JP3603424B2 - 地下壁体および非対称閉断面鋼矢板 - Google Patents

地下壁体および非対称閉断面鋼矢板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、例えば建築物の地下壁や共同溝の側壁等として用いられる地下壁体およびその地下壁体の構築に用いることができる非対称閉断面鋼矢板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建設物の地下壁体を構築する一般的な方法は、図12に示すように鋼矢板32を地盤に打設して土留壁33の施工を行い、所定深さまで掘削した後、地下壁体31を構築するための型枠34および鉄筋を配置し、次に型枠34の間にコンクリート35を打設し、コンクリート35に所定の強度が得られた後、型枠34を取り外すことにより地下壁体31を構築するものである。
【0003】
その後、地下壁体31と土留壁33との間に土砂36を埋め戻し、土留壁33に用いられた仮設材である鋼矢板32を引き抜き、地下壁体31の構築工事全体が終了する。
【0004】
土留壁に図13に示すようなU型鋼矢板32を用いる際の施工方法としては、バイブロハンマーやディーゼルハンマー等の動的貫入により打ち込む工法の他、市街地においては振動騒音等の建設公害防止のため油圧装置を用いた静的貫入による圧入工法を用いる場合が多い。
【0005】
また、他の土留壁施工方法として、図14に示すようなソイルセメント柱列壁41を用いる方法もある。この場合、柱列壁41内の応力負担材であるH形鋼42等は仮設材であるため、地下壁体構築後、引き抜く方法が取られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
市街地等の狭隘な場所にビルや共同溝等を建設する場合、できるだけ隣地境界付近に地下壁体を構築したいというニーズが多い。しかし、従来の施工法では、図12に示すように、型枠工の作業スペース確保のため、土留壁と地下壁体との間に1m程度の空間が必要となる。
【0007】
しかも、隣接住民に対する振動騒音対策として、鋼矢板圧入工法やソイルセメント柱列工法を適用せざる得ない状況も多く、その場合には施工機械の制約等により、さらに隣地境界から0.5m〜1m程度離れて土留壁を構築しなくてはならない。すなわち、土留壁自体の厚さも考慮すると、隣地境界から地下壁体とのトータルスペースが2m程度必要となり、先のニーズを満足することができていないのが現状であり、問題となっている。
【0008】
また、地下壁体構築後、仮設材として通常引き抜いている鋼矢板やソイルセメント柱列壁内のH形鋼等は、隣接構造物への影響を懸念し、埋め殺しにする場合も多く、経済性の面でも問題となっている。
【0009】
本願発明は、上記課題の解決を目的としたものであり、隣地境界近傍の隣接住民や構造物に影響を与えることなく、経済的に構築可能な地下壁体の構造およびその構築に適した非対称閉断面鋼矢板を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1〜4に係る地下壁体では、土留壁を構成する鋼矢板として、横断面形状がU型の鋼矢板であって、両端の継手部の形状が左右非対称で、横断面形状を同一方向にそろえて直線状に結合可能とした非対称U型鋼矢板を用いる。
【0011】
このような非対称U型鋼矢板としては、例えば特開平5−140928号公報に記載されたものがあり、継手部が矢板壁厚方向端部に位置しているため、従来のU型鋼矢板のような継手による断面性能の低下がなく、また、同一直線上に打設が可能であることから施工性にも優れている。
【0012】
さらに、市街地等において静的圧入工法を適用せざるを得ない場合でも、矢板壁厚内に圧入マシンのチャック部を収め、継手部とフランジ部との間の腕部を把持して圧入する等して、隣地境界近傍に土留壁を構築することができる。これにより、従来の圧入工法やソイルセメント柱列工法のように施工機械の制約から必要であった隣地境界と土留壁との間のスペースが不要となる。
【0013】
請求項1に係る地下壁体は、非対称U型鋼矢板によって構築された土留壁から地下壁体の壁厚相当離れた位置に型枠部材を設置し、非対称U型鋼矢板と型枠部材とを連結部材により結合し、これら非対称U型鋼矢板と型枠部材との間にコンクリートを打設して一体化したものである。
【0014】
この場合、土留壁に用いた非対称U型鋼矢板が地下壁体の型枠を兼ね、土留壁と地下壁体との間に新たに型枠を設置するような従来の施工法と違い、型枠工の作業スペースが不要となる。
【0015】
また、近接施工の際、従来は近隣への影響を懸念して仮設材である矢板を施工後埋め殺していたが、本願発明のように型枠部材として用いた場合、地下壁体の構造部材として機能させることも十分可能である。さらに、他方の型枠部材にも鋼板を用いる等して構造部材として機能させることが可能であり、これにより地下壁体内の鉄筋を大幅に低減もしくは省略することができる。
【0016】
また、非対称U型鋼矢板と型枠鋼板とを連結部材で結合することにより、鋼殻によるコンクリートの拘束効果により、地下壁体に優れた強度特性を発揮させることができる。
【0017】
請求項2は、請求項1記載の地下壁体において、非対称U型鋼矢板と型枠部材とを結合する連結部材に開口部が形成されている場合を限定したものであり、隣り合う非対称U型鋼矢板位置の連結部材間でのコンクリートの流動を確保し、施工性を向上させることができる。
【0018】
請求項3は、型枠部材が耐火鋼からなる場合を限定したものである。建築物の地下駐車場等、火災が考えられる場所に本地下壁体を構築する場合、壁体を構成する型枠鋼板に耐火鋼を用いることにより、地下壁体に火災に対する安全性を増すことができる。
【0019】
請求項4は、非対称U型鋼矢板と連結部材との結合部、型枠部材と連結部材との結合部、または型枠部材どうしの結合部について、部材長手方向に連続する継手が形成されており、一方の部材を他方の部材に長手方向から差し込むことで両部材の連結を行っている場合を限定したものである。
【0020】
すなわち、これらの結合部において、作業スペース等の面から溶接方法が適用できない場合には、両部材間にパイプ継手、その他、差し込み連結が可能な継手を採用することにより対処することができる。
【0021】
なお、以上の連結部材は地下壁体の強度性能やコンクリートの打設性から鉛直方向に配置するのが望ましいが、地盤状態や掘削深さ等により、腹起し・切梁を設置する場合に、鉛直方向連結部材の設置が困難になることも考えられる。そのような場合には、水平方向に配置された腹起し部材を連結部材として利用するこも考えられる。なお、水平方向連結部材を用いる場合もコンクリートの打設性が問題となることが考えられるが、連結部材に開口部を設けることにより対処させることができる。
【0022】
本願の請求項5〜7に係る地下壁体では、土留壁を構成する鋼矢板として、請求項1〜4に係る地下壁体で用いたのと同様の非対称U型鋼矢板について、U型を閉合する断面位置に軸方向(長手方向)に連続する鋼板を設けてなる非対称閉断面鋼矢板を用いる。
【0023】
請求項5に係る地下壁体は、このような非対称閉断面鋼矢板によって構築された土留壁としての鋼矢板壁と、鋼矢板壁の閉断面内および鋼矢板壁の前記鋼板を有する側に打設されたコンクリートとを一体化したものである。
【0024】
すなわち、敷地の有効利用を図るため、鋼矢板土留壁に型枠としての機能を持たせる構造とし、鋼矢板土留壁と前面に打設するコンクリートとを一体化し、鋼とコンクリートとの合成断面として外力に抵抗できる構造としたものである。
【0025】
これにより、構造物完成後も鋼矢板土留壁が外力の一部を負担することとなり、地下壁体の薄肉化や鉄筋量の軽減が可能となって、鋼矢板の引き抜きが不可能でも、経済的に有利な構造とすることができる。
【0026】
請求項6は、請求項5記載の地下壁体において、U型を閉合する鋼板に開口部が形成されている場合を限定したものである。この側面を型枠の一面として地下壁体用のコンクリートを打設するとともに、閉断面部内にもコンクリートを打設することで、閉断面部内外のコンクリートが一体化され、かつ開口部のずれ止め効果によりコンクリートと鋼矢板土留壁が一体化される。
【0027】
請求項7は、U型を閉合する鋼板に多数の鉄筋孔を設け、これらの鉄筋孔を貫通する鉄筋により、鋼矢板壁とコンクリートとを一体化している場合を限定したものである。これにより、ずれ止め効果をさらに向上させることができる。
【0028】
また、このことにより、従来の鋼矢板土留壁と地下壁体との間に新たな型枠を設置するような施工法と違い、型枠作業スペースが不要となることに加え、コンクリートと鋼矢板土留壁との一体化により、地下壁体の薄肉化や鉄筋量の軽減が可能となる。
【0029】
本願の請求項8に係る非対称閉断面鋼矢板は、上記の請求項5〜7記載の地下壁体の施工に適用できるものであり、横断面形状がU型の鋼矢板であって、両端の継手部の形状が左右非対称で、横断面形状を同一方向にそろえて直線状に結合可能とした非対称U型鋼矢板のU型を閉合する断面位置に、閉断面内外のコンクリートが一体化する開口部または鉄筋孔を有し軸方向に連続する鋼板を溶接により固定してあることを特徴とする。
【0030】
この非対称閉断面鋼矢板は、横断面形状を同一方向にそろえて直線状に結合できるため、U型断面を閉合する位置に設ける鋼板は全て同一側面に位置することになる。
【0031】
鋼板の固定方法としては、溶接を用いることにより、鋼矢板単体としての剛性および強度が増加し、深度の大きい掘削用土留壁として用いることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
図1は本願の請求項1に係る地下壁体の一実施形態を示したものであり、非対称U型鋼矢板2を用いて土留壁3を構築し、掘削後、この土留壁3から地下壁体の壁厚相当離れた位置に型枠部材4を設置する。
【0033】
この例では、土留壁3を構成する非対称U型鋼矢板2と型枠部材4を、連結部材5を介して溶接接合し、土留壁3と型枠部材4との間にコンクリート6を打設することにより地下壁体1を構築している。なお、型枠部材4と連結部材5との溶接接合は現場で行ってもよいし、予め工場で行ってもよい。
【0034】
図2は本願の請求項4に係る地下壁体の一実施形態を示したもので、図1に示した型枠部材4と連結部材5の現場における施工を容易にするため、これらを予めT形に分割製作しておき、型枠部材4どうしをパイプ継手7により部材軸方向に差し込んで連結している。なお、このT形を形成する型枠部材4と連結部材5として、市販されている流通鋼材であるCT形鋼を用いることにより、コスト削減が可能となる。
【0035】
なお、図1および図2に示した例では、連結部材5を鉛直方向に配置しているが、水平方向に設置した腹起し等を連結部材に利用してもよく、その方向は特に限定されない。
【0036】
また、型枠部材4や連結部材5としては、普通鋼板の他、コンクリートとの付着性を向上させるために突起付き鋼板等を用いてもよい。
【0037】
さらに、コンクリート打設の際の施工性やコンクリートとの一体化を目的として、連結部材5に用いる鋼板にパンチング等により開口部を設けたり、同様の目的で、図3に示すような鋼板にスリットを入れてエキスパンドしてラチス形状とした連結部材5aや、図4に示すようなトラス鉄筋等による連結部材5bを用いることも考えられる(請求項2に対応)。すなわち、開口部を有するものであれば、その形状、製造方法等は限定されない。
【0038】
また、図1、図2に示した非対称U型鋼矢板2と連結部材5との接合や型枠部材4と連結部材5との接合の際に、作業スペース等の関係から溶接ができない場合には、図2のパイプ継手7や、図5、図6に示す形鋼を組み合わせた継手8a,8b(8aは非対称U型鋼矢板2と連結部材5との継手、8bは型枠部材4と連結部材5との継手)等、差し込み連結の可能な継手を用いることにより対処できる。
【0039】
なお、図5、図6に示された継手以外でも、差し込み連結が可能な種々の継手形状が考えられ、また、図5、図6に示した継手形状は、図2におけるパイプ継手7の代わりとして型枠部材4どうしの連結にも適用できる。
【0040】
図7は本願発明で用いる非対称U型鋼矢板2の具体例を示したものである。図7(a) は非対称U型鋼矢板2単体の平面図であり、従来のU型鋼矢板の基本構成に対し、左右の継手部2a,2bが非対称に形成されており、隣り合う非対称U型鋼矢板2間において、図中上向きの継手部2aと図中下向きの継手部2bを部材軸方向(長手方向)から係合させることで、図7(b) に示すように横断面形状を同一方向にそろえて直線状に結合することができる。
【0041】
また、この例で非対称U型鋼矢板2は、継手部2a,2bの近傍に打設法線と同方向となるフラット部2cを有しており、継手部2a,2bどうしを係合させた状態では、その係合部が土留壁3としての矢板壁面に露出しない形状となっている。
【0042】
フラット部2aを設けたことで、打設時における非対称U型鋼矢板2の地中での回転やねじれの発生を抑止し、打設性能を向上させ、施工制度の高い矢板壁(土留壁)の構築が可能となる。また、継手部継手部2a,2bが矢板壁の最外縁に位置し、かつ継手部が矢板壁面に露出せずフラットな壁面を形成するため、腹起し等の設置が容易になり、スペースを有効利用することができる。
ただし、本願発明で用いる非対称U型鋼矢板2は、このような図7に示したものに限定されるものではない。
【0043】
図8は本願の請求項5に係る地下壁体の一実施形態を示したもので、土留壁15を構成する鋼矢板として、図10に示すような非対称U型鋼矢板13のU型を閉合する断面位置に、矢板軸方向(長手方向)に連続する鋼板14を溶接した非対称閉断面鋼矢板12(請求項8に対応)を用いている。また、図10に示した例では、鋼板14に円形の開口部17を多数穿設してある。
【0044】
この非対称閉断面鋼矢板12を、横断面形状を同一方向にそろえて直線状に結合して土留壁15を形成し、これを一面の型枠として、閉断面内および前面の鋼板14を溶接した側にコンクリート16を打設し、一体の鉄筋コンクリート製地下壁体11を構築する。なお、必要に応じ、非対称閉断面鋼矢板12の閉断面内にも鉄筋を配置しておく。
【0045】
図10のように鋼板14に開口部17を設けた場合、閉断面内とその外側のコンクリート16が開口部17を通じて一体化されており、また、鋼矢板土留壁15とコンクリート16も開口部17におけるずれ止め効果により一体化されている。
【0046】
これにより、土圧や水圧等による作用外力に対し、コンクリート16と鋼矢板土留壁15が一体的に抵抗し、合成断面としての耐力を発揮することが可能となり、薄い壁でかつ少ない鉄筋量で十分な強度を期待することができる。
【0047】
図9は本願の請求項7に係る地下壁体の一実施形態を示したもので、土留壁15を構成する鋼矢板として、図11に示す非対称閉断面鋼矢板12を用いている。この例では、図11(a) に示すように、非対称U型鋼矢板13を閉合する鋼板14に多数の鉄筋孔18を設けており、図11(b) に示すように、鉄筋孔18を貫通させて鉄筋19を差し込むことにより、コンクリート16と鋼矢板土留壁15がより完全に一体化される。
【0048】
これら、図8、図9の実施形態における非対称閉断面鋼矢板12と鉄筋コンクリート16を一体化した地下壁体11の施工手順は、次の通りである。
【0049】
まず、非対称閉断面鋼矢板12を、横断面形状を同一方向にそろえて直線状に結合しながら所定深さまで地盤に打ち込む。鋼矢板12の打ち込み方法としては、バイブロハンマーやディーゼルハンマーあるいは油圧装置を用いた静的貫入による方法等がある。
【0050】
この際、土留壁15を補強するため、必要に応じて腹起しおよび切梁を設ける。掘削の後、鋼矢板12の閉断面内に残された土砂を、ウォータージェット等により除去する。その後、配筋を行い、型枠を設置し、型枠内部および鋼矢板12の閉断面内にコンクリート16を打設する。
【0051】
鋼板14に鉄筋孔18を設けている場合には、配筋時に鉄筋孔18に鉄筋19を差し込む。コンクリート16が硬化した後、型枠を取り外して地下壁体11が完成する。地下壁体11は、通常、下部から順番に、腹起しや切梁を撤去しながら、数回に分割して構築する。
【0052】
【発明の効果】
▲1▼ 請求項1〜7に係る地下壁体によれば、狭隘な敷地にビルや共同溝等を建設する場合等において、隣地境界近傍に地下壁体を構築することが可能となり、敷地を有効に活用することができる。
【0053】
▲2▼ 請求項1〜7に係る地下壁体によれば、近隣施工の際、仮設材でありながら、従来は近隣への影響を懸念し、引き抜かずに埋め殺していた土留部材を地下壁体の構造部材として機能させることにより、経済的に優れた地下壁体の構築が可能となる。
【0054】
▲3▼ 請求項2に係る地下壁体では、地下壁体内を横断する連結部材に開口部を設けることにより、コンクリートの打設性および連結部材とコンクリートとの一体性が向上する。
【0055】
▲4▼ 請求項3に係る地下壁体では、型枠部材に耐火鋼を用いることにより、地下壁体に容易に耐火性能を付与できる。
【0056】
▲5▼ 請求項4に係る地下壁体では、地下壁体を構成する部材の接合に差し込み連結を用いることにより、施工性が向上する。
【0057】
▲6▼ 請求項5〜7に係る地下壁体では、閉断面部を有する非対称閉断面鋼矢板が鉄筋コンクリート壁と一体化されることで、合成断面として機能し、地下壁体の薄肉化や鉄筋量の軽減が可能となり、経済的である。
【0058】
▲7▼ 請求項8に係る非対称閉断面鋼矢板は、横断面形状を同一方向にそろえて直線状に結合できる他、鋼矢板単体としても剛性や強度を増加させることができ、大深度掘削に適した鋼矢板とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1に係る地下壁体の一実施形態を示す水平断面図である。
【図2】本願の請求項4に係る地下壁体の一実施形態を示す水平断面図である。
【図3】本願の請求項2に係る発明における連結部材の一例を示す正面図である。
【図4】本願の請求項2に係る発明における連結部材の他の例を示す正面図である。
【図5】本願の請求項4に係る発明における連結部材の結合方法の一例を示す平面図である。
【図6】本願の請求項4に係る発明における連結部材の結合方法の他の例を示す平面図である。
【図7】本願発明で用いる非対称U型鋼矢板の一例を示したもので、(a) は鋼矢板単体の平面図、(b) は鋼矢板どうしの接合状態を示す平面図である。
【図8】本願の請求項5に係る地下壁体の一実施形態を示す水平断面図である。
【図9】本願の請求項7に係る地下壁体の一実施形態を示す水平断面図である。
【図10】本願の請求項8に係る非対称閉断面鋼矢板の一実施形態を示す斜視図である。
【図11】本願の請求項8に係る非対称閉断面鋼矢板の他の実施形態を示したもので、(a) は鋼矢板単体の斜視図、(b) は鋼矢板に設けた鉄筋孔に鉄筋を貫通させた状態を示す斜視図である。
【図12】従来の一般的な地下壁体の構築方法の例を示す鉛直断面図である。
【図13】従来の一般的なU型鋼矢板どうしの接合状態を示す平面図である。
【図14】従来の土留壁としてのソイルセメント柱列壁を示す水平断面図である。
【符号の説明】
1…地下壁体、2…非対称U型鋼矢板、2a,2b…継手部、2c…平坦部、3…土留壁、4…型枠部材、5,5a,5b…連結部材、6…コンクリート、7…パイプ継手、8a,8b…継手部、11…地下壁体、12…非対称閉断面鋼矢板、13…非対称U型鋼矢板、13a,13b…継手部、13c…平坦部、14…鋼板、15…土留壁、16…コンクリート、17…開口部、18…鉄筋貫通孔、19…鉄筋、31…地下壁体、32…U型鋼矢板、33…土留壁、34…型枠、35…コンクリート、36…土砂、41…ソイルセメント柱列壁、42…H形鋼

Claims (8)

  1. 横断面形状がU型の鋼矢板であって、両端の継手部の形状が左右非対称で、横断面形状を同一方向にそろえて直線状に結合可能とした非対称U型鋼矢板により土留壁を構築し、前記土留壁から地下壁体の壁厚相当離れた位置に型枠部材を設置し、前記非対称U型鋼矢板と前記型枠部材とを連結部材により結合し、前記非対称U型鋼矢板と前記型枠部材との間にコンクリートを打設してなることを特徴とする地下壁体。
  2. 前記連結部材に開口部が形成されている請求項1記載の地下壁体。
  3. 前記型枠部材が耐火鋼からなる請求項1または2記載の地下壁体。
  4. 前記非対称U型鋼矢板と前記連結部材との結合部、前記型枠部材と前記連結部材との結合部、または前記型枠部材どうしの結合部について、部材長手方向に連続する継手が形成されており、一方の部材を他方の部材に長手方向から差し込むことにより両部材の連結を行っている請求項1、2または3記載の地下壁体。
  5. 横断面形状がU型の鋼矢板であって、両端の継手部の形状が左右非対称で、横断面形状を同一方向にそろえて直線状に結合可能とした非対称U型鋼矢板について、U型を閉合する断面位置に軸方向に連続する鋼板を設けてなる非対称閉断面鋼矢板により構築される鋼矢板壁と、前記鋼矢板壁の閉断面内および鋼矢板壁の前記鋼板を有する側に打設されたコンクリートとを一体化してなることを特徴とする地下壁体。
  6. 前記鋼板に開口部が形成されている請求項5記載の地下壁体。
  7. 前記鋼板に多数の鉄筋孔を設け、前記鉄筋孔を貫通する鉄筋により前記鋼矢板壁とコンクリートとを一体化している請求項6記載の地下壁体。
  8. 横断面形状がU型の鋼矢板であって、両端の継手部の形状が左右非対称で、横断面形状を同一方向にそろえて直線状に結合可能とした非対称U型鋼矢板のU型を閉合する断面位置に、閉断面内外のコンクリートが一体化する開口部または鉄筋孔を有し軸方向に連続する鋼板を溶接により固定してあることを特徴とする地下壁体構築用非対称閉断面鋼矢板。
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