JP6256112B2 - コンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体 - Google Patents

コンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体 Download PDF

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本発明は、複数のコンクリート矢板と鋼製部材にて構築される、コンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体に関する。
従来から、コンクリート矢板は、引張強度の低いコンクリートが材料として用いられるため、鋼矢板のように鉤状の継手部を形成して嵌合させることができないものである。このため、特許文献1〜3に開示されるコンクリート矢板壁は、鋼矢板のような鉤状の継手部を形成することなく、複数のコンクリート矢板が並べられて壁体を構成するものである。
特許文献1に開示されたコンクリート矢板壁は、左右に並んだコンクリート矢板を連結するときに、コンクリート矢板の一端でフラット壁の端面を突き当り面として、この突き当り面より突出したガイド片に当接面が形成されることで、突き当り面と当接面との二面からなる嵌合部に、左右に並んで打設されるコンクリート矢板の他端が当接されるものである。
特許文献2に開示されたコンクリート矢板壁は、隣り合うコンクリート矢板のうち一方のコンクリート矢板の外方側面に係合溝が形成されるとともに、他方のコンクリート矢板の内方側面に係合部材が取り付けられて、他方のコンクリート矢板の係合部材を係合溝に係合させることで、コンクリート矢板壁を構成するものである。
特許文献3に開示されたコンクリート矢板壁は、隣り合うコンクリート矢板が接合される方向で接合面から凹溝内に連通している取付孔にボルト部材を挿通させて、ボルト部材の両端を隣り合うコンクリート矢板の各々の凹溝内に定着させるとともに、ボルト部材を緊張させることによって、コンクリート矢板壁を構成するものである。
実公平07−038370号公報 特開2006−104784号公報 特開2005−336948号公報
しかし、特許文献1に開示されたコンクリート矢板壁は、突き当り面と当接面との二面からなる嵌合部に、コンクリート矢板の他端が当接されるに過ぎないものであることから、コンクリート矢板の壁体方向や壁体直交方向に作用する外力に抵抗することができずに、左右に並んだコンクリート矢板が互いに離間するおそれがあるという問題点があった。
特許文献2、3に開示されたコンクリート矢板壁は、隣り合うコンクリート矢板に係合部材やボルト部材を用いることで、コンクリート矢板の壁体方向及び壁体直交方向に作用する外力に抵抗しようとするものであるが、隣り合うコンクリート矢板を連結するために係合部材やボルト部材等の別部材を取り付ける別途の作業が必要となり、隣り合うコンクリート矢板の連結作業工程が増大するという問題点があった。
また、特許文献2、3に開示されたコンクリート矢板壁は、隣り合うコンクリート矢板の各々を打ち込んだ後に、係合部材を係合溝に係合させる作業やボルト部材を緊結させる作業が必要となることから、隣り合うコンクリート矢板の連結作業を地盤内で実施することができず、又は、水中での危険性の高い連結作業が必要となるという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、隣り合うコンクリート矢板を鋼製部材により容易かつ強固に連結させるとともに、壁体として断面剛性を向上させることのできるコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体を提供することにある。
第1発明に係るコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体は、複数のコンクリート矢板が連結されたコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体であって、隣り合って設けられるコンクリート矢板と、隣り合う前記コンクリート矢板を連結する鋼製部材とを備え、前記鋼製部材は、隣り合う前記コンクリート矢板の連結箇所で軸方向に沿って設けられる補剛部材と、前記補剛部材に取り付けられる係止部材とを有し、前記係止部材は、隣り合う前記コンクリート矢板を互いに壁体方向に離間させないように拘束する側方係止部が、隣り合う前記コンクリート矢板の各々に向けて延びて形成され、前記補剛部材は、鋼矢板、H形部材、又は、鋼矢板とH形部材とを組み合わせたものが用いられることを特徴とする。
第2発明に係るコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体は、第1発明において、前記係止部材は、隣り合う前記コンクリート矢板の各々に軸方向に延びて形成された嵌合溝に、前記側方係止部が挿入されることを特徴とする。
第3発明に係るコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体は、第1発明又は第2発明において、前記係止部材は、隣り合う前記コンクリート矢板の各々を壁体直交方向で前記補剛部材と反対側となる正面側に拘束する前方係止部、及び、隣り合う前記コンクリート矢板の各々を壁体直交方向で前記補剛部材が設けられる背面側に拘束する後方係止部の何れか一方又は両方が、隣り合う前記コンクリート矢板の各々の壁体方向に延びて形成されることを特徴とする。
第4発明に係るコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体は、第3発明において、前記係止部材は、隣り合う前記コンクリート矢板の各々に軸方向に延びて形成された嵌合溝に、前記前方係止部及び前記後方係止部の何れか一方が挿入されることを特徴とする。
第5発明に係るコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体は、第1発明〜第4発明の何れかにおいて、前記係止部材は、隣り合う前記コンクリート矢板の各々に向けて延びる前記側方係止部が、単一部材から延びて形成されて、又は、複数部材の各々から延びて形成されることを特徴とする。
第6発明に係るコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体は、第1発明〜第5発明の何れかにおいて、前記係止部材は、隣り合う前記コンクリート矢板の連結箇所に対向させて、軸方向に沿って連続的又は断続的に、前記補剛部材に取り付けられることを特徴とする。
第7発明に係るコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体は、第2発明又は第4明において、前記嵌合溝は、前記係止部材との接触面に補強用鋼板が取り付けられることを特徴とする。
発明に係るコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体は、第1発明〜第発明の何れかにおいて、前記補剛部材は、H形部材、又は、鋼矢板とH形部材とを組み合わせたものが用いられて、隣り合う前記コンクリート矢板の連結箇所で対向して形成される接合面にH形部材のウェブ部が挟み込まれて、隣り合う前記コンクリート矢板の壁体直交方向で前記補剛部材と反対側となる正面側にH形部材のフランジ部が設けられることを特徴とする。
発明に係るコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体は、第発明、第4発明、又は第7発明の何れかにおいて、隣り合う前記コンクリート矢板と前記係止部材との間の間隙、隣り合う前記コンクリート矢板と前記補剛部材との間の間隙、及び、前記嵌合溝の内側の何れか1箇所以上に、吸水して膨張する膨潤性止水材が設けられることを特徴とする。
第1発明に係るコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体は、第1発明〜第発明の何れかにおいて、前記補剛部材は、前記コンクリート矢板の下端部よりも下方に向けて延びて設けられることを特徴とする。
第1発明に係るコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体は、第1発明〜第1発明の何れかにおいて、前記鋼製部材は、4箇以上並べて設けられた前記コンクリート矢板に形成される連結箇所のうち全部の連結箇所に設けられて、又は、一部の連結箇所のみに間隔を空けて設けられることを特徴とする。
第1発明に係るコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体は、第3発明又は第4明において、前記前方係止部は、防食加工を施した鋼材又は高強度プラスティックが用いられて、隣り合う前記コンクリート矢板の壁体直交方向で前記補剛部材と反対側となる正面側に配置されることを特徴とする。
第1発明に係るコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体は、第3発明又は第4明において、前記後方係止部は、隣り合う前記コンクリート矢板の壁体直交方向で前記補剛部材が設けられる背面側で、前記コンクリート矢板に取り付けられた離脱防止材に挟み込まれることを特徴とする。
第1発明〜第6発明によれば、補剛部材にあらかじめ取り付けられた係止部材で、隣り合うコンクリート矢板が壁体方向や壁体直交方向に拘束されるため、コンクリート矢板を設けた後に、別部材を取り付ける等の別途の作業を必要とすることなく、隣り合うコンクリート矢板が連結箇所で壁体方向や壁体直交方向に分離することを防止して、隣り合うコンクリート矢板を容易かつ強固に連結させることが可能となる。
第1発明〜第6発明によれば、係止部材の側方係止部、前方係止部又は後方係止部に沿って隣り合うコンクリート矢板を軸方向にスライド移動させることができる。また、第1発明〜第6発明によれば、隣り合うコンクリート矢板に沿って係止部材の側方係止部、前方係止部又は後方係止部を軸方向にスライド移動させることができる。このため、第1発明〜第4発明によれば、隣り合うコンクリート矢板が壁体方向及び壁体直交方向に拘束されて、各々のコンクリート矢板の壁体方向及び壁体直交方向の位置決めの精度を向上させることが可能となる。
特に、第6発明によれば、複数の係止部材が軸方向に所定の間隔を空けて、補剛部材のフランジ部に断続的に取り付けられることで、係止部材に用いられる鋼材等の材料費を低減させることが可能となる。
第7発明によれば、嵌合溝の内側で係止部材との当接面に補強用鋼板が取り付けられることで、係止部材が嵌合溝のコンクリートに直接に接触することを防止して、コンクリートが嵌合溝で欠損することを防止することが可能となる。
発明〜第11発明によれば、コンクリート矢板よりも薄い鋼矢板やH形部材を、補剛部材として水底地盤に容易に根入れすることができるため、海洋、河川等の水深が深い場合であっても、コンクリート矢板壁体の断面剛性を向上させるための補剛部材の根入れ作業を容易に実施して、根入れ作業の施工性を著しく向上させることが可能となる。
特に、第発明によれば、係止部材の平板部や補剛部材のフランジ部とコンクリート矢板との間に間隙が形成されて、この間隙や嵌合溝の内側で膨潤性止水材を膨張させることができるため、隣り合うコンクリート矢板の連結箇所で、正面側から背面側への浸水を防止することが可能となる。
特に、第1発明によれば、補剛部材の下端部がコンクリート矢板の下端部よりも下方の水底地盤に向けて延びて設けられるため、鋼矢板やH形部材よりも厚みを有するコンクリート矢板を水底地盤に埋め込むことを必要としないで、各々のコンクリート矢板の設置作業の施工性を向上させることが可能となる。第1発明によれば、地盤から作用する土圧に対して補剛部材で抵抗することができるため、コンクリート矢板壁体を自立構造として設置スペースを著しく低減させることが可能となる。
特に、第1発明によれば、コンクリート矢板の一部の連結箇所のみに補剛部材が設けられることで、補剛部材の使用数量を低減させて、補剛部材に用いられる鋼材等の材料費や補剛部材の設置費用を低減させることが可能となる。
第1発明によれば、前面側の前方係止部に防食加工を施した鋼材や高強度プラスティックを用いることで、鋼製部材の腐食を低減することが可能となる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体を示す斜視図である。 (a)は、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体を示す平面図であり、(b)は、その背面図である。 (a)は、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体を示す平面図であり、(b)は、その変形例を示す底面図である。 (a)は、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体を示す平面図であり、(b)は、その背面図である。 (a)は、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体の鋼製部材の補剛部材とリップ付部材の係止部材とを示す平面図であり、(b)は、補剛部材にH形部材のみを用いた平面図であり、(c)は、補剛部材に鋼矢板のみを用いた平面図である。 (a)は、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体の鋼製部材の補剛部材とアングル部材の係止部材とを示す平面図であり、(b)は、補剛部材にH形部材のみを用いた平面図であり、(c)は、補剛部材に鋼矢板のみを用いた平面図である。 (a)は、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体の嵌合溝を示す平面図であり、(b)は、そのC−C線断面図である。 本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体の係止部材の第1変形例を示す平面図である。 本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体の係止部材の第2変形例を示す平面図である。 本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体の係止部材の第3変形例を示す平面図である。 本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体の係止部材の第2変形例と嵌合溝とを示す平面図である。 本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体の嵌合溝の補強用鋼板を示す平面図である。 (a)は、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体の連続的に取り付けられた係止部材を示す斜視図であり、(b)は、その断続的に取り付けられた係止部材を示す斜視図である。 (a)は、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体の係止部材に設けられる止水材を示す平面図であり、(b)は、その補剛部材に設けられる止水材を示す平面図である。 本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体の全部の連結箇所に補剛部材が設けられた状態を示す平面図である。 本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体の一部の連結箇所に補剛部材が設けられた状態を示す平面図である。 (a)は、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体の補剛部材が設けられた状態を示す側面図であり、(b)は、コンクリート矢板が設けられた状態を示す側面図である。 (a)は、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体を示す側面図であり、(b)は、従来のコンクリート矢板壁を示す側面図である。 本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体で隣り合うコンクリート矢板が壁体方向及び壁体直交方向に拘束された状態を示す平面図である。 本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体で隣り合うコンクリート矢板が連結箇所を地盤等の背面側に突出させて設置された状態を示す平面図である。 本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体で、正面側が略平板状に形成されたコンクリート矢板を示す平面図である。
以下、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図1に示すように、港湾構造物等の岸壁や河川護岸、擁壁、掘削土留壁等で、例えば、海洋、河川、掘削側等の正面側Aと、背面地盤4等の背面側Bとの境界で、コンクリート矢板5と鋼製部材7とを用いて壁体を壁体方向Xに構築するものである。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、複数のコンクリート矢板5が連結されることで隣り合って設けられるコンクリート矢板5と、隣り合うコンクリート矢板5を連結する鋼製部材7とを備える。鋼製部材7は、隣り合うコンクリート矢板5の連結箇所50で軸方向Zに沿って設けられる補剛部材2と、補剛部材2に取り付けられる鋼製等の係止部材3とを備える。
コンクリート矢板5は、コンクリートを材料として用いるものであり、コンクリートの引張強度等を向上させるために、必要に応じて、内部に鉄筋が配設される。コンクリート矢板5は、図2に示すように、コンクリートを打設等することによって所定の断面形状で形成される。
コンクリート矢板5は、図2(a)に示すように、壁体方向Xに延びるコンクリート矢板フランジ51と、コンクリート矢板フランジ51の両側端から壁体直交方向Yに傾斜して延びるコンクリート矢板ウェブ52と、コンクリート矢板ウェブ52の片側端から壁体方向Xに延びる連結部53とを有する。コンクリート矢板5は、所定の断面形状で、図2(b)に示すように、軸方向Zに延びて形成されるものとなる。
コンクリート矢板5は、図3に示すように、複数のコンクリート矢板5を壁体方向Xに互いに隣り合わせて設けるときに、隣り合うコンクリート矢板5の連結箇所50で、互いの連結部53を連結させる。コンクリート矢板5は、隣り合うコンクリート矢板5の連結箇所50で、壁体方向Xで互いに対向する接合面54が連結部53に形成される。
コンクリート矢板5は、図3(a)に示すように、壁体方向Xの両側端の連結部53のうち、一方の連結部53の接合面54に凸部54aが形成されて、他方の連結部53の接合面54に凹部54bが形成される。コンクリート矢板5は、これに限らず、図3(b)に示すように、両方の連結部53の接合面54が略平面状に形成されてもよく、接合面54が如何なる形状に形成されてもよい。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図4に示すように、壁体方向Xに隣り合うコンクリート矢板5の接合面54を対向させて、互いの接合面54を近接又は当接させることで、隣り合うコンクリート矢板5の連結箇所50が設けられるものとなる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図4(a)に示すように、補剛部材2が設けられる背面側Bに係止部材3が配置されるものであるが、これに限らず、補剛部材2と反対側となる正面側Aに係止部材3が配置されてもよい。本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図4(b)に示すように、隣り合うコンクリート矢板5の連結箇所50で軸方向Zに沿って補剛部材2が設けられる。
補剛部材2は、図5(a)に示すように、鋼矢板25とH形鋼等のH形部材26とを組み合わせたものが用いられる。補剛部材2は、これに限らず、図5(b)に示すように、H形鋼等のH形部材26のみが単体で用いられてもよく、図5(c)に示すように、鋼矢板25のみが単体で用いられてもよい。
鋼矢板25は、例えば、断面略ハット形状のハット形鋼矢板が用いられて、ハット形鋼矢板のフランジ部20が壁体方向Xに延びるものとなる。鋼矢板25は、これに限らず、断面略U形状のU形鋼矢板や断面略Z形状のZ形鋼矢板が用いられてもよい。H形部材26は、壁体方向Xに延びる一対のフランジ部20が設けられるとともに、一対のフランジ部20に架設されて壁体直交方向Yに延びるウェブ部21が設けられる。
係止部材3は、図5(a)、(b)に示すように、鋼矢板25とH形部材26とを組み合わせたものや、H形部材26のみが補剛部材2に用いられるときに、H形部材26のフランジ部20に取り付けられる。また、係止部材3は、図5(c)に示すように、鋼矢板25のみが補剛部材2に用いられるときに、鋼矢板25のフランジ部20に取り付けられる。
係止部材3は、鋼板を屈曲等させることで形成されたリップ付部材が用いられて、鋼矢板25又はH形部材26のフランジ部20に当接される平板部30から壁体直交方向Yに突出して形成される一対の側方係止部31と、各々の側方係止部31から壁体方向Xに対向して延びて形成される一対の前方係止部32とを有する。このとき、係止部材3は、壁体方向Xで鋼矢板25又はH形部材26のフランジ部20の中間側に寄せて、一対の側方係止部31がリップ付部材等の単一部材から延びて形成されるものとなる。
係止部材3は、これに限らず、図6に示すように、一対のアングル部材が用いられてもよい。このとき、係止部材3は、壁体方向Xで鋼矢板25又はH形部材26のフランジ部20の両端側に寄せて、一対の側方係止部31が一対のアングル部材等の複数部材の各々から延びて形成されるとともに、各々の側方係止部31から延びて一対の前方係止部32が形成されるものとなる。
係止部材3は、図7に示すように、一対の側方係止部31が、隣り合うコンクリート矢板5の各々に向けて延びて形成される。本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図4、図7に示すように、断面略L形状の嵌合溝55が、隣り合うコンクリート矢板5の各々の連結部53に軸方向Zに延びて一対となって形成される。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図7に示すように、壁体方向Xで隣り合うコンクリート矢板5の各々の嵌合溝55に、係止部材3の一対の側方係止部31と一対の前方係止部32とが挿入される。本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、一対となった嵌合溝55に、係止部材3の一対の側方係止部31が挿入されることで、壁体方向Xで嵌合溝55の当接面55aに側方係止部31を当接させることができる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、係止部材3の側方係止部31を嵌合溝55の当接面55aに当接させることによって、隣り合うコンクリート矢板5の連結箇所50で、係止部材3の側方係止部31が、隣り合うコンクリート矢板5を互いに壁体方向Xに離間させないように拘束するものとなる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、一対となった嵌合溝55に、係止部材3の一対の側方係止部31とともに、係止部材3の一対の前方係止部32が挿入されることで、壁体直交方向Yで嵌合溝55の当接面55aに前方係止部32を当接させることができる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、係止部材3の前方係止部32を嵌合溝55の当接面55aに当接させることによって、隣り合うコンクリート矢板5の連結箇所50で、係止部材3の前方係止部32が、隣り合うコンクリート矢板5の各々を、壁体直交方向Yで補剛部材2と反対側となる正面側A及び補剛部材2が設けられる背面側Bに倒壊等させないように拘束するものとなる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図8に示すように、係止部材3の第1変形例において、係止部材3に前方係止部32を形成させることなく、側方係止部31のみが形成されてもよい。このとき、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、断面略I形状の嵌合溝55が、隣り合うコンクリート矢板5の各々の連結部53に形成される。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、隣り合うコンクリート矢板5の各々の断面略I形状の嵌合溝55に、係止部材3の一対の側方係止部31のみが挿入されることで、隣り合うコンクリート矢板5を互いに壁体方向Xに離間させないように、係止部材3の一対の側方係止部31で拘束するものとなる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、隣り合うコンクリート矢板5の各々の連結部53に、一対のアングル部材等の離脱防止材56が取り付けられて、コンクリート矢板5と離脱防止材56との間の間隙にH形部材26のフランジ部20が挿入される。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、コンクリート矢板5と離脱防止材56との間でH形部材26のフランジ部20が挟み込まれることで、隣り合うコンクリート矢板5の各々を、壁体直交方向Yの正面側A及び背面側Bに倒壊等させないように、H形部材26のフランジ部20で拘束するものとなる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図9、図10に示すように、係止部材3の第2変形例及び第3変形例において、H形部材26のフランジ部20の両側端から壁体方向Xに延びる係止部材3が取り付けられてもよい。
ここで、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、隣り合うコンクリート矢板5の連結箇所50で、隣り合うコンクリート矢板5の各々の連結部53の接合面54に、H形部材26のウェブ部21が挟み込まれて、隣り合うコンクリート矢板5の正面側Aに、H形部材26のフランジ部20が設けられる。
このとき、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、壁体方向XでH形部材26のフランジ部20の両側端から突出して一対の前方係止部32が形成されるとともに、前方係止部32から各々のコンクリート矢板5に向けて延びて一対の側方係止部31が形成される。前方係止部32は、例えば、防食加工を施した鋼材又は高強度プラスティックが用いられることで、前方係止部32が取り付けられる補剛部材2の腐食を低減させることが可能となる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、係止部材3の第2変形例において、図9に示すように、隣り合うコンクリート矢板5の各々の連結部53からコンクリート矢板ウェブ52まで延びて前方係止部32が形成されるとともに、コンクリート矢板ウェブ52の側面に側方係止部31を当接させることができるように、係止部材3の側方係止部31が傾斜等した状態で形成される。
このとき、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、コンクリート矢板ウェブ52の側面に係止部材3の側方係止部31を当接させることによって、隣り合うコンクリート矢板5の連結箇所50で、隣り合うコンクリート矢板5が互いに壁体方向Xに離間しないように拘束されるものとなる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、係止部材3の第3変形例において、図10に示すように、隣り合うコンクリート矢板5の各々の断面略I形状の嵌合溝55に、係止部材3の一対の側方係止部31が挿入されて、隣り合うコンクリート矢板5を互いに壁体方向Xに離間させないように、係止部材3の一対の側方係止部31で拘束するものとなる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、隣り合うコンクリート矢板5の正面側Aで、H形部材26のフランジ部20や係止部材3の前方係止部32を各々の連結部53に当接させることによって、隣り合うコンクリート矢板5の連結箇所50で、隣り合うコンクリート矢板5の各々が壁体直交方向Yの正面側Aに拘束されるものとなる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、必要に応じて、H形部材26のウェブ部21から壁体方向Xに突出して一対の後方係止部33が形成されてもよい。本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、隣り合うコンクリート矢板5の背面側Bで、係止部材3の後方係止部33を各々の連結部53に当接させることによって、隣り合うコンクリート矢板5の連結箇所50で、隣り合うコンクリート矢板5の各々が、壁体直交方向Yの背面側Bに拘束されるものとなる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図11に示すように、必要に応じて、隣り合うコンクリート矢板5の各々の連結部53の接合面54に、壁体方向Xに延びて一対となって嵌合溝55が形成されてもよい。このとき、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、係止部材3の一対の後方係止部33が、一対の嵌合溝55に挿入されることで、係止部材3の後方係止部33を嵌合溝55の当接面55aに当接させて、隣り合うコンクリート矢板5の各々が、壁体直交方向Yの正面側A及び背面側Bに拘束されるものとなる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図12に示すように、必要に応じて、嵌合溝55の内側で係止部材3との当接面55aに補強用鋼板57が取り付けられてもよい。これにより、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、係止部材3が嵌合溝55のコンクリートに直接に接触することを防止して、コンクリートが嵌合溝55で欠損することを防止することが可能となる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、隣り合うコンクリート矢板5の連結箇所50に対向させて、図13(a)に示すように、軸方向Zで補剛部材2のフランジ部20に沿って、補剛部材2に係止部材3が連続的に取り付けられる。本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、これに限らず、図13(b)に示すように、複数の係止部材3が軸方向Zに所定の間隔を空けて、補剛部材2に断続的に取り付けられてもよい。本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、係止部材3が補剛部材2のフランジ部20に断続的に取り付けられることで、係止部材3に用いられる鋼材等の材料費を低減させることが可能となる。断続的に取り付ける場合には、補剛部材2の下端部や上端部には必ず設置することで出来形がよくなる。また、水面以下に設置する係止部材3の数量を少なくすることで、係止部材3が腐食することを低減することができる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図14(a)に示すように、リップ付部材が係止部材3に用いられる場合に、係止部材3の平板部30に止水材58が設けられる。また、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図14(b)に示すように、アングル部材等が係止部材3に用いられる場合に、補剛部材2のフランジ部20に止水材58が設けられる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、例えば、係止部材3の平板部30や補剛部材2のフランジ部20に膨潤性止水材が塗布されて、又は、嵌合溝55の内側に膨潤性止水材が塗布されることで、止水材58が設けられる。止水材58は、これに限らず、ゴムパッキン等が用いられてもよい。膨潤性止水材は、水に浸漬して膨張させることで、隣り合うコンクリート矢板5の接合面54の間を通過した水を遮断するものとなる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、係止部材3の平板部30や補剛部材2のフランジ部20とコンクリート矢板5との間に間隙が形成されて、この間隙で膨潤性止水材を膨張させて密閉させることができる。本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、係止部材3の平板部30や補剛部材2のフランジ部20、嵌合溝55の内側に止水材58が設けられることで、隣り合うコンクリート矢板5の連結箇所50で、正面側Aから背面側Bへの浸水を防止することが可能となる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、コンクリート矢板5の材料にコンクリートが用いられるため、コンクリート矢板5が壁体直交方向Yに所定の厚みを有するものとなる。本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、正面側Aと背面側Bとの境界にコンクリート矢板5が壁体方向Xに3箇以上並べて設けられることで、隣り合うコンクリート矢板5の連結箇所50が2箇所以上に形成される。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、例えば、図15に示すように、コンクリート矢板5が4箇並べて設けられて、隣り合うコンクリート矢板5の連結箇所50が3箇所に形成される。本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、隣り合うコンクリート矢板5の2箇所以上に形成される連結箇所50のうち、隣り合うコンクリート矢板5の全部の連結箇所50で、鋼製部材7が軸方向Zに沿って設けられる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図16に示すように、隣り合うコンクリート矢板5に形成された複数の連結箇所50のうち、鋼製部材7が設けられる箇所と設けられない箇所とが交互に配置されてもよい。このとき、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、複数の連結箇所50に壁体方向Xで1箇所おき等に鋼製部材7が設けられることで、隣り合うコンクリート矢板5の一部の連結箇所50のみで間隔を空けて鋼製部材7が設けられるものとなる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、鋼製部材7が隣り合うコンクリート矢板5の一部の連結箇所50のみに設けられることで、鋼製部材7の使用数量を低減させて、鋼製部材7に用いられる鋼材等の材料費や鋼製部材7の設置費用を低減させることが可能となる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図17(a)に示すように、最初に、海洋と地盤4との境界で、打撃、振動等により鋼製部材7が打ち込まれることによって、補剛部材2の下端部2aが水底地盤8に根入れされるものとなる。次に、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、水底地盤8に根入れした鋼製部材7の係止部材3に沿ってコンクリート矢板5を軸方向Zにスライド移動させることによって、図17(b)に示すように、コンクリート矢板5の下端部5aが、水底地盤8に根入れされることなく設置される。
このとき、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、コンクリート矢板5の下端部5aよりも補剛部材2の下端部2aが下方の水底地盤8に向けて延びて設けられる。本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、コンクリート矢板5の下端部5aを水底地盤8に根入れすることなく、正面側Aと背面側Bとの境界にコンクリート矢板5が設置されるため、図15、図16、図17に示すように、鋼矢板25やH形部材26よりも厚みを有するコンクリート矢板5を水底地盤8に埋め込むことを必要としないで、各々のコンクリート矢板5の設置作業の施工性を向上させることが可能となる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、海洋と地盤4との境界に打ち込まれた補剛部材2の上方から、コンクリート矢板5を軸方向Zにスライド移動させることができるため、海洋中や地盤内での別段の作業を必要とすることなく、隣り合うコンクリート矢板5を壁体方向Xや壁体直交方向Yに拘束することが可能となるとともに、各々のコンクリート矢板5の設置作業の施工性を向上させることが可能となる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図7〜図11に示すように、係止部材3に形成された一対の側方係止部31に沿って、隣り合うコンクリート矢板5の各々の連結部53を軸方向Zにスライド移動させることで、コンクリート矢板5が設けられる。本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、海洋と地盤4との境界でコンクリート矢板5より先行して打ち込まれた補剛部材2に、係止部材3が取り付けられていることから、係止部材3の側方係止部31に沿わせて、コンクリート矢板5を設けることができる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、係止部材3の側方係止部31に沿って隣り合うコンクリート矢板5を軸方向Zにスライド移動させることができるため、隣り合うコンクリート矢板5がスライド移動のときに壁体方向Xに拘束されて、壁体方向Xの位置決めの精度を向上させることが可能となる。また、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、係止部材3の前方係止部32や後方係止部33に沿って隣り合うコンクリート矢板5を軸方向Zにスライド移動させることができるため、隣り合うコンクリート矢板5がスライド移動のときに壁体直交方向Yに拘束されて、壁体直交方向Yの位置決めの精度を向上させることが可能となる。
なお、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、海洋と地盤4との境界にコンクリート矢板5を設置した後に、打撃、振動等により補剛部材2が打ち込まれて、補剛部材2の下端部2aを水底地盤8に根入れさせてもよい。このとき、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、コンクリート矢板5の連結部53に沿って、係止部材3の側方係止部31、前方係止部32又は後方係止部33を、軸方向Zにスライド移動させることができるものとなる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図18(a)に示すように、補剛部材2の下端部2aが水底地盤8に根入れされるため、コンクリート矢板5の下端部5aが根入れされない場合であっても、壁体1に地盤4から作用する土圧Pに対して、補剛部材2で抵抗することができるものである。本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、隣り合うコンクリート矢板5を壁体方向Xに連結する係止部材3が補剛部材2に取り付けられるため、この補剛部材2で壁体1の断面剛性を向上させて自立構造とすることが可能となる。
これに対して、従来のコンクリート矢板壁9は、図18(b)に示すように、海洋と地盤4との境界に打ち込まれたコンクリート矢板90に、地中梁91や控え工92を設けることによって、地盤4から作用する土圧Pに抵抗するものである。このため、従来のコンクリート矢板壁9は、コンクリート矢板90の背面側Bに地中梁91や控え工92を設けるための延長Lが必要となり、多大な設置スペースを必要とするものとなる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図18に示すように、地盤4から作用する土圧Pに対して補剛部材2で抵抗することができるため、地中梁91や控え工92を設けるための多大な設置スペースを必要とすることなく、コンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1を自立構造として設置スペースを著しく低減させることが可能となる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図19に示すように、あらかじめ補剛部材2に取り付けられた係止部材3の側方係止部31で、隣り合うコンクリート矢板5を互いに壁体方向Xに拘束するものとなる。これにより、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、コンクリート矢板5を設けた後に別部材を取り付ける等の別途の作業を必要とすることなく、隣り合うコンクリート矢板5を連結箇所50で壁体方向Xに容易に連結することができる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、あらかじめ補剛部材2に取り付けられた係止部材3の前方係止部32又は後方係止部33で、隣り合うコンクリート矢板5の各々を壁体直交方向Yの正面側Aや背面側Bにずれないように拘束するものとなる。これにより、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、コンクリート矢板5を設けた後に別部材を取り付ける等の別途の作業を必要とすることなく、隣り合うコンクリート矢板5を連結箇所50で壁体直交方向Yに容易に拘束することができる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、補剛部材2にあらかじめ取り付けられた係止部材3で、隣り合うコンクリート矢板5が壁体方向Xや壁体直交方向Yに拘束されるため、コンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1の壁体方向Xや壁体直交方向Yに作用する外力に抵抗することができる。これにより、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、隣り合うコンクリート矢板5が壁体方向X及び壁体直交方向Yに拘束されて、隣り合うコンクリート矢板5が連結箇所50で分離することを防止して、隣り合うコンクリート矢板5を強固に連結することが可能となる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、図1、図5(a)、図6(a)に示すように、鋼矢板25とH形部材26とを組み合わせたものが補剛部材2に用いられるため、補剛部材2が設けられたコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1の断面剛性を著しく向上させることが可能となる。本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、コンクリート矢板5が海洋等の正面側Aに化粧板として設けられることで、鋼矢板25やH形部材26の補剛部材2を海水等に直接に接触させないで、鋼矢板25やH形部材26の鋼材の腐食を防止することが可能となる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、コンクリート矢板5よりも薄い鋼矢板25やH形部材26を、補剛部材2として水底地盤8に容易に根入れすることができる。これにより、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、海洋、河川等の水深が深い場合であっても、コンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1の断面剛性を向上させるための補剛部材2の根入れ作業を容易に実施して、補剛部材2の根入れ作業の施工性を著しく向上させることが可能となる。
本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、複数のコンクリート矢板5によって構築された既設のコンクリート矢板壁に、後から鋼製部材7が建て込まれるものとすることもできる。これにより、既設のコンクリート矢板壁の補強が可能になるとともに、正面側Aの増深、掘削等にも対応可能となる。
なお、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、コンクリート矢板5が連結箇所50を海洋等の正面側Aに突出させて設置されるものであるが、これに限らず、図20に示すように、コンクリート矢板5が連結箇所50を地盤等の背面側Bに突出させて設置されてもよい。本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体1は、連結箇所50を海洋等の正面側Aに突出させることで、壁体直交方向Yへの壁厚が低減することが可能となり、また、連結箇所50を地盤等の背面側Bに突出させることで、断面剛性を大きくとることが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
例えば、本発明を適用したコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体は、図21に示すように、海洋等の正面側Aが略平面状に形成される複数のコンクリート矢板5の連結箇所50に用いられて、これらのコンクリート矢板5を壁体方向Xで隣り合わせて連結させるものであってもよい。
1 :コンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体
2 :補剛部材
2a :下端部(補剛部材)
20 :フランジ部
21 :ウェブ部
25 :鋼矢板
26 :H形部材
3 :係止部材
30 :平板部
31 :側方係止部
32 :前方係止部
33 :後方係止部
4 :地盤
5 :コンクリート矢板
5a :下端部(コンクリート矢板)
50 :連結箇所
51 :コンクリート矢板フランジ
52 :コンクリート矢板ウェブ
53 :連結部
54 :接合面
54a :凸部
54b :凹部
55 :嵌合溝
55a :当接面
56 :離脱防止材
57 :補強用鋼板
58 :止水材
7 :鋼製部材
8 :水底地盤
A :正面側
B :背面側
X :壁体方向
Y :壁体直交方向
Z :軸方向

Claims (13)

  1. 複数のコンクリート矢板が連結されたコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体であって、
    隣り合って設けられるコンクリート矢板と、隣り合う前記コンクリート矢板を連結する鋼製部材とを備え、
    前記鋼製部材は、隣り合う前記コンクリート矢板の連結箇所で軸方向に沿って設けられる補剛部材と、前記補剛部材に取り付けられる係止部材とを有し、
    前記係止部材は、隣り合う前記コンクリート矢板を互いに壁体方向に離間させないように拘束する側方係止部が、隣り合う前記コンクリート矢板の各々に向けて延びて形成され
    前記補剛部材は、鋼矢板、H形部材、又は、鋼矢板とH形部材とを組み合わせたものが用いられること
    を特徴とするコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体。
  2. 前記係止部材は、隣り合う前記コンクリート矢板の各々に軸方向に延びて形成された嵌合溝に、前記側方係止部が挿入されること
    を特徴とする請求項1記載のコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体。
  3. 前記係止部材は、隣り合う前記コンクリート矢板の各々を壁体直交方向で前記補剛部材と反対側となる正面側に拘束する前方係止部、及び、隣り合う前記コンクリート矢板の各々を壁体直交方向で前記補剛部材が設けられる背面側に拘束する後方係止部の何れか一方又は両方が、隣り合う前記コンクリート矢板の各々の壁体方向に延びて形成されること
    を特徴とする請求項1又は2記載のコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体。
  4. 前記係止部材は、隣り合う前記コンクリート矢板の各々に軸方向に延びて形成された嵌合溝に、前記前方係止部及び前記後方係止部の何れか一方が挿入されること
    を特徴とする請求項3記載のコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体。
  5. 前記係止部材は、隣り合う前記コンクリート矢板の各々に向けて延びる前記側方係止部が、単一部材から延びて形成されて、又は、複数部材の各々から延びて形成されること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体。
  6. 前記係止部材は、隣り合う前記コンクリート矢板の連結箇所に対向させて、軸方向に沿って連続的又は断続的に、前記補剛部材に取り付けられること
    を特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載のコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体。
  7. 前記嵌合溝は、前記係止部材との接触面に補強用鋼板が取り付けられること
    を特徴とする請求項2又は4記載のコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体。
  8. 前記補剛部材は、H形部材、又は、鋼矢板とH形部材とを組み合わせたものが用いられて、隣り合う前記コンクリート矢板の連結箇所で対向して形成される接合面にH形部材のウェブ部が挟み込まれて、隣り合う前記コンクリート矢板の壁体直交方向で前記補剛部材と反対側となる正面側にH形部材のフランジ部が設けられること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載のコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体。
  9. 隣り合う前記コンクリート矢板と前記係止部材との間の間隙、隣り合う前記コンクリート矢板と前記補剛部材との間の間隙、及び、前記嵌合溝の内側の何れか1箇所以上に、吸水して膨張する膨潤性止水材が設けられること
    を特徴とする請求項2、4、又は7の何れか1項記載のコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体。
  10. 前記補剛部材は、前記コンクリート矢板の下端部よりも下方に向けて延びて設けられること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載のコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体。
  11. 前記鋼製部材は、4箇以上並べて設けられた前記コンクリート矢板に形成される連結箇所のうち全部の連結箇所に設けられて、又は、一部の連結箇所のみに間隔を空けて設けられること
    を特徴とする請求項1〜1の何れか1項記載のコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体。
  12. 前記前方係止部は、防食加工を施した鋼材又は高強度プラスティックが用いられて、隣り合う前記コンクリート矢板の壁体直交方向で前記補剛部材と反対側となる正面側に配置されること
    を特徴とする請求項3又は4記載のコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体。
  13. 前記後方係止部は、隣り合う前記コンクリート矢板の壁体直交方向で前記補剛部材が設けられる背面側で、前記コンクリート矢板に取り付けられた離脱防止材に挟み込まれること
    を特徴とする請求項3又は4記載のコンクリート矢板と鋼製部材とを備える壁体。
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