JP2000102934A - 発泡成形品の製造方法 - Google Patents

発泡成形品の製造方法

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JP2000102934A JP10275555A JP27555598A JP2000102934A JP 2000102934 A JP2000102934 A JP 2000102934A JP 10275555 A JP10275555 A JP 10275555A JP 27555598 A JP27555598 A JP 27555598A JP 2000102934 A JP2000102934 A JP 2000102934A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開口部形成予定部周辺にエア溜まりが発生す
るのを簡単かつ確実に防止して、良好な発泡成形品を得
る製造方法を提供する。 【解決手段】 コア40を上型の型面22に配置し、表
皮30を下型の型面12に配置し、前記表皮30とコア
40間に発泡原料Pを注入し、該発泡原料Pを反応させ
ながら前記表皮30とコア40間で流動させて充満させ
ることにより、表皮およびコアと一体になった発泡体を
形成する発泡成形品の製造方法において、前記コア40
の開口部45のフィルムFが位置する型面または表皮3
0の凹部35が位置する型面のいずれか一方または両方
に突部25を設け、前記型面の突部25によりコア40
の開口部45のフィルムFと表皮30の凹部裏面36を
前記発泡原料Pの流動方向下流側が開いた環形状に密着
させて前記発泡原料Pの流動充満を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表皮とコア間に
発泡体を設けた発泡成形品の製造方法に関し、特には開
口部形成予定部と対応する表皮の部分が凹部にされた発
泡成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の内装部品などには、コアと表皮
間に発泡体を設けた発泡成形品が多用されている。この
発泡成形品の簡易な製造方法として、表皮とコアとをそ
れぞれ発泡成形型の型内に配置し、前記表皮とコア間で
ポリウレタン等の液状発泡原料を発泡させて、発泡体を
コアおよび表皮と一体に形成する、いわゆる表皮一体発
泡成形法がある。
【0003】また、図10に示すような自動車のインス
トルメントパネル50などには、前記表皮一体発泡成形
によって得られた発泡成形品の所定部を切除して他の部
品を装着するための開口部51を形成したものが用いら
れている。図11は開口部形成前の発泡成形品の製造時
を示す発泡成形型60の部分断面図である。この製造
時、まず表皮70とコア75を発泡成形型60の下型6
1の型面62と上型65の型面66に配置し、次いで表
皮70とコア75間にポリウレタン原料等からなる液状
発泡原料80を注入し、発泡させることにより表皮70
およびコア75と一体になった発泡体を形成する。その
後成形品を脱型して所望の発泡成形品を得、その発泡成
形品に対して所定部の切除を行い、開口部51を形成す
る。
【0004】ところで、前記コア75は硬質プラスチッ
ク等の硬い材質で構成されるため、開口部形成時の切除
作業が容易ではないことがある。そこで、図示の例のよ
うにコア75には予め発泡成形品の開口部形成予定部と
対応する位置に開口部76を形成し、該コア75の開口
部76を発泡原料漏出防止用のフィルムFで覆って塞い
でおくこともある。
【0005】また、前記表皮70は、切除によって形成
される表皮の開口部周縁の切り口が露出して外観を損な
うのを防ぐため、および表皮70とともに切除される発
泡体の量を減らして無駄を少なくするため等の理由か
ら、予め前記コア75の開口部76と対応する表皮表面
71に凹部72を表皮70の裏側へ突出させて形成して
おき、該凹部72の奥が切除位置となるようにされると
ともに、該凹部72とコア75の開口部76のフィルム
F間に形成される発泡体部分が他部よりも薄くなるよう
にされている。通常、前記切除される発泡体部分の厚み
は、他の一般部における発泡体の厚み10〜15mmに
対し、薄肉の5mm程度に形成される。
【0006】しかしながら、前記のような製造方法によ
って得られた発泡成形品は、図10のインストルメント
パネル50のように、開口部51付近の発泡体にエア溜
り53が発生し易かった。このエア溜まり53によっ
て、発泡成形品の感触や外観が損なわれるため、修正工
数が増加したり、修正できない場合には発泡成形品が不
良品となる問題がある。
【0007】図12ないし図15は、前記エア溜まり5
3の発生過程を説明するために、図11の2−2線で発
泡成形型を切断して示す概略断面図である。前記表皮7
0とコア75間に注入された発泡原料80は、発泡して
粘度を増大させながら流動し、前記表皮70の凹部72
裏側とコア75の開口部76のフィルムF間を通って表
皮70とコア75間に充満する。その際、前記表皮70
の凹部72裏側とコア75の開口部76のフィルム間で
は、他の部分よりも間隔が狭くなっているため、図13
のように、前記発泡原料80は、当該凹部72裏側と開
口部76のフィルムF間を通る発泡原料81が、その両
側の発泡原料82,82よりも流れが悪くなって、両側
の発泡原料82,82よりも遅れるようになる。そし
て、流れの遅い発泡原料81の両側を流れる速い発泡原
料82,82が、遅い発泡原料81の前方(発泡原料8
0の下流前方)に回り込んで、図14及び図15に示す
ように、エアAを包み込んだ状態となり、その状態で発
泡原料80がさらに発泡流動して表皮70とコア75間
に充満する。前記発泡原料80によって包み込まれたエ
アAは、発泡原料80の発泡反応進行によって増大する
発泡体内の圧力で圧縮されて小さくなることはあっても
逃げ場がないため消失せず、前記発泡成形品50の発泡
体内にエア溜まり53となって残存する。
【0008】なお、前記表皮70の凹部72の位置に発
泡原料80を注入し、前記凹部72の位置から発泡原料
80が周囲に流動するようにして前記エア溜まり53の
発生を防ぐことも考えられるが、次の理由から現実的な
方法とは言いがたかった。すなわち、インストルメント
パネル等にあっては、開口部(表皮の凹部)が成形品の
両端付近に設定されることが多く、しかも成形品が大型
とされる。したがって、発泡成形型を開けて発泡原料の
注入を行うオープン注入においては、通常では発泡原料
の均一な充填が可能となるよう、発泡成形型内の中央位
置で発泡原料の注入が行われるが、それに加えて、両端
の表皮の凹部位置でも注入を行わねばならず、発泡原料
注入装置の注入ヘッドの移動等に余分な時間が必要とな
って、発泡原料の注入中に発泡原料の反応が始まり、閉
型が間に合わなくなることがある。
【0009】他方、発泡成形型の上型の一箇所に原料注
入口を形成しておいて、発泡成形型を閉じた状態で前記
原料注入口から発泡原料の注入を行うクローズド注入に
おいては、前記表皮の凹部位置に合わせて発泡成形型の
端に注入口を形成し、その端の注入口を介して発泡原料
の注入を行うようにしなければならず、注入された発泡
原料が型内に均一に充満しにくい問題がある。さらに、
前記表皮の凹部が複数箇所設けられる場合には、表皮の
凹部位置に合わせて注入口を複数個所設けねばならず、
各注入口と対応する複数の注入ヘッドを用意するのは設
備上現実的ではなく、また、一つの注入ヘッドで複数箇
所の注入口に対応するのも、作業が煩雑となり、しかも
注入完了前に発泡原料の発泡反応が始まって未だ注入前
の注入口から発泡原料が溢れたりするため、実現不可能
である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明は前記の点に
鑑みなされたもので、開口部形成予定部の周辺にエア溜
まりが発生するのを簡単かつ確実に防止して、エア溜ま
りによる外観および物性低下の無い良好な発泡成形品を
得る製造方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
開口部がフィルムで塞がれたコアを発泡成形型の一方の
型面に配置し、前記コアの開口部と対応する表皮表面に
凹部が表皮裏側へ突出して形成された表皮を当該表皮の
裏面が前記コアと対向するように発泡成形型の他方の型
面に配置し、前記表皮とコア間に発泡原料を注入し、該
発泡原料を反応させながら前記表皮とコア間で流動させ
て表皮とコア間に充満させることにより、前記表皮とコ
アと一体になった発泡体を形成する発泡成形品の製造方
法において、前記コアの開口部のフィルムが位置する型
面または表皮の凹部が位置する型面のいずれか一方また
は両方に突部を設け、前記型面の突部によりコアの開口
部のフィルムと表皮の凹部裏面を前記発泡原料の流動方
向下流側が開いた環形状に密着させて前記発泡原料の流
動充満を行うことを特徴とする。
【0012】また、請求項2の発明は、開口用切除予定
部を有するコアを発泡成形型の一方の型面に配置し、前
記コアの開口用切除予定部と対応する表皮表面に凹部が
表皮裏側へ突出して形成された表皮を当該表皮の裏面が
前記コアと対向するように発泡成形型の他方の型面に配
置し、前記表皮とコア間に発泡原料を注入し、該発泡原
料を反応させながら前記表皮とコア間で流動させて表皮
とコア間に充満させることにより、前記表皮とコアと一
体になった発泡体を形成する発泡成形品の製造方法にお
いて、前記コアの開口用切除予定部にまたは表皮の凹部
が位置する型面にあるいは前記開口用切除予定部と凹部
が配置される型面との両方に突部を設け、前記突部によ
りコアの開口用切除予定部と表皮の凹部裏面を前記発泡
原料の流動方向下流側が開いた環形状に密着させて前記
発泡原料の流動充満を行うことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下添付の図面に従ってこの発明
を詳細に説明する。図1は請求項1の発明の一実施例に
係る発泡成形型の要部を示す断面図、図2は図1の1−
1線における発泡原料の流れを示す概略断面図、図3は
同じく発泡原料が突部に当たった状態を示す概略断面
図、図4は同じく流動する発泡原料が突部前方で合流し
た状態を示す概略断面図、図5は同じく流動する発泡原
料が突部の内部に侵入した状態を示す概略断面図、図6
は請求項1の発明に係る他の実施例を示す断面図、図7
は突部の例を示す断面図、図8は請求項2の発明の一実
施例に係る発泡成形型の要部を示す断面図、図9は請求
項2の発明の製造方法に係る他の実施例を示す断面図で
ある。
【0014】図1に示す発泡成形型10は、従来技術の
項で説明したような開口部を長手方向両端付近に有する
インストルメントパネル等に用いられる発泡成形品を成
形するためのもので、下型11と上型21を備え、前記
下型11と上型21とによって形成される成形品キャビ
ティCを有する。
【0015】前記下型11は、表皮30が配置される型
面12を有する。この型面12は、発泡成形品の表面形
状に対応する形状からなり、後記する表皮30の凹部3
5と対応する下型11の両端付近には、支持凸部15が
形成されている。この支持凸部15は、表皮30の凹部
35を支持するためのもので、表皮30の凹部35が嵌
る形状にされている。なお、下型11は成形品形状が複
雑な場合等、必要に応じて割型構造とされることもあ
る。
【0016】前記上型21は、コア40が適宜クリップ
等(図示せず)で脱着可能に取り付けられる型面22を
有する。この実施例の型面22には、後記するコア40
の開口部45と対応する上型21の両端付近に突部25
が形成されている。この突部25は、発泡成形品の成形
時に発泡成形型10内中央部に注入された発泡原料Pの
流動方向に対して下流側となる発泡成形型10の両端を
向く一側が開口26した環状の堤防形状からなるもの
で、前記開口26を介して突部25外と通じる空間Sを
包囲形成している。また、この突部25の外形はコア4
0の開口部45よりもやや小さく、かつ高さがコア40
の開口部45の厚みより大きくされていて、上型21の
型面22にコア40を配置して閉型した際に、該突部2
5下端と接触するコア40の開口部45のフィルムFを
下型11方向へ押し出して、下型型面12に配置されて
いる表皮30の凹部35裏面にフイルムFを略突部25
下端形状に密着させることができるように設計されてい
る。前記開口26の開き程度は、発泡原料Pが発泡時に
開口26を通って突部25内の空間Sへ侵入可能となる
ように設定され、発泡原料Pの粘度やコア40の開口部
45の大きさ等に応じて最適寸法が決定される。この例
の突部25は、厚み(幅)10mm、高さ(下型方向へ
の突出量)10mm、開口26の開き20mmである。
【0017】また、前記上型型面22の突部25で包囲
される部分には、上型21外面に通じるエア抜き穴27
を形成するのが好ましい。なお、前記突部25は、前記
表皮30の凹部裏面36の縁に沿った形状が好ましく、
本実施例のような平面形状が略コの字状のものの他、表
皮30の凹部35形状に合わせて、図7(B),(C)
に示す突部25B,25Cのような、一部切り欠かれた
円形状のものや、楕円形状のものでもよい。図におい
て、符号26A,26B,26Cは開口を示す。
【0018】前記コア40は、発泡成形品の形状維持や
強度向上あるいは取り付け等のためのもので、ABS樹
脂やガラス繊維強化ポリプロピレン等、剛性のあるプラ
スチックや金属板からなるもので、予め発泡成形品の開
口部形成予定部に開口部45が形成され、この開口部4
5を覆って塞ぐフィルムFがコア40の内面(表皮と対
向する面)に貼着される。このフィルムFは、発泡成形
品の成形時に発泡原料Pが前記コア40の開口部45か
ら漏出するのを防ぐためのもので、ポリエチレンフィル
ム等の公知のフィルムが用いられる。その他、連通気孔
からなる公知の軟質ウレタンスラブフォームなどの通気
性発泡体をシート状にした物も、このフィルムFの好適
な実施例として使用される。また、前記フィルムFは、
そのフィルムFが取り付けられるコア40の開口部45
周囲のコア40内面と表皮30裏面との間隔などに応じ
て、適宜の厚みや伸び率を有するものが考慮して選択さ
れる。
【0019】前記表皮30は、発泡成形品10の外面を
構成するもので、塩化ビニル樹脂、熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等から
なり、パウダースラッシュ成形や真空成形等によって成
形品形状に形成されたものが用いられる。この表皮30
の表面31には、前記コア40の開口部45に対応する
位置に凹部35が表皮裏面36へ突出して形成されてい
る。この凹部35の深さ(コア40方向への突出量)
は、発泡成形品の用途や形状等によって、適宜決定され
るが、この実施例では8mmである。
【0020】次に、前記発泡成形型10を用いて行う請
求項1の発明の発泡成形品の製造例について図1ないし
図5を用いて説明する。なお、図2ないし図5において
は、前記フィルムFを省略して示す。まず、図1のよう
に、表皮30を下型11の型面12にその表皮裏面36
が上側を向き、かつ前記凹部35が型面12の支持凸部
15に嵌まるように配置し、一方上型21の型面22に
は前記コア40を配置する。このとき、前記上型21の
突部25が、コアの開口部45より突出し、前記フィル
ムFを該突部25下端と接触する部分で下型11方向へ
押し曲げる。次いで、発泡成形型10の両端間略中央位
置の表皮30とコア40間に発泡原料Pを注入して下型
11と上型21を閉型する。これによって、前記上型型
面22の突部25で押されたフィルムFの部分が、下型
型面12の表皮30の凹部裏面36と密着する。なお、
前記発泡原料Pの注入をクローズド注入で行う場合に
は、前記上型21の略中央位置に原料注入口(図示せ
ず)を形成し、その原料注入口を介して発泡原料の注入
を行う。
【0021】前記表皮30とコア40間に注入された発
泡原料Pは、図2および図3に示すように、発泡原料P
がキャビティCの表皮30とコア40間で発泡して表皮
30とコア40間を発泡成形型10の両端方向へ流動
し、発泡原料Pの体積および粘度を増しながら前記表皮
30の凹部裏面36とコア40の開口部45のフィルム
F間に接近する。このとき、前記突部25が発泡原料P
の上流方向で閉じているため、前記突部25によって押
されたフィルムFと表皮30の凹部裏面36との密着部
Gも発泡原料Pの流動方向上流側で閉じた状態となって
いる。そのため、発泡原料Pの上流側から流動してきて
フィルムFと表皮30の凹部裏面36との密着部Gに突
き当たった発泡原料Pは、前記突部25で包囲された空
間S内に侵入することなく、前記表皮30の凹部35と
フィルムFとの密着部Gの両側へ分かれて発泡成形型1
0の両端方向へ流動する。
【0022】前記フィルムFと表皮30の凹部裏面36
との密着部Gで両側へ分かれて発泡成形型10の両端方
向へさらに流動した発泡原料P1,P1は、図4に示す
ように、前記フィルムFと表皮30の凹部裏面36との
密着部G前方へ回り込んで再び合流する。このときその
合流部と前記密着部G間で多少のエアAが包囲される。
そして、発泡原料Pがさらに流動し、発泡して発泡成形
型10の両端まで到達すると、発泡原料Pの発泡による
発泡成形型10内の圧力増大によって、図5のように、
前記フィルムFと表皮30の凹部裏面密着部G付近の発
泡原料P2は、前記突部25の開口26によって発泡成
形型10の端部方向に向かって開いているフィルムFと
表皮30間の開口26aを通って、前記突部25で包囲
されたフィルムFと表皮30間の空間S内に侵入し、そ
れとともに前記合流部と密着部G間に存在していた気泡
Aが空間S内に導入される。その際、前記エア抜き穴2
7を該突部25で包囲された上型型面22に設けておけ
ば、前記空間S内への発泡原料Pの侵入及びエアAの導
入時に、その侵入および導入によるフィルムFの変形に
応じてフィルムFと上型型面22間の空気を上型外部へ
逃がすことができるので、前記フィルムFの変形が容易
になって前記空間S内への発泡原料Pの侵入及びエアA
の導入がよりスムーズになる。
【0023】その後、発泡成形型10を開いて、成形品
を取り出せば、前記表皮30とコア40間に発泡体が一
体に形成された所望の発泡成形品が得られる。このよう
にして得られた発泡成形品は、開口部形成予定部におけ
る表皮30の凹部裏面36とコア40の開口部45のフ
ィルムF間にエアAが閉じ込められた状態となるため、
発泡成形品の外観不良等を生じることがない。しかも、
前記エアAが閉じ込められた部分は、その後切除される
部分であるため、残った製品にとって何ら問題を生じる
ことがない。
【0024】なお、前記実施例においては突部25を上
型型面22に設けたが、図6に示す成形型100のよう
に、下型110に突部180を設けて表皮30の凹部3
5を延伸させて上型210のコア開口部45のフィルム
Fに密着するようにしたり、あるいは前記下型110の
表皮30の凹部35が配置される型面120と上型21
0の対応する型面220に所定高さの突部をそれぞれ設
けて(図示せず)、下型110と上型210間の中間位
置で前記フィルムFと表皮30とを密着させてもよい。
また、前記図6の実施例において、表皮30の凹部35
には予め前記下型110の突部180の形状に応じた第
二凹部35aを賦形しておき、表皮30を下型110に
配置した際、下型110の突部180が第二凹部35a
に嵌まって、その第二凹部35aの裏面がフィルムFと
密着するようにしてもよい。もちろん、前記第二凹部3
5aは、前記突部を下型110と上型210の両方に設
ける場合に適用してもよい。図において、270はエア
抜き穴を示し、また、前記実施例と同一の符号は同一の
部材、部分を表す。
【0025】次に、請求項2の発明の実施例について説
明する。請求項2の発明は、使用するコアに予め前記開
口部が形成されてなく、その開口部に代えて開口用切除
予定部が設けられ、そのコアの開口用切除予定部に、ま
たは表皮の凹部が配置される型面に、あるいはその両方
に、表皮の凹部裏面とコアの開口用切除予定部を所定の
環形状に密着させる突部が形成されている点で、請求項
1の発明と相違する。従って、この請求項2の発明の実
施によって製造された発泡成形品は、脱型後の開口部形
成時に、表皮の凹部とともにコアの開口用切除予定部も
切除される。
【0026】図8は請求項2の発明の一実施例における
発泡成形型101の要部を示す断面図である。使用する
成形型101は、下型111と上型211とよりなり、
下型111の型面121には請求項1の発明の実施例と
同じ表皮30が配置され、上型211の型面221に
は、次に示すコア401が配置される。符号151は表
皮30の凹部35が嵌まる支持凸部である。
【0027】コア401は、硬質プラスチック等からな
るもので、所定部が開口用切除予定部461となってい
て、表皮30の凹部35裏面と対向する面に突部481
が形成されている。このコア401の開口用切除予定部
461は、発泡成形品の成形後切除される部分で、前記
表皮30の凹部35と対応する位置に存在する。なお、
この例では、開口用切除予定部461はその周囲と連続
して形成され、周囲と区別する境界線等は存在しない
が、開口用切除予定部461の範囲を明確にする等のた
め、開口用切除予定部461を表皮側へ突出した段部等
(図示せず)で構成してもよい。
【0028】前記コア401の突部481は、前記請求
項1の実施例で説明した突部25A,25B,25Cと
同様、発泡原料Pの下流側が開口した環形状からなり、
閉型時に表皮30の凹部35裏面36と突部481下端
が密着し、その突部481で包囲された空間Sを表皮の
凹部裏面36とコア401の開口用切除予定部461間
に、発泡原料Pの下流側が開口482となった状態で形
成する。
【0029】この実施例においても、請求項1の発明の
実施例と同様に、下型111の表皮30と上型211の
コア401との間に発泡原料Pを注入し、前記コア40
1の開口用切除予定部461の突部481と表皮30の
凹部35裏面36が密着した状態で発泡成形を行うこと
により、発泡原料P内に閉じ込められた気泡を、前記突
部481で包囲された空間S内に導入することができ、
請求項1の発明と同様の効果が得られる。
【0030】図9は請求項2の発明に係る他の実施例に
おける発泡成形型102の要部を示す断面図である。こ
の例では、開口用切除予定部462を有するコア402
に突部を設けるのに代えて、下型112の型面122に
おける表皮30の凹部35が配置される位置に、図6に
示した請求項1の発明の実施例における下型110の突
部180と略同様の形状からなる突部182を設け、閉
型時にその突部182で表皮30の凹部35を押してコ
ア402の開口用切除予定部462に密着させ、表皮3
0の凹部35裏面36とコア402の開口用切除予定部
462の間に前記突部182で包囲された空間Sを、発
泡原料下流側が開口183となった状態で形成するもの
で、その他は、図8に示した実施例及び請求項1の発明
の実施例と同様である。符号212は上型、222は上
型の型面、152は支持凸部である。
【0031】また、図9に示した実施例において、表皮
30の凹部35には、予め下型112の突部182と対
応する第二凹部35aを賦形しておき、表皮30を下型
型面122に配置する際に、前記第二凹部35aに下型
112の突部182を嵌めるようにすれば、閉型時に表
皮30の凹部35が強引に伸ばされず、その強引な伸び
によって表皮30が下型型面122に対して部分的に位
置ずれするおそれもなくなり、表皮30を正確に型面1
22に配置でき、より良好な発泡成形品が得られるよう
になる。
【0032】さらに、請求項2の発明においても、下型
型面の表皮の凹部が配置される部分と、コアの開口用切
除予定部の両方に前記環形状の突部を設けて、閉型時に
下型と上型との中間位置で突部同士を表皮の凹部を介し
て密着させ、その突部で包囲される隙間を、発泡原料下
流側に開口の開いた状態で表皮の凹部裏面とコアの開口
用切除予定部間に形成してもよい。
【0033】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明の
発泡成形品の製造方法によれば、発泡成形時、開口部形
成予定部におけるコアと表皮の凹部とを発泡原料の流動
方向下流側が開いた環形状に密着させて発泡原料の流動
充満を行うため、発泡成形型内における発泡原料の流動
充満がスムーズになり、しかもエア溜まりを生じさせる
エアを、その後の開口形成時に除去される表皮の凹部と
コア間へ誘導してエア溜まりによる不具合を減少させる
ことができるので、従来必要とされたエア溜まりの修正
にかかる手間やコストを低減すると共に、良質な発泡成
形品を簡単かつ経済的に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例に係る発泡成形型の
要部を示す断面図である。
【図2】図1の1−1線における発泡原料の流れを示す
概略断面図である。
【図3】発泡原料が突部に当たった状態を示す概略断面
図である。
【図4】流動する発泡原料が突部前方で合流した状態を
示す概略断面図である。
【図5】流動する発泡原料が突部の内部に浸入した状態
を示す概略断面図である。
【図6】請求項1の発明に係る他の実施例における発泡
成形型の要部断面図である。
【図7】突部の例を示す断面図である。
【図8】請求項2の発明の一実施例に係る発泡成形型の
要部断面図である。
【図9】請求項2の発明に係る他の実施例における発泡
成形型の要部断面図である。
【図10】一般的なインストルメントパネルの一例を示
す斜視図である。
【図11】従来の開口部を有する発泡成形品の製造方法
の一例を示す断面図である。
【図12】図11の成形型内における発泡原料の流れを
示す概略断面図である。
【図13】発泡原料が表皮の凹部裏側を通過する状態を
示す概略断面図である。
【図14】発泡原料がエアを巻き込んだ状態を示す概略
断面図である。
【図15】発泡原料がエアの巻き込み後発泡を続ける状
態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10 発泡成形型 11 下型 12 下型型面 15 支持凸部 21 上型 22 上型型面 30 表皮 35 凹部 40 コア 45 コア開口部 C キャビティ F フィルム P 発泡原料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渥美 和彦 愛知県安城市今池町3−1−36 株式会社 イノアックコーポレーション安城事業所内 Fターム(参考) 4F204 AA42 AD05 AD35 AG03 AG20 AG28 AH25 AH26 AM32 EA01 EB01 EB11 EB13 EF01 EF23 EK19 EK24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部がフィルムで塞がれたコアを発泡
    成形型の一方の型面に配置し、前記コアの開口部と対応
    する表皮表面に凹部が表皮裏側へ突出して形成された表
    皮を当該表皮の裏面が前記コアと対向するように発泡成
    形型の他方の型面に配置し、前記表皮とコア間に発泡原
    料を注入し、該発泡原料を反応させながら前記表皮とコ
    ア間で流動させて表皮とコア間に充満させることによ
    り、前記表皮とコアと一体になった発泡体を形成する発
    泡成形品の製造方法において、 前記コアの開口部のフィルムが位置する型面または表皮
    の凹部が位置する型面のいずれか一方または両方に突部
    を設け、前記型面の突部によりコアの開口部のフィルム
    と表皮の凹部裏面を前記発泡原料の流動方向下流側が開
    いた環形状に密着させて前記発泡原料の流動充満を行う
    ことを特徴とする発泡成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 開口用切除予定部を有するコアを発泡成
    形型の一方の型面に配置し、前記コアの開口用切除予定
    部と対応する表皮表面に凹部が表皮裏側へ突出して形成
    された表皮を当該表皮の裏面が前記コアと対向するよう
    に発泡成形型の他方の型面に配置し、前記表皮とコア間
    に発泡原料を注入し、該発泡原料を反応させながら前記
    表皮とコア間で流動させて表皮とコア間に充満させるこ
    とにより、前記表皮とコアと一体になった発泡体を形成
    する発泡成形品の製造方法において、 前記コアの開口用切除予定部にまたは表皮の凹部が位置
    する型面にあるいは前記開口用切除予定部と凹部が位置
    する型面との両方に突部を設け、前記突部によりコアの
    開口用切除予定部と表皮の凹部裏面を前記発泡原料の流
    動方向下流側が開いた環形状に密着させて前記発泡原料
    の流動充満を行うことを特徴とする発泡成形品の製造方
    法。
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