JP2002227766A - 密閉型圧縮機 - Google Patents
密閉型圧縮機Info
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- Y10S181/00—Acoustics
- Y10S181/403—Refrigerator compresssor muffler
Abstract
圧縮機に関し、圧縮室内の共鳴音や吸入バルブで生じた
吸入圧力脈動をその発生源に近いところでより効果的に
減衰する騒音の静かな圧縮機の提供を図る。 【解決手段】 騒音発生源により近い吸入バルブポート
29近傍に共鳴空間38を設けることにより、吸入マフ
ラ31の消音機能よりも効果的な騒音の減衰が可能とな
る。また、吸入マフラ31の音響特性による特定周波数
の騒音の増幅に対し、増幅を受ける前にその周波数の騒
音を減衰しておくことができる。
Description
イクルに使用される密閉型圧縮機に関するものである。
なものが強く求められている。
る騒音を吸入マフラ上に構成した消音機能によって減衰
するものであった。従来の密閉型圧縮機としては米国特
許第5443371号明細書に示されているものがあ
る。
型圧縮機を説明する。
ある。
器内に収容されている。2はシリンダブロックである。
3はシリンダであり圧縮要素1の圧縮室4を構成する。
5はピストンでありシリンダ3内を往復運動する。6は
バルブプレートでありシリンダ3の一端を封止する。7
は吸入バルブポートでありバルブプレート6上に構成さ
れており、吸入リード8により開閉される。9は吸入マ
フラである。10はシリンダヘッドでありバルブプレー
ト6をシリンダ3の一端に固着するとともに吸入マフラ
9をバルブプレート6の吸入バルブポート7に固着す
る。
下、圧縮機という)について、以下その動作を説明す
る。
は密閉容器内に開放される。次に冷媒ガスは吸入マフラ
9,吸入バルブポート7を通過してシリンダ3とピスト
ン5で構成される圧縮室4へと吸入される。そこで、電
動要素の回転運動により往復運動するピストン5によっ
て圧縮を受けた後、吐出管を通って冷凍サイクルへと送
られる。
ド8の開閉により吸入バルブポート7部で生じた吸入圧
力脈動は吸入マフラ9を通して減衰を受けた後、密閉容
器に開放されることにより騒音を低減することができ
る。
来の構成は、吸入マフラ9の消音機能(膨張室や共鳴
室)が、発生源である圧縮室4や吸入バルブポート7か
ら離れた位置にあり、消音効果が十分に得られないばか
りか、吸入バルブポート7と消音機能をつなぐ吸入マフ
ラ9の音響特性によりある特定の周波数の騒音が増幅さ
れる可能性を有しているという欠点があった。
縮室4内の共鳴音や吸入リード8の開閉により吸入バル
ブポート7部で生じた吸入圧力脈動をその発生源に近い
ところでより効果的に減衰する騒音の少ない圧縮機を提
供するものである。
にのみ消音機能を配するため、膨張室や共鳴室を配置で
きるスペースに限りがあり、複数の周波数の騒音への対
応に限度があるという欠点があった。
もので、より多くの共振周波数の騒音を低減した騒音の
少ない圧縮機を提供するものである。
の発明は、密閉容器と、前記密閉容器内に収容された圧
縮要素と、前記圧縮要素を構成するシリンダを有するシ
リンダブロックと、前記シリンダの開口端に配した吸入
バルブポートを有するバルブプレートと、前記バルブプ
レートの反シリンダ側に固着したシリンダヘッドと、前
記シリンダヘッドに出口部が収容され、その先端の出口
開口が前記吸入バルブポートに連通する吸入マフラと、
前記シリンダヘッド内に設けられた凹部と、この前記凹
部が前記バルブプレートに覆われて形成される共鳴空間
と、前記出口部と前記共鳴空間を連通する細い導通部と
を備えたものであり、騒音発生源である前記吸入バルブ
ポートにより近い前記吸入マフラの前記出口部で前記シ
リンダヘッドに収容される部分の前記バルブプレートに
対向する側に前記導通部を設け、前記導通部を介して前
記共鳴空間を設けることにより、吸入マフラの消音機能
よりも効果的な騒音の減衰が可能となるとともに前記吸
入マフラの音響特性による特定周波数の騒音の増幅に対
し、増幅を受ける前にその周波数の騒音を減衰しておく
ことができる。
出口部で前記バルブプレートに対向する側に設け、前記
共鳴空間を前記シリンダヘッド内に構成した凹部と前記
バルブプレートの前記シリンダヘッドに対向する面とか
ら形成することにより部品点数を増やすことなく容易に
前記導通部を介して前記吸入バルブポートに連通する前
記共鳴空間を構成することができる。
の発明において、共鳴空間は吸入マフラの出口部と一体
に合成樹脂材にて成形された壁により形成されるもので
あり、冷媒ガスの吸入経路と導通部を介して結合する前
記共鳴空間での受熱を軽減することができるため、吸入
される前記冷媒ガスの温度の上昇を抑え、圧縮機の性能
の悪化を防ぐことができるとともに、部品点数を増やす
ことなく前記共鳴空間を構成できるという作用を有す
る。
の発明において、共鳴空間はシリンダヘッドに設けた凹
部と前記凹部に収容された吸入マフラの出口部の外壁と
バルブプレートのシリンダヘッドに対向する面とにより
形成されるものであり、前記シリンダヘッドに設けた前
記凹部に前記吸入マフラの前記出口部を収容した残りの
空間を前記バルブプレートの面に伏せることにより、容
易かつ部品点数を増やすことなく前記共鳴空間を構成す
ることができるとともに、前記シリンダヘッドの限られ
た領域でより大きな前記共鳴空間の容積を得ることがで
きるため、より大きな騒音減衰効果が得られるという作
用を有する。
求項3のいずれか一項に記載の発明において、共鳴空間
と吸入バルブポートとの導通部を吸入マフラの出口部の
出口開口に設けた少なくとも一つの切り欠きとするもの
であり、前記切り欠きを有する前記吸入マフラの前記出
口部の前記出口開口を前記バルブプレートの面に伏せる
ことにより、容易かつ部品点数を増やすことなく前記導
通部を構成することができるとともに、騒音発生源であ
る前記吸入バブルポートにより近い前記吸入マフラの前
記出口部の前記出口開口に前記導通部を設けるため、よ
り大きな騒音減衰効果が得られるという作用を有する。
求項3のいずれか一項に記載の発明において、共鳴空間
と吸入バルブポートとの導通部を吸入マフラの出口部の
管部に設けた少なくとも一つの孔とするものであり、部
品点数を増やすことなく容易に前記導通部を構成するこ
とができるとともに、騒音発生源である前記吸入バルブ
ポートにより近く、音響モード的に安定した前記吸入マ
フラの前記管部に前記導通部を設けることにより安定し
た騒音減衰効果が得られるという作用を有する。
求項3のいずれか一項に記載の発明において、共鳴空間
と吸入バルブポートとの導通部を吸入マフラの出口部の
出口開口に設けた少なくとも一つの切り欠きと前記吸入
マフラの前記出口部の管部に設けた少なくとも一つの孔
の両方とするものであり、部品点数を増やすことなく容
易に前記導通部を構成することができるとともに、大き
な騒音減衰効果と安定した騒音減衰効果を得ることがで
きる。また、前記共鳴空間の形状の選択の自由度が増す
という作用を有する。
求項6のいずれか一項に記載の発明において、共鳴空間
を複数備えたものであり、より大きな消音効果が得られ
るとともに前記共鳴空間の容積をそれぞれ異なったもの
にすることによって複数の周波数帯の騒音に対応が可能
であるという作用を有する。
の発明において、複数の共鳴空間を導通部に対して対称
形に配置したものであり、前記共鳴空間を前記導通部に
対して対称形に配置することによって、前記導通部に連
通する複数の前記共鳴空間の全体としての共鳴の音響モ
ードの節を空間距離の中心となる前記導通部に容易にコ
ントロールすることができることから、前記共鳴空間の
騒音減衰効果をより効果的に発揮することが可能になる
という作用を有する。
の発明において、共鳴空間と連通する複数の導通部が異
なる通路断面積または異なる通路長さを持つものであ
り、前記共鳴空間の容積との組み合わせの関係によって
共鳴周波数を決定し、それぞれの周波数の騒音を減衰す
ることが可能となるという作用を有する。
請求項9のいずれか一項に記載の発明において、共鳴空
間を構成する壁の一部に前記共鳴空間と密閉容器を連通
する微小なオイル抜き通路を備えたものであり、前記共
鳴空間にオイルが溜まるのを回避し、オイルの蓄積によ
る前記共鳴空間の消音能力の低下を防ぎ、常に十分な消
音能力を維持することが可能となるという作用を有す
る。
の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、
従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説
明を省略する。
態1による圧縮機の縦断面図である。
の要部分解斜視図である。
ある。22は圧縮要素であり密閉容器21内に収容され
ている。23は電動要素であり圧縮要素22に結合され
ている。24はシリンダブロックであり、内包するシリ
ンダ25は圧縮要素22の圧縮室26を構成する。27
はピストンでありシリンダ25内を往復運動する。28
はバルブプレートでありシリンダ25の一端を封止す
る。29は吸入バルブポートでありバルブプレート28
上に構成されており、吸入リード(図示せず)により、
吸入バルブポート29を開閉する。
共鳴音や吸入リードの開閉により吸入バルブポート29
部で生じた吸入圧力脈動を減衰させるものである。ま
た、吸入マフラは、圧縮機の性能向上の観点から熱伝導
率の低い材料、たとえば合成樹脂等で構成される。合成
樹脂としては、冷媒ガス雰囲気,高温下という使用環境
を考慮するとPBT(ポリプチレンテレフタレート)や
PPS(ポリフェニレンサルファイト)等の材料である
ことが好ましい。32は管状に形成された吸入マフラ3
1の出口部であり、その先端に出口開口33が設けられ
ている。
と吐出室36とを備えたシリンダヘッドであり、バルブ
プレート28をシリンダブロック24の一端に固着する
とともに、吸入マフラ31の出口部32を収納部35に
収納し、出口開口33をバルブプレート28の吸入バル
ブポート29に押圧している。
圧縮要素22と冷凍サイクルをつないでいる。12は冷
凍機油であり、密閉容器21の底部に溜まっている。1
3は冷媒ガスであり、冷凍サイクルと密閉型圧縮機を循
環している。
8の吸入バルブプレート29近傍のシリンダヘッド34
内に配設された凹部38aとバルブプレート28のシリ
ンダヘッド34に対向する面とから形成されており、圧
縮室26内の共鳴音や吸入リードの開閉により吸入バル
ブポート29部で生じた吸入圧力脈動を減衰する手段と
しての消音器である。
吸入マフラ31の出口部32の先端の出口開口33のバ
ルブプレート28に対向する側に設けられ、出口部32
と共鳴空間38を連通している。
以下その動作を説明する。
により吸入バルブポート29部で生じた吸入圧力脈動
は、騒音発生源である圧縮室26及び吸入バルブポート
29により近い吸入マフラ31のシリンダヘッド34に
収容される部分のバルブプレート28に対向する側に導
通部39を設け、導通部39を介して吸入バルブポート
29に連通する共鳴空間38を設けることにより、共鳴
空間38の騒音減衰効果により減衰を受けた後、吸入マ
フラ31を通して更に減衰を受けて密閉容器21に開放
されるため、従来の吸入マフラのみの場合に比べてより
効果的に騒音を低減することができる。
な空間距離を有しているため、通過する騒音の波長によ
り、増幅を行なう場合が多々ある。このような場合、そ
の周波数の音を共鳴空間38によって、あらかじめ減衰
しておくことは大変有効な手段である。
ブプレート28に対向する側に設け、共鳴空間38をシ
リンダヘッド34内に構成した凹部38aとバルブプレ
ート28のシリンダヘッド34に対向する面とから形成
することにより部品点数を増やすことなく容易に導通部
39を介して吸入バルブポート29に連結する出口部に
連通する共鳴空間38を構成することができる。
形態2による圧縮機の要部分解斜視図である。
9は吸入バルブポートである。40は吸入マフラであ
り、圧縮室26内の共鳴音や吸入リードの開閉により吸
入バルブポート29部で生じた吸入圧力脈動を減衰する
手段としての消音器である。吸入マフラは、圧縮機の性
能向上の観点から熱伝導率の低い材料、たとえば合成樹
脂等で構成される。合成樹脂としては、冷媒ガス雰囲
気,高温下という使用環境を考慮するとPBTやPPS
等の材料であることが好ましい。41は吸入マフラ40
と一体に合成樹脂材にて成形された壁である。42は共
鳴空間であり、壁41とバルブプレート28により構成
される。43は出口部、44は出口開口部であり、吸入
マフラ40の吸入バルブポート29への接続部である。
45は導通部であり吸入マフラ40の出口開口44に設
けられた切り欠きである。
以下その動作を説明する。
壁41を熱伝導性の低い合成樹脂材にて吸入マフラ40
と一体に成形することによって、圧縮室26に吸入され
る冷媒ガス13に対する加熱を抑え、圧縮機の性能を大
きく損なうことなく共鳴空間42を形成したのでその消
音効果により圧縮機の騒音を低減することが可能とな
る。
とにより、部品点数を増やすことなく容易に共鳴空間4
2を形成することが可能となる。
けた切り欠きをバルブプレート28に対向させることに
より、部品点数を増やすことなく容易に吸入バルブポー
ト29と連結する出口部43と共鳴空間42を連通する
導通部45を形成することが可能となる。また、騒音発
生源である吸入バルブポート29により近い位置に導通
部45を設けるため、より大きな騒音減衰効果を得るこ
とができる。
形態3による圧縮機の要部分解斜視図である。
る。46は吸入マフラであり、圧縮室26内の共鳴音や
吸入リードの開閉により吸入バルブポート29部で生じ
た吸入圧力脈動を減衰する手段としての消音器であり、
圧縮機の性能向上の観点から熱伝導率の低い材料、たと
えば合成樹脂等で構成される。合成樹脂としては、冷媒
ガス雰囲気,高温下という使用環境を考慮するとPBT
やPPS等の材料であることが好ましい。47はシリン
ダヘッドである。48はシリンダヘッド46に形成され
た凹部である。49は凹部48とバルブプレート28に
より構成される共鳴空間である。50は吸入マフラ46
がシリンダヘッド47に収容される部位である出口部で
あり、管部51を含む。52は導通部であり吸入マフラ
46の管部51に設けられた孔である。
以下その動作を説明する。
けられた凹部48に吸入マフラ46の一部を収納し、バ
ルブプレート28のシリンダヘッド47に対向する面に
対向させることによって、バルブプレート28,吸入マ
フラ46,シリンダヘッド47のそれぞれの壁面により
部品点数を増やすことなく容易に共鳴空間49を形成す
ることが可能となる。また、シリンダヘッド47の限ら
れたスペースを最大限に活用し、共鳴空間49の容積を
大きくすることが可能となることから、より大きな消音
効果が得られる。
孔を共鳴空間49に開口することにより、部品点数を増
やすことなく容易に吸入バルブポート29と連結する出
口部50と共鳴空間49を連通する導通部52を形成す
ることが可能となる。また、形状が単純であり音響モー
ド的に安定した吸入マフラ46の管部51に導通部52
を設けることにより、安定した騒音減衰効果を得ること
ができる。
形態4による圧縮機の要部分解斜視図である。
機の騒音特性図である。
9は吸入バルブポートである。53は吸入マフラであ
り、圧縮室26内の共鳴音や吸入リードの開閉により吸
入バルブポート29部で生じた吸入圧力脈動を減衰する
手段としての消音器であり、圧縮機の性能向上の観点か
ら熱伝導率の低い材料、たとえば合成樹脂等で構成され
る。合成樹脂としては、冷媒ガス雰囲気,高温下という
使用環境を考慮するとPBTやPPS等の材料であるこ
とが好ましい。54は吸入マフラ53と一体に合成樹脂
材にて成形された壁である。55は複数備えられた共鳴
空間であり、壁54とバルブプレート28により構成さ
れる。56は出口部であり、57は出口部56の先端に
形成された出口開口であり、吸入バルブポート29への
接続部である。58は出口部56の管部である。59は
導通部で、吸入マフラ53の出口開口57に設けられた
切り欠きであり、吸入バルブポート29に連結する出口
部56と共鳴空間55を連通する。60は導通部で、出
口部56の管部58に設けられた孔であり、吸入バルブ
ポート29に連結する出口部56と共鳴空間55を連通
する。61はシリンダヘッドであり、壁54を有する吸
入マフラ53の出口部56と管部58を収容する凹部6
2を有する。複数備えられた共鳴空間55は導通部59
及び導通部60に対して対称形に配置されている。63
は壁54に設けられた微小断面積のオイル抜き通路であ
り、共鳴空間55とシリンダヘッド61の凹部62を連
通する。
以下その動作を説明する。
口57に設けた導通部59(切り欠き)をバルブプレー
ト28に対向させ、吸入マフラ53の管部58に設けた
導通部60(孔)を共鳴空間55に開口することによ
り、部品点数を増やすことなく容易に吸入バルブポート
29に連結する出口部56と共鳴空間55を連通するこ
とが可能となる。そして、騒音発生源である吸入バルブ
ポート29により近い位置に導通部59を設けるため大
きな騒音減衰効果を得ることができる。さらに、形状が
単純であり音響モード的に安定した吸入マフラ53の管
部58に導通部60を設けることにより安定した騒音減
衰効果を得ることができる。
び導通部60に対して対称形に配置することにより、導
通部59及び導通部60に連通する複数の共鳴空間55
の全体としての共鳴の音響モードの節を空間距離の中心
となる導通部59及び導通部60に容易にコントロール
することができることから、共鳴空間55の騒音減衰効
果をより効果的に発揮することができる。
部に、共鳴空間55とシリンダヘッド61の凹部62を
連通する微小断面積のオイル抜き通路63を備えること
により、圧縮機に吸入される冷媒ガス13にわずかに含
まれる霧状の冷凍機油12が導通部59,60を介して
共鳴空間55内に蓄積するのを回避し、共鳴空間55が
冷凍機油12により塞がれるのを防止でき、十分な消音
能力を維持することが可能となる。
は、共鳴空間55の共鳴周波数以外の周波数の騒音に対
し、膨張型の消音器として機能することができる。つま
りは、共鳴空間55がオイル抜き通路63を介して共鳴
空間55の外部と連通していることから、吸入バルブポ
ート29近傍で発生した音圧の一部は導通部59及び導
通部60で絞りを受けた後、共鳴空間55で膨張し、オ
イル抜き通路63で再び絞られて共鳴空間55の外部に
開放される。多段の絞りを受け、またオイル抜き通路6
3が微小断面積であるため開放される音圧のレベルは低
いものとなる。そして、吸入バルブポート29近傍で発
生した音圧の残りは、本来の経路である吸入マフラ53
にて減衰されて外部に開放される。このとき、オイル抜
き通路63からの音圧の開放がない場合と比べて吸入マ
フラ53に入る音圧が小さくなっているため、吸入マフ
ラ53からの音圧の開放も小さくなり、結果として圧縮
機の騒音を小さくすることができる。
の騒音特性図であり、本実施の形態を採用しないものと
比較して明確な効果が得られる。
形態5による圧縮機の要部分解斜視図である。
9は吸入バルブポート、64は吸入マフラであり、圧縮
室26内の共鳴音や吸入リードの開閉により吸入バルブ
ポート29部で生じた吸入圧力脈動を減衰する手段とし
ての消音器であり、圧縮機の性能向上の観点から熱伝導
率の低い材料、たとえば合成樹脂等で構成される。合成
樹脂としては、冷媒ガス雰囲気,高温下という使用環境
を考慮するとPBTやPPS等の材料であることが好ま
しい。65は複数備えられた共鳴空間であり、66は吸
入バルブポート29と複数の共鳴空間65を連通する複
数の導通部である。
以下その動作を説明する。
ることにより、より大きな消音効果が得られる。また、
複数の導通部66の通路断面積と通路長さが同じであれ
ば、共鳴空間65の容積を大きくすれば共鳴周波数は低
くなり、共鳴空間65の容積を小さくすれば共鳴周波数
は高くなるため、共鳴空間65の容積をそれぞれ異なっ
たものにすることによって複数の周波数帯の騒音に対応
が可能となる。
の導通部66の通路断面積または通路長さをそれぞれ異
としたものであり、複数の共鳴空間65の容積が同じで
あれば、導通部66の通路断面積を大きくすれば共鳴周
波数は高くなり、導通部66の通路断面積を小さくすれ
ば共鳴周波数は低くなる。また、通路長さを長くすれば
共鳴周波数は低くなり、通路長さを短くすれば共鳴周波
数は高くなることから、共鳴空間65の容積との組み合
わせの関係によって共鳴周波数を決定し、それぞれの周
波数の騒音を減衰することができることから、複数の周
波数帯の騒音に対応が可能となる。
明は、騒音発生源により近い吸入バルブポート近傍に共
鳴空間を設けることにより、吸入マフラの消音機能より
も効果的な騒音の減衰が可能となる。また、吸入マフラ
の音響特性による特定周波数の騒音の増幅に対し、増幅
を受ける前にその周波数の騒音を減衰しておくことがで
きる。また、共鳴空間を構成する壁の一つの面をバルブ
プレートで構成するものであり、凹形状をバルブプレー
トの面に伏せることにより容易に共鳴空間を構成するこ
とができる。
の発明において、共鳴空間は吸入マフラと一体に合成樹
脂材にて成形された壁により構成されるものであり、冷
媒ガスの吸入経路と導通部を介して結合する共鳴空間の
受熱を軽減することができるため、吸入される冷媒ガス
の温度の上昇を抑え、圧縮機の性能の悪化を防ぐことが
できるとともに、部品点数をを増やすことなく共鳴空間
を構成できる。
の発明において、共鳴空間はシリンダヘッドと吸入マフ
ラとバルブプレートとにより構成されるものであり、シ
リンダヘッドに設けた凹部と吸入マフラのはまり込みの
残り空間をバルブプレートの面に伏せることにより、容
易かつ部品点数を増やすことなく共鳴空間を構成するこ
とができるとともに、シリンダヘッドの限られた領域で
より大きな共鳴空間容積を得ることができるため、より
大きな消音効果を得ることができる。
求項3のいずれか一項に記載の発明において、共鳴空間
と吸入バルブポートとの導通部を吸入マフラの出口部の
出口開口に設けた少なくとも一つの切り欠きとするもの
であり、切り欠きを有する吸入マフラの出口部をバルブ
プレートの面に伏せることにより、容易かつ部品点数を
増やすことなく導通部を構成することができる。また、
騒音発生源である吸入バルブポートにより近い位置に導
通部を設けるため、より大きな騒音減衰効果を得ること
ができる。
求項3のいずれか一項に記載の発明において、共鳴空間
と吸入バルブポートとの導通部を吸入マフラの出口部の
管部に設けた少なくとも一つの孔とするものであり、部
品点数を増やすことなく容易に導通部を構成することが
できる。また、音響モード的に安定した吸入マフラの管
部に導通部を設けることにより、安定した騒音減衰効果
を得ることができる。
求項3のいずれか一項に記載の発明において、共鳴空間
と吸入バルブポートとの導通部を吸入マフラの出口部の
出口開口に設けた少なくとも一つの切り欠きと吸入マフ
ラの出口部の管部に設けた少なくとも一つの孔の両方と
するものであり、部品点数を増やすことなく容易に導通
部を構成することができるとともに、共鳴空間の形状の
選択の自由度が増す。また、大きな騒音減衰効果と安定
した騒音減衰効果を得ることができる。
求項6のいずれか一項に記載の発明において、共鳴空間
を複数備えたものであり、より大きな消音効果が得られ
るとともに共鳴空間容積をそれぞれ異なったものにする
ことによって複数の周波数帯の騒音に対応が可能であ
る。
の発明において、複数の共鳴空間を導通部に対して対称
形に配置したものであり、共鳴空間を導通部に対して対
称形に配置することによって、導通部に導通する共鳴空
間の総合による共鳴のモードの節を導通部にコントロー
ルすることができることから、共鳴空間の騒音減衰効果
をより効果的に発揮することが可能になる。
の発明において、共鳴空間と導通する複数の導通部の通
路断面積または通路長さをそれぞれ異としたものであ
り、共鳴空間の容積との組み合わせの関係によって共鳴
周波数を決定し、それぞれの周波数の騒音を減衰するこ
とが可能となる。
請求項9のいずれか一項に記載の発明において、共鳴空
間を構成する壁の一部に共鳴空間と密閉容器を連通する
オイル抜き通路を備えたものであり、共鳴空間にオイル
が溜まるのを回避し、オイルの蓄積による共鳴空間の消
音能力の低下を防ぎ、常に十分な消音能力を維持するこ
とが可能となる。
断面図
部分解斜視図
部分解斜視図
部分解斜視図
部分解斜視図
部分解斜視図
る密閉型圧縮機の騒音特性図
Claims (10)
- 【請求項1】 密閉容器と、前記密閉容器内に収容され
た圧縮要素と、前記圧縮要素を構成するシリンダを有す
るシリンダブロックと、前記シリンダの開口端に配した
吸入バルブポートを有するバルブプレートと、前記バル
ブプレートの反シリンダ側に固着したシリンダヘッド
と、前記シリンダヘッドに出口部が収容され、その先端
の出口開口が前記吸入バルブポートに開口する吸入マフ
ラと、前記シリンダヘッド内に設けられた凹部と、前記
凹部が前記バルブプレートに覆われて形成される共鳴空
間と、前記出口部と前記共鳴空間を連通する細い導通部
とを備えたことを特徴とする密閉型圧縮機。 - 【請求項2】 共鳴空間は吸入マフラの出口部と一体に
合成樹脂材にて成形された壁により形成されることを特
徴とする請求項1に記載の密閉型圧縮機。 - 【請求項3】 共鳴空間はシリンダヘッドに設けた凹部
と前記凹部に収容された吸入マフラの出口部の外壁とバ
ルブプレートにより形成されることを特徴とする請求項
1に記載の密閉型圧縮機。 - 【請求項4】 導通部は吸入マフラの出口部の先端の出
口開口に設けた少なくとも一つの切り欠きとすることを
特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載
の密閉型圧縮機。 - 【請求項5】 導通部は吸入マフラの出口部の管部に設
けた少なくとも一つの孔とすることを特徴とする請求項
1から請求項3のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。 - 【請求項6】 導通部は吸入マフラの出口部の出口開口
に設けた少なくとも一つの切り欠きと吸入マフラの出口
部の管部に設けた少なくとも一つの孔の両方とすること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記
載の密閉型圧縮機。 - 【請求項7】 複数の共鳴空間を備えたことを特徴とす
る請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の密閉型
圧縮機。 - 【請求項8】 複数の共鳴空間を導通部に対して対称形
に配置したことを特徴とする請求項7記載の密閉型圧縮
機。 - 【請求項9】 複数の導通部が異なる通路断面積または
異なる通路長さを持つことを特徴とする請求項7に記載
の密閉型圧縮機。 - 【請求項10】 共鳴空間と密閉容器を連通するオイル
抜き通路を備えたことを特徴とする請求項1から請求項
9のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
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