JP2009103119A - ラッシュアジャスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】アジャストスクリュを繰り返し初期セットすることができ、また、アジャストスクリュを初期セットする作業が簡単なラッシュアジャスタを提供する。
【解決手段】シリンダヘッド2の上面の収容穴13に挿入されるナット部材14と、そのナット部材14の内周の雌ねじ20にねじ係合する雄ねじ19を外周に有するアジャストスクリュ15と、そのアジャストスクリュ15をナット部材14から突出する方向に付勢するコイルスプリング17とを有し、アジャストスクリュ15のナット部材14からの突出端24で動弁装置のアーム6を揺動可能に支持するラッシュアジャスタ1において、アジャストスクリュ15とナット部材14の底部16との間に座金18を設け、アジャストスクリュ15をナット部材14にねじ込んだときにアジャストスクリュ15と座金18との間の摩擦によってアジャストスクリュ15が回り止めされるようにする。
【選択図】図2

Description

この発明は、エンジンの動弁装置に組み込まれるラッシュアジャスタに関する。
エンジンの吸気ポートまたは排気ポートに設けたバルブを動作させる動弁装置として、一端部を支点として揺動可能に支持されたアームの中央部をカムで押し下げ、そのアームの他端部でバルブステムを押し下げるようにしたもの(スイングアーム式動弁装置)や、中央部を支点として揺動可能に支持されたアームの一端部をカムで押し上げ、そのアームの他端部でバルブステムを押し下げるようにしたもの(ロッカアーム式動弁装置)や、上下にスライド可能に支持されたリフタボディをカムで押し下げ、そのリフタボディでバルブステムを押し下げるようにしたもの(ダイレクト式動弁装置)などが知られている。
これらの動弁装置は、エンジン作動中、動弁装置の構成部材間に生じる熱膨張差によって、動弁装置の構成部材間の隙間が変化し、その隙間の変化によって異音や圧縮漏れを生じる恐れがある。また、動弁装置の摺動部が摩耗しても、動弁装置の構成部材間の隙間が変化し、その隙間の変化によって異音を生じる恐れがある。
この異音や圧縮漏れを防止するため、一般に、動弁装置にはラッシュアジャスタが組み込まれ、そのラッシュアジャスタで動弁装置の構成部材間の隙間の変化を吸収する。
このようなラッシュアジャスタとして、上記スイングアーム式動弁装置においては、シリンダヘッドの上面に開口した収容穴に挿入されるナット部材と、そのナット部材の内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャストスクリュと、そのアジャストスクリュを前記ナット部材から上方に突出する方向に付勢するコイルスプリングとを有し、前記アジャストスクリュのナット部材からの突出端で動弁装置のアームを揺動可能に支持するものが知られている(特許文献1)。
また、上記ロッカアーム式動弁装置においては、カムの回転に応じて揺動するアームの下面に開口した収容穴に挿入されるナット部材と、そのナット部材の内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャストスクリュと、そのアジャストスクリュを前記ナット部材から下方に突出する方向に付勢するコイルスプリングとを有し、前記アジャストスクリュのナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するものが知られている(特許文献2)。
また、上記ダイレクト式動弁装置においては、シリンダヘッドに形成されたガイド孔に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディと、そのリフタボディと一体に上下動するナット部材と、そのナット部材の内周に形成された雌ねじにねじ係合する雄ねじを外周に有するアジャストスクリュと、そのアジャストスクリュを前記ナット部材から下方に突出する方向に付勢するコイルスプリングとを有し、前記アジャストスクリュのナット部材からの突出端で動弁装置のバルブステムを押圧するものが知られている(特許文献3)。
これらのラッシュアジャスタは、動弁装置の熱膨張などによって動弁装置の構成部材間の隙間が変化すると、その隙間の変化に応じて、アジャストスクリュがナット部材内を回転しながら軸方向に移動し、動弁装置の構成部材間の隙間を調整する。
ところで、これらのラッシュアジャスタは、動弁装置から取り外した状態では、アジャストスクリュがコイルスプリングの付勢力によってナット部材から突出し、その状態で動弁装置に組み込むと、バルブがバルブシートに着座せず、エンジンが完爆しない。そのため、これらのラッシュアジャスタは、動弁装置に組み込む際に、アジャストスクリュをナット部材にねじ込み、そのアジャストスクリュをナット部材から突出しないように押さえておく必要があった。しかし、アジャストスクリュを押さえておくのは煩雑である。
そこで、アジャストスクリュをナット部材にねじ込んだ状態に保持(以下、「初期セット」という)することが可能なラッシュアジャスタとして、上記ダイレクト式動弁装置においては、アジャストスクリュとナット部材の間に蝋を充填し、その蝋でアジャストスクリュを回り止めしたものが提案されている(特許文献3)。
このラッシュアジャスタは、蝋がアジャストスクリュを回り止めするので、動弁装置に組み込むときにアジャストスクリュを押さえておく必要がない。また、ラッシュアジャスタを動弁装置に組み込んだ後は、エンジン作動中の温度上昇によって蝋が融解し、アジャストスクリュの初期セットが解除される。
しかし、アジャストスクリュとナット部材の間の蝋は、いったん融解するとアジャストスクリュとナット部材の間から流出するので、アジャストスクリュを再び初期セットすることができない。そのため、エンジンをオーバーホールするときに、再びアジャストスクリュを初期セットすることができず、不便であった。
そこで、アジャストスクリュを繰り返し初期セットすることができるラッシュアジャスタとして、上記ダイレクト式動弁装置において、アジャストスクリュとナット部材とに小径の貫通孔を形成し、その貫通孔にセットピンを挿し通すことにより、アジャストスクリュを回り止めするようにしたものが知られている(特許文献4)。
しかし、アジャストスクリュとナット部材とに小径の貫通孔を形成するのは、コスト高である。また、アジャストスクリュを初期セットするときに、アジャストスクリュの貫通孔をナット部材の貫通孔に一致させる必要があるが、小径の貫通孔の位置を一致させる作業は容易でない。
また、このラッシュアジャスタは、動弁装置に組み込んだときに、セットピンを抜き忘れるおそれがある。また、忘れずにセットピンを抜いた場合にも、貫通孔から抜いたセットピンをエンジン内に置き忘れるおそれがある。また、エンジンをオーバーホールするときに再びセットピンを使用するので、ラッシュアジャスタを動弁装置に組み込んだ後も、セットピンを保管しておく必要があり、その管理が面倒であった。
特開2005−248912号公報 特開2007−92668号公報 特開2000−110523号公報 特開平11−62519号公報
この発明が解決しようとする課題は、アジャストスクリュを繰り返し初期セットすることができ、また、アジャストスクリュを初期セットする作業が簡単であり、さらに、動弁装置に組み込んだときにアジャストスクリュの初期セットを解除し忘れる心配がなく、しかも、動弁装置に組み込んだ後の管理が容易なラッシュアジャスタを提供することである。
上記の課題を解決するため、前記アジャストスクリュと前記ナット部材の閉塞端との間に、前記コイルスプリングを囲むように円環状に形成した弾性部材を設け、前記アジャストスクリュをナット部材にねじ込んだときにアジャストスクリュと弾性部材との間の摩擦によってアジャストスクリュが回り止めされるようにした。
このようにすると、アジャストスクリュをナット部材にねじ込んだときに、アジャストスクリュと前記ナット部材の閉塞端との間に組み込まれた弾性部材が、アジャストスクリュとナット部材の閉塞端との間に上下に挟まれて圧縮されるので、その弾性部材の弾性復元力によってアジャストスクリュと弾性部材との間に摩擦が生じ、その摩擦によってアジャストスクリュが回り止めされ、その結果、アジャストスクリュを初期セットすることができる。また、アジャストスクリュの初期セットは、アジャストスクリュに衝撃荷重を加えることによって解除することができる。
このラッシュアジャスタは、次の構成を加えることができる。
1)前記弾性部材として、円環状の薄板から周方向に延びるばね片を切り起こした座金を用いる。
2)前記弾性部材として、円環状の薄板に半径方向に延びる歯を設けた歯付き座金を用いる。
3)前記弾性部材として皿ばね座金を用いる。
4)前記弾性部材として波形ばね座金を用いる。
5)前記弾性部材としてスプリングワッシャを用いる。
上記1)の構成を加える場合、前記座金のばね片は、前記アジャストスクリュの緩みを促進する方向に切り起こすと好ましい。また、前記座金は、ばね鋼のプレス加工により形成することができる。
また、上記2)の構成を加える場合、前記歯付き座金の歯は、前記アジャストスクリュの緩みを促進する方向にねじって形成すると好ましい。また、前記歯付き座金は、ばね鋼のプレス加工により形成することができる。
この発明のラッシュアジャスタは、アジャストスクリュをナット部材にねじ込んだときに生じる摩擦力によりアジャストスクリュを初期セットするので、アジャストスクリュを繰り返し初期セットすることが可能である。
また、このラッシュアジャスタは、アジャストスクリュをナット部材にねじ込むだけで初期セットすることができるので、アジャストスクリュをねじ込んだ後に初期セット部材を装着するようにしたラッシュアジャスタよりも、初期セット作業が簡単である。
また、このラッシュアジャスタは、動弁装置に組み込んだ状態でカムシャフトを回転させると、アジャストスクリュに加わる衝撃荷重によってアジャストスクリュの初期セットが自動的に解除される。そのため、このラッシュアジャスタは、動弁装置に組み込んだときに、アジャストスクリュの初期セットを解除し忘れる心配がない。
また、このラッシュアジャスタは、アジャストスクリュの初期セットが解除された後に、ラッシュアジャスタ内に弾性部材が保持されるので、初期セットを解除したときに、セットピン等の別部材をエンジン内に置き忘れる心配がない。また、ラッシュアジャスタを動弁装置に組み込んだ後に、オーバーホールに備えてセットピン等の別部材を保管する必要もなく、管理が容易である。
また、このラッシュアジャスタは、セットピンの挿入孔をアジャストスクリュやナット部材に形成する必要がないので、低コストである。
また、このラッシュアジャスタは、前記弾性部材が、前記コイルスプリングを囲むように円環状に形成されているので、その円環状の弾性部材を既存のラッシュアジャスタに組み込むことにより、この発明のラッシュアジャスタを構成することができ、低コストである。
さらに、前記弾性部材として、円環状の薄板から周方向に延びるばね片を切り起こした座金を用いたものは、他の座金を用いた場合よりも、座金の圧縮量を大きく設定することができる。そのため、意図しない振動や衝撃がアジャストスクリュに加わったときに、アジャストスクリュの初期セットが解除されにくく、安全にラッシュアジャスタを輸送することができる。
さらに、前記ばね片を、前記アジャストスクリュの緩みを促進する方向に切り起こしたものは、初期セットした状態のアジャストスクリュに衝撃荷重を加えたときに、アジャストスクリュがナット部材から突出する方向に回転しやすい。そのため、エンジンのクランキングによって、アジャストスクリュの初期セットを確実に解除することが可能である。
図1に、この発明の第1実施形態のラッシュアジャスタ1を組み込んだ動弁装置を示す。この動弁装置は、エンジンのシリンダヘッド2の吸気ポート3に設けられたバルブ4と、そのバルブ4に接続されたバルブステム5と、ラッシュアジャスタ1で揺動可能に支持されたアーム6とを有する。
バルブステム5は、バルブ4から上方に延び、シリンダヘッド2を摺動可能に貫通している。バルブステム5の上部外周には、環状のスプリングリテーナ7が固定され、スプリングリテーナ7の下面とシリンダヘッド2の上面の間にバルブスプリング8が組み込まれている。バルブスプリング8は、スプリングリテーナ7を介してバルブステム5を上方に付勢し、その付勢力によってバルブ4をバルブシート9に着座させている。
アーム6は、一方の端部がラッシュアジャスタ1で支持され、他方の端部がバルブステム5の上端に接触している。また、アーム6の中央部には、アーム6の上方に設けたカム10に接触するローラ11が取り付けられている。カム10は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)に同調して回転するカムシャフト12に一体に形成されており、カムシャフト12が回転すると、ベースサークル10aに対して隆起したカム山部10bが、ローラ11を介してアーム6を押し下げるようになっている。
ラッシュアジャスタ1は、シリンダヘッド2の上面に形成された収容穴13に収容されている。図2に示すように、ラッシュアジャスタ1は、上端が開放した筒状のナット部材14と、ナット部材14に挿入されたアジャストスクリュ15と、ナット部材14の下端を閉塞する底部16と、底部16とアジャストスクリュ15との間に組み込まれたコイルスプリング17と、座金18とを有する。
アジャストスクリュ15の下部外周には雄ねじ19が形成され、雄ねじ19は、ナット部材14の内周に形成された雌ねじ20にねじ係合している。雄ねじ19と雌ねじ20は、アジャストスクリュ15をナット部材14に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク21のフランク角が、遊び側フランク22のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されており、押し込み方向の静的荷重がアジャストスクリュ15に負荷されたときは、雄ねじ19と雌ねじ20の圧力側フランク21,21間の摩擦抵抗によってアジャストスクリュ15の回転が阻止され、一方、突出方向の静的荷重がアジャストスクリュ15に負荷されたときは、雄ねじ19と雌ねじ20の遊び側フランク22,22間の滑りによってアジャストスクリュ15の回転が許容されるようになっている。このような雄ねじ19と雌ねじ20は、例えば、圧力側フランク21のフランク角が75°、遊び側フランク22のフランク角が15°のものを採用することができる。
コイルスプリング17は、下端が底部16で支持され、上端がスプリングシート23を介してアジャストスクリュ15を押圧しており、その押圧によって、アジャストスクリュ15をナット部材14から上方に突出する方向に付勢している。
アジャストスクリュ15は、ナット部材14からの突出端24が半球状に形成されている。突出端24は、図1に示すように、アーム6の下面に形成された凹部25に嵌合し、その凹部25を支点としてアーム6を揺動可能に支持する。
図2、図4に示すように、アジャストスクリュ15と底部16との間には、コイルスプリング17を囲むように円環状に形成した座金18が組み込まれている。座金18は、図5に示すように、円環状の薄板から周方向に延びるばね片26を切り起こして形成されており、アジャストスクリュ15をナット部材14にねじ込んだときに、そのアジャストスクリュ15と底部16との間に、ばね片26が挟み込まれるようになっている。また、ばね片26は、アジャストスクリュ15の緩みを促進する方向(雄ねじ19が右ねじの場合、アジャストスクリュ15から見て、ばね片26が左回りにアジャストスクリュ15に近づく方向)に切り起こされている。このような座金18は、ばね鋼のプレス加工により形成することができる。
上述したラッシュアジャスタ1の動弁装置への組み込みは、例えば、次のようにして行なう。
まず、図2の矢印に示すように、アジャストスクリュ15を回転操作してナット部材14にねじ込む。このとき、図3に示すように、座金18のばね片26がアジャストスクリュ15と底部16の間に上下に挟まれて圧縮されるので、そのばね片26の弾性復元力によってアジャストスクリュ15とばね片26との間に摩擦が生じ、その摩擦によってアジャストスクリュ15が回り止めされ、その結果、アジャストスクリュ15は、ナット部材14にねじ込んだ状態に保持(すなわち、初期セット)される。
次に、図1に示すように、ラッシュアジャスタ1をシリンダヘッド2の収容穴13に挿入し、アーム6とカムシャフト12を取り付ける。その後、クランキングによってカムシャフト12を回転させると、カム10のカム山部10bがローラ11の位置を通過する毎に、アジャストスクリュ15をナット部材14に押し込む方向の衝撃荷重が加わり、雄ねじ19との雌ねじ20の間のバックラッシの範囲内でアジャストスクリュ15が軸方向に振動する。この振動により、アジャストスクリュ15は、ナット部材14から突出する方向に次第に回転して座金18から離反し、初期セットが解除される。その後、アジャストスクリュ15は、コイルスプリング17の付勢力によって回転しながら突出方向に移動し、図6に示すように、ローラ11がカム10のベースサークル10aに接触する位置までアーム6の端部を押し上げる。
その後、エンジンの作動によりカムシャフト12が回転して、カム10のカム山部10bがアーム6を押し下げると、バルブ4がバルブシート9から離れて、吸気ポート3を開く。このとき、アジャストスクリュ15に押し込み方向の荷重が負荷されるが、雄ねじ19の圧力側フランク21が雌ねじ20の圧力側フランク21で受け止められて、アジャストスクリュ15の軸方向位置が固定される。
更にカム10が回転して、カム山部10bがローラ11の位置を過ぎると、バルブスプリング8の付勢力によってバルブステム5が上昇し、バルブ4がバルブシート9に着座して、吸気ポート3を閉じる。
厳密には、カム10のカム山部10bがアーム6を押し下げるときに、雄ねじ19と雌ねじ20の圧力側フランク21,21間に僅かな滑りが生じ、その滑りによってアジャストスクリュ15は押し込み方向に移動するが、カム山部10bがローラ11の位置を過ぎて、押し込み方向の荷重が解除されたときに、アジャストスクリュ15は、コイルスプリング17から負荷される突出方向の荷重によって突出方向に移動し、元の位置に戻る。
エンジン作動中に、シリンダヘッド2、バルブステム5、アーム6など、動弁装置の構成部材間に熱膨張差が生じ、カム10とアーム6の間の距離が大きくなったときは、カム10のカム山部10bがアーム6を押し下げるときのアジャストスクリュ15の押し込み量よりも、更にカム10が回転して押し込み方向の荷重が解除されたときのアジャストスクリュ15の突出量が大きくなる。その結果、カム10が回転するごとに、アジャストスクリュ15が突出方向に徐々に移動するので、カム10のベースサークル10aとローラ11の間に隙間が生じない。
反対に、バルブ4とバルブシート9の接触面が摩耗したときは、カム10のベースサークル10aがローラ11の位置にあるときにも、バルブスプリング8の付勢力がアジャストスクリュ15に作用するため、カム10のカム山部10bがアーム6を押し下げるときのアジャストスクリュ15の押し込み量よりも、更にカム10が回転して押し込み方向の荷重が解除されたときのアジャストスクリュ15の突出量が小さくなる。その結果、カム10が回転するごとに、アジャストスクリュ15が押し込み方向に徐々に移動し、バルブステム5が上昇するので、バルブ4とバルブシート9の接触面間に隙間が生じない。
エンジンをオーバーホールするときに、動弁装置からカムシャフト12を取り外すと、コイルスプリング17の付勢力によって、アジャストスクリュ15がナット部材14から突出する。そのため、動弁装置から取り外したカムシャフト12を、再び動弁装置に組み付けるときは、アジャストスクリュ15をナット部材14にねじ込んで初期セットした後に、カムシャフト12の組み付けを行なう。
このように、ラッシュアジャスタ1は、アジャストスクリュ15をナット部材14にねじ込んだときに生じる摩擦力によりアジャストスクリュ15を初期セットするので、アジャストスクリュ15を繰り返し初期セットすることが可能である。
また、ラッシュアジャスタ1は、アジャストスクリュ15をナット部材14にねじ込むだけで初期セットすることができるので、アジャストスクリュ15をねじ込んだ後に初期セット部材を装着するようにしたラッシュアジャスタよりも、初期セット作業が簡単である。
また、このラッシュアジャスタ1は、動弁装置に組み込んだ状態でカムシャフト12を回転させると、アジャストスクリュ15に加わる衝撃荷重によってアジャストスクリュ15の初期セットが自動的に解除される。そのため、このラッシュアジャスタ1は、動弁装置に組み込んだときに、アジャストスクリュ15の初期セットを解除し忘れる心配がない。
また、このラッシュアジャスタ1は、アジャストスクリュ15の初期セットが解除された後に、アジャストスクリュ15と底部16との間に座金18が保持されるので、アジャストスクリュ15の初期セットを解除したときに、セットピン等の別部材をエンジン内に置き忘れる心配がない。また、ラッシュアジャスタ1を動弁装置に組み込んだ後に、オーバーホールに備えてセットピン等の別部材を保管する必要もなく、管理が容易である。
また、このラッシュアジャスタ1は、セットピンの挿入孔をアジャストスクリュ15やナット部材14に形成する必要がないので、低コストである。
また、このラッシュアジャスタ1は、座金18がコイルスプリング17を囲むように円環状に形成されているので、その座金18を既存のラッシュアジャスタに組み込むことにより、この実施形態のラッシュアジャスタ1を構成することができ、低コストである。
また、このラッシュアジャスタ1は、アジャストスクリュ15の緩みを促進する方向にばね片26が切り起こされているので、初期セットした状態のアジャストスクリュ15に衝撃荷重を加えると、アジャストスクリュ15がナット部材14から突出する方向に回転しやすい。そのため、エンジンのクランキングによって、アジャストスクリュ15の初期セットを確実に解除することが可能である。
上記実施形態では、コイルスプリング17を囲むように円環状に形成した弾性部材として、円環状の薄板から周方向に延びるばね片26を切り起こして形成した座金18を用いることにより、他の座金(例えば、円環状の薄板に半径方向に延びる歯を設けた歯付き座金)を用いた場合よりも、座金の軸方向の圧縮量を大きくし、これにより、意図しない振動や衝撃がアジャストスクリュ15に加わったときにアジャストスクリュ15の初期セットが解除される事態を防止し、安全にラッシュアジャスタ1を輸送することができるようにしているが、座金18にかえて、図7(a)、(b)に示すように、円環状の薄板に半径方向外方に延びる歯27を設けた外歯形の歯付き座金28(例えば、JIS B1251(2001年改正)に規定する外歯形の歯付き座金)を用いてもよい。
この場合、歯付き座金28の歯27は、アジャストスクリュ15の緩みを促進する方向(雄ねじ19が右ねじの場合、アジャストスクリュ15から見て、歯27が左回りにアジャストスクリュ15に近づく方向)にねじって形成すると好ましい。このような歯付き座金28は、例えば、ばね鋼のプレス加工により形成することができる。
また、座金18にかえて、他の形式の歯付き座金(例えば、JIS B1251に規定する内歯形の歯付き座金、皿形の歯付き座金、内外歯形の歯付き座金)を用いてもよい。
また、座金18にかえて、円環状の薄板をテーパ状に曲げた皿ばね座金(例えば、JIS B1251に規定する皿ばね座金)や、円環状の薄板に波形を付けた波形ばね座金(例えば、JIS B1251に規定する波形ばね座金)、線材を一巻きの螺旋状に巻いたスプリングワッシャ(例えば、JIS B1251に規定するばね座金)を用いてもよい。
ナット部材14の底部16は、ナット部材14の下端に圧入して固定してもよく、ナット部材14の下端に溶接して固定してもよい。また、ナット部材14と底部16とを一体に成形してもよい。
図8に、この発明の第2実施形態のラッシュアジャスタ31を組み込んだ動弁装置を示す。この動弁装置は、第1実施形態と同様、シリンダヘッド32の吸気ポート33に設けられたバルブ34と、そのバルブ34に接続されたバルブステム35とを有する。バルブステム35は、バルブ34から上方に延びており、バルブステム35の上部にはスプリングリテーナ36が固定されている。スプリングリテーナ36は、バルブスプリング37によって上方に付勢され、その付勢力によってバルブ34をバルブシート38に着座させている。
図8〜図10に示すように、ラッシュアジャスタ31は、シリンダヘッド32に形成されたガイド孔39に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディ40と、リフタボディ40と一体に上下動するナット部材41と、そのナット部材41の内周に形成された雌ねじ42にねじ係合する雄ねじ43を外周に有するアジャストスクリュ44と、そのアジャストスクリュ44を付勢するコイルスプリング45とを有する。リフタボディ40は、筒部46と、筒部46の上端に設けられた端板47とからなる。ナット部材41は、端板47の下面に止め輪48で固定されており、ナット部材41の上端が端板47で閉塞されている。
図8に示すように、リフタボディ40の上方にはカム49が設けられている。カム49は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)に同調して回転するカムシャフト50に一体に形成されており、カムシャフト50が回転すると、ベースサークル49aに対して隆起したカム山部49bが、端板47の上面を押圧してリフタボディ40を押し下げるようになっている。
図9、図10に示すように、コイルスプリング45は、アジャストスクリュ44と端板47の間に組み込まれており、アジャストスクリュ44をナット部材41から下方に突出する方向に付勢している。アジャストスクリュ44は、ナット部材41からの突出端が、バルブステム35の上端を押圧する(図8参照)。
雄ねじ43と雌ねじ42は、アジャストスクリュ44をナット部材41に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク51のフランク角が、遊び側フランク52のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されており、押し込み方向の静的荷重がアジャストスクリュ44に負荷されたときは、雄ねじ43と雌ねじ42の圧力側フランク51,51間の摩擦抵抗によってアジャストスクリュ44の回転が阻止され、一方、突出方向の静的荷重がアジャストスクリュ44に負荷されたときは、雄ねじ43と雌ねじ42の遊び側フランク52,52間の滑りによってアジャストスクリュ44の回転が許容されるようになっている。
アジャストスクリュ44と端板47との間には、コイルスプリング45を囲むように円環状に形成した歯付き座金53が組み込まれている。歯付き座金53は、図11(a)(b)に示すように、円環状の薄板に半径方向に延びる複数の歯54を設けたものであり、アジャストスクリュ44をナット部材41にねじ込んだときに、そのアジャストスクリュ44と端板47との間に、各歯54が挟み込まれるようになっている(図9、図10参照)。また、各歯54は、アジャストスクリュ44の緩みを促進する方向(雄ねじ43が右ねじの場合、アジャストスクリュ44から見て、歯54が左回りにアジャストスクリュ44に近づく方向)にねじって形成されている。
上述したラッシュアジャスタ31は、図9に示すようにアジャストスクリュ44がナット部材41から突出した状態から、アジャストスクリュ44を回転操作してナット部材41にねじ込むと、図10に示すように、歯付き座金53の歯54がアジャストスクリュ44と端板47の間に上下に挟まれて圧縮されるので、その歯54の弾性復元力によってアジャストスクリュ44と歯54との間に摩擦が生じ、その摩擦によってアジャストスクリュ44が回り止めされ、その結果、アジャストスクリュ44が初期セットされる。
その後、図8に示すように、ラッシュアジャスタ31を動弁装置に組み込んだ状態で、クランキングによってカムシャフト50を回転させると、カム49のカム山部49bが端板47の位置を通過する毎に、アジャストスクリュ44に衝撃荷重が加わり、その衝撃荷重によって、アジャストスクリュ44の初期セットが解除される。その結果、アジャストスクリュ44は、コイルスプリング45の付勢力によって回転しながら突出方向に移動し、端板47がカム49のベースサークル49aに接触する位置までリフタボディ40を上昇させる。
このラッシュアジャスタ31は、第1実施形態と同様、アジャストスクリュ44をナット部材41にねじ込んだときに生じる摩擦力によりアジャストスクリュ44を初期セットするので、アジャストスクリュ44を繰り返し初期セットすることが可能である。
また、ラッシュアジャスタ31は、アジャストスクリュ44をナット部材41にねじ込むだけで初期セットすることができるので、アジャストスクリュ44をねじ込んだ後に初期セット部材を装着するようにしたラッシュアジャスタよりも、初期セット作業が簡単である。
また、このラッシュアジャスタ31は、動弁装置に組み込んだ状態でカムシャフト50を回転させると、アジャストスクリュ44に加わる衝撃荷重によってアジャストスクリュ44の初期セットが自動的に解除される。そのため、このラッシュアジャスタ31は、動弁装置に組み込んだときに、アジャストスクリュ44の初期セットを解除し忘れる心配がない。
また、このラッシュアジャスタ31は、アジャストスクリュ44の初期セットが解除された後に、アジャストスクリュ44と端板47との間に歯付き座金53が保持されるので、アジャストスクリュ44の初期セットを解除したときに、セットピン等の別部材をエンジン内に置き忘れる心配がない。また、ラッシュアジャスタ31を動弁装置に組み込んだ後に、オーバーホールに備えてセットピン等の別部材を保管する必要もなく、管理が容易である。
また、このラッシュアジャスタ31は、セットピンの挿入孔をアジャストスクリュ44やナット部材41に形成する必要がないので、低コストである。
また、このラッシュアジャスタ31は、歯付き座金53がコイルスプリング45を囲むように円環状に形成されているので、歯付き座金53を既存のラッシュアジャスタに組み込むことにより、この実施形態のラッシュアジャスタ31を構成することができ、低コストである。
また、このラッシュアジャスタ31は、アジャストスクリュ44の緩みを促進する方向に歯54がねじられているので、初期セットした状態のアジャストスクリュ44に衝撃荷重を加えると、アジャストスクリュ44がナット部材41から突出する方向に回転しやすい。そのため、エンジンのクランキングによって、アジャストスクリュ44の初期セットを確実に解除することが可能である。
この実施形態では、コイルスプリング45を囲むように円環状に形成した弾性部材として、円環状の薄板に半径方向に延びる歯54を設けた歯付き座金53を例に挙げて説明したが、この歯付き座金53にかえて、第1実施形態で示したように、円環状の薄板から周方向に延びるばね片26を切り起こして形成した座金18(図5参照)を用いてもよく、また、他の形式の座金(例えば、波形ばね座金、皿ばね座金、スプリングワッシャ)を用いてもよい。
図12に、この発明の第3実施形態のラッシュアジャスタ61を組み込んだ動弁装置を示す。この動弁装置は、エンジンのシリンダヘッド62の吸気ポート63に設けられたバルブ64と、そのバルブ64に接続されたバルブステム65と、支点軸66を中心として揺動可能に支持されたアーム67とを有する。
バルブステム65は、バルブ64から上方に延びており、バルブステム65の上部にはスプリングリテーナ68が固定されている。スプリングリテーナ68は、バルブスプリング69によって上方に付勢され、その付勢力によってバルブ64をバルブシート70に着座させている。
アーム67は、中央部を支点軸66で揺動可能に支持されている。また、アーム67の一方の端部にはローラ71が取り付けられ、他方の端部にはラッシュアジャスタ61が組み込まれている。アーム67の下方に設けられたカム72は、エンジンのクランクシャフト(図示せず)に同調して回転するカムシャフト73に一体に形成されており、カムシャフト73が回転すると、ベースサークル72aに対して隆起したカム山部72bが、ローラ71を押圧してアーム67を揺動させるようになっている。
図13、図14に示すように、ラッシュアジャスタ61は、ナット部材74と、アジャストスクリュ75と、コイルスプリング76とを有する。ナット部材74は、アーム67を上下に貫通する収容穴77に挿入されており、ナット部材74の内周に形成された雌ねじ78が、アジャストスクリュ75の外周に形成された雄ねじ79とねじ係合している。
ナット部材74の上端は、アーム67の上面から突出し、その突出部分に有底筒状のキャップ80が嵌め合わされ、そのキャップ80でナット部材74の上端が閉塞されている。また、キャップ80は、収容穴77の上縁に係止して、ナット部材74が収容穴77から下方に脱落するのを防止する。一方、ナット部材74の下端には、アーム67の下面に当接するフランジ81が形成されており、そのフランジ81で、ナット部材74に作用する上向きの力を受け止めるようになっている。
雄ねじ79と雌ねじ78は、アジャストスクリュ75をナット部材74に押し込む方向の荷重が負荷されたときに圧力を受ける圧力側フランク82のフランク角が、遊び側フランク83のフランク角よりも大きい鋸歯状に形成されており、押し込み方向の静的荷重がアジャストスクリュ75に負荷されたときは、雄ねじ79と雌ねじ78の圧力側フランク82,82間の摩擦抵抗によってアジャストスクリュ75の回転が阻止され、一方、突出方向の静的荷重がアジャストスクリュ75に負荷されたときは、雄ねじ79と雌ねじ78の遊び側フランク83,83間の滑りによってアジャストスクリュ75の回転が許容されるようになっている。
コイルスプリング76は、キャップ80とアジャストスクリュ75の間に組み込まれており、アジャストスクリュ75をナット部材74から下方に突出する方向に付勢している。アジャストスクリュ75は、ナット部材74からの突出端が、バルブステム65の上端を押圧する(図12参照)。
アジャストスクリュ75とキャップ80との間には、コイルスプリング76を囲むように円環状に形成した歯付き座金84が組み込まれている。歯付き座金84は、円環状の薄板に半径方向に延びる複数の歯85を設けたものであり、アジャストスクリュ75をナット部材74にねじ込んだときに、そのアジャストスクリュ75とキャップ80との間に、各歯85が挟み込まれるようになっている。また、各歯85は、アジャストスクリュ75の緩みを促進する方向(雄ねじ79が右ねじの場合、アジャストスクリュ75から見て、歯85が左回りにアジャストスクリュ75に近づく方向)にねじって形成されている。
上述したラッシュアジャスタ61は、図13に示すようにアジャストスクリュ75がナット部材74から突出した状態から、アジャストスクリュ75を回転操作してナット部材74にねじ込むと、図14に示すように、歯付き座金84の歯85がアジャストスクリュ75とキャップ80の間に上下に挟まれて圧縮されるので、その歯85の弾性復元力によってアジャストスクリュ75と歯85との間に摩擦が生じ、その摩擦によってアジャストスクリュ75が回り止めされ、その結果、アジャストスクリュ75が初期セットされる。
その後、図12に示すように、ラッシュアジャスタ61を動弁装置に組み込んだ状態で、クランキングによってカムシャフト73を回転させると、カム72のカム山部72bがローラ71の位置を通過する毎に、アジャストスクリュ75に衝撃荷重が加わり、その衝撃荷重によって、アジャストスクリュ75の初期セットが解除される。その結果、アジャストスクリュ75は、コイルスプリング76の付勢力によって回転しながら突出方向に移動し、ローラ71がカム72のベースサークル72aに接触する位置までアーム67を揺動させる。
このラッシュアジャスタ61は、第1実施形態と同様、アジャストスクリュ75をナット部材74にねじ込んだときに生じる摩擦力によりアジャストスクリュ75を初期セットするので、アジャストスクリュ75を繰り返し初期セットすることが可能である。
また、ラッシュアジャスタ61は、アジャストスクリュ75をナット部材74にねじ込むだけで初期セットすることができるので、アジャストスクリュ75をねじ込んだ後に初期セット部材を装着するようにしたラッシュアジャスタよりも、初期セット作業が簡単である。
また、このラッシュアジャスタ61は、動弁装置に組み込んだ状態でカムシャフト73を回転させると、アジャストスクリュ75に加わる衝撃荷重によってアジャストスクリュ75の初期セットが自動的に解除される。そのため、このラッシュアジャスタ61は、動弁装置に組み込んだときに、アジャストスクリュ75の初期セットを解除し忘れる心配がない。
また、このラッシュアジャスタ61は、アジャストスクリュ75の初期セットが解除された後に、アジャストスクリュ75とキャップ80との間に歯付き座金84が保持されるので、アジャストスクリュ75の初期セットを解除したときに、セットピン等の別部材をエンジン内に置き忘れる心配がない。また、ラッシュアジャスタ61を動弁装置に組み込んだ後に、オーバーホールに備えてセットピン等の別部材を保管する必要もなく、管理が容易である。
また、このラッシュアジャスタ61は、セットピンの挿入孔をアジャストスクリュ75やナット部材74に形成する必要がないので、低コストである。
また、このラッシュアジャスタ61は、歯付き座金84がコイルスプリング76を囲むように円環状に形成されているので、歯付き座金84を既存のラッシュアジャスタに組み込むことにより、この実施形態のラッシュアジャスタ61を構成することができ、低コストである。
また、このラッシュアジャスタ61は、アジャストスクリュ75の緩みを促進する方向に歯85がねじられているので、初期セットした状態のアジャストスクリュ75に衝撃荷重を加えると、アジャストスクリュ75がナット部材74から突出する方向に回転しやすい。そのため、エンジンのクランキングによって、アジャストスクリュ75の初期セットを確実に解除することが可能である。
この実施形態では、コイルスプリング76を囲むように円環状に形成した弾性部材として、円環状の薄板に半径方向に延びる歯85を設けた歯付き座金84を例に挙げて説明したが、この歯付き座金84にかえて、第1実施形態で示したように、円環状の薄板から周方向に延びるばね片を切り起こして形成した座金を用いてもよく、また、他の形式の座金(例えば、波形ばね座金、皿ばね座金、スプリングワッシャ)を用いてもよい。
この発明の第1実施形態のラッシュアジャスタを組み込んだ動弁装置を示す正面図 図1に示すアジャストスクリュを初期セットする過程を示すアジャストスクリュ近傍の拡大断面図 図2に示すアジャストスクリュを初期セットした状態を示す拡大断面図 図2のIV−IV線に沿った断面図 図2に示す座金の拡大斜視図 図1に示すアジャストスクリュの初期セットを解除した状態を示す正面図 (a)は、図5の座金の変形例を示す歯付き座金の平面図、(b)は、(a)に示す歯付き座金の側面図 この発明の第2実施形態のラッシュアジャスタを組み込んだ動弁装置を示す正面図 図8に示すアジャストスクリュを初期セットする前の状態を示すアジャストスクリュ近傍の拡大断面図 図9に示すアジャストスクリュを初期セットした状態を示す拡大断面図 (a)は、図9に示す歯付き座金の平面図、(b)は、(a)に示す歯付き座金の断面図 この発明の第3実施形態のラッシュアジャスタを組み込んだ動弁装置を示す正面図 図12に示すアジャストスクリュを初期セットする前の状態を示すアジャストスクリュ近傍の拡大断面図 図13に示すアジャストスクリュを初期セットした状態を示す拡大断面図
符号の説明
1 ラッシュアジャスタ
2 シリンダヘッド
6 アーム
13 収容穴
14 ナット部材
15 アジャストスクリュ
16 底部
17 コイルスプリング
18 座金
19 雄ねじ
20 雌ねじ
24 突出端
26 ばね片
27 歯
28 歯付き座金
31 ラッシュアジャスタ
32 シリンダヘッド
35 バルブステム
39 ガイド孔
40 リフタボディ
41 ナット部材
42 雌ねじ
43 雄ねじ
44 アジャストスクリュ
45 コイルスプリング
47 端板
53 歯付き座金
61 ラッシュアジャスタ
65 バルブステム
67 アーム
72 カム
74 ナット部材
75 アジャストスクリュ
76 コイルスプリング
77 収容穴
78 雌ねじ
79 雄ねじ
80 キャップ
84 歯付き座金

Claims (12)

  1. シリンダヘッド(2)の上面に開口した収容穴(13)に挿入されるナット部材(14)と、そのナット部材(14)の内周に形成された雌ねじ(20)にねじ係合する雄ねじ(19)を外周に有するアジャストスクリュ(15)と、そのアジャストスクリュ(15)と前記ナット部材(14)の閉塞端(16)との間に組み込まれ、前記アジャストスクリュ(15)をナット部材(14)から上方に突出する方向に付勢するコイルスプリング(17)とを有し、前記アジャストスクリュ(15)の前記ナット部材(14)からの突出端(24)で動弁装置のアーム(6)を揺動可能に支持するラッシュアジャスタ(1)において、
    前記アジャストスクリュ(15)と前記ナット部材(14)の閉塞端(16)との間に、前記コイルスプリング(17)を囲むように円環状に形成した弾性部材(18)を設け、前記アジャストスクリュ(15)をナット部材(14)にねじ込んだときにアジャストスクリュ(15)と弾性部材(18)との間の摩擦によってアジャストスクリュ(15)が回り止めされるようにしたことを特徴とするラッシュアジャスタ。
  2. シリンダヘッド(32)に形成されたガイド孔(39)に上下にスライド可能に挿入されるリフタボディ(40)と、そのリフタボディ(40)と一体に上下動するナット部材(41)と、そのナット部材(41)の内周に形成された雌ねじ(42)にねじ係合する雄ねじ(43)を外周に有するアジャストスクリュ(44)と、そのアジャストスクリュ(44)と前記ナット部材(41)の閉塞端(47)との間に組み込まれ、前記アジャストスクリュ(44)をナット部材(41)から下方に突出する方向に付勢するコイルスプリング(45)とを有し、前記アジャストスクリュ(44)のナット部材(41)からの突出端で動弁装置のバルブステム(35)を押圧するラッシュアジャスタ(31)において、
    前記アジャストスクリュ(44)と前記ナット部材(41)の閉塞端(47)との間に、前記コイルスプリング(45)を囲むように円環状に形成した弾性部材(53)を設け、前記アジャストスクリュ(44)をナット部材(41)にねじ込んだときにアジャストスクリュ(44)と弾性部材(53)との間の摩擦によってアジャストスクリュ(44)が回り止めされるようにしたことを特徴とするラッシュアジャスタ。
  3. カム(72)の回転に応じて揺動するアーム(67)の下面に開口した収容穴(77)に挿入されるナット部材(74)と、そのナット部材(74)の内周に形成された雌ねじ(78)にねじ係合する雄ねじ(79)を外周に有するアジャストスクリュ(75)と、そのアジャストスクリュ(75)と前記ナット部材(74)の閉塞端(80)との間に組み込まれ、前記アジャストスクリュ(75)をナット部材(74)から下方に突出する方向に付勢するコイルスプリング(76)とを有し、前記アジャストスクリュ(75)のナット部材(74)からの突出端で動弁装置のバルブステム(65)を押圧するラッシュアジャスタ(61)において、
    前記アジャストスクリュ(75)と前記ナット部材(74)の閉塞端(80)との間に、前記コイルスプリング(76)を囲むように円環状に形成した弾性部材(84)を設け、前記アジャストスクリュ(75)をナット部材(74)にねじ込んだときにアジャストスクリュ(75)と弾性部材(84)との間の摩擦によってアジャストスクリュ(75)が回り止めされるようにしたことを特徴とするラッシュアジャスタ。
  4. 前記弾性部材として、円環状の薄板から周方向に延びるばね片(26)を切り起こした座金(18)を用いた請求項1から3のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  5. 前記ばね片(26)を、前記アジャストスクリュ(15)の緩みを促進する方向に切り起こした請求項4に記載のラッシュアジャスタ。
  6. 前記座金(18)を、ばね鋼のプレス加工により形成した請求項4または5に記載のラッシュアジャスタ。
  7. 前記弾性部材として、円環状の薄板に半径方向に延びる歯(27)を設けた歯付き座金(28)を用いた請求項1から3のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  8. 前記歯付き座金(28)の歯(27)を、前記アジャストスクリュ(15)の緩みを促進する方向にねじって形成した請求項7に記載のラッシュアジャスタ。
  9. 前記歯付き座金(28)を、ばね鋼のプレス加工により形成した請求項7または8に記載のラッシュアジャスタ。
  10. 前記弾性部材として皿ばね座金を用いた請求項1から3のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  11. 前記弾性部材として波形ばね座金を用いた請求項1から3のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
  12. 前記弾性部材としてスプリングワッシャを用いた請求項1から3のいずれかに記載のラッシュアジャスタ。
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