JP2002201623A - 二重矢板式護岸及びその構築方法 - Google Patents
二重矢板式護岸及びその構築方法Info
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- JP2002201623A JP2002201623A JP2000400294A JP2000400294A JP2002201623A JP 2002201623 A JP2002201623 A JP 2002201623A JP 2000400294 A JP2000400294 A JP 2000400294A JP 2000400294 A JP2000400294 A JP 2000400294A JP 2002201623 A JP2002201623 A JP 2002201623A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 構造的に安定していると共に汚染物質の外水
域への拡散を確実に防止できる二重矢板護岸を得る。 【解決手段】 鋼矢板1,3を2列状態で複数連結して
水底地盤に立設してなる二重矢板式護岸において、2列
の鋼矢板1,3間に充填された不透水性の中詰め材11
と、該中詰め材11から不透水性の支持地盤9まで貫通
して形成された遮水壁15とを備えた。
域への拡散を確実に防止できる二重矢板護岸を得る。 【解決手段】 鋼矢板1,3を2列状態で複数連結して
水底地盤に立設してなる二重矢板式護岸において、2列
の鋼矢板1,3間に充填された不透水性の中詰め材11
と、該中詰め材11から不透水性の支持地盤9まで貫通
して形成された遮水壁15とを備えた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物処分場など
の埋立地用の護岸に採用されている二重矢板式護岸に関
する。
の埋立地用の護岸に採用されている二重矢板式護岸に関
する。
【0002】
【従来の技術】埋立地、例えば廃棄物処理場などの護岸
を構築する際には、環境保全の観点から、護岸の内外の
透水を遮断して、廃棄物処理場内の汚染物質が外海など
の外水域に拡散するのを防止する必要がある。この必要
性を満たす従来例として、特開平6−193028号公
報に開示された沿岸域廃棄物処理場の護岸構造がある。
この護岸構造は、図4に示すように、矢板31を一定間
隔離して軟弱粘土層30を通って支持層32まで至らせ
て外周構造体31とし、その中に中詰め材料33を充填
している。そして、中詰め材料33は、粘性土又はそれ
を主成分とする改良土であって、透水係数が10-5cm/
sec 以下であることを特徴としている。
を構築する際には、環境保全の観点から、護岸の内外の
透水を遮断して、廃棄物処理場内の汚染物質が外海など
の外水域に拡散するのを防止する必要がある。この必要
性を満たす従来例として、特開平6−193028号公
報に開示された沿岸域廃棄物処理場の護岸構造がある。
この護岸構造は、図4に示すように、矢板31を一定間
隔離して軟弱粘土層30を通って支持層32まで至らせ
て外周構造体31とし、その中に中詰め材料33を充填
している。そして、中詰め材料33は、粘性土又はそれ
を主成分とする改良土であって、透水係数が10-5cm/
sec 以下であることを特徴としている。
【0003】同公報においては、この発明によれば、中
詰め材料として粘性土又はそれを主成分とする改良土で
あって、透水係数が10-5cm/sec 以下のものを用いる
ので、止水性が優れた構造となるとしている。
詰め材料として粘性土又はそれを主成分とする改良土で
あって、透水係数が10-5cm/sec 以下のものを用いる
ので、止水性が優れた構造となるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開平6−193028号公報の護岸構造には、以下の
ような問題点がある。同公報の護岸構造は、鋼矢板31
を軟弱粘土層30を通過して支持層32に打設してい
る。しかし、軟弱粘土層30は不透水ではあるが水平支
持力が弱いため、鋼矢板31に対する支持力は期待出来
ず、鋼矢板31は支持層32のみに支持されることにな
る。このような支持層32のみで鋼矢板31を支持する
構造では、処理場から汚染物質が拡散するのを防止する
ことはできるとしても護岸としての安定性に欠けるた
め、膨大な費用をかけて護岸としての安定性を確保しな
ければならないという問題がある。一方、海底地盤が水
平支持力のある砂礫層の場合には透水性が高いため、同
公報の構造では、砂礫層に配置される鋼矢板31の継手
部から汚水が鋼矢板31間に侵入し、その後海側に侵出
して、外水域を汚染してしまうという問題がある。
特開平6−193028号公報の護岸構造には、以下の
ような問題点がある。同公報の護岸構造は、鋼矢板31
を軟弱粘土層30を通過して支持層32に打設してい
る。しかし、軟弱粘土層30は不透水ではあるが水平支
持力が弱いため、鋼矢板31に対する支持力は期待出来
ず、鋼矢板31は支持層32のみに支持されることにな
る。このような支持層32のみで鋼矢板31を支持する
構造では、処理場から汚染物質が拡散するのを防止する
ことはできるとしても護岸としての安定性に欠けるた
め、膨大な費用をかけて護岸としての安定性を確保しな
ければならないという問題がある。一方、海底地盤が水
平支持力のある砂礫層の場合には透水性が高いため、同
公報の構造では、砂礫層に配置される鋼矢板31の継手
部から汚水が鋼矢板31間に侵入し、その後海側に侵出
して、外水域を汚染してしまうという問題がある。
【0005】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたものであり、構造的に安定していると共に汚染物
質の外水域への拡散を確実に防止できる二重矢板護岸を
得ることを目的としている。
されたものであり、構造的に安定していると共に汚染物
質の外水域への拡散を確実に防止できる二重矢板護岸を
得ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る二重矢板護
岸は、鋼矢板を2列状態で複数連結して水底地盤に立設
してなるものにおいて、2列の鋼矢板間に充填された不
透水性の中詰め材と、該中詰め材から不透水性の支持地
盤まで貫通して形成された遮水壁とを備えたものであ
る。
岸は、鋼矢板を2列状態で複数連結して水底地盤に立設
してなるものにおいて、2列の鋼矢板間に充填された不
透水性の中詰め材と、該中詰め材から不透水性の支持地
盤まで貫通して形成された遮水壁とを備えたものであ
る。
【0007】また、遮水壁はソイルセメント壁であるこ
とを特徴とするものである。
とを特徴とするものである。
【0008】さらに、ソイルセメント壁の中央部に鋼矢
板を芯材として挿入したことを特徴とするものである。
板を芯材として挿入したことを特徴とするものである。
【0009】また、鋼矢板が立設される水底地盤は、支
持力を有するように砂もしくは砂礫を敷設することによ
って、または、砂杭もしくは砂礫杭を打設することによ
って改良された改良地盤であることを特徴とするもので
ある。
持力を有するように砂もしくは砂礫を敷設することによ
って、または、砂杭もしくは砂礫杭を打設することによ
って改良された改良地盤であることを特徴とするもので
ある。
【0010】また、本発明に係る二重矢板護岸の構築方
法は、鋼矢板を2列状態で複数連結して水底地盤に立設
する工程と、鋼矢板間に不透水性の中詰め材を充填する
工程と、前記中詰め材と水底地盤とを貫通して不透水性
の支持地盤まで穴を掘削しつつ固化剤を充填する工程
と、固化剤が充填された穴に芯材となる鋼矢板を挿入す
る工程とを備えたものである。
法は、鋼矢板を2列状態で複数連結して水底地盤に立設
する工程と、鋼矢板間に不透水性の中詰め材を充填する
工程と、前記中詰め材と水底地盤とを貫通して不透水性
の支持地盤まで穴を掘削しつつ固化剤を充填する工程
と、固化剤が充填された穴に芯材となる鋼矢板を挿入す
る工程とを備えたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】実施の形態 図1は本発明の実施の形態1の説明図であり、本実施の
形態に係る二重矢板護岸の断面を示している。この護岸
構造においては、鋼矢板1,3が配置される外水域であ
る外海4と埋立地6の境界部における海底の軟弱粘土層
5は、SCP(Sand Compaction Pile)工法などによっ
て地盤改良された水平支持力のある改良地盤7になって
いる。ここにSCP工法とは、締まった砂杭を地盤に比
較的狭い間隔で鉛直方向に造成し、砂杭周辺の地盤の締
固め改良を行う工法である。
形態に係る二重矢板護岸の断面を示している。この護岸
構造においては、鋼矢板1,3が配置される外水域であ
る外海4と埋立地6の境界部における海底の軟弱粘土層
5は、SCP(Sand Compaction Pile)工法などによっ
て地盤改良された水平支持力のある改良地盤7になって
いる。ここにSCP工法とは、締まった砂杭を地盤に比
較的狭い間隔で鉛直方向に造成し、砂杭周辺の地盤の締
固め改良を行う工法である。
【0012】この改良地盤7を貫通して鋼矢板1,3が
2列状態で支持地盤9に至るまで打設されている。した
がって、鋼矢板1,3は支持地盤9に支持されると共に
改良地盤7によっても両側部をしっかりと支持されてお
り、水平抵抗力に優れた安定した構造となっている。た
だ、改良地盤7は締まった砂杭からなるものであり、透
水性が高く、そのため鋼矢板1,3の継手部を介して鋼
矢板1,3間に水が侵入することになるが、この点の対
策については後述する。
2列状態で支持地盤9に至るまで打設されている。した
がって、鋼矢板1,3は支持地盤9に支持されると共に
改良地盤7によっても両側部をしっかりと支持されてお
り、水平抵抗力に優れた安定した構造となっている。た
だ、改良地盤7は締まった砂杭からなるものであり、透
水性が高く、そのため鋼矢板1,3の継手部を介して鋼
矢板1,3間に水が侵入することになるが、この点の対
策については後述する。
【0013】鋼矢板1,3間における水底面(改良地盤
7の上面)より上の部分には土砂とセメント系固化材の
混合物からなる不透水性の中詰め材11が充填されてい
る。このようにセメント系固化材の混合物からなる中詰
め材11を充填することで、強度の高い中詰め材が得ら
れ、剛性の高い土留め壁となる。このため、護岸の幅を
縮小したり、鋼矢板や鋼管矢板の断面を縮小でき、工事
費を低減できる。なお、中詰め材11の透水係数は10
-5cm/sec以下である。
7の上面)より上の部分には土砂とセメント系固化材の
混合物からなる不透水性の中詰め材11が充填されてい
る。このようにセメント系固化材の混合物からなる中詰
め材11を充填することで、強度の高い中詰め材が得ら
れ、剛性の高い土留め壁となる。このため、護岸の幅を
縮小したり、鋼矢板や鋼管矢板の断面を縮小でき、工事
費を低減できる。なお、中詰め材11の透水係数は10
-5cm/sec以下である。
【0014】鋼矢板1,3間には、中詰め材11及び改
良地盤7を貫いて支持地盤9に至るソイルセメント壁1
5が形成されている。図2はソイルセメント壁15の平
面断面図であり、ソイルセメント壁15は、図2に示す
ように、セメント溶液と土砂を混合して造成したセメン
ト柱17を連続的にラップ連結したものであり、この例
では断面溝形の鋼矢板19を芯材として挿入している。
そして、一つの特徴として鋼矢板19の継手部19aが
セメント柱17の中央部寄りに配置されている。このよ
うに、継手部19aをセメント柱17の中央寄りに配置
することで、継手部19aがセメント柱17に確実に被
われ、止水性がより向上する。
良地盤7を貫いて支持地盤9に至るソイルセメント壁1
5が形成されている。図2はソイルセメント壁15の平
面断面図であり、ソイルセメント壁15は、図2に示す
ように、セメント溶液と土砂を混合して造成したセメン
ト柱17を連続的にラップ連結したものであり、この例
では断面溝形の鋼矢板19を芯材として挿入している。
そして、一つの特徴として鋼矢板19の継手部19aが
セメント柱17の中央部寄りに配置されている。このよ
うに、継手部19aをセメント柱17の中央寄りに配置
することで、継手部19aがセメント柱17に確実に被
われ、止水性がより向上する。
【0015】次に、以上のように構成された本実施の形
態の作用について説明する。鋼矢板1,3間における海
底面より上の部分は不透水性の中詰め材11が充填され
ているので、この部分には外海4及び埋立地6からの浸
水はない。一方、鋼矢板1,3間における海底面より下
の部分は改良地盤7からなり、この部分には鋼矢板1,
3の継手部を介して外海4又は埋立地6からの浸水があ
り地下水が存在する。
態の作用について説明する。鋼矢板1,3間における海
底面より上の部分は不透水性の中詰め材11が充填され
ているので、この部分には外海4及び埋立地6からの浸
水はない。一方、鋼矢板1,3間における海底面より下
の部分は改良地盤7からなり、この部分には鋼矢板1,
3の継手部を介して外海4又は埋立地6からの浸水があ
り地下水が存在する。
【0016】鋼矢板1,3間の改良地盤7の部分への浸
水は、鋼矢板1,3自体が不透水性であることから継手
部のみからの浸水となり、また、浸水が生ずるのは海底
地盤以下の部分であり、かつ一般に鋼矢板の継手部の透
水係数は10-4cm/sec程度であることから鋼矢板1,3
間への浸水量はごくわずかである。そして、ソイルセメ
ント壁15が改良地盤7を上下に貫いて外海側と埋立地
側に仕切っているので、鋼矢板1,3間に侵入した水は
それぞれ他方の領域に浸水することはない。したがっ
て、埋立地6側の汚染水が外海4側に侵出することはな
く、環境汚染を確実に防止できる。
水は、鋼矢板1,3自体が不透水性であることから継手
部のみからの浸水となり、また、浸水が生ずるのは海底
地盤以下の部分であり、かつ一般に鋼矢板の継手部の透
水係数は10-4cm/sec程度であることから鋼矢板1,3
間への浸水量はごくわずかである。そして、ソイルセメ
ント壁15が改良地盤7を上下に貫いて外海側と埋立地
側に仕切っているので、鋼矢板1,3間に侵入した水は
それぞれ他方の領域に浸水することはない。したがっ
て、埋立地6側の汚染水が外海4側に侵出することはな
く、環境汚染を確実に防止できる。
【0017】以上のように、本実施の形態によれば、構
造的に安定していると共に、海洋汚染の心配のない二重
矢板護岸が得られる。
造的に安定していると共に、海洋汚染の心配のない二重
矢板護岸が得られる。
【0018】次に、上記構造の構築方法について説明す
る。まず、港湾や河川など水域に隣接する廃棄物処分場
建設予定地の周囲を、SCP(Sand Compaction Pile)
工法などにより地盤改良を行い水平抵抗力に優れた改良
地盤7を形成する。そして、改良地盤7を貫通し、支持
地盤9に至るまで鋼矢板1,3(又は鋼管矢板)を一定
間隔離して2列状態で立設する。次に、土砂とセメント
系固化材を攪拌混合した泥状の混合物で充填して不透水
性の中詰め材11を形成する。セメントと攪拌混合する
土砂として、現地の浚渫土を使用することにより、資源
の有効利用となる。
る。まず、港湾や河川など水域に隣接する廃棄物処分場
建設予定地の周囲を、SCP(Sand Compaction Pile)
工法などにより地盤改良を行い水平抵抗力に優れた改良
地盤7を形成する。そして、改良地盤7を貫通し、支持
地盤9に至るまで鋼矢板1,3(又は鋼管矢板)を一定
間隔離して2列状態で立設する。次に、土砂とセメント
系固化材を攪拌混合した泥状の混合物で充填して不透水
性の中詰め材11を形成する。セメントと攪拌混合する
土砂として、現地の浚渫土を使用することにより、資源
の有効利用となる。
【0019】次に、中詰め材11がほぼ固化した状態の
ときに、掘削攪拌装置を用いて鋼矢板1,3間のほぼ中
央部に円形の縦穴を一部をラップさせた状態で二重矢板
護岸の長手方向に連続して掘削する。この縦穴は、中詰
め材11及び改良地盤7を貫通して支持地盤9に到達さ
せる。なお、縦穴の掘削と同時に掘削攪拌装置からセメ
ントミルクを噴出させて穴内に充填させる。縦穴を掘削
後、芯材となる鋼矢板19を穴の中央部に護岸長手方向
に一列状態で挿入する。挿入に際しては、鋼矢板19の
継手部19aを連結させると共に、継手部19aができ
るだけ穴の中央寄りになるように配置する。セメントミ
ルクが固化すると遮水壁15となり、遮水壁15を有す
る二重矢板護岸が完成する。
ときに、掘削攪拌装置を用いて鋼矢板1,3間のほぼ中
央部に円形の縦穴を一部をラップさせた状態で二重矢板
護岸の長手方向に連続して掘削する。この縦穴は、中詰
め材11及び改良地盤7を貫通して支持地盤9に到達さ
せる。なお、縦穴の掘削と同時に掘削攪拌装置からセメ
ントミルクを噴出させて穴内に充填させる。縦穴を掘削
後、芯材となる鋼矢板19を穴の中央部に護岸長手方向
に一列状態で挿入する。挿入に際しては、鋼矢板19の
継手部19aを連結させると共に、継手部19aができ
るだけ穴の中央寄りになるように配置する。セメントミ
ルクが固化すると遮水壁15となり、遮水壁15を有す
る二重矢板護岸が完成する。
【0020】このように、本実施の形態の方法によれ
ば、通常であれば地上の地盤にしか構築できないソイル
セメント壁を水域にある護岸の遮水壁として構築でき
る。そして、ソイルセメント壁が遮水性に優れることか
ら遮水性に優れた護岸を実現できる。また、上記の例で
はソイルセメント壁に芯材を挿入したので、耐力が向上
し大地震でも遮水性は確保される。もっとも、地域、支
持地盤以下の地盤の種類によっては、大きな地震力を考
慮する必要が無いこともあり、この場合、芯材が無くて
もセメント柱自体の遮水性で、遮水壁としての機能は十
分に果たし得る。
ば、通常であれば地上の地盤にしか構築できないソイル
セメント壁を水域にある護岸の遮水壁として構築でき
る。そして、ソイルセメント壁が遮水性に優れることか
ら遮水性に優れた護岸を実現できる。また、上記の例で
はソイルセメント壁に芯材を挿入したので、耐力が向上
し大地震でも遮水性は確保される。もっとも、地域、支
持地盤以下の地盤の種類によっては、大きな地震力を考
慮する必要が無いこともあり、この場合、芯材が無くて
もセメント柱自体の遮水性で、遮水壁としての機能は十
分に果たし得る。
【0021】また、中詰め材としてセメント系固化材と
浚渫土を攪拌混合した不透水性の中詰め材11を用いた
ので、護岸の剛性を向上させることができる。もっと
も、中詰め材11に代えて砂などを充填しても一定の剛
性を確保できるので、ソイルセメント壁15を中詰め材
の上方(埋立地の地下水位よりも高い位置)まで延出し
て形成するのであれば、遮水の面でも問題がない。よっ
て、この場合には中詰め材に代えて砂を充填してもよ
い。
浚渫土を攪拌混合した不透水性の中詰め材11を用いた
ので、護岸の剛性を向上させることができる。もっと
も、中詰め材11に代えて砂などを充填しても一定の剛
性を確保できるので、ソイルセメント壁15を中詰め材
の上方(埋立地の地下水位よりも高い位置)まで延出し
て形成するのであれば、遮水の面でも問題がない。よっ
て、この場合には中詰め材に代えて砂を充填してもよ
い。
【0022】なお、上記の例では芯材として挿入する鋼
矢板19は断面溝形のものを使用したが、芯材の形状は
上記のものに限られるものではなく、その他の形状のも
のであってもよい。他の例としては、たとえば図3に示
すような断面H形の鋼矢板21を用いることができる。
断面H形のものを使用すれば、H形のフランジの部分2
1aが2重壁の作用をするのでより遮水性に優れたもの
となる。
矢板19は断面溝形のものを使用したが、芯材の形状は
上記のものに限られるものではなく、その他の形状のも
のであってもよい。他の例としては、たとえば図3に示
すような断面H形の鋼矢板21を用いることができる。
断面H形のものを使用すれば、H形のフランジの部分2
1aが2重壁の作用をするのでより遮水性に優れたもの
となる。
【0023】また、上記の例では、海底に改良地盤7を
形成するものを示したが、元の地盤が砂又は砂礫の水平
抵抗に優れた地盤の場合には改良地盤7を形成する必要
はない。さらに、改良地盤7を形成する工法としてSC
P工法を例に挙げたがこれに限られるものでもない。
形成するものを示したが、元の地盤が砂又は砂礫の水平
抵抗に優れた地盤の場合には改良地盤7を形成する必要
はない。さらに、改良地盤7を形成する工法としてSC
P工法を例に挙げたがこれに限られるものでもない。
【0024】また、上記の例では遮水壁15を中詰め材
11及び改良地盤7を貫通させた例を示したが、止水の
必要があるのは改良地盤7の部分なので、この部分を上
下に貫通しておれば、中詰め材11の上方まで延出させ
る必要はない。
11及び改良地盤7を貫通させた例を示したが、止水の
必要があるのは改良地盤7の部分なので、この部分を上
下に貫通しておれば、中詰め材11の上方まで延出させ
る必要はない。
【0025】さらに、上記の例では遮水壁15としてソ
イルセメント壁を例に挙げたが、ソイルセメント壁以外
でも他の固化材を使用して遮水性の壁を構築できるので
あればそれでもよい。
イルセメント壁を例に挙げたが、ソイルセメント壁以外
でも他の固化材を使用して遮水性の壁を構築できるので
あればそれでもよい。
【0026】また、上記の例では遮水壁15が1枚のも
のを示したが、護岸の幅が広い場合や、遮水性の要求度
が高い場合には複数枚の遮水壁を構築することも可能で
ある。また、上記の例では、鋼矢板1,3が支持地盤9
に至るまで打設されているが、周辺地盤が水平抵抗、鉛
直抵抗に優れた地盤の場合には、支持地盤に至るまで打
設する必要はない。
のを示したが、護岸の幅が広い場合や、遮水性の要求度
が高い場合には複数枚の遮水壁を構築することも可能で
ある。また、上記の例では、鋼矢板1,3が支持地盤9
に至るまで打設されているが、周辺地盤が水平抵抗、鉛
直抵抗に優れた地盤の場合には、支持地盤に至るまで打
設する必要はない。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明においては、2列の
鋼矢板間に充填された不透水性の中詰め材と、該中詰め
材から不透水性の支持地盤まで貫通して形成された遮水
壁とを備えたことにより、構造的に安定していると共に
汚染物質の外水域への拡散を確実に防止できる。
鋼矢板間に充填された不透水性の中詰め材と、該中詰め
材から不透水性の支持地盤まで貫通して形成された遮水
壁とを備えたことにより、構造的に安定していると共に
汚染物質の外水域への拡散を確実に防止できる。
【図1】 本発明の一実施の形態に係る二重矢板護岸の
断面図である。
断面図である。
【図2】 本発明の一実施の形態に係る二重矢板護岸の
遮水壁の説明図である。
遮水壁の説明図である。
【図3】 本発明の一実施の形態に係る二重矢板護岸の
遮水壁の他の例の説明図である。
遮水壁の他の例の説明図である。
【図4】 従来の二重矢板式護岸の断面図である。
1,3 鋼矢板 5 軟弱地盤 7 改良地盤 9 支持地盤 11 中詰め材 15 遮水壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 操 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 南部 俊彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 岡田 哲一 東京都千代田区四番町5 東亜建設工業株 式会社内 (72)発明者 山村 和弘 東京都千代田区四番町5 東亜建設工業株 式会社内 (72)発明者 岸 真裕 東京都千代田区四番町5 東亜建設工業株 式会社内 Fターム(参考) 2D018 BA15 2D049 EA01 FB03 FB12 FC03 GC11 GE02 GE03 4D004 AA46 BB02 BB04
Claims (5)
- 【請求項1】 鋼矢板を2列状態で複数連結して水底地
盤に立設してなる二重矢板式護岸において、2列の鋼矢
板間に充填された不透水性の中詰め材と、該中詰め材か
ら不透水性の支持地盤まで貫通して形成された遮水壁と
を備えたことを特徴とする二重矢板式護岸。 - 【請求項2】 遮水壁はソイルセメント壁であることを
特徴とする請求項1記載の二重矢板式護岸。 - 【請求項3】 ソイルセメント壁の中央部に鋼矢板を芯
材として挿入したことを特徴とする請求項2記載の二重
矢板式護岸。 - 【請求項4】 鋼矢板が立設される水底地盤は、支持力
を有するように砂もしくは砂礫を敷設することによっ
て、または、砂杭もしくは砂礫杭を打設することによっ
て改良された改良地盤であることを特徴とする請求項1
〜3のいずれかに記載の二重矢板式護岸。 - 【請求項5】 鋼矢板を2列状態で複数連結して水底地
盤に立設する工程と、鋼矢板間に不透水性の中詰め材を
充填する工程と、前記中詰め材と水底地盤とを貫通して
不透水性の支持地盤まで穴を掘削しつつ固化剤を充填す
る工程と、固化剤が充填された穴に芯材となる鋼矢板を
挿入する工程とを備えたことを特徴とする二重矢板護岸
の構築方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000400294A JP2002201623A (ja) | 2000-12-28 | 2000-12-28 | 二重矢板式護岸及びその構築方法 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006122783A (ja) * | 2004-10-27 | 2006-05-18 | Electric Power Dev Co Ltd | 管理型廃棄物処分場、及びその施工方法 |
JP2007144272A (ja) * | 2005-11-25 | 2007-06-14 | World Engineering Kk | 遮水層の追加施工法 |
JP2007278042A (ja) * | 2006-04-12 | 2007-10-25 | Hazama Corp | 堤体の補強構造 |
JP2011032690A (ja) * | 2009-07-30 | 2011-02-17 | Jfe Steel Corp | 複合型堤防およびその施工方法 |
CN103114599A (zh) * | 2013-03-04 | 2013-05-22 | 济南城建集团有限公司 | 深基坑封闭降水装置及其施工方法 |
KR101462814B1 (ko) * | 2013-12-02 | 2014-11-21 | 김효숙 | 중력식 2열 흙막이 합성 소일벽 시공방법 |
-
2000
- 2000-12-28 JP JP2000400294A patent/JP2002201623A/ja not_active Withdrawn
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