JP2002210757A - 表皮付き発泡成形品の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 凹部１ａが表面に形成されたコア１に、凹部
１ａの周壁部１ｂ内面に接するシール部２ｂを周縁に有
する表皮２を装着し、凹部１ａ内で液状発泡原料を発泡
させて表皮付き発泡成形品を製造する方法において、コ
アに対する表皮の装着作業性を向上させると共に、発泡
原料の漏れを防止できるようにする。 【解決手段】 表皮２として、シール部２ｂの肉厚を表
皮本体部分２ａより厚くしたものを用いる。シール部２
ｂの剛性が高められ、シール部２ｂの倒れやよじれが生
じにくくなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用インスト
ルメントパネル等の表皮付き発泡成形品の製造方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、特開平１１−１５１７２６号公報
により、凹部が表面に形成されたコアに、凹部の周壁部
内面に接するシール部を意匠面となる表皮本体部分の周
縁に有する表皮を前記凹部を覆うように装着し、凹部内
で液状発泡原料を発泡させて表皮付き発泡成形品を製造
する方法が知られている。尚、表皮は、一般に、パウダ
ースラッシュ法で成形されており、表皮本体部分から周
縁のシール部に亘って均等な肉厚になっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、表皮本体部
分は、発泡層による柔らかな触感を損わないように薄く
形成する必要がある。そして、パウダースラッシュ法で
成形された表皮を用いる従来の方法では、表皮の周縁の
シール部が表皮本体部分と同様に薄くなるため、表皮を
コアに装着する際、シール部の剛性不足でその倒れやよ
じれを生じ易くなる。その結果、表皮の装着作業に手間
がかかり、また、発泡時に凹部の周壁部内面とシール部
との間から発泡原料が漏れ出てバリを生じ易く、後工程
でのバリ取りが必要になる。

【０００４】本発明は、以上の点に鑑み、表皮の装着作
業性を向上させると共に発泡原料の漏れも防止できるよ
うにした表皮付き発泡成形品の製造方法を提供すること
を課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明は、凹部が表面に形成されたコアに、前記凹部の
周壁部内面に接するシール部を意匠面となる表皮本体部
分の周縁に有する表皮を前記凹部を覆うように装着し、
前記凹部内で液状発泡原料を発泡させて表皮付き発泡成
形品を製造する方法において、表皮として、前記シール
部の肉厚を表皮本体部分より厚くしたものを用いてい
る。

【０００６】本発明によれば、表皮の周縁のシール部の
剛性が高められて、シール部の倒れやよじれが生じにく
くなる。そのため、コアに対する表皮の装着作業が容易
になり、更に、凹部の周壁部内面とシール部との間のシ
ール性も確保され、発泡原料の漏れによるバリの発生が
防止される。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１を参照して、１は樹脂等で成
形されたコアである。コア１の表面には凹部１ａが形成
されており、コア１に凹部１ａを覆うように表皮２を装
着し、この状態でコア１と表皮２とを発泡成形型１０に
セットした後、凹部１ａ内でウレタン系等の液状発泡原
料を発泡させて、コア１と発泡層３と表皮２とから成る
３層構造の表皮付き発泡成形品を製造する。

【０００８】これを詳述するに、表皮２は、意匠面とな
る表皮本体部分２ａと、その周縁のシール部２ｂとを有
しており、表皮２をコア１に装着する際、シール部２ｂ
を凹部１ａに押し込んで、凹部１ａの周壁部１ｂ内面に
シール部２ｂを接触させる。そして、下型１１と上型１
２とから成る発泡成形型１０の下型１１に表皮２を装着
したコア１をセットし、次に上型１２を型締めして表皮
２を上方から押え、この状態で下型１１に設けた注入通
路１３を介してコア１の凹部１ａ内に液状発泡原料を注
入して発泡させる。ここで、凹部１ａの周壁部１ｂ内面
はオーバーハング形状に形成されており、発泡原料の発
泡時にシール部２ｂが発泡圧で凹部１ａの周壁部１ｂ内
面に圧着して、コア１に対し表皮２が強固に結合され
る。

【０００９】ところで、表皮本体部分２ａは、発泡層３
による柔らかな触感を損うことがないように薄く形成さ
れているが、シール部２ｂは、その剛性を高めるため、
表皮本体部分２ａよりも厚く形成されている。そのた
め、シール部２ｂの倒れやよじれが生じにくくなり、コ
ア１に対する表皮２の装着作業が容易になると共に、凹
部１ａの周壁部１ｂ内面とシール部２ｂとの間のシール
性も良好になり、発泡原料の漏れによるバリの発生が防
止される。

【００１０】尚、このような表皮２は、転写型に表皮材
料を吹き付けるスプレー法で簡単に製造することができ
る。即ち、シール部２ｂになる部分で表皮材料をより多
量に吹き付けることにより、シール部２ｂの肉厚を表皮
本体部分２ａより厚くすることができる。また、シール
部２ｂの肉厚は表皮本体部分２ａの肉厚の１．２倍程度
あれば良い。

【００１１】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、コアに対する表皮の装着作業が容易になると
共に、発泡原料の漏れによるバリの発生が防止されて、
後工程でのバリ取りも不要になり、生産性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による表皮付き発泡成形品の製造工程
を示す要部の拡大断面図

【符号の説明】 １ コア １ａ 凹部 １ｂ 周壁部 ２ 表皮 ２ａ 表皮本体部分 ２ｂ シール部 ３ 発泡層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 凹部が表面に形成されたコアに、前記凹
   部の周壁部内面に接するシール部を意匠面となる表皮本
   体部分の周縁に有する表皮を前記凹部を覆うように装着
   し、前記凹部内で液状発泡原料を発泡させて表皮付き発
   泡成形品を製造する方法において、 表皮として、前記シール部の肉厚を表皮本体部分より厚
   くしたものを用いる、 ことを特徴とする表皮付き発泡成形品の製造方法。