JP2004204581A - 管理型護岸の遮水工法 - Google Patents

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Mitsuru Nonoda
充 野々田
Takahiko Ito
隆彦 伊藤
Katsuo Matsuzaki
勝夫 松崎
Hiroshi Nakano
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Abstract

【課題】遮水壁により管理型護岸を構築するに際して、海側に設けるケーソンによる防波堤に対して、廃棄物処分場側には、鋼製矢板と遮水材による遮水壁を構築して、遮水性に対する信頼性を向上させ得るようにする。
【解決手段】管理型護岸1を構築するに際しては、従来の工事方法と同様に、ケーソン11を並べて護岸本体10を構築してから、その廃棄物処分場側には不透水性地層3に所定の深さ貫入させるように、垂直な遮水壁15を構築して、埋立地側を海側に対して遮断する処理を施す。前記遮水壁15は鋼製矢板を所定の間隔をおいて2列に立設し、その鋼製矢板の間にアスファルト混合物等を充填し、直立の遮水壁として構成した際の強度と、信頼性を向上させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業廃棄物や一般廃棄物を海面埋め立て処分するための、廃棄物海洋処分場を外海と区画する遮水性の堤体を構築してなる管理型護岸に関し、ケーソンもしくは矢板壁に組み合わせて遮水壁を構築する管理型護岸の遮水工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業廃棄物や一般廃棄物を海面埋め立て処分するための処分場を構築するに際しては、予定された海面埋立地を区画する護岸を構築して、外海と遮断した埋め立て処分場内に廃棄物を投棄している。前記仕切り護岸としては、鋼(管)矢板式護岸、ケーソン式護岸、捨石式護岸等が知られている。前記廃棄物の埋め立て処分場を区画する仕切り護岸には、処分場内の保有水が外海に浸出しないように、仕切り護岸の本体に、もしくは独立した部分に遮水処理を施すとともに、処分場を構築する区域の海底地盤に対して必要に応じて遮水処理を行うことが求められている。
前述したような遮水処理を施した護岸を構築するために、従来より、遮水シート工法の他に、主に鋼管矢板や他の任意の断面形状の矢板等の、鋼材を用いた鋼製矢板を列状に打設もしくは埋設する等の手段を用いている。なお、以下に説明する本発明においては、前記矢板類の打設または埋設を総称して「立設」と呼んで説明するが、前記立設という表現には、アースオーガー等の掘削機により掘削した孔を利用して鋼製矢板を構築すること、または鋼製矢板を振動や衝撃により打ち込む方式等の従来より鋼製矢板を打設する工法を含むものである。前述したような従来例では、隣接させて鋼製矢板を立設して壁状に構築する矢板等の間で、その継手部材が係合もしくは嵌合する部分の内部に空間部を設けて、その空間部にアスファルト混合物やモルタル、その他の遮水性能を発揮可能な充填材を充填して、遮水壁を構成する鋼(管)矢板の間での遮水性を発揮させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−151630号公報
ところが、前記従来例に示されているように、鋼管パイルの両側部に雌雄形状の継手部材を設けて、前記継手部材を組み合わせて遮水部を構成し、前記遮水部となる空間部の内部にアスファルト混合物等の遮水材を充満させる方法では、継手部に十分に大きな断面積を有する空間部を形成しておかないと、遮水材を完全に充填することが困難である。また、鋼管矢板以外の他の断面形状の鋼製の矢板を用いる場合に、前記矢板の両側に内外の壁から延長した端部に継手部材を形成し、隣接する矢板を前記継手部材を接合して連続壁として構築する場合にも、前記矢板の継手部材の構造が複雑であることと、接合する継手部(ジョイント部)の形状・寸法の制約から、施工時の自由度の確保がむずかしいことの他、ジョイント部分での遮水処理が面倒であるという問題が残る。さらに、前記汎用性と実績のある鋼(管)矢板以外の鋼製矢板等のような特殊な構造を有する矢板類は、大量生産に向いていないために、その鋼材の単価が非常に高いものであることから、そのような特殊構造の鋼製矢板を使用する遮水壁は、構築(施工)コストを大幅に高くする原因ともなっている。
【0004】
本発明は、廃棄物海洋処分場を区画する管理型護岸を、ケーソンもしくは矢板壁に組み合わせた堤体とし、その処分場側に別の遮水壁を構築し、埋立地を外洋と遮断する性能を長期間に亘って維持可能な管理型護岸の遮水構造を、容易でしかも安価に施工可能な工法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、海岸に沿ってまたは任意の海域に予定された廃棄物処分場を区画するように堤体を構築し、前記堤体を海側の護岸本体と、前記護岸本体に対して所定の間隔をおいて処分場側に配置する遮水壁を設けて構成する管理型護岸に関する。請求項1の発明は、護岸本体と、前記護岸本体に対して所定の間隔を持たせて立設する遮水壁とを設け、前記遮水壁を、海底地盤の不透水性地層に根入れ・立設して構成する矢板壁と、前記矢板壁に沿わせて施工する遮水材による遮水層と、を組み合わせて構成することを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、前記護岸本体の処分場側に裏埋立地を構築し、前記裏埋立地で、前記護岸本体に対して所定の間隔を持たせて列状に矢板壁を構築し、前記列状に立設した矢板壁の間に遮水材を充填して、遮水壁を構築することを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、前記遮水壁を、列状に立設する矢板のジョイント部の空間内部に対しても、遮水材を充填して構成することを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、前記所定の間隔をおいて2列または、複数列状に立設する矢板壁の間の空間部に遮水材を充填し、前記矢板壁と遮水材を組み合わせた直立壁としての遮水壁を構築することを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、前記遮水壁を、列状に立設する矢板の間の空間内部に、遮水性を発揮する充填遮水材に対して補強部材を一体に設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、前記遮水壁を構築するに際して、2列または複数列に構築する矢板壁の間に遮水材を充填して遮水層を構築し、その後に、前記遮水層の一方の側、または両側、もしくは前記矢板壁の矢板を部分的に抜き去って、残った矢板と遮水層、もしくは遮水層による遮水壁を構成することを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、前記遮水壁を構築するに際して、2列もしくは複数列に立設した矢板壁の間に間隔保持部材を位置させて、前記列状に立設した矢板壁の間隔を規定するとともに、前記間隔保持部材によりブロック化し、前記列状の矢板壁の間に遮水材を充填することを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明は、前記遮水層に接する矢板の表面に、遮水材の付着を防止する手段を設け、2列もしくは複数列に立設した矢板壁の間に各々遮水材を充填して遮水層を構築することを特徴とする。 請求項9の発明は、矢板を海底地盤中に壁状に立設して自立型の矢板壁として構成し、2列状または複数列に立設した矢板壁の間隔を規定し、前記矢板壁の間に遮水材を各々充填することを特徴とする。
【0013】
請求項10の発明は、前記矢板として、鋼製矢板、鋼管矢板または鋼矢板、もしくはコンクリート製のような自立可能な矢板類を用いることを特徴とする。
【0014】
請求項11の発明は、前記護岸本体を、前記ケーソンに代えて矢板壁と遮水層とを組み合わせて独立させた海側の遮水壁として構成し、
前記海側の遮水壁を処分場側の遮水壁と組み合わせることにより、護岸を構築することを特徴とする。
【0015】
請求項12の発明は、前記矢板を立設して連続させた矢板壁を構築した後で、前記矢板壁の間の空間と、前記矢板のジョイント部の空間部の各々に充填する遮水材として、アスファルト混合物または土質系の遮水材、コンクリート系の遮水材もしくは遮水性を発揮可能な他の物質のいずれか1つ、または、前記任意の遮水材を層状に複合させて充填することを特徴とする。
【0016】
請求項13の発明は、海岸に沿ってまたは任意の海域に予定された廃棄物処分場を区画するように堤体を構築し、前記堤体を海側の護岸本体と、前記護岸本体に対して所定の間隔をおいて処分場側に配置する遮水壁を設けて構成する管理型護岸において、前記護岸本体の処分場側に裏埋立地を構築し、前記裏埋立地で、前記護岸本体に対して所定の間隔を持たせて、所定の巾の溝を不透水性地層に根入れするよう掘削し、前記掘削した溝の両側壁に沿わせてシート類またはマット類、もしくはそれ等を複合した膜状材を配置して、前記シート類またはマット類、もしくはそれ等を複合した膜状材の間の空間に遮水材を充満させて壁状の遮水層を構築することを特徴とする。
【0017】
請求項14の発明は、前記掘削した溝に遮水材を充満させた遮水層、または鋼製矢板、鋼管矢板、鋼矢板、コンクリート製矢板を立設した溝に遮水材を充満させた遮水層、もしくは不透水性マット類、不透水性シート類を溝の壁に沿わせて配置し、溝の中に遮水材を充満させた遮水層を、壁状の遮水層として構築し、前記壁状の遮水層の下部には、アスファルト混合物による下部不透水層を形成し、前記溝の中に充満させた遮水材の層とともに、遮水壁として用いることを特徴とする。
【0018】
前述したように、管理型護岸の処分場側の遮水壁を遮水性能を良好に発揮可能な直立遮水壁として構成することにより、処分場側の汚染された水が、外海に流れることを防止できる。前記護岸本体においては、ケーソンを堤体として用いることの他に、矢板を立設した矢板壁として構築することも可能であり、鋼製矢板を1列または2列に立設して、前記鋼製矢板のジョイント部もしくは側面に対して遮水処理を行うことで、強固な管理型護岸の遮水壁を構成することが可能となる。また、前記遮水壁を矢板壁と遮水材を組み合わせて構築することにより、従来工法での弱点であった鋼製矢板のジョイント部での遮水処理が施され、管理型護岸の遮水工法の信頼性を向上させることができる。さらに、前記遮水壁に用いる矢板としては、任意の形状の材料を用いることが可能であり、遮水層に対して矢板を沿わせたままで残すこと、または、矢板を除去し遮水層のみの壁を構築する等の、その施工現場での状況に合わせた管理型護岸の遮水工の施工が可能である。そして、遮水壁を構築した後で、矢板を除去する工法を用いる場合には、回収した矢板を再利用することができ、管理型護岸の構築コストを低減させることが可能となる。
【0019】
その他に、遮水壁を鋼製矢板または鋼管矢板、もしくはコンクリート製のような自立可能な矢板類、もしくは、樹脂製もしくは木製のような仕切り部材としての性質を発揮する材料を、単独でもしくは鋼製矢板と任意に組み合わせて用いることも可能となる。さらに、前記矢板を立設して連続する矢板壁を構築した後で、前記矢板壁の間の空間と、前記矢板本体もしくはジョイント部の間の空間部の各々に充填する遮水材として、アスファルト混合物または土質系の遮水材、コンクリート系の遮水材もしくは遮水性を発揮可能な他の物質のいずれか1つ、または、前記任意の遮水材を層状に複合させて充填することが可能である。したがって、前記矢板類と遮水材とを任意に組み合わせて用いることによって、遮水層の構築を施工現場の条件に合わせて行うことが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図示する例にしたがって、本発明の管理型護岸の遮水工法を説明する。図1に示す例は、一般的に用いられている管理型護岸1の構造を説明するもので、前記管理型護岸1は、廃棄物埋め立て地を区画するような堤体として構築される。前記管理型護岸1を構築する海底地盤は、例えば、上部に透水性地層2が所定の厚さで堆積しており、その下部の地盤は不透水性地層3であると仮定して説明する。図示する例において、前記護岸1の海側と処分場側とを区画する遮水壁部として、海側の護岸本体10としてのケーソン11を列状に設置し、その処分場側に所定の間隔をおいて垂直な遮水壁15を構築している。前記管理型護岸1を構築するに際して、護岸本体10は一般的なケーソン護岸を構築する場合と同様に、海底地盤の上に捨石基礎4を構築し、その上部にケーソン11を載置する。勿論、前記ケーソン11を設置して構築する護岸本体10においては、捨石基礎4の下部の地盤を改良する等の強化処理を施す等の工事を施工して、ケーソンのような重量物を安定して支持可能にすることは、従来例の工法と同様である。
【0021】
前記管理型護岸1を構築するに際しては、従来の工事方法と同様に、ケーソン11を並べて護岸本体10を構築してから、その処分場側(廃棄物埋立地側をいう)に裏埋立て土13を構築するが、前記裏埋立て土13は砂等の良質な材料を積み重ねて形成する。その後で、前記裏埋立て土13から透水性地層2を貫通させて、不透水性地層3に所定の深さまで貫入させるように、垂直な遮水壁15を構築して、処分場側を海側に対して遮断する処理を施す。前記遮水壁15を構築するに際して用いる工法は、後述するように、矢板としての鋼製矢板を立設して壁状に構築することと、前記鋼製矢板の継ぎ目の部分に対して、または、矢板壁に沿わせて所定の厚さで、アスファルト混合物のような遮水性を発揮可能な材料による遮水壁を構築することが可能である。
【0022】
図2に示す例において、管理型護岸1はケーソン11により構築する護岸本体10に対して、所定の間隔をおいて自立式の遮水壁15を構築し、前記護岸本体10と遮水壁15の間の空間部に、中詰め砂14を充満させて構築する。前記護岸本体10を構築するに際しては、海底地盤を上から所定の深さまで掘削して、その土を除去してから、捨石基礎4を所定の厚さに構築し、前記捨石基礎4の上にケーソン11を並べて護岸本体10を構築する。また、前記ケーソン11の海側では、捨石基礎4の上に被覆石層5を構築して、捨石基礎4の石積が波浪の影響で乱れたりすることがないように保護する。
【0023】
前記護岸本体10とともに遮水壁の処分場側を区画する遮水壁15は、鋼製矢板を打設するか、または埋設する等の、任意の立設手段により、鋼製矢板による遮水壁を構築する。前記鋼製矢板の継ぎ目の部分に対して遮水材を充填するか、または、矢板壁に沿わせて所定の厚さの遮水壁を設けるが、前記遮水壁としては、アスファルト混合物のような遮水性を発揮可能な材料を用いて構築することが可能である。また、前記遮水壁15の上部には、コンクリート等で上部構造物16を構築し、遮水壁15の上部を保護する等の手段を設ける。
【0024】
図3に示す例は、二重矢板式護岸20として管理型護岸を構築する場合を説明しているもので、二重の遮水壁として構築する管理型護岸において、海側には鋼製矢板を打設して構築する自立型の矢板壁21を、処分場側には別の構造の遮水壁25を構築している。前記矢板壁21と遮水壁25の間をタイロッド26により接続して、平行に構築する遮水壁21、25の間隔を設定し、安定した状態で自立させるようにする。また、前記2列の平行な遮水壁21、25の間には、中詰め砂14を充填し、さらに、その上部には、コンクリートを打設して構成する上部構造物27を設けている。前記上部構造物27としては、中詰め砂14の上部に所定の厚さでコンクリートを打設してから、その上にコンクリートブロック等を積み重ねて構築することも可能である。なお、前記二重矢板式護岸20において、矢板壁21の海側の海底地盤上に、アスファルトマットのような不透水性のマット6を所定の長さに亘って敷設して、その上に被覆石層5を構築することにより、地盤の土が洗掘されることを防止し、構造物を安定保持できるようにすることは、従来の護岸の場合と同様に処理される。
【0025】
前記二重矢板式護岸20において、二重の遮水壁としての矢板壁21と、遮水壁25とは、後述するように、鋼製矢板を不透水性地層3の中に所定の深さまで貫入させ立設した矢板壁を構築し、前記矢板壁21を構成する鋼製矢板のジョイント(継手)の部分に遮水処理を施す。さらに、遮水壁25においては、板状等の鋼製矢板を所定の間隔を設けて2列に立設して壁を構築し、前記2列の矢板壁の間に、アスファルト混合物等の遮水材を充填して、遮水性を向上させたものとして設ける。また、前記矢板壁21としては、後述するように、矢板列により構成することの他に、矢板列と遮水材とを組み合わせた自立性の遮水壁として構成することも可能であり、以下に説明する実施例のような、任意の構成の遮水壁を設けることが可能である。
【0026】
なお、前記図1ないし図3に示す管理型護岸の例において、海の潮汐の高低潮位(H.W.L)または(L.W.L)は、現場で測定される潮位であり、埋立地(処分場)側の管理水位(C.W.L)および、二重の遮水壁の間の中詰め砂等での残留水位(R.W.L)は、図示されるように設定される。そして、前記水位の関係は、可能であれば、(C.W.L)<(R.W.L)であって、(H.W.L)または(L.W.L)よりも低く設定できれば、埋立地内部の汚染された水が海に流れ出すことを阻止できるが、その他に、従来の例と同様に、前記各水位を管理することができる。
【0027】
図4に示す例は、前記図3の二重矢板式護岸20の平面図として説明しているもので、二重矢板式護岸20を構成する矢板壁21に対して、遮水壁25を所定の間隔で配置するタイロッド26により、接続することにより一体化している。前記矢板壁21は、前記従来例のように、鋼管矢板を用いる例で説明しているように、鋼管矢板を用いているもので、鋼製矢板21としての鋼管パイプ22による壁の法線方向の両側に、ジョイント部材を取り付けてなるもので、前記ジョイント部23としては、挿入部材24を被挿入部材24aに挿入して組み合わせている。前記挿入部24としては略T字状断面を有する部材を用い、他方の鋼管に設けている被挿入部24aを、小径のパイプの側部にスリットを形成したものを用い、前記挿入部24を被挿入部24aのスリットを介して装着し、T字状の部材の板を前記鋼管の中に位置させる。また、前記矢板壁21においては、そのジョイント部23の内部空間に対して、遮水性を発揮可能な物質を充填して、ジョイント部の隙間から水が流通しないように遮水処理する手段を用いる。
【0028】
前記矢板壁21に対向させて、処分場側に構築する遮水壁25においては、鋼製矢板28、29を所定の間隔を介して2列状に立設して構成するもので、前記矢板壁21と同様に、前記鋼製矢板28、29を、図3に示すように、不透水性地層3の中に所定の深さまで根入れ・立設して自立させる。なお、前記鋼製矢板28、29は、任意の鋼製矢板を用いることができるもので、平板状の矢板、大きな凹凸を有する鋼製矢板等を任意に組み合わせて用い、前記鋼製矢板の両端部に設けたジョイント部材を組み合わせて、その鋼製矢板による壁自体が遮水性を発揮できるものとして構築する。前記2列状に構築した鋼製矢板28、29の内部空間には、土砂や泥等をウォータジェット等を用いて排除してから、アスファルト混合物のような遮水性を発揮する充填物を充填し、アスファルト混合物と鋼製矢板による遮水性能を良好に維持可能な壁とする。
【0029】
図5に示す例は、二重矢板式護岸20の別の例を説明しているもので、海側の矢板壁21は前記遮水壁と同様に、鋼管矢板で構成するが、処分場側の遮水壁25は、スペーサ37としてL形鋼を一方の鋼製矢板に取付けたものを用いている。前記鋼製矢板28、29を平行に2列状に立設して構築する遮水壁25においては、2列の鋼製矢板による壁の間隔を一定に維持させるために、一方の鋼製矢板にL形鋼等によるスペーサ37を溶接等の手段を用いて取り付けている。そして、所定の間隔を介して次に立設する対向壁としての鋼製矢板に対して、前記スペーサ37を配置することにより、間隔が一定になるように位置決めして、遮水材による壁が所定の厚さとなるように構築できる。
【0030】
前記構成に加えて、L形鋼やI形鋼、または鉄板を所定の長さに切断したもの等の、任意の部材をスペーサ37として用いることで、アスファルト混合物を打設して構築する遮水壁の厚さを適宜設定することが可能である。したがって、間隔をおいて配置しているスペーサ37により、遮水壁が所定の長さでブロック化され、隣接するブロックの影響を受けずに施工でき、遮水壁の信頼性を向上させることができる。なお、前記実施例では、スペーサとしてL形鋼を用いる場合で説明しているが、その他に、鋼製矢板やH形鋼、I形鋼等の任意の形状の鋼材を用いるこも勿論可能であり、コンクリート製の板材や他の任意の材料を用いても良く、そのスペーサの材質や形状等も、スペーサとしての作用を発揮できるものであれば、特に限定するものではない。
【0031】
図6に示す例は、前記図2に説明するような護岸本体10を構築する際に、自立型の遮水壁を施工するとともに、アスファルト混合物等による遮水壁を付加する方法に関するものである。前記図6に示す例において、護岸本体10はケーソン11を並べて構築するもので、前記ケーソン11の間にはシール部材12を配置して、ケーソンによる遮水壁での遮水性を確保している。前記ケーソン間シール部材12としては、従来より一般に用いられているシール部材と同様に、ジョイント部(継ぎ目)の両側端部(海側と処分場側)付近に縦のゴムシール12aを挿入して設け、2つのシール間にアスファルト混合物のような遮水部材12bを充填することにより構成する。
【0032】
前記護岸本体10から所定の間隔をおいて、処分場側の遮水壁30を構築するもので、前記図6に示す例では、前記遮水壁30を鋼管矢板31を用いて構成している。前記鋼管矢板31は、前述したような大径のパイプ本体の両側にジョイント部材を取り付けてなり、前記ジョイント部材を組み合わせたジョイント部を介して鋼製矢板を順次列状に立設して、自立式遮水壁として構築する。また、前記遮水壁30の海側に沿わせて、鉄板または板状の巾の広い矢板33を配置し、前記鋼管矢板と板部材33の間の空間部にアスファルト混合物等の遮水材を充填して遮水処理を行う。なお、前記遮水壁30のジョイント部32の空間部内に遮水材を充填して、矢板のジョイント部での水漏れを防止した場合には、さらに、追加して施工する前記遮水材の層34により、遮水性を良好に維持できるようにされる。
【0033】
図7に示す例は、前記図6の実施例における鉄板33に代えて、板状の矢板35を配置して、前記2列の矢板の間に、遮水材34を充填している。前記図6、7に示す例において、管理型護岸を構築する際には、最初にケーソン11を並べた護岸本体10を構築し、その処分場側に所定の間隔をおいて遮水壁30を構築し、さらに、前記遮水壁30の海側に、追加の板33または矢板35の壁を構築するようにする。前記板部材33または矢板35は、鋼管矢板31とともに透水性地層を貫通させて、不透水性地層に所定の深さまで達するように立設することは、一般の鋼製矢板の構築の場合と同様に行われる。また、前記板部材33や、矢板35を鋼管矢板本体に対して所定の間隔で配置するためには、例えば、図6の例では矢板本体に板部材を位置決めするためのガイド部材を取付けること、または矢板35にスペーサ37を取付けておき、前記スペーサにより遮水層34の厚さを規定することが可能である。
【0034】
前記遮水壁30において、一般には、遮水層34の施工の前に、中詰め砂を充填するが、鋼管矢板のジョイント部を塞ぐようにするか、またはその海側に所定の厚さの遮水層34を、アスファルト混合物等を充填することによって構築した後で、護岸本体10と遮水壁30の間に中詰め砂14を充填することも可能である。そして、前記アスファルト混合物の流動性が小さくなってから、前記板部材33または矢板35を引き抜いて、本体に遮水層を取付けた状態の遮水壁とすることができる。なお、前記遮水壁30の例において、鋼製矢板として鋼管矢板を使用する例で説明しているが、前記鋼管矢板の他に、ボックス形の断面を有する矢板や、H形鋼、I形鋼等の任意の断面形状の鋼製矢板類を用いることが可能である。そして、その矢板類の両側に設けたジョイント部材を接続して、一体の壁状の遮水壁を構築し、それ等のジョイント部分や裏面側に遮水層を形成することも、前記各実施例と同様に行うことが可能である。
【0035】
前記鋼製矢板と遮水層とを一体化した遮水壁30においては、鋼製矢板のジョイント部の空間にも、遮水材を充填することができるので、鋼製矢板本体の不透水性と、ジョイント部での遮水性および鋼製矢板に沿わせて構築する遮水層34とが総合されて、遮水作用の信頼性を向上させることができる。なお、前記図7に示すように、矢板35を引き抜いた跡35Aは、中詰め砂14の砂がただちに矢板を引き抜いた孔(空間)に押し寄せて塞ぐので、遮水層34の変形は小さいものであり、遮水性を損なうことはないものである。
【0036】
前記図1に示す管理型護岸の例において、裏埋立て土13の中に立設する遮水壁は、前記遮水壁の各実施例に説明したようにして、所定の間隔を介して2列の矢板壁を構築してから、その間の土等を除去して、アスファルト混合物のような遮水材を充填して、遮水壁として構築することが可能である。その他に、例えば、図8以降に説明するような、遮水壁を構築できるもので、図8(a)に示すように、矢板41、42を2列状に立設してから、その矢板列の間に遮水材を充填し、その後に矢板を引き抜いて、同図(b)に示すような遮水材のみの独立した遮水層44を、裏埋立て土13の中に独立させて設けることが可能である。
【0037】
図9に示す例は、同図(a)のように、前記遮水壁40を2列状に立設した矢板41、42により区画するが、前記矢板の壁の間隔を規定することと、ブロック化をして少量ずつ施工するために、スペーサ43を所定の間隔で配置する。そして、アスファルト混合物のような遮水材を内部に充填してから、同図(b)に示すように、矢板42とスペーサ43を抜き出して、その矢板42の除去跡に砂等が押圧する状態として、遮水層と矢板41の複合体としての遮水壁40を残すようにする。また、遮水壁の中で、スペーサを除去した跡に遮水材が押しよせて充満されることになるから、その部分が隙間となることはないものであるが、前記矢板42を除去する前の段階で、スペーサを除去すれば、前記スペーサの抜き取り跡(孔)に土砂が入り込むことは避けられる。前記図9(b)では、一方の矢板41は残しているが、同図(c)に示すように、両側の矢板41、42を抜き出して、遮水材による壁44のみを残すようにしても良いことは勿論のことである。また、前記スペーサを残したままでも、残留させたスペーサにより、遮水性に障害が生じないことはいうまでもないことである。
【0038】
図10に示す例は、遮水壁40を構築する別の例を説明しているもので、2つの平行な矢板による壁を規定するためと、充填材の充填工程を区画するために、スペーサとしてH形鋼45を所定の間隔で配置している。同図(a)に示すように、前記スペーサとしてのH形鋼45には、矢板を保持するめたの挿入部46……をそれぞれ設けておき、前記挿入部46……の間隔に対応させて、矢板41、42を位置決めできるようにする。そして、前記2列の矢板41、42に区画される空間部に対して、同図(b)に示すようにして、遮水材を充填してから、同図(c)に示すように、H形鋼45と矢板41、42を順次抜き出して、遮水材のみによる遮水壁40を構築する。
【0039】
前記遮水材としてアスファルト混合物や土質系遮水材のような、粘性と塑性を有する材料を用いる場合に、その強度上の信頼性に疑問が持たれる場合がある。例えば、遮水壁に対して偏土圧が大きく作用するような場合や、波浪に対して護岸本体の信頼性が小さいと想定される場合がある。そのような場合には、遮水材の独立した構造体(遮水壁)に対して補強手段を付加して設けて、遮水壁の強度を大きなものとすること、または大きな変位にも追従可能とする等の対応策を付加して、遮水壁にクラック等が生じないようにすることも必要となる。
【0040】
図11に示す例は、矢板を2列に打設した後に、区画内の土砂を除去してから、アスファルト混合物の打設の際に、ガラスクロス52のような補強手段を位置決めしてアスファルト混合物とともに一体化し、補強手段を併用した遮水壁を構築する場合を説明している。この実施例では、スペーサとしてのH形鋼50、50を所定の間隔で立設し、そのH形鋼を利用して矢板41、42を所定の間隔を持たせて構築する。前記スペーサとしてのH形鋼50には、同図(a)または(b)に示すように、保持部51、51aを取付けておき、前記保持部51、……に対して、ガラスクロス52の両端部に取付けた端ロッド53を挿入して、位置決めさせるようにする。したがって、同図(a)のように、中央部に1層のガラスクロス52を挿入する場合には、アスファルト混合物の内部にガラスクロスを挿入でき、同図(b)のように、両側に配置したガラスクロスの中に遮水材を充満させて、ガラスクロスにより遮水材を補強した遮水壁40を構築することが可能である。
【0041】
したがって、同図(a)のように、中央部に1層のガラスクロス52を挿入する場合には、アスファルト混合物の内部にガラスクロスを挿入でき、同図(b)のように、両側に配置したガラスクロスの中に遮水材を充満させて、ガラスクロスにより遮水材を補強した遮水壁40を構築することが可能である。また、前記遮水材にガラスクロスもしくは、それと同等な補強作用を補助する手段を付加して遮水壁を構築する場合には、前記補強部材(シート等)はあらかじめアスファルトを含浸させたものを使用すれば、アスファルト混合物との付着性を良好に維持できる。なお、前記遮水材として、アスファルト混合物を用いる場合の他に、モルタル・コンクリート系の遮水壁や、固化処理土を壁状に設けた遮水壁等に対しても、それ等の遮水材に合わせた任意の補強部材を内部に埋設するか、両側に沿わせて配置することも可能である。その他に、土質系の遮水材を用いる場合でも、遮水層の内部または側部に不織布等のようなシート類、その他のシート類やマット類等の補強作用を発揮できる膜状の部材を組み合わせて設けて、遮水層の信頼性を向上させる方法を適用することが可能である。
【0042】
図12に示す例は、矢板部材を抜き出す際に、遮水材が矢板部材の表面に付着したままで、遮水壁の表面を乱すことがないようにする場合の1つの例を説明している。前記剥離用のシート等を用いる場合には、図11(b)に示す例と同様に、H形鋼50……に対して遮水シート55を保持するための保持部材57……をそれぞれ設けておき、区画内の土砂を除去した後で、遮水シート55を装着して位置決めし、前記区画内に遮水材を充填してから、矢板部材41、42の双方またはその一方を抜き出すようにする。前記遮水シートとしては、従来より使用されているゴムやビニール等の任意の遮水シートを用いることが可能であって、そのような遮水シートを遮水層の表面に残すことにより、遮水壁の信頼性をより向上させることが可能である。
【0043】
前記遮水壁を構築する際に、矢板部材の抜き出しを容易に行うためには、矢板部材の遮水材に接する表面に、前記付着防止用のシートを用いる場合と同様に、遮水材が付着することを阻止する手段を設けることが要求されると想定される。そこで、前記遮水材とてアスファルト混合物を用いる場合には、前記矢板部材の遮水材に対する剥離性を良好に発揮させるためには、鋼製矢板や矢板部材の遮水材に接する表面に、油のような剥離性を発揮する物質を塗布することや、樹脂材料をコーティングすること等の、任意の手段を用いることが可能である。また、鋼製矢板等の表面にアスファルト混合物のような遮水材の付着を防止するためには、株式会社日本触媒の販売している「フリクションカット材……商品名」を使用することも可能である。その他に、充填する遮水材の性質に対応させて、従来より公知の付着防止手段を適宜使用することもできる。
【0044】
前記本発明の実施例において、2列に所定の間隔をおいて立設した矢板壁の間に、遮水材を充填してから前記矢板を抜き去って、遮水材による独立した遮水壁を構築する場合には、鋼製矢板のような高価な材料を繰り返して使用可能であることから、管理型護岸の構築コストを低減させることが可能になる。また、前記鋼製矢板を抜き出して再利用しようとする場合でも、鋼製矢板と組み合わせていない状態では、遮水材のみによる遮水壁の直立状態に不安が生じることが、遮水壁の一部で考えられることもある。そのような場合に、例えば、土圧が大きくかかる場所や、潮流の圧力が大きく付与される恐れのある場所等では、必要に応じて、鋼製矢板を一部残した状態の遮水壁とすることもできる。その他に、タイロッドを用いて護岸本体に対して遮水壁を接続している場合には、前記タイロッドで接続している部分の矢板を除去できない場合もあり、そのような引き抜きできない矢板は、そのまま残して遮水壁の自立性を補助するようにしても良い。
【0045】
図13に示す例は、3列の壁状に鋼製矢板を立設して矢板壁を構築してから、その矢板壁の間に種類の異なる種類の遮水材を充填して、遮水壁を構築する場合の例を示している。本実施例においては、任意の構造の矢板を立設して矢板列61〜63を構築するが、前記矢板列61〜63としては、例えば、図示するような構造の鋼製矢板の他に、従来より一般に使用されている板状、形鋼等を矢板として用いることが可能である。また、前記3列に立設する矢板列の間に充填する遮水材の層64、65としては、アスファルト混合物、土質系の充填材等を用いることが可能である。
【0046】
前記遮水壁60を図1に示す護岸の遮水壁に適用する場合には、3層の矢板列61〜63を鋼製矢板で構築し、各矢板列の間の間隔を保持させるために、任意のスペーサを介在させるようにして、遮水材を充填することができる。その他に、処分場側の矢板列61と、本体側の矢板列63を鋼製矢板を立設して構成して、その間の土砂を除去してから、木製やその他の材料を用いて仕切りとしての作用を発揮できるような、中間部の矢板列62を構築し、各々の矢板列の間に遮水材を充填して、遮水層64、65を構築する。前記2層の遮水層を構築するに際しては、例えば、遮水層64では、アスファルト混合物を充填し、遮水層65には土質系の充填材を用いて構成する等の、任意の種類の異なる遮水層を構築することが可能である。
【0047】
前記3層の矢板列を構築する場合に、処分場側の矢板列61と中間部の矢板列62との間には土質系の遮水材を充填して、遮水層64を構築し、遮水層65としては、アスファルト混合物による遮水層を構築することもできる。そして、前記アスファルト混合物による遮水層65の両側の矢板列62、63を、その遮水材を充填してから抜き出して、矢板列61のみを残して、自立型の遮水壁として構成することも可能である。また、前記複数列に矢板列を構築する場合に、両側の矢板列の間に構築する中間の矢板列では、単純に矢板を並べて構成することで対応が可能であることから、コンクリート板等を並べて中間の矢板列として構築しても良い。
【0048】
前記矢板列の間に充填する遮水材としては、例えば、コンクリートやモルタル等のように、硬化した状態で自立壁としての作用を発揮できるものを用いることが可能である。そして、前記コンクリート壁を構築する場合には、その施工後に両側の矢板列を除去しても、自立性の遮水壁が残ることになるので、前記コンクリート壁に組み合わせて、他の材料による遮水層を施工することで、矢板を全部取り去っても、遮水壁としての効果を十分に発揮できることにもなる。また、前述したように、中間のコンクリート板による矢板列62の両側に、遮水材の層64、65を構築する場合でも、3層の遮水材と、1列または2列の矢板による遮水層を一体に構築できることになる。したがって、前述したような多層の遮水層を組み合わせて遮水壁を構築する場合には、その材料を任意に選定してそれぞれの特性を有効に利用することで、遮水壁の信頼性を大幅に向上させることが可能になる。
【0049】
前記鋼製矢板を立設して遮水壁を構築するに際して、前記鋼製矢板のジョイント部の狭い空間には、アスファルト混合物のような流動性の大きい遮水材を充填することで、ジョイント部の間に隙間が形成されないようにする。また、前記2列の鋼製矢板の間の巾の広い空間部に対しては、アスファルト混合物または土質系の遮水材、もしくは、コンクリート等の任意の遮水材を充填することが可能である。前記土質系の遮水材を用いる場合には、海底の土(粘土質の土)を主体とする土性材料に、ベントナイトのような間隙調整材を所定の比率で添加して、遮水材として形成することができる。その場合には、前記土質系の遮水材に対して、水またはエタノールのような有機系の液体を添加し、遮水材としての流動性を向上させるとともに、含水率を維持させ得るように調整して、土質系の遮水材材料を構成することができる。
【0050】
前記土質系の遮水材を鋼製矢板の間の空間部に充填する場合に、前記遮水材に含まれている固形成分が次第に沈降して、下部の土が圧密されて、水分等の液体の含有率が低下して固化し、クラックが発生したり体積が減少するという、土質系の遮水材にとって最も不都合な状態が発生することが想定される。そこで、前記遮水材に対して所定の深さまで、液体を常時供給するための筒状の部材を前記充填材の中に埋設して設けておき、前記充填材に対して常時、前記水または有機系の液体等を供給できるようにする。
【0051】
前述したように、鋼製矢板を列状に立設して遮水壁を構築する例において、鋼製矢板の間での遮水性を発揮させるための充填材料として、モルタル、コンクリート、アスファルト混合物、土質系遮水材等を用いることが、従来より種々提案されている。本発明の各実施例では、断面積の大きな形鋼間の空間等に対しては、アスファルト混合物のような、比較的粘性と流動性が大きい材料を用いることができる。これに対して、形鋼のジョイント部に形成される断面の小さい空間部では、長期間大きな粘性と流動性を維持でき、遮水性を発揮できるような遮水材を用いると、ジョイント部の内部空間に充填材(遮水材)を充満させて形成するところの、細くて長いコラムでの遮水性を良好に発揮させ得ることになる。
【0052】
また、前記矢板のジョイント部の空間に対しては、土質系の充填材をジョイント部充填材として充満させることで、遮水性を良好に発揮できるようにしている。前記ジョイント部充填材を充填すると、土質系遮水材、または細粒物質は、水分を分離させる状態で沈降するので、上部には水が残るが、本発明においては、さらにその上部に水分を余分に補給して、ジョイント部の周囲部材により仕切られた空間内で、土質系遮水材の沈降した成分を上から押圧しながら、水分を上から補給するようにする手段を付設することができる。そして、前記水分のみを上部に所定の高さに充満させて押圧する作用を加えることの他に、ジョイント部充填材の上に重錘部材を載置して、ジョイント部充填材から水を分離する状態で沈降する土質系の遮水材を、前記重錘部材により、より大きな力で押圧可能な手段を追加して設けることも可能である。前記重錘部材としては、他の部分に充填するアスファルト混合物と同様なものを所定の厚さで載せること、または比重を大きくしたアスファルト混合物を載せるようにしても良い。
【0053】
したがって、本発明の遮水壁においては、前記鋼製矢板を2列状に立設して連続壁を構築した後で、前記鋼製矢板の間の空間と、前記矢板本体もしくはジョイント部の間の空間部の各々に充填する遮水材として、アスファルト混合物もしくは土質系の遮水材のいずれか1つ、または、前記遮水材料を複合させて充填することが可能である。また、前記鋼製矢板の間の空間と、前記矢板本体もしくはジョイント部の空間部の各々のうち、小さな断面の空間部には、土質系の遮水材を充填材として充填し、前記空間部のうちの大きな空間部に充填する遮水材として、アスファルト混合物を用いることも、遮水材の使用方法の1つとなる。その他に、前記鋼製矢板の間の空間と、前記矢板本体もしくはジョイント部の間の空間部の各々に充填する土質系の遮水材は、粘土質の材料にベントナイトのような間隙調整材を添加して遮水性を高めたものに、材料の分離を防ぐためのゲル化材もしくは水分と流動性を調整する材料とを、適宜比率で混合したものを用いることも可能である。前記土質系遮水材に混入するゲル化材としては、粘性を発揮可能なマンナンや、その他の有機質の粘り成分、無機質の粘り成分等を任意に用いることができる。
【0054】
図14に示す例は、前記図1で説明したように、ケーソンを並べて護岸本体を構築してから、その処分場側(廃棄物埋立地側)に裏埋立て土13の層を設けて陸化した後で、遮水壁70を構築する例を示している。前記遮水壁70は、前記裏埋立て土13の層の上から透水性地層2を貫通させて、不透水性地層3に所定の深さまで貫入(根入れ)させるように、垂直な溝を掘削する工事を施工し、その溝の中に遮水材を充満させることにより構成する。前記溝を掘削するためには、従来より用いられているような、巾の広い溝を掘削可能な掘削装置を用いることができるもので、ベントナイト等の粘土質の泥水を充満させながら、巾が1〜2m程度の深い溝を掘削することで対応が可能である。
【0055】
その後に、前記溝の壁71に沿わせて、ゴムシートやビニールシートのような遮水性を有するシート72を、垂下させるようにして溝の両側の壁に沿わせて遮水シート72を敷設する。前記不透水性シート類は、巾が数mのものを端部が重なるような状態で敷設することで、壁の土の表面に沿わせて配置することができ、下部に重錘等を取付けておくことで、溝の底まで達するよう敷設することが可能である。その後に、前記溝の下部にアスファルト混合物を所定の高さまで充満させて、前記シート72と一体化させるようにアスファルト混合物を充填することにより、下部遮水層76を構築する。さらに、前記下部遮水層76の上部には、前記溝の掘削に使用した泥水を、高濃度の粘土等を含有する遮水材に置換した上部遮水層75を構築し、前記上部遮水層75の土質系の遮水材と掘削した溝の壁の内面の土または砂13の層とを、前記シートにより区画するような手段を用いて、遮水層としての性能を維持させるようにする。
【0056】
前記深い溝を仕切り護岸の長さ全体に亘って、連続した溝として掘削する装置としては、従来よりコンクリートの連続した遮水壁を地中に構築するために用いられているような、巾が広くて深い溝を連続して掘削可能な掘削装置を使用することが可能である。または、大径のオーガー掘削機のような装置を用いて、連続させて縦孔を掘削して、所定の巾を有する長い溝を構築することも可能である。そして、短い間隔毎に掘削した溝もしくは縦孔に対しては、前記図9に示したような仕切り部材を挿入して、前記仕切り部材の間でシートを敷設することや、土質系の遮水材を充満させる処理を行うことが可能である。また、前記掘削した溝の両側壁に沿わせて配置し、溝の壁と遮水材との仕切りとして設ける不透水材料としては、任意のシート類またはマット類、もしくはそれ等を複合した膜状材を用いることが可能であり、それ等を複合した膜状材の間の空間に遮水材を充満させて壁状の遮水層を構築することも可能である。その他に、前記掘削した溝に遮水材のみを充満させて、遮水材のみによる遮水層を構築すること、または鋼製矢板、鋼管矢板、鋼矢板、コンクリート製矢板を立設した溝に遮水材を充満させて構成する遮水壁、もしくは不透水性マット類、不透水性シート類を溝の壁に沿わせて配置し、溝の中に遮水材を充満させた遮水層等を、その現場に合わせた壁状の遮水層として構築することも可能である。
【0057】
図15に示す例は、前記図14の例の変形例を説明しているもので、前記遮水壁70を遮水層75により形成するに際して、遮水壁の下部にアスファルト混合物による下部遮水層77を構築している。前記遮水壁を構築するに際して、下部の遮水層77を構成するためには、溝の下部を拡開する等の処理を行って、その拡開部にアスファルト混合物を注入することで、巾の広い下部遮水層77として構築できる。前記遮水層77の上部に、土質系の遮水材を充満させて遮水層を構築するに際しては、前記図14の例と同様に、壁71の内面を覆うシート72を配置して遮水材を充満させ、前記遮水層75を形成すれば良い。また、前記遮水層75の下部に、アスファルト混合物の層77を設ける拡開部は、アスファルトマットを2つ折りにした状態で溝の下部に挿入し、上からマットの間を広げるようにする力を加える等してマットを開いてから、アスファルト混合物を充填する等の手段を用いて形成することも可能である。
【0058】
前述したようにして、両側の壁面との間に、不透水性のシートを配置して土質系の遮水材を溝の中に保持させ、裏埋め立て土のような水を通しやすい地層内での遮水壁を容易に構築することができる。また、前記各実施例において、遮水層の側面にシート等の仕切り部材を配置している場合には、特に、土質系の遮水材に対して、側方から偏圧が作用した場合でも、その圧力に応じて壁の一部が変形することも想定されるが、シートで側面を保護された遮水層での遮水性質には影響が生じないという特徴を発揮できる。そして、前記遮水壁70を構築することにより、前記鋼製矢板と遮水材の組み合わせによる遮水壁と同様に、埋立地と外洋とを区画する仕切り護岸の遮水性を良好に維持できるものとなる。さらに、前記土質系の遮水材を用いた遮水壁70において、遮水層の下部にアスファルト混合物による下部遮水層を一体に設けていることで、遮水壁75の下部に対する遮水作用を良好に発揮できて、遮水壁の下面から水が流通することを阻止でき、遮水壁の信頼性を向上させることが可能である。
【0059】
なお、前記本発明の各実施例において、管理型護岸の海側の堤体としての護岸本体は、前記ケーソンや鋼製矢板を立設して構成することが可能であるが、その他に、従来の防波堤等のように、石積の堤体を用いることが可能である。前記護岸本体の処分場側に構築する遮水壁は、前記各実施例に開示したような、鋼製矢板と遮水材の壁とを組み合わせて構築することや、遮水材のみによる遮水壁として構築でき、一部に鋼製矢板を残して遮水材による壁の強度を補助したものとして構築することも可能である。さらに、前記2列に立設した鋼製矢板の間に遮水材を充填する場合には、遮水材として、アスファルト混合物のような材料を用いずに、土質系の遮水材を鋼製矢板の間に充填して、その遮水性を維持させるための補助手段を付加して設け、遮水性能を長期間に亘って維持できるようにすることもできる。
【0060】
【発明の効果】
前述したように、管理型護岸の処分場側の遮水壁を遮水性能を良好に発揮可能な直立遮水壁として構成することにより、処分場側の汚染された水が、外海に流れることを防止できる。前記護岸本体においては、ケーソンを堤体として用いることの他に、矢板を立設した矢板壁として構築することも可能であり、鋼製矢板を1列または2列に立設して、前記矢板のジョイント部もしくは側面に対して遮水処理を行うことで、強固な管理型護岸の遮水壁を構成することが可能となる。また、前記遮水壁を矢板壁に対して遮水材を組み合わせて構築することにより、従来工法での弱点であった鋼製矢板のジョイント部での遮水処理が施され、管理型護岸の遮水工法の信頼性を向上させることができる。さらに、前記遮水壁に用いる矢板としては、任意の形状の材料を用いることが可能であり、遮水層に対して矢板を沿わせたままで残すこと、または、矢板を除去し遮水層のみの壁を構築する等の、その施工現場での状況に合わせた管理型護岸の遮水工の施工が可能である。そして、遮水壁を構築した後で、矢板を除去する工法を用いる場合には、回収した矢板を再利用することができ、管理型護岸の構築コストを低減させることが可能となる。
【0061】
その他に、遮水壁を鋼製矢板、鋼管矢板または鋼矢板、もしくはコンクリート製のような自立可能な矢板類、もしくは、樹脂製もしくは木製のような仕切り部材としての性質を発揮する材料を、単独でもしくは鋼製矢板と任意に組み合わせて用いることも可能となる。さらに、前記矢板を立設して矢板壁を構築した後で、前記矢板の間の空間と、前記矢板本体もしくはジョイント部の間の空間部の各々に充填する遮水材として、アスファルト混合物または土質系の遮水材、コンクリート系の遮水材もしくは遮水性を発揮可能な他の物質のいずれか1つ、または、前記任意の遮水材を層状に複合させて充填することが可能である。したがって、前記矢板類と遮水材とを任意に組み合わせて用いることによって、遮水層の構築を施工現場の条件に合わせて行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】護岸の構成を示す説明図である。
【図2】護岸の構成を示す別の説明図である。
【図3】護岸の構成を示す別の例の説明図である。
【図4】図3の護岸の平面図である。
【図5】図4とは異なる例の護岸の平面図である。
【図6】図1の管理型護岸の平面図である。
【図7】図6とは異なる例の護岸の平面図である。
【図8】2列の矢板による遮水壁の構成の説明図で、(a)は矢板を立設した例を、(b)は矢板を抜き去った状態の説明図である。
【図9】(a)ないし(c)は、前記図8と異なる遮水壁の構築例を順を追っての説明図である。
【図10】(a)ないし(c)は、前記図9と異なる遮水壁の構築例を順を追っての説明図である。
【図11】(a)および(b)は、遮水壁の内部に補強手段を設ける例の説明図である。
【図12】矢板の内面に沿わせて剥離用のシートを配置する例の説明図である。
【図13】3列の矢板による遮水壁の構成の説明図である。
【図14】遮水壁の他の実施例の説明図である。
【図15】図14の遮水壁の下部にさらに不透水処理を施した例の説明図である。
【符号の説明】
1 管理型護岸、 2 透水性地層、 3 不透水性地層、
4 捨石基礎、 5 被覆石層、 6 マット、 7 埋立地、
10 護岸本体、 11 ケーソン、 13 裏埋立土、
14 中詰め砂、 15 遮水壁、 16 コンクリート、
20 二重矢板式護岸、 21 矢板壁、 22 本体、
23 ジョイント、 25 遮水壁、 26 タイロッド、
27 上部構造物、 28、29 鋼製矢板、 30 遮水壁、
31 鋼製矢板、 32 ジョイント、 33 当て板、
34 アスファルト混合物、 35 遮水壁、 36 矢板、
40 遮水壁、 41・42 矢板、 43 スペーサ、
45・50 H形鋼、 46 挿入部、 51 保持部、
52 ガラスクロス、 53 端ロッド、 55 防水シート、
56 端ロッド、 57 保持部 60 遮水壁、
61〜63 矢板列、 64・65 充填材、 70 遮水壁、
71 溝壁、 72 シート、 75 遮水層、
76・77 下部遮水層。

Claims (14)

  1. 海岸に沿ってまたは任意の海域に予定された廃棄物処分場を区画するように堤体を構築し、前記堤体を海側の護岸本体と、前記護岸本体に対して所定の間隔をおいて処分場側に配置する遮水壁を設けて構成する管理型護岸において、
    護岸本体と、前記護岸本体に対して所定の間隔を持たせて立設する遮水壁とを設け、
    前記遮水壁を、海底地盤の不透水性地層に根入れ・立設して構成する矢板壁と、
    前記矢板壁に沿わせて施工する遮水材による遮水層と、を組み合わせて構成することを特徴とする管理型護岸の遮水工法。
  2. 前記護岸本体の処分場側に裏埋立地を構築し、
    前記裏埋立地で、前記護岸本体に対して所定の間隔を持たせて列状に矢板壁を構築し、
    前記列状に立設した矢板壁の間に遮水材を充填して、遮水壁を構築することを特徴とする請求項1に記載の管理型護岸の遮水工法。
  3. 前記遮水壁を、列状に立設する矢板のジョイント部の空間内部に対しても、遮水材を充填して構成することを特徴とする請求項1または2に記載の管理型護岸の遮水工法。
  4. 前記所定の間隔をおいて2列または、複数列状に立設する矢板壁の間の空間部に遮水材を充填し、前記矢板壁と遮水材を組み合わせた直立壁としての遮水壁を構築することを特徴とする請求項1または3に記載の管理型護岸の遮水工法。
  5. 前記遮水壁を、列状に立設する矢板の間の空間内部に、遮水性を発揮する充填遮水材に対して補強部材を一体に設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の管理型護岸の遮水工法。
  6. 前記遮水壁を構築するに際して、2列または複数列に構築する矢板壁の間に遮水材を充填して遮水層を構築し、その後に、前記遮水層の一方の側、または両側、もしくは前記矢板壁の矢板を部分的に抜き去って、残った矢板と遮水層、もしくは遮水層による遮水壁を構成することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の管理型護岸の遮水工法。
  7. 前記遮水壁を構築するに際して、2列もしくは複数列に立設した矢板壁の間に間隔保持部材を位置させて、前記列状に立設した矢板壁の間隔を規定するとともに、前記間隔保持部材によりブロック化し、前記列状の矢板壁の間に遮水材を充填することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の管理型護岸の遮水工法。
  8. 前記遮水層に接する矢板の表面に、遮水材の付着を防止する手段を設け、
    2列もしくは複数列に立設した矢板壁の間に各々遮水材を充填して遮水層を構築することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の管理型護岸の遮水工法。
  9. 矢板を海底地盤中に壁状に立設して自立型の矢板壁として構成し、
    2列状または複数列に立設した矢板壁の間隔を規定し、前記矢板壁の間に遮水材を各々充填することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の管理型護岸の遮水工法。
  10. 前記矢板として、鋼製矢板、鋼管矢板または鋼矢板、もしくはコンクリート製のような自立可能な矢板類を用いることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の管理型護岸の構築工法。
  11. 前記護岸本体を、前記ケーソンに代えて矢板壁と遮水層とを組み合わせて独立させた海側の遮水壁として構成し、
    前記海側の遮水壁を処分場側の遮水壁と組み合わせることにより、護岸を構築することを特徴とする請求項3ないし10のいずれかに記載の管理型護岸の遮水工法。
  12. 前記矢板を立設して連続させた矢板壁を構築した後で、
    前記矢板壁の間の空間と、前記矢板のジョイント部の空間部の各々に充填する遮水材として、アスファルト混合物または土質系の遮水材、コンクリート系の遮水材もしくは遮水性を発揮可能な他の物質のいずれか1つ、または、前記任意の遮水材を層状に複合させて充填することを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の管理型護岸の遮水工法。
  13. 海岸に沿ってまたは任意の海域に予定された廃棄物処分場を区画するように堤体を構築し、前記堤体を海側の護岸本体と、前記護岸本体に対して所定の間隔をおいて処分場側に配置する遮水壁を設けて構成する管理型護岸において、
    前記護岸本体の処分場側に裏埋立地を構築し、
    前記裏埋立地で、前記護岸本体に対して所定の間隔を持たせて、所定の巾の溝を不透水性地層に根入れするよう掘削し、
    前記掘削した溝の両側壁に沿わせてシート類またはマット類、もしくはそれ等を複合した膜状材を配置して、前記シート類またはマット類、もしくはそれ等を複合した膜状材の間の空間に遮水材を充満させて壁状の遮水層を構築することを特徴とする管理型護岸の遮水工法。
  14. 前記掘削した溝に遮水材を充満させた遮水層、
    または鋼製矢板、鋼管矢板、鋼矢板、コンクリート製矢板を立設した溝に遮水材を充満させた遮水層、
    もしくは不透水性マット類、不透水性シート類を溝の壁に沿わせて配置し、溝の中に遮水材を充満させた遮水層を、壁状の遮水層として構築し、
    前記壁状の遮水層の下部には、アスファルト混合物による下部不透水層を形成し、
    前記溝の中に充満させた遮水材の層とともに、遮水壁として用いることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の管理型護岸の遮水工法。
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