JP4933949B2 - チェーンテンショナ - Google Patents

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Description

この発明は、主として、カム軸を駆動するチェーンや歯付きベルトの張力を一定に保持するチェーンテンショナに関するものである。
一般に、クランク軸の端部に取付けられたスプロケットとカム軸の端部に取付けられたスプロケット間にチェーンをかけ渡したカム軸駆動用のチェーン伝動装置においては、チェーンの弛み側に揺動可能なチェーンガイドを接触し、そのチェーンガイドにチェーンテンショナの調整力を負荷してチェーンの張力を一定に保つようにしている。
上記チェーン伝動装置に採用されるチェーンテンショナとして、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。このチェーンテンショナにおいては、ボディ内にロッドを先端に有するナット部材をスライド自在に挿入し、そのナット部材の内周に形成された鋸歯状の雌ねじにボルト部材の外周に形成された鋸歯状の雄ねじをねじ係合し、上記ナット部材をボディの内部に組込まれたリターンスプリングによって外方への突出性を付与し、チェーンからチェーンガイドを介してナット部材のロッドに負荷される押込み力を鋸歯状ねじの圧力側フランクで受けてナット部材の後退動を阻止し、上記押込み力がリターンスプリングの押圧力より大きい場合に、その押込み力とリターンスプリングのばね力とが釣り合う位置までナット部材を回転させつつ後退動させてチェーンの張力を一定に保つようにしている。
また、チェーンに弛みが生じた場合に、リターンスプリングの押圧力により、ナット部材を回転させつつ前進動させてチェーンの弛みを吸収するようにしている。
実開昭64−41755号公報
ところで、上記従来のチェーンテンショナにおいては、ボディ内に封入された潤滑油の油面上に空気溜まりを設け、その空気溜まりの空気によってボディ内の容積変化を吸収し、上記潤滑油によってナット部材の雌ねじとボルト部材の雄ねじのねじ係合部を潤滑する構成であるため、ナット部材を上向きとするチェーンテンショナの取付け状態では上記ねじ係合部を潤滑油によって潤滑することができなくなり、作動が不安定になる。このため、チェーンテンショナの取付け姿勢に制約を受けるという問題がある。
また、チェーンがねじ係合部のねじのすきまを超えて振動すると、ナット部材はその都度、外方向に移動するとともに、雄ねじと雌ねじの圧力側フランクの接触によって後退動が阻止されるため、チェーンが過張力になり易く、チェーンの寿命を低下させるという問題もある。
さらに、上記従来のチェーンテンショナにおいては、上記のように、揺動可能に支持されたチェーンガイドにナット部材に設けられたロッドの先端を当接させる使用態様であり、その組付け時の誤差等により、上記当接部にずれが生じると、ロッドを介してナット部材に回転力が負荷される。
また、チェーンガイドは揺動自在の支持であり、そのチェーンガイドの揺動によってチェーンの振動を吸収するため、チェーンガイドに先端のロッドが当接されたナット部材には、そのナット部材を傾斜させる方向の回転モーメントが負荷され、その回転モーメントは雌ねじと雄ねじのねじ係合部に直接作用することになる。
ここで、ナット部材に回転力が負荷されると、ナット部材は回転しつつ軸方向に移動することになり、チェーンの緊張時には、チェーンの振動を抑制する抵抗力が減少し、鋸歯状ねじの作動特性を有効に発揮させることができず、チェーンの張力を一定に保持することができなくなる。
また、ナット部材に負荷される回転モーメントが鋸歯状ねじに直接作用すると、鋸歯状ねじ部に噛み込みが生じてナット部材が動かなくなるという不都合を発生する可能性がある。
この発明の課題は、取付けに制約を受けることがないチェーンテンショナを提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、エンジンブロックに支持された揺動可能なチェーンガイドに調整力を負荷してチェーンの張力を一定に保持するチェーンテンショナにおいて、両端が開口する円筒形のガイド孔を有し、そのガイド孔の一方の開口端がチェーンガイドに向くようにしてエンジンブロックに固定されるハウジングフォルダと、そのハウジングフォルダのガイド孔内にスライド自在に挿入された円筒状のハウジングと、そのハウジングに形成された一端が開口するシリンダ室の開口端部内に組み込まれてシリンダ室内に充填された潤滑油の漏洩を防止するシール部材と、前記シリンダ室内に組込まれたナット部材と、そのナット部材の内周の雌ねじにねじ係合される雄ねじを後端部の外周に有し、先端部が前記シール部材をスライド自在に貫通して外部に位置するロッド部材と、そのロッド部材に外方向への突出性を付与するリターンスプリングとからなり、前記ロッド部材の雄ねじとナット部材の雌ねじを、ロッド部材に負荷される押込み力を受ける圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角より大きい鋸歯状ねじとし、前記ハウジングの閉塞端が前記チェーンガイドと対向する組付け状態または前記ロッド部材の先端がチェーンガイドと対向する組付け状態のいずれにおいても、そのハウジングが前記ハウジングフォルダ内にスライド自在に挿入されて、ハウジングフォルダまたはエンジンブロックに設けられたストッパにより挿入状態に保持されるようにした構成を採用している。
上記の構成からなるチェーンテンショナにおいては、ハウジングフォルダに形成されたガイド孔にハウジングの開口端部を挿入してストッパにより挿入状態に保持する構成であるため、ハウジングフォルダをその開口端が上下に向く取付けとすることによって、ハウジングを閉塞端が下方に位置し、その閉塞端で揺動可能なチェーンガイドを押圧する縦向きの組付け状態を得ることができる。その縦向きの組付け状態において、ハウジングのシリンダ室内に充填された潤滑油は閉塞端部に溜まり、その潤滑油によってナット部材の雌ねじとロッド部材の雄ねじのねじ係合部を潤滑することができるので、潤滑不良による機能の低下はなく、安定した作動を得ることができる。
また、ハウジングフォルダを開口端が左右方向に向く略水平の取付けとすることにより、ハウジングの閉塞端、または、ロッド部材の先端によって揺動可能なチェーンガイドを押圧する横向きの組付け状態を得ることができる。その横向きの組付け状態において、ハウジングのシリンダ室内に充填された潤滑油はシリンダ室の内周下部に溜まる状態とされ、その潤滑油によってナット部材の雌ねじとロッド部材の雄ねじのねじ係合部を潤滑することができるので、上記と同様に潤滑不良による機能の低下はなく、安定した作動を得ることができる。
ここで、ロッド部材の先端によってチェーンガイドを押圧する組付けにおいては、チェーンガイドが揺動すると、ロッド部材に傾きを生じさせるような回転モーメントが作用する。また、組付け誤差によってロッド部材の先端面の中心に対する偏心位置がチェーンガイドに接触していると、チェーンガイドの揺動によってロッド部材に回転力が負荷される。
ロッド部材に負荷される回転力や回転モーメントはチェーンテンショナの作動性を阻害し、チェーンの張力を一定に保持することができなくなる。
そこで、チェーンに調整力を負荷するロッド部材をプッシュロッドとアジャストスクリュとに分割すると、チェーンガイドからプッシュロッドに回転力や回転モーメントが負荷されても、これらの回転力や回転モーメントがアジャストスクリュに伝達されることはなく、チェーンの緊張時に、チェーンの振動を抑制する抵抗力が減少したり、鋸歯状ねじ部に噛み込みが生じる等の不都合の発生を防止し、チェーンの張力を常に一定に保持することができる。
上記のように、ロッド部材をプッシュロッドとアジャストスクリュとに分割したチェーンテンショナにおいて、プッシュロッドのシリンダ室内に位置する後端部にシリンダ室の内径面に沿ってスライド可能なウェアリングを設け、前記シリンダ室の開口部内にプッシュロッドをスライド自在に支持するガイド部材を設けて、チェーンガイドからプッシュロッドに負荷される回転モーメントを、シリンダ室とウェアリングの嵌合面およびプッシュロッドとガイド部材の嵌合面の2箇所で支持することができる。
このため、チェーンの張力変化に応じてプッシュロッドを軸方向にスムーズに移動させることができ、応答性に優れたチェーンテンショナを得ることができる。
また、ハウジングの閉塞端によってチェーンガイドを押圧する取付けにおいて、その閉塞端をチェーンガイドに直接接触させると、上記閉塞端が接触摩耗して耐久性を低下させることになる。
そこで、ハウジングの閉塞端部に潤滑油の注入用のねじ孔を形成し、そのねじ孔にねじ係合したプラグの頭部をチェーンガイドに対する当接部とすることにより、ハウジングの摩耗を防止することができ、プラグの頭部が摩耗した場合にはプラグそのものを交換すればよいため、ハウジングを交換する場合に比較してコスト的に有利であり、取替えも容易である。
ここで、上記プラグの頭部にキャップを取付けることにより、プラグ頭部の摩耗を防止することができる。また、キャップをスライド自在に支持し、そのキャップにスプリングの弾性力を負荷して頭部から抜け出る方向に付勢することにより、チェーンが雄ねじと雌ねじのすきまを超えて振動した際に、その振動をスプリングの弾性変形で吸収することができるため、チェーンが過張力になるのを防止することができる。
上記のように、この発明においては、ハウジングフォルダに形成されたガイド孔にハウジングの開口端部を挿入してストッパにより挿入状態に保持するようにしたので、ハウジングを閉塞端が下方に位置し、その閉塞端で揺動可能なチェーンガイドを押圧する縦向きの組付け状態やハウジングの閉塞端、または、ロッド部材の先端によって揺動可能なチェーンガイドを押圧する横向きの組付け状態を得ることができ、いずれの取付け状態でもシリンダ室内に充填した潤滑油によってナット部材の雌ねじとロッド部材の雄ねじのねじ係合部を潤滑することができるので、潤滑不良による機能の低下はなく、取付けに制約を受けることのないチェーンテンショナを提供することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、カム軸駆動用チェーンの張力調整装置を示す。図示のように、クランク軸1の端部に取付けられたスプロケット2と、カム軸3の端部に取付けられたスプロケット4間にはチェーン5がかけ渡され、そのチェーン5の弛み側にチェーンガイド6が設けられている。
チェーンガイド6は、その下端部に設けられた軸7を中心として揺動可能とされている。このチェーンガイド6はチェーンテンショナ10から負荷される調整力によりチェーン5に押し付けられている。
図2に示すように、チェーンテンショナ10はハウジングフォルダ11を有し、そのハウジングフォルダ11の外周にはボルト12の締付けにより図3に示すエンジンブロックAに固定される取付け片13が設けられている。
また、ハウジングフォルダ11には、両端面に貫通する円筒形のガイド孔14が形成されている。ハウジングフォルダ11は、ガイド孔14の端部の開口がチェーンガイド6に向く取付けとされ、そのガイド孔14内に円筒形のハウジング15がスライド自在に挿入され、その挿入状態を保持するストッパとしてのピン16がエンジンブロックAに取付けられている。
ハウジング15には一端が開口するシリンダ室17が形成されている。シリンダ室17内にはナット部材18が組込まれ、そのナット部材18の内周に形成された雌ねじ19にロッド部材20の後端部外周に設けられた雄ねじ21がねじ係合し、そのロッド部材20は、シリンダ室17内に組込まれたリターンスプリング22により外方向に向けて付勢されている。また、リターンスプリング22はナット部材18をシリンダ室17の閉塞端に押付けている。
ここで、ロッド部材20は、リターンスプリング22の弾性力が負荷されるプッシュロッド20aと、雄ねじ21を外周に有するアジャストスクリュ20bとに分割され、上記プッシュロッド20aは、シリンダ室17の開口部を密封するオイルシール等のシール部材23をスライド自在に貫通し、その先端がピン16と当接してハウジング15を挿入状態に保持している。
プッシュロッド20aのシリンダ室17内に位置する後端部にはシリンダ室17の内径面に沿ってスライド可能なウェアリング24が設けられ、そのウェアリング24にリターンスプリング22の押圧力が負荷されている。
一方、シリンダ室17の開口部には、上記シール部材23からシリンダ室17の開口端側にリング状のガイド部材25が設けられ、そのガイド部材25の内径面によってプッシュロッド20aがスライド自在に支持されている。
アジャストスクリュ20bの雄ねじ21とナット部材18の雌ねじ19のねじ係合部およびウェアリング24とシリンダ室17の摺動面間は、シリンダ室17内に封入された潤滑油によって潤滑される。ここで、潤滑油は、ハウジング15の閉塞端部に形成されたねじ孔26からシリンダ室17内に注入され、そのねじ孔26にねじ係合されたプラグ27の頭部27aがチェーンガイド6に当接されている。
アジャストスクリュ20bには、その後端面で開口するスプリング収容凹部28が形成され、そのスプリング収容凹部28の閉塞端面とシリンダ室17の閉塞端面間にスプリング29と、スプリングシート30が組込まれている。
スプリング29は、アジャストスクリュ20bをプッシュロッド20aに向けて付勢しており、その付勢によってアジャストスクリュ20bの先端の球面31がプッシュロッド20aの後端に形成された平坦面に点接触している。
なお、プッシュロッド20aの後端を球面とし、アジャストスクリュ20bの先端に平坦面を形成してもよい。
スプリングシート30は、スプリング29の端部内に挿入された軸部30aの端部に頭部30bを設けた構成とされ、上記頭部30bの表面は球面30cとされ、その球面30cがスプリング収容凹部28の閉塞端面に点接触している。
ナット部材18の内周に形成された雌ねじ19とアジャストスクリュ20bの外周に形成された雄ねじ21のねじ山は、アジャストスクリュ20bが押し込まれた際の押込み力を受ける圧力側フランク32のフランク角が遊び側フランク33のフランク角より大きい鋸歯状とされ、その鋸歯状ねじ山にスプリング29の押圧力によってアジャストスクリュ20bが回転しつつ軸方向に移動するリード角が設けられている。
実施の形態で示すチェーンの張力調整装置は上記の構造から成り、図1および図2に示すようなチェーンテンショナ10の組付け状態において、エンジンを駆動し、カム軸3の回転によるトルク変動等によりチェーン5が振動して、そのチェーン5の弛み側チェーンに弛みが生じると、ナット部材18およびハウジング15がチェーンガイド6に向けて移動して、そのチェーンガイド6を押圧する。その押圧によってチェーン5の弛みが吸収される。
このとき、ナット部材18と共にアジャストスクリュ20bも移動し、そのアジャストスクリュ20bがプッシュロッド20aから離反すると、スプリング29の押圧力によりアジャストスクリュ20bが回転しつつプッシュロッド20aに向けて移動して、先端がプッシュロッド20aの後端に当接する。
一方、チェーン5の弛み側チェーンの張力が増大し、そのチェーン5からチェーンガイド6を介してハウジング15に押込み力が負荷されると、上記押込み力はナット部材18にも負荷される。このとき、プッシュロッド20aおよびアジャストスクリュ20bはピン16に当接して停止状態に保持されているため、ナット部材18の雌ねじ19はアジャストスクリュ20bの雄ねじ21の圧力側フランク32に密着し、その密着する圧力側フランク32によって上記押込み力が受けられる。
上記押込み力がリターンスプリング22の押圧力より強い場合、互に密着する圧力側フランク32の接触面で滑りが生じ、アジャストスクリュ20bが回転すると共に、ナット部材18およびハウジング15が上記押込み力とリターンスプリング22の押圧力とが釣り合う位置までゆっくりと後退してチェーン5の張力を一定に保持する。
図2では、プッシュロッド20aをピン16に当接し、ハウジング15の閉塞端にねじ係合したプラグ27の頭部27aをチェーンガイド6に当接する組付けとしたが、図4に示すように、ハウジング15の閉塞端部をハウジングフォルダ11のガイド孔14に挿入して、プラグ27の頭部27aをピン16に当接し、プッシュロッド20aの先端をチェーンガイド6に当接させる組付けとしてもよい。
図4に示す組付け状態において、チェーン5に弛みが生じると、リターンスプリング22の押圧によりプッシュロッド20aが外方向に移動し、チェーンガイド6を押圧してチェーン5の弛みを吸収する。
このとき、スプリング29の押圧力によりアジャストスクリュ20bが回転しつつプッシュロッド20aに向けて移動して、先端がプッシュロッド20aの後端に当接する。
一方、チェーン5の弛み側チェーンの張力が増大し、そのチェーン5からチェーンガイド6を介してプッシュロッド20aに押込み力が負荷されると、ナット部材18の雌ねじ19とアジャストスクリュ20bの雄ねじ21の圧力側フランク32が互に密着し、その密着する圧力側フランク32によって上記押込み力が受けられる。
上記押込み力がリターンスプリング22の押圧力より強い場合、互に密着する圧力側フランク32の接触面で滑りが生じ、アジャストスクリュ20bは上記押込み力とリターンスプリング22の押圧力とが釣り合う位置までゆっくりと回転しつつ後退してチェーン5の張力を一定に保持する。
ところで、図4に示すようなチェーンテンショナ10の組付け状態においては、チェーンガイド6が軸7を中心として揺動自在に支持されているため、チェーンガイド6からプッシュロッド20aに押込み力が負荷されるとき、プッシュロッド20aに傾きを生じさせるような回転モーメントが負荷される。
このとき、プッシュロッド20aの後端部に設けられたウェアリング24はシリンダ室17の内径面に沿ってスライド自在とされ、また、シリンダ室17の開口部に設けられたガイド部材25はプッシュロッド20aをスライド自在に支持しているため、プッシュロッド20aに負荷される回転モーメントは、シリンダ室17とウェアリング24の嵌合面およびプッシュロッド20aとガイド部材25の嵌合面の2箇所で支持されることになる。
このため、チェーン5の張力変化に応じてプッシュロッド20aを軸方向にスムーズに移動させることができると共に、アジャストスクリュ20bに回転モーメントが負荷されることはなく、雌ねじ19と雄ねじ21のねじ係合部に噛み込みが生じるという不都合の発生はない。
チェーンテンショナ10の組付け時、その取付け誤差等により、プッシュロッド20aの先端面中心に対する偏心位置がチェーンガイド6に当接する組付けとされる場合がある。
このとき、チェーンガイド6の揺動によってプッシュロッド20aにその軸心を中心とする回転力が負荷されることになるが、そのプッシュロッド20aとアジャストスクリュ20bは同軸上の配置であって、アジャストスクリュ20bの先端の球面31にプッシュロッド20aの後端に形成された平坦面が点接触しているため、アジャストスクリュ20bに上記回転力が負荷されることはない。
このため、アジャストスクリュ20bが回転して軸方向に移動するという不都合の発生はなく、チェーン5の緊張時に、チェーン5の振動を抑制する鋸歯状ねじ部での摩擦抵抗力の減少を防止し、鋸歯状ねじの作動特性を有効に発揮させることができる。
図2および図4に示すいずれの組付け状態においても、シリンダ室17内に充填された潤滑油は、シリンダ室17の内周下部に溜まり、その潤滑油によって雌ねじ19と雄ねじ21のねじ係合部を潤滑することができる。
したがって、潤滑不良による鋸歯状ねじの作動特性が阻害されるようなことはなく、安定した作動を得ることができる。
図2に示すように、ハウジングフォルダ11によってハウジング15を支持することにより、上記ハウジングフォルダ11を開口端が上下に位置するよう取付けることで、ハウジング15の閉塞端で揺動可能なチェーンガイド6を押圧する縦向きの組付け状態を得ることができる。
縦向きの組付け状態では、シリンダ室17の閉塞端に潤滑油が溜まるため、その潤滑油によって雌ねじ19と雄ねじ21のねじ係合部を潤滑することができる。したがって、この場合にも、潤滑不良による鋸歯状ねじの作動特性が阻害されるようなことはなく、安定した作動を得ることができる。
図5および図6に示すように、プラグ27の頭部27aにチェーンガイド6への当接部とされるキャップ40をスライド自在に嵌合し、そのキャップ40に形成された軸方向の長孔41に頭部27aの外周に設けたピン42を挿入してキャップ40のスライド量を規制し、上記キャップ40をスプリング43によりチェーンガイド6に向けて付勢することにより、チェーン6が雌ねじ19と雄ねじ21のピッチを超えて振動した際に、その振動をスプリング43の弾性変形で吸収することができるため、チェーン5が過張力になるのを防止することができる。
図2においては、ハウジングフォルダ11のガイド孔14内に挿入されたハウジング15を挿入状態に保持するピン16をエンジンブロックAに設けるようにしたが、図7に示すように、ハウジングフォルダ11に一端部に支持片44を設け、その支持片44にピン16を設けるようにしてもよい。
この発明に係るチェーンテンショナを採用したチェーンの張力調整装置の概略図 この発明に係るチェーンテンショナの縦断正面図 図2の左側面図 チェーンテンショナの組付けの他の例を示す縦断正面図 プラグの頭部に取付けたキャップによってチェーンガイドを押圧している状態の断面図 図5のVI−VI線に沿った断面図 ハウジングフォルダの他の例を断面図
符号の説明
A エンジンブロック
5 チェーン
6 チェーンガイド
11 ハウジングフォルダ
14 ガイド孔
15 ハウジング
16 ピン(ストッパ)
17 シリンダ室
18 ナット部材
19 雌ねじ
20 ロッド部材
20a プッシュロッド
20b アジャストスクリュ
21 雄ねじ
22 リターンスプリング
23 シール部材
24 ウェアリング
25 ガイド部材
26 ねじ孔
27 プラグ
27a 頭部
29 スプリング
32 圧力側フランク
33 遊び側フランク
40 キャップ
43 スプリング

Claims (6)

  1. エンジンブロックに支持された揺動可能なチェーンガイドに調整力を負荷してチェーンの張力を一定に保持するチェーンテンショナにおいて、
    両端が開口する円筒形のガイド孔を有し、そのガイド孔の一方の開口端がチェーンガイドに向くようにしてエンジンブロックに固定されるハウジングフォルダと、そのハウジングフォルダのガイド孔内にスライド自在に挿入された円筒状のハウジングと、そのハウジングに形成された一端が開口するシリンダ室の開口端部内に組み込まれてシリンダ室内に充填された潤滑油の漏洩を防止するシール部材と、前記シリンダ室内に組込まれたナット部材と、そのナット部材の内周の雌ねじにねじ係合される雄ねじを後端部の外周に有し、先端部が前記シール部材をスライド自在に貫通して外部に位置するロッド部材と、そのロッド部材に外方向への突出性を付与するリターンスプリングとからなり、前記ロッド部材の雄ねじとナット部材の雌ねじを、ロッド部材に負荷される押込み力を受ける圧力側フランクのフランク角が遊び側フランクのフランク角より大きい鋸歯状ねじとし、前記ハウジングの閉塞端が前記チェーンガイドと対向する組付け状態または前記ロッド部材の先端がチェーンガイドと対向する組付け状態のいずれにおいても、そのハウジングが前記ハウジングフォルダ内にスライド自在に挿入されて、ハウジングフォルダまたはエンジンブロックに設けられたストッパにより挿入状態に保持されるようにしたことを特徴とするチェーンテンショナ。
  2. 前記ロッド部材を、リターンスプリングによって外方向への突出性が付与される軸方向に移動可能なプッシュロッドと、雄ねじを外周に有し、スプリングによりプッシュロッドに向けて付勢されるアジャストスクリュとに分割した請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  3. 前記プッシュロッドのシリンダ室内に位置する後端部にシリンダ室の内径面に沿ってスライド可能なウェアリングを設け、前記シリンダ室の開口部内にプッシュロッドをスライド自在に支持するガイド部材を設けた請求項1または2に記載のチェーンテンショナ。
  4. 前記ハウジングの閉塞端部に潤滑油の注入用のねじ孔を形成し、そのねじ孔にねじ係合したプラグの頭部をチェーンガイドに対する当接部とした請求項1乃至3のいずれかの項に記載のチェーンテンショナ。
  5. 前記プラグの頭部にキャップを取付けた請求項4に記載のチェーンテンショナ。
  6. 前記キャップをスライド自在に支持し、そのキャップにスプリングの弾性力を負荷して頭部から抜け出る方向に付勢した請求項5に記載のチェーンテンショナ。
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