JP3797905B2 - 窒化けい素セラミックス基板およびそれを用いた窒化けい素セラミックス回路基板並びにその製造方法 - Google Patents

窒化けい素セラミックス基板およびそれを用いた窒化けい素セラミックス回路基板並びにその製造方法 Download PDF

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    • H01L23/3735Laminates or multilayers, e.g. direct bond copper ceramic substrates

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は窒化けい素セラミックス基板およびそれを用いた窒化けい素回路基板並びにその製造方法に係り、特に窒化けい素セラミックス基板を用いて各種パワーモジュールや回路基板を構成した際にリーク電流の発生を効果的に抑制することができ、大電力化および大容量化したパワーモジュールにおいても絶縁性および動作の信頼性を大幅に向上させることが可能な窒化けい素セラミックス基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
窒化けい素を主成分とするセラミックス焼結体は、1000℃以上の高温度環境下でも優れた耐熱性を有し、かつ低熱膨張係数のため耐熱衝撃性も優れている等の諸特性を持つことから、従来の耐熱性超合金に代わる高温構造材料としてガスタービン用部品、エンジン用部品、製鋼用機械部品等の各種高強度耐熱部品への応用が試みられている。また、金属に対する耐食性が優れていることから溶融金属の耐溶材料としての応用も試みられ、さらに耐摩耗性も優れていることから、軸受等の摺動部材、切削工具への実用化も図られている。
【0003】
従来より窒化けい素セラミックス焼結体の焼結組成としては窒化けい素−酸化イットリウム−酸化アルミニウム系、窒化けい素−酸化イットリウム−酸化アルミニウム−窒化アルミニウム系、窒化けい素−酸化イットリウム−酸化アルミニウム−チタニウム、マグネシウムまたはジルコニウムの酸化物系等が知られている。
【0004】
上記焼結組成における酸化イットリウム(Y)などの希土類元素の酸化物は、従来から焼結助剤として一般に使用されており、焼結性を高めて焼結体を緻密化し高強度化をするために添加されている。
【0005】
従来の窒化けい素焼結体は、窒化けい素粉末に上記のような焼結助剤を添加物として加えた原料混合体を80〜100MPaの加圧力でプレス成形したり、押出成形法やドクターブレード法を用いて成形し、得られた成形体を1600〜1900℃程度の高温度の焼成炉で所定時間焼成した後に、炉を自然冷却する製法で量産されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の製造方法によって製造された窒化けい素焼結体をセラミックス基板として使用し、セラミックス基板表面に金属回路板を接合するとともに半導体素子を搭載することにより、各種パワーモジュールを形成した場合、セラミックス基板の絶縁性が低く、誘電損失が大きくなるために信頼性が高いパワーモジュールを得ることが困難であった。この傾向は、近年の半導体素子の高出力化および高集積化が進展するに伴って、さらに顕著になっていた。
【0007】
具体的には、上記窒化けい素セラミックス基板を用いて大電力用および大容量用の各種パワーモジュールを形成した場合に、セラミックス基板の表裏間の絶縁性が低下してリーク電流が発生し易くなる。そして、上記リーク電流値が所定の値を超えると、金属回路板を流れる電流がセラミックス基板を通り、他の金属回路にリーク(漏洩)してしまう。そのため、電気的には接続されていないにも拘わらず、他の金属回路板に漏れ電流(リーク電流)が流れることになり、半導体素子の誤作動を引き起こしたり、各種パワーモジュールの構成部品を傷損させたりする悪影響が発生する問題点があった。
【0008】
また、上記従来方法によって製造された窒化けい素焼結体では靭性値などの機械的強度は優れているものの、熱伝導特性の点では、他の窒化アルミニウム(AlN)焼結体、酸化ベリリウム(BeO)焼結体、炭化けい素(SiC)焼結体などと比較して不充分であったため、特に放熱性を要求される半導体用セラミックス基板などの電子用材料としては実用化されておらず、用途範囲が狭い難点があった。
【0009】
一方、上記窒化アルミニウム焼結体は他のセラミックス焼結体と比較して高い熱伝導率と低熱膨張係数とを有する特徴を有するため、高速化、高出力化、多機能化、大型化が進展する半導体回路基板材料やパッケージ材料として普及しているが、機械的強度の点で充分に満足できるものは得られていない。そこで、高強度を有するとともに高い絶縁性と高い熱伝導率をも併せ持ったセラミックス焼結体の開発が要請されている。
【0010】
上記要請に対応するため、本願発明者は、焼結体の組成、組織等を改善することにより、機械的強度および熱伝導率が共に優れた窒化けい素焼結体を開発した。しかしながら、従来の窒化けい素焼結体においては、結晶粒界相に存在する気孔のサイズが直径1μm程度に大きくなり易いという欠点があった。そして、電圧印加時に、この気孔部分を介して電流リークが発生し易いという問題点があった。したがって、このような焼結体においては、絶縁性が低下するため半導体用基板としては未だ充分とは言えないという課題があった。
【0011】
すなわち、上記従来の製造方法によって製造された窒化けい素焼結体をセラミックス基板として使用し、セラミックス基板表面に金属回路板を接合するとともに半導体素子を搭載することにより、各種パワーモジュールを形成した場合、セラミックス基板の絶縁性が低く、誘電損失が大きくなるために信頼性が高いパワーモジュールを得ることが困難であった。この傾向は、近年の半導体素子の高出力化および高集積化が進展するに伴って、さらに顕著になっていた。
【0012】
具体的には、上記窒化けい素セラミックス基板を用いて大電力用および大容量用の各種パワーモジュールを形成した場合に、セラミックス基板の表裏間の絶縁性が低下してリーク電流が発生し易くなる。そして、上記リーク電流値が所定の値を超えると、金属回路板を流れる電流がセラミックス基板を通り、他の金属回路にリーク(漏洩)してしまう。そのため、電気的には接続されていないにも拘わらず、他の金属回路板に漏れ電流(リーク電流)が流れることになり、半導体素子の誤作動を引き起こしたり、各種パワーモジュールの構成部品を傷損させたりする悪影響が発生する問題点があった。
【0013】
本発明は上記のような課題要請に対処するためになされたものであり、窒化けい素焼結体が本来備える高強度特性に加えて、特に絶縁性が高くリーク電流の発生を効果的に抑制でき、また熱伝導率が高く放熱性に優れた窒化けい素セラミックス基板およびそれを用いた窒化けい素回路基板並びにその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記目的を達成するため、従来の窒化けい素セラミックス基板を使用したモジュールにおいてリーク電流が発生する要因を究明し、以下のような知見を得た。
【0015】
すなわち、従来の窒化けい素セラミックス基板の表面には、基板を構成する窒化けい素焼結体の焼結性などが悪いため、幅が1μm以上のマイクロクラックや幅が1μm未満のサブミクロンクラックなどの割れが多数形成され易く、この割れが基板の厚さ方向に進展している場合には、その割れの長さに相当する分だけセラミックス基板の厚さが減少し、絶縁体としてのセラミックス基板の実質的な厚さが減少するために絶縁性が低下し、モジュールを形成した場合にリーク電流が発生し易くなる。なお上記割れは、セラミックス焼結体を所定厚さに研磨加工する際にも発生し易い。
【0016】
したがって上記リーク電流の発生を抑制するためには、研磨加工による厚さの調整を実施しない成形法を考慮することも重要であるが、特に原料混合体を加圧成形して成形体とする場合の成形圧力を120MPa以上とすることにより、緻密でクラックの発生が少ない焼結体が得られ、リーク電流の発生を効果的に低減できるという知見を得た。
【0017】
また窒化けい素結晶粒子は、本来絶縁物であるために電流は流れないが、現実の窒化けい素セラミックス基板においては焼結助剤成分の複合酸化物から成るガラス相が粒界相として形成されており、この粒界相に形成されたガラス相が上記リーク電流現象を引き起こすひとつの原因となることが判明した。
【0018】
さらに上記ガラス相は熱抵抗が大きいために窒化けい素セラミックス基板の熱伝導率を低下させ易く、またガラス相が多いとクラックが発生し易いことも判明した。なお、上記粒界相は窒化けい素セラミックス基板の強度をある程度まで高く維持するために必要である。しかしながら粒界相が存在すると前述のようにリーク電流を発生し易い組織となってしまう。そこで、本願発明ではリーク電流が発生しにくく、熱伝導率が高い粒界相を形成している。
【0019】
具体的には、少なくとも一部の粒界相を結晶化せしめることにより、熱抵抗が高いガラス相の比率を低減して窒化けい素セラミックス基板の熱伝導率を50W/m・K以上に高めると同時にリーク電流の発生を効果的に防止している。
【0020】
また、Hf酸化物を所定量添加することにより、上記ガラス相の発生を抑制することが可能であり、粒界相の結晶化が進行し易く、基板の高熱伝導化とリーク電流の抑制との両面から有効であることも判明した。
【0021】
さらに、炭素は導電性を有しているため、焼結後の窒化けい素セラミックス基板に残留する炭素がリーク電流の発生原因のひとつとなっていることも判明した。この対策として原料混合体を成形・脱脂した後における成形体の残留炭素量を所定値以下に規定することによって、窒化けい素セラミックス基板のリーク電流値を効果的に低減できることも判明した。
【0022】
また、従来の窒化けい素焼結体を製造する際に、一般的に使用されていた窒化けい素粉末の種類、焼結助剤や添加物の種類および添加量、焼結条件等を種々変えて、それらの要素が最終製品としての焼結体の特性に及ぼす影響を実験により確認した。
【0023】
その結果、微細で高純度を有する窒化けい素粉末に希土類元素を所定量ずつ添加した原料混合体を成形脱脂し、得られた成形体を所定温度で一定時間加熱保持して緻密化焼結を実施した後、所定の冷却速度で徐冷したときに熱伝導率が大きく向上し、かつ高強度を有する窒化けい素焼結体が得られることが判明した。
【0024】
また酸素や不純物陽イオン元素含有量を低減した高純度の窒化けい素原料粉末を使用し、窒化けい素成形体の厚さを小さく設定して焼結することにより、粒界相におけるガラス相(非晶質相)の生成が効果的に防止でき、希土類元素酸化物のみを原料粉末に添加した場合においても50W/m・K以上の高熱伝導率を有する窒化けい素焼結体が得られるという知見を得た。
【0025】
また、従来、焼結操作終了後に焼成炉の加熱用電源をOFFとして焼結体を炉冷していた場合には、冷却速度が毎時400〜800℃と急速であったが、本発明者の実験によれば、特に冷却速度を毎時100℃以下に緩速に制御することにより、窒化けい素焼結体組織の粒界相が非結晶質状態から結晶相を含む相に変化し、高強度特性と高伝熱特性とが同時に達成されることが判明した。
【0026】
しかしながら、本発明者はさらに改良研究を進めた結果、希土類元素に加えて、さらにMgを酸化物に換算して0.3〜3.0重量%添加した場合に、焼結性が改善されるため焼結体の高強度化が可能であることを見い出し、本発明を完成したものである。ちなみに原料成形体を1500〜1900℃の温度範囲で焼結してセラミックス基板とした場合においても、1.5kV−100Hzの交流電圧を印加した際のリーク電流値が500nA以下であり、あるいは、1MHzの交流電圧を印加した際の誘電損失が0.0001以下となるような窒化けい素セラミックス基板が得られる。また、この窒化けい素セラミックス基板は500MPa以上の曲げ強度と50W/m・K以上の高熱伝導率を達成することができる。
【0027】
また、微細な窒化けい素原料粉末に希土類酸化物、必要に応じてマグネシア(MgO)、Hfの化合物,Ti,Zr,W,Mo,Ta,Nb,V,Crの化合物を所定量ずつ添加した原料混合体を成形脱脂し、得られた成形体を焼結する途中で成形体を所定の加熱、雰囲気条件で保持して脱酸素処理(酸素濃度の低減化)を施した後に本焼結を実施し、前記焼結温度から、上記希土類元素により焼結時に形成された液相が凝固する温度までに至る焼結体の冷却速度を毎時100℃以下にして徐冷した場合に、高強度、高熱伝導率に加えて、特に電圧印加時に発生するリーク電流を抑制し得る高絶縁性を有する窒化けい素セラミックス基板が初めて得られることが判明した。
【0028】
本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。
【0029】
すなわち、本発明に係る窒化けい素セラミックス基板は、粒界相中の最大気孔径が0.3μm以下の窒化けい素焼結体から成り、温度25℃,湿度70%の条件下で上記窒化けい素焼結体の表裏間に1.5Kv−100Hzの交流電圧を印加したときの電流リーク値が1000nA以下であり、熱伝導率が50W/m・k以上、3点曲げ強度が500MPa以上であることを特徴とする。
【0030】
また、破壊靭性値が6.5MPa・m1/2以上であることが好ましい。
【0031】
さらに、前記窒化けい素セラミックス基板は、窒化けい素結晶および粒界相から成るとともに粒界相中における結晶化合物相の粒界相全体に対する割合が20%以上であることが好ましい。また前記窒化けい素セラミックス基板は、希土類元素を酸化物に換算して2.0〜17.5質量%含有することが好ましい。
【0032】
また、窒化けい素焼結体の厚さが1.5mm以下であることが好ましい。さらに、上記高熱伝導性窒化けい素焼結体の熱伝導率が90W/m・k以上であるように構成することも可能である。
【0033】
さらに、前記窒化けい素セラミックス基板は、MgをMgOに換算して0.3〜3.0質量%含有することが好ましい。
【0034】
さらに上記窒化けい素焼結体が、HfおよびMgの少なくとも一方を酸化物に換算して0.3〜3.0質量%含有するとともに、不純物陽イオン元素としてのAl,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bを合計で0.5質量%以下含有することが好ましい。
【0035】
また、前記窒化けい素セラミックス基板における残留炭素含有量が500ppm以下であることが好ましい。なお、本発明の窒化けい素セラミックス基板における残留炭素含有量(または残留炭素量)とは、該セラミックス基板中に残留する炭素単体の含有量を示すものであり、金属炭化物の含有量を含むものではない。
【0036】
また、上記セラミックス基板において、さらに、気孔率が容量比で2.5%以下であり、全酸素量が3.5質量%以下であることが好ましい。またTi,Zr,W,Mo,Ta,Nb,V,Crからなる群より選択される少なくとも1種を酸化物に換算して2質量%以下含有することが好ましい。
【0037】
さらに、本発明に係る窒化けい素セラミックス回路基板は、上記のように調製した窒化けい素セラミックス基板上に、金属回路板を設けたことを特徴とする。
【0038】
また本発明に係る窒化けい素セラミックス基板の製造方法は、窒化けい素粉末に、希土類元素を酸化物に換算して2〜17.5質量%添加した原料混合体を成形して成形体を調整し、得られた成形体を脱脂後、焼結する途中で温度1300〜1600℃で所定時間保持した後に、温度1700〜1900℃で焼結し、上記焼結温度から、上記希土類元素により焼結時に形成された液相が凝固する温度までに至る焼結体の冷却速度を毎時100℃以下にして徐冷することを特徴とする。
【0039】
また、窒化けい素粉末が、酸素を1.5質量%以下、不純物陽イオン元素としてのAl,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bを合計で0.5質量%以下、α相型窒化けい素を75〜97質量%以上含有し、平均粒径が1.0μm以下であることが好ましい。
【0040】
また上記製造方法において、窒化けい素粉末に、HfおよびMgの少なくとも一方を酸化物に換算して0.3〜3.0質量%添加することが好ましい。また、窒化けい素粉末に、Ti,Zr,W,Mo,Ta,Nb,V,Crからなる群より選択される少なくとも1種を酸化物に換算して2重量%以下添加することが好ましい。
【0041】
また、前記原料混合体を120MPa以上の成形圧力で成形して成形体を調製することが好ましい。さらに前記成形圧力が120〜200MPaの範囲であることが好ましい。また焼結後における前記焼結体の残留炭素量が500ppm以下であることが好ましい。
【0042】
上記製造方法によれば、温度25℃で湿度が70%の条件下で1.5kV−100Hzの交流電圧を印加した際のリーク電流値が1000nA以下であり、好適には全酸素量が3.5質量%以下であり、窒化けい素結晶組織中に希土類元素等を含む粒界相が形成され、その粒界相中の最大気孔径が0.3μm以下であり、気孔率が2.5%以下、熱伝導率が50W/m・K以上、三点曲げ強度が室温で500MPa以上であり、破壊靭性値が6.5MPa・m1/2以上の機械的特性および熱伝導特性が共に優れた窒化けい素セラミックス基板が得られる。
【0043】
上記リーク電流値は以下のように計測される。すなわち、窒化けい素セラミックス基板の表裏面間にそれぞれ金属電極を接合し、この電極間に1.5kV−100Hzの交流電圧を印加した際に金属電極間に流れるリーク電流の電流値をカーブトレーサ等を用いて計測することができる。
【0044】
上記リーク電流値が1000nAを超えると、基板自体の絶縁性が不十分であり、特に高出力化したり高集積・高容量化したパワーモジュール用のセラミックス基板材料としては不適になる。好ましくは500nA以下である。
【0045】
なお、このリーク電流値を特定するにあたり、本発明では測定条件を温度25℃、湿度70%に統一した。リーク電流値は温度や湿度によって多少変動する値であることから測定条件を特定した。また、本発明ではリーク電流値の測定条件を特定しただけであるから、本発明の性窒化けい素セラミックス基板をこの条件以外の条件下でも使用できることは言うまでもない。
【0046】
本発明方法において使用され、セラミックス基板を構成する焼結体の主成分となる窒化けい素粉末としては、焼結性、強度および熱伝導率を考慮して、酸素含有量が1.5質量%以下、好ましくは0.5〜1.2質量%、Al,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bなどの不純物陽イオン元素含有量が合計で0.5質量%以下、好ましくは0.3質量%以下に抑制されたα相型窒化けい素を75〜97質量%、好ましくは80〜95質量%含有し、平均粒径が1.0μm以下、好ましくは0.4〜0.8μm程度の微細な窒化けい素粉末を使用することが好ましい。
【0047】
なお、窒化けい素原料粉末としてはα相型のものとβ相型のものとが知られているが、α相型の窒化けい素原料粉末では焼結体とした場合に強度が不足し易い傾向がある一方、β相型の窒化けい素原料粉末では高温度焼成が必要であるが、アスペクト比が高く繊維状の窒化けい素が複雑に入り組んだ高強度の焼結体が得られる。したがって、本発明においてはα相型原料粉末を高温度で焼成して窒化けい素焼結体としては、β相型の焼結体とすることが好適である。
【0048】
本発明において、α相型窒化けい素粉末の配合量を75〜97質量%の範囲に限定した理由は、75質量%以上の範囲で焼結体の曲げ強度、熱伝導率および絶縁性が格段に向上し、窒化けい素の優れた特性が顕著となるためである。一方、焼結性を考慮すると、97質量%までの範囲とする。好ましくは80〜95質量%の範囲とすることが好ましい。
【0049】
窒化けい素の出発原料粉末としては、焼結性、曲げ強度、熱伝導率、絶縁性を考慮して、酸素含有率が1.5質量%以下,好ましくは0.5〜1.2質量%であり、α相型窒化けい素を90質量%以上含有し,平均粒径が1.0μm以下、好ましくは0.4〜0.8μm程度の微細な窒化けい素粉末を使用することが好ましい。
【0050】
平均粒径が1.0μm以下の微細な原料粉末を使用することにより、少量の焼結助剤であっても気孔率が2.5%以下の緻密な焼結体を形成することが可能であり、また焼結助剤が熱伝導特性を阻害するおそれも減少する。
【0051】
また本発明に係る窒化けい素セラミックス基板に含有される全酸素量は3.5質量%以下が好ましい。この基板の全酸素量が3.5質量%を超えると結晶粒界相中の最大気孔径が大きくなると共に、特に電流リーク値が大きくなり焼結体の絶縁性が低下する。好ましくは2.5質量%以下とする。
【0052】
さらに本発明に係る窒化けい素セラミックス基板の粒界相中の最大気孔径は0.3μm以下に規定される。この最大気孔径が0.3μmを超えると、特に電流リーク値が大きくなり焼結体の絶縁性が低下する。好ましくは0.2μm以下とする。
【0053】
またAl,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bの不純物陽イオン元素は熱伝導性を阻害する物質となるため、50W/m・K以上の熱伝導率を確保するためには、上記不純物陽イオン元素の含有量は合計で0.5質量%以下とすることにより達成可能である。特に同様の理由により、上記不純物陽イオン元素の含有量は合計で0.3質量%以下とすることが、さらに好ましい。ここで通常の窒化けい素焼結体を得るために使用される窒化けい素粉末には、特にFe,Alが比較的に多く含有されているため、Fe,Alの合計量が上記不純物陽イオン元素の合計含有量の目安となる。
【0054】
さらに、β相型と比較して焼結性に優れたα相型窒化けい素を90質量%以上含有する窒化けい素原料粉末を使用することにより、高密度の焼結体を製造することができる。
【0055】
また窒化けい素原料粉末に焼結助剤として添加する希土類元素としては、Y,Ho,Er,Yb,La,Sc,Pr,Ce,Nd,Dy,Sm,Gdなどの酸化物もしくは焼結操作により、これらの酸化物となる物質が単独で、または2種以上の酸化物を組み合せたものを含んでもよい。これらの焼結助剤は、窒化けい素原料粉末と反応して液相を生成し、焼結促進剤として機能する。
【0056】
上記焼結助剤の添加量は、酸化物換算で原料粉末に対して2.0〜17.5質量%の範囲とする。この添加量が2.0質量%未満の場合は、焼結体の緻密化あるいは高熱伝導化が不十分であり、特に希土類元素がランタノイド系元素のように原子量が大きい元素の場合には、比較的低強度で比較的に低熱伝導率の焼結体が形成される。一方、添加量が17.5質量%を超える過量となると、過量の粒界相が生成し、熱伝導率の低下や強度が低下し始めるので上記範囲とする。特に同様の理由により3〜15質量%とすることが望ましい。
【0057】
また本発明において選択的な添加成分として使用するマグネシウム(Mg)の酸化物(MgO)は、上記希土類元素の焼結促進剤の機能を促進し低温での緻密化を可能にすると共に、結晶組織において粒成長を制御する機能を果し、Si焼結体の機械的強度を向上させるものである。このMgOの添加量が酸化物換算で0.3質量%未満の場合においては添加効果が不十分である一方、3.0質量%を超える過量となる場合には熱伝導率の低下が起こるため、添加量は0.3〜3.0質量%の範囲とする。特に0.5〜2質量%とすることが望ましい。
【0058】
また、上記MgOと同様の効果を示す成分として、Hf化合物もある。Hf化合物としては、酸化物、炭化物、窒化物、珪化物、硼化物として添加され、MgOと併せて複合添加することにより、さらに焼結を促進し、かつガラス相をより効果的に低減できる。添加量については0.3〜3質量%、好ましくは1.0〜2.5質量%である。MgOとHf化合物は同様の効果を示すものであるから、MgOとHf化合物を両方添加することにより相乗的な効果を得ることも可能である。
【0059】
また本発明において他の選択的な添加成分として、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wを、酸化物,炭化物、窒化物、けい化物、硼化物として添加してもよい。これらの化合物は、上記希土類元素の焼結促進剤としての機能を促進すると共に、結晶組織において分散強化の機能を果しSi焼結体の機械的強度を向上させるものであり、特に、Ti,Moの化合物が好ましい。これらの化合物の添加量が酸化物換算で0.1質量%未満の場合においては添加効果が不十分である一方、2質量%を超える過量となる場合には熱伝導率および機械的強度や電気絶縁破壊強度の低下が起こるため、添加量は0.1〜2質量%の範囲とする。特に0.2〜1.0質量%とすることが望ましい。
【0060】
また上記Ti,Mo等の化合物は窒化けい素セラミックス基板を黒色系に着色し不透明性を付与する遮光剤としても機能する。そのため、特に光によって誤動作を生じ易い集積回路等を搭載するセラミックス回路基板を上記焼結体から製造する場合には、上記Ti等の化合物を適正に添加し、遮光性に優れた窒化けい素セラミックス基板とすることが望ましい。
【0061】
また焼結体の気孔率はリーク電流の発生量、熱伝導率および強度に大きく影響するため2.5%以下となるように製造する。気孔率が2.5%を超えると、リーク電流が急増するとともに熱伝導の妨げとなり、焼結体の絶縁性および熱伝導率が低下するとともに、焼結体の強度低下が起こる。
【0062】
また、窒化けい素セラミックス基板は組織的に窒化けい素結晶と粒界相とから構成されるが、粒界相中の結晶化合物相の割合は焼結体のリーク電流の発生量や熱伝導率に大きく影響し、本発明に係る基板を構成する焼結体においては粒界相の20%以上とすることが好ましく、より好ましくは50%以上が結晶相で占めることが望ましい。結晶相が20%未満では熱伝導率が50W/m・K以上となるような放熱特性に優れ、リーク電流が少なく、かつ機械的強度に優れた焼結体が得られないからである。特に、窒化けい素焼結体の窒化けい素結晶粒子自体は絶縁物であることから、粒界相の状態が窒化けい素焼結体のリーク電流値に大きく影響する。
【0063】
さらに上記のように窒化けい素焼結体の気孔率を2.5%以下にし、また窒化けい素結晶組織に形成される粒界相中の最大気孔径が0.3μm以下であり、熱伝導率が50W/m・K以上であり、全酸素量が3.5質量%以下で電流リーク値が1000nA以下となるような窒化けい素焼結体を得るためには、前記原料で調製した窒化けい素成形体を脱脂後、焼結する途中で温度1300〜1600℃で0.5〜3時間保持した後に、温度1700〜1900℃で2〜10時間程度、常圧焼結または加圧焼結し、かつ焼結操作完了直後における焼結体の冷却速度を毎時100℃以下にして徐冷することが重要である。加圧焼結法としては、雰囲気加圧焼結、ホットプレス、HIP処理など各種の加圧焼結法が用いられる。
【0064】
特に、焼結工程の途中において1300〜1600℃の温度で0.5〜3時間保持することにより生成する液相(結晶粒界相)中の酸素濃度を減少させ液相を高融点化し、液相の溶融時に生じる泡状の気孔の発生を抑制し、かつ最大気孔径を極微小化し、焼結体の電流リーク値を改善することが可能になる。この焼結途中における保持操作は、特に温度が1350〜1450℃の真空雰囲気で処理した場合に顕著な効果を発揮するが、温度が1500〜1600℃の窒素雰囲気中の処理でも同程度の効果が発揮される。
【0065】
また、焼結後に液相が凝固する温度までに至る焼結体の冷却速度を毎時100℃以下にして徐冷した場合に、液相中の酸素濃度の低減化がさらに促進されるので、電流リークを抑制し絶縁性を改善した焼結体が得られる。
【0066】
焼結温度を1700℃未満とした場合には、焼結体の緻密化が不十分で気孔率が2.5vol%以上になり絶縁性、機械的強度および熱伝導性が共に低下してしまう。一方焼結温度が1900℃を超えると窒化けい素成分自体が蒸発分解し易くなる。特に加圧焼結ではなく、常圧焼結を実施した場合には、1800℃付近より窒化けい素の分解蒸発が始まる。
【0067】
上記焼結操作完了直後における焼結体の冷却速度は粒界相を結晶化させるためにも重要な制御因子であり、冷却速度が毎時100℃を超えるような急速冷却を実施した場合には、焼結体組織の粒界相が非結晶質(ガラス相)となり、焼結体に生成した液相が結晶相として粒界相に占める割合が20%未満となり、リーク電流が増加する一方、特に熱伝導率のさらなる向上が見られない。
【0068】
上記冷却速度を厳密に調整すべき温度範囲は、所定の焼結温度(1700〜1900℃)から、前記の焼結助剤の反応によって生成する液相が凝固するまでの温度範囲で十分である。ちなみに前記のような焼結助剤を使用した場合の液相凝固点は概略1600〜1500℃程度である。そして少なくとも焼結温度から上記液相凝固温度に至るまでの焼結体の冷却速度を毎時100℃以下、好ましくは50℃以下、さらに好ましくは25℃以下に制御することにより、焼結体の全酸素量が3.5質量%以下となり、また最大気孔径が0.3μm以下となり、気孔率も2.5%以下となり、また粒界相の20%以上、特に好ましくは50%以上が結晶相になり、熱伝導率および機械的強度が共に優れ、リーク電流が少ない窒化けい素焼結体が得られる。
【0069】
なお、上記焼結体の冷却速度は遅い方が粒界相の結晶化に効果があるが、あまり遅すぎると製造時間が長くなるため製造性の観点から冷却速度の下限は毎時10℃以上が好ましい。
【0070】
なお、本発明で規定する「焼結体の全酸素量」とは、窒化けい素焼結体を構成している酸素の全量を質量%で示したものである。したがって、酸素が窒化けい素焼結体中に金属酸化物や酸窒化物等として存在している場合は、その金属酸化物(および酸窒化物)量ではなく、その金属酸化物(および酸窒化物)中の酸素量に着目したものである。
【0071】
本発明に係る窒化けい素セラミックス基板は、例えば以下のようなプロセスを経て製造される。すなわち前記所定の微細粒径を有し、また不純物含有量が少ない微細な窒化けい素粉末に対して所定量の焼結助剤、有機バインダ等の必要な添加剤および必要に応じてTi等の化合物を加えて原料混合体を調整し、次に得られた原料混合体を成形して所定形状の成形体を得る。原料混合体の成形法としては、汎用の金型プレス法、ドクターブレード法のようなシート成形法などが適用できる。
【0072】
上記金型プレス法で成形体を形成する場合において、特に焼結後においてリーク電流が発生し難い粒界相を形成するためには、原料混合体の成形圧力を120MPa以上に設定することが好ましい。この成形圧力が120MPa未満である場合には、主として粒界相を構成する成分となる希土類元素化合物が凝集した箇所が形成され易い上に、十分に緻密な成形体となり得ず、クラックの発生が多いセラミックス基板しか得られない。上記粒界相の凝集した箇所は電流が流れ易いため、リーク電流値を増加させてしまう。また圧密化が不十分な成形体を焼結しても、割れが発生し易く、基板の割れに起因するリーク電流が増加してしまう。一方、成形圧力を200MPaを超えるように過大にした場合、成形型の耐久性が低下してしまう。
【0073】
また、過度に成形圧力が高いと成形体が必要以上に硬くなり、成形体内部に生成した気泡(気孔)を製造工程中に外部に排出し難くなる。そのため、上記成形圧力は120〜200MPaの範囲が好ましい。
【0074】
一方、所定厚さの窒化けい素セラミックス基板を製造するに際して、焼結体を研磨加工して厚さを調整する場合には、研磨加工時に作用する衝撃力によって基板表面にクラックが発生し易い。そこで窒化けい素セラミックス基板の厚さが1.5mm以下になるように成形の段階で薄い成形体を形成し、焼結後における研磨加工を実施しない方法も、クラックの発生を防止する観点から有効である。また成形体を薄く形成することにより、焼結工程の途中において実施する保持操作によって酸素濃度をより効率的に低減し、気孔径を縮小化できる。
【0075】
具体的には、押出形成法やドクターブレード法を使用して薄いシート状成形体を調製し、このシート状成形体を脱脂焼結するだけで所定厚さの窒化けい素焼結体を形成してもよい。なお、この場合においても、シート状焼結体に付着した敷粉等を除去するために軽度のホーニング加工を実施してもよい。但し、クラックを発生するような衝撃力の高い研磨方法は採用しない方がよい。また、軽度のホーニング加工としては砥粒噴射圧力が0.5MPa以下の条件が挙げられる。
【0076】
上記成形操作に引き続いて、成形体を非酸化性雰囲気中で温度600〜800℃、または空気中で温度400〜500℃で1〜2時間加熱して、予め添加していた有機バインダ成分を十分に除去し、脱脂する。
【0077】
ここで、リーク電流が発生しにくい粒界相を形成するためには、成形体を形成する際に使用した有機バインダに起因する炭素の残存量が500ppm以下となるように、脱脂処理において炭素成分を十分に除去することが効果的である。
【0078】
一般に炭素は導電性を有しており、焼結後のセラミックス焼結体における残留炭素量が500ppmを超えるとリーク電流値が大きくなり易い。そのため、炭素成分は最初から含有させないことが理想ではあるが、現実には、原料混合体にある程度の有機物(有機バインダ)を配合しないと成形体の保形性や取扱い性が低下してしまう。そのため、その残留炭素量を低減するために上記脱脂工程が設けられている。
【0079】
しかしながら、成形体に特別な処理を施さない限り、完全に炭素成分を排除することは困難であり、さらに残留炭素は焼結時に窒化けい素や焼結助剤などの添加物と化合して安定な炭化物を形成してしまうことからも完全に排除することは困難である。しかしながら、焼結後のセラミックス基板における残留炭素量が500ppm以下となるように十分に脱脂処理することにより、前記リーク電流の発生を効果的に防止することができる。
【0080】
特に基板厚さが1mm以下、さらには0.7mm以下と薄い基板においては、残留炭素量が多いとリーク電流値に悪影響を与え易いので残留炭素量の制御を行うことが好ましい。
【0081】
次に脱脂処理された成形体を焼結する途中で焼成炉内を減圧し、温度1300〜1600℃で0.5〜3時間保持した後に、窒素ガス、水素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中で1700〜1900℃の温度で所定時間、常圧焼結または雰囲気加圧焼結を行う。
【0082】
上記製法によって製造された窒化けい素焼結体は全酸素量が3.5質量%以下で気孔率が2.5%以下、最大気孔径が0.3μm以下、50W/m・K(25℃)以上の熱伝導率を有し、また三点曲げ強度が常温で500MPa以上と機械的特性にも優れている。
【0083】
また、熱伝導率が90W/m・K以上である高熱伝導性窒化けい素焼結体を得ることもできる。
【0084】
また、上記のような成形方法によれば、成形体の段階から緻密であり、クラックの発生が少ない窒化けい素セラミックス基板が得られる。このように成形性や焼結性を改善した窒化けい素焼結体から成る基板表面には幅が1μm以上のマイクロクラックは全く発生せず、幅が1μm未満のサブミクロンクラックの発生量も大幅に低減できる。具体的には、単位面積10μm×10μmとしたときの基板表面組織に発生するサブミクロンクラック数は2個以下となる。
【0085】
本発明に係る窒化けい素セラミックス基板およびその製造方法によれば、焼結工程の途中で所定の保持操作を実施した後に本焼結を実施して形成されているため、焼結体の酸素濃度が減少し、気孔の発生が抑制されて最大気孔径を極微小化することが可能であり、リーク電流の発生が少ない絶縁性が高い窒化けい素セラミックス基板が得られる。
【0086】
また、原料混合体を120MPa以上の成形圧力で成形して成形体を調製することにより、基板に発生するクラックを大幅に低減することが可能であり、リーク電流の発生が少ない絶縁性が高い窒化けい素セラミックス基板が得られる。
【0087】
そのため、この窒化けい素セラミックス基板を使用してパワーモジュールを調製した場合には、高出力化および高容量化しても絶縁性および動作信頼性が高いパワーモジュールを形成することができる。
【0088】
上記窒化けい素セラミックス基板をパワーモジュールや回路基板に使用する場合は、セラミックス基板上に金属回路板を一体に接合して設けることになる。金属回路板としては、銅、アルミニウムまたはその合金(銅合金、Al合金)などの、電気伝導性が高い金属または合金を用いることが好ましい。金属回路板を設ける方法についても、直接接合法や活性金属法など様々な方法が適用可能である。
【0089】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を以下に示す実施例を参照して具体的に説明する。
【0090】
実施例1〜4
実施例1〜3として酸素量1.1質量%、不純物陽イオン元素としてAI,Li,Na,K、Fe、Ba,Mn,Bを合計で0.10質量%含有し、α相型窒化けい素97%を含む平均粒径0.55μmのSi(窒化けい素)原料粉末86質量%に、焼結助剤として平均粒径0.9μmのY(酸化イットリウム)粉末10質量%と、平均粒径0.5μmのMgO(酸化マグネシウム)粉末2質量%、平均粒径1.0μmのHfO(酸化ハフニウム)粉末2質量%を添加し、エチルアルコール中で粉砕媒体として窒化けい素製ボールを用いて96時間湿式混合したのち乾燥して原料混合体を調製した。
【0091】
次に得られた原料粉末混合体に有機バインダを所定量添加し調合造粒粉としたのち、130MPaの成形圧力でプレス成形し、成形体を多数製作した。次に得られた成形体を450℃の空気気流中において4時間脱脂したのち、常温から加熱し10−2Pa以下の真空雰囲気中にて温度1400℃で2時間にわたる途中保持操作を実施した後、0.7MPaの窒素ガス雰囲気中にて温度1825℃で6時間焼結した後に、1500℃まで温度降下するまでの冷却速度をそれぞれ100℃/hr(実施例1)、50℃/hr(実施例2)、25℃/hr(実施例3)となるように調整して焼結体を徐冷し、それぞれ実施例1〜3に係る窒化けい素セラミックス基板を調製した。なお、各基板のサイズは立て50mm×横40mm×厚さ0.9mmに統一した。
【0092】
また、実施例4として、焼結途中での保持操作を1×10Paの窒素ガス雰囲気中にて温度1600℃で2時間保持して実施した点以外は実施例1と同一条件で処理することにより実施例4に係る窒化けい素セラミックス基板を調製した。
【0093】
比較例1〜3
比較例1として成形圧力を90MPaとした点および真空雰囲気中で温度1400℃での途中保持操作を実施しない点以外は実施例1と同一条件で処理することにより比較例1に係る窒化けい素セラミックス基板を調製した。また、比較例2として成形圧力を90MPaとした点および焼結途中での保持操作を実施しない点、さらに焼結後の冷却速度を従来の炉冷による500℃/hrとした点以外は実施例1と同一条件で処理して比較例2に係る窒化けい素セラミックス基板を調製した。比較例3として酸素量が1.7質量%であり、前記不純物陽イオン元素含有量が合計で0.7質量%であり、α相型窒化けい素を91%含む平均粒径1.5μmのSi(窒化けい素)原料粉末を使用した点以外は実施例1と同一条件で処理することにより比較例3に係る窒化けい素セラミックス基板を調製した。
【0094】
こうして得られた実施例1〜4および比較例1〜3に係る各窒化けい素セラミックス基板について全酸素量、気孔率、粒界相中の最大気孔径、電流リーク値、熱伝導率、室温での3点曲げ強度、マイクロインデンテーション法における新原方式による破壊靭性値を測定して表1に示す結果を得た。
【0095】
なお、電流リーク値の測定は以下のように実施した。すなわち、板状に形成した各セラミックス基板の両面をダイヤモンド砥石で研削し、その厚さを0.6mmに設定した。そして温度25℃、湿度70%の条件に調整したチャンバー内において板状に形成した各基板の表裏面間に1.5Kv(100Hz)の交流電圧を印加した際に基板の表裏間に流れるリーク電流の値をカーブトレーサ測定装置にて計測した。
【0096】
また、気孔率はアルキメデス法、熱伝導率はレーザーフラッシュ法により計測した。粒界相中の最大気孔径は焼結体の断面の中から、単位面積100μm×100μmを任意の3個所を選択し、走査型電子顕微鏡写真(SEM)等の拡大写真により測定し、その中から最も大きな気孔径を計測した。なお、最大気孔径としては拡大写真中に示される最も長い対角線を採用した。
【0097】
また、窒化けい素セラミックス基板中の全酸素量の計測は、不活性ガス融解−赤外線吸収法に準ずる酸素分析計により測定した。
【0098】
また、三点曲げ強度については焼結体の片面をダイヤモンド砥石で研削し、その厚さを0.6mmに設定して、焼結上がり面を、そのまま三点曲げ強度試験における引張り面側に配置し、スパン(支点距離)を30mmとし、荷重の印加速度を0.5mm/minに設定した条件で測定した。各測定結果を下記表1に示す。
【0099】
【表1】
Figure 0003797905
【0100】
上記表1に示す結果から明らかなように各実施例に係る窒化けい素セラミックス基板においては、焼結工程途中で所定の保持操作を実施した後に本焼結を実施して形成されているため、基板の酸素濃度が減少し、気孔の発生が抑制されて最大気孔径が微小化されており、リーク電流の発生が少なく高熱伝導率を有する高強度の窒化けい素セラミックス基板が得られた。
【0101】
一方、焼結工程の途中での保持操作を実施しない比較例1,2においては、酸素の低減効果が少なく気孔の残存が多く、リーク電流値は増加した。
【0102】
また、比較例2のように焼結体の冷却速度を大きく設定し、急激に冷却した場合は粒界相において結晶相が占める割合が低下するとともに最大気孔径が大きくなり熱伝導率が低下した。さらに粒界相のガラス相の割合が相対的に大きくなるため、リーク電流値も高くなった。
【0103】
また、原料粉末中の酸素量が過大である比較例3においては、焼結途中の保持操作および徐冷を実施しても気孔率が大きく、また最大気孔径も大きくなるため、リーク電流値も大きく絶縁性が低下することが判明した。
【0104】
実施例5〜47
実施例5〜47として実施例1において使用した窒化けい素原料粉末と、Y粉末と、MgO粉末と、HfO粉末と、表2および表3に示すように平均粒径0.9〜1.0μmの各種希土類酸化物粉末の他に、平均粒径0.4〜0.5μmの各種化合物粉末を表2〜3に示す組成比となるように調合して原料混合体をそれぞれ調製した。
【0105】
次に得られた各原料混合体を実施例1と同一条件で成形脱脂処理した後、焼結途中において表2および表3に示す条件で保持操作を実施した後、本焼結を実施することにより、それぞれ実施例5〜47に係る窒化けい素セラミックス基板を製造した。また、実施例43,44,45として、実施例29,30,31においてそれぞれの基板の厚さを実施例1に示す条件で0.3mmに研削加工することにより、実施例43,44,45に係る窒化けい素セラミックス基板をそれぞれ製作した。
【0106】
比較例4〜9
一方比較例4〜9として表3に示すようにYを過少量に添加したもの(比較例4)、Erを過量に添加したもの(比較例5)、Hoを過量に添加したもの(比較例6)、MgOを過量に添加したもの(比較例7)、HfOを過量に添加したもの(比較例8)、TiOを過量に添加したもの(比較例9)の原料混合体をそれぞれ調製した。
【0107】
次に得られた各原料混合体を実施例5と同一条件で成形脱脂処理した後、表3に示す条件で焼結途中において保持操作を実施した後、本焼結することにより、それぞれ比較例4〜9に係る窒化けい素セラミックス基板を製造した。
【0108】
こうして製造した各実施例および比較例に係る各窒化けい素セラミックス基板について、実施例1と同一条件で全酸素量、気孔率、粒界相中の最大気孔径、電流リーク値、熱伝導率、室温での三点曲げ強度、破壊靭性値を測定して下記表2〜3に示す結果を得た。
【0109】
【表2】
Figure 0003797905
【0110】
【表3】
Figure 0003797905
【0111】
上記表2および表3に示す結果から明らかなように、所定量の希土類元素を含み、酸素量を規定した原料成形体の焼結工程の途中で所定条件で保持操作を実施するとともに、焼結後に徐冷して製造された各実施例に係るセラミックス基板においては、セラミックス基板の酸素濃度が減少し、気孔の発生が抑制されて最大気孔径が微小化されており、リーク電流の発生が少なく高熱伝導率を有する高強度の窒化けい素セラミックス基板が得られている。
【0112】
一方、比較例4〜9で示すように、希土類成分の添加量が本発明で規定する範囲外とした基板では、焼結途中での保持操作および焼結後の徐冷を実施しても、焼結体の全酸素量,気孔率,最大気孔径,熱伝導率,三点曲げ強度等のいずれかの特性において本発明で規定する特性要件が満たされていないことが確認できる。
【0113】
また、実施例10と組成が同一であり、焼結後の冷却速度を500℃/hr(自然冷却)に設定して作成した実施例46,47に係る窒化けい素セラミックス基板についても、本発明で規定する範囲のリーク電流値が得られている。しかしながら、実施例46,47においては徐冷で調製した実施例10の基板と比較して熱伝導率がやや劣ることが確認できた。
【0114】
さらに、実施例28と比較例2に係る窒化けい素セラミックス基板について、印加電圧を変えた場合のリーク電流値を測定して下記表4に示す結果を得た。なお、いずれの場合においても、周波数は100Hzに統一した。
【0115】
【表4】
Figure 0003797905
【0116】
上記表4に示す結果から明らかなように、印加電圧が0.1kV未満の場合にはリーク電流値に大きな差異は表われないが、印加電圧の上昇に伴ってその差異が大きくなる傾向が判明した。換言すると、本実施例に係る窒化けい素セラミックス基板は、0.1kV(100V)以上の比較的に大きな電圧を作用させる回路基板に有効であると言える。
【0117】
また上記実施例28および比較例2に係る窒化けい素セラミックス基板を使用して表5および図1〜図3に示す窒化けい素セラミックス回路基板1をそれぞれ調製した。この窒化けい素セラミックス回路基板1は、窒化けい素セラミックス基板2の表面側に一対の金属回路板3,3としての厚さ0.30mmのCu板を、その間隙Lが表5に示す値となるように接合する一方、基板2の背面側には裏金属板としての厚さ0.25mmの裏銅板を接合して形成した。
【0118】
なお、金属板の接合方法は表5に示す通り、活性金属法または直接接合法を用いた。活性金属法では、重量組成が70Ag−27Cu−3Tiであるろう材を使用して銅板を接合した。一方、直接接合法では、窒化けい素セラミックス基板表面を酸化して厚さ1μmの酸化膜を設けた後に銅板を接合した。
【0119】
さらに、上記のように調製した窒化けい素セラミックス回路基板に半導体素子を搭載して半導体モジュールを組み立てた。そして各半導体モジュールに動作電圧として0.02kVおよび1.5kVの電圧を印加して素子機能の良否を確認した。具体的には、上記の半導体モジュールを100組用意し、各半導体モジュールを組み込んだ電子機器を100時間連続稼動させた場合に全ての半導体素子が正常に機能したときには不具合無しとして「○」で評価する一方、正常に機能しなかった場合は、不具合有りとして「×」と評価した。評価結果を下記表5に示す。
【0120】
【表5】
Figure 0003797905
【0121】
上記表5に示す結果から明らかなように、各実施例に係る窒化けい素セラミックス回路基板によれば、金属回路板の間隙Lを0.1mmと狭くした場合においても素子機能は正常であり、何らの不具合を生じないことが確認できた。
【0122】
これに対して、各比較例の回路基板においては、印加電圧が小さいときには、いずれも動作は正常であるが、印加電圧が大きくなると、不具合が生じている。特に金属回路板の間隙が0.5mm以下の場合では動作不良などの不具合が生じ易いことが判明した。また金属回路板の間隙Lを2mmと大きくした比較例2〜4の場合でも、不具合が完全に解消できなかったため、「△」と評価した。
【0123】
このように表3および表4に示す結果から明らかなように、各実施例においてはセラミックス基板におけるリーク電流値を所定の値以下に制御しているため、印加電圧が0.1kV以上の比較的大きな電圧を印加する回路基板において、金属回路板の間隙Lを0.1〜0.5mm程度に設定することが可能となる。そのため、回路基板の高密度実装や小型化が容易になる。換言すると、本発明は印加電圧が0.1kV以上であり、金属回路板の間隙が0.1〜0.5mm程度と微細な回路構成を有する窒化けい素回路基板に特に有効であるといえる。
【0124】
次に原料混合体の成形圧力を変え、また炭素量を制御した場合における本発明の実施形態を以下に示す実施例を参照して具体的に説明する。
【0125】
実施例101〜149
酸素を1.3重量%以下、不純物陽イオン元素としてAl,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bを合計で0.10重量%以下含有し、α相型窒化けい素97%を含む平均粒径0.40μmの窒化けい素原料粉末に対して、表6〜表8に示すように焼結助剤として平均粒径0.7μmの希土類酸化物(Y,Er,Ho,Yb,Dy,Sm,Nd,Pr11,CeOの1種または2種以上)粉末,平均粒径0.5μmのMgO(酸化マグネシウム)粉末、さらには必要に応じHf化合物、Ti等の化合物を所定量添加し、エチルアルコール中で72時間湿式混合した後に乾燥して原料粉末混合体を調製した。
【0126】
次に得られた原料粉末混合体に有機バインダなどを所定量添加して均一に混合した後に、表6〜表8に示す成形圧力でプレス成形またはドクターブレード成形を行い、成形体を多数製作した。次に得られた成形体を脱脂した後に、この脱脂体を窒素ガス雰囲気中7.5気圧にて表6〜表8に示す焼結条件で緻密化焼結を実施した後に、焼結炉に付設した加熱装置への通電量を制御して焼結炉内温度が1500℃まで降下するまでの間における焼結体の冷却速度がそれぞれ表6〜表8に示す値となるように調整して焼結体を徐冷し、それぞれ各実施例に係る窒化けい素セラミックス基板を調製した。
【0127】
なお、各窒化けい素セラミックス基板の寸法は、長さ60mm×幅40mm×厚さ0.3〜0.8mmとし、必要に応じ、敷粉を除去するためにホーニング加工を施すものとする。なお、基板厚さは実施例101〜120が0.8mm、実施例121〜130が0.5mm、実施例131〜149が0.3mmである。
【0128】
比較例101
一方、原料混合体にMgOを添加せず、また緻密化焼結完了直後に、加熱装置電源をOFFにし、従来の、特別な制御を行わない炉冷(自然冷却)による冷却速度(約500℃/hr)で焼結体を冷却した点以外は実施例103と同一条件で焼結処理して比較例101に係る窒化けい素セラミックス基板を調製した。
【0129】
比較例102
酸素を1.5重量%、前記不純物陽イオン元素を合計で0.6重量%含有し、α相型窒化けい素93%を含む平均粒径0.60μmの窒化けい素原料粉末を用い、成形圧力を100MPaと低く設定した点以外は実施例103と同一条件で処理し、比較例102に係る窒化けい素セラミックス基板を調製した。
【0130】
比較例103
成形体の厚さを1.6mmと厚くし、焼結後に表面を研磨加工して各実施例と同一厚さに調整した点以外は実施例103と同一条件で処理し、比較例103に係る窒化けい素セラミックス基板を調製した。
【0131】
比較例104
焼結体中の残留炭素量を800ppmと本発明の好ましい範囲外とした点以外は実施例103と同一の条件で処理し、比較例104に係る窒化けい素セラミックス基板を調製した。
【0132】
こうして得た実施例101〜149および比較例101〜104に係る窒化けい素セラミックス基板について気孔率、熱伝導率(25℃)、室温での三点曲げ強度の平均値を測定した。さらに、各基板をX線回折法によって粒界相に占める結晶相の割合(面積比)を測定した。
【0133】
また、各窒化けい素セラミックス基板の残留炭素量をX線マイクロアナライザ(EPMA)で測定する一方、基板表面の任意の4箇所に1辺が10μmの正方状の測定領域を設定し、各領域において幅が1μm以上のマイクロクラックの発生の有無を顕微鏡写真によって確認するとともに、幅が1μm未満のサブミクロンクラックの発生数の最大値により求めた。
【0134】
さらに、各窒化けい素セラミックス基板の表裏面に金属回路板を接合し、カーブトレーサ測定装置を用いて表裏面の金属回路板に測定用電極を接触させ1.5kV−100Hzの交流電圧を印可したときのリーク電流値を測定した。なお表裏面の金属回路板の接合は、Ag−28wt%Cu−2wt%Tiペーストを使用して活性金属接合法により接続した。なお、金属回路板の接合においては他にAl−0.2〜15wt%Si合金板により直接接合したものを使用してもよい。
【0135】
上記リーク電流の測定においては、測定用電極を窒化けい素セラミックス基板の表裏面に直接接触させて測定することも可能であるが、測定中にテスター電極と基板表面の接触部にズレが生じ易いことから、本実施例においては金属回路板を接合してから測定を行った。なお、金属回路板は電気伝導性が良好であることから、これを接合した後に測定したとしても基板のリーク電流値に影響を与えるものではない。また両電極間に1MHzの高周波数の交流電圧を印加したときのそれぞれの誘電損失をインピーダンスアナライザを用いて計測し、下記表6〜表8に示す結果を得た。
【0136】
【表6】
Figure 0003797905
【0137】
【表7】
Figure 0003797905
【0138】
【表8】
Figure 0003797905
【0139】
表6〜表8に示す結果から明らかなように各実施例に係る窒化けい素セラミックス回路基板においては、比較例101と比較して緻密化焼結完了直後における焼結体の冷却速度を従来より低く設定しているため、粒界相に結晶相を含み、結晶相の占める割合が高い程、リーク電流の発生が少なく、高熱伝導率を有する放熱性の高い高強度基板が得られた。
【0140】
また、いずれの実施例においても1.5kVの高電圧を印加した際のリーク電流値は500nA以下であり、優れた絶縁特性を示している。さらに1MHzの高周波領域における誘電損失はいずれも0.0001以下であり、この基板を使用したパワーモジュールの大電力化および高容量化に際しても優れた信頼性を実現することができる。特に各実施例に係る基板において、1〜5MHzの高周波領域において、誘電損失が周波数にほぼ比例する関係であるため、基板の絶縁性や信頼性の向上がより顕著になる。
【0141】
さらに、所定量のMgを含有する各実施例においては、粒界相の結晶化が進行し易く、ガラス相の割合を相対的に低減できるため、クラックの発生が少なく、高強度で熱伝導度が向上した窒化けい素基板が得られている。
【0142】
また、窒化けい素セラミックス基板の残留炭素量を500ppm以下にするように、十分に脱脂操作を実施した各実施例に係る基板においてはリーク電流値も小さくなり、優れた耐電圧特性を示すことも確認できた。
【0143】
一方、比較例101のように焼結体の冷却速度を大きく設定し、急激に冷却した場合は粒界相において結晶相が占める割合が10%以下と少なく熱伝導率が低下した。さらに粒界相のガラス相の割合が相対的に大きくなるため、リーク電流値も高くなった。
【0144】
また、比較例102のように成形圧力を低くした場合は、クラックの発生量が多くリーク電流値も高く絶縁性が低くなる。また前記不純物陽イオン元素を合計量の0.6重量%と多く含有した窒化けい素粉末を用いた比較例102の場合は、焼結体の冷却速度を実施例101と同一にしても粒界相の大部分が非結晶質で形成され熱伝導率が相対的に低下した。
【0145】
さらに比較例103のように焼結して得た基板を研磨加工して所定の厚さに調整した場合は、研磨加工による衝撃力によって基板表面にクラックが発生し易くなり、リーク電流値が高く、基板の耐電圧特性が低下することが確認できた。
【0146】
なお、本発明に係る窒化けい素セラミックス基板を用いた回路基板は、実施例に示したような基板の両面に金属回路板を設けた形態に限定されるものではなく、表面のみに金属回路板を設けた形態、または表面に金属回路板を設ける一方、裏面にヒートシンクまたは反り防止のための金属板を設けた形態でも形成できることは言うまでもない。
【0147】
【発明の効果】
以上説明の通り、本発明に係る窒化けい素焼結体およびその製造方法によれば、焼結工程の途中で所定の保持操作を実施した後に本焼結を実施して形成されているため、焼結体の酸素濃度が減少し、気孔の発生が抑制されて最大気孔径を極微小化することが可能であり、リーク電流の発生が少ない絶縁性が高い窒化けい素焼結体が得られる。そのため、この窒化けい素焼結体をセラミックス基板として使用してパワーモジュールを調製した場合には、高出力化および高容量化しても絶縁性および動作信頼性が高いパワーモジュールを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る窒化けい素セラミックス基板を使用した窒化けい素セラミックス回路基板の構成を示す平面図。
【図2】図1に示す窒化けい素セラミックス回路基板の断面図。
【図3】図1に示す窒化けい素セラミックス回路基板の底面図。
【符号の説明】
1 窒化けい素セラミックス回路基板
2 窒化けい素セラミックス基板
3 金属回路板(銅板)
4 裏金属板(裏銅板)

Claims (18)

  1. 気孔率が容量比で2.5%以下であり、粒界相中の最大気孔径が0.3μm以下であり、厚さが0.3〜1.5mmである窒化けい素焼結体から成り、温度25℃,湿度70%の条件下で上記窒化けい素焼結体の表裏間に1.5Kv−100Hzの交流電圧を印加したときの電流リーク値が1000nA以下であり、熱伝導率が50W/m・k以上、3点曲げ強度が500MPa以上であることを特徴とする窒化けい素セラミックス基板。
  2. 破壊靭性値が6.5MPa・m1/2以上であることを特徴とする請求項1記載の窒化けい素セラミックス基板。
  3. 前記窒化けい素セラミックス基板は、窒化けい素結晶および粒界相から成るとともに粒界相中における結晶化合物相の粒界相全体に対する割合が20%以上であることを特徴とする請求項1記載の窒化けい素セラミックス基板。
  4. 前記窒化けい素セラミックス基板は、希土類元素を酸化物に換算して2.0〜17.5質量%含有することを特徴とする請求項1記載の窒化けい素セラミックス基板。
  5. 熱伝導率が90W/m・k以上であることを特徴とする請求項1記載の窒化けい素セラミックス基板。
  6. 前記窒化けい素セラミックス基板は、MgをMgOに換算して0.3〜3.0質量%含有することを特徴とする請求項1記載の窒化けい素セラミックス基板。
  7. HfおよびMgの少なくとも一方を酸化物に換算して0.3〜3.0質量%含有するとともに、不純物陽イオン元素としてのAl,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bを合計で0.5質量%以下含有することを特徴とする請求項1記載の窒化けい素セラミックス基板。
  8. 前記窒化けい素セラミックス基板における残留炭素含有量が500ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の窒化けい素セラミックス基板。
  9. 気孔率が容量比で2.5%以下であり、全酸素量が3.5質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の窒化けい素セラミックス基板。
  10. Ti,Zr,W,Mo,Ta,Nb,V,Crからなる群より選択される少なくとも1種を酸化物に換算して2質量%以下含有することを特徴とする請求項1記載の窒化けい素セラミックス基板。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の窒化けい素セラミックス基板上に、金属回路板を設けたことを特徴とする窒化けい素セラミックス回路基板。
  12. 窒化けい素粉末に、希土類元素を酸化物に換算して2〜17.5質量%添加した原料混合体を成形して成形体を調整し、得られた成形体を脱脂後、焼結する途中で温度1300〜1600℃で0.5〜3時間保持した後に、温度1700〜1900℃で焼結し、上記焼結温度から、上記希土類元素により焼結時に形成された液相が凝固する温度までに至る焼結体の冷却速度を毎時100℃以下にして徐冷することにより、焼結体の気孔率を容量比で2.5%以下にすることを特徴とする窒化けい素セラミックス基板の製造方法。
  13. 窒化けい素粉末が、酸素を1.5質量%以下、不純物陽イオン元素としてのAl,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bを合計で0.5質量%以下、α相型窒化けい素を75〜97質量%以上含有し、平均粒径が1.0μm以下であることを特徴とする請求項12記載の窒化けい素セラミックス基板の製造方法。
  14. 窒化けい素粉末に、HfおよびMgの少なくとも一方を酸化物に換算して0.3〜3.0質量%添加することを特徴とする請求項12記載の窒化けい素セラミックス基板の製造方法。
  15. 窒化けい素粉末に、Ti,Zr,W,Mo,Ta,Nb,V,Crからなる群より選択される少なくとも1種を酸化物に換算して2質量%以下添加することを特徴とする請求項12記載の窒化けい素セラミックス基板の製造方法。
  16. 前記原料混合体を120MPa以上の成形圧力で成形して成形体を調製することを特徴とする請求項12記載の窒化けい素セラミックス基板の製造方法。
  17. 前記成形圧力が120〜200MPaの範囲であることを特徴とする請求項16記載の窒化けい素セラミックス基板の製造方法。
  18. 焼結後における前記焼結体の残留炭素量が500ppm以下であることを特徴とする請求項12記載の窒化けい素セラミックス基板の製造方法。
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