JP4407523B2 - 密閉型圧縮機 - Google Patents

密閉型圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP4407523B2
JP4407523B2 JP2005019423A JP2005019423A JP4407523B2 JP 4407523 B2 JP4407523 B2 JP 4407523B2 JP 2005019423 A JP2005019423 A JP 2005019423A JP 2005019423 A JP2005019423 A JP 2005019423A JP 4407523 B2 JP4407523 B2 JP 4407523B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
muffler
hermetic compressor
suction
space
suction muffler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2005019423A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005113926A (ja
Inventor
昌彦 尾坂
秀俊 西原
年彦 太田
昭彦 窪田
学 茂手木
宏樹 淡島
健 小島
和仁 野口
一朗 喜多
昌浩 角谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2005019423A priority Critical patent/JP4407523B2/ja
Publication of JP2005113926A publication Critical patent/JP2005113926A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4407523B2 publication Critical patent/JP4407523B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compressor (AREA)

Description

本発明は、冷蔵庫,ショーケース等の冷凍空調装置における密閉型圧縮機に関するものである。
近年、冷蔵庫,ショーケース等の冷凍冷蔵装置や空調装置における密閉型圧縮機には、効率向上,低騒音化、高い信頼性の技術が求められると共に、これを安価に提供していくということも重要な要素である。
従来の密閉型圧縮機としては例えば特許文献1がある。
以下、図面を参照しながら上記従来の密閉型圧縮機を説明する。
図14は従来の密閉型圧縮機の断面図である。図15は従来の密閉型圧縮機のシリンダヘッドに取り付けられる吸入マフラーの分解斜視図である。
図14において、1は密閉容器である。2は圧縮要素であり、密閉容器1内に収容されている。3は電動要素であり、圧縮要素2に結合されている。4はシリンダであり、圧縮要素2の圧縮室5を構成する。6はピストンであり、シリンダ4内を往復運動する。7はバルブプレートであり、シリンダ4の一端を封止する。8はシリンダヘッドであり、バルブプレート7をシリンダ4に固着すると共に吸入マフラー(図13には図示せず)をバルブプレート7に固着する。10は吸入管である。11は冷凍機油であり、密閉容器1の底部に溜まっている。
図15において、12は圧縮室5や吸入バルブ(図示せず)で発生した騒音を減衰する消音手段としての吸入マフラーである。密閉型圧縮機の性能向上の観点から熱伝導率の低い材料、たとえば合成樹脂材で構成されることが望ましい。合成樹脂材としては、冷媒ガス雰囲気,高温下という使用環境を考慮するとPBTやPPSの材料であるとよい。
吸入マフラー12はマフラー本体13とマフラーカバー9とからなっている。マフラー本体13とマフラーカバー9は溶着や嵌め込みなどにより結合し、マフラー空間14を形成する。15は入口管で、一端は密閉容器1内に開口し、他端はマフラー空間14に開口している。16は出口管で、一端はバルブプレート7側に開口し、他端はマフラー空間14に開口している。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
冷凍サイクル(図示せず)より密閉型圧縮機に戻った冷媒ガスは吸入管10を通って密閉容器1内に一旦開放される。その後、冷媒ガスは吸入マフラー12,バルブプレート7を通過して圧縮室5へと流入する。ここで、電動要素3の回転運動により往復運動するピストン6によって圧縮された後、冷凍サイクルへと送られる。
このとき、ピストン6の往復運動や吸入バルブの開閉運動によって圧縮室5内で冷媒ガスの圧力脈動が生じる。この圧縮室5内で生じた圧力脈動は冷媒ガスの流れとは逆向きに伝播し、出口管16を通じてマフラー空間14に一旦開放され、その後、入口管15を通して密閉容器1に開放されることによって減衰し、低い騒音として放射されることとなる。
また、他の従来の密閉型圧縮機としては例えば特許文献2がある。
図16は他の従来の密閉型圧縮機の断面図である。
図16において、18は密閉容器である。19は圧縮要素であり、密閉容器18内に収容されている。20は電動要素であり、圧縮要素19に結合されている。21はシリンダであり、圧縮要素19の圧縮室22を構成する。23はピストンであり、シリンダ21内
を往復運動する。24はバルブプレートであり、シリンダ21の一端を封止する。25は吸入バルブであり、バルブプレート24とシリンダ21の間に介在する。26はシリンダヘッドであり、バルブプレート24をシリンダ21に固着すると共に吸入マフラー27をバルブプレート24に固着する。28は吸入管である。29は冷凍機油であり、密閉容器18の底部に溜まっている。吸入マフラー27は吸入マフラー本体30と吸入マフラーカバー31とからなっている。吸入マフラー本体30と吸入マフラーカバー31は溶着や嵌め込みなどにより結合し、マフラー空間32を形成する。33は入口部で、密閉容器18とマフラー空間32を流体的に結合している。34は出口管で、一端はバルブプレート24側に開口し、他端はマフラー空間32に開口している。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
冷凍サイクル(図示せず)より密閉型圧縮機に戻った冷媒ガスは密閉容器18内に一旦開放される。その後、冷媒ガスは吸入マフラー27,バルブプレート24を通過して圧縮室22へと流入する。ここで、電動要素20の回転運動により往復運動するピストン23によって圧縮された後、冷凍サイクルへと送られる。
このとき、圧縮室22内で生じた圧力脈動は冷媒ガスの流れとは逆向きに伝播し、出口管34を通じてマフラー空間32に一旦開放され、その後入口部33を通して密閉容器18に開放されることにより減衰し、低い騒音として放射されることとなる。
米国特許第5971720号明細書 米国特許第5496156号明細書
しかしながら、上記従来の構成は、入口管15の密閉容器1側開口部に容積を有することは高効率化を図るために有効な手段であるが、吸入マフラー12を形成する壁面と全く異なる壁面にて入口管15の密閉容器1側開口部の容積を成形することは吸入マフラー12の形状を複雑にしてしまい、製作に要するコストの増大を招いてしまう。一方、吸入マフラー27を形成する壁面上にある入口部33の密閉容器18側開口部に十分な容積を設けるにはスペース的な限りがあり、高効率化を図るために入口部33の密閉容器18側開口部の容積を大きくするとマフラー空間32は小さくなってしまい、十分な消音効果が得られないという欠点を有していた。
本発明の他の目的は、吸入マフラーの壁面と異なる壁面にて密閉容器側開口部の容積を形成することによって、吸入マフラーの容積を減じることがなく、密閉容器側開口部の容積を大きくすることができ、吸入マフラーの形状を簡素化することができるので、騒音が静かで効率の高い安価な密閉型圧縮機を提供するものである。
本発明の他の目的は、上述した吸入マフラーを組み込んだ密閉型圧縮機を塩素を含まない冷媒に適用することによって、環境面においても安全な密閉型圧縮機を提供するものである。
本発明の他の目的は、上述した吸入マフラーを組み込んだ密閉型圧縮機を炭化水素系冷媒に適用することによって、環境面においても安全な密閉型圧縮機を提供するものである。
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機の導入部はマフラー本体を形成する壁面とは背面でのみ一致し他の壁面はマフラー本体の壁面と異なる壁面で形成され
るとともに、導入部の吸入マフラー側開口部を導入部壁面により吸入管に相対する向きとしたものであり、マフラー空間を減じることなく、導入部の容積を大きくすることができる。また冷媒ガスを温度の高い密閉容器1内雰囲気より一時的に隔絶し保持することができるので冷媒ガスを低温のまま吸入マフラーへ導くことができる。また、別途導入部を設ける場合と比して金型費を低くすることができると共に、材料を少なくすることができる。
本発明の密閉型圧縮機は、マフラー空間を減じることなく、導入部の容積を大きくすることができる。従って、マフラー空間の容積を減じることがないので、より効果的に騒音を低減することとなる。また、冷媒ガスを低温のまま吸入マフラーへ導くことができるので、高い効率を得ることができる。金型費を低くすることができると共に、材料を少なくすることができるので、コストの低減が図れることとなる。
本発明の請求項1に記載の発明は、密閉容器と、電動要素と、前記電動要素により回転駆動する圧縮要素と、前記密閉容器に配設された吸入管と、吸入マフラーとを備え、前記吸入マフラーは、一端が前記密閉容器内に開口し他端は入口管に開口した導入部と、一端が前記導入部に開口し他端は前記吸入マフラー内に開口した前記入口管と、一端が前記吸入マフラー内に開口し他端は前記圧縮要素に開口した出口管と、マフラー空間を形成する壁面を備えたマフラー本体とからなり、前記導入部は、前記マフラー本体を形成する壁面とは背面でのみ一致し他の壁面は前記マフラー本体の壁面と異なる壁面形成されるとともに、前記導入部の前記吸入マフラー側開口部は前記導入部壁面により前記吸入管に相対する向きを有するものであり、前記マフラー空間を減じることなく、前記導入部の容積を大きくすることができるので、前記吸入管より流入する冷媒ガスを低温で前記吸入マフラーへ導くことができる、併せて前記吸入マフラーの形状を簡素化することができるという作用を有する。
本発明の請求項2に記載の発明は、導入部は略矩形の密閉容器側開口部と、略直方体のうち空間を有するものであり、マフラー空間を減じることなく、前記導入部の容積をより大きくすることができるので、前記吸入管より流入する冷媒ガスをより多くかつ低温で吸入マフラーへ導くことができる、併せて前記吸入マフラーの形状を簡素化することができるという作用を有する。
本発明の請求項3に記載の発明は、塩素を含まない冷媒に用いられる請求項1に記載の密閉型圧縮機としたものであり、塩素を含まない冷媒環境下においても上述した全ての作用を発揮することができる。
本発明の請求項4に記載の発明は、炭化水素系冷媒に用いられる請求項1に記載の密閉型圧縮機としたものであり、炭化水素系冷媒環境下においても上述した全ての作用を発揮することができる。
以下、本発明による密閉型圧縮機の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
参考例1
図1は本発明の参考例1による密閉型圧縮機の要部正面図である。図2は本発明の参考例1による密閉型圧縮機の要部断面図である。図3は本発明の参考例1による密閉型圧縮機に用いられる吸入マフラーの要部断面図である。
図1,2,3において、35は密閉容器である。36は圧縮要素であり、密閉容器35内に収容されている。37は電動要素であり、圧縮要素36に結合されている。38はシリンダであり、圧縮要素36の圧縮室39を構成する。40はピストンであり、シリンダ38内を往復運動する。41はバルブプレートであり、シリンダ38の一端を封止する。42は吸入バルブであり、バルブプレート41とシリンダ38の間に介在する。43はシリンダヘッドであり、バルブプレート41をシリンダ38に固着すると共に吸入マフラー44をバルブプレート41に固着する。45は吸入管である。46は冷凍機油であり、密閉容器35の底部に溜まっている。
吸入マフラー44は、圧縮室39や吸入バルブ42で発生した騒音を減衰する手段としての消音器である。密閉型圧縮機の性能向上の観点から熱伝導率の低い材料、たとえば合成樹脂材で構成されることが望ましい。合成樹脂材としては、冷媒ガス雰囲気,高温下という使用環境を考慮するとPBTやPPSの材料であるとよい。
47はマフラー本体,48はマフラーカバーであり、通常、超音波溶着法等の方法により互いに溶着結合させることで、吸入マフラー44を形成する。マフラーカバー48は、平板状で簡素な形状をしており、マフラー空間49を形成する上側壁面としての機能を備えている。
50は入口管で、一端は密閉容器35内に開口し他端は吸入マフラー44内に開口しており、マフラー本体47に一体に形成されている。
51は出口管で、一端は吸入マフラー44内に開口し他端は圧縮要素36側に開口しており、マフラー本体47に一体に形成されている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
冷凍サイクル(図示せず)より密閉型圧縮機に戻った冷媒ガスは吸入管45を通って密閉容器35内に一旦開放される。その後、冷媒ガスは吸入マフラー44,バルブプレート41を通過して圧縮室39へと流入する。ここで、電動要素37の回転運動により往復運動するピストン40によって圧縮された後、冷凍サイクルへと送られる。
このとき、ピストン40の往復運動や吸入バルブ42の開閉運動によって圧縮室39内で冷媒ガスの圧力脈動が生じる。圧縮室39内で生じた圧力脈動は冷媒ガスの流れとは逆向きに伝播し、出口管51を通じてマフラー空間49に一旦開放される。ここで、マフラーカバー48は平板状の簡素な形状を有しているので均肉化しており成形時のひけや歪による変形が少なくなる。よって、マフラー本体47との結合を成形時の変形が大きい場合と比べて溶着性がよくなり、良好なシールが得られるため、マフラー本体47とマフラーカバー48との結合部から圧力脈動がほとんど漏れることがなく、吸入マフラー44が有する消音効果を十分に発揮することとなる。従って、出口管51を通じてマフラー空間49に開放された圧力脈動を十分に減衰してから後、入口管50を通して密閉容器35に開放することができるので、より効果的に騒音を低減することとなる。
また、マフラーカバー48を平板状の簡素な形状とすることにより、金型費を小さくできると共に材料重量を小さくできるので、マフラーカバー48の製作に要する費用を小さくできることとなる。更に、超音波溶着に要する受け治具の形状もマフラーカバー48の簡素な形状と同じ形をとるため、治具金型費用を小さくすることができる。
参考例2
図4は本発明の参考例2による密閉型圧縮機に用いられる吸入マフラーの要部断面図,
図5はそのマフラーカバーの上面図である。なお、図4に示した吸入マフラーを用いた密閉型圧縮機は、図1に示した密閉型圧縮機とは吸入マフラーが異なるのみであるので、図示しない。
図4,5において、52は吸入マフラーであり、マフラー本体53とマフラーカバー54からなり、溶着などの方法により互いに結合し、マフラー空間55を形成する。
56は共鳴空間壁で、マフラー本体53の内壁面に沿うようにマフラーカバー54に一体に形成されており、共鳴空間57を形成する。
58は入口管で、一端は密閉容器35内に開口し他端は吸入マフラー52内に開口しており、マフラー本体53に一体に形成されている。
59は出口管で、一端は吸入マフラー52内に開口し他端は圧縮要素36側に開口しており、マフラー本体53に一体に形成されている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
圧縮室39内で生じた圧力脈動は冷媒ガスの流れとは逆向きに伝播し、出口管59を通じてマフラー空間55に一旦開放され、共鳴空間57に相応した周波数の圧力脈動成分を集中的に低減した後、入口管58を通して密閉容器35に開放されることによって、より効果的に騒音を低減することとなる。より具体的には、密閉容器35内の空間はR134aの冷媒環境下においては約500Hzの共鳴周波数を、R600a冷媒環境下においては約500から630Hzの共鳴周波数を有しているので、これらの周波数での消音が十分でないと、密閉型圧縮機として非常に高い騒音となってしまう。そこで、共鳴空間57の共鳴周波数をこれらの周波数に合致させることによって、圧力脈動中に含まれるこれらの周波数成分を共鳴空間57に吸収することができるので、密閉容器35内の空間への加振を低減し、密閉型圧縮機としての騒音を低くすることができる。更に、共鳴空間57の容積に応じて圧力脈動の吸収量が定まることから、マフラー本体53の内壁面に沿うように共鳴空間壁56を形成することで有効な騒音低減手段である。
参考例3
図6は本発明の参考例3による密閉型圧縮機に用いられる吸入マフラーの要部断面図である。なお、図6に示した吸入マフラーを用いた密閉型圧縮機は、図1に示した密閉型圧縮機とは吸入マフラーが異なるのみであるので、図示しない。
図6において、60は吸入マフラーであり、マフラー本体61とマフラーカバー62からなり、溶着などの方法により互いに結合し、マフラー空間63を形成する。
64は遮蔽板で、遮蔽板64の上端部側でマフラーカバー62に一体に形成されており、入口管65の吸入マフラー60側開口部中心と出口管66の吸入マフラー60側開口部中心とを結ぶ直線より遮蔽板64の上端部側に遮蔽板64の下端部がある。
入口管65は、一端は密閉容器35内に開口し他端は吸入マフラー60内に開口しており、マフラー本体61に一体に形成されている。
出口管66は、一端は吸入マフラー60内に開口し他端は圧縮要素36側に開口しており、マフラー本体61に一体に形成されている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
冷媒ガスは、ピストン40の往復運動により生じた吸引力によって入口管65の吸入マフラー60側開口部から出口管66の吸入マフラー60側開口部へ向かって略直線的に流れるので、遮蔽板64と関係せずスムーズに圧縮室39へ流入することができ、効率の維持が図れることとなる。一方、圧縮室39内で生じた圧力脈動は冷媒ガスの流れとは逆向きに伝播し、出口管66を通じてマフラー空間63へ放射状に開放される。このとき、圧力脈動としてはマフラー空間63からの出口となる入口管65へ向かう圧力脈動を遮蔽板64によって直接放射することなく反射することで、圧力脈動の伝播経路を長くすることができるので大きな減衰を得ることができ、より効果的に騒音を低減することとなる。より具体的には、圧縮室39で生じる圧力脈動は運転周波数のような低周波の成分から5kHz以上の高周波の成分まで幅広く含んでおり、特に2k〜4kHzの高周波成分はその脈動レベルが大きい。脈動レベルを低減する方法としては入口管65や出口管66の内径を小さくするなどの方法が周知であるが、密閉型圧縮機として重要な特性の1つである効率を減じてしまうという負の効果を有している。そこで高周波の成分は伝播経路の長さに応じてよく減衰する性質であるので、圧縮室39で生じた圧力脈動に対してのみ伝播経路を長くすることのできる遮蔽板64は、効率を維持しながら騒音を低減するに有効な手段であるといえる。
また、遮蔽板64をマフラーカバー62に一体に形成することによって、騒音について同様の効果を得るために遮蔽板64をマフラー本体61他に別途結合手段を設ける場合と比べて製作が容易になり、結合手段を設けるに要するコストを省略することができることとなる。
参考例4
図7は本発明の参考例4による密閉型圧縮機に用いられる吸入マフラーの要部断面図である。なお、図7に示した吸入マフラーを用いた密閉型圧縮機は、図1に示した密閉型圧縮機とは吸入マフラーが異なるのみであるので、図示しない。
図7において、67は吸入マフラーであり、マフラー本体68とマフラーカバー69からなり、溶着などの方法により互いに結合し、マフラー空間70を形成している。
71は入口管で、一端は密閉容器35内に開口し他端は吸入マフラー67内に開口しており、マフラー本体68の壁面と一体に形成されている。
72は出口管で、一端は吸入マフラー67のマフラー空間70の略中央に開口し他端は圧縮要素36側に開口しており、マフラー本体68の密閉容器35側壁面に一体に形成されている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
圧縮室39内で生じた圧力脈動は冷媒ガスの流れとは逆向きに伝播し、出口管72を通じてマフラー空間70に一旦開放される。このとき、圧力脈動による加振に対してマフラー本体68の壁面は入口管71、出口管72を一体に形成することにより剛性が向上されているので、マフラー本体68の壁面の振動は十分に抑制される。従って、壁面振動に伴う騒音を低減することができることとなる。特に、マフラー本体68の電動要素37側の壁面に対して密閉容器35側の壁面の振動は、密閉型圧縮機としての騒音の放射面である密閉容器35により近いことから騒音として現れやすいので、マフラー本体68の密閉容器35側壁面の剛性を高くすることは騒音低減を行なう上で有効である。
また、マフラー空間70の略中央に出口管72の一端を開口することにより、マフラー
空間70が単独で有する低次の共鳴振動、即ちマフラー空間70の略中央を振動の腹とする振動を抑制することができるので、圧力振動のこの振動に相応する周波数成分を減衰することとなり、より効果的に騒音を低減することとなる。
実施の形態1
図8は本発明の実施の形態1による密閉型圧縮機に用いられる吸入マフラーの要部断面図である。図9は本発明の実施の形態1による密閉型圧縮機に用いられる吸入マフラーの背面図である。なお、図8,9に示した吸入マフラーを用いた密閉型圧縮機は、図1に示した密閉型圧縮機とは吸入マフラーが異なるのみであるので、図示しない。
図8,9において、73は吸入マフラーであり、マフラー本体74とマフラーカバー75からなり、溶着などの方法により互いに結合し、マフラー空間76を形成する。
77は導入部で、マフラー本体74に一体に形成すると共に、一端が密閉容器35内に開口し他端は入口管78に開口し、導入部77を形成する壁面とマフラー本体74を形成する壁面とは背面79でのみ一致し残る他の壁面は異なり、導入部77の密閉容器35側開口部80は略矩形の開口形状を有すると共に略直方体のうち空間を有し吸入管45に相対する向きを有している。
入口管78は、一端が導入部77に開口し他端は吸入マフラー73内に開口していると共に、マフラー本体74に一体に形成されている。
81は出口管で、一端が吸入マフラー73内に開口し他端は圧縮要素36に開口していると共に、マフラー本体74に一体に形成されている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
吸入管45より戻った冷媒ガスは、導入部77を通って入口管78よりマフラー空間76へ流入し、出口管81を通して圧縮室39へ送られる。このとき、重要なことは冷媒ガスをより低い温度のまま圧縮室39へ送ることで、より高い効率を得ることができる。略矩形の開口形状を有すると共に略直方体のうち空間を有した導入部77は、その内空間に多くの冷媒ガスを保持することができると共に温度の高い密閉容器35内雰囲気より一時的に隔絶することができるので、冷媒ガスをより低い温度のまま圧縮室39へ送ることが可能となる。
一方、圧縮室39内で生じた圧力脈動は冷媒ガスの流れとは逆向きに伝播し、出口管81を通じてマフラー空間76に一旦開放される。このとき、マフラー空間76の容積に応じて圧力脈動の減衰量が定まることからマフラー空間76を大きくすることが望ましい。導入部77のうち空間を略直方体とすると共に背面79でのみ吸入マフラー73と導入部77の壁面を一致させることにより導入部77のうち空間の容積を大きいままにマフラー空間76の容積を大きくすることができるので、より効果的に騒音を低減することとなる。
また、導入部77は、背面79をマフラー本体74と同じくしているので、別途導入部を設ける場合と比して金型費を低くすることができると共に、材料を少なくすることができるので、製作に要するコストを小さくできることとなる。
参考例5
図10は本発明の参考例5による密閉型圧縮機の要部断面図である。図11は本発明の参考例5による密閉型圧縮機に用いられる吸入マフラーの要部断面図である。
図10,11において、82は毛細管であり、一端が冷凍機油46に開口し他端は吸入マフラー83の出口管84に開口している。
吸入マフラー83は、マフラー本体85とマフラーカバー86からなり、溶着などの方法により互いに結合し、マフラー空間87を形成する。
マフラー本体85は、一端が密閉容器35内に開口し他端が吸入マフラー空間87内に開口した入口管88と、一端が吸入マフラー空間87内に開口し他端が圧縮要素36側に開口した出口管84を備えている。
出口管84は、毛細管82の出口管84側開口位置とほぼ同じもしくは出口管84の吸入マフラー83側開口部に寄った位置を境として出口管84の圧縮要素36側の内径が出口管84の吸入マフラー空間87側の内径より小さいものとなっている。
入口管88は、マフラー本体85に一体に形成されている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
冷媒ガスは、入口管88よりマフラー空間87へ流入し、出口管84を通して圧縮室39へ送られる。このとき、出口管84内の冷媒ガスの流速は出口管84の内径に反比例して出口管84の吸入マフラー空間87側より圧縮要素36側に向かって大きくなるので、毛細管82の出口管84側開口部において十分大きな流速が得られることとなる。これにより密閉容器35内の圧力に対して毛細管82の出口管84側開口部付近の圧力が小さくなるので圧力差が発生し、密閉容器35内の下部に貯留する冷凍機油46を、毛細管82から出口管84を通じて圧縮室39へ送出できることとなる。
一般に、良好な潤滑を図るために出口管84における冷媒ガスの大きな流速を得る方法としては出口管84の内径をより小さくすることが周知である。しかしながら、この方法によれば、出口管84における圧力損失が大きく、密閉型圧縮機の効率を減じることとなる。従って、出口管84の吸入マフラー83側開口部に寄った位置を境として出口管84の圧縮要素36側の内径が出口管84の吸入マフラー83側の内径より小さいものとすることは、出口管84内における冷媒ガスの流れを次第に速めることができ、冷媒ガスの流れを阻害することないので、密閉型圧縮機の効率を維持しながら、良好な潤滑を得るに十分な量の冷凍機油46を毛細管82を通じて圧縮室39へ供給することができる有効な手段である。
実施の形態2
本発明の実施の形態2は、本発明の実施の形態1による密閉型圧縮機を組み込み、塩素を含まない冷媒もしくは、炭化水素系冷媒を冷媒として用いた冷蔵庫,ショーケース等の冷凍冷蔵装置や空調装置(図示せず)である。
これら冷蔵庫,ショーケース等の冷凍空調装置について、その運転時の騒音を確認した結果を図12,13に示す。図12は、塩素を含まない冷媒としてR134a冷媒を用いた冷凍冷蔵装置に本発明の実施の形態1を含んだ吸入マフラーを組み込んだ密閉型圧縮機の騒音で、図13は、炭化水素系冷媒としてR600a冷媒を用いた冷凍冷蔵装置に本発明の実施の形態1を含んだ吸入マフラーを組み込んだ密閉型圧縮機の騒音である。図12,13共、横軸は3分の1オクターブ周波数を表し、その右端は全体音を表す。縦軸は騒音レベルである。図中、白抜きのプロットは従来の密閉型圧縮機の騒音を示したもので、本発明の実施の形態2による騒音は黒丸で示している。この結果からいずれの冷媒におい
ても従来の密閉型圧縮機に対して高い騒音低減効果を得た。
具体的には、図12の塩素を含まない冷媒としてR134a冷媒を用いた場合においては、500Hzの騒音が、図13の炭化水素系冷媒としてR600a冷媒を用いた場合においては500〜630Hzの騒音が、共鳴空間を配したことによりそれぞれ2〜3[dB]低減したことを確認した。また、1.6kHz〜4kHzの騒音についても各周波数帯で効果幅に差異はあるものの遮蔽板を設置したこと、及び壁面剛性を向上したことにより騒音を低減できたことを確認した。
参考例1による密閉型圧縮機の要部正面図 参考例1による密閉型圧縮機の要部断面図 参考例1による密閉型圧縮機に用いられる吸入マフラーの要部断面図 参考例2による密閉型圧縮機に用いられる吸入マフラーの要部断面図 参考例2による密閉型圧縮機に用いられるマフラーカバーの上面図 参考例3による密閉型圧縮機に用いられる吸入マフラーの要部断面図 参考例4による密閉型圧縮機に用いられる吸入マフラーの要部断面図 実施の形態1による密閉型圧縮機に用いられる吸入マフラーの要部断面図 実施の形態1による密閉型圧縮機に用いられる吸入マフラーの背面図 参考例5による密閉型圧縮機の要部断面図 参考例5による密閉型圧縮機に用いられる吸入マフラーの要部断面図 塩素を含まない冷媒としてR134a冷媒を用いた冷凍冷蔵装置に本発明の実施の形態1を含んだ吸入マフラーを組み込んだ密閉型圧縮機の騒音を示す図 炭化水素系冷媒としてR600a冷媒を用いた冷凍冷蔵装置に本発明の実施の形態1を含んだ吸入マフラーを組み込んだ密閉型圧縮機の騒音を示す図 従来の密閉型圧縮機の断面図 従来の密閉型圧縮機内に取り付けられる吸入マフラーの分解斜視図 他の従来の密閉型圧縮機の断面図
35 密閉容器
36 圧縮要素
37 電動要素
38 シリンダ
39 圧縮室
40 ピストン
41 バルブプレート
42 吸入バルブ
43 シリンダヘッド
44,52,60,67,73,83 吸入マフラー
45 吸入管
46 冷凍機油
47,53,61,68,74,85 マフラー本体
48,54,62,69,75,86 マフラーカバー
49,55,63,70,76,87 マフラー空間
50,58,65,71,78,88 入口管
51,59,66,72,81,84 出口管
56 共鳴空間壁面
57 共鳴空間
64 遮蔽板
77 導入部
79 背面
80 導入部77の密閉容器35側開口部
82 毛細管

Claims (4)

  1. 密閉容器と、前記密閉容器内に配設した電動要素と、前記電動要素により回転駆動する圧縮要素と、前記密閉容器に配設された吸入管と、吸入マフラーとを備え、前記吸入マフラーは、一端が前記密閉容器内に開口し他端は入口管に開口した導入部と、一端が前記導入部に開口し他端は前記吸入マフラー内に開口した前記入口管と、一端が前記吸入マフラー内に開口し他端は前記圧縮要素に開口した出口管と、マフラー空間を形成する壁面を備えたマフラー本体とからなり、前記導入部は、前記マフラー本体を形成する壁面とは背面でのみ一致し他の壁面は前記マフラー本体の壁面と異なる壁面形成されるとともに、前記導入部の前記吸入マフラー側開口部は前記導入部壁面により前記吸入管に相対することを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 導入部は、略矩形の密閉容器側開口部と、略直方体のうち空間を有することを特徴とする請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 塩素を含まない冷媒に用いられる請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  4. 炭化水素系冷媒に用いられる請求項1に記載の密閉型圧縮機。
JP2005019423A 2005-01-27 2005-01-27 密閉型圧縮機 Expired - Lifetime JP4407523B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005019423A JP4407523B2 (ja) 2005-01-27 2005-01-27 密閉型圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005019423A JP4407523B2 (ja) 2005-01-27 2005-01-27 密閉型圧縮機

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000359012A Division JP3677447B2 (ja) 2000-11-27 2000-11-27 密閉型圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005113926A JP2005113926A (ja) 2005-04-28
JP4407523B2 true JP4407523B2 (ja) 2010-02-03

Family

ID=34545486

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005019423A Expired - Lifetime JP4407523B2 (ja) 2005-01-27 2005-01-27 密閉型圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4407523B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5632334B2 (ja) * 2011-06-10 2014-11-26 サンデン株式会社 圧縮機の吸入マフラ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005113926A (ja) 2005-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3677447B2 (ja) 密閉型圧縮機
US20120063937A1 (en) Suction arrangement for a hermetic refrigeration compressor
JP2008540891A (ja) 冷却コンプレッサ用サクションマフラ
JP4101505B2 (ja) 密閉型圧縮機
US8858194B2 (en) Constructive arrangement for a hermetic refrigeration compressor
JP5560580B2 (ja) 密閉型圧縮機
JP4735718B2 (ja) 冷媒圧縮機
JP4407523B2 (ja) 密閉型圧縮機
JP4792675B2 (ja) 密閉型圧縮機
JP4407522B2 (ja) 密閉型圧縮機
JP4492032B2 (ja) 密閉型圧縮機
JP4475125B2 (ja) 密閉型圧縮機
JP4470747B2 (ja) 密閉型圧縮機
JPH11311179A (ja) 密閉型電動圧縮機
JP5934880B2 (ja) 密閉型圧縮機
US20130266458A1 (en) Sealed compressor
JP5793649B2 (ja) 密閉型圧縮機
KR100685758B1 (ko) 압축기의 토출 머플러
KR100555151B1 (ko) 밀폐형 압축기
JP2004036512A (ja) 空調装置
JPH10103041A (ja) 密閉型往復動式圧縮器用吸入マフラー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071004

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20071113

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091020

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091102

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4407523

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131120

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term