JP2002201075A - 窒化けい素セラミックス基板およびそれを用いた窒化けい素セラミックス回路基板並びにその製造方法 - Google Patents

窒化けい素セラミックス基板およびそれを用いた窒化けい素セラミックス回路基板並びにその製造方法

Info

Publication number
JP2002201075A
JP2002201075A JP2001309457A JP2001309457A JP2002201075A JP 2002201075 A JP2002201075 A JP 2002201075A JP 2001309457 A JP2001309457 A JP 2001309457A JP 2001309457 A JP2001309457 A JP 2001309457A JP 2002201075 A JP2002201075 A JP 2002201075A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon nitride
ceramic substrate
nitride ceramic
mass
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001309457A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3797905B2 (ja
Inventor
Takayuki Naba
隆之 那波
Hideki Yamaguchi
秀樹 山口
Michiyasu Komatsu
通泰 小松
Haruhiko Yamaguchi
山口  晴彦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Electronic Engineering Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2001309457A priority Critical patent/JP3797905B2/ja
Priority to US09/983,935 priority patent/US6613443B2/en
Priority to EP01125326.7A priority patent/EP1201623B1/en
Publication of JP2002201075A publication Critical patent/JP2002201075A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3797905B2 publication Critical patent/JP3797905B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L23/00Details of semiconductor or other solid state devices
    • H01L23/34Arrangements for cooling, heating, ventilating or temperature compensation ; Temperature sensing arrangements
    • H01L23/36Selection of materials, or shaping, to facilitate cooling or heating, e.g. heatsinks
    • H01L23/373Cooling facilitated by selection of materials for the device or materials for thermal expansion adaptation, e.g. carbon
    • H01L23/3735Laminates or multilayers, e.g. direct bond copper ceramic substrates

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】窒化けい素セラミックス基板を用いて各種パワ
ーモジュールを構成した際にリーク電流の発生を効果的
に抑制することができ、大電力化および大容量化したパ
ワーモジュールにおいても絶縁性および動作の信頼性を
大幅に向上させることが可能な窒化けい素セラミックス
基板およびその製造方法を提供する。 【解決手段】粒界相中の最大気孔径が0.3μm以下の
窒化けい素焼結体から成り、温度25℃,湿度70%の
条件下で上記窒化けい素焼結体の表裏間に1.5Kv−
100Hzの交流電圧を印加したときの電流リーク値が
1000nA以下であり、熱伝導率が50W/m・k以
上、3点曲げ強度が500MPa以上であることを特徴
とする窒化けい素セラミックス基板2である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒化けい素セラミッ
クス基板およびそれを用いた窒化けい素回路基板並びに
その製造方法に係り、特に窒化けい素セラミックス基板
を用いて各種パワーモジュールや回路基板を構成した際
にリーク電流の発生を効果的に抑制することができ、大
電力化および大容量化したパワーモジュールにおいても
絶縁性および動作の信頼性を大幅に向上させることが可
能な窒化けい素セラミックス基板およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】窒化けい素を主成分とするセラミックス
焼結体は、1000℃以上の高温度環境下でも優れた耐
熱性を有し、かつ低熱膨張係数のため耐熱衝撃性も優れ
ている等の諸特性を持つことから、従来の耐熱性超合金
に代わる高温構造材料としてガスタービン用部品、エン
ジン用部品、製鋼用機械部品等の各種高強度耐熱部品へ
の応用が試みられている。また、金属に対する耐食性が
優れていることから溶融金属の耐溶材料としての応用も
試みられ、さらに耐摩耗性も優れていることから、軸受
等の摺動部材、切削工具への実用化も図られている。
【0003】従来より窒化けい素セラミックス焼結体の
焼結組成としては窒化けい素−酸化イットリウム−酸化
アルミニウム系、窒化けい素−酸化イットリウム−酸化
アルミニウム−窒化アルミニウム系、窒化けい素−酸化
イットリウム−酸化アルミニウム−チタニウム、マグネ
シウムまたはジルコニウムの酸化物系等が知られてい
る。
【0004】上記焼結組成における酸化イットリウム
(Y)などの希土類元素の酸化物は、従来から焼
結助剤として一般に使用されており、焼結性を高めて焼
結体を緻密化し高強度化をするために添加されている。
【0005】従来の窒化けい素焼結体は、窒化けい素粉
末に上記のような焼結助剤を添加物として加えた原料混
合体を80〜100MPaの加圧力でプレス成形した
り、押出成形法やドクターブレード法を用いて成形し、
得られた成形体を1600〜1900℃程度の高温度の
焼成炉で所定時間焼成した後に、炉を自然冷却する製法
で量産されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の製造方法によって製造された窒化けい素焼結体をセ
ラミックス基板として使用し、セラミックス基板表面に
金属回路板を接合するとともに半導体素子を搭載するこ
とにより、各種パワーモジュールを形成した場合、セラ
ミックス基板の絶縁性が低く、誘電損失が大きくなるた
めに信頼性が高いパワーモジュールを得ることが困難で
あった。この傾向は、近年の半導体素子の高出力化およ
び高集積化が進展するに伴って、さらに顕著になってい
た。
【0007】具体的には、上記窒化けい素セラミックス
基板を用いて大電力用および大容量用の各種パワーモジ
ュールを形成した場合に、セラミックス基板の表裏間の
絶縁性が低下してリーク電流が発生し易くなる。そし
て、上記リーク電流値が所定の値を超えると、金属回路
板を流れる電流がセラミックス基板を通り、他の金属回
路にリーク(漏洩)してしまう。そのため、電気的には
接続されていないにも拘わらず、他の金属回路板に漏れ
電流(リーク電流)が流れることになり、半導体素子の
誤作動を引き起こしたり、各種パワーモジュールの構成
部品を傷損させたりする悪影響が発生する問題点があっ
た。
【0008】また、上記従来方法によって製造された窒
化けい素焼結体では靭性値などの機械的強度は優れてい
るものの、熱伝導特性の点では、他の窒化アルミニウム
(AlN)焼結体、酸化ベリリウム(BeO)焼結体、
炭化けい素(SiC)焼結体などと比較して不充分であ
ったため、特に放熱性を要求される半導体用セラミック
ス基板などの電子用材料としては実用化されておらず、
用途範囲が狭い難点があった。
【0009】一方、上記窒化アルミニウム焼結体は他の
セラミックス焼結体と比較して高い熱伝導率と低熱膨張
係数とを有する特徴を有するため、高速化、高出力化、
多機能化、大型化が進展する半導体回路基板材料やパッ
ケージ材料として普及しているが、機械的強度の点で充
分に満足できるものは得られていない。そこで、高強度
を有するとともに高い絶縁性と高い熱伝導率をも併せ持
ったセラミックス焼結体の開発が要請されている。
【0010】上記要請に対応するため、本願発明者は、
焼結体の組成、組織等を改善することにより、機械的強
度および熱伝導率が共に優れた窒化けい素焼結体を開発
した。しかしながら、従来の窒化けい素焼結体において
は、結晶粒界相に存在する気孔のサイズが直径1μm程
度に大きくなり易いという欠点があった。そして、電圧
印加時に、この気孔部分を介して電流リークが発生し易
いという問題点があった。したがって、このような焼結
体においては、絶縁性が低下するため半導体用基板とし
ては未だ充分とは言えないという課題があった。
【0011】すなわち、上記従来の製造方法によって製
造された窒化けい素焼結体をセラミックス基板として使
用し、セラミックス基板表面に金属回路板を接合すると
ともに半導体素子を搭載することにより、各種パワーモ
ジュールを形成した場合、セラミックス基板の絶縁性が
低く、誘電損失が大きくなるために信頼性が高いパワー
モジュールを得ることが困難であった。この傾向は、近
年の半導体素子の高出力化および高集積化が進展するに
伴って、さらに顕著になっていた。
【0012】具体的には、上記窒化けい素セラミックス
基板を用いて大電力用および大容量用の各種パワーモジ
ュールを形成した場合に、セラミックス基板の表裏間の
絶縁性が低下してリーク電流が発生し易くなる。そし
て、上記リーク電流値が所定の値を超えると、金属回路
板を流れる電流がセラミックス基板を通り、他の金属回
路にリーク(漏洩)してしまう。そのため、電気的には
接続されていないにも拘わらず、他の金属回路板に漏れ
電流(リーク電流)が流れることになり、半導体素子の
誤作動を引き起こしたり、各種パワーモジュールの構成
部品を傷損させたりする悪影響が発生する問題点があっ
た。
【0013】本発明は上記のような課題要請に対処する
ためになされたものであり、窒化けい素焼結体が本来備
える高強度特性に加えて、特に絶縁性が高くリーク電流
の発生を効果的に抑制でき、また熱伝導率が高く放熱性
に優れた窒化けい素セラミックス基板およびそれを用い
た窒化けい素回路基板並びにその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するため、従来の窒化けい素セラミックス基板を使用
したモジュールにおいてリーク電流が発生する要因を究
明し、以下のような知見を得た。
【0015】すなわち、従来の窒化けい素セラミックス
基板の表面には、基板を構成する窒化けい素焼結体の焼
結性などが悪いため、幅が1μm以上のマイクロクラッ
クや幅が1μm未満のサブミクロンクラックなどの割れ
が多数形成され易く、この割れが基板の厚さ方向に進展
している場合には、その割れの長さに相当する分だけセ
ラミックス基板の厚さが減少し、絶縁体としてのセラミ
ックス基板の実質的な厚さが減少するために絶縁性が低
下し、モジュールを形成した場合にリーク電流が発生し
易くなる。なお上記割れは、セラミックス焼結体を所定
厚さに研磨加工する際にも発生し易い。
【0016】したがって上記リーク電流の発生を抑制す
るためには、研磨加工による厚さの調整を実施しない成
形法を考慮することも重要であるが、特に原料混合体を
加圧成形して成形体とする場合の成形圧力を120MP
a以上とすることにより、緻密でクラックの発生が少な
い焼結体が得られ、リーク電流の発生を効果的に低減で
きるという知見を得た。
【0017】また窒化けい素結晶粒子は、本来絶縁物で
あるために電流は流れないが、現実の窒化けい素セラミ
ックス基板においては焼結助剤成分の複合酸化物から成
るガラス相が粒界相として形成されており、この粒界相
に形成されたガラス相が上記リーク電流現象を引き起こ
すひとつの原因となることが判明した。
【0018】さらに上記ガラス相は熱抵抗が大きいため
に窒化けい素セラミックス基板の熱伝導率を低下させ易
く、またガラス相が多いとクラックが発生し易いことも
判明した。なお、上記粒界相は窒化けい素セラミックス
基板の強度をある程度まで高く維持するために必要であ
る。しかしながら粒界相が存在すると前述のようにリー
ク電流を発生し易い組織となってしまう。そこで、本願
発明ではリーク電流が発生しにくく、熱伝導率が高い粒
界相を形成している。
【0019】具体的には、少なくとも一部の粒界相を結
晶化せしめることにより、熱抵抗が高いガラス相の比率
を低減して窒化けい素セラミックス基板の熱伝導率を5
0W/m・K以上に高めると同時にリーク電流の発生を
効果的に防止している。
【0020】また、Hf酸化物を所定量添加することに
より、上記ガラス相の発生を抑制することが可能であ
り、粒界相の結晶化が進行し易く、基板の高熱伝導化と
リーク電流の抑制との両面から有効であることも判明し
た。
【0021】さらに、炭素は導電性を有しているため、
焼結後の窒化けい素セラミックス基板に残留する炭素が
リーク電流の発生原因のひとつとなっていることも判明
した。この対策として原料混合体を成形・脱脂した後に
おける成形体の残留炭素量を所定値以下に規定すること
によって、窒化けい素セラミックス基板のリーク電流値
を効果的に低減できることも判明した。
【0022】また、従来の窒化けい素焼結体を製造する
際に、一般的に使用されていた窒化けい素粉末の種類、
焼結助剤や添加物の種類および添加量、焼結条件等を種
々変えて、それらの要素が最終製品としての焼結体の特
性に及ぼす影響を実験により確認した。
【0023】その結果、微細で高純度を有する窒化けい
素粉末に希土類元素を所定量ずつ添加した原料混合体を
成形脱脂し、得られた成形体を所定温度で一定時間加熱
保持して緻密化焼結を実施した後、所定の冷却速度で徐
冷したときに熱伝導率が大きく向上し、かつ高強度を有
する窒化けい素焼結体が得られることが判明した。
【0024】また酸素や不純物陽イオン元素含有量を低
減した高純度の窒化けい素原料粉末を使用し、窒化けい
素成形体の厚さを小さく設定して焼結することにより、
粒界相におけるガラス相(非晶質相)の生成が効果的に
防止でき、希土類元素酸化物のみを原料粉末に添加した
場合においても50W/m・K以上の高熱伝導率を有す
る窒化けい素焼結体が得られるという知見を得た。
【0025】また、従来、焼結操作終了後に焼成炉の加
熱用電源をOFFとして焼結体を炉冷していた場合に
は、冷却速度が毎時400〜800℃と急速であった
が、本発明者の実験によれば、特に冷却速度を毎時10
0℃以下に緩速に制御することにより、窒化けい素焼結
体組織の粒界相が非結晶質状態から結晶相を含む相に変
化し、高強度特性と高伝熱特性とが同時に達成されるこ
とが判明した。
【0026】しかしながら、本発明者はさらに改良研究
を進めた結果、希土類元素に加えて、さらにMgを酸化
物に換算して0.3〜3.0重量%添加した場合に、焼
結性が改善されるため焼結体の高強度化が可能であるこ
とを見い出し、本発明を完成したものである。ちなみに
原料成形体を1500〜1900℃の温度範囲で焼結し
てセラミックス基板とした場合においても、1.5kV
−100Hzの交流電圧を印加した際のリーク電流値が
500nA以下であり、あるいは、1MHzの交流電圧
を印加した際の誘電損失が0.0001以下となるよう
な窒化けい素セラミックス基板が得られる。また、この
窒化けい素セラミックス基板は500MPa以上の曲げ
強度と50W/m・K以上の高熱伝導率を達成すること
ができる。
【0027】また、微細な窒化けい素原料粉末に希土類
酸化物、必要に応じてマグネシア(MgO)、Hfの化
合物,Ti,Zr,W,Mo,Ta,Nb,V,Crの
化合物を所定量ずつ添加した原料混合体を成形脱脂し、
得られた成形体を焼結する途中で成形体を所定の加熱、
雰囲気条件で保持して脱酸素処理(酸素濃度の低減化)
を施した後に本焼結を実施し、前記焼結温度から、上記
希土類元素により焼結時に形成された液相が凝固する温
度までに至る焼結体の冷却速度を毎時100℃以下にし
て徐冷した場合に、高強度、高熱伝導率に加えて、特に
電圧印加時に発生するリーク電流を抑制し得る高絶縁性
を有する窒化けい素セラミックス基板が初めて得られる
ことが判明した。
【0028】本発明は上記知見に基づいて完成されたも
のである。
【0029】すなわち、本発明に係る窒化けい素セラミ
ックス基板は、粒界相中の最大気孔径が0.3μm以下
の窒化けい素焼結体から成り、温度25℃,湿度70%
の条件下で上記窒化けい素焼結体の表裏間に1.5Kv
−100Hzの交流電圧を印加したときの電流リーク値
が1000nA以下であり、熱伝導率が50W/m・k
以上、3点曲げ強度が500MPa以上であることを特
徴とする。
【0030】また、破壊靭性値が6.5MPa・m
1/2以上であることが好ましい。
【0031】さらに、前記窒化けい素セラミックス基板
は、窒化けい素結晶および粒界相から成るとともに粒界
相中における結晶化合物相の粒界相全体に対する割合が
20%以上であることが好ましい。また前記窒化けい素
セラミックス基板は、希土類元素を酸化物に換算して
2.0〜17.5質量%含有することが好ましい。
【0032】また、窒化けい素焼結体の厚さが1.5m
m以下であることが好ましい。さらに、上記高熱伝導性
窒化けい素焼結体の熱伝導率が90W/m・k以上であ
るように構成することも可能である。
【0033】さらに、前記窒化けい素セラミックス基板
は、MgをMgOに換算して0.3〜3.0質量%含有
することが好ましい。
【0034】さらに上記窒化けい素焼結体が、Hfおよ
びMgの少なくとも一方を酸化物に換算して0.3〜
3.0質量%含有するとともに、不純物陽イオン元素と
してのAl,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bを
合計で0.5質量%以下含有することが好ましい。
【0035】また、前記窒化けい素セラミックス基板に
おける残留炭素含有量が500ppm以下であることが
好ましい。なお、本発明の窒化けい素セラミックス基板
における残留炭素含有量(または残留炭素量)とは、該
セラミックス基板中に残留する炭素単体の含有量を示す
ものであり、金属炭化物の含有量を含むものではない。
【0036】また、上記セラミックス基板において、さ
らに、気孔率が容量比で2.5%以下であり、全酸素量
が3.5質量%以下であることが好ましい。またTi,
Zr,W,Mo,Ta,Nb,V,Crからなる群より
選択される少なくとも1種を酸化物に換算して2質量%
以下含有することが好ましい。
【0037】さらに、本発明に係る窒化けい素セラミッ
クス回路基板は、上記のように調製した窒化けい素セラ
ミックス基板上に、金属回路板を設けたことを特徴とす
る。
【0038】また本発明に係る窒化けい素セラミックス
基板の製造方法は、窒化けい素粉末に、希土類元素を酸
化物に換算して2〜17.5質量%添加した原料混合体
を成形して成形体を調整し、得られた成形体を脱脂後、
焼結する途中で温度1300〜1600℃で所定時間保
持した後に、温度1700〜1900℃で焼結し、上記
焼結温度から、上記希土類元素により焼結時に形成され
た液相が凝固する温度までに至る焼結体の冷却速度を毎
時100℃以下にして徐冷することを特徴とする。
【0039】また、窒化けい素粉末が、酸素を1.5質
量%以下、不純物陽イオン元素としてのAl,Li,N
a,K,Fe,Ba,Mn,Bを合計で0.5質量%以
下、α相型窒化けい素を75〜97質量%以上含有し、
平均粒径が1.0μm以下であることが好ましい。
【0040】また上記製造方法において、窒化けい素粉
末に、HfおよびMgの少なくとも一方を酸化物に換算
して0.3〜3.0質量%添加することが好ましい。ま
た、窒化けい素粉末に、Ti,Zr,W,Mo,Ta,
Nb,V,Crからなる群より選択される少なくとも1
種を酸化物に換算して2重量%以下添加することが好ま
しい。
【0041】また、前記原料混合体を120MPa以上
の成形圧力で成形して成形体を調製することが好まし
い。さらに前記成形圧力が120〜200MPaの範囲
であることが好ましい。また焼結後における前記焼結体
の残留炭素量が500ppm以下であることが好まし
い。
【0042】上記製造方法によれば、温度25℃で湿度
が70%の条件下で1.5kV−100Hzの交流電圧
を印加した際のリーク電流値が1000nA以下であ
り、好適には全酸素量が3.5質量%以下であり、窒化
けい素結晶組織中に希土類元素等を含む粒界相が形成さ
れ、その粒界相中の最大気孔径が0.3μm以下であ
り、気孔率が2.5%以下、熱伝導率が50W/m・K
以上、三点曲げ強度が室温で500MPa以上であり、
破壊靭性値が6.5MPa・m1/2以上の機械的特性
および熱伝導特性が共に優れた窒化けい素セラミックス
基板が得られる。
【0043】上記リーク電流値は以下のように計測され
る。すなわち、窒化けい素セラミックス基板の表裏面間
にそれぞれ金属電極を接合し、この電極間に1.5kV
−100Hzの交流電圧を印加した際に金属電極間に流
れるリーク電流の電流値をカーブトレーサ等を用いて計
測することができる。
【0044】上記リーク電流値が1000nAを超える
と、基板自体の絶縁性が不十分であり、特に高出力化し
たり高集積・高容量化したパワーモジュール用のセラミ
ックス基板材料としては不適になる。好ましくは500
nA以下である。
【0045】なお、このリーク電流値を特定するにあた
り、本発明では測定条件を温度25℃、湿度70%に統
一した。リーク電流値は温度や湿度によって多少変動す
る値であることから測定条件を特定した。また、本発明
ではリーク電流値の測定条件を特定しただけであるか
ら、本発明の性窒化けい素セラミックス基板をこの条件
以外の条件下でも使用できることは言うまでもない。
【0046】本発明方法において使用され、セラミック
ス基板を構成する焼結体の主成分となる窒化けい素粉末
としては、焼結性、強度および熱伝導率を考慮して、酸
素含有量が1.5質量%以下、好ましくは0.5〜1.
2質量%、Al,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,
Bなどの不純物陽イオン元素含有量が合計で0.5質量
%以下、好ましくは0.3質量%以下に抑制されたα相
型窒化けい素を75〜97質量%、好ましくは80〜9
5質量%含有し、平均粒径が1.0μm以下、好ましく
は0.4〜0.8μm程度の微細な窒化けい素粉末を使
用することが好ましい。
【0047】なお、窒化けい素原料粉末としてはα相型
のものとβ相型のものとが知られているが、α相型の窒
化けい素原料粉末では焼結体とした場合に強度が不足し
易い傾向がある一方、β相型の窒化けい素原料粉末では
高温度焼成が必要であるが、アスペクト比が高く繊維状
の窒化けい素が複雑に入り組んだ高強度の焼結体が得ら
れる。したがって、本発明においてはα相型原料粉末を
高温度で焼成して窒化けい素焼結体としては、β相型の
焼結体とすることが好適である。
【0048】本発明において、α相型窒化けい素粉末の
配合量を75〜97質量%の範囲に限定した理由は、7
5質量%以上の範囲で焼結体の曲げ強度、熱伝導率およ
び絶縁性が格段に向上し、窒化けい素の優れた特性が顕
著となるためである。一方、焼結性を考慮すると、97
質量%までの範囲とする。好ましくは80〜95質量%
の範囲とすることが好ましい。
【0049】窒化けい素の出発原料粉末としては、焼結
性、曲げ強度、熱伝導率、絶縁性を考慮して、酸素含有
率が1.5質量%以下,好ましくは0.5〜1.2質量
%であり、α相型窒化けい素を90質量%以上含有し,
平均粒径が1.0μm以下、好ましくは0.4〜0.8
μm程度の微細な窒化けい素粉末を使用することが好ま
しい。
【0050】平均粒径が1.0μm以下の微細な原料粉
末を使用することにより、少量の焼結助剤であっても気
孔率が2.5%以下の緻密な焼結体を形成することが可
能であり、また焼結助剤が熱伝導特性を阻害するおそれ
も減少する。
【0051】また本発明に係る窒化けい素セラミックス
基板に含有される全酸素量は3.5質量%以下が好まし
い。この基板の全酸素量が3.5質量%を超えると結晶
粒界相中の最大気孔径が大きくなると共に、特に電流リ
ーク値が大きくなり焼結体の絶縁性が低下する。好まし
くは2.5質量%以下とする。
【0052】さらに本発明に係る窒化けい素セラミック
ス基板の粒界相中の最大気孔径は0.3μm以下に規定
される。この最大気孔径が0.3μmを超えると、特に
電流リーク値が大きくなり焼結体の絶縁性が低下する。
好ましくは0.2μm以下とする。
【0053】またAl,Li,Na,K,Fe,Ba,
Mn,Bの不純物陽イオン元素は熱伝導性を阻害する物
質となるため、50W/m・K以上の熱伝導率を確保す
るためには、上記不純物陽イオン元素の含有量は合計で
0.5質量%以下とすることにより達成可能である。特
に同様の理由により、上記不純物陽イオン元素の含有量
は合計で0.3質量%以下とすることが、さらに好まし
い。ここで通常の窒化けい素焼結体を得るために使用さ
れる窒化けい素粉末には、特にFe,Alが比較的に多
く含有されているため、Fe,Alの合計量が上記不純
物陽イオン元素の合計含有量の目安となる。
【0054】さらに、β相型と比較して焼結性に優れた
α相型窒化けい素を90質量%以上含有する窒化けい素
原料粉末を使用することにより、高密度の焼結体を製造
することができる。
【0055】また窒化けい素原料粉末に焼結助剤として
添加する希土類元素としては、Y,Ho,Er,Yb,
La,Sc,Pr,Ce,Nd,Dy,Sm,Gdなど
の酸化物もしくは焼結操作により、これらの酸化物とな
る物質が単独で、または2種以上の酸化物を組み合せた
ものを含んでもよい。これらの焼結助剤は、窒化けい素
原料粉末と反応して液相を生成し、焼結促進剤として機
能する。
【0056】上記焼結助剤の添加量は、酸化物換算で原
料粉末に対して2.0〜17.5質量%の範囲とする。
この添加量が2.0質量%未満の場合は、焼結体の緻密
化あるいは高熱伝導化が不十分であり、特に希土類元素
がランタノイド系元素のように原子量が大きい元素の場
合には、比較的低強度で比較的に低熱伝導率の焼結体が
形成される。一方、添加量が17.5質量%を超える過
量となると、過量の粒界相が生成し、熱伝導率の低下や
強度が低下し始めるので上記範囲とする。特に同様の理
由により3〜15質量%とすることが望ましい。
【0057】また本発明において選択的な添加成分とし
て使用するマグネシウム(Mg)の酸化物(MgO)
は、上記希土類元素の焼結促進剤の機能を促進し低温で
の緻密化を可能にすると共に、結晶組織において粒成長
を制御する機能を果し、Si焼結体の機械的強度
を向上させるものである。このMgOの添加量が酸化物
換算で0.3質量%未満の場合においては添加効果が不
十分である一方、3.0質量%を超える過量となる場合
には熱伝導率の低下が起こるため、添加量は0.3〜
3.0質量%の範囲とする。特に0.5〜2質量%とす
ることが望ましい。
【0058】また、上記MgOと同様の効果を示す成分
として、Hf化合物もある。Hf化合物としては、酸化
物、炭化物、窒化物、珪化物、硼化物として添加され、
MgOと併せて複合添加することにより、さらに焼結を
促進し、かつガラス相をより効果的に低減できる。添加
量については0.3〜3質量%、好ましくは1.0〜
2.5質量%である。MgOとHf化合物は同様の効果
を示すものであるから、MgOとHf化合物を両方添加
することにより相乗的な効果を得ることも可能である。
【0059】また本発明において他の選択的な添加成分
として、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W
を、酸化物,炭化物、窒化物、けい化物、硼化物として
添加してもよい。これらの化合物は、上記希土類元素の
焼結促進剤としての機能を促進すると共に、結晶組織に
おいて分散強化の機能を果しSi焼結体の機械的
強度を向上させるものであり、特に、Ti,Moの化合
物が好ましい。これらの化合物の添加量が酸化物換算で
0.1質量%未満の場合においては添加効果が不十分で
ある一方、2質量%を超える過量となる場合には熱伝導
率および機械的強度や電気絶縁破壊強度の低下が起こる
ため、添加量は0.1〜2質量%の範囲とする。特に
0.2〜1.0質量%とすることが望ましい。
【0060】また上記Ti,Mo等の化合物は窒化けい
素セラミックス基板を黒色系に着色し不透明性を付与す
る遮光剤としても機能する。そのため、特に光によって
誤動作を生じ易い集積回路等を搭載するセラミックス回
路基板を上記焼結体から製造する場合には、上記Ti等
の化合物を適正に添加し、遮光性に優れた窒化けい素セ
ラミックス基板とすることが望ましい。
【0061】また焼結体の気孔率はリーク電流の発生
量、熱伝導率および強度に大きく影響するため2.5%
以下となるように製造する。気孔率が2.5%を超える
と、リーク電流が急増するとともに熱伝導の妨げとな
り、焼結体の絶縁性および熱伝導率が低下するととも
に、焼結体の強度低下が起こる。
【0062】また、窒化けい素セラミックス基板は組織
的に窒化けい素結晶と粒界相とから構成されるが、粒界
相中の結晶化合物相の割合は焼結体のリーク電流の発生
量や熱伝導率に大きく影響し、本発明に係る基板を構成
する焼結体においては粒界相の20%以上とすることが
好ましく、より好ましくは50%以上が結晶相で占める
ことが望ましい。結晶相が20%未満では熱伝導率が5
0W/m・K以上となるような放熱特性に優れ、リーク
電流が少なく、かつ機械的強度に優れた焼結体が得られ
ないからである。特に、窒化けい素焼結体の窒化けい素
結晶粒子自体は絶縁物であることから、粒界相の状態が
窒化けい素焼結体のリーク電流値に大きく影響する。
【0063】さらに上記のように窒化けい素焼結体の気
孔率を2.5%以下にし、また窒化けい素結晶組織に形
成される粒界相中の最大気孔径が0.3μm以下であ
り、熱伝導率が50W/m・K以上であり、全酸素量が
3.5質量%以下で電流リーク値が1000nA以下と
なるような窒化けい素焼結体を得るためには、前記原料
で調製した窒化けい素成形体を脱脂後、焼結する途中で
温度1300〜1600℃で0.5〜3時間保持した後
に、温度1700〜1900℃で2〜10時間程度、常
圧焼結または加圧焼結し、かつ焼結操作完了直後におけ
る焼結体の冷却速度を毎時100℃以下にして徐冷する
ことが重要である。加圧焼結法としては、雰囲気加圧焼
結、ホットプレス、HIP処理など各種の加圧焼結法が
用いられる。
【0064】特に、焼結工程の途中において1300〜
1600℃の温度で0.5〜3時間保持することにより
生成する液相(結晶粒界相)中の酸素濃度を減少させ液
相を高融点化し、液相の溶融時に生じる泡状の気孔の発
生を抑制し、かつ最大気孔径を極微小化し、焼結体の電
流リーク値を改善することが可能になる。この焼結途中
における保持操作は、特に温度が1350〜1450℃
の真空雰囲気で処理した場合に顕著な効果を発揮する
が、温度が1500〜1600℃の窒素雰囲気中の処理
でも同程度の効果が発揮される。
【0065】また、焼結後に液相が凝固する温度までに
至る焼結体の冷却速度を毎時100℃以下にして徐冷し
た場合に、液相中の酸素濃度の低減化がさらに促進され
るので、電流リークを抑制し絶縁性を改善した焼結体が
得られる。
【0066】焼結温度を1700℃未満とした場合に
は、焼結体の緻密化が不十分で気孔率が2.5vol%
以上になり絶縁性、機械的強度および熱伝導性が共に低
下してしまう。一方焼結温度が1900℃を超えると窒
化けい素成分自体が蒸発分解し易くなる。特に加圧焼結
ではなく、常圧焼結を実施した場合には、1800℃付
近より窒化けい素の分解蒸発が始まる。
【0067】上記焼結操作完了直後における焼結体の冷
却速度は粒界相を結晶化させるためにも重要な制御因子
であり、冷却速度が毎時100℃を超えるような急速冷
却を実施した場合には、焼結体組織の粒界相が非結晶質
(ガラス相)となり、焼結体に生成した液相が結晶相と
して粒界相に占める割合が20%未満となり、リーク電
流が増加する一方、特に熱伝導率のさらなる向上が見ら
れない。
【0068】上記冷却速度を厳密に調整すべき温度範囲
は、所定の焼結温度(1700〜1900℃)から、前
記の焼結助剤の反応によって生成する液相が凝固するま
での温度範囲で十分である。ちなみに前記のような焼結
助剤を使用した場合の液相凝固点は概略1600〜15
00℃程度である。そして少なくとも焼結温度から上記
液相凝固温度に至るまでの焼結体の冷却速度を毎時10
0℃以下、好ましくは50℃以下、さらに好ましくは2
5℃以下に制御することにより、焼結体の全酸素量が
3.5質量%以下となり、また最大気孔径が0.3μm
以下となり、気孔率も2.5%以下となり、また粒界相
の20%以上、特に好ましくは50%以上が結晶相にな
り、熱伝導率および機械的強度が共に優れ、リーク電流
が少ない窒化けい素焼結体が得られる。
【0069】なお、上記焼結体の冷却速度は遅い方が粒
界相の結晶化に効果があるが、あまり遅すぎると製造時
間が長くなるため製造性の観点から冷却速度の下限は毎
時10℃以上が好ましい。
【0070】なお、本発明で規定する「焼結体の全酸素
量」とは、窒化けい素焼結体を構成している酸素の全量
を質量%で示したものである。したがって、酸素が窒化
けい素焼結体中に金属酸化物や酸窒化物等として存在し
ている場合は、その金属酸化物(および酸窒化物)量で
はなく、その金属酸化物(および酸窒化物)中の酸素量
に着目したものである。
【0071】本発明に係る窒化けい素セラミックス基板
は、例えば以下のようなプロセスを経て製造される。す
なわち前記所定の微細粒径を有し、また不純物含有量が
少ない微細な窒化けい素粉末に対して所定量の焼結助
剤、有機バインダ等の必要な添加剤および必要に応じて
Ti等の化合物を加えて原料混合体を調整し、次に得ら
れた原料混合体を成形して所定形状の成形体を得る。原
料混合体の成形法としては、汎用の金型プレス法、ドク
ターブレード法のようなシート成形法などが適用でき
る。
【0072】上記金型プレス法で成形体を形成する場合
において、特に焼結後においてリーク電流が発生し難い
粒界相を形成するためには、原料混合体の成形圧力を1
20MPa以上に設定することが好ましい。この成形圧
力が120MPa未満である場合には、主として粒界相
を構成する成分となる希土類元素化合物が凝集した箇所
が形成され易い上に、十分に緻密な成形体となり得ず、
クラックの発生が多いセラミックス基板しか得られな
い。上記粒界相の凝集した箇所は電流が流れ易いため、
リーク電流値を増加させてしまう。また圧密化が不十分
な成形体を焼結しても、割れが発生し易く、基板の割れ
に起因するリーク電流が増加してしまう。一方、成形圧
力を200MPaを超えるように過大にした場合、成形
型の耐久性が低下してしまう。
【0073】また、過度に成形圧力が高いと成形体が必
要以上に硬くなり、成形体内部に生成した気泡(気孔)
を製造工程中に外部に排出し難くなる。そのため、上記
成形圧力は120〜200MPaの範囲が好ましい。
【0074】一方、所定厚さの窒化けい素セラミックス
基板を製造するに際して、焼結体を研磨加工して厚さを
調整する場合には、研磨加工時に作用する衝撃力によっ
て基板表面にクラックが発生し易い。そこで窒化けい素
セラミックス基板の厚さが1.5mm以下になるように
成形の段階で薄い成形体を形成し、焼結後における研磨
加工を実施しない方法も、クラックの発生を防止する観
点から有効である。また成形体を薄く形成することによ
り、焼結工程の途中において実施する保持操作によって
酸素濃度をより効率的に低減し、気孔径を縮小化でき
る。
【0075】具体的には、押出形成法やドクターブレー
ド法を使用して薄いシート状成形体を調製し、このシー
ト状成形体を脱脂焼結するだけで所定厚さの窒化けい素
焼結体を形成してもよい。なお、この場合においても、
シート状焼結体に付着した敷粉等を除去するために軽度
のホーニング加工を実施してもよい。但し、クラックを
発生するような衝撃力の高い研磨方法は採用しない方が
よい。また、軽度のホーニング加工としては砥粒噴射圧
力が0.5MPa以下の条件が挙げられる。
【0076】上記成形操作に引き続いて、成形体を非酸
化性雰囲気中で温度600〜800℃、または空気中で
温度400〜500℃で1〜2時間加熱して、予め添加
していた有機バインダ成分を十分に除去し、脱脂する。
【0077】ここで、リーク電流が発生しにくい粒界相
を形成するためには、成形体を形成する際に使用した有
機バインダに起因する炭素の残存量が500ppm以下
となるように、脱脂処理において炭素成分を十分に除去
することが効果的である。
【0078】一般に炭素は導電性を有しており、焼結後
のセラミックス焼結体における残留炭素量が500pp
mを超えるとリーク電流値が大きくなり易い。そのた
め、炭素成分は最初から含有させないことが理想ではあ
るが、現実には、原料混合体にある程度の有機物(有機
バインダ)を配合しないと成形体の保形性や取扱い性が
低下してしまう。そのため、その残留炭素量を低減する
ために上記脱脂工程が設けられている。
【0079】しかしながら、成形体に特別な処理を施さ
ない限り、完全に炭素成分を排除することは困難であ
り、さらに残留炭素は焼結時に窒化けい素や焼結助剤な
どの添加物と化合して安定な炭化物を形成してしまうこ
とからも完全に排除することは困難である。しかしなが
ら、焼結後のセラミックス基板における残留炭素量が5
00ppm以下となるように十分に脱脂処理することに
より、前記リーク電流の発生を効果的に防止することが
できる。
【0080】特に基板厚さが1mm以下、さらには0.
7mm以下と薄い基板においては、残留炭素量が多いと
リーク電流値に悪影響を与え易いので残留炭素量の制御
を行うことが好ましい。
【0081】次に脱脂処理された成形体を焼結する途中
で焼成炉内を減圧し、温度1300〜1600℃で0.
5〜3時間保持した後に、窒素ガス、水素ガスやアルゴ
ンガスなどの不活性ガス雰囲気中で1700〜1900
℃の温度で所定時間、常圧焼結または雰囲気加圧焼結を
行う。
【0082】上記製法によって製造された窒化けい素焼
結体は全酸素量が3.5質量%以下で気孔率が2.5%
以下、最大気孔径が0.3μm以下、50W/m・K
(25℃)以上の熱伝導率を有し、また三点曲げ強度が
常温で500MPa以上と機械的特性にも優れている。
【0083】また、熱伝導率が90W/m・K以上であ
る高熱伝導性窒化けい素焼結体を得ることもできる。
【0084】また、上記のような成形方法によれば、成
形体の段階から緻密であり、クラックの発生が少ない窒
化けい素セラミックス基板が得られる。このように成形
性や焼結性を改善した窒化けい素焼結体から成る基板表
面には幅が1μm以上のマイクロクラックは全く発生せ
ず、幅が1μm未満のサブミクロンクラックの発生量も
大幅に低減できる。具体的には、単位面積10μm×1
0μmとしたときの基板表面組織に発生するサブミクロ
ンクラック数は2個以下となる。
【0085】本発明に係る窒化けい素セラミックス基板
およびその製造方法によれば、焼結工程の途中で所定の
保持操作を実施した後に本焼結を実施して形成されてい
るため、焼結体の酸素濃度が減少し、気孔の発生が抑制
されて最大気孔径を極微小化することが可能であり、リ
ーク電流の発生が少ない絶縁性が高い窒化けい素セラミ
ックス基板が得られる。
【0086】また、原料混合体を120MPa以上の成
形圧力で成形して成形体を調製することにより、基板に
発生するクラックを大幅に低減することが可能であり、
リーク電流の発生が少ない絶縁性が高い窒化けい素セラ
ミックス基板が得られる。
【0087】そのため、この窒化けい素セラミックス基
板を使用してパワーモジュールを調製した場合には、高
出力化および高容量化しても絶縁性および動作信頼性が
高いパワーモジュールを形成することができる。
【0088】上記窒化けい素セラミックス基板をパワー
モジュールや回路基板に使用する場合は、セラミックス
基板上に金属回路板を一体に接合して設けることにな
る。金属回路板としては、銅、アルミニウムまたはその
合金(銅合金、Al合金)などの、電気伝導性が高い金
属または合金を用いることが好ましい。金属回路板を設
ける方法についても、直接接合法や活性金属法など様々
な方法が適用可能である。
【0089】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を以下に示
す実施例を参照して具体的に説明する。
【0090】実施例1〜4 実施例1〜3として酸素量1.1質量%、不純物陽イオ
ン元素としてAI,Li,Na,K、Fe、Ba,M
n,Bを合計で0.10質量%含有し、α相型窒化けい
素97%を含む平均粒径0.55μmのSi(窒
化けい素)原料粉末86質量%に、焼結助剤として平均
粒径0.9μmのY(酸化イットリウム)粉末1
0質量%と、平均粒径0.5μmのMgO(酸化マグネ
シウム)粉末2質量%、平均粒径1.0μmのHfO
(酸化ハフニウム)粉末2質量%を添加し、エチルアル
コール中で粉砕媒体として窒化けい素製ボールを用いて
96時間湿式混合したのち乾燥して原料混合体を調製し
た。
【0091】次に得られた原料粉末混合体に有機バイン
ダを所定量添加し調合造粒粉としたのち、130MPa
の成形圧力でプレス成形し、成形体を多数製作した。次
に得られた成形体を450℃の空気気流中において4時
間脱脂したのち、常温から加熱し10−2Pa以下の真
空雰囲気中にて温度1400℃で2時間にわたる途中保
持操作を実施した後、0.7MPaの窒素ガス雰囲気中
にて温度1825℃で6時間焼結した後に、1500℃
まで温度降下するまでの冷却速度をそれぞれ100℃/
hr(実施例1)、50℃/hr(実施例2)、25℃
/hr(実施例3)となるように調整して焼結体を徐冷
し、それぞれ実施例1〜3に係る窒化けい素セラミック
ス基板を調製した。なお、各基板のサイズは立て50m
m×横40mm×厚さ0.9mmに統一した。
【0092】また、実施例4として、焼結途中での保持
操作を1×10Paの窒素ガス雰囲気中にて温度16
00℃で2時間保持して実施した点以外は実施例1と同
一条件で処理することにより実施例4に係る窒化けい素
セラミックス基板を調製した。
【0093】比較例1〜3 比較例1として成形圧力を90MPaとした点および真
空雰囲気中で温度1400℃での途中保持操作を実施し
ない点以外は実施例1と同一条件で処理することにより
比較例1に係る窒化けい素セラミックス基板を調製し
た。また、比較例2として成形圧力を90MPaとした
点および焼結途中での保持操作を実施しない点、さらに
焼結後の冷却速度を従来の炉冷による500℃/hrと
した点以外は実施例1と同一条件で処理して比較例2に
係る窒化けい素セラミックス基板を調製した。比較例3
として酸素量が1.7質量%であり、前記不純物陽イオ
ン元素含有量が合計で0.7質量%であり、α相型窒化
けい素を91%含む平均粒径1.5μmのSi
(窒化けい素)原料粉末を使用した点以外は実施例1
と同一条件で処理することにより比較例3に係る窒化け
い素セラミックス基板を調製した。
【0094】こうして得られた実施例1〜4および比較
例1〜3に係る各窒化けい素セラミックス基板について
全酸素量、気孔率、粒界相中の最大気孔径、電流リーク
値、熱伝導率、室温での3点曲げ強度、マイクロインデ
ンテーション法における新原方式による破壊靭性値を測
定して表1に示す結果を得た。
【0095】なお、電流リーク値の測定は以下のように
実施した。すなわち、板状に形成した各セラミックス基
板の両面をダイヤモンド砥石で研削し、その厚さを0.
6mmに設定した。そして温度25℃、湿度70%の条
件に調整したチャンバー内において板状に形成した各基
板の表裏面間に1.5Kv(100Hz)の交流電圧を
印加した際に基板の表裏間に流れるリーク電流の値をカ
ーブトレーサ測定装置にて計測した。
【0096】また、気孔率はアルキメデス法、熱伝導率
はレーザーフラッシュ法により計測した。粒界相中の最
大気孔径は焼結体の断面の中から、単位面積100μm
×100μmを任意の3個所を選択し、走査型電子顕微
鏡写真(SEM)等の拡大写真により測定し、その中か
ら最も大きな気孔径を計測した。なお、最大気孔径とし
ては拡大写真中に示される最も長い対角線を採用した。
【0097】また、窒化けい素セラミックス基板中の全
酸素量の計測は、不活性ガス融解−赤外線吸収法に準ず
る酸素分析計により測定した。
【0098】また、三点曲げ強度については焼結体の片
面をダイヤモンド砥石で研削し、その厚さを0.6mm
に設定して、焼結上がり面を、そのまま三点曲げ強度試
験における引張り面側に配置し、スパン(支点距離)を
30mmとし、荷重の印加速度を0.5mm/minに
設定した条件で測定した。各測定結果を下記表1に示
す。
【0099】
【表1】
【0100】上記表1に示す結果から明らかなように各
実施例に係る窒化けい素セラミックス基板においては、
焼結工程途中で所定の保持操作を実施した後に本焼結を
実施して形成されているため、基板の酸素濃度が減少
し、気孔の発生が抑制されて最大気孔径が微小化されて
おり、リーク電流の発生が少なく高熱伝導率を有する高
強度の窒化けい素セラミックス基板が得られた。
【0101】一方、焼結工程の途中での保持操作を実施
しない比較例1,2においては、酸素の低減効果が少な
く気孔の残存が多く、リーク電流値は増加した。
【0102】また、比較例2のように焼結体の冷却速度
を大きく設定し、急激に冷却した場合は粒界相において
結晶相が占める割合が低下するとともに最大気孔径が大
きくなり熱伝導率が低下した。さらに粒界相のガラス相
の割合が相対的に大きくなるため、リーク電流値も高く
なった。
【0103】また、原料粉末中の酸素量が過大である比
較例3においては、焼結途中の保持操作および徐冷を実
施しても気孔率が大きく、また最大気孔径も大きくなる
ため、リーク電流値も大きく絶縁性が低下することが判
明した。
【0104】実施例5〜47 実施例5〜47として実施例1において使用した窒化け
い素原料粉末と、Y粉末と、MgO粉末と、Hf
粉末と、表2および表3に示すように平均粒径0.
9〜1.0μmの各種希土類酸化物粉末の他に、平均粒
径0.4〜0.5μmの各種化合物粉末を表2〜3に示
す組成比となるように調合して原料混合体をそれぞれ調
製した。
【0105】次に得られた各原料混合体を実施例1と同
一条件で成形脱脂処理した後、焼結途中において表2お
よび表3に示す条件で保持操作を実施した後、本焼結を
実施することにより、それぞれ実施例5〜47に係る窒
化けい素セラミックス基板を製造した。また、実施例4
3,44,45として、実施例29,30,31におい
てそれぞれの基板の厚さを実施例1に示す条件で0.3
mmに研削加工することにより、実施例43,44,4
5に係る窒化けい素セラミックス基板をそれぞれ製作し
た。
【0106】比較例4〜9 一方比較例4〜9として表3に示すようにYを過
少量に添加したもの(比較例4)、Erを過量に
添加したもの(比較例5)、Hoを過量に添加し
たもの(比較例6)、MgOを過量に添加したもの(比
較例7)、HfOを過量に添加したもの(比較例
8)、TiOを過量に添加したもの(比較例9)の原
料混合体をそれぞれ調製した。
【0107】次に得られた各原料混合体を実施例5と同
一条件で成形脱脂処理した後、表3に示す条件で焼結途
中において保持操作を実施した後、本焼結することによ
り、それぞれ比較例4〜9に係る窒化けい素セラミック
ス基板を製造した。
【0108】こうして製造した各実施例および比較例に
係る各窒化けい素セラミックス基板について、実施例1
と同一条件で全酸素量、気孔率、粒界相中の最大気孔
径、電流リーク値、熱伝導率、室温での三点曲げ強度、
破壊靭性値を測定して下記表2〜3に示す結果を得た。
【0109】
【表2】
【0110】
【表3】
【0111】上記表2および表3に示す結果から明らか
なように、所定量の希土類元素を含み、酸素量を規定し
た原料成形体の焼結工程の途中で所定条件で保持操作を
実施するとともに、焼結後に徐冷して製造された各実施
例に係るセラミックス基板においては、セラミックス基
板の酸素濃度が減少し、気孔の発生が抑制されて最大気
孔径が微小化されており、リーク電流の発生が少なく高
熱伝導率を有する高強度の窒化けい素セラミックス基板
が得られている。
【0112】一方、比較例4〜9で示すように、希土類
成分の添加量が本発明で規定する範囲外とした基板で
は、焼結途中での保持操作および焼結後の徐冷を実施し
ても、焼結体の全酸素量,気孔率,最大気孔径,熱伝導
率,三点曲げ強度等のいずれかの特性において本発明で
規定する特性要件が満たされていないことが確認でき
る。
【0113】また、実施例10と組成が同一であり、焼
結後の冷却速度を500℃/hr(自然冷却)に設定し
て作成した実施例46,47に係る窒化けい素セラミッ
クス基板についても、本発明で規定する範囲のリーク電
流値が得られている。しかしながら、実施例46,47
においては徐冷で調製した実施例10の基板と比較して
熱伝導率がやや劣ることが確認できた。
【0114】さらに、実施例28と比較例2に係る窒化
けい素セラミックス基板について、印加電圧を変えた場
合のリーク電流値を測定して下記表4に示す結果を得
た。なお、いずれの場合においても、周波数は100H
zに統一した。
【0115】
【表4】
【0116】上記表4に示す結果から明らかなように、
印加電圧が0.1kV未満の場合にはリーク電流値に大
きな差異は表われないが、印加電圧の上昇に伴ってその
差異が大きくなる傾向が判明した。換言すると、本実施
例に係る窒化けい素セラミックス基板は、0.1kV
(100V)以上の比較的に大きな電圧を作用させる回
路基板に有効であると言える。
【0117】また上記実施例28および比較例2に係る
窒化けい素セラミックス基板を使用して表5および図1
〜図3に示す窒化けい素セラミックス回路基板1をそれ
ぞれ調製した。この窒化けい素セラミックス回路基板1
は、窒化けい素セラミックス基板2の表面側に一対の金
属回路板3,3としての厚さ0.30mmのCu板を、
その間隙Lが表5に示す値となるように接合する一方、
基板2の背面側には裏金属板としての厚さ0.25mm
の裏銅板を接合して形成した。
【0118】なお、金属板の接合方法は表5に示す通
り、活性金属法または直接接合法を用いた。活性金属法
では、重量組成が70Ag−27Cu−3Tiであるろ
う材を使用して銅板を接合した。一方、直接接合法で
は、窒化けい素セラミックス基板表面を酸化して厚さ1
μmの酸化膜を設けた後に銅板を接合した。
【0119】さらに、上記のように調製した窒化けい素
セラミックス回路基板に半導体素子を搭載して半導体モ
ジュールを組み立てた。そして各半導体モジュールに動
作電圧として0.02kVおよび1.5kVの電圧を印
加して素子機能の良否を確認した。具体的には、上記の
半導体モジュールを100組用意し、各半導体モジュー
ルを組み込んだ電子機器を100時間連続稼動させた場
合に全ての半導体素子が正常に機能したときには不具合
無しとして「○」で評価する一方、正常に機能しなかっ
た場合は、不具合有りとして「×」と評価した。評価結
果を下記表5に示す。
【0120】
【表5】
【0121】上記表5に示す結果から明らかなように、
各実施例に係る窒化けい素セラミックス回路基板によれ
ば、金属回路板の間隙Lを0.1mmと狭くした場合に
おいても素子機能は正常であり、何らの不具合を生じな
いことが確認できた。
【0122】これに対して、各比較例の回路基板におい
ては、印加電圧が小さいときには、いずれも動作は正常
であるが、印加電圧が大きくなると、不具合が生じてい
る。特に金属回路板の間隙が0.5mm以下の場合では
動作不良などの不具合が生じ易いことが判明した。また
金属回路板の間隙Lを2mmと大きくした比較例2〜4
の場合でも、不具合が完全に解消できなかったため、
「△」と評価した。
【0123】このように表3および表4に示す結果から
明らかなように、各実施例においてはセラミックス基板
におけるリーク電流値を所定の値以下に制御しているた
め、印加電圧が0.1kV以上の比較的大きな電圧を印
加する回路基板において、金属回路板の間隙Lを0.1
〜0.5mm程度に設定することが可能となる。そのた
め、回路基板の高密度実装や小型化が容易になる。換言
すると、本発明は印加電圧が0.1kV以上であり、金
属回路板の間隙が0.1〜0.5mm程度と微細な回路
構成を有する窒化けい素回路基板に特に有効であるとい
える。
【0124】次に原料混合体の成形圧力を変え、また炭
素量を制御した場合における本発明の実施形態を以下に
示す実施例を参照して具体的に説明する。
【0125】実施例101〜149 酸素を1.3重量%以下、不純物陽イオン元素としてA
l,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bを合計で
0.10重量%以下含有し、α相型窒化けい素97%を
含む平均粒径0.40μmの窒化けい素原料粉末に対し
て、表6〜表8に示すように焼結助剤として平均粒径
0.7μmの希土類酸化物(Y,Er ,H
,Yb,Dy,Sm,Nd
,Pr 11,CeOの1種または2種以
上)粉末,平均粒径0.5μmのMgO(酸化マグネシ
ウム)粉末、さらには必要に応じHf化合物、Ti等の
化合物を所定量添加し、エチルアルコール中で72時間
湿式混合した後に乾燥して原料粉末混合体を調製した。
【0126】次に得られた原料粉末混合体に有機バイン
ダなどを所定量添加して均一に混合した後に、表6〜表
8に示す成形圧力でプレス成形またはドクターブレード
成形を行い、成形体を多数製作した。次に得られた成形
体を脱脂した後に、この脱脂体を窒素ガス雰囲気中7.
5気圧にて表6〜表8に示す焼結条件で緻密化焼結を実
施した後に、焼結炉に付設した加熱装置への通電量を制
御して焼結炉内温度が1500℃まで降下するまでの間
における焼結体の冷却速度がそれぞれ表6〜表8に示す
値となるように調整して焼結体を徐冷し、それぞれ各実
施例に係る窒化けい素セラミックス基板を調製した。
【0127】なお、各窒化けい素セラミックス基板の寸
法は、長さ60mm×幅40mm×厚さ0.3〜0.8
mmとし、必要に応じ、敷粉を除去するためにホーニン
グ加工を施すものとする。なお、基板厚さは実施例10
1〜120が0.8mm、実施例121〜130が0.
5mm、実施例131〜149が0.3mmである。
【0128】比較例101 一方、原料混合体にMgOを添加せず、また緻密化焼結
完了直後に、加熱装置電源をOFFにし、従来の、特別
な制御を行わない炉冷(自然冷却)による冷却速度(約
500℃/hr)で焼結体を冷却した点以外は実施例1
03と同一条件で焼結処理して比較例101に係る窒化
けい素セラミックス基板を調製した。
【0129】比較例102 酸素を1.5重量%、前記不純物陽イオン元素を合計で
0.6重量%含有し、α相型窒化けい素93%を含む平
均粒径0.60μmの窒化けい素原料粉末を用い、成形
圧力を100MPaと低く設定した点以外は実施例10
3と同一条件で処理し、比較例102に係る窒化けい素
セラミックス基板を調製した。
【0130】比較例103 成形体の厚さを1.6mmと厚くし、焼結後に表面を研
磨加工して各実施例と同一厚さに調整した点以外は実施
例103と同一条件で処理し、比較例103に係る窒化
けい素セラミックス基板を調製した。
【0131】比較例104 焼結体中の残留炭素量を800ppmと本発明の好まし
い範囲外とした点以外は実施例103と同一の条件で処
理し、比較例104に係る窒化けい素セラミックス基板
を調製した。
【0132】こうして得た実施例101〜149および
比較例101〜104に係る窒化けい素セラミックス基
板について気孔率、熱伝導率(25℃)、室温での三点
曲げ強度の平均値を測定した。さらに、各基板をX線回
折法によって粒界相に占める結晶相の割合(面積比)を
測定した。
【0133】また、各窒化けい素セラミックス基板の残
留炭素量をX線マイクロアナライザ(EPMA)で測定
する一方、基板表面の任意の4箇所に1辺が10μmの
正方状の測定領域を設定し、各領域において幅が1μm
以上のマイクロクラックの発生の有無を顕微鏡写真によ
って確認するとともに、幅が1μm未満のサブミクロン
クラックの発生数の最大値により求めた。
【0134】さらに、各窒化けい素セラミックス基板の
表裏面に金属回路板を接合し、カーブトレーサ測定装置
を用いて表裏面の金属回路板に測定用電極を接触させ
1.5kV−100Hzの交流電圧を印可したときのリ
ーク電流値を測定した。なお表裏面の金属回路板の接合
は、Ag−28wt%Cu−2wt%Tiペーストを使
用して活性金属接合法により接続した。なお、金属回路
板の接合においては他にAl−0.2〜15wt%Si
合金板により直接接合したものを使用してもよい。
【0135】上記リーク電流の測定においては、測定用
電極を窒化けい素セラミックス基板の表裏面に直接接触
させて測定することも可能であるが、測定中にテスター
電極と基板表面の接触部にズレが生じ易いことから、本
実施例においては金属回路板を接合してから測定を行っ
た。なお、金属回路板は電気伝導性が良好であることか
ら、これを接合した後に測定したとしても基板のリーク
電流値に影響を与えるものではない。また両電極間に1
MHzの高周波数の交流電圧を印加したときのそれぞれ
の誘電損失をインピーダンスアナライザを用いて計測
し、下記表6〜表8に示す結果を得た。
【0136】
【表6】
【0137】
【表7】
【0138】
【表8】
【0139】表6〜表8に示す結果から明らかなように
各実施例に係る窒化けい素セラミックス回路基板におい
ては、比較例101と比較して緻密化焼結完了直後にお
ける焼結体の冷却速度を従来より低く設定しているた
め、粒界相に結晶相を含み、結晶相の占める割合が高い
程、リーク電流の発生が少なく、高熱伝導率を有する放
熱性の高い高強度基板が得られた。
【0140】また、いずれの実施例においても1.5k
Vの高電圧を印加した際のリーク電流値は500nA以
下であり、優れた絶縁特性を示している。さらに1MH
zの高周波領域における誘電損失はいずれも0.000
1以下であり、この基板を使用したパワーモジュールの
大電力化および高容量化に際しても優れた信頼性を実現
することができる。特に各実施例に係る基板において、
1〜5MHzの高周波領域において、誘電損失が周波数
にほぼ比例する関係であるため、基板の絶縁性や信頼性
の向上がより顕著になる。
【0141】さらに、所定量のMgを含有する各実施例
においては、粒界相の結晶化が進行し易く、ガラス相の
割合を相対的に低減できるため、クラックの発生が少な
く、高強度で熱伝導度が向上した窒化けい素基板が得ら
れている。
【0142】また、窒化けい素セラミックス基板の残留
炭素量を500ppm以下にするように、十分に脱脂操
作を実施した各実施例に係る基板においてはリーク電流
値も小さくなり、優れた耐電圧特性を示すことも確認で
きた。
【0143】一方、比較例101のように焼結体の冷却
速度を大きく設定し、急激に冷却した場合は粒界相にお
いて結晶相が占める割合が10%以下と少なく熱伝導率
が低下した。さらに粒界相のガラス相の割合が相対的に
大きくなるため、リーク電流値も高くなった。
【0144】また、比較例102のように成形圧力を低
くした場合は、クラックの発生量が多くリーク電流値も
高く絶縁性が低くなる。また前記不純物陽イオン元素を
合計量の0.6重量%と多く含有した窒化けい素粉末を
用いた比較例102の場合は、焼結体の冷却速度を実施
例101と同一にしても粒界相の大部分が非結晶質で形
成され熱伝導率が相対的に低下した。
【0145】さらに比較例103のように焼結して得た
基板を研磨加工して所定の厚さに調整した場合は、研磨
加工による衝撃力によって基板表面にクラックが発生し
易くなり、リーク電流値が高く、基板の耐電圧特性が低
下することが確認できた。
【0146】なお、本発明に係る窒化けい素セラミック
ス基板を用いた回路基板は、実施例に示したような基板
の両面に金属回路板を設けた形態に限定されるものでは
なく、表面のみに金属回路板を設けた形態、または表面
に金属回路板を設ける一方、裏面にヒートシンクまたは
反り防止のための金属板を設けた形態でも形成できるこ
とは言うまでもない。
【0147】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る窒化けい
素焼結体およびその製造方法によれば、焼結工程の途中
で所定の保持操作を実施した後に本焼結を実施して形成
されているため、焼結体の酸素濃度が減少し、気孔の発
生が抑制されて最大気孔径を極微小化することが可能で
あり、リーク電流の発生が少ない絶縁性が高い窒化けい
素焼結体が得られる。そのため、この窒化けい素焼結体
をセラミックス基板として使用してパワーモジュールを
調製した場合には、高出力化および高容量化しても絶縁
性および動作信頼性が高いパワーモジュールを形成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る窒化けい素セラミックス基板を使
用した窒化けい素セラミックス回路基板の構成を示す平
面図。
【図2】図1に示す窒化けい素セラミックス回路基板の
断面図。
【図3】図1に示す窒化けい素セラミックス回路基板の
底面図。
【符号の説明】
1 窒化けい素セラミックス回路基板 2 窒化けい素セラミックス基板 3 金属回路板(銅板) 4 裏金属板(裏銅板)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 秀樹 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 東 芝電子エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 小松 通泰 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 山口 晴彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 4G001 BA06 BA12 BA32 BA42 BA71 BB06 BB12 BB32 BB42 BB71 BD03 BD14 BD23 BE34

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒界相中の最大気孔径が0.3μm以下
    の窒化けい素焼結体から成り、温度25℃,湿度70%
    の条件下で上記窒化けい素焼結体の表裏間に1.5Kv
    −100Hzの交流電圧を印加したときの電流リーク値
    が1000nA以下であり、熱伝導率が50W/m・k
    以上、3点曲げ強度が500MPa以上であることを特
    徴とする窒化けい素セラミックス基板。
  2. 【請求項2】 破壊靭性値が6.5MPa・m1/2
    上であることを特徴とする請求項1記載の窒化けい素セ
    ラミックス基板。
  3. 【請求項3】 前記窒化けい素セラミックス基板は、窒
    化けい素結晶および粒界相から成るとともに粒界相中に
    おける結晶化合物相の粒界相全体に対する割合が20%
    以上であることを特徴とする請求項1記載の窒化けい素
    セラミックス基板。
  4. 【請求項4】 前記窒化けい素セラミックス基板は、希
    土類元素を酸化物に換算して2.0〜17.5質量%含
    有することを特徴とする請求項1記載の窒化けい素セラ
    ミックス基板。
  5. 【請求項5】 窒化けい素セラミックス基板の厚さが
    1.5mm以下であることを特徴とする請求項1記載の
    窒化けい素セラミックス基板。
  6. 【請求項6】 熱伝導率が90W/m・k以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の窒化けい素セラミックス
    基板。
  7. 【請求項7】 前記窒化けい素セラミックス基板は、M
    gをMgOに換算して0.3〜3.0質量%含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の窒化けい素セラミックス
    基板。
  8. 【請求項8】 HfおよびMgの少なくとも一方を酸化
    物に換算して0.3〜3.0質量%含有するとともに、
    不純物陽イオン元素としてのAl,Li,Na,K,F
    e,Ba,Mn,Bを合計で0.5質量%以下含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の窒化けい素セラミック
    ス基板。
  9. 【請求項9】 前記窒化けい素セラミックス基板におけ
    る残留炭素含有量が500ppm以下であることを特徴
    とする請求項1記載の窒化けい素セラミックス基板。
  10. 【請求項10】 気孔率が容量比で2.5%以下であ
    り、全酸素量が3.5質量%以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の窒化けい素セラミックス基板。
  11. 【請求項11】 Ti,Zr,W,Mo,Ta,Nb,
    V,Crからなる群より選択される少なくとも1種を酸
    化物に換算して2質量%以下含有することを特徴とする
    請求項1記載の窒化けい素セラミックス基板。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし請求項11のいずれか
    に記載の窒化けい素セラミックス基板上に、金属回路板
    を設けたことを特徴とする窒化けい素セラミックス回路
    基板。
  13. 【請求項13】 窒化けい素粉末に、希土類元素を酸化
    物に換算して2〜17.5質量%添加した原料混合体を
    成形して成形体を調整し、得られた成形体を脱脂後、焼
    結する途中で温度1300〜1600℃で所定時間保持
    した後に、温度1700〜1900℃で焼結し、上記焼
    結温度から、上記希土類元素により焼結時に形成された
    液相が凝固する温度までに至る焼結体の冷却速度を毎時
    100℃以下にして徐冷することを特徴とする窒化けい
    素セラミックス基板の製造方法。
  14. 【請求項14】 窒化けい素粉末が、酸素を1.5質量
    %以下、不純物陽イオン元素としてのAl,Li,N
    a,K,Fe,Ba,Mn,Bを合計で0.5質量%以
    下、α相型窒化けい素を75〜97質量%以上含有し、
    平均粒径が1.0μm以下であることを特徴とする請求
    項13記載の窒化けい素セラミックス基板の製造方法。
  15. 【請求項15】 窒化けい素粉末に、HfおよびMgの
    少なくとも一方を酸化物に換算して0.3〜3.0質量
    %添加することを特徴とする請求項13記載の窒化けい
    素セラミックス基板の製造方法。
  16. 【請求項16】 窒化けい素粉末に、Ti,Zr,W,
    Mo,Ta,Nb,V,Crからなる群より選択される
    少なくとも1種を酸化物に換算して2質量%以下添加す
    ることを特徴とする請求項13記載の窒化けい素セラミ
    ックス基板の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記原料混合体を120MPa以上の
    成形圧力で成形して成形体を調製することを特徴とする
    請求項13記載の窒化けい素セラミックス基板の製造方
    法。
  18. 【請求項18】 前記成形圧力が120〜200MPa
    の範囲であることを特徴とする請求項17記載の窒化け
    い素セラミックス基板の製造方法。
  19. 【請求項19】 焼結後における前記焼結体の残留炭素
    量が500ppm以下であることを特徴とする請求項1
    3記載の窒化けい素セラミックス基板の製造方法。
JP2001309457A 2000-10-27 2001-10-05 窒化けい素セラミックス基板およびそれを用いた窒化けい素セラミックス回路基板並びにその製造方法 Expired - Lifetime JP3797905B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001309457A JP3797905B2 (ja) 2000-10-27 2001-10-05 窒化けい素セラミックス基板およびそれを用いた窒化けい素セラミックス回路基板並びにその製造方法
US09/983,935 US6613443B2 (en) 2000-10-27 2001-10-26 Silicon nitride ceramic substrate, silicon nitride ceramic circuit board using the substrate, and method of manufacturing the substrate
EP01125326.7A EP1201623B1 (en) 2000-10-27 2001-10-26 Silicon nitride ceramic substrate and silicon nitride ceramic circuit board using the substrate

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-329499 2000-10-27
JP2000329499 2000-10-27
JP2001309457A JP3797905B2 (ja) 2000-10-27 2001-10-05 窒化けい素セラミックス基板およびそれを用いた窒化けい素セラミックス回路基板並びにその製造方法

Related Child Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005264271A Division JP4384101B2 (ja) 2000-10-27 2005-09-12 窒化けい素セラミックス基板およびそれを用いた窒化けい素セラミックス回路基板
JP2006057623A Division JP4221006B2 (ja) 2000-10-27 2006-03-03 窒化けい素セラミックス回路基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002201075A true JP2002201075A (ja) 2002-07-16
JP3797905B2 JP3797905B2 (ja) 2006-07-19

Family

ID=26602974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001309457A Expired - Lifetime JP3797905B2 (ja) 2000-10-27 2001-10-05 窒化けい素セラミックス基板およびそれを用いた窒化けい素セラミックス回路基板並びにその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3797905B2 (ja)

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006062907A (ja) * 2004-08-26 2006-03-09 Dowa Mining Co Ltd アルミニウム−セラミックス接合基板
JP2006286754A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Dowa Mining Co Ltd 金属−セラミックス接合基板
JP2007197229A (ja) * 2006-01-24 2007-08-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 高熱伝導窒化ケイ素基板とその製造方法
JP2008069044A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Hitachi Metals Ltd セラミックス基板、これを用いたセラミックス回路基板及び半導体モジュール
WO2008114752A1 (ja) * 2007-03-22 2008-09-25 Ngk Spark Plug Co., Ltd. インサート及び切削工具
JP2009012994A (ja) * 2007-07-02 2009-01-22 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 高周波用低損失誘電体材料、その製造方法及び部材
JP2009029665A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Kyocera Corp 回路基板およびその製法
JP2009120483A (ja) * 2000-10-27 2009-06-04 Toshiba Corp 半導体モジュールおよびそれを用いた電子機器
JP2009298688A (ja) * 2008-05-16 2009-12-24 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 高熱伝導・低誘電損失の高周波用緻密質誘電体材料、その製造方法及び部材
WO2011010597A1 (ja) * 2009-07-24 2011-01-27 株式会社東芝 窒化珪素製絶縁シートおよびそれを用いた半導体モジュール構造体
JP2011077546A (ja) * 2010-12-17 2011-04-14 Dowa Holdings Co Ltd アルミニウム−セラミックス接合基板
JPWO2011111746A1 (ja) * 2010-03-09 2013-06-27 京セラ株式会社 セラミック焼結体およびこれを用いた回路基板,電子装置ならびに熱電変換モジュール
US8563869B2 (en) 2005-08-29 2013-10-22 Hitachi Metals, Ltd. Circuit board and semiconductor module using this, production method for circuit board
WO2015060274A1 (ja) 2013-10-23 2015-04-30 株式会社東芝 窒化珪素基板およびそれを用いた窒化珪素回路基板
KR20170021282A (ko) 2014-06-16 2017-02-27 우베 고산 가부시키가이샤 질화규소 분말, 질화규소 소결체 및 회로 기판, 및 질화규소 분말의 제조 방법
EP3248956A4 (en) * 2015-01-23 2018-08-22 Kabushiki Kaisha Toshiba, Inc. Silicon nitride sintered compact having high thermal conductivity, silicon nitride substrate and silicon nitride circuit substrate using same, and semiconductor device
WO2020203633A1 (ja) 2019-03-29 2020-10-08 デンカ株式会社 窒化珪素回路基板、及び、電子部品モジュール
CN112898032A (zh) * 2021-02-04 2021-06-04 江西理工大学 一种凝胶注模陶瓷生坯热脱脂速率控制方法
JP2021116199A (ja) * 2020-01-24 2021-08-10 京セラ株式会社 窒化珪素質基板及びパワーモジュール
WO2022024707A1 (ja) * 2020-07-29 2022-02-03 日本ファインセラミックス株式会社 窒化珪素基板およびその製造方法
JP2022027444A (ja) * 2020-07-29 2022-02-10 日本ファインセラミックス株式会社 窒化珪素基板およびその製造方法
CN115073186A (zh) * 2022-07-22 2022-09-20 中国科学院兰州化学物理研究所 一种氮化硅陶瓷烧结体及其制备方法
WO2022201925A1 (ja) * 2021-03-26 2022-09-29 デンカ株式会社 セラミック焼結体、及びセラミック焼結体の製造方法

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4384101B2 (ja) * 2000-10-27 2009-12-16 株式会社東芝 窒化けい素セラミックス基板およびそれを用いた窒化けい素セラミックス回路基板
US9277639B2 (en) 2012-10-04 2016-03-01 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor circuit board, semiconductor device using the same, and method for manufacturing semiconductor circuit board
US10109555B2 (en) 2015-02-02 2018-10-23 Kabushiki Kaisha Toshiba Silicon nitride circuit board and electronic component module using the same
JP6829204B2 (ja) 2015-09-28 2021-02-10 株式会社東芝 窒化珪素回路基板およびそれを用いた半導体モジュール
WO2017170247A1 (ja) 2016-03-28 2017-10-05 日立金属株式会社 窒化ケイ素焼結基板、窒化ケイ素焼結基板片、回路基板および窒化ケイ素焼結基板の製造方法
JP6992364B2 (ja) * 2017-09-26 2022-01-13 日立金属株式会社 窒化ケイ素焼結基板

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0930866A (ja) * 1995-07-21 1997-02-04 Nissan Motor Co Ltd 高熱伝導率窒化ケイ素質焼結体およびその製造方法ならびに窒化ケイ素質焼結体製絶縁基板
JPH0969672A (ja) * 1995-03-20 1997-03-11 Toshiba Corp 窒化けい素回路基板
JPH09183666A (ja) * 1995-12-28 1997-07-15 Toshiba Corp 高熱伝導性窒化けい素焼結体およびその製造方法
JP2000128643A (ja) * 1998-10-21 2000-05-09 Sumitomo Electric Ind Ltd 高熱伝導性窒化ケイ素焼結体及びその製造方法
JP2001010864A (ja) * 1999-06-23 2001-01-16 Hitachi Metals Ltd 高熱伝導窒化ケイ素質焼結体
JP2001064080A (ja) * 1999-06-23 2001-03-13 Ngk Insulators Ltd 窒化珪素焼結体及びその製造方法
JP2002097005A (ja) * 2000-09-20 2002-04-02 Hitachi Metals Ltd 窒化ケイ素質粉末、窒化ケイ素質粉末の製造方法、窒化ケイ素質焼結体、窒化ケイ素質焼結体の製造方法および回路基板

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0969672A (ja) * 1995-03-20 1997-03-11 Toshiba Corp 窒化けい素回路基板
JPH0930866A (ja) * 1995-07-21 1997-02-04 Nissan Motor Co Ltd 高熱伝導率窒化ケイ素質焼結体およびその製造方法ならびに窒化ケイ素質焼結体製絶縁基板
JPH09183666A (ja) * 1995-12-28 1997-07-15 Toshiba Corp 高熱伝導性窒化けい素焼結体およびその製造方法
JP2000128643A (ja) * 1998-10-21 2000-05-09 Sumitomo Electric Ind Ltd 高熱伝導性窒化ケイ素焼結体及びその製造方法
JP2001010864A (ja) * 1999-06-23 2001-01-16 Hitachi Metals Ltd 高熱伝導窒化ケイ素質焼結体
JP2001064080A (ja) * 1999-06-23 2001-03-13 Ngk Insulators Ltd 窒化珪素焼結体及びその製造方法
JP2002097005A (ja) * 2000-09-20 2002-04-02 Hitachi Metals Ltd 窒化ケイ素質粉末、窒化ケイ素質粉末の製造方法、窒化ケイ素質焼結体、窒化ケイ素質焼結体の製造方法および回路基板

Cited By (41)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009120483A (ja) * 2000-10-27 2009-06-04 Toshiba Corp 半導体モジュールおよびそれを用いた電子機器
JP2006062907A (ja) * 2004-08-26 2006-03-09 Dowa Mining Co Ltd アルミニウム−セラミックス接合基板
JP2006286754A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Dowa Mining Co Ltd 金属−セラミックス接合基板
US8563869B2 (en) 2005-08-29 2013-10-22 Hitachi Metals, Ltd. Circuit board and semiconductor module using this, production method for circuit board
JP2007197229A (ja) * 2006-01-24 2007-08-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 高熱伝導窒化ケイ素基板とその製造方法
JP2008069044A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Hitachi Metals Ltd セラミックス基板、これを用いたセラミックス回路基板及び半導体モジュール
US8492300B2 (en) 2007-03-22 2013-07-23 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Insert and cutting tool
WO2008114752A1 (ja) * 2007-03-22 2008-09-25 Ngk Spark Plug Co., Ltd. インサート及び切削工具
JP2009012994A (ja) * 2007-07-02 2009-01-22 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 高周波用低損失誘電体材料、その製造方法及び部材
JP2009029665A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Kyocera Corp 回路基板およびその製法
JP2009298688A (ja) * 2008-05-16 2009-12-24 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 高熱伝導・低誘電損失の高周波用緻密質誘電体材料、その製造方法及び部材
JPWO2011010597A1 (ja) * 2009-07-24 2012-12-27 株式会社東芝 窒化珪素製絶縁シートおよびそれを用いた半導体モジュール構造体
WO2011010597A1 (ja) * 2009-07-24 2011-01-27 株式会社東芝 窒化珪素製絶縁シートおよびそれを用いた半導体モジュール構造体
US8916961B2 (en) 2009-07-24 2014-12-23 Kabushiki Kaisha Toshiba Insulation sheet made from silicon nitride, and semiconductor module structure using the same
JP5675610B2 (ja) * 2009-07-24 2015-02-25 株式会社東芝 窒化珪素製絶縁シートおよびそれを用いた半導体モジュール構造体
JPWO2011111746A1 (ja) * 2010-03-09 2013-06-27 京セラ株式会社 セラミック焼結体およびこれを用いた回路基板,電子装置ならびに熱電変換モジュール
JP2011077546A (ja) * 2010-12-17 2011-04-14 Dowa Holdings Co Ltd アルミニウム−セラミックス接合基板
US9630846B2 (en) 2013-10-23 2017-04-25 Kabushiki Kaisha Toshiba Silicon nitride substrate and silicon nitride circuit board using the same
JPWO2015060274A1 (ja) * 2013-10-23 2017-03-09 株式会社東芝 窒化珪素基板およびそれを用いた窒化珪素回路基板
WO2015060274A1 (ja) 2013-10-23 2015-04-30 株式会社東芝 窒化珪素基板およびそれを用いた窒化珪素回路基板
JP2017152707A (ja) * 2013-10-23 2017-08-31 株式会社東芝 圧接構造用窒化珪素基板およびそれを用いた窒化珪素回路基板
JP2017165647A (ja) * 2013-10-23 2017-09-21 株式会社東芝 窒化珪素基板およびそれを用いた窒化珪素回路基板
JP2017178776A (ja) * 2013-10-23 2017-10-05 株式会社東芝 窒化珪素基板およびそれを用いた窒化珪素回路基板
US9884762B2 (en) 2013-10-23 2018-02-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Silicon nitride substrate and silicon nitride circuit board using the same
US10322934B2 (en) 2013-10-23 2019-06-18 Kabushiki Kaisha Toshiba Silicon nitride substrate and silicon nitride circuit board using the same
KR20170021282A (ko) 2014-06-16 2017-02-27 우베 고산 가부시키가이샤 질화규소 분말, 질화규소 소결체 및 회로 기판, 및 질화규소 분말의 제조 방법
US10399854B2 (en) 2014-06-16 2019-09-03 Ube Industries, Ltd. Silicon nitride powder, silicon nitride sintered body and circuit substrate, and production method for said silicon nitride powder
EP3248956A4 (en) * 2015-01-23 2018-08-22 Kabushiki Kaisha Toshiba, Inc. Silicon nitride sintered compact having high thermal conductivity, silicon nitride substrate and silicon nitride circuit substrate using same, and semiconductor device
WO2020203633A1 (ja) 2019-03-29 2020-10-08 デンカ株式会社 窒化珪素回路基板、及び、電子部品モジュール
KR20210142616A (ko) 2019-03-29 2021-11-25 덴카 주식회사 질화규소 회로 기판, 및, 전자 부품 모듈
JP2021116199A (ja) * 2020-01-24 2021-08-10 京セラ株式会社 窒化珪素質基板及びパワーモジュール
JP7455594B2 (ja) 2020-01-24 2024-03-26 京セラ株式会社 窒化珪素質基板及びパワーモジュール
WO2022024707A1 (ja) * 2020-07-29 2022-02-03 日本ファインセラミックス株式会社 窒化珪素基板およびその製造方法
JP2022027444A (ja) * 2020-07-29 2022-02-10 日本ファインセラミックス株式会社 窒化珪素基板およびその製造方法
CN116134608A (zh) * 2020-07-29 2023-05-16 日本精细陶瓷有限公司 氮化硅基板及其制造方法
JP7434208B2 (ja) 2020-07-29 2024-02-20 日本ファインセラミックス株式会社 窒化珪素基板およびその製造方法
CN112898032A (zh) * 2021-02-04 2021-06-04 江西理工大学 一种凝胶注模陶瓷生坯热脱脂速率控制方法
WO2022201925A1 (ja) * 2021-03-26 2022-09-29 デンカ株式会社 セラミック焼結体、及びセラミック焼結体の製造方法
JP7186930B1 (ja) * 2021-03-26 2022-12-09 デンカ株式会社 セラミック焼結板、及びセラミック焼結板の製造方法
CN115073186A (zh) * 2022-07-22 2022-09-20 中国科学院兰州化学物理研究所 一种氮化硅陶瓷烧结体及其制备方法
CN115073186B (zh) * 2022-07-22 2023-05-23 中国科学院兰州化学物理研究所 一种氮化硅陶瓷烧结体及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3797905B2 (ja) 2006-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3797905B2 (ja) 窒化けい素セラミックス基板およびそれを用いた窒化けい素セラミックス回路基板並びにその製造方法
US6613443B2 (en) Silicon nitride ceramic substrate, silicon nitride ceramic circuit board using the substrate, and method of manufacturing the substrate
JP5038565B2 (ja) セラミックス回路基板およびその製造方法
CN111196728B (zh) 一种高强度、高韧性、高热导率氮化硅陶瓷材料及其制备方法
JP2018184333A (ja) 窒化珪素基板の製造方法、及び窒化珪素基板
JP2000034172A (ja) 高熱伝導性窒化けい素焼結体およびその製造方法
KR20070103330A (ko) 질화규소 소결체, 이의 제조방법 및 질화규소 기판
JP5039097B2 (ja) パワーモジュール
JP3565425B2 (ja) 窒化ケイ素質粉末の製造方法および窒化ケイ素質焼結体の製造方法
JP4384101B2 (ja) 窒化けい素セラミックス基板およびそれを用いた窒化けい素セラミックス回路基板
JPH0969672A (ja) 窒化けい素回路基板
WO2005049525A1 (ja) 高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体
JP4556162B2 (ja) 窒化珪素質焼結体及びその製造方法、並びにそれを用いた回路基板
JP3450570B2 (ja) 高熱伝導性窒化けい素回路基板
JP2003313079A (ja) 窒化ケイ素質焼結体および窒化ケイ素質焼結体の製造方法、並びにそれを用いた回路基板
JP4089974B2 (ja) 窒化ケイ素質粉末、窒化ケイ素質焼結体及びこれを用いた電子部品用回路基板
JP4221006B2 (ja) 窒化けい素セラミックス回路基板
JPH07172921A (ja) 窒化アルミニウム焼結体およびその製造方法
JP2003192445A (ja) 窒化けい素基板、その製造方法およびその基板を用いた薄膜付き窒化けい素基板
JP5073135B2 (ja) 窒化アルミニウム焼結体、その製造方法及び用途
JP2011037691A (ja) 高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体、これを用いた基板、回路基板、および半導体装置、ならびに高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体の製造方法
JP2002029851A (ja) 窒化珪素質組成物、それを用いた窒化珪素質焼結体の製造方法と窒化珪素質焼結体
JPH0977561A (ja) 窒化アルミニウム焼結体
JP3895211B2 (ja) 窒化けい素配線基板の製造方法
JP2022094464A (ja) 窒化シリコン用グリーンシート、および、その製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050712

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060303

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3797905

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 8

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350