JP2003020631A - フィルダムの遮水構造および築造方法 - Google Patents

フィルダムの遮水構造および築造方法

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JP2003020631A
JP2003020631A JP2001206282A JP2001206282A JP2003020631A JP 2003020631 A JP2003020631 A JP 2003020631A JP 2001206282 A JP2001206282 A JP 2001206282A JP 2001206282 A JP2001206282 A JP 2001206282A JP 2003020631 A JP2003020631 A JP 2003020631A
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Akira Hayashi
亮 林
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルダムの築造において、遮水ゾーンを構
成するコア材や、フィルターゾーンを構成するフィルタ
ー材などの粒度選別の必要をなくして、経済的なフィル
ダム築造を可能にすることを課題とする。 【解決手段】 堤体の中央に、土砂4を盛り立て、そこ
に堤体頂部から少なくとも基礎岩盤1にいたるまで、連
続遮水壁5を築造し、遮水機能を持たせる。このように
して、土砂4やロックフィル3a、3bには遮水機能を
不要とすることにより、粒度選別の必要をなくす。さら
に、連続遮水壁5は、必要なら基礎岩盤1の中まで延長
して、カーテングラウチングと同様の効果を実現し、基
礎岩盤1へのカーテングラウチング施工を省略する。連
続遮水壁5は、SMW工法、いわゆるアースカット工法
などの連続地中壁工法によって築造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルダムの遮水
構造およびその築造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダムの一形式として、土砂・岩石などの
フィル材料を盛り立てて堤体を構成するフィルダムがあ
る。フィルダムの代表的な構成を堤体の連なる方向に直
角な方向の断面図として図5に示した。
【0003】図5(a)に示すのは、アースダムと呼ば
れる類型で、基礎岩盤1上に、ほぼ全部が不透水性の粘
性土からなる堤体11が形成され、遮水機能を、堤体1
1全体でほぼ均一に受け持つものである。湛水池2に面
する上流法面には、堤体11を波浪などから保護するた
めの保護層が設けられることがあるが、図示では省略し
ている。
【0004】図5(b)に示すのは、ロックフィルダム
と呼ばれる類型で、基礎岩盤1上に盛り立てられた堤体
は、透水性の異なるフィル材料によってゾーン状に構成
される。堤体のほぼ中央には遮水ゾーン13が盛り立て
られ、その上下流にそれぞれ、フィルターゾーン12
a、フィルターゾーン12bが盛り立てられ、フィルタ
ーゾーン12aの上流に透水性のロックフィル3aが盛
り立てられ、フィルターゾーン12bの下流には、透水
性のロックフィル3bが盛り立てられる。この場合、遮
水機能を受け持つのは、遮水ゾーン13であり、せん断
強度を負担するのは、主にロックフィル3a、3bであ
る。
【0005】上記のようなフィルダムは、堅牢な遮水性
能を長期にわたって維持するための一般的な設計が確立
している。そのポイントは、基礎の処理と、遮水ゾーン
の構成にかかわる土砂などのフィル材料の選択にある。
【0006】まずフィルダムの基礎は、基礎岩盤1の透
水性が大きくないことが必要である。さもないとパイピ
ングやクイックサンドを起こす可能性がある。そこで、
そのおそれがある場合、地下の透水性を下げ、浸透流を
抑制するために、堤体の連なる方向に適当なピッチで、
基礎岩盤1に対するグラウト孔を穿孔し、そこにセメン
トミルクを注入するカーテングラウチング14が施工さ
れていた。
【0007】次にフィル材料に関して説明すると、ま
ず、コア材は、不透水性を備えるために粘土分を含んだ
細粒の土質材料とする必要がある。その強度は含水比に
よって左右されるため、施工現場にある土砂をそのまま
利用できることはまれである。一般には、複数の原石山
から、好適な材料を選んで採取し、コアストックパイル
で互層にまき出してストックし、含水比と粒度を調整し
ながら、混合し、長時間を費やして作成していた。
【0008】また、コア材に直にロックフィルを隣接さ
せると、その粒度の差が大きいために、ロックフィルか
らの浸透水が作用してコア材の流失が起こり、やがて遮
水性が損なわれてしまう。したがって、コア材とロック
フィルの間には、粒度を漸増的に変化させる半透水ゾー
ンとしてフィルターゾーン12a、12bを置く必要が
あった。
【0009】フィルターゾーン12a、12bは、細粒
の砂礫材料で構成される。そのため、コア材との境界に
おいて、程度こそ違うが、ロックフィルに対してと同様
にフィルターゾーンに対してもコア材の流失という問題
が生じる。そこで、その粒度に関しては、コア材の粒度
との関係から決まる厳密な設計値の範囲に収めておく必
要があった。したがって、フィルター材の調達にあたっ
ては、粒度選別が不可欠であった。
【0010】またロックフィル3a、3bは、主にせん
断強度を負担するために用いられるが、フィルター材と
の関係や、間隙水圧などの関係で、好適な粒度の範囲は
自ずと限定されたものになるので、やはり、選別が必要
だった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた従来のフ
ィルダム築造においては、フィル材料の粒度、材質を選
択的に配置して機能的なゾーンを形成することによっ
て、フィル材料の特性を利用してダムとしての湛水機能
を実現するという特徴がある。そこで、各フィル材料に
課せられる条件を満足させるため、原石山から採掘した
土砂、岩石は、厳密に選別・調整された上で用いられて
いた。一方、近年、ダム築造などの大型土木工事におい
て、工事の長期化により事業費が膨れ上がり、工事によ
る環境破壊が発生するなどの弊害が指摘されており、主
に天然材料によって築造が可能で、比較的小規模なもの
から大規模なものまで地の利に応じて施工が可能となる
フィルダムが、改めて見直され、脚光を浴びている。し
かしながら、フィルダムの築造においても、フィル材料
の選別・調整による採掘岩石の廃棄岩は一種の環境問題
になるおそれが大きく、さらに、その選別・調整作業に
要する時間が工期を長大化させる原因になっており、材
料に恵まれない地域では、環境にやさしくない不経済な
ダム工法になってしまうという問題があった。
【0012】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、フィルダムにおけるフィル材料を従来
のように厳密に粒度選別することなく、フィルダムを築
造することを課題とする。
【0013】また、フィルダムをより短い施工期間で、
より経済的に築造できるようにすることを課題とする。
【0014】また、フィルダムの築造過程において、廃
棄岩が少なくなり、環境にやさしい施工を可能にするこ
とを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記の課題
のいずれかを解決する。そのために、請求項1に記載の
発明では、堤体の内部に遮水ゾーンを設ける内部遮水型
のフィルダムの遮水構造において、前記遮水ゾーンを、
連続地中壁工法により形成される、遮水性を有する連続
遮水壁で構成する。したがって、遮水ゾーンの遮水機能
は、連続遮水壁によって実現されるので、フィル材料
は、遮水性を備えるために、従来のコア材のような厳密
な粒度条件を課す必要がなくなる。そのため、施工地に
所望の土質材料が産出しないために遠方から運送すると
いう必要がなくなり、フィル材料をストックパイルして
まき出すという、長期間を要していた作業も不要になる
ので、経済的な材料調達が可能で、工期も短縮できる。
またコア材が不要なので、コア材の流失を防止するため
のフィルターゾーンを設ける必要がない。したがって、
フィルター材と隣接することによるロックフィルの粒度
選別を行う必要もない。そのため、粒度選別の作業は、
堤体を適切に盛り立て、連続地中壁工法を施工するのに
必要な程度にとどまり、従来と比べて、きわめてわずか
で済む。その結果として、廃棄岩を減らして、環境にや
さしい施工を行うことが可能で、施工期間が短縮でき、
経済的な施工を実現できる。
【0016】なお、本明細書にいう連続地中壁工法と
は、一般に壁式と柱列式に分類され、連続壁の形成方法
の違いから、前者においては、さらに、場所打ちコンク
リート壁と泥水固化壁に、後者においては、場所打ちコ
ンクリートぐい連続壁とソイルセメントぐい連続壁に分
類されて当業者に知られている工法群であり、様々な掘
削方法、掘削装置、コンクリート打設手段、固化剤、混
合攪拌工法などを組み合わせて、建設業各社から提案さ
れ、今後も新たに提案される可能性のある工法群のこと
である。それらに共通する特徴は、地中を掘削して作
る、壁状、柱列状の空間をコンクリートなどの流体状の
固化材料からなる充填物で置換し、それを連続させて地
中壁とするところにある。流体状の充填物を、掘削土を
排出してから置換するか、掘削土に混合攪拌する現位置
土砂混錬方式をとるか、によって、上記のようにさらに
細分類されるものである。なお柱列式では、上述の分類
とは別に、その他に、鉄筋コンクリートや鋼管などの既
製ぐいを掘削孔に建て込む方式も含む場合があるが、以
下では、それは含まないものとする。
【0017】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載のフィルダムの遮水構造において、前記連続遮水壁を
前記フィルダムの基礎岩盤中まで延ばして築造する。し
たがって、少なくとも請求項1の発明と同じ課題を解決
できる。さらに、遮水性を有する連続遮水壁を基礎岩盤
中まで延ばして築造するので、基礎岩盤下の透水性を低
減することができる。その結果、カーテングラウチング
の施工をなくすことが可能である。
【0018】請求項3に記載の発明では、請求項1また
は2に記載のフィルダムの遮水構造において、前記連続
遮水壁を、現位置土砂混錬方式による柱列式のソイルセ
メント連続地中壁とする。したがって、少なくとも請求
項1または2の発明と同じ課題を解決できる。さらに、
連続遮水壁を、現位置土砂混錬方式による柱列式のソイ
ルセメント連続地中壁として形成するので、掘削土砂
は、ほとんどセメントと混錬されて、連続遮水壁の一部
として利用される。そのため、残土廃棄物になる掘削土
砂の量がきわめて少なくなり、環境にやさしい施工を行
うことができる。またさらに、現位置土砂混錬方式によ
る柱列式のソイルセメント連続地中壁を構築する工法
は、比較的経済的なものが確立しているので、比較的安
価な施工が可能である。
【0019】請求項4に記載の発明では、請求項1また
は2に記載のフィルダムの遮水構造において、前記連続
遮水壁を、遮水シートを内蔵するセメント連続壁とす
る。したがって、少なくとも請求項1または2と同じ課
題を解決することができる。さらに、連続遮水壁を、遮
水シートを内蔵するセメント連続壁で形成するため、一
般の連続地中壁工法の厚みに比べてきわめて薄い遮水シ
ートによって、遮水機能が実現される。そこで、セメン
ト連続壁は、必要強度を満足する範囲内において、薄層
のセメント壁とすることができるから、施工費用を抑
え、セメント壁を構築するための残土廃棄物を少量に抑
えることができる。また、このようなセメント連続壁を
構築する工法は、比較的経済的なものが確立しているの
で、比較的安価な施工が可能である。
【0020】請求項5に記載の発明では、堤体の上流側
法面に、コンクリートで覆われた遮水シートを設けるこ
とにより遮水壁を構成する。したがって、遮水機能は、
遮水シートが実現するので、フィルダムのフィル材料に
よる遮水ゾーンを設ける必要がない。そのため、遮水性
を考慮してフィル材料の粒度を選別する必要もない。そ
の結果、種々の粒度の材料またはその混合物を用いるこ
とができて、現場近くにある材料によって、安価に築造
することができる。また、遮水性を考慮した粒度選別に
よる廃棄岩がほとんど発生しないので、環境にやさしい
施工を実現することができる。
【0021】請求項6に記載の発明では、フィルダムに
遮水ゾーンを配置するための土砂材料を盛り立てる第1
の工程と、前記遮水ゾーンの堤体断面方向のほぼ中央位
置に壁状の削孔を施しながら、掘削土砂に遮水性を付加
する材料とセメントミルクを注入混錬して遮水壁を築造
する第2の工程と、該工程を繰り返して、堤体の連なる
方向に遮水壁を連続させる第3の工程と、からなるフィ
ルダムの築造方法を用いる。この方法によれば、請求項
3に記載の発明と同様の遮水構造を築造できるので、請
求項3と同様の課題を解決できる。
【0022】請求項7に記載の発明では、フィルダムに
遮水ゾーンを配置するための土砂材料を盛り立てる第1
の工程と、前記遮水ゾーンの堤体断面方向のほぼ中央位
置に間隔をあけた2つのボーリング孔を削孔する第4の
工程と、前記それぞれのボーリング孔に回転するワイヤ
ーソーを案内するガイドコラムを建て込み、回転させた
ワイヤーソーに張力を与えて地下に掘削移動させる移動
プーリ機構を前記ガイドコラムに沿って駆動し、前記ボ
ーリング孔間で壁状の溝を掘削する第5の工程と、前記
壁状の溝に遮水シートを挿入する第6の工程と、前記溝
およびボーリング孔にセメント系充填材を充填する第7
の工程と、前記第4から第7の工程を繰り返して、堤体
の連なる方向に遮水壁を連続させる第8の工程と、から
なるフィルダムの築造方法を用いる。この方法によれ
ば、請求項4に記載の発明と同様の遮水構造を築造でき
るので、請求項4と同様の課題を解決できる。
【0023】なお、上記で用いられる用語に関して、遮
水の代わりに止水を使い、例えば、遮水シートの代わり
に止水シートと呼ぶ場合があるが、本明細書では、遮水
で統一している。また、連続地中壁は地下連続壁と称す
る文献もあるが、本明細書では、連続地中壁に統一して
いる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下では、添付図面を参照して、
本発明の実施の形態を説明する。図1は、請求項1にま
たは2に記載の発明に係るフィルダムの実施の形態の概
略を示す断面図である。図2、3はそれぞれ、請求項
3、4に記載の発明に係るフィルダムの実施の形態の概
略を示す斜視断面図である。図4は、請求項5に記載の
発明に係るフィルダムの実施の形態の概略を示す断面図
である。
【0025】図1に示すのは、本発明に係るフィルダム
の断面の概略である。図示の左側は、このフィルダムが
せき止める河川などの上流側であり、湛水池2が形成さ
れている。フィルダムの構成は、基礎岩盤1上に、上流
側からロックフィル3a、土砂4、ロックフィル3bが
盛り立てられて、堤体を構成し、堤体のほぼ中央に盛り
立てられた土砂4のほぼ中央に、遮水機能を備えた連続
遮水壁5が設けられている。このような断面構成は、堤
体の連なる方向にわたって実質的に連続しているもので
ある。
【0026】ロックフィル3a、3bは、従来のロック
フィルダムにおけるロックフィルと同様のロック材料で
構成される。その主たる機能は、堤体のせん断強度を維
持して、ダムの安定を確保することにある。
【0027】土砂4の主たる機能は、工法上望ましい地
盤条件を制約として有する連続地中壁工法を適用可能に
して、連続遮水壁5を経済的に構築し、安定に保持でき
るようにすることである。この部分は、従来の遮水ゾー
ン13のように堤体のほぼ中央にゾーン状に盛り立てら
れて構成されるものであるが、遮水機能を目的としてい
ないので、遮水性材料で構成する必要はない。したがっ
て粒度に関する制限もない。
【0028】土砂4は、広く応用が可能な具体的な材料
として、砂、シルト、粘土系材料のそれぞれ単体、また
はそれらの混合物を採用することができる。一方、例え
ば礫あるいは玉石を含んでいても施工可能な連続地中壁
工法は数多く知られており、そのような工法を採用する
ならば、上記材料に加えて、礫あるいは玉石が混合させ
てもかまわないことは言うまでもない。さらに、施工が
可能ならば、大塊のロック材料を用いてもよい。このよ
うに、土砂4の材料は、機能上厳密な粒度や材質が要求
されるものではないので、施工の容易性、材料の入手性
や経済性を検討した上で、幅広い範囲から選択できるの
であって、厳密な意味での土砂材料に限定されるもので
はない。
【0029】連続遮水壁5は、連続地中壁工法によって
堤体頂部から築造されて、その結果、土砂4に挟まれて
連続する、遮水性を備えた連続壁であり、従来のフィル
ダムで遮水ゾーン13が担っていた遮水機能を遮水ゾー
ン13に代わって実現するものである。
【0030】連続遮水壁5は遮水性を備えるので、図1
のように、基礎岩盤1の中まで延長して構築すると、基
礎岩盤1の遮水性を向上することができる。したがっ
て、従来、堤体の盛り立てに合わせて行うことが多かっ
たカーテングラウチングと同様の効果を奏することがで
きる。カーテングラウチングを行う場合に考慮する、透
水性の制御は、連続遮水壁5を基礎岩盤1に延長する深
さ、幅を変えることによって行うことができる。したが
って、カーテングラウチングが必要な基礎岩盤1であっ
ても、その施工を省略することができる。
【0031】連続遮水壁5の工法としては、いろいろな
工法が採用できるが、図2に示すのは、現位置土砂混錬
方式による柱列式のソイルセメント連続地中壁を構成す
る、SMW工法を採用した場合の概略である。
【0032】SMW工法は、特殊多軸混錬オーガ機によ
って、土中を削孔するに際し、その先端より固化させる
ためのセメントミルク、遮水性を強化するためのアスフ
ァルト乳液などの混合液を吐出させて、現位置、すなわ
ち、本発明では土砂4のほぼ中央において、掘削土砂と
混合攪拌を行い、1つの壁状のソイルセメント壁エレメ
ント5aを築造し、それを堤体の連なる方向に連続させ
る工法である。
【0033】したがって、掘削土砂はほとんどが、ソイ
ルセメント壁エレメント5aの造成に利用されるので、
排出されて残土廃棄物となる土砂はきわめてわずかで済
むという利点がある。また、掘削と混合攪拌を同時に進
めるので、掘削と固化充填剤注入を別工程で行う工法に
比べて、施工時間が短くて済む。
【0034】また、ソイルセメント壁エレメント5aの
堤体の連なる方向における幅は、掘削と混錬を行う特殊
多軸混錬オーガ機の軸数によって決まるものである。そ
れぞれのエレメントを連続に配列する方法は、柱列式の
連続地中壁の配列形式に従うものであり、施工場所環境
に応じて、遮水性、耐久性などを考慮して決められる
が、一般的にオーバーラップして配置される。
【0035】図3に示すのは、連続遮水壁5として、い
わゆるアースカット工法によるものを採用した場合の概
略である。いわゆるアースカット工法は、例えば特許公
報2788948号などに記載されている工法の総称で
あって、比較的新しく提案された工法である。
【0036】この工法は、土砂4の中に設けた2つのボ
ーリング孔部5cの間を、ワイヤーソーによって、薄層
に掘削して形成される間隙に遮水シート5dを挿入して
セメント系充填剤を注入し、ボーリング孔部5c、セメ
ント壁部5b形状に固化させ、1つのエレメント壁体を
築造し、図示のようにそれを堤体の連なる方向に連続さ
せているものである。
【0037】遮水シート5dは、セメント壁部5bの厚
みに比べて十分薄い厚さであれば、耐久性、透水性を考
慮して自由に選ぶことができる。例えば、引っ張り強度
に優れる1mm〜5mm程度の高密度ポリエチレンシー
トなどを採用できる。この場合、遮水性は、セメント壁
部5bに埋め込まれた遮水シート5dの遮水性によって
実現される。セメント壁部5bは、遮水シート5dを安
定して保護する強度を備えていればよい。
【0038】アースカット工法では、掘削土砂は排出さ
れて、利用されずに廃棄されるが、その掘削厚みは、ワ
イヤーソーの厚みで決まるもので、一例を挙げれば、2
5mmというように、きわめて薄層である。したがっ
て、排出される掘削土砂の体積は、同種の連続地中壁工
法の中でもきわめて少ない方である。また当然ながら、
セメント壁部5bなどを形成するのに使われるセメント
系充填剤の量も少なくて済むものである。したがって、
施工期間も短縮でき、経済的である。
【0039】次に、SMW工法を用いた本発明に係るフ
ィルダムの築造方法について説明する。第1の工程で
は、基礎岩盤1上に、フィル材料を盛り立てる。すなわ
ち、遮水壁を設けて遮水ゾーンとする土砂4からなるゾ
ーンを中央に盛り立て、その脇にロックフィル3a、3
bを盛り立てて、堤体を構成する。第2の工程は、堤体
頂部から、土砂4のゾーンのほぼ中央にSMW工法を用
いたソイルセメント壁エレメント5aを設ける工程であ
る。すなわち、堤体頂部に設置した特殊多軸混錬オーガ
機によって、壁状の削孔を施しながら、掘削土砂に遮水
性を付加するアスファルト乳液および/またはベントナ
イトなどとセメントミルクを注入し、混錬する。これ
は、固化すると遮水性を備えたソイルアスファルト遮水
壁となる。第3の工程では、その工程を繰り返して、堤
体の連なる方向にさらに別のソイルセメント壁エレメン
ト5aを連続させる。このようにして、図2に示すよう
な、ソイルセメント壁エレメント5aが連続する連続遮
水壁が、土砂4が盛り立てられたゾーンに形成され、フ
ィルダムに遮水ゾーンが築造される。
【0040】次に、アースカット工法を用いた本発明に
係るフィルダムの築造方法について説明する。第1の工
程では、基礎岩盤1上に、フィル材料を盛り立てる。す
なわち、遮水壁を設けて遮水ゾーンとする土砂4からな
るゾーンを中央に盛り立て、その脇にロックフィル3
a、3bを盛り立てて、堤体を構成する。続いて実施す
る、第4から第7の工程は、アースカット工法として知
られる工程である。すなわち、第4の工程では、土砂4
のゾーンのほぼ中央に間隔をあけた2つのボーリング孔
部5cを削孔する。次に第5の工程では、それぞれのボ
ーリング孔部5cに回転するワイヤーソーを案内するガ
イドコラムを建て込み、回転させたワイヤーソーに張力
を与えて地下に掘削移動させる移動プーリ機構を、それ
ぞれのガイドコラムに沿って駆動し、そのボーリング孔
部5c間で壁状の溝を掘削する。さらに第6の工程で
は、その壁状の溝に遮水シート5dを挿入する。続いて
第7の工程では、その溝およびボーリング孔部5cにセ
メント系充填材を充填し、ボーリング孔部5c間を、遮
水シート5dを内蔵したセメント壁部5bでつなげた遮
水壁を築造する。さらに、第8の工程では、第4から第
7の工程を繰り返して、堤体の連なる方向に遮水壁を連
続させる。このようにして、図3に示すようなボーリン
グ孔部5c、遮水シート5dを内蔵したセメント壁部5
bからなるエレメントが連続する連続遮水壁が、土砂4
が盛り立てられたゾーンに形成され、フィルダムに遮水
ゾーンが築造される。
【0041】以上に説明したように、本発明に係るフィ
ルダムでは、従来の遮水ゾーン13の代わりに、土砂4
を盛り立て、その中に、遮水性を有する連続遮水壁5を
設けることにより遮水壁を築造する。したがって、土砂
4には遮水性がなくても、連続遮水壁5の形成におい
て、不都合がないかぎり、特に厳密な粒度選別をしなく
ても済む。すなわち、フィルダムの築造において、非常
に大きな問題となっていた、フィル材料を選別して調達
し、粒度を整えるという工程を、省略できるか、少なく
ともきわめて簡略化することができる。
【0042】本発明においては、特に、SMW工法とい
わゆるアースカット工法を採用した実施の形態を説明し
た。この2つの工法が特に優れている点は次のとおりで
ある。
【0043】SMW工法は、現位置土砂混錬方式のた
め、工程が少なくて済み、残土廃棄物も少ないため、一
般的な連続地中壁工法に比べて、遮水面積あたりにして
半額程度の安価な施工が可能である。また、特殊多軸混
錬オーガ機は、比較的小型軽量であるので、堤体頂部の
ような狭い作業環境であっても作業性がよい。いずれの
点でも経済性に優れている。また、現位置土砂混錬方式
であるため、築造される遮水壁の性能は、掘削土砂の性
状に影響される部分がある。一般の施工では、必ずし
も、現場土砂の性状を確実には把握できない場合が多い
が、本発明に係る築造方法では、土砂4を中央に盛り立
てて堤体を構成する第1の工程を実施し、その堤体頂部
からSMW工法を施す第2の工程を実施するので、第1
の工程の盛り立て過程で、土砂4の性状を把握できるか
ら、それに応じて適切な混錬条件を立案することができ
る。したがって、SMW工法の短所となりかねない特徴
も短所にならずに済むという利点がある。
【0044】次にいわゆるアースカット工法では、同程
度の施工費用を要する一般的な連続地中壁工法と比べる
と、ワイヤーソーによって、土砂を掘削する工法のため
に、簡略な機械設備で施工でき、堤体頂部のような狭い
作業環境では、効率のよい施工が可能となる利点があ
る。また、アースカット工法では、掘削土砂の中に、硬
質の障害物があると、ワイヤーソーでの掘削が困難にな
ったり、ワイヤーソーが破損したりする場合があるが、
本発明に係る築造方法では、土砂4を中央に盛り立てて
堤体を構成する第1の工程を実施し、その堤体頂部から
アースカット工法を施すので、土砂4から不都合な硬質
な障害物があれば施工前に排除できるので、円滑な施工
が可能となる利点がある。
【0045】なお、本発明は、連続遮水壁5をSMW工
法とアースカット工法で築造したものに限定するもので
はない。技術的な意味で、前述した連続地中壁工法の分
類にあてはまる工法なら、どんな工法でもよい。どの工
法を採用するかは、施工の容易性、経済性を考慮して決
めることができる。また、工法の名称によって、その利
用が制限されるものでないことは言うまでもない。
【0046】次に、図4を参照して、請求項5に記載の
発明に係るフィルダムの遮水構造を説明する。基礎岩盤
1上には、堤体6が盛り立てられている。堤体6の上流
側法面の堤体6が連なる方向に、不織布などからなり、
法面の土砂、岩石を覆う保護シート10が敷きつめら
れ、その上に重ねて遮水シート9が敷きつめられ、その
上に重ねてコンクリート8が打設されている。
【0047】このような構成によって、遮水シート9に
よる遮水壁が法面上に形成される。保護シート10は、
法面に露出した土砂、岩石などの突起物が遮水シート9
に直に当接して、遮水シート9が破れたり遮水性を損な
う損傷をこうむったりするのを防ぐ。保護シート10
は、法面の土砂、岩石に対して適切な摩擦係数を備え、
経時的にすべりが生じないものを選定する。コンクリー
ト8は、遮水シート9が法面から浮き上がったり、動い
たりするのを防止し、湛水池2から波浪をこうむった
り、紫外線に暴露されたりして、その強度や遮水性が経
時劣化するのを防止する。
【0048】遮水シート9は、保護シート10によって
法面側を、コンクリート8によって湛水池2側をそれぞ
れ保護されるので、遮水性さえあれば、どのような遮水
シート材でも採用できる。例えば、引っ張り強度に優
れ、耐薬品性があって、経時安定性のよい高密度ポリエ
チレンシート、安価な加硫ゴム系シート、あるいは高吸
水性樹脂を自己修復層として有する遮水シート製品など
を採用することができる。
【0049】保護シート10は、例えば、ポリエステル
不織布によるものなどが採用できる。強度に優れて破れ
にくく、土砂、岩石に対する摩擦係数が適切であり、適
度の透水性があって配置位置での排水性がある材料であ
れば、他にも土木用保護シートとして用いられるものを
幅広く採用することができる。なお、遮水シート製品の
中には、それ自身が表面保護層を有するものもあり、そ
の場合には、あえて別に保護シート10を設けなくても
よい。
【0050】コンクリート8は、どのように打設しても
よいが、布製型枠コンクリートを採用すると、非常に効
果的である。布製型枠コンクリートは、透水性を有する
袋状の布製型枠にコンクリートを注入して版状にコンク
リート体を形成するものであり、打設後、型枠撤去が不
要なので、斜面での施工が容易であり、施工基盤に凹凸
があっても追随し、コンクリートをポンプで圧送するこ
とができて作業性がよいため、本発明の施工には非常に
好適であり、また経済的な打設方法でもある。
【0051】このような構成で遮水壁を法面に設けれ
ば、堤体6を構成するフィル材料はまったく遮水性を必
要とせず、その内部に遮水ゾーンを設ける必要もない。
したがって、フィル材料の粒度や種類を厳密に選別して
盛り立てる必要がない。
【0052】なお、以上の説明では、遮水壁は法面に設
けるとして説明したが、コンクリート8上に土砂で保護
層を設けてもよい。そのようにしても、遮水機能は同等
であり、保護層を設けるかどうかは、フィルダムの外観
設計の問題に過ぎない。また法面と言っても、堤体頂部
を排除するものではなく、図4に示されているように、
遮水シート9、コンクリート8が堤体頂部まで延びてい
てもかまわない。
【0053】
【発明の効果】以上に述べたように、請求項1に記載の
発明では、堤体の内部に遮水ゾーンを設ける内部遮水型
のフィルダムの遮水構造において、遮水ゾーンを、連続
地中壁工法により形成される、遮水性を有する連続遮水
壁で構成したので、遮水ゾーンの遮水機能は、連続遮水
壁によって実現される。したがって、遮水ゾーンのフィ
ル材料は、遮水性を備えるために、従来のコア材のよう
な厳密な粒度条件を課す必要がなくなる。その結果、そ
のような土質材料を遠方から運送してくる必要がなくな
り、長期間を要していたフィル材料をストックパイルし
てまき出す作業も不要になるので、経済的な材料調達を
行い、工期を短縮できる効果がある。またコア材が不要
となるから、コア材の流失を防止するためのフィルター
ゾーンを設ける必要もなくなり、したがって、フィルタ
ー材と隣接することによるロックフィルの粒度を選別す
る必要もなくなる。そのため、粒度選別の作業は、堤体
を適切に盛り立て、連続地中壁工法を施工するのに必要
な程度となり、従来と比べて、きわめてわずかで済む。
その結果として、廃棄岩を減らして、環境にやさしい施
工が可能で、施工期間が短くて済む、経済的な施工を実
現できる効果がある。
【0054】請求項2に記載の発明では、上記に加え、
連続遮水壁をフィルダムの基礎岩盤中まで延ばして築造
するので、基礎岩盤下の透水性を低減することができ、
その結果、カーテングラウチングの施工をなくすことが
できるという効果がある。
【0055】請求項3に記載の発明では、上記に加え、
連続遮水壁を現位置土砂混錬方式による柱列式のソイル
セメント連続地中壁とするので、掘削土砂は、ほとんど
セメントに混錬されて、遮水壁の一部として利用され、
掘削土砂が残土廃棄物になる量がきわめて少なく、環境
にやさしい施工を行うことができるという効果がある。
また、現位置土砂混錬方式による柱列式のソイルセメン
ト連続地中壁を構築する工法は、比較的経済的なものが
確立しているので、比較的安価な施工が可能となる効果
がある。
【0056】請求項4に記載の発明では、上記に加え、
連続遮水壁を、遮水シートを内蔵するセメント連続壁と
するので、一般の連続地中壁工法の厚みに比べてきわめ
て薄い遮水シートによって、遮水機能が実現されるか
ら、セメント連続壁は、必要強度を満足する範囲内にお
いて、薄層のセメント壁とすることができ、その結果と
して、施工費用を抑え、セメント壁を構築するための残
土廃棄物を少量に抑えることができる効果がある。ま
た、このようなセメント連続壁を構築する工法は、比較
的経済的なものが確立しているので、比較的安価な施工
が可能であるという効果がある。
【0057】請求項5に記載の発明では、堤体の上流側
法面に、コンクリートで覆われた遮水シートを設けるこ
とにより遮水壁を構成するので、フィルダムのフィル材
料を用いて遮水ゾーンを設ける必要がなくなり、遮水性
を考慮してフィル材料の粒度を選別する必要なくなる。
その結果、種々の粒度の材料またはその混合物を用いる
ことができて、現場近くにある材料によって、安価に築
造することができる効果がある。また、遮水性を考慮し
た粒度選別による廃棄岩がほとんど発生しないので、環
境にやさしい施工を実現することができる効果がある。
【0058】請求項6に記載の発明では、フィルダムに
遮水ゾーンを配置するための土砂材料を盛り立てる第1
の工程と、前記遮水ゾーンの堤体断面方向のほぼ中央位
置に壁状の削孔を施しながら、掘削土砂に遮水性を付加
する材料とセメントミルクを注入混錬して遮水壁を築造
する第2の工程と、該工程を繰り返して、堤体の連なる
方向に遮水壁を連続させる第3の工程と、からなるフィ
ルダムの築造方法を用いるので、請求項3に記載の発明
と同様の遮水構造を築造でき、請求項3に記載の発明と
同様の効果がある。
【0059】請求項7に記載の発明では、フィルダムに
遮水ゾーンを配置するための土砂材料を盛り立てる第1
の工程と、前記遮水ゾーンの堤体断面方向のほぼ中央位
置に間隔をあけた2つのボーリング孔を削孔する第4の
工程と、前記それぞれのボーリング孔に回転するワイヤ
ーソーを案内するガイドコラムを建て込み、回転させた
ワイヤーソーに張力を与えて地下に掘削移動させる移動
プーリ機構を前記ガイドコラムに沿って駆動し、前記ボ
ーリング孔間で壁状の溝を掘削する第5の工程と、前記
壁状の溝に遮水シートを挿入する第6の工程と、前記溝
およびボーリング孔にセメント系充填材を充填する第7
の工程と、前記第4から第7の工程を繰り返して、堤体
の連なる方向に遮水壁を連続させる工程と、からなるフ
ィルダムの築造方法を用いるので、請求項4の記載の発
明と同様の遮水構造を築造できるから、請求項4に記載
の発明と同様の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1にまたは2に記載の発明に係るフィ
ルダムの実施の形態の概略を示す断面図である。
【図2】 請求項3に記載の発明に係るフィルダムの実
施の形態の概略を示す斜視断面図である。
【図3】 請求項4に記載の発明に係るフィルダムの実
施の形態の概略を示す斜視断面図である。
【図4】 請求項5に記載の発明に係るフィルダムの実
施の形態の概略を示す断面図である。
【図5】 従来のフィルダムの代表的構成の概略を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 基礎岩盤 2 湛水池 3a、3b ロックフィル 4 土砂 5 連続遮水壁 5a ソイルセメント壁エレメント 5b セメント壁部 5c ボーリング孔部 5d、9 遮水シート 6、11 堤体 8 コンクリート 10 保護シート 12a、12b フィルターゾーン 13 遮水ゾーン 14 カーテングラウチング

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 堤体の内部に遮水ゾーンを設ける内部遮
    水型のフィルダムの遮水構造において、 前記遮水ゾーンを、連続地中壁工法により形成される、
    遮水性を有する連続遮水壁で構成したことを特徴とする
    フィルダムの遮水構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のフィルダムの遮水構造
    において、 前記連続遮水壁を前記フィルダムの基礎岩盤中まで延ば
    して築造したことを特徴とするフィルダムの遮水構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のフィルダムの
    遮水構造において、 前記連続遮水壁が、現位置土砂混錬方式による柱列式の
    ソイルセメント連続地中壁であることを特徴とするフィ
    ルダムの遮水構造。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載のフィルダムの
    遮水構造において、 前記連続遮水壁が、遮水シートを内蔵するセメント連続
    壁であることを特徴とするフィルダムの遮水構造。
  5. 【請求項5】 堤体の上流側法面に、コンクリートで覆
    われた遮水シートを設けることにより遮水壁を構成する
    ことを特徴とするフィルダムの遮水構造。
  6. 【請求項6】 フィルダムに遮水ゾーンを配置するため
    の土砂材料を盛り立てる第1の工程と、 前記遮水ゾーンの堤体断面方向のほぼ中央位置に壁状の
    削孔を施しながら、掘削土砂に遮水性を付加する材料と
    セメントミルクを注入混錬して遮水壁を築造する第2の
    工程と、 該工程を繰り返して、堤体の連なる方向に遮水壁を連続
    させる第3の工程と、からなるフィルダムの築造方法。
  7. 【請求項7】 フィルダムに遮水ゾーンを配置するため
    の土砂材料を盛り立てる第1の工程と、 前記遮水ゾーンの堤体断面方向のほぼ中央位置に間隔を
    あけた2つのボーリング孔を削孔する第4の工程と、 前記それぞれのボーリング孔に回転するワイヤーソーを
    案内するガイドコラムを建て込み、回転させたワイヤー
    ソーに張力を与えて地下に掘削移動させる移動プーリ機
    構を前記ガイドコラムに沿って駆動し、前記ボーリング
    孔間で壁状の溝を掘削する第5の工程と、 前記壁状の溝に遮水シートを挿入する第6の工程と、 前記溝およびボーリング孔にセメント系充填材を充填す
    る第7の工程と、 前記第4から第7の工程を繰り返して、堤体の連なる方
    向に遮水壁を連続させる第8の工程と、からなるフィル
    ダムの築造方法。
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