのスクリュロッドの先端を押え付けるラッシュアジャスタの収縮状態で、そのラッシュアジャスタを動弁装置に組み付ける必要があり、組付けに非常に手間が係るという問題があった。
そのような不都合を解消するため、特許文献3に記載されたアーム式動弁装置においては、アームの揺動側端部の上面とラッシュアジャスタにおけるスクリュロッドの下部先端面とに係合可能な対向一対の係合片を上下に有するコの字形の枠体を着脱自在に取付けて、スクリュロッドをねじ込み状態に保持するようにしている。
特開2005−273510号公報 特開2006−132426号公報 特開2007−92668号公報
ところで、特許文献3に記載されたアーム式動弁装置においては、アームの揺動側端部とスクリュロッドの下部先端面に枠体の上下で対向する係合片を係合させて、ラッシュアジャスタのスクリュロッドがボディ内部にねじ込まれた初期セット状態に保持する構成であるため、アームの揺動側端部に形成された嵌合孔内にラッシュアジャスタを組込んだ後、スクリュロッドをねじ込む必要がある。
また、スクリュロッドの回転に際しては、その先端面に枠体の係合片を係合させる関係から先端部を摘み持って回転させることができず、ボディの上端を閉塞するキャップに形成された工具挿入孔に工具を挿入し、その工具によりスクリュロッドを回転させてボディ内部に引き込む必要が有るため、ラッシュアジャスタの組付けに非常に手間が係るという不都合がある。
この発明の課題は、アーム式動弁装置に対して容易に組み付けることができるようにしたラッシュアジャスタを提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、筒状のボディの内周に雌ねじを設け、その雌ねじにスクリュロッドの外周に形成された雄ねじをねじ係合し、そのスクリュロッドにリターンスプリングの弾性力を負荷してボディの開口端から突出する方向にスクリュロッドを付勢したアーム式動弁装置のラッシュアジャスタにおいて、前記スクリュロッドのボディ開口端から突出する端部に大径部を設け、前記スクリュロッドがボディの内部にねじ込まれた状態でその大径部の外周対向位置と前記ボディの開口端部の外周対向位置とを同時に弾性的に挟持可能な対向一対の挟持片部を有する初期セット部材をボディの開口端部と大径部とに跨るよう着脱自在に取付けてスクリュロッドを回り止めした構成を採用したのである。
上記の構成からなるアーム式動弁装置のラッシュアジャスタにおいて、スクリュロッドの大径部を摘み持って回転し、そのスクリュロッドをボディの内部にねじ込んだラッシュアジャスタの収縮状態において、初期セット部材に形成された対向一対の挟持片部が大径部の外周対向位置と前記ボディの開口端部の外周対向位置とに跨るようにして初期セット部材を取り付けると、対向一対の挟持片部は大径部の外周対向位置とボディの開口端部の外周対向位置とを同時に挟持する。このとき、大径部と挟持片部の接触部に作用する摩擦抵抗はスクリュロッドの回転抵抗となり、その回転抵抗によってスクリュロッドは回り止めされ、ラッシュアジャスタは収縮状態に保持される。
このように、スクリュロッドをボディの内部に没入させ、初期セット部材を大径部とボディの開口端部に跨るようにして取り付けることにより、ラッシュアジャスタを収縮状態に保持することができるため、アーム式動弁装置に対してラッシュアジャスタを容易に組込むことができる。
ラッシュアジャスタの組込み後、初期セット部材を引き抜くと、リターンスプリングの押圧によりスクリュロッドが回転しつつ突出方向に移動して、アーム式動弁装置のバルブクリアランスを吸収する作動状態になる。
ここで、初期セット部材に対向一対の挟持片部の端部間に渡る摘み部を設けておくと、その摘み部を摘み持って初期セット部材の抜き差しを行なうことができるため、初期セット部材の着脱を容易に行なうことができる。
スクリュロッドを回り止めする上記初期セット部材は、金属板のプレス曲げ成形品からなるものであってもよく、あるいは、合成樹脂の成形品からなるものであってもよい。また、金属線材の曲げ成形品からなるものであってもよい。金属線材の曲げ成形品からなる初期セット部材においては、対向一対の挟持片部の自由端に、大径部の外周対向位置と前記ボディの開口端部の外周対向位置とに跨って係合可能なU字形の折曲げ部を設けておくようにする。
上記いずれの初期セット部材も簡単に製作することができ、コストの安い初期セット部材を提供することができる。
この発明に係るラッシュアジャスタにおいて、ボディの開口端部の外周とスクリュロッドにおける大径部の外周とにローレット目を形成しておくと、スクリュロッドの大径部に摩擦による大きな回転抵抗を負荷することができるため、スクリュロッドを確実に回り止めすることができる。
また、ボディの開口端部の外周対向位置とスクリュロッドにおける大径部の外周対向位置とに初期セット部材の対向一対の挟持片部が係合可能な平坦な係合面を形成しておくと、スクリュロッドをより確実に回り止めすることができる。
この発明に係るアーム式動弁装置のラッシュアジャスタにおいて、ボディの内周に形成された雌ねじおよびスクリュロッドの外周に形成された雄ねじは、鋸歯状ねじ、台形ねじ、三角ねじのいずれでもよい。
鋸歯状ねじを採用する場合、スクリュロッドを突出方向に付勢するリターンスプリングとして、圧縮コイルばねあるいは捩じりばねを用いるようにする。
一方、台形ねじあるいは三角ねじを採用する場合は、リターンスプリングとして、捩じりコイルばね、ゼンマイばね、渦巻きばね、竹の子ばね等の捩じりばねを採用する。
ここで、ラッシュアジャスタにおけるスクリュロッドを軸方向に2分割して、大径部を先端に有するプランジャ部材と、外周に雄ねじを有するねじ部材を設け、そのプランジャ部材とねじ部材とを相対的に回り止めし、かつ、軸方向の対向面間に皿ばね等のばね部材を組込んで、プランジャ部材とねじ部材を離反する方向に付勢することより、エンジン停止後の冷却による収縮によって動弁装置の構成部材間に収縮差が生じた時、ばね部材が圧縮変形して上記収縮差を吸収し、バルブが開放状態に保持されるのを防止することができる。
この発明に係るアーム式動弁装置におけるラッシュアジャスタにおいて、そのラッシュアジャスタは、スクリュロッドの端部に形成された大径部の先端のピボット部でアームの端部を支持するスイングアーム式動弁装置用のものであってもよく、あるいは、アームの揺動側端部に形成された嵌合孔に嵌合されてスクリュロッドの先端をバルブステムの上端に対向させたロッカアーム式動弁装置用のものであってもよい。
上記のように、この発明においては、スクリュロッドをボディの内部にねじ込んでラッシュアジャスタを収縮状態とし、そのスクリュロッドの大径部とボディの開口端部とに跨るようにして初期セット部材を取付けることにより、その初期セット部材の対向一対の挟持片部がボディの開口端部の外周対向位置と大径部の外周対向位置とを同時に挟持してスクリュロッドを回り止めするため、ラッシュアジャスタを収縮状態に保持することができ、アーム式動弁装置に容易に組込むことができる。
また、初期セット部材は大径部の外周対向位置に対する対向一対の挟持片部の係合によってスクリュロッドを回り止めするため、上記大径部を摘みもってスクリュロッドを回転させることができ、スクリュロッドの回転操作に工具を必要とせず、ラッシュアジャスタを簡単に収縮状態とすることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係るラッシュアジャスタを組込んだスイングアーム式動弁装置を示す。スイングアーム式動弁装置においては、シリンダヘッド1に形成された嵌合孔2にラッシュアジャスタAを組込み、そのラッシュアジャスタAによって一端部が支持された揺動可能なアーム3の中途にローラ4を回転自在に支持し、そのローラ4をカムシャフト5に設けられたカム6の回転により押し下げてアーム3を揺動させ、そのアーム3の他端部でバルブステム7を押し下げて、バルブステム7の下端に設けられたバルブ8を開放させるようにしている。
ここで、バルブステム7は、上端にスプリングリテナ9を有し、そのスプリングリテナ9に負荷されるバルブスプリング10の押圧力によってバルブステム7は下端のバルブ8がバルブシート11に密着する方向に付勢されている。また、アーム3の一端部の下面には半球状の球面座12が形成されている。
図2乃至図4に示すように、ラッシュアジャスタAは、図1に示す嵌合孔2に嵌合される筒状のボディ21を有し、そのボディ21の内周に形成された雌ねじ22にスクリュロッド23の外周に形成された雄ねじ24をねじ係合している。
また、ボディ21は下端が閉塞し、その閉塞端とスクリュロッド23の下面間にスプリングシート25と圧縮コイルばねから成るリターンスプリング26とを組込み、そのリターンスプリング26によってスクリュロッド23をボディ21の上端開口から突出する方向に付勢している。
スクリュロッド23の上記ボディ21の上端開口から外部に位置する端部には上記ボディ21の外径と同径の大径部27が形成され、その大径部27の上部にアーム3の一端部に形成された球面座12を支持する半球状のピボット部27aが設けられている。
ここで、ボディ21の雌ねじ22とスクリュロッド23の雄ねじ24におけるねじ山は、スクリュロッド23に負荷される押込み力を受ける圧力側フランク28のフランク角が遊び側フランク29のフランク角より大きい鋸歯状とされ、その鋸歯状ねじ山にリターンスプリング26の押圧によってスクリュロッド23が回転しつつ軸方向に移動するリード角が設けられている。
ラッシュアジャスタAは、スクリュロッド23の大径部27を摘み持ってスクリュロッド23をボディ21の内部に向けてねじ込むことにより収縮状態とされ、初期セット部材30の取付けによって収縮状態に保持されるようになっている。
初期セット部材30は、板状の摘み部31の両端に対向一対の挟持片部32を形成し、各挟持片部32の先端に斜め外方に向く屈曲片部33を設けた構成とされて、ラッシュアジャスタAの側方からラッシュアジャスタAの外側に対して着脱自在とされ、上記摘み部31に取外し工具を係合させる工具係合孔34が形成されている。
上記初期セット部材30は、スクリュロッド23をボディ21の内部にねじ込んだ状態で、大径部27とボディ21の開口端部に跨って取付け可能とされ、その取付け状態で対向一対の挟持片部32が大径部27の外周対向位置とボディ21の開口端部の外周対向位置を同時に弾性的に挟持し、上記大径部27と挟持片部32の接触部に作用する摩擦抵抗によりスクリュロッド23を回り止めして、ラッシュアジャスタAを収縮状態に保持するようになっている。
ここで、初期セット部材30は、金属板をプレスにより曲げ成形したものであってもよく、あるいは、合成樹脂の成形品からなるものであってもよい。
実施の形態で示すラッシュアジャスタAは上記の構造からなり、アーム式動弁装置に対するラッシュアジャスタAの組付けは、初期セット部材30の取付けによってラッシュアジャスタAを収縮状態に保持する状態で、そのラッシュアジャスタAのボディ21を嵌合孔2内に嵌合し、スクリュロッド23のピボット部27aでアーム3の球面座12を支持しつつ、その上方からカムシャフト5を固定した後、初期セット部材30の取外しを行う。
ここで、ラッシュアジャスタAの収縮状態の保持に際しては、スクリュロッド23の大径部27を摘み持ってスクリュロッド23をボディ21の内部に向けてねじ込み、そのスクリュロッド23のねじ込み状態において、初期セット部材30を、その対向一対の挟持片部32が大径部27とボディ21の開口端部に跨るように取付ける。
図2乃至図4は、その初期セット部材30の取付け状態を示し、対向一対の挟持片部32は大径部27の外周対向位置とボディ21の開口端部の外周対向位置を同時に弾性的に挟持し、上記大径部27と対向一対の挟持片部32の接触部に作用する摩擦抵抗はスクリュロッド23の回転抵抗となり、その回転抵抗によってスクリュロッド23は回り止めされ、ラッシュアジャスタAは収縮状態に保持される。
このように、スクリュロッド23をボディ21の内部にねじ込んだ状態で初期セット部材30を大径部27とボディ21の開口端部に跨るように取り付けることにより、スクリュロッド23が回り止めされてラッシュアジャスタAは収縮状態に保持されるため、ラッシュアジャスタAをスイングアーム式動弁装置に簡単に組付けることができる。
また、初期セット部材30は、その対向一対の挟持片部32で大径部27の外周の対向位置を挟持する取り付けであるため、上記大径部27の上部を摘み持ってスクリュロッド23をねじ込むことができ、ラッシュアジャスタAを簡単に収縮状態とすることができる。
嵌合孔2に対するラッシュアジャスタAの組付け後、初期セット部材30を側方に向けて引抜くと、リターンスプリング26の押圧によってスクリュロッド23が回転しつつ突出方向に移動して、アーム3のローラ4をカム6のベース円6aに押し付けてスイングアーム式動弁装置のバルブクリアランスを吸収する作動状態になり、ラッシュアジャスタAの組付けが完了する。
スイングアーム式動弁装置に対する組込み状態において、シリンダヘッド1の熱膨張によってバルブ8の閉鎖状態でカム6のベース円6aとローラ4間にクリアランスが生じると、リターンスプリング26の押圧によりスクリュロッド23が遊び側フランク29に沿って回転しつつ突出する方向に移動してバルブクリアランスを吸収する。
また、スクリュロッド23がバルブステム7からアーム3を介して押し込み力を受けると、雌ねじ22とスクリュロッド23の雄ねじ24のねじ係合部に形成された軸方向のねじ隙間を詰めるまでスクリュロッド23が軸方向に移動する。さらに押し込み力が負荷されると、互いに圧接する圧力側フランク28により上記押し込み力を受け、スクリュロッド23が回転しつつボディ21内に没入する方向に向けて移動するのを防止する。
反対に、バルブシート11の摩耗等によりバルブステム7の上端とカム6間の距離が縮まると、スクリュロッド23はバルブステム7からアーム3を介して負荷される軸方向の変動荷重により徐々に押し込まれて回転しつつボディ21内に没入する方向に向けて移動し、カム6のベース円6aがローラ4と接触するバルブ閉鎖時にバルブ8が不完全に閉鎖するのを防止する。このとき、スクリュロッド23は前記軸方向の変動荷重の最小値が0となる位置からさらにねじ隙間分だけ押し込まれ、それ以上は後退しない。
一方、バルブクリアランスの調整が必要のない定常的な運転状態のときは、スクリュロッド23は殆ど回転せず、雌ねじ22とスクリュロッド23の雄ねじ24のねじ係合部間に形成された軸方向のねじ隙間の範囲内で軸方向変位を繰り返す。
図5は、ラッシュアジャスタAの他の例を示す。この例においては、ボディ21の開口端部の外周と大径部27の外周とにダイヤ目からなるローレット目40、41を形成している点で図2に示すラッシュアジャスタAと相違している。
上記のように、ボディ21の開口端部の外周と大径部27の外周とにローレット目40、41を形成することにより、初期セット部材30の挟持片部32に対する摩擦抵抗の増大化を図ることができ、初期セット部材30に安定した取付け状態を得ることができると共に、押込み状態とされたスクリュロッド23を確実に回り止めすることができる。
図6(I)、(II)は、ラッシュアジャスタAの他の例を示す。この例においては、ボディ21の開口端部の外周対向位置と大径部27の外周対向位置とに初期セット部材30の対向一対の挟持片部32が係合可能な平坦な係合面42、43を形成している点で図2に示すラッシュアジャスタAと相違している。
上記のように、ボディ21の開口端部の外周対向位置と大径部27の外周対向位置とに係合面42、43を形成することにより、各係合面42、43に対する初期セット部材30の対向一対の挟持片部32の係合によって、初期セット部材30により安定した取付け状態を得ることができると共に、押込み状態とされたスクリュロッド23をより確実に回り止めすることができる。
ここで、図7(I)、(II)に示すように、対向一対の平坦な係合面42、43の2組を周方向に90°ずらして形成すると、ボディ21の開口端部の外周に形成された係合面42と大径部27の外周に形成された係合面43の位相合わせを容易に行なうことができる。
図8(I)、(II)は、初期セット部材30の他の例を示す。この例で示す初期セット部材30においては、線材の折曲げにより、直線状の摘み部35に両端に対向一対の挟持片部36を設け、各挟持片部36の自由端にボディ21の開口端部の外周対向位置とスクリュロッド23の大径部27の外周対向位置に跨って係合可能なU字形の折曲げ部37を設け、各折曲げ部37の反転部37aをボディ21の開口端部の外周に沿う円弧状としている。
上記初期セット部材30は、対向一対の折曲げ部37がボディ21の開口端部の外周対向位置と大径部27の外周対向位置を同時に弾性的に挟持する取付けによってスクリュロッド23を回り止めするようにしている。
上記のような初期セット部材30は、線材の折曲げによるものであるため、製作が容易であり、コストの安い初期セット部材30を得ることができる。
図1では、アーム式動弁装置として、スイングアーム式のものを示したが、アーム式動弁装置はこれに限定されるものではない。
例えば、図9に示すように、カム50の上方に設けられたロッカシャフト51を中心にしてアーム52を揺動自在に支持し、上記カム50の回転によりアーム52の一端部を押し上げ、アーム52の他端部でバルブステム53を押し下げてバルブ54を開放させるようにしたロッカアーム式のものであってもよい。
ロッカアーム式動弁装置においては、アーム52の揺動側端部に形成された嵌合孔55にラッシュアジャスタAのボディ21を嵌合し、スクリュロッド23のボディ開口端から外部に位置する大径部27の円弧状先端面56をバルブステム53の上端に対向させるようにする。
上記のようなアーム式動弁装置に対するラッシュアジャスタAの組付けは、初期セット部材30によってラッシュアジャスタAを収縮状態に保持したまま、アーム52の嵌合孔55にボディ21を嵌合し、さらに、アーム52を貫くロッカシャフト51をエンジンに固定した後、初期セット部材30を引き抜くようにする。
図10は、ラッシュアジャスタAの他の例を示す。この例に示すラッシュアジャスタAにおいては、ボディ21の内周に形成された雌ねじ22およびスクリュロッド23の外周に形成された雄ねじ24を三角ねじとし、リターンスプリング26として捩じりコイルばねを用い、そのリターンスプリング26の両端に設けられた軸方向の折曲げ片26a、26bの一方をボディ21の閉塞端に設けられた係合孔60に係合し、他方をスクリュロッド23の端面に形成された係合孔61に係合している点で、図2に示すラッシュアジャスタAと相違している。このため、図2と同一の部品には同一の符号を付して説明を省略する。
上記の構成からなるラッシュアジャスタAにおいては、スクリュロッド23に押込み力を付加すると、雌ねじ22と雌ねじ24の圧力側フランクの接触面で僅かな滑りが生じて、スクリュロッド23が回転しつつボディ21の閉塞端に向けて徐々に移動するようになっている。
また、スクリュロッド23の回転により捩じりコイルばねからなるリターンスプリング26が捩じり変形し、その変形による復元弾性によりスクリュロッド23が回転しつつ外方に移動し、そのスクリュロッド23の軸方向の移動により図1に示すスイングアーム式動弁装置のバルブクリアランスを吸収するようになっている。
図10では、雌ねじ22および雄ねじ24を三角ねじとしたが、図11に示すように、雌ねじ22および雄ねじ24のそれぞれを台形ねじとしてもよい。また、リターンスプリング26として捩じりコイルばねを採用したが、その捩じりコイルばねに代えて、ゼンマイばね、渦巻きばねあるいは竹の子ばねを採用するようにしてもよい。
図12は、ラッシュアジャスタAのさらに他の例を示している。この例におけるラッシュアジャスタAにおいては、スクリュロッド23を、ピボット部27aを先端に有するプランジャ部材23aと外周に雄ねじ24を有するねじ部材23bとに2分割し、そのねじ部材23bの軸端面に形成された角軸部61をプランジャ部材23aの端面に設けられた角孔62にスライド自在に嵌合してプランジャ部材23aとねじ部材23bを相対的に回り止めし、上記プランジャ部材23aとねじ部材23bの対向面間にばね部材63を組込んで、プランジャ部材23aとねじ部材23bとを相反する方向に押圧している点で図2のラッシュアジャスタAと相違している。このため、図2と同一の部品には同一の符号を付して説明を省略する。
図12に示すラッシュアジャスタAにおいては、エンジン停止後の冷却による収縮によって動弁装置の構成部材間に収縮差が生じると、ばね部材63が圧縮変形して上記収縮差を吸収する。このため、バルブ8が開放状態に保持されるというようなことがなく、エンジンの再始動時に圧縮漏れが生じるのを防止することができる。
この発明に係るラッシュアジャスタをスイングアーム式動弁装置に組込んだ状態を示す縦断正面図 図1に示すラッシュアジャスタの一部切欠正面図 図2のIII−III線に沿った断面図 図2のIV-IV線に沿った断面図 この発明に係るラッシュアジャスタの他の例を示す要部のみの一部切欠正面図 (I)は、この発明に係るラッシュアジャスタのさらに他の例を示す要部のみの一部切欠正面図、(II)は、(I)のVI−VI線に沿った断面図 (I)は、この発明に係るラッシュアジャスタのさらに他の例を示す要部のみの一部切欠正面図、(II)は、(I)のVII−VII線に沿った断面図 (I)は、初期セット部材の他の例を示す正面図、(II)は、(I)の平面図 この発明に係るラッシュアジャスタをロッカアーム式動弁装置に組込んだ状態を示す縦断正面図 ラッシュアジャスタのさらに他の例を示す断面図 ねじの他の例を示す断面図 ラッシュアジャスタのさらに他の例を示す断面図
符号の説明
A ラッシュアジャスタ
21 ボディ
22 雌ねじ
23 スクリュロッド
23a プランジャ部材
23b ねじ部材
24 雄ねじ
26 リターンスプリング
27 大径部
27a ピボット部
30 初期セット部材
31 摘み部
32 挟持片部
35 摘み部
36 挟持片部
37 折曲げ部
40 ローレット目
41 ローレット目
42 係合面
43 係合面
52 アーム
53 バルブステム
55 嵌合孔
63 ばね部材

Claims (13)

  1. 筒状のボディの内周に雌ねじを設け、その雌ねじにスクリュロッドの外周に形成された雄ねじをねじ係合し、そのスクリュロッドにリターンスプリングの弾性力を負荷してボディの開口端から突出する方向にスクリュロッドを付勢したアーム式動弁装置のラッシュアジャスタにおいて、
    前記スクリュロッドのボディ開口端から突出する端部に大径部を設け、前記スクリュロッドがボディの内部にねじ込まれた状態でその大径部の外周対向位置と前記ボディの開口端部の外周対向位置とを同時に弾性的に挟持可能な対向一対の挟持片部を有する初期セット部材をボディの開口端部と大径部とに跨るよう着脱自在に取付けてスクリュロッドを回り止めしたことを特徴とするアーム式動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
  2. 前記初期セット部材が、対向一対の挟持片部の端部間に渡る摘み部を備えてなる請求項1に記載のアーム式動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
  3. 前記初期セット部材が、金属板のプレス曲げ成形品からなる請求項1又は2に記載のアーム式動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
  4. 前記初期セット部材が、合成樹脂の成形品からなる請求項1又は2に記載のアーム式動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
  5. 前記初期セット部材が、対向一対の挟持片部の自由端に、前記大径部の外周対向位置と前記ボディの開口端部の外周対向位置とに跨って係合可能なU字形の折曲げ部を有し、その初期セット部材が金属線材の曲げ成形品からなる請求項1又は2に記載のアーム式動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
  6. 前記ボディの開口端部の外周とスクリュロッドにおける大径部の外周とにローレット目を形成した請求項1乃至5のいずれかの項に記載のアーム式動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
  7. 前記ボディの開口端部の外周対向位置とスクリュロッドにおける大径部の外周対向位置とに初期セット部材の対向一対の挟持片部が係合可能な平坦な係合面を形成した請求項1乃至5のいずれかの項に記載のアーム式動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
  8. 前記雌ねじおよび雄ねじが鋸歯状ねじからなり、前記リターンスプリングが圧縮コイルばねからなる請求項1乃至7のいずれかの項に記載のアーム式動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
  9. 前記雌ねじおよび雄ねじが、鋸歯状ねじ、台形ねじおよび三角ねじの一種からなり、前記リターンスプリングが捩じりばねからなる請求項1乃至7のいずれかの項に記載のアーム式動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
  10. 前記捩じりばねが、捩じりコイルばね、ゼンマイばね、渦巻きばねおよび竹の子ばねの一種からなる請求項9に記載のアーム式動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
  11. 前記スクリュロッドを軸方向に2分割して、半球状の大径部を先端に有するプランジャ部材と、外周に雄ねじを有するねじ部材を設け、そのプランジャ部材とねじ部材とを相対的に回り止めし、かつ、軸方向の対向面間にそのプランジャ部材とねじ部材を離反する方向に付勢するばね部材を組込んだ請求項1乃至10のいずれかの項に記載のアーム式動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
  12. 前記ラッシュアジャスタが、スクリュロッドの端部に形成された大径部の先端のピボット部でアームの端部を支持するスイングアーム式動弁装置用である請求項1乃至11のいずれかの項に記載のアーム式動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
  13. 前記ラッシュアジャスタが、アームの揺動側端部に形成された嵌合孔に嵌合されてスクリュロッドの先端をバルブステムの上端に対向させたロッカアーム式動弁装置用である請求項1乃至11のいずれかの項に記載のアーム式動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
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