JP2002212943A - 地中連続壁用鋼材および地中連続壁 - Google Patents
地中連続壁用鋼材および地中連続壁Info
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Abstract
も安価に製作できる地中連続壁用鋼材および地中連続壁
を提供する。 【解決手段】 地中連続壁用鋼材1はU形鋼矢板2とH
形鋼3とから形成されている。U形鋼矢板2はウェブ部
2aとこのウェブ部2aの両端に設けられたフランジ部
2bとこの両フランジ2bの先端にそれぞれ設けられた
腕部2cとから断面ほぼU字状に形成されている。腕部
2cに水通し孔2gが多数形成されている。さらに、H
形鋼3はU形鋼矢板2の外側に一方のフランジ3aをウ
ェブ部2aに固定して設置されている。
Description
主に土砂などの崩落を防ぐ土留め壁や地下構造物の壁、
さらには河川の護岸壁などとして広く用いられる地中連
続壁用鋼材およびこの地中連続壁鋼材からなる地中連続
壁に関するものである。
崩落を防ぐ土留め壁や河川の護岸壁などに用いられる地
中連続壁用鋼材として一般に鋼矢板が使用され、その一
例としてウェブ部とこのウェブ部の両端に突出するフラ
ンジ部とから断面ほぼU字状に形成されたU形鋼矢板、
板状に形成された直線鋼矢板、そして鋼管矢板などが一
般に知られ、さらに最近では、河川の護岸壁として用い
られる鋼矢板として、自然な水循環が可能なように水通
し孔を多数有するものも開発されている。
は、図5(a)に図示するような、U形鋼矢板20のウ
ェブ部20aにT形鋼21を溶接して形成された地中連
続壁用鋼材が開示され、また特開昭62−133209
号公報には、図5(b)に図示するような、直線鋼矢板
22の一側部にH形鋼23を溶接して形成された地中連
続壁用鋼材が開示されている。
は、図5(c)に図示するような、U形鋼矢板20のウ
ェブ部20aに水通し孔20bが多数形成された地中連
続壁用鋼材が、また実開平7−34030号公報には、
図5(d)に図示するような、鋼管矢板24に水通し孔
24aが多数形成された地中連続壁用鋼材がそれぞれ開
示されている。
形鋼23と2本のZ形鋼矢板25とを組み合わせた地中
連続壁鋼材も開発されている(British Steel General
Steels Piling Handbook Sixth edition 1988)。
図示するものはそれぞれ、水通し孔20bと24aを多
数有するため、地中に連接して打ち込まれても地下水の
流れをせき止めることはないので、地下水の水位を一定
に保持することができ、また河川の護岸壁用として使用
された場合に、水通し孔を介して河川側と陸地側との間
の自然な水循環が可能なことで、動植物の生息に適した
環境を作り出すことができる。
図示する地中連続壁用鋼材は、U形鋼矢板20のウェブ
部20aの中央にT形鋼21のウェブ部21aの先端が
溶接されているため、溶接によるひずみの矯正が必要で
あり、またこの矯正が不充分だと打設に不具合を生ずる
等の課題があった。
による製作では多くの加工手間を必要とするだけでな
く、上述するようなひずみの問題もあり、またH形鋼を
切断してT形鋼21を製作しようとすると、スクラップ
が発生する等の問題があり、さらにCT形鋼を使用する
と大断面の地中連続壁用鋼材を製作できない等の課題が
あった。
鋼材は、H形鋼22が直線鋼矢板23の上端部分にのみ
取り付けられ、下端部分には特に強度が必要でないこと
から取り付けられていない場合、下端部分の剛性が小さ
いために地中に打ち込めない場合がある等の課題があっ
た。
中連続壁鋼材は、多数の水通し孔20b,24aを設け
たことで断面欠損による強度低下を免れないだけでな
く、特に図5(d)に図示する地中連続壁鋼材の場合、
鋼管で形成されていることからコスト高を免れないだけ
でなく、二重壁になることから水通しが悪い等の課題が
あった。
とH形鋼の組合せタイプのものは、2枚のZ形鋼矢板2
5をあらかじめ双方の継手を互いにかしめる等してU形
に組み合わせ、これをH形鋼23のフランジ23aに溶
接する等して取り付ける必要があるため、製作工程が多
く製作が面倒なだけでなく製作コストの割高が免れない
等の課題があり、またZ形鋼矢板25どうしの接合部お
よびZ形鋼矢板25とH形鋼23との溶接などによる接
合部に不良カ所があると、打ち込みの際に破損するおそ
れがあり、強度上の課題もあった。
されたもので、剛性がきわめて大きく、水通しもよく、
しかも安価に製作できる地中連続壁用鋼材を提供するこ
とを目的とする。
めに、請求項1記載の地中連続壁用鋼材は、ウェブ部と
このウェブ部の両端に設けられたフランジ部とこのフラ
ンジ部の一端に設けられた腕部とから断面ほぼU字状に
形成されたU形鋼矢板と、このU形鋼矢板の一側面に、
一方のフランジを固定して設置されたH形鋼とから形成
され、かつ前記腕部に水通し孔が複数設けられているこ
とを特徴とする。
に継手をそれぞれ有するものが使用されているが、継手
は対称形に設けられたもの、非対称形に設けられたもの
のいずれでもよい。
側または内側のいずれに設置されていてもよいが、内側
に設置する場合は、H形鋼のフランジ幅が小さなものと
なるので大きな断面性能が得られず、またU形鋼矢板の
フランジ部が中立軸近くに位置するので、同じサイズの
H形鋼を外側に設置する場合と比べて断面性能が小さく
なる。さらに、H形鋼をU形鋼矢板のウェブ部に固定す
る方法としては、溶接による他ボルト等による方法でも
よい。
項1記載の地中連続壁用鋼材において、腕部の先端に継
手が逆対称形に設けられていることを特徴とする。請求
項3記載の地中連続壁は、請求項1または2記載の地中
連続壁用鋼材を複数、地中に互いに隣接させて設置する
ことにより構築されていることを特徴とする。ここで、
請求項2記載の地中連続壁用鋼材を使用する場合は、腕
部の先端に設けられた継手を互いにかみ合わせること
で、隣接する地中連続壁用鋼材どうしを確実に接合する
ことができる。
に係る地中連続壁用鋼材および地中連続壁の一例を示
し、図において地中連続壁用鋼材1はU形鋼矢板2とH
形鋼3とから形成されている。
いに隣接させて設置することにより地中連続壁が構築さ
れている。U形鋼矢板2はウェブ部2aとこのウェブ部
2aの両端にやや開きぎみに形成されたフランジ部2
b,2bとこの両フランジ部2b,2bの一端にそれぞ
れ設けられた腕部2fとから断面ほぼU形状に形成され
ている。
2cと2dが非対称形に、すなわち継手2cおよび2d
の一方が外向きに、他方が内向きそれぞれ形成され、さ
らに図2(a)〜(c)に図示するものは、両側の腕部
2fに水通し孔2gが多数形成されている。
X1 −X1 (断面の主軸のうち、最大値の断面二次モー
メントを与える主軸)がU形鋼矢板2の強軸X2 −X2
と平行な状態に配置され、かつU形鋼矢板2のウェブ部
2aの外側部に一方のフランジ部3aを添わせるととも
に、フランジ部3aの幅方向の縁端部をウェブ部2aの
外側部にすみ肉溶接またはフレア溶接することによりU
形鋼矢板2と一体化されている。
2の大きさ(断面サイズ)に応じて適当な大きさ(断面
サイズ)のものが使用され、その際特にH形鋼3のフラ
ンジ3aの横幅がU形鋼矢板2のウェブ部2aのそれよ
り小さいとき、H形鋼3のフランジ部3aの縁端部は、
図3(a)に図示するようにU形鋼矢板2のウェブ部2
aの外側部にすみ肉溶接によって溶接され、H形鋼3の
フランジ3aの横幅がU形鋼矢板2のウェブ部2aのそ
れより大きいときは、図3(b)に図示するようにH形
鋼3のフランジ部3aの縁端部はU形鋼矢板2のウェブ
部2aの外側部にフレア溶接によって溶接されている。
複数、U形鋼矢板2とH形鋼3をそれぞれ同じ側に位置
させ、かつ継手2cと2dを互いにかみ合わせながら地
中に打ち込まれることで土留め壁地中連続壁(土留め
壁)4が構築されている。
をU形鋼矢板2の外側部に溶接して固着する際、H形鋼
3の一方のフランジ3aの両側縁端部の二箇所をU形鋼
矢板2のウェブ2aの外側部に溶接するので、U形鋼矢
板2に溶接によるひずみが発生しにくく、このため打設
時の不具合や出来形不良が生じにくい。
で、加工手間が省けるだけでなくスクラップの発生する
こともなく、さらに形鋼としてCT形鋼を使用するより
もはるかに高い断面性能を持つ地中連続壁用鋼材を提供
できる。
合でも、U形鋼矢板2の剛性が比較的大きいため地中へ
の打ち込みも支障なくでき、直線鋼矢板とH形鋼とから
なるタイプの問題点も解消される。
非対称形に形成されていることで、地中に連接して打ち
込んで地中連続壁を形成する際、U形鋼矢板2の横断面
形状を同一方向にそろえてU形鋼矢板2どうしを直線状
に結合できることから、継手が対称のものと比べて、鋼
製連壁の幅を小さくすることができる。
手2cとの間およびフランジ部2bと継手2dとの間に
U形鋼矢板2の幅方向に延びる腕部2fがそれぞれ形成
されていることで、U形鋼矢板2の剛性が増し、その分
H形鋼3の小断面化が図れる等の効果がある。
どで地中に打設する際、腕部2fを把持して打設するこ
とができ、しかも腕部2fは打設法線方向に対して地中
連続壁用鋼材どうしの継手部と同一線上に位置すること
により、すなわち打設時に地中連続壁鋼材に発生する回
転の中心となる継手部と平面的にずれていないため、把
持部に作用する打設力によって地中連続壁用鋼材が継手
部を中心に回転するのを阻止することができる。
ものは、腕部2fに水通し孔2gが多数形成されている
ことで、地中に連接して打ち込まれても地下水の流れを
せき止めることはないので、地下水の水位を一定に保持
することができ、また河川の護岸壁用として使用された
場合に、水通し孔2gを介して河川側と陸地側との間の
自然な水循環が可能なことで、動植物の生息に適した環
境を作り出すことができる。その際、鋼管に水抜き孔を
設けたタイプ(図5(d)参照)のように二重壁になら
ないので、河川側と陸地側との間の水循環が充分になさ
れる。
矢板2のウェブ部2aの外側部に固着する方法として
は、溶接による他に例えば図3(c),(d)にそれぞ
れ図示するように、ウェブ部2aとフランジ部3aにボ
ルト孔2eと3bをそれぞれ形成し、このボルト孔2e
と3bに固着ボルト5を挿着する方法、あるいはウェブ
部2aの外側部にスタッドボルト6を突設し、これに対
応させてフランジ部3aにボルト孔3bを形成し、そし
てボルト孔3bにスタッドボルト6を通し、その貫通部
分に固着ナット7を螺合する方法などがある。
〜(c)に図示するように腕部がない場合もある。
U形鋼矢板とこのU形鋼矢板のウェブ部の側部に突設さ
れたH形鋼とから形成されてなるので、きわめて高い断
面性能を有し、かつきわめて安価に製作できる等の効果
がある。
間に腕部が形成され、この腕部に水抜き孔が多数設けら
れているので、また河川の護岸壁用として使用された場
合に、水通し孔を介して河川側と陸地側との間の自然な
水循環が可能なことで、動植物の生息に適した環境を作
り出すことができる。
し、(a),(b)はそれぞれ地中連続壁用鋼材の横断
面図、斜視図、(c)は地中連続壁の一部横断面図であ
る。
を示し、(a),(b)はそれぞれ地中連続壁用鋼材の
横断面図、斜視図、(c)は地中連続壁の一部横断面図
である。
合方法を示す地中連続壁用鋼材の横断面図である。
を示し、(a),(b)はそれぞれ地中連続壁用鋼材の
横断面図、斜視図、(c)は地中連続壁の一部横断面図
である。
示し、(a),(c),(e)はその横断面図、
(b),(d)はその斜視図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ウェブ部とこのウェブ部の両端に設けら
れたフランジ部とこのフランジ部の一端に設けられた腕
部とから断面ほぼU字状に形成されたU形鋼矢板と、こ
のU形鋼矢板の一側面に一方のフランジを前記ウェブ部
に固定して設置されたH形鋼とから形成され、かつ前記
腕部に水通し孔が複数設けられていることを特徴とする
地中連続壁用鋼材。 - 【請求項2】 腕部の先端に継手が逆対称形に設けられ
ていることを特徴とする請求項1記載の地中連続壁用鋼
材。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の地中連続壁用鋼
材を複数、地中に互いに隣接させて設置することにより
構築されていることを特徴とする地中連続壁。
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