JPH09125417A - 地下壁体および非対称閉断面鋼矢板 - Google Patents

地下壁体および非対称閉断面鋼矢板

Info

Publication number
JPH09125417A
JPH09125417A JP7286197A JP28619795A JPH09125417A JP H09125417 A JPH09125417 A JP H09125417A JP 7286197 A JP7286197 A JP 7286197A JP 28619795 A JP28619795 A JP 28619795A JP H09125417 A JPH09125417 A JP H09125417A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
sheet pile
wall body
underground wall
section
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7286197A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3603424B2 (ja
Inventor
Yasutomo Yanagimoto
泰伴 柳本
Yukio Abe
幸夫 阿部
Seiichi Koyama
清一 小山
Toshisato Masuda
敏聡 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP28619795A priority Critical patent/JP3603424B2/ja
Publication of JPH09125417A publication Critical patent/JPH09125417A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3603424B2 publication Critical patent/JP3603424B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 隣地境界近傍の隣接住民や構造物に影響を与
えることなく、経済的に構築可能な地下壁体の構造およ
びその構築に適した非対称閉断面鋼矢板を提供する。 【解決手段】 横断面形状がU型の鋼矢板であって、両
端の継手部2a,2bの形状が左右非対称で、横断面形
状を同一方向にそろえて直線状に結合可能とした非対称
U型鋼矢板2を用いて土留壁3を構築する。土留壁3の
前面を掘削後、この土留壁3から地下壁体の壁厚相当離
れた位置に型枠部材4を設置する。土留壁3を構成する
非対称U型鋼矢板2と型枠部材4を、連結部材5を介し
て結合し、土留壁3と型枠部材4との間にコンクリート
6を打設することにより地下壁体1を構築する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、例えば建築物の
地下壁や共同溝の側壁等として用いられる地下壁体およ
びその地下壁体の構築に用いることができる非対称閉断
面鋼矢板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建設物の地下壁体を構築する一般的な方
法は、図12に示すように鋼矢板32を地盤に打設して
土留壁33の施工を行い、所定深さまで掘削した後、地
下壁体31を構築するための型枠34および鉄筋を配置
し、次に型枠34の間にコンクリート35を打設し、コ
ンクリート35に所定の強度が得られた後、型枠34を
取り外すことにより地下壁体31を構築するものであ
る。
【0003】その後、地下壁体31と土留壁33との間
に土砂36を埋め戻し、土留壁33に用いられた仮設材
である鋼矢板32を引き抜き、地下壁体31の構築工事
全体が終了する。
【0004】土留壁に図13に示すようなU型鋼矢板3
2を用いる際の施工方法としては、バイブロハンマーや
ディーゼルハンマー等の動的貫入により打ち込む工法の
他、市街地においては振動騒音等の建設公害防止のため
油圧装置を用いた静的貫入による圧入工法を用いる場合
が多い。
【0005】また、他の土留壁施工方法として、図14
に示すようなソイルセメント柱列壁41を用いる方法も
ある。この場合、柱列壁41内の応力負担材であるH形
鋼42等は仮設材であるため、地下壁体構築後、引き抜
く方法が取られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】市街地等の狭隘な場所
にビルや共同溝等を建設する場合、できるだけ隣地境界
付近に地下壁体を構築したいというニーズが多い。しか
し、従来の施工法では、図12に示すように、型枠工の
作業スペース確保のため、土留壁と地下壁体との間に1
m程度の空間が必要となる。
【0007】しかも、隣接住民に対する振動騒音対策と
して、鋼矢板圧入工法やソイルセメント柱列工法を適用
せざる得ない状況も多く、その場合には施工機械の制約
等により、さらに隣地境界から0.5m〜1m程度離れ
て土留壁を構築しなくてはならない。すなわち、土留壁
自体の厚さも考慮すると、隣地境界から地下壁体とのト
ータルスペースが2m程度必要となり、先のニーズを満
足することができていないのが現状であり、問題となっ
ている。
【0008】また、地下壁体構築後、仮設材として通常
引き抜いている鋼矢板やソイルセメント柱列壁内のH形
鋼等は、隣接構造物への影響を懸念し、埋め殺しにする
場合も多く、経済性の面でも問題となっている。
【0009】本願発明は、上記課題の解決を目的とした
ものであり、隣地境界近傍の隣接住民や構造物に影響を
与えることなく、経済的に構築可能な地下壁体の構造お
よびその構築に適した非対称閉断面鋼矢板を提供するも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1〜4に係
る地下壁体では、土留壁を構成する鋼矢板として、横断
面形状がU型の鋼矢板であって、両端の継手部の形状が
左右非対称で、横断面形状を同一方向にそろえて直線状
に結合可能とした非対称U型鋼矢板を用いる。
【0011】このような非対称U型鋼矢板としては、例
えば特開平5−140928号公報に記載されたものが
あり、継手部が矢板壁厚方向端部に位置しているため、
従来のU型鋼矢板のような継手による断面性能の低下が
なく、また、同一直線上に打設が可能であることから施
工性にも優れている。
【0012】さらに、市街地等において静的圧入工法を
適用せざるを得ない場合でも、矢板壁厚内に圧入マシン
のチャック部を収め、継手部とフランジ部との間の腕部
を把持して圧入する等して、隣地境界近傍に土留壁を構
築することができる。これにより、従来の圧入工法やソ
イルセメント柱列工法のように施工機械の制約から必要
であった隣地境界と土留壁との間のスペースが不要とな
る。
【0013】請求項1に係る地下壁体は、非対称U型鋼
矢板によって構築された土留壁から地下壁体の壁厚相当
離れた位置に型枠部材を設置し、非対称U型鋼矢板と型
枠部材とを連結部材により結合し、これら非対称U型鋼
矢板と型枠部材との間にコンクリートを打設して一体化
したものである。
【0014】この場合、土留壁に用いた非対称U型鋼矢
板が地下壁体の型枠を兼ね、土留壁と地下壁体との間に
新たに型枠を設置するような従来の施工法と違い、型枠
工の作業スペースが不要となる。
【0015】また、近接施工の際、従来は近隣への影響
を懸念して仮設材である矢板を施工後埋め殺していた
が、本願発明のように型枠部材として用いた場合、地下
壁体の構造部材として機能させることも十分可能であ
る。さらに、他方の型枠部材にも鋼板を用いる等して構
造部材として機能させることが可能であり、これにより
地下壁体内の鉄筋を大幅に低減もしくは省略することが
できる。
【0016】また、非対称U型鋼矢板と型枠鋼板とを連
結部材で結合することにより、鋼殻によるコンクリート
の拘束効果により、地下壁体に優れた強度特性を発揮さ
せることができる。
【0017】請求項2は、請求項1記載の地下壁体にお
いて、非対称U型鋼矢板と型枠部材とを結合する連結部
材に開口部が形成されている場合を限定したものであ
り、隣り合う非対称U型鋼矢板位置の連結部材間でのコ
ンクリートの流動を確保し、施工性を向上させることが
できる。
【0018】請求項3は、型枠部材が耐火鋼からなる場
合を限定したものである。建築物の地下駐車場等、火災
が考えられる場所に本地下壁体を構築する場合、壁体を
構成する型枠鋼板に耐火鋼を用いることにより、地下壁
体に火災に対する安全性を増すことができる。
【0019】請求項4は、非対称U型鋼矢板と連結部材
との結合部、型枠部材と連結部材との結合部、または型
枠部材どうしの結合部について、部材長手方向に連続す
る継手が形成されており、一方の部材を他方の部材に長
手方向から差し込むことで両部材の連結を行っている場
合を限定したものである。
【0020】すなわち、これらの結合部において、作業
スペース等の面から溶接方法が適用できない場合には、
両部材間にパイプ継手、その他、差し込み連結が可能な
継手を採用することにより対処することができる。
【0021】なお、以上の連結部材は地下壁体の強度性
能やコンクリートの打設性から鉛直方向に配置するのが
望ましいが、地盤状態や掘削深さ等により、腹起し・切
梁を設置する場合に、鉛直方向連結部材の設置が困難に
なることも考えられる。そのような場合には、水平方向
に配置された腹起し部材を連結部材として利用するこも
考えられる。なお、水平方向連結部材を用いる場合もコ
ンクリートの打設性が問題となることが考えられるが、
連結部材に開口部を設けることにより対処させることが
できる。
【0022】本願の請求項5〜7に係る地下壁体では、
土留壁を構成する鋼矢板として、請求項1〜4に係る地
下壁体で用いたのと同様の非対称U型鋼矢板について、
U型を閉合する断面位置に軸方向(長手方向)に連続す
る鋼板を設けてなる非対称閉断面鋼矢板を用いる。
【0023】請求項5に係る地下壁体は、このような非
対称閉断面鋼矢板によって構築された土留壁としての鋼
矢板壁と、鋼矢板壁の閉断面内および鋼矢板壁の前記鋼
板を有する側に打設されたコンクリートとを一体化した
ものである。
【0024】すなわち、敷地の有効利用を図るため、鋼
矢板土留壁に型枠としての機能を持たせる構造とし、鋼
矢板土留壁と前面に打設するコンクリートとを一体化
し、鋼とコンクリートとの合成断面として外力に抵抗で
きる構造としたものである。
【0025】これにより、構造物完成後も鋼矢板土留壁
が外力の一部を負担することとなり、地下壁体の薄肉化
や鉄筋量の軽減が可能となって、鋼矢板の引き抜きが不
可能でも、経済的に有利な構造とすることができる。
【0026】請求項6は、請求項5記載の地下壁体にお
いて、U型を閉合する鋼板に開口部が形成されている場
合を限定したものである。この側面を型枠の一面として
地下壁体用のコンクリートを打設するとともに、閉断面
部内にもコンクリートを打設することで、閉断面部内外
のコンクリートが一体化され、かつ開口部のずれ止め効
果によりコンクリートと鋼矢板土留壁が一体化される。
【0027】請求項7は、U型を閉合する鋼板に多数の
鉄筋孔を設け、これらの鉄筋孔を貫通する鉄筋により、
鋼矢板壁とコンクリートとを一体化している場合を限定
したものである。これにより、ずれ止め効果をさらに向
上させることができる。
【0028】また、このことにより、従来の鋼矢板土留
壁と地下壁体との間に新たな型枠を設置するような施工
法と違い、型枠作業スペースが不要となることに加え、
コンクリートと鋼矢板土留壁との一体化により、地下壁
体の薄肉化や鉄筋量の軽減が可能となる。
【0029】本願の請求項8に係る非対称閉断面鋼矢板
は、上記の請求項5〜7記載の地下壁体の施工に適用で
きるものであり、横断面形状がU型の鋼矢板であって、
両端の継手部の形状が左右非対称で、横断面形状を同一
方向にそろえて直線状に結合可能とした非対称U型鋼矢
板について、U型を閉合する断面位置に軸方向に連続す
る鋼板を設けたことを特徴とする。
【0030】この非対称閉断面鋼矢板は、横断面形状を
同一方向にそろえて直線状に結合できるため、U型断面
を閉合する位置に設ける鋼板は全て同一側面に位置する
ことになる。
【0031】鋼板の固定方法としては、通常、溶接が用
いられる。これにより、鋼矢板単体としての剛性および
強度が増加し、深度の大きい掘削用土留壁として用いる
ことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】図1は本願の請求項1に係る地下
壁体の一実施形態を示したものであり、非対称U型鋼矢
板2を用いて土留壁3を構築し、掘削後、この土留壁3
から地下壁体の壁厚相当離れた位置に型枠部材4を設置
する。
【0033】この例では、土留壁3を構成する非対称U
型鋼矢板2と型枠部材4を、連結部材5を介して溶接接
合し、土留壁3と型枠部材4との間にコンクリート6を
打設することにより地下壁体1を構築している。なお、
型枠部材4と連結部材5との溶接接合は現場で行っても
よいし、予め工場で行ってもよい。
【0034】図2は本願の請求項4に係る地下壁体の一
実施形態を示したもので、図1に示した型枠部材4と連
結部材5の現場における施工を容易にするため、これら
を予めT形に分割製作しておき、型枠部材4どうしをパ
イプ継手7により部材軸方向に差し込んで連結してい
る。なお、このT形を形成する型枠部材4と連結部材5
として、市販されている流通鋼材であるCT形鋼を用い
ることにより、コスト削減が可能となる。
【0035】なお、図1および図2に示した例では、連
結部材5を鉛直方向に配置しているが、水平方向に設置
した腹起し等を連結部材に利用してもよく、その方向は
特に限定されない。
【0036】また、型枠部材4や連結部材5としては、
普通鋼板の他、コンクリートとの付着性を向上させるた
めに突起付き鋼板等を用いてもよい。
【0037】さらに、コンクリート打設の際の施工性や
コンクリートとの一体化を目的として、連結部材5に用
いる鋼板にパンチング等により開口部を設けたり、同様
の目的で、図3に示すような鋼板にスリットを入れてエ
キスパンドしてラチス形状とした連結部材5aや、図4
に示すようなトラス鉄筋等による連結部材5bを用いる
ことも考えられる(請求項2に対応)。すなわち、開口
部を有するものであれば、その形状、製造方法等は限定
されない。
【0038】また、図1、図2に示した非対称U型鋼矢
板2と連結部材5との接合や型枠部材4と連結部材5と
の接合の際に、作業スペース等の関係から溶接ができな
い場合には、図2のパイプ継手7や、図5、図6に示す
形鋼を組み合わせた継手8a,8b(8aは非対称U型
鋼矢板2と連結部材5との継手、8bは型枠部材4と連
結部材5との継手)等、差し込み連結の可能な継手を用
いることにより対処できる。
【0039】なお、図5、図6に示された継手以外で
も、差し込み連結が可能な種々の継手形状が考えられ、
また、図5、図6に示した継手形状は、図2におけるパ
イプ継手7の代わりとして型枠部材4どうしの連結にも
適用できる。
【0040】図7は本願発明で用いる非対称U型鋼矢板
2の具体例を示したものである。図7(a) は非対称U型
鋼矢板2単体の平面図であり、従来のU型鋼矢板の基本
構成に対し、左右の継手部2a,2bが非対称に形成さ
れており、隣り合う非対称U型鋼矢板2間において、図
中上向きの継手部2aと図中下向きの継手部2bを部材
軸方向(長手方向)から係合させることで、図7(b) に
示すように横断面形状を同一方向にそろえて直線状に結
合することができる。
【0041】また、この例で非対称U型鋼矢板2は、継
手部2a,2bの近傍に打設法線と同方向となるフラッ
ト部2cを有しており、継手部2a,2bどうしを係合
させた状態では、その係合部が土留壁3としての矢板壁
面に露出しない形状となっている。
【0042】フラット部2aを設けたことで、打設時に
おける非対称U型鋼矢板2の地中での回転やねじれの発
生を抑止し、打設性能を向上させ、施工制度の高い矢板
壁(土留壁)の構築が可能となる。また、継手部継手部
2a,2bが矢板壁の最外縁に位置し、かつ継手部が矢
板壁面に露出せずフラットな壁面を形成するため、腹起
し等の設置が容易になり、スペースを有効利用すること
ができる。ただし、本願発明で用いる非対称U型鋼矢板
2は、このような図7に示したものに限定されるもので
はない。
【0043】図8は本願の請求項5に係る地下壁体の一
実施形態を示したもので、土留壁15を構成する鋼矢板
として、図10に示すような非対称U型鋼矢板13のU
型を閉合する断面位置に、矢板軸方向(長手方向)に連
続する鋼板14を溶接した非対称閉断面鋼矢板12(請
求項8に対応)を用いている。また、図10に示した例
では、鋼板14に円形の開口部17を多数穿設してあ
る。
【0044】この非対称閉断面鋼矢板12を、横断面形
状を同一方向にそろえて直線状に結合して土留壁15を
形成し、これを一面の型枠として、閉断面内および前面
の鋼板14を溶接した側にコンクリート16を打設し、
一体の鉄筋コンクリート製地下壁体11を構築する。な
お、必要に応じ、非対称閉断面鋼矢板12の閉断面内に
も鉄筋を配置しておく。
【0045】図10のように鋼板14に開口部17を設
けた場合、閉断面内とその外側のコンクリート16が開
口部17を通じて一体化されており、また、鋼矢板土留
壁15とコンクリート16も開口部17におけるずれ止
め効果により一体化されている。
【0046】これにより、土圧や水圧等による作用外力
に対し、コンクリート16と鋼矢板土留壁15が一体的
に抵抗し、合成断面としての耐力を発揮することが可能
となり、薄い壁でかつ少ない鉄筋量で十分な強度を期待
することができる。
【0047】図9は本願の請求項7に係る地下壁体の一
実施形態を示したもので、土留壁15を構成する鋼矢板
として、図11に示す非対称閉断面鋼矢板12を用いて
いる。この例では、図11(a) に示すように、非対称U
型鋼矢板13を閉合する鋼板14に多数の鉄筋孔18を
設けており、図11(b) に示すように、鉄筋孔18を貫
通させて鉄筋19を差し込むことにより、コンクリート
16と鋼矢板土留壁15がより完全に一体化される。
【0048】これら、図8、図9の実施形態における非
対称閉断面鋼矢板12と鉄筋コンクリート16を一体化
した地下壁体11の施工手順は、次の通りである。
【0049】まず、非対称閉断面鋼矢板12を、横断面
形状を同一方向にそろえて直線状に結合しながら所定深
さまで地盤に打ち込む。鋼矢板12の打ち込み方法とし
ては、バイブロハンマーやディーゼルハンマーあるいは
油圧装置を用いた静的貫入による方法等がある。
【0050】この際、土留壁15を補強するため、必要
に応じて腹起しおよび切梁を設ける。掘削の後、鋼矢板
12の閉断面内に残された土砂を、ウォータージェット
等により除去する。その後、配筋を行い、型枠を設置
し、型枠内部および鋼矢板12の閉断面内にコンクリー
ト16を打設する。
【0051】鋼板14に鉄筋孔18を設けている場合に
は、配筋時に鉄筋孔18に鉄筋19を差し込む。コンク
リート16が硬化した後、型枠を取り外して地下壁体1
1が完成する。地下壁体11は、通常、下部から順番
に、腹起しや切梁を撤去しながら、数回に分割して構築
する。
【0052】
【発明の効果】 請求項1〜7に係る地下壁体によれば、狭隘な敷地
にビルや共同溝等を建設する場合等において、隣地境界
近傍に地下壁体を構築することが可能となり、敷地を有
効に活用することができる。
【0053】 請求項1〜7に係る地下壁体によれ
ば、近隣施工の際、仮設材でありながら、従来は近隣へ
の影響を懸念し、引き抜かずに埋め殺していた土留部材
を地下壁体の構造部材として機能させることにより、経
済的に優れた地下壁体の構築が可能となる。
【0054】 請求項2に係る地下壁体では、地下壁
体内を横断する連結部材に開口部を設けることにより、
コンクリートの打設性および連結部材とコンクリートと
の一体性が向上する。
【0055】 請求項3に係る地下壁体では、型枠部
材に耐火鋼を用いることにより、地下壁体に容易に耐火
性能を付与できる。
【0056】 請求項4に係る地下壁体では、地下壁
体を構成する部材の接合に差し込み連結を用いることに
より、施工性が向上する。
【0057】 請求項5〜7に係る地下壁体では、閉
断面部を有する非対称閉断面鋼矢板が鉄筋コンクリート
壁と一体化されることで、合成断面として機能し、地下
壁体の薄肉化や鉄筋量の軽減が可能となり、経済的であ
る。
【0058】 請求項8に係る非対称閉断面鋼矢板
は、横断面形状を同一方向にそろえて直線状に結合でき
る他、鋼矢板単体としても剛性や強度を増加させること
ができ、大深度掘削に適した鋼矢板とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願の請求項1に係る地下壁体の一実施形態
を示す水平断面図である。
【図2】 本願の請求項4に係る地下壁体の一実施形態
を示す水平断面図である。
【図3】 本願の請求項2に係る発明における連結部材
の一例を示す正面図である。
【図4】 本願の請求項2に係る発明における連結部材
の他の例を示す正面図である。
【図5】 本願の請求項4に係る発明における連結部材
の結合方法の一例を示す平面図である。
【図6】 本願の請求項4に係る発明における連結部材
の結合方法の他の例を示す平面図である。
【図7】 本願発明で用いる非対称U型鋼矢板の一例を
示したもので、(a)は鋼矢板単体の平面図、(b) は鋼矢
板どうしの接合状態を示す平面図である。
【図8】 本願の請求項5に係る地下壁体の一実施形態
を示す水平断面図である。
【図9】 本願の請求項7に係る地下壁体の一実施形態
を示す水平断面図である。
【図10】 本願の請求項8に係る非対称閉断面鋼矢板
の一実施形態を示す斜視図である。
【図11】 本願の請求項8に係る非対称閉断面鋼矢板
の他の実施形態を示したもので、(a) は鋼矢板単体の斜
視図、(b) は鋼矢板に設けた鉄筋孔に鉄筋を貫通させた
状態を示す斜視図である。
【図12】 従来の一般的な地下壁体の構築方法の例を
示す鉛直断面図である。
【図13】 従来の一般的なU型鋼矢板どうしの接合状
態を示す平面図である。
【図14】 従来の土留壁としてのソイルセメント柱列
壁を示す水平断面図である。
【符号の説明】
1…地下壁体、2…非対称U型鋼矢板、2a,2b…継
手部、2c…平坦部、3…土留壁、4…型枠部材、5,
5a,5b…連結部材、6…コンクリート、7…パイプ
継手、8a,8b…継手部、11…地下壁体、12…非
対称閉断面鋼矢板、13…非対称U型鋼矢板、13a,
13b…継手部、13c…平坦部、14…鋼板、15…
土留壁、16…コンクリート、17…開口部、18…鉄
筋貫通孔、19…鉄筋、31…地下壁体、32…U型鋼
矢板、33…土留壁、34…型枠、35…コンクリー
ト、36…土砂、41…ソイルセメント柱列壁、42…
H形鋼
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 敏聡 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横断面形状がU型の鋼矢板であって、両
    端の継手部の形状が左右非対称で、横断面形状を同一方
    向にそろえて直線状に結合可能とした非対称U型鋼矢板
    により土留壁を構築し、前記土留壁から地下壁体の壁厚
    相当離れた位置に型枠部材を設置し、前記非対称U型鋼
    矢板と前記型枠部材とを連結部材により結合し、前記非
    対称U型鋼矢板と前記型枠部材との間にコンクリートを
    打設してなることを特徴とする地下壁体。
  2. 【請求項2】 前記連結部材に開口部が形成されている
    請求項1記載の地下壁体。
  3. 【請求項3】 前記型枠部材が耐火鋼からなる請求項1
    または2記載の地下壁体。
  4. 【請求項4】 前記非対称U型鋼矢板と前記連結部材と
    の結合部、前記型枠部材と前記連結部材との結合部、ま
    たは前記型枠部材どうしの結合部について、部材長手方
    向に連続する継手が形成されており、一方の部材を他方
    の部材に長手方向から差し込むことにより両部材の連結
    を行っている請求項1、2または3記載の地下壁体。
  5. 【請求項5】 横断面形状がU型の鋼矢板であって、両
    端の継手部の形状が左右非対称で、横断面形状を同一方
    向にそろえて直線状に結合可能とした非対称U型鋼矢板
    について、U型を閉合する断面位置に軸方向に連続する
    鋼板を設けてなる非対称閉断面鋼矢板により構築される
    鋼矢板壁と、前記鋼矢板壁の閉断面内および鋼矢板壁の
    前記鋼板を有する側に打設されたコンクリートとを一体
    化してなることを特徴とする地下壁体。
  6. 【請求項6】 前記鋼板に開口部が形成されている請求
    項5記載の地下壁体。
  7. 【請求項7】 前記鋼板に多数の鉄筋孔を設け、前記鉄
    筋孔を貫通する鉄筋により前記鋼矢板壁とコンクリート
    とを一体化している請求項6記載の地下壁体。
  8. 【請求項8】 横断面形状がU型の鋼矢板であって、両
    端の継手部の形状が左右非対称で、横断面形状を同一方
    向にそろえて直線状に結合可能とした非対称U型鋼矢板
    について、U型を閉合する断面位置に軸方向に連続する
    鋼板を設けたことを特徴とする非対称閉断面鋼矢板。
JP28619795A 1995-11-02 1995-11-02 地下壁体および非対称閉断面鋼矢板 Expired - Fee Related JP3603424B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28619795A JP3603424B2 (ja) 1995-11-02 1995-11-02 地下壁体および非対称閉断面鋼矢板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28619795A JP3603424B2 (ja) 1995-11-02 1995-11-02 地下壁体および非対称閉断面鋼矢板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09125417A true JPH09125417A (ja) 1997-05-13
JP3603424B2 JP3603424B2 (ja) 2004-12-22

Family

ID=17701226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28619795A Expired - Fee Related JP3603424B2 (ja) 1995-11-02 1995-11-02 地下壁体および非対称閉断面鋼矢板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3603424B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003074038A (ja) * 2001-08-31 2003-03-12 Nippon Steel Corp 老朽化矢板護岸の修復護岸構造および修復工法
WO2010073538A1 (ja) * 2008-12-25 2010-07-01 新日本製鐵株式会社 鋼矢板壁およびその構築方法
JP2010189899A (ja) * 2009-02-17 2010-09-02 Nippon Steel Corp 擁壁
WO2011046054A1 (ja) * 2009-10-15 2011-04-21 日本環境製造株式会社 山留め壁及びその施工方法
JP2013142275A (ja) * 2012-01-12 2013-07-22 Nippon Steel & Sumitomo Metal 鋼矢板地下壁構造
JP2017180048A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 Jfeスチール株式会社 鋼矢板壁
CN111364447A (zh) * 2020-03-27 2020-07-03 哈尔滨工业大学 一种永久性多功能型地下连续墙及其施工方法
CN112012220A (zh) * 2020-07-30 2020-12-01 中国建筑第八工程局有限公司 双排桩板式基坑支护体系及其施工方法
JP2021095802A (ja) * 2019-12-19 2021-06-24 日鉄建材株式会社 既設鋼矢板の補強工法および補強構造

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4542290B2 (ja) * 2001-08-31 2010-09-08 新日本製鐵株式会社 老朽化矢板護岸の修復護岸構造および修復工法
JP2003074038A (ja) * 2001-08-31 2003-03-12 Nippon Steel Corp 老朽化矢板護岸の修復護岸構造および修復工法
JP4757959B2 (ja) * 2008-12-25 2011-08-24 新日本製鐵株式会社 鋼矢板壁およびその構築方法
WO2010073538A1 (ja) * 2008-12-25 2010-07-01 新日本製鐵株式会社 鋼矢板壁およびその構築方法
JP2010189899A (ja) * 2009-02-17 2010-09-02 Nippon Steel Corp 擁壁
WO2011046054A1 (ja) * 2009-10-15 2011-04-21 日本環境製造株式会社 山留め壁及びその施工方法
JP2011084938A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Nippon Kankyo Seizo Kk 山留め壁及びその施工方法
CN102575447A (zh) * 2009-10-15 2012-07-11 日本环境制造株式会社 挡土墙及其施工方法
JP2013142275A (ja) * 2012-01-12 2013-07-22 Nippon Steel & Sumitomo Metal 鋼矢板地下壁構造
JP2017180048A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 Jfeスチール株式会社 鋼矢板壁
JP2021095802A (ja) * 2019-12-19 2021-06-24 日鉄建材株式会社 既設鋼矢板の補強工法および補強構造
CN111364447A (zh) * 2020-03-27 2020-07-03 哈尔滨工业大学 一种永久性多功能型地下连续墙及其施工方法
CN111364447B (zh) * 2020-03-27 2021-06-08 哈尔滨工业大学 一种永久性多功能型地下连续墙及其施工方法
CN112012220A (zh) * 2020-07-30 2020-12-01 中国建筑第八工程局有限公司 双排桩板式基坑支护体系及其施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3603424B2 (ja) 2004-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20190123639A (ko) 흙막이 벽체용 강재 조립파일
KR20200029079A (ko) 보강부재와 cip공법을 이용한 자립식 흙막이 공법
JPH09125417A (ja) 地下壁体および非対称閉断面鋼矢板
KR20200029080A (ko) 보강부재와 phc파일을 이용한 자립식 흙막이 공법
JP4389570B2 (ja) 鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造
JP3829319B2 (ja) 地下中空構造物の施工方法とその地下中空構造物
JP3051321B2 (ja) 二重矢板構造物
JP4440497B2 (ja) 地中連続壁の構築方法及び地下構造物の構築方法
JP2002013134A (ja) 合成構造壁体およびその構成部材
JP2012031678A (ja) 構造物用基礎およびその構築方法
KR102252011B1 (ko) 이종강종으로 이루어진 합성 엄지말뚝
JP3609657B2 (ja) 構造物の地下外壁およびその構築工法
JP6292028B2 (ja) 盛土補強構造
JP4438540B2 (ja) 地下連続壁の応力負担材および施工方法
KR101913630B1 (ko) 역t형 철골합성외벽용 엄지철골수직재와 이를 이용한 지하건축물의 영구외벽 구조체의 시공방법
JP2766884B2 (ja) 地中連続壁
KR100327547B1 (ko) 가설흙막이벽을영구구조물로활용하는지하옹벽구축방법
JP2987371B2 (ja) 地中連続壁
JPH06193049A (ja) 鉄骨鉄筋コンクリート造連続地下壁
KR20010028793A (ko) 마이크로 파일을 이용한 프리캐스트 옹벽
JP3082054B2 (ja) 大規模、大深度の鋼製連続地下壁及びその構築方法
JP2973815B2 (ja) 建物地下外周耐圧壁の構築方法
JPH1077644A (ja) 耐震杭基礎工法
JPS63280153A (ja) 地下躯体の逆打ち工法
JP3587479B2 (ja) 地下壁用pc部材を利用した地下構造物の杭の施工法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040701

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040805

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040805

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040920

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081008

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091008

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091008

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101008

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111008

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121008

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 9

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees