JP4088871B2 - 遮水壁構造及び該遮水壁を用いた遮水護岸構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として管理型廃棄物最終処分場の周囲の地中や護岸構造物の内側面に設置し、内外の水の流出入を遮断させるために用いる遮水壁及び該遮水壁を用いた遮水護岸構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に廃棄物最終処分場には、有害物質が漏れ出る事がない安定型廃棄物を埋立処分する安定型廃棄物最終処分場、有害物質を含む有害型廃棄物を完全に遮断した状態で埋立処分する遮断型廃棄物最終処分場、及び、前記安定型又は有害型以外の廃棄物である管理型廃棄物を埋立処分する管理型廃棄物最終処分場がある。
【0003】
従来、上述した管理型廃棄物最終処分場の建設に際し、護岸構造物で囲むか或いは地中を掘削することにより廃棄物投入空間を形成し、その空間内に廃棄物を投入して埋立てるようにしている。この廃棄物投入空間を形成するための護岸構造物は、内外への水の流出入を極めて小さくする必要がある。
【0004】
この種の従来の護岸構造物における遮水構造には、遮水シートを用いる方法と、鋼矢板や鋼管矢板と遮水材を用いる方法がある。遮水シートを用いる方法には、図13に示すように、捨石やケーソンを使用した護岸構造物1の内側傾斜面に遮水シート2を敷設し、その上面に粘土質材料による被覆層3を設置するものがある。
【0005】
鋼矢板や鋼管矢板を使用する方法は、例えば図14に示すように、ケーソン等による堤体10と平行に矢板式土留め壁11を水底地盤に打ち込んで形成し、タイ材12を張設するとともに堤体10と矢板式土留め壁11との間に裏込め13や砂14等の中詰めをして護岸構造物とし、矢板式土留め壁11に鋼矢板を使用する場合は、図15に示すように、鋼矢板15,15の雄雌継手15a,15b間に膨張性止水材16を塗布する方法があり、また鋼管矢板を用いる方法では、図16に示すように、鋼管矢板17,17の継手部分において雄継手17aが嵌合される雌継手17b内に、充填時に流動性があり固化後も変形に追従して遮水性を維持するアスファルトマチック等の遮水材18を充填する方法がある。
【0006】
更に図には示してないが、鋼矢板又は鋼管矢板と遮水シートとを併用する方法も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の遮水護岸構造にあって、図13に示す如き遮水シートを使用する方法は、現場での遮水シート間の継手施工の確実性が低く遮水効果の信頼性が低い。
【0008】
また、図15に示す如き鋼矢板を使用する方法は、矢板が変形し易く、その際に継手止水材が破損され易く、一旦破損が生じた後の自己修復性は現在確認されてなく、信頼性が低い。
【0009】
更に、図16に示す如き鋼管矢板を使用する方法は、アスファルトマチック等の遮水材は高温(約200℃)に加熱して流動性を高めたものを注入するものであるが、注入する隙間が狭小であるため、大水深域において施工する場合等、充填部分が大深度に達するような場合には、必要な深さに充填できない等の問題がある。
【0010】
本発明は、このような従来の問題に鑑み、大深度に達する施工に対しても信頼性が高く、しかも施工性が良好であり、特に管理型廃棄物最終処分場に置ける護岸構造物の遮水に好適な遮水壁構造及び該遮水壁を用いた遮水護岸構造の提供を目的としてなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成する、請求項1に記載された発明の特徴は、廃棄物最終処分場周囲等の水平方向の通水を遮断が必要な土中に設置され、鋼製及び/又はプレキャストコンクリート製等の板状材を連結して構成した上下方向及び水平方向に延びる一対の土留め壁版と、該土留め壁版間を互いに間隔を隔てて連結させる壁版間連結材と、前記両土留め壁版間の空隙に充填したアスファルトマチック等の変形追随性を有する遮水材とを備えてなる遮水壁構造であって、前記土留め壁版の一方を、両縁に矢板間連結用の継手を有する鋼管矢板、U型鋼矢板、H型鋼矢板及びI型鋼矢板等の多数の矢板をもって構成させるとともに、前記壁版間連結材をI型鋼をもって構成させ、前記矢板の背面から前記壁版間連結材を突設させ、該壁版間連結材を構成しているI型鋼先端のフランジの背面側両縁に互いに背中合わせ配置の一対の板状材嵌合溝を立て向きに設け、該板状材嵌合溝に平板状の土留め板の両端を嵌合させて上下に多数に設置することにより他方の土留め壁版を構成させ、該土留め壁版は地盤の不透水性層に達する深さに設置してなる遮水壁構造にある。
【0012】
このように構成することにより、一対の土留め壁板間に比較的断面の大きな遮水材充填空間が形成されることとなり、遮水材の大深度への充填が確実になされて信頼性の高い遮水構造となるとともに、変形追随性を有する遮水材を使用しているために多数の板状材を連結して構成されている土留め壁版の変形時にも遮水性が保持されることとなって遮水効果の高い遮水壁が得られる。
【0013】
また、構築した遮水壁の下を通って地下水が流れることがなくなり、地盤改良等のような上下方向の遮水のための工事を行うことなく遮水できる。
【0014】
更に、矢板の打ち込みによる一方の土留め壁版の設置と同時に壁間連結材の設置が完成し、これに支持させて板状材を落とし込むことによって他方の土留め壁版が形成されることとなり、作業性が良い。
【0015】
また、従来使用されている鋼矢板等の廉価な矢板が使用できることとなり、経済性に優れ、しかも大きな遮水材充填空間が容易にできる。
【0016】
請求項2に記載された発明の特徴は、前記請求項1に記載された遮水壁構造において、矢板間連結用の継手は止水材を使用した不透水構造としたことにある。
【0017】
このようにすることにより、充填材による遮水に重ねて、矢板間の遮水がなされるため、遮水効果がより高くなる。
【0018】
更に、請求項3に記載された発明の特徴は、廃棄物埋立処分用等の埋立空間を形成する築堤の内側面に前記請求項1又は2のいずれかに記載の遮水壁構造を設置し、前記築堤の内側を遮水させることにある。このようにすることにより、海洋、陸上を問わず、遮水効果の高い遮水護岸構造が得られ、安定性の高い管理型廃棄物最終処分場が構築できる。
【0019】
尚、廃棄物最終処分場周囲等の水平方向の通水を遮断が必要な土中に設置され、上下方向及び水平方向に延びる一対の土留め壁版と、該土留め壁版間を互いに間隔を隔てて連結させる壁版間連結材と、前記両土留め壁版間の空隙に充填したアスファルトマチック等の変形追随性を有する遮水材とを備え、前記一対の土留め壁版の一方又は双方に、シート状材を一部又は全部に使用し、該土留め壁版は地盤の不透水性層に達する深さに設置することにより、土留め壁版の構造が簡素化され、コストを低くすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面について説明する。
【0021】
先ず、海洋に造成する管理型廃棄物最終埋立処分場の遮水護岸に本発明に係る遮水護岸構造を実施した例について説明する。
【0022】
この遮水護岸は、図1に示すように、海洋等の水底面に支持させて所望空間の周囲を囲む配置に構築し、これによって仕切られた内側を廃棄物投入空間とし、該空間に管理型廃棄物Aを投入して埋立処理するものである。
【0023】
この遮水護岸は、外側(海洋側)に鋼管矢板20を使用した矢板式土留め壁21があり、内側(埋立空間側)に、H型形状鋼矢板22を使用した遮水壁23を有し、外側の矢板式土留め壁21と内側の遮水壁23との間には中詰砂24が充填され、両壁21,23の上端間にはタイ材25が張設されている。
【0024】
外側の矢板式土留め壁21を構成している各鋼管矢板20は、前述した従来技術の図16に示す鋼管矢板と同じ継手構造を有しており、互いに横方向に連続させて、それぞれ水底地盤26地下の不透水層27まで打ち込まれ、横方向(水平方向)に連続した壁を形成している。
【0025】
内側の遮水壁23は、図2に示すように、板状のウエブ221の両縁に板状のフランジ222,222を一体化させた形状の断面がH型をしたH型形状鋼矢板22を使用し、これを横方向に連続させて水底地盤26の不透水層27まで打ち込んでいる。
【0026】
各H型形状鋼矢板22は、各フランジ222の縁部に、断面C型の雌継手部281と、これに嵌りあって抜け止めされるように、先端に膨出部を有する雄継手部282とを一体に有する継手28が一体に備得られ、互いに隣り合うH型形状鋼矢板22,22間において、継手28同士が互いに噛み合わされて横方向に連続されている。
【0027】
また、この継手28内には、図示してないが、膨張性止水材を付着させておき、これが打ち込み後に吸水して膨脹することにより止水されている。
【0028】
このようにしてH型形状鋼矢板22,22……を水平方向に連続させて打設することにより、両フランジ222,222によって、互いに平行配置の一対の土留め壁板23A,23Bを構成しているとともに、ウエブ221が両土留め壁板間を連結する壁版間連結材となっている。
【0029】
また、遮水壁23内には、隣り合うH型形状鋼矢板22,22間において各ウエブ221と各フランジ222によって囲まれる略方形状をした内部空間29内、即ち、両フランジによる土留め壁板間に形成される空間内に、変形追随性を有する遮水材30が充填されている。この遮水材30は図1に示すように、H型形状鋼矢板22の下端から水底地盤内における所定高さ位置から上端梢下の管理水位WLより高い所定高さまでの間に充填されている。
【0030】
H型形状鋼矢板22の下端部内には、現水底面より深く不透水層27まで遮水材30を注入する。
【0031】
遮水材30としては、アスファルトマチック等のアスファルト系遮水材や、海成粘土、ベントナイト或いはこれらを混合したものが使用できる。この他、充填時に流動性を有し、温度低下や時間経過によって流動性が失われる程度に柔らかい状態に固まる変形追随性を有する不透水性の材料が使用できる。
【0032】
尚、各H型形状鋼矢板22の打ち込みに際しては、両フランジ222,222の各継手28を互いに噛み合わせることによって、互いに隣り合うH型形状鋼矢板22,22間において両フランジ及び両ウエブに囲まれた部分に、水ジェットを噴射させて該部分に詰まる水底土砂を掘削し、エアリフトやサンドポンプによって掘削土砂を排出させる。このようにして形成される方形状の内部空間29内に遮水材30を流し込んで充填する。
【0033】
尚、図において33は中詰砂24内に形成したモニタリング井戸である。
【0034】
上述した実施例は、遮水護岸を構成する遮水壁23としてH型形状鋼矢板を使用して一対の土留め壁版を構成させ、その間を充填材が充填される内部空間とした場合について説明したが、この他、U型鋼矢板、直線鋼矢板又は鋼管矢板等他の鋼矢板及びこれらと他の土留め壁版とを組み合わせて充填材充填用の内部空間を形成した構造であっても良い。
【0035】
図3は、U型鋼矢板を使用した遮水壁構造の実施例を示している。
【0036】
この例では遮水壁23を構成する一方の土留め壁版23Aを、立て向きのU型鋼矢板50,50……を互い違いの向きにして横方向(水平方向)に連続させて形成している。このU型鋼矢板50は、両縁に雄雌継手50a,50bを有し、これを互いに嵌合させることによってジグザグ状の土留め壁版23Aを形成している。
【0037】
また、図15に示した従来例に使用されているものと同様に雄雌継手内の空隙に膨張性止水材を付着させておき、これが打ち込み後に吸水して膨脹することにより止水されるようにすることがより好ましい。
【0038】
遮水壁23を構成する他方の土留め壁版23Bは、平板状をしたプレキャストコンクリート板又は鋼板からなる土留め板51,51……によって構成されている。
【0039】
一方の土留め壁版23Aの裏面に、前記鋼矢板50一体に設けたI型鋼からなる壁版間連結材52が一定間隔毎に突設されており、そのI型鋼先端のフランジ背面側両縁に互いに背中合わせ配置の一対の板状材嵌合溝53a,53bが立て向きに設けられている。この板状材嵌合溝53a,53bに土留め板51の両端を嵌合させて上下に多数に設置することにより他方の土留め壁版23Bが形成されている。
【0040】
このようにして構成される両土留め壁版23A,23B間に形成された空隙に前述と同じ変形追随性を有する遮水材30を充填している。
【0041】
図4は、鋼管矢板を使用した遮水壁構造の実施例を示している。
【0042】
この例では遮水壁23を構成する一方の土留め壁版23Aを、立て向きの鋼管矢板60,60……を水平方向に連続させて形成している。この鋼管矢板60は、周囲の互いに対称な位置に雄雌継手60a,60bが形成され、これを互いに嵌合させることによって互いに連結している。雌継手60b内の空隙には前述した図16に示す従来例と同様に遮水材を充填してある程度の不透水性を持たせることがより好ましい。
【0043】
遮水壁23を構成する他方の土留め壁版23Bは、図3に示した例と同様に平板状をしたプレキャストコンクリート板又は鋼板からなる土留め板51,51……によって構成され、各土留め板51は、一方の土留め壁版23Aの表面に、水平方向の一定間隔毎に突設した壁版間連結材52の先端部両縁に形成した立て向きの板状材嵌合溝53a,53bに両端を嵌合させて支持されており、これによって両土留め壁板23A,23B間を一定間隔に保持させている。
【0044】
このようにして構成される両土留め壁版23A,23B間に形成された空隙に前述と同じ変形追随性を有する遮水材30を充填している。
【0045】
図5は、直線形鋼矢板(I型鋼矢板)を使用した遮水壁構造の実施例を示している。
【0046】
この例では遮水壁23を構成する一方の土留め壁版23Aを、立て向きの直線方鋼矢板70,70……を水平方向に連続させて形成している。この直線形鋼矢板70は両縁に、前述した図2に示すH型形状鋼矢板と同様の雄雌継手70a,70bが形成され、これを互いに嵌合させることによって互いに連結している。雄雌継手70a,70b内には、図示してないが、膨張性止水材を付着させておき、これが打ち込み後に吸水して膨脹することにより止水されるようにすることがより好ましい。
【0047】
遮水壁23を構成する他方の土留め壁版23Bは、図3に示した例と同様に平板状をしたプレキャストコンクリート板又は鋼板からなる土留め板51,51……によって構成され、各土留め板51は、一方の土留め壁版23Aの表面に、水平方向の一定間隔毎に突設した壁版間連結材52の先端部両縁に形成した立て向きの板状材嵌合溝53a,53bに両端を嵌合させて支持されており、これによって両土留め壁板23A,23B間を一定間隔に保持させている。
【0048】
このようにして構成される両土留め壁版23A,23B間に形成された空隙に前述と同じ変形追随性を有する遮水材30を充填している。
【0049】
上述した各実施例は、土留め壁版に鋼製の矢板と平板状をした土留め板とを使用した場合を示しているが、この他、柔軟性を有するシート材を使用して両土留め壁版23A,23Bの一方又は双方を構成させてもよく、例えば、図6に示すように、H型鋼をもって壁版間連結材52の各フランジ部52a,52a間に遮水性を有するシート状材80を、押さえ板81及びボルト82等の固定手段を使用して水密性を維持させて張設し、このシート状材によって形成された内部空間内に前述と同様の変形追随性を有する遮水材30を充填する。
【0050】
また、図7に示すように、例えば図3に示す例に使用しているU型鋼矢板を使用して一方の土留め壁版23Aを構成させ、その表面に突設させた壁版間連結材52、52の先端間に、図6に示す例と同様にしてシート状材80を張設し、シート状材80と土留め壁版23Aとの間の内部空間に遮水材30を充填してもよい。
【0051】
更に、図3〜図5に示す例の各土留め板51の代わりにシート状材を使用した板状材を使用してもよく、この場合には図8、図9に示すように鋼製の枠体85に遮水性を有するシート状材86を押さえ板81及びボルト82等の固定手段を用いて張設して、シート張り板状材87を形成し、これを前述した土留め板51の代わりに使用し、その両端を嵌合溝53a,53bに嵌合させることにより、土留め壁版23Bを構成させてもよい。
【0052】
また、図10に示すように、H型鋼等の各壁版間連結材52の両端部間に、嵌合溝53a,53bを形成しておき、前記シート張り板状材83を嵌合させて両土留め壁版23A,23Bを構成させてもよい。
【0053】
尚、各実施例において同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0054】
このようにシート状材を使用する構造は、護岸構造物を底部から積み上げて形成する場合により有効であり、矢板や鋼板及びコンクリートプレキャスト版を使用する場合に比べて低コストとなり、経済性が高い。
【0055】
上述した各実施例は、護岸構造物を内外土留め壁間に中詰砂を充填して構成させた場合を示しているが、この他、外側をケーソン提によって構成させてもよく。この場合には、図11に示すように(前述した図1に示す例と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する)水底の捨石マウンド40上にケーソンを設置してケーソン堤41を造成し、このケーソン提41から内側に間隔を隔てて前述と同様の遮水壁23を設置し、両者の上端部間にタイ材25を張設する。
【0056】
ケーソン提41と遮水壁23間には、ケーソン側に裏込め42を施し、遮水壁23側には必要に応じて底部に盛砂43を設置しその上に裏込め砂44を充填している。また、遮水壁23の根元部内側の廃棄物投入空間内に盛砂45を設置しその上に管理型廃棄物Aを投入するようにしている。
【0057】
また、海洋に面して構築する管理型廃棄物最終処分場に限らず、陸上に同処分場を構築するに際しても本発明に係る遮水壁構造を用いることができるものであり、この場合には、図1、図11に示すように廃棄物投入空間の内面を形成する築堤等の土留め壁として前述した各例の遮水壁23を設置するようにしてもよく、また図12に示すように窪地等を処分場とするような場合に、その周囲の地盤を掘削して溝を形成し、該溝内に前述した各例の遮水壁23を連続地中壁として構築してもよい。
【0058】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る遮水壁構造は、廃棄物最終処分場周囲等の水平方向の通水を遮断が必要な土中に設置され、鋼製及び/又はプレキャストコンクリート製等の板状材を連結して構成した上下方向及び水平方向に延びる一対の土留め壁版と、該土留め壁版間を互いに間隔を隔てて連結させる壁版間連結材と、前記両土留め壁版間の空隙に充填したアスファルトマチック等の変形追随性を有する遮水材とを備えることにより、比較的断面の大きな遮水材充填空間が上下方向に向けて形成されることなり、遮水材の大深度への充填が確実になされて信頼性の高い遮水構造となるとともに、変形追随性を有する遮水材を使用しているために矢板の変形時にも遮水性が保持されることとなって遮水効果の高い遮水壁が得られる。
【0059】
また、本発明に係る遮水護岸構造は、廃棄物埋立処分用等の埋立空間を形成する築堤の内側面に前述の遮水壁設置し、前記築堤の内側を遮水させるようにすることにより、より遮水効果が高く、地震や地盤の変動によっても遮水効果が損なわれ難い遮水護岸構造が得られ、効果的な遮水構造の管理型廃棄物最終処分場が構築できるとともにモニタリング井戸の設置等、モニタリングが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遮水護岸構造を管理型廃棄物最終処分場の護岸構造物に実施した例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る遮水壁構造の一例を示す断面図である。
【図3】同上の他の例を示す断面図である。
【図4】同上の更に他の例を示す断面図である。
【図5】同上の更に他の例を示す断面図である。
【図6】同上の更に他の例を示す断面図である。
【図7】同上の更に他の例を示す断面図である。
【図8】同上の更に他の例に使用するシート張り板状材を示す平面図である。
【図9】同縦断面図である。
【図10】本発明に係る遮水壁構造の更に他の例を示す断面図である。
【図11】本発明の遮水護岸構造を管理型廃棄物最終処分場の護岸構造物に実施した他の例を示す断面図である。
【図12】本発明の遮水壁構造を陸上に造成する管理型廃棄物最終処分場の遮水壁に実施した例を示す断面図である。
【図13】従来の遮水護岸構造の一例の断面図である。
【図14】従来の遮水護岸構造の他の例の断面図である。
【図15】図13に示す遮水護岸構造に使用する鋼矢板の継手部分を示す断面図である。
【図16】図14に示す遮水護岸構造に使用する鋼管矢板の継手部分を示す断面図である。
【符号の説明】
A 管理型廃棄物
WL 管理水位
20 鋼管矢板
21 外側矢板式土留め壁
22 H型形状鋼矢板
221 ウエブ
222 フランジ
23 遮水壁
23A,23B 土留め壁版
24 中詰砂
25 タイ材
26 水底地盤
27 不透水層
28 継手
281 雌継手部
282 雄継手部
29 内部空間
30 遮水材
33モニタリング井戸
40 捨石マウンド
41 ケーソン堤
42 裏込め
43 盛砂
44 裏込め砂
45 盛砂
50 U型鋼矢板
50a,50b 雄雌継手
51 土留め板
52 壁版間連結材
53a,53b 嵌合溝
60 鋼管矢板
60a,60b 雄雌継手
70 直線方鋼矢板
70a,70b 雄雌継手
80,86 シート状材
81 押さえ板
82 ボルト
85 枠体
87 シート張り板状材
Claims (3)
- 廃棄物最終処分場周囲等の水平方向の通水を遮断が必要な土中に設置され、鋼製及び/又はプレキャストコンクリート製等の板状材を連結して構成した上下方向及び水平方向に延びる一対の土留め壁版と、該土留め壁版間を互いに間隔を隔てて連結させる壁版間連結材と、前記両土留め壁版間の空隙に充填したアスファルトマチック等の変形追随性を有する遮水材とを備えてなる遮水壁構造であって、
前記土留め壁版の一方を、両縁に矢板間連結用の継手を有する鋼管矢板、U型鋼矢板、H型鋼矢板及びI型鋼矢板等の多数の矢板をもって構成させるとともに、前記壁版間連結材をI型鋼をもって構成させ、前記矢板の背面から前記壁版間連結材を突設させ、該壁版間連結材を構成しているI型鋼先端のフランジの背面側両縁に互いに背中合わせ配置の一対の板状材嵌合溝を立て向きに設け、該板状材嵌合溝に平板状の土留め板の両端を嵌合させて上下に多数に設置することにより他方の土留め壁版を構成させ、
該土留め壁版は地盤の不透水性層に達する深さに設置してなる遮水壁構造。 - 矢板間連結用の継手は止水材を使用した不透水構造である請求項1に記載の遮水壁構造。
- 廃棄物埋立処分用等の埋立空間を形成する築堤の内側面に請求項1又は2のいずれかに記載の遮水壁構造を設置し、前記築堤の内側を遮水させるようにしてなる遮水護岸構造。
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