JPH08155975A - 内装材の製造方法 - Google Patents

内装材の製造方法

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JPH08155975A
JPH08155975A JP6307896A JP30789694A JPH08155975A JP H08155975 A JPH08155975 A JP H08155975A JP 6307896 A JP6307896 A JP 6307896A JP 30789694 A JP30789694 A JP 30789694A JP H08155975 A JPH08155975 A JP H08155975A
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製造サイクルの短縮化及び製造コストの低廉化
を実現するとともに、見切り部において、表皮材と基材
とを確実にシールし、かつ見栄えのよい内装材を製造可
能な製造方法を提供する。 【構成・作用】表皮材4のラップ部位4aを基材3に対
して対面させ、ウレタンフォーム原液を発泡させる。発
泡圧力によりラップ部位4aと基材3との間にウレタン
フォーム原液侵入させつつ、見切り部Eからの漏れを抑
制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のインストルメ
ントパネル(以下、単に「インパネ」という。)、ドア
トリム等のように、基材の一部に表皮材及び樹脂製成形
材料からなるパッドが一体的に固定された内装材を製造
するための製造方法に関する。この製造方法は特に内装
材の見切り部のシール構造に特徴を有する。
【0002】
【従来の技術】内装材、例えば自動車のインパネとし
て、図9に示すように、ポリプロピレン(PP)等から
なる基材90の一部にパッド91が一体的に固定された
ものが知られている。パッド91は、図9のX−X矢視
断面を示す図10に示すように、スラッシュ成形、真空
成形等により成形された塩化ビニール(PVC)等から
なる表皮材91aと、この表皮材91aの裏面に一体に
設けられたポリウレタンフォーム等からなる発泡層91
bとで構成されている。このパッド91は、金型のキャ
ビティに表皮材91aを配置し、この状態でウレタンフ
ォーム原液を注入し、ウレタンフォーム原液を発泡、固
化させることにより成形される。このとき、後述する組
付けのため、必要部分に離型材が塗布された締結部材9
2をインサートしておく。
【0003】こうして得られたパッド91は、基材90
との干渉域等にあるバリが除かれた後、基材90に締結
部材92を取り付けることにより、インパネとされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記製造方法
で内装材を製造する場合、例えば上記インパネを例にと
れば、表皮材91aの金型への配置、締結部材92への
離型材の塗布、締結部材92の金型へのインサート、ウ
レタンフォーム原液の注入、バリ取り、組付け等の複数
の工程を必要とする。このため、かかる内装材では、比
較的長い製造サイクルを必要とし、かつ比較的高い製造
コストを必要としていた。
【0005】このため、製造サイクルを短縮化し、かつ
製造コストを低廉化するため、図11に示す製造方法を
採用することも考えられる。上記インパネをこの製造方
法で製造する場合、まず上型80及び下型81からなる
金型を用意し、上型80のキャビティを形成する下端面
80aに基材90を対面させて配置するとともに、下型
81のキャビティを形成する上端面81a及び側面81
bに表皮材91aを対面させて配置する。このとき、見
切り部Eにおいて表皮材91aと基材90とがシールさ
れるように、表皮材91aの端部91eを外側に若干折
り曲げ、基材90に対面させておく。そして、表皮材9
1aの裏面と、基材90における下端面80aと対面す
る部位の裏面との間にウレタンフォーム原液を注入し、
ウレタンフォーム原液を発泡、固化させる。但し、基材
90がPP製であれば、ウレタンフォームとの接着性が
悪いため、予め基材90の裏面にプライマーや塗料を塗
布しておく。
【0006】かかる方法によれば、基材90とパッド9
1とが一体になったインパネを製造できるため、従来の
ような締結部材92への離型材の塗布、締結部材92の
インサートが不要となるとともに、組付けが簡易にな
る。しかしながら、かかる製造方法により得られたイン
パネでは、パッド91と基材90との見切り部Eでウレ
タンフォーム原液が漏れ、見栄えが悪いものとなってし
まう。すなわち、ウレタンフォーム原液は、発泡するに
従って表皮材91aの裏面と基材90との間に侵入す
る。侵入したウレタンフォーム原液が固化すれば見切り
部Eにおいて端部91eを基材90にシールすることは
できるものの、侵入長さが短ければ端部91eと基材9
0とのシールが十分でなく、逆に侵入長さが長ければ見
切り部Eで外部に漏れることとなり、いずれにしても見
栄えが悪いものとなってしまう。
【0007】本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされ
たものであって、製造サイクルの短縮化及び製造コスト
の低廉化を実現するとともに、見切り部において、表皮
材と基材とを確実にシールし、かつ見栄えのよい内装材
を製造可能な製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1の内装材の製造方法は、樹脂製成形材料
が第1方向から注入され、内装材を賦形するキャビティ
をもち、該キャビティは、該第1方向と略平行な第1型
内面と、該第1方向に対して交差する第2方向と略平行
であり、該第1型内面と連続する第2型内面と、該第1
型内面と対向する第3型内面とを有して形成された金型
を用意する第1工程と、該第1型内面と、該第2型内面
とに基材を対面させて配置するとともに、該第3型内面
と、該基材における該第2型内面と対面する部位とに表
皮材を対面させて配置する第2工程と、該表皮材の裏面
と、該基材における該第1型内面と対面する部位の裏面
との間に該樹脂製成形材料を注入することにより該内装
材をインモールド成形する第3工程と、を有することを
特徴とする。
【0009】(2)請求項2の内装材の製造方法は、請
求項1記載の内装材の製造方法において、樹脂製成形材
料はポリウレタンフォーム原液であり、第1型内面は上
型の下端面であり、第3型内面は下型の上端面であり、
かつ表皮材は、基材における第2型内面と対面する部位
に対し、7.5mm以上の長さで対面されていることを
特徴とする。
【0010】
【作用】
(1)請求項1の内装材の製造方法では、まず第1工程
において、樹脂製成形材料が第1方向から注入され、内
装材を賦形するキャビティをもつ金型を用意する。この
キャビティは、第1方向と略平行な第1型内面と、この
第1方向に対して交差する第2方向と略平行であり、第
1型内面と連続する第2型内面と、第1型内面と対向す
る第3型内面とを有して形成されている。
【0011】次いで、第2工程において、第1型内面
と、第2型内面とに基材を対面させて配置する。また、
第3型内面と、基材における第2型内面と対面する部位
とに表皮材を対面させて配置する。そして、第3工程に
おいて、表皮材の裏面と、基材における第1型内面と対
面する部位の裏面との間に樹脂製成形材料を注入し、イ
ンモールド成形する。
【0012】こうして基材と、表皮材及び樹脂製成形材
料からなるパッドとが一体になった内装材が得られるた
め、従来の締結部材、離型材及びバリ取りが不要となる
とともに、組付けも簡易となる。また、第3工程におい
て、樹脂製成形材料は、充填されるに従って表皮材の基
材における第2型内面と対面する部位(以下、「ラップ
部位」という。)を押圧し、ラップ部位を基材に押し付
け、さらなる充填によりラップ部位の端部からラップ部
位と基材との間に侵入する。この後、さらなる充填によ
りラップ部位と基材との間に侵入した樹脂製成形材料は
それらの間から見切り部へ漏れようとするが、内部の樹
脂製成形材料が第1方向からラップ部位を基材に押し付
けているため、その漏れが抑制される。樹脂製成形材料
が固化すれば、ラップ部位と基材との間の見切り部にお
いて表皮材が基材にシールされる。
【0013】(2)請求項2の内装材の製造方法では、
樹脂製成形材料は、内装材のパッドの表皮材を除く部分
として通常採用されるポリウレタンフォーム原液であ
る。また、第1型内面が上型の下端面であり、第3型内
面が下型の上端面である。そして、表皮材のラップ部位
の長さは7.5mm以上確保されている。この場合、ポ
リウレタンフォーム原液は重力によって下方から充填さ
れ、上方へと発泡していく。このため、ポリウレタンフ
ォーム原液は、発泡完了前にはラップ部位の端部に至ら
ず、発泡するに従ってラップ部位の端部に至り、ラップ
部位と基材との間に侵入する。このとき、ポリウレタン
フォーム原液が通常使用される密度の範囲内では、ラッ
プ部位の端部からラップ部位と基材との間に侵入したポ
リウレタンフォーム原液がそれらの間から見切り部へ漏
れない。
【0014】
【実施例】以下、請求項1、2の発明を自動車のインパ
ネの製造方法に具体化した実施例及び試験を図面を参照
しつつ説明する。 (実施例) 「第1工程」まず、図1に示すように、樹脂製成形材料
としてのポリウレタンフォーム原液5(図2等参照)が
第1方向Aから注入され、インパネを賦形するキャビテ
ィCをもつ上型1及び下型2からなる金型を用意する。
なお、図1〜5では図9のI断面、つまりインパネのサ
イド端末を示している。
【0015】上型1では、下端面が第1方向Aと平行な
第1型内面1aとされているとともに、この第1型内面
1aと連続する側面が第1方向Aに対して90°の交差
角θをもつ第2方向Bと平行な第2型内面1bとされて
おり、型割面1cが第2型内面1bと連続して第1型内
面1aと平行に形成されている。また、上型1の第1型
内面1aには外部に連通されるガス抜き穴1dが開口さ
れている。
【0016】また、下型2では、上端面が第1型内面1
aと対向する第3型内面2aとされており、意匠的に
0.5〜3.0mm程度の段差aが第3型内面2aから
上型1側に直角に設けられ、型割面2bが段差aと連続
して第3型内面2aと平行に形成されている。なお、段
差aを積極的に設けないこともできる。これら第1型内
面1a、第2型内面1b及び第3型内面2aを有してキ
ャビティCが形成される。
【0017】「第2工程」第1型内面1aと、第2型内
面1bと、型割面1cとにPP製の基材3を対面させて
配置する。但し、基材3の裏面にプライマーや塗料を塗
布しておく。なお、この基材3の第1型内面1aと対面
される部位であり、第2型内面1b近傍には、ガス抜き
穴1dと連通されるガス抜き穴3aが開口されている。
【0018】また、第3型内面2aと、基材3における
第2型内面1bと対面する部位とに表皮材4を対面させ
て配置する。この表皮材4はスラッシュ成形又は真空成
形により成形された厚さ0.5〜1.2mmのPVC又
はTPO等の熱可塑性樹脂製のものである。このとき、
表皮材4のラップ部位4aの長さは7.5mm以上であ
る。
【0019】「第3工程」図2に示すように、上型1と
下型2とを型締めし、表皮材4の裏面と、基材3におけ
る第1型内面1aと対面する部位の裏面との間に密度が
0.15〜0.2g/cm3 のポリウレタンフォーム原
液5を注入し、インモールド成形する。この間、ポリウ
レタンフォーム原液5は重力によって下方から充填さ
れ、上方へと発泡していく。このため、ポリウレタンフ
ォーム原液5は、発泡完了前にはラップ部位4aの端部
4bに至らない。なお、表皮材4の裏面と基材3の裏面
との間に存在した空気はガス抜き穴3a、1dより排出
される。
【0020】そして、ポリウレタンフォーム原液5は、
発泡するに従って表皮材4のラップ部位4aを押圧し、
ラップ部位4aを基材3に押し付ける。この後、図3に
示すように、表皮材4のラップ部位4aの端部4bに至
り、図4に示すように、ラップ部位4aと基材3との間
に侵入する。このとき、ラップ部位4aと基材3との間
に侵入したポリウレタンフォーム原液5はそれらの間か
ら見切り部Eへ漏れようとするが、内部のポリウレタン
フォーム原液5が第1方向Aの発泡圧力によってラップ
部位4aを基材3に押し付けているため、その漏れが抑
制される。また、ポリウレタンフォーム原液5が上記密
度に設定されているため、ラップ部位4aの端部4bか
らラップ部位4aと基材3との間に侵入したポリウレタ
ンフォーム原液5がそれらの間から見切り部Eへ漏れな
い。
【0021】ポリウレタンフォーム原液5の発泡が完了
し、固化すれば、ラップ部位4aと基材3との間の見切
り部Eにおいて表皮材4が基材3にシールされる。こう
して、図5に示すように、基材3と、表皮材4及びポリ
ウレタンフォーム5からなるパッド6とが一体になった
インパネが得られる。こうして得られたインパネは、見
切り部Eにウレタンフォーム原液5の漏れを生じること
なく、見切り部Eにおいて、表皮材4と基材3とを確実
にシールし、かつ見栄えのよいものとなる。
【0022】したがって、この製造方法によりインパネ
を製造すれば、従来の締結部材、離型材及びバリ取りが
不要となる。また、スラッシュ成形される表皮材におい
て、従来はPL部分に余分に設ける必要のあった表皮材
4が不要となるとともに、従来は外周域に70mm程度
余分に確保しておいた表皮材4を10mm程度に縮小す
ることができたため、歩留りが従来は65%程度であっ
たものが、90%程度に向上した。さらに、従来の締結
部材を介した組付けに比べて組付けも簡易となった。こ
のため、この製造方法では、製造サイクルの短縮化及び
製造コストの低廉化を実現することができた。
【0023】なお、このインパネのカウル端末及びロア
端末は、図9のVII断面に相当する図6及び図9のV
III断面に相当する図7に示すように、図5のサイド
端末と同様の構成となっている。図6に示すカウル端末
では、上型1の第2型内面1bが第1方向Aに対して1
30°の交差角θをもつ第2方向Bと平行に形成されて
いたが、この場合でも見切り部Eにウレタンフォーム原
液5の漏れを生じることなく、見切り部Eにおいて、表
皮材4と基材3とを確実にシールし、かつ見栄えのよい
ものとなっている。 (試験)表皮材4のラップ部位4aの長さ(mm)と、
ウレタンフォーム原液5の密度(g/cm3 )とを種々
変え、ラップ部位4aと基材3との間から見切り部Eへ
漏れることなく、表皮材4と基材3とをシールできるか
否かを試験した。結果を図8に示す。
【0024】図8より、ポリウレタンフォーム原液5が
通常使用される0.15〜0.2g/cm3 の密度の範
囲内では、見切り部Eへの漏れがなく、表皮材4と基材
3とをシールできることがわかる。したがって、この製
造方法では、通常採用されるウレタンフォーム原液5を
そのまま用いることができるため、実用的であることが
わかる。
【0025】なお、本発明の製造方法では、自動車のイ
ンパネ以外にドアトリム等の他の内装材を製造する場合
にも適用可能である。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1、2の製
造方法では、各請求項記載の構成を採用しているため、
製造サイクルの短縮化及び製造コストの低廉化を実現す
るとともに、表皮材と基材とが確実に接着し、かつ見栄
えのよい内装材を製造することができる。
【0027】特に請求項2の製造方法によれば、インパ
ネ等の内装材の軽量化等の観点から通常採用されるウレ
タンフォーム原液をそのまま用いることができるため、
実用的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の製造方法に係り、型締め前の金型等の
断面図である。
【図2】実施例の製造方法に係り、型締め後、ウレタン
フォーム原液が発泡中の金型等の断面図である。
【図3】実施例の製造方法に係り、ウレタンフォーム原
液の発泡後半の金型等の断面図である。
【図4】実施例の製造方法に係り、ウレタンフォーム原
液の発泡完了時の金型等の断面図である。
【図5】実施例の製造方法により得られたインパネに係
り、図9のI断面に相当するサイド端末の断面図であ
る。
【図6】実施例の製造方法により得られたインパネに係
り、図9のVII断面に相当するカウル端末の断面図で
ある。
【図7】実施例の製造方法により得られたインパネに係
り、図9のVIII断面に相当するロア端末の断面図で
ある。
【図8】試験に係り、表皮材のラップ部位の長さとウレ
タンフォーム原液の密度との関係を示すグラフである。
【図9】自動車のインパネを示す斜視図である。
【図10】従来のインパネに係り、図9のX−X矢視断
面図である。
【図11】従来のインパネを改良したものの製造方法に
係り、ウレタンフォーム原液の発泡後半の金型等の断面
図である。
【符号の説明】 5…ウレタンフォーム原液(樹脂製成形材料) A…第
1方向 B…第2方向 1…上型 1a…
第1型内面(下端面) 1b…第2型内面 2…下型 2a…
第3型内面(上端面) C…キャビティ 3…基材 4…表
皮材 4a…ラップ部位

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂製成形材料が第1方向から注入され、
    内装材を賦形するキャビティをもち、該キャビティは、
    該第1方向と略平行な第1型内面と、該第1方向に対し
    て交差する第2方向と略平行であり、該第1型内面と連
    続する第2型内面と、該第1型内面と対向する第3型内
    面とを有して形成された金型を用意する第1工程と、 該第1型内面と、該第2型内面とに基材を対面させて配
    置するとともに、該第3型内面と、該基材における該第
    2型内面と対面する部位とに表皮材を対面させて配置す
    る第2工程と、 該表皮材の裏面と、該基材における該第1型内面と対面
    する部位の裏面との間に該樹脂製成形材料を注入するこ
    とにより該内装材をインモールド成形する第3工程と、
    を有することを特徴とする内装材の製造方法。
  2. 【請求項2】樹脂製成形材料はポリウレタンフォーム原
    液であり、第1型内面は上型の下端面であり、第3型内
    面は下型の上端面であり、かつ表皮材は、基材における
    第2型内面と対面する部位に対し、7.5mm以上の長
    さで対面されていることを特徴とする請求項1記載の内
    装材の製造方法。
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