JP4389570B2 - 鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造 - Google Patents

鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造 Download PDF

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本発明は鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造に関し、主に基礎構造物や開削トンネル等の地中構造物において、鋼製壁を仮設時の土留め壁として利用し、かつ地中構造物の本体構造の一部として利用する場合に適している。
基礎構造物や開削トンネル等の地中構造物の構築に際し、土留め鋼材や鋼製矢板(鋼管矢板を含む)などからなる鋼製壁を仮設時の土留め壁として利用するとともに、完成時の本体構造物の一部として利用することにより、工期の短縮、建設コストの縮減、さらには施工スペースの削減などのメリットが期待できる。
ところで、土留め鋼材や鋼製矢板などからなる鋼製壁とRC床版との結合部のように、構造形式の異なる構造体どうしを結合する複合構造では、結合部が構造上の弱点となりやすいため、強度および剛性がともに高く、しかも施工性に優れた結合構造が求められる。
このような構造形式の異なる構造体どうしの結合構造として、例えば図12(a),(b)に図示するように、鋼管からなる複数の鋼製矢板30によって構築された鋼製壁31を仮設時の土留め壁と本体構造物の一部に兼用し、RC床版32の端部を鋼製壁31に結合した結合構造が知られている。
この種の構造の場合、鋼製壁31とその内側部に一体的に構築されたRC壁33とからなる合成壁34が本体構造物として構築され、また鋼製壁31とRC床版32との結合部に複数の長尺ずれ止め35と短尺ずれ止め36がそれぞれ突設され、また壁配力筋37とRC床版32の主鉄筋38の端部がそれぞれ配筋され、さらにRC床版32とRC壁33のコンクリート39が連続かつ一体的に打設されている。
特に、長尺ずれ止め35と短尺ずれ止め36は、RC床版32の主鉄筋38の引張力を鋼製壁31側に伝達させるもので、引張力が作用する位置の鋼製壁31側の側面部に水平に突設されている。
また、壁配力筋37は鋼製壁31に沿って水平に配筋され、主鉄筋38はRC床版32の表層部に鋼製壁31に対して垂直に配筋され、その端部は鋼製壁31に沿って下方に折り曲げて定着されている(特許文献1参照)。
特開平7−317087号公報 特開平5−331836号公報
しかし、上記した結合構造では、特に長尺ずれ止め35は鋼製壁31に施工現場で取り付ける必要があるため、施工性を損ない、構造物の建設コストを増大させるだけでなく、施工が煩雑化して工期の長期化を免れない等の問題点があった。
また、長尺ずれ止め35の取り付け方法として溶接による方法が示されているが、現場溶接は天候や溶接工の熟練度などによって大きく溶接精度が左右されやすく、そのため、溶接部の品質を確保するのが非常に難しいだけでなく、長尺ずれ止め35の施工性や品質確保に問題があり、長尺ずれ止め35の強度低下を招く恐れもあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、鋼製壁とその内側に頂版または底版として構築されるRC版との結合を、結合部の簡素化などにより確実かつ迅速に行うことを可能にした鋼製壁とRC版との結合構造を提供することを目的とするものである。
請求項1記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造は、複数の組立矢板を有する鋼製壁と当該鋼製壁の内側に構築された鉄筋コンクリート床版との結合構造であって、前記組立矢板は土留め鋼材と該土留め鋼材の前記鉄筋コンクリート床版側に配置されたH形鋼と該H形鋼のフランジの側面部に施工前に取り付けられたずれ止めとから形成されていると共に、前記鉄筋コンクリート床版の全ての主鉄筋の端部が前記H形鋼間に形成された空間部内に挿入され、当該空間部内にコンクリートが打設されてなることを特徴とするものである。
本発明は、掘削道路、あるいは基礎構造物や開削トンネル等の地中構造物の構築に際し、組立矢板からなる鋼製壁を仮設時の土留め壁として利用し、かつ地中構造物の本体構造の一部としても利用する場合に、鋼製壁とその内側に頂版または底版として構築される鉄筋コンクリート床版との結合を、結合部の簡素化などにより確実かつ迅速に行うことを可能にしたものである。
鋼製壁を構成する組立矢板は、土留め鋼材と、その土留め鋼材の鉄筋コンクリート床版側に配置されたH形鋼と、そのH形鋼のフランジの側面部(鉄筋コンクリート床版側)に施工前に取り付けられたずれ止めとから形成され、複数の組立矢板を地中に互いに連結しながら打ち込んで構築することができ、特にH形鋼とずれ止めを設けることにより鉄筋コンクリート床版の端部の固定を確実かつ簡単に行うことができ、また大きな土圧にも確実に耐えることができる。
また、鉄筋コンクリート床版の主鉄筋の端部は、形鋼間に形成された空間部に挿入し、その後からコンクリートを打設することにより簡単に定着することができるため、従来必要とされていた長尺ずれ止めが不要になり、その結果、材料費の節減や現場施工の簡素化などによる工期の大幅な短縮を図ることができる。
なお、この場合のコンクリートとして高強度コンクリートを用いることにより主鉄筋端部の定着力を著しく高めることができる。また、この場合の形鋼には、例えばH形鋼、T形鋼、L形鋼または十字形鋼などのように、曲げ剛性が非常に大きく、土留め鋼材の一側部に溶接などによって簡単に取り付けることができるものを用いればよい。
また、H形鋼のフランジに取り付けられたずれ止めは主にせん断力の伝達を役割とするものであるため、高さの低いものを用いることができ、例えば孔あき鋼板、頭付きスタッド等が用いられ、高さの低いずれ止めを取り付ければ、ずれ止めを溶接した状態で地中に打ち込むことができる等、施工に際してずれ止めが邪魔になることはない。
土留め鋼材としては、例えば両端に継手を有するハット形鋼材、U形鋼材、あるいは鋼製矢板などを用いることができる。
請求項2記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造は、請求項1記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造において、前記組立矢板は、非対称継手を有するハット形土留め鋼材と該ハット形土留め鋼材の前記鉄筋コンクリート床版側に配置されたH形鋼とから形成されていることを特徴とするものである。
請求項3記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造は、請求項2記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造において、前記H形鋼は、前記ハット形土留め鋼材のウェブ部の前記鉄筋コンクリート床版側に配置されていることを特徴とするものである。
請求項記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造は、請求項1〜のいずれかに記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造において、前記鋼製壁と前記鉄筋コンクリート床版との結合部には、長尺ずれ止めを設けないことを特徴とするものである。
請求項記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造は、請求項1〜のいずれかに記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造において、鋼製壁の内側にコンクリートが打設して鋼製壁とコンクリートとからなる合成壁としてあることを特徴とするものである。
本発明によれば、特に鋼製壁とコンクリートとからなる合成壁として大きな土圧に抵抗するので、土留め壁の強度や剛性が著しく向上する。
請求項1〜記載のいずれの発明においても、鋼製壁と鉄筋コンクリート床版とからなる複合構造物においては、両構造体を剛に結合して、曲げモーメント、せん断力、軸力を円滑に伝達させる必要がある。
この種の複合構造物においは、現場で施工される鉄筋コンクリート床版の版厚をできるだけ薄くすることが、施工性、建設コストの面から好ましいが、鉄筋コンクリート床版の版厚を薄くすると、鉄筋コンクリート床版の曲げモーメントによって生じる主鉄筋の引張力が大きくなるので、この引張力をいかにして確実に鋼製壁に定着させるかが構造上の課題となる。
本発明では、鉄筋コンクリート床版の主鉄筋の端部を鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合部に打設したコンクリート内に定着させる方法を採用し、鋼製壁には土留め鋼材と形鋼とからなる組立矢板を用いており、主鉄筋の引張力は、以下の経路で鋼製壁に伝達される。
(1)鉄筋コンクリート床版の主鉄筋の付着力による伝達、(2)結合部に打設されたコンクリートの支圧力による伝達、そして(3)鋼製壁の形鋼フランジ内面上記(3)において、鋼製壁の形鋼フランジ内面にはコンクリートからの支圧力が面外力として作用するが、形鋼のフランジは周囲をコンクリートに取り囲まれているので、この面外力によりフランジが局部変形することなく円滑な荷重伝達が図られる。
以上に示した荷重伝達方法が現実のものであることを検証するために、本発明の結合構造を対象に載荷実験を実施した。
供試体の形状を図8(a),(b)に、実験配置図を図9に、実験結果を図10(a),(b)に、そして供試体の最終破壊状況を図11にそれぞれ示した。
載荷実験では、結合部を閉じる方向と開く方向に荷重を繰返し作用させたが、鉄筋コンクリート床版の主鉄筋は結合部から引抜けることは無かった。
また、図10(a),(b)の実験結果から、鉄筋コンクリート床版のa断面で鉄筋が降伏して鉄筋コンクリート床版が終局状態に至っても、結合部は破壊しないことが確認された。
さらに、図11の最終破壊状況からも鉄筋コンクリート床版の損傷は、A部に集中しており、結合部が十分な強度を有していることが確認できる。
以上の実験結果により、本発明によれば、鋼製壁と鉄筋コンクリート床版とを強固に結合できることが明らかになった。
請求項1記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造によれば、特に鋼製壁は土留め鋼材とその一側部に設けられた形鋼とからなる複数の組立矢板を地中に互いに連結しながら打ち込んで構築され、特にH形鋼とずれ止めが設けられていることにより床版などの鉄筋コンクリート床版端部の固定を確実かつ簡単に行うことができ、また大きな土圧にも強固に耐えることができる。
また、H形鋼のフランジの側面部に取り付けられている上記ずれ止めは、主にせん断力の伝達を役割とするものであるため、高さの低いものを用いることができ、施工前に孔あき鋼板、頭付きスタッド等の高さの低いずれ止めを溶接した状態で土留め鋼材を地中に打ち込むことができ、施工に際してずれ止めが邪魔になることはない。
また、鉄筋コンクリート床版の主鉄筋の端部は、H形鋼間に形成された空間部に挿入し、その後からコンクリートを打設することにより簡単に定着することができるため、従来必要とされていた長尺スタッド等の長尺ずれ止めが不要になり、その結果、材料費の節減や現場施工の簡素化などによる工期の大幅な短縮を図ることができる。
また、床版の全ての主鉄筋の端部がH形鋼間に形成された空間部内に挿入されて定着されることで一体性が高まる。
請求項2記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造は、組立矢板が非対称継手を有するハット形土留め鋼材とその鉄筋コンクリート床版側に配置されたH形鋼とから形成されているため、非常に曲げ剛性の大きい鋼製壁を構築することができる。
請求項3記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造は、請求項2記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造において、前記H形鋼は、ハット形土留め鋼材のウェブ部の鉄筋コンクリート床版側に配置されていることで、鉄筋コンクリート床版の主鉄筋の端部が定着されるH形鋼間に形成された空間部のふところを深くすることができる。
請求項記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造は、本発明の効果である従来必要とされていた長尺スタッド等の長尺ずれ止めが不要になり、その結果、材料費の節減や現場施工の簡素化などによる工期の大幅な短縮を図ることができるという点について、長尺ずれ止めを設けないことを構成要件として積極的に限定したものである。
請求項記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造は、請求項1〜のいずれかに記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造において、鋼製壁の内側にコンクリートが打設されていることで、特に鋼製壁とコンクリートとからなる合成壁として大きな土圧に抵抗するので、強度的に非常に安定した土留め壁を構築することができる。
図1(a),(b)は、本発明に係る鋼製壁と鉄筋コンクリート床版(以下、「RC床版」という)との結合構造の一例を示し、図において鋼製壁1は地中に所定の深さにわたって鉛直に構築され、またRC床版2は鋼製壁1の内側に水平に構築されている。
鋼製壁1は、複数の組立矢板3を地中に鉛直にかつ組立矢板3の径方向に並列に打ち込んで構築されている。組立矢板3は両端に非対称継手4a,4bをそれぞれ有するハット形土留め鋼材4とH形鋼5とから形成され、H形鋼5はRC床版2が取り付くハット形土留め鋼材4の内側、すなわちRC床版2側に鉛直に配置され、かつハット形土留め鋼材4のウェブ部に溶接等の方法によって一体的に取り付けられている。
また、鋼製壁1とRC床版2との結合部におけるH形鋼5のフランジ5aの側面部に、上下方向のせん断力を伝達させるためのずれ止め6が取り付けられている。
ずれ止め6は主にせん断力の伝達を役割とするものであるため、高さの低いものを用いることができ、例えば孔あき鋼板、頭付きスタッド等が用いられ、特に高さの低いずれ止め6を取り付ければ、ずれ止め6を溶接した状態でハット形土留め鋼材4を地中に打ち込むことができる等、施工に際してずれ止め6が邪魔になることはない。
RC床版2は複数の主鉄筋2a、配力筋2b、ハンチ筋2cおよびコンクリート2dから構築され、特に強度を高めるためにコンクリート2d内にH形鋼などの鉄骨材(図省略)を配置してSRC構造とすることも可能である。
主鉄筋2aは鋼製壁1に対して垂直に、鋼製壁1の連続方向(幅方向)に所定間隔おきに、かつ上下二段に配筋されている。
また、各主鉄筋2aの鋼製壁1側の端部はH形鋼5,5間に形成された空間部7内に挿入され、かつ空間部7内において主鉄筋2a端部の定着部として鋼製壁1に沿って上側または下側に折り曲げられている。
また、配力筋2bは主鉄筋2aの上に主鉄筋2aと直交し、かつ主鉄筋2aの長手方向に所定間隔おきに配筋され、ハンチ筋2cは鋼製壁1とRC床版2との結合部に上段側の主鉄筋2aから下段側の主筋筋2aにかけて斜めに配筋され、その鋼製壁1側の端部は下段側の主鉄筋2a,2a間を貫通し、主鉄筋1aの下方まで延在されている。
また、ハンチ筋2cの両端は水平に所定長さ延在され、かつ鋼製壁1側の端部は鋼製壁1に沿って所定長さ立ち上げられ、定着部になっている。なおこの場合、主鉄筋2a,2aの配筋間隔がH形鋼5の径より小さいときは、主鉄筋2a,2aの端部は図示するように水平方向に斜めに折り曲げられ、各H形鋼5の両側の空間部7,7内に挿入されている。
コンクリート2dは主鉄筋2a、配力筋2bおよびハンチ筋2dが充分な被りを有してコンクリート2d内に完全に埋まる厚さに打設され、特に鋼製壁1とRC床版2との結合部は、構造上の弱点とならないように鋼製壁1の連続方向に延びる梁状をなすように版厚に打設されている。
図2と図3は本発明の変形例を示し、図2の実施例の場合、鋼製壁1は両端に非対称継手4a,4bを有する土留め鋼材4とH形鋼5からなる組立矢板3と、非対称継手4a,4bを有する土留め鋼材4を交互に配置して構築され、また図3の実施例の場合、鋼製壁1は両端に対称継手8a,8bを有するU形土留め鋼材8とH形鋼5からなる組立矢板9とU形土留め鋼材8を交互に配置することにより構築されている。
いずれの実施例においても、鋼製壁1がこのように構築されていることで、隣接するH形鋼5,5間に大きな空間部7を形成できるため、結合部における主鉄筋2aの配筋作業が容易になる等、施工性がさらに向上する等の効果を有する。
図4(a)〜(c)は、本発明の変形例を示し、この実施例の場合、特に主鉄筋2aのうち鋼製壁1側の端部がH形鋼5に突き当たるように配筋された主鉄筋2aは、鋼製壁1側の端部を特に折り曲げないで、H形鋼5のフランジ5aに形成された貫通孔または切欠き5bに貫通させ、フランジ5aの裏側の空間部7内に直線状に定着して配筋されている。主鉄筋2aがこのように配筋されていることで、主鉄筋2aの統一が図られ、加工上および施工上の煩雑さを避けることができる等の効果がある。
図5(a),(b)は、同じく本発明の変形例を示し、この実施例の場合は、特に鋼製壁1とRC床版2との結合部を含めて鋼製壁1の内側の全体にコンクリート1aが連続して打設されている。この例では、鋼製壁1とコンクリート1aとからなる合成壁として外力に抵抗するので、土留め壁の強度や剛性が著しく向上する。
図6(a),(b)は、同じく本発明の変形例を示し、この実施例の場合、特に鋼製壁1とRC床版2との結合部において、H形鋼5のウェブ5cの両側に補強鋼板9,9がそれぞれ取り付けられている。一般にRC床版2が鋼製壁1に対して相対的に強度が大きい場合や、RC床版2の版厚が比較的薄い場合、RC床版2から鋼製壁1側に伝達される曲げモーメントによって鋼製壁1に大きなせん断力が生じることになるため、H形鋼5のウェブ5cがせん断降伏する恐れがある。本例は、このようなせん断力に対して結合部の安全性を高めた例である。
図7(a),(b)は、同じく本発明の変形例を示し、この実施例の場合、鋼製壁1を構成するH形鋼5のウェブ5cにずれ止め突起10が突設されている。このようなH形鋼を用いることで、結合部における応力分散が図られるため、結合部におけるコンクリートの局部的な破壊や欠け落ち等が生じにくくなり、さらに鋼製壁1と結合部コンクリートとの一体性を高めることができる。
なお、H形鋼5のウェブ5cにずれ止め突起10を突設する方法としては、例えば丸鋼、角鋼、異形鉄筋などを溶接によって取り付ける方法、溶接ビードにより突起を付与する方法、またはH形鋼5の圧延製造時に一体的に形成する方法などがあり、特に圧延でずれ止め突起10を付与する場合には、H形鋼5の全長に渡って突起を容易に形成できるため、図5(a),(b)の実施例のように鋼製壁1の全長にコンクリートを打設して側壁を合成壁にする場合に、鋼材とコンクリートの合成度を高めるのに効果的である。
またずれ止め突起10は、高さが数mm〜数十mm程度あればその機能を十分に発揮するので、土留め鋼材を地中に打ち込む前にあらかじめ工場で土留め鋼材に取り付けておいても、現場施工時の邪魔にならない。
本発明は、掘削道路、あるいは基礎構造物や開削トンネル等の地中構造物の構築に際し、組立矢板からなる鋼製壁を仮設時の土留め壁として利用し、かつ地中構造物の本体構造の一部としても利用する場合に、鋼製壁とその内側に頂版または底版として構築されたRC版との結合を、結合部の簡素化などにより確実かつ迅速に行うことができる。
本発明の第1の実施例を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図、(c)は組立矢板継手部の拡大断面図である。 本発明の第2の実施例を示す横断面図である。 本発明の第3の実施例を示し、(a)は横断面図、(b)は組立矢板継手部の拡大断面図である。 本発明の第4の実施例を示し、(a)はその横断面図、(b),(c)は組立矢板の一例を示す斜視図である。 本発明の第5の実施例を示し、(a)その縦断面図、(b)は横断面図である。 本発明の第6の実施例を示し、(a)その縦断面図、(b)は横断面図である。 本発明の第7の実施例を示し、(a)その縦断面図、(b)は横断面図である。 本発明の結合構造に関する実験用供試体を示し、(a)その縦断面図、(b)は横断面図である。 本発明の結合構造に関する実験配置図である。 (a)は本発明の結合構造に関する実験結果を示す図、(b)は載荷方法を示す図である。 本発明の結合構造に関する実験供試体の破壊状況を示す図である。 (a)、(b)は、従来例を示す断面図である。
1 鋼製(土留め)壁
2 RC床版(鉄筋コンクリート床版)
3 組立矢板
4 ハット形鋼材(土留め鋼材)
5 H形鋼(形鋼)
6 ずれ止め
7 空間部
8 U形鋼材
9 補強鋼板
10 ずれ止め突起

Claims (5)

  1. 複数の組立矢板を有する鋼製壁と当該鋼製壁の内側に構築された鉄筋コンクリート床版との結合構造であって、前記組立矢板は土留め鋼材と該土留め鋼材の前記鉄筋コンクリート床版側に配置されたH形鋼と該H形鋼のフランジの側面部に施工前に取り付けられたずれ止めとから形成されていると共に、前記鉄筋コンクリート床版の全ての主鉄筋の端部が前記H形鋼間に形成された空間部内に挿入され、当該空間部内にコンクリートが打設されてなることを特徴とする鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造。
  2. 前記組立矢板は、非対称継手を有するハット形土留め鋼材と該ハット形土留め鋼材の前記鉄筋コンクリート床版側に配置されたH形鋼とから形成されていることを特徴とする請求項1記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造。
  3. 前記H形鋼は、前記ハット形土留め鋼材のウェブ部の前記鉄筋コンクリート床版側に配置されていることを特徴とする請求項2記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造。
  4. 前記鋼製壁と前記鉄筋コンクリート床版との結合部には、長尺ずれ止めを設けないことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造。
  5. 前記鋼製壁の内側にコンクリートを打設して鋼製壁とコンクリートとからなる合成壁としてあることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の鋼製壁と鉄筋コンクリート床版との結合構造。
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