JP4925634B2 - オートテンショナ - Google Patents

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Description

この発明は、主として、カム軸を駆動するチェーンや歯付きベルトの張力を一定に保持するオートテンショナに関するものである。
一般に、クランク軸の端部に取付けられたスプロケットとカム軸の端部に取付けられたスプロケット間にチェーンをかけ渡したカム軸駆動用のチェーン伝動装置においては、チェーンの弛み側に揺動可能なチェーンガイドを接触し、そのチェーンガイドにオートテンショナの調整力を負荷してチェーンの張力を一定に保つようにしている。
上記チェーン伝動装置に採用されるオートテンショナとして、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。このオートテンショナにおいては、ボディ内にロッドを先端に有するナット部材をスライド自在に挿入し、そのナット部材の内周に形成された鋸歯状の雌ねじにボルト部材の外周に形成された鋸歯状の雄ねじをねじ係合し、上記ナット部材をボディの内部に組込まれたリターンスプリングによって外方への突出性を付与し、チェーンからチェーンガイドを介してナット部材のロッドに負荷される押し込み力を鋸歯状ねじの圧力側フランクで受けてナット部材の後退動を阻止し、上記押し込み力がリターンスプリングの押圧力より大きい場合に、その押し込み力とリターンスプリングのばね力とが釣り合う位置までナット部材を回転させつつ後退動させてチェーンの張力を一定に保つようにしている。
また、チェーンに弛みが生じた場合に、リターンスプリングの押圧力により、ナット部材を回転させつつ前進動させてチェーンの弛みを吸収するようにしている。
実開平1−41755号公報
ところで、上記従来のオートテンショナにおいては、揺動可能に支持されたチェーンガイドにナット部材に設けられたロッドの先端を当接させる組付けであり、その組付け誤差等により、上記当接部にずれが生じると、ナット部材に回転力が負荷される。
また、チェーンガイドは揺動自在の支持であり、そのチェーンガイドの揺動によってチェーンの振動を吸収するため、チェーンガイドに先端のロッドが当接されたナット部材には回転モーメントが負荷され、その回転モーメントはナット部材とボルト部材のねじ係合部に直接作用することになる。
ここで、ナット部材に回転力が負荷されると、ナット部材は回転しつつ軸方向に移動することになり、チェーンの緊張時には、チェーンの振動を抑制する抵抗力が減少し、鋸歯状ねじの作動特性を有効に発揮させることができず、チェーンの張力を一定に保持することができなくなる。
また、ナット部材に負荷される回転モーメントが鋸歯状ねじに直接作用すると、鋸歯状ねじ部に噛み込みが生じてナット部材が動かなくなるという不都合を発生する可能性がある。
さらに、上記従来のオーテンショナにおいては、ナット部材がリターンスプリングにより付勢されてロッドが外部に大きく突出する伸張状態にあるため、エンジンブロックに対するチェーンテンショナの初期の組み込みに際しては、ナット部材のロッドに回転力を負荷してナット部材をボディ内に後退させ、その後退状態を保持して組み付けを行う必要があるため、組み付けに非常に手間がかかるという不都合がある。
この発明の課題は、鋸歯状ねじによってチェーンの張力を一定に保つようにしたオートテンショナにおいて、揺動可能なチェーンガイドとの当接によって回転力や回転モーメントが負荷されても、その回転力や回転モーメントが鋸歯状ねじ部に作用されないようにして常に安定した動作が得られるようにすること、および初期の組み付けの容易化を図ること、さらには初期のセット状態を自動的に解除できるようにすることである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、一端が開口するシリンダ室が形成されたハウジングと、そのシリンダ室の開口部に設けられた潤滑油封止用のシール部材と、前記ハウジングのシリンダ室内に組込まれたナット部材と、そのナット部材の内周の雌ねじにねじ係合される雄ねじを後端部の外周に有するロッド部材と、そのロッド部材に外方向への突出性を付与するリターンスプリングとから成り、前記ロッド部材を、前記リターンスプリングの押圧力が負荷される軸方向に移動可能なプッシュロッドと、そのプッシュロッドと同軸上の配置とされて雄ねじを外周に有するアジャストスクリュとに分割し、前記シリンダ室の開口端部内にはプッシュロッドをスライド自在に支持するウェアリングを圧入し、そのウェアリングにはシリンダ室の開口端から外部に位置する先端部の内径面にリング収容溝と、外径面からそのリング収容溝に貫通する切欠部とを設け、前記リング収容溝内には径方向に弾性変形可能なスットパリングを縮径状態で組み込み、そのストッパリングの両端に設けられた一対の操作片を前記切欠部内に挿入し、前記プッシュロッドの先端部外周には前記ストッパリングが係合可能なストッパ溝を設け、前記リング収容溝のシリンダ室開口端側の前側部には前記ストッパリングをストッパ溝に係合する縮径状態に保持する保持部を設け、前記プッシュロッドのシリンダ室内に位置する後端部にシリンダ室の内径面に沿って摺動可能なスライド部材を設けて、そのスライド部材とシリンダ室の嵌合面およびプッシュロッドと前記ウェアリングの嵌合面の2箇所においてプッシュロッドを支持し、前記スライド部材に前記リターンスプリングの押圧力を負荷し、前記ナット部材の内部にアジャストスクリュをプッシュロッドに向けて付勢するコイルスプリングを組み込み、前記ナット部材の雌ねじとアジャストスクリュの雄ねじを、アジャストスクリュに負荷される押し込み力を受ける圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角より大きい鋸歯状ねじとした構成を採用している。
この発明に係るオートテンシショナにおいて、ストッパ溝に係合するストッパリングを縮径状態に保持する保持部は、小径溝から成るものであってもよく、あるいはテーパ面から成るものであってもよい。
上記の構成から成るオートテンショナは、プッシュロッドの先端が揺動可能なチェーンガイドに当接する組付けとする。その組付けに際しては、ストッパリングがストッパ溝に係合し、保持部によってストッパリングの拡径が防止され、プッシュロッドが押し込み保持されたオートテンショナの初期セット状態でハウジングの取り付けを行う。
オートテンショナの取り付け後、エンジンをクランキングさせると、チェーンが緊張し、その緊張するチェーンでプッシュロッドが少し押し込まれて保持部からストッパリングが外れると、ストッパリングが拡径してストッパ溝に対する係合が解除し、オートテンショナの初期セットが解除する。その初期セットの解除により、リターンスプリングの押圧によりプッシュロッドが前進してチェーンガイドを押圧すると共に、コイルスプリングの押圧によりアジャストスクリュが回転しつつ前進してプッシュロッドの後端面に当接し、チェーンは張力調整状態とされる。
チェーンの張力調整状態でチェーンに弛みが生じると、リターンスプリングの押圧によりプッシュロッドが前進し、チェーンガイドをチェーンに押し付けてチェーンの弛みを吸収する。
また、チェーンが緊張し、そのチェーンからチェーンガイドを介してプッシュロッドに押し込み力が負荷されると、その押し込み力は鋸歯状ねじの圧力側フランクで支持され、プッシュロッドは後退動しない。上記押し込み力がリターンスプリングのばね力より大きい場合、その押し込み力とばね力とが釣り合う位置までアジャストスクリュは回転しつつ後退動してチェーンの張力を一定に保つ。
上記のようなチェーンの張力調整時、チェーンガイドが揺動すると、そのチェーンガイドとプッシュロッドの接触部にずれ動きが生じてプッシュロッドに回転モーメントが負荷される。このとき、プッシュロッドとアジャストスクリュは、対向端面が衝合し、分離されたものであるため、アジャストスクリュには回転モーメントが負荷されることはない。このため、雌ねじと雄ねじのねじ係合部が噛み込むという不都合の発生はない。
また、プッシュロッドの後端部にシリンダ室の内径面に沿って摺動可能なスライド部材を設けているため、プッシュロッドに負荷される回転モーメントは、スライド部材とシリンダ室の嵌合面、およびプッシュロッドとウェアリングの嵌合面の2箇所で支持されることになるため、アジャストスクリュに回転モーメントが負荷されるのをより確実に防止することができる。
上記のようなオートテンショナの組付け時、組付け誤差等により、プッシュロッドの先端面中心に対する偏心位置がチェーンガイドと接触する場合がある。このとき、チェーンガイドの揺動によってプッシュロッドに回転力が負荷されるが、プッシュロッドとアジャストスクリュは分離されて同軸上に配置されているため、アジャストスクリュに回転力が負荷されることはない。このため、アジャストスクリュが回転して軸方向に移動するという不都合の発生はなく、チェーンの緊張時に、チェーンの振動を抑制する抵抗力の減少を防止し、鋸歯状ねじの作動特性を有効に発揮させることができる。
ここで、プッシュロッドの後端面とアジャストスクリュの先端面における少なくとも一方を球面とすると、プッシュロッドからアジャストスクリュへの回転力の伝達をより確実に防止することができる。
上記のように、チェーンガイドに調整力を負荷するロッド部材をプッシュロッドとアジャストスクリュとに分割したことにより、上記チェーンガイドからプッシュロッドに回転力や回転モーメントが負荷されても、これらの回転力や回転モーメントがアジャストスクリュに伝達されることはなく、チェーンの緊張時に、チェーンの振動を抑制する抵抗力が減少したり、鋸歯状ねじ部に噛み込みが生じる等の不都合の発生を防止し、チェーンの張力を常に一定に保持することができる。
また、プッシュロッドの先端部に設けたストッパ溝にストッパリングを係合し、そのストッパリングを保持部によって縮径状態に保持することによって、オートテンショナはプッシュロッドおよびアジャストスクリュが押し込まれた初期セット状態に保持されるため、オートテンショナの初期の組み付けを容易に行うことができる。
さらに、オートテンショナの組み付け後に、エンジンをクランキングさせると、緊張するチェーンによりプッシュロッドが押し込まれ、ストッパリングは自己の弾性によりリング収容溝内で拡径してストッパ溝に対する係合が解除し、プッシュロッドはリターンスプリングの押圧により前進し、また、アジャストスクリュはコイルスプリングの押圧により前進するため、オートテンショナの初期セット状態を自動的に解除することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、カム軸駆動用チェーンの張力調整装置を示す。図示のように、クランク軸1の端部に取付けられたスプロケット2と、カム軸3の端部に取付けられたスプロケット4間にはチェーン5がかけ渡され、そのチェーン5の弛み側にチェーンガイド6が設けられている。
チェーンガイド6は、その下端部に設けられた軸7を中心として揺動可能とされている。このチェーンガイド6はオートテンショナ10から負荷される調整力によりチェーン5に押し付けられている。
図2に示すように、オートテンショナ10はハウジング11を有し、そのハウジング11の外周にはエンジンブロックにボルト止めされる複数の取付片12が設けられている。また、ハウジング11には一端が開口するシリンダ室13が形成され、そのシリンダ室13の開口端部内に組み込まれたシール部材14は、シリンダ室内に封入された潤滑油の外部への漏洩を防止している。
シリンダ室13内にはナット部材15が組込まれ、そのナット部材15の内周に雌ねじ16が形成されている。また、シリンダ室13内にはロッド部材17と、そのロッド部材17に外方向への突出性を付与するリターンスプリング18とが組込まれている。
ロッド部材17は、プッシュロッド17aと、アジャストスクリュ17bとに分割されている。プッシュロッド17aのシリンダ室13内に位置する後端部にはシリンダ室13の内径面に沿って摺動可能なスライド部材20が設けられ、そのスライド部材20にリターンスプリング18の押圧力が負荷されている。
一方、シリンダ室13の開口部には、シール部材14の外端側に上記プッシュロッド17aをスライド自在に支持するウェアリング21が圧入されている。ウェアリング21とプッシュロッド17aの相互間には、プッシュロッド17aがシリンダ室13内に押し込まれた初期セット状態に保持するセット手段22が設けられている。
図2乃至図4に示すように、セット手段22は、ウェアリング21のシリンダ室13の開口端から外部に位置する先端部の内径面にリング収容溝23と、外径面からそのリング収容溝23に貫通する切欠部24とを形成し、上記リング収容溝23内に径方向に弾性変形可能なストッパリング25を縮径状態で組み込み、そのストッパリング25の両端部に形成された一対の操作片25aを上記切欠部24内に挿入し、上記プッシュロッド17aの先端部外周にはストッパ溝26を設け、そのストッパ溝26に係合する縮径状態の上記ストッパリング25をリング収容溝23のシリンダ室13開口端側に設けた保持部27で保持してプッシュロッド17aを押し込み状態に保持するようにしている。
ここで、保持部27は、小径溝から成り、その小径溝からなる保持部27の内径面にストッパリング25が弾性接触する状態で、そのストッパリング25の内径はプッシュロッド17aの外径より小径とされている。
図2および図5に示すように、アジャストスクリュ17bは、雄ねじ28を外周に有し、その雄ねじ28がナット部材15の雌ねじ16にねじ係合している。その雄ねじ28と雌ねじ16のねじ係合部およびスライド部材20とシリンダ室13の摺動面間は、シリンダ室13内に封入された潤滑油によって潤滑される。
アジャストスクリュ17bには、その後端面で開口するスプリング収容孔29が形成され、そのスプリング収容孔29の開口端部の内周に雌ねじ30が形成されている。一方、ハウジング11には、シリンダ室13の閉塞端壁にねじ孔31が設けられ、そのねじ孔31はプラグ32のねじ込みによって閉塞されている。
プラグ32と上記スプリング収容孔29の閉塞端面間にはコイルスプリング33と、ピンから成るスプリングシート34とが組込まれている。スプリングシート34は頭部34aを有し、その頭部34aに形成された球形表面34bがスプリング収容孔29の閉塞端に押し付けられて点接触している。
コイルスプリング33は、アジャストスクリュ17bをプッシュロッド17aに向けて付勢し、その付勢によってアジャストスクリュ17bの先端面に設けられた突軸部35の先端の球面35aがプッシュロッド17aの後端面に押し付けられている。
図5に示すように、ナット部材15の内周に形成された雌ねじ16とアジャストスクリュ17bの外周に形成された雄ねじ28のねじ山は、アジャストスクリュ17bが押し込まれた際の押し込み力を受ける圧力側フランク36のフランク角が遊び側フランク37のフランク角より大きい鋸歯状とされ、その鋸歯状ねじ山にコイルスプリング33の押圧力によってアジャストスクリュ17bが回転しつつ軸方向に移動するリード角が設けられている。
実施の形態で示すチェーンの張力調整装置は上記の構造から成り、図2はストッパ溝26に縮径状態のストッパリング25が係合し、そのストッパリング25が保持部27により係合状態に保持されたオートテンショナ10の初期セット状態を示す。その初期セット状態でプッシュロッド17aおよびアジャストスクリュ17bは、押し込み状態に保持され、オートテンショナ10は収縮状態にあるため、エンジンブロックに対してオートテンショナ10を容易に組み込むことができる。
オートテンショナ10の組み込み状態において、エンジンをクランキングさせると、チェーン5が緊張し、その緊張するチェーン5によりチェーンガイド6を介してプッシュッロッド17aが押し込まれ、ストッパリング25が保持部27から離反する。そのストッパリング25がリング収容溝23と対向すると、ストッパリング25は自己の弾性により拡径し、図8に示すように、ストッパ溝26に対する係合が解除する。
ストッパリング25とストッパ溝26の係合解除により、プッシュロッド17aはリターンスプリング18の押圧により前進してチェーンガイド6を押圧すると共に、コイルスプリング33の押圧によりアジャストスクリュ17bが回転しつつ前進して、図9に示すように、プッシュロッド17aの後端に当接し、チェーン5は張力調整状態に保持される。
このように、オートテンショナ10の取り付け後、エンジンをクランキングさせることにより、プッシュロッド17aが押し込まれて、ストッパ溝26に対するストッパリング25の係合が解除するため、オートテンショナ10の初期セットを自動的に解除することができ、解除をし忘れるという不都合の発生はない。
図9に示すチェーン5の張力調整状態において、カム軸3の回転によるトルク変動等によりチェーン5が振動し、そのチェーン5の弛み側チェーンに弛みが生じると、リターンスプリング18の押圧力によりプッシュロッド17aが外方に移動してチェーンガイド6を押圧し、その押圧によってチェーン5の弛みが吸収される。
プッシュロッド17aが外方向に移動するとき、コイルスプリング33の押圧力によりアジャストスクリュ17bが回転しつつプッシュロッド17aに向けて移動して、突軸部35の先端の球面35aがプッシュロッド17aの後端面に当接する。
一方、チェーン5の弛み側チェーンの張力が増大し、そのチェーン5からチェーンガイド6を介してプッシュロッド17aに押し込み力が負荷されると、上記押し込み力はアジャストスクリュ17bにも負荷される。このため、ナット部材15の雌ねじ16とアジャストスクリュ17bの雄ねじ28の圧力側フランク36が互に密着し、その密着する圧力側フランク36によって上記押し込み力が受けられる。
上記押し込み力がリターンスプリング18の押圧力より強い場合、互に密着する圧力側フランク36の接触面で滑りが生じ、アジャストスクリュ17bは上記押し込み力とリターンスプリング18の押圧力とが釣り合う位置までゆっくりと回転しつつ後退してチェーン5の張力を一定に保持する。
このとき、アジャストスクリュ17bとスプリングシート34、およびアジャストスクリュ17bとプッシュロッド17aとは点接触であるため、アジャストスクリュ17bの回転抵抗は小さく、アジャストスクリュ17bはスムーズに回転し、チェーン5の張力変化にスムーズに追従する。
ここで、オートテンショナ10の調整力が負荷されるチェーンガイド6は軸7を中心として揺動自在に支持されているため、チェーンガイド6からプッシュロッド17aに押し込み力が負荷されるとき、プッシュロッド17aに回転モーメントが負荷される。
このとき、プッシュロッド17aの後端部に設けられたスライド部材20はシリンダ室13の内径面に沿って摺動自在とされ、また、シリンダ室13の開口部に設けられたウェアリング21はプッシュロッド17aをスライド自在に支持しているため、プッシュロッド17aに負荷される回転モーメントは、シリンダ室13とスライド部材20の嵌合面およびプッシュロッド17aとウェアリング21の嵌合面の2箇所で支持されることになる。
このため、アジャストスクリュ17bに回転モーメントが負荷されることはなく、雌ねじ16と雄ねじ28のねじ係合部に噛み込みが生じるという不都合の発生はない。
オートテンショナ10の組付け時、その取付け誤差等により、プッシュロッド17aの先端面中心に対する偏心位置がチェーンガイド6に当接する組付けとされる場合がある。このとき、チェーンガイド6の揺動によってプッシュロッド17aに回転力が負荷されることになるが、そのプッシュロッド17aとアジャストスクリュ17bは同軸上の配置であって、アジャストスクリュ17bの突軸部35の先端の球面35aがプッシュロッド17aの後端面に点接触しているため、アジャストスクリュ17bに上記回転力が負荷されることはない。
このため、アジャストスクリュ17bが回転して軸方向に移動するという不都合の発生はなく、チェーン5の緊張時に、チェーン5の振動を抑制する鋸歯状ねじ部での摩擦抵抗力の減少を防止し、鋸歯状ねじの作動特性を有効に発揮させることができる。
エンジン周りのメンテナンスにおいて、チェーン5やオートテンショナ10が取り除かれると、リターンスプリング18の押圧によってプッシュロッド17aが外方に移動し、また、コイルスプリング33の押圧によりアジャストスクリュ17bが回転しつつプッシュロッド17aに向けて移動して、オートテンショナ10は伸長状態となる。
このため、メンテナンス後のオートテンショナ10の再組付けに際しては、オートテンショナ10を収縮状態にして組付けを行なう必要がある。
オートテンショナ10の収縮に際しては、プラグ32を取外し、コイルスプリング33およびスプリングシート34をねじ孔31から外部に取り出したのち、ねじ孔31にボルトを挿入してスプリング収容孔29の内周の雌ねじ30にねじ係合し、そのボルトに回転力を負荷してアジャストスクリュ17bをナット部材15の内側に納まる位置まで後退させる。
アジャストスクリュ17bの後退後、プッシュロッド17aをリターンスプリング18の弾性に抗して押し込む。ストッパ溝26がリング収容溝23と対向する位置までプッシュロッド17aを押し込むと、ストッパリング25の一対の操作片25aを摘んでストッパリング25を縮径し、そのストッパリング25をストッパ溝26に係合させる。そして、リターンスプリング18の押圧によりプッシュロッド17aを前進させ、保持部27に対するストッパリング25の係合により、ストッパリング25を係合状態に保持し、オートテンショナ10が収縮保持されたセット状態で、そのオートテンショ10の再組み付けをおこなう。
なお、オートテンショナ10の組み付け後は、前述と同様に、エンジンをクランキングさせてセット状態を解除する。
図5に示す例においては、プッシュロッド17aの後端面を平面とし、その後端面にアジャストスクリュ17bの突軸部35の球面35aを接触させるようにしたが、図6に示すように、突軸部35の先端面を平面とし、プッシュロッド17aの後端に球面38を設けるようにしてもよい。
また、図4では、保持部27として小径溝から成るものを示したが、保持部27はこれに限定されるものではない。例えば、図10に示すように、リング収容溝23のシリンダ室13開口端側の側面をテーパ面40とし、そのテーパ面40を保持部としてもよい。テーパ面40からなる保持部においては、プッシュロッド17aを少し押し込むことによって、ストッパリング25の係合を直ちに解除することができる。
この発明に係るオートテンショナを採用したチェーンの張力調整装置の概略図 この発明に係るオートテンショナの縦断正面図 図2のIII−III線に沿った断面図 ストッパリングの保持部を示す拡大断面図 アジャストスクリュの組込み部を拡大して示す断面図 アジャストスクリュの他の例を示す断面図 ストッパリングの係合解除前の状態を示す断面図 ストッパリングの係合解除状態を示す断面図 チェーンの張力調整状態を示す断面図 保持部の他の例を示す断面図
符号の説明
11 ハウジング
13 シリンダ室
15 ナット部材
16 雌ねじ
17 ロッド部材
17a プッシュロッド
17b アジャストスクリュ
18 リターンスプリング
20 スライド部材
21 ウェアリング
23 リング収容溝
24 切欠部
27 保持部
35a 球面
36 圧力側フランク
37 遊び側フランク
38 球面
40 テーパ面(保持部)

Claims (4)

  1. 一端が開口するシリンダ室が形成されたハウジングと、そのシリンダ室の開口部に設けられた潤滑油封止用のシール部材と、前記ハウジングのシリンダ室内に組込まれたナット部材と、そのナット部材の内周の雌ねじにねじ係合される雄ねじを後端部の外周に有するロッド部材と、そのロッド部材に外方向への突出性を付与するリターンスプリングとから成り、前記ロッド部材を、前記リターンスプリングの押圧力が負荷される軸方向に移動可能なプッシュロッドと、そのプッシュロッドと同軸上の配置とされて雄ねじを外周に有するアジャストスクリュとに分割し、前記シリンダ室の開口端部内にはプッシュロッドをスライド自在に支持するウェアリングを圧入し、そのウェアリングにはシリンダ室の開口端から外部に位置する先端部の内径面にリング収容溝と、外径面からそのリング収容溝に貫通する切欠部とを設け、前記リング収容溝内には径方向に弾性変形可能なスットパリングを縮径状態で組み込み、そのストッパリングの両端に設けられた一対の操作片を前記切欠部内に挿入し、前記プッシュロッドの先端部外周には前記ストッパリングが係合可能なストッパ溝を設け、前記リング収容溝のシリンダ室開口端側の前側部には前記ストッパリングをストッパ溝に係合する縮径状態に保持する保持部を設け、前記プッシュロッドのシリンダ室内に位置する後端部にシリンダ室の内径面に沿って摺動可能なスライド部材を設けて、そのスライド部材とシリンダ室の嵌合面およびプッシュロッドと前記ウェアリングの嵌合面の2箇所においてプッシュロッドを支持し、前記スライド部材に前記リターンスプリングの押圧力を負荷し、前記ナット部材の内部にアジャストスクリュをプッシュロッドに向けて付勢するコイルスプリングを組み込み、前記ナット部材の雌ねじとアジャストスクリュの雄ねじを、アジャストスクリュに負荷される押し込み力を受ける圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角より大きい鋸歯状ねじとしたオートテンショナ。
  2. 前記プッシュロッドの後端面とアジャストスクリュの先端面における一方を球面とした請求項1に記載のオートテンショナ。
  3. 前記保持部が、小径溝からなる請求項1又は2に記載のオートテンショナ。
  4. 前記保持部が、テーパ面からなる請求項1又は2に記載のオートテンショナ。
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