JP5953605B2 - 発泡成形品およびその製造方法 - Google Patents
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Description
請求項2に記載された発明は、上記において、前記端部壁が、前記表皮材の他の部分よりも厚肉に構成されたことを特徴とする。
請求項3に記載された発明は、上記において、前記シール用凹部の外壁面と前記シール用挿入部との間に、発泡層を成形する際に発生するガスを収容可能なガスダクトを設けたことを特徴とする。
請求項4に記載された発明は、上記において、発泡成形型にセットされた芯材と表皮材との間に、発泡層の原料となる発泡液を注入することにより、芯材と表皮材とが発泡層によって一体化された発泡成形品を製造する発泡成形品の製造方法において、表皮材の端末部分に、芯材の端末部分へ向かって延びる端部壁を設けて、該端部壁の先端部に設けたシール用挿入部を、芯材の端末部分に設けられたシール用凹部に対し隙間を有して嵌合させ、それと同時に、前記シール用挿入部の内面側に、シール用凹部の延設方向に対し間隔を有して複数設けた強制嵌合用張出部を、前記隙間へ強制嵌合することで、シール用挿入部の外面をシール用凹部の外壁面に対し圧接させて、表皮材の端末部分と、芯材の端末部分との間のシールを行わせることを特徴とする。
請求項5に記載された発明は、上記において、前記シール用凹部の外壁面と前記シール用挿入部との間に設けたガスダクトに、発泡層を成形する際に発生したガスを収容させることを特徴とする。
また、嵌合時に、表皮材や端部壁に作用する力が、全体としては弱くなるので、例えば、嵌合不良が生じたり、無理な力が加わることによって表皮材にシワが寄ったりするなどの不具合を低減することができる。また、嵌合力とシール性とのバランスを最適化することができるので、必要なシール性を確保することも可能となる。
請求項2に記載された発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、端部壁が、表皮材の他の部分よりも厚肉に構成されたことにより、端部壁の形状保持性が増加するので、シール用挿入部をシール用凹部に部分的な強制嵌合を伴って嵌合する際に、端部壁が容易に変形されてしまうのを防止することができる。
また、端部壁が、表皮材の他の部分よりも厚肉に構成されたことにより、例えば、シール用挿入部がシール用凹部の外壁面(外側シール面)から離れてシール状態が容易に解除されてしまわないように、端部壁およびシール用挿入部を形状保持させることができる。
請求項3に記載された発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、シール用凹部の外壁面とシール用挿入部との間に設けたガスダクトによって、発泡層を成形する際に発生するガス(や発泡成形型に閉じこめられた空気)などをガスダクトへ収容することができるようになる。これにより、発泡成形型内にガス(や空気など)が残ることによって空隙部が発生するなどの不具合を防止することができるようになる。
請求項4に記載された発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、シール用挿入部の内面側に、シール用凹部の延設方向に対し間隔を有して複数設けた強制嵌合用張出部を、上記した隙間へ強制嵌合することで、シール用挿入部の外面をシール用凹部の外壁面に対し圧接させて、表皮材の端末部分と、芯材の端末部分との間のシールを行わせることにより、請求項1と同様の作用効果を得ることができる。
請求項5に記載された発明によれば、上記構成によって、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、シール用凹部の外壁面とシール用挿入部との間に設けたガスダクトに、発泡層を成形する際に発生したガスを収容させることにより、請求項3と同様の作用効果を得ることができる。
なお、以上の説明は、上記した従来例のものとほぼ同じである。
図1〜図4は、この実施例およびその変形例を示すものである。なお、図面の都合上、発泡成形型5の一部を省略している場合がある。
この実施例では、以上のような構成を前提として、以下のような構成を備えるようにしている。
図1(図2も併せて参照)に示すように、表皮材4の端末部分に、芯材2の端末部分へ向かって延びる端部壁41を設ける。
また、芯材2の端末部分に、芯材2の裏面側へ凹むシール用凹部42を設けると共に、上記端部壁41の先端部に、上記シール用凹部42に対し、隙間43を有して挿入可能なシール用挿入部44を設ける。
そして、このシール用挿入部44の内面側に、上記隙間43へ強制嵌合されることにより、シール用挿入部44の外面を上記シール用凹部42の外壁面45に対して圧接可能な強制嵌合用張出部46を設ける。
そして、この強制嵌合用張出部46が、図3(図4も併せて参照)に示すように、シール用凹部42の延設方向に対し間隔を有して複数備えられるようにする。
ここで、上記した「芯材2」は、硬質厚肉の樹脂によって構成される。芯材2は、例外的な部分を除き、全体としてほぼ均一の肉厚となるように形成される。芯材2の端末部分とは、芯材2の周縁部のことである。
上記した「表皮材4」は、軟質薄肉の樹脂によって構成される。表皮材4は、例外的な部分を除き、全体としてほぼ均一の肉厚となるように形成される。表皮材4の端末部分とは、表皮材4の周縁部のことである。
表皮材4は、一般に、パウダースラッシュ成形や真空成形などによって製造されている。
上記したパウダースラッシュ成形は、要するに、加熱した型に対して樹脂粉末を溶融付着させて成形を行うものであり、また、上記した真空成形は、要するに、加熱軟化した熱可塑性樹脂シートを、真空吸引して真空成形型に密着させることにより、熱可塑性樹脂シートを賦形するようにしたものである。パウダースラッシュ成形や真空成形は、均一肉厚の表皮材4を製造するのに適している。
また、表皮材4を、射出成形によって製造することも行われつつある。射出成形は、肉厚の異なる部分を有する表皮材4や、複雑形状の表皮材4などを製造するのに適している。但し、射出成形自体は一般的なものであるが、表皮材4は、軟質薄肉の(しかも大面積の)ものであるため、射出成形によって製造するのは難しく、通常の射出成形よりもはるかに高度の技術が必要になる。
この場合には、表皮材4は、射出成形によって製造するのが好ましい。
ここで、シール用挿入部44の外面およびシール用凹部42の外壁面45は、図中上下方向と水平方向との両方に対して有効な分力を発生することができるようにするために、上下方向に対して30°〜45°程度の傾斜角度49を有するものとされている。
この「突条壁部39」は、下方へ延びる垂下壁とされる。この突条壁部39は、発泡液6が発泡してできるガスや泡状流動体の流れの一部を、一時的に停止させて、流動速度を抑えたり、流動量を規制したり、流動方向を調整したりするためのものである。この突条壁部39は、両面に所要の型抜き勾配を有する先細り形状のものとされる。この突条壁部39の突出長さは、発泡層3の厚み(発泡成形空間の高さ)の、約1/5〜1/2程度のものなどとされる。
上記端部壁41が、上記表皮材4の他の部分よりも厚肉に構成されるようにする(厚肉端部壁)。
ここで、上記した「表皮材4」は、例外的な部分を除き、全体がほぼ等しい肉厚に構成されている。そして、上記した「端部壁41」は、表皮材4の一般的な肉厚の2倍〜4倍程度の厚さに形成される。
上記シール用凹部42の外壁面45と上記シール用挿入部44との間に、発泡層3を成形する際に発生するガスを収容可能なガスダクト101を設けるようにしても良い。
ここで、上記した「ガスダクト101」は、上記した発泡液6が発泡してできるガスや発泡成形型5内に閉じこめられた空気などを収容したり逃がしたりするためのものである。
また、ガス通路102は、上記した強制嵌合用張出部46を避けた位置に設けるようにする。
発泡成形型5にセットされた芯材2と表皮材4との間に、発泡層3の原料となる発泡液6を注入することにより、芯材2と表皮材4とが発泡層3によって一体化された発泡成形品を製造する。
この際、表皮材4の端末部分に、芯材2の端末部分へ向かって延びる端部壁41を設けて、この端部壁41の先端部に設けたシール用挿入部44を、芯材2の端末部分に設けられたシール用凹部42に対し隙間43を有して嵌合させる。
それと同時に、上記シール用挿入部44の内面側に、シール用凹部42の延設方向に対し間隔を有して複数設けた強制嵌合用張出部46を、上記隙間43へ強制嵌合することで、シール用挿入部44の外面をシール用凹部42の外壁面45に対し圧接させて、表皮材4の端末部分と、芯材2の端末部分との間のシールを行わせるようにする。
上記したシールは、後述する型締工程で行われる。
更に、上記シール用凹部42の外壁面45と上記シール用挿入部44との間に設けたガスダクト101に、発泡層3を成形する際に発生したガスを収容させるようにする。
上記したガスダクト101によるガス抜きは、後述する発泡工程で行われる。
シール用挿入部44の内面側に、シール用挿入部44の外面を上記シール用凹部42の外壁面45に対して圧接可能な強制嵌合用張出部46を設け、この強制嵌合用張出部46が、シール用凹部42の延設方向に対し間隔を有して複数備えられるようにしたことにより、シール用凹部42の延設方向に対してシール用挿入部44が、所々で強制嵌合されるものとなるので、場所による強弱を付けることができ、例えば、シール用凹部42に対してシール用挿入部44を全域で強制嵌合するようにした場合と比べて、シール用凹部42に対してシール用挿入部44を嵌合し易くすることができる。
端部壁41が、表皮材4の他の部分よりも厚肉に構成されたことにより、端部壁41の形状保持性が増加するので、シール用挿入部44をシール用凹部42に部分的な強制嵌合を伴って嵌合する際に、端部壁41が容易に変形されてしまうのを防止することができる。
また、端部壁41が、表皮材4の他の部分よりも厚肉に構成されたことにより、例えば、シール用挿入部44がシール用凹部42の外壁面45(外側シール面)から離れてシール状態が容易に解除されてしまわないように、端部壁41およびシール用挿入部44を形状保持させることができる。
表皮材4の端末部分と、芯材2の端末部分との間に設けた少なくとも1つのシール部S1,S2によって、発泡層3のハミ出しを防止することができる。
また、ガス通路102を、ガスを通すと共に、発泡液6や泡状流動体を通さない大きさのものとすることにより、ガス通路102を介して発泡液6や泡状流動体が外部に漏れないようにすることができる。
シール用挿入部44の内面側に、シール用凹部42の延設方向に対し間隔を有して複数設けた強制嵌合用張出部46を、上記した隙間43へ強制嵌合することで、シール用挿入部44の外面をシール用凹部42の外壁面45に対し圧接させて、表皮材4の端末部分と、芯材2の端末部分との間のシールを行わせることにより、上記した(作用効果1)と同様の作用効果を得ることができる。
シール用凹部42の外壁面45とシール用挿入部44との間に設けたガスダクト101に、発泡層3を成形する際に発生したガスを収容させることにより、上記した(作用効果3)と同様の作用効果を得ることができる。
2 芯材
3 発泡層
4 表皮材
5 発泡成形型
6 発泡液
7 発泡雄型
8 発泡雌型
15 シール用凹部
16 強制嵌合用厚肉部
39 突条壁部
41 端部壁
42 シール用凹部
43 隙間
44 シール用挿入部
45 外壁面
46 強制嵌合用張出部
47 頂面
48 内壁面
49 傾斜角度
101 ガスダクト
102 ガス通路
103 外部連通孔
S1 シール部(第一)
S2 シール部(第二)
Claims (5)
- 芯材と表皮材とが発泡層によって一体化された発泡成形品において、
表皮材の端末部分に、芯材の端末部分へ向かって延びる端部壁を設け、
芯材の端末部分に、芯材の裏面側へ凹むシール用凹部を設けると共に、
前記端部壁の先端部に、前記シール用凹部に対し、隙間を有して挿入可能なシール用挿入部を設け、
該シール用挿入部の内面側に、前記隙間へ強制嵌合されることにより、シール用挿入部の外面を前記シール用凹部の外壁面に対して圧接可能な強制嵌合用張出部を設け、
該強制嵌合用張出部が、シール用凹部の延設方向に対し間隔を有して複数備えられたことを特徴とする発泡成形品。 - 前記端部壁が、前記表皮材の他の部分よりも厚肉に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の発泡成形品。
- 前記シール用凹部の外壁面と前記シール用挿入部との間に、発泡層を成形する際に発生するガスを収容可能なガスダクトを設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の発泡成形品。
- 発泡成形型にセットされた芯材と表皮材との間に、発泡層の原料となる発泡液を注入することにより、芯材と表皮材とが発泡層によって一体化された発泡成形品を製造する発泡成形品の製造方法において、
表皮材の端末部分に、芯材の端末部分へ向かって延びる端部壁を設けて、該端部壁の先端部に設けたシール用挿入部を、芯材の端末部分に設けられたシール用凹部に対し隙間を有して嵌合させ、それと同時に、
前記シール用挿入部の内面側に、シール用凹部の延設方向に対し間隔を有して複数設けた強制嵌合用張出部を、前記隙間へ強制嵌合することで、シール用挿入部の外面をシール用凹部の外壁面に対し圧接させて、表皮材の端末部分と、芯材の端末部分との間のシールを行わせることを特徴とする発泡成形品の製造方法。 - 前記シール用凹部の外壁面と前記シール用挿入部との間に設けたガスダクトに、発泡層を成形する際に発生したガスを収容させることを特徴とする請求項4に記載の発泡成形品の製造方法。
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