JP2011190772A - 動弁装置におけるラッシュアジャスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンブロックとバルブの線膨張係数の相違による収縮差をプランジャの軸方向スキマで吸収するようにした機械式ラッシュアジャスタにおいて、前記軸方向スキマを常に一定に保持できるようにする。
【解決手段】筒状のボディ21内に組込まれたプランジャ23をボディ21の内周に形成された雌ねじ22にねじ係合されるねじ部材25と、先端部がボディ21の一端開口から外部に臨むスライド部材24とに分割し、ばね部材30によりスライド部材24に向けて移動する方向の回転力をねじ部材25に付与する。スライド部材24の下面に凹部38を形成し、その凹部38内に押圧子41と弾性部材44とを組込み、押圧子41の先端部がスライド部材24の下面より突出する状態で押圧子41を抜止めするストッパ39を設けて、ねじ部材25とスライド部材24の対向面間に押圧子41の突出長さに相当する大きさの軸方向スキマ45を形成する。
【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関における動弁装置のバルブクリアランスを自動調整するラッシュアジャスタに関する。
カムの回転によって吸気バルブあるいは排気バルブ(以下、単にバルブという)を開閉させる動弁装置には、アームによってバルブステムを押し下げるアーム型と、カムによってバルブステムを押し下げるダイレクト型とがあり、上記アーム型動弁装置にはスイングアーム式(エンドピボット式)とロッカアーム式とが存在する。
ここで、スイングアーム式動弁装置においては、カムの下方に配置されたアームの端部をピボットで支持し、そのアームをカムの回転によりピボットを中心に揺動させ、その揺動側の端部でバルブステムを押し下げてバルブを開放させるようにしている。
一方、ロッカアーム式動弁装置においては、カムの上方に設けられたロッカシャフトを中心にしてアームを揺動自在に支持し、上記カムの回転によりアームの一端部を押し上げ、アームの他端部でバルブステムを押し下げてバルブを開放させるようにしている。
上記いずれの動弁装置においても、ラッシュアジャスタの組込みによってバルブクリアランスを自動調整している。
上記ラッシュアジャスタとして、油圧式のものが知られている。しかし、油圧式ラッシュアジャスタにおいては、エンジンオイルを作動油としているため、エンジンの回転数による油圧の変化や、エンジンオイルに混入するコンタミや気泡の影響を受け易く、また、構造が複雑で組立に手間がかかり、コスト的にも不利である。
特許文献1乃至3に記載された機械式ラッシュアジャスタにおいては、上記のような問題点の発生がなく、動弁装置への組込みに有利である。ここで、特許文献1乃至3に記載された機械式ラッシュアジャスタにおいては、捩じりコイルばねからなるばね部材によって互いにねじ係合する雌ねじ部材と雄ねじ部材の相互間に捩じりモーメントを与え、その雌ねじ部材と雄ねじ部材が伸長する方向への相対移動によりバルブクリアランスを吸収するようにしている。
一般に、エンジンにおいては、エンジンブロックがアルミ製とされ、バルブが鋼製とされて、エンジンブロックの線膨張係数がバルブの線膨張係数より大きくなっている。このようなエンジンの動弁系に上記機械式ラッシュアジャスタが組込まれると、エンジンの運転停止後にエンジンの温度が低下すると、エンジンブロックがバルブより大きく収縮するため、バルブが完全に閉じられなくなって、エンジンの再始動時に圧縮漏れが生じ、エンジンを再始動することができなくなるおそれが生じる。
そのような不都合を解消するため、特許文献4に記載された機械式ラッシュアジャスタにおいては、ボディ内に組込まれたプランジャを先端プランジャ部材と雄ねじ部材とに分割し、その先端プランジャ部材と雄ねじ部材間にスペーサばねを組込んで、先端プランジャ部材と雄ねじ部材の対向面間に軸方向スキマを形成し、その軸方向スキマの範囲内でスペーサばねを弾性変形させ、そのスペーサばねの弾性変形により、エンジンブロックとバルブの線膨張係数の相違による収縮差を吸収してバルブが不完全に閉鎖するのを防止するようにしている。
特開平5−10109号公報 特開平5−18214号公報 特開平7−139315号公報 実開昭64−034407号公報
ところで、特許文献4に記載された機械式ラッシュアジャスタにおいては、長期の使用によってスペーサばねがへたり、自由長さが変化すると、先端プランジャ部材と雄ねじ部材の対向面間に形成された軸方向スキマが変化して、エンジン性能に影響を与えるおそれがある。
また、大きな荷重を受ける先端プランジャと雄ねじ部材の接触面が摩耗した際には、その摩耗により軸方向スキマが変化して、エンジン性能に影響を与えるおそれがある。
さらに、スペーサばねは、無負荷時に自由長さとなる組込みであるため、軸方向スキマを高精度に管理するために、ばね公差を非常に小さく設定する必要があり、量産時のコストアップの要因となるばかりでなく、スペーサばねと先端プランジャ部材、若しくは、先端プランジャ部材と雄ねじ部材の接触部で摩耗が生じると、上記軸方向スキマが変化し、エンジン性能に影響を与えるおそれがある。
ここで、エンジン性能への影響とは、軸方向スキマの減少による圧縮漏れ、軸方向スキマの拡大によるメカニカルノイズの増大および出力低下をいう。
この発明の課題は、冷却時のエンジンブロックとバルブの線膨張係数の相違による収縮差をプランジャの軸方向の分割面間に形成された軸方向スキマで吸収するようにした機械式ラッシュアジャスタにおいて、上記軸方向スキマを常に一定に保持できるようすることである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、内周に雌ねじが形成された筒状のボディ内にプランジャを組込み、そのプランジャを前記雌ねじにねじ係合されるねじ部材と、先端部がボディの一端開口から外部に臨むスライド部材とに分割し、前記ボディ内に組込まれたばね部材によりねじ部材にスライド部材に向けて移動する方向の回転力を付与した動弁装置のラッシュアジャスタにおいて、前記スライド部材のねじ部材に対する対向面に凹部を形成し、その凹部内に押圧子と、その押圧子の先端がねじ部材に当接する方向に向けて押圧子を付勢する弾性部材とを組込み、前記弾性部材が押圧子を付勢する弾性変形状態において押圧子の先端部がスライド部材のねじ部材に対する対向面より突出する状態で押圧子を抜止めするストッパを設けて、ねじ部材とスライド部材の対向面間に押圧子の突出長さに相当する大きさの軸方向スキマを形成した構成を採用したのである。
上記の構成からなるラッシュアジャスタを用いて、例えば、スイングアーム式動弁装置のバルブクリアランスを自動調整する場合は、アームの一端部をスライド部材の先端で支持する組込みとする。その組込みにおいて、バルブシートの摩耗など、バルブクリアランスが収縮しつつある時は、ボディとねじ部材のねじ係合面に滑りが生じて、ねじ部材がスライド部材から離反する方向に移動し、ラッシュアジャスタが収縮して、バルブクリアランスを吸収する。
一方、バルブステムエンドの摩耗などにより、バルブクリアランスが拡大しつつある場合は、ばね部材の弾性力によりねじ部材が回転しつつスライド部材に向けて移動し、ラッシュアジャスタが伸長して、バルブクリアランスを吸収する。
ここで、ラッシュアジャスタには、ねじ部材とスライド部材の対向面間に軸方向スキマが形成されているため、エンジンブロックとバルブの線膨張係数の相違による収縮差はその軸方向スキマで吸収されることになり、バルブが不完全に閉鎖するのが防止される。
この発明では、スライド部材の凹部内に組込まれ、弾性部材によってねじ部材に向けて付勢される押圧子を、その先端部がスライド部材のねじ部材に対する対向面より突出する状態で抜止めし、その押圧子の先端をねじ部材に当接させて、スライド部材とねじ部材の対向面間に軸方向スキマを形成するようにしているため、弾性部材の自然状態での長さにバラツキがあっても、軸方向スキマに影響を与えることがなく、弾性部材として製作の容易なコストの安い圧縮コイルばねを採用することができる。
また、弾性部材は、弾性変形する状態での組込みであるため、その弾性部材にへたりが生じても、軸方向スキマは変化しない。さらに、弾性部材は押圧子をねじ部材に向けて付勢することができる程度のばね荷重を具える弾性力の弱いものでよいため、押圧子とねじ部材の接触部での摩耗は心配なく、軸方向スキマを常に一定に保持することができる。
このように、スライド部材とねじ部材の対向面間に一定大きさの軸方向スキマを常に確保することができるため、軸方向スキマの減少による圧縮漏れや、軸方向スキマの拡大によるメカニカルノイズの拡大および出力の低下を抑制することができる。
ここで、押圧子をねじ部材と同軸上の配置として、その接触面の大きさを弾性部材の外径より小径とすると、ねじ部材の回転抵抗が小さくなって、ねじ部材の回転運動が阻害されることがなくなり、ラッシュアジャスタを円滑に機能させることができる。
また、ねじ部材の押圧子と対向する上面にスペーサを設けると、スライド部材がボディの内径面間に形成される微小な隙間の範囲内で傾いたとしても、押圧子がねじ部材に片当たりすることがなく、ねじ部材の偏摩耗を防止することができる。
この場合、スペーサの下面を、中央に向けて下り勾配をもって傾斜するテーパ面とし、ねじ部材の上面をスペーサのテーパ面に適合するテーパ面とすると、押圧子が傾いた場合にスペーサも同様に傾いて押圧子の先端面の全体がスペーサに接触する状態を維持し、押圧子の先端面の偏摩耗を防止することができる。
また、押圧子、ねじ部材およびスペーサを鉄系材料で形成し、熱処理を施して表面硬度をHv650以上とすると、耐摩耗性を向上させることができる。具体的には、クロム鋼(SCr)やクロムモリブデン鋼(SCM)などの浸炭材を素材とし、浸炭焼入れ焼き戻し処理を施すことにより、靭性を保ったまま硬度を高めることができるため、接触部の摩耗をより効果的に防止することができる。
上記のように、この発明においては、スライド部材の凹部内に組込まれ、弾性部材によってねじ部材に向けて付勢される押圧子を、その先端部がスライド部材のねじ部材に対する対向面より突出する状態で抜止めし、その押圧子の先端をねじ部材に当接させて、スライド部材とねじ部材の対向面間に軸方向スキマを形成するようにしているため、スライド部材とねじ部材の対向面間に形成される軸方向スキマを常に一定に保持することができ、軸方向スキマの減少による圧縮漏れや、軸方向スキマの拡大によるメカニカルノイズの拡大および出力の低下を抑制することができる。
この発明に係るラッシュアジャスタをスイングアーム式動弁装置に組込んだ状態を示す縦断正面図 図1に示すラッシュアジャスタの一部切欠正面図 図2のIII−III線に沿った断面図 この発明に係るラッシュアジャスタの他の例を示す一部切欠正面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明に係るラッシュアジャスタを組込んだスイングアーム式動弁装置を示す。スイングアーム式動弁装置においては、シリンダヘッド1に形成された嵌合孔2にラッシュアジャスタAを組込み、そのラッシュアジャスタAによって一端部が支持された揺動可能なアーム3の中途にローラ4を回転自在に支持し、そのローラ4をカムシャフト5に設けられたカム6の回転により押し下げてアーム3を揺動させ、そのアーム3の他端部でバルブステム7を押し下げて、バルブステム7の下端に設けられたバルブ8を開放させるようにしている。
ここで、バルブステム7は、上端にスプリングリテナ9を有し、そのスプリングリテナ9に負荷されるバルブスプリング10の押圧力によってバルブステム7は下端のバルブ8がバルブシート11に密着する方向に付勢されている。また、アーム3の一端部の下面には半球状の球面座12が形成されている。
図2および図3に示すように、ラッシュアジャスタAは、図1に示す嵌合孔2に嵌合される筒状のボディ21を有し、そのボディ21の内周に雌ねじ22が形成されている。雌ねじ22は、三角ねじからなり、ボディ21の軸方向長さの中央部から上部に至る三角ねじは不完全ねじ部22aとされて、その内径面が円筒面とされている。
ボディ21の内部にはプランジャ23が組込まれている。プランジャ23は、スライド部材24とねじ部材25とに分割され、上記スライド部材24はボディ21内において軸方向にスライド自在とされ、一方、ねじ部材25は、外周に形成された雄ねじ26がボディ21の雌ねじ22にねじ係合されている。
ここで、三角ねじからなる雌ねじ22および雄ねじ26は、リード角が小さく、ねじ係合面での相対滑りが生じることのないようなねじ諸元とされている。なお、三角ねじに代えて、図4に示すように、雌ねじ22および雄ねじ26のそれぞれを、圧力側フランク27のフランク角が遊び側フランク28のフランク角より大きい鋸歯状ねじとしてもよい。この場合、ねじ係合面での相対滑りをより効果的に防止することができる。
図2および図3に示すように、ボディ21の下端部内には閉塞端を有する円筒状のばねケース29が閉塞端を上向きとして圧入され、そのばねケース29内にばね部材30が収容されている。
ばね部材30は、ゼンマイばねからなる。このばね部材30の外端部はばねケース29に固定され、内端部はトルク伝達軸31に連結されている。トルク伝達軸31は、ばねケース29の閉塞端壁を貫通し、上端部に形成された角軸部32がねじ部材25の軸心上に形成された角孔33内に配置され、その角軸部32に沿ってねじ部材25がスライド自在とされている。
また、角軸部32と角孔33の係合により、ねじ部材25には、ばね部材30によってスライド部材24に向けて移動する方向の回転力が負荷されている。
ねじ部材25のスライド部材24と対向する上面にはスペーサ34が設けられている。スペーサ34の上側には平坦面35が形成され、下側には中央に向けて下り勾配をもつテーパ面36が設けられ、そのテーパ面36がねじ部材25の上側に形成されたテーパ面37に面接触している。
スライド部材24のねじ部材25と対向する下面には凹部38が形成され、その凹部38の下端開口はストッパ39よって閉塞されている。ストッパ39は、凹部38内に圧入される円筒部39aの一端に端板39bを設け、その端板39bの中央に挿入孔40を形成した構成とされ、上記端板39bを下向きとし、その端板39bの下面がスライド部材24の下面と同一高さ、または、上位とする取付けとされている。
凹部38内には押圧子41が組込まれている。押圧子41は、フランジ42を下端部に有し、そのフランジ42の下面中央部に小径の突軸部43が形成されている。この押圧子41は、凹部38内に組込まれてフランジ42を押圧する弾性部材44により下向きに付勢され、ストッパ39の端板39bに対するフランジ42の当接によって抜止めされている。また、突軸部43は、端板39bに形成された挿入孔40からスライド部材24の下面より下方に突出してスペーサ34の上面に当接しており、上記スペーサ34とスライド部材24の対向面間に突軸部43の突出長さに相当する大きさの軸方向スキマ45が形成されている。図2のδは、軸方向スキマ45の大きさを示す。
ここで、ねじ部材25、スペーサ34および押圧子41は、クロム鋼(SCr)やクロムモリブデン鋼(SCM)等の浸炭材を素材とし、浸炭焼入れ焼戻しによる熱処理によって表面硬度がHv650以上とされている。
スライド部材24は、先端部がボディ21の上端開口から上方に位置し、その先端部にはアーム3の球面座12を支持する球面部46が形成されている。また、スライド部材24の先端部外周には平坦部47が形成され、その平坦部47とボディ21の上端開口部内に板状のセット部材48の先端部を圧入することによってスライド部材24とねじ部材25とからなるプランジャ23がボディ21内に押し込まれた初期セット状態にラッシュアジャスタAが保持されるようになっている。
ラッシュアジャスタAは、その初期セット状態において嵌合孔2内に組込まれる。そのラッシュアジャスタAの組込み後、アーム3及びカムシャフト5をセットして、セット部材48を引抜くと、ばね部材30の押圧によってねじ部材25が回転しつつスライド部材24に向けて移動すると共に、スライド部材24が上方に移動して、先端の球面部46がアーム3の球面座12を支持し、動弁装置のバルブクリアランスを吸収する作動状態になる。
実施の形態で示すアーム式動弁装置は上記の構造からなり、エンジンの定常運転状態では、カム6のカム片6aがローラ4に接触して、そのローラ4が押し下げられることにより、アーム3がスライド部材24の球面部46を中心にして他端が下方に移動する方向に向けて揺動し、そのアーム3の他端でバルブステム7が押し下げられ、バルブ8が開放する。
このとき、バルブスプリング10が圧縮変形し、そのバルブスプリング10の反力がアーム3を介してスライド部材24に入力される。その入力荷重によりスライド部材24が下降し、スペーサ34との間に形成された軸方向スキマ45に相当する分だけ下降するとスペーサ34に当接する。
このとき、上記入力荷重はスペーサ34から雌ねじ22と雄ねじ26のねじ係合部に作用するが、その雌ねじ22と雄ねじ26は、ねじ係合部において滑りが生じることのないねじ諸元に設定されているため、スライド部材24はスペーサ34に当接すると停止する。また、スライド部材24の下降により、押圧子41は、弾性部材44の弾性に抗して凹部38内に押し込められる状態となる。
カム6が回転してカム片6aがローラ4から離れ、カム6のベース円6bがローラ4と接触すると、バルブスプリング10の押圧により、バルブステム7が上方に移動し、バルブ8がバルブシート11に密着してバルブ8は閉鎖する。
このとき、スライド部材24に負荷されていたバルブスプリング10の反力が抜ける状態となるため、弾性部材44の押圧力によりスライド部材24が上方に移動し、その移動に伴って押圧子41の突軸部43がスライド部材24の下面から突出する。
スライド部材24と押圧子41は、ストッパ39の端板39bがフランジ42に当接する位置まで相対移動し、その移動によってスライド部材24とねじ部材25の対向面間に突軸部43の突出量に相当する大きさの軸方向スキマ45が形成される。
このように、カム6の一回転毎にスライド部材24は軸方向スキマ45に相当する分だけ上下動し、ラッシュアジャスタAはそれ以上に伸縮するようなことはない。実際には、雌ねじ22と雄ねじ26のねじ係合部に入力荷重が作用する瞬間に、ねじ係合部に僅かな相対滑りが生じるが、上記入力荷重が抜ける瞬間に、ばね部材30の弾性によりねじ部材25が回転してスライド部材24に向けて移動して元の位置に戻ることになる。
バルブシート11の摩耗など、バルブクリアランスが収縮しつつある時は、ボディ21とねじ部材25のねじ係合部におけるねじ係合面に滑りが生じて、ねじ部材25がスライド部材24から離反する方向に移動し、ラッシュアジャスタAが収縮して、バルブクリアランスを吸収する。
一方、バルブステム7のエンドの摩耗などにより、バルブクリアランスが拡大しつつある場合は、ばね部材30の弾性力によりねじ部材25が回転しつつスライド部材24に向けて移動すると共にスライド部材24もねじ部材25と同方向に移動し、ラッシュアジャスタAが伸長して、バルブクリアランスを吸収する。
ここで、ラッシュアジャスタAには、スライド部材24とねじ部材25の対向面間に軸方向スキマ45が形成されているため、シリンダヘッド1とバルブ8の線膨張係数の相違による収縮差はその軸方向スキマ45で吸収されることになり、バルブ8が不完全に閉鎖するのが防止される。
実施の形態で示すように、スライド部材24の凹部38内に組込まれ、弾性部材44によってねじ部材25に向けて付勢される押圧子41を、その先端部がスライド部材24の下面より突出する状態で抜止めし、その押圧子41の先端をねじ部材25に当接させて、スライド部材24とねじ部材25の対向面間に軸方向スキマ45を形成することにより、弾性部材44の自然状態での長さにバラツキがあっても、軸方向スキマ45に影響を与えることがなく、弾性部材44として製作の容易なコストの安い圧縮コイルばねを採用することができる。
また、弾性部材44は、弾性変形する状態での組込みであるため、その弾性部材44にへたりが生じても、軸方向スキマ45は変化しない。さらに、弾性部材44は押圧子41をねじ部材25に向けて付勢することができる程度のばね荷重を具える弾性力の弱いものでよいため、押圧子41とねじ部材25の接触部での摩耗は心配なく、軸方向スキマ45を常に一定に保持することができる。
このように、スライド部材24とねじ部材25の対向面間に一定大きさの軸方向スキマ45を常に確保することができるため、軸方向スキマ45の減少による圧縮漏れや、軸方向スキマ45の拡大によるメカニカルノイズの拡大および出力の低下を抑制することができる。
図1では、スイングアーム式動弁装置にラッシュアジャスタAを適用した場合を例にとって説明したが、ラッシュアジャスタAが適用される動弁装置はこれに限定されるものではない。
例えば、カムの上方に設けられたロッカシャフトを中心にしてアームを揺動自在に支持し、上記カムの回転によりアームの一端部を押し上げ、アームの他端部でバルブステムを押し下げてバルブを開放させるようにしたロッカアーム式動弁装置や、カムによってバルブステムを押し下げるダイレクト型動弁装置にも適用することができる。さらに、カムシャフトを下方に設置し、プッシュロッドでシリンダ上部に配置したロッカアームを揺動させるようにしたOHVエンジンのロッカアームの先端部に組込むことも可能である。
21 ボディ
22 雌ねじ
23 プランジャ
24 スライド部材
25 ねじ部材
30 ばね部材
34 スペーサ
36 テーパ面
37 テーパ面
38 凹部
39 ストッパ
41 押圧子
44 弾性部材
45 軸方向スキマ

Claims (7)

  1. 内周に雌ねじが形成された筒状のボディ内にプランジャを組込み、そのプランジャを前記雌ねじにねじ係合されるねじ部材と、先端部がボディの一端開口から外部に臨むスライド部材とに分割し、前記ボディ内に組込まれたばね部材によりねじ部材にスライド部材に向けて移動する方向の回転力を付与した動弁装置のラッシュアジャスタにおいて、
    前記スライド部材のねじ部材に対する対向面に凹部を形成し、その凹部内に押圧子と、その押圧子の先端がねじ部材に当接する方向に向けて押圧子を付勢する弾性部材とを組込み、前記弾性部材が押圧子を付勢する弾性変形状態において押圧子の先端部がスライド部材のねじ部材に対する対向面より突出する状態で押圧子を抜止めするストッパを設けて、ねじ部材とスライド部材の対向面間に押圧子の突出長さに相当する大きさの軸方向スキマを形成したことを特徴とする動弁装置のラッシュアジャスタ。
  2. 前記弾性部材が、圧縮コイルばねからなる請求項1に記載の動弁装置のラッシュアジャスタ。
  3. 前記押圧子を前記ねじ部材と同軸上の配置とした請求項1又は2に記載の動弁装置のラッシュアジャスタ。
  4. 前記ねじ部材の押圧子と対向する上面にスペーサを設けた請求項1乃至3のいずれかの項に記載の動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
  5. 前記スペーサの下面を、中央に向けて下り勾配をもって傾斜するテーパ面とし、前記ねじ部材の上面をスペーサのテーパ面に適合するテーパ面とした請求項4に記載の動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
  6. 前記押圧子が鉄系材料からなり、その押圧子を熱処理して、表面硬度をHv650以上とした請求項1乃至5のいずれかの項に記載の動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
  7. 前記鉄系材料が、クロム鋼またはクロムモリブデン鋼からなり、熱処理が、浸炭焼入れ焼き戻しからなる請求項6に記載の動弁装置におけるラッシュアジャスタ。
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