JP4790865B2 - 地下外壁構造 - Google Patents

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Description

本発明は、地下外壁構造に関する。本発明は特に、地中に埋め込まれる複数の鋼矢板からなる壁本体を備えた地下外壁構造に関する。
本願は、2009年2月10日に、日本に出願された特願2009−028768号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、建築物などの地下外壁としては、鉄筋コンクリート造の地下外壁(以下、RC壁と呼ぶ)が多用されている。このようなRC壁を構築する手順としては、親杭横矢板やソイルセメント壁等の地中連続壁による仮設土留めを用いて地下掘削を行い、その後、掘削した仮設土留めの内側にRC壁を構築する工法が一般的である。このような地下外壁の施工方法において、仮設土留め材は、地下外壁の構造体として見込まれておらず、RC壁の構築後に引き抜かれるかあるいは埋め殺される。従って、施工コストの増加や工期の長期化につながってしまうという不都合がある。
このような不都合を改善するために、仮設土留め材とRC壁とを一体化した合成構造によって、仮設土留め材を地下外壁の構造体として利用する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載の地下外壁構造では、仮設土留めであるソイルセメント壁内に埋設される芯材であるH形鋼のフランジに頭付きスタッドを取り付け、この頭付きスタッドを埋め込むようにして後打ちのRC壁を構築することで、H形鋼とRC壁とが連結される。このように仮設土留め材の芯材とRC壁とを連結することで、土圧や水圧などの地下外壁の面外から作用する外力に対し、芯材およびRC壁が一体的に抵抗することができる。即ち、芯材によってRC壁を補強することができ、仮設土留め材の芯材を地下外壁の構造体の一部として利用できる。
また、特許文献2に記載の技術は、仮設土留め材の一つである鋼矢板とRC壁とを一体化した合成構造に関する技術である。この合成構造においては、鋼矢板に固定した孔あき鋼板ジベルを介してRC壁と鋼矢板とが連結される。このように、鋼矢板を地下外壁の構造体として利用することで、RC壁の構築後に鋼矢板を引き抜く必要がなくなる。また、鋼矢板による補強分だけRC壁の躯体数量の低減が見込める。従って、施工コストの削減や工期短縮を図ることができる。
日本国特許第3578210号公報 日本国特許第3614087号公報
特許文献1、2に記載された従来の合成構造の地下外壁において、仮設土留めを構成する芯材や鋼矢板は、面外方向に作用する荷重に対してRC壁の補強材として抵抗することが可能であるものの、地震時の面内荷重に対して抵抗することはできない。このため、地震時の面内荷重に対して抵抗するためにはRC壁が必須であり、従来の地下外壁構造としては、仮設土留めを用いて地下掘削を行った後にRC壁を構築することから、大幅な施工コスト削減や工期短縮を期待することができない。
一方、大幅なコスト削減や工期短縮を行うためには、従来の地下外壁構造においてRC壁を構築せずに、複数の鋼矢板のみで地下外壁を構成することも考えられる。しかしながら、この場合には、鋼矢板同士の連結部(継手部)が長手方向(上下方向)に拘束されていないため、地震時の面内荷重に対してせん断力を十分伝達できず、鋼矢板単独で構成した地下外壁を耐震壁として利用することができない。
ここで、鋼矢板の連結部におけるせん断耐力を向上させる方法として、例えば、連結部を直接溶接する方法や、連結部に丸棒を噛ませて溶接する方法などが考えられる。しかし、鋼矢板の連結部を直接溶接する方法では、連結部の嵌合状況に応じて溶接を行う間隙部の大きさが異なる。従って、高度な喉厚管理や強度管理を必要とするため、実施工への適用が困難であるという問題がある。また、隣り合う鋼矢板の継手部の現場溶接の精度は溶接者の技術に強く依存するため品質管理が難しく、地震等に対する安全性は不十分である。
本発明の目的は、地震時の面内荷重に対して抵抗するためのRC壁を必要とせず、鋼矢板単独で地下外壁を構築できるように施工・強度管理が容易な継手拘束手段を用いて、耐震壁としての機能を持たせた地下外壁構造を提供すること、および大幅なコスト削減が実現できる地下外壁構造を提供することにある。
本発明は、上述の課題を解決するために以下の手段を採用した。
(1)本発明の一態様は、それぞれの側端縁に設けられる継手部で互いに連結され、地盤に埋め込まれることで地盤側と地下室空間側とを区画する第1の鋼矢板および第2の鋼矢板と;前記第1の鋼矢板に設けられる第1上側固定部と;前記第1上側固定部よりも下側の位置において、前記第2の鋼矢板に設けられる第1下側固定部と;前記第1上側固定部と前記第1下側固定部とを連結する第1連結部材と;前記第1の鋼矢板に設けられる第2下側固定部と;前記第2下側固定部よりも上側の位置において、前記第2の鋼矢板に設けられる第2上側固定部と;前記第2下側固定部と前記第2上側固定部とを連結する第2連結部材と;を備える地下外壁構造である。前記第1連結部材および前記第2連結部材の少なくとも一方が、前記第1の鋼矢板と前記第2の鋼矢板との埋め込み方向への相対移動を拘束する。
(2)上記(1)に記載の地下外壁構造では、前記第1の鋼矢板および前記第2の鋼矢板はそれぞれ、前記地下室空間側に位置して設けられる第1フランジと;前記第1フランジの両側端縁に連設される一対のウェブと;前記一対のウェブの先端縁から前記第1フランジと略平行かつ外方に延び、前記地盤側に位置して設けられる一対の第2フランジと;を備え、前記一対の第2フランジの先端縁に前記一対の継手部が設けられるハット形鋼矢板であっても良い。ここで、前記第1の鋼矢板および前記第2の鋼矢板のうち、一方の鋼矢板における前記ウェブと前記第2フランジと、他方の鋼矢板における前記ウェブと前記第2フランジとが、前記地盤側に凹んだ溝部を形成し、前記第1連結部材および前記第2連結部材は、前記溝部に設けられても良い。
(3)上記(2)に記載の地下外壁構造では、前記第1上側固定部および前記第2下側固定部は、前記第1の鋼矢板の前記第2フランジに設けられ、前記第2上側固定部および前記第1下側固定部は、前記第2の鋼矢板の前記第2フランジに設けられても良い。
(4)上記(2)に記載の地下外壁構造では、前記第1上側固定部および前記第2下側固定部は、前記第1の鋼矢板の前記ウェブに設けられ、前記第2上側固定部および前記第1下側固定部は、前記第2の鋼矢板の前記ウェブに設けられても良い。
(5)上記(1)に記載の地下外壁構造では、前記第1の鋼矢板および前記第2の鋼矢板は、フランジと;前記フランジの両側端縁に連設される一対のウェブと;
を備え、前記一対のウェブの先端縁に前記一対の継手部設けられる第1のU形鋼矢板および第2のU形鋼矢板であっても良い。ここで、前記第1のU形鋼矢板は前記地盤側に前記フランジを配置して設けられ、前記第2のU形鋼矢板は前記地下空間側に前記フランジを配置して設けられ、前記第1のU形鋼矢板と、2つの前記第2のU形鋼矢板の前記ウェブとが、前記地盤側に凹んだ溝部を形成し、前記第1連結部材および前記第2連結部材は、前記溝部において、前記第1の鋼矢板および前記第2の鋼矢板のそれぞれの前記ウェブに設けられても良い。
(6)上記(1)〜(5)に記載の地下外壁構造では、前記第1連結部材と前記第2連結部材とが、互いに交差して配置されていても良い。
(7)上記(1)〜(5)に記載の地下外壁構造では、前記第1連結部材と前記第2連結部材とが、互いに交差しないように前記上下方向にずれた位置に配置されていても良い。
(8)上記(1)〜(7)に記載の地下外壁構造では、前記第1連結部材と前記第2連結部材とが、それぞれ前記隣り合う鋼矢板の上下方向の異なる複数箇所に設けられていても良い。
上記(1)に記載の構成によれば、第1上側固定部と、これよりも下方位置に設けた第1下側固定部とが第1連結部材で連結される。従って、この第1連結部材は、鋼矢板の上下方向(埋め込み方向)に対して斜め方向となる姿勢で、かつ、継手部を跨いだ状態で、一方の鋼矢板と他方の鋼矢板とを接続する。同様に、第2上側固定部と、これよりも下方位置に設けた第2下側固定部とが第2連結部材で連結される。従って、この第2連結部材も、鋼矢板の上下方向に対して斜め方向となる姿勢で、かつ、継手部を跨いだ状態で、一方の鋼矢板と他方の鋼矢板とを接続する。この際、各上側固定部および各下側固定部の位置関係により、第1連結部材および第2連結部材の各傾斜方向が互いに反対方向となる。
このため、隣り合う鋼矢板同士の上下方向の相対移動に対して、第1連結部材および第2連結部材のいずれか一方が引張負荷を受ける。これにより、相対移動が規制されるので、鋼矢板同士のせん断変形を拘束することができる。従って、複数の鋼矢板を連結した壁本体が、その面内せん断力に対して十分抵抗できるようになり、壁本体を耐震壁として機能させることができる。これにより、従来のようなRC壁を鋼矢板からなる壁本体の内側(空間側)に構築しなくてもよくなり、RC壁の構築に要するコストや工期を大幅に削減することが可能となる。
また、この構成においては、隣り合う鋼矢板において継手部を跨いで上下方向にずれた位置に上側固定部および下側固定部を設けて、これらを連結部材で連結する。このため、鋼矢板の継手部を上下方向に沿って互いに連続溶接して連結させる場合と比べて、上下方向の長さ当たりの連結箇所を少なくすることができる。従って、鋼矢板同士を接続する作業の工期短縮を図ることができ、さらなる施工コストの低減が実現できる。
さらに、連結部材の断面サイズを変更することでせん断変形に対する任意の抵抗力とすることができる。従って、建て替え等によって上部建築物の重量が変化する場合には、連結部材を交換するという比較的簡易な作業のみで、耐震補強を行うことができる。なお、本設計にあたっては、例えば「建築用ターンバックル筋かい設計施工指針・同解説」(社団法人日本鋼構造協会発行)などを参照することができる。
上記(2)〜(4)に記載の構成によれば、ハット形鋼矢板の第2フランジが背面側(地盤側)となるようにハット形鋼矢板を配置して、継手部を介して隣り合う第2フランジによって形成される溝部の底面に、または溝部の両側面に第1連結部材および第2連結部材を設けたので、これらの連結部材が壁本体の溝部に収納される。この溝部を有効利用して隣り合う鋼矢板同士を接続することができるため、壁全体の厚さ寸法を小さくすることができる。
そして、溝部の底面となる第2フランジに各固定部を設けた場合には、隣り合う鋼矢板の継手部に近い位置において、各連結部材によって鋼矢板間のせん断変形を拘束することができるので、その拘束効果をより有効に発揮することができる。一方、溝部の内側面となるウェブに各固定部を設けた場合には、各固定部が継手部から離れて位置するために、これらの各固定部や各連結部材と継手部とが干渉しにくくでき、各部材配置の自由度が高まるとともに施工性も向上させることができる。また、鋼矢板としてハット形鋼矢板を用いる場合には、第1連結部材及び第2連結部材を、壁の成立面に略平行な面内において設置することができる。地震等の発生時に壁面に作用するせん断荷重の方向に一致させることで、第1連結部材又は第2連結部材を大きな荷重に対する抵抗部材としてより効果的に機能させることができる。
なお、各固定部の設置位置は、作業性や設計荷重等の各種条件に応じて適宜設定すればよく、前述した位置に限定されるものではない。
上記(5)に記載の構成によれば、U形鋼矢板のフランジが背面側(地盤側)となるように第1の鋼矢板を配置し、U形鋼矢板のフランジが表面側(地下室空間側)となるように第2の鋼矢板を第1の鋼矢板に対して交互に配置して、継手部を介して隣り合うウェブによって形成される溝部の側面に第1連結部材および第2連結部材を設けたので、これらの連結部材が壁本体の溝部に収納される。この溝部を有効利用して隣り合う鋼矢板同士を接続することができるため、壁全体の厚さ寸法を小さくすることができる。
上記(6)に記載の構成によれば、第1連結部材および第2連結部材を交差して配置することにより、継手部を通る上下方向の軸に対して、第1連結部材および第2連結部材を軸対称に設けることができ、一方の連結部材に引張負荷が作用する場合と、他方の連結部材に引張負荷が作用する場合とにおいて、両連結部材のせん断変形に対する抵抗を一致させることができる。従って、面内せん断変形の向きの違いに対して均等なせん断抵抗力を有する地下外壁構造を構築する場合に有効である。
上記(7)に記載の構成によれば、第1連結部材および第2連結部材を交差させずに配置するので、例えば、複数の連結部材を継手部に沿ってジグザグに配置することが可能となるため、壁本体の厚さ方向における連結部材同士の重なり部分が生じず、同じ形状の連結部材を用いて隣り合う鋼矢板同士を接続することができる。従って、固定部の部品点数を少なくすることができ、施工性を向上させることができる。
上記(8)に記載の構成によれば、第1連結部材および第2連結部材をそれぞれ複数箇所に配置するので、隣り合う鋼矢板間で伝達可能なせん断力を容易に向上させることができるとともに、複数箇所に分散させてせん断力を伝達することで、各連結部材や各固定部、さらには固定部が設けられる鋼矢板の各部に作用する応力を小さくすることができる。
以上のような本発明の地下外壁構造によれば、鋼矢板の連結部におけるせん断変形を連結部材にて拘束することが可能となる。このため、地震時に面内荷重を負担するRC壁を構築する必要がなくなり、鋼矢板単独で地下外壁を構築できる。また、連結部全長を溶接する場合に比べて簡易で少ない溶接作業でせん断補強を行うことができ、かつ連結部材の引張強度によって壁体のせん断変形を拘束するため強度管理が容易となる。更に、RC壁を構築する必要がなくなることから、RC壁の構築に要する施工コストや工期を大幅に削減することができ、低コスト化および短工期化が実現できる。
また、連結部材が壁本体の溝部に収納され、この溝部を有効利用して隣り合う鋼矢板同士を接続することができ、壁全体の厚さ寸法を小さくすることができる。さらに、連結部材の断面サイズを変更することでせん断変形に対する任意の抵抗力とすることができるため、建て替え等によって上部建築物の重量が変化する場合には、連結部材を交換するという比較的簡易な作業のみで、耐震補強を行うことができる。加えて、地震荷重を受けて壁構造が破壊する場合には、一般にせん断力を主として負担するブレース部が先行降伏する。従って、地震後のメンテナンスとして、ブレース部材の簡易な交換を行うだけでよい。せん断壁として打設したRC壁のメンテナンスと比べると、そのメンテナンスは非常に容易である。
本発明の第1実施形態に係る地下外壁を示す正面図である。 前記地下外壁を示す横断面図である。 前記地下外壁の壁本体を示す斜視図である。 前記地下外壁の連結部材の接続部分を上方から見た図である。 前記地下外壁の連結部材の接続部分を側方から見た図である。 前記地下外壁の変形例を示す正面図である。 前記地下外壁の別の変形例を示す部分正面図である。 本発明の第2実施形態に係る地下外壁を示す正面図である。 本発明の第3実施形態に係る地下外壁を示す横断面図である。 前記地下外壁の一態様を示す部分正面図である。 前記地下外壁の他の態様を示す部分正面図である。 本発明の第4実施形態に係る地下外壁を示す正面図である。 前記地下外壁を示す横断面図である。 前記地下外壁の連結部材の接続部分を上方から見た図である。 前記地下外壁の連結部材の接続部分を側方から見た図である。 前記連結部材の接続部分の変形例を示す部分正面図である。 前記連結部材の接続部分の別の変形例を示す部分正面図である。 前記地下外壁の変形例を示す正面図である。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。尚、本発明において、鋼矢板等の上下方向(または長手方向)は、特に説明が無い限り、鋼矢板が地盤に埋め込まれる方向(略鉛直方向)を指す。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る地下外壁1を地下室側から見た正面図である。図2は、地下外壁1を示す横断面図である。図3は、地下外壁1を構成する壁本体3を示す斜視図である。図4A、図4Bは、壁本体3に設けられた連結部材5の接続部分を拡大して示す上方から見た図および側方から見た図である。
図1および図2に示す地下外壁1は、前面側の空間である地下室空間S(図2)と背面側の地盤G(図2)とを区画する地下外壁構造である。この地下壁1は、地盤G中に埋め込まれる複数の鋼矢板2からなる壁本体3を有する。すなわち、地盤Gに埋め込まれた鋼矢板2の一部は、地盤Gから露出された露出部(壁本体3に相当する部分)となって、その露出部の前面側に地下室空間Sを形成している。
本実施形態において、鋼矢板2は、熱間圧延で製造され、断面中央に位置する第1フランジ21と、この第1フランジ21の両側端縁に連設される一対のウェブ22と、これら一対のウェブ22の先端縁から第1フランジ21と平行かつ外方に延びる一対の第2フランジ23と、これら一対の第2フランジ23の先端縁に設けられる一対の継手部24とを有したハット形鋼矢板である。これらの鋼矢板2の第1フランジ21が地下室空間S側に位置して設けられ、一対の第2フランジ23が地盤G側に位置して設けられるとともに、第1フランジ21に対して地盤G側に離れて位置する継手部24同士を嵌合させることで、隣り合う鋼矢板2同士が連結され、これにより壁本体3が連続的に形成されている。
また、複数の鋼矢板2のうちの隣り合う2枚の鋼矢板2A,2Bに注目すると、このうちの一方の鋼矢板2Aのウェブ22と、これに連続する第2フランジ23と、継手部24を介して接続される他方の鋼矢板2Bの第2フランジ23と、これに連続するウェブ22とによって、壁本体3の地盤G側に凹んだ断面略台形状の溝部31が形成されている。この溝部31の底面(略台形の上辺)を形成する1組の第2フランジ23は、当該第2フランジ23に設けられる4枚の固定板4(41〜44)と、一対の棒状の連結部材5とで互いに接続されている。
固定板4は、図3にも示すように、継手部24を挟んで隣り合う各第2フランジ23の上方位置に固定された第1上側固定板41および第2上側固定板43と、隣り合う各第2フランジ23の地中埋設部に近傍する下方位置に固定された第1下側固定板42および第2下側固定板44とから構成される。これらの固定板4は、第2フランジ23から地下室空間S側に突出して設けられている。なお、第1上側固定板41および第2下側固定板44は、一方の鋼矢板2A側の第2フランジ23に固定され、第2上側固定板43および第1下側固定板42は、他方の鋼矢板2B側の第2フランジ23に固定されている。本発明の固定部に相当するこれらの固定板4(41〜44)は、ピース状の鋼板からなり、地下室空間S側の地盤を掘削してから後付けで第2フランジ23に溶接固定される。なお、図3では、連結部材5の図示が省略されている。
棒状の連結部材5は、第1連結部材51および第2連結部材52から構成され、図1に示すように、各溝部31に一対ずつ、中央部分にて互いに交差して、かつ、鋼矢板2の上下方向に対して斜めに継手部24を跨ぐように配置されている。このうちの第1連結部材51については、両端部が平板で形成された連結具6を介して、第1上側固定板41および第1下側固定板42にボルト接合され、第1上側固定板41および第1下側固定板42を連結している。また、第2連結部材52については、両端部が平板で形成された連結具6を介して、第2上側固定板43および第2下側固定板44にボルト接合され、第2上側固定板43および第2下側固定板44を連結している。本実施形態の連結部材5(51,52)は、丸棒であり、図1に示すように、各連結部材5の長手方向の中間位置に設けられたターンバックル8により、連結部材5の長さを調整できる。
また、固定板4には、図4A、図4Bにも示すように、連結部材5の端部に設けられた連結具6との固着具であるボルト7を挿通させるボルト孔45が形成されている。ボルト孔45は、固定板4の突出方向に沿って長く形成された長孔(大径孔)であり、固定板4に対して連結具6および連結部材5を突出方向に位置調節できる。
図4A、図4Bに示されるように、連結部材5の端部には、連結具6が溶接固定されている。この連結具6は、略矩形の板状鋼材であり、固定板4Aの側面に沿うように配置され、固定板4Aにボルト7にてボルト接合されている。なお、図4Bの平面視にて、連結具6および連結部材5の溶接部分とボルト7とを結ぶ線は、連結部材5の長尺方向の中心軸と略一致している。
一対の連結部材5は、固定板4に長孔のボルト孔45が設けられていることにより、壁本体3の厚さ方向に互いにずれた位置に固定されている。これにより、2本の連結部材5をその中央位置にて互いに交差して配置することができる。
以上のように、鋼矢板2を地盤Gに埋め込んで地下室空間S側の地盤を掘削した後に、地下室空間S側に露出した鋼矢板2に固定板4を後付けで固定する。その後、連結部材5を溝部31に設置する。この際、連結部材5の両端部には予め連結具6を溶接固定しておくと、連結部材5の取付作業が、固定板4と連結具6とのボルト接合だけとなり、現場における取付作業の負荷を低減できる。また、連結部材5を接続した後、その長さ調整をターンバックル8にて容易に実施できるようになっている。さらに、これらの固定板4、連結部材5および連結具6は、壁本体3の溝部31に収納されており、地下室空間S側に突出していない。以上のようにして、連結部材5が連結具6を介して固定板4に取付けられると同時に、一対の連結部材5を介して隣り合う鋼矢板2A,2B同士が連結される。これによって、これらの鋼矢板2A,2B同士の上下方向における相対移動に対して、一対の連結部材5のいずれか一方が引張負荷を受けて相対移動を規制し、隣り合う鋼矢板2A,2B同士が上下方向に相対移動不能に接続されるようになっている。
なお、本実施形態において、固定板4および連結部材5の構成は、前述のものに限らず、例えば以下の図5および図6に示す構成が採用可能である。
図5において、連結部材5A(51A,52B)は、断面矩形の平板であり、端部が固定板4A(41A〜44A)に溶接固定されており、隣り合う鋼矢板2A,2B同士を上下方向に相対移動不能に接続している。溶接固定の場合、現場での位置合わせ作業が容易となる。
また、図6において、連結部材5A(51A,52B)は、断面矩形の平板であり、端部にボルト7を挿通させるボルト孔を有し、固定板4A(41A〜44A)とボルト接合されることで、隣り合う鋼矢板2(2A,2B)同士を上下方向に相対移動不能に接続している。
なお、図5および図6に示す連結部材5Aとしては、平板に限らず、溝形鋼、山形鋼を採用してもよい。
以上のような本実施形態の地下外壁1によれば、以下の作用、効果が得られる。
すなわち、隣り合う鋼矢板2における継手部24を跨ぐ4箇所の位置に、固定板4を固定し、第1連結部材51で第1上側固定板41と第1下側固定板42とを連結させ、第2連結部材52で第2上側固定板43と第2下側固定板44とを連結させたことで、隣り合う鋼矢板2同士が上下方向にずれるようなせん断変形が拘束され、壁本体3を耐震壁として機能させることができる。すなわち、鋼矢板2同士の上下方向の相対移動に対して、一対の連結部材5のいずれか一方が引張負荷を受けて相対移動を規制するので、鋼矢板2同士のせん断変形を拘束することができる。従って、壁本体3を仮設の土留めとしてではなく、本設の地下外壁構造体として利用できるので、従来のようなRC壁を構築する必要がなく、施工コストを大幅に低減させることができる。そして、RC壁を構築するための工期や仮設土留めを引き抜くための工期が不要にできることから、地下構築に要する工期を大幅に短縮化することができる。
また、施工手順として、鋼矢板2を地盤Gに埋め込んで地下室空間S側の地盤を掘削した後に、地下室空間S側から鋼矢板2に後付けで固定板4を固定してから、この固定板4に、予め連結具6を両端部に固定しておいた連結部材5をボルト接合する手順が採用できる。従って、各部材を地下室空間S側から設置することができ、取り付け作業の作業性を向上させることができる。
この際、連結部材5が長手状に形成されており、隣り合う鋼矢板2において継手部24を跨いで上下方向にずれた位置に連結部材5の各端部を固定するだけなので、鋼矢板2の継手部24を上下方向に沿って互いに溶接して連結させる場合と比べて、上下方向の長さ当たりの連結箇所を少なくすることができる。従って、鋼矢板2同士を接続する作業の工期短縮を図ることができ、さらなる施工コストの低減が実現できる。
また、鋼矢板2における地盤G側に位置する第2フランジ23に固定板4が固定されることで、固定板4、連結部材5および連結具6を、壁本体3の第1フランジ21よりも地盤G側に凹んだ溝部31に収納することができる。従って、壁本体3の溝部31を有効に利用して鋼矢板2同士を接続することができ、地下外壁1全体の厚さ寸法が小さくできる。このため、地下室空間Sを拡大して有効利用することができる。
さらに、一対の連結部材5を交差して配置することにより、継手部24を通る上下方向の軸に対して、一対の連結部材5を軸対称に設けることができ、一方の連結部材5に引張負荷が作用する場合と、他方の連結部材5に引張負荷が作用する場合とにおいて、両連結部材5のせん断変形に対する抵抗を一致させることができる。従って、壁本体3に作用する面内せん断変形の向きの違いに対して均等なせん断抵抗力を具備させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態の地下外壁1Aを図7に基づいて説明する。
図7は、第2実施形態に係る地下外壁1Aを示す正面図である。
地下外壁1Aは、前記地下外壁1と比較して一対の連結部材5の配置が相違する。すなわち、地下外壁1Aでは、第1連結部材51および第2連結部材52が継手部24に沿って、L字状に配置され、壁本体3の一つの溝部31に対して、上下に2対の連結部材5がジグザク状に配置されている。
具体的には、鋼矢板2Bの上方位置に第2上側固定板43が固定され、隣接する鋼矢板2Aにおける第2上側固定板43よりも下方位置に第2下側固定板44が固定され、これらの第2上側固定板43と第2下側固定板44とが第2連結部材52によって連結されている。また、鋼矢板2Aにおける第2下側固定板44の直下位置に第1上側固定板41が固定され、鋼矢板2Bにおける第1上側固定板41よりも下方位置に第1下側固定板42が固定され、これらの第1上側固定板41と第1下側固定板42とが第1連結部材51によって連結されている。
以上のような第2実施形態の地下外壁1Aによれば、前記第1実施形態と略同様に、隣り合う鋼矢板2同士のせん断変形が拘束されるので、壁本体3を耐震壁として機能させることができる。従って、従来のようなRC壁を構築する必要がなく、施工コストを大幅に低減できるとともに工期を大幅に短縮化することができる。
また、一対の連結部材5をL字状に配置して、これを上下に2対配置することで継手部24に沿ったジグザグ状の配置が可能となり、壁本体3の厚さ方向における連結部材5同士の重なり部分が生じない。このため、固定板4に長孔のボルト孔45などを形成しなくても同じ形状の連結部材を用いて隣り合う鋼矢板2同士を接続することができる。また、一対の連結部材5Aを同時に取り付けることも可能となり、取り付け作業時間の短縮化をさらに図ることができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態の地下外壁1Bを図8および図9A、図9Bに基づいて説明する。
図8は、第3実施形態に係る地下外壁1Bを示す横断面図である。図9A、図9Bは、本実施形態での一対の連結部材5の配置の各態様を示す正面図である。
地下外壁1Bは、U形鋼矢板である第1鋼矢板2Cおよび第2鋼矢板2Dを用いて壁本体3Aを構成した点が前記第1、第2実施形態と相違するものの、継手部27を跨いで配置される固定板4、連結部材5および連結具6の構成は、前述の実施形態と略同様である。以下、相違点について詳しく説明する。
第1鋼矢板2Cおよび第2鋼矢板2Dは、それぞれフランジ25と、このフランジ25の両側端縁に連続する一対のウェブ26と、これら一対のウェブ26の先端縁に設けられる一対の継手部27とを有したU形鋼矢板である。第1鋼矢板2Cは、そのフランジ25が背面側である地盤G側に位置して設けられ、第2鋼矢板2Dは、そのフランジ25が表面側である地下室空間S側に位置して設けられる。これら第1鋼矢板2Cおよび第2鋼矢板2Dは交互に隣り合って、互いの継手部27の嵌合によって連結されている。
第1鋼矢板2Cと、この第1鋼矢板2Cの一対のウェブ26に継手部27を介して接続される第2鋼矢板2Dのウェブ26とは、壁本体3Aの地盤G側に凹んだ溝部31Aを形成している。そして、一対の連結部材5は、継手部27を介して隣り合うウェブ26によって形成される溝部31Aの側面に設けられている。なお、図9Aに示すように、第1連結部材51および第2連結部材52をX字状に交差して配置してもよく、図9Bに示すように、第1連結部材51および第2連結部材52を継手部27に沿って、L字状に配置してもよい。
このような第3実施形態の地下外壁1Bによれば、前記実施形態と略同様の効果を得ることができる。例えば、溝部31Aの側面に一対の連結部材5を設けたので、固定板4、連結部材5および連結具6を溝部31Aに収納することができるため、溝部31Aを有効利用して隣り合う鋼矢板2同士を接続することができる。従って、壁全体の厚さ寸法を小さくすることができる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態の地下外壁1Cを図10〜図12Bに基づいて説明する。
図10および図11は、第4実施形態に係る地下外壁1Cを示す正面図および横断面図である。図12A、図12Bは、地下外壁1Cにおける連結部材10の接続部分を拡大して示す上方から見た図および側方から見た図である。
地下外壁1Cは、前記第1、2実施形態と同様にハット形鋼矢板である鋼矢板2を用いて壁本体3が構成されるものの、固定部である固定板9および連結部材10が設置される位置が第1、第2実施形態と相違しているとともに、固定板9への連結部材10の固定方法が前記各実施形態と相違している。以下、相違点について詳しく説明する。
連結部材10は、断面矩形の平板であり、溝部31の両側面を形成する一対のウェブ22に溶接固定された4枚の固定板9に、その両端部が溶接固定されて構成されている。すなわち、交差した状態で配置された2本の連結部材10のうちの第1連結部材10Aの上端部は、溝部31の鋼矢板2A側の上方位置に固定された第1上側固定板91に接合され、第1連結部材10Aの下端部は、溝部31の鋼矢板2B側の下方位置に固定された第1下側固定板92に接合されている。また、2本の連結部材10のうちの第2連結部材10Bの上端部は、溝部31の鋼矢板2B側の上方位置に固定された第2上側固定板93に接合され、第2連結部材10Bの下端部は、溝部31の鋼矢板2A側の下方位置に固定された第2下側固定板94に接合されている。
ここで、図11に示すように、ウェブ22の傾斜方向における任意の位置に固定板9を溶接固定することができる。従って、例えば、継手部24を跨ぐ位置に配置される一対の固定板9を連結部材10の厚さ寸法だけ壁本体3の厚さ方向にずれた位置に固定すれば、一対の連結部材10を交差させて固定板9に固定することが容易となる。
以上の固定板9および連結部材10では、図12A、図12Bにも示すように、先ず地下室空間S側の地盤を掘削してから後付けで一対のウェブ22の上方位置および下方位置にそれぞれ固定板9を一対ずつ第2フランジ23に平行となる姿勢で溶接固定する。その後、一対の連結部材10を交差させた状態で、上下4箇所の固定板9に固定する。このようにして、一対の連結部材10を介して隣り合う鋼矢板2同士が連結され、これらの鋼矢板2同士の上下方向における相対移動に対して、一対の連結部材10のいずれか一方が引張負荷を受けて当該相対移動を規制する。これにより、隣り合う鋼矢板2同士が上下方向に相対移動不能に接続される。本実施形態においては、固定板9が鋼矢板の埋め込み方向(鉛直方向)に平行に取り付けられるため、埋め込み前に鋼矢板へ溶接等で固定しておくことも可能である。
なお、本実施形態において、固定板9へ連結部材10を固定する構成は、前述のものに限らず、以下の図13A、図13Bに示す構成が採用可能である。
図13Aにおいて、連結部材10は、断面矩形の平板であり、端部が複数のボルト101によって固定板9にボルト接合されており、隣り合う鋼矢板2同士を上下方向に相対移動不能に接続している。
図13Bにおいて、連結部材10は、丸棒であり、第1実施形態と同様に平板状の連結具102を介して固定板9にボルト103によってボルト接合されることで、隣り合う鋼矢板2同士を上下方向に相対移動不能に接続している。
以上のような本実施形態の地下外壁1Cによれば、前述の実施形態と略同様の作用、効果が得られる。
なお、本実施形態において、一対の連結部材10がX字状に交差して配置されるものに限らず、図14に示す地下外壁1Dのように、一対の連結部材10が継手部24に沿って、L字状に配置されたものであってもよい。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、地下外壁1,1A,1B,1C,1Dについて説明したが、本発明の地下外壁構造は、地下外壁に限らず、地上に構築される壁に適用することも可能である。すなわち、鋼矢板の上端部を地盤面から地上に突出させておき、この突出した鋼矢板に連結部材を設置した構造であってもよく、この場合には、鋼矢板の背面側に地盤が存在せず、外部空間または内部空間などの適宜な背面空間が位置してもよい。そして、背面側においても、前述と同様の連結部材を取り付けてもよい。
また、前記実施形態では、壁本体3,3Aを構成する鋼矢板として、ハット形鋼矢板(鋼矢板2)およびU型鋼矢板(鋼矢板2C,2D)を利用したが、鋼矢板の形態は特に限定されず、Z形鋼矢板やI形鋼矢板など、適宜なものが利用可能である。
なお、連結部材としては、丸棒、平板に限らず、溝形鋼や山形鋼など任意の断面形状の部材を適用できる。また、長手状の連結部材としては、連結部材に限らず、チェーンやワイヤーなどを適用しても構わない。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明によれば、地震時の面内荷重に対して抵抗するためのRC壁を必要とせず、鋼矢板単独で地下外壁を構築できるように施工ならびに強度管理が容易な継手拘束手段を用いて、耐震壁としての機能を持たせた地下外壁構造を提供することならびに大幅なコスト削減が実現できる地下外壁構造を提供することができる。従って、産業上の利用可能性は大きい。
1,1A,1B,1C,1D…地下外壁(地下外壁構造)
2,2A,2B…鋼矢板
2C…第1鋼矢板
2D…第2鋼矢板
3,3A…壁本体
4,4A…固定板(固定部)
5,5A…連結部材
9…固定板(固定部)
10…連結部材
10A…第1連結部材
10B…第2連結部材
21…第1フランジ
22…ウェブ
23…第2フランジ
24…継手部
25…フランジ
26…ウェブ
27…継手部
31,31A…溝部
41,41A…第1上側固定板(第1上側固定部)
42,42A…第1下側固定板(第1下側固定部)
43,43A…第2上側固定板(第2上側固定部)
44,44A…第2下側固定板(第2下側固定部)
51,51A…第1連結部材
52,52A…第2連結部材
91…第1上側固定板(第1上側固定部)
92…第1下側固定板(第1下側固定部)
93…第2上側固定板(第2上側固定部)
94…第2下側固定板(第2下側固定部)
G…地盤
S…地下室空間

Claims (8)

  1. それぞれの側端縁に設けられる継手部で互いに連結され、地盤に埋め込まれることで地盤側と地下室空間側とを区画する第1の鋼矢板および第2の鋼矢板と;
    前記第1の鋼矢板に設けられる第1上側固定部と;
    前記第1上側固定部よりも下側の位置において、前記第2の鋼矢板に設けられる第1下側固定部と;
    前記第1上側固定部と前記第1下側固定部とを連結する第1連結部材と;
    前記第1の鋼矢板に設けられる第2下側固定部と;
    前記第2下側固定部よりも上側の位置において、前記第2の鋼矢板に設けられる第2上側固定部と;
    前記第2下側固定部と前記第2上側固定部とを連結する第2連結部材と;
    を備え、
    前記第1連結部材および前記第2連結部材の少なくとも一方が、前記第1の鋼矢板と前記第2の鋼矢板との埋め込み方向への相対移動を拘束することを特徴とする地下外壁構造。
  2. 前記第1の鋼矢板および前記第2の鋼矢板はそれぞれ、
    前記地下室空間側に位置して設けられる第1フランジと;
    前記第1フランジの両側端縁に連設される一対のウェブと;
    前記一対のウェブの先端縁から前記第1フランジと略平行かつ外方に延び、前記地盤側に位置して設けられる一対の第2フランジと;
    を備え、前記一対の第2フランジの先端縁に前記一対の継手部が設けられるハット形鋼矢板であり、
    前記第1の鋼矢板および前記第2の鋼矢板のうち、一方の鋼矢板における前記ウェブと前記第2フランジと、他方の鋼矢板における前記ウェブと前記第2フランジとが、前記地盤側に凹んだ溝部を形成し、
    前記第1連結部材および前記第2連結部材は、前記溝部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の地下外壁構造。
  3. 前記第1上側固定部および前記第2下側固定部は、前記第1の鋼矢板の前記第2フランジに設けられ、
    前記第2上側固定部および前記第1下側固定部は、前記第2の鋼矢板の前記第2フランジに設けられていることを特徴とする請求項2に記載の地下外壁構造。
  4. 前記第1上側固定部および前記第2下側固定部は、前記第1の鋼矢板の前記ウェブに設けられ、
    前記第2上側固定部および前記第1下側固定部は、前記第2の鋼矢板の前記ウェブに設けられていることを特徴とする請求項2に記載の地下外壁構造。
  5. 前記第1の鋼矢板および前記第2の鋼矢板は、
    フランジと;
    前記フランジの両側端縁に連設される一対のウェブと;
    を備え、前記一対のウェブの先端縁に前記一対の継手部設けられる第1のU形鋼矢板および第2のU形鋼矢板であり、
    前記第1のU形鋼矢板は前記地盤側に前記フランジを配置して設けられ、
    前記第2のU形鋼矢板は前記地下空間側に前記フランジを配置して設けられ、
    前記第1のU形鋼矢板と、2つの前記第2のU形鋼矢板の前記ウェブとが、前記地盤側に凹んだ溝部を形成し、
    前記第1連結部材および前記第2連結部材は、前記溝部において、前記第1の鋼矢板および前記第2の鋼矢板のそれぞれの前記ウェブに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の地下外壁構造。
  6. 前記第1連結部材と前記第2連結部材とが、互いに交差して配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の地下外壁構造。
  7. 前記第1連結部材と前記第2連結部材とが、互いに交差しないように前記上下方向にずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の地下外壁構造。
  8. 前記第1連結部材と前記第2連結部材とが、それぞれ前記隣り合う鋼矢板の上下方向の異なる複数箇所に設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の地下外壁構造。
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