JP6515293B2 - 鋼矢板壁 - Google Patents

鋼矢板壁 Download PDF

Info

Publication number
JP6515293B2
JP6515293B2 JP2016073123A JP2016073123A JP6515293B2 JP 6515293 B2 JP6515293 B2 JP 6515293B2 JP 2016073123 A JP2016073123 A JP 2016073123A JP 2016073123 A JP2016073123 A JP 2016073123A JP 6515293 B2 JP6515293 B2 JP 6515293B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel sheet
sheet pile
pile wall
steel
shaped steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016073123A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017180048A (ja
Inventor
恩田 邦彦
邦彦 恩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2016073123A priority Critical patent/JP6515293B2/ja
Publication of JP2017180048A publication Critical patent/JP2017180048A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6515293B2 publication Critical patent/JP6515293B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Bulkheads Adapted To Foundation Construction (AREA)
  • Revetment (AREA)

Description

本発明は、鋼矢板壁に関する。さらには、本発明は、経年使用に伴い腐食や破損により劣化した既設の鋼矢板護岸の補修や、耐震性向上などのための補強を目的とする鋼矢板壁に関する。
港湾や河川においては、U形鋼矢板またはハット形鋼矢板などを用いた鋼矢板護岸構造が普及しているが、このような水際においては、鋼材にとっては腐食しやすい環境であることから、鋼矢板が経年劣化し、鋼矢板護岸(既設鋼矢板壁)の構造性能が低下する懸念がある。
経年劣化した既設鋼矢板壁に対する補強対策として、既設鋼矢板壁の水際側(前面側)にさらに新たな壁を構築する方法が一般的である。
新たな壁の構築に関し、一般的な方法として、下記特許文献1図13に示される鋼矢板壁の構築(従来例1)がある。既設鋼矢板壁が腐食や破損により劣化し、所定の性能が損なわれた場合、水際側に同一性能の鋼矢板壁を向かい合う形で打設し、両鋼矢板壁の間は土砂などにより間詰めする。
この特許文献1には、他にも、予め広幅パネル状の鋼矢板とH形鋼などを接合して形成する広幅壁部材を使用して、老朽護岸を補修する方法が提案されている(従来例2、特許文献1図2)。
特開2003−074038号公報
従来例1の方法では、護岸に必要な構造性能を回復できる。しかし、新設する鋼矢板壁が大きく水際側に張り出すため、河川においては川幅を狭めて洪水の危険性が増すおそれがあり、また、港湾では港湾水域を狭めて船の接岸に支障をきたすおそれがある。よって、護岸に必要な構造性能を回復すると同時に、新設する鋼矢板壁の護岸前面への張り出しを極力抑えることが必要となる。
この点、従来例2は広幅パネル状の鋼矢板を組み合わせ、かつ、既設鋼矢板壁と新設鋼矢板壁とを結合しており、新設鋼矢板壁の水際側への張り出しが抑えられている。しかし、従来例2には、以下の改善すべき問題点がある。
(1)従来例2は、広幅パネル状の鋼矢板とH形鋼(あるいはT鋼)と、を予め組立てるものであり、大型の新設壁部材となるため、運搬が困難となる(特に、一般道路を介した運搬では大幅な経路制限を受けうる)。そのため、短尺サイズで運搬し、現地で組み立てるなどの手順が必要となり、新設壁部材の縦継ぎも頻繁に必要となる(施工困難1)。
(2)広幅パネル状の鋼矢板とH形鋼を接合して形成する大断面の新設壁部材を水底地盤まで打設することから、施工時の地盤への貫入抵抗が大きく、大型の施工機械が必要となり、非常に大きな施工スペースを要する(施工困難2)。
(3)さらに、新設壁部材のうち、“H形鋼取り付け部分”と“広幅パネルのみの部分”とで、断面剛性の差が大きいことから、均一に精度良く施工することが困難となる。また剛性の小さい“広幅パネルのみの部分”ではH形鋼取り付け部分の施工の影響を受け、施工中に曲がりが生じるなど損傷を受ける可能性があり、品質にも問題が生じる懸念がある(施工困難3)。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものである。新設壁部材の製造が容易で経済的であり、施工も通常の杭打ち機を用いて実施でき、かつ、必要な構造性能と省スペース化(新設壁部分の水際側への張り出し抑止)を確保できる鋼矢板壁を提供することを、本発明の課題とする。
本発明は上記課題を解決するものであり、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]U形鋼矢板またはハット形鋼矢板による、凹部と凸部が交互に連続する既設鋼矢板壁の水際側に配置されてなる鋼矢板壁であって、
前記鋼矢板壁は、組合せ形鋼と、前記組合せ形鋼同士を連結する板状連結部材により形成され、
前記組合せ形鋼は、直線形鋼矢板とH形鋼とからなり、
前記組合せ形鋼を構成するH形鋼は、前記既設鋼矢板壁の凹部に接触する、または、少し離れた位置に配置されてなる、鋼矢板壁。
[2]前記板状連結部材が、連結用パネル材または直線形鋼矢板である、[1]に記載の鋼矢板壁。
[3]前記組合せ形鋼の下端が水底地盤に根入れされてなるとともに、前記板状連結部材が水底地盤以浅に配置されてなる、[1]または[2]に記載の鋼矢板壁。
[4]前記鋼矢板壁と前記既設鋼矢板壁との間隙に、さらに充填材が充填されて形成された、[1]〜[3]のいずれかに記載の鋼矢板壁。
[5]前記組合せ形鋼と前記板状連結部材の継手部を、前記既設鋼矢板壁の凸部に正対しない位置に配してなる、[1]〜[4]のいずれかに記載の鋼矢板壁。
[6]前記組合せ形鋼に、さらに、前記充填材と定着するためのシヤコネクタを設けてなる、[4]または[5]に記載の鋼矢板壁。
本発明は、既設鋼矢板壁の補修構造として、組合せ形鋼、および板状連結部材をそれぞれ単体で取り扱えることから、効率的な運搬が可能であり、現地での複雑な組立て作業や頻繁な縦継ぎ作業は不要であり、経済性に優れている。
本発明鋼矢板壁の施工は、通常の施工機械で対応することが可能であり、施工スペースも小さくすることができる。また、施工精度も高く、打設中の損傷リスクも極小である。
本発明は、所定の断面剛性を有する組合せ形鋼、および板状連結部材を用いて鋼矢板壁を形成することから、壁体として必要な構造性能(抗土圧、水圧性)や止水性を得ることができる。また鋼矢板壁の水際側への張り出しも抑制できる。
以上より、本発明は、従来に比べて、経済性、施工性に優れており、壁体として十分な構造性能を有し、水際側への張り出しも抑制できることから、周辺への影響も小さくできる構造である。
図1は、本発明の一実施形態を説明する図面である。 図2は、本発明の他の一実施形態を説明する図面である。 図3は、鋼矢板壁における組合せ形鋼の根入れを説明する図面である。 図4は、本発明の他の一実施形態を説明する図面である。 図5は、本発明の他の一実施形態を説明する図面である。 図6は、本発明の他の一実施形態を説明する図面である。 図7は、図6に示す一実施形態の変形例を示す図面である。 図8は、組合せ形鋼の形状を説明する図面である。 図9は、連結用パネル材を説明する図面である。 図10は、連結用パネル材を説明する図面である。 図11は、シヤコネクタの取り付けパターンを説明する図面である。 図12は、H形鋼の一例を示す図面である。 図13は、実施例1を説明する図面である。 図14は、実施例2を説明する図面である。 図15は、実施例3を説明する図面である。
以下、本発明の実施形態をその最良の形態も含めて説明する。以降の実施形態の説明において新設する鋼矢板壁の端部の図示は省略している。端部の構造は、施工条件等に鑑み適宜決定すればよい。
図1は、本発明の一実施形態を示したものである。図1に示した実施形態は、U形鋼矢板による、凹部と凸部が交互に連続する既設鋼矢板壁10の水際側に配置されてなる鋼矢板壁1であって、鋼矢板壁1は、組合せ形鋼2と、組合せ形鋼2同士を連結する板状連結部材3である直線形鋼矢板により形成され、組合せ形鋼2は、直線形鋼矢板4とH形鋼5とからなり、組合せ形鋼2を構成するH形鋼5は、既設鋼矢板壁10の凹部11に接触するか、少し離れた位置に配置されてなる。既設鋼矢板壁10において、水際側(前面側)への突出を凸、逆側(背後地盤側)への突出を凹とする。
既設鋼矢板壁10はU形鋼矢板を組み合わせた凹部と凸部が交互に連続する構成である。しかし、既設鋼矢板壁10は、ハット形鋼矢板を組み合わせて構成されたものであってもよく、U形鋼矢板を組み合わせてなる部位およびハット形鋼矢板を組み合わせてなる部位を併せもっていてもよい。
図1に示す鋼矢板壁1は、組合せ形鋼2と板状連結部材3である直線形鋼矢板を交互に並べ繋げて形成されたものである。図1に示す鋼矢板壁1では、既設鋼矢板壁10の凹部11に正対して組合せ形鋼2を配しており、既設鋼矢板壁10の凸部12に正対して直線形鋼矢板を配している。しかし、実際の施工条件に鑑み、組合せ形鋼2の数や間隔を適宜調整すればよい。例えば、既設鋼矢板壁10の凹部11は、H形鋼5と対面するものと対面しないものがあってよい。言いかえれば、組み合わせ形鋼2の間の板状連結部材3である直線形鋼矢板の数は、図1に示すように1つであってよいし、2つ以上の複数であってもよい。
既設鋼矢板壁10の凸部12から鋼矢板壁1までの距離(護岸法線直角方向)は、鋼矢板の施工精度のバラツキや、継手形状を考慮して、50mm以上あけておくのが望ましい。一方、鋼矢板壁1の水際側への張り出しを抑制する観点から、既設鋼矢板壁10の凸部12から鋼矢板壁1までの距離は500mm以下が好ましい。
組合せ形鋼2を構成するH形鋼5と凹部11は、壁構造の剛性の観点から、接触していることが好ましい。しかし、実際の施工においては、H形鋼5を凹部11から少し離しておいたほうが組合せ形鋼2の打設が容易となる場合がある。この場合、凹部11とH形鋼5との間隔は施工条件に鑑みて適宜決定すればよいが、あえて一例を挙げると20〜200mmとすることができる。以上のとおり、H形鋼5が凹部11に接触する実施形態のみならず、H形鋼5が凹部11から少し離れて配置される実施形態も有効である。
組合せ形鋼2は、直線形鋼矢板4とH形鋼5とからなり、H形鋼5の一方のフランジを凹部11側に配し、直線形鋼矢板4の備える継手部で板状連結部材3と繋がれる。組合せ形鋼2の形状は、例えば、H形鋼5の一端のフランジ外面に、直線形鋼矢板4を接する形で溶接またはボルト接合などにより一体化する形状(図8(a))としてもよいし、H形鋼5の一端のフランジ端部に半裁した直線形鋼矢板4を接合した形としてもよい(図8(b))。なお、組合せ形鋼2を図8(b)のような形状とする場合、継手中心間の距離(幅)は800mm以下が好ましい。また、打込におけるウォータージェットなどの補助工法との併用を考慮して、直線形鋼矢板4の中心軸(幅方向中央)とH形鋼5の中心軸(ウェブ位置)とをずらして一体化する形状としてもよい(図8(c))。
組合せ形鋼を構成する直線形鋼矢板4は、公知の直線形鋼矢板を適宜使用可能である。直線型鋼矢板は両端に継手部を有する。直線形鋼矢板4のサイズは、過剰な大型化を防ぐ観点から、好ましくは有効幅L=700mm以下であり、より好ましくは有効幅L=600mm以下である。一方、新設する鋼矢板壁の剛性の確保や効率的な施工の観点から、直線形鋼矢板4の有効幅L=400mm以上が好ましい。なお、有効幅Lとは、直線型鋼矢板の継手中心間の距離である。
組合せ形鋼を構成するH形鋼5は、公知のH形鋼を適宜使用可能である。通常、H形鋼の断面は二つのフランジをウェブが繋ぐ形状となっている。好ましくは、H形鋼の断面形状において、フランジ長さ(mm)とウェブ長さ(mm)の比(フランジ長さ/ウェブ長さ)が0.3〜1.0のH形鋼である。なお、本発明において、H形鋼の各フランジの長さは同一であっても良く、長さが異なっていてもよい。フランジの長さが異なる場合、H形鋼の断面形状において、短い方のフランジ長さ/長い方のフランジ長さが0.5以上であることが好ましい。
板状連結部材3の幅Lは、組合せ形鋼2の間隔に応じて設定する。通常の施工機械で対応することを考慮すると、幅L=200〜800mm程度の範囲とするのが好ましい。図1で示す実施形態では、板状連結部材3として直線形鋼矢板を使用しているので、有効幅L=200〜800mmとすることが好ましい。
組合せ形鋼2は、護岸に作用する荷重に対して十分抵抗できるように、水底地盤に根入れすることが好ましい(図3)。前面(水際側)の水底地盤が軟弱な場合は、地盤改良を行って、鋼矢板壁1と組合せることで、作用土圧による護岸の変形リスクや地震外力作用時の護岸の変形リスクを抑止できる。図1に示す鋼矢板壁1は、組合せ形鋼2と板状連結部材3とが継手どうしの嵌合により繋がれてなるため、より強固な鋼矢板壁1である。
本発明では、土圧や地震外力に対しては、組合せ形鋼2の根入れ部の地盤反力により抵抗するため、板状連結部材3には大きな力は作用しない。したがって、板状連結部材3の水底地盤への根入れは必ずしも必要ではない。よって、板状連結部材3は水底地盤以浅に配置されてよい。言いかえれば、板状連結部材3の下端は、水底位置まで達するか、それより浅い位置に配置されて良い。高い止水性が求められる場合や、特殊な地盤でボイリング現象、ヒービング現象などの恐れがある場合を除いては、板状連結部材3の下端は水底面位置以浅としてよい。
図2は、本発明の他の実施形態を示したものである。図1に示した実施形態では、板状連結部材3として直線形鋼矢板を使用したが、図2に示す実施形態では板状連結部材3として連結用パネル材を使用する。連結用パネル材の材質は、通常、鋼である。
板状連結部材3として直線形鋼矢板を用いた場合は、連結継手嵌合部の余裕(遊び)が小さいことから、組合せ形鋼2の打設位置に施工誤差が生じた場合、対応が難しくなることが考えられるが、板状連結部材3として連結用パネル材を用いた場合は、連結継手嵌合部の余裕(遊び)を大きくとれるため、施工誤差への対応が容易というメリットがある。
連結用パネル材の形状については、図1に示した実施形態と同様に、通常の施工機械で対応することを考慮すると、その断面幅は200〜800mm程度とすることが好ましい。また断面形状については、矩形(鋼板)でもよいが、扱い易さを高めるため、折り曲げを入れたり、曲面つけて断面剛性を大きくしてもよい(図9)。
組合せ形鋼2の継手に嵌合する、連結用パネル材の端部については、離脱防止のため、折り曲げ部を設けたり、掛止部材を取り付けてもよい(図10)。止水性については、板状連結部材3として直線形鋼矢板を用いた場合に比べて連結用パネル材では低下する。よって、止水性が必要な場合は、継手嵌合部においてシール材を取り付けてもよい。
連結用パネル材についても、図1に示した実施形態の場合と同様、水底地盤への根入れは必ずしも必要ではない。高い止水性が求められる場合や、特殊な地盤でボイリング現象、ヒービング現象などの恐れがある場合を除いては、その下端は水底面位置以浅としてよい。
図4は、本発明の他の実施形態を示したものである。図4に示す鋼矢板壁1は、板状連結部材3として直線形鋼矢板を用い、鋼矢板壁1と既設鋼矢板壁10との間隙に、さらに充填材6が充填されている。
充填材6は適宜選択可能であり、例えば、砂、礫、粘性土、または、コンクリート、ソイルセメント、高流動モルタル材などの経時硬化材料等が挙げられる。また、充填材6として、硬化性薬液を使用することも有効である。例えば、充填材としてコンクリートを使用する場合、トレミー管を用いて底部から打ち上げつつ、充填する。
充填材6により、既設鋼矢板壁10と新設する組合せ形鋼2および板状連結部材3との一体化をより強固とする観点から、既設鋼矢板壁10の凹部11と、組合せ形鋼2との間には、隙間に充填材6が周りこむ程度のクリアランスを確保することが好ましい。なお充填材6として高流動モルタル材を用いる場合は、前記クリアランスを極小とすることが可能である。
なお、板状連結部材3として連結用パネル材を用いる場合は、充填材6が漏れ出さないように、継手嵌合部においてシール材等を使用してもよい。このとき、シール材は継手嵌合部の既設鋼矢板壁10側に備えることが好ましい。
図6、7は、本発明の他の実施形態を示したものである。組合せ形鋼2に、さらに、充填材6と定着するためのシヤコネクタ7を設けている。なお、図7では、板状連結部材3にもシヤコネクタ7を設けている。シヤコネクタ7を用いることで、充填材6との接触面積を向上させることができる。
なお、シヤコネクタ7としては、代表的なもので異形鉄筋やスタッドジベルを用いる方法がある。また、H形鋼5および直線形鋼矢板4の圧延成形時において突起形状を設ける方法を用いてもよい。またその他のいずれの定着方法を用いてもよい。
シヤコネクタ7として異形鉄筋を用いる場合は、コンクリートまたはソイルセメントなどの充填材6と十分定着させるため、取り付け箇所数は1組の組合せ形鋼2に対して2箇所以上が望ましく、取り付け位置は打設機械の把持位置に考慮して決める必要がる。また、取り付ける異形鉄筋のサイズはD10からD19(数字は鉄筋径、単位mm)までが好ましいが、施工上問題なければ、それ以上大きくても構わない。
また、シヤコネクタ7の深度方向への取り付け長さは、コンクリートまたはソイルセメントなど充填材6の打設深さ位置まででよい。
組合せ形鋼2のシヤコネクタ7として異形鉄筋を用いる場合は、図11に示すようなパターンが考えられる。即ち、H形鋼5のウェブを基準面としてその左右に均等にシヤコネクタ7を取り付けることが好ましい。一方のサイドに偏らずバランスよく配置することで、一体化の確実性が高まる。
組合せ形鋼2を構成するH形鋼5の圧延成形時において突起形状を設ける例として、図12に、フランジの内面に突起を付ける例を示す。このような突起形状を有するH形鋼5および直線形鋼矢板4を用いれば、シヤコネクタ7の取り付け作業が不要となる。
なお、鋼矢板壁1の施工にあたり、組合せ形鋼2の頭部と既設鋼矢板壁10の頭部とを連結しておくことも、より確実な一体化を行う上で有効である。
図5は、本発明の他の実施形態を示したものである。組合せ形鋼2と板状連結部材3の継手部を、既設鋼矢板壁10の凸部12に正対しない位置に配している。
組合せ形鋼2と板状連結部材3である直線形鋼矢板の継手嵌合部を、既設鋼矢板壁10凸部12に正対しない位置に配置することにより、板状連結部材3を凸部12に最近接させても、継手嵌合部と凸部12との干渉が無く、施工が可能となる。その結果、鋼矢板壁1の水際側への張り出しをさらに抑制できる。なお、本発明において「既設鋼矢板壁10の凸部12に正対しない位置」とは、例えば図5に示すように、鋼矢板壁1側に突出したU形鋼矢板またはハット形鋼矢板の底面位置から凹部11側にずれた位置を指す。
以下に、本発明の実施例を記載する。本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されない。なお、以下の実施例の説明において、図面は概略図であり、各部材の縮尺は必ずしも正確なものではない。
(実施例1)
図13に、実施例1の断面図を示す。本実施例では、既設鋼矢板壁10としてU−4形の鋼矢板が使用され、新設の組合せ形鋼2は直線形鋼矢板4(有効幅L=500mm)とH形鋼5はH420×250mmで構成され、隣り合う組合せ形鋼2の板状連結部材3として直線形鋼矢板(L=300mm)が使用された。
新設した壁部分の水際側への張り出しは、100mmとなった。組合せ形鋼2の下端は水底地盤に根入れされ、板状連結部材3下端は水底地盤位置に配置された。
(実施例2)
図14に、実施例2の断面図を示す。本実施例では、既設鋼矢板壁としてU−3形の鋼矢板が使用され、新設の組合せ形鋼2は直線形鋼矢板4(L=500mm)とH形鋼5はH250×175mmで構成され、隣り合う組合せ形鋼2の板状連結部材3として図10(b)に示す連結用パネル材(L=300mm)が使用された。また既設鋼矢板壁10と新設の組合せ形鋼2および板状連結部材3との空隙には充填材6としてコンクリートを充填した。
新設した壁部分の水際側への張り出しは、80mmとなった。組合せ形鋼2の下端は水底地盤に根入れされ、板状連結部材3下端は水底地盤位置に配置された。
(実施例3)
図15に、実施例3の断面図を示す。本実施例では、既設鋼矢板壁10としてU−4W形の鋼矢板が使用され、新設の組合せ形鋼2は直線形鋼矢板4(L=500mm)とH形鋼5(H400×200mm)で構成され、隣り合う組合せ形鋼2の板状連結部材3として図10(b)に示す連結用パネル材(L=700mm)が使用された。
組合せ形鋼2と板状連結部材3の継手部は、既設鋼矢板壁10の凸部12に正対しない位置に配され、新設した壁部分の水際側への張り出しは軽微であった。組合せ形鋼2の下端は水底地盤に根入れされ、板状連結部材3は水底地盤位置に配置された。
1 鋼矢板壁
2 組合せ形鋼
3 板状連結部材
4 直線形鋼矢板
5 H形鋼
6 充填材
7 シヤコネクタ
10 既設鋼矢板壁
11 凹部
12 凸部

Claims (6)

  1. U形鋼矢板またはハット形鋼矢板による、凹部と凸部が交互に連続する既設鋼矢板壁の水際側に配置されてなる鋼矢板壁であって、
    前記鋼矢板壁は、前記既設鋼矢板壁の各凹部に一つずつ正対して配置される組合せ形鋼と、前記組合せ形鋼同士を連結する板状連結部材により形成され、
    前記組合せ形鋼は、直線形鋼矢板とH形鋼とからなり、
    前記組合せ形鋼を構成するH形鋼は、前記既設鋼矢板壁の凹部に接触する、または、少し離れた位置に配置されてなる、鋼矢板壁。
  2. 前記板状連結部材が、連結用パネル材または直線形鋼矢板である、請求項1に記載の鋼矢板壁。
  3. 前記組合せ形鋼の下端が水底地盤に根入れされてなるとともに、前記板状連結部材が水底地盤以浅に配置されてなる、請求項1または2に記載の鋼矢板壁。
  4. 前記鋼矢板壁と前記既設鋼矢板壁との間隙に、さらに充填材が充填されて形成された、請求項1〜3のいずれかに記載の鋼矢板壁。
  5. 前記組合せ形鋼と前記板状連結部材の継手部を、前記既設鋼矢板壁の凸部に正対しない位置に配してなる、請求項1〜4のいずれかに記載の鋼矢板壁。
  6. 前記組合せ形鋼に、さらに、前記充填材と定着するためのシヤコネクタを設けてなる、請求項4または5に記載の鋼矢板壁。
JP2016073123A 2016-03-31 2016-03-31 鋼矢板壁 Active JP6515293B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016073123A JP6515293B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 鋼矢板壁

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016073123A JP6515293B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 鋼矢板壁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017180048A JP2017180048A (ja) 2017-10-05
JP6515293B2 true JP6515293B2 (ja) 2019-05-22

Family

ID=60005115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016073123A Active JP6515293B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 鋼矢板壁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6515293B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7051058B2 (ja) * 2018-08-03 2022-04-11 明和工業株式会社 既存用水路の補修工法
CN110284492A (zh) * 2019-06-04 2019-09-27 山东钢铁股份有限公司 一种加强形h形与u形组合的钢板桩结构及打桩装置
JP7502732B2 (ja) 2021-11-12 2024-06-19 株式会社ダイトー 鋼矢板の防食構造

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS487451Y1 (ja) * 1970-02-12 1973-02-26
JPS62133209A (ja) * 1985-12-06 1987-06-16 Shuzo Toriuchi 鋼矢板土留壁工法及び土留壁用鋼矢板
JPH05171658A (ja) * 1991-12-24 1993-07-09 Kawasaki Steel Corp 鋼製壁体の防錆方法
JP2561205Y2 (ja) * 1993-12-24 1998-01-28 川崎製鉄株式会社 U形鋼矢板及びπ形鋼矢板を用いた護岸壁
JP3603424B2 (ja) * 1995-11-02 2004-12-22 住友金属工業株式会社 地下壁体および非対称閉断面鋼矢板
LT4474B (lt) * 1997-05-06 1999-02-25 S. Zolotilovo statybinių darbų įmonė "Lokys" Prieplaukos krantinės rekonstravimo būdas ir įrenginys
JP4088871B2 (ja) * 2001-07-19 2008-05-21 五洋建設株式会社 遮水壁構造及び該遮水壁を用いた遮水護岸構造
JP4542290B2 (ja) * 2001-08-31 2010-09-08 新日本製鐵株式会社 老朽化矢板護岸の修復護岸構造および修復工法
JP2009102986A (ja) * 2003-03-18 2009-05-14 Jfe Steel Corp 形鋼及び該形鋼を用いた壁体
JP4027830B2 (ja) * 2003-03-26 2007-12-26 Jfeスチール株式会社 内リブ付h形鋼を用いた鋼コンクリート合成地下壁
JP4399846B2 (ja) * 2004-01-09 2010-01-20 五洋建設株式会社 遮水壁構造
JP5114726B2 (ja) * 2006-09-05 2013-01-09 新日鐵住金株式会社 地中連続壁用鋼材及び地中連続壁用鋼材の設計方法
JP4903744B2 (ja) * 2008-04-04 2012-03-28 新日本製鐵株式会社 既設の鋼矢板の補強構造、既設の鋼矢板の補強用部材
JP2010209547A (ja) * 2009-03-09 2010-09-24 Takenaka Komuten Co Ltd 壁杭及び壁杭の造成工法
JP5177603B2 (ja) * 2010-04-22 2013-04-03 新日鐵住金株式会社 組合せ鋼矢板壁
JP2012202042A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Sumitomo Metal Ind Ltd 排水機能を有する組合せ鋼矢板および該鋼矢板を用いた壁体構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017180048A (ja) 2017-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI433981B (zh) Composite steel sheet pile and steel plate pile wall using the combined steel sheet pile
JP5464370B2 (ja) 盛土の補強構造
JP6515293B2 (ja) 鋼矢板壁
KR200452946Y1 (ko) 용접 h형 강널말뚝 및 이를 이용한 일체형 합성 차수벽체
JP2003074038A (ja) 老朽化矢板護岸の修復護岸構造および修復工法
JP6387996B2 (ja) 既設鋼矢板壁の補強構造及び補強方法
JP5521277B2 (ja) ハット形鋼矢板
JP6714307B2 (ja) 既設鋼矢板壁の補強工法
JP6835138B2 (ja) 既設鋼矢板壁の補強構造
JP6477565B2 (ja) 既設鋼矢板壁の補強構造及び補強方法
JP6489055B2 (ja) 既設鋼矢板壁の補強構造および補強工法
JP5637657B2 (ja) 土留壁及びその補強方法
JP6477586B2 (ja) 鋼矢板壁
JP6971874B2 (ja) 鋼構造物とプレキャストコンクリート部材の接続構造、その接続構造を有する構造壁および鋼構造物とプレキャストコンクリート部材の接続方法
JP2012102497A (ja) 鋼製壁および鋼製壁の施工方法
JP7156347B2 (ja) 鋼製壁体と鉄筋コンクリート床版の接合構造
JP3905069B2 (ja) 乾式作業函およびその設置方法
JP7138945B2 (ja) 型枠付き壁体構成部材および型枠付き壁体
JP2019056231A (ja) 岸壁構造
JP4798203B2 (ja) 既設基礎の補強構造および補強方法
JP6256112B2 (ja) コンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体
JP7149868B2 (ja) 合成セグメント、環状体、構造物及びスキンプレート
JP7102228B2 (ja) コンクリート矢板部材、土留め壁および土留め壁の構築方法
JP7551456B2 (ja) 土留め構造の構築方法
KR20060072725A (ko) 벽강관말뚝

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171024

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20180502

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180509

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180911

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190226

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190327

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6515293

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250