JP7427507B2 - 接合構造および接合方法 - Google Patents

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本発明は、フレームとフレーム構面内の壁体とを接合する接合構造および接合方法に関する。
鉄骨造(S造)の柱や梁を有するフレームの構面内に鉄筋コンクリート造(RC造)の耐震壁を設けることは多く、その際のフレームと耐震壁の接合構造として、鉄骨造の梁に設けた頭付きスタッドを耐震壁に埋設するものがある(特許文献1参照)。
また、柱や梁の鉄骨を鉄筋コンクリートで巻き、このコンクリートを耐震壁と連続させる構造も、新築の構造設計において一般的に用いられている。
さらに特許文献2には、鉄骨造の梁に支圧片とアンカー鉄筋を溶接し、支圧片とアンカー鉄筋を耐震壁に埋設させる構造が開示されている。
特許第3648094号 特許第5789173号
頭付きスタッドによるフレームと耐震壁の接合を行う場合、スタッド1本当たりのせん断耐力が小さく接合部分の剛性が弱いため、フレームと耐震壁との一体性の面で課題がある。また各種合成構造設計指針によれば、頭付きスタッドと耐震壁の壁筋との一体化のため、スパイラル筋を耐震壁に別途埋設することが必要になる。
柱や梁の鉄骨に鉄筋コンクリートを巻き、このコンクリートを耐震壁と連続させる場合、柱や梁を鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)とするため施工手間が大きいという課題がある。また柱や梁の部材断面が大きくなり、建物の使用可能面積の減少につながる。特許文献2も、支圧片に加え、アンカー鉄筋の溶接を梁に行っており、その分、余計な施工手間がかかる。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、フレームとフレーム構面内の壁体とを容易に一体化できる接合構造等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、鉄骨造の柱または梁を少なくとも有するフレームと、前記フレームに囲まれるように当該フレームの構面内に配置された鉄筋コンクリート造の壁体との接合構造であって、鉄骨造の柱または梁の少なくともいずれかに孔あき鋼板ジベルが設けられ、前記孔あき鋼板ジベルは、前記柱または梁の軸方向に沿って前記柱または梁に取り付けられる脚部と、フランジ部からなるT字状の断面を有し、前記孔あき鋼板ジベルが前記壁体内に埋設され、前記孔あき鋼板ジベルの前記柱または梁に対する壁厚方向の取付位置が、前記壁体内で一直線状に延びる、壁厚方向に異なる位置で別々に設けられた壁筋の間にあり、前記孔あき鋼板ジベルの前記フランジ部の孔に、前記壁体のコンクリートが充填されるとともに、前記壁筋の端部が通されたことを特徴とする接合構造である。
第2の発明は、鉄骨造の柱または梁を少なくとも有するフレームと、前記フレームに囲まれるように当該フレームの構面内に配置された鉄筋コンクリート造の壁体との接合構造であって、鉄骨造の柱または梁の少なくともいずれかに孔あき鋼板ジベルが設けられ、前記孔あき鋼板ジベルは平板状であり、前記柱または梁の軸方向に沿って前記柱または梁に取り付けられ、前記孔あき鋼板ジベルが前記壁体内に埋設され、前記孔あき鋼板ジベルの前記柱または梁に対する壁厚方向の取付位置が、前記壁体内で一直線状に延びる、壁厚方向に異なる位置で別々に設けられた壁筋の間にあり、前記孔あき鋼板ジベルの孔に、前記壁体のコンクリートが充填されるとともに、前記壁筋の端部に固定されるコの字状の鉄筋の折り返し部分が通され、前記コの字状の鉄筋の両端部が、壁厚方向に異なる位置で別々に設けられた前記壁筋に固定されることを特徴とする接合構造である。
前記孔あき鋼板の孔は、例えば前記コンクリートの粗骨材が通るだけの大きさとする。
本発明では、フレームを構成する鉄骨造の梁や柱に孔あき鋼板ジベルを取付け、これをフレーム構面内の壁体に埋設することで、フレームと壁体をせん断耐力の大きな孔あき鋼板ジベルにより一体化できる。しかも、壁体内の壁筋(縦筋や横筋)あるいはこれに固定される鉄筋を孔あき鋼板ジベルの孔に通すことで、壁体の配筋を利用して合理的に孔あき鋼板ジベルのせん断耐力を高めることができ、より大きな力の伝達を可能にしてフレームと壁体との一体性が向上する。また本発明では前記したスパイラル筋やアンカー鉄筋が不要であり、梁や柱の鉄骨を鉄筋コンクリートで巻く必要も無いので、フレームの有効開口面積の減少もなく、従って建物の使用可能面積が減少することも無い。また、その分の施工手間も削減できる。
第1の発明において、前記孔あき鋼板ジベルは、脚部とフランジ部からなるT字状の断面を有し、前記フランジ部に設けられた前記孔に、前記壁体の壁筋が通される。
この場合、壁筋を直接孔に通すことができ、施工性が向上する。
第2の発明において、前記孔あき鋼板ジベルは平板状であり、前記孔に、前記壁筋に固定されたコの字状の鉄筋の折り返し部分が通される。
この場合、コの字筋と壁体のコンクリートとの付着により、ジベルとコンクリートとの間の開きを抑制し、孔あき鋼板ジベルのせん断耐力を向上させることができる。
の発明は、鉄骨造の柱または梁を少なくとも有するフレームと、前記フレームに囲まれるように当該フレームの構面内に配置された鉄筋コンクリート造の壁体とを、第1または第2の発明の接合構造により接合する接合方法であって、前記孔あき鋼板ジベルの孔に、前記壁体前記壁筋の端部、もしくは前記壁筋の端部に固定されるコの字状の鉄筋の折り返し部分を通し、前記孔あき鋼板ジベルを前記壁体内に埋設することを特徴とする接合方法である。
本発明により、フレームとフレーム構面内の壁体とを容易に一体化できる接合構造等を提供することができる。
第1の実施形態の接合構造1を示す図。 孔あき鋼板ジベル21を示す図。 第2の実施形態の接合構造1aを示す図。 孔あき鋼板ジベル22を示す図。 第2の実施形態のバリエーションについて説明する図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態に係る接合構造1を示す図である。接合構造1は、フレーム20とフレーム構面内の耐震壁30とを接合するものである。
フレーム20は、鉄骨造の梁20aと鉄骨造の柱20bを有する。梁20aは例えばH形鋼による鉄骨梁であり、柱20bは例えばコンクリート充填鋼管柱や鉄骨柱であるが、これらに限定されることはない。
耐震壁30は、フレーム20に囲まれた鉄筋コンクリート造の壁体である。耐震壁30の内部には、壁筋として縦筋31と横筋32が埋設される。縦筋31は鉛直方向の鉄筋であり、水平方向に間隔を空けて複数本配置される。横筋32は水平方向の鉄筋であり、鉛直方向に間隔を空けて複数本配置される。図1では、一部を除き、縦筋31と横筋32の中間部を省略して図示している。
接合構造1は、梁20aと柱20bの耐震壁30側の面に孔あき鋼板ジベル21を設置し、これを耐震壁30の内部に埋設したものである。孔あき鋼板ジベル21は、孔内に充填されるコンクリートのせん断抵抗によりフレーム20と耐震壁30を一体化する補強材であり、孔あき鋼板ジベル21によりせん断力を伝達することで、耐震壁30の応力をフレーム20に流すことができる。
また本実施形態では、孔あき鋼板ジベル21を耐震壁30内に埋設するだけでなく、その孔に縦筋31や横筋32を通すことで、1孔当たりのせん断耐力を大きくすることができる。
図2(a)、(b)は孔あき鋼板ジベル21付近の断面を示す図である。図2(a)は耐震壁30の上方の梁20aに取り付けた孔あき鋼板ジベル21を示したものであり、図2(b)は耐震壁30の下方の梁20aに取り付けた孔あき鋼板ジベル21を示したものである。図2(a)、(b)は梁20aの軸方向と直交する断面を見たものである。
本実施形態の孔あき鋼板ジベル21は、脚部21aとフランジ部21bからなるT字状の断面を有する。孔あき鋼板ジベル21には例えばカットT形鋼が用いられ、その脚部21aを隅肉溶接(不図示)により梁20aに取付け、脚部21aの板面が梁20aの軸方向(図2(a)、(b)の紙面法線方向に対応する)に沿うように配置する。
孔あき鋼板ジベル21のフランジ部21bには孔211が設けられ、この孔211に縦筋31が通される。なお、縦筋31の上端部は図2(a)に示すように梁20aの下フランジとの間に間隔を空けて配置されるが、縦筋31の下端部は図2(b)に示すように梁20aの上フランジ上に載せて配置される。
図2(c)に示すように、孔211は孔あき鋼板ジベル21の長手方向(梁20aの軸方向に対応する)に間隔を空けて複数配置され、図の例では各孔211に縦筋31が通される。本実施形態では、縦筋31を孔211に通すだけで孔あき鋼板ジベル21の1孔あたりのせん断耐力が高まり、施工が容易である。
本実施形態では、柱20bにも同様の孔あき鋼板ジベル21が取付けられており、横筋32の両端部が図2(a)の例と同様に孔あき鋼板ジベル21の孔211に通される。
梁20aおよび柱20bにおいて、孔あき鋼板ジベル21の配置は任意に設定可能であり、より短い孔あき鋼板ジベル21を梁20aや柱20bの軸方向に多数並べて配置することも可能である。
孔あき鋼板ジベル21の長さや断面形状は、耐震壁30が負担可能なせん断力または耐震壁30に負担させたいせん断力を決定した後、そのせん断力と耐震壁30の形状より、梁20a(または柱20b)と耐震壁30の間で移行させるべきせん断力を算定し、当該せん断力に抵抗するために必要な孔211の数を求め、その数に応じて定めることができる。また孔あき鋼板ジベル21の脚部21aの溶接位置でのせん断応力も考慮し、当該せん断応力が許容耐力以下となるように設定する。
孔あき鋼板ジベル21の各部位の寸法に対する孔211の径やピッチの設定については、基本的には、孔あき鋼板ジベル21の脚部21aの溶接位置での許容耐力(せん断耐力)よりも、孔211内のコンクリートの許容耐力が小さくなるように定める。
なお、孔211の径は、耐震壁30の壁厚にもよるが例えば40mm~80mm程度とし、耐震壁30のコンクリートの粗骨材が通るだけの大きさとする。通常、縦筋31や横筋32の径は10mm~22mm程度なので、粗骨材が通る大きさに設定すれば、縦筋31や横筋32も問題無く挿通することができる。
本実施形態の接合構造1は、フレーム20と耐震壁30を同時に施工する新築の場合にも、既存のフレーム20の構面内に後から耐震壁30を施工する補強工事においても適用することが可能である。いずれにおいても、鉄骨造の梁20aや柱20bに設けた孔あき鋼板ジベル21の孔211に縦筋31や横筋32を通した後、孔あき鋼板ジベル21を耐震壁30のコンクリート内に埋設すればよい。新築の場合、孔あき鋼板ジベル21は予め工場で梁20aや柱20bに溶接しておくことで、現場施工(現場溶接)手間の削減に繋がる。ただし、梁20aや柱20bの建方後、孔あき鋼板ジベル21の現場溶接を行うことも可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、フレーム20を構成する鉄骨造の梁20aや柱20bに孔あき鋼板ジベル21を取付け、これを耐震壁30に埋設することで、フレーム20とフレーム構面内の耐震壁30とをせん断耐力の大きな孔あき鋼板ジベル21により一体化できる。しかも、耐震壁30内の壁筋(縦筋31や横筋32)を孔あき鋼板ジベル21の孔211に通すことで、耐震壁30の配筋を利用して合理的に孔あき鋼板ジベル21のせん断耐力を高めることができ、より大きな力の伝達を可能にしてフレーム20と耐震壁30との一体性が向上する。
また本実施形態では前記したスパイラル筋やアンカー鉄筋が不要であり、梁20aや柱20bの鉄骨を鉄筋コンクリートで巻く必要も無いので、フレーム20の有効開口面積の減少もなく、従って建物の使用可能面積が減少することもない。また、その分の施工手間も削減できる。
また本実施形態では壁筋を孔あき鋼板ジベル21の孔211に直接通すことができ、施工性が向上する。さらに、T字状の孔あき鋼板ジベル21は耐震壁30との一体性が高く、ひいては孔あき鋼板ジベル21を取付けたフレーム20と耐震壁30との一体性が高まることで、フレーム20と耐震壁30の間の目開きが抑制される。
しかしながら、本発明は以上の実施形態に限らない。例えば本実施形態では孔あき鋼板ジベル21の全ての孔211に壁筋の端部を通しているが、全ての孔211に壁筋の端部を通すことは必須ではない。ただし、孔211に壁筋の端部を通すことで壁筋の端部を定着に近い状態とできるので、全ての孔211に壁筋を通すことができれば壁筋の施工面で望ましく、また孔あき鋼板ジベル21の1孔あたりのせん断耐力が高いことで孔数の削減にもつながる。
また、配筋の安定性を考慮すると、梁20aに取付けた孔あき鋼板ジベル21の複数の孔211のそれぞれから梁20a側に突出する複数の縦筋31の端部を、図示しない水平方向の段取り筋に結束することも望ましい。同様に、柱20bに取付けた孔あき鋼板ジベル21の複数の孔211のそれぞれから柱20b側に突出する複数の横筋32の端部を、図示しない鉛直方向の段取り筋に結束することも望ましい。また、これら複数の縦筋31や横筋32の端部をフック状に折り曲げ、より定着力を高めることも考えられる。
さらに、孔あき鋼板ジベル21の脚部21aに縦筋31や横筋32の通されない孔(不図示)を設けてもよく、この孔に耐震壁30のコンクリートが充填されることで孔あき鋼板ジベル21のせん断耐力が向上する。
また本実施形態では鉄骨造の梁20aと柱20bの双方に孔あき鋼板ジベル21を設けているが、いずれか一方にのみ孔あき鋼板ジベル21を設けてもよい。また柱20bを鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)とする場合もあり、この場合は鉄骨造の梁20aに孔あき鋼板ジベル21を設ければよい。さらに、耐震壁30の下方の梁20aが鉄筋コンクリート造の基礎梁などである場合もあり、この場合は鉄骨造の柱20b、あるいは耐震壁30の上方の鉄骨造の梁20aの少なくともいずれかに孔あき鋼板ジベル21を設ければよい。
以下、本発明の別の例を第2の実施形態として説明する。第2の実施形態は第1の実施形態と異なる構成について説明し、同様の構成については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。
[第2の実施形態]
図3は本発明の第2の実施形態に係る接合構造1aを示す図である。本実施形態の接合構造1aでは、T字状の孔あき鋼板ジベル21に代えて平板状の孔あき鋼板ジベル22が用いられる。
図4(a)、(b)は孔あき鋼板ジベル22付近の断面を図2(a)、(b)と同様に示す図である。上記したように、本実施形態の孔あき鋼板ジベル22は平板状であり、鋼板等が用いられる。孔あき鋼板ジベル22は、その側辺が隅肉溶接(不図示)によって梁20aに取付けられ、板面が梁20aの軸方向(図4(a)、(b)の紙面法線方向に対応する)に沿うように配置される。
孔あき鋼板ジベル22の孔221には、コの字筋33の折り返し部分が通される。コの字筋33はコの字状の鉄筋であり、その両端部が不図示の結束材により縦筋31に結束されて固定される。なお、本実施形態でも縦筋31の上端部は梁20aの下フランジとの間に間隔を空けて配置され、下端部は梁20aの上フランジ上に載せて配置される。
図4(c)に示すように、孔221は孔あき鋼板ジベル22の長手方向(梁20aの軸方向に対応する)に間隔を空けて複数配置され、図の例では各孔にコの字筋33が通される。
また柱20bにも同様の孔あき鋼板ジベル22が取付けられており、横筋32の両端部に固定したコの字筋33の折り返し部分が、図4(a)の例と同様に孔あき鋼板ジベル22の孔221に通される。
なお、梁20aや柱20bにおける孔あき鋼板ジベル22の配置、孔あき鋼板ジベル22の長さや断面形状、孔221の径やピッチについては第1の実施形態と略同様に設定することができる。
本実施形態でも、鉄骨造の梁20aや柱20bに孔あき鋼板ジベル22を取付け、孔あき鋼板ジベル22を耐震壁30に埋設し、孔あき鋼板ジベル22の孔211にコの字筋33の折り返し部分を通すことで、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また孔あき鋼板ジベル22では、図4(a)の矢印aで示す孔221と直交する方向のジベルとコンクリートとの間の開き(割裂)を抑制することで、孔あき鋼板ジベル22のせん断耐力が向上するが、第2の実施形態ではコの字筋33と耐震壁30のコンクリートとの付着によって開き止めの効果が生じる。一方、第1の実施形態では、図2(a)の矢印aで示すように孔あき鋼板ジベル21の孔211と直交する方向が耐震壁30の面内方向となるため、当該方向のジベルとコンクリートとの開き(割裂)が生じにくくなることが期待できる。
また第2の実施形態では、コの字筋33により、フレーム20と耐震壁30との間の目開きの抑制効果も期待できる。またコの字筋33を縦筋31や横筋32に固定することで、構造物としての一体性も向上する。
なお、第2の実施形態では図4(a)、(b)に示すように孔あき鋼板ジベル22を耐震壁30と直交する方向(図4(a)、(b)の左右方向に対応する)に1つのみ設けているが、梁20aや柱20bの断面によっては、孔あき鋼板ジベル22を耐震壁30と直交する方向に複数設けることも可能であり、これら複数の孔あき鋼板ジベル22の孔221にコの字筋33の折り返し部分を貫通させることも可能である。
また本実施形態では孔あき鋼板ジベル22の全ての孔221にコの字筋33が通されているが、コの字筋33の通されない孔を別途孔あき鋼板ジベル22に設けることも可能であり、当該孔に耐震壁30のコンクリートが充填されることで孔あき鋼板ジベル22のせん断耐力が向上する。
さらに、第2の実施形態では、梁20aに取付けた孔あき鋼板ジベル22の孔221に通したコの字筋33について、その両端部を縦筋31に固定しているが、図5(a)に示すように、コの字筋33の両端部を横筋32に固定してもよい。この場合、縦筋31のピッチに影響されずにコの字筋33を配置できる。同様に、柱20bに取付けた孔あき鋼板ジベル22の孔221に通したコの字筋33について、その両端部を横筋32でなく縦筋31に固定することもできる。
また図5(b)に例示するように、縦筋31の端部をフック状に折り曲げ、この折り曲げ部分を梁20aに取付けた孔あき鋼板ジベル22の孔221に通してもよい。同様に、柱20bに取付けた孔あき鋼板ジベル22の孔221に、横筋32の端部をフック状に折り曲げた折り曲げ部分を通すこともできる。また縦筋31や横筋32の端部にフック状の鉄筋を固定し、その折り曲げ部分を孔あき鋼板ジベル22の孔221に通すことも可能である。
さらに、図5(c)に示すように、梁20aに取付けたT字状の孔あき鋼板ジベル21(第1の実施形態参照)の脚部21aに孔212を設け、この孔212にコの字筋33の折り返し部分を挿通してもよい。図5(c)の例ではフランジ部21bの孔211に縦筋31は通されていないが、孔211に縦筋31を通してもよく、その縦筋31にコの字筋33の両端部を固定することも可能である。また、孔211に通した縦筋31の端部をフック状に折り曲げ、その折り曲げ部分を孔212に通すこともできる。以上は柱20bに取付けた孔あき鋼板ジベル21についても同様である。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a:接合構造
20:フレーム
20a:梁
20b:柱
21、22:孔あき鋼板ジベル
21a:脚部
21b:フランジ部
30:耐震壁
31:縦筋
32:横筋
33:コの字筋
211、212、221:孔

Claims (4)

  1. 鉄骨造の柱または梁を少なくとも有するフレームと、前記フレームに囲まれるように当該フレームの構面内に配置された鉄筋コンクリート造の壁体との接合構造であって、
    鉄骨造の柱または梁の少なくともいずれかに孔あき鋼板ジベルが設けられ、
    前記孔あき鋼板ジベルは、前記柱または梁の軸方向に沿って前記柱または梁に取り付けられる脚部と、フランジ部からなるT字状の断面を有し、
    前記孔あき鋼板ジベルが前記壁体内に埋設され、
    前記孔あき鋼板ジベルの前記柱または梁に対する壁厚方向の取付位置が、前記壁体内で一直線状に延びる、壁厚方向に異なる位置で別々に設けられた壁筋の間にあり、
    前記孔あき鋼板ジベルの前記フランジ部の孔に、前記壁体のコンクリートが充填されるとともに、前記壁筋の端部が通されたことを特徴とする接合構造。
  2. 鉄骨造の柱または梁を少なくとも有するフレームと、前記フレームに囲まれるように当該フレームの構面内に配置された鉄筋コンクリート造の壁体との接合構造であって、
    鉄骨造の柱または梁の少なくともいずれかに孔あき鋼板ジベルが設けられ、
    前記孔あき鋼板ジベルは平板状であり、前記柱または梁の軸方向に沿って前記柱または梁に取り付けられ、
    前記孔あき鋼板ジベルが前記壁体内に埋設され、
    前記孔あき鋼板ジベルの前記柱または梁に対する壁厚方向の取付位置が、前記壁体内で一直線状に延びる、壁厚方向に異なる位置で別々に設けられた壁筋の間にあり、
    前記孔あき鋼板ジベルの孔に、前記壁体のコンクリートが充填されるとともに、前記壁筋の端部に固定されるコの字状の鉄筋の折り返し部分が通され
    前記コの字状の鉄筋の両端部が、壁厚方向に異なる位置で別々に設けられた前記壁筋に固定されることを特徴とする接合構造。
  3. 前記孔あき鋼板の孔を、前記コンクリートの粗骨材が通るだけの大きさとすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の接合構造。
  4. 鉄骨造の柱または梁を少なくとも有するフレームと、前記フレームに囲まれるように当該フレームの構面内に配置された鉄筋コンクリート造の壁体とを、請求項1から請求項3のいずれかに記載の接合構造により接合する接合方法であって、
    前記孔あき鋼板ジベルの孔に、前記壁体前記壁筋の端部、もしくは前記壁筋の端部に固定されるコの字状の鉄筋の折り返し部分を通し、
    前記孔あき鋼板ジベルを前記壁体内に埋設することを特徴とする接合方法。
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